JP7295847B2 - コアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物の製造方法 - Google Patents

コアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、濃縮工程を含むコアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物の製造方法に関する。
コアシェルポリマー粒子はプラスチックの耐衝撃性を改良する素材として広く知られている。プリント配線板、銅張積層板や、それらに使用されている、レジスト材料、ビルドアップ材料、プリプレグ材料、FPC用接着剤などの種々の絶縁性膜形成材料の他、一般的な塗料においてもその利用価値が高まっている。
例えばプリント配線板では、鉛フリー半田の使用や、電子機器の動作温度の高まりのために素材に高耐熱性が求められる一方で、熱安定性に優れた樹脂マトリックスが脆性であることが課題として挙げられる。樹脂が脆性である場合、プリント配線板にスルーホールを形成するためのドリル加工において、亀裂、層間剥離などの欠陥を引き起こし得る。さらに、脆性のプリント配線板はドリルビットの摩耗および破損をもたらしやすい。以上のことから樹脂の高靭化が可能な添加剤が求められている。塗料においてもチッピング強度の改善や、塗装の修繕頻度の低減を目的に高靭化可能な添加剤への要求は高い。
このような樹脂を高靭化するための添加剤として、コアシェルポリマー粒子が溶剤中に均一分散した溶剤組成物が有益である。該溶剤組成物を製造するにあたっては、溶剤組成物における粒子濃度の調整や脱水を目的に、蒸発装置内で溶剤組成物を加熱し、溶剤を蒸発させて濃縮する工程が行なわれている。
この際、濃縮に伴って、液面より上方の槽壁面で溶剤組成物から溶剤が蒸発して、コアシェルポリマー粒子が壁面に固着してしまうという課題があった。このような固着物は溶剤中に再分散しにくいため、もし溶剤組成物に混入すれば異物となり、また、槽壁に固着したままであっても加熱面の伝熱係数を低下させる要因ともなる。更に、固着したコアシェルポリマー粒子は乾燥して壁面に強固に付着しており、溶剤等を使用して洗い落とすことも困難であった。そのため、固着物の生成を抑制することが可能な製造方法が望まれていた。
特許文献1には、槽内の液体を液面上の空間や周壁に向けて噴出することで、槽内付着物を洗浄することが記載されている。しかし、本文献は、濃縮工程における付着物の生成を抑制するための具体的な方法を示すものではなかった。
特開平11-235522号公報
本発明は、濃縮工程において、蒸発装置の撹拌槽槽壁等の加熱可能面へのコアシェルポリマー粒子の固着を抑制可能な、コアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、コアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物の製造において実施する、減圧可能な蒸発装置の撹拌槽内で該溶剤組成物を減圧下加熱して溶剤を蒸発させ、前記溶剤組成物を濃縮する工程において、該溶剤組成物の液相と気相と加熱可能面の三相界面における加熱可能面の温度を、加熱面の温度よりも低くなるように制御し、かつ加熱面の温度と撹拌槽内の減圧度を特定範囲に設定することにより、コアシェルポリマー粒子の加熱可能面への固着を抑制可能であることを見出し、本発明に至った。即ち本発明は下記1)~8)である。
1) 大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と1種以上のコアシェルポリマー粒子を含む溶剤組成物の製造方法であって、該製造方法は、減圧可能な蒸発装置の撹拌槽内で前記溶剤組成物を減圧下加熱して、溶剤を蒸発させ、前記溶剤組成物を濃縮する工程を含み、該工程において、前記溶剤組成物の加熱は、加熱面から液相への伝熱によって行い、撹拌槽内の液相と気相と加熱可能面の三相界面での加熱可能面の温度を、前記加熱面の温度よりも低くなるように制御し、前記加熱面の温度を、前記溶剤の大気圧下での沸点以下に設定し、かつ撹拌槽内の減圧度を、下記式(1)が成立する範囲で設定することを特徴とする、溶剤組成物の製造方法。
前記減圧度での前記溶剤の沸点(℃)≧前記加熱面の温度(℃)-40℃ (1)
2) 前記コアシェルポリマー粒子の含有率が、前記濃縮工程後の前記溶剤組成物100重量%中、20~40重量%である、前記1)に記載の溶剤組成物の製造方法。
3) 前記濃縮工程後の前記溶剤組成物中に前記コアシェルポリマー粒子が体積平均粒子径として10nm~500nmで存在する、前記1)または2)に記載の溶剤組成物の製造方法。
4) 前記コアシェルポリマー粒子のコア層が、(i)ジエン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体50重量%以上100重量%以下、及び、他の共重合可能なビニル単量体50重量%未満から構成されるゴム弾性体、(ii)ポリシロキサンゴム系弾性体、(iii)芳香族ビニル架橋体、または(iv)前記(i)~(iii)のうち2種以上の混合物からなり、前記他の共重合可能なビニル単量体が、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和カルボン酸誘導体、(メタ)アクリル酸アミド誘導体、及び、マレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上である、前記1)~3)のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
5) 前記コアシェルポリマー粒子のコア層が、前記コアシェルポリマー粒子100重量%中、架橋性単量体0.2~7重量%で被覆されている、前記1)~4)のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
6) 前記コアシェルポリマー粒子が水媒体中に分散されてなる水媒体分散液を、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合した後、水と混合して、コアシェルポリマー粒子緩凝集体を得る第1工程と、前記コアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相から分離した後、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合して、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤分散液を得る第2工程と、前記溶剤分散液を、大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と混合して、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤組成物を得た後、前記濃縮工程によって前記溶剤組成物を濃縮する第3工程を含む、前記1)~5)のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
7) 撹拌槽側壁の前記加熱面は、前記撹拌槽底面からの高さを変更可能なものであり、蒸発の進行による液面の低下に応じて、前記撹拌槽底面からの前記加熱面の高さを降下させる、前記1)~6)のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
8) 前記撹拌槽が、液面より上方の撹拌槽内壁に向けて前記溶剤組成物を噴出する散液部を備え、該散液部が、回転軸と、該回転軸に装着され該回転軸の回転に伴って前記溶剤組成物を前記撹拌槽の下方から上方に向かって送液する流路を有する少なくとも1つの樋状部材とを含む、前記1)~6)のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
本発明の溶剤組成物の製造方法によれば、濃縮工程において、蒸発装置の撹拌槽槽璧等の加熱可能面へのコアシェルポリマー粒子の固着を抑制することができる。従って、溶剤組成物への異物混入量の低減、加熱面の伝熱係数低下の抑制、製造後の撹拌槽内洗浄の簡便化などを達成することができる。
三相界面を説明する図 加熱面の高さの降下を伴う本発明の一実施形態における撹拌槽の縦断面を示す概略図 比較例3で撹拌槽槽壁にコアシェルポリマー粒子が固着した状態を示す概略図 比較例4で多管束表面にコアシェルポリマー粒子が固着した状態を示す概略図 撹拌槽内壁への散液を伴う本発明の別の実施形態における撹拌槽の縦断面を示す概略図 比較例5で撹拌槽槽壁にコアシェルポリマー粒子が固着した状態を示す概略図
本発明の溶剤組成物の製造方法は、大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と1種以上のコアシェルポリマー粒子を含む溶剤組成物の製造方法に関するものであり、該製造方法は、少なくとも、減圧可能な蒸発装置の撹拌槽内で該溶剤組成物を減圧下加熱して、溶剤を蒸発させ、該溶剤組成物を濃縮する工程(以下、濃縮工程という)を含む。
