JP7297293B2 - 空中超音波検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空中超音波検査装置に関わり、特に被検体に対して非接触で超音波検査を実施できる空中超音波検査装置に関する。
超音波による計測は、非破壊検査、医用超音波など広く利用されている。通常は、空気が探触子(プローブ)と検査対象である被検体(試験体)との間に入らないように、検査対象に接触媒質、例えば水、油、グリセリンなどを塗布する。しかし、接触媒質の状態により検査結果の誤差が発生したり、検査後の接触媒質の除去を要したりするため、このような検査の安定性、コストの問題を解消するために、接触媒質を使わずに超音波計測を行なうことが望まれている。
そこで、本出願人は空中超音波により試験体の欠陥を画像化する空中超音波検査法を開発し、リチウムイオン電池、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、自動車のブレーキパッドなどへ適用してきた。また、医用超音波では、踵の計測に空中超音波を利用することが研究されている。
特開2010-25817号公報 特開2015-179011号公報
ところで、超音波による計測の対象として、円筒型をなす、例えば缶タイプかつ丸型をなすリチウムイオン電池がある。このリチウムイオン電池は、例えば電池本体が丸型の缶ケースで覆われ、電池本体と缶ケースとの間に電解液が充填されている。
正常なリチウムイオン電池では、上記のように内部に電解液が充填されているが、例えば製造時の不良、もしくは経年劣化などにより、内部に電解液が必要十分に充填されていない状態であると、リチウムイオン電池としての性能を発揮することができない。
このため、例えば、製造時または、製造時から一定期間経過後のリチウムイオン電池について、内部に電解液が必要十分に充填されているか否かを超音波により検出することが望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被検体内部に液体が必要十分に充填されているか否かを高い精度で検出できる空中超音波検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置は、液体を充填可能であって円筒状をなす被検体に空気を介して対向配設され、パルス状の超音波を送信面から前記被検体に送信する送信超音波探触子と、前記被検体に空気を介して対向配設され、当該被検体の周り回転するように伝搬した超音波を信面により受けて振動子で電気信号に変換して出力する受信超音波探触子と、前記受信超音波探触子から出力された信号を受信する受信部と、前記受信部により受信された電気信号の信号レベルに基づき、前記被検体に前記液体が必要十分に充填されているか否かを解析する解析部とを備え、前記被検体は、電解液を充填可能であって前記円筒状をなす電池であって、前記解析部は、前記受信部により受信された電気信号の信号レベルが所定の条件を満たす低いレベルである場合に、前記電池に前記電解液が必要十分に充填されていると解析し、前記受信部により受信された電気信号の信号レベルが前記所定の条件を満たす低いレベルでない場合に、前記電池に前記電解液が必要十分に充填されていないと解析する
本発明においては、被検体内部に液体が必要十分に充填されているか否かを高い精度で検出できる。
本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置の概略構成例を示す図。 矩形波バースト信号の一例を示す図。 表示部に表示された各信号の波形の一例を示す図。 空中超音波検査装置に組込まれた信号発生部の回路の一例を示す図。 超音波探触子の一例を示す断面図。 信号発生部に組込まれたゲート信号発生回路の詳細構成を示すブロック図。 信号発生部の動作の一例を示すタイムチャート。 本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置による、円筒型をなすリチウムイオン電池の内部の検査の形態の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置による、円筒型をなすリチウムイオン電池の内部の検査の形態の一例を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置の概略構成例を示す模式図である。図2は矩形波バースト信号の一例を示す図である。
この実施形態に係る空中超音波検査装置は、大きく分けて、図2に示す矩形波バースト信号aを出力するとともに受信信号bを入力するパルス送受信器10と、矩形波バースト信号aを受けて、空気を介して被検体へ向けて超音波パルス(以下、単に超音波と称することもある)を送信する送信超音波探触子12と、被検体内を透過した、または被検体内で反射したのちに透過した超音波パルスを空気を介して受けて受信信号bを出力する受信超音波探触子13と、受信信号bに基づいて、被検体内の欠陥の有無を示す画像、もしくは被検体が電池であるときにおける当該電池内に電解液が必要十分に充填されているか否かを示す画像などを出力するとともに、パルス送受信器10に各種設定を行なう検査制御解析器14とで構成されている。電池内に電解液が必要十分に充填されている状態は、電池が性能を十分に発揮できる状態を指す。
