JP7293802B2 - ポリエーテル重合体含有組成物、成形体、圧縮成形体および気体分離膜 - Google Patents
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Description
前記ポリエーテル重合体の数平均分子量が、1,000~500,000であることが好ましい。
前記有機溶媒が、極性溶媒を含有することが好ましい。
前記有機溶媒が、含窒素極性溶媒を含有し、前記含窒素極性溶媒の含有量が、前記ポリエーテル重合体含有組成物の質量に対して、0.01~1.0質量%であることが好ましい。
本発明のポリエーテル重合体含有組成物は、カチオン性基を有するポリエーテル重合体および有機溶媒を含む組成物である。
本発明で用いるカチオン性基を有するポリエーテル重合体は、オキシラン構造を含有する化合物のオキシラン構造部分が開環重合することにより得られる単位である、オキシラン単量体単位を含んでなるポリエーテル重合体であって、その分子中にカチオン性基を有するものである。
これらのうち、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、および炭素数6~20のアリール基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。
置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1~6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2~6のアルケニルオキシ基;フェニル基、4-メチルフェニル基、2-クロロフェニル基、3-メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよいアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の炭素数1~6のアルキルカルボニル基;アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の(メタ)アクリロイルオキシ基;等が挙げられる。
また、カチオン性基を有するポリエーテル重合体の分子量分布(Mw/Mw)は、好ましくは1.0~3.0、より好ましくは1.0~2.0である。なお、カチオン性基を有するポリエーテル重合体の数平均分子量、および分子量分布は、後述する実施例に記載の方法で求めることができる。なお、カチオン性基を有するポリエーテル重合体の分子量分布は、カチオン性基を導入する前のベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル重合体)の分子量分布から変化していないものとして取り扱うことができる。
1,9-デカジイン、1,8-ノナジイン、1,7-オクタジイン、1,6-ヘプタジイン、1,5-ヘキサジイン、2,4-ヘキサジイン、2,6-オクタジイン、3,5-オクタジインなどのジアルキン化合物;
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの多価イソシアナート化合物;
アジピン酸ジクロライド、フタル酸ジクロライド、ベンゼン-1,2,5-トリカルボン酸トリクロリドなどの多価カルボン酸ハライド化合物;
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、フタル酸、トリメリット酸などの多価カルボン酸化合物;
ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、メチルジクロロシランなどのジハロゲン化ケイ素化合物;
フェニルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシランなどのトリハロゲン化ケイ素化合物;
テトラクロロシランなどのテトラハロゲン化ケイ素化合物;
1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、1,2,4,5-ジエポキシペンタン、1,2,5,6-ジエポキシヘキサンなどの多価エポキシ化合物;
などが挙げられる。
(A)エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を、触媒として、特開2010-53217号公報に開示されている、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒との存在下で開環重合することにより、ベースポリマーを得る方法。
(B)エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を、特公昭46-27534号公報に開示されている、トリイソブチルアルミニウムにリン酸とトリエチルアミンを反応させた触媒の存在下で開環重合することにより、ベースポリマーを得る方法。
<第1の製造方法>
ポリエーテル重合体の製造方法としては、たとえば、
エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を、周期表第15族または第16族の原子を含むカチオン部、および、アジドアニオンを有するオニウム化合物と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒の存在下で開環重合することにより、ベースポリマーを得る重合工程、および、
得られたベースポリマーに、オニウム化剤を反応させることにより、ベースポリマーのエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン基をカチオン性基に変換するオニウム化工程
を含む製造方法(本明細書において、「第1の製造方法」ということがある)が挙げられる。
第1の製造方法における重合工程において、オニウム化合物の使用量は、目的とするベースポリマーの分子量などに応じて決定すればよく、特に限定されないが、用いる全単量体に対して、通常0.0001~50モル%であり、好ましくは0.0005~20モル%であり、特に好ましくは0.001~10モル%である。
第1の製造方法における重合工程では、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つベースポリマーが得られる。
第1の製造方法は、重合工程においてベースポリマーを得た後、得られたベースポリマーと多官能化合物とを反応させるカップリング工程を含むことも好ましい。カップリング工程を含む製造方法を用いることにより、全ての重合体主鎖末端基が、ヒドロキシル基であるベースポリマー、または、全ての重合体主鎖末端基が、アジド基であるベースポリマーを、容易に製造することができる。
また、ポリエーテル重合体の製造方法としては、たとえば、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒の存在下で、多官能化合物を予め重合または結合させることによりミクロゲルを形成させた後、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を開環重合することにより、ベースポリマーを得る重合工程、および、
得られたベースポリマーに、オニウム化剤を反応させることにより、ベースポリマーのエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン基をカチオン性基に変換するオニウム化工程
を含む製造方法(本明細書において、「第2の製造方法」ということがある)が挙げられる。
第2の製造方法における重合工程においては、多官能化合物を予め重合または結合させることによりミクロゲルを形成させた後、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリンなどのエピハロヒドリンを少なくとも含む、オキシラン単量体を含有する単量体を開環重合する。この場合、1個の連結基(ミクロゲル)の複数の官能基に、オキシラン単量体単位により形成された、2本を超える重合体鎖が結合した星型重合体を得ることができる。この際、多官能化合物の重合度を調節することによって、連結基(ミクロゲル)の官能基の個数を調整でき、最終的に得られるベースポリマーが有する重合体末端基の個数を調整することも可能である。連結基(ミクロゲル)の官能基の個数(すなわち、ベースポリマーの分岐度)は、平均で2.1~4.0であってよい。
