JP2017110212A - ポリエーテル系重合体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリマー材料中にグラフェンを良好に分散させることが可能であり、これにより極めて優れた電気伝導性を示すことができる、ポリマー材料とグラフェンとを含んでなる組成物の提供。【解決手段】オキシラン単量体単位を複数含有してなり、かつ、重合体鎖末端および/または前記オキシラン単量体単位の少なくとも一部に、カチオン性基を有するポリエーテル系重合体と、グラフェンとを含有してなるポリエーテル系重合体組成物。好ましくは、式(1)で表される単量体単位からなるポリエーテル系重合体組成物。(A+はカチオン性基又はカチオン性基含有基;X−はFを含有する対アニオン;Rは非イオン性基:m+nは5〜100の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエーテル系重合体およびグラフェンを含んでなるポリエーテル系重合体組成物に関し、さらに詳しくは、グラフェンがポリエーテル系重合体中に良好に分散されており、これにより、極めて優れた電気伝導性を示すポリエーテル系重合体組成物に関する。
グラフェンは、優れた電気的特性を有し、さらに、優れた熱伝導性や機械強度特性などをも併せ持つことから、広範な分野において応用が期待されている。
グラフェンの応用法の1つとして、ポリマー材料の電気伝導性、熱伝導性、機械強度などの特性を大幅に改良することを目的としたポリマー材料への配合が検討されている。例えば、非特許文献1では、ポリスチレンにグラフェンを配合することにより、ポリスチレンの機械強度を改良しつつ、電気伝導性を付与することが検討されている。また、非特許文献2では、エポキシ樹脂に充填材としてグラフェンを配合することにより、エポキシ樹脂の熱伝導性を改良することが検討されている。
しかしながら、グラフェンは、ポリマー材料との親和性に劣る傾向があるため、ポリマー材料中に均一に分散させることが非常に困難であるという課題が存在する。そのため、非特許文献1にも示されるように、グラフェンをポリマー材料に配合して得られる組成物においては、電気伝導性などの各種特性が、同じポリマー材料にカーボンブラックを配合して得られる組成物の特性と殆ど変わらないという事例がしばしば見られ、グラフェンの優れた特性が十分に発揮されているとは言い難かった。そのため、グラフェンを良好に分散させることが可能であり、これにより高い電気伝導性を有するポリマー組成物を得ることができる、ポリマー材料の開発が望まれていた。
S. Stankovich他、"Graphene-based composite materials"、Nature、2006年、第442巻、p.282−286 A. Yu 他、"Graphite Nanoplatelet-Epoxy Composite Thermal Interface Materials"、J. Phys. Chem. C, 2007年、111巻、p.7565−7569
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、ポリマー材料中にグラフェンを良好に分散させることが可能であり、これにより極めて優れた電気伝導性を示すことができる、ポリマー材料とグラフェンとを含んでなる組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、カチオン性基を有するポリエーテル系重合体によれば、グラフェンを良好に分散可能であり、これにより、極めて優れた電気伝導性を示すことができるポリマー組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、オキシラン単量体単位を複数含有してなり、かつ、重合体鎖末端および/または前記オキシラン単量体単位の少なくとも一部に、カチオン性基を有するポリエーテル系重合体と、グラフェンとを含有してなるポリエーテル系重合体組成物が提供される。
本発明のポリエーテル系重合体組成物において、前記ポリエーテル系重合体が、下記一般式(1)で表される単量体単位からなることが好ましい。
Figure 2017110212
(上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、Xは、フッ素原子を含有する対アニオンを表し、Rは非イオン性基を表し、n+mは5〜100の整数を表す。)
本発明によれば、グラフェンが良好に分散しているため、極めて優れた電気伝導性を示す、ポリエーテル系重合体およびグラフェンを含んでなる組成物を提供することができる。
本発明のポリエーテル系重合体組成物は、オキシラン単量体単位を複数含有してなり、かつ、重合体鎖末端および/または前記オキシラン単量体単位の少なくとも一部に、カチオン性基を有するポリエーテル系重合体と、グラフェンとを含有してなる組成物である。
<ポリエーテル系重合体>
本発明のポリエーテル系重合体組成物を構成するポリエーテル系重合体は、オキシラン構造を含有する化合物のオキシラン構造部分が開環重合することにより得られる単位である、オキシラン単量体単位を複数含有してなる重合体であって、重合体鎖末端および/またはオキシラン単量体単位の少なくとも一部に、カチオン性基を有するものである。
ポリエーテル系重合体に含有されるカチオン性基としては、特に限定されないが、ポリエーテル系重合体組成物を特にグラフェンの分散性に優れたものとする観点から、周期表第15族または第16族の原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることが好ましく、窒素原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることがより好ましく、窒素原子含有芳香族複素環中の窒素原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることがさらに好ましく、イミダソリウム環中の窒素原子がオニウムカチオン構造を形成したカチオン性基であることが特に好ましい。
カチオン性基の具体例としては、アンモニウム基;メチルアンモニウム基、ブチルアンモニウム基、シクロヘキシルアンモニウム基、アニリニウム基、ベンジルアンモニウム基、エタノールアンモニウム基等のモノ置換アンモニウム基;ジメチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、ジブチルアンモニウム基、ノニルフェニルアンモニウム基等のジ置換アンモニウム基;トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、n−ブチルジメチルアンモニウム基、ステアリルジメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、トリビニルアンモニウム基、トリエタノールアンモニウム基、N,N−ジメチルエタノールアンモニウム基、トリ(2−エトキシエチル)アンモニウム基等のトリ置換アンモニウム基;ピペリジニウム基、1−ピロリジニウム基、イミダゾリウム基、1−メチルイミダゾリウム基、1−エチルイミダゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基、ピロリウム基、1−メチルピロリウム基、オキサゾリウム基、ベンズオキサゾリウム基、ピラゾリウム基、イソオキサゾリウム基、ピリジニウム基、2,6−ジメチルピリジニウム基、ピラジニウム基、ピリミジニウム基、ピリダジニウム基、トリアジニウム基、N,N−ジメチルアニリニウム基、キノリニウム基、イソキノリニウム基、インドリニウム基、キノキサリウム基、イソキノキサリウム基等のカチオン性の窒素原子を含有する複素環を含んでなる基;トリフェニルホスホニウム塩、トリブチルホスホニウム基等のカチオン性のリン原子を含んでなる基;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、イミダゾリウム基、1−メチルイミダゾリウム基、1−エチルイミダゾリウム基、ベンズイミダゾリウム基等のカチオン性の窒素原子を含有する複素環を含んでなる基が好ましい。
