JP3120887B2 - 吸水性ポリマー微粒子の製造法 - Google Patents

吸水性ポリマー微粒子の製造法

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JP3120887B2 JP04025356A JP2535692A JP3120887B2 JP 3120887 B2 JP3120887 B2 JP 3120887B2 JP 04025356 A JP04025356 A JP 04025356A JP 2535692 A JP2535692 A JP 2535692A JP 3120887 B2 JP3120887 B2 JP 3120887B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸水性ポリマーの製造法
に関し、更に詳細には制汗剤素材等として好適な吸水能
と粒径を有する吸水性ポリマー微粒子を、工業的に容易
かつ安価に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年吸水性ポリマーは生理用品、おむつ
等の衛生剤や農業分野での保水剤、土壌改良剤、更には
人工スキー場の人工雪、洗顔料のスクラブ剤等、広範な
分野で利用されてきている。またこれらの用途の他に化
粧品分野、特に汗を吸収する制汗剤として利用しようと
する例も欧州特許第1162号、特開昭50−1268
20号、同50−77548号、同60−81120
号、特開平3−109316号等に開示されている。こ
の場合、人体に使用するため、安全性は言うまでもな
く、使用時の感触、特に吸汗時の感触、さっぱり感の持
続性等が重要視される。
【0003】この種の用途に使用される吸水性ポリマー
としてはアクリル酸塩重合体の架橋物、アクリルアミド
−アクリル酸塩共重合体の架橋物、ビニルアルコール−
アクリル酸塩共重合体の架橋物、アクリル酸塩−メタク
リル酸塩共重合体の架橋物、澱粉−アクリル酸塩グラフ
ト共重合体の架橋物、澱粉−アクリロニトリルグラフト
共重合体の加水分解物の架橋物、カルボキシメチルセル
ロース架橋物等が知られているが、アクリル酸塩重合体
の架橋物が安価で容易に高吸水能を有することから、最
も好ましい吸水性ポリマーであるとされている。
【0004】従来、アクリル酸塩の重合方法としては、
重合熱の除去の容易さという利点から逆相乳化重合およ
び逆相懸濁重合が工業的に一般化している。これらの重
合法を用いてα,β−不飽和カルボン酸から粉末重合体
を得る方法は、例えば特公昭34−10644号、同5
3−45357号、同53−46389号、同54−3
0710号、特開昭56−26909号、特公昭60−
25045号、特開昭57−167302号、同61−
43606号等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
重合法では、重合反応槽の温度制御が困難であり、反応
の暴走、凝集物の生成等が起こり、粒径が小さく、凝集
物のないまたは少ない吸水性ポリマー微粒子を得ること
は困難であった。従って、本発明の目的は制汗剤素材等
のような化粧品材料として利用できる、好適な吸水能と
小さな粒径を有する吸水性ポリマー微粒子を工業的に容
易に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、こ
のような観点から逆相懸濁重合法および逆相乳化重合法
の条件を種々検討した結果、分散安定化剤として特定の
HLBを有する化合物を用い、重合前にモノマーを油中
水型微小分散滴を形成しておき、これを滴下しつつ重合
させることにより、重合反応を徐々に進行させることが
でき、凝集が抑制されるため優れた性能を有する吸水性
ポリマー微粒子が得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、本発明は、α,β−不飽和カル
ボン酸モノマーまたは/およびその塩を油中水型の逆相
懸濁重合させる吸水性ポリマーの製造法において、分散
安定化剤としてHLBが3〜9のショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタンエステルおよびこれらのポリオキシアル
キレン付加物から選ばれる1種または2種以上を用い、
重合前に予めモノマーの油中水型の微小分散滴を形成せ
しめ、その微小分散滴を昇温した有機溶媒中に滴下して
重合させることを特徴とする吸水性ポリマー微粒子の製
造法を提供するものである。
【0008】本発明に用いられるα,β−不飽和カルボ
ン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸等を挙
げることができる。これらの中で最も好適なものはアク