上記(A)または(B)の方法により得られたベースポリマーのハロゲン基をオニウムハライド基に変換する工程、ならびに、第1の製造方法および第2の製造方法のオニウム化工程では、得られたベースポリマー中のエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子の少なくとも一部を、オニウム化剤を用いて、カチオン性基に置換する。オニウム化工程において得られるカチオン性基は、通常、オニウムハライド基である。オニウム化剤としては、窒素原子含有芳香族複素環式化合物が好ましく、たとえば、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、ピロール、1-メチルピロール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イソオキサゾールなどの五員複素環式化合物;ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、2,6-ルチジンなどの六員複素環式化合物;キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プリン、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾールなどの縮合複素環式化合物;などを挙げることができる。これらのなかでも、五員複素環式化合物および六員複素環式化合物が好ましく、反応後の物質安定性の観点から、1-メチルイミダゾールがより好ましい。
上記(A)または(B)の方法により得られたベースポリマーにオニウムハライド基を導入した後、さらに必要に応じて、オニウムハライド基を構成するハロゲン化物イオンを、所望のアニオンに交換するアニオン交換工程を実施してもよい。また、第1の製造方法および第2の製造方法は、さらに必要に応じて、オニウムハライド基を構成するハロゲン化物イオンを、所望のアニオンに交換するアニオン交換工程を含むこともできる。
本発明で用いる有機溶媒としては、不活性の有機溶媒が好適に用いられ、非極性であっても極性であってもよい。
本発明のポリエーテル重合体含有組成物中のポリエーテル重合体は、ブロック共重合体中の構造単位として使用できる。ブロック共重合体としては、たとえば、ポリエーテル重合体ブロックとハードセグメントを構成するブロックとを含むAB型ジブロック共重合体、ポリエーテル重合体ブロックとハードセグメントを構成するブロックとポリエーテル重合体ブロックとを含むABA型トリブロック共重合体などが挙げられる。
ポリエーテル重合体として、カチオン性基に加えて架橋性基を有するものを用い、これに架橋剤を配合して用いてもよい。カチオン性基および架橋性基を有するポリエーテル重合体またはブロック共重合体と、架橋剤と、有機溶媒とを含有する架橋性組成物を架橋することにより、機械的強度に優れた成形体を得ることができる。本発明のポリエーテル重合体含有組成物は、極めて限定された含有量の有機溶媒を含有することから、ポリエーテル重合体含有組成物中のポリエーテル重合体の架橋性基と、架橋剤とが反応可能な程度に、ポリエーテル重合体と架橋剤とを十分に混合することができ、両者の反応により架橋構造が形成された後では、均一な混合物を得ることができる。
本発明のポリエーテル重合体含有組成物、上記したブロック共重合体、または、上記した架橋性組成物を用いて、成形体を得ることができる。本発明の成形体は、気体分離膜、二次電池のセパレータなどに好適に利用できる。
成形機を用いて、ポリエーテル重合体含有組成物、ブロック共重合体または架橋性組成物を成形することにより、成形体を得る方法、
ポリエーテル重合体含有組成物、ブロック共重合体または架橋性組成物を、溶媒に溶解または分散させて液状組成物を調製した後、得られた液状組成物を基材にキャストすることにより、フィルム状の成形体を得る方法、
ポリエーテル重合体含有組成物、ブロック共重合体または架橋性組成物を、溶媒に溶解または分散させて液状組成物を調製した後、得られた液状組成物に多孔質体を含浸させて、成形体(含浸多孔質体)を得る方法、
などを挙げることができる。
本発明の成形体または圧縮成形体は、気体分離性能を有することから、気体分離膜に好適に利用できる。本発明の気体分離膜は、上記したポリエーテル重合体を含有することから、優れた気体分離性能を有している。特に、上記したブロック共重合体から形成される膜は、優れた気体分離性能を有するとともに、優れた機械的強度を有するものであり、自立膜としても利用可能である。
(1)ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル重合体)の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として測定した。なお、測定器としてはHLC-8320(東ソー社製)を用い、カラムはTSKgel SuperMultiporeHZ-H(東ソー社製)4本を直列に連結して用い、検出器は示差屈折計RI-8320(東ソー社製)を用いた。
(2)カチオン性基を有するポリエーテル重合体の数平均分子量(Mn)は、次のように求めた。すなわち、まず、ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル重合体)の繰り返し単位の平均分子量と、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の平均分子量、および下記により求めたカチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率とから、カチオン性基を有するポリエーテル重合体を構成する、全ての繰り返し単位の平均分子量を求めた。そして、ベースポリマー(カチオン性基を有しないポリエーテル重合体)の繰り返し単位数と、カチオン性基を有するポリエーテル重合体を構成する、全ての繰り返し単位の平均分子量とを乗じることにより得られた値を、カチオン性基を有するポリエーテル重合体の数平均分子量とした。
カチオン性基を有するポリエーテル重合体の構造、およびカチオン性基を有するポリエーテル重合体中の、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、以下のように測定した。すなわち、まず、試料となるカチオン性基を有するポリエーテル重合体30mgを、1.0mLの重クロロホルムまたは重ジメチルスルホキシドに加え、1時間振蕩することにより均一に溶解させた。そして、得られた溶液についてNMR測定を行って、1H-NMRスペクトルを得て、定法に従いポリエーテル重合体の構造を帰属した。
また、カチオン性基を有するポリエーテル重合体中の、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率は、次の方法により算出した。すなわち、まず、主鎖のオキシラン単量体単位に由来するプロトンの積分値から全オキシラン単量体単位のモル数B1を算出した。次に、カチオン性基に由来するプロトンの積分値から、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位のモル数B2を算出した。そして、B1に対するB2の割合(百分率)を、カチオン性基を有するポリエーテル重合体中の、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率として求めた。
サンプル0.5gを良溶媒としての水2.5gに溶解し、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製GC-2010、Zebron社製ZB-05、FID検出器)にて揮発分の測定を行った。シグナル強度が各有機溶媒の含有量に比例しているとみなし、各有機溶媒の含有量を算出した。
