以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る空調吹出口構造について説明する。
<空調吹出口構造の構成>
まず、本実施の形態に係る空調吹出口構造の構成について説明する。
図1には、本実施の形態に係る空調吹出口構造が適用された空調吹出装置10の分解斜視図が示されており、図2には、空調吹出装置10の正面図が示されている。図1に示されるように、空調吹出装置10は、吹出チャンバ12と、グリル14と、一対の落下物受け部材16、18と、落下物誘導板(第1落下物誘導板)20と、落下物誘導板(第2落下物誘導板)22と、を含んで構成されている。
(吹出チャンバ12)
まず、吹出チャンバ12について説明する。
当該吹出チャンバ12は、金属又は樹脂で形成されており、図1、図2に示されるように、床下空間23に設けられている。また、吹出チャンバ12は、チャンバ部24と、接続部26と、を含んで構成されており、チャンバ部24は吹出チャンバ12の上部を構成し、接続部26は吹出チャンバ12の下部を構成している。
当該チャンバ部24は、角筒状を成しており、チャンバ部24の内部28は、図示しない空調装置により生成された空調空気の流路とされている。
また、吹出チャンバ12は、チャンバ部24と、接続部26と、を含んで構成されており、チャンバ部24は吹出チャンバ12の上部を構成し、接続部26は吹出チャンバ12の下部を構成している。
当該チャンバ部24は、角筒状を成しており、チャンバ部24の内部28は、図示しない空調装置により生成された空調空気の流路とされている。
一方、接続部26は、正面視で略五角形状を成しており、下端側が窄まった形状とされている。図3には、空調吹出装置10の一部を構成する吹出チャンバ12及び落下物受け部材16、18を示す分解斜視図が示されており、図4には、図3で示すA-A線に沿って切断したときの断面図が示されている。
図1、図4に示されるように、当該接続部26の内部30は、チャンバ部24の内部28と連通しており、接続部26の正面には、円筒部32が突設されている。この円筒部32の内部34は、接続部26の内部30と連通しており、当該円筒部32には、吹出ダクト36の一端部が接続されるようになっている。当該吹出ダクト36の他端部は、図示はしないが、空調装置に接続されている。
この空調装置には、室外機との間に冷媒配管が接続されており、当該空調装置により、冷媒配管を介して室外機との間で冷媒を循環させ、建物内と屋外の熱を交換しながら建物内を暖め、又は冷やすことが可能とされる。
ここで、図1に示されるように、前述したチャンバ部24は、当該チャンバ部24の長手方向に沿って形成された一対の側壁部38、40と、当該チャンバ部24の幅方向に沿って形成された一対の側壁部42、44と、を含んで構成されている。
当該側壁部38、40の下部には、チャンバ部24の長手方向に沿って形成された開口部(第1開口部)46、48がそれぞれ設けられている。この開口部46、48を通じて、チャンバ部24の内部28と外部50とがそれぞれ連通可能とされる。
また、チャンバ部24の上端部24Aには、装着部52が設けられている。当該装着部52は、チャンバ部24の外形寸法よりも小さい寸法で形成されており、装着部52とチャンバ部24との間には、段差部54が設けられている。
当該装着部52において、一対の側壁部42、44の上方側にそれぞれ連設された一対の側壁部56、58には、図示はしないが、複数の固定穴がそれぞれ形成されている。この固定穴には、ビスが固定可能とされており、当該ビスを介して、吹出チャンバ12の装着部52が床パネル60(図2参照)に固定可能とされる。また、図3に示されるように、装着部52には、後述するグリル14が装着可能とされている。
(グリル)
ここで、グリル14について説明する。
図1に示されるように、グリル14は、矩形状を成す上壁部62と、上壁部62の裏面から垂下された角筒状の側壁部64と、を含んで構成されており、上壁部62の外縁部62Aは、当該側壁部64から外側へ張り出して形成されている。
このため、上壁部62の外縁部62Aを、以下の説明ではフランジ部62Aと称する。そして、図2に示されるように、当該フランジ部62Aが床パネル60の上面60Aに重なることになり、グリル14の上壁部62は、屋内空間65側に露出する。
