以下に、実施の形態にかかる換気送風機および換気送風機システムを図面に基づいて詳細に説明する。
日本の建物は、建築基準法によって、居室では1時間当たり50%以上の空気を入れ替えることが可能である換気設備の設置が義務付けられており、居室以外では1時間当たり30%以上の空気を入れ替えることが可能である換気設備の設置が義務付けられている。このため、建物に設置されている複数台の換気送風機のうち少なくとも1台以上は、24時間常時換気させる換気設計となっている。以下、24時間常時換気を24時間換気と称する。
ただし、台所およびトイレに設置された換気送風機が臭気を排出する場合、浴室、脱衣室、クローゼット等に設置された換気送風機が熱気または湿気を排出する場合など、一時的に大風量での換気が必要となることがある。このため、24時間換気に必要な風量よりも多い換気風量で運転できる換気送風機が建物に設置されていることが一般的である。以下、24時間換気に必要な風量よりも多い換気風量での換気を急速換気と称する。
以下では、24時間換気および急速換気に使用可能な、または急速換気に使用可能な、本開示にかかる換気送風機について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる換気送風機101を示す断面図である。なお、図1においては、一部を側面図で示している。図2は、実施の形態1にかかる換気送風機101の運転の制御に関わる機能構成を示す図である。本実施の形態1にかかる換気送風機101は、24時間換気および急速換気に使用される換気送風機である。換気送風機101は、建物の壁200に対して、室内203側に設置されている。すなわち、換気送風機101は、建物において室内203と屋外とを仕切る壁である建物の壁200を貫通する開口部201に嵌め込まれて、室内203と屋外204とを連通させる。
換気送風機101は、ファン1と、風路2と、温度検知部3と、運転閾値温度設定部4と、制御部5と、を有する。ファン1と、風路2と、温度検知部3と、運転閾値温度設定部4と、制御部5とは、換気送風機101の筐体20の内部に収納されている。
ファン1は、羽根車1bおよび羽根車1bを回転させる電動機1aを備えて構成される。
風路2は、室内203と屋外204とを連通させるとともに、ファン1が送風する空気が通る風路である。風路2は、筐体20の内部に設けられ、筐体20に形成された室内203側の開口部21を介して室内203と連通するとともに筐体20に形成された屋外204側の開口部22を介して屋外204と連通しており、ファン1の送風によって室内203の空気を屋外204へ排出するための排気風路を構成する。
温度検知部3は、室内203側に設置されて、室内203の温度、すなわち室内空気の温度を検知する。温度検知部3は、室内203に露出した筐体20の表面に配置されている。温度検知部3は、建物の壁200に対して制御部5と同じ側である室内203側に配置されている。温度検知部3は、不図示の信号線によって制御部5と通信可能に接続されており、検知した室内203の温度を示す室内温度信号を制御部5に送信する。温度検知部3は、建物の壁200に対して制御部5と同じ側に、すなわち室内203側に配置されて換気送風機101の周辺または風路2を通る空気の状態を検知する空気状態検知部である。
運転閾値温度設定部4は、使用者が運転閾値温度を調整および設定するためのボリューム抵抗である。運転閾値温度は、制御部5が換気送風機101の強運転と弱運転とを自動で切り替える際に切換の基準とする室内空気の温度である。強運転は、相対的に風量が多い強風量での運転であり、急速換気運転である。弱運転は、相対的に風量が少ない弱風量での運転であり、24時間換気運転である。運転閾値温度設定部4は、不図示のボリューム抵抗つまみを回すことによって、運転閾値温度を調整および設定することができる。運転閾値温度設定部4は、不図示の信号線によって制御部5と通信可能に接続されており、使用者によって設定された運転閾値温度を示す運転閾値温度信号を制御部5に送信する。
制御部5は、ファン1の動作を制御して換気送風機101の運転を制御する。制御部5は、温度検知部3が検知した温度と、運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度と、温度記憶部6に記憶された温度と、ファン制御データ記憶部7に記憶されたデータと、に基づいてファン1の回転数の調整を行ってファン1の動作を制御する。
制御部5は、温度検知部3から送信された室内温度信号を受信することによって、室内203の温度を取得することができる。制御部5は、運転閾値温度設定部4から送信された運転閾値温度信号を受信することによって、運転閾値温度を取得することができる。
制御部5は、温度検知部3において検知された室内203の温度が運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度以上である場合に、室内203の熱気を急速に排熱するためにファン1を強風量で運転させる急速換気の制御を自動で行う。制御部5は、温度検知部3において検知された室内203の温度が、運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度未満である場合に、ファン1を弱風量で運転させる24時間換気の制御を自動で行う。
温度記憶部6は、制御部5の内部に内蔵されており、温度検知部3が検知した温度を記憶する。なお、温度記憶部6は、制御部5の外部に設けられてもよい。
ファン制御データ記憶部7は、制御部5の内部に内蔵されており、換気送風機101の開発時に予め取得された「電動機1aの回転数とファン1の風量との関係」を示すデータを記憶している。なお、ファン制御データ記憶部7は、制御部5の外部に設けられてもよい。
図3は、実施の形態1にかかる換気システム121が設置された建物の上視図である。換気システム121は、自然給気口112を備える建物において、室内203と屋外204とを連通させて設置されて24時間換気を行う24時間換気送風機の機能を有する換気送風機111と、建物において室内203と屋外204とを仕切る壁である建物の壁200に室内203と屋外204とを連通させて設置される換気送風機101と、を備える。図3は、換気送風機101が運転している場合について示している。また、図3は、戸建て住宅の2階を想定して示されている。図3における矢印は、空気が流れる方向を示している。白抜きの矢印は、屋外204の空気を示しており、ハッチングを付した矢印は、室内空気を示している。以降の図においても同様である。
換気送風機101は、住宅の2階に溜まる熱気を屋外204へ排出するため、および住宅の2階の換気を行うために、建物の壁200に設置されている。また、換気送風機111が、トイレ211の換気を行うために、建物の壁200の一部であるトイレ211の壁に設置されている。換気送風機111は、24時間換気と急速換気とを行う一般的な換気装置であり、24時間常時換気送風機の機能を有する。建物の壁200には、屋外204の空気を建物の内部に自然給気するための自然給気口112が2つ設けられている。
換気送風機101と換気送風機111とは、24時間換気と急速換気との両方の換気機能を有しており、24時間換気に使用される場合は相対的に少ない風量である弱風量で運転し、急速換気に使用される場合は相対的に多い風量である強風量で運転する。
換気送風機101と換気送風機111とは、例えば、台風の日に屋外204の風が室内203へ吹き込むなどの特異な状況が発生している場合に使用者が意図的に停止させない限り、24時間換気運転している。換気送風機101の制御部5は、温度検知部3において検知された室内203の温度が、運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度以上となると、住宅の2階に溜まる熱気を急速に排熱するためにファン1を強風量で運転させる急速換気の制御を自動で行う。また、制御部5は、温度検知部3において検知された室内203の温度が、運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度未満になると、ファン1を弱風量で運転させる24時間換気の制御を自動で行う。
