JP7293218B2 - ラミネータ及びラミネータのアライメント調整方法 - Google Patents
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Description
このようなラミネータとして、例えば、真空チャンバ内でワークにラミネートフィルムを連続的にラミネートする真空ラミネータが知られている。真空ラミネータにおいては、フィルムロール軸(ラミネートフィルムロールの回転軸)、ラミネートローラ及び巻き取りローラ等が真空チャンバ内に設置され、フィルムロール軸及び巻き取りローラが真空チャンバ外から回転駆動される。
なお、真空ラミネータに関する技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
このとき、真空チャンバ外からローラを駆動するモータとの連結状態を併せて調整する必要があり、ローラのアライメント作業を行う上で作業負担の増大を招いている。また、真空チャンバ外からモータによってローラを駆動する場合、駆動力の伝達機構が真空チャンバを貫通する部分に真空を維持するためのシールが設置されており、ローラのアライメント調整が行われてもシールにより真空を維持する必要がある。
このように、従来の技術においては、真空ラミネートを行うラミネータのアライメント調整を容易に行うことができなかった。
真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に設置され、真空ラミネートに用いられるローラと、
前記ローラのアライメントを調整するためのアライメント調整機構と、
前記ローラを回転させる駆動力を発生するアクチュエータと、
を備え、
前記アクチュエータの駆動力が出力される出力側回転軸の先端が真空領域の外部に配置され、前記ローラを回転させる駆動力が入力される入力側回転軸の先端が真空領域の内部に配置され、前記出力側回転軸の先端と前記入力側回転軸の先端とが電磁的に連結されていることを特徴とする。
[全体構成]
図1は、本発明に係る真空ラミネータ1全体の構成を示す模式図である。
なお、図1においては、真空ラミネータ1の内部を透過した斜視図として、主要な部分を示している。
また、図2は、真空チャンバ内のラミネート機構の構成を示す模式図である。
下側フィルムロール軸11Bは、真空ラミネートに用いられる下側ラミネートフィルムを供給するフィルムロールの回転軸を構成し、トルク調整用モータ22によって回転トルクが制御される。
上側テンションローラ12Aは、上側ラミネートフィルムの張力を検出するために設置されたテンションローラである。なお、上側テンションローラ12Aを上側ラミネートフィルムの搬送をガイドするガイドロールとすることとしてもよい。また、上側テンションローラ12Aに代えてダンサローラを設置し、機械的な構造によって上側ラミネートフィルムの弛みを解消させることとしてもよい。
上側ラミネートローラ13A及び下側ラミネートローラ13Bは、ラミネートフィルムの搬送により従動的に回転し、上側ラミネートローラ13Aと下側ラミネートローラ13Bとの間に挟み込まれた上側ラミネートフィルム及び下側ラミネートフィルムを真空環境下で圧着することにより、ラミネート処理を行う。
巻き取りローラ14は、台車17に固定された支持部材17aに回転軸を回転可能に支持されている。また、巻き取りローラ14は、回転駆動用モータ23によって回転駆動され、上側ラミネートローラ13A及び下側ラミネートローラ13Bから搬出されたラミネート済みのフィルムを巻き取る。
なお、巻き取りローラ14の具体的な設置構造例については後述する。
別体プレート16は、芯出しプレート15に対し、ジャッキボルトによって四隅を支持された板状部材であり、ジャッキボルトを調整することにより、芯出しプレート15及び真空チャンバ1Aの床面に対する傾斜を調整することが可能となっている。これにより、アライメント調整として、巻き取りローラ14の姿勢の調整(回転軸の傾き調整)を行うことができる。また、別体プレート16の各ボルト穴は、一方向(例えば、スラスト方向と直交する方向)に長い長穴とされており、別体プレート16全体をこの一方向に平行移動することも可能となっている。
トルク調整用モータ21は、伝達トルクの調整機構(例えば、パウダークラッチ等)を備え、上側フィルムロール軸11Aから送り出される上側ラミネートフィルムのテンションを制御するための回転トルクを発生する。
トルク調整用モータ22は、伝達トルクの調整機構(例えば、パウダークラッチ等)を備え、下側フィルムロール軸11Bから送り出される下側ラミネートフィルムのテンションを制御するための回転トルクを発生する。
回転駆動用モータ23は、伝達トルクの調整機構(例えば、パウダークラッチ等)を備え、巻き取りローラ14を回転駆動するための回転トルクを発生する。
また、トルク調整用モータ21,22に代えて、上側フィルムロール軸11A及び下側フィルムロール軸11Bの回転抵抗を調整する機構(例えば、パウダーブレーキ等)を備えることとしてもよい。この場合にも、上側フィルムロール軸11A及び下側フィルムロール軸11Bから送り出される上側ラミネートフィルム及び下側ラミネートフィルムのテンションを制御することができる。