また、カチオン性基は、通常対アニオンを有するものであるが、その対アニオンとしては特に限定されないが、ポリエーテル系重合体組成物を特にグラフェンの分散性に優れたものとする観点から、フッ素原子を含有するものが好ましい。フッ素原子を含有する対アニオンの具体例としては、Fや、(FSO、(CFSO、(CFCFSOなどのスルホンイミド化物イオン、さらには、BF 、PF 、CFSO 、CFCOO、などを挙げることができ、グラフェンの分散性の向上効果をより高めることができるという点より、スルホンイミド化物イオンおよびPF が好ましい。また、フッ素原子を含有する対アニオン以外の対アニオンとしては、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物イオンや、さらには、OH、SCN、ClO 、CHSO 、PhCOOなどが挙げられる。
本発明で用いるポリエーテル系重合体は、重合体鎖末端および/またはオキシラン単量体単位の少なくとも一部に、カチオン性基を有するものであればよいが、グラフェンの分散性の向上効果をより高めることができるという点より、少なくとも重合体鎖末端に、カチオン性基を有するものであることが好ましく、重合体鎖末端と、オキシラン単量体単位の少なくとも一部との両方に、カチオン性基を有するものであることがより好ましい。なお、オキシラン単量体単位の少なくとも一部にカチオン性基を有する構成においては、ポリエーテル系重合体を構成するオキシラン単量体単位のうち、その一部がカチオン性基を有するオキシラン単量体単位であればよいが、ポリエーテル系重合体を構成するオキシラン単量体単位の全てがカチオン性基を有するものであってもよい。あるいは、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位およびカチオン性基を有しないオキシラン単量体単位が混在していてもよい。
また、カチオン性基を重合体鎖末端に有する場合には、カチオン性基は、2つの重合体鎖末端の両方に存在している必要はなく、少なくとも一方の重合体鎖末端に存在していればよい。
本発明で用いるポリエーテル系重合体に含有されうる、カチオン性基を有しないオキシラン単量体単位の具体例としては、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、1,2−ブチレンオキシド単位などのアルキレンオキシド単位、エピクロロヒドリン単位、エピブロモヒドリン単位などのエピハロヒドリン単位、アリルグリシジルエーテル単位などのアルケニル基含有オキシラン単量体単位、フェニルグリシジルエーテル単位などの芳香族エーテル基含有オキシラン単量体単位、グリシジルアクリレート単位、グリシジルメタクリレート単位などの(メタ)アクロイル基含有オキシラン単量体単位などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いるポリエーテル系重合体は、2種以上のオキシラン単量体単位を含有するものであってもよく、この場合においては、それら複数の繰り返し単位の分布様式は特に限定されないが、ランダムな分布を有していることが好ましい。
本発明で用いるポリエーテル系重合体の重合度は、繰り返し単位の数として表されるが、5〜100が好ましく、7〜80が好ましい。ポリエーテル系重合体の重合度が高すぎると、ポリエーテル系重合体組成物が成形加工性に劣るものとなるおそれがあり、重合度が低すぎると、ポリエーテル系重合体組成物の機械的強度が不足するおそれがある。
すなわち、本発明で用いるポリエーテル系重合体としては、下記一般式(1)で表される単量体単位からなるものであることが好ましい。
Figure 2017110212
上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、Xは、フッ素原子を含有する対アニオンを表し、Rは非イオン性基を表す。また、n+mは5〜100の整数を表し、n+mは、7〜80の整数であることが好ましい。なお、n,mは特に限定されないが、nは、0〜100の整数であることが好ましく、0〜80の整数であることがより好ましく、mは、0〜100の整数であることが好ましく、0〜80の整数であることがより好ましい。
上記一般式(1)中、Aとしてのカチオン性基の具体例としては、上述したものが挙げられ、また、Aとしてのカチオン性基含有基としては、上述したカチオン性基を含有する基が挙げられる。
上記一般式(1)中、Xとしてのフッ素原子を含有する対アニオンの具体例としては、上述したものが挙げられる。
上記一般式(1)中、前記Rとしての非イオン性基としては、非イオン性の基であれば特に限定されない。例えば、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜10のアルキニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
前記Rの、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および炭素数6〜20のアリール基は、任意の位置に置換基を有していてもよい。
置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜6のアルケニルオキシ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよいアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチルカルボニル基、エチルカルボニル基等の炭素数1〜6のアルキルカルボニル基;アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の(メタ)アクリロイルオキシ基;等が挙げられる。
なお、本発明で用いるポリエーテル系重合体の構造が、上記一般式(1)で表される単量体単位からなるものである時、重合体鎖末端は、特に限定されず、任意の基とすることができる。重合体鎖末端基としては、例えば、上述したカチオン性基、水酸基、または水素原子などが挙げられる。
本発明で用いるポリエーテル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、500〜50000であることが好ましく、700〜40000であることがより好ましい。ポリエーテル系重合体の重量平均分子量が高すぎると、ポリエーテル系重合体組成物とした場合における、成形加工性に劣るものとなるおそれがあり、重量平均分子量が低すぎると、ポリエーテル系重合体組成物とした場合における、機械的強度が不足するおそれがある。また、本発明で用いるポリエーテル系重合体の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比として求められる分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.05〜2.0である。
また、本発明で用いるポリエーテル系重合体の鎖構造も特に限定されず、直鎖状のものであってもよいし、グラフト状、放射状などの分岐を有する鎖構造のものであってもよい。
本発明で用いるポリエーテル系重合体の合成方法は、特に限定されず、目的のポリエーテル系重合体を得られるものである限りにおいて、任意の合成方法を採用することができる。なかでも、より容易に目的のポリエーテル系重合体を得る観点からは、重合体鎖末端と繰り返し単位中にハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体に、イミダゾール化合物などのアミン化合物を反応させることにより、ハロゲン基をオニウムハライド基に変換して、さらに必要に応じて、オニウムハライド基を構成する対アニオンであるハロゲン化物イオンを、アニオン交換反応を行うことによりフッ素原子を含有する対アニオンとする方法が好適である。
ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体の合成は、公知の重合法や変性法に従って行えばよい。また、ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体に、オニウム化合物を反応させて、オニウムハライド基に置換するためには、公知のオニウム化反応を応用すればよい。オニウム化反応の例については、特開昭50−33271号公報、特開昭51−69434号公報、および特開昭52−42481号公報などに開示されている。アニオン交換反応は、常法に従って行えばよく、たとえば、オニウムハライド基を有するポリエーテル系重合体にビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを接触させることにより、オニウムハライド基をオニウムビス(トリフルオロメチルスルホン)イミド基に変換することができる。