図3に示す構成において換気送風機101が運転している場合は、制御部5は、ファン1を強風量または弱風量で運転しているため、換気送風機101の風路2および換気送風機101の温度検知部3の周辺には、室内から屋外へ向かう気流301が発生する。したがって、換気送風機101の温度検知部3は、室内203の温度、すなわち室内203の空気の温度を検知する。
図4は、図3に対応する図であり、実施の形態1にかかる換気送風機101が停止している場合の建物の上視図である。換気送風機101は、24時間換気を行う換気送風機としての役割を有しているため、基本的にはファン1を停止させない。ただし、制御部5は、予め決められた単位時間である第1時間の期間のうち、予め決められたタイミングで、予め決められた停止時間である第2時間の期間だけ、ファン1を停止させる。すなわち、換気送風機101は、予め決められた単位時間である第1時間の期間のうち、予め決められた停止時間である第2時間の期間だけ、運転を停止する。制御部5は、例えば第1時間である60分間のうち、第2時間である3分間のみは、ファン1を停止させる。
換気送風機101は、風路2を遮る機構を有していないため、ファン1が停止している場合でも風路2は空いた状態であり、風路2は室内203と屋外204を連通している状態である。このとき、換気送風機111が運転していることによって廊下212は負圧となる。このため、換気送風機101の風路2および換気送風機101の温度検知部3の周辺には、屋外から室内へ向かう気流302が発生する。したがって、換気送風機101の温度検知部3は、屋外204の温度、すなわち屋外204の空気の温度を検知する。すなわち、温度検知部3は、ファン1が運転している場合に室内203の空気の状態を検知し、休止時間の期間に屋外204の空気の状態を検知する。
上記のように、換気送風機101の制御部5は、予め決められた第2時間の期間だけ定期的にファン1を間欠的に停止させる。すなわち、換気送風機101の制御部5は、第1時間から第2時間を除いた第3時間の期間だけファン1を間欠的に運転させる。これにより、換気送風機101の温度検知部3は、換気送風機101の運転期間中は室内203の温度を検知することができ、換気送風機101の停止期間中には屋外204の温度を検知することができる。すなわち、換気送風機101は、室内203側に設置された1つの温度検知部3のみを使用して、室内203の温度と屋外204の温度との両方の温度の情報を取得することができる。室内203の温度と屋外204の温度とは、空気の状態の情報である。
また、換気送風機101が24時間換気を行う際の風量である弱風量は、連続運転する場合に建築基準法に記載されている換気量が満足できる範囲で弱い風量である。したがって、換気送風機101が60分のうち3分間停止すると、建築基準法によって定められている必要最低限の換気風量を満足できないことが懸念される。
このため、換気送風機101の制御部5は、60分のうち3分間の期間においてファン1を停止させる場合は、60分のうちの残りの57分間の期間にファン1を弱運転させる際に、60分の期間にわたってファン1を弱運転で連続運転させる場合に対して、弱運転のファン1の出力が1.053倍=(60分/57分)倍となるようにファン1を制御する。これにより、換気送風機101が60分のうち3分間停止しても、60分の期間の全体としては、建築基準法によって定められている必要最低限の換気風量を満足できる。
すなわち、換気送風機101の制御部5は、24時間換気を行いつつ、第1時間の期間のうち第2時間の期間だけファン1を停止させる場合に、第1時間から第2時間を除いた第3時間の期間は、第1時間の期間の全体としては建築基準法によって定められている必要最低限の換気風量を満足できる風量である、第1時間の期間にわたってファン1を弱運転で連続運転させる場合の弱風量よりも多い風量に風量を増加させて、弱運転でファン1を制御する。具体的に、換気送風機101の制御部5は、24時間換気を行いつつ、第1時間の期間のうち第2時間の期間だけファン1を停止させる場合に、第1時間の期間にわたってファン1を弱運転で連続運転させる場合に対して、弱運転のファン1の出力が(第1時間/第3時間)倍となるようにファン1を制御する。
換気送風機101の制御部5は、ファン制御データ記憶部7に記憶されている、「電動機1aの回転数とファン1の風量との関係」を示すデータに基づいて、必要な換気風量が得られるように、電動機1aの回転数を調整してファン1の運転を制御する。
なお、上述したようにファン1を間欠的に停止させる場合、ファン1が間欠停止する期間を短くする程、ファン1が間欠運転する期間における弱運転のファン1の出力を小さく抑えることができる。例えば、ファン1が60分のうち1分間停止する場合では、ファン1が残りの59分に弱運転する際に、ファン1が弱運転で60分連続運転する場合に対して、弱運転のファン1の出力を1.017倍=(60分/59分)倍に増やしておくことで、建築基準法によって定められている必要最低限の換気風量を満足できる。これにより、ファン1を間欠的に1分間停止させる場合は、ファン1を間欠的に3分間停止させる場合よりも弱運転の風量を小さくでき、換気送風機101の運転騒音を軽減でき、使用者の快適性が向上する。
図5は、実施の形態1にかかる換気送風機101の運転制御図である。まず、0分から330分の全体の期間において、換気送風機101の制御部5は、ファン1が強運転しているか弱運転しているかに限らず、第1時間である60分間の期間のうち第2時間である3分間の期間だけ、ファン1を停止させる制御を繰り返している。ファン1が停止している第2時間の期間は、換気送風機111が運転していることによって廊下212は負圧となるため、換気送風機101の風路2および換気送風機101の温度検知部3の周辺には、屋外から室内へ向かう気流302が発生する。このため、換気送風機101の温度検知部3は、屋外204の温度を検知している。
第1時間である60分の期間のうちの残りの第3時間である57分間の期間は、ファン1が強運転または弱運転しているため、風路2および温度検知部3の周辺には、室内から屋外へ向かう気流301が発生する。このため、換気送風機101の温度検知部3は、室内203の温度を検知している。
屋外204の温度の検知が開始されてから3分間、および室内203の温度の検知が開始されてから3分間は、換気送風機101の温度検知部3の周辺には室内203の空気と屋外204の空気とが混在しており、室内203の温度を正確に検知できない可能性がある。このため、制御部5は、室内203の温度が運転閾値温度以上であるかどうかの判定を行わない。そこで、制御部5は、室内203の温度の検知が開始されてから3分間は、屋外204の温度の検知が開始される直前と同じ風量でファン1を運転させる。
また、制御部5は、屋外204の温度の検知が開始されてから3分間の経過後に、その時に検知した屋外204の温度を温度記憶部6に記憶させる。すなわち、第2時間において最後に検知した屋外204の温度を温度記憶部6に記憶させる。そして、制御部5は、室内203の温度の検知が開始されて3分間の経過時点からさらに57分経過するまでの期間、すなわち第3時間が経過するまでの期間は、現時点の室内203の温度と、温度記憶部6に記憶されている屋外204の温度と、を比較する。
現時点の室内203の温度と、温度記憶部6に記憶されている屋外204の温度と、を比較した結果が、室内203の温度が屋外204の温度より高い場合は、すなわち「室内の温度>屋外の温度」である場合は、制御部5は、ファン1を強運転させて積極的に室内203の空気の排気を行う制御を実施する。これにより、換気送風機101および換気送風機111が排気した空気と同等量の、室内203の温度よりも温度が低い外気が、自然給気口112から建物の内部に流入するため、高い排熱効果が得られる。
なお、上記のファン1を強運転させる制御は、2階の室内203の温度が運転閾値温度以上であることが前提とされている。したがって、室内203の温度の検知が開始されて3分間の経過時点から第3時間が経過するまでの期間に、ファン1を強運転させる制御は、2階の室内203の温度が運転閾値温度以上であり、且つ「室内の温度>屋外の温度」である場合である。
一方、現時点の室内203の温度と、温度記憶部6に記憶されている屋外204の温度と、を比較した結果が、室内203の温度が屋外204の温度より低い場合は、すなわち「室内の温度<屋外の温度」である場合は、制御部5は、ファン1を弱運転させて24時間換気として必要最低限の換気風量に換気風量を抑える。これにより、換気送風機101は、換気送風機101および換気送風機111が排気した空気と同等量の、室内203の温度よりも高温の外気が自然給気口112から建物の内部に流入する量を減らし、室内203の温度が更に上昇することを抑制することができる。