本発明における濃縮工程は、溶剤組成物における粒子濃度の調整や、溶剤組成物に含まれている水の除去、溶剤組成物に含まれる溶剤の置換などを目的に実施する工程であり、溶剤組成物を減圧下加熱することで、溶剤組成物に含まれている溶剤(有機溶剤、水を含む)の一部を蒸発させ、溶剤組成物を濃縮する工程である。
当該加熱は、撹拌槽槽壁である加熱面、または撹拌槽内部に設けられた加熱手段の表面である加熱面から、撹拌槽内の液相(すなわち前記溶剤組成物)に伝熱することで行なう。この際、本発明では、撹拌槽内の液相と気相と加熱可能面(例えば、撹拌槽槽壁や、加熱手段の表面)の三相界面での加熱可能面の温度を、前記加熱面の温度よりも低くなるように制御する。三相界面での加熱可能面の温度は、前記溶剤組成物に含まれる溶剤が撹拌槽内の減圧条件で蒸発しにくい温度であればよく、具体的には、前記溶剤組成物に含まれる溶剤の、撹拌槽内の減圧度での沸点未満の温度であることが好ましい。さらには、三相界面での加熱可能面は加熱されておらず、加熱可能面のうち実際に加熱されている面である加熱面は、気相に接することなく、液相に接していることがより好ましい。これにより、三相界面上方の加熱可能面において溶剤組成物から溶剤が蒸発してコアシェルポリマー粒子が加熱可能面に固着するのを抑制することができる。なお、本願において、コアシェルポリマー粒子の固着とは、コアシェルポリマー粒子が乾燥して加熱可能面に強固に付着しており、溶剤等を使用しても容易に洗い落とせないものをいう。
ただし、濃縮工程では溶剤の蒸発が進行するにつれて液面が低下する。すなわち、蒸発の進行に伴って三相界面の位置が低下することになる。本発明では、この点を考慮して、三相界面での加熱可能面の温度を、前記加熱面の温度よりも低くなるように制御する必要がある。具体的な手法は後述する。
前記の加熱可能面とは、撹拌槽槽壁の外周面にジャケット等の加熱手段が設けられており該加熱手段により撹拌槽外部から加熱を行なう態様では、該加熱手段に対向する撹拌槽槽壁のことをいう。また、撹拌槽の内部に蛇管、多管束などの加熱手段が設けられておりこのような撹拌槽内部の熱源によって加熱を行なう態様では、該加熱手段の表面のことをいう。また、前記の加熱面とは、前記加熱可能面のうち、撹拌槽内の減圧度で溶剤が蒸発する程度の加熱が行なわれている面のみを指し、前記加熱可能面のうち、撹拌槽内の減圧度で溶剤が蒸発する程度の加熱が行なわれていない面は、加熱面に該当しない。また、撹拌槽内の減圧度で溶剤が蒸発する程度の加熱が行なわれている時点における加熱可能面は加熱面に該当するが、その後、該加熱が行なわれなくなった時には、その時点で該加熱可能面は加熱面に該当しなくなる。
三相界面とは、加熱可能面が撹拌槽槽壁である態様の場合、図1に示すように、撹拌槽内の液相21と気相22と撹拌槽槽壁23という三相が出会う境界24のことを指す。また、加熱可能面が撹拌槽内部に配置された加熱手段の表面である態様の場合、三相界面とは、撹拌槽内の液相と気相と該加熱手段の表面という三相が出会う境界のことを指す。
本発明において、溶剤組成物に含まれる溶剤の蒸発を実現するため、加熱面の温度は、濃縮工程における減圧度での当該溶剤の沸点以上であり、かつ、大気圧下での当該溶剤の沸点以下に設定する。大気圧下での当該溶剤の沸点を超える範囲に加熱面の温度を設定すると、三相界面上方の加熱可能面にコアシェルポリマー粒子が固着しやすくなる。溶剤組成物に含まれる溶剤が2種以上の溶剤を含む混合溶剤である場合には、加熱面の温度は、それら溶剤のうち大気圧下で最も沸点が高い溶剤が示す大気圧下での沸点以下に設定される。
さらに本発明では、撹拌槽内の減圧度は、下記式(1)が成立する範囲で設定される。
前記減圧度での前記溶剤の沸点(℃)≧前記加熱面の温度(℃)-40℃ (1)
例えば、溶剤としてメチルエチルケトンを使用し、加熱面の温度を70℃に設定した場合、減圧度が400torrではメチルエチルケトンの沸点が約60℃となるため、式(1)を満足することになる。しかし、減圧度が70torrではメチルエチルケトンの沸点が約20℃となるため、加熱面の温度が70℃では式(1)を満足しない。式(1)を満足しない減圧下では、たとえ上記のように三相界面での加熱可能面の温度を加熱面の温度より低く制御したとしても、その減圧条件での溶剤の沸点と比較して加熱面の温度が高くなりすぎるために三相界面近傍で溶剤の蒸発が進行してしまい、三相界面上方の加熱可能面でコアシェルポリマー粒子が乾燥し、固着しやすくなる。しかし、減圧度が70torrであっても、加熱面の温度を50℃とした場合には式(1)を満足することになり、コアシェルポリマー粒子の固着を抑制することができる。
本発明で用いる溶剤組成物は、少なくとも、大気圧下での沸点が160℃以下である溶剤を1種類以上含有する。このように沸点が比較的低い溶剤を含む溶剤組成物を濃縮すると、従来、加熱可能面へのコアシェルポリマー粒子の固着が生じやすかったが、本発明の製造方法を適用することによって当該固着を抑制することができる。本発明の効果が顕著に発揮される点で、大気圧下での前記溶剤の沸点は150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましい。大気圧下での沸点が160℃以下である溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブタノール、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる溶剤組成物は、大気圧下での沸点が160℃以下である溶剤以外の他の溶剤や、水を含有するものであっても良い。本発明によると、大気圧下での沸点が160℃以下である溶剤、並びに、他の溶剤及び/または水を蒸発させて溶剤組成物を濃縮することで、少なくとも、大気圧下での沸点が160℃以下である溶剤を含有する溶剤組成物を得ることができる。
本発明によって得られるコアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物におけるコアシェルポリマー粒子の含有率は、濃縮工程後の溶剤組成物100重量%中、20~40重量%であることが好ましい。すなわち、濃縮工程によってコアシェルポリマー粒子の含有率が20~40重量%の範囲内に収まるように溶剤の一部を蒸発させることが好ましい。
本発明によって得られるコアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物は、水の含有率が、濃縮工程後の溶剤組成物100重量%中、1重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがより好ましく、0.2重量%以下であることがさらに好ましい。水の含有率が1重量%を超えると、プリント配線板製造過程におけるプリプレグや、塗料から形成された塗膜において、表面荒れ、フィッシュアイ、発泡等の原因になる場合がある。
本発明によって得られるコアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物には、濃縮工程後、コアシェルポリマー粒子が体積平均粒子径として10nm~500nmで存在することが好ましい。該体積平均粒子径は、30nm~400nmであることがより好ましく、60nm~300nmであることがさらに好ましく、80nm~200nmであることが最も好ましい。体積平均粒子径が上記範囲内にあればコアシェルポリマー粒子の凝集体が溶剤組成物中に存在していてもよいが、コアシェルポリマー粒子は一次粒子の状態で溶剤組成物中に分散していることが好ましい。体積平均粒子径が10nm未満、または500nmよりも大きい場合は、コアシェルポリマー粒子による高靭化効果が小さくなる場合がある。プリント配線板や塗料の色調への影響を抑制できる観点からは、コアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径は、250nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることがさらに好ましい。体積平均粒子径は、例えばマイクロトラックUPA(日機装社製)を用いて測定することができる。
コアシェルポリマー粒子が一次粒子の状態で分散していることは、例えば体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)の値が3以下であることによって確認できる。この値は好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。前記体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)の値が3を超える場合、コアシェルポリマー粒子が二次凝集体を形成していることを示している。なお、体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)は、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて組成物中における粒子の体積平均粒子径(Mv)と個数平均粒子径(Mn)とをそれぞれ測定し、体積平均粒子径(Mv)を個数平均粒子径(Mn)で除することによって求めることができる。
