以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<画像形成装置の全体構成>
まず、実施の形態の画像形成装置1の全体構成について説明する。図1は、実施の形態の画像形成装置1の全体構成を示す図である。画像形成装置1は、ここでは、電子写真法を用いてカラー画像を形成するプリンタである。画像形成装置1は、印刷用紙等の媒体Pを搬送する媒体搬送機構80と、媒体Pにトナー像(現像剤像)を形成する画像形成部10と、媒体Pにトナー像を定着する定着装置75と、媒体Pを排出する媒体排出機構90とを備える。
媒体搬送機構80は、媒体Pを収容する給紙トレイ81と、給紙トレイ81に収容された媒体Pに当接するように配置されたピックアップローラ82と、ピックアップローラ82に隣接して配置されたフィードローラ83と、フィードローラ83に対向するように配置されたリタードローラ84とを有する。
給紙トレイ81は、印刷用紙等の媒体Pを積載状態で収容する。ピックアップローラ82は、給紙トレイ81上の媒体Pに当接して回転し、給紙トレイ81から媒体Pを繰り出す。フィードローラ83は、ピックアップローラ82によって繰り出された媒体Pを搬送路R1に送り出す。リタードローラ84は、媒体Pの重送を防止するため、フィードローラ83による送り出し方向とは逆方向に回転して媒体Pに搬送抵抗を付与する。
媒体搬送機構80は、また、搬送路R1に沿って、2対のローラ対である搬送ローラ85,86を有する。搬送ローラ85は、駆動ローラ85aとピンチローラ85bとで構成され、媒体Pの先端が両ローラ85a,85bのニップ部に当接してから所定のタイミングで回転を開始し、媒体Pのスキューを矯正して搬送する。搬送ローラ86は、駆動ローラ86aとピンチローラ86bとで構成され、媒体Pを画像形成部10に搬送する。
画像形成部10は、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのトナー像を形成する画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット60K,60C,60M,60Yと、トナー像を媒体Pに転写する転写ユニット70とを有する。プロセスユニット60K,60C,60M,60Yの各感光体ドラム61(後述)に対向するように、露光装置としての露光ヘッド63K,63C,63M,63Yが配置されている。
プロセスユニット60K,60C,60M,60Yは、媒体Pの搬送方向に(ここでは図中右から左に)、この順に配列されている。プロセスユニット60K,60C,60M,60Yは、トナーを除き共通の構成を有するため、特に区別する必要がない場合には、「プロセスユニット60」と称する。また、露光ヘッド63K,63C,63M,63Yは、特に区別する必要がない場合には、「露光ヘッド63」と称する。
プロセスユニット60は、像担持体としての感光体ドラム61と、帯電部材としての帯電ローラ62と、現像剤担持体としての現像ローラ64と、供給部材としての供給ローラ65とを有する。
感光体ドラム61は、導電性の基体の表面に感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を設けた円筒状の部材であり、図中時計回りに回転する。帯電ローラ62は、感光体ドラム61の表面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体ドラム61の表面には、露光ヘッド63の光照射によって静電潜像が形成される。
現像ローラ64は、感光体ドラム61の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナー像(現像剤像)を形成する。供給ローラ65は、現像ローラ64にトナーを供給する。
画像形成部10の上方(+Z方向)には、現像剤収容部としてのトナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yが設けられている。トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのトナーをそれぞれ収容し、後述するトップカバーユニット20に装着されている。トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、特に区別する必要がない場合には、「トナーカートリッジ23」と称する。
露光ヘッド63は、例えば、LED(発光ダイオード)等の発光素子を配列した発光素子アレイと、発光素子の出射光を感光体ドラム61の表面に集光させるレンズアレイとを有する。露光ヘッド63は、感光体ドラム61の表面を露光して静電潜像を形成する。露光ヘッド63は、トップカバーユニット20に取り付けられている。
転写ユニット70は、無端状の転写ベルト72と、転写ベルト72が張架された駆動ローラ73およびテンションローラ74と、転写ベルト72を介してプロセスユニット60K,60C,60M,60Yの各感光体ドラム61に対向配置された転写部材としての転写ローラ71とを有する。
転写ベルト72は、その表面に媒体Pを静電気力により吸着保持して走行する。駆動ローラ73は、図中反時計回りに回転して転写ベルト72を走行させる。テンションローラ74は、転写ベルト72に張力を付与する。転写ローラ71は、転写電圧を印加され、各感光体ドラム61上のトナー像を媒体Pに転写する。
定着装置75は、媒体Pの搬送方向において画像形成部10の下流側に配置されている。定着装置75は、例えば、ヒータを内蔵する定着ローラ76と、この定着ローラ76に押圧される加圧ローラ77とを有する。定着ローラ76および加圧ローラ77は、媒体Pに転写されたトナー像に熱と圧力を加え、媒体Pに定着する。
媒体排出機構90は、媒体Pの搬送方向において定着装置75の下流側に配置され、2対のローラ対である排出ローラ91,92を有する。排出ローラ91,92は、定着装置75から送り出された媒体Pを排出搬送路R2に沿って搬送し、画像形成装置1の外部に排出する。画像形成装置1の上部カバーには、排出ローラ91,92によって排出された媒体を積載するスタッカ部24bが設けられている。
画像形成装置1には、両面印刷のため、表面にトナー像が定着した媒体Pを反転させて上述した搬送路R1まで搬送する再搬送機構93が備えられている。また、定着装置75の下流側には、定着装置75から送り出された媒体Pを、媒体排出機構90(排出搬送路R2)または再搬送機構93に案内する切り替えガイド89が設けられている。
再搬送機構93は、媒体Pを退避路R3に一旦送り込んで前後を入れ替える搬送ローラ94,95および切り替えガイド96と、媒体Pを戻り搬送路R4に沿って搬送する搬送ローラ97,98,99を有する。戻り搬送路R4は、搬送路R1における搬送ローラ86の上流側に合流する。戻り搬送路R4の出口近傍には、駆動ローラ85aに、ピンチローラ85bと反対側から当接する搬送ローラ85cが設けられている。
搬送ローラ97,98,99によって戻り搬送路R4を搬送された媒体Pは、搬送ローラ85によって搬送路R1に送り込まれ、搬送ローラ86によって画像形成部10に再び搬送される。なお、画像形成装置1が両面印刷機能を有さない場合は、再搬送機構93は不要である。