矩形波バースト信号aは、従来の一つ(1周期分)のサイン波からなるパルス信号ではなくて、例えば、図2に示すように、連続する所定個数の負の矩形波からなる矩形波バースト信号である。
このように、送信超音波探触子内の振動子に印加するパルス信号を、連続する所定個数の負の矩形波からなる矩形波バースト信号とすることによって、振動子における電気信号から超音波への高い変換効率を実現できる。
具体的には、送信超音波探触子内の振動子に印加される矩形波バースト信号における一つの矩形波が有する電気エネルギーWは、矩形波におけるパルス幅(T/2)に電圧VHが乗算された矩形波の面積SAに相当する。この矩形波の面積SAは、従来の一つ(1周期分)のサイン波からなるパルス信号の面積と比較して格段に大きい。
さらに、図2に示す矩形波バースト信号における、連続する負の矩形波の周期Tを振動子の厚みの1倍又は整数倍に設定することによって、厚みで定まる共振周波数を有する振動子を共振振動状態とすることができる。
このように、連続する所定個数の負の矩形波で構成された矩形波バースト信号が振動子に印加された場合における、振動子から出力される超音波パルスのレベルは、一つのサイン波からなるパルス信号が振動子に印加された場合における、振動子から出力される超音波パルスのレベルと比較して格段に大きい。
図1に示すように、パルス送受信器10内には、矩形波バースト信号aを作成する信号発生部15、信号発生部15から出力された矩形波バースト信号aを信号ケーブル17を介して送信超音波探触子12へ送信する送信部16、受信超音波探触子13から信号ケーブル18を介して受信信号bを受信する受信部19、および受信部19により受信された受信信号bを増幅して検査制御解析器14へ送出する増幅部20がそれぞれ設けられている。
また、例えば市販のパーソナルコンピュータ(PC)等で構成された検査制御解析器14内には、解析部21、周波数変換部(FFT)22、液晶ディスプレイ等からなる表示部23、測定条件設定部24、及びキーボード、マウス等からなる操作部25等が設けられている。なお、PCは、メモリ、CPU、通信インターフェイス、記憶装置などを備え、本発明の一実施形態にかかる情報処理は、記憶装置に記憶された、本発明の一実施形態に係る情報処理を実現するプログラムをCPUが実行することにより実現される。
解析部21は、パルス送受信器10の増幅部20から出力された増幅後の受信信号b1の信号レベル、実際には、受信信号b1の信号レベルと信号発生部15から出力された矩形波バースト信号aの信号レベルとの比に基づいて、被検体内の欠陥の有無を示すCモード画像を表示部23に表示出力することができる。
また、解析部21は、パルス送受信器10の受信部19により受信された受信信号bの信号レベルと、送信部16から出力された矩形波バースト信号aの信号レベルとの比に基づいて、被検体が電池であるときにおける当該電池内に電解液が必要十分に充填されているか否かを示す画像を表示部23に表示出力することができる。
ここでは、図1に示すように、送信部16から解析部21に矩形波バースト信号aが出力される例が示されるが、解析部21は、上記受信信号bの信号レベルと、信号発生部15から出力された矩形波バースト信号aの信号レベルとの比に基づいて、上記電池内に電解液が必要十分に充填されているか否かを示す画像を表示部23に表示出力してもよい。
周波数変換部(FFT)22は、パルス送受信器10の増幅部20から出力された増幅後の受信信号b1に対し、測定条件設定部24で指定された周波数範囲(f1~f2)で周波数変換である高速フーリエ変換を行ない、周波数変換された受信信号b2としてCモード画像などとは別に表示部23に表示出力することができる。
図3は、表示部に表示された各信号の波形の一例を示す図である。表示部23は、図3(a)に示す矩形波バースト信号a、図3(b)に示す増幅後の受信信号b1、および図3(c)に示す周波数変換された受信信号b2をそれぞれ表示できる。よって、検査実施者は各種信号の詳細を確認できる。
図4は、空中超音波検査装置に組込まれた信号発生部の回路の一例を示す図である。この図4では、矩形波バースト信号aを発生する信号発生部15の詳細な回路について示す。
測定条件設定部24は、図4に示すように、操作部25を介して検査実施者により操作入力された測定条件、ここでは図2に示す矩形波バースト信号aにおける電圧VH、周波数f、波数N、開始信号Sを含む測定条件をパルス送受信器10の信号発生部15へ送出する。さらに、測定条件設定部24は、測定条件で指定された周波数fに対応する周波数範囲(f1~f2)を周波数変換部(FFT)22へ設定する。
