JP7294046B2 - タイヤの脱落防止システム - Google Patents

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Description

この発明は、自動車等の車両に装着されたタイヤが走行中に脱落することを回避するタイヤの脱落防止システムに関する。
車両に装着された車輪(この明細書ではホィール付きのタイヤあるいはタイヤのみの場合も言う)が走行中に脱落することを回避するための一つの手段として、例えば特許文献1に記載された車輪脱落検出装置が提案されている。特許文献1の車輪脱落検出装置は、走行中に車輪に生じる車軸方向の加速度を検出し、加速度が所定の範囲外となった場合に車輪が脱落する可能性があると判断し、警報を出すことによって、運転者に車両を停止させることを促している。
想定される車輪の脱落は、タイヤがホィールごと車軸から外れる場合、あるいは車軸にホィールが固定された状態でタイヤのみがホィールから外れる場合などもありえる。この明細書で言う「タイヤの脱落」とは、タイヤが完全に脱落してしまうことも含むが、それ以外にも、タイヤの取付けが著しく緩んで脱落寸前になっている状態や、車両から外れてはいないが実質的に脱落したと言える状態も含む。
左側通行の道路をトラック等の大型車両が走行した場合のタイヤの脱落事例が調査された結果、脱落したタイヤのほとんどが後側のタイヤであり、その中でも後部左側のタイヤが多いことが指摘された。その原因の一つとして考えられたのは、車両が左側通行の道路を左折する場合、旋回内側に位置する後部左側のタイヤの旋回半径が最小となり、しかも後部左側のタイヤは向きが変わらない非操向車軸に取り付いているため大きな負荷がかかるためと考えられた。これに対し右折の際には、全てのタイヤが比較的大きな旋回半径で旋回するため、タイヤに加わる負荷は左折の場合と比較して小さい。
特開2005-329907号公報
特許文献1に記載された車輪脱落検出装置のように、タイヤの脱落が予知されたときに警報を出すことによって運転者に停車することを促したとしても、走行中の車両の周囲の状況によっては車両を直ちに止めることが最善でないこともある。例えば狭い道路で交通事情により駐停車が困難な場合や、高速道路を走行しているときのように車両を停車させるとかえって安全に反することがある。そのような状況では、車両を無理に停止させることは避けるべきであり、速度を落として安全な場所(例えば一般道路では大型店舗の駐車場や空き地、駐停車可能な路肩帯のある大通り、高速道路ではパーキングや高速バス乗り場など)へ車両を導くことが望ましい場合もあり得る。
タイヤの脱落が予知された車両を退避場所まで走行させざるを得ない場合、脱落しそうなタイヤになるべく負荷がかからないようして走行させることが望まれる。右側のタイヤと左側のタイヤとが通常の走行中に同時に脱落することはまれであり、脱落するのは左右のタイヤのいずれか一方である。このため走行中に一方のタイヤの脱落が予知された場合、安全な場所へ走行する間は、そのタイヤ(脱落予兆タイヤと称す)に大きな負荷がかからないように、タイヤの位置(右側か左側か)を考慮して走行することが望まれる。
従ってこの発明は、タイヤの異常が検出された車両を安全な場所に移動させることができるタイヤの脱落防止システムを提供することにある。
本発明の1つの実施形態は、車体の右側に配置されたタイヤと左側に配置されたタイヤとを有する車両の前記タイヤの脱落防止システムであって、各タイヤの脱落のおそれを判断する判断部と、脱落のおそれのあるタイヤが存在する場合に、前記車両が脱落のおそれのあるタイヤ(脱落予兆タイヤ)側に旋回することを制限する制御部とを具備している。
前記制御部は、前記脱落予兆タイヤが検出されたとき、車両の速度を落とすようにしてもよい。さらに前記制御部は、前記車両が前記脱落予兆タイヤ側に急旋回(小さな半径で旋回)することを抑制するよう前記車両のステアリング機構を制御してもよい。例えば、脱落予兆タイヤ側へ操舵輪(ステアリング)が操作されたときに操舵角を制限したり、操舵力に抵抗を与えたりしてもよい。
前記制御部は、前記車両を最寄りの駐車可能スペースへ案内する走行経路を地図上に表示するナビゲーション装置を備え、このナビゲーション装置は、前記車両が前記脱落予兆タイヤ側に旋回することを制限する走行経路を前記地図上に表示してもよい。また前記ナビゲーション装置は、前記車両を現在位置から複数の駐車可能スペースへ案内するための複数の走行経路のうち、距離が最も短い走行経路を前記地図上に表示してもよい。
