JP7336299B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特にジャム処理時に開閉するドアのロック機構に関するものである。
ここで、画像形成装置とは、電子写真方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
電子写真プロセスを用いたプリンタ等の画像形成装置は、像担持体である電子写真感光体を一様に帯電させ、電子写真感光体への選択的な露光によって潜像を形成する。そして潜像は現像剤(トナー)で現像され、トナー像(現像剤像)として顕在化される。そしてトナー像を記録媒体に転写する。カラーの画像形成装置においては、像担持体から記録媒体へ直接トナー像を転写する方式と、一度中間転写体にトナー像を転写し、その後中間転写体から記録媒体へトナー像を二次転写する方式がある。後者においては中間転写体として中間転写ベルトを用いることが多く、中間転写ベルトに対し二次転写ローラを強く付勢することでニップを形成し、そのニップに記録媒体を通すことでトナー像を中間転写ベルトから記録媒体へと転写する。その後、転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録媒体に定着させて画像を記録している。
このような構成ではジャム処理を容易とする目的等で二次転写ローラ及びその周囲の部品を二次転写ユニットとしてユニット化し、本体に対し回転中心で回動させられることにより搬送路を露出可能な構成とすることがある(特許文献1)。その場合、二次転写ユニットには、中間転写ベルトに対する付勢力の反力が掛かるため、その力に抗して二次転写ユニットを本体にロックする機構が必要となる。このロック機構(係合部)は反力を分散させるため複数備えた構成とした方がよい。一方で二次転写ユニットを閉じる際には二次転写ローラ等から加わる反力によって複数あるロック機構のうちいずれかが正常にロックされないことがあり、誤動作や故障の原因となり得る。そのため、ロック機構の中央付近を押圧する構成をとり、ロックが正常にされるようにした構成が知られている。
特開2015-163960号公報
本発明は、上記文献をさらに発展させたものである。記録材を搬送するユニットを装置本体のローラ等の付勢力に抗して装置本体にロックする構成では、ロック動作が不安定となることがあった。そこで記録材を搬送するユニットを装置本体に対してロックするロック機構の係合・解除動作を安定して行える画像形成装置を提供することを目的としている。
そこで本発明に係る画像形成装置は、画画像形成部を備えた装置本体と、前記装置本体に対して第1回転軸の周りに回動可能に設けられ、画像が形成される記録材が搬送される搬送路を形成する第1閉鎖位置と、前記搬送路を開放する第1開放位置と、を取りうる開閉ユニットと、を備える画像形成装置であって、前記開閉ユニットは、前記第1回転軸の方向において一端側に設けられ、前記装置本体の第1被係合部と係合可能な第1係合部と、前記第1回転軸の方向において他端側に設けられ、前記装置本体の第2被係合部と係合可能な第2係合部と、前記第1回転軸と異なる第2回転軸の周りに回転可能であり、前記第1係合部と前記第2係合部とを一体とし、連動して回動可能とする連動軸と、前記連動軸を回動可能とする把持部と、を有し、前記第1係合部が前記第1被係合部に、また前記第2係合部が前記第2被係合部に係合することで前記第1閉鎖位置に前記開閉ユニットを位置させ、前記把持部は、前記連動軸との間に隙間を生じるように前記連動軸に取り付けられることで、前記連動軸に対して直交する方向に移動可能であり、前記第2回転軸の周りに前記把持部が回転させられることにより、前記把持部は前記連動軸を介して前記第1係合部と前記第2係合部を回転させ、それぞれ前記第1被係合部、前記第2被係合部との係合が解除され、前記開閉ユニットが前記第1閉鎖位置から前記第1開放位置に移動可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、記録材を搬送するユニットを装置本体に対してロックするロック機構の係合・解除動作を安定して行える画像形成装置を提供することができる。
片面/両面印字時の定着ユニットを示す断面概略図 二次転写ユニットの構成を示す断面図 二次転写ロック機構を示す斜視図 ハンドルの構成を示す断面図 二次転写ロック機構の一端側・他端側の状態を示す図 両面ユニットの構成を示す断面図 両面ユニット及び二次転写ユニットの連動動作を示す図(閉状態) 両面ユニット及び二次転写ユニットの連動動作を示す図(ロック解除状態) 両面ユニット及び二次転写ユニットの連動動作を示す図(ハンドル付勢時) 両面ユニット及び二次転写ユニットの連動動作を示す図(レール部摺動時) ハンドルとフック部の位置ずれを示した図 ハンドルとフック部の位置ずれを示した図 画像形成装置の概略断面図
《画像形成装置例の全体的な概略構成》
図13は、本発明の実施例1に係る画像形成装置100の断面図である。画像形成装置100は、複数のプロセスカートリッジ(カートリッジ)として第1から第4の4つのカートリッジP(PY、PM、PC、PK)を有する。電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザープリンタ(画像形成装置)である。なお、本実施例では画像形成装置として、4個のカートリッジが着脱可能な電子写真方式を用いたフルカラーの画像形成装置を例示している。しかしながら、画像形成装置に装着するカートリッジの個数はこれに限定されるものではなく、例えば1個のカートリッジを用いたモノクロの画像を形成する画像形成装置とするなど、必要に応じて適宜変更可能である。
また、以下説明する実施形態によれば、画像形成装置の一態様としてプリンタを例示しているが、これに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置にも適用することができる。