リル酸である。その塩としては、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩を挙げることができるが、ナト
リウム塩が最も安価であり好ましい。これらのα,β−
不飽和カルボン酸モノマー塩のうち、アクリル酸ナトリ
ウムはポリアクリル酸ナトリウムが化粧品原料基準合格
品であり、安全性の点から特に好ましい。
【0009】本発明においては、通常α,β−不飽和カ
ルボン酸をアルカリで中和して重合に供するが、その中
和度は50〜95%、特に65〜75%が好ましい。低
すぎるとポリマーの酸性度が増し、高すぎるとモノマー
水溶液の濃度を高くすることが困難となり好ましくな
い。
【0010】モノマー濃度は40重量%以上が好まし
く、それ未満では経済的でなく、またジエポキシ化合物
のような水と反応して失活する架橋剤を用いる場合は、
効率的な架橋が進行しない問題が発生する。
【0011】本発明においては、架橋剤は必らずしも必
要ではないが、架橋剤の存在下に重合を行うこともでき
る。吸水性ポリマーは、一般に架橋度を高めれば吸水量
が低下するが、ある程度架橋させることにより必要以上
に膨潤し、皮膚上での感触、特に異物感が生じることを
防止することができる。
【0012】本発明に用いられる架橋剤としては、α,
β−不飽和カルボン酸モノマーまたは/およびその塩か
ら得られる重合体を架橋させ得るものであれば如何なる
ものであってもよく、重合性架橋剤として例えば、メチ
レンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミ
ド等のビスアミド類や、エチレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ
メタクリレート、ポリオキシエチレングリコールジアク
リレート、グリセリントリアクリレート等のポリオール
類のジまたはトリ(メタ)アクリレートが挙げられ;
α,β−不飽和カルボン酸モノマーおよびその塩または
その重合体中に存在するカルボキシル基との反応性を利
用した架橋剤として、例えば(ポリ)エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールジグリ
シジルエーテル、(ポリ)グリセロールトリグリシジル
エーテル、(ポリ)グリセロールテトラグリシジルエー
テル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ソルビトー
ルトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシ
ジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエー
テル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等のポ
リグリシジル化合物類や、エピクロルヒドリン、エピブ
ロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のハロ
エポキシ化合物類や、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンンジイソシアネート等のイソシアネ
ート化合物類が挙げられる。この中でメチレンビスアク
リルアミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル
が最も好ましい。
【0013】架橋剤は一般にモノマーに対し、0.00
1〜10重量%、特に0.01〜6重量%の割合で使用
されるのが好ましい。0.001重量%より少ないと得
られる吸水性ポリマーが必要以上に膨潤し感触低下をも
たらし、10重量%を超えると吸水能力が著しく低下
し、べたつきを感じることとなり好ましくない。
【0014】重合開始剤としては、通常の水溶性ラジカ
ル重合開始剤を用いることができる。水溶性アゾ系開始
剤では、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス〔2−メチル
−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミ
ド〕、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキ
シエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}
ジハイドライド等を例示することができ、水溶性過酸化
物では、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素等を例示することができ、これらと例えば亜硫酸塩