前記ナビゲーション装置の一例は、前記走行経路の一部に前記脱落予兆タイヤ側に進路が変わる曲がり角が含まれている場合に、その曲がり角の角度に応じた値の係数を前記車両の現在地から駐車可能スペースまでの距離に乗じることによって補正距離を求め、複数の走行経路の優先度を前記補正距離に基いて順位付けし、最も優先度の高い走行経路を前記地図上に表示する。また前記ナビゲーション装置は、前記走行経路の一部に前記脱落予兆タイヤ側に進路が変わる曲がり角が含まれている場合に、その曲がり角の角度が大きいほど、大きな係数を前記車両の現在地から駐車可能スペースまでの距離に乗じて前記補正距離を求めてもよい。
本発明に係るタイヤの脱落防止システムによれば、脱落が予知されたタイヤの位置(右側のタイヤか左側のタイヤか)に応じて、そのタイヤに大きな負荷がかかることが抑制されたもとで車両を安全な場所に移動させることができる。
1つの実施形態に係るタイヤの脱落防止システムを備えた車両を模式的に表わした平面図。 図1に示された車両のタイヤの脱落防止システムの構成要素を示したブロック図。 同脱落防止システムの処理の流れを示すフローチャート。 同脱落防止システムの一部をなすナビゲーション装置の処理の一例を示すフローチャート。 同脱落防止システムによって検索された駐車可能スペースへの走行経路の一例を示した図。 同脱落防止システムによって検索された駐車可能スペースへの走行経路の他の例を示した図。
以下に、本発明に係るタイヤの脱落防止システムを備えた車両の実施形態について、図1から図6を参照して説明する。図1は、タイヤの脱落防止システムを備えた車両10を模式的に表わした平面図である。図1中の矢印Fは車両10の前側を示している。
図1に示された車両10は、車体10aの前部右側に配置されたタイヤ11と、車体10aの前部左側に配置されたタイヤ12と、後部右側に配置されたタイヤ13と、後部左側に配置されたタイヤ14とを有している。後側のタイヤ13,14はそれぞれシングルタイヤでもよいし、ダブルタイヤであってもよい。
前側のタイヤ11,12は、運転室22に配置されたステアリング23を操作することにより方向を変えることができ、車両10の進路を変更することができる。後側のタイヤ13,14は、それぞれホィールを介して車軸(リヤアクスル)25の両端に取り付けられている。
車両10は、走行のための動力を発生する走行駆動系28と、車両10の進路を変える際に機能するステアリング機構29と、車両10を制動させる際に機能するブレーキシステムと、タイヤ11,12,13,14が回転しているときの各タイヤの状態を検出するセンサ31,32,33,34と、車載コンピュータ等を利用した電子回路を含む制御部40と、ナビゲーション装置(自動車用航法システム)41と、ハザードランプ(警告灯)42などを有している。ハザードランプ42はターンシグナルランプ(方向指示灯)を兼ねていてもよい。
走行駆動系28は、エンジン50とトランスミッション51および動力伝達機構52などを含み、エンジン50のトルクを駆動輪(例えば後側のタイヤ13,14)に伝えるようになっている。エンジン50は内燃機関以外に電動モータが使われてもよいし、内燃機関と電動モータとの併用であってもよい。
ステアリング機構29は、車両10の進路を変える際に運転者が操作するステアリング23と、ステアリング23の操舵角に応じて前側のタイヤ11,12の向きを変えるアシスト力を発生するパワーステアリングユニット56などを含む。
図2は、この車両10のタイヤの脱落防止システムの構成要素を示したブロック図である。センサ31,32,33,34は、例えば赤外線センサや光学的カメラあるいは加速度センサなど、タイヤ11,12,13,14の回転中の挙動を電気信号に変換して判断部35に出力する。
判断部35は、センサ31,32,33,34から入力した信号を処理することにより、例えばタイヤの揺れ量が許容範囲を超えたとき、あるいはタイヤの操舵角度がステアリング23の操舵角度と一致していない場合など、タイヤ11,12,13,14が脱落しかかっているときに生じる異常な挙動を検出することにより、脱落する可能性のあるタイヤ(脱落予兆タイヤと称す)を特定するようになっている。なお、判断部35は上記構成に限らず、例えば車軸25や各タイヤ11,12,13,14のホィールのひび割れや、各タイヤ11,12,13,14のホィールを車両に固定するボルトの弛みを赤外線センサや光学的カメラなどで検出するようなものでもよい。