本発明で用いるポリエーテル系重合体を得るために、特に好適な方法としては、次に述べるポリエーテル系重合体の製造方法を挙げることができる。すなわち、(1)オキシラン単量体を含む単量体を、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒の存在下で開環重合して、ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体を得る工程、(2)得られたハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体を、オニウム化剤と反応させて、オニウムハライド構造を含有するポリエーテル系重合体を得る工程、(3)任意の工程として、得られたオニウムハライド構造を含有するポリエーテル系重合体に、フッ素原子含有金属化合物を接触させて、オニウムハライド構造を構成する対アニオンであるハロゲン化物イオンを、フッ素原子を有する対アニオンに変換させる工程、を含む製造方法である。
上記の製造方法における第一の工程(1)は、オキシラン単量体を含む単量体を、特開2010−53217号公報に記載される触媒である、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒の存在下で開環重合して、ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体を得る工程である。この触媒を用いることにより、重合開始末端にハロゲン基を導入することが容易となる。特に、重合開始末端にハロゲン基を導入することにより、重合後には、重合開始末端は、重合体鎖末端を構成することとなるため、後述する第二の工程(2)において、重合体鎖末端に導入されたハロゲン基を、オニウム化剤にて置換することで、重合体鎖末端に好適にカチオン性基を導入することができる。
なお、用いるオキシラン単量体は、特に限定されず、目的とするポリエーテル系重合体の構造に応じて、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどを任意の割合で用いればよいが、繰り返し単位中にハロゲン基を導入する観点からは、単量体としてエピクロロヒドリンを含有させることが好ましい。
第一の工程(1)において、触媒の成分の1つとして用いられる周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩としては、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩が例示され、これらのなかでも、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩が好適に使用され、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩が特に好適に使用され、アンモニウム塩が最も好適に使用される。オニウム塩の対アニオンは特に限定されるものではないが、対アニオンとしてハロゲン化物イオンを有するオニウム塩を触媒成分とした場合には、重合開始末端に、ハロゲン基を有するオキシラン単量体単位を導入することができる。
第一の工程(1)において、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩の使用量は、得るべきポリエーテル系重合体の目的とする分子量などに応じて決定すればよく、特に限定されないが、用いる全単量体に対して、0.0005〜10モル%の範囲で選択することが好ましい。
第一の工程(1)において、もう1つの触媒の成分として用いられる、有するアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムとしては、たとえば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウムを挙げることができ、そのなかでも、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムが最も好適に用いられる。
第一の工程(1)において、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、有するアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムとの使用割合は、特に限定されないが、当該オニウム塩:当該トリアルキルアルミニウムのモル比が、1:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1.0:1.1〜1.0:50.0の範囲であることがより好ましく、1.0:1.2〜1.0:10.0の範囲であることが特に好ましい。
第一の工程(1)において、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、有するアルキル基が全て直鎖状のアルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを混合する方法は特に限定されないが、それぞれを溶媒に溶解または懸濁して、それらを混合することが好ましい。用いる溶媒は特に限定されないが、不活性の溶媒が好適に用いられ、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;あるいはこれらの混合溶媒;などが用いられる。触媒の成分を混合する際の温度や時間は特に限定されないが、−30〜50℃の条件下で10秒間〜30分間混合することが好ましい。
このような触媒の存在下で、オキシラン単量体を含む単量体を重合させるにあたり、触媒と単量体とを混合する方法も特に限定されず、たとえば触媒を含む溶媒に単量体を添加してもよいし、単量体を含む溶媒に触媒を添加してもよい。重合様式も特に限定されないが、重合を良好に制御する観点からは、溶液重合法により重合を行なうことが好ましい。溶媒としては、不活性の溶媒が好適に用いられ、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;あるいはこれらの混合溶媒;などが用いられる。これらの溶媒のなかでも、重合反応速度が速くなることから、非極性の溶媒が特に好適に用いられる。溶媒の使用量は特に限定されないが、単量体の濃度が1〜50重量%となるように用いることが好ましく、3〜40重量%になるように用いることが特に好ましい。
重合を行なう際の条件は、特に限定されず、用いる単量体や触媒の種類、目的とする重合体の分子量などに応じて決定すればよい。重合時の圧力は、通常1〜500atmであり、好ましくは1〜100atmであり、特に好ましくは1〜50atmである。重合時の温度は、通常−70〜200℃であり、好ましくは−40〜150℃であり、特に好ましくは−20〜100℃である。重合時間は、通常10秒間〜100時間であり、好ましくは20秒間〜80時間であり、特に好ましくは30秒間〜50時間である。
以上述べたような第一の工程(1)によれば、周期表第15族または第16族の原子を含有する化合物のオニウム塩と、含有されるアルキル基が全て直鎖状アルキル基であるトリアルキルアルミニウムとを含んでなる触媒を用いるため、重合反応がリビング性を伴って進行するので、重合の制御が容易となり、その結果、所望の重合度を有するポリエーテル系重合体を容易に製造することができる。
上記の製造方法における第二の工程(2)は、第一の工程(1)にて得られたハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体を、オニウム化剤と反応(4級化反応)させることにより、ハロゲン基をオニウムハライド構造含有基に変換させて、オニウムハライド構造を含有するポリエーテル系重合体を得る工程である。