図1において、画像形成装置1は、XY面(ここでは水平面)に置かれているものとする。画像形成装置1の感光体ドラム61および各ローラの軸方向は、X方向とする。X方向は、画像形成装置1の幅方向であり、媒体Pの幅方向でもある。XY面においてX方向に直交する方向を、Y方向(ここでは前後方向)とする。また、XY面に直交する方向を、Z方向(ここでは鉛直方向)とする。これらX,Y,Z方向は、画像形成装置1の向きを限定するものではない。
なお、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yの配列方向は、図1ではXY面に対して傾斜しているが、必ずしも傾斜している必要はない。
図2は、画像形成装置1の外観を示す図である。画像形成装置1は、装置本体としての筐体11を有する。筐体11は、X方向の両側に一対の側壁112を有し、後方(+Y方向)に後方壁113を有し、上方(+Z方向)と前方(-Y方向)が開放されている。
筐体11の上方(+Z方向)には、開閉可能なトップカバーユニット20(カバーユニット)が取り付けられ、筐体11の前方(-Y方向)には、開閉可能なフロントカバー12(カバー部材)が取り付けられている。
図1に示した画像形成装置1の構成要素のうち、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yおよび露光ヘッド63K,63C,63M,63Yは、トップカバーユニット20に保持されている。
図3(A)は、画像形成装置1のフロントカバー12とトップカバーユニット20を共に開放した状態を示す斜視図である。トップカバーユニット20には、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yが、X方向に並んで取り付けられている。
筐体11内には、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yが取り付けられたバスケットユニット3(開閉ユニット)が設けられている。バスケットユニット3は、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yを保持するバスケット40と、このバスケット40を保持するバスケット保持部材30とを有する。
図3(A)に示した状態では、トップカバーユニット20が開放され、バスケットユニット3の上部が露出している。そのため、バスケットユニット3内のプロセスユニット60K,60C,60M,60Yの交換を行うことができる。
図3(B)は、フロントカバー12、トップカバーユニット20およびバスケットユニット3を開放した状態を示す斜視図である。トップカバーユニット20とバスケットユニット3は、互いに連結した状態で開閉可能である。トップカバーユニット20およびバスケットユニット3を互いに連結した状態で開放することにより、転写ユニット70の上方が開放される。そのため、ジャムを生じた媒体Pを取り除くことができる。
<フロントカバーの構成>
次に、フロントカバー12の構成について説明する。図4(A),(B)は、フロントカバー12を互いに異なる方向から見た斜視図である。フロントカバー12は、筐体11の前面に配置された板状の部材であり、そのX方向の両端に一対の脚部121を有する。それぞれの脚部121の下端部(-Z方向の端部)には、X方向の回動軸C1を規定する軸部122が設けられている。
フロントカバー12の例えば+X方向の端部近傍には、Z方向に長い開口部123が形成されている。開口部123には、フロントカバー12を開放するときにユーザが操作する操作レバー13が配置されている。
図5は、フロントカバー12のロック機構を示す斜視図である。図6は、フロントカバー12を背面側(+Y側)から見た斜視図である。図5に示すように、フロントカバー12のロック機構は、X方向に延在するシャフト14と、シャフト14のX方向両端に取り付けられた一対のロック部材15とを有する。シャフト14は、フロントカバー12のX方向の両端近傍に設けられた支持部124(図6)によって回動可能に支持されている。
ロック部材15は、シャフト14の中心軸を中心とする半径方向に突出する2つの突起部151,152を有する。突起部151はシャフト14に対して後方(+Y方向)に突出し、突起部152はシャフト14に対して下方(-Z方向)に突出する。
上述した操作レバー13は、一方のロック部材15(ここでは+X方向に位置するロック部材15)に対向するように配置されている。操作レバー13は、X方向の支軸133を中心として回動可能に支持されている。操作レバー13は、ユーザが指を掛ける操作部131と、ロック部材15の突起部152に当接する当接部132とを有する。
図7(A),(B)は、フロントカバー12のロック機構の動作を示す模式図である。図7(A)に示すように、ロック部材15の突起部151には、筐体11の前方壁111(図8(A))の開口部114に係合するフック部151aが形成されている。
図7(B)に示すように、操作レバー13がユーザの操作によって図中反時計回りに回動すると、操作レバー13の当接部132が突起部152に当接してこれを-Y方向に付勢する。これにより、ロック部材15は図中時計回りに回動し、フック部151aが-Z方向に移動する。
図8(A),(B)は、フロントカバー12のロック機構の動作を示す斜視図である。筐体11の前方壁111には、ロック部材15の突起部151が挿入される開口部114が形成されている。
ロック部材15が図7(A)に示した位置にあるときには、ロック部材15の突起部151が開口部114に挿入され、フック部151aが開口部114の上端縁に係合している。このロック部材15と開口部114との係合により、フロントカバー12は筐体11に対してロックされる。すなわち、ユーザがフロントカバー12を-Y方向に引いても、フロントカバー12は開放されない。
一方、ロック部材15が図7(B)に示した位置にあるときには、フック部151aが開口部114の上端縁から-Z方向に離間する。ロック部材15と開口部114との係合が外れるため、フロントカバー12の筐体11に対するロックは解除される。すなわち、ユーザがフロントカバー12を-Y方向に引くと、フロントカバー12が開放される。
図3(A),(B)に示したように、フロントカバー12のX方向の両端には、ステイ125(図では一方のステイ125が隠れている)がそれぞれ配置されている。ステイ125は、フロントカバー12が開放された状態で、筐体11に対してフロントカバー12を所定の傾斜角度で支持する。
<トップカバーユニット>
次に、トップカバーユニット20の構成について説明する。図9(A)は、トップカバーユニット20を示す斜視図である。トップカバーユニット20は、上記の通り、筐体11の上部に開閉可能に設けられている。トップカバーユニット20は、その後端(+Y方向の端部)のX方向両端に、X方向の回動軸C2を規定する軸部29を有する。軸部29は、筐体11の所定箇所に取り付けられ、トップカバーユニット20は回動軸C2を中心として回動可能となる。