溶剤組成物中の分散径を容易に確保できる点で、コアシェルポリマー粒子の一次粒子径は10nm~500nmであることが好ましく、30nm~400nmであることがより好ましく、60nm~300nmであることがさらに好ましく、80nm~200nmであることが最も好ましい。平均の一次粒子径は、上記の体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)の値が3以下であれば、体積平均粒子径の値をそのまま転用できる。
本発明で用いるコアシェルポリマー粒子は、コア層となる架橋重合体に対し、グラフト共重合可能な単量体(シェル形成用単量体)をグラフト重合してシェル部を形成したコアシェルポリマー粒子であり、内部に存在する架橋重合体からなるコア層と、コア層の表面にグラフト重合して架橋重合体の周囲又は一部を覆っている少なくとも1つのシェル層とを有する構造を有する。本発明の溶剤組成物の粘度を低く抑え取扱し易くする点、溶剤組成物中でコアシェルポリマー粒子を安定に分散させる点、及び、溶剤組成物の目的である高靭化効果を高める点から、コア層とシェル層の重量比率は、コア層/シェル層(各層の重合体を形成する単量体の重量比率)の値で、50/50~99/1の範囲であることが好ましく、60/40~95/5であることがより好ましく、70/30~90/10であることがさらに好ましい。
前記コア層は架橋された重合体から構成され、溶剤に対して実質的に溶解しないものであることが好ましい。よって、コア層のゲル分は好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
コア層は、(i)ジエン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体50重量%以上100重量%以下、及び、他の共重合可能なビニル単量体50重量%未満から構成されるゴム弾性体、(ii)ポリシロキサンゴム系弾性体、(iii)芳香族ビニル架橋体、または(iv)前記(i)~(iii)のうち2種以上の混合物からなることが好ましい。また、前記他の共重合可能なビニル単量体が、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和カルボン酸誘導体、(メタ)アクリル酸アミド誘導体、及び、マレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
前記ジエン系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができるが、ブタジエンが特に好ましい。前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられるが、アクリル酸ブチルとアクリル酸2-エチルヘキシルが特に好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジエン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体の使用量は、コア層全体の重量に対して好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。該単量体の使用量が50重量%未満の場合には、コアシェルポリマー粒子による高靭化効果が低下する場合がある。
前記コア層は、ジエン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体が重合してなる単独重合体または共重合体であってよいが、ジエン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、これらと共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよい。そのような共重合可能なビニル単量体としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和カルボン酸誘導体、(メタ)アクリル酸アミド誘導体、及び、マレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上の単量体が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、シアン化ビニル化合物としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、置換アクリロニトリル等が挙げられる。不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド(N-置換物を含む)等が挙げられる。マレイミド誘導体としては、マレイン酸イミド(N-置換物を含む)等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの共重合可能なビニル単量体の使用量は、コア層全体の重量に対して、好ましくは50重量%未満、より好ましくは40重量%未満である。特に、コアシェルポリマー粒子の誘電正接を低下させ、銅張積層板の電気特性向上に寄与できる点で、コア層はスチレン-ブタジエンゴムであることが好ましい。
前記コア層は芳香族ビニル架橋体であってもよい。該架橋体としては、芳香族ビニル化合物と架橋性単量体の共重合体を挙げることができる。芳香族ビニル化合物としては例えば、スチレン、2-ビニルナフタレン等の無置換ビニル芳香族化合物類;α-メチルスチレン等の置換ビニル芳香族化合物類;3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等の環アルキル化ビニル芳香族化合物類;4-メトキシスチレン、4-エトキシスチレン等の環アルコキシル化ビニル芳香族化合物類;2-クロロスチレン、3-クロロスチレン等の環ハロゲン化ビニル芳香族化合物類;4-アセトキシスチレン等の環エステル置換ビニル芳香族化合物類;4-ヒトロキシスチレン等の環ヒドロキシル化ビニル芳香族化合物類が挙げられる。前記コア層が芳香族ビニル架橋体であると、コアシェルポリマー粒子が添加される銅張積層板や塗料は、剛性が低下することなく高靭化されるため好ましい。
コア層が(i)ゴム弾性体または(iii)芳香族ビニル架橋体を含む場合、該コア層を構成する成分として架橋度を調節するために、又は、コア層を被覆して溶剤のコア層への膨潤を抑制するために、架橋性単量体を使用してもよい。架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(イソ)シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、フタル酸ジアリル等が挙げられる。架橋性単量体の使用量はコアシェルポリマー粒子100重量%中、好ましくは0.2~7重量%、より好ましくは0.5~5重量%、更に好ましくは1~3重量%である。使用量が7重量%を超えると、コアシェルポリマー粒子が有する高靭化効果が低下する場合がある。特に架橋性単量体でコア層を被覆することは、コアシェルポリマー粒子同士の融着の抑制にも効果があるため、本発明の溶剤組成物の製造方法において、コアシェルポリマー粒子の撹拌槽槽璧等への固着を抑制する目的に好適である。
また、前記コア層を構成する重合体の分子量や架橋度を調節するために、コア層の重合において連鎖移動剤を使用してもよい。使用可能な連鎖移動剤としては、例えば、炭素数5~20のアルキルメルカプタンを例示できる。連鎖移動剤の使用量はコア層100重量%中、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。連鎖移動剤の使用量が5重量%を超えると、コア層に含まれる未架橋成分の量が増加し、本発明の溶剤組成物の粘度が大きくなり、取扱が難しくなる。
コア層は、ポリシロキサンゴム系弾性体を含むものであってもよい。ポリシロキサンゴム系弾性体としては、例えばジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジフェニルシリルオキシ等の、アルキルまたはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサンゴムを使用できる。また、前記ポリシロキサンゴム系弾性体は、必要に応じて、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用するか、ビニル反応性基を持ったシラン化合物をラジカル反応させること等により、架橋構造を導入したものがより好ましい。