用いられるオニウム化剤は、特に限定されず、目的とするカチオン性基に応じて決定すればよいが、その具体例としては、イミダゾール環、ピロール環、オキサゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、インドール環、イソインドール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、プリン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環などの含窒素芳香族複素環を含有する化合物;アンモニア、メチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ノニルフェニルアミン、ピペリジン、トリメチルアミン、nブチルジメチルアミン、nオクチルジメチルアミン、トリブチルアミン、トリビニルアミン、N,N’−ジメチルアニリン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルエタノールアミン、トリ(2−エトキシエチル)アミン、キノリンなどのアミン類;ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジメチルブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの含リン化合物;ジメチルサルファイド、エチルメルカプタン、ヒドロキシエチルメルカプタン、およびメチルベンジルサルファイドなどの含硫黄化合物;などを挙げることができる。これらのなかでも、含窒素芳香族複素環を含有する化合物が好ましく用いられ、イミダゾール環を含有する化合物がより好ましく用いられる。イミダゾール環を含有する化合物の具体例としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールなどを挙げることができる。
ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体とオニウム化剤とを反応させる方法としては特に限定されないが、これらを混合する方法が挙げられる。また、混合方法は、特に限定されず、たとえば、ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体を含む溶液にオニウム化剤を添加し混合する方法、オニウム化剤を含む溶液にハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体を添加し混合する方法、オニウム化剤とハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体の両方を溶液として調製しておき、両溶液を混合する方法などが挙げられる。
溶媒としては、不活性の溶媒が好適に用いられ、非極性であっても極性であってもよい。非極性溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式飽和炭化水素;などが挙げられる。極性溶媒としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、アセトフェノンなどのケトン;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;エタノール、メタノール、水などのプロトン性極性溶媒;などが挙げられる。溶媒としては、これらの混合溶媒も好適に用いられる。溶媒の使用量は、特に限定されないが、ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体の濃度が1〜50重量%となるように用いることが好ましく、3〜40重量%になるように用いることがより好ましい。
オニウム化剤の使用量は、特に限定されず、目的とするポリエーテル系重合体のカチオン性基を有するオキシラン単量体単位含有割合などに応じて決定すればよい。具体的には、オニウム化剤の使用量は、用いるハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体のハロゲン基1モルに対し、通常、0.01〜100モル、好ましくは0.02〜50モル、より好ましくは0.03〜10モル、さらに好ましくは0.05〜2モルの範囲である。
ハロゲン基を含有するポリエーテル系重合体とオニウム化剤とを反応させる際の圧力は、特に限定されないが、通常1〜500atmであり、好ましくは1〜100atmであり、特に好ましくは1〜50atmである。反応時の温度も特に限定されず、通常0〜200℃、好ましくは20〜170℃、より好ましくは40〜150℃である。反応時間は、通常1分〜1,000時間であり、好ましくは3分〜800時間であり、より好ましくは5分〜500時間であり、さらに好ましくは30分〜200時間である。
以上のようにして得られる、オニウムハライド構造を含有するポリエーテル系重合体は、そのまま本発明のポリエーテル系重合体組成物の成分として用いることができるものである。その一方で、必要に応じて、上記の製造方法における第三の工程(3)としての、オニウムハライド構造を含有するポリエーテル系重合体にフッ素原子含有金属化合物を接触させて、オニウムハライド構造を構成する対アニオンであるハロゲン化物イオンを、フッ素原子を有する対アニオンに変換させる反応を行ってもよい。特に、本発明においては、オニウムハライド構造を構成する対アニオンであるハロゲン化物イオンを、フッ素原子を有する対アニオンに変換させことにより、ポリエーテル系重合体組成物を特にグラフェンの分散性に優れたものとすることができるため、本発明においては、フッ素原子を有するアニオンへの変換反応を行うことが好ましい。
アニオン交換反応に用いられるフッ素原子含有金属化合物は、特に限定されないが、導入すべきアニオンを有する、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物が好適である。
アニオン交換反応を行う条件は、特に限定されず、ポリエーテル系重合体およびフッ素原子含有金属化合物のみを混合することにより反応させてもよいし、有機溶媒などのその他の化合物が存在する条件下で混合することにより反応させてもよい。また、フッ素原子含有金属化合物の使用量は、特に限定されないが、用いるポリエーテル系重合体が含有するオニウムハライド構造1モルに対し、通常0.01〜100モル、好ましくは0.02〜50モル、より好ましくは0.03〜10モルの範囲である。
アニオン交換反応時の圧力は、通常1〜500atmであり、好ましくは1〜100atmであり、特に好ましくは1〜50atmである。反応時の温度は、通常、−30〜200℃、好ましくは−15〜180℃、より好ましくは0〜150℃である。反応時間は、通常、1分〜1000時間であり、好ましくは3分〜100時間であり、より好ましくは5分〜10時間であり、さらに好ましくは5分〜3時間である。
アニオン交換反応が完了した後は、例えば減圧乾燥などの常法に従い、目的とするポリエーテル系重合体を回収すればよい。
<グラフェン>
本発明のポリエーテル系重合体組成物は、上述したポリエーテル系重合体に、グラフェンを配合してなるものである。
本発明のポリエーテル系重合体組成物を構成するグラフェンとしては、特に限定されず、グラフェンシート、グラフェン、グラフェンプレート、ナノグラフェン、酸化グラフェン、還元グラフェンなどを挙げることができ、またこれらは単層のみからなるグラフェンに限定されるものではなく、たとえば、単層のグラフェンの他、2〜10層程度の層構造を形成したグラフェンであってもよい。
なお、グラフェンとしては、グラファイトから層間剥離させることにより得られたものや、カーボンナノチューブを切開することにより得られたもの、さらには、CVD法により得られたものなど、いずれの方法により得られたものも制限なく用いることができるが、比較的簡便に製造が可能であるという観点より、グラファイトから層間剥離させることにより得られたものが好ましい。
本発明で用いるグラフェンは、その平均厚みが0.3〜20.0nmのものが好ましく、0.3〜15.0nmのものがより好ましい。平均厚みが厚すぎると、グラフェンの特性としての高い電気伝導性が得難くなってしまう。
本発明のポリエーテル系重合体組成物中における、グラフェンの含有割合は、特に限定されないが、ポリエーテル系重合体中に、グラフェンを良好に分散させ、これにより効率よく電気伝導性に優れた組成物を得るという観点から、ポリエーテル系重合体100重量部に対するグラフェンの含有量が、0.01〜50重量部であることが好ましく、0.02〜30重量部であることがより好ましい。
