JP7293193B2 - 吸水性スクラブ剤、その製造方法、及び化粧料 - Google Patents

吸水性スクラブ剤、その製造方法、及び化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、吸水性スクラブ剤、その製造方法、及び化粧料に関する。
従来、皮膚用洗浄剤などの化粧料には、洗浄能力を向上させる観点などから、スクラブ剤が配合されることがある。スクラブ剤による洗浄能力の向上には、主に以下の2つの作用が関与している。第1の作用としては、スクラブ剤が汚れにぶつかることで、汚れをこすり落とす作用であり、第2の作用としては、スクラブ剤が増粘して汚れに接着することで、汚れを剥がしとる作用である。
スクラブ剤が広く用いられている化粧料としては、洗顔料が挙げられる。洗顔料において、スクラブ剤は、主に、毛穴内の皮脂や古い角質の除去のために使用されている。
また、スクラブ剤は、洗浄剤の他、スクラブ剤が皮膚へぶつかることによる刺激によって、マッサージ効果を付与する用途でも化粧料に使用されている。このような化粧料としては、例えば、ボディークリーム、マッサージクリームなどが挙げられる。
化粧料に配合される従来のスクラブ剤としては、例えば、活性炭の粒子、タルク(ハイドロタルサイトのような粘土鉱物)の粉砕品、ポリエチレンなどの合成樹脂粒子、球状多孔質シリカなどが知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。また、スクラブ剤としては、活性炭粉末やタルクの粉末を水溶性樹脂で造粒し、応力により形状が崩壊する顆粒状のスクラブ剤や、水溶性高分子を造粒又は架橋したゲル状のスクラブ剤なども知られている。
特開平6-179892号公報 特開2011-225548号公報
活性炭の粒子、タルクの粉砕品、ポリエチレンなどの合成樹脂粒子、球状多孔質シリカなどのスクラブ剤は、洗浄剤に配合されると高い洗浄効果を発揮できるものの、粒子が硬く、皮膚刺激が強いという問題を有している。また、前述の顆粒状のスクラブ剤は、外力が加わるとすぐに崩壊するため、痛みなどの皮膚刺激は少ない反面、皮膚のマッサージ効果は得られ難い。また、前述のゲル状のスクラブ剤は、柔らかいため、痛みなどの皮膚刺激は少ない反面、皮膚のマッサージ効果は得られ難い。
本発明は、吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果が良好な吸水性スクラブ剤を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、純水吸水倍率が、30倍以上であり、かつ、吸水して30質量倍に膨潤した状態における圧縮破断応力が、0.14~1.40Nである吸水性樹脂粒子は、吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果が良好であることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成した発明である。
すなわち、本発明は、下記の構成を備える発明を提供する。
項1. 純水吸水倍率が、30倍以上であり、かつ、吸水して30質量倍に膨潤した状態における圧縮破断応力が、0.14~1.40Nである、吸水性スクラブ剤。
項2. 第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する、項1に記載の吸水性スクラブ剤。
項3. 前記第1のポリマー粒子が、単量体A及びその塩のうち少なくとも一方を含む第1の単量体成分の重合体を含み、
前記第2のポリマーが、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分の重合体を含み、
前記単量体Aの酸解離指数が、前記単量体Bの酸解離指数よりも小さい、項1又は2に記載の吸水性スクラブ剤。
項4. 前記単量体Bの酸解離指数と前記単量体Aの酸解離指数の差(ΔpKa)が、1.5以上である、項3に記載の吸水性スクラブ剤。
項5. 前記単量体Aが、不飽和スルホン酸系単量体であり、
前記単量体Bが、水溶性エチレン性不飽和単量体である、項4に記載の吸水性スクラブ剤。
項6. 顆粒状、略球状、または略球状の粒子が凝集した形状である、項1~5のいずれかに記載の吸水性スクラブ剤。
項7. 第1のポリマー粒子を用意する工程と、
前記第1のポリマー粒子に、第2のポリマーを形成する、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分を浸透させる工程と、
前記第1のポリマー粒子中に浸透した前記第2の単量体成分を重合させて、前記第1のポリマー粒子に前記第2のポリマーが浸透した構造を形成する工程と、を備える、吸水性スクラブ剤の製造方法。
項8. 請求項1~6のいずれかに記載の吸水性スクラブ剤を含む、化粧料。
本発明によれば、吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果が良好な吸水性スクラブ剤を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該吸水性スクラブ剤の製造方法、及び当該吸水性スクラブ剤を含む化粧料を提供することもできる。
本発明の吸水性スクラブ剤は、純水吸水倍率が、30倍以上であり、かつ、吸水して30質量倍に膨潤した状態における圧縮破断応力が、0.14~1.40Nであることを特徴としている。本発明の吸水性スクラブ剤は、このような特定の物性を備えていることにより、化粧料などに使用された際に、吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果を好適に発揮することができる。
また、本発明の吸水性スクラブ剤は、例えば以下の工程を備える製造方法によって、好適に製造することができる。すなわち、第1のポリマー粒子を用意する工程と、第1のポリマー粒子に、第2のポリマーを形成する、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分を浸透させる工程と、第1のポリマー粒子中に浸透した第2の単量体成分を重合させて、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を形成する工程とを備える製造方法によって、本発明の吸水性スクラブ剤が好適に製造される。
以下、本発明の吸水性スクラブ剤、その製造方法、及び当該吸水性スクラブ剤を含む化粧料について、詳述する。
なお、本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値又は実施例から一義的に導き出せる値に置き換えてもよい。また、本明細書において、「~」で結ばれた数値は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。
(吸水性スクラブ剤)
本発明の吸水性スクラブ剤は、粒子状の吸水性樹脂である。吸水性スクラブ剤(粒子状の吸水性樹脂)は、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有していることが好ましい。第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造とは、第1のポリマー粒子の表面から内側にかけて第2のポリマーが存在していることを意味しており、例えば後述のような吸水性スクラブ剤の製造方法によって形成される構造である。
吸水性スクラブ剤において、第2のポリマーは、第1のポリマー粒子の表面とその近傍部分のみに存在していてもよいし、表面から中心部分にまで到達していてもよい。第2のポリマーは、第1のポリマー粒子の表面の少なくとも一部を覆っており、表面の全体を覆っていてもよいし、表面の一部を覆っていてもよい。また、第2のポリマーが複数の第1のポリマー粒子を連結していてもよい。
前記の物性を備える本発明の吸水性スクラブ剤は、例えば、第1のポリマー粒子に、第2のポリマーを形成する、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分を浸透させ、第1のポリマー粒子中に浸透した第2の単量体成分を重合させることによって製造することができる。この方法の詳細については、後述の通りである。
吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果を良好とする観点から、吸水性スクラブ剤の純水吸水倍率の下限値は、30倍であり、好ましくは70倍であり、より好ましくは100倍である。また、純水吸水倍率の上限値は、例えば、400倍であり、好ましくは300倍であり、さらに好ましくは200倍である。
吸水性スクラブ剤の純水吸水倍率は、実施例に記載の方法により測定される値である。
また、吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果を良好とする観点から、吸水性スクラブ剤の圧縮破断応力は、0.14~1.40Nである。圧縮破断応力の下限値は、0.14Nであり、好ましくは0.17Nであり、さらに好ましくは0.2Nである。また、圧縮破断応力の上限値は、好ましくは1.13Nであり、さらに好ましくは0.85Nであり、よりさらに好ましくは0.60Nである。
なお、吸水性スクラブ剤の圧縮破断応力は、純水を吸水して30質量倍に膨潤した状態における測定値である。
吸水性スクラブ剤の圧縮破断応力は、実施例に記載の方法により測定される。
吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果を良好とする観点から、吸水性スクラブ剤の中位粒子径の下限値は、好ましくは10μmであり、より好ましくは100μmであり、よりさらに好ましくは130μmであり、特に好ましくは150μmである。吸水性スクラブ剤の中位粒子径の上限値は、好ましくは500μmであり、より好ましくは350μmであり、よりさらに好ましくは250μmであり、特に好ましくは200μmである。
吸水性スクラブ剤の中位粒子径は、JIS標準篩を用いて測定され、具体的には、実施例に記載の方法により測定される値である。
吸水性スクラブ剤の形状は、例えば、顆粒状、略球状、略球状の粒子が凝集した形状、不定形破砕状、不定形破砕状の粒子が凝集した形状、板状等である。吸水性スクラブ剤が逆相懸濁重合法や噴霧液滴重合法を利用して製造される場合、顆粒状や、球状や楕円球状等の略球状の粒子形状や、略球状の粒子が凝集した形状を有する吸水性スクラブ剤が得られる。また、吸水性スクラブ剤が水溶液重合法を利用して製造される場合、不定形破砕状や、不定形破砕状の粒子が凝集した形状を有する吸水性スクラブ剤が得られる。吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果を良好とする観点からは、吸水性スクラブ剤の形状は、顆粒状、略球状、または略球状の粒子が凝集した形状が好ましい。
吸水して適度な硬さを備え、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果を良好とする観点から、吸水性スクラブ剤において、第1のポリマー粒子は、単量体A及びその塩のうち少なくとも一方を含む第1の単量体成分の重合体であり、第2のポリマーが、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分の重合体であり、単量体Aの酸解離指数(pKa)が、単量体Bの酸解離指数よりも小さいことが好ましい。さらに、同様の観点から、単量体Bの酸解離指数と単量体Aの酸解離指数との差(ΔpKa=単量体Bの酸解離指数-単量体Aの酸解離指数)は、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは2.0以上であり、さらに好ましくは2.5以上である。また、ΔpKaは、例えば、4.0以下であり、好ましくは3.5以下であり、より好ましくは3.0以下である。
単量体Bの酸解離指数と単量体Aの酸解離指数との差(ΔpKa)が上記範囲内であれば、第1のポリマー粒子の浸透圧が高くなり、且つ、第2の単量体成分に含まれる単量体B及び/又はその塩がイオン化し難くなることにより、第1のポリマー粒子に第2の単量体成分が良好に浸透すると考えられる。
単量体Aの酸解離指数は、好ましくは0.5~2.5であり、より好ましくは1.0~2.0であり、さらに好ましくは1.0~1.5である。また、単量体Bの酸解離指数は、好ましくは2.0~6.0であり、より好ましくは3.5~5.0であり、さらに好ましくは4.0~4.5である。
なお、単量体A及びBの酸解離指数(pKa)は、実施例に記載の方法により測定される値である。
単量体Aとしては、好ましくは不飽和スルホン酸系単量体が挙げられる。また、単量体Bとしては、好ましくは水溶性エチレン性不飽和単量体が挙げられる。不飽和スルホン酸系単量体、水溶性エチレン性不飽和単量体、及びこれらの塩の具体例については、後述の吸水性スクラブ剤の製造方法において例示する。
(吸水性スクラブ剤の製造方法)
吸水性スクラブ剤の製造方法においては、まず、第1のポリマー粒子を用意する。次に、第1のポリマー粒子に、第2のポリマーを形成する、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分を浸透させる。さらに、第1のポリマー粒子中に浸透した第2の単量体成分を重合させて、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する吸水性スクラブ剤を得る。以下、これらの工程について詳述する。
第1のポリマー粒子は、単量体A及びその塩のうち少なくとも一方を含む第1の単量体成分を重合することによって得られる。第1の単量体成分が単量体A及び/又はその塩のみを含む場合、第1のポリマー粒子は、単量体A及び/又はその塩のみが重合した構造を有する。他方、第1の単量体成分が単量体A及びその塩以外の単量体(以下、単量体Xと称する)を含む場合、第1のポリマー粒子は単量体A及び/又はその塩に単量体Xがさらに共重合した構造を有する。単量体A及びその塩としては、第1のポリマー粒子を構成した後に、第2のポリマーを形成する第2の単量体成分が浸透して重合可能なものであれば特に制限されない。
第1のポリマー粒子は、好ましくは前記の酸解離指数を有する単量体Aを用いた重合体であり、より好ましくは単量体Aとして不飽和スルホン酸系単量体を用いた重合体であり、さらに好ましくは単量体Aとして前記の酸解離指数を有する不飽和スルホン酸単量体を用いた重合体である。
第1のポリマー粒子は、例えば、第1の単量体成分を炭化水素分散媒中で、内部架橋剤及びラジカル重合開始剤の存在下、逆相懸濁重合させることにより、好適に製造することができる。
<第1の単量体成分の重合工程>
[第1の単量体成分]
第1のポリマー粒子を形成する第1の単量体成分は、単量体Aのみを含んでいてもよいし、単量体Aの塩のみを含んでいてもよいし、単量体A及びその塩のみを含んでいてもよいし、単量体A及び/又はその塩に加えて単量体Xを含んでいてもよい。
単量体Aとしては、前記の酸解離指数を充足するものが好ましく、不飽和スルホン酸系単量体などの強電解質の不飽和単量体が好ましい。不飽和スルホン酸系単量体の具体例としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-アリロキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド、メタクリル酸3-スルホプロピルなどが挙げられ、好ましくは、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸が用いられる。なお、本明細書においては、「アクリ」及び「メタクリ」を合わせて「(メタ)アクリ」と表記する。単量体Aは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、単量体Aを2種以上組み合わせて用いる場合、一部の単量体Aが上述した範囲の酸解離指数を有することが好ましく、全部の単量体Aが上述した範囲の酸解離指数を有することがより好ましい。
また、単量体Aを2種以上組み合わせて用いる場合、単量体Bとの酸解離指数の差(ΔpKa)を求める際に基準となる単量体Aは、2種以上の単量体Aのうち最も酸解離指数の大きなものである。
単量体Xは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、単量体Aとして、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸系単量体を用いた場合、後述の単量体B(例えば、水溶性エチレン性不飽和単量体として、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリルアミド)を単量体Xとして共重合してもよい。なお、第1の単量体成分において、単量体A及び/又はその塩が占める割合(単量体A及びその塩を含む場合は、両者の合計量の占める割合)は、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。単量体A及び/又はその塩が占める割合の上限値は、100モル%である。なお、単量体A及び/又はその塩が占める割合が100モル%である場合、第1の単量体成分には単量体Xが含まれていない。
