JP7297382B2 - 電気化学キャパシタ - Google Patents
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Description
なお、亜鉛電極は、電解液に水を使えるため安全性に優れ、出力できる電圧と重量当たりの電力量が高く、しかも安価である。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の電気化学キャパシタは、正極、亜鉛負極、及び、セパレータを含んで構成される電気化学キャパシタであって、該セパレータは、疎水性粒子及び親水性粒子を含む。
以下では、本発明の電気化学キャパシタを構成するセパレータ、正極、亜鉛負極、及び、電解質について順に説明する。
上記セパレータは、正極と亜鉛負極とを隔離し、正極と亜鉛負極との間のイオン伝導性を確保する部材であるが、上述したように疎水性粒子及び親水性粒子を含むものであればよい。
上記セパレータは、疎水性粒子を含む。本明細書中、疎水性粒子とは、下記透水性試験により算出される透水量が0.01g以下である粒子をいう。疎水性粒子は、該透水量が0.01g以下である限り特に限定されず、例えば、粒子全体が疎水性材料で構成された粒子であってもよいし、表面が疎水性材料で被覆された粒子であってもよい。
上記疎水性粒子における透水量は、0.001g以下であることが好ましい。
なお、上記疎水性粒子における透水量の下限値は、0gである。
疎水性粒子は、独立した粒子形状を保つことが好ましい。
図1に示されるように、室温、常圧下で、内径1.5cmの円筒形容器2の下部に、親水処理(フッ素処理)済ポリプロピレン製不織布4を設置し、更に、水吸収体としてαセルロースからなる、3cm×3cm、厚み1mm、重量400mgのろ紙3を設置し、円筒形容器2の上部付近から試料粉体1(1g)を静かに投入する。その後、水5(2g)を円筒形容器2の上部付近から静かに投入し、1時間経過後にろ紙3に吸収された水分量を計測し、1時間あたりの透水量を算出する。水分量は、ろ紙3の重量変化から計測することができる。なお、親水処理済ポリプロピレン製不織布4は、ろ紙3に試料粉体1が付着して重量誤差を生じないように、ろ紙3と試料粉体1との間に挿入したものである。また、試料がディスパージョンのような形態の場合は、円筒形容器2の下部に蓋をしてディスパージョンの固形分重量が1gになるように投入し、乾燥後に下部の蓋を外し親水処理済ポリプロピレン製不織布4及びろ紙3をセットした後、上述したように水5を投入して透水性試験を実施する。
なお、各種粒子について透水性試験を実施した結果を実施例に示す。
上記疎水性粒子は、ポリマーを含むことが好ましい。該ポリマーとしては、種々の疎水性材料を好適に用いることができ、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、例えば、含ハロゲン原子エチレン系ポリマー、共役ジエン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルケトン等が挙げられるが、中でも、含ハロゲン原子エチレン系ポリマー、共役ジエン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、及び、ポリスルホン系ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記共役ジエン系ポリマーとしては、スチレン-ブタジエン系ポリマー、カルボキシ変性スチレン-ブタジエン系ポリマー、ポリブタジエン系ポリマー、カルボキシ変性ポリブタジエン系ポリマー、ポリイソプレン系ポリマー、カルボキシ変性ポリイソプレン系ポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン系ポリマー、カルボキシ変性アクリロニトリル-ブタジエン系ポリマー等の1種又は2種以上を好適に用いることができる。これらの中でも、スチレン-ブタジエン系ポリマー、カルボキシ変性スチレン-ブタジエン系ポリマーが好ましく、特にカルボキシ変性スチレン-ブタジエン系ポリマーが好ましい。
上記共役ジエン系ポリマー100質量%中、その他の不飽和モノマー由来のモノマー単位の質量割合は、30質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系ポリマー100質量%中、その他の不飽和モノマー由来のモノマー単位の質量割合は、30質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましい。
上記ポリスルホン系ポリマーは、スルホニル基を繰り返し単位に有するポリマーを言い、例えばポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルスルホン(PSSU)が挙げられる。
上記ポリエーテルケトンは、エーテル結合及びケトン結合を有するポリマーであり、例えばポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
モノマー成分の重合方法としては特に限定されず、例えば、水溶液重合法、乳化重合法、逆相懸濁重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の方法が挙げられる。