また、図1に示されるように、グリル14のフランジ部62Aの内側には、上壁部62の幅方向に沿って長孔状に形成された吹出口66が当該上壁部62の長手方向に沿って所定のピッチで複数形成されている。
さらに、グリル14の側壁部64の内側には、当該側壁部64の長手方向に沿って配置された矩形板状の案内板68(図4参照)が、側壁部64の幅方向に沿って所定のピッチで複数配置されている。この案内板68は、図示しない調整ダイヤルに角度の調整が可能とされており、当該案内板68によって、吹出口66へ案内される空調空気(図4の矢印で示す)の風向きが調整可能とされる。なお、この案内板68は必ずしも必要ではない。
一方、本実施形態では、吹出チャンバ12のチャンバ部24の高さ方向において、装着部52と開口部46、48の間には、落下物誘導板(第1落下物誘導板)20が設けられている。
(落下物誘導板20)
ここで、落下物誘導板20について説明する。
図2、図3に示されるように、落下物誘導板20は、吹出チャンバ12のチャンバ部24の幅方向に沿って形成された側壁部42と側壁部44の間に架け渡され、チャンバ部24の長手方向に沿って配置されており、チャンバ部24に対して一体的に形成されている。
つまり、当該落下物誘導板20は、吹出チャンバ12のチャンバ部24と一体成形されても良いし、チャンバ部24に対して接着等により接合されてもよい。なお、チャンバ部24に対して落下物誘導板20が接着等により接合される場合、落下物誘導板20は、チャンバ部24と異なる材質が用いられてもよい。
図4に示されるように、落下物誘導板20は、当該落下物誘導板20の幅方向(チャンバ部24の幅方向)に沿って切断された断面形状が扇状を成しており、落下物誘導板20の上面70は円弧状に形成され、落下物誘導板20の幅方向の中央部が頂部70Aとなっている。
このため、例えば、図5に示されるように、グリル14に形成された吹出口66を通過し、落下物誘導板20の上面70に落下した落下物72は、当該落下物誘導板20の上面70の形状に沿って、落下物誘導板20の幅方向の外側へ誘導され、落下物誘導板20の上面70から落下するようになっている。
一方、図4に示されるように、落下物誘導板20の下面74には、落下物誘導板20の幅方向の中央部を中心Oとして、それぞれ上面70の頂部70A側へ向かって突出する円弧面(誘導面)74A、74Bが形成されている。
さらに、本実施形態では、当該落下物誘導板20の下方側に落下物誘導板(第2落下物誘導板)22が配置されている。
(落下物誘導板22)
次に、落下物誘導板22について説明する。
当該落下物誘導板22は、例えば、シリコンゴム等の弾性部材で形成されている。図1に示されるように、落下物誘導板22は、平面視で矩形状を成しており、落下物誘導板22の長手方向の両端22A、22Bは、チャンバ部24の側壁部42、44の内壁面にそれぞれ接着されている。
また、落下物誘導板22の幅方向の両端22C、22Dは、図3、図4に示されるように、チャンバ部24の側壁部38、40に形成された開口部46、48を通じてチャンバ部24の外側に配置されている。
さらに、図1に示されるように、落下物誘導板22の中央部には、落下物誘導板22の長手方向に沿って形成された長孔部(孔部)76が設けられている。長孔部76は、平面視で落下物誘導板20と重なる位置に形成されており、この長孔部76内を空調空気(図4の矢印で示す)が流動可能とされる。
また、落下物誘導板22は、平面視で当該落下物誘導板20よりも外側にはみ出す大きさとされており、図2に示されるように、正面視で落下物誘導板22の中央部が頂部となるように形成されている。また、図4に示されるように、落下物誘導板22は、当該落下物誘導板22を幅方向に沿って切断した状態で、落下物誘導板22の幅方向の中央部が頂部となるように形成されている。
このため、例えば、図5に示されるように、グリル14に形成された吹出口66を通過して、落下物誘導板20の上面70に落下し、当該落下物誘導板20から落下した落下物72は、落下物誘導板22の上面78に落下する。そして、落下物誘導板22の上面78に落下した落下物72は、当該落下物誘導板22の上面78の形状に沿って、落下物誘導板22の幅方向の外側へ誘導されることとなる。