図5に示す換気送風機101の運転制御図における、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させる制御以外の制御について説明する。
0分から80分までの期間は、屋外204の温度の検知が開始されてから3分間の期間と室内203の温度の検知が開始されてから3分間の期間とを除いた期間では、温度検知部3において検知された室内203の温度が運転閾値温度未満である。このため、制御部5は、ファン1を弱運転させる制御を行う。
80分経過後から160分の期間では、室内203の温度が運転閾値温度以上、且つ「室内の温度>屋外の温度」であるため、制御部5はファン1を強運転させる制御を行う。これにより、建物の2階の熱気を積極的に屋外204へ排出することができる。
160分経過後から280分の期間では、室内203の温度が運転閾値温度以上であるが、「室内の温度<屋外の温度」であるため、制御部5はファン1を弱運転させる制御を行う。これにより、建物の2階全体の換気風量を減らすことができるので、24時間換気として必要な換気風量を確保することができるとともに、室内203の温度よりも温度の高い高温の外気が自然給気口112から建物の内部に流入することを抑制して、室内203の温度が更に上昇することを抑制できる。
280分経過後から330分の期間では、室内203の温度が運転閾値温度以上、且つ「室内の温度>屋外の温度」であるため、制御部5はファン1を強運転させる制御を行う。これにより、建物の2階の熱気を積極的に屋外204へ排出することができる。
330分経過以降は、温度検知部3において検知された室内203の温度が運転閾値温度未満である。このため、換気送風機101の制御部5は、ファン1を弱運転させる制御を行う。
上述した制御部5によるファン1の動作の制御が行われることにより、換気送風機101は、24時間換気としての機能を損なうことなく、使用者の目的である建物の2階の熱気の排熱を効果的に実現可能である。
上述したように、本実施の形態1にかかる換気送風機101は、ファン1と、風路2と、温度検知部3と、制御部5と、を備える。そして、制御部5は、予め決められた単位時間のうち予め決められたタイミングで予め決められた休止時間の期間だけファンを停止させ、温度検知部3は、ファン1が運転している場合に室内203の温度を検知し、休止時間の期間に屋外204の温度を検知する。この場合、温度検知部3は、ファン1を回転した場合には、風路2に発生する気流が流れる方向における上流側の空間の空気である室内空気の温度を検知する。また、温度検知部3は、休止時間の期間には、風路2に発生する気流が流れる方向における上流側の空間の空気である屋外空気の温度を検知する。
このように構成される換気送風機101は、室内203側に設置された1つの温度検知部3のみを使用して、室内203の温度と屋外204の温度との両方の温度の情報を取得して、制御部5によるファン1の制御に使用可能である。これにより、構造が複雑になることが無く、簡単な構造で室内203の温度と屋外204の温度との両方の温度の情報を取得でき、換気送風機101のコストを低減できる。
また、換気送風機101は、制御部5と温度検知部3とが共に室内203側に設置されているため、建物の壁200を挟んで室内203側と反対側の屋外204側から室内203側に温度検知部3の通信線を配線することが不要である。すなわち、制御部5と温度検知部3との間の通信線を建物の壁200を挟んで室内203側と屋外204側との間で配線することが不要である。これにより、温度検知部3の通信線の施工の時間とコストを抑制できる。
さらに、換気送風機101の構成によれば、室内203側に設置された換気送風機101と、建物の壁200を挟んで室内203側と反対側の屋外204側に設置された温度検知部3とを無線で通信するための通信機器が不要であり、通信機器のコストが不要であるため、換気送風機101のコストを低減できる。
なお、上記の説明では空気状態検知部として温度検知部3を例にあげて説明したが、空気状態検知部は、湿度を検知する湿度検知部、空気の汚れを検知する空気の汚れ検知部、空気中の二酸化炭素濃度を検知する二酸化炭素濃度検知部などでもよく、特定の検知部に限定されない。すなわち、換気送風機101においては、空気の状態を検知する空気状態検知部を用いることができる。湿度検知部を用いた例については、後述する実施の形態2で説明する。
また、上記の説明では建物の壁200の室内203側に換気送風機101が設置されているが、建物の壁200の屋外204側に換気送風機101が設置されてもよい。この場合は、換気送風機101の運転時に室内203の温度を検知し、停止時に屋外204の温度を検知することで、室内203の温度と屋外204との両方の温度を換気送風機101の制御に用いることができる。この場合も、温度検知部3は、建物の壁200に対して制御部5と同じ側である屋外204側に配置されるため、通信線を建物の壁200を挟んで室内203側と屋外204側との間で配線することが不要である。また、建物の壁200を挟んで温度検知部3と制御部5との間で無線通信するための通信機器も不要である。
また、上記の説明では、換気送風機101の換気対象空間が住宅の2階である場合を例にあげて説明したが、居住、非居住、建物の階数に限らず、熱が溜まる可能性のある建物に、24時間換気の役割を有する換気送風機111と、自然給気口112と、実施の形態1にかかる換気送風機101が設置されていれば、上記と同様の効果を得ることができる。
また、上記の説明では、温度検知部3が屋外204の温度を検知するために制御部5がファン1を停止させる時間、すなわち停止時間である第2時間を3分としたが、例えば制御部5内にスイッチを設け、スイッチの設定状態により第2時間を選択できるようにしてもよい。スイッチの設定は使用者によって行われる。これにより、換気送風機101の設置環境および換気送風機111の風量等の条件に対応して、ファン1を停止させる第2時間を、温度検知部3が屋外204の温度を検知するために必要最低限の時間とすることができる。すなわち、第3時間の期間の弱運転時の弱風量をできるだけ少なくすることができ、換気送風機101の運転騒音を軽減できるので、使用者の快適性が向上する。
また、上記の説明では、屋外204の温度の検知が終わった後、室内203の温度の検知が開始されてから3分間は、温度検知部3の周辺には室内203の空気と屋外204の空気とが混在しており、室内203の温度を正確に検知できない可能性があるため、制御部5は、室内203の温度が運転閾値温度以上であるかどうかの判定を行わないようにしていた。室内203の温度が運転閾値温度以上であるかどうかの判定を行わない期間は、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する時間と同じ時間となるように、自動で変更するようにしてもよい。
また、室内203の温度が運転閾値温度以上であるかどうかの判定を行わない期間は、例えば制御部5内にスイッチを設け、スイッチの設定状態により選択できるようにしてもよい。これにより、室内203の温度が運転閾値温度以上であるかどうかの判定を行わない期間は、換気送風機101の設置環境および換気送風機111の風量等の条件に対応して、必要最低限の期間とすることができる。必要最低限の期間とは、屋外204の温度の検知が終わった後、ファン1の運転開始により、温度検知部3の周辺において室内203の空気と屋外204の空気とが混在している状況が解消され、温度検知部3の周辺の空気が室内203の空気のみとなるのに必要な時間のことである。
これにより、換気送風機101では、室内203の温度が運転閾値温度以上であるかどうかの判定を行わない期間を、上記の説明に記載している3分間より短い時間とすることができる。すなわち、換気送風機101は、室内203の温度と屋外204の温度との比較によるファン1の制御を、上記の説明より早く開始できるため、使用者の快適性が向上する。
上述したように、本実施の形態1によれば、簡単な構造で室内空気の状態の情報と屋外空気の状態の情報を取得して自動運転に使用し、自動で使用者の目的を実現可能な換気送風機が得られる。
実施の形態2.
