JP7434903B2 - 温度調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、温度調整装置に関し、特に、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリを温度調整対象として、当該バッテリに対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能な温度調整装置に関する。
バッテリによって走行モータを駆動するHEV(Hybrid Electric Vehicle)又はBEV(Battery Electric Vehicle)等の車両においては、バッテリの入出力特性の向上と長寿命化とを図るべく、バッテリの温度を所定の範囲に保つ必要がある。
バッテリを対象とする温度調整方法としては、(1)バッテリの表面に沿って冷却水を循環させる方法、又は、(2)ペルチェ素子等の熱電変換素子を用いた冷却ユニットによってバッテリを冷却する方法等が知られている。
しかし、上記(1)の方法では、冷却水の流路の上流域で生じる熱交換によって冷却水の温度が上昇するため、下流域においてバッテリを十分に冷却できない。また、上記(2)の方法では、バッテリを均一に冷却することはできるが、ペルチェ素子は高価であるため、コストが上昇する。
そこで、ペルチェ素子を用いる方法よりは低コストで、バッテリの均一な温度調整を実現する方法として、相変化材等の蓄熱材を用いてバッテリの温度調整を行う方法が提案されている。例えば下記特許文献1には、複数層に積層された組電池の層間に、組電池と略同面積のブロック状の畜冷材がそれぞれ配置された、組電池の冷却構造が開示されている。
特開2013-229205号公報
しかし、上記特許文献1に開示された組電池の冷却構造によると、比較的高価な相変化材を大量に使用する必要があるため、依然としてコストが高い。
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能な温度調整装置を得ることを目的とする。
本発明の一態様に係る温度調整装置は、温度調整対象物の温度を調整する温度調整装置であって、固相と液相との間で相変化し、マイクロカプセル化された相変化材料が所定の濃度で溶媒に混入された相変化材と、前記温度調整対象物に接触し、前記相変化材が封入される流路と、前記流路内で前記相変化材を循環させるポンプと、前記溶媒に混入された前記相変化材料のうち、前記流路外における相変化材料の貯留量を調整することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を調整する濃度調整手段と、前記相変化材に要求する温度調整可能量に応じて、前記流路内における前記相変化材の濃度を調整させるよう前記濃度調整手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
この態様によれば、潜熱蓄熱作用を有する相変化材との熱交換によって温度調整対象物の温度が調整されるため、温度調整対象物に対して均一な温度調整を実現できる。また、制御手段は、相変化材に要求する温度調整可能量に応じて、相変化材の濃度を調整させるよう濃度調整手段を制御する。従って、相変化材の流速を上げることによって温度調整可能量を上げる場合と比較すると、相変化材を循環させるポンプの出力を上げる必要がないため、ポンプによる電力消費量を削減できる。その結果、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能となる。
また、上記態様において、前記温度調整対象物は、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリである。
この態様によれば、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリの温度を所定の範囲に保つことができるため、当該バッテリの入出力特性の向上と長寿命化とを図ることができる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記相変化材の現在の濃度に対応する温度調整可能量よりも大きい温度調整可能量を前記相変化材に要求する場合に、前記相変化材の濃度を高くさせるよう前記濃度調整手段を制御することが望ましい。
この態様によれば、制御手段は、相変化材の現在の濃度に対応する温度調整可能量よりも大きい温度調整可能量を相変化材に要求する場合に、相変化材の濃度を高くさせるよう濃度調整手段を制御する。従って、車両の外気温が相変化材の相変化温度より高い場合、又は、車両の外気温が相変化材の相変化温度以下であるがその差がわずかである場合等、外気によっては相変化材を十分に冷却できない場合に、相変化材の濃度を高くすることによって、相変化材の温度調整可能量を大きくできる。その結果、相変化材によってバッテリを十分に冷却することが可能となる。また、相変化材の現在の濃度に対応する温度調整可能量で十分な場合には、相変化材の濃度を低濃度の初期状態に保つことによって、温度調整対象物の温度を応答性良く制御することが可能となる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記相変化材の濃度を高くさせるよう前記濃度調整手段を制御した場合には、前記走行モータの駆動が停止された後に、前記相変化材の濃度を低くさせるよう前記濃度調整手段を制御することが望ましい。
この態様によれば、制御手段は、相変化材の濃度を高くさせるよう濃度調整手段を制御した場合には、走行モータの駆動が停止された後に、相変化材の濃度を低くさせるよう濃度調整手段を制御する。従って、走行モータが次回に駆動される時には、相変化材は低濃度の初期状態に回復されているため、相変化材の濃度が高いことに起因する熱伝導率の低下を回避でき、その結果、温度調整の応答性を高めることができる。
また、上記態様において、前記濃度調整手段は、前記流路内を流れる前記相変化材に含まれる相変化材料を、前記相変化材料を捕捉可能かつ前記溶媒を通過可能なフィルタによって捕捉して前記流路外に貯留することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を低くする第1経路と、前記フィルタによって捕捉され前記流路外に貯留された前記相変化材料を前記流路内に解放することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を高くする第2経路と、前記第1経路及び前記第2経路を迂回することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を維持する第3経路と、前記第1経路、前記第2経路、及び前記第3経路を切り替える弁と、を含む濃度調整器を有することが望ましい。
この態様によれば、相変化材の濃度調整を、弁を用いた経路の切り替えという簡易な構成によって実現することができる。
また、上記態様において、前記相変化材は、第1粒径の第1相変化材料と、第1粒径よりも小さい第2粒径の第2相変化材料とを含み、前記濃度調整手段は、前記流路内を流れる前記相変化材に含まれる前記第1相変化材料を、前記第1相変化材料を捕捉可能かつ前記溶媒及び前記第2相変化材料を通過可能な第1フィルタによって捕捉することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を低くする第1経路と、前記第1フィルタによって捕捉され前記流路外に貯留された前記第1相変化材料を前記流路内に解放することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を高くする第2経路と、前記第1経路及び前記第2経路を迂回することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を維持する第3経路と、前記第1経路、前記第2経路、及び前記第3経路を切り替える第1弁と、を含む第1濃度調整器を有することが望ましい。
この態様によれば、相変化材の濃度調整を、弁を用いた経路の切り替えという簡易な構成によって実現することができる。しかも、粒径が比較的大きく低粘度の第1相変化材料の増減によって相変化材の濃度が調整されるため、相変化材の濃度を高めたことに起因する熱伝導率の低下を、抑制することができる。
また、上記態様において、前記濃度調整手段は、前記流路内を流れる前記相変化材に含まれる前記第2相変化材料を、前記第2相変化材料を捕捉可能かつ前記溶媒を通過可能な第2フィルタによって捕捉することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を低くする第4経路と、前記第2フィルタによって捕捉され前記流路外に貯留された前記第2相変化材料を前記流路内に解放することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を高くする第5経路と、前記第4経路及び前記第5経路を迂回することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を維持する第6経路と、前記第4経路、前記第5経路、及び前記第6経路を切り替える第2弁と、を含む第2濃度調整器をさらに有することが望ましい。
この態様によれば、粒径が比較的大きい第1相変化材料のみならず、粒径が比較的小さい第2相変化材料をも増減させることによって、相変化材の濃度が調整されるため、相変化材の濃度の調整量を拡大できる。従って、相変化材の温度調整可能量も拡大でき、その結果、温度調整対象物に対する温度調整量を拡大することが可能となる。
また、上記態様において、前記第1濃度調整器と前記第2濃度調整器とは縦続接続されていることが望ましい。
