[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1~図3を参照して以下に説明する。本実施形態の排気装置は、浴槽BTを有する浴室BRを含む1つ以上の部屋の換気を行い得る換気装置としての機能を有する浴室空調装置1と、衣類乾燥機30からの排湿を行う排湿装置50とを含む。
浴室空調装置1は、本実施形態では、浴室BRに加えて、例えば脱衣室UDRの換気をも行い得る装置であると共に、換気運転の他、浴室BRの暖房を行い得る装置である。
この浴室空調装置1は、浴室BRの天井の上側に設置される本体部2と、本体部2に接続された主換気ダクト10及び副換気ダクト15とを備える。本体部2の外装ケース(ハウジング)である本体ケース2a内には、浴室空調装置1の換気運転時に、浴室BR内の空気を主換気ダクト10を介して屋外に排気するための換気ファン5と、浴室空調装置1の暖房運転時に、浴室BR内の空気を本体ケース2a内を介して循環させるための循環ファン6とが搭載されている。
換気ファン5及び循環ファン6は、それぞれの駆動用モータである電動モータ5a,6aにより回転駆動される電動式のファンである。以降、電動モータ5aを換気ファンモータ5a,電動モータ6aを循環ファンモータ6aという。
本体ケース2aの内部空間のうち、換気ファン5及び循環ファン6の上流側の空間(風路)は、本体ケース2aの下面部に設けられた吸気口3を介して浴室BR内に開口されている。また、本体ケース2aの内部空間のうち、循環ファン6の下流側の空間(風路)は、本体ケース2aの下面部に設けられた吹出し口4を介して浴室BR内に開口されている。
従って、循環ファン6の回転作動時(浴室空調装置1の暖房運転時)には、浴室BR内の空気が吸気口3から循環ファン6に吸引され、さらに該循環ファン6から吹出し口4を介して浴室BR内に還流するようになっている。そして、本体ケース2aの内部空間のうち、吸気口3から循環ファン6への風路には、該循環ファン6の回転作動により吸引される空気を加熱する熱交換器7が配置されている。この熱交換器7は、浴室空調装置1の暖房運転時に図示しない給湯器から加熱された温水が供給される熱交換器であり、吸気口3から循環ファン6に吸引される空気を温水との熱交換により加熱する。なお、熱交換器7は、循環ファン6の下流側(循環ファン6から吹出し口4への風路)に配置されていてもよい。
主換気ダクト10は、その上流端が、本体ケース2aの内部空間のうちの換気ファン5の下流側の空間(風路)に開口するように本体ケース2aに接続されている。そして、主換気ダクト10の下流端は、屋外の外気に開口する排気口11に接続されている。
また、主換気ダクト10の上流端(又は上流端寄りの途中部)には、主換気ダクト10を通る気流の逆流(主換気ダクト10の下流側から上流側に向かう気流)が発生するのを防止するための逆流防止板12が装着されている。この逆流防止板12は、主換気ダクト10の上流側(換気ファン5側)から下流側に向かう順方向の気流の発生時には、その気流の風圧によって、主換気ダクト10を開口させる状態に揺動し、上記逆硫の気流が発生すると、該気流の風圧によって、主換気ダクト10を閉塞する状態に揺動するようになっている。
副換気ダクト15は、その上流端が脱衣室UDRの天井に設けられた吸気口16に接続され、下流端が本体ケース2aの内部空間のうちの換気ファン5の上流側の空間(風路)に開口するように該本体ケース2aに接続されている。
従って、換気ファン5の回転作動時(浴室空調装置1の換気運転時)には、浴室BR内の空気が吸気口3から換気ファン5に吸引されると共に、脱衣室UDR内の空気が吸気口16から副換気ダクト15を介して換気ファン5に吸引され、さらに、これらの空気が換気ファン5から主換気ダクト10を通って排気口11から屋外に排気されるようになっている。