以下の説明において、画像形成装置100に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア(本体ドア)31を設けた側である。後側(背面側)とはそれとは反対側である。前後方向とは、画像形成装置100の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置100を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。上と下とは重力方向において上と下である。上方向とは下から上に向かう方向、下方向とは上から下に向かう方向である。
また、長手方向とは潜像が形成される像担持体である電子写真感光体の回転軸線方向に並行な方向である。短手方向とは長手方向に直交する方向(直交方向)である。また、長手方向の一端側が駆動側、他端側が非駆動側である。本実施例においては、長手方向の右端側が駆動側、左端側が非駆動側である。
<画像形成装置の全体構成>
画像形成装置100の装置本体100Aの内部にはカートリッジ収容部100Bが設けられている。第1から第4の4つのカートリッジPY、PM、PC、PKは、このカートリッジ収容部100Bにおいて装置本体100Aの後側から前側にかけて並べられ、所定の装着位置に所定に装着されている(インライン構成、タンデム型)。各カートリッジPは、押圧ユニット42により押圧され、カートリッジ収容部100Bにおける装置本体100Aの所定の位置決め部に固定された状態とし、所定の装着位置に保持される。各カートリッジPは、所定の装着位置に装着されることにより、カートリッジPの駆動入力部に対して装置本体100A側の駆動出力部が結合する(非図示)。これにより本体の駆動源より所定の駆動力がカートリッジPに伝達可能な構成とされている。また、各カートリッジPは、所定の装着位置に装着されることにより、カートリッジPの電気接点に対して装置本体100A側から給電系統が導通し画像形成に必要なバイアスを適宜供給可能な構成とされている。ここでカートリッジPの装着位置とは、カートリッジ収容部100BにおいてカートリッジPが画像形成動作可能な位置である。
カートリッジPは、記録媒体Sに画像を形成する画像形成部を構成するものであり、画像形成装置100の装置本体100Aから取り外し可能に装着されている。各カートリッジPは、潜像が形成される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)1を有する。本実施例では各カートリッジPは、ドラム1に加え、ドラム1に作用する画像形成プロセス手段としての、帯電手段2、現像手段3と、クリーニング手段4を有する、所謂一体型のプロセスカートリッジとしている。第1のカートリッジPYはイエロー(Y)色、第2のカートリッジPMはマゼンタ(M)色、第3のカートリッジPCはシアン(C)色、そして第4のカートリッジPKはブラック(K)色のトナーをそれぞれ収容している。
カートリッジPY、PM、PC、PKの上方部には、各カートリッジPのドラム1に露光して潜像を形成するための露光手段の一例であるレーザースキャナユニット11が設けられている。このスキャナユニット11は、各色の画像情報に対応して変調されたレーザー光Lを出力し、各カートリッジPのドラム1面を走査露光する。
カートリッジPY、PM、PC、PKの下方部には、各カートリッジPのドラム1に対向してトナー像が一次転写され、そのトナー像を記録媒体Sに二次転写する転写ユニット(転写部材)としての中間転写ユニット12が設けられている。中間転写ユニット12は、例えば装置本体100Aの板金等からなる枠体に対して突き当たるように配設し、装置本体100Aに対して高精度に位置決めされている。
中間転写ユニット12は、中間転写体としての無端状のベルト13と、ベルト13を循環移動させる駆動ローラ14、ターンローラ15、テンションローラ16と、ベルトクリーニング部12aと、を有する。駆動ローラ14とターンローラ15は、装置本体100A内の後側に設けられている。テンションローラ16は、装置本体100A内の前側に設けられている。エンドレスベルト13は、本実施例では誘電体からなり、可撓性を有するエンドレスベルトが用いられ、駆動ローラ14、ターンローラ15、テンションローラ16にかけ渡されている。ベルトクリーニング部12aは、エンドレスベルト13を介して駆動ローラ14へ向かって付勢されるようにして、後述する二次転写ニップのエンドレスベルト13の搬送方向下流に配置される。
各カートリッジPは、それぞれ所定の装着位置に所定に装着されている状態において、それぞれのドラム1の下面が、ベルト13の上方側ベルト部分の上面に接している。ベルト13の内側には、上方側ベルト部分を介して各カートリッジPのドラム1にそれぞれ対向させて4個の一次転写ローラ17が設けられている。各カートリッジPにおいてドラム1とベルト13とのニップ部がそれぞれ一次転写ニップ部である。
中間転写ユニット12の駆動ローラ14には、ベルト13を介して二次転写ローラ22が当接している。二次転写ローラ22とベルト13とのニップ部が二次転写ニップ部である。
中間転写ユニット12の下方部には、トナー像が転写されるシート状の記録媒体(シート材)Sをストックし、中間転写ユニット12に対して一枚ずつ記録媒体Sを搬送する給紙ユニット18が設けられている。この給紙ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納した給紙トレイ19、給紙ローラ20、分離ローラ対21、レジストローラ対20a等を有する。給紙トレイ19は、装置本体100Aの前側から出し入れ自由とされている(フロントローディング)。
装置本体100A内の後側の上部には、トナー像が転写された記録媒体Sに熱と圧をかけて定着させ排紙させる定着ユニット(定着手段)である定着装置23と排紙ローラ対24と反転ローラ対73が設けられている。定着装置23は定着フィルムアセンブリ23aと加圧ローラ23bを有するものを用いており、両者によって定着ニップNが形成される。定着ニップNに対して二次転写ニップと反対側には、片面通紙搬送路と両面通紙搬送路を切り替えるための反転フラッパ75が回動自在に配置される。反転フラッパ75は非図示の駆動機構により、片面印字位置と両面印字位置を移動することができ、記録媒体Sを片面印字搬送路と両面印字搬送路それぞれに導くことができる。片面印字搬送路は、排紙ローラ対24に向かって延びるように設けられる。排紙ローラ対24は、排紙ローラ24aと排紙コロ24bである。排紙ローラ対24に対して片面印字搬送路と反対側には、装置本体100Aの上面に設けられた排紙トレイ25が設けられる。