上記疎水性粒子は、平均粒子径が50nm以上であることが好ましい。該平均粒子径は、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることが更に好ましい。また、該平均粒子径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。
平均粒子径は、体積基準の粒度分布における平均粒子径であり、疎水性粒子水分散液約10mLをガラスセルに採取し、これを動的光散乱法による粒度分布測定器(パーティクルサイジングシステムズ〔Particle Sizing Systems〕社製、商品名:NICOMP Model 380)を用いて測定されるものである。
上記アスペクト比(縦/横)は、SEMにより観察した粒子の形状から求めることができる。例えば、上記粒子が直方体状の場合は、最も長い辺を縦、2番目に長い辺を横として、縦の長さを横の長さで除することにより求めることができる。その他の形状の場合には、アスペクト比が最も大きくなるように、ある一つの部分を底面に置き、それをアスペクト比が最も大きくなるような方向から投影した時にできる二次元の形において、ある一点から最も離れた一点の長さを測定し、その最も長いものを縦、縦の中心点を通る直線のうち最も短いものを横として、縦の長さを横の長さで除することにより求めることができる。
なお、アスペクト比(縦/横)が上述のような範囲の粒子は、例えば、そのようなアスペクト比を有する粒子を選択する方法や、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、該粒子を選択的に得る方法等により得ることが可能である。
上記セパレータは、親水性粒子を含む。本明細書中、親水性粒子とは、上記透水性試験により算出される透水量が0.01gを超える粒子であり、通常、ガラス転移温度を有さない無機化合物粒子である。親水性粒子は、該透水量が0.01gを超える限り特に限定されず、例えば、粒子全体が親水性材料で構成された粒子であってもよいし、表面が親水性材料で被覆された粒子であってもよい。
上記親水性粒子における透水量は、0.1g以上であることが好ましい。
なお、上記親水性粒子における透水量の上限値は、2gである。
上記親水性粒子は、無機化合物を含むことが好ましい。該無機化合物としては、種々の親水性材料を好適に用いることができるが、例えば、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、リン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、本明細書中、水酸化物は、ヒドロキシ基を有する化合物であって、層状複水酸化物以外のものを言う。
[M1 1-xM2 x(OH)2](An-)x/n・mH2O
(M1は、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mnのいずれかである二価金属イオンを表す。M2は、Al、Fe、Mn、Co、Cr、Inのいずれかである三価金属イオンを表す。An-は、Cl-、NO3 -、CO3 2-、COO-等の1価以上、3価以下のアニオンを表す。中でも、An-は、2価以下のアニオンを表すことが好ましい。mは0以上の数であり、nは1以上、3以下の数である。xは0.20以上、0.40以下の数である。)に代表される化合物であり、このような層状複水酸化物としては、例えば、ハイドロタルサイト、マナッセイト、モツコレアイト、スティッヒタイト、ショグレナイト、バーバートナイト、パイロアウライト、イオマイト、クロロマガルミナイト、ハイドロカルマイト、グリーン ラスト1、ベルチェリン、タコバイト、リーベサイト、ホネサイト、イヤードライト、メイキセネライト等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。中でも、工業的に利用が容易である点で、前記一般式におけるM1がMg、M2がAlであるハイドロタルサイトが好ましい。
なお、これら層状水酸化物は、例えば、150℃以上、900℃以下で焼成することにより脱水した化合物や層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物であってもよい。
上記層状複水酸化物には、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。また、上記層状複水酸化物は層間内に有機物を有していてもよい。
上記親水性粒子は、平均粒子径が2μm以下であるものが好ましい。該平均粒子径は、より好ましくは1μm以下であり、更に好ましくは0.5μm以下である。また、該平均粒子径は、0.001μm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることが更に好ましい。
上記平均粒子径とは、体積基準の粒度分布における平均粒子径であり、親水性粒子を分散媒(0.2%ヘキサメタりん酸ナトリウム含有イオン交換水)で希釈し、得られた希釈液約10mLをガラスセルに採取し、これを動的光散乱法による粒度分布測定器(パーティクルサイジングシステムズ〔Particle Sizing Systems〕社製、商品名:NICOMP Model 380)を用いて測定されるものである。
上記アスペクト比(縦/横)の求め方は、上述した通りである。
また、アスペクト比(縦/横)が上述のような範囲の粒子は、上述した方法により得ることができる。