一方、図7(A)に示されるように、落下物誘導板22の幅方向の外縁部80側には、ヒンジ部82が形成されている。このヒンジ部82は他の部位よりも薄肉に形成されており、当該ヒンジ部82を中心に落下物誘導板22の外縁部80が屈曲可能(弾性変形可能)とされている(後述する)。
図4に示されるように、落下物誘導板22は、吹出チャンバ12のチャンバ部24の側壁部38に形成された開口部46と、チャンバ部24の側壁部40に形成された開口部48と、を跨ぐようにして配置されている。
このため、図5に示されるように、落下物誘導板22の上面78に落下し、落下物誘導板22の幅方向の外側へ誘導された落下物72は、開口部46、48を通じて、チャンバ部24の外側へ誘導されることとなる。
そして、本実施形態では、吹出チャンバ12のチャンバ部24の幅方向に沿った両外側には、落下物受け部材16、18がそれぞれ設けられている。
(落下物受け部材16、18)
以下、落下物受け部材16、18について説明する。なお、落下物受け部材16と落下物受け部材18は略同じ構成であるため、両者を代表して落下物受け部材16の構成についての説明を行い、落下物受け部材18の構成については説明を割愛する。
図1に示されるように、落下物受け部材16は、正面視で矩形状を成す箱型とされており、吹出チャンバ12のチャンバ部24の長手方向の寸法に合わせて形成された一対の側壁部83、84と、チャンバ部24の幅方向に沿って形成された一対の側壁部86と、を含んで構成されている。
また、落下物受け部材16の上壁部87には、当該落下物受け部材16の長手方向に沿ってフランジ部87Aが張り出している。このフランジ部87Aは、グリル14に形成されたフランジ部62Aと同様に、図2に示す床パネル60の上面60Aに重なるようになっている。これにより、図1に示す落下物受け部材16は支持可能とされる。
また、落下物受け部材16の上壁部87には、回転式の把手88が設けられている。この把手88は、通常、落下物受け部材16の上壁部87と略面一となり露出不能の状態とされており、使用時には、当該把手88を回転させることにより、把手88が屋内空間65側に露出し把持可能とされる。このように、把手88が露出した状態で、落下物受け部材16の取り出し、又は取り付けが可能とされる。
また、図4に示されるように、本実施形態では、落下物受け部材16の側壁部84と、吹出チャンバ12のチャンバ部24の側壁部38と、が面接触可能とされている。そして、落下物受け部材16の側壁部84には、当該落下物受け部材16の内部90と外部50(図1参照)とを連通させる開口部(第2開口部)92が形成されている。
この開口部92は、チャンバ部24の側壁部38に形成された開口部46に対応して形成されており、チャンバ部24の開口部46と落下物受け部材16の開口部92とが重なるように形成されている。
つまり、本実施形態では、吹出チャンバ12のチャンバ部24の側壁部38に形成された開口部46と、落下物受け部材16の側壁部84に形成された開口部92とを通じて、当該チャンバ部24の内部28と落下物受け部材16の内部90とが連通することとなる。
ここで、前述のように、吹出チャンバ12のチャンバ部24の内部28には、チャンバ部24の側壁部38に形成された開口部46と、チャンバ部24の側壁部40に形成された開口部48とを跨ぐようにして落下物誘導板22が配置されている。
当該落下物誘導板22の幅方向の両端22C、22Dは、図4に示されるように、チャンバ部24の側壁部38、40に形成された開口部46、48を通じてチャンバ部24の外側に配置されている。つまり、落下物誘導板22の幅方向の両端22C、22Dは、落下物受け部材16の側壁部84に形成された開口部92を通じて落下物受け部材16の内部90まで延びている。
すなわち、本実施形態では、落下物誘導板22は、吹出チャンバ12のチャンバ部24を挟んで、落下物受け部材16の側壁部84に形成された開口部92と、落下受け部材18の側壁部84に形成された開口部92と、を跨ぐようにして配置されている。
このため、図5に示されるように、落下物誘導板22の上面78に落下した落下物72は、吹出チャンバ12のチャンバ部24に形成された開口部46と、落下物受け部材16に形成された開口部92とを通じて、落下物誘導板22の幅方向の外側へ誘導され、落下物受け部材16の内部90へ誘導されることとなる。
なお、開口部92は落下物受け部材16の底壁部94の上方に形成されており、開口部92を通じて、落下物受け部材16の下部で落下物72を収容可能としている。