両面印字搬送路は、反転ローラ対73に向かって延びるように設けられる。反転ローラ対は、反転ローラ73a及び反転コロ73bからなる。片面印字の際は、排紙ローラ対24が記録媒体Sを排紙トレイ25に排出する。両面印字の際は、反転ローラ対73が記録媒体Sを排紙トレイ25方向に搬送したのち、反転ローラ対73の回転方向を反転させ記録媒体Sを両面ユニット70へと搬送する。
二次転写ユニット80のさらに本体後方側には両面ユニット70が配置される。両面ユニットは記録媒体Sの搬送方向上流側より順に両面ローラ対72及び再給紙ローラ対74を備える。両面ローラ対72は両面ローラ72a及び両面コロ72bからなる。また再給紙ローラ対74は再給紙ローラ74a及び再給紙コロ74bからなる。両面ローラ対72は、反転ローラ対73から送られてきた記録媒体Sを挟持し、再給紙ローラ対74へと搬送可能に構成されている。また再給紙ローラ対74は、両面ローラ対72から送られてきた記録媒体Sを挟持し、レジストローラ対20aへと搬送可能に構成されている。
《画像形成動作》
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1~第4の各カートリッジPY、PM、PC、PKのドラム1が図13において矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト13も矢印の方向(ドラム1の回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。またスキャナユニット11も別途制御され駆動される。
この駆動に同期して、各カートリッジPにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電手段2がドラム1の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。スキャナユニット11は各ドラム1の表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された潜像は収容された現像剤(トナー)で現像手段3によりトナー像として現像される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム1にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色トナー像が形成される。そのトナー像がカートリッジPYの一次転写ニップ部T1においてベルト13上に一次転写される。
第2のカートリッジPMのドラム1にはフルカラー画像のM色成分に対応するM色トナー像が形成される。そのトナー像がカートリッジPMの一次転写ニップ部T1においてベルト13上にすでに転写されているY色トナー像に重畳されて一次転写される。
第3のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のC色成分に対応するC色トナー像が形成される。そのトナー像がカートリッジPMの一次転写ニップ部T1においてベルト13上にすでに転写されているY色+M色トナー像に重畳されて一次転写される。
第4のカートリッジPKのドラム1にはフルカラー画像のK色成分に対応するK色トナー像が形成される。そのトナー像がカートリッジPMの一次転写ニップ部T1においてベルト13上にすでに転写されているY色+M色+C色トナー像に重畳されて一次転写される。
かくして、ベルト13上に順次転写されたY色+M色+C色+K色の4色重畳の未定着トナー像が形成される。各カートリッジPにおいて、ベルト13に対するトナー像の一次転写後のドラム1面に残留した転写残トナーはクリーニング手段4により除去される。
一方、所定の制御タイミングで非図示の給紙モータが駆動され、その駆動力によって給紙ローラ20と分離ローラ対21が給紙トレイ19に積載されている記録媒体Sを1枚、分離給送してレジストローラ対20aに送る。これにより、レジストローラ対20aにより所定の制御タイミングで二次転写ニップ部に導入される。二次転写ニップではエンドレスベルト13上のトナー像を記録媒体Sへと転写させるための二次転写バイアスが非図示の電源ユニットから供給される。記録媒体Sは、エンドレスベルト13と二次転写ローラ22に挟持されベルトの搬送速度にならって搬送される。これにより、記録媒体Sが二次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程でエンドレスベルト13上の4色重畳のトナー像が記録媒体Sの面に順次に一括転写される。
一方、トナー像転写後のエンドレスベルト13上には記録媒体Sに転写されなかった残トナーが残留する。クリーニング部12aはエンドレスベルト13に摺動しこの残トナーをベルト上から除去して回収する。これにより残トナーが次の記録媒体に転写されることを防ぐ。
記録媒体Sはベルト13の面から分離されて搬送路を通って定着装置23へ導入され、定着ニップ部Nで加熱、加圧される。これにより、各色トナー像の混色及び記録媒体Sへの定着がなされる。
本構成において画像形成装置は両面印字可能である。以下に片面印字の場合と両面印字の場合それぞれの動作について説明する。
片面印字の場合(図1(a))、記録媒体Sは、定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排紙ローラ対24で排紙トレイ25上に排出される。
両面印字の場合(図1(b))、記録媒体Sは、定着装置23を出た後、反転フラッパ75が不図示の駆動機構により回動し、反転ローラ対73へ搬送される。この時反転ローラ対73は記録媒体Sを排紙トレイ25へ搬送する方向に回転しており、記録媒体Sを排紙トレイ25の方向へ挟持搬送する。記録媒体Sの後端が定着ニップNを抜け反転フラッパを通過した後、反転ローラ対73は回転方向を反転させ、記録媒体Sを両面ユニットに向けて搬送する。その後記録媒体Sは順次両面ローラ対72、再給紙ローラ対74に挟持搬送され、レジストローラ対20aへと搬送される。レジストローラ対20aに挟持された記録媒体Sは、エンドレスベルト13上のトナー像に合わせて所定のタイミングで二次転写ニップ部へと再度導入される。以降、片面印字の場合と同様に記録媒体Sにはエンドレスベルト13上のトナー像が転写され、定着ニップから排紙ローラ対24へと順次搬送され、排紙ローラ対24によって排紙トレイ25に両面印字されたフルカラー画像形成物として排紙される。