ナビゲーション装置41は、運転者の目的地到達を支援するために、GPS(Global positioning system)を利用して受信者の現在位置を特定するとともに、現在位置と目的地までの距離や方位を表示器(ディスプレイパネル)61の地図画面上に表示するように構成されている。
制御部40は、走行駆動系28を電子的に制御するエンジンコントロールユニットと、パワーステアリングユニット56などを制御するステアリングコントロールユニットと、判断部35と、表示器61を制御するコンピュータプログラムなどを含んでいる。
以下に説明するように制御部40は、脱落予兆タイヤが検出されたときに、脱落予兆タイヤの位置(右側のタイヤか左側のタイヤか)に応じて、脱落予兆タイヤに大きな負荷がかかる急旋回(半径の小さい旋回)を回避して車両10を安全な場所に導くコンピュータプログラムが組込まれている。
この明細書で言う「車両の急旋回」とは、旋回内側のタイヤに脱落を助長するような大きな負荷が生じる半径で旋回することであり、車両あるいは積載重量によっても異なるため、実際の車両を用いて実測したデータに基づいてもよいし、あるいはシミュレーションによって求めることができる場合もある。
図3はタイヤの脱落防止システムの処理の流れを示すフローチャートである。以下に、図3を参照して本実施形態のタイヤの脱落防止システムの処理の流れについて説明する。
図3中のステップST1において、センサ31,32,33,34(図1と図2に示す)からの信号が判断部35に入力される。判断部35は、センサ31,32,33,34の信号に基いて、タイヤ11,12,13,14が回転しているときの各タイヤの状態が正常であるか否かを常時監視している。
ステップST2において、タイヤ11,12,13,14の少なくとも1つが異常である(脱落予兆タイヤである)と判断されると(ステップST2において“YES”)、ステップST3に移る。
ステップST3では、車両10の運転者および周囲の車両(特に後続車両)に、当該車両10のタイヤに異常が生じていることを警告する手段の一例として、ハザードランプ42(図1と図2に示す)を点滅させるとともに、運転室22の表示器61に異常を知らせる表示を行い、加えて/または警報音を発する。このとき、脱落予兆タイヤの位置も報知するようにするとよい。そして直ちにステップST4に進む。
ステップST4において、制御部40のエンジンコントロールユニットは、車両10の速度を制限するようにエンジン50の出力を低下させる。例えば運転者がアクセルペダルを踏み込んでも所定速度(例えば低速走行である時速20km)を越えないように速度制御がなされる。このときハザードランプ42等による周囲への警告動作を続行し、駐車可能なスペースへの退避走行を開始する。なお、所定速度は、タイヤに大きな負荷を与えない程度の速度に設定すればよく、例えば脱落予兆タイヤがない(正常状態)ときの通常走行時の速度(例えば一般的な道路における制限速度)よりも小さく設定すればよい。
ステップST5では、後に詳しく説明するように、脱落が予知されたタイヤ(脱落予兆タイヤ)が右側のタイヤか左側のタイヤかに応じて、車両10が脱落予知タイヤの方向に進路が変わるような旋回が制限される。これにより、曲がり角などを旋回する際に脱落予知タイヤに大きな負荷がかかることが回避される。
ステップST5の一例では、脱落予兆タイヤ側に車両が旋回して進路が変わることを抑制するために、ステアリング機構29が制御される。例えば退避走行の途中でステアリング23が操作された場合に、車両10が脱落予知タイヤの方向に急旋回することを回避するようにステアリング機構29の操舵角度が制限されるとか、ステアリング23が大きく操作されても操舵速度を小さくするとか、正常状態に比べアシスト力が小さくなる(ステアリングが重くなる)ようにパワーステアリングユニット56が制御される。
ステップST6では、車両10が駐車可能スペースまで移動したところで車両10を停車させ、脱落が予知されたタイヤの点検を行うとともに、全てのタイヤの点検も行い、例えばハブボルトおよびナットが緩んでいれば締付けを行ない、タイヤおよびタイヤ周囲の部品に問題が見つかれば修理を行う。