本発明に係る溶剤組成物では多様なコアシェルポリマー粒子を分散できるため、シェル層を構成する重合体の種類に特に限定はない。しかし、銅張積層板や塗料に使用されるマトリックス樹脂との親和性が高い点で、シェル層を構成する重合体は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、及び、マレイミド誘導体より選ばれる1種以上を重合して得られる(共)重合体が好ましい。
特にシェル層にエポキシ樹脂等との化学反応性を持たせるために、シェル層を構成する重合体は、上述した(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、不飽和カルボン酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、またはマレイミド誘導体と、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、及び炭素-炭素二重結合からなる群より選ばれる官能基を有する1種類以上のビニル単量体とを共重合して得られる共重合体であることがより好ましい。これらの官能基は、エポキシ樹脂や硬化剤、硬化触媒等との反応性を有していてもよい。これによりエポキシ樹脂等が硬化剤と反応して硬化する条件下において、コアシェルポリマー粒子がこれらと化学反応し結合を生成できる機能を有することにより、硬化条件下でコアシェルポリマー粒子同士が再凝集し分散状態が悪化することを効果的に抑制することができる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等のアルキル置換スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン類等が挙げられる。シアン化ビニル系単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、置換(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド(N-置換物を含む)等が挙げられる。マレイミド誘導体としては、マレイン酸イミド(N-置換物を含む)等が挙げられる。反応性官能基を有する単量体としては、例えば、反応性側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類として、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等;反応性官能基を有するビニルエーテルとして、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等が挙げられる。
本発明では、コアシェルポリマー粒子のシェル層を、例えば、芳香族ビニル系単量体(特にスチレン)0~80重量%(好ましくは10~70重量%)、シアン化ビニル系単量体(特にアクリロニトリル)0~50重量%(好ましくは1~30重量%、より好ましくは10~25重量%)、(メタ)アクリル酸エステル系単量体(特にメタクリル酸メチル)0~50重量%(好ましくは5~45重量%)、反応性官能基を有する単量体(特にメタクリル酸グリシジル)0~50重量%(好ましくは5~30重量%、より好ましくは10~25重量%)を組み合わせたシェル層形成用モノマー(合計100重量%)のポリマーから構成することが好ましい。
コアシェルポリマー粒子の製造方法は特に制限されず、周知の方法、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などにより製造することができる。この中でも特に、多段乳化重合による製造方法が好適である。乳化重合で使用する乳化(分散)剤としては、具体的には、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸等のアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸等のN-アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸等のアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸等の、各種の酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコール等の非イオン性乳化剤または分散剤;ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体等の分散剤が挙げられる。これらは1種類または2種類以上を適宜組み合わせて使用できる。
乳化剤は、重合安定性の観点から、好ましくはアニオン性乳化剤であり、より好ましくはアルカリ金属塩のアニオン性乳化剤、さらに好ましくはナトリウム塩及び/又はカリウム塩のアニオン性乳化剤である。
これら乳化(分散)剤は、本発明の好ましい実施形態の趣旨から言えば、コアシェルポリマー粒子を含む水媒体分散液の作製過程において分散安定性に支障を来さない範囲でできる限り少量を使用してもよい。あるいは、溶剤組成物を作製する過程において、溶剤組成物が使用される用途の物性に影響を及ぼさない程度の残存量まで抽出除去されてもよい。この為、乳化(分散)剤は、水溶性を有していることがより好ましい。
次に本発明の一実施形態を具体的に説明する。本実施形態によると、溶剤組成物の製造方法は、順に、コアシェルポリマー粒子を含む水媒体分散液(好ましくは、乳化重合により得られた水性ラテックス)から、コアシェルポリマー粒子緩凝集体を得る第1工程、前記コアシェルポリマー粒子緩凝集体から、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤分散液を得る第2工程、前記溶剤分散液を、大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と混合した後、前記濃縮工程を実施する第3工程を含むものであってよい。
より具体的には、本実施形態は、前記コアシェルポリマー粒子が水媒体中に分散されてなる水媒体分散液を、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合した後、さらに水と混合して、コアシェルポリマー粒子緩凝集体を得る第1工程と、前記コアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相から分離した後、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合して、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤分散液を得る第2工程と、前記溶剤分散液を、大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と混合して、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤組成物を得た後、前記濃縮工程によって前記溶剤組成物を濃縮する第3工程を含むものであってもよい。これにより、コアシェルポリマー粒子が高分散している溶剤組成物を容易に得ることができる。該製造方法はハンドリング性に優れているため好ましい。以下では各工程を詳細に説明する。
(第1工程:コアシェルポリマー粒子緩凝集体の調製)
第1工程は、コアシェルポリマー粒子が水媒体中に分散されてなる水媒体分散液を、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下(好ましくは30重量%以下)の有機溶剤と混合する操作を含む。このような有機溶剤と混合することによって、後述する水の添加によって相分離が生じて、再分散が可能な程度の緩やかな凝集状態のコアシェルポリマー粒子緩凝集体を形成することが可能となる。
前記有機溶剤の水に対する溶解度が5重量%未満の場合には、コアシェルポリマー粒子を含有する前記水媒体分散液と有機溶剤との混合がやや困難になる場合がある。また、溶解度が40重量%を超える場合には、後述する第2工程においてコアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相(主として水相)から分離することが難しくなる場合がある。
20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン等のケトン類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロピラン等のエーテル類、メチラール等のアセタール類、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール等のアルコール類等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、第1工程で用いる有機溶剤は、20℃における水に対する溶解度が全体として5重量%以上40重量%以下を示す限り、低水溶性の有機溶剤と高水溶性の有機溶剤とからなる混合有機溶剤であってもよい。例えば、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン等のケトン類、ジエチルカーボネート、ギ酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等の低水溶性の有機溶剤と、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、γ-バレロラクトン、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル等のエステル類、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等の高水溶性の有機溶剤とを2種以上適宜組み合わせた混合有機溶剤が挙げられる。