具体的には、電圧VHは、図2に示す矩形波バースト信号aにおける負の矩形波40の電圧である。図5は、超音波探触子の一例を示す断面図である。周波数fは、図5に示す送信超音波探触子12及び受信超音波探触子13内の振動子42に印加される矩形波バースト信号aにおける連続する負の矩形波40の周期Tに対応する周波数f(=1/2πT)に設定される。また、波数Nは、矩形波バースト信号aにおける連続する負の矩形波40の数に設定される。さらに、開始信号Sには、被検体に向けて、矩形波バースト信号aが所定周期TSで繰返し送られる場合における矩形波バースト信号aの出力タイミングと出力周期TSがそれぞれ設定される。
図4に示すように、信号発生部15内には、高電圧発生回路26、スイッチング素子27a,27b、電源供給抵抗28(R)、カップリングコンデンサ29(C)、ダンピング抵抗30(R)、およびゲート信号発生回路32が設けられる。
高電圧発生回路26は、測定条件設定部24から指定された電圧VHに等しい、例えば、600V(ボルト)の直流高電圧EHを出力する。この高電圧発生回路26の高電圧出力端子と接地間には2つのスイッチング素子27a,27bの直列回路が介挿されている。
高電圧発生回路26の高電圧出力端子とスイッチング素子27a,27bの中間点33との間に電源供給抵抗28(R)が接続され、スイッチング素子27a、27bの中間点33と信号発生部15の(+)側出力端子31aとの間にカップリングコンデンサ29(C)が介挿され、信号発生部15の(+)側出力端子31aと接地間にダンピング抵抗30(R)が接続されている。
信号発生部15の(+)側出力端子31aと接地側出力端子31bとの間に、図2に示す矩形波バースト信号aが出力される。各スイッチング素子27a,27bはゲート信号発生回路32から出力されるゲート信号g1,g2にて通電制御される。
図6は、ゲート信号発生回路32の詳細構成例を示すブロック図である。図7は、信号発生部の動作の一例を示すタイムチャートである。
図6に示すように、ゲート信号発生回路32は、正弦波発振回路34、2値化回路35、第1のゲート回路36、反転回路(インバータ回路)37、第2のゲート回路38、およびパルス数カウンタ39を有する。
正弦波発振回路34は、時刻x1にて測定条件設定部24から開始信号Sを入力すると、図7のタイムチャートに示すように、測定条件設定部24から指定された周波数f(周期T)を有する正弦波信号hを発振して出力開始する。
正弦波発振回路34から出力された正弦波信号hは、次の段に設けられる2値化回路35で2値化信号jに変換される。2値化信号jは、「+」部分をH(ハイ)レベルとし、「-」部分をL(ロー)レベルとする信号である。2値化回路35から出力された2値化信号jは、第1のゲート回路36、及びパルス数カウンタ39へそれぞれ入力される。さらに、2値化回路35から出力された2値化信号jは、反転回路(インバータ回路)37でHレベルとLレベルとにレベル変換されて、反転2値化信号kとして第2のゲート回路38へ入力される。
パルス数カウンタ39には、測定条件設定部24から波数Nが設定されている。本実施形態においては、N=2である。そして、パルス数カウンタ39は、時刻x1にて測定条件設定部24から開始信号Sを入力すると、図7のタイムチャートに示すように、2値化回路35から出力された2値化信号jのパルス数の計数を開始し、時刻x2にて、計数値が測定条件設定部24から設定された波数Nに達すると、計数を終了し、計数値を「0」にクリアする。そして、パルス数カウンタ39は、時刻x1から時刻x2までの計数期間中においてHレベルとなるゲート信号mを各ゲート回路36,38へ送出する。
第1のゲート回路36は、パルス数カウンタ39からのゲート信号mがHレベルの期間において、2値化回路35から出力された2値化信号jを通過させて、ゲート信号g1として、図4に示すスイッチング素子27aのゲート端子へ印加する。同様に、第2のゲート回路38は、パルス数カウンタ39からのゲート信号mがHレベルの期間において、反転回路37から出力された反転2値化信号kを通過させて、ゲート信号g2として、図4に示すスイッチング素子27bのゲート端子へ印加する。
その結果、図7のタイムチャートに示すように、ゲート信号g1がHレベルの期間においては、スイッチング素子27aが導通し、スイッチング素子27bが遮断されているので、スイッチング素子27a、27bの中間点33の電圧信号nは、直流高電圧EHに等しい電圧VHとなる。
また、ゲート信号g2がHレベルの期間においては、スイッチング素子27bが導通し、スイッチング素子27aが遮断されているので、中間点33の電圧信号nは、接地(アース)電位(0V(ボルト)となる。