トップカバーユニット20は、カバー部24とフレーム部25とを有する。フレーム部25は、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yを保持する枠体である。カバー部24は、フレーム部25の上面等を覆う。カバー部24は、図1に示した媒体排出機構90から排出された媒体Pを通過させるための開口部24aと、排出された媒体Pが載置されるスタッカ部24bとを有する。また、カバー部24の前端部には、ディスプレイおよび操作キーを備えた操作パネル24cが配設されている。
図9(B)は、トップカバーユニット20からトナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yを引き出している状態を示す斜視図である。トップカバーユニット20のフレーム部25は、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23YをY方向にスライド可能に保持している。トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、トップカバーユニット20の前面(-Y方向の端面:第1面)から引き出すことができる。
トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yのトップカバーユニット20からの取り外しおよびトップカバーユニット20への取り付けは、フロントカバー12のみを開放させ、トップカバーユニット20を閉鎖した状態で行うことができる。
図10(A)は、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yが取り付けられていないトップカバーユニット20を示す斜視図である。図10(B)は、図10(A)のトップカバーユニット20からカバー部24を取り外して示す図である。
図10(B)に示すように、トップカバーユニット20のフレーム部25は、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yをそれぞれ保持する4つのカートリッジ保持部25aを有する。
また、トップカバーユニット20の前面(第1面)には、トップカバーユニット20をバスケットユニット3と共に(すなわち互いに連結した状態で)開放するときに操作される第1の操作レバー21と、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放するときに操作される第2の操作レバー22とが設けられている。
各操作レバー21,22は、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yの着脱の妨げとならないよう、カートリッジ保持部25aよりも下方(-Z方向)に配置されている。
図11は、第1の操作レバー21を示す斜視図である。第1の操作レバー21は、X方向に延在するシャフト210と、シャフト210のX方向両端をそれぞれ支持する互いに平行な一対のアーム212と、それぞれのアーム212のシャフト210と反対側に設けられた一対の支軸213とを有する。
シャフト210のX方向中央には、ユーザが手を掛けるハンドル211が設けられている。一対の支軸213は互いに同軸であり、X方向の回動軸C3を規定している。支軸213は、トップカバーユニット20のフレーム部25に支持されている。
シャフト210に沿ってハンドル211の+X側には、第2の操作レバー22が配置されるスペースSが設けられている。また、ハンドル211の背面(-Y方向を向く面)には、第2の操作レバー22の当接部225(図26)に当接する当接面216が形成されている。
各支軸213には、ロック部215が回動可能に取り付けられている。ここでは、一対のロック部215が、一対のアーム212のX方向外側に配置されている。ロック部215とアーム212とは、スリーブ214を介して互いに固定されている。すなわち、ロック部215は、アーム212と一体となって、回動軸C3を中心として回動する。
ロック部215は、回動軸C3から離れた側の端部に、+Y方向に突出する係合部215aを有する。この係合部215aは、後述するように、筐体11の前方壁111の開口部115(図8(A),(B))の上端縁に係合する。ロック部215と筐体11の開口部115との係合により、トップカバーユニット20が筐体11に対してロックされる。
<トナーカートリッジからプロセスユニットへのトナー搬送路>
次に、トナーカートリッジ23からプロセスユニット60へのトナー搬送路について説明する。図12は、トナーカートリッジ23からプロセスユニット60へのトナー搬送路を示す図である。
図1に示したように、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yは、略Y方向に一列に配列されている。これに対し、図3(A)等に示したように、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、X方向に配列されている。
そのため、トナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yとプロセスユニット60K,60C,60M,60Yとの間には、トナー搬送路であるダクト200K,200C,200M,200Yがそれぞれ設けられている。ダクト200K,200C,200M,200Yは、特に区別する必要がない場合には、「ダクト200」と称する。
各ダクト200は、トナーカートリッジ23に連結される連結部201と、プロセスユニット60に接続される供給口202とを有する。トナーカートリッジ23内のトナーは、連結部201からダクト200内に供給され、供給口202からプロセスユニット60に供給される。
図13は、ダクト200K,200C,200M,200Yと、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yとの位置関係を示す模式図である。図14は、トップカバーユニット20の背面図である。
図13に示すように、ダクト200K,200C,200M,200Yの各供給口202に対向する位置には、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yのそれぞれに設けられたトナー受入口68が対向している。
ダクト200の内部には、トナーを搬送する図示しない搬送スパイラルが設けられている。搬送スパイラルを回転させることにより、ダクト200の供給口202およびトナー受入口68を介してプロセスユニット60に補給する。
トップカバーユニット20を、バスケットユニット3との連結を解除して開放する場合には、ダクト200K,200C,200M,200Yの各供給口202を閉鎖し、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yの各トナー受入口68を閉鎖する必要がある。
そこで、図14に示されているように、トップカバーユニット20には、ダクト200K,200C,200M,200Yの各供給口202を開閉する4つのシャッタ26が設けられている。4つのシャッタ26は、X方向にスライド可能に設けられ、上述した第2の操作レバー22によって操作される。
