JP3644241B2 - 組電池の充電制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組電池の充電制御装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図12は電気自動車等に用いられる組電池の出力可能パワー(曲線L10,L11)および入力可能パワー(曲線L20,L21)を定性的に示した図である、縦軸はパワー(kW)、横軸は電池のDOD(放電深度)を表す。ここで、曲線L10,L20は電池温度が常温の場合の特性を、曲線L11,L21は電池温度が低温の場合の特性をそれぞれ示しており、低温の場合には常温の場合に比べて出力および入力可能パワーが低下する。
【0003】
そこで、低温時に(a)放電を高パワーで行って自己発熱により低温電池の昇温を行う方法や、(b)電池専用のヒータを設けて昇温させる方法等が考えられるが、(a)の場合には、図12の曲線L11,L21のように出力および入力可能パワーが低下しているため充分な発熱が得られず、素早く電池温度が上昇しないという問題があった。また、(b)の場合には、電池専用のヒータを用意しなければならず、コストアップになるという欠点があった。
【0004】
本発明の目的は、電気自動車等に用いられる組電池の温度を速やかに昇温させることができる充電制御装置およびその制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明の実施の形態を示す図1,2および6に対応付けて説明する。
(1)請求項1の発明によれば、複数の単電池C1〜C4が直列に接続された組電池1の各単電池C1〜C4に並列に接続される抵抗R1〜R4と、単電池C1〜C4の電圧を検出する電圧検出手段24とを備え、各単電池C1〜C4の電圧Vcに基づいて単電池C1〜C4の充電電流を抵抗R1〜R4にバイパスし、各単電池C1〜C4の充電率が均一になるように制御する充電制御装置に適用され、回生充電時の回生パワーが組電池1の入力可能パワーより大きい場合に、充電電流が組電池1の両端子間をバイパスして各抵抗R1〜R4を流れるように制御する制御手段2,8と、抵抗R1〜R4に生じる熱エネルギーを利用して組電池1を加熱する加熱手段32,33とを設けたことにより上述の目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の充電制御装置において組電池1の温度を検出する温度検出手段7と、組電池1の充電容量を算出する演算手段8と、組電池1の温度毎の入力可能パワー情報が予め記憶される記憶装置9とを設け、制御手段2,8は、温度検出手段7により検出された温度に対応する入力可能パワー情報と演算手段8により算出される充電容量とに基づいて充電電流を制御する。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の充電制御装置の制御方法であって、回生充電時に組電池1を構成する各単電池C1〜C4間の単電池電圧Vcのばらつきが所定値(例えば、単電池C1〜C4の電圧の最大値Vcmaxと最小値VcminとのΔVcがばらつきの上限値ΔVmax)より大きくなった場合には、単電池電圧Vcに基づいて各単電池C1〜C4毎に充電電流をバイパスさせて各単電池C1〜C4の充電率が均一になるように充電電流を制御することにより上述の目的を達成する。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の制御方法において、組電池1の温度に応じて加熱手段32,33による加熱および加熱の停止を制御する。
【0006】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4の発明によれば、均等充電用の抵抗に充電電流をバイパスして抵抗に生じる熱エネルギーを利用して組電池を加温することにより、低温時に組電池の温度を速やかに昇温することができ、電池特性を向上を図ることができる。また、回生制動力の安定化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、回生充電時に均等充電を行うため、通常充電の際の均等充電の頻度を少なくすることができる。
請求項4の発明によれば、組電池の温度が高温になりすぎるのを防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明による充電制御装置の一実施の形態を説明する図であり、電気自動車の走行駆動機構の構成を示すブロック図である。1は複数の単セルC1〜Cnから構成される組電池であり、例えば、リチウムイオン電池等が用いられる。2は組電池1の各単セルC1〜Cnのセル電圧Vcの検出とともに各単セルC1〜Cnの充放電制御を行うセルコントローラである。組電池1はインバータ3に直流電力を供給し、インバータ3は直流電力を交流電力に変換してモータ4へ電力を供給する。また、回生時には車両の走行エネルギーがモータ4およびインバータ3を介して電気エネルギーに逆変換され、組電池1が充電されるとともに車両に回生ブレーキがかかる。組電池1の電圧V,電流Iおよび温度Tはそれぞれ電圧センサ5,電流センサ6,温度センサ7によって計測されバッテリコントローラ8へ送られる。バッテリコントローラ8は、電池の電圧V,電流I,温度Tおよびセルコントローラ2からのセル情報(セル電圧など)や記憶装置9に予め入力された制御データ等に基づいてインバータ3の出力制御や回生制御等を行なう。10は外気温度を計測するための温度センサである。