浴室空調装置1は、さらに、図2に示すように、浴室空調装置1の運転に関する操作をユーザが行うためのリモコン20と、浴室空調装置1の運転制御を行う機能を有する空調制御装置21とを備える。また、浴室空調装置1は、換気ファン5の作動状態を検出するためのセンサとして、換気ファンモータ5aの通電電流を検出する電流センサ5bと、換気ファン5の回転数(回転速度)を検出する回転数センサ5cとを備えると共に、循環ファン6の作動状態を検出するためのセンサとして、循環ファンモータ6aの通電電流を検出する電流センサ6bと、循環ファン6の回転数(回転速度)を検出する回転数センサ6cとを備える。回転数センサ5c,6cは、例えばホール素子、ロータリーエンコーダ、レゾルバ等により構成され得る。
リモコン20は、脱衣室UDR等に設置されるものであり、浴室空調装置1の作動状態等を表示する表示部20aと、浴室空調装置1の各種運転の実行やその実行条件(換気量の強弱、暖房の強弱等の条件)を空調制御装置21に指令する操作等をユーザが行うための操作部20bとを有する。
そして、本実施形態では、操作部20bは、換気ファン5と、後述する排湿ファン35との同時作動時に、衣類乾燥を優先するか否か(排湿を優先的に行うか否か)を空調制御装置21に対して指定するための衣類乾燥優先スイッチ20b1を含む。この衣類乾燥優先スイッチ20b1をON操作することで、衣類乾燥を優先する旨の信号がリモコン20から空調制御装置21に送信される。
空調制御装置21は、例えば、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、前記本体部2に搭載されている。この空調制御装置21は、リモコン20及び図示しない給湯器の制御装置と通信(有線通信又は無線通信)を行い得ると共に、前記電流センサ5b,6b及び回転数センサ5c,6cの検出データが入力される。
そして、空調制御装置21は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能として、換気ファンモータ5a及び循環ファンモータ6aの作動制御を行う機能を有する。さらに、空調制御装置21は、換気ファン5に対応する電流センサ5b及び回転数センサ5cの検出データにより示される換気ファン5の作動状態に基づいて、後述する排湿ファン35の作動の有無を検知する機能を有する。
補足すると、本実施形態では、主換気ダクト10と、副換気ダクト15と、本体ケース2aの内部空間のうち、吸気口3及び副換気ダクト15の下流端のそれぞれから主換気ダクト10の上流端に至る風路とに本発明における換気通路が構成される。また、空調制御装置21は、本発明における換気ファン制御装置としての機能を含む。
衣類乾燥機30は、脱衣室UDRに設置されている。この衣類乾燥機30は、乾燥対象の衣類が投入される回転ドラム31と、回転ドラム31内に衣類乾燥用の空気を導入するための風路32と、回転ドラム31内で衣類の乾燥により生成される排湿ガス(詳しくは、回転ドラム31内に風路32から供給される空気に、衣類から蒸発した湿気が付加されることにより生成される空気)を該回転ドラム31内から吸引して排出するための排湿ファン35とを備える。そして、衣類乾燥機30には、回転ドラム31内から排湿ファン35により吸引される排湿ガスを屋外に導くための排湿ダクト36が接続されている。
排湿ファン35は、その駆動用モータである電動モータ35aにより回転駆動される電動式のファンであり、その回転作動により、回転ドラム31内の排湿ガスを吸引し得るように回転ドラム31の背面側に配置されている。以降、電動モータ35aを排湿ファンモータ35aという。
なお、排湿ファンモータ35aは、排湿ファン35の回転軸と回転ドラム31とにそれぞれ適宜の動力伝達機構を介して接続することで、排湿ファン35及び回転ドラム31の両方の回転駆動用のアクチュエータとして使用することができる。ただし、回転ドラム31を回転駆動するアクチュエータは、排湿ファン35を回転駆動する排湿ファンモータ35aと別のアクチュエータであってもよい。