また、図13に示すように、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yには、各トナー受入口68を開閉するシャッタ69が設けられている。シャッタ69はX方向にスライド可能であり、シャッタ26と連動してスライドする。
図15(A),(B)は、第2の操作レバー22および各シャッタ26の動作を示す模式図である。第2の操作レバー22は、ユーザに把持されるグリップ221と、グリップ221から+Y方向に延在するスライダ部222とを有する。グリップ221は、トップカバーユニット20の前面(-Y方向の端面)に位置している。グリップ221には、X方向に延在する連結用シャフト220が取り付けられている。
シャッタ26は、トップカバーユニット20に設けられたガイド部材により、X方向にスライド可能に案内されている。
トップカバーユニット20には、また、第2の操作レバー22と各シャッタ26とを連動させるため、4つのリンク部材27が回動可能に設けられている。
リンク部材27は、トップカバーユニット20に設けられたZ方向の支軸271を中心として回転可能に支持されている。リンク部材27は、また、シャッタ26に形成された係合溝261に係合する係合部272と、第2の操作レバー22のスライダ部222に形成された溝部226(図23)に係合するピン273とを有する。支軸271、係合部272およびピン273は、三角形の3頂点をなす位置に配置されている。
図15(A)では、第2の操作レバー22が、その移動範囲の+Y方向の端部(基準位置と称する)に位置している。このときには、各シャッタ26は、供給口202を開放する位置にある。
第2の操作レバー22が基準位置から-Y方向に移動すると、第2の操作レバー22の溝部226に係合するピン273が-Y方向に移動するため、リンク部材27が支軸271を中心として図中反時計回りに回転する。
リンク部材27が図中反時計回りに回転すると、係合部272がシャッタ26の係合溝261を-X方向に付勢し、シャッタ26が-X方向に移動して、図15(B)に示すように供給口202を閉鎖する。
また、第2の操作レバー22が+Y方向に移動すると、ピン273が+Y方向に移動するため、リンク部材27が支軸271を中心として図中時計回りに回転する。リンク部材27が図中時計回りに回転すると、係合部272がシャッタ26の係合溝261を+X方向に付勢し、シャッタ26が+X方向に移動して、図15(A)に示すように供給口202を開放する。
<バスケットユニット>
次に、バスケットユニット3について説明する。図16(A)は、バスケットユニット3を示す斜視図であり、図16(B)は、バスケットユニット3からプロセスユニット60K,60C,60M,60Yを取り外して示す斜視図である。
図16(A)および(B)に示すように、バスケットユニット3は、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yを保持するバスケット40と、バスケット40を保持するバスケット保持部材30とを有する。バスケット40は、バスケット保持部材30の下側(-Z方向)に取り付けられている。
図17(A),(B)は、バスケット保持部材30を示す斜視図および側面図である。バスケット保持部材30は、X方向に対向する一対のサイドプレート31と、各サイドプレート31に設けられた回動アーム32と、一対のサイドプレート31を互いに連結する支持部33とを有する。
各サイドプレート31は、YZ面に平行な板面を有する板状部材である。回動アーム32は、サイドプレート31から+Y方向に延在している。回動アーム32は、トップカバーユニット20の軸部29に係合する穴部32aを有する。これにより、回動アーム32は、トップカバーユニット20と同じ回動軸C2を中心として回動可能となる。
支持部33には、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yが収容される4つの開口部33aが形成されている。4つの開口部33aは、Y方向に配列されている。
各サイドプレート31のX方向の外側の面には、レールガイド34およびスライドレール35が設けられている。レールガイド34はサイドプレート31の上側に設けられ、スライドレール35はサイドプレート31の下側に設けられている。
スライドレール35には、バスケット40に設けられた回転体44,45(図18)が係合する。すなわち、スライドレール35は、バスケット40をY方向にスライド可能に支持するスライド支持部を構成している。
レールガイド34には、後述するステイ機構50の回転体54(図20(A),(B))が係合する。レールガイド34は、上側ガイド34aおよび下側ガイド34bを有し、下側ガイド34bは上側ガイド34aよりも長さが短い。
各サイドプレート31のレールガイド34とスライドレール35との間には、ストッパ36が設けられている。ストッパ36は、バスケット40がバスケット保持部材30から-Y方向に引き出された状態(図19参照)でステイ機構50に当接する。これにより、バスケット40がバスケット保持部材30から引き出された状態でトップカバーユニット20が閉鎖されることを防止している。
図18は、バスケット40を示す斜視図である。バスケット40は、X方向に対向する一対のサイドプレート41と、各サイドプレート41の下側に取り付けられた枠部42と、一対のサイドプレート41を互いに連結する支持部43とを有する。
一対のサイドプレート41は、いずれもYZ面に平行な板面を有する板状部材であり、バスケット保持部材30のサイドプレート31よりもX方向外側に位置する。
サイドプレート41に取り付けられた枠部42には、プロセスユニット60K,60C,60M,60YのそれぞれのX方向端部が保持される4つの開口部42aが形成されている。
支持部43には、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yが収容される4つの開口部43aが形成されている。バスケット40の支持部43の開口部43aと、バスケット保持部材30の支持部33の開口部33aとは、互いに重なり合う位置に形成されている。
各サイドプレート41のX方向の内側の面には、バスケット保持部材30のスライドレール35に係合する回転体44,45が回転可能に取り付けられている。なお、回転体44,45は、上記の図17(B)にも示されている。
図19は、バスケット40をバスケット保持部材30から引き出した状態を示す図である。回転体44,45とスライドレール35との係合により、バスケット40は、図19に示すようにバスケット保持部材30から引き出すことが可能となる。
<ステイ機構>
次に、ステイ機構50について説明する。ステイ機構50は、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する際に、トップカバーユニット20の回動角度(例えば約30度)よりも小さい回動角度(例えば約6度)でバスケットユニット3を回動させるための機構である。ステイ機構50は、図3(A)に示したように、筐体11のX方向両端に設けられている。