第1工程で用いる有機溶剤は、後述する第2工程における液相(主として水相)からの分離を容易にする観点から、比重が水よりも軽いものであることが好ましい。
前記水媒体分散液と混合する前記有機溶剤の混合量は、前記水媒体分散液100重量部に対して50重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることがより好ましい。また、250重量部以下であることが好ましく、150重量部以下であることがより好ましい。前記有機溶剤の混合量が50重量部未満の場合には、コアシェルポリマー粒子緩凝集体が生成し難くなる場合がある。また、前記有機溶剤の混合量が250重量部を超える場合には、コアシェルポリマー粒子緩凝集体を得るために添加する水の必要量が増大し、製造効率が低下する場合がある。
前記水媒体分散液と有機溶剤との混合操作には、公知の装置を使用可能である。例えば、撹拌翼付きの撹拌槽等の一般的装置を使用してもよく、スタティックミキサ(静止混合器)やラインミキサ(配管の一部に撹拌装置を組み込む方式)などを使用してもよい。
第1工程は、水媒体分散液と有機溶剤とを混合する操作の後、さらに水を添加して混合する操作を含む。これにより、相分離が生じて、液相中に、再分散が可能な程度の緩やかな凝集状態のコアシェルポリマー粒子緩凝集体を形成することができる。また、水媒体分散液の調製に際して使用し水媒体分散液に含まれることがある水溶性の乳化剤または分散剤、水溶性を有する重合開始剤、または、還元剤等の電解質の大部分を水相に溶出させることもできる。
この操作において、水の混合量は、水媒体分散液と混合するために使用した前記有機溶剤100重量部に対して40重量部以上であることが好ましく、60重量部以上であることがより好ましい。また、300重量部以下であることが好ましく、250重量部以下であることがより好ましい。水の混合量が40重量部未満では、コアシェルポリマー粒子を緩凝集体として得ることが困難となる場合がある。また、水の混合量が300重量部を超える場合には、後述する第2工程においてコアシェルポリマー粒子ドープ中の有機溶剤濃度が低くなるため、コアシェルポリマー粒子ドープと有機溶剤を混合してコアシェルポリマー粒子を有機溶剤に再分散させるのに要する時間が長期化する等、コアシェルポリマー粒子の分散性が低下する場合がある。
(第2工程:コアシェルポリマー粒子を含む溶剤分散液の調製)
第2工程は、第1工程で得たコアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相から分離、回収して、コアシェルポリマー粒子ドープを得る操作を含む。かかる操作によって、コアシェルポリマー粒子から乳化剤等の水溶性の夾雑物を分離、除去することができる。
コアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相から分離、回収する方法としては、例えば、コアシェルポリマー粒子緩凝集体は液相に対し一般に浮上性があるため、第1工程で撹拌槽を用いた場合には、撹拌槽の底部から液相(主として水相)を排出する方法や、濾紙、濾布や比較的開き目の粗い金属製スクリーンを使ってコアシェルポリマー粒子緩凝集体を濾過する方法が挙げられる。
得られるコアシェルポリマー粒子緩凝集体に含まれる有機溶剤の量は、コアシェルポリマー粒子緩凝集体100重量%中、30重量%以上であることが好ましく、35重量%以上であることがより好ましい。また、75重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましい。緩凝集体に含まれる有機溶剤の含有量が30重量%未満では、後述するコアシェルポリマー粒子の有機溶剤への再分散に必要な時間が長期化したり、再分散ができない程度にまで凝集した凝集体が残存し易くなったりするなどの不都合が生じる場合がある。また、有機溶剤の含有量が75重量%を超える場合には、その有機溶剤に多量の水が溶解してドープ中に残存することになるため、第3工程においてコアシェルポリマー粒子が凝集する原因となる場合がある。
なお、本明細書において、コアシェルポリマー粒子緩凝集体に含まれる有機溶剤の量は、コアシェルポリマー粒子ドープを精秤後120℃で15分間乾燥させ、それによって減少した重量を、ドープに含まれていた有機溶剤量とすることによって求めた。
第2工程は、以上により得られたコアシェルポリマー粒子ドープを、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合してコアシェルポリマー粒子含有溶剤分散液を得る操作をさらに含む。コアシェルポリマー粒子ドープではコアシェルポリマー粒子が緩やかな状態で凝集していることから、前記有機溶剤と混合することによって、コアシェルポリマー粒子を前記有機溶剤中に一次粒子の状態で容易に再分散させることができる。
第2工程で用いる有機溶剤は、第1工程で用いる有機溶剤と同様、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤である。かかる有機溶剤を用いることにより、後述する第3工程において有機溶剤を蒸発留去する際に有機溶剤を水と共沸させ、溶剤組成物中に含まれる水分を除去することができる。第2工程で用いる有機溶剤は、第1工程で用いる有機溶剤について上で例示した有機溶媒のなかから選択することができる。第2工程で用いる有機溶剤は、第1工程で用いた有機溶剤と異なる種類のものであってもよいが、第2工程におけるコアシェルポリマー粒子の再分散をより確実にするという観点から、第1工程で用いた有機溶剤と同一であることが好ましい。
第2工程で用いる有機溶剤の混合量は、コアシェルポリマー粒子緩凝集体100重量部に対して、40重量部以上であることが好ましく、200重量部以上であることがより好ましい。また、1400重量部以下であることが好ましく、1000重量部以下であることがより好ましい。有機溶剤の混合量が40重量部未満では、有機溶剤中にコアシェルポリマー粒子が均一に分散し難くなり、凝集したコアシェルポリマー粒子が塊として残ったり、粘度が上昇して取り扱いが難しくなったりする場合がある。また、有機溶剤の混合量が1400重量部を超えると、後述する第3工程において溶剤を蒸発留去するに際して多量のエネルギーおよび大規模な装置が必要となり不経済になる。
本発明においては、第1工程と第2工程との間に、第1工程で得られたコアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相から分離、回収し、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合した後、さらに水と混合して、再度、コアシェルポリマー粒子緩凝集体を得る操作を1回以上行なってもよい。これにより、コアシェルポリマー粒子ドープ中に含まれる乳化剤等の水溶性の夾雑物の残存量をより低くすることができる。
(第3工程:コアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物の調製)
第3工程は、第2工程で得たコアシェルポリマー粒子含有溶剤分散液に、大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤を混合する操作と、前記濃縮工程を含む。前記濃縮工程によって、前記コアシェルポリマー粒子含有溶剤分散液に含まれていた水の除去、コアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物における粒子濃度の調整、第1工程および第2工程で使用した有機溶剤から、最終の溶剤組成物に含まれるべき溶剤への置換などを行なうことができる。このような第3工程によって、コアシェルポリマー粒子が一次粒子の状態で分散したコアシェルポリマー粒子含有溶剤組成物を得ることができる。
第3工程に用いる、大気圧下での沸点が160℃以下である溶剤の混合量としては、特に限定されないが、例えば、コアシェルポリマー粒子100重量部に対して、50~1000重量部程度であればよい。