この態様によれば、第1濃度調整器と第2濃度調整器とが縦続接続されることにより、第1フィルタによる第1相変化材料の捕捉と、第2フィルタによる第2相変化材料の捕捉とを、同時に実行することができる。
また、上記態様において、前記第1濃度調整器と前記第2濃度調整器とは並列接続されており、前記濃度調整手段は、前記第2濃度調整器を前記第4経路に設定する前に、前記第1濃度調整器を前記第1経路に設定することによって前記流路内の前記第1相変化材料を前記第1濃度調整器内に貯留させることが望ましい。
この態様によれば、第1濃度調整器と第2濃度調整器とが並列接続されることにより、第1濃度調整器と第2濃度調整器とに同時に相変化材を流さないように制御することができる。その結果、第1弁及び第2弁の切り替え制御を簡易化することができる。
また、上記態様において、前記相変化材を冷却する冷却手段と、前記流路内で前記相変化材を循環させる循環手段と、をさらに備え、前記流路は、前記バッテリ、前記冷却手段、及び前記循環手段を経由する第1流路と、前記冷却手段及び前記循環手段を経由し前記バッテリを経由しない第2流路と、を有し、前記制御手段は、さらに前記第1流路と前記第2流路との切り替えを制御することが望ましい。
この態様によれば、走行モータが駆動されている時には制御手段が第1流路に切り替えることにより、冷却手段によって相変化材を冷却しつつ、相変化材によってバッテリを冷却することができる。また、走行モータが駆動されていない時には制御手段が第2流路に切り替えることにより、バッテリの余熱の影響を受けることなく、冷却手段によって相変化材を効率的に冷却することができる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記相変化材の濃度を上げても前記相変化材の温度調整可能量が不十分である場合には、前記流路内を流れる前記相変化材の流速を上昇させることが望ましい。
この態様によれば、制御手段が相変化材の流速を上昇させることによって相変化材の温度調整可能量が増大するため、相変化材の濃度の調整と流速の調整とによって十分な温度調整可能量を実現できる。その結果、相変化材によってバッテリを十分に冷却することが可能となる。
また、上記態様において、前記制御手段は、前記相変化材の濃度を上げても前記相変化材の温度調整可能量が不十分である場合には、前記バッテリに流れる電流の電流値を低下させることが望ましい。
この態様によれば、制御手段がバッテリに流れる電流の電流値を低下させることによってバッテリからの発熱量が抑制されるため、相変化材がバッテリから吸熱しなければならない吸熱対象量が減少する。その結果、相変化材によってバッテリを十分に冷却することが可能となる。
本発明によれば、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る温度調整装置の全体構成を簡略化して示すブロック図である。 図1のうちバッテリ付近の構造を抜き出して示す斜視図である。 マイクロカプセル化された相変化材料の一部断面構造を示す斜視図である。 相変化材の濃度と熱伝導率との関係を示す図である。 状態検出部の構成の一例を示すブロック図である。 相変化材の熱伝導率と固相液相割合との対応関係の一例を示す図である。 相変化材の固相液相割合と温度との関係を示す図である。 相変化材の濃度と温度調整可能量との関係を示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の構成を模式的に示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の構成を模式的に示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の構成を模式的に示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の構成を模式的に示す図である。 車両の走行モータの駆動が開始された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータの駆動が開始された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータの駆動が開始された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータの駆動が開始された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 車両の走行モータの駆動が停止された後に制御部が実行する処理の流れを示すフローチャートである。 濃度調整部が備える濃度調整器の第1の構成例を模式的に示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の第1の構成例を模式的に示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の第1の構成例を模式的に示す図である。 濃度調整部が備える濃度調整器の第2の構成例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
[温度調整装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る温度調整装置1の全体構成を簡略化して示すブロック図である。本実施の形態の例において、温度調整装置1の温度調整対象物は、HEV(Hybrid Electric Vehicle)又はBEV(Battery Electric Vehicle)等の車両において走行モータを駆動するためのバッテリ2である。バッテリ2は、例えば、48Vの高電圧を出力するリチウムイオンバッテリである。バッテリ2の入出力特性の向上と長寿命化とを図るべく、バッテリ2の温度を所定の温度(例えば40℃)に保つことが要求され、温度調整装置1によってバッテリ2の温度調整が行われる。
図2は、図1のうちバッテリ2付近の構造を抜き出して示す斜視図である。バッテリ2は、その側面及び上面に当接する蓋材3によって覆われている。また、パイプ状の流路Rが、蓋材3の上面に接触して配置されている。蓋材3及び流路Rの材質は、熱伝導率の高い銅又はアルミニウム等の金属である。蓋材3の上面内において流路Rは蛇行しており、これにより蓋材3と流路Rとの接触面積の増大が図られている。流路R内には、熱媒体としての相変化材が封入されている。
熱伝導率の高い金属製の蓋材3及び流路Rを介してバッテリ2と相変化材との間で熱交換が行われることにより、バッテリ2の温度調整が行われる。すなわち、相変化材の相変化温度よりもバッテリ2の温度が高い場合には、相変化材がバッテリ2から熱を奪う熱交換が行われることによって、バッテリ2は冷却され、相変化材は固相から液相に相変化する。一方、相変化材の相変化温度よりもバッテリ2の温度が低い場合には、相変化材がバッテリ2に熱を与える熱交換が行われることによって、バッテリ2は加熱され、相変化材は液相から固相に相変化する。
本実施の形態に係る温度調整装置1では、マイクロカプセル化された相変化材料が水等の溶媒に所定の濃度で混入された態様の相変化材が使用される。
図3は、マイクロカプセル化された相変化材料の一部断面構造を示す斜視図である。パラフィン系炭化水素又は遷移金属系セラミックス等から成る球体状のコア31が、酸化アルミニウム等から成る薄膜状のシェル32によって被覆されている。
本実施の形態に係る温度調整装置1において、溶媒に相変化材料が混入されることによる相変化材の初期状態の濃度は、十分に低濃度であり、例えば3%である。
図4は、相変化材の濃度と熱伝導率との関係を示す図である。図4に示すように、相変化材の濃度が低いほど熱伝導率は高くなることが分かる。本実施の形態に係る温度調整装置1では十分に低濃度(例えば3%)の相変化材が使用されるため、相変化材の熱伝導率は十分に高い。従って、温度調整対象物であるバッテリ2の温度を、応答性良く制御することができる。なお、相変化材の流速を上げることによっても、相変化材の熱伝導率を高めることは可能である。しかし、流速を上げるためには相変化材を循環させるポンプの出力を上げる必要があり、当該ポンプの電力消費量が大きくなるため、熱伝導率を高める目的で流速を上げることは望ましくない。
図1を参照して、温度調整装置1は、制御部11、ファン12、ラジエータ13、弁14、ヒータ15、状態検出部16、ポンプ17、温度センサ18、電流値センサ19、濃度調整部20、濃度検出部21、温度センサ22、及び流路Rを備えている。温度センサ18は、バッテリ2の温度を検出して、その検出値をデータS5として制御部11に入力する。電流値センサ19は、バッテリ2の充電時及び放電時にバッテリ2に流れる電流の電流値を検出して、その検出値をデータS6として制御部11に入力する。
ファン12及びラジエータ13は冷却手段であり、ヒータ15は加熱手段である。これらの冷却手段及び加熱手段は、相変化材の固相と液相との混合割合(固相液相割合)を調整するための状態調整手段として機能する。また、弁14、ヒータ15、状態検出部16、ポンプ17、濃度調整部20、濃度検出部21、バッテリ2、及び蓋材3は、断熱筐体100内に収容されている。バッテリ2が断熱筐体100内に収容されることにより、車両の外気温がバッテリ2に及ぼす影響が緩和されている。
流路Rは、蓋材3を介してバッテリ2に接触する第1流路R1と、第1流路R1に繋がりバッテリ2から離間する第2流路R2とを有している。図1,2に示したように、蛇行する第1流路R1において、相変化材とバッテリ2との間で熱交換が行われる。
第2流路R2は、流路R21と流路R22とを有している。流路R21は、バッテリ2、ポンプ17、ヒータ15、濃度検出部21、濃度調整部20、ラジエータ13、及び状態検出部16を経由する流路である。流路R22は、バッテリ2を経由せず、ポンプ17、ヒータ15、濃度検出部21、濃度調整部20、ラジエータ13、及び状態検出部16を経由する流路である。制御部11が制御信号S2によって弁14を制御することにより、流路R21と流路R22とが切り替えられる。