図20(A),(B)は、ステイ機構50を示す斜視図である。ステイ機構50は、ステイフレーム51と、スライドフレーム52と、ステイ53と、回転体54と、ギヤ55と、ダンパ56と、バネ57と、連結板58とを有する。
ステイフレーム51は、Y方向に延在し、筐体11の側壁112(図3(A))の上端に取り付けられている。ステイフレーム51は、Y方向に直交する面内でコの字形状を有し、その底部にはラック51aが設けられている。スライドフレーム52は、+Z方向に開口する略箱状の部材である。ステイフレーム51の内側には、スライドフレーム52がY方向に移動可能に配置されている。
ステイ53の一端部は、X方向の回動軸53aを介してスライドフレーム52に連結され、ステイ53の他端部は、X方向の回動軸53bを介して連結板58に連結されている。連結板58は、トップカバーユニット20に固定されている。これにより、ステイ53の傾斜状態は、トップカバーユニット20の開閉に連動して変化する。
トップカバーユニット20が閉鎖されると、ステイ53はトップカバーユニット20により-Z方向に押し下げられる。これに伴い、ステイ53は、スライドフレーム52との連結部分が回動軸53aを中心として回動すると共に、連結板58との連結部分が回動軸53bを中心として回動しながら-Y方向に移動する。スライドフレーム52は、ステイ53に押されて-Y方向に移動する。これによりステイ53が回動軸53aを支点として倒れるように傾斜し、図20(A)に示したように、ステイフレーム51の内側に収容される。
トップカバーユニット20が開放されると、ステイ53はトップカバーユニット20により+Z方向に持ち上げられる。これに伴い、ステイ53は、スライドフレーム52との連結部分が回動軸53aを中心として回動すると共に、連結板58との連結部分が回動軸53bを中心として回動しながら+Y方向に移動する。スライドフレーム52は、ステイ53に引かれて+Y方向に移動する。これによりステイ53が回動軸53aを支点として起き上がるように傾斜し、図20(B)に示したように、ステイ53がステイフレーム51の内側から離脱する。
回転体54は、ステイ53のX方向の内側の面に設けられており、X方向の回転軸54aを中心として回転可能である。回転体54は、バスケット保持部材30のレールガイド34に係合可能であり、トップカバーユニット20の回動に連動してレールガイド34に沿って移動可能である。
トップカバーユニット20が、バスケットユニット3との連結が解除された状態で開放される場合には、図21(A)に示すように、トップカバーユニット20の回動と共にステイ53が起き上がって回転体54も上方(+Z方向)に移動し、回転体54がバスケット保持部材30のレールガイド34の高さに達する。そのため、回転体54はレールガイド34に係合する。
回転体54とレールガイド34との係合により、バスケット保持部材30(およびこれに保持されるバスケット40)は、トップカバーユニット20の回動角度よりも小さい回動角度で回動する。
一方、トップカバーユニット20とバスケット保持部材30とが共に(互いに連結された状態で)開放される場合には、図21(B)に示すように、トップカバーユニット20の回動と共にステイ53が起き上がって回転体54も上方に移動するが、バスケット保持部材30が開放されるためレールガイド34は回転体54よりもさらに上方に位置する。そのため、回転体54はレールガイド34に係合しない。
図20(A),(B)に示すように、スライドフレーム52の内部には、ギヤ55が収納されている。スライドフレーム52のX方向の外側の面には、X方向の回転軸56aを有するダンパ56が取り付けられている。ダンパ56は、ステイフレーム51の外側に配置されているが、ステイフレーム51に形成された長孔51bを介してスライドフレーム52に固定されている。
ギヤ55はダンパ56の回転軸56aを中心として回転可能である。ギヤ55は、ステイフレーム51のラック51aと噛み合っており、ステイ53の傾斜状態の変化に起因するスライドフレーム52の移動に連動してラック51aと噛み合って回転しながらY方向に移動可能である。
ダンパ56は、スライドフレーム52が-Y方向および+Y方向のいずれに移動する場合にも、ギヤ55の回転に負荷を与える。これによりスライドフレーム52の移動に負荷が与えられ、ステイ53の傾斜状態の急な変化が抑制される。これにより、トップカバーユニット20が急に開放し、あるいは急に閉鎖されることが抑制される。
スライドフレーム52は、ステイ53の回動軸53aと、ステイフレーム51の後端に設けられた止め具59との間に設けられバネ57により、+Y方向に付勢される。これにより、スライドフレーム52に連結されているステイ53の一端部が+Y方向に付勢される。すなわち、バネ57は、トップカバーユニット20が開放される動作をアシストする。ここでは、各ステイ機構50は、2個のバネ57を有するが、バネ57の数は任意である。
<トップカバーユニットとバスケットユニットとを連結するための構成>
次に、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結するための構成について説明する。図22は、トップカバーユニット20と、バスケットユニット3のサイドプレート31とを示す斜視図である。図22では、バスケットユニット3のうち、バスケット保持部材30のサイドプレート31以外は省略されている。
トップカバーユニット20の前端(-Y方向の端部)には、ガイド部材28が設けられている。ガイド部材28は、第1の操作レバー21および第2の操作レバー22のX方向両側にそれぞれ配置されている。ガイド部材28は、例えばトップカバーユニット20のフレーム部25(図10(B))に形成されている。一対のガイド部材28は、いずれも、Y方向に長いガイド溝28aを有する。
図23は、第2の操作レバー22の一部を拡大して示す斜視図である。第2の操作レバー22は、上記の通り、グリップ221からX方向に延在する連結用シャフト220を有する。連結用シャフト220は、例えば、グリップ221に形成された貫通孔224に挿通されている。
連結用シャフト220は、トップカバーユニット20の一対のガイド部材28の間で延在し、これら一対のガイド部材28のガイド溝28aに挿入されている。第2の操作レバー22をY方向に移動させると、連結用シャフト220がガイド溝28a内をY方向に移動する。
ガイド溝28aは、第2の操作レバー22のY方向の移動範囲を規定する。第2の操作レバー22が図15(A)に示した基準位置にあるときには、連結用シャフト220はガイド溝28aの+Y方向の端部に位置している。
図22に示すように、サイドプレート31は、連結用シャフト220の移動範囲の+Z側に、連結用シャフト220に当接する当接部311を有する。当接部311は、Y方向に延在する端面である。
図24(A),(B)は、連結用シャフト220と当接部311との当接状態を示す図である。当接部311の長さは、ガイド溝28aの長さよりも短い。ガイド溝28aは、当接部311よりも-Y方向に突出している。