の如き還元性物質、またはアミン等と組み合わせてレド
ックス開始剤としてもよい。
【0015】重合開始剤の使用量はモノマーに対して、
0.01〜1重量%が好ましく、少なすぎるとスムーズ
な重合が開始されにくく、1重量%を超えるとモノマー
分散滴の有機溶媒への滴下以前に重合が開始される危険
性が高くなり好ましくない。
【0016】本発明において有機溶媒は、モノマーを油
中水型の微小分散滴とする場合の油相成分として、また
この分散滴を滴下する反応槽の溶媒としても使用され
る。かかる有機溶媒としては石油系炭化水素が好まし
く、例えばノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、リグ
ロイン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素が使用し得るが、乾燥
吸水性ポリマー微粒子の融着を引き起こす恐れのある芳
香族炭化水素より、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン
等の脂肪族或は脂環族炭化水素がより好ましい。有機溶
媒の使用量はモノマー水溶液の量に対して広い範囲に渡
って可変であるが、経済的な面から一般に有機溶媒は少
ない方が有利である。しかし、少なすぎると発熱の除去
が困難になり、また反応槽には反応液を撹拌可能な程度
に仕込んでおくことも必要である。従って、通常モノマ
ー水溶液と有機溶媒の容量比は1:1〜1:6の間が適
当である。
【0017】本発明において分散安定化剤は、α,β−
不飽和カルボン酸モノマーまたは/およびその塩の水溶
液を油相(有機溶媒)中に分散安定化させるために使用
されるものであり、油溶性界面活性剤であるHLB3〜
9のショ糖脂肪酸エステル、ソルビタンエステルおよび
これらのポリオキシアルキレン付加物から選ばれる1種
または2種以上が使用される。ショ糖脂肪酸エステルと
しては、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、ラウリ
ン酸、オレイン酸等の飽和または不飽和の脂肪酸から成
るショ糖エステルが好ましい。そのエステル個数はショ
糖1単位当り1〜6個であり得る。具体的なショ糖脂肪
酸エステルとしては、ショ糖モノステアレート、ショ糖
ジステアレート、ショ糖トリステアレート、ショ糖モノ
パルミテート、ショ糖ジパルミテート、ショ糖トリパル
ミテート、ショ糖モノラウレート、ショ糖ジラウレー
ト、ショ糖トリラウレート、ショ糖モノオレート、ショ
糖ジオレート、ショ糖トリオレート、ショ糖ポリステア
レート、ショ糖ポリパルミテート、ショ糖ポリラウレー
ト、ショ糖ポリオレート等が挙げられる。ソルビタンエ
ステルとしては、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸、オレイン酸等の飽和または不飽和の脂
肪酸から成るソルビタンエステルが好ましく、そのエス
テル個数はソルビタン1単位当り1〜4個であり得る。
具体的にはソルビタンモノステアレート、ソルビタンジ
ステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタ
ンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソル
ビタントリパルミテート、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンジラウレート、ソルビタントリラウレート、
ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソル
ビタントリオレート等が挙げられる。また、これらのポ
リオキシアルキレン付加物としては、ポリオキシエチレ
ン付加物、ポリオキシプロピレン付加物が挙げられ、例
えばポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン
ソルビタントリステアレート等が挙げられる。また、こ
れらの分散安定化剤は1種または2種以上を混合して用
いることができる。HLBは3〜9が適当範囲であり、
低すぎると微粒子以外にゲル化物を生じてしまい、高す
ぎると石油系炭化水素溶媒への溶解性が低下し、分散能
が落ち不経済である。
【0018】分散安定化剤の適当な添加量はモノマーに
対して、通常0.1〜15重量%であり、好ましくは1
〜5重量%である。少なすぎると安定な油中分散滴を形
成せず、多すぎると不経済であり、かつ生成したポリマ
ー中に多量の分散安定化剤が混入するため、吸水能が低
下する。
【0019】本発明における重合反応は、重合反応前に
予めモノマー水溶液の微小分散滴を調製し、これを反応
槽の有機溶媒中に滴下して重合させることにより行われ