流路R21及び流路R22はいずれも、ポンプ17を経由する。制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を制御する。ポンプ17が駆動されることにより、流路R内で相変化材が循環される。詳細は後述するが、制御部11は、走行モータの駆動開始後又は駆動停止後において、上記冷却手段によって相変化材を冷却させる冷却処理、及び、上記加熱手段によって相変化材を加熱させる加熱処理、の少なくとも一方を実行する時に、ポンプ17を駆動する。また、制御部11は、走行モータの駆動開始後又は駆動停止後において、上記冷却処理及び上記加熱処理をいずれも実行しない時には、ポンプ17を駆動しない。
流路R21及び流路R22はいずれも、ラジエータ13を経由する。ラジエータ13は、例えば車両のフロントグリルの内側に配置されており、車両の走行時に生じる走行風によって、流路R2内の相変化材を冷却する。また、ラジエータ13の前面又は背面には、ラジエータ13に向けて送風するファン12が配置されている。制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を制御する。制御部11は、液相から固相への相変化を促す(つまり液相割合を低めて固相割合を高める)時に、ファン12を駆動する。詳細は後述するが、制御部11は、走行モータの駆動停止後において相変化材を冷却させる時、又は、走行モータの駆動開始後において相変化材の吸熱対象量Qが吸熱可能量Pを超える時に、ファン12を駆動する。
流路R21及び流路R22はいずれも、ヒータ15を経由する。第2流路R2のパイプの外周を包み込むようにシート状のヒータ15が配置されており、制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を制御する。制御部11は、固相から液相への相変化を促す(つまり固相割合を低めて液相割合を高める)時に、ヒータ15を駆動する。詳細は後述するが、制御部11は、走行モータの駆動開始後、車両走行時のラジエータ13による冷却によって相変化材が過冷却される時に、ヒータ15を駆動する。
状態検出部16は、流路R内における相変化材の固相液相割合を検出して、その検出値をデータS4として出力する。データS4は制御部11に入力される。制御部11は、データS4に基づいて、上記状態調整手段による調整量を設定する。つまり制御部11は、データS4に基づいて、流路R内における相変化材の固相液相割合が所定範囲に収まるように、ポンプ17のオン又はオフ、ファン12のオン又はオフ、ヒータ15のオン又はオフを制御する。
図5は、状態検出部16の構成の一例を示すブロック図である。図5の接続関係で示すように、状態検出部16は、熱伝導率センサ41、記憶部42、及び固相液相割合検出部43を備えている。熱伝導率センサ41は、例えば、第2流路R2内に配置されたプローブの温度変化に基づいて、相変化材の熱伝導率を測定する。また、相変化材の熱伝導率と固相液相割合との対応関係を表すテーブル情報が予め作成されて、当該テーブル情報が、不揮発性の記憶部42に記憶されている。
図6は、相変化材の熱伝導率と固相液相割合との対応関係の一例を示す図である。縦軸の固相液相割合(0/100)は、固相割合が0%で液相割合が100%であることを意味している。また、固相液相割合(100/0)は、固相割合が100%で液相割合が0%であることを意味している。図6の特性で示されるように、相変化材の固相割合は熱伝導率にほぼ比例しており、熱伝導率が高いほど、固相割合が大きく液相割合が小さい。この特性は、溶媒に混入される相変化材料の濃度に応じて異なる。同一の固相液相割合であっても、相変化材の濃度が高いほど熱伝導率は低く、相変化材の濃度が低いほど熱伝導率は高い。従って、実際に流路R内に封入される相変化材を対象とした実験又はシミュレーション等によって、この特性を表すテーブル情報が予め作成されて、当該テーブル情報が記憶部42に記憶されている。
固相液相割合検出部43は、記憶部42に記憶されているテーブル情報を参照することにより、熱伝導率センサ41から入力された熱伝導率Xに対応する固相液相割合Yを割り出す。そして、固相液相割合検出部43は、割り出した固相液相割合Yを示すデータS4を、制御部11に入力する。
図7は、相変化材の固相液相割合と温度との関係を示す図である。固相と液相とが混在している状態、つまり、固相液相割合が(100/0)超かつ(0/100)未満である場合には、相変化材の温度は相変化温度TPで一定である。従って、バッテリ2の目標温度(例えば40℃)と同一又は近似する相変化温度TPを有する相変化材を選択し、かつ、相変化材の状態として固相と液相とが混在した状態(以下「固液混在状態」と称す)を保つことによって、バッテリ2の温度を目標温度付近で維持することができる。本実施の形態に係る温度調整装置1では、固相液相割合が例えば(70/30)の許容下限値VLと、例えば(30/70)の許容上限値VHとが設定されている。これにより、許容下限値VL以上かつ許容上限値VH以下の許容範囲が設定されている。相変化温度TP、許容下限値VL、及び許容上限値VHは、制御部11が参照可能な不揮発性の記憶部に予め格納されている。制御部11は、状態検出部16から入力されたデータS4に基づいて、流路R内における相変化材の固相液相割合が当該許容範囲に収まるように、上記状態調整手段を制御する。
図1を参照して、温度センサ22は、車両の外気温を検出して、その検出値をデータS10として制御部11に入力する。制御部11は、データS4,S10に基づいて、バッテリ2を冷却するために相変化材に要求する温度調整可能量(後述する吸熱可能量Pに相当する)を算出する。制御部11は、相変化材に要求する温度調整可能量に応じて、相変化材の濃度を調整させるよう、制御信号S8によって濃度調整部20の動作を制御する。
図8は、相変化材の濃度と温度調整可能量との関係を示す図である。図8に示すように、相変化材は濃度が高くなるほど温度調整可能量が増大する。制御部11は、相変化材の現在の濃度(初期状態で3%)に対応する温度調整可能量よりも大きい温度調整可能量を相変化材に要求する場合に、相変化材の濃度を高くさせるよう濃度調整部20を制御する。夏場の渋滞時等の状況においては、十分な走行風が得られないためラジエータ13による冷却効果が乏しく、また、外気温が高いためにファン12を駆動しても相変化材を十分に冷却することができない。制御部11は、このような状況が生じた場合に、相変化材の濃度を高めさせることによって相変化材の温度調整可能量を増大させ、それによってバッテリ2の冷却を実現する。
図9~12は、濃度調整部20が備える濃度調整器50の構成を模式的に示す図である。濃度調整器50は、流路Rに繋がる相変化材の流入口60と、流入口60に繋がる部屋62,63と、部屋62,63及び流路Rに繋がる流出口61とを有している。部屋62には、マイクロカプセル化された相変化材料30を捕捉可能なフィルタ70が設けられている。相変化材の溶媒はフィルタ70を通過可能である。また、濃度調整器50は、流入口60に対して部屋62と部屋63とを切り替える弁51と、部屋62と部屋63との導通の可否を切り替える弁52と、部屋62と流出口61との導通の可否を切り替える弁53と、部屋63と流出口61との導通の可否を切り替える弁54とを有している。濃度調整器50は、制御部11から入力された制御信号S8に基づいて、弁51~54の駆動を制御する。
図9には、弁51によって部屋62が流入口60に繋げられ、弁52が閉じられ、弁53が開けられることによって部屋62が流出口61に繋げられ、弁54が閉じられた状況(第1経路)を示している。かかる状況では、流入口60から濃度調整器50内に流入してきた相変化材料30がフィルタ70によって捕捉されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は低下する。フィルタ70によって捕捉された相変化材料30は、部屋62内に貯留される。
図10には、弁51によって部屋62が流入口60に繋げられ、弁52が開けられることによって部屋62,63間が導通され、弁53が閉じられ、弁54が開けられることによって部屋63が流出口61に繋げられた状況(第2経路)を示している。かかる状況では、第1経路(図9)においてフィルタ70によって捕捉され部屋62内に貯留されていた相変化材料30が、部屋63及び流出口61を介して流路R内に解放されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は上昇する。
図11には、第1経路(図9)の設定後に、弁51によって部屋63が流入口60に繋げられ、弁52,53が閉じられ、弁54が開けられることによって部屋63が流出口61に繋げられた状況(第3経路)を示している。かかる状況では、多くの相変化材料30が部屋62内に貯留された状況が維持されたまま、第1経路(図9)及び第2経路(図10)が迂回されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が低濃度状態で維持される。本実施の形態に係る温度調整装置1では、図11に示した状態が、相変化材の濃度が例えば3%の初期状態である。
図12には、第2経路(図10)の設定後に、弁51によって部屋63が流入口60に繋げられ、弁52,53が閉じられ、弁54が開けられることによって部屋63が流出口61に繋げられた状況(第3経路)を示している。かかる状況では、相変化材料30が部屋62から流路R内に解放された状況が維持されたまま、第1経路(図9)及び第2経路(図10)が迂回されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が高濃度状態で維持される。