排湿ダクト36は、その上流端が排湿ファン35の下流側で開口するように衣類乾燥機30に接続されている。そして、排湿ダクト36の下流端は、前記換気ファン5の下流側の主換気ダクト10の途中部に合流されている。従って、主換気ダクト10のうち、排湿ダクト36の合流部から下流側の部分は、換気用及び排湿用の共用の通路となっている。
風路32の上流端は、衣類乾燥機30の下部に設けられた吸気口33を介して脱衣室UDR内に開口し、下流端は、回転ドラム31の前端側で該回転ドラム31内に開口している。このため、排湿ファン35の回転作動時には、脱衣室UDR内の空気が吸気口33から風路32を通って回転ドラム31内に吸引される。
そして、風路32の途中部には、排湿ファン35の回転作動により回転ドラム31内に吸引される空気を加熱する熱交換器34が配置されている。この熱交換器34は、衣類乾燥機30の運転時に、図示しない給湯器から加熱された温水が供給される熱交換器であり、吸気口33から回転ドラム31に向かって風路32を流れる空気が熱交換器34を通過する過程で、該空気を温水との熱交換により加熱する。
衣類乾燥機30は、さらに、図3に示すように、衣類乾燥機30運転に関する操作をユーザが行うための操作部40と、衣類乾燥機30の作動状態等の各種情報を表示する表示部41と、衣類乾燥機30の運転制御を行う機能を有する衣類乾燥制御装置42とを備える。
衣類乾燥制御装置42は、例えば、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、操作部40の操作信号が入力される。そして、衣類乾燥制御装置42は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能として、表示部41の表示を制御する機能、排湿ファン35の作動制御を行う機能等を有する。
補足すると、本実施形態では、排湿装置50は、排湿ファン35と、排湿ダクト36と、衣類乾燥制御装置42とを構成要素とするものである。この場合、排湿ダクト36が本発明における排湿通路に相当し、衣類乾燥制御装置42は、本発明における排湿ファン制御装置としての機能を有する。
次に、本実施形態の排気装置の作動を説明する。浴室空調装置1のリモコン20で、ユーザが浴室空調装置1の換気運転の実行を指令する操作を行うと、空調制御装置21は、図4のフローチャートに示す処理を実行する。
STEP1において、空調制御装置21は、まず、通常モードでの換気ファン5の作動制御を実行する。この通常モードでは、空調制御装置21は、リモコン20で設定されている換気量の強弱度合いに応じて規定される所定の目標風量(一定の目標風量)で換気ファン5を作動させるように、換気ファンモータ5aの通電制御を行う。
この場合、換気ファン5の目標風量毎に(又は換気量の強弱度合い毎に)、衣類乾燥機30の排湿ファン35が作動していないという条件下で、該目標風量を実現するために必要な換気ファンモータ5aの通電電流と、換気ファン5の回転数(回転速度)との関係を示す制御用データ(マップデータ、あるいは演算式等)が空調制御装置21であらかじめ記憶保持されている。そして、空調制御装置21は、電流センサ5bにより検出される換気ファンモータ5aの通電電流と回転数センサ5cにより検出される換気ファン5の回転数との組を、上記制御用データにより規定される関係を満たす状態に収束させるように、換気ファンモータ5aの通電電流の検出値と換気ファン5の回転数の検出値と上記制御用データとに基づいて、換気ファンモータ5aの通電電流の増減制御を行う。
より具体的には、換気ファンモータ5aの通電電流の検出値に対して前記制御用データにより規定される関係を満たす換気ファン5の回転数である目標回転数と、該回転数の検出値との偏差に応じて、あるいは、換気ファン5の回転数の検出値に対して前記制御用データにより規定される関係を満たす換気ファンモータ5aの通電電流である目標通電電流と、該通電電流の検出値との偏差に応じて、該偏差をゼロに近づけるように、換気ファンモータ5aの通電電流の増減制御が行われる。これにより、換気ファン5の風量が一定風量に保たれるように、換気ファン5の作動制御が行われる。