図3は、巻き取りローラ14の設置構造例を示す模式図である。
巻き取りローラ14は、本発明を適用したアライメント調整機能を備えている。
図3に示すように、巻き取りローラ14は、真空チャンバ1Aの内部において、台車17に固定された支持部材17aに回転軸を回転可能に支持されている。また、巻き取りローラ14の回転軸の先端には、マグネットカップリングのためのディスク14aが設置され、真空領域の境界を挟んで、回転駆動用モータ23の回転軸の先端に設置されたディスク23aと電磁的に連結されている。
また、封止板31は、台車17の一端と自由継手を介して連結部材33で連結されている。そのため、封止板31と真空チャンバ1Aの隔壁との距離を変化させることで、巻き取りローラ14及びディスク14aがスラスト方向に移動する。なお、この場合、巻き取りローラ14及びディスク14aをスラスト方向に移動させる手段としては、別途、移動用のモータを備えたり、手動操作で行ったりすることが可能である。
これにより、アライメント調整として、ラミネート済みフィルムのエッジ位置の制御(スラスト方向の位置調整)が実現される。
そのため、本実施形態に係る真空ラミネータ1によれば、巻き取りローラ14のアライメント調整をより容易に行うことができる。
そのため、図3に示す構造例の場合、ラミネート済みフィルムのエッジ位置を調整するために巻き取りローラ14をスラスト方向に移動させたときに、保持部材34、ディスク23a、連結部材33、台車17、支持部材17a、巻き取りローラ14及びディスク14aの位置関係が維持される。即ち、スラスト方向のアライメント調整が行われる場合に、巻き取りローラ14の回転軸の先端に設置されたディスク14aと回転駆動用モータ23の回転軸の先端に設置されたディスク23aとの位置関係が維持され、アライメント調整を行った場合に、電磁的な連結の状態を含め、各部の調整作業を行う負担が軽減される。
また、本実施形態に係る真空ラミネータ1によれば、シール部1Bにおける回転軸への抵抗(回転摩擦)を発生させない構造とすることができる。
次に、真空ラミネータ1の作用を説明する。
真空ラミネータ1においては、真空ラミネートの実行に先立ち、各ローラの回転軸の傾きの調整を行う必要がある。
巻き取りローラ14の回転軸の傾き調整(回転軸のアライメント調整)を行う場合、別体プレート16のジャッキボルトを調整することにより、巻き取りローラ14全体の姿勢が調整される。
このとき、巻き取りローラ14のディスク14aと回転駆動用モータ23のディスク23aとの位置関係が変化する可能性があるものの、本実施形態においては、ディスク14a,23aが電磁的に連結されているため、これらの厳密な位置関係の調整が要求されない。
そのため、巻き取りローラ14の回転軸のアライメント調整を行う際の作業負担が軽減される。
巻き取りローラ14のスラスト方向の位置調整(スラスト方向のアライメント調整)を行う場合、保持部材34、ディスク23a、連結部材33、台車17、支持部材17a、巻き取りローラ14及びディスク14aを巻き取りローラ14のスラスト方向に移動させることにより、ラミネート済みフィルムのエッジ位置が調整される。
このとき、巻き取りローラ14の回転軸の先端に設置されたディスク14aと回転駆動用モータ23の回転軸の先端に設置されたディスク23aとの位置関係が維持され、スラスト方向のアライメント調整を行った場合に、電磁的な連結の状態を含め、各部の調整作業を行う負担が軽減される。
したがって、本発明によれば、真空ラミネートを行うラミネータのアライメント調整をより容易に行うことができる。
上述の実施形態において、図3に示すように、巻き取りローラ14をスラスト方向に移動させたときに、保持部材34、ディスク23a、連結部材33、台車17、支持部材17a、巻き取りローラ14及びディスク14aの位置関係が維持される巻き取りローラ14の設置構造例について説明した。
これに対し、巻き取りローラ14をスラスト方向に移動させるモータを備え、回転駆動用モータ23は位置が固定された設置構造とすることができる。
図4に示す設置構造例は、主として、スラスト方向の位置調整のためのスラスト調整用モータ24が備えられ、台車17と連結されていると共に、巻き取りローラ14の回転軸に減速機構141が設置されている点で、図3に示す設置構造例と異なっている。
図4に示す設置構造例において、スラスト調整用モータ24の回転軸は、真空チャンバ1Aの隔壁に形成された貫通穴を貫通し、台車17の一端と自由継手を介して連結されている。なお、この貫通穴の部分には、シール部1Bが設置されている。ただし、スラスト調整用モータ24の出力は、回転駆動用モータ23の出力より小さいもので足りるため、図3におけるシール部1Bのサイズもより小さいものとすることができる。
減速機構141には、ディスク14aと連結された駆動力の入力軸141aと、駆動力の入力軸141aを回転軸とする歯車141bと、巻き取りローラ14の回転軸に設置され、歯車141bと咬み合う歯車141cと、が備えられている。
入力軸141a及び歯車141bは、別体プレート16に設置された支持部材16aに回転可能に支持されており、スラスト方向には移動しない構成となっている。一方、巻き取りローラ14は、台車17に設置された支持部材17aに回転軸を回転可能に支持されており、台車17がスラスト調整用モータ24によって移動されることにより、スラスト方向に移動する。このとき、歯車141bと歯車141cとの咬み合いが維持される範囲で台車17が移動される。