該溶剤を、コアシェルポリマー粒子含有溶剤分散液と混合した後、上述した濃縮工程を実施することで、溶剤組成物を濃縮する。濃縮工程では、上述したように、撹拌槽槽壁である加熱面、または撹拌槽内部に設けられた加熱手段の表面である加熱面から、撹拌槽内の溶剤組成物に伝熱することで溶剤組成物を加熱する。その際、撹拌槽内の液相と気相と加熱可能面(例えば、撹拌槽槽壁や、加熱手段の表面)の三相界面での加熱可能面の温度を、前記加熱面の温度よりも低くなるように制御する。
撹拌槽槽壁の外周面にジャケット等の加熱手段が設けられておりこれにより撹拌槽外部から撹拌槽槽壁を加熱する態様では、加熱面(槽壁のうち、加熱されている加熱手段に対向している槽壁)は、撹拌槽底面からの高さを変更可能なように構成することが好ましい。図2では、内部に撹拌翼32を有する撹拌槽31の外周面に、3段式ジャケット38を設けている。3段式ジャケット38は、上段ジャケット35、中段ジャケット36、下段ジャケット37に区分けされており、各ジャケットに個別に熱媒を通して加熱することができる。このような多段式の加熱手段を使用して熱媒を通すジャケットを適宜選択することで、撹拌槽底面からの加熱面の高さを変更することができる。
蒸発が進行すると、溶剤組成物の液面は徐々に低下していくが、その低下に応じて、撹拌槽底面からの加熱面の高さを降下させて、前記三相界面における撹拌槽槽壁の温度を、加熱面の温度よりも低くなるように制御する。図2(a)は、蒸発開始時点及び蒸発開始後初期の時点の状態を示しており、液面33′は、上段ジャケット35の上端よりも高い位置にあり、ジャケット35~37すべてに熱媒が通されている。図2(b)は、蒸発が進行して、液面33′が上段ジャケット35の上端よりも低い位置になったが、中段ジャケット36の上端よりは高い位置にある状態を示している。このとき、中段ジャケット36と下段ジャケット37には熱媒を通して加熱しているが、上段ジャケット35には熱媒を通さず、加熱していない。図2(c)は、さらに蒸発が進行して、液面33′が中段ジャケット36の上端よりも低い位置になったが、下段ジャケット37の上端よりは高い位置にある状態を示している。このとき、下段ジャケット37には熱媒を通して加熱しているが、上段ジャケット35と中段ジャケット36には熱媒を通さず、加熱していない。以上のように熱媒を通すジャケットを選択することで、撹拌槽底面からの加熱面の高さを、溶剤組成物の液面の低下に応じて、該液面よりも低い位置になるよう降下させることで、液相と気相と撹拌槽槽壁の三相界面における撹拌槽槽壁の温度を、加熱面の温度よりも低くなるように制御することができる。
また、撹拌槽内部に配置した加熱手段によって加熱を実施する態様でも、加熱されている加熱手段表面(加熱面)の撹拌槽底面からの高さを、溶剤組成物の液面の低下に応じて、該液面よりも低い位置になるよう降下させることで、液相と気相と加熱手段表面の三相界面における加熱手段表面の温度を、該加熱面の温度よりも低くなるように制御することができる。
しかし、加熱面の高さを変更することなく、三相界面における撹拌槽槽壁の温度を、加熱面の温度よりも低くなるように制御することもできる。図5では、撹拌槽31が、内部の溶剤組成物を液面から上に持ち上げて、液面より上方の撹拌槽内壁に向けて噴出する散液部47を備えている。散液部47は、回転軸45と、該回転軸に装着された少なくとも1つの樋状部材46とを有している。樋状部材46は、溶剤組成物が通り得る流路を備えており、該流路の下端部は、撹拌槽底部に貯留している溶剤組成物中に浸漬し、該流路の上端部は、気相中に突出している。樋状部材46は、回転軸45の回転に伴って、溶剤組成物を撹拌槽の下方から上方に向かって送液し、撹拌槽内壁に向けて噴出することができる。撹拌槽内壁に吹き付けられた溶剤組成物は、重力によって、撹拌槽内壁に沿って流下することになる。
本実施形態では、このような装置を用いて、図5に示すとおり、加熱されているジャケット36の上端よりも高い位置に溶剤組成物を噴出する。この時、液相と気相と撹拌槽槽壁の三相界面24は、散液部47からの噴出液が撹拌槽内壁に対し衝突する箇所に生じるので、三相界面における撹拌槽槽壁は、加熱されておらず、該槽壁の温度は、加熱面の温度よりも低い温度となる。この態様では、蒸発に伴って液面が低下しても加熱面の高さを降下させる必要がない。そのため、常に大きな加熱面を確保することができ、蒸発時間の短縮が可能になる。
この態様では、噴出液が撹拌槽内に満遍なく散布されるように、1個の取付具に複数の樋状部材を取付けることが好ましい。また、樋状部材の回転速度は、溶剤組成物の粘度、樋状部材の形状および太さなどを考慮して適宜決定することができる。
本発明により得られる溶剤組成物は、ワニスを作製するために使用することができる。該ワニスは、マトリックス樹脂の他、硬化剤、硬膜剤、触媒、難燃剤、相乗剤、添加剤、不活性充填剤等をさらに含有することができる。
本発明により得られる溶剤組成物およびワニスは、プリプレグ、銅張積層板、プリント配線板、塗料、複合材料、鋳物、接着剤等に好適に使用され、その他の成形材料、封止材料、絶縁材料、充填材、光造型材料、光学部品、インキ、トナーにも使用されうる。特にプリント配線板の最外層(ソルダーレジスト材料)、多層プリント配線板の内層(ビルドアップ材料、プリプレグ材料)、又は、FPC用接着剤(FPC:フレキシブル配線板)に好適に使用される。
ソルダーレジスト材料に使用する場合、プリント配線板(片面、両面若しくは多層)、COF、又は、TABに使用できる。熱硬化性ビルドアップ材料に使用する場合、ビルドアップ多層配線板に使用できる。プリプレグ材料として使用する場合、ビルドアップ多層配線板、プリント配線板(片面、両面若しくは多層)、又は多層FPCに使用できる。FPC用接着剤として使用する場合、3層FCCL(Flexible Copper Clad Laminate)用接着剤、又は、カバーレイ用接着剤に使用でき、また、FPC(片面、両面又は多層)に使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、試薬は特に規定の無いものは和光純薬製のものを使用した。
本発明で用いた分析測定方法について以下に説明する。
[1]溶剤組成物中のコアシェルポリマー粒子濃度
溶剤組成物約1gを精秤した後、熱風乾燥機内にて設定温度120℃で30分間加熱し、溶剤揮発後の重量を測定した。溶剤揮発後の重量をコアシェルポリマー粒子の重量として、これを溶剤組成物の重量で除して、溶剤組成物中のコアシェルポリマー粒子濃度を算出した。
[2]溶剤組成物中のポリマー粒子の体積平均粒子径
粒子径測定装置(日機装社製Microtrac UPA)を用いて、溶剤組成物に含まれるポリマー粒子の体積平均粒子径を測定した。ただし、溶剤組成物をメチルエチルケトンで希釈したものを測定試料として用いた。測定は、メチルエチルケトンの屈折率、及びそれぞれのコアシェルポリマー粒子の屈折率を入力し、計測時間600秒、Signal Levelが0.6~0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して行った。
(製造例1) コアシェルポリマーラテックスの製造
耐圧重合機中に、水200重量部、リン酸三カリウム0.03重量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002重量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部、及び、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)1.55重量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(Bd)100重量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.03重量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.10重量部を投入し重合を開始した。重合開始から3、5、7時間目それぞれに、パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.025重量部を投入した。また、重合開始から4、6、8時間目それぞれに、EDTA0.0006重量部、及び硫酸第一鉄・7水和塩0.003重量部を投入した。重合開始から15時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴムを主成分とするポリブタジエンゴムラテックス(R-1)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は80nmであった。