この中間点33の電圧信号nは、電源供給抵抗28(R)、カップリングコンデンサ29(C)、ダンピング抵抗30(R)にて、スイッチング素子27aの通電期間における極性が反転される。図7のタイムチャートに示す、連続する2個(N=2)の負の矩形波40からなる矩形波バースト信号aが、出力端子31a、31b間から出力される。
したがって、信号発生部15から出力される、図2に示す矩形波バースト信号aにおける負の矩形波40の電圧VHは、高電圧発生回路26から出力される600V(ボルト)の直流高電圧EHとなる。
このように、検査実施者は、矩形波バースト信号aにおける、負の矩形波40の電圧VH、負の矩形波40の波数N、負の矩形波40の周期T(矩形波40のパルス幅T/2)、矩形波バースト信号aの送信周期TS等の測定条件を、操作部25から測定条件設定部24に任意に設定可能である。
信号発生部15から出力された矩形波バースト信号aは、送信部16にて、信号ケーブル17を介して送信超音波探触子12へ送信される。本実施形態では、送信超音波探触子12と受信超音波探触子13とは、被検体を挟むように配設されて用いられる。送信超音波探触子12は、被検体の一方の表面に対して例えば40mm(ミリメートル)等の空気の層を介して対向配設される。また、受信超音波探触子13は、被検体の上記の一方の表面に対する反対側の表面に対して例えば50mm等の空気の層を介して対向配設される。
送信超音波探触子12と受信超音波探触子13とが、被検体を挟むように配設された場合、送信超音波探触子12の振動子42は、矩形波バースト信号aが印加されると超音波パルスcを接触媒質である空気を介して被検体へ入射する。超音波パルスcは被検体内を伝搬して、又は被検体内で反射したのちに当該被検体を透過して、被検体の反対面から受信超音波探触子13へ向けて送られる。この超音波パルスcは、受信超音波探触子13の振動子42にて受信信号である透過光信号に変換されて、信号ケーブル18を介してパルス送受信器10の受信部19へ入力される。
次に、図5を参照して、送信超音波探触子12と受信超音波探触子13の構成について説明する。送信超音波探触子12と受信超音波探触子13とは送信面、受信面の違いを除いて同一構成であり、図5に示すように、下端開口44を有する金属製の筒状のケース43の下端開口44の近傍に振動子42が配設されている。この振動子42の下方、すなわち、超音波パルスの入出力側に前面板45が貼り付けられている。この前面板45は、送信超音波探触子12における送信面、又は受信超音波探触子13における受信面に対応する。
そして、この実施形態の送信超音波探触子12及び受信超音波探触子13においては、振動子42及び前面板45の音響インピーダンスは、被検体に当接して使用される接触型超音波探触子と比較して低く設定されている。具体的には、前面板45の材料を従来のセラミックス系から樹脂系に変更することによって、音響インピーダンスZを低下させて、空気46の音響インピーダンスに近づけている。また、前面板45の材料として、比重が例えば0.7~0.8程度の多孔性構造を有した樹脂材料を採用することができる。
その結果、各超音波探触子と空気46との接続部分における超音波の透過率が向上して、超音波パルスのレベル低下が防止される。さらに、受信超音波探触子13においては、超音波パルスが効率的に振動子42に入射されるので、受信超音波探触子13から出力される受信信号の信号レベルの低下を抑制できる。
また、この実施形態の送信超音波探触子12及び受信超音波探触子13においては、振動子42の上側においては、接触型超音波探触子の振動子の上側に設けられていたアクリル製のダンパ部材が除去されている。
次に、円筒状をなす、例えば缶タイプの丸型をなすリチウムイオン電池を被検体として、このリチウムイオン電池の缶ケースの内壁と、電池内の電池本体の外表面との間に電解液(液体)が必要十分に充填されているか否かを、空中伝搬超音波・ガイド波(板波)透過法により測定することについて説明する。
図8、図9は、本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置による、円筒型をなすリチウムイオン電池の内部の検査の形態の一例を説明する図である。図8では、リチウムイオン電池の内部に電解液が充填されている場合の検査の形態を、図9では、リチウムイオン電池の内部に電解液が充填されていない場合の検査の形態をそれぞれ示す。
図8、図9に示すように、被検体であって、送信超音波探触子12と受信超音波探触子13との間に空気を介して配設されるリチウムイオン電池は、円筒状の電池本体100の外周面が円筒状の缶ケース110で覆われている。図8に示した例では、電池本体100の外表面と缶ケース110の内壁面との間の空隙300に電解液120が必要十分に充填される。一方で、図9に示した例では、電池本体100の外表面と缶ケース110の内壁面との間の空隙300に電解液120は充填されていない。