空調制御装置21は、上記のように通常モードでの換気ファン5の作動制御を行いながら、STEP2において、リモコン20の衣類乾燥優先スイッチ20b1がON操作されているか否かを判断する。そして、STEP2の判断結果が否定的である場合(衣類乾燥優先スイッチ20b1がON操作されていない場合)には、空調制御装置21は、STEP1からの処理を継続する。
また、STEP2の判断結果が肯定的である場合(衣類乾燥優先スイッチ20b1がON操作されている場合)には、空調制御装置21は、さらにSTEP3において、換気ファン5の作動状態の検出データに基づいて、衣類乾燥機30の排湿ファン35が作動しているか否かを判断する処理を実行する。
ここで、衣類乾燥機30の排湿ファン35の作動時(回転ドラム31内の衣類の乾燥運転時)には、衣類乾燥制御装置42は、図示しない給湯器から熱交換器34に適宜温水を供給させることと並行して、例えば、排湿ファンモータ35aに所定値(一定値)の通電電流を通電することで、排湿ファン35を回転駆動する。あるいは、衣類乾燥制御装置42は、例えば、排湿ファン35の回転数を所定値(一定値)の目標回転数に維持するように、該回転数の検出値と目標回転数との偏差に応じて排湿ファンモータ35aの通電制御を行う。
そして、通常モードでの換気ファン5の作動時に、衣類乾燥機30の排湿ファン35の作動が上記の如く行われると、主換気ダクト10と排湿ダクト36との合流部で、衣類乾燥機30からの排湿ガスが、主換気ダクト10を換気ファン5側から流れる排気に合流するため、主換気ダクト10での気流の通風抵抗が増加し、ひいては、換気ファン5の実際の回転数が一時的に比較的大きく増加する。
そこで、空調制御装置21は、STEP3では、例えば、換気ファン5の回転数の検出値が、所定時間内に所定の閾値以上、増加するという現象が発生したか否かを監視し、当該現象が発生した場合に、排湿ファン35の作動を検知し、当該現象が発生しない場合には、排湿ファン35が作動していないと判断する。
そして、STEP3で排湿ファン35の作動が検知されない場合(STEP3の判断結果が否定的である場合)には、空調制御装置21は、STEP1からの処理を継続する。また、STEP3で排湿ファン35の作動が検知された場合(STEP3の判断結果が肯定的である場合)には、空調制御装置21は、次にSTEP4において、通常モードでの換気ファン5の作動制御を中断して、換気ファン5を衣類乾燥優先モードで作動させる。
この衣類乾燥優先モードでは、空調制御装置21は、換気ファン5の風量を、STEP3の判断結果が肯定的になる直前(換気ファン5の回転数の低下が発生する直前)の風量よりも少なくするように、換気ファン5の作動制御を行う。
具体的には、空調制御装置21は、例えば、換気ファンモータ5aの通電電流を、STEP3の判断結果が肯定的になる直前の通電電流の検出値よりも、所定値だけ小さい一定電流に制御する(以降、かかる制御を換気ファンモータ5aの電流一定制御という)。
あるいは、空調制御装置21は、例えば、STEP3の判断結果が肯定的になる直前の換気ファン5の回転数の検出値よりも所定値だけ小さい一定回転数を目標回転数として、換気ファン5の回転数を該目標回転数に維持するように換気ファンモータ5aの通電制御を行う(以降、かかる制御を換気ファンモータ5aの回転数一定制御という)。
これにより、換気ファン5の風量が、STEP3の判断結果が肯定的になる直前(換気ファン5の回転数の低下が発生する直前)の風量よりも少なくするように、換気ファン5の作動制御が行われる。
空調制御装置21は、上記のように衣類乾燥優先モードでの換気ファン5の作動制御を行いながら、STEP5において、換気ファン5の作動状態の検出データに基づいて、衣類乾燥機30の排湿ファン35の作動が停止したか否かを判断する処理を実行する。
ここで、排湿ファン35の作動が停止すると、排湿ダクト36から主換気ダクト10への排湿ガスの流入が解消するため、主換気ダクト10での気流の通風抵抗が、排湿ファン35の作動が停止している状態での通風抵抗まで復帰(減少)し、ひいては、換気ファン5の風量が増加する。このため、換気ファン5の実際の回転数又は換気ファンモータ5aの通電電流が変化する。