る。微小分散滴の調製法は、ポリマー微粒子として所望
の平均粒径が得られるような分散方法であれば特に限定
されないが、例えばモノマー水溶液と有機溶媒、重合開
始剤、分散安定化剤、および必要であれば架橋剤とを混
合し、強力な水流を利用したホモジナイザー、回転羽根
と機壁あるいは回転羽根同士のギャップにかかる高シェ
アーを利用した連続乳化分散機、超音波分散機等を用い
て分散したり、特開平2−95433号に開示されてい
るようなセラミックミクロ多孔膜にモノマー水溶液を加
圧して通し分散媒に圧入する方法等を用いて分散する方
法等が好ましい。
【0020】得られた分散滴は、有機溶媒と必要により
分散安定化剤を仕込み、撹拌下で窒素置換し昇温した反
応槽へ滴下する。この時の分散安定化剤量は滴下する分
散滴の分散安定化剤濃度に合わせた濃度が好ましく、少
なすぎると反応槽に滴下したモノマーの分散滴が重合前
に崩れゲル化したり、反応槽内壁への付着、平均粒径の
増大をもたらす恐れがあり、多すぎると不経済となる。
反応温度は50〜85℃が好ましい。この場合滴下と同
時に重合が起こることが好ましい。必要以上に温度を上
げることは、不経済であり、滴下途中でのモノマー分散
滴の安定滴下が難しくなる。途中発熱の状態によって適
宜冷却もしくは加熱を行うこともできる。
【0021】モノマー分散滴を全量滴下した後、重合反
応と架橋反応を完結させるために、還流温度で熟成を行
うこともできる。反応終了後、冷却し、目的ポリマー微
粒子をそのまま抜き出して、乾燥してもよいし、冷却の
前に共沸により適当量の脱水を行い、その後冷却して乾
燥してもよいし、脱水と溶媒の濃縮を行った後に冷却し
て乾燥してもよい。また適度に脱水した後に、更に熟成
を行い残存している架橋剤による架橋反応を更に進める
方法をとることもできる。製造の簡便さから考えれば、
脱水をせずに、そのまま乾燥することが有利ではある
が、水によって膨潤したポリマー微粒子をそのまま乾燥
すると微粒子同士の融着が起こり易い。従って反応終了
後、適当な脱水を行って乾燥することが好ましい。
【0022】このようにして得られるポリマー微粒子は
安全性が著しく重要視される用途のためには、水と親水
性溶媒の混合液で洗浄を行うのが好ましい。その方法
は、例えば特公昭43−1096号、特開平1−292
003号等に開示されている。
【0023】かくして得られる吸水性ポリマー微粒子
は、通常1〜50μmの平均粒径を有し、粒度分布が狭
く、均質な1次粒子、あるいは物理的に弱く凝集した2
次粒子として得られる。従って、そのままでも吸汗剤素
材として供することができるが、必要に応じて簡単な解
砕、分級を行って極僅かな不純物を除去後、吸汗剤素材
として供するのが好ましい。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によって得られるポリマー
は微粒子で、粒度分布の狭い均質な粒子であり、自重の
5倍以上の吸水性能を有し、化粧品分野、特に汗を吸収
する制汗剤素材として極めて有効なポリマーであるばか
りか、通常、吸水性ポリマーが大量に用いられている生
理用品、紙おむつ等の衛生剤、保水剤、土壌改良剤等の
農業分野等にも広く利用され得る。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0026】実施例1 80重量%の工業用アクリル酸255gを2lのビーカ
ーに取り、冷却しつつ撹拌下、30重量%の苛性ソーダ
水溶液280gを滴下して74%の中和を行った後、過
硫酸カリウム0.8gを20mlの水に溶解した溶液と架
橋剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテル
(商品名、デナコールEX810、長瀬化成(株)製)
10.2gを加え、均一に溶解した。得られた溶液を2
lのビーカー中、シクロヘキサン1kgに分散安定化剤で
あるショ糖ステアリン酸エステル(商品名、リョートー
シュガーエステルS−570とS−770の等重量混合
物、三菱食品化学(株)製)5gを加熱溶解して得られ
た溶液に添加し、ホモミキサーを用い、回転数1000
0rpm で5分間強撹拌を行い微細な油中水型分散滴を作
った。次に還流冷却器を付した、5lのステンレス製反
応釜に上記分散安定化剤と同種の分散安定化剤5gとシ
クロヘキサン1kgを入れ400rpm で撹拌し、予め系内
を80℃に加熱し、窒素置換した溶液の中に、前述のア
クリル酸部分中和油中水型分散滴を滴下し、同時に重合
を開始させた。全量を1時間で滴下した後、還流温度
(72℃)で更に4時間熟成を行った。その後脱水管を
取り付け、昇温し270mlの脱水を行い、更に1500
mlのシクロヘキサンを蒸発留去後、放冷し反応を完結し
