JP7286621B2 - 防錆油組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防錆油組成物及びその製造方法に関する。
鋼板等の金属材料は、複数の工程を経て中間製品、最終成型品に加工され、通常、金属表面の酸化劣化を防ぐために防錆油が塗布される。その際、金属材料表面の防錆油膜を厚くするほど防錆性は高まるものの、防錆油膜を厚くすると、防錆油に由来するベタつきの発生、コストの増加等の問題が発生する。一方、防錆油膜を薄くすると、防錆油膜によって被覆されない部分が生じて、十分な防錆性が得られない場合がある。したがって、防錆油には、薄い防錆油膜であっても、優れた防錆性を発現する性能が求められている。
特許文献1には、環境負荷が懸念されるバリウムを実質的に含有しない加工兼用防錆油組成物として、特定の基油、脂肪酸エステル、過塩基性金属スルホネート、中性金属スルホネートを配合してなる組成物が開示されている。
特開2012-062488号公報
特許文献1に開示されている加工兼用防錆油組成物は、バリウムを実質的に含有せず、従来の防錆油組成物に比較して脱脂性に優れ、かつ防錆性及び潤滑性にも優れるという特徴を有する。しかしながら、特許文献1は、上記のような、薄い防錆油膜であっても、優れた防錆性を発現させるという観点から検討が行われておらず、防錆油膜の薄膜性と防錆性との両立においては、更なる改善の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、優れた防錆油膜の薄膜性と防錆性とを両立する防錆油組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の溶剤、特定の基油及び防錆剤を含有し、40℃動粘度が特定範囲に調整された防錆油組成物により、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]及び[2]を提供するものである。
[1](A)引火点が100℃未満の溶剤と、(B)引火点が100℃以上であって、40℃動粘度が7mm/s以上120mm/s以下である基油と、(C)防錆剤と、を含有し、40℃動粘度が0.5mm/s以上3.2mm/s以下である、防錆油組成物。
[2]上記[1]に記載の防錆油組成物を製造する方法であって、(A)引火点が100℃未満の溶剤と、(B)引火点が100℃以上であって、40℃動粘度が7mm/s以上120mm/s以下である基油と、(C)防錆剤と、を混合する、防錆油組成物の製造方法。
本発明によれば、優れた防錆油膜の薄膜性と防錆性とを両立する防錆油組成物及びその製造方法を提供することができる。
以下、本実施形態について説明する。なお、本明細書中において、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」、「未満」、「超」の数値は任意に組み合わせできる数値である。
[防錆油組成物]
本実施形態の防錆油組成物は、
(A)引火点が100℃未満の溶剤と(以下、「(A)溶剤」ともいう)、
(B)引火点が100℃以上であって、40℃動粘度が7mm/s以上120mm/s以下である基油と(以下、「(B)基油」ともいう)、
(C)防錆剤と、
を含有し、40℃動粘度が0.5mm/s以上3.2mm/s以下である、防錆油組成物である。
<防錆油組成物の40℃動粘度>
本実施形態の防錆油組成物の40℃動粘度は、0.5mm/s以上3.2mm/s以下である。
本明細書において、40℃動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定した値を意味する。
本実施形態の防錆油組成物の40℃動粘度は、0.5mm/s以上であり、好ましくは1.0mm/s以上、より好ましくは1.2mm/s以上、特に好ましくは1.4mm/s以上である。一方、本実施形態の防錆油組成物の40℃動粘度は、3.2mm/s以下であり、好ましくは2.8mm/s以下、より好ましくは2.5mm/s以下、特に好ましくは2.2mm/s以下である。
本実施形態の防錆油組成物の40℃動粘度が、上記下限値以上であると、塗油後の油切中における、防錆成分の過剰な流れ落ちを防止し、少量の基油及び防錆剤であっても、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜を形成することができる。また、本実施形態の防錆油組成物の40℃動粘度が、上記上限値以下であると、薄膜性に優れた防錆油膜を形成することができる。
一方、防錆油組成物の40℃動粘度が、0.5mm/s未満であると、油切中に、防錆成分が過剰に流れ落ち、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜が形成されない場合がある。また、防錆油組成物の40℃動粘度が、3.2mm/sを超えると、防錆油膜が厚くなりすぎ、ベタつきの発生及びコストアップを招く場合がある。
以下、本実施形態の防錆油組成物が含有する各成分について説明する。
<(A)溶剤>
本実施形態の防錆油組成物は、(A)引火点が100℃未満の溶剤を含有するものである。
(A)溶剤は、防錆油組成物に含有される基油及び防錆剤を希釈して、防錆油組成物の塗油を容易にすると共に均一な防錆油膜を形成する役割を担う。(A)溶剤は、防錆油組成物を塗油した後に乾燥除去され、金属材料の表面には主に基油と防錆剤からなる防錆油膜が形成される。
本明細書において、引火点は、JIS K2265:2007に記載の方法に準拠して測定した値である。
(A)溶剤の引火点は、100℃未満であり、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下、特に好ましくは50℃以下である。一方、(A)溶剤の引火点は、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、特に好ましくは40℃以上である。