<空調吹出口構造の作用及び効果>
次に、本実施の形態に係る空調吹出口構造の作用及び効果について説明する。
図1、図4に示されるように、本実施形態では、吹出チャンバ12のチャンバ部24の隣に落下物受け部材16、18が配置されており、当該落下物受け部材16、18は、屋内空間65側へ取り出し可能とされている。
ここで、吹出チャンバ12のチャンバ部24の側壁部38、40には、当該チャンバ部24の内部28と外部50とを連通させる開口部46、48がそれぞれ形成されている。一方、落下物受け部材16、18の側壁部84には、チャンバ部24の側壁部38、40に形成された開口部46、48に対応して、チャンバ部24の内部28と落下物受け部材16、18の内部90を連通させる開口部92が形成されており、当該落下物受け部材16、18は、当該開口部92を通じて、落下物72(図5参照)を収容可能としている。
さらに、吹出チャンバ12のチャンバ部24内には、落下物誘導板20が設けられている。この落下物誘導板20は、図5に示されるように、グリル14の吹出口66を通過してチャンバ部24の内部28へ落下した落下物72を、チャンバ部24の側壁部38、40にそれぞれ形成された開口部46、48から落下物受け部材16、18の側壁部84に形成された開口部92側へ誘導可能としている。
以上のように、本実施形態では、グリル14の吹出口66を通過して吹出チャンバ12のチャンバ部24の内部28へ落下した落下物72は、落下物誘導板20によって、チャンバ部24に形成された開口部46、48から落下物受け部材16、18に形成された開口部92側へ誘導される。
つまり、図示しない落下防止用のフィルター等と異なり、落下物誘導板20では、落下物72を受けるのではなく、吹出チャンバ12のチャンバ部24から落下物受け部材16、18側へ誘導する。このため、例えば、図8に示されるように、当該落下物72が液体の場合であっても、この液体は、矢印に沿って落下物受け部材16、18側へ誘導されることとなる。したがって、本実施形態では、液体がチャンバ部24の奥側へ浸入しないように抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態では、図5の二点鎖線で示されるように、当該落下物受け部材16、18は屋内空間65側への取り出しが可能とされる。なお、ここでは、落下物受け部材16のみ取り出された状態が図示されているが、落下物受け部材18も落下物受け部材16と同様である。このように、落下物受け部材16、18に落下物72が収容された状態で、当該落下物受け部材16、18を屋内空間65側へ取り出すことによって、落下物受け部材16、18内へ収容された落下物72を容易に取り出すことができる。
すなわち、本実施形態では、グリル14に形成された吹出口66を通過して、吹出チャンバ12のチャンバ部24の内部28へ落下した落下物72を容易に取り出すことができる。
また、図8に示されるように、グリル14の上壁部62の上方側から水を流すことによって、埃等を含む落下物が矢印に沿って流され、落下物受け部材16、18に溜まるため、埃掃除も楽に行うことができる。
さらに、本実施形態では、図1、図4に示されるように、落下物誘導板20の下方側には、落下物誘導板22が設けられており、当該落下物誘導板22は、平面視で落下物誘導板20と重なる位置に空調空気(図4の矢印で示す)が流動可能な長孔部76が形成されている。また、落下物誘導板22は、平面視で当該落下物誘導板20よりも外側にはみ出す大きさとされており、落下物誘導板20から落下した落下物72を落下物受け部材16、18に形成された開口部92側へ誘導可能としている。
本実施形態では、吹出チャンバ12のチャンバ部24内には、空調装置により生成された空調空気(図4の矢印で示す)が流動する。当該チャンバ部24内には、落下物誘導板20及び落下物誘導板22が上下に設けられているため、チャンバ部24内の空調空気の流動は、当該落下物誘導板20及び落下物誘導板22によって遮られることになる。
このため、本実施形態では、落下物誘導板22に長孔部76を形成することによって、落下物誘導板22において、当該長孔部76を通じて空調空気(図4の矢印で示す)の流動を可能としている。また、当該長孔部76について、平面視で落下物誘導板20と重なる位置に形成されることによって、落下物誘導板20によって誘導される落下物72が長孔部76内に落下しないようにしている。