図4は、図3中のステップST5において、ナビゲーション装置41を用いて行われる処理の一例である。例えば図4のステップST10では、脱落予兆タイヤの位置(右側のタイヤか左側のタイヤか)に応じて、安全な場所(駐車可能スペース)へ退避走行する際の複数の走行経路の候補が検索される。ステップST11では、ステップST10において検索された複数の走行経路の候補のうち、最も優先度の高い走行経路の候補が退避のための走行経路として採用され、表示器61の地図上に表示されることにより、車両が安全な場所へ移動できるように運転者に目的地までの方位を案内する。
以下に、タイヤの脱落が予知されたときにそのタイヤに大きな負荷をかけることなく車両を安全な場所へ退避させるための走行経路の検索例について説明する。
[走行経路の検索例1]
図5はナビゲーション装置41の表示器61に表示された地図画面の一例であり、車両10(図1に示す)の現在地Aが示されている。この車両10が左側通行の道路を走行しているとき、後部左側のタイヤ14に異常(脱落の可能性)が検出されたとする。このとき表示器61の地図上には、現在地Aから比較的近い位置に2箇所の駐車可能スペースP1,P2が有ることが表わされている。また、駐車可能スペースP1,P2よりも遠い位置には、路肩に駐車するのに十分な道幅を有した道路T1が有る。
車両10が左折する際には後部左側のタイヤ14に大きな負荷がかかることが予想される。このため本実施形態のナビゲーション装置41は、後部左側のタイヤ14の脱落が予知された場合、左折側に進路が変わることを制限するために、例えば曲がり角C1のように90°に近い大きな角度θ1で左折する箇所を避けるように走行経路を検索する。これに対し右折の際には、後部左側のタイヤ14にかかる負荷はそれほど大きくない。よって右折側に進路が変わる曲がり角は、角度の大きさにかかわらず旋回を許可するように走行経路が検索される。
図5の地図上で最も近い退避場所は、駐車可能スペースP1(例えば大型店舗1の駐車場)である。しかし現在地Aから駐車可能スペースP1に到達するには、走行経路の途中に大きな角度θ1で左折する交差点C1が存在する。このため後部左側のタイヤ14を保護する観点から、駐車可能スペースP1への走行経路は採用しない。現在地Aから全ての交差点を右折するだけで駐車可能スペースP1に到達することが可能な回り道も存在するかもしれないが、そのような回り道は走行距離がきわめて長くなる。脱落が予知されたタイヤのまま長距離を走行することは避けたい。
図5の地図上で2番目に近い退避場所は、駐車可能スペースP2(例えば大型店舗2の駐車場)である。この駐車可能スペースP2へは、現在地Aから角度θ2の交差点C2を右折すれば、右折のみで駐車可能スペースP2に到達することができる。このため回り道によって駐車可能スペースP1に到達するための距離(道のり)に対して駐車可能スペースP2への距離の方が近く、駐車可能スペースP2を利用できるようであれば、制御部40は、交差点C2を右折して駐車可能スペースP2に向かう走行経路を表示器61に表示させる。
なお、図5の地図上で現在地Aから駐車可能スペースP2に向かう場合の他の走行経路として、交差点C1を右折し、さらに角度θ3の左折の曲がり角C3を通る走行経路も比較的距離が短い。しかし角度θ3が緩やかであるとしても左折を行う必要があるため、曲がり角C3を左折することは避ける。すなわち曲がり角C3を左折側に旋回する走行経路は採用しない。なお、このとき、角度θ3が所定角度(例えば30°)より小さい場合は曲がり角C3を左折側に旋回する走行経路を採用してもよい。
図5の地図上で3番目に近い退避場所は、大通りT1の路肩帯である。現在地Aから大通りT1に向かう途中に、角度θ4で左折する曲がり角C4があるが、角度θ4が所定角度よりも小さい場合には、左折を禁止するほどではないと判断する。そこで前記の2番目に近い駐車可能スペースP2の利用が困難な場合(例えば営業時間外であったり、ネットワーク通信により駐車場がいっぱいであることを検知したとき)には、3番目に近い走行経路(現在地Aから曲がり角C4を経て大通りT1に向かう経路)を表示する。
[走行経路の検索例2]
図6は、ナビゲーション装置41の表示器61に表示された地図画面の他の例であり、車両10(図1に示す)の現在地Bが示されている。この車両10が左側通行の道路を走行しているとき、後部左側のタイヤ14に異常(脱落の可能性)が検出されたとする。このとき表示器61の地図上には、現在地Bから比較的近い位置に2箇所の駐車可能スペースP3,P4が有ることが表わされている。
