JP7295050B2 - リチウムイオン二次電池の制御装置及びリチウムイオン二次電池の制御方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の制御装置及びリチウムイオン二次電池の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の制御装置およびリチウムイオン二次電池の制御方法に関し、より特定的には、リチウムイオン二次電池の負極へのリチウムの析出を抑制するための技術に関する。
近年、ハイブリッド車および電気自動車などの電動車両の開発が進められている。これら電動車両に搭載される二次電池には、リチウムイオン二次電池が採用されたものが多く存在する。一般に、リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比べて、エネルギー密度が高いことから小型化が可能であり、かつ、平均動作電圧が高いことから高電圧の生成に適するためである。
リチウムイオン二次電池では、その充電態様によっては負極表面に金属リチウム(Li)が析出する可能性があることが知られている。この現象を以下「リチウム析出」とも称する。リチウム析出は、たとえば、リチウムイオン二次電池のハイレート(高充電速度)での印加電流が大きな充電、高SOC(State Of Charge)状態での充電、長時間に亘る継続的な充電などが行なわれた場合に、負極電位が基準電位(金属リチウムの電位)を下回ることで起こる。リチウム析出が起こると、リチウムイオン二次電池の性能低下を招く虞がある。
そこで、リチウム析出を抑制するために、活物質(特に負極活物質)の内部におけるリチウムイオン濃度分布を推定し、その推定結果に基づいて負極電位を算出する技術が特許文献1、特許文献2などに提案されている。たとえば特許文献1に開示された技術では、活物質モデルに基礎方程式(拡散方程式、電荷保存則を示す式など)を適用することで、活物質内部でのリチウム拡散現象を考慮してリチウムイオン濃度分布が推定される。
さらに、特許文献3では、図1に示すECU100において、図5~8に示す負極活物質19の内部におけるリチウムイオン濃度分布を算出するための電池モデルに従って、シミュレーションによりリチウム基準電位に対する負極活物質の表面電位を算出する。ECU100はバッテリへの充電電流および反応抵抗を用いて、バッテリの充電に伴う電圧降下量ΔVを算出し、表面電位から電圧降下量ΔVを減算することで負極電位V2を算出する。ECU100は、バッテリのSOC、充電期間における平均電流IBaveおよび積算電流ΣIBによって負極電位V2を補正することで、リチウムイオン二次電池の負極へのリチウムの析出状態を正確に推定する技術が開示されている。
このような発明によれば、析出過電圧(負極活物質の外部におけるリチウムイオン濃度分布の偏り、より詳細には、電極体の厚み方向におけるリチウムイオン濃度分布の偏りに起因して負極活物質の表面に印加される電圧)を負極電位に反映させることができる。したがって、負極電位の算出精度が向上するので、負極へのリチウムの析出状態を正確に推定することができるものとされた。
特開2014-032826号公報 特開2012-244888号公報 特開2019-114475号公報
上記特許文献3に開示された発明の電池反応モデルは、シミュレーションを容易にするため、図5~8に示すように、モデル上で活物質形状を真球とみなし、さらに、活物質表面上で均一反応が起こる仮定でリチウムイオン濃度を計算するものであった。
しかし、実際の負極活物質である、例えばグラファイトなどではベーサル面とエッジ面が不規則に分布しているため、負極のリチウムイオンの表面濃度が不均一になり、局所的に充電される箇所が現れる。従来の電池モデルによるシミュレーションでは、このばらつきの影響を考慮出来ないため濃度が平坦化され、推定が不正確になる。これにより、充電時の負極電位を実際より高く(負極SOCを低く)推定する可能性があり、リチウムの析出状態を正確に推定することができないという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、リチウムイオン二次電池の負極のリチウムの析出状態を正確に推定することである。
本発明のリチウムイオン二次電池の制御装置は、リチウムイオンが挿入および脱離される負極活物質を含む負極を有する二次電池と、基準電位に対する前記負極の電位を算出する制御装置とを備え、前記制御装置は負極電位を負極SOCに基づいて求めるマップを備え、前記制御装置は、充放電開始の負極SOCの値と、充放電の印加電流の値に基づいて、前記マップにより前記負極電位を求めることを特徴とする。
前記リチウムイオン二次電池の負極活物質が、グラファイトを含んで構成された場合に好適に実施できる。
前記マップが、前記リチウムイオン二次電池への印加電流から求められる前記負極活物質へのリチウムイオンの挿入量に基づいて推定された負極SOCに対して、前記負極活物質の内部におけるリチウムイオンの拡散係数を用い前記基準電位に対する前記負極活物質の表面電位を電池モデルによるシミュレーションにより算出して作成されたシミュレーションマップを備え、前記シミュレーションマップを充放電の印加電流の値に基づいて補正した補正マップが参照されることも望ましい。
前記補正マップが、前記リチウムイオン二次電池への印加電流が予め設定された閾値より高い印加電流の場合、前記シミュレーションマップのグラフにおける充放電を開始する負極SOCの点と、変曲点である参照点とを通る補正関数により補正されて生成されることも望ましい。
前記マップは、前記シミュレーションマップと、充放電の印加電流の値に基づいて補正された補正マップが予め作成され、これらの複数のマップを、充放電の印加電流の値に基づいて選択されて参照されることも望ましい。
前記複数のマップは、さらに充放電開始SOC別に異なるマップが準備されることも望ましい。前記複数のマップは、さらに温度別に異なるマップが準備されることも望ましい。
前記補正マップが、負極SOCに対する負極電位の実測値により補正されていることも好ましい。
前記制御装置は、算出した負極電位が予め設定された閾値未満となると判断したときに充電電流を抑制して負極電位が前記閾値未満にならないようにする充電電流抑制制御を行うことも好ましい。
上記リチウムイオン二次電池の制御装置において、負極のSOCを推定する第1のステップと、印加電流に基づいてマップを決定する第2のステップと、前記リチウムイオン二次電池への電流印加の条件が変化したときに、第1のステップに戻り第2のステップで再度マップを決定する第3のステップとを備えることが好ましい。
前記第2のステップにおけるリチウムイオン二次電池への電流印加の条件が、予め設定した時間以上停止され、あるいは、印加電流が予め設定した閾値をまたいで変化したときのいずれかであることが好適に例示できる。