具体的には、衣類乾燥優先モードで、換気ファンモータ5aの電流一定制御を行っている場合には、換気ファン5の回転数が減少する。また、衣類乾燥優先モードで、換気ファンモータ5aの回転数一定制御を行っている場合には、換気ファンモータ5aの通電電流が増加する。
そこで、空調制御装置21は、衣類乾燥優先モードで、換気ファンモータ5aの電流一定制御を行っている場合には、STEP5において、換気ファン5の回転数の検出値が所定の時間内に、所定の閾値以上、減少したか否かを監視し、該回転数の検出値の減少が発生した場合に、排湿ファン35の作動が停止したと判断し、該回転数の検出値の減少が発生しない場合には、排湿ファン35の作動が停止していないと判断する。
あるいは、空調制御装置21は、衣類乾燥優先モードで、換気ファンモータ5aの回転数一定制御を行っている場合には、STEP5において、換気ファンモータ5aの通電電流の検出値が所定の時間内に、所定の閾値以上、増加したか否かを監視し、該通電電流の検出値の増加が発生した場合に、排湿ファン35の作動が停止したと判断し、該通電電流の検出値の増加が発生しない場合には、排湿ファン35の作動が停止していないと判断する。
そして、空調制御装置21は、STEP5で排湿ファン35の作動の停止を検知した場合(STEP5の判断結果が肯定的である場合)には、衣類乾燥優先モードでの換気ファン5の作動制御を中止して、STEP1からの処理を再開する。これにより、通常モードでの換気ファン5の作動制御が再開される。
また、空調制御装置21は、STEP5で排湿ファン35の作動の停止が検知されない場合(STEP5の判断結果が否定的である場合)には、STEP4からの処理を継続する。従って、衣類乾燥優先モードでの換気ファン5の作動制御が継続される。なお、空調制御装置21は、衣類乾燥優先モードでの換気ファン5の作動制御の実行中に衣類乾燥優先スイッチ20b1がOFFにされた場合には、衣類乾燥優先モードを中止して、STEP1からの処理(通常モードでの換気ファン5の作動制御)を再開する。
本実施形態では、以上説明した如く、換気ファン5の作動制御が行われるので、通常モードでの換気ファン5の作動中に、衣類乾燥優先スイッチ20b1がON操作された状態で衣類乾燥機30の排湿ファン35の作動が行われると、衣類乾燥優先モードでの換気ファン5の作動制御が行われる。これにより、換気ファン5の風量が排湿ファン35の作動開始前よりも少なくなる。このため、排湿ファン35による排湿ガスの排気量が、換気ファン5の作動停止時での排気量に比して少なくなり過ぎるのを防止することができる。ひいては、衣類乾燥機30での衣類の乾燥に要する時間が過剰に長くなるのを防止することができる。あるいは、衣類の乾燥不足が生じるのを防止することができる。
また、空調制御装置21は、電流センサ5bによる換気ファンモータ5aの通電電流の検出値、あるいは、回転数センサ5cによる換気ファン5の回転数の検出値を換気ファン5の作動状態の検出データとして用いて、該検出データを観測することで、衣類乾燥制御装置42との通信や、新たなセンサを必要とすることなく、排湿ファン35の作動や、その停止を検知することができる。よって、排湿ファン35の作動の有無に応じて換気ファン5の作動制御を行うことを簡易且つ安価に実現することができる。
なお、本実施形態では、空調制御装置21は、通常モードでの換気ファン5の作動時に、、換気ファン5の風量を一定に維持するように換気ファンモータ5aの通電制御を行うように構成されてる。ただし、空調制御装置21は、例えば、換気ファン5の回転数を一定に維持するように換気ファンモータ5aの通電制御を行うように構成されていてもよい。
この場合、換気ファン5の作動中に、衣類乾燥機30の排湿ファン35の作動が行われると、換気ファン5の風量が低下するため、換気ファンモータ5aの通電電流が減少する。従って、換気ファンモータ5aの通電電流が所定の閾値以上減少するという事象が発生するか否かによって、排湿ファン35の作動の有無を検知することが可能である。