タイヤの脱落が予知された場合、走行する距離が長くなればなるほどタイヤが脱落に近付くため、たとえ左折を行う必要があったとしても、左折の角度が緩やかであるのなら、より近い側の駐車可能スペースに移動する方がよい場合もある。こうした観点から、走行経路の途中に左折の曲がり角が存在する場合には、実際の距離に所定の係数を乗じることによって得た補正距離(実際の距離よりも長い距離)に基いて、複数の走行経路に優先順位をつける。これにより、左折側(脱落予兆タイヤ側)に車両が旋回することを制限するとともに、駐車可能スペースへの移動が長距離となることを抑制する。
例えば後部左側のタイヤ14の脱落が予知され、退避走行する走行経路の途中に左折の曲がり角が存在する場合には、左折の曲がり角の角度が大きいほど、大きな係数を実際の距離に乗じる。つまり、近くに駐車可能スペースがあったとしても、左折の角度が大きければ、その駐車可能スペースまでの距離が遠いものとみなし、走行経路の優先順位が下がることとなる。これに対し、比較的遠くにある駐車可能スペースであっても、右折のみで行ける場合には係数を乗じない実際の距離に基いて走行経路の優先順位を求める。また、左折の角度が小さい場合には、実際の距離に比較的小さな値の係数を乗じることによって補正距離を算出し、優先順位を判断する。
例えば図6の地図上で、現在地Bから大通りT2へ向かう走行経路の候補の場合には、現在地Bから大通りT2に向かう途中に比較的緩い角度θ5の左折の曲がり角C5が存在する。この曲がり角C5の角度θ5は30°以下であるため左折側に旋回することを許可するが、左折は右折と比較して後部左側のタイヤの負荷が大であるから、タイヤへの負荷を考慮して実際の距離L1に、係数の一例の1.2を乗じた値(L1×1.2)を、現在地Bから大通りT2に至るまでの距離(補正距離)とする。
現在地Bから大通りT2までの地図上の実際の距離が300メートルの場合、係数(1.2)を乗じることによって、実際の距離よりも長い補正距離(360メートル)を求める。ここで使用する係数は、左折の角度が大きいほど大きな値とする。例えばタイヤの負荷が比較的小さい左折角度15°を通る場合は係数を1.1とするなど、左折の角度が小さくなるにつれて係数を徐々に小さくする。
これに対し、現在地Bから右折の曲がり角C6を経て駐車可能スペースP3に至る距離(地図上の実際の距離)は380メートである。現在地Bから曲がり角C6を経て駐車可能スペースP3に至る場合は右折のみで行けるため、実際の距離(地図上で380メートル)に係数を乗じることなく優先順位を判断する。
この例では、現在地Bから曲がり角C5を左折して大通りT2に至るまでの距離(補正距離)360メートルの方が、現在地Bから曲がり角C6を右折して駐車可能スペースP3に至るまでの距離380メートルよりも短い。すなわち大通りT2に向かう方が優先順位が高いため、現在地Bから曲がり角C5を左折して大通りT2に向かう走行経路を表示する。
図6の地図上で、現在地Bから駐車可能スペースP4に向かう走行経路の候補もあり得る。例えば現在地Bから左折の曲がり角C5と右折の交差点C7,C8を経て駐車可能スペースP4へ向かう走行経路の距離は400メートルである。しかしθ5=30°の左折の曲がり角C5を通るため、実際の距離400メートルに係数1.2を乗じた補正距離が480メートルとなる。仮に大通りT2に駐停車することが不可能な場合には、駐車可能スペースP3と駐車可能スペースP4とで距離(左折がある場合は補正距離)が近い方への走行経路を表示する。今回の場合、駐車可能スペースP3までの距離(実距離)は380メートルであり、駐車可能スペースP4までの距離(補正距離)は480メートルであるため、駐車可能スペースP3に向かう走行経路を表示する。
なお、図6の地図上で、現在地Bから曲がり角C9を右折し、さらにθ6=60°の左折の曲がり角C10を経て駐車可能スペースP3に向かう走行経路も距離が短いが、曲がり角C10の左折角度θ6が60°と大きいため、曲がり角C10を左折する走行経路は採用しない。