ここで、パルス送受信器10から矩形波バースト信号aが送信超音波探触子12内の振動子に印加された場合における、振動子から出力される超音波パルスを空気中から缶ケース110の曲面としての外壁に入射させ、周回波であるガイド波(板波)200を発生させると、このガイド波200は、缶ケース110を伝って円周方向に進行する。
上記のように缶ケース110が円筒状であれば、ガイド波200は、当該ガイド波200のエネルギーが減衰して消滅するまで、缶ケース110の外壁の周りを回転するように進行する。
超音波は、2つの異なる物質の境界面で反射、透過、屈折及びモード変換を行ない、この時の、反射率と透過率は、上記2つの異なる物質の音響インピーダンスの比に依存する。
固体である缶ケース110の内壁面に接している物質が液体であるか気体であるかにより、缶ケース110の内壁面から当該物質へのガイド波200の透過率は大きく異なる。
例えば、缶ケース110の内壁面に接している物質が液体である場合は、気体である場合と比較して、缶ケース110の内壁面から当該液体への透過率が高い。
一方で、缶ケース110の内壁面に接している物質が気体である場合は、液体である場合と比較して缶ケース110の内壁面から当該気体へのガイド波200の透過率が低い。
つまり、上記のように、缶ケース110の内壁面と電池内部の電池本体100の外表面との間に充填される物質に液体が含まれる場合は、液体が含まれない場合と比較して、缶ケース110の内壁面から当該液体中に透過するガイド波200のエネルギーは大きい。
このため、缶ケース110を円周方向に伝搬するガイド波200のエネルギーは、上記充填される物質に液体が含まれない場合と比較して小さい。
一方で、上記のように、缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に充填される物質に液体が含まれず、気体のみである場合は、液体が含まれる場合と比較して、缶ケース110の内壁面から当該気体中に透過するガイド波200のエネルギーは小さい。
このため、缶ケース110を円周方向に伝搬するガイド波200のエネルギーは、上記充填される物質に液体が含まれる場合と比較して大きい。
そこで、本発明の一実施形態に係る空中超音波検査装置は、矩形波バースト信号aが送信超音波探触子12内の振動子に印加された場合における、振動子から出力される超音波パルスをリチウムイオン電池の缶ケース110の外壁に入射させることでガイド波200を発生させ、缶ケース110を円周方向に伝搬したガイド波200を受信超音波探触子13により受信して、送信波である超音波パルスのレベルと、受信超音波探触子13による受信波である受信信号の、例えば缶ケース110を円周方向に伝搬するガイド波200の初期の周回である0.5周におけるレベルとの比である減衰の度合いをAスコープにより検査制御解析器14により測定する。この測定は、以後の周回である1.5周、2.5周、N.5周(Nは整数)でも行われてよい。また、ガイド波200の受信は、上記特許文献1または特許文献2に記載されるような構成によりなされてもよい。
例えば、検査制御解析器14の解析部21は、パルス送受信器10の送信部16から送信された矩形波バースト信号aである送信波(T)のレベルに対する、受信部19により受信した受信信号bである受信波(R)のレベルの減衰の度合いが、所定の条件を満たして低い場合、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が必要十分に充填されていると判断し、この判断結果を示す文字または画像を表示部23に表示させる。
一方で、検査制御解析器14の解析部21は、パルス送受信器10の送信部16から送信された矩形波バースト信号aである送信波(T)のレベルに対する、受信部19により受信した受信信号bである受信波(R)のレベルの減衰の度合いが、上記所定の条件を満たして低い度合いでない場合、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が必要十分に充填されていないと判断し、この判断結果を示す文字または画像を表示部23に表示させる。
電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が必要十分に充填されていないこととは、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が全く充填されていないことを含む。図9では、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が全く充填されていない例を示すが、電解液が少量のみ充填されている場合でも、上記減衰の度合いが、上記所定の条件を満たして低い度合いでない場合であれば、上記のように、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が必要十分に充填されていないとの判断結果となる。