本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とする。また、実施の形態1と同一の構成については、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
図6は、実施の形態2にかかる換気送風機102を示す断面図である。なお、図6においては、一部を側面図で示している。図7は、実施の形態2にかかる換気送風機102の運転の制御に関わる機能構成を示す図である。本実施の形態2にかかる換気送風機102は、24時間換気よりも風量が多い換気である急速換気に使用される換気送風機である。換気送風機102は、建物の壁200に対して、室内203側に設置されている。すなわち、換気送風機102は、建物の壁200を貫通する開口部201に嵌め込まれて、室内203と屋外204とを連通させる。
換気送風機102は、湿度検知部11と、運転閾値湿度設定部12と、シャッター13と、をさらに備え、制御部5の代わりに制御部51を備える点が、実施の形態1にかかる換気送風機101と異なる。湿度検知部11と、運転閾値湿度設定部12と、シャッター13と、湿度記憶部14とは、換気送風機102の筐体20の内部に収納されている。なお、図6においては、温度検知部3と運転閾値温度設定部4との図示を省略している。
湿度検知部11は、室内203側に設置されて、室内203の湿度、すなわち室内空気の湿度を検知する。湿度検知部11は、室内203に露出した筐体20の表面に配置されている。湿度検知部11は、建物の壁200に対して制御部51と同じ側である室内203側に配置されている。湿度検知部11は、不図示の信号線によって制御部51と通信可能に接続されており、検知した室内203の湿度を示す室内湿度信号を制御部51に送信する。湿度検知部11は、建物の壁200に対して制御部51と同じ側に、すなわち室内203側に配置されて換気送風機102の周辺または風路2を通る空気の状態を検知する空気状態検知部である。
運転閾値湿度設定部12は、使用者が運転閾値湿度を調整および設定するためのボリューム抵抗である。運転閾値湿度は、制御部51が換気送風機102の強運転と弱運転とを自動で切り替える際に切換の基準とする室内空気の湿度である。運転閾値湿度設定部12は、不図示のボリューム抵抗つまみを回すことによって、運転閾値湿度を調整および設定することができる。運転閾値湿度設定部12は、不図示の信号線によって制御部51と通信可能に接続されており、使用者によって設定された運転閾値湿度を示す運転閾値湿度信号を制御部51に送信する。
シャッター13は、風路2の開閉が可能なシャッターである。具体的に、シャッター13は、筐体20に設けられた室内203側の開口部21を開放または閉鎖することにより風路2を開放または閉鎖することが可能なシャッターである。
湿度記憶部14は、制御部51の内部に内蔵されており、湿度検知部11が検知した湿度を記憶する。なお、湿度記憶部14は、制御部51の外部に設けられてもよい。
制御部51は、湿度検知部11が検知した湿度と、運転閾値湿度設定部12に設定された運転閾値湿度と、湿度記憶部14に記憶された湿度と、ファン制御データ記憶部7に記憶されたデータと、に基づいてファン1とシャッター13との動作を制御する。なお、制御部51は、上述した制御部5の機能を有する。
制御部51は、湿度検知部11から送信された室内湿度信号を受信することによって、室内203の湿度を取得することができる。制御部51は、運転閾値湿度設定部12から送信された運転閾値湿度信号を受信することによって、運転閾値湿度を取得することができる。
制御部51は、湿度検知部11において検知された室内203の湿度が運転閾値湿度設定部12に設定された運転閾値湿度以上である場合に、室内203の湿気を急速に排湿するためにファン1を強風量で運転させる急速換気の制御を自動で行う。制御部51は、湿度検知部11において検知された室内203の湿度が、運転閾値湿度設定部12に設定された運転閾値湿度未満である場合に、ファン1を弱風量で運転させる24時間換気の制御を自動で行う。
制御部51は、シャッター13に対して、シャッター13の開閉を指示する開閉信号を送信することにより、シャッター13の開閉動作を制御する。すなわち、制御部51は、シャッター13に対して、シャッター13の開放を指示する開放信号を送信し、またはシャッター13の閉鎖を指示する閉鎖信号を送信することにより、シャッター13の開閉動作を制御する。
図8は、実施の形態2にかかる換気システム122が設置された建物の上視図である。換気システム122は、自然給気口112を備える建物において、室内203と屋外204とを連通させて設置されて24時間換気を行う24時間換気送風機の機能を有する換気送風機111と、建物において室内203と屋外204とを仕切る壁である建物の壁200に室内203と屋外204とを連通させて設置される換気送風機102と、を備える。図8は、換気送風機102が運転している場合について示している。図8は、戸建て住宅の1階を想定して示されている。
換気送風機102は、室内203の湿気を屋外204へ排出する目的で設置されている。例えば浴室213と洗面所214との間の扉が開けられ、浴室213の湿気が洗面所214に流入し、2階の室内203の湿度が運転閾値湿度以上となると、換気送風機102は、排湿目的でファン1を運転させる制御を自動で行う。また、換気送風機102は、例えば排湿目的でファン1を運転した後に洗面所214の湿気を屋外204へ排気し終えたときなど、1階の室内203の湿度が運転閾値湿度未満になるとファン1を停止させる制御を自動で行う。すなわち、換気送風機102は、急速換気を目的として使用される換気送風機である。
一方、換気送風機111は、24時間換気と急速換気の両方の換気機能を有しており、トイレ211の換気を行うためにトイレ211に設置されており、浴室213の換気を行うために浴室213に設置されている。
図8に示す構成において換気送風機102が運転している場合は、換気送風機102の制御部51は、シャッター13を開いた状態で、ファン1を運転させる制御を行っている。このため、換気送風機102の風路2および換気送風機102の湿度検知部11の周辺には、室内から屋外へ向かう気流301が発生する。したがって、換気送風機102の湿度検知部11は、室内203の湿度、すなわち室内203の空気の湿度を検知する。
図9は、図8に対応する図であり、実施の形態2にかかる換気送風機102が停止している場合の建物の上視図である。図9における矢印は、空気が流れる方向を示している。制御部51は、1階の室内203の湿度が運転閾値湿度以上となったためにファン1を運転させる場合に、予め決められた単位時間である第1時間の期間のうち、予め決められた停止時間である第2時間の期間だけ、シャッター13を開いた状態で、ファン1を停止させる。シャッター13を開いた状態は、風路2が空いた状態である。すなわち、換気送風機102は、予め決められた単位時間である第1時間の期間のうち、予め決められた停止時間である第2時間の期間だけ、シャッター13を開いた状態で、運転を停止する。制御部51は、例えば第1時間である60分間のうち、第2時間である3分間のみは、シャッター13を開いた状態で、ファン1を停止させる。
このとき、換気送風機111が運転していることによってトイレ211、浴室213および洗面所214は負圧となる。このため、換気送風機102の風路2および換気送風機102の湿度検知部11の周辺には、屋外から室内へ向かう気流302が発生する。したがって、湿度検知部11は、屋外204の湿度、すなわち屋外204の空気の湿度を検知する。すなわち、湿度検知部11は、ファン1が運転している場合に室内203の空気の状態を検知し、休止時間の期間に屋外204の空気の状態を検知する。
上記のように、制御部51は、1階の室内203の湿度が運転閾値湿度以上となったためにファン1を運転させる場合に、予め決められた第2時間の期間だけ、シャッター13を開いた状態で、定期的にファン1を間欠的に停止させる。すなわち、換気送風機102の制御部51は、第1時間から第2時間を除いた第3時間の期間だけ、シャッター13を開いた状態で、ファン1を間欠的に運転させる。これにより、湿度検知部11は、換気送風機102の運転期間中は室内203の湿度を検知することができ、換気送風機102の停止期間中には屋外204の湿度を検知することができる。すなわち、換気送風機102は、室内203側に設置された1つの湿度検知部11のみを使用して、室内203の湿度と屋外204の湿度との両方の湿度の情報を取得することができる。室内203の湿度と屋外204の湿度とは、空気の状態の情報である。
また、制御部51は、湿度検知部11において検知された室内203の湿度が、運転閾値湿度設定部12に設定された運転閾値湿度未満となった場合は、シャッター13を閉じた状態、つまり風路2が閉じた状態でファン1を停止させる。この状態では、湿度検知部11は、建物の壁200の室内203側に設置されているため、室内203の湿度を検知している。換気送風機102の制御部51は、シャッター13を定期的に開けることで、例えば60分の単位時間のうち3分間のみ開けることで、屋外204の湿度も取得することができる。