<ポリエーテル系重合体組成物の製造方法>
本発明のポリエーテル系重合体組成物の製造方法としては、特に限定されず、通常、ポリエーテル系重合体とグラフェンとを混合させる方法により製造することができる。この場合において、たとえば、グラフェンとして、グラファイトから層間剥離させることにより得られたグラフェンを用いる場合には、たとえば、グラファイトを細分化させることによりグラフェンを得た後、細分化により得られたグラフェンとポリエーテル系重合体とを混合させることにより製造することができる。
グラフェンを得るために用いるグラファイトとしては、特に限定されないが、天然グラファイト、合成グラファイト、グラファイト繊維、グラファイトロッド、高配向熱分解グラファイト、グラファイト鉱石、グラファイト粉末などが挙げられる。また、グラファイトを細分化する方法としては、特に限定されないが、ミルや混練機によりせん断力を加える方法や超音波により細分化する方法、さらには、硝酸や硫酸により酸化する方法などの公知の細分化方法を採用することができる。
また、グラフェンとポリエーテル系重合体とを混合させる工程において、これらを混合する具体的な混合方法としては、特に限定されないが、溶媒を用いて溶媒中で混合を行ってもよいし、あるいは、溶媒を用いずに混合を行ってもよいが、溶媒中で混合を行うことが好ましい。
溶媒中で混合を行う場合において、用いる溶媒は特に限定されないが、グラフェンをより良好に分散させるという観点より、極性溶媒が好適に用いられる。極性溶媒としては、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル類;アセトン、2−ブタノン、アセトフェノンなどのケトン類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒;エタノール、メタノール、水などのプロトン性極性溶媒;などが挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒の使用量は、特に限定されないが、溶媒中のグラフェンの濃度、および、ポリエーテル系重合体の濃度が、それぞれ0.1〜50重量%となる範囲で選択することが好ましい。
グラフェンとポリエーテル系重合体とを溶媒中で混合させる方法は特に限定されず、グラフェンを懸濁した溶液にポリエーテル系重合体を加えてもよく、溶媒に溶解したポリエーテル系重合体溶液にグラフェンを加えてもよい。混合は、一般的な攪拌器で攪拌することによって行ってもよいし、超音波分散器で混合してもよい。混合により得られる溶液は、そのまま本発明のポリエーテル系重合体組成物として使用することもできるが、溶媒を除去して固形のポリエーテル系重合体組成物として用いることが好ましい。溶媒を除去する方法は特に限定されず、例えば、蒸発除去してもよいし、凝固乾燥してもよい。
なお、上記においては、グラファイトを細分化させることによりグラフェンを得た後、細分化により得られたグラフェンとポリエーテル系重合体とを混合させることにより製造する方法を例示して説明したが、たとえば、まず、グラファイトとポリエーテル系重合体とを混合させ、次いで、得られた混合物中のポリエーテル系重合体のグラファイトを細分化させることにより、ポリエーテル系重合体中に、グラフェンを分散させてなるポリエーテル系重合体組成物を製造する方法を採用してもよい。
あるいは、グラファイトとポリエーテル系重合体との混合と、グラファイトの細分化とを同時に行うことにより、ポリエーテル系重合体中に、グラフェンを分散させてなるポリエーテル系重合体組成物を製造する方法を採用してもよい。この場合には、グラファイトとポリエーテル系重合体とを溶媒中に入れた状態で配合し、ミルや混練機によりせん断力を加えることにより、これらの混合およびグラファイトの細分化を行う方法や、超音波により、これらの混合およびグラファイトの細分化を行う方法などが挙げられる。あるいは、グラファイトとポリエーテル系重合体とを溶媒用いずに配合し、ミルや混練機によりせん断力を加えることにより、これらの混合およびグラファイトの細分化を行ってもよいし、さらには、超音波により、これらの混合およびグラファイトの細分化を行ってもよい。
なお、本発明のポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体およびグラフェンのみを含有するものであってもよいが、これらに加えて、さらに他の成分を含んでなるものであってもよい。このような他の成分としては、特に限定されるものではないが、本発明で用いる特定のポリエーテル系重合体以外のポリマー材料;カーボンナノチューブ、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、活性炭などのカーボン材料;シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物;金、銀、白金、ニッケル、銅、アルミニウムなどの金属微粒子;ガラス繊維、カーボン繊維などの無機繊維;などを具体例として挙げることができる。
本発明で用いる特定のポリエーテル系重合体以外のポリマー材料としては、特に限定されず、たとえば、本発明で用いる特定のポリエーテル系重合体以外のポリエーテル系重合体;NBR、SBR、BR、IR、アクリルゴム、EPRなどのゴム材料;SIS、SBS、SEBSなどの熱可塑性エラストマー材料;PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS、塩化ビニル、PETなどの樹脂材料;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、熱・光硬化性明アクリレート樹脂などの光または熱硬化樹脂;などを挙げることができる。なお、本発明のポリエーテル系重合体組成物においては、本発明で用いる特定のポリエーテル系重合体以外のポリマー材料として、元来グラフェンとの親和性に乏しいポリマー材料をも配合可能であり、このようなポリマー材料を配合した場合でも、グラフェンを良好に分散させることができるものである。なお、この理由としては、必ずしも明らかではないが、必須成分であるポリエーテル系重合体が、グラフェンとポリマー材料との両方に優れた親和性を有するため、ポリエーテル系重合体が、グラフェンおよびポリマー材料に対して、バインダーとして機能するためと考えられる。
また、本発明のポリエーテル系重合体組成物は、架橋剤および必要に応じて架橋助剤や架橋促進剤を含有させることにより、架橋可能な組成物とすることもできる。本発明のポリエーテル系重合体組成物を架橋可能な組成物とし、これを架橋して架橋物とすることにより、本発明のポリエーテル系重合体組成物が有する極めて優れた電気伝導性を維持しながら、構造材料としての機械強度を大幅に向上させることができる。これらの架橋剤、架橋助剤、および架橋促進剤としては、従来から通常使用されているものをそのまま用いることができ、その配合目的に応じた量を適宜配合することができる。
以上のような本発明のポリエーテル系重合体組成物によれば、上述した特定のポリエーテル系重合体に、グラフェンを配合してなるものであるため、ポリエーテル系重合体中にグラフェンを良好に分散させることが可能であり、これにより、極めて優れた電気伝導性を示すものである。また、同様に、極めて優れた熱導電性を示すものである。そのため、本発明のポリエーテル系重合体組成物は、各種の電気・電子製品の導電材料や放熱材料、建築材料、医療材料などとして好適に使用することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」は、特に断りのない限り重量基準である。また、試験および評価は下記に従った。
(1)ポリエーテル系重合体の繰り返し単位数、数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布
カチオン性基を含有しないポリエーテル系重合体の数平均分子量、重量平均分子量、および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ジメチルホルムアミドを溶媒として40℃で測定し、ポリスチレン換算値として測定した。なお、測定器としてはHLC−8320(東ソー社製)を用い、カラムはTSKgelα−M(東ソー社製)二本を直列に連結して用い、検出器は示差屈折計RI−8320(東ソー社製)を用いた。また、得られた数平均分子量を、ポリエーテル系重合体を構成する繰り返し単位の分子量で除すことにより、繰り返し単位数を算出した。