《本構成の特徴的な構成の詳細な説明》
《二次転写ユニットの詳細》
以下に二次転写ユニット(開閉ユニット)の装置本体への位置決め構成について詳細に記述する。
図2は、二次転写ユニット80の周囲の構成を示す図である。図2(a)は、装置本体内に二次転写ユニット80が位置決めされた状態を示した図である。図2(b)は、ハンドル83を回動させロック係合部84aを本体側被係合部100pから係合解除した状態を示した図である。図2(c)は、二次転写ユニット80を開状態から閉状態にする過程でロック係合部84aが本体側被係合部100pに当接した状態を示した図である。
二次転写ユニット80は、二次転写ユニット軸80cで装置本体100Aに対して回動可能に保持される。本実施例では、二次転写ユニット軸80cは、板金からなる二次転写フレーム80aに加締められた金属軸であり、装置本体100Aに設けられた非図示の穴部に挿入され、回動可能とされた構成としている。二次転写フレーム80aは、二次転写フレーム80aに固定された二次転写搬送ガイド80bと、二次転写ローラ22と、二次転写ローラ22の軸を回動自在に保持する軸受81と、左右一対の軸受81をそれぞれ付勢する二次転写バネ82と、を備える。二次転写搬送ガイド80bは、二次転写ニップを通過する前、通過する後の少なくとも一方で記録媒体Sを案内するように設けられている。また二次転写バネ82は、剛性のある二次転写フレーム80aと軸受81との間に設けられ、二次転写バネ82の伸縮方向に移動可能な軸受81を付勢するように設けられている。これにより二次転写ローラ22は、ベルト13を介して駆動ローラ14(中間転写ユニット12)との間に二次転写ニップ部を形成するように設けられている。
また二次転写ユニット80には、二次転写ロック機構84が設けられている。二次転写ロック機構84は、二次転写ユニット80に対し回動可能とされたロック係合部84a(第1係合部、第2係合部)を有する。ロック係合部84aは、装置本体100Aに設けられた本体側被係合部100p(第1被係合部、第2被係合部)に係合することで装置本体100Aに対して二次転写ユニット80の回動が規制される。つまり、二次転写ユニット80は、画像が形成される記録材が搬送される、二次転写ニップ部を含む搬送路を形成する閉鎖位置(第1閉鎖位置)と、この搬送路を開放する開放位置(第1開放位置)と、を取りうるように構成されている。
前述のとおり、二次転写ローラ22は駆動ローラ14と二次転写ニップを形成するため、二次転写ユニット80は中間転写ユニット12に対し精度よく位置決めすることが望ましい。一方で中間転写ユニット12が装置本体100Aに対して、ひいては駆動ローラ14が装置本体100Aに対して位置決めされている。このため、二次転写ユニット80を装置本体100Aに対し精度よく位置決めすることで中間転写ユニット12との位置ずれを抑えることができる。
以下、二次転写ロック機構84の詳細について説明する。図3は、二次転写ロック機構84の斜視図である。二次転写ロック機構84は、装置本体100Aに設けられた被係合部100pと係合するロック係合部84aと、ロック係合部84aをそれぞれ一端・他端に有するロック軸84b(連動軸)と、を備える。
ロック係合部84aは、二次転写ユニット軸80cの軸線方向(回動軸線方向)において、一端・他端に1つずつ設けられ、ロック軸84bによって連結され、一体で連動して動くように構成されている。ロック軸84bは、その軸線方向を回転軸として回転可能に二次転写ユニット80に保持され、ロック軸84bとロック係合部84aは、ロック軸84bの軸線方向と直交するいずれの方向においても位置決めされている。ロック軸84bは、回転モーメントを与えられるようにロック付勢部材85が接続されている。このようにして、ロック付勢部材85の付勢力によってロック係合部84aが装置本体100Aに設けられた被係合部100pと係合させられている。つまり言い換えると、ロック係合部84aが被係合部100pに係合できる位置にあった場合、回転モーメントにより係合し、また係合している状態を保持することができるように構成されている。一方で、ロック係合部84aが被係合部100pとの係合を解除可能とするため、二次転写ユニット80にはロック軸84bの回転軸と同軸で回動するように固定されたハンドル83(把持部)が設けられている。これによりハンドル83は、ロック付勢部材85の付勢力に抗してロック軸84bを回転可能としている。
なおロック軸84bは、例えば剛性が高い金属製のパイプが用いられる。このためロック軸84bは、二次転写バネ82からの反力によって変形することなくロック係合部84aが被係合部100pと確実に係合し、二次転写ユニット80が装置本体100Aに対してロックされるようにしている。加えてロック軸84bは、ねじれ剛性が高いため、左右のロック係合部84aのうち、一方側が動くと、より遅延を生じさせることなく、他方側も連動して動く。
以下に装置本体100Aに対して二次転写ユニット80を閉鎖位置から解放位置に遷移させる場合について説明する。
ハンドルの断面図を図4(a)~(c)に示す。ハンドル83は、ロック軸84bとの間に隙間Cを有する軸受部830と、軸受部830の一部からロック軸84bの軸線方向の一端へ突出した当接部831と、を有する。ハンドル83は、二次転写搬送ガイド80bに対しても隙間Cをもって配置され、ロック軸84bに対し軸受部830が摺動するようにして、二次転写搬送ガイド80bと干渉することなく一定の範囲において回動することができるようにされている。
ハンドル83は、図4(b)の矢印方向に回動させることでロック軸84bから突出するように設けられたロック軸突起部84bpと係合し、ロック軸84bをハンドル83の回動方向に回転させることができる。ひいてはロック軸84bは、ロック係合部84aと一体で動作するため、ロック係合部84aも同じ方向に回動する。つまり、ハンドル83を回転させることでロック係合部84aの被係合部100pとの係合が解除される(図2(b))。このように、ユーザはハンドル83を操作することで装置本体100Aに対する二次転写ユニット80のロックを解除することができ、そのままハンドル83を把持し二次転写ユニット80を回動させることで閉鎖位置から開放位置に遷移させることができる。