一方、落下物誘導板22は、平面視で落下物誘導板20よりも外側にはみ出す大きさとされている。これにより、図5に示されるように、落下物誘導板20から落下した落下物72は、落下物誘導板22を介して、落下物受け部材16、18に形成された開口部92側へ誘導されることとなる。
さらに、本実施形態では、図6(A)に示されるように、落下物誘導板22の外縁部80側にはヒンジ部82が形成されている。このヒンジ部82によって、落下物誘導板22の外縁部80は屈曲可能とされる。
これにより、図5に示されるように、落下物受け部材16、18を屋内空間65側へ取り出し、又は当該落下物受け部材16、18を吹出チャンバ12のチャンバ部24の隣に配置する際に、図6(A)、(B)に示されるように、落下物受け部材16、18の移動軌跡上から当該落下物誘導板22の外縁部80を退避可能としている。
具体的に説明すると、図4に示されるように、落下物誘導板22は、吹出チャンバ12のチャンバ部24を挟んで、落下物受け部材16の側壁部84に形成された開口部92と、落下受け部材18の側壁部84に形成された開口部92と、を跨ぐようにして配置されている。
つまり、落下物誘導板22の幅方向の両端22C、22Dは、落下物受け部材16、18の側壁部84にそれぞれ形成された開口部92を通じて落下物受け部材16の内部90まで延びている。
これにより、図5に示されるように、落下物誘導板22の上面78に沿って落下物受け部材16、18の開口部92側へ誘導される落下物72を確実に落下物受け部材16の内部90に収容させることができる。
一方、本実施形態では、図6(A)、(B)に示されるように、例えば、落下物受け部材16を取り出し、又は、図7(A)、(B)に示されるように、落下物受け部材16を取り付ける際、落下物誘導板22の外縁部80は、落下物受け部材16の移動軌跡上に配置されることになる。なお、落下物受け部材18も落下物受け部材16と同様である。
ここで、図6(A)の実線で示されるように、落下物受け部材16を取り出す際、当該落下物受け部材16の側壁部84に形成された開口部92の下縁92Aによって、落下物誘導板22の外縁部80はヒンジ部82を中心に上方側へ向かって屈曲する。なお、図6(A)、(B)の二点鎖線は、落下物受け部材16が取り出される前の状態が示されている。
また、図6(B)の実線で示されるように、落下物受け部材16がさらに上方側へ移動すると、落下物誘導板22の外縁部80は、落下物受け部材16の側壁部84に沿って撓む(弾性変形し)。そして、図5の二点鎖線で示されるように、落下物受け部材16が屋内空間65側に取り出されると、落下物誘導板22の外縁部80は、図6(B)の二点鎖線で示されるように復元する。
一方、図7(A)の実線で示されるように、屋内空間65側に取り出された落下物受け部材16を吹出チャンバ12のチャンバ部24の隣に取り付ける(配置させる)際、当該落下物受け部材16の底壁部94によって、落下物誘導板22の外縁部80はヒンジ部82を中心に下方側へ向かって屈曲する。なお、このとき、落下物誘導板22の外縁部80は、吹出チャンバ12のチャンバ部24の側壁部38の内側へ行かないよう、ヒンジ部82の位置、外縁部80の長さ等が設定されている。
また、図7(B)の実線で示されるように、落下物受け部材16がさらに下方側へ移動すると、落下物誘導板22の外縁部80は、落下物受け部材16の側壁部84に沿って撓む(弾性変形し)。そして、落下物受け部材16の側壁部84に形成された開口部92の下縁92Aが通過すると、落下物誘導板22の外縁部80は、図7(B)の二点鎖線で示されるように復元する。なお、図7(A)、(B)の二点鎖線は、落下物受け部材16が吹出チャンバ12のチャンバ部24の隣に取り付けられた後の状態が示されている。
つまり、本実施形態では、落下物誘導板22の幅方向の外縁部80は、落下物受け部材16の側壁部84にそれぞれ形成された開口部92を通じて落下物受け部材16の内部90まで延びているにも拘わらず、落下物受け部材16の取り出し、又は取り付けの際に、当該落下物受け部材16の移動が落下物誘導板22によって阻害されないようにしている。