単量体Aの塩は、例えば、単量体Aが2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のように酸基を有する場合、この酸基をアルカリ性中和剤によって中和することで得られる。このようなアルカリ性中和剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア等が挙げられる。また、これらのアルカリ性中和剤は、中和操作を簡便にするために水溶液の状態にして用いてもよい。なお、前述したアルカリ性中和剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ性中和剤による単量体Aの中和度としては、単量体Aが有する全ての酸基に対する中和度として、10~100モル%であることが好ましく、30~100モル%であることがより好ましく、40~100モル%であることがさらに好ましく、50~100モル%であることがよりさらに好ましい。
第1の単量体成分は、水溶液の状態で炭化水素分散媒中に分散されて、逆相懸濁重合に供されるのが好ましい。第1の単量体成分は、水溶液とすることにより、炭化水素分散媒中での分散効率を上昇させることができる。この水溶液における第1の単量体成分の濃度としては、20質量%~飽和濃度の範囲であることが好ましい。また、第1の単量体成分の濃度としては、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、45質量%以下であることがよりさらに好ましい。一方、第1の単量体成分の濃度としては25質量%以上であることがより好ましく、28質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることがよりさらに好ましい。
[炭化水素分散媒]
炭化水素分散媒としては、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、3-エチルペンタン、n-オクタン等の炭素数6~8の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans-1,2-ジメチルシクロペンタン、cis-1,3-ジメチルシクロペンタン、trans-1,3-ジメチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素分散媒の中でも、特に、工業的に入手が容易であり、品質が安定しており且つ安価である点で、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンが好適に用いられる。これらの炭化水素分散媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせた混合物を用いてもよい。なお、炭化水素分散媒の混合物の例としては、エクソールヘプタン(エクソンモービル社製:ヘプタン及びその異性体の炭化水素75~85質量%含有)等の市販品が挙げられる。
炭化水素分散媒の使用量は、第1段目の重合に供される第1の単量体成分100質量部に対して、100~1500質量部であることが好ましく、200~1400質量部であることがより好ましい。なお、後述するが、逆相懸濁重合は、1段(単段)もしくは2段以上の多段で行われ、前述した第1段目の重合とは、単段重合又は多段重合における1段目の重合反応を意味する(以下も同様)。
[分散安定剤]
逆相懸濁重合においては、第1の単量体成分の炭化水素分散媒中での分散安定性を向上させるために、分散安定剤を用いてもよい。
(界面活性剤)
分散安定剤としては、界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、N-アルキルグルコンアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルのリン酸エステル等を用いることができる。これらの界面活性剤の中でも、特に、単量体の分散安定性の面から、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の使用量は、第1段目の重合に供される第1の単量体成分100質量部に対して、0.1~30質量部であることが好ましく、0.3~20質量部であることがより好ましい。
(高分子系分散剤)
また、分散安定剤は、前述した界面活性剤と共に、高分子系分散剤を併せて用いてもよい。高分子系分散剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらの高分子系分散剤の中でも、特に、単量体の分散安定性の面から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体を用いることが好ましい。これらの高分子系分散剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子系分散剤の使用量としては、第1段目の第1の単量体成分100質量部に対して、0.1~30質量部であることが好ましく、0.3~20質量部であることがより好ましい。
[内部架橋剤]
内部架橋剤としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール〔「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合を意味する。以下同様〕、(ポリ)プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、(ポリ)グリセリン等のポリオール類のジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類;前記のポリオールとマレイン酸、フマル酸等の不飽和酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N-メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸エステル類又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N’’-トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジル化合物、トリグリシジル化合物等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン化合物;2,4-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物;3-メチル-3-オキセタンメタノール、3-エチル-3-オキセタンメタノール、3-ブチル-3-オキセタンメタノール、3-メチル-3-オキセタンエタノール、3-エチル-3-オキセタンエタノール、3-ブチル-3-オキセタンエタノール等のオキセタン化合物等が挙げられる。これらの内部架橋剤の中でも、ポリグリシジル化合物を用いることが好ましく、ジグリシジルエーテル化合物を用いることがより好ましく、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテルを用いることが好ましい。これらの内部架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
内部架橋剤の使用量としては、第1の単量体成分1モルに対して、下限値が0.00001モルであることが好ましく、0.00005モルであることがより好ましく、0.0001モルであることがよりさらに好ましく、0.0005モルであることが特に好ましい。また、その上限値は、第1の単量体成分1モルに対して、0.01モルであることが好ましく、0.005モルであることがさらに好ましく、0.003モルであることがよりさらに好ましく、0.002モルであることが特に好ましい。
[ラジカル重合開始剤]