濃度調整器50においては、濃度上昇用の所定数の相変化材料30が予め部屋62内に貯留されており、その貯留されている相変化材料30の全てを部屋62から流路R内に解放するか否か、つまり高濃度状態及び低濃度状態の2段階で、相変化材の濃度調整が行われる。あるいは、相変化材料30を解放するために弁52を開ける時間を制御することによって、3段階以上の濃度調整を行っても良い。
図1を参照して、濃度検出部21は、流路R内における相変化材の濃度を検出して、その検出値をデータS9として出力する。データS9は制御部11に入力される。濃度検出部21は、流路R内の所定の箇所に配置されたカメラを備えており、当該カメラで撮像された画像を解析することによって、単位面積あたりに含まれる相変化材料30の個数に基づいて相変化材の濃度を検出する。あるいは、上記のように相変化材の濃度調整を高濃度状態及び低濃度状態の2段階で行う場合には、濃度調整器50は、部屋62内に貯留されていた相変化材料30を流路R内に解放する際に、解放動作を実行したことを示す所定のフラグ情報を任意の記憶部に保存する。そして、濃度検出部21は、当該記憶部を参照することにより、そのフラグ情報が保存されている場合には高濃度であることを検出し、保存されていない場合には低濃度であることを検出しても良い。
[走行モータ駆動開始後の処理フロー]
図13~16は、車両の走行モータの駆動が開始された後に制御部11が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図13~16に示したフローチャートは、接続点A~Fによって互いに接続される。
まずステップSP210において制御部11は、温度センサ18からデータS5を取得することによって、その時点でのバッテリ2の温度を計測する。
次にステップSP211において制御部11は、ステップSP210で計測したバッテリ2の温度が相変化材の相変化温度TPを超えているか否かを判定する。
ステップSP210で計測したバッテリ2の温度が相変化温度TP以下である場合(ステップSP211:NO)には、相変化材の冷却処理及び加熱処理は不要であるため、制御部11は、ステップSP210,SP211の処理を繰り返し実行する。なお、ステップSP211の実行時点でポンプ17が駆動されている場合には、次にステップSP224において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を停止する。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の冷却処理及び加熱処理をいずれも実行しない時には、ポンプ17を駆動しない。
ステップSP210で計測したバッテリ2の温度が相変化温度TPを超えている場合(ステップSP211:YES)には、次にステップSP212において制御部11は、制御信号S2によって弁14を駆動することにより、流路R21に切り替える。これにより、車両走行時にラジエータ13によって相変化材が冷却されることによって、液相から固相への相変化が促される。
次にステップSP213において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を開始する。これにより、第1流路R1及び流路R21内において相変化材が循環される。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の冷却処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP214において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP215において制御部11は、ステップSP214で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満であるか否かを判定する。
ステップSP214で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満である場合(ステップSP215:YES)には、ラジエータ13による冷却によって相変化材が過冷却されている状況であるため、次にステップSP216において制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を開始する。ヒータ15によって相変化材が加熱されることによって、固相から液相への相変化が促される。なお、この時点ではポンプ17の駆動は継続されている。つまり制御部11は、走行モータの駆動後において相変化材の加熱処理を実行する時に、ポンプ17を駆動する。
次にステップSP217において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP218において制御部11は、ステップSP217で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満であるか否かを判定する。
ステップSP217で検出した固相液相割合が許容下限値VL未満である場合(ステップSP218:YES)には、制御部11は、ステップSP217,SP218の処理を繰り返し実行する。
ステップSP217で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上である場合(ステップSP218:NO)には、相変化材の固液混在状態を許容範囲内に回復させることができたため、次にステップSP219において制御部11は、制御信号S3によってヒータ15の駆動を停止する。制御部11は、ステップSP219に続いてステップSP220を実行する。
ステップSP214で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上である場合(ステップSP215:NO)には、次にステップSP220において制御部11は、電流値センサ19からデータS6を取得することによって、その時点でのバッテリ2の電流値を検出する。そして、制御部11は、バッテリ2の電流値(i)と既知の内部抵抗値(r)とを用いてi×rの演算を行うことにより、その時点でのバッテリ2の発熱量を算出する。
次にステップSP221において制御部11は、データS4を取得してその時点での固相液相割合を検出し、当該固相液相割合と、固液混在状態における固相液相割合の最大値(0/100)との差に基づいて、その時点での相変化材の吸熱可能量Pを算出する。この吸熱可能量Pは、バッテリ2から移動させて相変化材で蓄熱できる熱量(つまり相変化材の温度調整可能量)であり、上記の固相液相割合の差が大きいほど吸熱可能量Pは大きい。
次にステップSP222において制御部11は、データS5を取得してその時点でのバッテリ2の温度を検出し、当該温度と、ステップSP220で算出したバッテリ2の発熱量とに基づいて、バッテリ2に対する相変化材の吸熱対象量Qを算出する。この吸熱対象量Qは、相変化材によってバッテリ2から吸熱しなければならない熱量であり、バッテリ2の温度が高いほど吸熱対象量Qは大きく、バッテリ2の発熱量が大きいほど吸熱対象量Qは大きい。
次にステップSP223において制御部11は、ステップSP221で算出した吸熱可能量Pが、ステップSP222で算出した吸熱対象量Q以上であるか否かを判定する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q以上である場合(ステップSP223:YES)は、ラジエータ13による冷却だけで相変化材を十分に冷却可能ということであるため、制御部11は、ステップSP210~SP223の処理を繰り返し実行する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP223:NO)は、ラジエータ13による冷却だけでは相変化材を十分に冷却できないため、ファン12の駆動が必要ということである。しかし、車両の外気温が高い場合にはファン12を駆動しても相変化材を十分に冷却できないため、制御部11は、ファン12の駆動を開始する前に外気温の検出を行う。
具体的に、吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP223:NO)は、次にステップSP225において制御部11は、温度センサ22からデータS10を取得することによって、その時点での車両の外気温TXを検出する。
次にステップSP226において制御部11は、ステップSP225で検出した外気温TXが相変化材の相変化温度TPより高いか否かを判定する。
外気温TXが相変化温度TP以下である場合(ステップSP226:NO)は、次にステップSP227において制御部11は、相変化温度TPと外気温TXとの温度差TP-TXが所定のしきい値Vt未満であるか否かを判定する。
温度差TP-TXがしきい値Vt以上である場合(ステップSP227:NO)は、相変化温度TPに対して外気温TXは十分に低く、ファン12を駆動すると相変化材を十分に冷却できるため、次にステップSP229において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を開始する。
外気温TXが相変化温度TPより高い場合(ステップSP226:YES)、又は、温度差TP-TXがしきい値Vt未満である場合(ステップSP227:YES)は、相変化温度TPに対して外気温TXは十分に低いとは言えず、現状のままファン12を駆動しても相変化材を十分に冷却できない。そのため、次にステップSP228において制御部11は、相変化材の濃度を高くさせるよう、制御信号S8によって濃度調整部20を制御する。制御信号S8を受けた濃度調整部20は、濃度調整器50を図10に示した第2経路に設定することにより、部屋62内に貯留されている相変化材料30を流路R内に解放する。これにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が上昇する。