【0009】
実際には、組電池1を構成するn個の単セルC1〜Cnは複数個(例えば4個)の単セルから成るモジュール単位に管理され、各モジュール毎にセルコントローラが設けられるが、ここでは説明を簡単にするために、図1に示したように一つのセルコントローラ2で単セルC1〜Cnを制御するものとして説明する。図2はセルコントローラ2の詳細を示す図であり、セルコントローラ2はCPU21、ROM22、RAM23、A/Dコンバータ24、抵抗R1〜R4、スイッチSW1〜SW4,SW11〜SW13を備えている。A/Dコンバータ24は各単セルC1,C2の端子電圧Vcをデジタル信号に変換してCPU21へ送り、各セルの端子電圧Vc(以下では、セル電圧Vcと記す)はRAM23に記憶される。
【0010】
図2ではスイッチSW1〜SW4,SW11〜SW13は全てオフ状態にあり、組電池1は通常の回生充電で充電が行われる。ここでは、この状態を通常回生モードと呼ぶことにする。また、図3に示すようにスイッチSW1〜SW4をオンとし、かつ、スイッチSW11〜SW13をオフとした状態を制動モードと呼ぶ。制動モードでは回生電流の一部が抵抗R1〜R4にバイパスされ、熱エネルギーとして消費されることになる。さらに、図4のようにスイッチSW11〜SW13の全てをオンし、単セルC1〜C4の充電率に応じてスイッチSW1〜SW4をオン・オフ制御する場合を均等モードと呼ぶ。均等モードにおける充電は均等充電と呼ばれ、単セルC1〜C4の充電容量のバラツキを低減するように各単セルの充電が制御される。この均等モードにおけるバイパス回路は、均等充電可能に構成された従来のセルコントローラのバイパス回路(図5を参照)と実質的に同一となっている。すなわち、図2に示すセルコントローラ2は従来のセルコントローラ200にスイッチSW11〜SW13を追加したものである。
【0011】
均等充電では、単セルC1〜C4の各充電容量に応じて(例えば、単セルのセル電圧Vcと予め定められた設定電圧との差分に応じて)充電電流の一部を抵抗R1〜R4にバイパスさせ、各セル電圧が設定電圧と等しくなるように調整される。図4では、スイッチSW2,SW4がオンされて単セルC2,C4の充電電流がそれぞれ抵抗R2,R4にバイパスされる。均等充電の詳細については、例えば、特開平7−336905号公報に開示されている。
【0012】
図6は電気自動車30に搭載された組電池1を模式的に示したものであり、複数の単セルCで構成される組電池1はケース31内に納められている。ケース31は、組電池1が納められる電池室311,外気導入口312a,312bおよび排出口313を備えている。外気導入口312a部分にはヒータコア32が、排出口313部分にはブロアユニット33がそれぞれ配設される。ヒータコア32内には、図2に示した抵抗R1〜R4が設けられており、抵抗R1〜R4で発生する熱エネルギーが放出される。
【0013】
314aは、外気導入口312aから流入してヒータコア32を通過した空気を電池室311または配管315のいずれかへ切り換える切換機構であり、電池室311へ流れるような状態を開状態、配管315へ流れるような状態を閉状態と呼ぶ。また、314bは外気導入口312bから電池室311への外気流入をオン・オフする開閉機構である。図6のように切換機構314aを開状態にし、かつ、開閉機構314bを閉状態にすると、外気導入口312aから導入した外気はヒータコア32で暖められた後に電池室311内へ流入する。逆に、切換機構314aを閉状態にし、かつ、開閉機構314bを開状態にすると、ヒータコア32を通過した空気は配管315を通過した後、ブロアユニット33によって排出口313から外部に排出される。一方、導入口312bから導入された外気は電池室311内に流入し、空気は各単セルCの周囲を流れた後にブロアユニット33によって排出口313から外部に排出される。
【0014】
ところで、前述したように、組電池1の温度が低温のときには常温の時に比べて電池特性(出力可能パワーや入力可能パワーなど)が低下する。図7は回生パワーと組電池1の入力可能パワーとの関係を示す図であり、L20およびL21は図12に示した常温時および低温時の入力可能パワーである。Pは必要とする制動力(回生パワー)を表しており、ここでは15kWであるとして考える。図から分かるように、常温の場合にはDODがB%以上であれば入力可能パワーは15kW以上となり、回生パワーの全てを回生充電で消費することができる。しかし、低温時(L21)には入力可能パワーが低下するため、例えば、DOD=B%においては入力可能パワーが5kWなので、15kWの回生パワーの内の10kWは機械的なブレーキで消費することになる。すなわち、電池温度が低温のときには、回生パワーの一部を熱エネルギーの形で無駄に消費してしまうことになり、その分だけ回生ブレーキの能力が低下することにもなる。
【0015】