一方、図4に示されるように、本実施形態では、落下物誘導板20の下面74には円弧面74A、74Bが形成されている。この円弧面74A、74Bは、屋内空間65に供給される空調空気(図4の矢印で示す)を当該落下物誘導板20の幅方向の外側へ誘導するように設定されている。
このため、空調装置により生成された空調空気が、落下物誘導板20の下面74に当たると、当該空調空気は、落下物誘導板20の円弧面74A、74Bによって、当該落下物誘導板20の外側へ誘導される。これにより、チャンバ部24内に落下物誘導板20を設けたことによる、空調空気の圧力損失の低下を抑制している。
<本実施形態の変形例>
本実施形態の変形例について説明する。
(落下物受け部材)
上記実施形態では、図1に示されるように、落下物受け部材16、18は、正面視で矩形状を成す箱型とされているが、屋内空間65側への取り出しが可能であればよいため、この形状に限るものではない。
例えば、落下物受け部材16、18の変形例1として、落下物受け部材16、18に代えて、図9(A)に示される落下物受け部材100が用いられてもよい。図9(A)に示されるように、落下物受け部材100は、当該落下物受け部材100の高さ方向の中央部に、落下物受け部材100の幅方向の寸法が狭くなった絞り部102が形成されている。
このため、落下物受け部材100では、当該絞り部102によって落下物受け部材100の幅方向の寸法が狭くなった分、落下物受け部材16、18よりも軽量化を図ることが可能となる。
また、落下物受け部材16、18の変形例2として、落下物受け部材16、18に代えて、図9(B)に示される落下物受け部材104が用いられてもよい。図9(B)に示されるように、当該落下物受け部材104は、下壁部106が、下側へ向かって突出する円弧状に形成されている。
このため、落下物受け部材104は、落下物受け部材100よりも形状が単純化されると共に、落下物受け部材100と同様に、落下物受け部材16、18よりも軽量化を図ることが可能となる。
(落下物誘導板)
上記実施形態では、図4に示されるように、第1落下物誘導板としての落下物誘導板20は、当該落下物誘導板20の幅方向に沿って切断された断面形状が扇状を成し、落下物誘導板20の上面70が円弧状に形成されると共に、落下物誘導板20の下面74には、円弧面74A、74Bが形成されている。
しかしながら、落下物誘導板20は、図5に示されるように、当該落下物誘導板20の上面70に落下した落下物72を落下物誘導板20の幅方向の外側へ誘導することができればよいため、この形状に限るものではない。
例えば、落下物誘導板20の変形例1として、図10(A)に示される落下物誘導板(第1落下物誘導板)108が用いられてもよい。図10(A)に示されるように、当該落下物誘導板108は、落下物誘導板108の下面110が円弧面74A、74B(図1参照)ではなく、落下物誘導板108には、落下物誘導板108の幅方向の中央部を中心Oとして当該中心Oと上面108Aとを繋ぐ傾斜面110A、110Bが形成されている。当該落下物誘導板108の場合、落下物誘導板20よりも形状を簡易化することができる。
また、例えば、落下物誘導板20の変形例2として、図10(B)に示される落下物誘導板(第1落下物誘導板)112が用いられてもよい。図10(B)に示されるように、落下物誘導板112は、当該落下物誘導板112の幅方向の中央部を頂部112Aとして板材を屈曲させて形成されている。当該落下物誘導板112の場合、簡単に加工することができ、また、落下物誘導板20よりも軽量化を図ることが可能となる。
(落下物誘導板)
上記実施形態では、図4に示されるように、第2落下物誘導板としての落下物誘導板22は、図2に示されるように、正面視で落下物誘導板22の中央部が頂部となるように形成されると共に、図4に示されるように、当該落下物誘導板22を幅方向に沿って切断した状態で、落下物誘導板22の幅方向の中央部が頂部となるように形成されている。
しかしながら、落下物誘導板22は、図5に示されるように、当該落下物誘導板22の上面78に落下した落下物72を落下物誘導板22の幅方向の外側へ誘導することができればよいため、この形状に限るものではない。
例えば、落下物誘導板22の変形例1として、図11(A)に示される落下物誘導板(第2落下物誘導板)126が用いられてもよい。図11(A)に示されるように、当該落下物誘導板126は、落下物誘導板126の中央部に、上方へ向かって膨らむ膨出部128が設けられている。