次にステップSP229において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を開始する。
次にステップSP230において制御部11は、温度センサ18からデータS5を取得することによって、その時点でのバッテリ2の温度を計測する。
次にステップSP231において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP232において制御部11は、電流値センサ19からデータS6を取得することによって、その時点でのバッテリ2の電流値を検出する。そして、制御部11は、バッテリ2の電流値(i)と既知の内部抵抗値(r)とを用いてi×rの演算を行うことにより、その時点でのバッテリ2の発熱量を算出する。
次にステップSP233において制御部11は、データS4を取得してその時点での固相液相割合を検出し、当該固相液相割合と、固液混在状態における固相液相割合の最大値(0/100)との差に基づいて、その時点での相変化材の吸熱可能量Pを算出する。
次にステップSP234において制御部11は、データS5を取得してその時点でのバッテリ2の温度を検出し、当該温度と、ステップSP232で算出したバッテリ2の発熱量とに基づいて、バッテリ2に対する相変化材の吸熱対象量Qを算出する。
次にステップSP235において制御部11は、ステップSP233で算出した吸熱可能量Pが、ステップSP234で算出した吸熱対象量Q以上であるか否かを判定する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q以上である場合(ステップSP235:YES)は、ラジエータ13による冷却だけで相変化材を十分に冷却可能ということであるため、制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を停止する。制御部11は、ステップSP236に続いてステップSP210を実行する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP235:NO)は、制御部11は、ファン12を駆動したままステップSP230~SP235の処理を繰り返し実行することにより、ファン12及びラジエータ13による相変化材の冷却処理を継続する。
ファン12を駆動したままステップSP230~SP235を繰り返してもバッテリ2の温度が目標温度まで下がらない場合は、相変化材の温度調整可能量(吸熱可能量P)が不十分ということである。この場合、制御部11は、流路R内を流れる相変化材の流速を初期状態から上昇させることによって、相変化材の温度調整可能量を増大させても良い。相変化材の流速が大きいほど温度調整可能量は大きくなる。
相変化材の冷却処理を継続してもバッテリ2の温度が目標温度まで下がらない場合には、ステップSP230~SP235が繰り返され、その度にステップSP235の判定結果は「NO」となる。判定結果が「NO」となったステップSP235の実行回数W1が所定のしきい値Z1を超えた場合(ステップSP237:YES)には、次にステップSP301において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の出力を上げることにより、流路R内を流れる相変化材の流速を上昇させる。これにより、相変化材の温度調整可能量が増大される。
次にステップSP302において制御部11は、温度センサ18からデータS5を取得することによって、その時点でのバッテリ2の温度を計測する。
次にステップSP303において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することによって、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP304において制御部11は、電流値センサ19からデータS6を取得することによって、その時点でのバッテリ2の電流値を検出する。そして、制御部11は、バッテリ2の電流値(i)と既知の内部抵抗値(r)とを用いてi×rの演算を行うことにより、その時点でのバッテリ2の発熱量を算出する。
次にステップSP305において制御部11は、データS4を取得してその時点での固相液相割合を検出し、当該固相液相割合と、固液混在状態における固相液相割合の最大値(0/100)との差に基づいて、その時点での相変化材の吸熱可能量Pを算出する。
次にステップSP306において制御部11は、データS5を取得してその時点でのバッテリ2の温度を検出し、当該温度と、ステップSP304で算出したバッテリ2の発熱量とに基づいて、バッテリ2に対する相変化材の吸熱対象量Qを算出する。
次にステップSP307において制御部11は、ステップSP305で算出した吸熱可能量Pが、ステップSP306で算出した吸熱対象量Q以上であるか否かを判定する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q以上である場合(ステップSP307:YES)は、流速を初期状態に戻しても相変化材の温度調整可能量は十分であるということであるため、次にステップSP308において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の出力を下げることにより、相変化材の流速を低下させる。これにより、相変化材の流速は初期状態に回復される。制御部11は、ステップSP308に続いてステップSP230を実行する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP307:NO)は、制御部11は、ポンプ17の出力を徐々に上げつつステップSP302~SP307の処理を繰り返し実行することにより、ファン12及びラジエータ13による相変化材の冷却処理を継続する。
ポンプ17の出力を最大値まで上げた状態でステップSP302~SP307を繰り返してもバッテリ2の温度が目標温度まで下がらない場合は、相変化材の最大の温度調整可能量によってもバッテリ2を十分に冷却できないということである。この場合、制御部11は、バッテリ2に流れる電流の電流値を初期状態から低下させてバッテリ2の使用量を制限することによって、バッテリ2からの発熱量を抑制しても良い。
相変化材の冷却処理を継続してもバッテリ2の温度が目標温度まで下がらない場合には、ステップSP302~SP307が繰り返され、その度にステップSP307の判定結果は「NO」となる。判定結果が「NO」となったステップSP307の実行回数W2が所定のしきい値Z2を超えた場合には、次にステップSP401において制御部11は、バッテリ2の電流値を低下させる。これにより、バッテリ2の使用量が制限されることによってバッテリ2からの発熱量が抑制される。
次にステップSP402において制御部11は、温度センサ18からデータS5を取得することによって、その時点でのバッテリ2の温度を計測する。
次にステップSP403において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することによって、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP404において制御部11は、電流値センサ19からデータS6を取得することによって、その時点でのバッテリ2の電流値を検出する。そして、制御部11は、バッテリ2の電流値(i)と既知の内部抵抗値(r)とを用いてi×rの演算を行うことにより、その時点でのバッテリ2の発熱量を算出する。
次にステップSP405において制御部11は、データS4を取得してその時点での固相液相割合を検出し、当該固相液相割合と、固液混在状態における固相液相割合の最大値(0/100)との差に基づいて、その時点での相変化材の吸熱可能量Pを算出する。
次にステップSP406において制御部11は、データS5を取得してその時点でのバッテリ2の温度を検出し、当該温度と、ステップSP404で算出したバッテリ2の発熱量とに基づいて、バッテリ2に対する相変化材の吸熱対象量Qを算出する。
次にステップSP407において制御部11は、ステップSP405で算出した吸熱可能量Pが、ステップSP406で算出した吸熱対象量Q以上であるか否かを判定する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q以上である場合(ステップSP407:YES)は、バッテリ2の電流値を初期状態に戻しても相変化材によってバッテリ2を十分に冷却できるということであるため、次にステップSP408において制御部11は、バッテリ2の電流値を上昇させる。これにより、バッテリ2の電流値は初期状態に回復される。制御部11は、ステップSP408に続いてステップSP302を実行する。
吸熱可能量Pが吸熱対象量Q未満である場合(ステップSP407:NO)は、制御部11は、バッテリ2の電流値を低下させたままステップSP402~SP407の処理を繰り返し実行する。
[走行モータ駆動停止後の処理フロー]
図17は、車両の走行モータの駆動が停止された後に制御部11が実行する処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、濃度調整部20によって相変化材の濃度を上昇させる処理が実行された場合に、相変化材を低濃度の初期状態に回復させるための処理である。この処理は、例えば、走行モータの駆動が停止されてから車両の電源がオフされるまでの間に実行される。
まずステップSP501において制御部11は、走行モータの駆動時に相変化材の濃度を上昇させる処理を濃度調整部20に実行させたか否かを確認することによって、流路R内における相変化材の濃度が上昇しているか否かを判定する。