そこで、本実施の形態では、入力可能パワーを上回る部分の電力(上述した10kW)を利用して電池温度の昇温を図り、電池特性を回復させるようにした。昇温方法としては、図3,4に示す制動モードまたは均等モード時に、抵抗R1〜R4に電流をバイパスさせる制動モードで充電を行い、抵抗R1〜R4の発熱で電池1を暖めるようにする。このとき、入力可能パワーを上回る部分の電力が抵抗R1〜R4で熱エネルギーとして消費される。
【0016】
次いで、回生充電時の制御方法について説明する。本実施の形態では、電池容量,容量バラツキ,電池温度により▲1▼充電モードの制御(通常回生モード,均等モードおよび制動モードの制御)、▲2▼電池1の冷却加温制御(加温モードおよび冷却モードであってブロアユニット33のオンオフ制御も含む)をそれぞれ行う。
【0017】
まず、充電モード制御について説明する。図8は電池温度Tbが常温(T0)のときの入力可能パワーを示したものであり、Pmaxは回生充電時の最大回生パワーである。図8はTb=T0の場合のデータであるが、セルコントローラ2のROM22には種々の電池温度Tbに関して図8と同様のデータが記憶されている。図8において、組電池1の放電深度(DOD)AがA≧A0(A0は入力可能パワーとPmaxが等しくなる規定放電深度)である場合には
【数1】
(入力可能パワー)≧Pmax
となって組電池1は回生パワーの全てを受け入れることが可能となるため、充電制御モードを通常回生モードに設定して(図2参照)通常の回生充電を行う。
【0018】
一方、A<A0である場合には
【数2】
(入力可能パワー)<Pmax
となって組電池1は回生パワーの全てを受け入れることができなくなる。この場合には、組電池1の容量バラツキの程度によって均等モード(図4参照)または制動モード(図3参照)に設定する。例えば、組電池1を構成する単セルの内で最大のセル電圧Vcmaxと最小のセル電圧Vcminとの差ΔVcをバラツキの指標とした場合、ΔVc>ΔVmax(バラツキの上限値)となったならば均等モードに設定してバラツキΔVcがバラツキの目標値ΔVca(<ΔVmax)となるように均等充電を行い、ΔVc≦ΔVcmaxならば制動モードに設定する。なお、ΔVcmax,ΔVcaは予めROM22(図2)に記憶される。
【0019】
次に、図9,10を用いて冷却加温制御について説明する。図9は、横軸を電池1のDOD,縦軸を電池温度Tbとしたときの冷却モード,加温モードおよびブロアオフモードの領域を表したものである。図9において、T0は常温時の電池温度、T1およびT2は電池1の冷却・加温不要温度範囲の下限値および上限値であり、T3はT3<T1の条件を満たす電池温度である。なお、A1,A3はそれぞれ電池温度T1,T3に対応する規定放電深度である。電池温度がTb>T2の領域(冷却モード)では、図6に示す切換機構314aを閉状態に、開閉機構314bを開状態にして外気を外気導入口312aから電池室311に導入し、外気により電池1を冷却するとともに、ヒータコア32で暖められた空気を配管315へ分岐する。このとき、ブロアユニット33を駆動して電池室311内および配管315内の空気を強制的に排出口313から排出する。
【0020】
また、図9の加温モード領域では、ヒータコア32を発熱させ、すなわち、充電モードを均等モードまたは制動モードに設定し、切換機構314aを開状態に、開閉機構314bを閉状態にして外気導入口312aから電池室311に外気を導入する。その結果、ヒータコア32によって暖められた外気によって電池1が暖められる。この場合もブロアユニット33を駆動して電池室311内の空気を強制的に排出する。
【0021】
図10は電池温度T0,T1,T3に関する入力可能パワーを一つのグラフに表したものであり、この図を参照して図9の加温モードの領域について説明する。(1)電池温度T1の場合、(放電深度)<A1の範囲では均等モードまたは制動モードに設定され、抵抗R1〜R4(図3,4参照)のいずれかに電流がバイパスされてヒータコア32が発熱状態となる。この場合には、充電モードは加温モードに設定される。一方、(放電深度)≧A1の範囲では回生パワーの全てを受け入れることができるので、充電モードは通常回生モードに設定される。ただし、ブロアユニット33はオフとされる。
(2)電池温度TbがT3の場合にも同様に制御され、規定放電深度A3に関して(放電深度)<A3の範囲では均等モードまたは制動モードに、(放電深度)≧A3の範囲では通常回生モードに設定される。
【0022】
次に、図11に示すフローチャートを用いて回生充電時の制御を説明する。なお、この制御は図2のバッテリーコントローラ8により行われ、イグニッションキースイッチがオンになったならば図11のフローがスタートする。ステップS1は運転者によってアクセルが踏まれているか否かを、すなわちアクセルのオンオフを判定するステップであり、アクセルがオフの場合にのみステップS2へ進む。ステップS2では電池1の電池状態(容量、容量バラツキ、電池温度等)の確認を行う。すなわち、各単セルC1〜C4のセル電圧Vcおよび電池温度Tbを検出し、電池容量(例えば、放電深度DOD),容量バラツキΔVc等を算出する。
【0023】