図24(A)に示したように、連結用シャフト220が当接部311に当接する位置にある場合には、ユーザがトップカバーユニット20を開放すると、連結用シャフト220がバスケット保持部材30のサイドプレート31を+Z方向に付勢し、これによりトップカバーユニット20とバスケットユニット3とが共に開放される。
一方、図24(B)に示したように、第2の操作レバー22が-Y方向に引かれると、連結用シャフト220が当接部311に当接しない位置に移動する。この状態でユーザがトップカバーユニット20を開放すると、連結用シャフト220がサイドプレート31を+Z方向に付勢しないため、トップカバーユニット20が、バスケットユニット3との連結が解除された状態で開放される。
<トップカバーユニットとバスケットユニットとを筐体にロックするための構成>
次に、トップカバーユニット20およびバスケットユニット3を筐体11にロックするための構成について説明する。トップカバーユニット20は、上述した第1の操作レバー21によって筐体11にロックされる。
図25(A),(B)は、第1の操作レバー21によるロック動作を説明するための図である。第1の操作レバー21は、上記の通り、筐体11の前方壁111の開口部115に係合するロック部215を有する。また、第1の操作レバー21には、ロック部215を開口部115に入り込む方向に付勢するトーションバネ217が設けられている。
そのため、図25(A)に示すように、ユーザがトップカバーユニット20を開放しようとしても、ロック部215と前方壁111の開口部115との係合(より具体的には、ロック部215の係合部215aと開口部115の上端縁との係合)により、トップカバーユニット20を開放することはできない。すなわち、トップカバーユニット20が筐体11に対してロックされている。
一方、図25(B)に示すように、第1の操作レバー21を図中時計回りに回動させると、ロック部215が筐体11の前方壁111の開口部115から抜けるため、トップカバーユニット20を開放することができる。すなわち、トップカバーユニット20の筐体11に対するロックが解除される。
なお、バスケットユニット3は、トップカバーユニット20によって+Z方向への移動を規制されているため、トップカバーユニット20が筐体11に対してロックされているときには、バスケットユニット3も筐体11に対してロックされている。
<第1の操作レバーと第2の操作レバーとを連動させるための構成>
次に、第1の操作レバー21と第2の操作レバー22とを連動させるための構成について説明する。ここまで説明した構成において、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結した状態で開放する際には、第1の操作レバー21を操作して筐体11に対するロックを解除すればよい。
一方、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する際には、第2の操作レバー22を操作することにより、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結を解除すると共にシャッタ26により供給口202を閉鎖した上で、第1の操作レバー21を操作してロックを解除する必要があり、操作が複雑である。
そこで、この実施の形態では、第2の操作レバー22を操作すれば、第2の操作レバー22と連動して第1の操作レバー21が移動して、筐体11に対するロックを解除するように構成されている。
図26は、第2の操作レバー22の一部を拡大して示す斜視図である。第2の操作レバー22は、グリップ221から-X方向に突出する当接部225を有する。第2の操作レバー22の-X方向には、第1の操作レバー21(図11)が配置されている。第2の操作レバー22の当接部225は、第1の操作レバー21の当接面216(図11)に当接する。
図27(A),(B)は、第1の操作レバー21と第2の操作レバー22との連動状態を示す図である。図27(A)に示すように、第2の操作レバー22が基準位置にあるときには、第2の操作レバー22の当接部225は、第1の操作レバー21の当接面216に当接していない。この状態では、第1の操作レバー21のロック部215は、筐体11の開口部115(図25(A))に係合している。
一方、図27(B)に示すように、第2の操作レバー22が基準位置から-Y方向に引き出されると、第2の操作レバー22の当接部225が第1の操作レバー21の当接面216に当接し、これを-Y方向に付勢する。その結果、第1の操作レバー21が支軸213を中心として図中反時計回りに回動し、ロック部215が筐体11の開口部115(図25(A))から抜け出す。
このように構成されているため、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する場合には、第2の操作レバー22を-Y方向に引き出す(これにより供給口202を閉鎖する)ことにより、第1の操作レバー21がこれに連動し、トップカバーユニット20の筐体11に対するロックが解除される。
すなわち、ユーザは、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを共に開放する場合には、第1の操作レバー21を操作すればよく、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する場合には、第2の操作レバー22を操作すればよい。いずれの場合も一つの操作レバーを操作すればよいため、操作が簡単になる。
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置1による画像形成動作(印刷動作)について、図1を参照して説明する。画像形成装置1の制御装置は、上位装置から印刷コマンドと印刷データを受信すると、画像形成動作を開始する。
まず、ピックアップローラ82が給紙トレイ81内の媒体Pを繰り出し、フィードローラ83は繰り出された媒体Pを搬送路R1に送り出す。リタードローラ84は媒体Pに搬送抵抗を付与して重送を防止する。また、搬送ローラ85,86が回転し、搬送路R1に送り出された媒体Pを画像形成部10に搬送する。
転写ユニット70では、駆動ローラ73が回転して転写ベルト72を走行させる。転写ベルト72は、媒体Pを吸着保持して搬送する。媒体Pは、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yの順に通過する。
各プロセスユニット60では、各色のトナー像の形成が行われる。すなわち、感光体ドラム61が回転し、これに伴って、帯電ローラ62、現像ローラ64および供給ローラ65も回転する。帯電ローラ62は、感光体ドラム61の表面を一様に帯電させる。また、露光ヘッド63は、各色のイメージデータに基づいて感光体ドラム61の表面を露光し、静電潜像を形成する。
感光体ドラム61の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ64に付着したトナーによって現像され、感光体ドラム61の表面にトナー像が形成される。感光体ドラム61上のトナー像は、転写ローラ71に印加される転写電圧によって、転写ベルト72上の媒体Pに転写される。