相変化材の濃度が上昇している場合(ステップSP501:YES)には、次にステップSP502において制御部11は、温度センサ22からデータS10を取得することによって、その時点での車両の外気温TXを検出する。
次にステップSP503において制御部11は、ステップSP502で検出した外気温TXが相変化材の相変化温度TPより高いか否かを判定する。
外気温TXが相変化温度TP以下である場合(ステップSP503:NO)は、次にステップSP504において制御部11は、相変化温度TPと外気温TXとの温度差TP-TXが所定のしきい値Vt未満であるか否かを判定する。
外気温TXが相変化温度TPより高い場合(ステップSP503:YES)、又は、温度差TP-TXがしきい値Vt未満である場合(ステップSP504:YES)は、ファン12を駆動しても高い外気温によっては相変化材を十分に冷却できないため、制御部11は、ステップSP502~SP504の処理を繰り返し実行する。
温度差TP-TXがしきい値Vt以上である場合(ステップSP504:NO)は、相変化温度TPに対して外気温TXは十分に低く、ファン12を駆動すると相変化材を十分に冷却できるということである。この場合、次にステップSP505において制御部11は、制御信号S2によって弁14を駆動することにより、バッテリ2を経由しない流路R22に切り替える。
次にステップSP506において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を開始する。また、制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を開始する。
次にステップSP507において制御部11は、状態検出部16からデータS4を取得することにより、その時点での相変化材の固相液相割合を検出する。
次にステップSP508において制御部11は、ステップSP507で検出した固相液相割合が許容下限値VL以上かつ許容上限値VH以下の許容範囲内であるか否かを判定する。
ステップSP507で検出した固相液相割合が許容範囲外である場合(ステップSP508:NO)には、制御部11は、ステップSP507,SP508の処理を繰り返し実行する。
ステップSP507で検出した固相液相割合が許容範囲内である場合(ステップSP508:YES)には、次にステップSP509において制御部11は、制御信号S1によってファン12の駆動を停止する。
次にステップSP510において制御部11は、相変化材の濃度を低くさせるよう、制御信号S8によって濃度調整部20を制御する。制御信号S8を受けた濃度調整部20は、濃度調整器50を図9に示した第1経路に設定する。これにより、流路R内を流れる相変化材料30がフィルタ70によって捕捉されて部屋62内に貯留されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が低下する。制御部11は、濃度検出部21からデータS9を取得することによって、流路R内における相変化材の濃度を検出する。そして、相変化材の濃度が初期状態(3%)まで低下すると、相変化材の濃度を維持させるよう、制御信号S8によって濃度調整部20を制御する。制御信号S8を受けた濃度調整部20は、濃度調整器50を図11に示した第3経路に設定する。これにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が低濃度状態で維持される。
次にステップSP511において制御部11は、制御信号S7によってポンプ17の駆動を停止する。
次にステップSP512において制御部11は、低濃度状態で維持されている旨の相変化材の状態を示す情報を、所定の記憶部に保存する。なお、相変化材の濃度が上昇していない場合(ステップSP501:NO)も、制御部11は同様の情報保存処理を実行する。その後、制御部11は処理を終了する。
[作用効果]
本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、潜熱蓄熱作用を有する相変化材との熱交換によって温度調整対象物であるバッテリ2の温度が調整されるため、温度調整対象物に対して均一な温度調整を実現できる。また、制御部11(制御手段)は、相変化材に要求する吸熱可能量P(温度調整可能量)に応じて、相変化材の濃度を調整させるよう濃度調整部20(濃度調整手段)を制御する。従って、相変化材の流速を上げることによって温度調整可能量を上げる場合と比較すると、相変化材を循環させるポンプの出力を上げる必要がないため、ポンプによる電力消費量を削減できる。その結果、温度調整対象物に対する均一な温度調整を低コストで実現することが可能となる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリ2の温度を所定の範囲に保つことができるため、当該バッテリ2の入出力特性の向上と長寿命化とを図ることができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11は、相変化材の現在の濃度に対応する温度調整可能量よりも大きい温度調整可能量を相変化材に要求する場合に、相変化材の濃度を高くさせるよう濃度調整部20を制御する。従って、車両の外気温TXが相変化材の相変化温度TPより高い場合、又は、車両の外気温TXが相変化材の相変化温度TP以下であるがその差がわずかである場合等、外気によっては相変化材を十分に冷却できない場合に、相変化材の濃度を高くすることによって、相変化材の温度調整可能量を大きくできる。その結果、相変化材によってバッテリ2を十分に冷却することが可能となる。また、相変化材の現在の濃度に対応する温度調整可能量で十分な場合には、相変化材の濃度を低濃度の初期状態に保つことによって、バッテリ2の温度を応答性良く制御することが可能となる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11は、相変化材の濃度を高くさせるよう濃度調整部20を制御した場合には、走行モータの駆動が停止された後に、相変化材の濃度を低くさせるよう濃度調整部20を制御する。従って、走行モータが次回に駆動される時には、相変化材は低濃度の初期状態に回復されているため、相変化材の濃度が高いことに起因する熱伝導率の低下を回避でき、その結果、温度調整の応答性を高めることができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、図9~12に示したように、相変化材の濃度調整を、弁51~54を用いた経路の切り替えという簡易な構成によって実現することができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、走行モータが駆動されている時には、制御部11がステップSP203,SP212において流路R21(第1流路)に切り替えることにより、ファン12及びラジエータ13(冷却手段)によって相変化材を冷却しつつ、相変化材によってバッテリ2を冷却することができる。また、走行モータが駆動されていない時には、制御部11がステップSP505において流路R22(第2流路)に切り替えることにより、バッテリ2の余熱の影響を受けることなく、冷却手段によって相変化材を効率的に冷却することができる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11がステップSP301において相変化材の流速を上昇させることによって相変化材の温度調整可能量が増大するため、相変化材の濃度の調整と流速の調整とによって十分な温度調整可能量を実現できる。その結果、相変化材によってバッテリ2を十分に冷却することが可能となる。
また、本実施の形態に係る温度調整装置1によれば、制御部11がステップSP401においてバッテリ2に流れる電流の電流値を低下させることによってバッテリ2からの発熱量が抑制されるため、相変化材がバッテリ2から吸熱しなければならない吸熱対象量Qが減少する。その結果、相変化材によってバッテリ2を十分に冷却することが可能となる。
[変形例]
上記実施の形態では、一種類の相変化材料30を含む相変化材が使用された。これに代えて、粒径の異なる複数種類の相変化材料を含む相変化材が使用されても良い。以下、粒径が数100μmである大粒径の相変化材料30Lと、粒径が数10μmである小粒径の相変化材料30Sとが使用される例について説明する。
図18~20は、濃度調整部20が備える濃度調整器50L,50Sの第1の構成例を模式的に示す図である。濃度調整器50Lは相変化材料30Lの濃度を調整するための濃度調整器であり、濃度調整器50Sは相変化材料30Sの濃度を調整するための濃度調整器である。濃度調整器50Lの後段に濃度調整器50Sが連結されることにより、濃度調整器50L,50Sは縦続接続されている。
濃度調整器50Lは、流路Rに繋がる相変化材の流入口60と、流入口60に繋がる部屋62L,63Lとを有している。部屋62Lには、相変化材料30Lを捕捉可能なフィルタ70Lが設けられている。相変化材の溶媒及び相変化材料30Sはフィルタ70Lを通過可能である。また、濃度調整器50Lは、流入口60に対して部屋62Lと部屋63Lとを切り替える弁51Lと、部屋62Lと部屋63Lとの導通の可否を切り替える弁52Lと、部屋62Lと接続口64との導通の可否を切り替える弁53Lと、部屋63Lと接続口64との導通の可否を切り替える弁54Lとを有している。濃度調整器50Lは、制御部11から入力された制御信号S8に基づいて、弁51L~54Lの駆動を制御する。