ステップS3では電池1のDODが規定放電深度Ab(電池温度がTbのときの規定放電深度)以上か否かを判定し、(DOD)<Abの場合にはステップS4へ進み、(DOD)≧Abの場合にはステップS11に進んで充電モードを通常回生モードに設定した後ステップS6へ進む。ステップS4は容量バラツキΔVcがΔVc>ΔVmaxであるか否かを判定するステップであり、ΔVc>ΔVmaxの場合にはステップS5へ進んで充電モードを均等モードに設定し、ΔVc≦ΔVmaxの場合にはステップS12に進んで充電モードを制動モードに設定する。
【0024】
次いで、ステップS6で温度センサ10により外気温度Taを確認したならば、ステップS7へ進む。ステップS7は電池温度TbがTb<T1,T1≦Tb≦T2およびT2<Tbのいずれの条件を満足するかを判定し、Tb<T1の場合にはステップS9へ、T1≦Tb≦T2の場合にはステップS8へ、T2<Tbの場合にはステップS13へ進む。ステップS7においてステップS9へ進んだ場合には、規定放電深度Abが(DOD)≧Abを満足するか否かを判定し、(DOD)≧Abの場合にはステップS8へ進み、(DOD)<Abの場合にはステップS10へ進んで加温モードに設定すると共にブロアユニット33をオンにしてステップS8へ進む。ステップS7においてステップS13へ進んだ場合には、ステップS13で外気温度Taが電池温度Tbより大きいか否かを判定する。Ta>Tbの場合にはステップS8へ進み、Ta≦Tbの場合にはステップS14へ進んで冷却モードに設定すると共にブロアユニット33をオンにし、その後ステップS8へ進む。ステップS8はイグニッションキースイッチがオフされたか否かを判定するステップであり、オンの場合にはステップS1へ戻り、オフの場合には一連の動作を終了する。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態では、従来からセルコントローラに具備されている均等充電用の抵抗R1〜R4を用いることによって、回生充電時の組電池1の温度Tbが低温である場合には、抵抗R1〜R4の一部(均等モードの場合)または全て(制動モードの場合)に充電電流をバイパスしてそのときの熱エネルギーで組電池1を暖めるようにした。そのため、従来は回生できず機械的ブレーキで無駄に消費していたエネルギーを組電池1の昇温に利用できるとともに、組電池1の温度を速やかに昇温させることにより電池特性の向上を図ることができる。また、回生パワーを昇温に利用することによって回生ブレーキの制動力の安定化を図ることができる。
さらに、回生充電時に均等充電を行うことにより、通常の充電のときに行われる均等充電の頻度を少なくすることができ、充電時間の短縮をはかれる。
また、均等充電に用いる抵抗R1〜R4を利用しているため、組電池加温専用のヒータを必要としないため、昇温のためのコストアップを抑えることができる。なお、抵抗R1〜R4は均等充電のみを行う従来の場合より抵抗値の大きいものが用いられる。
【0026】
上述した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、温度センサ7は温度検出手段を、バテリコントローラ8は演算手段を、単セルC1〜C4は単電池を、ヒータコア32およびブロアユニット33は加熱手段を、A/Dコンバータ24は電圧検出手段をそれぞれ構成し、セルコントローラ2およびバッテリコントローラ8は請求項1および2の制御手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による充電制御装置の一実施の形態を説明する図であり、電気自動車の走行駆動機構の構成を示すブロック図である。
【図2】セルコントローラ2の詳細を示す図。
【図3】制動モード時のセルコントローラ2を示す図。
【図4】均等モード時のセルコントローラ2を示す図。
【図5】従来のセルコントローラを示す図。
【図6】電気自動車に登載された組電池を模式的に示す図。
【図7】回生パワーと組電池の入力可能パワーとの関係を示す図。
【図8】電池温度がT0のときの入力可能パワーを示す図。
【図9】電池温度と冷却モード,加温モード,ブロアオフモードの関係を示す図。
【図10】加温モード領域を説明する図。
【図11】回生充電時の制御を示すフローチャート。
【図12】組電池の出力可能パワーおよび入力可能パワーを示す図。
【符号の説明】
1 組電池
2 セルコントローラ
5 電圧センサ
6 電流センサ
7,10 温度センサ
8 バッテリコントローラ
9 記憶装置
C1〜Cn 単セル
R1〜R4 抵抗
SW1〜SW4,SW11〜SW13 スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、組電池の充電制御装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図12は電気自動車等に用いられる組電池の出力可能パワー(曲線L10,L11)および入力可能パワー(曲線L20,L21)を定性的に示した図である、縦軸はパワー(kW)、横軸は電池のDOD(放電深度)を表す。ここで、曲線L10,L20は電池温度が常温の場合の特性を、曲線L11,L21は電池温度が低温の場合の特性をそれぞれ示しており、低温の場合には常温の場合に比べて出力および入力可能パワーが低下する。
【0003】