なお第2のステップのあとで、制御装置は、算出した負極電位が予め設定された閾値未満となると判断したときに充電電流を抑制して負極電位が前記閾値未満にならないようにする充電電流抑制制御を行う第4のステップを備えることができる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の負極のリチウムの析出状態を正確に推定することができる。
実施形態1に係るリチウムイオン二次電池の制御装置が搭載された車両の全体構成を概略的に示す図。 各セルの構成の一例を示す図。 (a)HOPG、(b)GCの負極のグラファイトの構造を示す模式図。 バッテリの充電時における正極電位および負極電位の時間変化の一例を示す図。 従来技術における電池モデルの概念図。 負極電位を算出するためのシミュレーションによるマップの一例を示す図。 従来技術における電池モデルの概念図。 従来技術における負極活物質モデルを説明するための図。 従来技術の電池モデルにおける(a)時間とセル電圧、(b)時間と負極電位のシミュレーションと実測値を示すグラフ。 従来技術の電池モデルにおける負極SOCθとそれに対応する負極電位(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフ。 従来技術の電池モデルにおける負極SOCθとそれに対応する負極電位(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフにおける推定される誤差を示すグラフ。 従来技術の電池モデルにおける負極SOCθとそれに対応する負極電位(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフを補正する方法を示すグラフ。 従来技術の電池モデルにおける負極SOCθとそれに対応する負極電位(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフを異なる開始負極SOCにおいて補正する方法を示すグラフ。 本実施形態による補正後の電池モデルにおける(a)時間とセル電圧、(b)時間と負極電位のシミュレーションと実測値を示すグラフ。 実施形態における充電電流抑制制御を示すフローチャート。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の制御装置が電動車両に搭載された構成を例に説明する。電動車両とは、代表的にはハイブリッド車両(プラグインハイブリッド車を含む)であるが、これに限定されるものではない。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の制御装置は、リチウムイオン二次電池の制御装置から供給される電力を用いて動力を発生させる車両全般に適用可能である。そのため、電動車両は、電気自動車または燃料電池車であってもよい。また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の制御装置の用途は車両用に限定されず、たとえば定置用であってもよい。
<リチウムイオン二次電池の制御装置の構成>
<リチウムイオン二次電池が搭載される車両の全体構成>
図1は、実施形態1に係るリチウムイオン二次電池の制御装置が搭載された車両の全体構成を概略的に示す図である。図1に示すように車両1は、ハイブリッド車両である。車両1は、リチウムイオン二次電池の制御装置2と、PCU(パワーコントロールユニット:Power Control Unit)30と、モータジェネレータ41,42と、エンジン50と、動力分割装置60と、駆動軸70と、駆動輪80とを備える。リチウムイオン二次電池の制御装置2は、バッテリ10と、監視ユニット20と、ECU(電子制御装置:Electronic Control Unit)100とを備える。
エンジン50は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギーをピストンおよびロータなどの運動子の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する内燃機関である。
動力分割装置60は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構(図示せず)を含む。動力分割装置60は、エンジン50から出力される動力を、モータジェネレータ41を駆動する動力と、駆動輪80を駆動する動力とに分割する。
モータジェネレータ41,42の各々は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石(図示せず)が埋設された三相交流同期電動機である。モータジェネレータ41は、主として、動力分割装置60を経由してエンジン50により駆動される発電機として用いられる。モータジェネレータ41が発電した電力は、PCU30を介してモータジェネレータ42またはバッテリ10に供給される。
モータジェネレータ42は、主として電動機として動作し、駆動輪80を駆動する。モータジェネレータ42は、バッテリ10からの電力およびモータジェネレータ41の発電電力の少なくとも一方を受けて駆動され、モータジェネレータ42の駆動力は駆動軸70に伝達される。一方、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、モータジェネレータ42は、発電機として動作して回生発電を行なう。モータジェネレータ42が発電した電力は、PCU30を介してバッテリ10に供給される。
バッテリ10は、複数のセル10Aを含んで構成される。バッテリ10は、モータジェネレータ41,42を駆動するための電力を蓄え、PCU30を通じてモータジェネレータ41,42へ電力を供給する。また、バッテリ10は、モータジェネレータ41,42の発電時にPCU30を通じて発電電力を受けて充電される。
監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、たとえば、互いに並列接続された複数のセル10Aからなるブロック(モジュール)毎の電圧VBを検出する。電流センサ22は、バッテリ10に入出力される電流IBを検出する。温度センサ23は、ブロック毎の温度TBを検出する。各センサは、その検出結果を示す信号をECU100に出力する。
なお、電圧センサ21および温度センサ23の監視単位はブロックに限定されず、セル10A毎であってもよいし、隣接する複数(ブロック内のセル数未満の数)のセル10A毎であってもよい。本実施形態では、バッテリ10の内部構成は特に影響せず、複数のセル10Aを互いに区別したり複数のブロックを互いに区別したりしなくてよい。よって、以下では監視単位をバッテリ10とし、「バッテリ10の電圧VBを検出する」などと包括的に記載する。