実施例および比較例で作製した、ポリエーテル重合体を含有する組成物と、ポリメタクリル酸メチルなどの他のポリマーや架橋剤などの他の化合物との混合物を、25℃、24時間静置した後に、目視観察し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
良:均一混合している
不良:分離している
実施例および比較例で作製した、ポリエーテル重合体を含有する組成物と、ポリメタクリル酸メチルなどの他のポリマーや架橋剤などの他の化合物との混合物を、150℃、10MPaで圧縮成形した。得られた圧縮成形体を目視観察し、以下の基準で評価した。
<評価基準>
無:圧縮成形体内に空隙が発生していない
有:圧縮成形体内に微小な気泡により空隙が発生している
(エピクロロヒドリンとグリシジルメタクリレートとのリビングアニオン重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムアジド0.028gおよびトルエン5mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム0.029g(テトラノルマルブチルアンモニウムアジドに対して2.5当量)をノルマルヘキサン0.25mlに溶解したものを添加して、15分間反応させることで触媒組成物を得た。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン9.5gおよびグリシジルメタクリレート0.5gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。1時間反応後、重合反応液に少量の2-プロパノールを添加し、反応を停止した。次いで、得られた重合反応液をトルエンで希釈した後2-プロパノールに注ぎ、白色のゴム状物質8.3gを得た。得られたゴム状物質のGPC測定による数平均分子量(Mn)は57,000、分子量分布は1.58であった。さらに得られたゴム状物質について、1H-NMR測定を行ったところ、このゴム状物質は、エピクロロヒドリン単位97.0モル%およびグリシジルメタクリレート単位3.0モル%を含むものであることが確認できた。以上より、得られたゴム状物質は、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つ、エピクロロヒドリン単位およびグリシジルメタクリレート単位により構成されたポリエーテル重合体A(平均でエピクロロヒドリン単位588個とグリシジルメタクリレート単位18個とからなる606量体)であるといえる。
(ポリエーテル重合体A中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
製造例1で得られたポリエーテル重合体A 8.0gと、1-メチルイミダゾール14.3gと、N,N-ジメチルアセトアミド16.0gと、水7.1gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、120℃に加熱した。120℃で16時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止し、得られた反応溶液中の沈殿を回収した。得られた沈殿をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させた。さらに得られた沈殿物をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させる操作を2回繰り返して、沈殿を回収した。回収した沈殿を、70℃で12時間減圧乾燥をしたところ、赤褐色の樹脂状の物質15.0gを得た。この樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル重合体A中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるクロロ基が、1-メチルイミダゾリウムクロリド基に置換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体Bを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Bの数平均分子量(Mn)は108,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Bを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、エタノールは2.17質量%、アセトンは0.31質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.47質量%、1-メチルイミダゾールは0.23質量%であった。
(1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Bのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド9.1gを溶解させた蒸留水105gと、ジエチルケトン53gとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造実施例1で得られた1-メチルイミダゾリウムクロリド基を有するポリエーテル重合体Bを含有する組成物5.0gを蒸留水25mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で1時間反応させた。反応後、水相を廃棄し、残った有機相に蒸留水130gを添加して5分間撹拌し洗浄した。この操作をさらに2回繰り返し、残った有機相をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過後、濾液から有機溶剤を留去して、ゴム状物質を得た。得られたゴム状物質を120℃で12時間減圧乾燥したところ、薄褐色のゴム状物質11.5gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造実施例1で得られた1-メチルイミダゾリウムクロリド基を有するポリエーテル重合体Bの繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つイミダゾリウム構造含有ポリエーテル重合体Cを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Cの数平均分子量(Mn)は259,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Cを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ジエチルケトンは0.11質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.05質量%、1-メチルイミダゾールは0.03質量%であった。
(エピクロロヒドリンのリビングアニオン重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド0.032gおよびトルエン5mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム0.029g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して2.5当量)をノルマルヘキサン0.25mlに溶解したものを添加して、15分間反応させることで触媒組成物を得た。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン10.0gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。1時間反応後、重合反応液に少量の2-プロパノールを添加し、反応を停止した。次いで、得られた重合反応液をトルエンで希釈した後2-プロパノールに注ぎ、白色のゴム状物質6.8gを得た。得られたゴム状物質のGPC測定による数平均分子量(Mn)は55,000、分子量分布は1.52であった。さらに得られたゴム状物質について、1H-NMR測定を行ったところ、このゴム状物質は、エピクロロヒドリン単位100.0モル%を含むものであることが確認できた。以上より、得られたゴム状物質は、重合開始末端にブロモ基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つ、エピクロロヒドリン単位により構成されたポリエーテル重合体D(エピクロロヒドリン単位からなる594量体)であるといえる。