濃度調整器50Sは、接続口64に繋がる部屋62S,63Sと、部屋62S,63S及び流路Rに繋がる流出口61とを有している。部屋62Sには、相変化材料30Sを捕捉可能なフィルタ70Sが設けられている。相変化材の溶媒はフィルタ70Sを通過可能である。また、濃度調整器50Sは、接続口64に対して部屋62Sと部屋63Sとを切り替える弁51Sと、部屋62Sと部屋63Sとの導通の可否を切り替える弁52Sと、部屋62Sと流出口61との導通の可否を切り替える弁53Sと、部屋63Sと流出口61との導通の可否を切り替える弁54Sとを有している。濃度調整器50Sは、制御部11から入力された制御信号S8に基づいて、弁51S~54Sの駆動を制御する。
図18には、弁51Lによって部屋62Lが流入口60に繋げられ、弁52Lが閉じられ、弁53Lが開けられることによって部屋62Lが接続口64に繋げられ、弁54Lが閉じられた状況(第1経路)を示している。かかる状況では、流入口60から濃度調整器50L内に流入してきた相変化材料30Lがフィルタ70Lによって捕捉されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は低下する。フィルタ70Lによって捕捉された相変化材料30Lは、部屋62L内に貯留される。なお、相変化材料30Sはフィルタ70Lを通過可能であり、また、濃度調整器50Sは濃度を維持する後述の第6経路に設定されているため、図18に示した状況では、流路R内を流れる相変化材料30Sは増減しない。
図19には、弁51Lによって部屋62Lが流入口60に繋げられ、弁52Lが開けられることによって部屋62L,63L間が導通され、弁53Lが閉じられ、弁54Lが開けられることによって部屋63Lが接続口64に繋げられた状況(第2経路)を示している。かかる状況では、第1経路(図18)においてフィルタ70Lによって捕捉され部屋62L内に貯留されていた相変化材料30Lが、部屋63L、接続口64、及び濃度調整器50Sを介して流路R内に解放されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は上昇する。なお、相変化材料30Sは部屋62L,63Lを通過し、また、濃度調整器50Sは濃度を維持する後述の第6経路に設定されているため、図19に示した状況では、流路R内を流れる相変化材料30Sは増減しない。
図20には、第2経路(図19)の設定後に、弁51Lによって部屋63Lが流入口60に繋げられ、弁52L,53Lが閉じられ、弁54Lが開けられることによって部屋63Lが接続口64に繋げられた状況(第3経路)を示している。かかる状況では、相変化材料30Lが部屋62Lから流路R内に解放された状況が維持されたまま、第1経路(図18)及び第2経路(図19)が迂回されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が高濃度状態で維持される。なお、相変化材料30Sは部屋63Lを通過し、また、濃度調整器50Sは濃度を維持する後述の第6経路に設定されているため、図20に示した状況では、流路R内を流れる相変化材料30Sは増減しない。
濃度調整器50Lにおいては、濃度上昇用の所定数の相変化材料30Lが予め部屋62L内に貯留されており、その貯留されている相変化材料30Lの全てを部屋62Lから流路R内に解放するか否か、つまり相変化材料30Lの高濃度状態及び低濃度状態の2段階で、相変化材の濃度調整が行われる。あるいは、相変化材料30Lを解放するために弁52Lを開ける時間を制御することによって、相変化材料30Lに関して3段階以上の濃度調整を行っても良い。
濃度調整器50Lと同様に濃度調整器50Sにおいては、濃度上昇用の所定数の相変化材料30Sが予め部屋62S内に貯留されており、その貯留されている相変化材料30Sの全てを部屋62Sから流路R内に解放するか否か、つまり相変化材料30Sの高濃度状態及び低濃度状態の2段階で、相変化材の濃度調整が行われる。あるいは、相変化材料30Sを解放するために弁52Sを開ける時間を制御することによって、相変化材料30Sに関して3段階以上の濃度調整を行っても良い。
図9と同様に濃度調整器50Sにおいては、弁51Sによって部屋62Sが接続口64に繋げられ、弁52Sが閉じられ、弁53Sが開けられることによって部屋62Sが流出口61に繋げられ、弁54Sが閉じられた状況(第4経路)を設定可能である。この場合、接続口64から濃度調整器50S内に流入してきた相変化材料30Sがフィルタ70Sによって捕捉されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は低下する。フィルタ70Sによって捕捉された相変化材料30Sは、部屋62S内に貯留される。
図10と同様に濃度調整器50Sにおいては、弁51Sによって部屋62Sが接続口64に繋げられ、弁52Sが開けられることによって部屋62S,63S間が導通され、弁53Sが閉じられ、弁54Sが開けられることによって部屋63Sが流出口61に繋げられた状況(第5経路)を設定可能である。この場合、第4経路においてフィルタ70Sによって捕捉され部屋62S内に貯留されていた相変化材料30Sが、部屋63S及び流出口61を介して流路R内に解放されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は上昇する。
図11,12と同様に濃度調整器50Sにおいては、弁51Sによって部屋63Sが接続口64に繋げられ、弁52S,53Sが閉じられ、弁54Sが開けられることによって部屋63Sが流出口61に繋げられた状況(第6経路)を設定可能である。この場合、第4経路及び第5経路が迂回されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が維持される。
図21は、濃度調整部20が備える濃度調整器50L,50Sの第2の構成例を模式的に示す図である。第2の構成例では、流入口60と流出口61との間で濃度調整器50L,50Sが並列接続されている。弁55,56によって、流入口60及び流出口61に対して濃度調整器50L又は濃度調整器50Sに切り替えられる。
図21には、弁55,56によって濃度調整器50Lに切り替えられ、弁51Lによって部屋62Lが流入口60に繋げられ、弁52Lが閉じられ、弁53Lが開けられることによって部屋62Lが流出口61に繋げられ、弁54Lが閉じられた状況(第1経路)を示している。かかる状況では、流入口60から濃度調整器50L内に流入してきた相変化材料30Lがフィルタ70Lによって捕捉されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は低下する。フィルタ70Lによって捕捉された相変化材料30Lは、部屋62L内に貯留される。なお、相変化材料30Sはフィルタ70Lを通過可能であり、また、弁55,56によって濃度調整器50Lに切り替えられているため、図21に示した状況では、流路R内を流れる相変化材料30Sは増減しない。
弁55,56によって濃度調整器50Lに切り替えられ、弁51Lによって部屋62Lが流入口60に繋げられ、弁52Lが開けられることによって部屋62L,63L間が導通され、弁53Lが閉じられ、弁54Lが開けられることによって部屋63Lが流出口61に繋げられた状況(第2経路)を設定可能である。第2経路では、第1経路(図21)においてフィルタ70Lによって捕捉され部屋62L内に貯留されていた相変化材料30Lが、部屋63L及び流出口61を介して流路R内に解放されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は上昇する。なお、弁55,56によって濃度調整器50Lに切り替えられているため、第2経路では、流路R内を流れる相変化材料30Sは増減しない。
弁55,56によって濃度調整器50Lに切り替えられ、弁51Lによって部屋63Lが流入口60に繋げられ、弁52L,53Lが閉じられ、弁54Lが開けられることによって部屋63Lが流出口61に繋げられた状況(第3経路)を設定可能である。第3経路では、相変化材料30Lが部屋62Lから流路R内に解放された状況が維持されたまま、第1経路(図21)及び第2経路が迂回されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が高濃度状態で維持される。なお、弁55,56によって濃度調整器50Lに切り替えられているため、第3経路では、流路R内を流れる相変化材料30Sは増減しない。
濃度調整器50Lにおいては、濃度上昇用の所定数の相変化材料30Lが予め部屋62L内に貯留されており、その貯留されている相変化材料30Lの全てを部屋62Lから流路R内に解放するか否か、つまり相変化材料30Lの高濃度状態及び低濃度状態の2段階で、相変化材の濃度調整が行われる。あるいは、相変化材料30Lを解放するために弁52Lを開ける時間を制御することによって、相変化材料30Lに関して3段階以上の濃度調整を行っても良い。
濃度調整器50Lと同様に濃度調整器50Sにおいては、濃度上昇用の所定数の相変化材料30Sが予め部屋62S内に貯留されており、その貯留されている相変化材料30Sの全てを部屋62Sから流路R内に解放するか否か、つまり相変化材料30Sの高濃度状態及び低濃度状態の2段階で、相変化材の濃度調整が行われる。あるいは、相変化材料30Sを解放するために弁52Sを開ける時間を制御することによって、相変化材料30Sに関して3段階以上の濃度調整を行っても良い。
図9と同様に濃度調整器50Sにおいては、弁55,56によって濃度調整器50Sに切り替えられ、弁51Sによって部屋62Sが流入口60に繋げられ、弁52Sが閉じられ、弁53Sが開けられることによって部屋62Sが流出口61に繋げられ、弁54Sが閉じられた状況(第4経路)を設定可能である。この場合、流入口60から濃度調整器50S内に流入してきた相変化材料30Sがフィルタ70Sによって捕捉されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は低下する。フィルタ70Sによって捕捉された相変化材料30Sは、部屋62S内に貯留される。なお、大粒径の相変化材料30Lが部屋62S内に流入することを防止すべく、濃度調整器50Sを第4経路に設定する前に、濃度調整器50Lを第1経路に設定することによって、相変化材料30Lを予め流路R内から除去する必要がある。