PCU30は、ECU100からの制御信号に従って、バッテリ10とモータジェネレータ41,42との間で双方向の電力変換を実行する。PCU30は、モータジェネレータ41,42の状態を別々に制御可能に構成されており、たとえば、モータジェネレータ41を回生状態(発電状態)にしつつ、モータジェネレータ42を力行状態にすることができる。PCU30は、たとえば、モータジェネレータ41,42に対応して設けられる2つのインバータと、各インバータに供給される直流電圧をバッテリ10の出力電圧以上に昇圧するコンバータ(いずれも図示せず)とを含んで構成される。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))102と、各種信号を入出力するための入出力ポート(図示せず)とを含んで構成される。ECU100は、各センサから受ける信号ならびにメモリ102に記憶されたプログラムおよびマップに基づいて、エンジン50およびPCU30を制御することによってバッテリ10の充放電を制御する。ECU100により実行される主要な処理・制御として、バッテリ10の保護を目的に、バッテリ10の負極電位V2を算出する「負極電位算出処理」と、バッテリ10への充電電流を抑制する「充電電流抑制制御」とが挙げられる。負極電位算出処理および充電電流抑制制御については後に詳細に説明する。
<リチウムイオン二次電池の構成>
図2は、各セル10Aの構成の一例を示す図である。図2に示すように、各セル10Aは、リチウムイオン二次電池である。セル10Aのケース上面は蓋体11によって封止されている。蓋体11には、正極端子12および負極端子13が設けられている。正極端子12および負極端子13の各々の一方端は、蓋体11から外部に突出している。正極端子12および負極端子13の各々の他方端は、ケース111内部において、内部正極端子および内部負極端子(いずれも図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。
ケース111内部には電極体14が収容されている(図2ではケース111を透視して破線で示す)。電極体14は、たとえば、セパレータ17を介して積層された正極(正極シート)15と負極(負極シート)16とが筒状に捲回されることにより形成されている。正極15は、集電箔151(図5参照)と、集電箔151の表面に形成された正極活物質層(正極活物質、導電材およびバインダを含む層)とを含む。同様に、負極16は、集電箔161と、集電箔161の表面に形成された負極活物質層(負極活物質、導電材およびバインダを含む層)とを含む。セパレータ17は、正極活物質層および負極活物質層の両方に接するように設けられている。電極体14(正極活物質層、負極活物質層およびセパレータ17)は、電解液により含浸されている。
正極15、負極16、セパレータ17および電解液の材料としては、従来公知の各種材料を用いることができる。一例として、正極15には、コバルト酸リチウムまたはマンガン酸リチウムが用いられる。正極15の集電箔151にはアルミニウムが用いられる。負極16にはカーボン(グラファイト)が用いられる。負極の集電箔161には銅が用いられる。セパレータ17にはポリオレフィンが用いられる。電解液は、有機溶媒と、リチウムイオンと、添加剤とを含む。
なお、電極体14を捲回体にすることは必須ではなく、電極体14は捲回されていない積層体であってもよい。また、本実施形態では、セル10Aが一般的なリチウムイオン二次電池(いわゆる液系の電池)である例について説明するが、本発明における「リチウムイオン二次電池」には、電解質として高分子ゲルが用いられるリチウムポリマー電池も含まれ得る。
<負極のグラファイトの構成>
負極16を構成するグラファイトは、図3(a)に示すようにsp2炭素を主として、ベンゼンが縮合して平面が層状に重なった構造となっている。このベンゼン縮合平面を「ベーサル面」と呼び、それと直交方向の層が現れる表面を「エッジ面」と呼ぶ。ベーサル面とエッジ面方向では物理量に異方向性がありベーサル面内での電気抵抗はエッジ面内方向と比べて小さい。従って、ベーサル面が表面となる電極とエッジ面が表面となる電極では、電極としての差が現れる。つまり、エッジ面電極の伝導度の方が大きい。電極としての二重層容量も異なりベーサル面の二重層容量は小さい。気体の炭化水素を高温高圧処理で長距離規則性を高めたのが、HOPG(highly ordered pyrolytic graphite)である。その割合が電極の性状を決める。
また、電極として最も多用されるグラッシー・カーボン(Glassy Carbon・GC)は、図3(b)に示すようにグラファイト構造の細い帯が絡み合った構造となっている。このため、ミクロ的には規則性があるが、マクロ的にはアモルファスなガラス状構造をしていると理解されている。したがって、電極として用いられる炭素同素体は、ダイヤモンドを除けば、いずれも基本的にはグラファイト構造でありsp2炭素を主としている。
負極16は、このような構造をしているため、ベーサル面とエッジ面とでリチウムイオン濃度にも差が生じ、その表面電位にばらつきが生じることになる。このばらつきに由来して、推定される負極SOCの精度が下がることがある。
<負極表面への金属リチウムの析出>
以上のように構成されたリチウムイオン二次電池の制御装置2においては、バッテリ10の充電に伴い電圧VBが増加する。このとき、正極電位V1および負極電位V2の変化が起こっている。
図4は、バッテリ10の充電時における正極電位V1および負極電位V2の時間変化の一例を示す図である。図4において、横軸は、バッテリ10への充電開始時からの経過時間を示す。縦軸は、負極16内の反応物質である金属リチウムの電位(リチウム基準電位)に対する電位を示す。
図4に示す正極電位V1は、リチウム基準電位に対する正極15の電位である。負極電位V2は、リチウム基準電位に対する負極16の電位である。バッテリ10の電圧VBは、正極電位V1と負極電位V2との電位差(V1-V2)である。バッテリ10の継続的な充電により、正極電位V1が上昇する一方で負極電位V2が低下することで電圧VBが大きくなる。
一般に、負極活物質の電位が反応物質の電位を下回ると、その反応物質の析出が起こる。つまり、バッテリ10においては、負極電位V2がリチウム基準電位(=0V)以下となると、金属リチウムが負極表面に析出する。したがって、バッテリ10の充電時には、たとえば充電電流を抑制することで負極電位V2の低下を抑え、負極電位V2をリチウム基準電位よりも高い状態に維持する(後述の充電電流抑制制御)。これにより、負極表面へのリチウム析出が防止される。
<1次元の電池モデル>
上述のとおり、本発明者らは負極16が、ベーサル面とエッジ面が不規則に分布しているグラファイトにより構成されているため、負極電位V2には、局所的に電位のばらつきが生じるという知見を得た。但し、ここではまず、シミュレーションの原理の説明のため、このようなばらつきを無視して、単純化して負極SOC(θ)から負極電位V2を求める説明をする。その後、本実施形態の補正を加えた補正マップMPRを参照することで、正確な負極電位V2を推定する。