(2)カチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率
ポリエーテル系重合体のカチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、以下のように測定した。まず、試料となるポリエーテル系重合体30mgを、1.0mLの重クロロホルムもしくは重ジメチルスルホキシドに加え、1時間振蕩することにより均一に溶解させた。そして、この溶液についてNMR測定を行って、H−NMRスペクトルを得て、次のようにして、ポリエーテル系重合体のカチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率を算出した。すなわち、まず、主鎖のオキシラン単量体単位に由来するプロトンの積分値から全オキシラン単量体単位のモル数B1を算出した。次に、カチオン性基に由来するプロトンの積分値から、カチオン性基を有するオキシラン単量体単位のモル数B2を算出した。そして、B1に対するB2の割合(百分率)を、ポリエーテル系重合体のカチオン性基を有するオキシラン単量体単位の含有率として求めた。
(3)電気伝導率
ポリエーテル系重合体組成物の電気伝導率は、低抵抗率計(三菱化学アナリテック社製ローレンツ−GP、四端針プローブとしてPSPプローブを使用)を用い、JIS K 7194に準拠して、以下のように測定した。まず、試料となるポリエーテル系重合体組成物1.0gを、温度100℃〜150℃、圧力0.1〜1.0MPaの範囲でプレス成形し、厚さ100〜500μmの薄膜状にした後、10×10mmの正方形状に切り出し、これを測定サンプルとした。そして、得られた測定サンプルを、低抵抗率計の絶縁ボード上に固定し、測定サンプルの一方の面(A面)の中心にプローブを押し当てた後、10Vの電圧をかけて測定サンプルの抵抗値を測定した。そして、測定した抵抗値、測定サンプル寸法、および測定位置に基づき、低抵抗率計に内蔵されている演算式を利用して、電気伝導率(単位:S/cm)を求めた。本測定においては、この測定を、測定サンプルのもう一方の面(B面)についても同様に行い、A面およびB面について測定された電気伝導率の平均値を算出し、得られた平均値を、測定サンプルの電気伝導率とした。
〔製造例1〕
(リビングアニオン重合による、エピクロロヒドリンのオリゴマーの製造)
内部をアルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド3.22gとトルエン50mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム1.256g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.1モル当量)をノルマルヘキサン10mlに溶解したものを添加して、0℃で15分間反応させることにより、触媒溶液を得た。
そして、得られた触媒溶液に、エピクロロヒドリン10.0gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。12時間反応させた後、重合反応液に少量の水を注いで反応を停止した。次いで、得られた重合反応液を0.1Nの塩酸水溶液で洗浄することにより触媒残渣の脱灰処理を行い、さらにイオン交換水で洗浄した後に、有機相を50℃で12時間減圧乾燥することにより、無色透明のオイル状物質を9.9gの収量で得た。得られたオイル状物質のGPCによる数平均分子量(Mn)は1,050、分子量分布(Mw/Mn)は1.35であった。さらに、得られたオイル状物質についてH−NMRを測定したところ、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、エピクロロヒドリンのオリゴマー(平均11量体)であると確認された。
〔製造例2〕
(エピクロロヒドリンのオリゴマーの1−メチルイミダゾールによる4級化)
製造例1で得られたエピクロロヒドリンのオリゴマー5.0gと、1−メチルイミダゾール12.1gと、アセトニトリル10.0gとを、内部をアルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で48時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止した。次いで、得られた反応物をトルエン/メタノール/水の等重量混合溶液にて洗浄した後、1−メチルイミダゾールおよびトルエンを含む有機相を除去して、水相を50℃で12時間減圧乾燥することにより、薄赤色の固体を9.4gの収量で得た。次いで、得られた固体について、H−NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料のエピクロヒドリンのオリゴマーの、エピクロロヒドリン単位中の全てのクロロ基が、1−メチルイミダゾリウムクロリド基に、全ての重合開始末端のブロモメチル基のブロモ基が、1−メチルイミダゾリウムブロミド基に、それぞれ置換された、ポリエーテル化合物であると同定された。すなわち、1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物が得られていることが確認された。
〔製造例3〕
(対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Aの製造)
製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムクロリド基を有するポリエーテル化合物2.5gと、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホン)イミド4.1gと、イオン交換水20mLとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。そして、室温で30分間反応させた後、50℃で12時間減圧乾燥し、得られた固液混合物を水で洗浄して無機塩を除去した後、トルエンで液相を抽出した。次いで、得られたトルエン抽出液を50℃で12時間減圧乾燥することにより、ほぼ無色透明な粘性液状物質を5.7gの収量で得た。次いで、得られた粘性液状物質についてH−NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である1−メチルイミダゾリウムクロリド基を有するポリエーテル化合物の、繰り返し単位中の1−メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンと重合開始末端の1−メチルイミダゾリウムブロミド基の臭化物イオンの全てがビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンに交換された、対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Aであると同定された。
〔製造例4〕
(対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Bの製造)
テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドの使用量を0.64gに、トリエチルアルミニウムの使用量を0.25gに、それぞれ変更した以外は製造例1と同様にして、数平均分子量(Mn)5,500、分子量分布(Mw/Mn)1.10である、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、エピクロロヒドリンのオリゴマー(平均55量体)をオイル状物質として得た。そして、得られたエピクロロヒドリンのオリゴマーを用いた以外は、製造例2,3と同様にして、繰り返し単位中の1−メチルイミダゾリウムクロリド基の塩化物イオンと重合開始末端の1−メチルイミダゾリウムブロミド基の臭化物イオンの全てがビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンに交換された、対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Bを得た。
〔製造例5〕