なお本発明に係るタイヤの脱落防止システムは、大型車に限らず、小型あるいは中型の乗用車等にも同様に適用できることは言うまでもない。本発明のタイヤの脱落防止システムは、例えば2軸の前輪側タイヤ(操向タイヤ)を有する車両にも適用できるし、あるいは2軸の後輪側タイヤ(非操向タイヤ)を有する大型車に適用されてもよい。特に大型車両の場合、旋回の際に旋回内側の後側のタイヤに大きな負荷がかかるため、少なくとも後側のタイヤにタイヤの異常を検出するセンサを配置することにより、後側のタイヤに重点をおいて脱落を予知してもよい。
タイヤの脱落が予知された場合に、その車両を自動運転によって駐車可能スペースに導くような自動運転システムを備えた車両であってもよい。さらに、タイヤに不具合が生じたことを道路管理者等に自動で通報するような通信システムを備えてもよい。タイヤの脱落が予知されたときに車両を退避させる場所としては、店舗や工場等の駐車場以外にも、安全を確保できる路肩帯や、下り坂の緊急避難所、空き地など、ナビゲーションの地図情報に登録可能な場所を利用可能である。
10…車両、10a…車体、11,12,13,14…タイヤ、23…ステアリング、28…走行駆動系、29…ステアリング機構、31,32,33,34…センサ、35…判断部、40…制御部、41…ナビゲーション装置、50…エンジン、51…トランスミッション、61…表示器。

Claims (8)

  1. 車体の右側に配置されたタイヤと左側に配置されたタイヤとを有する車両の前記タイヤの脱落防止システムであって、
    前記各タイヤの脱落の予兆を検出し、脱落の可能性のある脱落予兆タイヤの有無を判断する判断部と、
    前記判断部によって脱落予兆タイヤがあると判断された場合、前記車両が前記脱落予兆タイヤ側に旋回することを制限する制御部と、
    を具備したことを特徴とするタイヤの脱落防止システム。
  2. 前記制御部は、前記判断部によって前記脱落予兆タイヤがあると判断された場合、前記車両の最大速度を前記脱落予兆タイヤがないときに比べ低速側に制限することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの脱落防止システム。
  3. 前記制御部は、前記判断部によって前記脱落予兆タイヤがあると判断された場合、前記車両の前記脱落予兆タイヤ側への最大旋回半径が、前記脱落予兆タイヤがないときに比べ大きくなるよう前記車両のステアリング機構を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤの脱落防止システム。
  4. 前記制御部は、前記判断部によって前記脱落予兆タイヤがあると判断された場合、前記車両の前記脱落予兆タイヤ側へのステアリング操作が、前記脱落予兆タイヤがないときに比べ重くなるよう前記車両のステアリング機構を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤの脱落防止システム。
  5. 前記制御部は、前記車両を最寄りの駐車可能スペースへ案内する走行経路を地図上に表示するナビゲーション装置を備え、前記ナビゲーション装置は、前記車両が前記脱落予兆タイヤ側に旋回することを制限する走行経路を前記地図上に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のタイヤの脱落防止システム。
  6. 前記ナビゲーション装置は、前記車両を現在位置から複数の駐車可能スペースへ案内するための複数の走行経路のうち、距離が最も短い走行経路を前記地図上に表示することを特徴とする請求項5に記載のタイヤの脱落防止システム。
  7. 前記ナビゲーション装置は、前記走行経路の一部に前記脱落予兆タイヤ側に進路が変わる曲がり角が含まれている場合に、その曲がり角の角度に応じた値の係数を前記車両の現在地から駐車可能スペースまでの距離に乗じることによって補正距離を求め、複数の走行経路の優先度を前記補正距離に基いて順位付けし、最も優先度の高い走行経路を前記地図上に表示することを特徴とする請求項6に記載のタイヤの脱落防止システム。
  8. 前記ナビゲーション装置は、前記走行経路の一部に前記脱落予兆タイヤ側に進路が変わる曲がり角が含まれている場合に、その曲がり角の角度が大きいほど、大きな係数を前記車両の現在地から駐車可能スペースまでの距離に乗じて前記補正距離を求めることを特徴とする請求項7に記載のタイヤの脱落防止システム。
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