まず、前提となる推定方法である1次元の電池モデルの平衡電位関数Veq(θ)について説明する。負極電位V2をシミュレーションで算出するためには、バッテリ10を簡略化した電池モデルを構築することが求められる。本実施形態において採用される電池モデルの理解を容易にするため、以下では、比較例における電池モデルについて、まず簡単に説明する。なお、リチウムイオンおよび金属リチウムを包括的に「リチウム」とも記載する。
図5は、電池モデルの概念図である。図5に示す電池モデルでは、正極15は、多数の正極活物質18の集合体により構成される。同様に、負極16は、多数の負極活物質19の集合体により構成される。ただし、図5では、紙面の都合上、正極活物質18および負極活物質19が1つずつ示されている。
図5において横方向に延在する座標xは、電極体14の厚み方向、すなわち正極15と負極16とがセパレータ17を介して重ね合わされた方向における位置を示す。このように電極体14の厚み方向の位置xをパラメータとして含む一方で、電極体14の面内方向の位置は特に考慮しない1次元モデルが採用される。この1次元モデルにおいて、様々な基礎方程式を連立させて解くことによって負極電位V2を算出することができる。なお、これらの基礎方程式については、たとえば特許文献1の式(1)~式(14)に示されているため、詳細な説明は繰り返さない。
<0次元の電池モデル>
車載用ECUであるECU100には、自動車運転時における高速なレスポンスが求められる一方で、演算資源(演算能力)には、典型的な研究開発用コンピュータ(たとえばシミュレーション用コンピュータ)と比べて制約がある。したがって、本実施形態では、より単純化された0次元の電池モデルが採用される。ここでいう「電池モデル」とは、リチウムイオン二次電池が、図5~8に示すような単純な構成であることを前提に負極SOCθと負極電位V2の関係を解析するモデルである。詳しくは特許文献3に開示されているため、ここでは詳細な説明はしない。具体的には、図6のグラフに概念的に示される負極SOCθを引数として負極電位V2を出力するマップMP0である。なお、ここで本実施形態では特に特定しない場合はマップMPという。また本実施形態では、この電池モデルによるシミュレーションに基づいたマップを「シミュレーションマップMP0」という。このシミュレーションマップMP0において充放電開始の負極のSOCに応じた負極電位V2のばらつきに起因する誤差を補正した複数のマップを「補正マップMPR」という。図6ではマップMP0は概念的にグラフとして表しているが、本実施形態では、電池モデルに基づいた平衡電位関数Veq(θ)のシミュレーションマップMP0を基礎に、これに補正を施して補正マップMPRを作成し、負極SOCに基づいて負極電位V2が演算される。あるいは、参照テーブルとして計算され数値化され、メモリ102に記憶する。このため補正マップMPRを参照することで、負極SOCθを引数として負極電位V2が求められ、ECU100に演算の負担を与えず、より素早い制御が可能となる。
図7は、本実施形態における電池モデルの概念図である。本実施形態においては、単純化のため、図7に示すような正極活物質18および負極活物質19が1粒子ずつだけ存在するものと想定する0次元の電池モデルが採用される。より詳細に説明すると、正極15には多数の正極活物質18が含まれるところ、各正極活物質18における電気化学反応が均一であるとの仮定の下に、多数の正極活物質18を単一の正極活物質18で代表させる。同様に、負極16に含まれる多数の負極活物質19を単一の負極活物質19で代表させる。
このように単純化された電池モデルを採用した上で負極電位V2が算出される。ここで、負極活物質モデルについて、より詳細に説明する。
図8は、本実施形態における負極活物質モデルを説明するための図である。図8に示すように負極活物質19は、仮想的に半径方向rにN分割される。以下では、N=5である例について説明する。ただし、Nは、2以上であれば特に限定されるものではない。分割された5つの層を、負極活物質19の中心Oから外周に向かってL1~L5と記載する。負極活物質19の半径方向rの距離は、負極活物質19の中心Oで0であり、負極活物質19の外表面(最表面)でDoutである。なお、層Ln(n=1~5)の厚みは、図8に示すように互いに異なってもよいが、等しくてもよい。
本実施形態では、リチウム析出が起こる負極活物質19の最外表面のリチウム析出領域A(斜線で示す)における負極電位V2が算出される。リチウム析出領域Aにおける負極電位V2の算出では、以下の2つの電圧成分を考慮することが考えられる。
第1の電圧成分とは、各層L1~L5内のそれぞれの表面におけるリチウムイオン濃度(リチウムイオン濃度分布)に応じて定まる電位を示す「表面電位U2」である。詳細は後述するが、表面電位U2は、負極活物質19の内部におけるリチウムの拡散を考慮して算出される。第2の電圧成分とは、リチウムが負極活物質19の外表面から出入り(充電時には入力)する際の「反応抵抗による電圧降下量ΔV」である。なお、反応抵抗とは、電解液と負極活物質19の外表面との界面における電荷の授受(電荷移動)に関連するインピーダンス成分を意味する。
<負極電位V2のばらつきを考慮した補正の必要>
本実施形態の前提的な理論は上述のようなものであり、このような理論に基づいてシミュレーションも可能となっている。しかしながら、この電池モデルによる推論では、上述のような負極16にグラファイトを用いていることに由来して生じる「ばらつき」が考慮されていない。
ここで、図9は、従来技術の電池モデルにおける(a)時間とセル電圧、(b)時間と負極電位のシミュレーション結果と実測値を示すグラフである。ここでは1次元モデルにおいて、開始セルSOCを60%(負極SOC40%)で充放電した条件でのシミュレーションを行った。実測値は同条件で試験用の3極式セルで測定した。図9(a)に示すように、セル電圧である電圧VB(V)は、時間の経過と共に充電され、放電されていくが、シミュレーションの結果と実測値の間には乖離は見られない。しかしながら、図9(b)に示すように負極電位V2(V)は、破線で示すシミュレーション結果に対して、実線で示す実測値は負極電位V2(V)が低くなり、一部が基準電圧(0V)を下回った。つまり、シミュレーション結果より、実測の負極電位V2(V)が低いことが判明した。そうすると、図6で示したシミュレーションに基づいて作成した電池モデルのシミュレーションマップMP0により制御すると、これにより、充電時の負極電位V2を実際より高く(負極SOCを低く)見積もる可能性がある。そのため、負極電位V2が基準電位(金属リチウムの電位)を下回ることで起こるリチウム析出を生じることを有効に防止できないことが判明した。