図10と同様に濃度調整器50Sにおいては、弁55,56によって濃度調整器50Sに切り替えられ、弁51Sによって部屋62Sが流入口60に繋げられ、弁52Sが開けられることによって部屋62S,63S間が導通され、弁53Sが閉じられ、弁54Sが開けられることによって部屋63Sが流出口61に繋げられた状況(第5経路)を設定可能である。この場合、第4経路においてフィルタ70Sによって捕捉され部屋62S内に貯留されていた相変化材料30Sが、部屋63S及び流出口61を介して流路R内に解放されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度は上昇する。
図11,12と同様に濃度調整器50Sにおいては、弁55,56によって濃度調整器50Sに切り替えられ、弁51Sによって部屋63Sが流入口60に繋げられ、弁52S,53Sが閉じられ、弁54Sが開けられることによって部屋63Sが流出口61に繋げられた状況(第6経路)を設定可能である。この場合、第4経路及び第5経路が迂回されることにより、流路R内を流れる相変化材の濃度が維持される。
本変形例によれば、相変化材の濃度調整を、弁51L~54L,51S~54S,55,56を用いた経路の切り替えという簡易な構成によって実現することができる。しかも、粒径が比較的大きく低粘度の相変化材料30L(第1相変化材料)の増減によって相変化材の濃度が調整されるため、相変化材の濃度を高めたことに起因する熱伝導率の低下を、抑制することができる。
また、本変形例によれば、粒径が比較的大きい相変化材料30Lのみならず、粒径が比較的小さい相変化材料30S(第2相変化材料)をも増減させることによって、相変化材の濃度が調整されるため、相変化材の濃度の調整量を拡大できる。従って、相変化材の温度調整可能量も拡大でき、その結果、温度調整対象物であるバッテリ2に対する温度調整量を拡大することが可能となる。
また、本変形例によれば、図18~20に示したように、濃度調整器50L(第1濃度調整器)と濃度調整器50S(第2濃度調整器)とが縦続接続されることにより、フィルタ70L(第1フィルタ)による相変化材料30Lの捕捉と、フィルタ70S(第2フィルタ)による相変化材料30Sの捕捉とを、同時に実行することができる。
また、本変形例によれば、図21に示したように、濃度調整器50Lと濃度調整器50Sとが並列接続されることにより、濃度調整器50Lと濃度調整器50Sとに同時に相変化材を流さないように制御することができる。その結果、弁51L~54L(第1弁)及び弁51S~54S(第2弁)の切り替え制御を簡易化することができる。
1 温度調整装置
2 バッテリ
11 制御部
12 ファン
13 ラジエータ
14,51~56,51L~54L,51S~54S 弁
15 ヒータ
16 状態検出部
17 ポンプ
18,22 温度センサ
19 電流値センサ
20 濃度調整部
21 濃度検出部
41 熱伝導率センサ
42 記憶部
43 固相液相割合検出部
50,50L,50S 濃度調整器
R,R21,R22 流路
R1 第1流路
R2 第2流路

Claims (12)

  1. 温度調整対象物の温度を調整する温度調整装置であって、
    固相と液相との間で相変化し、マイクロカプセル化された相変化材料が所定の濃度で溶媒に混入された相変化材と、
    前記温度調整対象物に接触し、前記相変化材が封入される流路と、
    前記流路内で前記相変化材を循環させるポンプと、
    前記溶媒に混入された前記相変化材料のうち、前記流路外における相変化材料の貯留量を調整することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を調整する濃度調整手段と、
    前記相変化材に要求する温度調整可能量に応じて、前記流路内における前記相変化材の濃度を調整させるよう前記濃度調整手段を制御する制御手段と、
    を備える、温度調整装置。
  2. 前記温度調整対象物は、車両に搭載される走行モータを駆動するためのバッテリである、請求項1に記載の温度調整装置。
  3. 前記制御手段は、前記相変化材の現在の濃度に対応する温度調整可能量よりも大きい温度調整可能量を前記相変化材に要求する場合に、前記相変化材の濃度を高くさせるよう前記濃度調整手段を制御する、請求項2に記載の温度調整装置。
  4. 前記制御手段は、前記相変化材の濃度を高くさせるよう前記濃度調整手段を制御した場合には、前記走行モータの駆動が停止された後に、前記相変化材の濃度を低くさせるよう前記濃度調整手段を制御する、請求項3に記載の温度調整装置。
  5. 前記濃度調整手段は、
    前記流路内を流れる前記相変化材に含まれる相変化材料を、前記相変化材料を捕捉可能かつ前記溶媒を通過可能なフィルタによって捕捉して前記流路外に貯留することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を低くする第1経路と、
    前記フィルタによって捕捉され前記流路外に貯留された前記相変化材料を前記流路内に解放することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を高くする第2経路と、
    前記第1経路及び前記第2経路を迂回することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を維持する第3経路と、
    前記第1経路、前記第2経路、及び前記第3経路を切り替える弁と、
    を含む濃度調整器を有する、請求項2~4のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  6. 前記相変化材は、第1粒径の第1相変化材料と、第1粒径よりも小さい第2粒径の第2相変化材料とを含み、
    前記濃度調整手段は、
    前記流路内を流れる前記相変化材に含まれる前記第1相変化材料を、前記第1相変化材料を捕捉可能かつ前記溶媒及び前記第2相変化材料を通過可能な第1フィルタによって捕捉することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を低くする第1経路と、
    前記第1フィルタによって捕捉され前記流路外に貯留された前記第1相変化材料を前記流路内に解放することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を高くする第2経路と、
    前記第1経路及び前記第2経路を迂回することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を維持する第3経路と、
    前記第1経路、前記第2経路、及び前記第3経路を切り替える第1弁と、
    を含む第1濃度調整器を有する、請求項2~4のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  7. 前記濃度調整手段は、
    前記流路内を流れる前記相変化材に含まれる前記第2相変化材料を、前記第2相変化材料を捕捉可能かつ前記溶媒を通過可能な第2フィルタによって捕捉することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を低くする第4経路と、
    前記第2フィルタによって捕捉され前記流路外に貯留された前記第2相変化材料を前記流路内に解放することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を高くする第5経路と、
    前記第4経路及び前記第5経路を迂回することにより、前記流路内における前記相変化材の濃度を維持する第6経路と、
    前記第4経路、前記第5経路、及び前記第6経路を切り替える第2弁と、
    を含む第2濃度調整器をさらに有する、請求項6に記載の温度調整装置。
  8. 前記第1濃度調整器と前記第2濃度調整器とは縦続接続されている、請求項7に記載の温度調整装置。
  9. 前記第1濃度調整器と前記第2濃度調整器とは並列接続されており、
    前記濃度調整手段は、前記第2濃度調整器を前記第4経路に設定する前に、前記第1濃度調整器を前記第1経路に設定することによって前記流路内の前記第1相変化材料を前記第1濃度調整器内に貯留させる、請求項7に記載の温度調整装置。
  10. 前記相変化材を冷却する冷却手段と、
    前記流路内で前記相変化材を循環させる循環手段と、
    をさらに備え、
    前記流路は、
    前記バッテリ、前記冷却手段、及び前記循環手段を経由する第1流路と、
    前記冷却手段及び前記循環手段を経由し前記バッテリを経由しない第2流路と、
    を有し、
    前記制御手段は、さらに前記第1流路と前記第2流路との切り替えを制御する、請求項2~9のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  11. 前記制御手段は、前記相変化材の濃度を上げても前記相変化材の温度調整可能量が不十分である場合には、前記流路内を流れる前記相変化材の流速を上昇させる、請求項2~10のいずれか一つに記載の温度調整装置。
  12. 前記制御手段は、前記相変化材の濃度を上げても前記相変化材の温度調整可能量が不十分である場合には、前記バッテリに流れる電流の電流値を低下させる、請求項2~11のいずれか一つに記載の温度調整装置。
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