(A)溶剤の引火点が100℃未満であると、速乾性に優れるため、油切中における防錆成分の過剰な流れ落ちを防止し、少量の基油及び防錆剤であっても、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜を形成することができる。また、(A)溶剤の引火点が、上記下限値以上であると、(A)溶剤の揮発性が高まりすぎることなく、均一な膜厚を有する防錆油膜を形成することができる。また、(A)溶剤の引火点が上記上限値以下であると、より速乾性に優れる防錆油組成物となり、優れた作業性が得られる。
一方、(A)溶剤の引火点が100℃以上であると、乾燥速度が遅くなるため、油切中に、防錆成分が過剰に流れ落ち、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜が形成されない場合がある。
(A)溶剤の具体例としては、p-キシレン(引火点27℃)、o-キシレン(引火点33℃)、m-キシレン(引火点28℃)、スチレン(引火点32℃)、エチルベンゼン(引火点25℃)、ブテンオリゴマー(引火点49℃)、引火点が100℃未満のイソパラフィン、引火点が100℃未満の軽油等の炭化水素類;1-プロピルアルコール(引火点25℃)、イソブチルアルコール(引火点30℃)、1-ブタノール(引火点37℃)、2-ブタノール(引火点21℃)等のアルコール類;酢酸イソブチル(引火点20℃)、酢酸ブチル(引火点24℃)、酢酸アミル(引火点32℃)等の酢酸エステル類;ジイソブチルケトン(引火点50℃)、シクロヘキサノン(引火点42℃)、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(引火点58℃)等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル(引火点41℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(引火点43℃)、エチレングリコールモノ-ノルマルブチルエーテル(引火点64℃)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(71℃)、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル(引火点55℃)、酢酸2-メトキシメチル(引火点52℃)、酢酸2-エトキシエチル(引火点57℃)等のセロソルブ類;3-メトキシ-3-メチルブタノール(引火点67℃)、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート(引火点75.5℃)、1-メトキシ-2-プロパノール(引火点32℃)、1-メトキシプロピル-2-アセテート(引火点47℃)、1-エトキシ-2-プロパノール(引火点39℃)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(引火点48.5℃)、3-メトキシブチルアセテート(引火点62.5℃)、3-エトキシプロピオン酸エチル(引火点59℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(引火点56℃)等のグリコールエステル類;乳酸エチル(引火点46℃)等が挙げられる。これらの中でも、経済性及び取り扱い性の観点から、炭化水素類が好ましく、イソパラフィン及び軽油からなる群から選択される1種以上がより好ましい。
なお、重合体、混合物等である(A)溶剤については、上記括弧内に記載された引火点は、その代表値を意味する。
(A)溶剤は、1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
イソパラフィンとしては、引火点が100℃未満であるものであれば特に制限はない。イソパラフィンの炭素数は、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、特に好ましくは10以上である。一方、イソパラフィンの炭素数は、好ましくは36以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは16以下、特に好ましくは12以下である。
本実施形態の防錆油組成物中における(A)溶剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。一方、(A)溶剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは95質量%以下、より好ましくは93質量%以下、特に好ましくは91質量%以下である。
(A)溶剤の含有量が、上記下限値以上であると、防錆成分の濃度が適度となり、薄膜性に優れた防錆油膜を形成することができる。一方、(A)溶剤の含有量が、上記上限値以下であると、防錆成分の濃度が低くなりすぎることなく、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜を形成することができる。
<(B)基油>
本実施形態の防錆油組成物が含有する(B)基油は、引火点が100℃以上であって、40℃動粘度が7mm/s以上120mm/s以下である。
(B)基油は、防錆油組成物を塗油した後に、金属材料の表面に保持され、(C)防錆剤と共に防錆油膜を形成するものである。
(B)基油の引火点は、100℃以上であり、好ましくは120℃以上、より好ましくは170℃以上、特に好ましくは200℃以上である。一方、(B)基油の引火点は、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、特に好ましくは220℃以下である。
(B)基油の引火点が、100℃以上であると、(B)基油の揮発性が抑制され、長期防錆性に優れたものとなる。また、(B)基油の引火点が、上記上限値以下であると、(B)基油の取り扱い性に優れたものとなる。