そこで、低温時に(a)放電を高パワーで行って自己発熱により低温電池の昇温を行う方法や、(b)電池専用のヒータを設けて昇温させる方法等が考えられるが、(a)の場合には、図12の曲線L11,L21のように出力および入力可能パワーが低下しているため充分な発熱が得られず、素早く電池温度が上昇しないという問題があった。また、(b)の場合には、電池専用のヒータを用意しなければならず、コストアップになるという欠点があった。
【0004】
本発明の目的は、電気自動車等に用いられる組電池の温度を速やかに昇温させることができる充電制御装置およびその制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明の実施の形態を示す図1,2および6に対応付けて説明する。
(1)請求項1の発明によれば、複数の単電池C1〜C4が直列に接続された組電池1の各単電池C1〜C4に並列に接続される抵抗R1〜R4と、単電池C1〜C4の電圧を検出する電圧検出手段24とを備え、各単電池C1〜C4の電圧Vcに基づいて単電池C1〜C4の充電電流を抵抗R1〜R4にバイパスし、各単電池C1〜C4の充電率が均一になるように制御する充電制御装置に適用され、回生充電時の回生パワーが組電池1の入力可能パワーより大きい場合に、充電電流が組電池1の両端子間をバイパスして各抵抗R1〜R4を流れるように制御する制御手段2,8と、抵抗R1〜R4に生じる熱エネルギーを利用して組電池1を加熱する加熱手段32,33とを設けたことにより上述の目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の充電制御装置において組電池1の温度を検出する温度検出手段7と、組電池1の充電容量を算出する演算手段8と、組電池1の温度毎の入力可能パワー情報が予め記憶される記憶装置9とを設け、制御手段2,8は、温度検出手段7により検出された温度に対応する入力可能パワー情報と演算手段8により算出される充電容量とに基づいて充電電流を制御する。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の充電制御装置の制御方法であって、回生充電時に組電池1を構成する各単電池C1〜C4間の単電池電圧Vcのばらつきが所定値(例えば、単電池C1〜C4の電圧の最大値Vcmaxと最小値VcminとのΔVcがばらつきの上限値ΔVmax)より大きくなった場合には、単電池電圧Vcに基づいて各単電池C1〜C4毎に充電電流をバイパスさせて各単電池C1〜C4の充電率が均一になるように充電電流を制御することにより上述の目的を達成する。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の制御方法において、組電池1の温度に応じて加熱手段32,33による加熱および加熱の停止を制御する。
【0006】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4の発明によれば、均等充電用の抵抗に充電電流をバイパスして抵抗に生じる熱エネルギーを利用して組電池を加温することにより、低温時に組電池の温度を速やかに昇温することができ、電池特性を向上を図ることができる。また、回生制動力の安定化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、回生充電時に均等充電を行うため、通常充電の際の均等充電の頻度を少なくすることができる。
請求項4の発明によれば、組電池の温度が高温になりすぎるのを防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明による充電制御装置の一実施の形態を説明する図であり、電気自動車の走行駆動機構の構成を示すブロック図である。1は複数の単セルC1〜Cnから構成される組電池であり、例えば、リチウムイオン電池等が用いられる。2は組電池1の各単セルC1〜Cnのセル電圧Vcの検出とともに各単セルC1〜Cnの充放電制御を行うセルコントローラである。組電池1はインバータ3に直流電力を供給し、インバータ3は直流電力を交流電力に変換してモータ4へ電力を供給する。また、回生時には車両の走行エネルギーがモータ4およびインバータ3を介して電気エネルギーに逆変換され、組電池1が充電されるとともに車両に回生ブレーキがかかる。組電池1の電圧V,電流Iおよび温度Tはそれぞれ電圧センサ5,電流センサ6,温度センサ7によって計測されバッテリコントローラ8へ送られる。バッテリコントローラ8は、電池の電圧V,電流I,温度Tおよびセルコントローラ2からのセル情報(セル電圧など)や記憶装置9に予め入力された制御データ等に基づいてインバータ3の出力制御や回生制御等を行なう。10は外気温度を計測するための温度センサである。
【0009】
実際には、組電池1を構成するn個の単セルC1〜Cnは複数個(例えば4個)の単セルから成るモジュール単位に管理され、各モジュール毎にセルコントローラが設けられるが、ここでは説明を簡単にするために、図1に示したように一つのセルコントローラ2で単セルC1〜Cnを制御するものとして説明する。図2はセルコントローラ2の詳細を示す図であり、セルコントローラ2はCPU21、ROM22、RAM23、A/Dコンバータ24、抵抗R1〜R4、スイッチSW1〜SW4,SW11〜SW13を備えている。A/Dコンバータ24は各単セルC1,C2の端子電圧Vcをデジタル信号に変換してCPU21へ送り、各セルの端子電圧Vc(以下では、セル電圧Vcと記す)はRAM23に記憶される。