た。減圧下で蒸発乾固を行うことによって250gの微
粉末状の白色乾燥ポリマーを得た。更にこのポリマーを
1250gの70重量%エタノールと95重量%エタノ
ールによって洗浄した後、再び減圧下で蒸発乾固を行っ
た。コーヒーミルにより解砕を行い、200gの微粉末
状の白色乾燥ポリマーを得た。得られた乾燥ポリマー微
粒子の平均粒径は2.0μmであり、最大粒子の粒径が
10μmという粒度分布の狭い均質な微粒子であること
がわかった。また、大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子
は平均粒径が7.4μmで最大粒子の粒径も30μm以
下であり、制汗剤素材として使用された場合、発汗時に
も異物感を感じることのない大きさであり、好適な素材
であることが判明した。
【0027】実施例2 分散安定化剤をリョートーシュガーエステルS−970
(三菱食品化学(株)製)に変えた以外は、実施例1と
同条件で製造を行い、210gの微粉末状の白色乾燥ポ
リマーを得た。この乾燥ポリマーの平均粒径は2.1μ
mであり、最大粒子の粒径は、12μmという粒度分布
であった。また大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、
平均粒径が7.8μmであり、最大粒子の粒径が28μ
mであった。
【0028】実施例3 分散安定化剤をリョートーシュガーエステルS−570
(三菱食品化学(株)製)に変えた以外は、実施例1と
同条件で製造を行い、205gの微粉末状の白色乾燥ポ
リマーを得た。この乾燥ポリマーの平均粒径は1.9μ
mであり、最大粒子の粒径は、10μmという粒度分布
であった。また大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、
平均粒径が7.3μmであり、最大粒子の粒径が25μ
mであった。
【0029】実施例4 分散安定化剤をソルビタンモノステアレートに変え、有
機溶媒をノルマルヘキサンに変え、重合開始時の昇温温
度を68℃にした以外は、実施例1と同条件で製造を行
い、200gの微粉末状の白色乾燥ポリマーを得た。こ
の乾燥ポリマーの平均粒径は2.3μmであり、最大粒
子の粒径は、18μmという粒度分布であった。また大
過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、平均粒径が12.
5μmであり、最大粒子の粒径が50μmであった。
【0030】実施例5 分散安定化剤をソルビタンモノステアレート、ソルビタ
ンジステアレート、ソルビタントリステアレートおよび
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートの配合
比が10:4:3:3重量比で混合したものを用いた以
外は、実施例4と同条件で製造を行い、195gの微粉
末状の白色乾燥ポリマーを得た。この乾燥ポリマーの平
均粒径は2.0μmであり、最大粒子の粒径は、20μ
mという粒度分布であった。また大過剰の生理食塩水で
膨潤した粒子は、平均粒径が10.3μmであり、最大
粒子の粒径が42μmであった。
【0031】実施例6 分散安定化剤をソルビタンモノパルミテートに変えた以
外は、実施例4と同条件で製造を行い、215gの微粉
末状の白色乾燥ポリマーを得た。この乾燥ポリマーの平
均粒径は2.1μmであり、最大粒子の粒径は、15μ
mという粒度分布であった。また大過剰の生理食塩水で
膨潤した粒子は、平均粒径が7.8μmであり、最大粒
子の粒径が28μmであった。
【0032】実施例7 架橋剤をメチレンビスアクリルアミドに変えた以外は、
実施例1と同条件で製造を行い、200gの微粉末状の
白色乾燥ポリマーを得た。この乾燥ポリマーの平均粒径
は2.3μmであり、最大粒子の粒径は、18μmとい
う粒度分布であった。また大過剰の生理食塩水で膨潤し
た粒子は、平均粒径が14.8μmであり、最大粒子の
粒径が72μmであった。
【0033】実施例8 予備分散する分散機をホモミキサーから連続乳化分散機
に変え、回転数15000rpm で分散しながら滴下し、
脱水量を220mlに変えた以外は、実施例1と同条件で
製造を行い、210gの微粉末状の白色乾燥ポリマーを
得た。この乾燥ポリマーの平均粒径は1.5μmであ
り、最大粒子の粒径は、8μmという粒度分布であっ
た。また大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、平均粒
径が6.9μmであり、最大粒子の粒径が22μmであ
った。
【0034】実施例9 連続乳化分散機の回転数を10000rpm に変えた以外
は、実施例8と同条件で製造を行い、230gの微粉末
状の白色乾燥ポリマーを得た。この乾燥ポリマーの平均