そこで、そのようなばらつきに由来する誤差を補正する必要がある。
<負極のリチウムイオンの表面濃度のばらつきによる誤差>
図10は、従来技術のシミュレーションによる電池モデルにおける負極SOCθ(%)とそれに対応する負極電位V2(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフである。このグラフに示されるように、5C未満の充電により負極SOCθがおよそ30%から45%に高まると、破線で示すVeq(θ)のグラフに沿って徐々に負極電位V2が低下していく。白丸で示すθ=θ1の充放電の開始点Sから充電すると矢印で示す方向に移動し、点P1は、θ=θ2の位置まで移動するが、このθ2付近では負極SOCθが上昇しても、負極電位V2はほとんど変化しない水平なグラフとなっている。このとき、シミュレーションでは、活物質モデルに基礎方程式(拡散方程式、電荷保存則を示す式など)を適用して、リチウムが負極16内で拡散し、負極16の表面でのリチウムは濃度が高くならないものと仮定している。実際に、ローレート(低充電速度)での充電であれば、補給されるリチウムイオンは、所定のステージで負極活物質内に吸収、拡散され、その表面で局所的に負極SOCθが高まることが無く、破線で示すシミュレーションの結果と一致する。
図11は、従来技術の電池モデルにおける負極SOCθ(%)とそれに対応する負極電位V2(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフにおいて、5C以上の印加電流が大きいハイレート(高充電速度)での充電においての実測値に基づいて、シミュレーションとの誤差を示すグラフである。
5C以上の印加電流が大きいハイレート(高充電速度)での充電においては、リチウムイオンの負極活物質内部への拡散が、リチウムイオンの供給に追いつかず、さらに、ベーサル面とエッジ面が不規則に分布しているグラファイトに由来して、負極活物質の表面のリチウムイオン濃度が、例えばDの範囲でばらつく。そして、負極表面での負極電位V2のばらつきが生じ、実測値の平均値を示すP2は、図10に示すシミュレーションの結果より、局所的にリチウムイオン濃度の高い部分が生じて負極電位V2が低い部分が生じ、この部分で金属リチウムの析出が生じてしまう可能性があることを本発明者らは見出した。
<本実施形態の負極電位V2のばらつきを考慮した補正方法>
図11において黒丸で示すポイントP1の位置が、ローレートで充電した場合の所定の負極SOCθ=θ2でのシミュレーションの結果に基づく負極電位V2であり、黒四角に示すポイントP2の位置が、印加電流が大きいハイレート(5C)での充電をした場合の同じ負極SOCθ=θ2での実測値に基づく負極電位V2である。この場合、同じ負極SOCθであっても、負極電位V2は実測値の方が低下する。なお、本発明者は、このシミュレーション結果からの乖離は、充電がハイレートになればなるほど大きくなるという知見を得た。
<グラフにおける補正>
図12は、従来技術の電池モデルにおける負極SOCθ(%)とそれに対応する負極電位V2(V)を示す平衡電位関数Veq(θ)のグラフを補正する方法を示すグラフである。ここでは、一例として、温度25°C、充電の開始負極SOCが45%(図12中θ2)、充電レートが5C未満から5C以上のハイレートに変化した場合を示す。上述のとおり、充電がローレートの場合は、破線で示すシミュレーションの結果、すなわちシミュレーションマップMP0と実測値(不図示)と基本的に一致する。
<ハイレート充電時の補正>
しかし、充電が5C以上のハイレートの場合は、シミュレーションの結果よりも、実測値が低い負極電位V2となることが分かっている。
そこで、例えば、充電の開始時の負極SOCθが45%程度の開始点Sであるとする。この場合、ハイレートか、ローレートかの印加電流の境界値を5Cとし、ばらつきの影響が小さいローレートの印加電流(5C未満)の充電時の負極SOCθと負極電位V2との関係を、C-CLの破線で示す。この場合は、負極活物質におけるリチウムイオンの吸収・拡散が円滑に行われるため、シミュレーションと同じ水平な部分を含むステージ構造のグラフとなる。
一方、充電のばらつきの影響が大きいハイレート(5C以上)に移行する場合は、破線上の充電時の負極SOCθに応じた開始点Sから充電した負極電位V2との関係は、破線で示すグラフC-CLから乖離してグラフC-CHの実線で示すような負極電位V2となる。この場合は、負極活物質におけるリチウムイオンの吸収・拡散よりもリチウムイオンの供給が大きくなり、かつ表面構造の不均一性から、負極表面のリチウムイオン濃度が局所的に高くなり、負極電位V2が局所的に低くなる。このためハイレートの場合の実線のグラフC-CHはシミュレーションの結果から乖離して、ローレートの場合の破線のグラフC-CLよりも低い負極電位V2のグラフとなる。
次に、このような「補正マップMPR」の生成について説明する。グラファイトの層状構造に基づくグラフのステージ構造では、リチウムイオン濃度が所定の値まで高くなると、急激に負極電位V2が減少し、また次のステージを形成する部分で変曲点を生じる。この実測値のグラフ上において、「変曲点」とは、連続な平面曲線上の点で、その点において曲線が凹(上に凸)から凸(下に凸)へあるいはその逆へ変化する点をいう。この変曲点を「参照点R」としてグラフ上で白丸を配置する。この部分を参照点R1、R2、R3、R4として示す。実験の結果、この参照点Rの近傍では、ハイレートの場合でも、ローレートの場合でもシミュレーションの結果と実測値との乖離が少ないことが判明している。
そこで、開始点Sと、参照点R3及び参照点R4を通過する近似2次関数で連続した曲線とし、この関数を平衡電位関数Veq(θ)の「補正関数」とする。なお、シミュレーションの結果を、このような補正関数と置き換えることで、ハイレート充電時の負極電位V2の不連続な変化を緩和することができ、局所的なばらつきの影響を低減することができる。
次に、開始負極SOCθが、図12に示す45%ではなく、55%(図13中θ3)から開始する場合を図13を参照して説明する。
図13に示すように、開始点S´は、図12と同じように、破線で示すローレートのグラフC-CL上の開始負極SOCに対応する位置となる。ここで、充電がローレートからハイレートになると、この開始点S´と、参照点R3及び参照点R4を通過する近似2次関数で連続した曲線とし、この関数を平衡電位関数Veq(θ)の補正関数とする。この場合、参照点R3及び参照点R4の位置は変化しないが、開始点Sの位置が異なるため、実線のグラフC-CH´が異なる曲線となる。
このように、充電がローレートからハイレートになったときの補正マップMPRは、充放電開始負極SOCθの値に依存して異なるものとなる。
<ハイレート放電時の補正>