このように、各プロセスユニット60K,60C,60M,60Yで形成された各色のトナー像が媒体Pに順次転写され、重ね合わされる。各色のトナー像が転写された媒体Pは、転写ベルト72によってさらに搬送され、定着装置75に到達する。
定着装置75では、定着ローラ76と加圧ローラ77との間で媒体Pに熱および圧力を加え、トナー像を媒体Pに定着する。
トナー像が定着した媒体Pは、排出ローラ91,92により排出搬送路R2に沿って搬送され、画像形成装置1の外部に排出される。排出された媒体Pは、スタッカ部24b上に積載される。これにより、媒体Pへの画像形成動作が完了する。
なお、両面印刷の場合には、表面にトナー像が定着した媒体Pが、切り替えガイド89、搬送ローラ94,95および切り替えガイド96によって退避路R3に一旦退避したのち、退避路R3から逆向きに送り出され、搬送ローラ97~99によって戻り搬送路R4を搬送される。戻り搬送路R4を搬送された媒体Pは、搬送路R1に到達し、搬送ローラ86によって画像形成部10に搬送される。その後、媒体Pの裏面へのトナー像の形成が行われる。
なお、いずれかのプロセスユニット60内のトナー残量が少なくなったことが残量検知センサ等によって検知された場合には、そのプロセスユニット60につながるダクト200内の搬送スパイラルが回転し、対応するトナーカートリッジ23から当該プロセスユニット60にトナーを補給する。
上述した画像形成動作では、第1の操作レバー21は、ロック部215が筐体11の前方壁111の開口部115に係合する位置(ロック位置)にある。また、第2の操作レバー22は、シャッタ26が供給口202を開放する基準位置にある。
図28は、第1の操作レバー21がロック位置にあり、第2の操作レバー22が基準位置にあるときのトップカバーユニット20およびサイドプレート31を示す側面図(A)、およびトップカバーユニット20を示す背面図(B)である。
図28(A)に示すように、連結用シャフト220はガイド溝28aの+Y方向の端部に位置している。第1の操作レバー21のロック部215は、筐体11の開口部115(図25(A))に係合している。また、図28(B)に示すように、第2の操作レバー22が基準位置にあるため、4つのシャッタ26が各供給口202を開放している。
プロセスユニット60の交換が必要になった場合には、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開放する必要がある(図3(A))。一方、媒体Pのジャムが発生した場合には、ジャムを生じた媒体Pを取り除くため、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結した状態で開放する必要がある(図3(B))。
いずれの場合も、ユーザは、まずフロントカバー12の操作レバー13(図2)を操作し、フロントカバー12を開放する。これにより、トップカバーユニット20の前面に配置された第1の操作レバー21および第2の操作レバー22が操作可能になる。
<トップカバーユニットおよびバスケットユニットの開放動作>
トップカバーユニット20とバスケットユニット3を共に(すなわち互いに連結した状態で)開放する場合には、ユーザは第1の操作レバー21を操作する。
ユーザが第1の操作レバー21を-Y方向に引くと、ロック部215が筐体11の開口部115(図25(A))から抜け、トップカバーユニット20の筐体11に対するロックが解除される。
第2の操作レバー22は基準位置にあるため、ユーザが第1の操作レバー21を把持してトップカバーユニット20を開放すると、連結用シャフト220がサイドプレート31の当接部311に当接してサイドプレート31を+Z方向に付勢するため、トップカバーユニット20と共にバスケットユニット3も開放される。
これにより、図3(B)に示すようにトップカバーユニット20とバスケットユニット3を共に開放することができ、筐体11内の媒体Pの搬送路を広く開放することができる。これにより、筐体11内からジャムを生じた媒体Pを取り除くことができる。
筐体11内から媒体Pを取り除いた後、トップカバーユニット20とバスケットユニット3を閉鎖する場合には、ユーザはトップカバーユニット20の例えば上面を-Z方向に押すことにより、トップカバーユニット20を閉鎖する。バスケットユニット3の+Z方向の位置はトップカバーユニット20によって規制されるため、トップカバーユニット20と共にバスケットユニット3も閉鎖される。
トップカバーユニット20が閉鎖される過程で、第1の操作レバー21のロック部215が筐体11の開口部115に到達すると、トーションバネ217の付勢力により、ロック部215が開口部115に係合する。これにより、トップカバーユニット20が筐体11に対してロックされる。なお、第2の操作レバー22は、上記の開閉動作を通じて、基準位置から移動していない。
<トップカバーユニットの連結解除状態での開放動作>
一方、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して(すなわち連結解除状態で)開放する場合には、ユーザは第2の操作レバー22を操作する。
図29は、第2の操作レバー22を、基準位置から、シャッタ26が供給口202を閉鎖する位置まで引き出したときのトップカバーユニット20およびサイドプレート31を示す側面図(A)、およびトップカバーユニット20を示す背面図(B)である。
図29(B)に示すように、第2の操作レバー22を基準位置から-Y方向に引き出すと、4つのシャッタ26が各供給口202を閉鎖する。そのため、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yへのトナー搬送路は遮断される。
また、図29(A)に示すように、連結用シャフト220は、ガイド溝28a内を-Y方向に移動し、サイドプレート31の当接部311よりも-Y方向に突出する。そのため、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結は、解除される。但し、第1の操作レバー21のロック部215は、まだ筐体11の開口部115(図25(A))に係合しており、引き続き、トップカバーユニット20は筐体11に対してロックされている。
図30は、第2の操作レバー22をさらに-Y方向に引き出したときのトップカバーユニット20およびサイドプレート31を示す側面図(A)、およびトップカバーユニット20を示す背面図(B)である。
図30(B)に示すように、第2の操作レバー22をさらに-Y方向に引き出すと、4つのシャッタ26がさらに-X方向に移動するが、引き続き、各供給口202を閉鎖している。
また、図30(A)に示すように、第2の操作レバー22の当接部225(図17(B))は、第1の操作レバー21に当接してこれを付勢し、第1の操作レバー21のロック部215が筐体11の開口部115(図25(A))から抜ける。すなわち、トップカバーユニット20の筐体11に対するロックが解除される。