耐圧重合機中に、ポリブタジエンゴムラテックス(R-1)を21重量部(ポリブタジエンゴム7重量部を含む)、脱イオン水185重量部、リン酸三カリウム0.03重量部、EDTA0.002重量部、及び硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、Bd93重量部を系中に投入し、45℃に昇温した。PHP0.02重量部、続いてSFS0.10重量部を投入し重合を開始した。重合開始から24時間目まで3時間おきに、それぞれ、PHP0.025重量部、EDTA0.0006重量部、及び硫酸第一鉄・7水和塩0.003重量部を投入した。重合開始から30時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴムを主成分とするポリブタジエンゴムラテックス(R-2)を得た。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は200nmであった。
温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、及びモノマーの添加装置を有するガラス製反応器に、前記ポリブタジエンゴムラテックス(R-2)241重量部(ポリブタジエンゴム粒子80重量部を含む)、及び、水65重量部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.004重量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部、及びSFS0.2重量部を加えた後、スチレン(St)2重量部、メチルメタクリレート(MMA)12重量部、アクリロニトリル(AN)1重量部、グリシジルメタクリレート(GMA)5重量部およびt-ブチルハイドロパーオキシド(TBP)0.08重量部の混合物を110分間かけて連続的に添加した。TBP0.04重量部を添加し、さらに1時間撹拌を続けて重合を完結させ、コアシェルポリマー粒子を含む水性ラテックス(L-1)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径は210nmであった。
(製造例2)
100L耐圧重合機中に、水200重量部、リン酸三カリウム0.03重量部、リン酸二水素カリウム0.25重量部、EDTA0.002重量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部およびSDBS1.5重量部を投入した。投入した原料を攪拌しつつ、窒素置換により耐圧重合機内の酸素を十分に除いた。その後、Bd75重量部およびスチレン25重量部を系中に投入し、耐圧重合機内の温度を45℃に昇温した。その後、PHP0.015重量部を系中に投入し、続いてSFS0.04重量部を系中に投入し、重合を開始した。重合開始から4時間目に、PHP0.01重量部、EDTA0.0015重量部および硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部を系中に投入した。重合開始から10時間目に、減圧下にて脱揮して、系中に残存しているモノマーを除去することにより重合を終了し、スチレン-ブタジエンゴムラテックス(R-3)を得た。得られたスチレン-ブタジエンゴムラテックス(R-3)に含まれるスチレン-ブタジエンゴム粒子の体積平均粒径は100nmであった。
ガラス製反応器に、前記スチレン-ブタジエンゴムラテックス(R-3)241重量部(スチレン-ブタジエンゴム粒子80重量部を含む)、および、水65重量部を投入した。ここで、前記ガラス製反応器は、温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、およびモノマーの添加装置を有していた。ガラス製反応器中の気体を窒素で置換し、60℃にて投入した原料を撹拌した。次に、EDTA0.004重量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部、およびSFS0.2重量部を系中に加えた後、イソシアヌル酸トリアリル(TAIC)2重量部、および、クメンハイドロパーオキシド(CHP)0.07重量部を系中に添加し、これらを60分間攪拌した。その後、St12重量部、AN4重量部、GMA4重量部およびTBP0.08重量部の混合物を110分間かけて連続的に系中に添加した。その後、TBP0.04重量部を系中に添加し、さらに1時間撹拌を続けて重合を完結させ、コアシェルポリマー粒子を含む水性ラテックス(L-2)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径は110nmであった。
(製造例3)
ガラス製反応器に、前記スチレン-ブタジエンゴムラテックス(R-3)241重量部(スチレン-ブタジエンゴム粒子80重量部を含む)、および、水65重量部を投入した。ここで、前記ガラス製反応器は、温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、およびモノマーの添加装置を有していた。ガラス製反応器中の気体を窒素で置換し、60℃にて投入した原料を撹拌した。次に、EDTA0.004重量部、硫酸第一鉄・7水和塩0.001重量部、およびSFS0.2重量部を系中に加えた後、St12重量部、AN4重量部、GMA4重量部およびTBP0.08重量部の混合物を110分間かけて連続的に系中に添加した。その後、TBP0.04重量部を系中に添加し、さらに1時間撹拌を続けて重合を完結させ、コアシェルポリマー粒子を含む水性ラテックス(L-3)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径は110nmであった。
(実施例1)
(第1工程)
30℃の1L混合槽にメチルエチルケトン(MEK)126重量部を仕込み、撹拌しながら、コアシェルポリマー粒子の水性ラテックス(L-1)を126重量部投入した。均一に混合後、水200重量部を80重量部/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止し、浮上性のコアシェルポリマー粒子緩凝集体を含むスラリー液を得た。
(第2工程)
次に、コアシェルポリマー粒子緩凝集体(コアシェルポリマー粒子を約42重量%、有機溶剤と水を合計で約58重量%含む)を槽中に残し、液相350重量部を槽下部の払い出し口より排出した。得られたコアシェルポリマー粒子ドープにMEK150重量部を添加して混合し、コアシェルポリマー粒子が分散したMEK分散液(M-1)を得た。
(第3工程)
MEK分散液(M-1)を、図2のような各段個別に熱媒を通すことができる3段式ジャケット38と撹拌翼32を付けた撹拌槽31に投入し、MEKとジメチルホルムアミド(DMF)を、コアシェルポリマー粒子100重量部に対しMEKとDMFがそれぞれ170/200重量部になるように加えて均一混合した。
その後、ジャケット温度を90℃に設定し、減圧度を100torrに設定して、溶剤組成物のコアシェルポリマー粒子濃度が25重量%に達するまでMEKと水、少量のDMFを留去して溶剤組成物を濃縮した。濃縮工程開始時点では、図2(a)で示すように、液面33′が上段ジャケット35の上端よりも高くなっており、3段のジャケットそれぞれの温度を90℃に設定した。つまり、3段のジャケット35~37それぞれに対向した槽壁すべてが加熱面に該当する。その後、濃縮に伴う液面の低下によって、加熱しているジャケットの上端よりも液面が低くならないよう、液面の低下状況をみながら、図2(b)及び(c)で示すように、上段ジャケット35の加熱、次いで、中段ジャケット36の加熱を中止して、加熱面の高さを制御した。上段ジャケット35の加熱を中止した時には、中段ジャケット36と下段ジャケット37に対向した槽壁が加熱面に該当し、次いで中段ジャケット36の加熱も中止した時、下段ジャケット37に対向した槽壁が加熱面に該当する。これにより、液相と気相と槽壁(加熱可能面)の三相界面での槽壁は加熱されず、液相に面している槽壁のみを加熱するようにした。
図2(c)で示すように液面33′が下段ジャケット37の上端よりも高い位置にある時に、撹拌槽内に窒素ガスを導入して内圧を大気圧に戻し、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤(MEK及びDMF)組成物を槽下部の払い出し口より排出した。排出後、槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着は観察されなかった。
得られた混合溶剤組成物中のコアシェルポリマー粒子の体積平均粒子径は210nmを維持していた。
(比較例1)
ジャケット温度を160℃に変更し、減圧度を400torrに変更した以外は実施例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着が観察された。
(比較例2)
減圧度を65torrに変更した以外は実施例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着が観察された。
(比較例3)
濃縮工程中、加熱面の高さの制御を行なわず、3段のジャケット35~37全てを90℃に加熱し続けたこと以外は実施例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。図3に示すように、槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着(固着物39)が観察された。