また、図4に示す設置構造例では、巻き取りローラ14の回転軸の端部にディスク14aが設置されないことから、この部分を異なる機能に活用することができる。
例えば、図4に示す例では、巻き取りローラ14の回転軸の端部にロータリージョイント14bを設置し、ロータリージョイント14bを介して、巻き取りローラ14の回転軸に設置されたエアチャック用のエアの供給路を設置している。
この場合、ラミネート済みのフィルムが巻き取られることにより、巻き取りローラ14に蓄積されるラミネート済みフィルムの量が変化しても、その変化に対応してエアチャックの強度を調整することができ、より適切に巻き取りローラ14を回転軸に保持することができる。
また、変形例1に係る真空ラミネータ1においても、シール部1Bにおける回転軸への抵抗(回転摩擦)を発生させない構造とすることができる。
例えば、第1実施形態において、巻き取りローラ14に本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、上側フィルムロール軸11Aあるいは下側フィルムロール軸11B等、真空チャンバ1Aの外部から駆動力が入力されて回転する各種ローラに本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態及び変形例を適宜組み合わせて、真空ラミネータ1を構成することができる。例えば、図3に示す設置構造例と図4に示す設置構造例とを、異なるローラにそれぞれ適用して、真空ラミネータ1に備えることができる。
Claims (8)
- 真空チャンバと、
前記真空チャンバ内に設置され、真空ラミネートに用いられるローラと、
前記ローラのアライメントを調整するためのアライメント調整機構と、
前記ローラを回転させる駆動力を発生するアクチュエータと、
を備え、
前記アクチュエータの駆動力が出力される出力側回転軸の先端が真空領域の外部に配置され、前記ローラを回転させる駆動力が入力される入力側回転軸の先端が真空領域の内部に配置され、前記出力側回転軸と前記入力側回転軸との間に、前記真空領域の内部と外部とを隔てる部材が配置され、前記出力側回転軸の先端と前記入力側回転軸の先端とが電磁的に連結されていることを特徴とするラミネータ。 - 前記出力側回転軸の先端と前記入力側回転軸の先端との電磁的な連結条件は、前記アライメント調整機構により前記ローラのアライメントが調整された場合の前記出力側回転軸の先端と前記入力側回転軸の先端との最大ずれ量を許容するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネータ。
- 前記アライメント調整機構は、
前記真空チャンバ内の床面に対し、傾斜を調整可能なプレートと、
前記プレート上を移動可能な台車と、
を備え、
前記ローラは、前記台車に設置された支持部材に回転軸を回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のラミネータ。 - 前記真空チャンバの隔壁は、貫通穴と当該貫通穴における真空漏れを防止するシール部とを有し、
前記出力側回転軸の先端と前記入力側回転軸の先端とは、前記シール部を挟んで、真空領域の外部及び内部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のラミネータ。 - 前記シール部は、封止板と、当該封止板と前記真空チャンバの隔壁との間に設置された伸縮部材とを備え、
前記アライメント調整機構は、前記封止板と前記台車とを連結する連結部材を備えることを特徴とする請求項4に記載のラミネータ。 - 前記封止板における真空領域の外部側に、前記アクチュエータにおける前記出力側回転軸の先端を、前記封止板との距離を保持して回転可能に支持する保持部材を備えることを特徴とする請求項5に記載のラミネータ。
- 前記ローラの回転軸に備えられたローラ側歯車と、
前記入力側回転軸に備えられ、前記ローラのスラスト方向の移動に対して前記ローラ側歯車との咬み合いを維持する回転軸側歯車と、
を備え、
前記入力側回転軸は、前記真空チャンバ内の床面に設置された支持部材に回転軸を回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のラミネータ。 - ローラを用いて真空ラミネートを行うラミネータで実行されるアライメント調整方法であって、
真空領域の内部に設置された前記ローラを回転させる駆動力を出力する出力側回転軸の先端を真空領域の外部に配置し、前記ローラを回転させる駆動力が入力される入力側回転軸の先端を真空領域の内部に配置し、前記出力側回転軸と前記入力側回転軸との間に、前記真空領域の内部と外部とを隔てる部材を配置し、前記出力側回転軸の先端と前記入力側回転軸の先端とを電磁的に連結させて駆動力の伝達を行う駆動力伝達ステップと、
前記ローラのアライメントを調整するアライメント調整ステップと、
を含むことを特徴とするラミネータのアライメント調整方法。
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