(ポリエーテル重合体D中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
製造例2で得られたポリエーテル重合体D 8.0gと、1-メチルイミダゾール14.3gと、N, N-ジメチルアセトアミド16.0gと、水7.1gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、120℃に加熱した。120℃で16時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止し、得られた沈殿をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させた。さらに得られた沈殿物をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させる操作を2回繰り返した。70℃で12時間減圧乾燥をしたところ、赤褐色の樹脂状の物質15.0gを得た。この樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル重合体D中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるハロゲン基が、1-メチルイミダゾリウムハライド基に置換され、重合開始末端に1-メチルイミダゾリウムハライド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体Eを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Eの数平均分子量(Mn)は105,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Eを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、エタノールは2.15質量%、アセトンは0.33質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.46質量%、1-メチルイミダゾールは0.24質量%であった。
(1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Eのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド9.1gを溶解させた蒸留水105gと、ジエチルケトン53gとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造実施例3で得られた1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体E 5.0gを蒸留水25mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で1時間反応させた。反応後、水相を廃棄し、残った有機相に蒸留水130gを添加して5分間撹拌し洗浄した。この操作をさらに2回繰り返し、残った有機相をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過後、濾液から有機溶剤を留去したのちに得られたゴム状物質を120℃で12時間減圧乾燥したところ、薄褐色のゴム状物質11.5gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造実施例3で得られた1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Eの繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムハライド基のハロゲン化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端に1-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つイミダゾリウム構造含有ポリエーテル重合体Fを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Fの数平均分子量(Mn)は250,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Fを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ジエチルケトンは0.12質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.09質量%、1-メチルイミダゾールは0.02質量%であった。
(ポリエーテル重合体A中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
1-メチルイミダゾール3.6gとし、反応時間を48時間とした以外は、製造実施例1と同様に行い、赤褐色の樹脂状の物質11.5gを得た。この樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル重合体A中の50%のエピクロロヒドリン単位におけるクロロ基が、1-メチルイミダゾリウムクロリド基に置換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体Gを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Gの数平均分子量(Mn)は82500であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Gを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、エタノールは1.01質量%、アセトンは0.05質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.64質量%、1-メチルイミダゾールは0.29質量%であった。
ポリエーテル重合体B 5.0gに代えてポリエーテル重合体G 5.0gを用いた以外は、製造実施例2と同様に行い、薄褐色のゴム状物質8.2gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造実施例5で得られた1-メチルイミダゾリウムクロリド基を有するポリエーテル重合体Gの繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つイミダゾリウム構造含有ポリエーテル重合体Hを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Hの数平均分子量(Mn)は158,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Hを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ジエチルケトンは0.09質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.06質量%、1-メチルイミダゾールは0.02質量%であった。
(エピクロロヒドリンのリビングアニオン重合)
アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド0.32gおよびトルエン5mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム0.15g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.25当量)をノルマルヘキサン2.5mlに溶解したものを添加して、15分間反応させることで触媒組成物を得た。得られた触媒組成物に、エピクロロヒドリン10.0gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。1時間反応後、重合反応液に少量の2-プロパノールを添加し、反応を停止した。次いで、得られた重合反応液をトルエンで希釈し、1.0規定の塩酸で洗浄したのちにイオン交換水で洗浄して中和し、揮発分を留去することにより、透明粘稠な液状物質9.8gを得た。得られた透明粘稠な液状物質のGPC測定による数平均分子量(Mn)は10,000、分子量分布は1.23であった。さらに得られたゴム状物質について、1H-NMR測定を行ったところ、このゴム状物質は、エピクロロヒドリン単位100.0モル%を含むものであることが確認できた。以上より、得られたゴム状物質は、重合開始末端にブロモ基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つ、エピクロロヒドリン単位により構成されたポリエーテル重合体I(エピクロロヒドリン単位からなる108量体)であるといえる。
(ポリエーテル重合体I中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
ポリエーテル重合体Dに代えて、製造例3で得られたポリエーテル重合体I 8.0gを用いた以外は製造実施例3と同様に行い、赤褐色の樹脂状の物質15.0gを得た。この樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例3で得られた全てのエピクロロヒドリン単位におけるハロゲン基が、1-メチルイミダゾリウムハライド基に置換され、重合開始末端に1-メチルイミダゾリウムハライド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体Jを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Jの数平均分子量(Mn)は18,900であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Jを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、エタノールは1.99質量%、アセトンは0.30質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.41質量%、1-メチルイミダゾールは0.30質量%であった。
ポリエーテル重合体E 5.0gに代えて、製造実施例7で得られたポリエーテル重合体Jを用いた以外は製造実施例4と同様に行い、薄褐色のゴム状物質11.5gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造実施例7で得られた1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Jの繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムハライド基のハロゲン化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端に1-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つイミダゾリウム構造含有ポリエーテル重合体Kを含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体Kの数平均分子量(Mn)は45300であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体Kを含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ジエチルケトンは0.11質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.09質量%、1-メチルイミダゾールは0.02質量%であった。
(ポリエーテル重合体A中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
製造例1で得られたポリエーテル重合体A 8.0gと、1-メチルイミダゾール14.3gと、N,N-ジメチルアセトアミド16.0gと、水7.1gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、120℃に加熱した。120℃で16時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止し、得られた反応溶液中の沈殿を回収した。得られた沈殿をエタノール19.0gに溶解し、得られた溶液を、そのまま、70℃で12時間減圧乾燥をしたところ、赤褐色の柔らかい樹脂状の物質16.7gを得た。この柔らかい樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル重合体A中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるクロロ基が、1-メチルイミダゾリウムクロリド基に置換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体B’を含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体B’の数平均分子量(Mn)は108,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体B’を含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、エタノールは2.17質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは8.31質量%、1-メチルイミダゾールは12.8質量%であった。
(1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Bのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド9.1gを溶解させた蒸留水105gと、ジエチルケトン53gとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造実施例1で得られた1-メチルイミダゾリウムクロリド基を有するポリエーテル重合体Bを含有する組成物5.0gを蒸留水25mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で1時間反応させた。反応後、水相を廃棄し、残った有機相に蒸留水130gを添加して5分間撹拌し洗浄した。この一回だけの洗浄により得られた2相のうち、残った有機相をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過後、濾液から有機溶剤を留去して、ゴム状物質を得た。得られたゴム状物質を120℃で12時間減圧乾燥したところ、薄褐色の柔らかいゴム状物質13.0gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造実施例1で得られたポリエーテル重合体Bの繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体C’を含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体C’の数平均分子量(Mn)は259,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体C’を含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ジエチルケトンは14.9質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.24質量%、1-メチルイミダゾールは0.11質量%であった。
(ポリエーテル重合体A中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