一方、(B)基油の引火点が、100℃未満であると、(B)基油の揮発性が高くなりすぎ、防錆性の低下が速くなる場合がある。
(B)基油の40℃動粘度は、7mm/s以上であり、好ましくは15mm/s以上、より好ましくは20mm/s以上、特に好ましくは25mm/s以上である。一方、(B)基油の40℃動粘度は、120mm/s以下であり、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは80mm/s以下、さらに好ましくは60mm/s以下、特に好ましくは35mm/s以下である。
(B)基油の40℃動粘度が、上記下限値以上であると、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜を形成することができる。また、(B)基油の40℃動粘度が、上記上限値以下であると、均一な膜厚を有する防錆油膜を形成することができる。
一方、(B)基油の40℃動粘度が、7mm/s未満であると、(B)基油の粘度が低くなりすぎ、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜を形成できない場合がある。また、(B)基油の40℃動粘度が、120mm/sを超えると、(B)基油の粘度が高くなりすぎ、防錆油膜が正常に形成されないため、防錆油膜に厚みムラが生じたり、ベタつきが発生したりする場合がある。
(B)基油は、上記引火点及び40℃動粘度を充足するものであれば、特に限定されることなく、鉱油、合成油等を使用することができる。
鉱油としては、パラフィン基系原油、中間基系原油、又はナフテン基系原油を常圧蒸留した残渣油、又は常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油、さらにはこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、例えば、溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油等が挙げられる。また、鉱油として、天然ガスからフィッシャー・トロプシュ法等により製造されるワックス(GTLワックス(Gas To Liquids WAX))を異性化することで得られる鉱油(GTL)を用いてもよい。
合成油としては、ポリ-α-オレフィン、α-オレフィンコポリマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ヒンダードエステル、シリコーンオイル等が挙げられる。
(B)基油は、1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防錆油組成物中における(B)基油の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上である。一方、(B)基油の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である。
(B)基油の含有量が、上記下限値以上であると、優れた防錆性を発現するのに十分な防錆油膜を形成することができる。一方、(B)基油の含有量が、上記上限値以下であると、薄膜性に優れた防錆油膜を形成することができる。
本実施形態の防錆油組成物は、発明の目的に反しない範囲で、40℃動粘度が120mm/sを超える基油を含有していてもよいが、均一な膜厚を有する防錆油膜を形成する観点からは、含有しないことが好ましい。
本実施形態の防錆油組成物が120mm/sを超える40℃動粘度を有する基油を含有する場合、その含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは8質量%以下、より好ましくは4質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
また、本実施形態の防錆油組成物は、発明の目的に反しない範囲で、40℃動粘度が7mm/s未満である基油を含有していてもよいが、十分な防錆油膜を形成する観点からは、含有しないことが好ましい。
本実施形態の防錆油組成物が7mm/s未満の40℃動粘度を有する基油を含有する場合、その含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは8質量%以下、より好ましくは4質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
<(C)防錆剤>
(C)防錆剤としては、金属スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、有機亜リン酸エステル、有機リン酸エステル、有機スルホン酸金属塩、有機リン酸金属塩、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル、ベンゾトリアゾール系化合物等が挙げられる。これらの中でも、溶解性及び防錆性の観点から、金属スルホネートが好ましい。ここで、金属スルホネートとは各種スルホン酸の金属塩をいう。
金属スルホネートを構成するスルホン酸としては、芳香族石油スルホン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸等が挙げられ、より具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジラウリルセチルベンゼンスルホン酸、パラフィンワックス置換ベンゼンスルホン酸、ポリオレフィン置換ベンゼンスルホン酸、ポリイソブチレン置換ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
金属スルホネートを構成する金属としては、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等が挙げられ、これらの中でも、防錆性及び入手容易性の観点から、カルシウムが好ましい。