当該膨出部128は、落下物誘導板126の幅方向の外側からみた側面視(正面視)で落下物誘導板126の中央部が頂部となるように形成されると共に、当該落下物誘導板126の長手方向の外側からみた側面視で、落下物誘導板126の幅方向の中央部が頂部となるように形成されている。
さらに、膨出部128の外側には、平面視で落下物誘導板126が略矩形状を成すように、フランジ部130が形成されている。このフランジ部130は、長手方向の外側からみた側面視で、当該フランジ部130の幅方向の中央部が頂部となるように形成されている。
当該落下物誘導板126の場合、落下物誘導板126の上面126Aに落下した落下物72(図5参照)は、矢印で示されるように、膨出部128からフランジ部130側へ誘導され、当該フランジ部130から、落下物誘導板126の幅方向の外側へ誘導される。当該落下物誘導板126の場合、膨出部128を設けることによって、図示はしないが、平板状に形成された落下物誘導板と比較して、落下物誘導板126自体の剛性を向上させることが可能となる。
また、例えば、落下物誘導板22の変形例2として、図11(B)に示される落下物誘導板(第2落下物誘導板)132が用いられてもよい。図11(B)に示されるように、当該落下物誘導板132は、正面視で略矩形状を成すと共に、当該落下物誘導板132の長手方向の外側からみた側面視で、落下物誘導板132の幅方向の中央部が頂部となるように形成されている。
当該落下物誘導板132の場合、落下物誘導板132の上面132Aに落下した落下物72(図5参照)は、矢印で示されるように、落下物誘導板132の幅方向の外側へ誘導されることとなる。
以上の実施形態では、図4に示されるように、吹出チャンバ12のチャンバ部24の幅方向に沿った両外側に落下物受け部材16、18がそれぞれ設けられているが、落下物受け部材16、18は必ずしも2つ必要ではない。
このため、例えば、図示はしないが、落下物受け部材が1つしか設けられていない場合、落下物誘導板22の変形例3として、図12(A)に示される落下物誘導板(第2落下物誘導板)134が用いられてもよい。図12(A)に示されるように、当該落下物誘導板134は、落下物誘導板126(図11(A)参照)と同様に、落下物誘導板134の中央部に上方へ向かって膨らむ膨出部128が設けられている。
そして、当該膨出部128の外側には、平面視で落下物誘導板134が略矩形状を成すように、フランジ部130が形成されており、落下物誘導板126の外縁部には、上方へ向かって突出するリブ(図示省略)が3辺に形成されている。当該リブを設けることによって、落下物誘導板134自体の剛性をさらに向上させることが可能となる。
なお、落下物受け部材が設けられている側にはリブは形成されない。そして、当該リブによって落下物72(図5参照)は矢印で示される方向へ誘導される。すなわち、当該落下物72(図5参照)は、落下物受け部材が設けられている側に誘導されることとなる。
さらに、例えば、落下物誘導板22の変形例4として、図12(B)に示される落下物誘導板(第2落下物誘導板)136が用いられてもよい。図12(B)に示されるように、当該落下物誘導板136は、落下物誘導板132(図11(B)参照)と同様に、正面視で略矩形状を成すと共に、当該落下物誘導板136の長手方向の外側からみた側面視で、落下物誘導板136の幅方向の中央部が頂部となるように形成されている。
そして、落下物誘導板136の外縁部には、落下物誘導板134(図12(A)参照)と同様に、上方へ向かって突出するリブ(図示省略)が3辺に形成されている。当該リブを設けることによって、落下物誘導板136自体の剛性をさらに向上させることが可能となる。そして、当該リブによって落下物72(図5参照)は矢印で示される方向へ誘導される。
本実施形態では、図4に示される落下物誘導板22の変形例について説明したが、当該落下物誘導板22は、必ずしも必要ではない。落下物誘導板22が設けられない場合、落下物誘導板20の上面70において落下物72を誘導可能にすると共に、落下物誘導板20の上面70を除いて落下物誘導板20を貫通する貫通孔を設け空調空気を流動可能とする必要がある。
以上のように、ここでは、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。