次に二次転写ユニット80を開放位置から閉鎖位置に遷移させる場合について説明する。
開放位置の二次転写ユニット80は、ロック係合部84aはロック軸84bと一体に回動するため、ロック付勢部材85の付勢力によってロック係合部84aは所定の位置に位置させられている。具体的には、二次転写搬送ガイド80bにハンドル83が突き当たること(図4(a))により、ハンドル83の移動が規制されている。この結果、ロック付勢部材85の付勢力によるロック軸84bの回動は所定範囲内の角度とされ、開き状態における二次転写ユニット80のロック係合部84aは所定の位置に位置させられている。
開き状態の二次転写ユニット80を閉めていくと、やがてロック係合部84aの先端は被係合部100pに当接する。その状態が図2(c)である。さらに二次転写ユニット80を閉めていくと、ロック係合部84aは先端の斜面を被係合部100pに摺動させながら、ロック付勢部材85の弾性力に抗して回動していく。やがてロック係合部84aが所定の位置に来たとき、ロック付勢部材85の弾性力によって被係合部100pに係合する。このようにロック係合部84a及びロック軸84bが回動していく際、ロック軸84bから突出したロック軸突起部84bpは、ハンドル83に設けられた当接部831と係合することなく、離れていく(図4(c))。そのため、ロック係合部84a、ひいてはロック軸84bの回動動作は、ハンドル83と連動せず、また動作に影響を及ぼさない。よって、ユーザが仮に二次転写ユニット80を閉じる際にハンドル83を押して閉じた場合であっても、一連のロック動作には影響しない。
なお、上述したロック解除機構であるハンドル83は、その回動中心をロック軸84bと同軸として近傍に配置することで、別々の回動中心を持たせる必要がなく、またそれらを連動させる機構を設ける必要がなくなる。このため、ハンドルとロック軸を配置する上でスペース効率がよい。
以下に、本構成のロック機構による片締り防止機能について説明する。
本実施例においては、ユニットの係合部(ロック係合部84a)が左右に一つずつある。従来、このように離れた位置に複数の係合部がある構成では、ユーザがユニットの端部を押した場合のユニットの変形や位置公差の影響などにより、いずれかのロックが係合していない状態が発生することがあった。このような現象が起こると、ユニットが本体に正しく位置決めされている状態と見分けがつかず、そのまま印字動作を行ってしまうことで、紙詰まりなどの誤動作や故障の原因となる可能性がある。しかし本実施例の構成においては、左右のロック係合部84aがロック軸84bによって左右連動することによって「ユニットの係合部が複数あるときその一部が正しくロックされない現象(以後、片締りと表現する)」の発生を防ぐことができる。その原理を以下に説明する。
二次転写ユニット80の中央付近を押し、二次転写ユニット80を装置本体100Aに対してまっすぐ進入させ、ロック係合部84を左右同時にロックし二次転写ユニット80を装置本体100Aに位置決めすることができる。この場合、図5(a)に示すように一端側のロック係合部84aが被係合部100pと係合可能な位置まで来たとき、他端側のロック係合部84aも同様に被係合部100pと係合可能な位置にし、左右のロック係合部84aが矢印の方向に回転する。この結果、二次転写ユニット80が装置本体100Aにロックされる。
一方で、二次転写ユニット80の左右端部付近を押すなどの動作により、二次転写ユニット80が装置本体100Aに対し斜めに進入した場合がある。この場合、図5(b)のように一端側のロック係合部84aが被係合部100pと係合可能な位置まで来たとき、他端のロック係合部84aが被係合部100pと係合可能な位置に到達しないことがあった。このような状況では、本実施形態では他端側のロック係合部84aが被係合部100pと係合可能な位置にない場合、他端のロック係合部84aが回動できず、ひいてはロック軸84bで連結された一端のロック係合部84aも回動できない。このため、二次転写ユニット80が装置本体100Aにロックされない。すなわち、両方のロック係合部84aが同時に被係合部100pに対し係合可能な位置にない限り、ロック係合部84aと被係合部100pは係合しないため、片締りが発生しない。二次転写ユニット80が装置本体100Aにロックされなかった場合、二次転写ユニット80は中間転写ユニット12への付勢力の反力や自重により開放位置へと戻るため、ユーザはロックがかからなかったことを認識できる。そのため、誤動作を起こすことを防止することができる。
《両面ユニットの詳細》
以下に両面ユニット70(開閉部材)の詳細を説明する。図6(a)~(c)は両面ユニットの断面図である。
両面ユニット70は、装置本体100Aに設けられた穴100qに係合する両面ユニット軸76を中心として回動可能とされている両面ドア71を備える。穴100qは、両面ユニット軸76に対して前後方向にガタなく嵌合し、上下方向にグリアランスをもつ長丸穴である。両面ユニット70、つまり両面ドア71は、穴100qに挿入された両面ユニット軸76で、前後方向に位置決めされ上下方向に自由度をもって仮保持される。また両面ユニット70は、両面ロック部70aと、両面係合軸70bと、を有する。