金属スルホネートとしては、過塩基性金属スルホネート、中性金属スルホネート等が挙げられ、防錆性及び入手容易性の観点から、過塩基性カルシウムスルホネート、中性カルシウムスルホネートが好ましい。
(C)防錆剤は、1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよいが、過塩基性金属スルホネートと中性金属スルホネートとを併用することが好ましい。過塩基性金属スルホネートと中性金属スルホネートとを併用することにより、一方のみを使用する場合よりも優れた防錆性を奏するという相乗効果が得られる。
(過塩基性金属スルホネート)
過塩基性金属スルホネートの塩基価は、好ましくは300mgKOH/g以上、より好ましくは400mgKOH/g以上、特に好ましくは500mgKOH/g以上である。一方、過塩基性金属スルホネートの塩基価は、好ましくは700mgKOH/g以下、より好ましくは600mgKOH/g以下、特に好ましくは550mgKOH/g以下である。
本明細書において、塩基価は、JIS K 2501:2003に記載の方法に準拠して測定した値である。
過塩基性金属スルホネートの塩基価が、上記下限値以上であると、防錆油膜の酸中和能が十分に担保される。一方、過塩基性金属スルホネートの塩基価が、上記上限値以下であると、入手が容易になりコストの増加を抑制することができる。
本実施形態の防錆油組成物中における過塩基性金属スルホネートの含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上である。一方、過塩基性カルシウムスルホネートの含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは4質量%以下である。
過塩基性金属スルホネートの含有量が、上記下限値以上であると、十分な防錆性が得られる。一方、過塩基性金属スルホネートの含有量が、上記上限値以下であると、使用量を抑えつつ、十分な効果を発揮することができる。
(中性金属スルホネート)
中性金属スルホネートの全塩基価は、防錆性の観点から、好ましくは0mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、特に好ましくは10mgKOH/g以上である。一方、中性金属スルホネートの全塩基価は、過塩基性金属スルホネートと組み合わせた際に優れた防錆性が得られる観点から、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは100mgKOH/g以下、特に好ましくは30mgKOH/g以下である。
本実施形態の防錆油組成物中における中性金属スルホネートの含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは1.5質量%以上である。一方、中性金属スルホネートの含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは4質量%以下である。
中性金属スルホネートの含有量が、上記下限値以上であると、十分な防錆性が得られる。一方、中性金属スルホネートの含有量が、上記上限値以下であると、使用量を抑えつつ、十分な効果を発揮することができる。
本実施形態の防錆油組成物が、過塩基性金属スルホネートと中性金属スルホネートとを含有する場合、過塩基性金属スルホネートと中性金属スルホネートとの含有量比(過塩基性金属スルホネート/中性金属スルホネート)は、防錆性の観点から、質量基準で、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.8以上である。一方、含有量比(過塩基性金属スルホネート/中性金属スルホネート)は、防錆性の観点から、質量基準で、好ましくは4以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.25以下である。
本実施形態の防錆油組成物中における(C)防錆剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上である。一方、(C)防錆剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは20質量%以下、より好ましくは14質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。
(C)防錆剤の含有量が、上記下限値以上であると、十分な防錆性が得られる。一方、(C)防錆剤の含有量が、上記上限値以下であると、使用量を抑えつつ、十分な効果を発揮することができる。
本実施形態の防錆油組成物は、必要に応じて、(D)酸化防止剤、(E)金属不活性化剤及び(F)多価アルコールの脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含有することが好ましい。
<(D)酸化防止剤>
(D)酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられるが、これらの中でも、酸化安定性の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-(N,N-ジメチルアミノメチル)フェノール、2,6-ジ-t-アミル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の単環フェノール系化合物;4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-イソプロピリデンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)等の多環フェノール系化合物等が挙げられる。これらの中でも、酸化安定性の観点から、単環フェノール系化合物が好ましく、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートがより好ましい。