なお、シャッター13を開いた状態でファン1を停止させる時間である第2時間は、ファン1を停止させた後に屋外204の空気が湿度検知部11まで到達する時間以上であれば、自由に設定することができる。ただし、第2時間は、できるだけ短い時間に設定された方が、1階の室内203の排湿を中断する時間が短くなるため、使用者にとって快適性が向上する。
図10は、実施の形態2にかかる換気送風機102の運転制御図である。まず、0分から330分の全体の期間において、換気送風機102の制御部51は、第1時間である60分間の期間のうち第2時間の期間である3分間の期間だけ、シャッター13を開いた状態で、ファン1を停止させる制御を繰り返している。シャッター13が開いた状態でファン1が停止している第2時間の期間は、換気送風機111が運転していることによってトイレ211、浴室213および洗面所214は負圧となるため、換気送風機102の風路2および湿度検知部11の周囲には、屋外から室内へ向かう気流302が発生する。このため、湿度検知部11は、屋外204の湿度を検知している。
第1時間である60分のうちの残りの第3時間である57分間の期間は、シャッター13を開いた状態でファン1が運転しているため、換気送風機102の風路2および換気送風機102の湿度検知部11の周辺には、室内から屋外へ向かう気流301が発生するので、湿度検知部11は室内203の湿度を検知している。または、60分のうちの残りの第3時間である57分間は、シャッター13を閉じた状態でファン1が停止しているため、湿度検知部11は、室内203の湿度を検知している。
換気送風機102の制御部51は、室内203の湿度の検知が開始される直前に、その時に検知された屋外204の湿度を、湿度記憶部14に記憶させる。そして、換気送風機102の制御部51は、屋外204の湿度の検知が開始されてから3分間の経過時点からさらに57分経過するまでの期間、すなわち第3時間が経過するまでの期間は、その時に検知されている現時点の室内203の湿度と、湿度記憶部14に記憶されている屋外204の湿度と、を比較する。
現時点の室内203の湿度と、湿度記憶部14に記憶されている屋外204の湿度と、を比較した結果が、室内203の湿度が屋外204の湿度より高い場合は、すなわち「室内の湿度>屋外の湿度」である場合は、シャッター13を開いた状態でファン1を運転させて排気を行う制御を行う。これにより、換気送風機102および換気送風機111が排気した空気と同等量の、室内203の湿度よりも湿度が低い外気が、自然給気口112から建物の内部に流入するため、高い排湿効果が得られる。
なお、上記のシャッター13を開いた状態でファン1を運転させて排気を行う制御は、1階の室内203の湿度が運転閾値湿度以上であることが前提とされている。したがって、屋外204の湿度の検知が開始されてから3分間の経過時点から第3時間が経過するまでの期間に、シャッター13を開いた状態でファン1を運転させる制御は、1階の室内203の湿度が運転閾値湿度以上であり、且つ「室内の湿度>屋外の湿度」である場合である。
一方、現時点の室内203の湿度と、湿度記憶部14に記憶されている屋外204の湿度と、を比較した結果が、室内203の湿度が屋外204の湿度より低い場合は、すなわち「室内の湿度<屋外の湿度」である場合は、シャッター13を閉じた状態でファン1を停止させる。これにより、換気送風機102は、換気送風機102および換気送風機111が排気した空気と同等量であり室内203の湿度よりも湿度の高い外気が自然給気口112から建物の内部に流入することを防ぎ、室内203の湿度が更に上昇することを抑制することができる。
図10に示す換気送風機102の運転制御図における、屋外204の湿度を検知するためにシャッター13を開いた状態でファン1を停止させる制御以外の制御について説明する。
0分から80分の期間は、屋外204の湿度の検知が開始されてから3分間の期間と室内203の温度を検知し始めて3分間の期間とを除いた期間では、湿度検知部11が検知した室内203の湿度が運転閾値湿度未満である。このため、換気送風機102の制御部51は、ファン1を停止し、シャッター13を閉じる制御を行う。
80分経過後から160分の期間では、室内203の湿度が運転閾値湿度以上、且つ「室内203の湿度>屋外204の湿度」であるため、制御部51は、シャッター13を開いた状態でファン1を運転させる制御を行い、洗面所214および建物の内部の湿気を屋外204へ排出することができる。
160分経過後から280分の期間では、室内203の湿度が運転閾値湿度以上であるが、「室内の湿度<屋外の湿度」であるため、制御部51はファン1を停止し、シャッター13を閉じる制御を行う。これにより、建物全体の換気風量を減らすことができるため、室内203の湿度よりも湿度の高い高湿の外気が自然給気口112から建物の内部に流入することを防ぎ、室内203の湿度が更に上昇することを抑制することができる。
280分経過後から330分の期間では、室内203の湿度が運転閾値湿度以上、且つ「室内203の湿度>屋外204の湿度」であるため、換気送風機102の制御部51は、シャッター13を開いた状態で、ファン1を運転させる制御を行う。これにより、建物の1階の湿気を積極的に屋外204へ排出することができる。
330分経過以降は、室内203の湿度が運転閾値湿度未満である。このため、換気送風機102の制御部51は、ファン1を停止し、シャッター13を閉じる制御を行う。
上述したファン1およびシャッター13の制御が行われることにより、換気送風機102は、使用者の目的である建物の1階の湿気の排湿を効果的に実現可能である。
上述したように、本実施の形態2にかかる換気送風機102は、ファン1と、風路2と、制御部51と、シャッター13と、湿度検知部11と、を備える。そして、制御部51は、予め決められた単位時間のうち予め決められたタイミングで予め決められた休止時間の期間だけシャッター13を開いた状態でファン1を停止させる。湿度検知部11は、ファン1が運転している場合に室内203の空気の湿度を検知し、休止時間の期間に屋外204の空気の温度を検知する。この場合、湿度検知部11は、ファン1を回転した場合には、風路2に発生する気流が流れる方向における上流側の空間の空気である室内空気の湿度を検知する。また、湿度検知部11は、休止時間の期間には、風路2に発生する気流が流れる方向における上流側の空間の空気である屋外空気の湿度を検知する。
このように構成される換気送風機102は、室内203側に設置された1つの湿度検知部11のみを使用して、室内203の湿度と屋外204の湿度との両方の湿度の情報を取得して、制御部51によるファン1およびシャッター13の制御に使用可能である。これにより、構造が複雑になることが無く、簡単な構造で室内203の湿度と屋外204の湿度との両方の湿度の情報を取得でき、換気送風機102のコストを低減できる。
また、換気送風機102は、制御部51と湿度検知部11とが共に室内203側に設置されているため、建物の壁200を挟んで室内203側と反対側の屋外204側から室内203側に湿度検知部11の通信線を配線することが不要である。すなわち、制御部51と湿度検知部11との間の通信線を建物の壁200を挟んで室内203側と屋外204側との間で配線することが不要である。これにより、湿度検知部11の通信線の施工の時間とコストを抑制できる。
さらに、換気送風機102の構成によれば、室内203側に設置された換気送風機102と、建物の壁200を挟んで室内203側と反対側の屋外204側に設置された湿度検知部11とを無線で通信するための通信機器が不要となり、通信機器のコストが不要であるため、換気送風機102のコストを低減できる。
なお、上記説明では、排気用の換気送風機102と、排気用の換気送風機111とを用いる場合を例にあげて説明したが、屋外204の空気を室内203へ給気する給気用の換気送風機が設置されている場合でも、実施の形態2の内容は適用できる。ここでは、給気用の換気送風機102と、給気用の換気送風機111とが用いられる。この場合は、24時間換気の機能を有する給気の換気送風機が運転していることによって室内203は正圧となるため、実施の形態2にかかる換気送風機102は、ファン1を停止させ、シャッター13を開くことで、風路2に室内から屋外へ向かう気流301が発生し、湿度検知部11は室内203の湿度を検知することができる。
一方、実施の形態2にかかる換気送風機102は、ファン1を運転させ、シャッター13を開くことで、風路2に屋外から室内へ向かう気流302が発生し、湿度検知部11は屋外204の湿度を検知することができる。すなわち、換気送風機102は、室内203側に設置した1つの湿度検知部11のみで、室内203の湿度と屋外204の湿度との両方の情報を取得できるため、上述した実施の形態1の説明と同様の効果を得ることができる。
上述したように、本実施の形態2にかかる換気送風機102は、室内203側に設置された1つの湿度検知部11のみを使用して、室内203の湿度と屋外204の湿度との両方の湿度の情報を取得して、制御部51によるファン1およびシャッター13の制御に使用可能である。すなわち、本実施の形態2によれば、簡単な構造で室内空気の状態の情報と屋外空気の状態の情報を取得して自動運転に使用し、自動で使用者の目的を実現可能な換気送風機が得られる。
実施の形態3.