(リビングアニオン重合による、プロピレンオキシドのオリゴマーの製造)
内部をアルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に、テトラノルマルブチルアンモニウムブロミド2.56gとトルエン50mlを添加し、これを0℃に冷却した。次いで、トリエチルアルミニウム1.37g(テトラノルマルブチルアンモニウムブロミドに対して1.5モル当量)をトルエン10mlに溶解したものを添加して、0℃で15分間反応させることにより、触媒溶液を得た。
そして、得られた触媒溶液に、プロピレンオキシド10gを添加し、0℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。2時間反応させた後、重合反応液に少量のイソプロピルアルコールを注いで反応を停止させた。次いで、得られた重合反応液を0.1Nの塩酸水溶液で洗浄することにより触媒残渣の脱灰処理を行い、さらにイオン交換水で洗浄した後に、有機相を50℃で12時間減圧乾燥することで、無色透明のオイル状物質を9.9gの収量で得た。得られたオイル状物質のGPCによる数平均分子量(Mn)は1,250、分子量分布(Mw/Mn)は1.15であった。さらに、得られたオイル状物質についてH−NMRを測定したところ、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、プロピレンオキシドのオリゴマー(平均20量体)であると確認された。
〔製造例6〕
(プロピレンオキシドのオリゴマーの1−メチルイミダゾールによる4級化)
製造例5で得られたプロピレンオキシドのオリゴマー5.0gと、1−メチルイミダゾール4.1gと、アセトニトリル10.0gとを、内部をアルゴンで置換した攪拌機付きガラス反応器に添加し、80℃に加熱した。80℃で24時間反応させた後、室温に冷却し反応を停止した。次いで、得られた反応物をトルエン/エタノール/水の等重量混合溶液にて洗浄した後、1−メチルイミダゾールおよびトルエンを含む有機相を除去して、水相を50℃で12時間減圧乾燥することにより、淡黄色透明なオイル状オリゴマーを5.4gの収量で得た。さらに、オイル状オリゴマーについて、H−NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料のプロピレンオキシドのオリゴマーの重合開始末端のブロモメチル基のブロモ基が、全て1−メチルイミダゾールブロミド基に置換された、ポリエーテル化合物であると同定された。すなわち、1−メチルイミダゾリウムブロミド基を有するポリエーテル化合物が得られていることが確認された。
〔製造例7〕
(対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Cの製造)
製造例6で得られた1−メチルイミダゾリウムブロミド基を有するポリエーテル化合物2.7gと、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホン)イミド1.5gと、イオン交換水20mLとを攪拌機付きガラス反応器に添加した。そして、室温で60分間反応させた後、50℃で1時間減圧乾燥することにより、淡黄色透明なオイル状物質を得た。そして、得られたオイル状物質をメタノール/アセトン/THF混合溶液に溶解させ、溶け残った結晶性不溶物をろ別した後、ろ液を50℃で12時間減圧乾燥することで、淡黄色透明なオイル状物質を3.2gの収量で得た。得られたオイル状物質をジメチルスルホキシド−d6に溶解させて、H−NMR測定および元素分析を行ったところ、出発原料である1−メチルイミダゾリウムブロミド基を有するポリエーテル化合物の、重合開始末端の1−メチルイミダゾリウムブロミド基の臭化物イオンの全てがビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンにアニオン交換された、対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Cであると同定された。
〔製造例8〕
(対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル系重合体Dの製造)
テトラノルマルブチルアンモニウムブロマイドの使用量を0.55gに、トリエチルアルミニウムの使用量を0.29gに、それぞれ変更した以外は、製造例5と同様にして、GPCによる数平均分子量(Mn)6,000、分子量分布(Mw/Mn)1.15である、重合開始末端にブロモメチル基を持ち、重合停止末端に水酸基を持つ、プロピレンオキシドのオリゴマー(平均100量体)を得た。そして、得られたプロピレンオキシドのオリゴマーを用いた以外は製造例6,7と同様にして、重合開始末端の1−メチルイミダゾリウムブロミド基の臭化物イオンの全てがビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンにアニオン交換された、対アニオンとしてビス(トリフルオロメチルスルホン)イミドアニオンを有するイミダゾリウム構造含有ポリエーテル化合物Dを淡黄色透明なオイル状物質として得た。
〔実施例1〕
密閉可能なガラス容器中で、製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部を、N,N−ジメチルホルムアミド5000部に溶解させた。次いで、得られた溶液中に、グラファイト(アルドリッチ社製、グラファイト・フレーク)10部を加えた後、ガラス容器を超音波洗浄機(アズワン社製「USD−4R」、高周波出力160W)内に設置し、周波数40kHz、温度20〜40℃の条件で、60分間超音波処理を行うことにより、グラファイトを剥離してグラフェンとし溶液中に分散させた。次いで、ガラス容器を開放状態にして撹拌子を入れて、開放状態のままガラス容器を加温装置付き電磁式撹拌装置に固定して、30℃、200rpmの条件で、撹拌子が回転しなくなるまでガラス容器の内容物を乾燥させた。撹拌子が回転しなくなった後に撹拌子を取り出し、ガラス容器を真空乾燥機に入れて、0.01MPa以下、50℃、12時間以上の条件下でさらに乾燥させることにより、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。
そして、得られたポリエーテル系重合体組成物に、N,N−ジメチルホルムアミドを適量添加し、得られた懸濁液を電子顕微鏡用のメッシュの上に滴下し乾燥し、透過電子顕微鏡を用いてモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。なお、この際において、透過電子顕微鏡としては、JEOL社のJEM2100Fを用い、200kVの加速電圧にて測定を行った。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、13.00(S/cm)であった。
〔実施例2〕
密閉可能なガラス容器中で、製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部を、N,N−ジメチルホルムアミド5000部に溶解させた。次いで、得られた溶液中に、グラフェン(アルドリッチ社製、グラフェン, ナノプレートレット、ブラックパウダー)10部を加えた後、ガラス容器を超音波洗浄機(アズワン社製「USD−4R」、高周波出力160W)内に設置し、周波数40kHz、温度20〜40℃の条件で、60分間超音波処理を行うことにより、グラフェンを溶液中に分散させた。次いで、ガラス容器を開放状態にして撹拌子を入れて、開放状態のままガラス容器を加温装置付き電磁式撹拌装置に固定して、30℃、200rpmの条件で、撹拌子が回転しなくなるまでガラス容器の内容物を乾燥させた。撹拌子が回転しなくなった後に撹拌子を取り出し、ガラス容器を真空乾燥機に入れて、0.01MPa以下、50℃、12時間以上の条件下でさらに乾燥させることにより、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。
そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、25.50(S/cm)であった。