(D)酸化防止剤は、1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防錆油組成物中における(D)酸化防止剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、特に好ましくは0.2質量%以上である。一方、(D)酸化防止剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
(D)酸化防止剤の含有量が、上記下限値以上であると、十分な酸化安定性が得られる。一方、(D)酸化防止剤の含有量が、上記上限値以下であると、使用量を抑えつつ、十分な効果を発揮することができる。
<(E)金属不活性化剤>
(E)金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、アルケニルコハク酸エステル及びその誘導体等が挙げられるが、これらの中でも、変色防止の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、1,2,3-ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール等が挙げられ、これらの中でも、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾールが好ましい。
(E)金属不活性化剤は、1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防錆油組成物中における(E)金属不活性化剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、特に好ましくは0.05質量%以上である。一方、(E)金属不活性化剤の含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。
(E)金属不活性化剤の含有量が、上記下限値以上であると、十分な金属不活性化効果が得られる。一方、(E)金属不活性化剤の含有量が、上記上限値以下であると、使用量を抑えつつ、十分な効果を発揮することができる。
<(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステル>
(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルは、多価アルコールの全ての水酸基がエステル化された完全エステルであってもよく、多価アルコールの一部の水酸基がエステル化されずに残った部分エステルであってもよく、部分エステルと完全エステルとの混合物であってもよいが、完全エステルであることが好ましい。
(F)成分を構成する多価アルコールの炭素数は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、特に好ましくは5以上である。一方、多価アルコールの炭素数は、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。
多価アルコールの炭素数が、上記下限値以上であると、防錆油膜中で造膜成分として機能しやすくなる。一方、多価アルコールの炭素数が、上記上限値以下であると、他成分との溶解性に優れる。
多価アルコールは、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。
多価アルコールとしては、エチレングリコ-ル、プロピレングリコ-ル、プロパンジオール、ブチレングリコール、ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、ヘプタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、トリデカンジオール、テトラデカンジオール、ペンタデカンジオール等の二価アルコール;トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の三価以上のアルコール等の多価脂肪族アルコール等が挙げられる。これらの中でも、防錆油膜中での造膜機能のし易さ及び他成分との溶解性の観点から、三価以上の脂肪族アルコールが好ましく、ペンタエリスリトール、ソルビトールがより好ましい。
(F)成分を構成する一価カルボン酸の炭素数は、好ましくは9以上、より好ましくは12以上、特に好ましくは14以上である。一方、一価カルボン酸の炭素数は、好ましくは21以下、より好ましくは20以下、特に好ましくは18以下である。一価カルボン酸の炭素数が、上記下限値以上であると、防錆油膜中で造膜成分として機能し易くなる。一方、一価カルボン酸の炭素数が、上記上限値以下であると、他成分との溶解性に優れる。
一価カルボン酸は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。
一価カルボン酸の具体例としては、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、デカン酸、イソデカン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸等の一価の飽和カルボン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸等の一価の不飽和カルボン酸等の一価の脂肪族カルボン酸;エチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、フェニルシクロペンタンカルボン酸、フェニルシクロヘキサンカルボン酸等の一価の脂環式カルボン酸;ビフェニルカルボン酸、ベンゾイル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸等の一価の芳香族カルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、加工性及び他成分との溶解性の観点から、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の一価の不飽和カルボン酸が好ましく、オレイン酸がより好ましい。