製造例1で得られたポリエーテル重合体A 8.0gと、1-メチルイミダゾール14.3gと、N,N-ジメチルアセトアミド16.0gと、水7.1gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、120℃に加熱した。120℃で16時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止し、得られた反応溶液中の沈殿を回収した。得られた沈殿をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させた。さらに得られた沈殿物をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させる操作を5回繰り返して、沈殿を回収した。回収した沈殿を、70℃で252時間減圧乾燥をしたところ、赤褐色の樹脂状の物質14.5gを得た。この樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル重合体A中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるクロロ基が、1-メチルイミダゾリウムクロリド基に置換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体B’’であると同定された。得られたポリエーテル重合体B’’の数平均分子量(Mn)は108,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体B’’に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ポリエーテル重合体B’’中に含まれる有機溶媒は検出されなかった。
(1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体B’’のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド9.1gを溶解させた蒸留水105gと、ジエチルケトン53gとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造比較例3で得られた1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体B’’5.0gを蒸留水25mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で1時間反応させた。反応後、水相を廃棄し、残った有機相に蒸留水130gとジエチルケトン10gを添加して5分間撹拌し洗浄した。この操作をさらに5回繰り返し、残った有機相をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過後、濾液から有機溶剤を留去したのちに得られたゴム状物質を120℃で252時間減圧乾燥したところ、薄褐色のゴム状物質11.0gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造比較例3で得られたポリエーテル重合体B’’の繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端にアジド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体C’’であると同定された。得られたポリエーテル重合体C’’の数平均分子量(Mn)は259,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体C’’に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ポリエーテル重合体C’’中に含まれる有機溶媒は検出されなかった。
(ポリエーテル重合体D中のエピクロロヒドリン単位の1-メチルイミダゾールによる4級化)
製造例2で得られたポリエーテル重合体D8.0gと、1-メチルイミダゾール14.3gと、N,N-ジメチルアセトアミド16.0gと、水7.1gとを、アルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、120℃に加熱した。120℃で16時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止し、得られた沈殿をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させた。さらに得られた沈殿物をエタノール19.0gに溶解し、アセトン320gに添加し30分間撹拌してのちに沈降させる操作を5回繰り返した。70℃で252時間減圧乾燥をしたところ、赤褐色の樹脂状の物質15.0gを得た。この樹脂状物質について、1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料の製造例1で得られたポリエーテル重合体D中の全てのエピクロロヒドリン単位におけるハロゲン基が、1-メチルイミダゾリウムハライド基に置換され、重合開始末端に1-メチルイミダゾリウムハライド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つポリエーテル重合体E’であると同定された。得られたポリエーテル重合体E’の数平均分子量(Mn)は105,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体E’に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ポリエーテル重合体E’中に含まれる有機溶媒は検出されなかった。
(1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Eのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドによるアニオン交換)
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド9.1gを溶解させた蒸留水105gと、ジエチルケトン53gとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。これとは別に、製造実施例3で得られた1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体E 5.0gを蒸留水25mlに溶解し、これを、上記ガラス反応器に滴下し室温で1時間反応させた。反応後、水相を廃棄し、残った有機相に蒸留水130gを添加して5分間撹拌し洗浄した。残った有機相をメンブランフィルター(0.45μm)にて濾過後、濾液から有機溶剤を留去したのちに得られたゴム状物質を120℃で12時間減圧乾燥したところ、薄褐色のゴム状物質12.0gを得た。得られたゴム状物質について1H-NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である製造実施例3で得られた1-メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル重合体Eの繰り返し単位中の1-メチルイミダゾリウムハライド基のハロゲン化物イオンの全てがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンに交換され、重合開始末端に1-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド基を持ち、重合停止末端にヒドロキシル基を持つイミダゾリウム構造含有ポリエーテル重合体F’を含有する組成物であると同定された。得られたポリエーテル重合体F’の数平均分子量(Mn)は250,000であった。ガスクロマトグラフィー測定により、ポリエーテル重合体F’を含有する組成物に含まれる有機溶媒の含有量を測定したところ、ジエチルケトンは15.0質量%、N,N-ジメチルアセトアミドは0.28質量%、1-メチルイミダゾールは0.15質量%であった。