ハイレート充電時においては上述のような補正を行うが、印加電流の大きい充電レートが5C以上のハイレート放電においても同様の問題がある。
開始点Sからローレート(ここでは5C未満)で放電をした場合には、図12のグラフにおいては開始点Sから、リチウムイオンが負極16から正極15に移動するが、負極活物質であるグラファイト内部からのリチウムイオンが供給され、負極表面の負極SOCθが均一となる。そのため、破線で示すグラフD-CLのようなステージ構造のグラフとなる。
一方、ハイレートの放電のときは負極活物質であるグラファイト内部からのリチウムイオンの供給に対して電解液でのリチウムイオンの移動が遅れ、負極表面の負極SOCθがベーサル面とエッジ面で不均一となり局所的に負極電位が低下する。特に参照点R1と参照点R2の間の区間で顕著となる。そこで、グラフD-CHのように下方にずれる。また、参照点R近傍では、そのような乖離が少ないことが実験からわかっている。
そこで、開始点Sと、参照点R2及び参照点R1を通過する近似2次関数で連続した曲線とし、この関数を平衡電位関数Veq(θ)の補正関数とする。なお、シミュレーションの結果を、このような補正関数と置き換えることで、ハイレート放電時の負極電位V2の局所的なばらつきの影響を低減することができる。
<マップMP>
本実施形態のマップMPは、図6に示す電池モデルによるシミュレーションマップMP0を基本として、ローレートからローレート、又はハイレートからローレート、又は充放電が休止したときには、このシミュレーションマップMP0に戻る。
ハイレートからハイレートの場合は、その時参照している補正マップMPRを引き続き参照する。
一方、休止からハイレート、ローレートからハイレートの充電があったときには、図12及び図13で説明したとおり、充放電開始負極SOCθに応じて、開始点Sが決まり、その開始点Sと参照点R1~R4を通る「補正関数」を決定し、「補正マップMPR」をその都度生成する。
充放電開始の負極SOCθをどのような間隔で識別するかによるが、1%刻みで識別すると、概ね負極SOCθが10%程度から100%まで必要である。したがって、補正マップは充放電開始負極SOCθに応じて、90種類くらい生成されることになる。
<本実施形態の充電レート及びSOCに基づく補正の効果>
図14は、本実施形態の補正を行った電池モデルにおけるシミュレーションと実測値において、(a)時間とセル電圧、(b)時間と負極電位のシミュレーションと実測値を示すグラフである。補正のない図9(a)を参照すると、図14(a)に示すグラフでは、実線で示す実測値のセル電圧とマップによるセル電圧は、いずれも概ね一致している。また、補正のない図9(b)を参照すると、従来は実測値とシミュレーションの結果が大きく乖離していたが、図14(b)に示す本実施形態の補正後の推定では、実測値とマップよる負極電位V2は概ね一致していることがわかる。
(本実施形態の作用)
<充電電流抑制制御フロー>
図15は、実施形態における充電電流抑制制御を示すフローチャートである。このフローチャートを参照して本実施形態の作用を説明する。フローチャート内の各ステップ(以下、Sと略す)は、S101は、車両の運用の前に準備されるステップである。S102~S108までが、車両の運用におけるステップである。車両の運用時には、バッテリ10の充電が行われるが、所定の演算周期(たとえば約100ミリ秒)が経過する毎にこのフローチャートの制御が実行される。
これらのフローチャート内の各ステップは、基本的にはECU100によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU100内に作製された電子回路によるハードウェア処理によって実現されてもよい。また、マップMPは車両1においてその都度作成されず、予め工場出荷時にROMに書き込まれた状態でもよいことはもちろんである。
まず、準備段階から説明すると、電極体14における正極15および負極16の極板面積により電流IB(単位:A=C/s)を除算することによって、電流密度(単位:C/(m・s))が算出される。この電流密度に演算周期(単位:s)と流入係数(単位:m)とを乗算することにより、負極活物質19に入出力された電荷量(単位:C)が分かる。各リチウムイオンの電荷量は既知であるため、負極活物質19に入出力された電荷量をリチウムイオンの電荷量により除算することで、負極活物質19に入出力されるリチウム数を求めることができる。
このリチウムイオン数に基づいて、負極活物質の層間での拡散を考慮して各層L1~L5のリチウム数(N1~N5)を算出するとともに、反応抵抗による電圧降下量を算出して、マップMP0を作成する(S101)。
このS101における具体的な手順は、特許文献3の段落0055~0066に詳細に記載された手順などが適用でき、詳細な説明は省略する。
次に、制御が開始したか否かが判断される(S102)。制御が開始されなければ(S102:NO)、待機する(S102)。
車両1が運用され、充電状態となり制御が開始されると(S102:YES)、その時点での電池の温度TB、電流IB、電圧VBを取得し、電圧VBからセルSOC、さらに充放電開始負極SOCを推定し、充放電の印加した電流IBの値を取得する(S103)。このステップが、第1のステップに相当する。ECU100は、充電期間における平均電流IBaveと、充電期間における積算電流ΣIBとを取得する。平均電流IBaveおよび積算電流ΣIBは、電流センサ22の検出値(電流IB)に基づき、図示しない別フローにて算出されている。
S103で、その時点で取得した充放電開始の負極SOCの値、印加した電流IBの値に基づいて、印加電流の条件で、シミュレーションマップMP0に基づいて該当する最初のマップMPを生成する。例えば、印加電流が閾値未満のローレートであればそのままシミュレーションマップMP0を選択しそのまま補正なしで使用する。印加電流が閾値以上のハイレートであればシミュレーションマップMP0から充放電開始負極SOCθに応じて補正マップMPRを生成する。この手順が第2のステップに相当する。もちろん、この手順では、同じマップを引き続き使用することもある。
そしてシミュレーションマップMP0若しくは生成した補正マップMPRに基づいて、負極電位V2を推定する(S104)。このステップS103及びS104が「負極電位算出処理」に相当する。本実施形態の場合、充放電レートは高低2段階であるので、ハイレート(又はローレート)の範囲内に留まる場合は、そのマップMPを変更せず、負極SOCから負極電位V2を求める。
ハイレートからローレートに閾値を跨いで充放電を行う場合、充放電が一定時間なされない場合は、一旦補正なしのシミュレーションマップMP0に戻る。