【0010】
図2ではスイッチSW1〜SW4,SW11〜SW13は全てオフ状態にあり、組電池1は通常の回生充電で充電が行われる。ここでは、この状態を通常回生モードと呼ぶことにする。また、図3に示すようにスイッチSW1〜SW4をオンとし、かつ、スイッチSW11〜SW13をオフとした状態を制動モードと呼ぶ。制動モードでは回生電流の一部が抵抗R1〜R4にバイパスされ、熱エネルギーとして消費されることになる。さらに、図4のようにスイッチSW11〜SW13の全てをオンし、単セルC1〜C4の充電率に応じてスイッチSW1〜SW4をオン・オフ制御する場合を均等モードと呼ぶ。均等モードにおける充電は均等充電と呼ばれ、単セルC1〜C4の充電容量のバラツキを低減するように各単セルの充電が制御される。この均等モードにおけるバイパス回路は、均等充電可能に構成された従来のセルコントローラのバイパス回路(図5を参照)と実質的に同一となっている。すなわち、図2に示すセルコントローラ2は従来のセルコントローラ200にスイッチSW11〜SW13を追加したものである。
【0011】
均等充電では、単セルC1〜C4の各充電容量に応じて(例えば、単セルのセル電圧Vcと予め定められた設定電圧との差分に応じて)充電電流の一部を抵抗R1〜R4にバイパスさせ、各セル電圧が設定電圧と等しくなるように調整される。図4では、スイッチSW2,SW4がオンされて単セルC2,C4の充電電流がそれぞれ抵抗R2,R4にバイパスされる。均等充電の詳細については、例えば、特開平7−336905号公報に開示されている。
【0012】
図6は電気自動車30に搭載された組電池1を模式的に示したものであり、複数の単セルCで構成される組電池1はケース31内に納められている。ケース31は、組電池1が納められる電池室311,外気導入口312a,312bおよび排出口313を備えている。外気導入口312a部分にはヒータコア32が、排出口313部分にはブロアユニット33がそれぞれ配設される。ヒータコア32内には、図2に示した抵抗R1〜R4が設けられており、抵抗R1〜R4で発生する熱エネルギーが放出される。
【0013】
314aは、外気導入口312aから流入してヒータコア32を通過した空気を電池室311または配管315のいずれかへ切り換える切換機構であり、電池室311へ流れるような状態を開状態、配管315へ流れるような状態を閉状態と呼ぶ。また、314bは外気導入口312bから電池室311への外気流入をオン・オフする開閉機構である。図6のように切換機構314aを開状態にし、かつ、開閉機構314bを閉状態にすると、外気導入口312aから導入した外気はヒータコア32で暖められた後に電池室311内へ流入する。逆に、切換機構314aを閉状態にし、かつ、開閉機構314bを開状態にすると、ヒータコア32を通過した空気は配管315を通過した後、ブロアユニット33によって排出口313から外部に排出される。一方、導入口312bから導入された外気は電池室311内に流入し、空気は各単セルCの周囲を流れた後にブロアユニット33によって排出口313から外部に排出される。
【0014】
ところで、前述したように、組電池1の温度が低温のときには常温の時に比べて電池特性(出力可能パワーや入力可能パワーなど)が低下する。図7は回生パワーと組電池1の入力可能パワーとの関係を示す図であり、L20およびL21は図12に示した常温時および低温時の入力可能パワーである。Pは必要とする制動力(回生パワー)を表しており、ここでは15kWであるとして考える。図から分かるように、常温の場合にはDODがB%以上であれば入力可能パワーは15kW以上となり、回生パワーの全てを回生充電で消費することができる。しかし、低温時(L21)には入力可能パワーが低下するため、例えば、DOD=B%においては入力可能パワーが5kWなので、15kWの回生パワーの内の10kWは機械的なブレーキで消費することになる。すなわち、電池温度が低温のときには、回生パワーの一部を熱エネルギーの形で無駄に消費してしまうことになり、その分だけ回生ブレーキの能力が低下することにもなる。
【0015】
そこで、本実施の形態では、入力可能パワーを上回る部分の電力(上述した10kW)を利用して電池温度の昇温を図り、電池特性を回復させるようにした。昇温方法としては、図3,4に示す制動モードまたは均等モード時に、抵抗R1〜R4に電流をバイパスさせる制動モードで充電を行い、抵抗R1〜R4の発熱で電池1を暖めるようにする。このとき、入力可能パワーを上回る部分の電力が抵抗R1〜R4で熱エネルギーとして消費される。
【0016】
次いで、回生充電時の制御方法について説明する。本実施の形態では、電池容量,容量バラツキ,電池温度により▲1▼充電モードの制御(通常回生モード,均等モードおよび制動モードの制御)、▲2▼電池1の冷却加温制御(加温モードおよび冷却モードであってブロアユニット33のオンオフ制御も含む)をそれぞれ行う。
【0017】