製造実施例1で得られたポリエーテル重合体B(FW175.6、0.5695モル繰り返し単位、605量体、9.413x10-4モル)を含有する組成物100部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、9.413x10-4モル)100部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部(FW143.45、等モル、9.413x10-4モル)とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部(FW173.3、等モル、9.413x10-4モル)とを添加し、湿度60%で20℃の空気下にて48時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Bのアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応してトリアゾール環を形成しブロックコポリマー構造となった(ポリ(N-グリシジル-N’-メチルイミダゾリウムクロリド-block-メタクリル酸メチル))ポリエーテル化合物Lであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例2で得られたポリエーテル重合体C(FW420.3、0.2379モル繰り返し単位、605量体、3.93x10-4モル)を含有する組成物100部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、3.93x10-4モル)42部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、20℃の乾燥窒素雰囲気下にて48時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Cのアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応してトリアゾール環を形成しブロックコポリマー構造となった(ポリ(N-グリシジル-N’-メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホンイミド-block-メタクリル酸メチル))ポリエーテル化合物Mであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例3で得られたポリエーテル重合体E(FW175.6、0.569モル繰り返し単位、594量体、9.41x10-4モル)を含有する組成物100部と、トリレン-2,4-ジイソシアナート0.16部(FW174.2、9.41x10-4モル)と、ペンタエリトリトール0.032部(FW136.15、9.41/4x10-4モル)と、ジブチルすずアセテート0.003部を遊星攪拌機に添加し、乾燥窒素下70℃にて3時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Eおよびペンタエリトリトールのヒドロキシル基と、トリレン-2,4-ジイソシアナートのイソシアナート基が反応してウレタン結合を形成し架橋構造となったポリエーテル化合物Nであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例4で得られたポリエーテル重合体F(FW420.3、0.569モル繰り返し単位、594量体、9.41x10-4モル)を含有する組成物240部と、トリレン-2,4-ジイソシアナート0.16部(FW174.2、9.41x10-4モル)と、ペンタエリトリトール0.032部(FW136.15、9.41/4x10-4モル)と、ジブチルすずアセテート0.003部を遊星攪拌機に添加し、乾燥窒素下70℃にて3時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Fおよびペンタエリトリトールのヒドロキシル基と、トリレン-2,4-ジイソシアナートのイソシアナート基が反応してウレタン結合を形成し架橋構造となったポリエーテル化合物Oであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例5で得られたポリエーテル重合体Gを含有する組成物76部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、9.413x10-4モル)100部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、湿度60%で20℃の空気下にて48時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Gのアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応してトリアゾール環を形成しブロックコポリマー構造となったポリエーテル化合物Pであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例6で得られたポリエーテル重合体H(FW420.3、0.2379モル繰り返し単位、605量体、3.93x10-4モル)を含有する組成物61部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、3.93x10-4モル)42部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、20℃の乾燥窒素雰囲気下にて48時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Hのアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応してトリアゾール環を形成しブロックコポリマー構造となったポリエーテル化合物Qであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例7で得られたポリエーテル重合体J(FW175.6、0.569モル繰り返し単位、108量体、5.27x10-3モル)を含有する組成物100部と、トリレン-2,4-ジイソシアナート0.90部(FW174.2、5.27x10-3モル、5.27x10-3モル)と、ペンタエリトリトール0.18部(FW136.15、5.27/4x10-3モル)と、ジブチルすずアセテート0.017部を遊星攪拌機に添加し、乾燥窒素下70℃にて3時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Jおよびペンタエリトリトールのヒドロキシル基と、トリレン-2,4-ジイソシアナートのイソシアナート基が反応してウレタン結合を形成し架橋構造となったポリエーテル化合物Rであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造実施例8で得られたポリエーテル重合体K(FW420.3、0.569モル繰り返し単位、108量体、5.27x10-3モル)を含有する組成物240部とトリレン-2,4-ジイソシアナート0.90部(FW174.2、5.27x10-3モル、5.27x10-3モル)と、ペンタエリトリトール0.18部(FW136.15、5.27/4x10-3モル)と、ジブチルすずアセテート0.017部を遊星攪拌機に添加し、乾燥窒素下70℃にて3時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体Kおよびペンタエリトリトールのヒドロキシル基と、トリレン-2,4-ジイソシアナートのイソシアナート基が反応してウレタン結合を形成し架橋構造となったポリエーテル化合物Sであった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ、均一なフィルムが得られた。