また、本実施形態では、浴室空調装置1のリモコン20に備えた衣類乾燥優先スイッチ20b1がON操作されている場合にだけ、衣類乾燥優先モードでの換気ファン5の作動を行い得るようにした。ただし、例えば衣類乾燥優先スイッチ20b1を省略すると共に、STEP2の判断処理を省略してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態では、前記第1実施形態と一部の構成及び制御処理だけが相違するものであるので、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
本実施形態では、浴室空調装置1のリモコン20に前記衣類乾燥優先スイッチ20b1を備える代わりに、衣類乾燥機30の操作部40に、図5に示す如く、換気優先スイッチ40aが備えられている。そして、本実施形態では、空調制御装置21は、換気ファン5を作動させる換気運転時には、第1実施形態で説明した衣類乾燥優先モードの作業制御を実行することなく、通常モードでの換気ファン5の作動制御を行う。
また、本実施形態では、衣類乾燥機30の衣類乾燥制御装置42は、衣類の乾燥運転時に、図6のフローチャートに示す処理を実行する。STEP11において、衣類乾燥制御装置42は、図示しない給湯器から熱交換器34に温水を供給させつつ、通常モードでの排湿ファン35の作動制御を開始する。この通常モードでは、衣類乾燥制御装置42は、例えば、排湿ファンモータ35aに所定値(一定値)の通電電流を通電することで、排湿ファン35を回転駆動する(以降、この場合の排湿ファンモータ35aの通電制御を、排湿ファンモータ35aの電流一定制御という)。
あるいは、衣類乾燥制御装置42は、例えば、排湿ファン35の回転数を所定の目標回転数(一定の目標回転数)に維持するように、排湿ファンモータ35aの通電制御を行う(以降、この場合の排湿ファンモータ35aの通電制御を、排湿ファンモータ35aの回転数一定制御という)。
衣類乾燥制御装置42は、上記のように通常モードでの排湿ファン35の作動制御を行いながら、STEP12において、衣類乾燥機30の操作部40の換気優先スイッチ40aがON操作されているか否かを判断する。そして、STEP12の判断結果が否定的である場合(換気優先スイッチ40aがON操作されていない場合)には、衣類乾燥制御装置42は、STEP11からの処理を継続する。
また、STEP12の判断結果が肯定的である場合(換気優先スイッチ40aがON操作されている場合)には、衣類乾燥制御装置42は、さらにSTEP13において、排湿ファン35の作動状態の検出データに基づいて、浴室空調装置1の換気ファン5が作動しているか否かを判断する処理を実行する。
ここで、通常モードでの排湿ファン35の作動時に、浴室空調装置1の換気ファン5の作動が行われると、主換気ダクト10と排湿ダクト36との合流部で、換気ファン5からの排気が、排湿ダクト36から主換気ダクト10に流入する排湿ガスに合流するため、排湿ダクト36での気流の通風抵抗が増加し、ひいては、排湿ファン35の風量が低下する。
このため、通常モードでの排湿ファンモータ35aの電流一定制御が実行されている場合には、排湿ファン35の回転数の検出値が比較的急激に増加する。また、通常モードでの排湿ファンモータ35aの通電制御が回転数一定制御により実行されている場合には、排湿ファンモータ35aの通電電流の検出値が比較的急激に減少する。。
そこで、衣類乾燥制御装置42は、通常モードで排湿ファンモータ35aの通電電流を電流一定制御を行っている場合には、STEP13では、排湿ファン35の回転数の検出値が、所定時間内に所定の閾値以上増加するという現象が発生したか否か監視し、当該現象が発生した場合に、換気ファン5の作動を検知し、当該現象が発生しない場合には、換気ファン5が作動していないと判断する。