両面ロック部70aは、両面ドア71に回動可能に取り付けられ、閉じ方向に非図示のバネで付勢され、先端にフック形状をもつ。フック形状は、装置本体100A内に設けられた被係合部100rに掛かり、位置決めされ、両面ドア71が装置本体100Aに対して、両面搬送路を形成する閉鎖位置(第2閉鎖位置)でロックされる。この時、両面ユニット70、つまり両面ドア71は、二次転写ユニット80が露出する装置本体100Aの開口部を覆う位置に位置する。本実施例においては、両面ロック部70aは、両面ドア71に取り付けられる両面ハンドル70cと一体に構成されている。ユーザは、両面ユニット70が装置本体100Aの閉鎖位置にロックされているとき、両面ハンドル70cを把持し、両面ロック部70aを回動させる。これにより、ロックを解除し、両面搬送路を開放する開放位置(第2開放位置)に両面ユニット70を移動可能とすることができる(図6(b))。両面ユニット70、つまり両面ドア71は、開放位置に位置するとき、装置本体100Aの開口部を開放した位置に位置し、二次転写ユニット80は開口部から露出する。また開放位置から両面ユニット70を閉じる際は、両面ドア71を押して回動させていき(図6(c))、被係合部100rの先端に設けられた斜面に、両面ロック部70aの先端に設けられた斜面が接触し、摺動するようする。このようにして、両面ロック部70aを回動させるように移動させ、両面ロック部70aのフック形状と被係合部100rのフック形状が係合する所定の位置に到達させることで、両面ドア71を装置本体100Aに対して閉じ状態とすることができる。
両面係合軸70bは、両面ユニット軸76と並行に延びる軸であって、装置本体100Aの定着ユニットに設けられた両面被係合部23pに対して係合する。両面被係合部23pは、両面係合軸70bに対し本体上下方向に嵌合する溝形状であり、両面ユニット70の上下方向が定着ユニット23に対し位置決めされる。このように、両面ユニット70の上部は定着装置23に対して位置決めされるので、定着装置23から送られてきた記録媒体Sを精度よく受け入れて搬送することができる。
《ジャム処理時のドア開閉連動動作》
画像形成動作中に記録媒体Sのジャムが発生したとき、その記録媒体を本体内から取り出すため、ユーザは前述の両面ユニット70を開くことで本体内部の両面印字搬送路にアクセスして記録媒体Sを取り除くことができる。また、両面ユニット70が開いた状態からさらに二次転写ユニット80を開くことでレジストローラ部から二次転写部、二次転写部から定着部にわたる搬送路にアクセスして記録媒体Sを取り除くことができる。
このとき、ユーザは最も外側にある両面ドア71の両面ハンドル70cを把持し引っ張ることで、両面ロック部70aを連動して回動させてロック解除し、両面ユニット70を開くことができる。本実施例においては、さらにこの動作に連動して二次転写ユニット80を同時に開くことができる。以下にその詳細について説明する。
(ドア連動開放動作)
両面ユニット70と二次転写ユニット80がそれぞれ閉鎖位置に位置するときの側面図が図7(a)、上方から見た断面図が図7(b)である。両面ユニット70は、フック部77が設けられている。フック部77は、フック係合部77aをもつ。両面ユニット70及び二次転写ユニット80が両方とも閉鎖位置に位置する場合、フック部77は二次転写ユニット80に設けられたハンドル83と対向するようにして、フック係合部77aはハンドルに設けられた被係合部833と係合可能に配置される。両面ユニット70のロックを解除し回動させていくと、フック係合部77aは被係合部833と係合し、ハンドル83を回動させる。やがてハンドル83が所定量だけ回動させられると、連動して回動動作するロック係合部84aが被係合部100pから外れ、二次転写ユニット80が回動動作可能となる(図8(a)、(b))。二次転写ユニット80は、中間転写ユニット12に対する付勢力の反力を受けるため開く側に回動し、中間転写ユニット12から離間した後は自重によりさらに開く側に回動する。このため二次転写ユニット80は、両面ユニット70に当接し、その開いていく動作に追従して開いていく。以上の動作により、両面ユニット70を開くことで二次転写ユニット80も連動させて2枚のドアをまとめて開放位置に位置させることができる。
これにより、ユーザに対して一つの動作で両面搬送路及びレジストローラ部から二次転写部、二次転写部から定着部にわたる搬送路でジャムした記録媒体Sにアクセスすることを可能にし、ユーザビリティを向上させることができる。
特に本実施例では、ロック係合部84aの被係合部100pとの係合を回転させることで解除させるハンドル83の軸受部830と、ロック軸84bと、の間に隙間Cを有する構成としている。
フック部77は、両面ユニット70を構成する両面ドア71に固定され、両面ドア71をフック部77で装置本体100Aにおいて固定することにより、記録媒体Sが通過する両面印字搬送路を形成する。両面ユニット70が装置本体100Aに両面印字搬送路を形成する閉じ位置とされた場合、両面ユニット70の回動中心は前後方向に位置決めされる一方、上下方向における位置は自由度を有する構成とされている。さらに両面ユニット70、つまり両面ドア71は、ねじれ、撓み得る。このため、両面ドア71と一体的に形成されたフック部77も同様に、前後方向に位置決めされる一方、上下方向における位置は自由度を有し、両面ドア71が開閉される際には多少であるものの所定の移動軌跡から変位する可能性があった。
このため、ハンドル83が軸受部830に対して隙間Cを有さず、一体的に形成された構成では、フック部77が所定の移動軌跡からズレて移動し、ハンドル83に突き当たった場合、ハンドル83はフック部77の位置に応じて移動することができない。この結果、ハンドル83にフック部77がしっかり係合せず、両面ユニット70の開き動作に連動して二次転写ユニット80も開くことができない恐れがあった。逆にハンドル83にフック部77が強い力で係合した状態となり、両面ユニット70の開き動作に連動して二次転写ユニット80も開く際にハンドル83もしくはフック部77の一方が破損する恐れがあった。
しかしながら本実施例では、ハンドル83の軸受部830と、ロック軸84bと、の間に隙間Cを有する構成とし、ハンドル83がロック軸84bに対して直交する方向に軸受部830とロック軸84bの間の隙間Cの分だけ移動可能とされている。これにより、フック部77が所定の移動軌跡からズレて移動し、ハンドル83に突き当たった場合、ハンドル83はフック部77の位置に応じて移動することができる構成としている。より具体的には、一方のフック部77と他方のフック部77が順次接触するようにハンドル83の姿勢を変えることで、一端及び他端のフック部77とハンドル83が所定の接触状態となるようにしている。この結果、ハンドル83にフック部77が所定範囲の力で係合した状態とすることができ、両面ユニット70の開き動作に連動して、安定して二次転写ユニット80も開くことができる。