第1のポリマー粒子の製造において、第1の単量体成分は、ラジカル重合開始剤を用いることで重合する。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物及び過酸化物を列挙することができる。また、アゾ系化合物と過酸化物を併用することもできる。ラジカル重合開始剤の形態は、粉体であってもよいし、水溶液であってもよい。
(アゾ系化合物)
アゾ系化合物としては、例えば、1-{(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ}ホルムアミド、2,2’-アゾビス[2-(N-フェニルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[N-(4-クロロフェニル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[N-(4-ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(N-ベンジルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(N-アリルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[N-(2-ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(5-ヒドロキシ-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)二塩酸塩、4,4’-アゾビス-4-シアノバレイン酸、2,2’-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ化合物が挙げられる。これらの中でも、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物が好ましい。これらアゾ系化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(過酸化物)
過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物類が挙げられる。これらの過酸化物の中でも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素を用いることが好ましく、さらに、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムを用いることがより好ましい。これらの過酸化物は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、第1の単量体成分1モルに対して0.00005モル以上であることが好ましく、0.0001モル以上であることがより好ましい。また、ラジカル重合開始剤の使用量は、第1の単量体成分1モルに対して、0.005モル以下であることが好ましく、0.002モル以下であることがより好ましい。
アゾ系化合物と過酸化物を併用する場合、アゾ系化合物及び過酸化物の使用量割合としては、アゾ系化合物がアゾ系化合物及び過酸化物の使用量全量のうち40質量%以上である割合とすることが好ましく、50質量%以上である割合とすることがより好ましく、60質量%以上である割合とすることがさらに好ましく、70質量%以上である割合とすることがよりさらに好ましい。一方、アゾ系化合物がアゾ系化合物及び過酸化物の使用量全量のうち95質量%以下である割合とすることが好ましく、90質量%以下である割合とすることがより好ましく、85質量%以下である割合とすることがより好ましく、80質量%以下である割合とすることがよりさらに好ましい。また、質量比範囲(アゾ系化合物:過酸化物)は、8:12~19:1であることが好ましい。
[その他の成分]
第1のポリマー粒子の製造では、所望により添加剤を、第1の単量体成分に添加して逆相懸濁重合を行うようにしてもよい。添加剤としては、例えば、連鎖移動剤、増粘剤等が挙げられる。
(連鎖移動剤)
例えば、連鎖移動剤の存在下に第1の単量体成分の重合を行うようにしてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、エタンチオール、プロパンチオール、ドデカンチオール等のチオール類;チオグリコール酸、チオリンゴ酸、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸又はそれらの塩等のチオール酸類;イソプロパノール等の第2級アルコール類;亜リン酸、亜リン酸二ナトリウム、亜リン酸二カリウム、亜リン酸二アンモニウム等の亜リン酸の正塩、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸水素アンモニウム等の亜リン酸の酸性塩等の亜リン酸化合物;リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム等のリン酸の正塩、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン酸の酸性塩等のリン酸化合物;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸アンモニウム等の次亜リン酸塩等の次亜リン酸化合物;ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸及びそれらの塩;リン酸トリメチル、ニトリロトリメチレントリホスホン酸等が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、連鎖移動剤としては、その水和物を用いてもよい。
連鎖移動剤の使用量は、第1の単量体成分1モルに対して、0.00001~0.0005モルであることが好ましく、0.000025~0.00012モルであることがより好ましい。
(増粘剤)
また、第1の単量体成分を含む水溶液に対して増粘剤を添加して逆相懸濁重合を行うようにしてもよい。このように増粘剤を添加して水溶液粘度を調整することによって、逆相懸濁重合において得られる中位粒子径を制御することも可能である。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸(部分)中和物、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を用いることができる。なお、重合時の攪拌速度が同じであれば、第1の単量体成分の水溶液の粘度が高いほど得られる粒子の中位粒子径は大きくなる傾向にある。
[逆相懸濁重合]
逆相懸濁重合を行うにあたっては、例えば、分散安定剤の存在下に、第1の単量体成分を含む水溶液を、炭化水素分散媒に分散させる。このとき、重合反応を開始する前であれば、分散安定剤(界面活性剤や高分子系分散剤)の添加時期は、第1の単量体成分の水溶液を炭化水素分散媒に分散させる前後どちらであってもよい。
その中でも、得られる第1のポリマー粒子に残存する炭化水素分散媒量を低減しやすいという観点から、高分子系分散剤を分散させた炭化水素分散媒に、第1の単量体成分の水溶液を分散させた後に、さらに界面活性剤を添加してから重合を行うことが好ましい。
第1のポリマー粒子の製造方法においては、このような逆相懸濁重合を、1段もしくは2段以上の多段で行うことが可能である。また、生産性を高める観点から2~3段で行ってもよい。
2段以上の多段で逆相懸濁重合を行う場合には、1段目の逆相懸濁重合を行った後、1段目の重合反応で得られた反応混合物に第1の単量体成分を添加して混合し、1段目と同様の方法で2段目以降の逆相懸濁重合を行えばよい。2段目以降の各段における逆相懸濁重合では、第1の単量体成分の他に、必要に応じて添加される前述の内部架橋剤、アゾ化合物、過酸化物などを、2段目以降の各段における逆相懸濁重合の際に添加する第1の単量体成分の量を基準として、前述した第1の単量体成分に対する各成分のモル比の範囲内で添加して逆相懸濁重合を行うことが好ましい。なお、第1のポリマー粒子の製造においては、2段目以降の重合においても、アゾ系化合物及び過酸化物の少なくとも一方の存在下に重合を行うことが好ましい。
第1の単量体成分の重合反応の反応温度としては、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより、経済性を高めるとともに、容易に重合熱を除去して円滑に反応を行わせる観点から、20~110℃であることが好ましく、40~90℃であることがより好ましい。また、反応時間としては、0.1~4時間であることが好ましい。