まず、充電モード制御について説明する。図8は電池温度Tbが常温(T0)のときの入力可能パワーを示したものであり、Pmaxは回生充電時の最大回生パワーである。図8はTb=T0の場合のデータであるが、セルコントローラ2のROM22には種々の電池温度Tbに関して図8と同様のデータが記憶されている。図8において、組電池1の放電深度(DOD)AがA≧A0(A0は入力可能パワーとPmaxが等しくなる規定放電深度)である場合には
【数1】
(入力可能パワー)≧Pmax
となって組電池1は回生パワーの全てを受け入れることが可能となるため、充電制御モードを通常回生モードに設定して(図2参照)通常の回生充電を行う。
【0018】
一方、A<A0である場合には
【数2】
(入力可能パワー)<Pmax
となって組電池1は回生パワーの全てを受け入れることができなくなる。この場合には、組電池1の容量バラツキの程度によって均等モード(図4参照)または制動モード(図3参照)に設定する。例えば、組電池1を構成する単セルの内で最大のセル電圧Vcmaxと最小のセル電圧Vcminとの差ΔVcをバラツキの指標とした場合、ΔVc>ΔVmax(バラツキの上限値)となったならば均等モードに設定してバラツキΔVcがバラツキの目標値ΔVca(<ΔVmax)となるように均等充電を行い、ΔVc≦ΔVcmaxならば制動モードに設定する。なお、ΔVcmax,ΔVcaは予めROM22(図2)に記憶される。
【0019】
次に、図9,10を用いて冷却加温制御について説明する。図9は、横軸を電池1のDOD,縦軸を電池温度Tbとしたときの冷却モード,加温モードおよびブロアオフモードの領域を表したものである。図9において、T0は常温時の電池温度、T1およびT2は電池1の冷却・加温不要温度範囲の下限値および上限値であり、T3はT3<T1の条件を満たす電池温度である。なお、A1,A3はそれぞれ電池温度T1,T3に対応する規定放電深度である。電池温度がTb>T2の領域(冷却モード)では、図6に示す切換機構314aを閉状態に、開閉機構314bを開状態にして外気を外気導入口312aから電池室311に導入し、外気により電池1を冷却するとともに、ヒータコア32で暖められた空気を配管315へ分岐する。このとき、ブロアユニット33を駆動して電池室311内および配管315内の空気を強制的に排出口313から排出する。
【0020】
また、図9の加温モード領域では、ヒータコア32を発熱させ、すなわち、充電モードを均等モードまたは制動モードに設定し、切換機構314aを開状態に、開閉機構314bを閉状態にして外気導入口312aから電池室311に外気を導入する。その結果、ヒータコア32によって暖められた外気によって電池1が暖められる。この場合もブロアユニット33を駆動して電池室311内の空気を強制的に排出する。
【0021】
図10は電池温度T0,T1,T3に関する入力可能パワーを一つのグラフに表したものであり、この図を参照して図9の加温モードの領域について説明する。(1)電池温度T1の場合、(放電深度)<A1の範囲では均等モードまたは制動モードに設定され、抵抗R1〜R4(図3,4参照)のいずれかに電流がバイパスされてヒータコア32が発熱状態となる。この場合には、充電モードは加温モードに設定される。一方、(放電深度)≧A1の範囲では回生パワーの全てを受け入れることができるので、充電モードは通常回生モードに設定される。ただし、ブロアユニット33はオフとされる。
(2)電池温度TbがT3の場合にも同様に制御され、規定放電深度A3に関して(放電深度)<A3の範囲では均等モードまたは制動モードに、(放電深度)≧A3の範囲では通常回生モードに設定される。
【0022】
次に、図11に示すフローチャートを用いて回生充電時の制御を説明する。なお、この制御は図2のバッテリーコントローラ8により行われ、イグニッションキースイッチがオンになったならば図11のフローがスタートする。ステップS1は運転者によってアクセルが踏まれているか否かを、すなわちアクセルのオンオフを判定するステップであり、アクセルがオフの場合にのみステップS2へ進む。ステップS2では電池1の電池状態(容量、容量バラツキ、電池温度等)の確認を行う。すなわち、各単セルC1〜C4のセル電圧Vcおよび電池温度Tbを検出し、電池容量(例えば、放電深度DOD),容量バラツキΔVc等を算出する。
【0023】
ステップS3では電池1のDODが規定放電深度Ab(電池温度がTbのときの規定放電深度)以上か否かを判定し、(DOD)<Abの場合にはステップS4へ進み、(DOD)≧Abの場合にはステップS11に進んで充電モードを通常回生モードに設定した後ステップS6へ進む。ステップS4は容量バラツキΔVcがΔVc>ΔVmaxであるか否かを判定するステップであり、ΔVc>ΔVmaxの場合にはステップS5へ進んで充電モードを均等モードに設定し、ΔVc≦ΔVmaxの場合にはステップS12に進んで充電モードを制動モードに設定する。
【0024】