(比較例4)
図4に示すように、濃縮工程中、上段ジャケット35と中段ジャケット36を加熱せず、下段ジャケット37を90℃に加熱し続け、さらに、撹拌槽内に設けた多管束に熱媒を通して90℃に加熱し続けたこと以外は実施例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。槽璧ではコアシェルポリマー粒子の固着は観察されなかったが、多管束表面にコアシェルポリマー粒子の固着(固着物42)が観察された。
(実施例2)
図5に示すように、濃縮工程中、加熱面の高さの変更を行なわず、中段ジャケット36と下段ジャケット37を90℃に加熱し続けたことに加えて、撹拌槽内に、加熱されているジャケットの上端よりも高い位置の撹拌槽内壁に溶剤組成物を噴出する散液部47を設け、該散液部が、回転軸45と、該回転軸に装着され該回転軸の回転に伴って溶剤組成物を該撹拌槽の下方から上方に向かって送液する流路を有する2つの樋状部材46とから構成されている以外は実施例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。濃縮工程中、加熱面の高さは変更しないが、液相と気相と槽壁(加熱可能面)の三相界面は、散液部による溶剤組成物の吹き付けによって、常に加熱面の上端(この場合、中段ジャケット36の上端と同じ)よりも高い位置にある。槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着は観察されなかった。
(比較例5)
図6で示すように、濃縮工程中、3段のジャケット35~37それぞれを90℃に加熱し続けたことに加えて、散液部によって溶剤組成物が槽壁に吹き付けられる位置を、上段ジャケット35の上端よりも低い位置としたこと以外は、実施例2と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。溶剤組成物が吹き付けられる位置近傍の槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着(固着物49)が観察された。
実施例1及び2では、溶剤組成物の液相と気相と槽壁の三相界面において槽壁を加熱せず、一方、加熱している槽壁(加熱面)の温度をDMFの大気圧下の沸点である153℃以下の90℃に設定し、かつ、撹拌槽内の減圧度をDMFの沸点が約90℃になる100torrに設定して前記式(1)の条件を満足しており、槽壁へのコアシェルポリマー粒子の固着が抑制された。
比較例1では、加熱している槽壁(加熱面)の温度をDMFの大気圧下の沸点である153℃を超える160℃に設定しており、槽壁へのコアシェルポリマー粒子の固着が発生した。比較例2では、減圧度をDMFの沸点が約40℃になる65torrに設定して前記式(1)の条件を満足しておらず、槽壁へのコアシェルポリマー粒子の固着が発生した。比較例3及び5では、溶剤組成物の液相と気相と槽壁の三相界面を加熱しており、槽壁へのコアシェルポリマー粒子の固着が発生した。比較例4では、溶剤組成物の液相と気相と多管束表面の三相界面を加熱しており、加熱面である多管束表面にてコアシェルポリマー粒子の固着が発生した。
(実施例3)
水性ラテックス(L-1)に代えて水性ラテックス(L-2)を使用した以外は実施例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。該組成物を槽下部の払い出し口より排出した後、槽壁にコアシェルポリマー粒子の固着は観察されなかった。
(実施例4)
水性ラテックス(L-1)に代えて水性ラテックス(L-3)を使用した以外は製造例1と同様にして、コアシェルポリマー粒子の混合溶剤組成物を製造した。この例ではコアシェルポリマー粒子が混合溶剤で膨潤し、チキソ性の高い混合溶剤組成物となったため、該組成物を槽下部の払い出し口より排出した後、溶剤で膨潤したコアシェルポリマー粒子が槽壁に付着しているのが観察された。しかし、この付着物は、MEKによる洗浄で容易に洗い落とすことが可能であり、乾燥したコアシェルポリマー粒子が槽壁に固着しているものではなく、即ち、コアシェルポリマー粒子の固着は観察されなかった。
21 液相
22 気相
23 槽壁
24 三相界面
31 撹拌槽
32 撹拌翼
33 液相
33′ 液面
35 上段ジャケット
36 中段ジャケット
37 下段ジャケット
38 三段式ジャケット
39 固着物
41 多管束
42 固着物
45 回転軸
46 樋状部材
47 散液部
48 流下する溶剤組成物
49 固着物

Claims (8)

  1. 大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と1種以上のコアシェルポリマー粒子を含む溶剤組成物の製造方法であって、
    該製造方法は、減圧可能な蒸発装置の撹拌槽内で前記溶剤組成物を減圧下加熱して、溶剤を蒸発させ、前記溶剤組成物を濃縮する工程を含み、
    該工程において、前記溶剤組成物の加熱は、加熱面から液相への伝熱によって行い、撹拌槽内の液相と気相と加熱可能面の三相界面での加熱可能面の温度を、前記加熱面の温度よりも低くなるように制御し、前記加熱面の温度を、前記溶剤の大気圧下での沸点以下に設定し、かつ撹拌槽内の減圧度を、下記式(1)が成立する範囲で設定することを特徴とする、溶剤組成物の製造方法。
    前記減圧度での前記溶剤の沸点(℃)≧前記加熱面の温度(℃)-40℃ (1)
  2. 前記コアシェルポリマー粒子の含有率が、前記濃縮工程後の前記溶剤組成物100重量%中、20~40重量%である、請求項1に記載の溶剤組成物の製造方法。
  3. 前記濃縮工程後の前記溶剤組成物中に前記コアシェルポリマー粒子が体積平均粒子径として10nm~500nmで存在する、請求項1または2に記載の溶剤組成物の製造方法。
  4. 前記コアシェルポリマー粒子のコア層が、
    (i)ジエン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体50重量%以上100重量%以下、及び、他の共重合可能なビニル単量体50重量%未満から構成されるゴム弾性体、
    (ii)ポリシロキサンゴム系弾性体、
    (iii)芳香族ビニル架橋体、または
    (iv)前記(i)~(iii)のうち2種以上の混合物からなり、
    前記他の共重合可能なビニル単量体が、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、不飽和カルボン酸誘導体、(メタ)アクリル酸アミド誘導体、及び、マレイミド誘導体からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
  5. 前記コアシェルポリマー粒子のコア層が、前記コアシェルポリマー粒子100重量%中、架橋性単量体0.2~7重量%で被覆されている、請求項1~4のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
  6. 前記コアシェルポリマー粒子が水媒体中に分散されてなる水媒体分散液を、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合した後、水と混合して、コアシェルポリマー粒子緩凝集体を得る第1工程と、
    前記コアシェルポリマー粒子緩凝集体を液相から分離した後、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上40重量%以下の有機溶剤と混合して、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤分散液を得る第2工程と、
    前記溶剤分散液を、大気圧下での沸点が160℃以下である1種以上の溶剤と混合して、前記コアシェルポリマー粒子を含む溶剤組成物を得た後、前記濃縮工程によって前記溶剤組成物を濃縮する第3工程を含む、請求項1~5のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
  7. 撹拌槽側壁の前記加熱面は、撹拌槽底面からの高さを変更可能なものであり、
    蒸発の進行による液面の低下に応じて、前記撹拌槽底面からの前記加熱面の高さを降下させる、請求項1~6のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
  8. 前記撹拌槽が、液面より上方の撹拌槽内壁に向けて前記溶剤組成物を噴出する散液部を備え、
    該散液部が、回転軸と、該回転軸に装着され該回転軸の回転に伴って前記溶剤組成物を前記撹拌槽の下方から上方に向かって送液する流路を有する少なくとも1つの樋状部材とを含む、請求項1~6のいずれかに記載の溶剤組成物の製造方法。
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