以上のようにして、第1のポリマー粒子を好適に製造することができる。第1のポリマー粒子の中位粒子径は、第2のポリマーを浸透させた後に得られる吸水性スクラブ剤の中位粒子径が上述した範囲となるように適宜調整すればよく、例えば1~450μmとすることが好ましい。
<第2の単量体成分の浸透工程>
次に、第1のポリマー粒子に、第2のポリマーを形成する、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分を浸透させる。第2の単量体成分は、単量体Bのみを含んでいてもよいし、単量体Bの塩のみを含んでいてもよいし、単量体B及びその塩のみを含んでいてもよいし、単量体B及び/又はその塩に加えて単量体B及びその塩以外の単量体(以下、単量体Yと称する)を含んでいてもよい。
単量体Bとしては、前記の酸解離指数を充足するものが好ましく、水溶性エチレン性不飽和単量体が好ましい。水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体及びその4級化物等が挙げられる。これらの水溶性エチレン性不飽和単量体の中でも、工業的に入手が容易であること等の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドが好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。単量体Bは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、単量体Bを2種以上組み合わせて用いる場合、一部の単量体Bが上述した範囲の酸解離指数を有することが好ましく、全部の単量体Bが上述した範囲の酸解離指数を有することがより好ましい。
また、単量体Bを2種以上組み合わせて用いる場合、単量体Aとの酸解離指数の差(ΔpKa)を求める際に基準となる単量体Bは、2種以上の単量体Bのうち最も酸解離指数の小さなものである。
単量体Yは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。例えば、単量体Bとして、(メタ)アクリル酸などの水溶性エチレン性不飽和単量体を用いた場合、上述の単量体A(例えば、不飽和スルホン酸系単量体として、アリルスルホン酸及び/又はメタリルスルホン酸)を単量体Yとして用いてもよい。なお、第2の単量体成分において、単量体B及び/又はその塩が占める割合(単量体B及びその塩を含む場合は、両者の合計量の占める割合)は、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。単量体B及び/又はその塩が占める割合の上限値は、100モル%である。なお、単量体B及び/又はその塩が占める割合が100モル%である場合、第2の単量体成分には単量体Yが含まれていない。
単量体Bの塩は、例えば、単量体Bが(メタ)アクリル酸等のように酸基を有する場合、この酸基をアルカリ性中和剤によって中和することで得られる。このようなアルカリ性中和剤としては、上述した単量体Aの中和に用いた中和剤と同様のものが挙げられる。
アルカリ性中和剤による単量体Bの中和度としては、単量体Bが有する全ての酸基に対する中和度として、10~100モル%であることが好ましく、30~90モル%であることがより好ましく、40~85モル%であることがさらに好ましく、50~80モル%であることがよりさらに好ましい。
第1のポリマー粒子に第2の単量体成分を浸透させる方法としては、例えば、第1のポリマー粒子と第2の単量体成分を混合すればよい。このとき、第1のポリマー粒子の内部にまで十分に第2の単量体成分を浸透させるために、第1のポリマー粒子は、乾燥させておくことが好ましい。第1のポリマー粒子の乾燥は、後述の吸水性スクラブ剤の乾燥工程と同様にして行うことができる。
また、第1のポリマー粒子の内部にまで十分に第2の単量体成分を浸透させるために、第2の単量体成分は、水溶液の状態で、第1のポリマー粒子に浸透させることが好ましい。より具体的には、第2の単量体成分の水溶液中に、第1のポリマー粒子を浸漬することによって、第2の単量体成分を第1のポリマー粒子に好適に浸透させることができる。浸漬時間としては、例えば、0.3~48時間が挙げられる。
第2の単量体成分の水溶液における第2の単量体成分の濃度としては、20質量%~飽和濃度の範囲であることが好ましい。また、第2の単量体成分の濃度としては、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、45質量%以下であることがよりさらに好ましい。一方、第2の単量体成分の濃度としては25質量%以上であることがより好ましく、28質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることがよりさらに好ましい。
また、第1のポリマー粒子に浸透させた第2の単量体成分を好適に重合させる観点から、内部架橋剤、アゾ系化合物、過酸化物などのうち少なくとも1種の成分をさらに分散させた水分散体の状態で、第1のポリマー粒子に第2の単量体成分を浸透させてもよい。これらの成分としては、前記の第1の単量体成分の重合工程で例示したものと同じものが例示される。また、これらの成分の使用量としては、前記の第1の単量体成分についての例示と同様とすることができる。
<第2の単量体成分の重合工程>
次に、第1のポリマー粒子中に浸透した第2の単量体成分を重合させて、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する吸水性スクラブ剤を得る。
第2の単量体成分の重合は、前記の第1の単量体成分の重合と同様、逆相懸濁重合の条件で行うことができる。すなわち、例えば、分散安定剤の存在下に、第2の単量体成分が浸透した第1のポリマー粒子を、炭化水素分散媒に分散させる。このとき、第2の単量体成分の重合反応を開始する前であれば、分散安定剤(界面活性剤や高分子系分散剤)の添加時期は、第2の単量体成分が浸透した第1のポリマー粒子を、炭化水素分散媒に分散させる前後どちらであってもよい。なお、炭化水素分散媒及び分散安定剤は、前記の第1の単量体成分の重合工程で例示したものと同じものが用いられ、これらの使用量としては、前記の第1の単量体成分についての例示と同様とすることができる。
また、得られる吸水性スクラブ剤に残存する炭化水素分散媒量を低減しやすいという観点から、高分子系分散剤を分散させた炭化水素分散媒に、第2の単量体成分が浸透した第1のポリマー粒子を分散させた後に、さらに界面活性剤を添加してから重合を行うことが好ましい。
第2の単量体成分の重合反応の反応温度としては、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより、経済性を高めるとともに、容易に重合熱を除去して円滑に反応を行わせる観点から、20~110℃であることが好ましく、40~90℃であることがより好ましい。また、反応時間としては、0.5~4時間であることが好ましい。
<後架橋工程>
吸水性スクラブ剤の製造方法においては、前記の方法によって得られた、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する吸水性スクラブ剤の含水ゲル状物に対して、後架橋剤で後架橋する(後架橋反応)こともできる。この後架橋反応は、第2の単量体成分の重合後以降に後架橋剤の存在下に行うことが好ましい。このように、重合後以降に、吸水性スクラブ剤の含水ゲル状物に対して後架橋反応を施すことによって、吸水性スクラブ剤の表面近傍の架橋密度を高めて、その硬さをマッサージ効果に優れたより適度な範囲に調整することができる。
後架橋剤としては、反応性官能基を2個以上有する化合物を挙げることができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;3-メチル-3-オキセタンメタノール、3-エチル-3-オキセタンメタノール、3-ブチル-3-オキセタンメタノール、3-メチル-3-オキセタンエタノール、3-エチル-3-オキセタンエタノール、3-ブチル-3-オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2-エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物が挙げられる。これらの後架橋剤の中でも、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物が好ましい。これらの後架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