あるいは、衣類乾燥制御装置42は、通常モードで排湿ファンモータ35aの通電電流を回転数一定制御を行っている場合には、STEP13では、排湿ファンモータ35aの通電電流の検出値が、所定時間内に所定の閾値以上減少するという現象が発生したか否か監視し、当該現象が発生した場合に、換気ファン5の作動を検知し、当該現象が発生しない場合には、換気ファン5が作動していないと判断する。
そして、STEP13で換気ファン5の作動が検知されない場合(STEP13の判断結果が否定的である場合)には、衣類乾燥制御装置42は、STEP11からの処理を継続する。また、STEP13で換気ファン5の作動が検知された場合(STEP13の判断結果が肯定的である場合)には、衣類乾燥制御装置42は、次にSTEP14において、通常モードでの排湿ファン35の作動制御を中断して、排湿ファン35を換気優先モードで作動させる。
この換気優先モードでは、衣類乾燥制御装置42は、排湿ファン35の風量を、換気優先モードの直前の通常モードでの風量よりも少なくするように、排湿ファン35の作動制御を行う。具体的には、衣類乾燥制御装置42は、通常モードで排湿ファンモータ35aの通電電流を電流一定制御を行っている場合には、排湿ファンモータ35aの通電電流を、通常モードでの通電電流よりも、所定値だけ小さい一定電流に制御する。すなわち、通常モードよりも小さい通電電流での排湿ファンモータ35aの電流一定制御が行われる。
あるいは、衣類乾燥制御装置42は、通常モードで排湿ファンモータ35aの通電電流を回転数一定制御を行っている場合には、排湿ファン35の目標回転数を、通常モードでの目標回転数よりも所定値だけ低い回転数に設定し、排湿ファン35の回転数を設定した目標回転数に維持するように排湿ファンモータ35aの通電制御を行う。すなわち、通常モードよりも低い回転数での排湿ファンモータ35aの回転数一定制御が行われる。こにより、換気優先モードでの排湿ファン35の風量が、換気優先モードの直前の通常モードでの風量よりも少なくするように、排湿ファン35の作動制御が行われる。
ここで、本実施形態では、空調制御装置21は、第1実施形態で説明した通常モードでの換気ファン5の作動制御によって、換気ファン5の風量がリモコン20で設定されている換気量の強弱度合いに応じて規定される所定の目標風量(一定の目標風量)に維持されるように、換気ファンモータ5aの通電制御が行われる。このため、STEP13の判断結果が肯定的になった場合に、仮に、通常モードでの排湿ファン35の作動制御を継続すると、換気ファン5の回転数が、排湿ファン35が作動していない場合よりも高い回転数に制御される。ひいては、換気ファン5の回転に伴い発生する換気音が過大なものとなりやすい。
そこで、本実施形態では、換気優先モードでは、上記の如く排湿ファン35の風量を通常モードよりも少なくするように、排湿ファンモータ35aの通電制御を実行する。このため、排湿ダクト36から前記主換気ダクト10に合流する排湿ガスの風量が少なくなるため、主換気ダクト10での気流の通風抵抗の増加が抑制される。ひいては、換気ファン5の回転数が高くなるのが抑制されるため、換気音が過剰に大きくなるのが抑制される。
衣類乾燥制御装置42は、上記のように換気優先モードでの排湿ファン35の作動制御を行いながら、STEP15において、排湿ファン35の作動状態の検出データに基づいて、換気ファン5の作動が停止したか否かを判断する処理を実行する。
ここで、換気ファン5の作動が停止すると、換気ファン5から主換気ダクト10への排気が解消するため、排湿ダクト36と、該排湿ダクト36の下流端よりも下流側の主換気ダクト10とから構成される風路での気流の通風抵抗が、換気ファン5の作動が停止している状態での通風抵抗まで復帰(減少)し、ひいては。排湿ファン35の風量が増加する。このため、排湿ファン35の実際の回転数又は排湿ファンモータ35aの通電電流が変化する。
具体的には、換気優先モードで、排湿ファンモータ35aの電流一定制御を行っている場合には、排湿ファン35の回転数が減少する。また、換気優先モードで、排湿ファンモータ35aの回転数一定制御を行っている場合には、排湿ファンモータ35aの通電電流が増加する。