〔実施例3〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例4で得られたポリエーテル系重合体B 90部を使用した以外は、実施例2と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、21.00(S/cm)であった。
〔実施例4〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例7で得られたポリエーテル系重合体C 90部を使用した以外は、実施例1と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、14.00(S/cm)であった。
〔実施例5〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例7で得られたポリエーテル系重合体C 90部を使用した以外は、実施例2と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、17.50(S/cm)であった。
〔実施例6〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体 A90部と、グラファイト(アルドリッチ社製、グラファイト・フレーク)10部とを、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P−7型、メノー製容器・ジルコニア製ビーズを6個投入)に加えた後、400rpmの回転数にて、60分間処理を行うことにより、グラファイトを剥離してグラフェンとし、ポリエーテル重合体中に分散させ、次いで、得られた混合物を真空乾燥機に入れて、0.01MPa以下、50℃、12時間以上の条件下でさらに乾燥させることにより、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。
そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、8.00(S/cm)であった。
〔実施例7〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例4で得られたポリエーテル系重合体B 90部を使用した以外は、実施例6と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、5.00(S/cm)であった。
〔実施例8〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部と、グラフェン(アルドリッチ社製、グラフェン, ナノプレートレット、ブラックパウダー)10部とを遊星型ボールミル(フリッチュ社製、P−7型、メノー製容器・ジルコニア製ビーズを6個投入)に加えた後、400rpmの回転数にて、60分間処理を行うことにより、グラフェンをポリエーテル系重合体中に分散させた。次いで、得られた混合物を真空乾燥機に入れて、0.01MPa以下、50℃、12時間以上の条件下でさらに乾燥させることにより、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。
そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、18.00(S/cm)であった。
〔実施例9〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例7で得られたポリエーテル系重合体C 90部を用いた以外は、実施例6と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、6.50(S/cm)であった。
〔実施例10〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例7で得られたポリエーテル系重合体C 90部を用いた以外は、実施例8と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、15.00(S/cm)であった。
〔実施例11〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例8で得られたポリエーテル系重合体D 90部を用いた以外は、実施例(8)と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、9.40(S/cm)であった。
〔実施例12〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物 90部を使用した以外は、実施例1と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、0.50(S/cm)であった。
〔実施例13〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物 90部を使用した以外は、実施例2と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、1.20(S/cm)であった。
〔実施例14〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例2で得られた1−メチルイミダゾリウムハライド基を有するポリエーテル化合物 90部を使用した以外は、実施例6と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物について、実施例1と同様にして、透過電子顕微鏡を用いたモルフォロジー観察を行ったところ、得られたポリエーテル系重合体組成物は、ポリエーテル系重合体中にグラフェンが分散してなるものであることが確認できた。また、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、0.80(S/cm)であった。
〔比較例1〕
製造例3で得られたポリエーテル系重合体A 90部に代えて、製造例1で得られたポリエーテル系重合体(カチオン性基を有さないエピクロロヒドリンのオリゴマー)90部を使用した以外は、実施例1と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、0.01(S/cm)であった。
〔比較例2〕
製造例4で得られたポリエーテル系重合体B 90部に代えて、製造例5で得られたポリエーテル系重合体(カチオン性基を有さないプロピレンオキシドのオリゴマー)90部を使用した以外は、実施例2と同様にして、黒色のポリエーテル系重合体組成物を得た。そして、得られたポリエーテル系重合体組成物を試料として、上述した方法に従って、電気伝導率を測定したところ、0.02(S/cm)であった。
〔実施例、比較例の評価〕
実施例1〜14の結果より、本発明所定のカチオン性基を有するポリエーテル系重合体を用いることにより、該ポリエーテル系重合体中に、グラフェンを良好に分散させることができ、これにより、得られるポリエーテル系重合体組成物は、0.50(S/cm)以上と、優れた電気伝導性を示すものであった。特に、実施例1〜11の結果より、対アニオンとしてフッ素原子を含有するカチオン性基を有するポリエーテル系重合体を用いることにより、得られるポリエーテル系重合体組成物は、5.00(S/cm)以上と、極めて優れた電気伝導性を示すものであった。
一方、比較例1,2の結果より、カチオン性基を有しないポリエーテル系重合体を用いた場合には、グラフェンの分散が不十分となり、得られるポリエーテル系重合体組成物は、0.02(S/cm)以下と、電気伝導性に劣るものであった。

Claims (2)

  1. オキシラン単量体単位を複数含有してなり、かつ、重合体鎖末端および/または前記オキシラン単量体単位の少なくとも一部に、カチオン性基を有するポリエーテル系重合体と、
    グラフェンとを含有してなるポリエーテル系重合体組成物。
  2. 前記ポリエーテル系重合体が、下記一般式(1)で表される単量体単位からなる請求項1に記載のポリエーテル系重合体組成物。
    Figure 2017110212
    (上記一般式(1)中、Aは、カチオン性基またはカチオン性基含有基を表し、Xは、フッ素原子を含有する対アニオンを表し、Rは非イオン性基を表し、n+mは5〜100の整数を表す。)
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