後架橋剤の使用量としては、重合に使用した第2の単量体成分1モルに対して、0.00001~0.01モルであることが好ましく、0.00005~0.005モルであることがより好ましく、0.0001~0.002モルであることがさらに好ましい。
後架橋剤の添加方法としては、後架橋剤をそのまま添加しても、水溶液として添加してもよいが、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いた溶液として添加してもよい。親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これら親水性有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて、又は水との混合溶媒として用いてもよい。
後架橋剤の添加時期としては、第2の単量体成分の重合反応がほぼすべて終了した後であればよい。後架橋剤は、第1の単量体成分及び第2の単量体成分の合計100質量部に対して、1~400質量部の範囲の水分存在下に添加することが好ましく、5~200質量部の範囲の水分存在下に添加することがより好ましく、10~100質量部の範囲の水分存在下に添加することがさらに好ましく、20~70質量部の範囲の水分存在下に添加することがよりさらに好ましい。なお、水分の量は、重合反応系に含まれる水分と後架橋剤を添加する際に必要に応じて用いられる水分との合計量を意味する。
後架橋反応における反応温度としては、50~250℃であることが好ましく、60~180℃であることがより好ましく、60~140℃であることがさらに好ましく、70~120℃であることがよりさらに好ましい。また、後架橋反応の反応時間としては、1~300分間であることが好ましく、5~200分間であることがより好ましい。
<乾燥工程>
吸水性スクラブ剤の製造方法は、第2の単量体成分の重合を行った後、乾燥工程を含んでいてもよい。乾燥工程は、例えば、第2の単量体成分の重合を行った後、系に熱等のエネルギーを外部から加えることで、水、炭化水素分散媒等を蒸留により系(反応が行われる容器をいう)から除去する工程である。重合後の含水ゲルから脱水を行う場合、炭化水素分散媒中に含水ゲルが分散している系を加熱することで、水と炭化水素分散媒を共沸蒸留により系外に一旦留去する。このとき、留去した炭化水素分散媒のみを系内へ返送すると、連続的な共沸蒸留が可能である。その場合、乾燥中の系内の温度が、炭化水素分散媒との共沸温度以下に維持されるため、樹脂が劣化しにくい。引き続き、水及び炭化水素分散媒を留去することにより、吸水性スクラブ剤が得られる。
乾燥工程は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。また、乾燥効率を高める観点から、窒素等の気流下で行ってもよい。乾燥工程を常圧下で行う場合においては、乾燥温度としては、70~250℃であることが好ましく、80~180℃であることがより好ましく、80~140℃であることがさらに好ましく、90~130℃であることがよりさらに好ましい。また、乾燥工程を減圧下で行う場合においては、乾燥温度としては、40~160℃であることが好ましく、50~120℃であることがより好ましい。
なお、後架橋剤による後架橋工程を行った場合には、その後架橋工程後に、前述した乾燥工程を行うことが好ましい。
吸水性スクラブ剤は、目的に応じた添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、無機粉末、界面活性剤、酸化剤、還元剤、金属キレート剤、ラジカル連鎖禁止剤、酸化防止剤、抗菌剤、消臭剤等が挙げられる。また、吸水性スクラブ剤には、第1のポリマー粒子及び第2のポリマーの重合に際して使用した各種成分(例えば、炭化水素分散媒、分散安定剤、内部架橋剤、アゾ系化合物、過酸化物、連鎖移動剤、増粘剤など)やその反応物が含まれ得る。
(化粧料)
本発明の化粧料は、前述の本発明の吸水性スクラブ剤を含む。
本発明の吸水性スクラブ剤は、単体(単粒子)のまま用いてもよいし、複数(単粒子の集合体)を用いてもよいが、通常、その複数を化粧料に配合して用いられる。なお、本発明の化粧料には、本発明の吸水性スクラブ剤以外のスクラブ剤が含まれていてもよい。本発明の化粧料に含まれる、スクラブ剤の総量は、例えば0.1~10質量%、好ましくは0.3~7.0質量%、より好ましくは0.5~5.0質量%である。また、化粧料に含まれるスクラブ剤のうち、50質量%以上が本発明の吸水性スクラブ剤であることが好ましく、80質量%以上が本発明の吸水性スクラブ剤であることがより好ましく、100質量%が本発明の吸水性スクラブ剤であることがさらに好ましい。
化粧料が含み得る、本発明の吸水性スクラブ剤以外のスクラブ剤としては、例えば、活性炭の粒子、タルクの粉砕品、ポリエチレンなどの合成樹脂粒子、球状多孔質シリカなどが挙げられる。
本発明の化粧料は、吸水性スクラブ剤に加えて、公知の化粧料に含まれる種々の成分を含むことができる。このような成分としては、特に制限されず、洗浄成分、溶剤、水、油性成分、香料、着色剤、界面活性剤、アルコール類、増粘剤、ゲル化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、美白剤、ビタミン類、清涼剤、血行促進剤、などが挙げられる。化粧料に含まれる成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の化粧料の剤形についても、特に制限されず、公知の化粧料の剤形を採用することができる。剤形の具体例としては、液状、クリーム状、ゲル状などが挙げられる。
本発明の化粧料は、例えば、顔、毛髪、その他の身体部位などの皮膚用洗浄料、マッサージ化粧料、スキンケア化粧料などとして好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。純水吸水倍率、圧縮破断応力、及びpKaは、それぞれ以下の方法によって測定した。また、スクラブ剤は、以下のパネラー評価方法により評価した。
<純水吸水倍率の測定方法>
作製した吸水性スクラブ剤を目開き250μmのJIS標準篩を通過し、目開き150μmのJIS標準篩の上に残る粒子に分級した。500mL容のビーカーに、純水500gをはかりとり、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリングなし)で攪拌回転数600rpmにて攪拌しながら、150μmから250μmに分級した吸水性スクラブ剤0.25±0.0002gを、ままこが発生しないように分散させた。攪拌した状態で30分間放置し、吸水性スクラブ剤を十分に膨潤させた。その後、あらかじめ目開き75μmのJIS標準篩の質量Wa(g)を測定しておき、これを用いて、前記ビーカーの内容物をろ過し、篩を水平に対して約30度の傾斜角となるように傾けた状態で、30分間放置することにより余剰の水分をろ別した。吸水ゲルの入った篩の質量Wb(g)を測定し、以下の式により、純水吸水倍率を求めた。
純水吸水倍率(g/g)=[Wb-Wa](g)/吸水性スクラブ剤の質量(g)
<圧縮破断応力の測定方法>
作製した吸水性スクラブ剤を目開き250μmのJIS標準篩を通過し、目開き150μmのJIS標準篩上に残る粒子に分級した。10mL容のビーカーに、純水3.0gをはかりとり、マグネチックスターラーバー(4mmφ×11mmのリングなし)で攪拌しながら、分級した吸水性スクラブ剤0.10±0.0002gを添加した。攪拌した状態で2分間放置した後、攪拌を停止させ、さらに30分間放置し吸水性スクラブ剤を30質量倍に膨潤にさせて、吸水ゲルを得た。小型圧縮・引張試験機(島津製作所製「Eztest/CE」)を用いて、以下に示す操作および条件に基づいて、吸水ゲルの1粒の破断に必要となる荷重の測定を行った。吸水ゲル1粒を測定台の中央に置き、吸水ゲルの上方から圧子を下記条件に示す一定の速度(変位速度)で降下させ、圧子の移動距離に対する荷重のグラフを表示させながら、荷重の変動を記録した。圧子が吸水ゲルと接触すると吸水ゲルの反発力で荷重が増加する。一方、吸水ゲルが破断すると反発力が低下するため、荷重が減少する。このことから、降下に伴う荷重の増加が止まり、その後減少するまで圧子を移動させた(実施例1、2、3、および比較例2)。荷重が減少しなかったものは、条件に基づいて荷重がロードセルの負荷限界に達するまで圧子を降下させた(比較例1)。荷重の減少が起こる直前の最大の荷重を測定し、吸水ゲルの降伏荷重とみなした。この降伏荷重を吸水ゲルの破断に必要な荷重と判断した。降伏荷重の測定は、ロードセルAもしくはロードセルB(比較例1はロードセルAを使用し、実施例1~3および比較例2はロードセルBを使用)を用いて計3粒の吸水ゲルにおいて実施し、その平均値から圧縮破断応力(N)を求めた。なお、圧縮破断応力の値は、架橋重合体の強度を示す指標の一つであり、圧縮破断応力が高いほど、吸水ゲルが壊されにくい傾向がある。