本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とする。また、実施の形態1と同一の構成については、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
図11は、実施の形態3にかかる換気送風機103を示す断面図である。なお、図11においては、一部を側面図で示している。図12は、実施の形態3にかかる換気送風機103の運転の制御に関わる機能構成を示す図である。本実施の形態3にかかる換気送風機103は、24時間換気および急速換気に使用される換気送風機である。換気送風機103は、建物の壁200に対して、室内203側に設置されている。すなわち、換気送風機103は、建物の壁200を貫通する開口部201に嵌め込まれて、室内203と屋外204とを連通させる。
換気送風機103は、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングを設定できる点が、上述した実施の形態1にかかる換気送風機101と異なる。すなわち、換気送風機103は、換気送風機101と同様の構成および機能を備えている。換気送風機103は、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングを設定できるように、制御部5の代わりに制御部52を備える点が、換気送風機101と異なる。すなわち、換気送風機103は、換気送風機101と同様の構成および機能を備えている。
制御部52は、温度記憶部6およびファン制御データ記憶部7の他に、タイミング設定部15を更に備える。制御部52は、温度検知部3が検知した温度と、運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度と、温度記憶部6に記憶された温度と、ファン制御データ記憶部7に記憶されたデータと、タイミング設定部15にタイミング設定情報が設定されたアドレスと、に基づいてファン1の動作を制御する。
タイミング設定部15は、制御部52の内部に内蔵されており、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するタイミングが設定される。タイミング設定部15の異なるアドレスにタイミング設定情報が設定されることにより、制御部52は、タイミング設定部15にタイミング設定情報が設定されたアドレスに基づいて、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するタイミングを判定して制御を行う。タイミング設定情報は、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するタイミングを指定するために設定される情報である。
図13は、実施の形態3にかかる換気システム123が設置された建物の上視図である。換気システム123は、自然給気口112を備える建物において室内203と屋外204とを連通させて設置されて24時間換気を行う24時間換気送風機の機能を有する換気送風機111と、建物において室内203と屋外204とを仕切る壁である建物の壁200に室内203と屋外204とを連通させて設置される複数の換気送風機103と、を備える。図13では、実施の形態3にかかる換気送風機103が運転している場合について示している。図13は、図3と同様に戸建て住宅の2階を想定して示されている。図13に示す構成は、図3においてベランダ216に面する建物の壁200に配置されている換気送風機101が換気送風機103である第1換気送風機103aに変更され、図3において階段215の横の建物の壁200に設置されている自然給気口112が換気送風機103である第2換気送風機103bに変更されていることが、図3と異なる。
第1換気送風機103aは、タイミング設定部15のアドレス1にタイミング設定情報が設定された換気送風機103である。第2換気送風機103bは、タイミング設定部15のアドレス2にタイミング設定情報が設定された換気送風機103である。第1換気送風機103aと第2換気送風機103bとは、タイミング設定部15における異なるアドレスにタイミング設定情報が設定されているため、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングが異なる。図13においては、タイミング設定部15のアドレス1にタイミング設定情報が設定された第1換気送風機103aのみが停止しており、タイミング設定部15のアドレス2にタイミング設定情報が設定された第2換気送風機103bは運転している。
図14は、図13に対する比較用の構成の建物の上視図であり、実施の形態1にかかる換気送風機101が停止している場合の建物の上視図である。図14は、図4において階段215の横の建物の壁200に設置されている自然給気口112が実施の形態1にかかる換気送風機101に変更されていることが、図4と異なる。すなわち、図14においては、ベランダ216に面する建物の壁200と、階段215の横の建物の壁200との2箇所に実施の形態1にかかる換気送風機101が配置されており、合計2台の換気送風機101が住宅の2階に設置されている。図14においては、2台の換気送風機101は、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するタイミングを設定するためのアドレス設定がされていないため、同一のタイミングで2台の換気送風機101のファン1が停止している場合を示している。
図14では、住宅の2階に設置されている換気送風機111と2台の換気送風機101とのうち、運転している換気送風機は、換気送風機111のみである。このため、換気送風機111が排気した空気と同等量の屋外204の空気が、2台の換気送風機101の風路2、および自然給気口112の合計3か所から分散して建物の内部に流入する。したがって、3か所の屋外204の空気の流入経路の空気圧損を同一と仮定すると、換気送風機101の風路2に流れる風量は、換気送風機111の排気風量の0.33倍、すなわち換気送風機111の排気風量の3分の1であり、図4の場合と同じである。
このため、図14に示す構成において第1時間の期間のうち第2時間の期間だけファン1を停止させる場合に、屋外204の温度を検知するために換気送風機101のファン1を停止する時間は、実施の形態1の場合と同じ時間だけ必要である。すなわち、図14に示す構成において屋外204の温度を検知するために換気送風機101のファン1を停止する時間は、図4の場合の例と同じ場合には、3分間だけ必要である。
一方、図13に示す構成では、住宅の2階に設置されている換気送風機111と、2台の換気送風機103である第1換気送風機103aおよび第2換気送風機103bとのうち、運転している換気送風機は、換気送風機111と、タイミング設定部15のアドレス2にタイミング設定情報が設定されている第2換気送風機103bの2台である。このため、換気送風機111と第2換気送風機103bとの2台の換気送風機の排気風量の合計と同等量の屋外204の空気が、タイミング設定部15のアドレス1にタイミング設定情報が設定されている第1換気送風機103aの風路2と自然給気口112との合計2か所から分散して建物の内部に流入する。
ここで、2か所の屋外204の空気の流入経路の空気圧損が同じであり、且つ換気送風機111と換気送風機103との排気風量は同じである、と仮定する。排気している換気送風機が換気送風機111と第2換気送風機103bとの2台なので、排気風量は、図14の場合の2倍である。また、屋外204の空気の流入箇所が2か所なので、屋外204の空気の流入箇所は、図14の場合の2/3倍=(2か所÷3か所)である。このため、図13に示す構成では、図14の場合の構成に対して、2倍÷(2/3)倍=3倍の風量が、アドレス1に設定されている第1換気送風機103aの風路2に流れる。
これにより、第1換気送風機103aの制御部52がファン1を停止してから、屋外204の空気が温度検知部3まで到達する時間が3倍速くなるため、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する時間を3分の1の時間まで短くすることができる。すなわち、実施の形態1では、60分のうち3分間ファン1を停止させていたが、実施の形態3では、各換気送風機103は、1分=(3分÷3倍)だけファン1を停止させれば、屋外204の温度を検知することができる。
すなわち、制御部52は、換気システム123における、24時間常時換気送風機である換気送風機111の排気風量と他の換気送風機103の排気風量との合計の排気風量に基づいて、休止時間を変化させることができる。ここで、換気システム123における換気送風機103は、3台以上であってもよい。そして、換気システム123における複数の換気送風機103のうち、外気の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングが複数の換気送風機103のうちの他の換気送風機103におけるタイミングと異なる1台の換気送風機103をタイミング相違換気送風機とする。タイミング相違換気送風機の制御部52は、他の換気送風機103の排気風量との合計の排気風量が多いほど休止時間を短くする制御を行うことができる。
図15は、実施の形態3にかかる換気送風機103の運転制御図である。タイミング設定部15のアドレス1にタイミング設定情報が設定されている第1換気送風機103aと、タイミング設定部15のアドレス2にタイミング設定情報が設定されている第2換気送風機103bとは、0分のタイミングで同時に商用電源の通電を開始して運転を開始している。