一方、ローレートから閾値を跨いでハイレートになった場合は、例えば、図12に示すように、ハイレートになった時点で推定した負極SOCθがθ2=45%であれば、開始点SをシミュレーションマップMP0のグラフ上のθ2とする。充電の場合は参照点R3とR4を通過する例えば2次関数からなる補正関数(実線で示すC-CH)を求め、このグラフ上で負極電位V2を推定する。また、放電の場合は参照点R2とR1を通過する例えば2次関数からなる補正関数(実線で示すD-CH)を求め、この補正マップMPRで負極電位V2を推定する。
なお、説明の便宜上、温度TBの関係を省略したが、例えば電池の温度TBの閾値を50°Cとし、温度TBが50°C以上の高温のシミュレーションマップMP0H、温度TBが50°C未満の低温のシミュレーションマップMP0Lを選択して補正マップを生成するようにしてもよい。
続いて、推定した負極電位V2が閾値未満か否かを判断する(S105)。ここで閾値は、金属リチウムが析出する電位0とする。もちろん、閾値はマージンを含めて高めに設定してもよい。
もし、負極電位V2が閾値未満であれば(S105:YES)、充電電流抑制制御を実行する(S106)。
この充電電流抑制制御は、たとえば、充電を所定時間停止する、あるいは充電レートを低下させる等の処理である。このように制御することで、負極の負極SOCθを低下させるものである。この充電電流抑制制御(S106)が第4のステップに相当する。
負極電位V2が閾値未満でなければ(S106:NO)、そのまま充放電を継続する。
このとき、ECU100は、100ミリ秒の間隔で常時温度TB及び電流の印加条件が変更されたか否かを監視している。そしてリチウムイオン二次電池への電流印加の条件が変更されたかを判断する(S107)。
ここで、「電流印加」とは、充電のみならず、放電の場合も含む。また、「電流印加の条件」とは、本実施形態の例示では、第1に予め設定した時間以上充電が停止した場合が該当する。また、第2に、印加電流の強さが印加電流の閾値(例えば充電レートが5C)をまたいで変化したときが該当する。もちろん、上記条件は例示であって、このような場合に限定されるものではなく、種々の条件が考えられる。
もし、電流の印加条件が変更されたと判断した場合には(S107:YES)、再度S103に戻り、SOCを推定し、充放電の印加した電流IBの値を取得するとともに、S103で取得したSOCの値と印加した電流IBの値に基づいて、指定したSOC及び印加電流で、マップMPを決定する。この場合必ずしも変更するとは限らず、同じマップMPを選択してもよい。この手順が第3のステップに相当する。
電流の印加条件が変更されたと判断される場合は、充放電レートが閾値を跨いだときがある。なお、充放電レートが多数段ある場合は、閾値も複数設定される。充放電がされなくなった状態が一定時間あれば印加条件が変更されたと判断される。
また、電流の印加条件が変更されていないと判断した場合には(S107:NO)、制御が終了しない場合は(S108:NO)、ECU100は、引き続き常時電流の印加条件が変更されたか否かを監視する(S107)。
また、車両の運用が終了するなどにより制御が終了する場合には(S108:YES)、制御が終了する(終了)。
(本実施形態の効果)
(1)例えばグラファイトなどのようにベーサル面とエッジ面が不規則に分布している活物質であっても、正確に負極電位V2を推定できるため、リチウムイオン二次電池の負極のリチウムの析出状態を正確に推定することができる。
(2)制御装置2は、速やかに正確な負極電位V2を取得することができるため、負極電位V2が、閾値(例えば0V)未満になったら、直ちに充電電流抑制制御を実行することで、リチウムイオン二次電池の負極における金属リチウムの析出を防止することができるため、リチウムイオン二次電池の劣化を有効に抑制できる。
また、閾値に安全のためのマージンを見込めば、さらにリチウムの析出をより確実に防止できる。
(3)負極電位V2の推定は、シミュレーションマップMP0若しくはこれを補正した補正マップMPRにより行うため、リチウムイオン二次電池の充電レートの違いに起因する印加電流の差や充電開始SOCの違いに応じて適切に負極電位V2を推定することができる。
(4)充放電開始SOCθに応じた補正マップMPRを、例えば1%刻みでECU100のメモリ102に変換テーブルとして格納しておけば、CPU101に負担を掛けることなく直ちに負極SOCθから負極電位V2を正確に取得することができる。
(5)マップMPは、所定の電池モデルのシミュレーションに基づいたマップMP0に基づいて作成できるので、実験による実測値なしでもマップを作成することができる。この電池モデルに基づいたマップMP0から補正を行うことで、回生電流や急速充電でのハイレートの充電や、高いSOCからの充電に対応することができる。
(6)また、補正は、図12に示すように開始点Sと参照点Rを用いることで、実測値に依存することなく理論的に補正することができる。この補正により、ローレートからハイレートに急激に充電レートが変化したときにも、不連続なマップを参照するときに生じる負極電位V2の不連続な急激な変化を緩和することができる。
(7)さらに、電池モデルのシミュレーションに基づくマップMP0を、これに替えて実測値を用いたマップMPAにより精度を向上させることもできる。
(8)なお、実施形態では、説明の容易さのため、印加電流が大きい場合と小さい場合のそれぞれ2区分として例示している。もちろん、温度を2区分以上に分け、印加電流も3区分以上に分けて補正マップMPRを作成することができる。
この場合でもあらかじめ充放電開始負極SOCθに応じて作成された補正マップMPRを用いることでECU100のCPU101に演算の負担を掛けることなくよりきめ細かな制御ができる。
(変形例)
上記実施形態は、以下のように実施することもできる。
<マップMPのテーブル化>
上記実施形態では、その都度車載コンピュータであるECU100が演算してマップを生成する。例えばその処理タイミングが100ms間隔であると、将来的に5Gなどで外部処理が行われたり、コンピュータの処理能力自体が高くなったりすれば何ら問題はない。ただ現状のECU100では、大きな負担となる場合もある。そこで、負極SOCθが例えば10%程度から100%まで1%刻みで予めマップを作成して、メモリ102のROMに負極SOCθと負極電位V2との変換テーブルとして記憶しておくこともできる。
<マップMPの温度補正>
リチウムイオン二次電池は、一般に温度TBが高い場合は、抵抗が下がりリチウムイオンの移動や拡散などが良好となる。一方、温度TBが低い場合は、逆に、抵抗が下がりリチウムイオンの移動や拡散などが不良となる。特に、極低温では、リチウム金属の析出がしやすくなるという問題がある。
このため、シミュレーションマップMP0を、温度TBを参照してシミュレーションし、温度TB別のシミュレーションマップMP0を複数生成することができる。
この場合も、上記マップを予め温度TB別で作成して、作成してもよい。