粒径は5.0μmであり、最大粒子の粒径は、20μm
という粒度分布であった。また大過剰の生理食塩水で膨
潤した粒子は、平均粒径が24.0μmであり、最大粒
子の粒径が61μmであった。
【0035】実施例10 架橋剤量を0.26gに変えた以外は、実施例3と同条
件で製造を行い、220gの微粉末状の白色乾燥ポリマ
ーを得た。この乾燥ポリマーの平均粒径は2.0μmで
あり、最大粒子の粒径は、12μmという粒度分布であ
った。また大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、平均
粒径が31.9μmであり、最大粒子の粒径が125μ
mであった。また、この乾燥ポリマー1gに対して40
0gのイオン交換水を加えて膨潤させたところ、250
gの水を吸収した。従って、得られたポリマーは自重の
200倍以上の水を吸収するため、衛生剤及び農業用の
保水剤等にも有用である。
【0036】実施例11 モノマーのアクリル酸をメタクリル酸に変えて、80重
量%のメタクリル酸305gを用いた以外は実施例1と
同条件で製造を行い、230gの微粉末状の白色乾燥ポ
リマーを得た。この乾燥ポリマーの平均粒径は2.3μ
mであり、最大粒子の粒径は、14μmという粒度分布
であった。また大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、
平均粒径が6.5μmであり、最大粒子の粒径が28μ
mであった。
【0037】実施例12 連続乳化分散機の回転数を5000rpm に変えた以外
は、実施例8と同条件で製造を行い、225gの微粉末
状の白色乾燥ポリマーを得た。この乾燥ポリマーの平均
粒径は14.4μmであり、最大粒子の粒径は、71.
8μmという粒度分布であった。また大過剰の生理食塩
水で膨潤した粒子は、平均粒径が32.3μmであり、
最大粒子の粒径が158.6μmであった。
【0038】比較例1 予備分散を行わず、モノマー水溶液を滴下する以外は、
全仕込量も実施例1と同等とし、製造条件も同等として
洗浄工程以前に250gの白色ポリマーを得た。しか
し、生成物には微粒子以外に相当量のゲル化物が混入し
ていた。乾燥ポリマーの平均粒径は120μmであり、
1mm以上の凝集物も混在していた。
【0039】比較例2 重合のために昇温する以前にモノマー分散滴を全て反応
槽に添加し、その後昇温し重合を開始させた以外は実施
例1と同等の製造条件で製造した。途中、急激な重合熱
の発生により突沸を生じた。急冷し反応を続け、反応終
了後得られたポリマーは白色の粉末状ポリマー160g
であった。この乾燥ポリマーの平均粒径は6.8μmで
あり、最大粒子の粒径は、58μmという粒度分布であ
った。また大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、平均
粒径が18.2μmであり、最大粒子の粒径が1mmに近
い大粒子であった。
【0040】比較例3 分散安定化剤をソルビタントリステアレート(HLB
2.1)に変えた以外は、実施例4と同条件で製造を行
い、230gの微粉末状の白色乾燥ポリマーを得た。こ
の乾燥ポリマーの平均粒径は14.5μmであり、最大
粒子の粒径は、105μmという粒度分布であった。ま
た大過剰の生理食塩水で膨潤した粒子は、平均粒径が4
3.5μmであり、最大粒子の粒径が980μmであ
り、ゲル化物も含まれていた。
【0041】試験例 本発明で得られた吸水性ポリマーの物理的評価として乾
燥ポリマー粒子の平均粒径と粒度分布(Cv値)を測定
し、その結果を表1に示した。Cv値が小さい程粒度分
布が狭いことを表している。なおCv値とは、平均値
(平均粒径)に対する相対的なちらばりの大きさを表す
値であり、下記の一般式で求めることができる。
【0042】
【数1】
【0043】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−不飽和カルボン酸モノマーまた
    は/およびその塩を油中水型の逆相懸濁重合させる吸水
    性ポリマーの製造法において、分散安定化剤としてHL
    Bが3〜9のショ糖脂肪酸エステル、ソルビタンエステ
    ルおよびこれらのポリオキシアルキレン付加物から選ば
    れる1種または2種以上を用い、重合前に予めモノマー
    の油中水型の微小分散滴を形成せしめ、その微小分散滴
    を昇温した有機溶媒中に滴下して重合させることを特徴
    とする吸水性ポリマー微粒子の製造法。
  2. 【請求項2】 乾燥後の吸水性ポリマー微粒子の平均粒
    径が1〜50μmである請求項1記載の製造法。
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