なおハンドル83は、二次転写搬送ガイド80bに対しても隙間Cをもって配置され、二次転写搬送ガイド80bと干渉することなくハンドル83がフック部77の位置に応じて移動することができる構成とされ、本効果が得られる構成とされている。
(ドア連動閉鎖動作)
またユーザは、ジャム処理を終えた後、画像形成を行える状態にするため2枚のドアを閉める必要がある。この際、本実施例の構成では、両面ユニット70を閉じる動作に連動して二次転写ユニット80も閉じることが可能である。以下にその概要を示す。
両面ユニット70の閉じ動作を開始すると、図10のように、両面ユニット70に設けられたレール部78に二次転写ユニット80の連動突起部86が当接・摺動しながら連動して閉じていく。そのまま閉じ動作を続けていくと、フック部77の先端にある斜面状のフック当接部77bがハンドルに設けられた被当接部832と当接し、レール部78と連動突起部86は離間する。さらに閉じ動作を続けていくと、二次転写ユニット内のロック係合部84aが被係合部100pと接触し、摺動してロック係合部84aが回動する。このときハンドル83は、フック部77と当接しているが、ハンドル83はロック係合部84aの回動動作に影響せず、ロック係合部84aは問題なく回動する。
さらに閉じ動作を続けていき、ハンドル83が女帝量以上回転させられ、左右のロック係合部84aが双方とも所定の位置に到達するとロック係合部84aは、図9(a)のように被係合部100pと係合する。これにより、二次転写ユニット80は装置本体100Aに対して閉鎖位置に位置させられる。
このように二次転写ユニット80は、両面ユニット70に連動して移動し、装置本体100Aにロックされ、位置決めされたが、両面ユニット70はまだロックされていないため、ユーザはさらに閉じ動作を進める必要がある。このとき、フック部77は、その先端をハンドル83の被当接部832に摺動させながら撓ませて移動させ、左右方向において、両面ドア71とフック部77の間にハンドル83の一部が位置するようにする。一方、両面ロック部70aは定着ユニットに設けられたフック部に係合し、これにより両面ユニット70が本体に位置決めされる(図7)。
以上のように、本実施例の構成では、閉じ動作に関しても、ユーザは2枚のドアを1回の閉じ動作で閉じることができ、ユーザビリティを向上させることができる。
特に本実施例では、ロック係合部84aの被係合部100pとの係合を回転させることで解除させるハンドル83の軸受部830と、ロック軸84bと、の間に隙間Cを有する構成としている。
ハンドル83が軸受部830に対して隙間Cを有さず、一体的に形成された構成では、フック部77が所定の移動軌跡からズレて移動し、ハンドル83に突き当たった後、ハンドル83はフック部77の位置に応じて移動することができない。この結果、ハンドル83の被係合部833にフック部77のフック係合部77bが接触しない構成となる場合があった。この場合、フック部77の移動がハンドル83で妨げられ、二次転写ユニット80を閉じた後、両面ユニット70を閉じることができない恐れや、ハンドル83もしくはフック部77の一方が破損する恐れがあった。
しかしながら本実施例では、ハンドル83の軸受部830と、ロック軸84bと、の間に隙間Cを有する構成とし、ハンドル83がロック軸84bに対して直交する方向に軸受部830とロック軸84bの間の隙間Cの分だけ移動可能とされている。これにより、フック部77が所定の移動軌跡からズレて移動し、ハンドル83に突き当たった場合、ハンドル83はフック部77の位置に応じて移動することができる構成としている。
より具体的には、一方のフック部77のフック係合部77bと他方のフック部77のフック係合部77bが順次ハンドル83の被係合部833にそれぞれ接触するように姿勢を変える。これにより、一方のフック部77のフック係合部77bとハンドル83の被係合部833とが、また他方のフック部77のフック係合部77bとハンドル83の被係合部833とが、所定の接触状態となるようにしている。この結果、ハンドル83の被係合部833にフック部77のフック係合部77bが確実に接触する構成とすることができ、二次転写ユニット80を閉じた後、両面ユニット70を閉じることができる。
なおハンドル83は、二次転写搬送ガイド80bに対しても隙間Cをもって配置され、二次転写搬送ガイド80bと干渉することなくハンドル83がフック部77の位置に応じて移動することができる構成とされ、本効果が得られる構成とされている。
ここで、閉じ動作の過程におけるフック部77とハンドル83の関係について、さらに詳細に記述する。
閉じ動作の過程において、前述のとおり、二次転写ユニット80を本体に位置決めするために、フック部77はハンドル83に対し左右のロック係合部84aを所定の位置まで移動させられるだけの押圧力を与えることができる。この荷重をF1とする。また、両面ユニット70を本体にロックさせるために、フック部77がたわんでハンドル83を貫通して係合するときの押圧力をF2とする。
両面ユニット70を閉じた際、二次転写ユニット80が正しく本体にロックされるためにはF1<F2である必要がある。ここで、フック部77は片持ち梁形状であるため、変形に必要な押圧力F2はフック部77とハンドル83とのかかり量が少なければ低い値、かかり量が多ければ高い値となる。また、かかり量は部品の寸法公差や左右のガタによって変わり得るため、前述のような変動要因を見込んでも必ずF1<F2となるようにF2の設計上の称呼値を設定する必要がある。一方で、F2はユーザが両面ユニット70を閉じる際に与える力であり、低い値であるほうがユーザビリティ上、望ましい。
本実施例の構成では、フック部77が互いに反対の向きのツメ2本で構成されている。そのため、図11のようにフック部とハンドル83の位置が回転軸方向にずれていても、斜面状のフック当接部77bと被当接部832が接触した際に働く回転軸方向の力によりハンドル83が軸方向に移動する。これによち、左右のツメの力が均等に働く位置へと導かれ、フック部のかかり量のばらつきを抑えることができる。