<シミュレーションマップMP0に替えるマップMP>
本実施形態では、マップMPを電池モデルに基づくシミュレーションマップMP0を基本として、これを補正することで補正マップMPRを生成した。
この電池モデルに基づくシミュレーションマップMP0に替えて、シミュレーションマップMP0を別の理論による方法で作成してもよい。
さらに、実験によりローレートにおける負極SOCθと負極電位V2を実測し、これをグラフ化した実測マップMPAを基本のマップとすることができる。この場合も、実施形態と同じように、変曲点を参照点Rとして、充放電開始負極SOCに応じた開始点Sを設定して、補正マップMPRを生成する。
要は、ハイレート充電の際の負極電位V2の局部的な低下を検出できればよい。
〇実施形態では充電レートの場合分けを2段階としたが、多段階にすれば、低/高レートの閾値を跨いだ際に、負極電位が大きく変わったり、高レートの影響をうけて誤差が大きくなったりすることを防ぐことができる。
○また、さらに充電時と放電時を異なるマップとすることもできる。
〇本実施形態では、S101の手順を、予め外部のコンピュータで行っているが、この手順をECU100若しくは車載の別のコンピュータや、データ通信でクラウドコンピュータにより実施してもよい。
○補正関数は、開始点Sと2つの参照点Rの3点を通る2次関数を例示したが、これに限定されるものではない。3次元以上の関数や、直線により補正してもよい。また、3点に限定されるものでもない。参照点の選択も任意にできる。
〇実施形態のフローチャートは一例であり、その順序や内容に限定されるものではない。
○本発明は、上記実施形態により限定して解釈されることはなく、当業者であれば、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、その構成を付加し、削除し、若しくは置換して実施できることは言うまでもない。
1…車両
2…リチウムイオン二次電池の制御装置
10…バッテリ
10A…セル
11…蓋体
12…正極端子
13…負極端子
14…電極体
15…正極
16…負極
17…セパレータ
18…正極活物質
19…負極活物質
20…監視ユニット
21…電圧センサ
22…電流センサ
23…温度センサ
30…PCU
41,42…モータジェネレータ
50…エンジン
60…動力分割装置
70…駆動軸
80…駆動輪
100…ECU
101…CPU
102…メモリ
θ…負極SOC(%)
V1…正極電位
V2…負極電位
U2…表面電位
IB…電流
IBave…平均電流
ΣIB…積算電流
VB…電圧
TB…温度
Veq(θ)…平衡電位関数
S、S´…開始点
R(R1-R4)…参照点
MP…マップ
MP0…シミュレーションマップ
MPR…補正マップ
MPA…実測マップ

Claims (10)

  1. リチウムイオンが挿入および脱離される負極活物質を含む負極を有する二次電池と、基準電位に対する前記負極の電位を算出する制御装置とを備え、
    前記制御装置は負極電位を負極SOCに基づいて求めるマップを備え、
    前記制御装置は、充放電開始の負極SOCの値と、充放電の印加電流の値に基づいて、前記マップにより前記負極電位を求め
    前記マップが、前記リチウムイオン二次電池への印加電流から求められる前記負極活物質へのリチウムイオンの挿入量に基づいて推定された負極SOCに対して、前記負極活物質の内部におけるリチウムイオンの拡散係数を用い前記基準電位に対する前記負極活物質の表面電位を電池モデルによるシミュレーションにより算出して作成されたシミュレーションマップを備え、
    前記シミュレーションマップを充放電の印加電流の値に基づいて補正した補正マップが参照され、
    前記補正マップが、
    前記リチウムイオン二次電池への印加電流が予め設定された閾値より高い印加電流の場合に、前記シミュレーションマップのグラフにおける充放電を開始する負極SOCの点と、変曲点である参照点とを通る補正関数により補正されて生成されることを特徴とするリチウムイオン二次電池の制御装置。
  2. 前記リチウムイオン二次電池の負極活物質が、グラファイトを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置。
  3. 前記マップは、前記シミュレーションマップと、充放電の印加電流の値に基づいて補正された補正マップが予め作成され、
    これらの複数のマップを、充放電の印加電流の値に基づいて選択されて参照されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置。
  4. 前記複数のマップは、充放電開始負極SOC別に異なるマップが準備されることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置。
  5. 前記複数のマップは、温度別に異なるマップが準備されることを特徴とする請求項3又は4に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置。
  6. 前記補正マップが、負極SOCに対する負極電位の実測値により作成されていることを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置。
  7. 前記制御装置は、算出した負極電位が予め設定された閾値未満となると判断したときに充電電流を抑制して負極電位が前記閾値未満にならないようにする充電電流抑制制御を行うことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池の制御装置において、
    負極のSOCを推定する第1のステップと、
    印加電流に基づいてマップを決定する第2のステップと、
    前記リチウムイオン二次電池への電流印加の条件が変化したときに、第1のステップに戻り第2のステップで再度マップを決定する第3のステップとを備えることを特徴としたリチウムイオン二次電池の制御方法。
  9. 前記第2のステップにおけるリチウムイオン二次電池への電流印加の条件が、予め設定した時間以上停止され、あるいは、印加電流が予め設定した閾値をまたいで変化したときのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載のリチウムイオン二次電池の制御方法。
  10. 前記第2のステップのあとで、制御装置は、算出した負極電位が予め設定された閾値未満となると判断したときに充電電流を抑制して負極電位が前記閾値未満にならないようにする充電電流抑制制御を行う第4のステップを備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のリチウムイオン二次電池の制御方法。
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