換気送風機103の制御部52は、例えば60分のうち1分間の期間だけファン1を停止させる。ただし、制御部52は、アドレス1にタイミング設定情報が設定されている場合は、商用電源の通電開始から、59分から60分までの期間に、ファン1を停止させる。すなわち、アドレス1にタイミング設定情報が設定されている第1換気送風機103aは、商用電源の通電開始から、59分から60分までの期間に、ファン1を停止させる。
また、制御部52は、アドレス2にタイミング設定情報が設定されている場合は、商用電源の通電開始から、29分から30分までの期間に、ファン1を停止させる。すなわち、アドレス2にタイミング設定情報が設定されている第2換気送風機103bは、商用電源の通電開始から、29分から30分までの期間に、ファン1を停止させる。
このように、実施の形態3では、2台の換気送風機103である第1換気送風機103aと第2換気送風機103bとについて、タイミング設定部15の異なるアドレスにタイミング設定情報を設定することで、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングを異ならせている。
したがって、実施の形態3では、2台の換気送風機103の合計で、60分のうち2分間=(1分×2台)の期間だけファン1を停止させることとなり、実施の形態1に比べて1分=(3分-2分)だけ、換気送風機103のファン1を停止させる時間を短くすることができる。
上述したように、実施の形態1では、60分のうち3分間の期間においてファン1を停止させるため、60分のうちの残りの57分の期間のファン1の弱運転で建築基準法によって定められている必要最低限の換気風量を満足するために、ファン1を60分連続運転する場合に対して、弱運転のファン1の出力を1.053倍=(60分÷57分)に増やしておく必要があった。
一方、実施の形態3では、60分のうち2分間の期間においてファン1を停止させるため、60分のうち残りの58分の期間のファン1の弱運転で建築基準法によって定められている必要最低限の換気風量を満足すればよい。すなわち、ファン1を60分連続運転する場合に対して、58分の期間の弱運転のファン1の出力を1.034倍=(60分÷58分)に増やしておくのみでよい。したがって、実施の形態3では、実施の形態1よりもさらに第3時間の期間に実施する弱運転のファン1の出力を小さくでき、風量に正比例して大きくなる換気送風機103の運転騒音を軽減できるので、使用者の快適性が向上する。
上述したように、本実施の形態3にかかる換気送風機103は、タイミング設定部15を備え、制御部52が、タイミング設定部15にタイミング設定情報が設定されたアドレスに基づいて、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するタイミングを判定して制御を行う。そして、建物に設置された、換気送風機111と、複数の換気送風機103とを含む換気システム123において、複数の換気送風機103は、それぞれのタイミング設定部15において互いに異なるアドレスにタイミング設定情報が設定される。したがって、複数の換気送風機103は、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングが互いに異なる。
このように構成される換気システム123では、換気送風機103が第3時間の期間に実施する弱運転のファン1の出力を、実施の形態1における換気送風機101が第3時間の期間に実施する弱運転のファン1の出力よりも小さくでき、風量に正比例して大きくなる換気送風機103の運転騒音を軽減できるので、使用者の快適性が向上する。
また、図13では、換気送風機103を2台設置しているが、3台以上の換気送風機103が設置されてもよい。この場合においても、少なくとも1台が異なるタイミングで屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するほうが、図14の場合のように全ての換気送風機が同じタイミングでファン1を停止する場合よりも、ファン1を停止させる時間を短くすることができるため、同様の効果が得られる。
例えば、図13の構成に対して、更に1台の換気送風機103が設置され、合計3台の換気送風機103と、換気送風機111とが住宅の2階に設置されている場合を想定する。3台の換気送風機103が、全て異なるタイミングで屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する場合は、2台の換気送風機103と換気送風機111とを含めて、排気を行う換気送風機が3台である。このため、換気送風機111と2台の換気送風機103との3台の換気送風機の排気風量の合計と同等量の屋外204の空気が、ファン1を停止する換気送風機103の風路2と自然給気口112との合計2か所から分散して建物の内部に流入する。
ここで、2か所の屋外204の空気の流入経路の空気圧損が同じであり、且つ換気送風機111と換気送風機103との排気風量は同じである、と仮定する。排気している換気送風機が、換気送風機111と2台の換気送風機103との3台であるので、排気風量は、図14の場合の3倍である。また、屋外204の空気の流入箇所が2か所であるので、屋外204の空気の流入箇所は、図14の場合の2/3倍=(2か所÷3か所)である。このため、合計3台の換気送風機103が設置された構成では、図14の場合の構成に対して、3倍÷(2/3)倍=4.5倍の風量が、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止している換気送風機103の風路に流れる。
これにより、1台の換気送風機103の制御部52が屋外204の温度を検知するためにファン1を停止してから、屋外204の空気が温度検知部3まで到達する時間が4.5倍速くなるため、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する時間を4.5分の1の時間まで短くすることができる。すなわち、実施の形態1では、60分のうち3分間ファン1を停止させていたが、合計3台の換気送風機103が設置された構成では、各換気送風機103は、0.66分=(3分÷4.5倍)だけファン1を停止させれば、屋外204の温度を検知することができる。
つまり、異なるタイミングで屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する換気送風機103が多いほど、各換気送風機103が屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する時間を短くすることができるため、弱風量を小さくでき、風量に正比例して大きくなる換気送風機の運転騒音を軽減でき、使用者の快適性が向上する。
なお、複数台の各換気送風機103が設置される場合、異なるタイミングで屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する換気送風機103が何台設置されているかの情報を各換気送風機103の制御部52が把握する方法は、各換気送風機103においてタイミング設定情報が設定されているアドレスの情報を各換気送風機103の間で共有できるようにすればよい。たとえば、各換気送風機103の間が有線通信または無線通信によって通信可能とされ、各換気送風機103の間で各換気送風機103に設定されているアドレスの情報を通信により授受する構成とすることができる。なお、各換気送風機103にタイミング設定情報が設定されているアドレスの情報を各換気送風機103の間で共有する方法は、特定の方法に限定されない。
例えば、各換気送風機103が、異なるタイミングで屋外204の温度を検知するためにファン1を停止する換気送風機103が何台設置されているかの情報を、設定されているアドレスによって把握する場合は、設置されている換気送風機103が3台であれば、たとえばタイミング設定部15におけるアドレス31と、アドレス32と、アドレス33と、を使用すればよい。また、設置されている換気送風機103が4台であれば、タイミング設定部15におけるアドレス41と、アドレス42と、アドレス43と、アドレス44と、を使用すればよい。
また、図15では、2台の換気送風機103が屋外204の温度を検知するためにファン1を停止させる周期は、2台の換気送風機103とも60分周期としたが、タイミング設定情報を異なるアドレスに設定することで、ファン1を停止させる周期を、換気送風機103ごとに異なる周期としてもよい。例えば、タイミング設定情報がアドレス1に設定された換気送風機103においてファン1を停止させる周期が60分周期とされ、タイミング設定情報がアドレス2に設定された換気送風機103においてファン1を停止させる周期が55分周期とされる場合を想定する。そして、2台の換気送風機103に0分のタイミングで同時に商用電源の通電を開始する。この場合は、タイミング設定情報がアドレス1に設定された換気送風機103は、59分から60分の間の期間にファン1を停止する。また、タイミング設定情報がアドレス2に設定された換気送風機103は、54分から55分の間の期間にファン1を停止する。これにより、2台の換気送風機103が異なるタイミングでファン1を停止させることができるため、上記と同様の効果が得られる。
上述したように、本実施の形態3にかかる換気送風機103は、制御部52が、タイミング設定部15にタイミング設定情報が設定されたアドレスに基づいて、屋外204の温度を検知するためにファン1を停止するタイミングを判定して制御を行う。これにより、換気システム123では、換気送風機103が第3時間の期間に実施する弱運転のファン1の出力を、実施の形態1における換気送風機101が第3時間の期間に実施する弱運転のファン1の出力よりも小さくでき、風量に正比例して大きくなる換気送風機103の運転騒音を軽減できるので、使用者の快適性が向上する。
実施の形態4.