なお、電解液の充填に係る上記減衰の度合いの閾値を2種類設け、解析部21は、上記減衰の度合いが、ある程度低い、つまり受信波のレベルがある程度高い場合に、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液の充填はなされているが充填量が必要十分でないと判断し、また、上記減衰の度合いがさらに低い場合、つまり受信波のレベルがさらに高い場合に、電池の缶ケース110の内壁面と電池本体100の外表面との間に電解液が全く充填されていないと判断してもよい。
以上のように、本発明の一実施形態に係る超音波検査装置は、被検体である電池の缶ケース110に対する送信波のレベルと受信波のレベルとに基づいて、缶ケース110の内壁と電池本体100の外表面との間に充填される物質に電解液である液体が必要十分に含まれているか、あるいは缶ケース110の内壁と電池本体100の外表面との間に充填される物質が気体のみであるかなどを判断することが可能となる。
また、上記の例では、電池に対する送信波のレベルに対する受信波のレベルの減衰の度合いに基づいて、電池の缶ケース110の内壁と電池本体100の外表面との間に電解液が必要十分に充填されているか否かが判断される例を示したが、送信波のレベルが例えば一定であることが把握されている場合、受信波のレベルのみに基づいて、電池の缶ケース110の内壁と電池本体100の外表面との間に電解液が必要十分に充填されているか否かが判断されてもよい。また、上記の例では、電池を被検体として、電池内に電解液が必要十分に充填されているか否かの検査に適用される例を示したが、その他の被検体内に電解液以外の液体が必要十分に充填されているか否かの検査に適用されてもよい。
なお、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…パルス送受信器、12…送信超音波探触子、13…受信超音波探触子、14…検査制御解析器、15…信号発生部、16…送信部、17,18…信号ケーブル、、19…受信部、20…増幅部、21…解析部、22…周波数変換部、23…表示部、24…測定条件設定部、25…操作部、26…高電圧発生回路、27a,27b…スイッチング素子、28…電源供給抵抗、29…カップリングコンデンサ、30…ダンピング抵抗、32…ゲート信号発生回路、42…振動子、43…ケース、45…前面板、100…電池本体、110…缶ケース、120…電解液、200…ガイド波。

Claims (3)

  1. 液体を充填可能であって円筒状をなす被検体に空気を介して対向配設され、パルス状の超音波を送信面から前記被検体に送信する送信超音波探触子と、
    前記被検体に空気を介して対向配設され、当該被検体の周り回転するように伝搬した超音波を信面により受けて振動子で電気信号に変換して出力する受信超音波探触子と、
    前記受信超音波探触子から出力された信号を受信する受信部と、
    前記受信部により受信された電気信号の信号レベルに基づき、前記被検体に前記液体が必要十分に充填されているか否かを解析する解析部と
    を備え
    前記被検体は、
    電解液を充填可能であって前記円筒状をなす電池であって、
    前記解析部は、
    前記受信部により受信された電気信号の信号レベルが所定の条件を満たす低いレベルである場合に、前記電池に前記電解液が必要十分に充填されていると解析し、
    前記受信部により受信された電気信号の信号レベルが前記所定の条件を満たす低いレベルでない場合に、前記電池に前記電解液が必要十分に充填されていないと解析する、
    空中超音波検査装置。
  2. 前記電池は、
    電池本体が円筒状をなすケースで覆われてなり、前記電池本体の外表面と前記ケースの内壁との間に前記電解液を充填可能であって、
    前記受信超音波探触子は、
    前記ケースの外壁に空気を介して対向配設され、当該外壁の周りを回転するように伝搬した超音波を前記受信面により受けて振動子で電気信号に変換して出力し、
    前記解析部は、
    前記送信超音波探触子により送信された超音波のレベルに対する、前記受信部により受信された電気信号のレベルの減衰の度合いが所定の条件を満たす低い度合いである場合に、前記電池本体の外表面と前記ケースの内壁との間に前記電解液が必要十分に充填されていると解析し、
    前記減衰の度合いが前記所定の条件を満たす低い度合いでない場合に、前記電池本体の外表面と前記ケースの内壁との間に前記電解液が必要十分に充填されていないと解析する、
    請求項に記載の空中超音波検査装置。
  3. 連続する所定個数の負の矩形波からなる矩形波バースト信号を作成して出力する信号発生部をさらに備え、
    前記送信超音波探触子は、
    前記信号発生部から出力された矩形波バースト信号を振動子で超音波に変換して送信面から前記被検体に送信する、
    請求項1に記載の空中超音波検査装置。
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