そこで、衣類乾燥制御装置42は、換気優先モードで、排湿ファンモータ35aの電流一定制御を行っている場合には、STEP15において、排湿ファン35の回転数の検出値が所定の時間内に、所定の閾値以上、減少するという現象が発生したか否かを監視し、当該現象が発生した場合に、換気ファン5の作動が停止したと判断し、当該現象が発生しない場合には、換気ファン5の作動が停止していないと判断する。
あるいは、衣類乾燥制御装置42は、換気優先モードで、排湿ファンモータ35aの回転数一定制御を行っている場合には、STEP15において、排湿ファンモータ35aの通電電流の検出値が所定の時間内に、所定の閾値以上、増加するという現象が発生したか否かを監視し、当該現象が発生した場合に、換気ファン5の作動が停止したと判断し、当該現象が発生しない場合には、換気ファン5の作動が停止していないと判断する。
そして、衣類乾燥制御装置42は、STEP15で換気ファン5の作動の停止を検知した場合(STEP15の判断結果が肯定的である場合)には、換気優先モードでの排湿ファン35の作動制御を中止して、STEP11からの処理を再開する。これにより、通常モードであの排湿ファン35の作動制御が再開される。
また、衣類乾燥制御装置42は、STEP15で換気ファン5の作動の停止が検知されない場合(STEP15の判断結果が否定的である場合)には、STEP14からの処理を継続する。従って、換気優先モードでの排湿ファン35の作動制御が継続される。なお、衣類乾燥制御装置42は、換気優先モードでの排湿ファン35の作動制御の実行中に換気優先スイッチ40aがOFFに操作された場合には、換気優先モードを中止して、STEP11からの処理(通常モードでの排湿ファン35の作動制御)を再開する。
本実施形態では、以上説明した如く、排湿ファン35の作動制御が行われるので、通常モードでの排湿ファン35の作動中に、換気優先スイッチ40aがON操作された状態で浴室空調装置1の換気ファン5の作動が行われると、換気優先モードでの排湿ファン35の作動制御が行われる。これにより、風量を一定に維持するように作動制御が行われる換気ファン5の回転数が、排湿ファン35の作動停止時に比して過剰に高くなるが防止され、ひいては、該換気ファン5の作動音が過剰に大きくなるのを防止することができる。
また、衣類乾燥制御装置42は、電流センサ35bによる排湿ファンモータ35aの通電電流の検出値、あるいは、回転数センサ35cによる排湿ファン35の回転数の検出値を排湿ファン35の作動状態の検出データとして用いて、該検出データを観測することで、空調制御装置21との通信や、新たなセンサを必要とすることなく、換気ファン5の作動や、その停止を検知することができる。よって、換気ファン5の作動の有無に応じて排湿ファン35の作動制御を行うことを簡易且つ安価に実現することができる。
なお、本実施形態では、衣類乾燥機30の操作部40に備えた換気優先スイッチ40aがON操作されている場合にだけ、換気優先モードでの排湿ファン35の作動を行い得るようにした。ただし、例えば換気優先スイッチ40aを省略すると共に、STE1P2の判断処理を省略してもよい。
また、前記各実施形態では、換気装置として浴室BR及び脱衣室UDRの換気を行い得る浴室空調装置1を例示したが、本発明における換気装置は、浴室BR及び脱衣室UDRの他、トイレ等の換気を行い得る装置であってもよく、また、暖房運転機能を持たないものであってもよい。また、浴室空調装置1は、換気運転及び暖房運転以外に、浴室BRの乾燥、あるいは浴室BRへの送風を行い得る空調装置であってもよい。
また、前記各実施形態では、衣類乾燥機30は、回転ドラム31に送風する空気を温水により加熱する温水式の衣類乾燥機であるが、本発明における衣類乾燥機は、回転ドラムに送風する空気を電気式の熱交換器により加熱するものであってもよい。また、排湿ファンは、衣類乾燥機に接続された排湿通路に備えられていてもよい。