荷重測定の際に使用したロードセルの条件は下記の通りである。
ロードセルAの定量上限値及び定量下限値:20(N)及び0.4(N)
ロードセルBの定量上限値及び定量下限値:2(N)及び0.04(N)
変位速度:0.5(mm/min)
測定条件として設定したロードセルAの負荷限界(上限):15.0(N)
測定条件として設定したロードセルBの負荷限界(上限):1.5(N)
圧子:15(mmφ)
<pKaの測定方法>
pKaの測定対象である単量体20.4gに対し、イオン交換水29.6gを100mLのガラスビーカーに量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリングなし)で攪拌しながら5分間混ぜて40.8質量%の水溶液を作製した。この水溶液2.4gと生理食塩水50.0gを100mLのガラスビーカーに量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリングなし)で攪拌し、測定用水溶液を作製した。測定用水溶液は測定直前まで17℃に調節した。酸解離指数の測定は、平沼産業株式会社の自動滴定装置(COM-1600)を用いて行った。測定用水溶液を攪拌しながら、10秒ごとに0.1Mの水酸化ナトリウムを0.025mLずつ滴下し、滴下ごとに測定用水溶液のpHの測定を行った。測定用水溶液の濃度と水酸化ナトリウムの滴下量および測定したpHからHenderson-Hasselbalch式を用いて単量体の酸解離指数pKaを求めた。
<パネラー評価方法>
スクラブ剤を用いて化粧料を調製した。具体的には、スクラブ剤を目開き250μmのJIS標準篩を通過し、目開き150μmのJIS標準篩上に残る粒子を分級した。次に、下記の組成となるようにして、まず、成分1~2を混合し、70℃に加熱して攪拌、均一な混合液とした。次に、得られた混合液に対して、下記成分3~6を加え、攪拌して乳化型の化粧料(クリーム)を調製した。
(化粧料の組成)
成分1.ポリソルベート60 3g
成分2.精製水 66g
成分3.鉱油 10g
成分4.ミリスチン酸イソプロピル 10g
成分5.カプリル/カプリック ドリグリセリド 10g
成分6.スクラブ剤 1g
次に、得られた各化粧料を手に塗布してマッサージを行った際のマッサージ効果と硬さによる皮膚刺激について、10人のパネラーによる評価を行った。各評価基準は以下の通りであり、それぞれ10人の評価点の平均値を表1に示す。
(マッサージ効果の評価基準)
1 スクラブ剤の触感を感じず、マッサージ効果が低い
2 スクラブ剤の触感をやや感じるが、マッサージ効果はやや低い
3 スクラブ剤の触感を感じ、マッサージ効果は普通程度である
4 スクラブ剤の触感を好適に感じ、マッサージ効果がやや高い
5 スクラブ剤の触感を特に好適に感じ、マッサージ効果が高い
(硬さによる皮膚刺激の評価基準)
1 スクラブ剤の硬さによる刺激が強すぎる
2 スクラブ剤の硬さによる刺激が強い
3 スクラブ剤の硬さによる刺激がやや強い
4 スクラブ剤の硬さによる刺激はやや弱い
5 スクラブ剤の硬さによる刺激は弱い
(実施例1)
還流冷却器、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散剤として、n-ヘプタン293gをとり、高分子分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ加温溶解した後、58℃まで冷却した。
一方、500mL容の三角フラスコに単量体Aとして予め上述の方法により酸解離指数(pKa)を測定した2-アクリルアミド-メチルプロパンスルホン酸82.69g(0.399モル、pKa1.4)を入れ、イオン交換水68.59gを添加し、水溶液を作製した。この水溶液を外部より冷却しつつ30質量%の水酸化ナトリウム水溶液51.60gを滴下して単量体Aの97モル%中和を行った後、増粘剤として、ヒドロキシルエチルセルロース0.08g(住友精化株式会社、HEC AW-15F)、アゾ系化合物として5質量%の2,2’アゾビス(2-アジミノプロパン)二塩酸塩水溶液2.19g、内部架橋剤として、3質量%のN,N’-メチレンビスアクリルアミド水溶液3.20gとイオン交換水32.40gを加えて溶解し、単量体A及びそのナトリウム塩を第1の単量体成分として含む水溶液を調製した。
そして、上述のように調製した第1の単量体成分を含む水溶液をセパラブルフラスコに添加して、系内に0.2L/分の窒素を通気しつつ10分間攪拌数300rpmで攪拌した。別途、n-ヘプタン6.62gに界面活性剤として、HLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS-370)0.74gを加熱溶解した界面活性剤溶液7.36gを調製した。界面活性剤溶液を第1の単量体成分を含む水溶液にさらに添加して、攪拌数550rpmで20分間攪拌しながら系内を窒素で十分に置換した後、70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合を26分間行った。
第1段目の重合後、系内にn-ヘプタン110gを添加し、攪拌数を1000rpmに変更した後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n―プロパンと水の共沸蒸留により、n-ヘプタンを還流しながら、121.15gの水を系外へ抜き出した。その後、n-ヘプタンを蒸発させて乾燥することによって、架橋重合体の乾燥品(第1のポリマー粒子)を得た。
JIS標準篩を上から、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩、及び受け皿の順に組み合わせた。組み合わせた最上の篩に、第1のポリマー粒子10gを入れ、目開きの大きな篩から順に手で第1のポリマー粒子をこすりつけ、部分的に認められる第1のポリマー粒子の凝集を解いた。
(株)セイシン企業製のROBOT SIFTER RPS 205を用いて、音波強度40W/m2、周波数80Hz、パルス間隔1秒、分級時間2分の条件の下、ROBOT SIFTER用のJIS標準篩を上から、目開き425μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩、を組み合わせ、ほぐした第1のポリマー粒子を装置の充填容器に入れ分級した。分級後、各篩上に残った第1のポリマー粒子の質量を全量に対する質量百分率として算出し、粒度分布を求めた。この粒度分布に関して粒子径の大きい方から順に篩上を積算することにより、篩の目開きと篩上に残った吸水性樹脂の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。この結果、得られた第1のポリマー粒子の中位粒子径は83μmであった。
単量体Bとして予め上述の方法により酸解離指数(pKa)を測定したアクリル酸(pKa4.1)を用意し、これをイオン交換水に溶解させて80質量%のアクリル酸水溶液384.6g(アクリル酸を4.27モル含む)を調製した。この水溶液を2Lの丸口幅広ポリ容器に入れ、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液416.7g(3.20モル)を滴下して75モル%の中和を行った。この容器にアゾ系化合物として5質量%の2,2’アゾビス(2-アジミノプロパン)二塩酸塩水溶液6.42g、内部架橋剤として、1質量%のN,N’-メチレンビスアクリルアミド水溶液6.17gとイオン交換水164.78gを加えて溶解し、単量体B及びそのナトリウム塩を第2の単量体成分として含む水溶液を調製した。第2の単量体成分を含む水溶液に、第1のポリマー粒子15gを浸漬させて、冷蔵庫で14時間かけて十分に膨潤させた。目開き38μmの篩を用いて、膨潤した第1のポリマー粒子と余分な第2の単量体成分を含む水溶液を分離した。膨潤した第1のポリマー粒子は第2の単量体成分を含む水溶液を363.69g吸収していた。