ユーザが第2の操作レバー22を把持したままトップカバーユニット20を開放すると、連結用シャフト220はサイドプレート31の当接部311に当接しない位置にあるため、トップカバーユニット20はバスケットユニット3との連結が解除された状態で開放される。なお、上記のステイ機構50の作用により、バスケットユニット3は、トップカバーユニット20の回動角度よりも小さい角度で回動する。
これにより、図3(A)に示すようにトップカバーユニット20を開放することができ、この状態で、バスケットユニット3内のプロセスユニット60を交換することができる。必要に応じて、バスケット40をバスケット保持部材30から-Y方向に引き出してもよい(図19)。
プロセスユニット60を交換した後、トップカバーユニット20を閉鎖する場合には、ユーザはトップカバーユニット20の例えば上面を-Z方向に押すことにより、トップカバーユニット20を閉鎖する。
トップカバーユニット20を閉鎖した状態で、ユーザは、第2の操作レバー22を-Y方向に押し込む。これにより、第2の操作レバー22と連動して4つのシャッタ26が+X方向に移動し、各供給口202を開放する。
また、第2の操作レバー22が-Y方向に移動すると、トーションバネ217の付勢力により第1の操作レバー21が第2の操作レバー22に追従し、第1の操作レバー21のロック部215が筐体11の開口部115に係合する。これにより、トップカバーユニット20が筐体11に対してロックされる。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1は、筐体11と、筐体11に対して開閉可能なトップカバーユニット20(カバーユニット)と、筐体11に開閉可能なバスケットユニット3(開閉ユニット)と、筐体11に対してトップカバーユニット20を開放するための第1の操作レバー21(第1の操作部)と、第1の操作レバー21を連動させる第2の操作レバー22(第2の操作部)とを有する。第1の操作レバー21が操作されると、筐体11に対してトップカバーユニット20およびバスケットユニット3が共に(すなわち互いに連結された状態で)開放される。第2の操作レバー22が操作されると、トップカバーユニット20がバスケットユニット3との連結が解除された状態で開放される。そのため、ユーザは、作業内容に応じて第1の操作レバー21または第2の操作レバー22の何れか一方だけを操作すればよい。従って、保守作業が簡単になる。
また、第2の操作レバー22が第1の操作レバー21に当接することにより、第1の操作レバー21と第2の操作レバー22とが連動するため、簡単な構成でこれらの操作レバー21,22の連動を実現することができる。
また、第1の操作レバー21は、トップカバーユニット20を筐体11に対してロックするロック部215を有するため、第1の操作レバー21の操作(第2の操作レバー22との連動も含む)により、トップカバーユニット20の筐体11に対するロック状態を切り替えることができる。
また、第2の操作レバー22は、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを連結させる連結用シャフト220(連結部)を有するため、連結用シャフト220の移動により、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結状態を切り替えることができる。
また、第2の操作レバー22が操作されると、連結用シャフト220によるトップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結が解除され、第2の操作レバー22がさらに操作されると、ロック部215によるトップカバーユニット20の筐体11に対するロックが解除される。そのため、トップカバーユニット20とバスケットユニット3との連結を確実に解除してから、トップカバーユニット20を開放することができる。
また、第1の操作レバー21および第2の操作レバー22は、いずれもトップカバーユニット20に取り付けられており、連結用シャフト220はバスケットユニット3の当接部311に当接するため、連結用シャフト220と当接部311との当接を利用して、トップカバーユニット20とバスケットユニット3を連結させることができる。
また、トップカバーユニット20は、現像剤をバスケットユニット3に供給する供給口202と、供給口202を開閉するシャッタ26とを有し、第2の操作レバー22は、シャッタ26を移動させて供給口202を開閉させるため、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除した状態で開閉する場合に、トナー搬送路を遮断してトナー漏れを防止することができる。
また、トナーカートリッジ23(現像剤収容体)はトップカバーユニット20の前面(第1の面)で着脱可能であり、第1の操作レバー21および第2の操作レバー22はトップカバーユニット20の前面に配置されているため、操作レバー21,22の操作とトナーカートリッジ23の着脱をトナーカートリッジ23の同じ面で行うことができ、利便性が向上する。
また、トップカバーユニット20の前面(第1の面)を覆うように、開閉可能なフロントカバー12(カバー部材)が設けられているため、操作レバー21,22を操作しないときにはフロントカバー12で覆っておき、誤操作を防止することができる。
トップカバーユニット20およびバスケットユニット3は、互いに平行な回動軸(より具体的には、同一の回動軸C2)を中心として開閉可能であるため、トップカバーユニット20とバスケットユニット3とを共に開閉する動作を容易に実現することができる。
上記の実施の形態では、トップカバーユニット20およびバスケットユニット3を開閉する構成について説明した。しかしながら、トップカバーユニット20およびバスケットユニット3に限らず、筐体11に対して開閉可能な2つのユニットを開閉する構成であればよい。
また、バスケットユニット3は、バスケット保持部材30とバスケット40とを有するものでなくてもよい。
また、上記の実施の形態では、トップカバーユニット20をバスケットユニット3との連結を解除して開閉する際には、ステイ機構50の作用により、バスケットユニット3がトップカバーユニット20の回動角度よりも小さい回動角度で回動したが、バスケットユニット3は回動しなくてもよい。
また、上記の画像形成装置1では、トナーカートリッジ23とプロセスユニット60とがダクト200で接続されていたが、各プロセスユニット60にトナーカートリッジ23を直接取り付けてもよい。
また、上記の画像形成装置1では、プロセスユニット60K,60C,60M,60Yの配列方向とトナーカートリッジ23K,23C,23M,23Yの配列方向とが直交していたが、配列方向が互いに平行であってもよい。
また、上記の画像形成装置1は、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのトナー像を形成するプロセスユニット60K,60C,60M,60Yを有していたが、トナー像の色は任意であり、また、単色のトナー像を形成してもよい。
また、本発明は、電子写真方式を利用して媒体に画像を形成する画像形成装置(例えば複写機、ファクシミリ、プリンタ、複合機等)に利用することができる。