上記セパレータは更に、結着成分を含んでいてもよい。結着成分は、通常、ガラス転移温度が60℃未満である成分をいい、粒子間を結着することで、セパレータの構造安定性に寄与できるものである。結着成分は、ガラス転移温度が50℃以下であることが好ましい。
また結着成分は、非粒子状であることが好ましい。
更に、結着成分は、周囲の他の成分(疎水性粒子、親水性粒子、多孔質支持体等)と結着していることが好ましい。
上記バインダーポリマーとしては、上述した疎水性粒子であるポリマー粒子を構成するポリマーと同様のものを使用できるが、中でも、共役ジエン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマーが好ましく、共役ジエン系ポリマーがより好ましい。
上記セパレータは、更に、ポリオレフィン系ポリマー等からなる多孔質支持体(多孔質基材)を有し、多孔質支持体に疎水性粒子、親水性粒子、及び、必要に応じて結着成分の混合物(分散液)が含浸した樹脂含浸層であってもよく、多孔質基材に該混合物を接触させ、必要に応じて混合物を乾燥させて得られる積層構造のものであってもよい。
上記セパレータは、本発明に係る分散液を多孔質支持体に含浸させて得られる樹脂含浸層と多孔質支持体とが少なくとも部分的に一体化したものである。該セパレータでは、本発明に係る分散液の固形分が多孔質支持体中の空孔の少なくとも一部を埋めている。
上記セパレータは更に、従来公知の分散剤、増粘剤、導電性カーボン、導電性セラミックス等のその他の成分を含んでいてもよい。
上記セパレータにおけるその他の成分の含有割合は、セパレータの強度の観点からセパレータ100質量%中、10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下である。
上記平均膜厚は、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製)を用いて任意の10点を測定した平均値である。
ガス透過性とは、透気度がガーレー値で10000秒以下であればよい。該ガーレー値は、9500秒以下であることが好ましい。
また上記ガーレー値は、500秒以上であることが好ましく、1000秒以上であることがより好ましい。
上記ガーレー値は、実施例に記載のガーレー法により測定されるものである。ガーレー値は、気体の通過しやすさを表す指標であり、値が大きいほど気体を通しにくい。
なお、上記ガーレー値は、セパレータが複数の層が積層された積層体である場合は、積層体について測定されたガーレー値である。
上記空隙率は、セパレータの体積に対するセパレータの空隙の体積で表されるものであり、水銀ポロシメーターにより測定することができる。
塗料を溜めた液相の中に、多孔質支持体(例えば、不織布)を導入し、充分に含浸させた後、引き上げながら乾燥させ、シート化する。
なお、上記セパレータは、上記混合液を剥離基材上に塗工した後、多孔質支持体に接触させ、膜を乾燥させたうえで剥離基材から剥離して得ることもできる。
本発明の電気化学キャパシタは、亜鉛負極を含んで構成されるものである。
上記正極の活物質としては、特に限定されず、電気化学キャパシタの正極活物質として用いられるいずれのものも用いることができるが、例えば、活性炭、多孔質金属酸化物、多孔質金属、導電性重合体を用いることが好ましく、中でも、活性炭が好ましい。言い換えれば、上記正極は、炭素極であることが好ましい。
正極は、結着剤や導電助剤、触媒、溶媒等を加えてスラリー状とし、これを基板に塗布、乾燥して得ることができる。また、プレス成形してペレットとすることもできる。結着剤や導電助剤、触媒については、後述する。
本発明の電気化学キャパシタは、亜鉛負極を含んで構成されるものである。
上記亜鉛負極は、負極活物質として亜鉛単体又は亜鉛化合物を含むものを意味する。亜鉛化合物は、活物質として用いることができるものであればよく、例えば、酸化亜鉛(JIS K1410(2006年)に規定する1種/2種/3種)や、水酸化亜鉛・硫化亜鉛・テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ金属塩・テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ土類金属塩・亜鉛ハロゲン化合物・亜鉛カルボキシラート化合物・亜鉛合金・亜鉛固溶体・ホウ酸亜鉛・リン酸亜鉛・リン酸水素亜鉛・ケイ酸亜鉛・アルミン酸亜鉛・炭酸化合物・炭酸水素化合物・硝酸化合物・硫酸化合物等に代表される周期表の第1族~第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する亜鉛(合金)化合物、有機亜鉛化合物、亜鉛化合物塩等が挙げられる。これらの中でも、亜鉛単体及び/又は酸化亜鉛が好ましい。
上記触媒としては、特に制限されず、従来公知の触媒を使用できる。
上記活物質層の平均厚みは、マイクロメーターにより任意に5点を測定して算出することができる。
上記集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;電気化学キャパシタに集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