還流冷却器、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散剤として、n-ヘプタン293gをとり、高分子分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌数300rpmで攪拌しつつ加温溶解した後、60℃まで冷却した。
60℃まで冷却した後、n-ヘプタン6.62gに界面活性剤として、HLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社。リョートーシュガーエステルS-370)0.74gを加熱溶解した界面活性剤溶液7.36gをさらに添加して、10分間攪拌した。
攪拌後、系内に膨潤した第1のポリマー粒子362.02gを添加し、30分間、攪拌数1000rpmで攪拌しながら系内を0.2L/minの窒素で十分に置換した。その後、フラスコを80℃の水浴に浸漬して昇温し、第2段目の重合を66分間行って、第1のポリマー粒子に浸透した第2の単量体成分を重合させて、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する吸水性スクラブ剤を得た。
第2段目の重合後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n-ヘプタンと水との共沸蒸留によりn-ヘプタンを還流しながら171.8gの水を系外へ抜き出した後、n-ヘプタンを蒸留させて、乾燥することによって、吸水性スクラブ剤の乾燥品を取得した。この乾燥品を目開き850μmの篩を通過させ、吸水性スクラブ剤の乾燥物144.22gを得た。
JIS標準篩を上から、目開き425μmの篩、目開き250μmの篩、目開き180μmの篩、目開き106μmの篩、目開き75μmの篩、目開き45μmの篩、及び受け皿の順に組み合わせた。組み合わせた最上の篩に、吸水性スクラブ剤50gを入れ、ロータップ式振とう器を用いて10分間振とうさせて分級した。分級後、各篩上に残った、吸水性スクラブ剤の質量を全量に対する質量百分率として算出し、粒度分布を求めた。この粒度分布に関して粒子径の大きい方から順に篩上を積算することにより、篩の目開きと篩上に残った、吸水性スクラブ剤の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。この結果、このときの吸水性スクラブ剤の中位粒子径は174μmであった。
得られた吸水性スクラブ剤を目開き500μmのJIS標準篩を通過し、目開き106μmのJIS標準篩上に残るものに分級した。
一方、翼径90mmであるフッ素樹脂製碇型攪拌翼を備えた内径110mmで2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコに、分級を行った吸水性スクラブ剤30gを入れ、500rpmで攪拌しつつ、後架橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル0.02g、プロピレングリコール0.3g、イオン交換水1.0g、イソプロパノール0.3gを混合させた溶液を滴下し、さらに1分間攪拌を行った。該重合体を、フッ素樹脂コーティングされた、底面26×20cmで深さ約5cmのバットに広げ、このバットを180℃に設定した熱風乾燥機内(ADVANTEC社製、FV-320)に40分間静置した。これにより、吸水性スクラブ剤を後架橋剤によって架橋させた後、500μmの篩を通過させ、第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する吸水性スクラブ剤を29g取得した。
続いて、作製した吸水性スクラブ剤の純水吸水倍率及び圧縮破断応力を、上述の方法により測定し、パネラーによる評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、第1のポリマー粒子の内部架橋剤である3質量%のN,N’-メチレンビスアクリルアミド水溶液の添加量を3.38gに変更した以外は、実施例1と同様にして吸水性スクラブ剤を作製した。
続いて、作製した吸水性スクラブ剤の純水吸水倍率及び圧縮破断応力を、上述の方法により測定し、パネラーによる評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、第1のポリマー粒子の内部架橋剤である3質量%のN,N’-メチレンビスアクリルアミドの添加量を3.60gに変更した以外は、実施例1と同様にして吸水性スクラブ剤を作製した。
続いて、作製した吸水性スクラブ剤の純水吸水倍率及び圧縮破断応力を、上述の方法により測定し、パネラーによる評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
住友精化株式会社製の低密度ポリエチレン微粒子(フロービーズCL8007、低密度ポリエチレンの球状粒、粒子径0.6mm)を用意し、これを比較例1のスクラブ剤とした。
続いて、用意したスクラブ剤の純水吸水倍率及び圧縮破断応力を、上述の方法により測定し、パネラーによる評価を行った。なお、パネラーによる評価を行う際、低密度ポリエチレン微粒子は吸水により粒子径が増大しないため、低密度ポリエチレン微粒子は分級せずに、化粧料を作製した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
住友精化株式会社製の吸水性樹脂粒子(アクアキープSA50II、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物、粒子径256μm)を用意し、これを比較例1の吸水性スクラブ剤とした。
続いて、用意した吸水性スクラブ剤の純水吸水倍率及び圧縮破断応力を、上述の方法により測定し、パネラーによる評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0007293193000001
表1に示される結果からも明らかなとおり、実施例1~3の吸水性スクラブ剤は、吸水して適度な硬さを備えており、皮膚刺激は少なく、皮膚のマッサージ効果も良好であることが分かる。

Claims (6)

  1. 純水吸水倍率が、30倍以上であり、かつ、吸水して30質量倍に膨潤した状態における圧縮破断応力が、0.14~1.40Nであり、
    第1のポリマー粒子に第2のポリマーが浸透した構造を有する、吸水性スクラブ剤。
  2. 前記第1のポリマー粒子が、単量体A及びその塩のうち少なくとも一方の重合体であり
    前記単量体Aは、不飽和スルホン酸系単量体であり、
    前記第2のポリマーが、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方の重合体であり
    前記単量体Bは、水溶性エチレン性不飽和単量体であり、
    前記単量体Aの酸解離指数が、前記単量体Bの酸解離指数よりも小さい、請求項に記載の吸水性スクラブ剤。
  3. 前記単量体Bの酸解離指数と前記単量体Aの酸解離指数の差(ΔpKa)が、1.5以上である、請求項に記載の吸水性スクラブ剤。
  4. 顆粒状、略球状、または略球状の粒子が凝集した形状である、請求項1~のいずれかに記載の吸水性スクラブ剤。
  5. 第1のポリマー粒子を用意する工程と、
    前記第1のポリマー粒子に、第2のポリマーを形成する、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方を含む第2の単量体成分を浸透させる工程と、
    前記第1のポリマー粒子中に浸透した前記第2の単量体成分を重合させて、前記第1のポリマー粒子に前記第2のポリマーが浸透した構造を形成する工程と、を備え
    前記第1のポリマー粒子が、単量体A及びその塩のうち少なくとも一方の重合体であり、
    前記単量体Aは、不飽和スルホン酸系単量体であり、
    前記第2のポリマーが、単量体B及びその塩のうち少なくとも一方の重合体であり、
    前記単量体Bは、水溶性エチレン性不飽和単量体である、吸水性スクラブ剤の製造方法。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の吸水性スクラブ剤を含む、化粧料。
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