本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態3と同様とする。また、実施の形態3と同一の構成については、同一の符号を用いることで詳細な説明は省略する。
図16は、実施の形態4にかかる換気システム124が設置された建物の上視図である。換気システム124は、第1換気送風機103aが第3換気送風機103cに変更され、第2換気送風機103bが第4換気送風機103dに変更されている点が、図13に示す実施の形態3にかかる換気システム123と異なる。第3換気送風機103cは、タイミング設定部15のアドレス3にタイミング設定情報が設定されている。第4換気送風機103dは、タイミング設定部15のアドレス4にタイミング設定情報が設定されている。実施の形態4にかかる換気システム124は、このアドレスの設定の違いにより、24時間換気として使用している場合の、制御部52によるファン1の制御方法が、実施の形態3の換気システム123の場合と異なる。
図17は、実施の形態4にかかる換気送風機103の運転制御図である。図17に示す運転制御図は、換気送風機103の温度検知部3において検知された室内203の温度が運転閾値温度設定部4に設定された運転閾値温度未満である、または換気送風機103の温度検知部3において検知された室内203の温度が運転閾値温度以上であるが「室内203の温度<屋外204の温度」であるため、制御部52は24時間換気としてファン1を制御している場合について示している。
タイミング設定部15のアドレス3にタイミング設定情報が設定されている第3換気送風機103cの制御部52は、0分で商用電源の通電が開始された後、0分から29分までの期間はファン1を弱運転させ、29分経過後からから30分までの期間はファン1を強運転させ、30分経過後から59分までの期間はファン1を弱運転させ、59分経過後から60分までの期間はファン1を停止させており、この制御を60分の周期で繰り返している。
また、29分経過後から30分までの期間は、タイミング設定部15のアドレス4にタイミング設定情報が設定されている第4換気送風機103dの制御部52が、外気の温度を検知するために、ファン1を停止させている期間である。第3換気送風機103cが、第3時間である29分経過後から30分までの期間に強運転することで、排気風量を弱運転時より多くすることができるため、第4換気送風機103dの風路2からは、より多くの屋外204の空気が建物の内部に流入する。
一方、第4換気送風機103dの制御部52は、0分で商用電源の通電が開始された後、0分から59分までの期間はファン1を実施の形態3の第2換気送風機103bの制御部52と同じ制御をしているが、59分経過後から60分までの期間はファン1を強運転している。59分経過後から60までの期間は、第3換気送風機103cが、外気の温度を検知するために、ファン1を停止させている期間である。第4換気送風機103dの制御部52が、第3時間である59分経過後から60までの期間に強運転することで、排気風量を弱運転時より多くすることができるため、第3換気送風機103cの風路2からは、より多くの屋外204の空気が建物の内部に流入する。
このように、実施の形態4では、2台の換気送風機103である第3換気送風機103cと第4換気送風機103dとについて、一方の換気送風機103が屋外204の温度を検知するためにファン1を停止しているときに、他方の換気送風機103がファン1を強運転することで、停止している換気送風機103の温度検知部3まで屋外204の空気が到達する時間を早めることができる。
換気システム124における換気送風機103は、3台以上であってもよい。ここで、換気システム124における複数の換気送風機103のうち、外気の温度を検知するためにファン1を停止させるタイミングが複数の換気送風機103のうちの他の換気送風機103におけるタイミングと異なる1台の換気送風機103をタイミング相違換気送風機とする。
換気システム124では、タイミング相違換気送風機のファン1が休止時間の期間に停止している場合に、複数の他の換気送風機103のうち少なくとも1つの他の換気送風機103の制御部52は、ファン1の回転数を増やす制御を行って排気風量を増やす。
また、換気システム124における複数の他の換気送風機103のうち少なくとも1つの他の換気送風機103のファン1が休止時間の期間に停止している場合に、タイミング相違換気送風機の制御部52は、ファン1の回転数を増やす制御を行って排気風量を増やす。
例えば、図16および図17において、強風量が弱風量の2倍の風量であると仮定する。第4換気送風機103dと換気送風機111との両方が弱風量で運転している場合に比べ、第4換気送風機103dが強風量で運転するとともに換気送風機111が弱風量で運転している場合は、建物全体では1.5倍の排気量となる。このため、外気の温度を検知するためにファン1を停止させている第4換気送風機103dの風路2には、第4換気送風機103dと換気送風機111との両方が弱風量で運転している場合に比べ、1.5倍の屋外204の空気が流れるため、第4換気送風機103dが屋外204の温度を検知するために停止する時間を、実施の形態3より1.5倍だけ短くすることができる。
つまり、実施の形態3では、2台の換気送風機103の合計で、60分のうち2分間=(1分×2台)間の期間だけファン1を停止させていたが、実施の形態4では、2台の換気送風機103の合計で1.33分間=(2分÷1.5倍)の期間だけファン1を停止させればよい。これにより、2台の換気送風機103のうちいずれか1台の換気送風機103のファン1を停止させることで、建物の換気にムラができる時間を削減できるため、使用者の快適性が向上する。
また、2台の換気送風機103を24時間換気に使用しているときに、一方の換気送風機103が停止しても、他方の換気送風機103が2倍の排気を行うため、2台の換気送風機103とも弱風量で運転しているときと同一の排気風量を得ることができる。
したがって、実施の形態4における換気送風機103の第3時間の期間に実施する弱運転の弱風量は、60分連続運転する場合と同じ風量とすることができるため、実施の形態3よりも第3時間の期間に実施する弱運転の弱風量を少なく設定でき、風量に正比例して大きくなる換気送風機の運転騒音を軽減できるので、使用者の快適性が向上する。
上述したように、実施の形態4にかかる換気システム124において、制御部52は、複数の換気送風機103のうち少なくとも1台の換気送風機103のファン1が外気の温度を検知するために休止時間の期間に停止しているときに、他の換気送風機103がファン1の回転数を増やす制御を行う。これにより、換気システム124における換気送風機103は、実施の形態3にかかる換気システム123における換気送風機103よりも、第3時間における弱運転の弱風量を低く設定でき、風量に正比例して大きくなる換気送風機103の運転騒音を軽減できるので、使用者の快適性を向上させることができる。
上述した実施の形態1から実施の形態4は、各実施の形態における効果を損なわない範囲で、適宜組み合わせることができる。また、上述した実施の形態1から実施の形態4は、夏季などにおいて室内の温度よりも外気の温度のほうが高くなるような場合、または梅雨などにおいて室内の湿度よりも外気の湿度のほうが高くなるような場合などに好適である。
上述した実施の形態1から実施の形態4における制御部5、制御部51および制御部52の制御部は、図18に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図18は、実施の形態1から実施の形態4における処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。上記の各制御部が図18に示す処理回路により実現される場合、上記の各制御部は、プロセッサ501がメモリ502に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記の各制御部の機能を実現してもよい。また、上記の各制御部の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ501およびメモリ502を用いて実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。