本発明の電気化学キャパシタに用いる電解質としては、固体電解質を使用してもよいが、電気化学キャパシタの電解液として通常用いられる電解液(より好適には、水系電解液)を好適に用いることができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等が挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液における電解質は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、有機溶剤を含んでいてもよい。
<透気度>
JIS P 8117に準じて、ガーレー測定器を用いて、100ccの空気が透過する時間を測定した。
<平均粒子径>
上述した方法に従って測定されたものである。
7MKOH水溶液中に5wt%となるようにポリアクリル酸ナトリウム(アクアリックIHL)を添加し、高分子ヒドロゲルを作成し、これをセパレータとして用い、下記正極・下記負極・下記電解液と共にセルに導入し、真空ラミネートで密閉して、電気化学キャパシタ(ハイブリッドキャパシタ)を構築し、下記駆動条件等で駆動した。結果、2000サイクル時点で短絡した。
活性炭(比表面積1098m2/g)とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)エマルション(Nv〔固形分〕60%)と水を20:2:50の質量割合で混合し、スラリー化したものをニッケル箔上へ塗布して作成した。
亜鉛と酸化亜鉛を1:1の質量割合で混合し、その混合粉とPTFEエマルション(Nv60%)と水を40:2:10の質量割合で混練し、ペースト化した後、Snメッキされたパンチング鋼板に圧延して作成した。
7mol/Lに調整したKOH水溶液(ZnO飽和量添加)
電極サイズ:3cm×3cm
駆動電流:1000mA(100C相当)
停止条件:充電1.5V、放電0.5V
比較例1で作成したセパレータの代わりに、親水性粒子として水酸化マグネシウム(平均粒子径250nm)、疎水性粒子としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(平均粒子径300nm、ガラス転移温度115℃)を用い、体積比1:1となるように混合しスラリー化した分散液に、分散液の固形分100質量%に対して10質量%のスチレンブタジエンゴム(ガラス転移温度-1℃)を混合したものを不織布に含浸させてセパレータとした。ガーレー値は5000秒程度であった。その他は比較例1と同様としたところ、5000サイクル経過時にも短絡が見られなかった。
親水性粒子と疎水性粒子を体積比2:8で混合した以外は実施例1と同様としたところ、セパレータのガーレー値は9500秒であり、5000サイクル経過時にも短絡が見られなかった。
親水性粒子と疎水性粒子を体積比8:2で混合した以外は実施例1と同様としたところ、セパレータのガーレー値は1200秒であり、5000サイクル経過時にも短絡が見られなかった。
疎水性粒子としてポリプロピレン(PP)(平均粒子径1000nm、ガラス転移温度0℃)を用いた以外は実施例1と同様としたところ、セパレータのガーレー値は3000秒であり、5000サイクル経過時にも短絡が見られなかった。
疎水性粒子としてポリエチレン(PE)(平均粒子径30μm、ガラス転移温度-125℃)を用いた以外は実施例1と同様としたところ、セパレータのガーレー値は1400秒であり、5000サイクル経過時にも短絡が見られなかった。
2:円筒形容器
3:ろ紙
4:親水処理済ポリプロピレン製不織布
5:水
Claims (4)
- 正極、亜鉛負極、及び、セパレータを含んで構成される電気化学キャパシタであって、
該セパレータは、透水性試験で測定した透水量が0.01g以下の疎水性粒子及び該透水量が0.01gを超える親水性粒子を含み、更に、ガラス転移温度が60℃未満の結着成分を含み、
該セパレータは、更に、ポリオレフィン系ポリマー及び/又はポリビニルアルコール系ポリマーを含む不織布を有し、
セパレータ中、疎水性粒子と親水性粒子と結着剤の合計質量割合が30質量%以上であり、該疎水性粒子と該親水性粒子との体積割合は、10:90~99:1であり、該結着成分の含有量は、疎水性粒子と親水性粒子との合計質量割合に対し、1~20質量%であり、
該透水性試験は、室温、常圧下で、内径1.5cmの円筒形容器の下部に、フッ素処理済ポリプロピレン製不織布を設置し、その下側に、水吸収体としてαセルロースからなる、3cm×3cm、厚み1mm、重量400mgのろ紙を設置し、円筒形容器の上部付近から、試料粉体1gを静かに投入し、その後、水2gを静かに投入し、1時間経過後にろ紙に吸収された水分量を計測し、1時間あたりの透水量をろ紙の重量変化から算出して計測するものであることを特徴とする電気化学キャパシタ。 - 前記疎水性粒子は、ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学キャパシタ。
- 前記親水性粒子は、無機化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学キャパシタ。
- 前記疎水性粒子と前記親水性粒子との体積割合は、20:80~80:20であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電気化学キャパシタ。
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