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造比較例1で得られたポリエーテル重合体B’(FW175.6、0.5695モル繰り返し単位、605量体、9.413x10-4モル) を含有する組成物100部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、量体、1062量体、9.413x10-4モル)100部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、湿度60%で20℃の空気下にて48時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体B’のアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応してトリアゾール環を形成しブロックコポリマー構造となった(ポリ(N-グリシジル-N’-メチルイミダゾリウムクロリド-block-メタクリル酸メチル))ポリエーテル化合物L’であった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ気泡が発生し均一なフィルムが得られなかった。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造比較例2で得られたポリエーテル重合体C’(FW420.3、0.2379モル繰り返し単位、605量体、3.93x10-4モル)を含有する組成物100部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、3.93x10-4モル)42部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、20℃の乾燥窒素雰囲気下にて48時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体C’のアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応してトリアゾール環を形成しブロックコポリマー構造となった(ポリ(N-グリシジル-N’-メチルイミダゾリウムビストリフルオロメチルスルホンイミド-block-メタクリル酸メチル))ポリエーテル化合物M’であった。これを150℃に加温して圧縮成形したところ気泡が発生し均一なフィルムが得られなかった。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造比較例3で得られたポリエーテル重合体B’’(FW175.6、0.5695モル繰り返し単位、605量体、9.413x10-4モル)100部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、9.413x10-4モル)100部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、湿度60%で20℃の空気下にて48時間混合したところ、ポリエーテル重合体B’’とポリメタクリル酸メチルとは混合が上手く進行せず、ポリエーテル重合体B’’のアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応していなかった。そのため得られた混合物を150℃に加温して圧縮成形しても、相分離した不均一な混合物となった。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造比較例4で得られたポリエーテル重合体C’’(FW420.3、0.2379モル繰り返し単位、605量体、3.93x10-4モル)100部と、開始末端にプロパルギル基を有するポリメタクリル酸メチル(FW100.1、1.00モル繰り返し単位、1062量体、3.93x10-4モル)42部とを遊星攪拌機に添加し、さらにヨウ化銅0.135部とN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン0.163部とを添加し、20℃の乾燥窒素雰囲気下にて48時間混合したところ、ポリエーテル重合体C’’とポリメタクリル酸メチルの混合が上手く進行せず、ポリエーテル重合体C’’のアジド基とポリメタクリル酸メチルのプロパルギル基が反応していなかった。そのため得られた混合物を150℃に加温して圧縮成形しても、相分離した不均一な混合物となった。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
製造比較例5で得られたポリエーテル重合体E’(FW175.6、0.569モル繰り返し単位、594量体、9.41x10-4モル)100部と、トリレン-2,4-ジイソシアナート0.16部(FW174.2、9.41x10-4モル)と、ペンタエリトリトール0.032部(FW136.15と9.41/4x10-4モル)と、ジブチルすずアセテート0.003部を遊星攪拌機に添加し、乾燥窒素下70℃にて3時間混合と反応を試みたが、混合が上手く進行せず、ポリエーテル重合体E’のヒドロキシル基と、トリレン-2,4-ジイソシアナートのイソシアナート基が反応せず、ペンタエリトリトールとトリレン-2,4-ジイソシアナートのみでウレタン結合を形成し、不均一な混合物を得た。これを150℃に加温して圧縮成形したが、フィルムは得られなかった。また、上記方法に従って、混合状態を評価した。結果を表1に示す。
製造比較例6で得られたポリエーテル重合体F’(FW420.3、0.569モル繰り返し単位、594量体、9.41x10-4モル)を含有する組成物240部と、トリレン-2,4-ジイソシアナート0.16部(FW174.2、9.41x10-4モル)と、ペンタエリトリトール0.032部(FW136.15と9.41/4x10-4モル)と、ジブチルすずアセテート0.003部を遊星攪拌機に添加し、乾燥窒素下70℃にて3時間混合し、混合物を得た。得られた混合物は、ポリエーテル重合体F’およびペンタエリトリトールのヒドロキシル基と、トリレン-2,4-ジイソシアナートのイソシアナート基が反応してウレタン結合を形成し架橋構造となったポリエーテル化合物O’であった。これを150℃に加温して圧縮成形を試みたが、気泡が発生し、均一なフィルムは得られなかった。また、上記方法に従って、混合状態および成形時の気泡発生を評価した。結果を表1に示す。
また、ポリエーテル重合体含有組成物中の有機溶媒が少なすぎる場合には、ポリメタクリル酸メチルと十分に混合させることができず、均一なフィルムが得られなかった(比較例3~4)。
さらに、ポリエーテル重合体含有組成物中の有機溶媒が少なすぎる場合には、架橋剤と十分に混合させることができず、フィルムが得られなかった(比較例5)。
Claims (8)
- カチオン性基を有するポリエーテル重合体および有機溶媒を含むポリエーテル重合体含有組成物であって、
前記ポリエーテル重合体が、下記一般式(1)で表される単量体単位からなるものであり、
前記有機溶媒の含有量が、前記ポリエーテル重合体含有組成物の質量に対して、0.01~5.0質量%であるポリエーテル重合体含有組成物。
- 前記ポリエーテル重合体が、2以上の重合体主鎖末端基を有しており、すべての重合体主鎖末端基が、ヒドロキシル基およびアジド基のいずれかである請求項1に記載のポリエーテル重合体含有組成物。
- 前記ポリエーテル重合体の数平均分子量が、1,000~500,000である請求項1または2に記載のポリエーテル重合体含有組成物。
- 前記有機溶媒が、極性溶媒を含有する請求項1~3のいずれか一項に記載のポリエーテル重合体含有組成物。
- 前記有機溶媒が、含窒素極性溶媒を含有し、前記含窒素極性溶媒の含有量が、前記ポリエーテル重合体含有組成物の質量に対して、0.01~1.0質量%である請求項1~4のいずれか一項に記載のポリエーテル重合体含有組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリエーテル重合体含有組成物を成形してなる成形体。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリエーテル重合体含有組成物を圧縮成形してなる圧縮成形体。
- 請求項6に記載の成形体または請求項7に記載の圧縮成形体を含む気体分離膜。
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