また二次転写ユニット80は、画像形成装置本体100Aに上下方向は位置決めされ、両面ユニット70の上下方向は定着ユニットに位置決めされるため、フック部77とハンドル83が互いに傾く可能性がある。図12(a)はこの時のフック部77と両面ハンドル83の様子を本体後ろ側から見た断面図である。この傾きによってもフック部のかかり量が変わったり左右のかかり量がアンバランスになったりするため、操作力F2がばらつく要因となる。本実施例の構成では、二次転写ユニット80の詳細説明で述べたように、ハンドル83がロック軸84bに対しても二次転写搬送ガイド80bに対しても隙間をもって配置されている。このため、フック当接部77bの斜面形状から図12(a)の矢印方向に力を受け、図12(b)のようにハンドルがならうことができ、フックのかかり量のばらつきを抑えることができる。
以上のように、本構成によれば、回転軸方向の位置ずれに対しても、相互の傾きに対しても、フックのかかり量のばらつきを抑えることができるため、F2の設計上の称呼値を低くすることができ、ユーザビリティの向上を実現できる。
1 ドラム
2 帯電手段
3 現像手段
4 クリーニング手段
11 レーザースキャナユニット
12 中間転写ユニット
23 定着装置
25 排紙トレイ
31 装置開閉ドア(前ドア)
42 押圧部材
70 両面ユニット
71 両面ドア
73 反転ローラ対
74 再給紙ローラ対
75 反転フラッパ
76 両面ユニット軸
78 レール部
80 二次転写ユニット
82 二次転写バネ
83 ハンドル
831 当接部
832 被当接部
833 被係合部
84 二次転写ロック機構
85 ロック付勢部材
86 連動突起部
100 画像形成装置
100A 装置本体
100B カートリッジ収容部
100p 被係合部
100q 穴

Claims (8)

  1. 画像形成部を備えた装置本体と、
    前記装置本体に対して第1回転軸の周りに回動可能に設けられ、画像が形成される記録材が搬送される搬送路を形成する第1閉鎖位置と、前記搬送路を開放する第1開放位置と、を取りうる開閉ユニットと、
    を備える画像形成装置であって、
    前記開閉ユニットは、
    前記第1回転軸の方向において一端側に設けられ、前記装置本体の第1被係合部と係合可能な第1係合部と、
    前記第1回転軸の方向において他端側に設けられ、前記装置本体の第2被係合部と係合可能な第2係合部と、
    前記第1回転軸と異なる第2回転軸の周りに回転可能であり、前記第1係合部と前記第2係合部とを一体とし、連動して回動可能とする連動軸と、
    前記連動軸を回動可能とする把持部と、
    を有し、前記第1係合部が前記第1被係合部に、また前記第2係合部が前記第2被係合部に係合することで前記第1閉鎖位置に前記開閉ユニットを位置させ、
    前記把持部は前記連動軸との間に隙間を生じるように前記連動軸に取り付けられることで、前記連動軸に対して直交する方向に移動可能であり前記第2回転軸の周りに前記把持部が回転させられることにより、前記把持部は前記連動軸を介して前記第1係合部と前記第2係合部を回転させ、それぞれ前記第1被係合部、前記第2被係合部との係合が解除され、前記開閉ユニットが前記第1閉鎖位置から前記第1開放位置に移動可能とされている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成部は、複数の像担持体と、前記像担持体の表面に形成された現像剤像が順次転写される中間転写ベルトと、を有し、
    前記開閉ユニットは、前記中間転写ベルトに形成された現像剤像を記録材に転写するための二次転写ローラを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
  3. さらに前記装置本体との間に両面搬送路を形成するための開閉部材を有し、
    前記開閉部材は、前記装置本体の前記開閉部材が設けられた面から見たとき、前記装置本体に固定された前記開閉ユニットを覆うように設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記開閉部材は、前記第1回転軸の方向と並行な回動軸で回動可能とされており、前記両面搬送路を形成する第2閉鎖位置と、前記両面搬送路を開放する第2開放位置と、を取りうる
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記開閉部材は、突起部を有し、
    前記突起部は、前記開閉部材が前記第2閉鎖位置から前記第2開放位置に移動するとき、前記第1閉鎖位置に位置する前記開閉ユニットの前記把持部と係合して、前記把持部および前記連動軸を介して前記第1係合部と前記第2係合部を回転させ、それぞれ前記第1被係合部、前記第2被係合部との係合が解除されるようにして、前記開閉ユニットを前記第1閉鎖位置から前記第1開放位置に移動可能としている
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記開閉部材が前記第2開放位置から前記第2閉鎖位置に移動するのに伴い、前記開閉部材は前記開閉ユニットに当接し、前記第1開放位置から前記第1閉鎖位置に移動させるとともに、前記突起部は前記把持部と当接し、前記連動軸前記第2回転軸の周りに回転することで前記第1係合部と前記第2係合部が回転し、それぞれ前記第1被係合部、前記第2被係合部と係合し、前記開閉ユニットが前記第1閉鎖位置に位置させられる
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記突起部として、第1の突起部と、第2の突起部と、を有し、
    前記開閉部材が前記第2閉鎖位置から前記第2開放位置に移動するとき、および、前記第2開放位置から前記閉鎖位置に移動するときに、前記隙間により前記第1の突起部が前記把持部と当接した後、前記第2の突起部が前記把持部と当接可能なように、前記把持部は前記連動軸に対して、前記連動軸に対して直交する方向に移動することが許容される
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記突起部は、フック形状を有することを特徴とする請求項5からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
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