次いで、ステップS6で温度センサ10により外気温度Taを確認したならば、ステップS7へ進む。ステップS7は電池温度TbがTb<T1,T1≦Tb≦T2およびT2<Tbのいずれの条件を満足するかを判定し、Tb<T1の場合にはステップS9へ、T1≦Tb≦T2の場合にはステップS8へ、T2<Tbの場合にはステップS13へ進む。ステップS7においてステップS9へ進んだ場合には、規定放電深度Abが(DOD)≧Abを満足するか否かを判定し、(DOD)≧Abの場合にはステップS8へ進み、(DOD)<Abの場合にはステップS10へ進んで加温モードに設定すると共にブロアユニット33をオンにしてステップS8へ進む。ステップS7においてステップS13へ進んだ場合には、ステップS13で外気温度Taが電池温度Tbより大きいか否かを判定する。Ta>Tbの場合にはステップS8へ進み、Ta≦Tbの場合にはステップS14へ進んで冷却モードに設定すると共にブロアユニット33をオンにし、その後ステップS8へ進む。ステップS8はイグニッションキースイッチがオフされたか否かを判定するステップであり、オンの場合にはステップS1へ戻り、オフの場合には一連の動作を終了する。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態では、従来からセルコントローラに具備されている均等充電用の抵抗R1〜R4を用いることによって、回生充電時の組電池1の温度Tbが低温である場合には、抵抗R1〜R4の一部(均等モードの場合)または全て(制動モードの場合)に充電電流をバイパスしてそのときの熱エネルギーで組電池1を暖めるようにした。そのため、従来は回生できず機械的ブレーキで無駄に消費していたエネルギーを組電池1の昇温に利用できるとともに、組電池1の温度を速やかに昇温させることにより電池特性の向上を図ることができる。また、回生パワーを昇温に利用することによって回生ブレーキの制動力の安定化を図ることができる。
さらに、回生充電時に均等充電を行うことにより、通常の充電のときに行われる均等充電の頻度を少なくすることができ、充電時間の短縮をはかれる。
また、均等充電に用いる抵抗R1〜R4を利用しているため、組電池加温専用のヒータを必要としないため、昇温のためのコストアップを抑えることができる。なお、抵抗R1〜R4は均等充電のみを行う従来の場合より抵抗値の大きいものが用いられる。
【0026】
上述した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、温度センサ7は温度検出手段を、バテリコントローラ8は演算手段を、単セルC1〜C4は単電池を、ヒータコア32およびブロアユニット33は加熱手段を、A/Dコンバータ24は電圧検出手段をそれぞれ構成し、セルコントローラ2およびバッテリコントローラ8は請求項1および2の制御手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による充電制御装置の一実施の形態を説明する図であり、電気自動車の走行駆動機構の構成を示すブロック図である。
【図2】セルコントローラ2の詳細を示す図。
【図3】制動モード時のセルコントローラ2を示す図。
【図4】均等モード時のセルコントローラ2を示す図。
【図5】従来のセルコントローラを示す図。
【図6】電気自動車に登載された組電池を模式的に示す図。
【図7】回生パワーと組電池の入力可能パワーとの関係を示す図。
【図8】電池温度がT0のときの入力可能パワーを示す図。
【図9】電池温度と冷却モード,加温モード,ブロアオフモードの関係を示す図。
【図10】加温モード領域を説明する図。
【図11】回生充電時の制御を示すフローチャート。
【図12】組電池の出力可能パワーおよび入力可能パワーを示す図。
【符号の説明】
1 組電池
2 セルコントローラ
5 電圧センサ
6 電流センサ
7,10 温度センサ
8 バッテリコントローラ
9 記憶装置
C1〜Cn 単セル
R1〜R4 抵抗
SW1〜SW4,SW11〜SW13 スイッチ
Claims (4)
- 複数の単電池が直列に接続された組電池の前記各単電池に並列に接続される抵抗と、前記単電池の電圧を検出する電圧検出手段とを備え、前記各単電池の電圧に基づいて前記単電池の充電電流を前記抵抗にバイパスし、各単電池の充電率が均一になるように制御する充電制御装置において、
回生充電時の回生パワーが前記組電池の入力可能パワーより大きい場合に、充電電流が前記組電池の両端子間をバイパスして前記各抵抗を流れるように制御する制御手段と、
前記抵抗に生じる熱エネルギーを利用して前記組電池を加熱する加熱手段とを設けたことを特徴とする充電制御装置。 - 請求項1に記載の充電制御装置において、
前記組電池の温度を検出する温度検出手段と、
前記組電池の充電容量を算出する演算手段と、
前記組電池の温度毎の入力可能パワー情報が予め記憶される記憶装置とを設け、
前記制御手段は、前記温度検出手段により検出された温度に対応する入力可能パワー情報と前記演算手段により算出される充電容量とに基づいて前記充電電流を制御することを特徴とする充電制御装置。 - 請求項1または2に記載の充電制御装置の制御方法であって、
回生充電時に前記組電池を構成する各単電池間の単電池電圧のばらつきが所定値より大きくなった場合には、単電池電圧に基づいて各単電池毎に充電電流をバイパスさせて各単電池の充電率が均一になるように前記充電電流を制御することを特徴とする制御方法。 - 請求項3に記載の制御方法において、
前記組電池の温度に応じて前記加熱手段による加熱および加熱の停止を制御するようにしたことを特徴とする制御方法。
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