(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールジオレエート、ペンタエリスリトールトリオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエート等の各種ペンタエリスリトールオレエート、各種ペンタエリスリトールステアレート、各種ペンタエリスリトールラウレート、各種ペンタエリスリトールミリステート、各種ペンタエリスリトールパルミテート等の多価アルコールがペンタエリスリトールのエステル;トリメチロールプロパンモノオレエート、トリメチロールプロパンジオレエート、トリメチロールプロパントリオレエート等の各種トリメチロールプロパンオレエート、各種トリメチロールプロパンラウレート、各種トリメチロールプロパンミリステート、各種トリメチロールプロパンパルミテート等の多価アルコールがトリメチロールプロパンのエステル;ソルビタンセスキオレエート等の多価アルコールがソルビトールのエステル等が挙げられる。これらの中でも、加工性の観点から、各種ペンタエリスリトールオレエート、各種トリメチロールプロパンオレエート、ソルビタンセスキオレエートが好ましい。
(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルは、1種を単独で又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の防錆油組成物中における(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルの含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上である。一方、(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルの含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは7質量%以下である。
(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルの含有量が、上記下限値以上であると、造膜成分として機能する。一方、(F)一価カルボン酸の多価アルコールエステルの含有量が、上記上限値以下であると、べたつきが少ない防錆油膜を形成することができる。
<その他の添加剤>
本実施形態の防錆油組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、(A)~(F)成分以外の、消泡剤、粘度指数向上剤等のその他の添加剤を含有していてもよい。
本実施形態の防錆油組成物は、(A)~(C)成分のみを含有するものであってもよいし、(A)~(C)成分と(D)~(F)成分からなる群から選択される1種以上とを含有し、その他の添加剤を含有しないものであってもよい。
本実施形態の防錆油組成物中における(A)~(C)成分の合計含有量は、防錆油組成物全量基準で、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、93質量%以上が特に好ましい。また、上記合計含有量は、防錆油組成物全量基準で、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、97質量%以下が特に好ましい。 また、本実施形態の防錆油組成物中における(A)~(F)成分の合計含有量は、防錆油組成物全量基準で、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
<バリウムの含有量>
本実施形態の防錆油組成物は、バリウムを実質的に含有しないことが好ましい。ここで「実質的に含有しない」とは、意図的にバリウムを添加するものではないことを意味し、微量に混入される不純物のバリウムまでを積極的に除去することを意図するものではない。
本実施形態の防錆油組成物が、バリウムを含有する場合、その含有量は、防錆油組成物全量基準で、好ましくは5質量ppm以下、より好ましくは3質量ppm以下、特に好ましくは1質量ppm以下である。
本実施形態の防錆油組成物は、実質的にバリウムを含有しない、又はバリウムの含有量が上記上限値以下であると、環境への負荷を低減することができる。
<防錆油組成物の製造方法>
本実施形態の防錆油組成物は、(A)引火点が100℃未満の溶剤と、(B)引火点が100℃以上であって、40℃動粘度が7mm/s以上120mm/s以下である基油と、(C)防錆剤と、を混合することで調製することができる。その際には、必要に応じて含有される(D)~(F)成分からなる群から選択される1種以上及び/又はその他の添加剤を配合してもよい。
<防錆油組成物の用途>
以上説明してきたように、本実施形態の防錆油組成物は、優れた防錆油膜の薄膜性と防錆性とを両立するものであり、更には、速乾性及び低臭気性にも優れるため、作業性にも優れるものである。したがって、本実施形態の防錆油組成物は、鋼板等の金属材料への使用に好適であり、特に、自動車用の金属材料への使用に好適であり、トルクコンバータ用の金属材料への使用により好適である。すなわち、本発明によると、本実施形態の防錆油組成物を用いた金属材料の防錆方法、及び、本実施形態の防錆油組成物を用いたトルクコンバータ用の金属材料の防錆方法も提供することができる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、防錆油組成物に配合した成分の引火点、40℃動粘度及び塩基価の測定方法は、下記の通りである。
(1)引火点
引火点はJIS K2265:2007に記載の方法に準拠して測定した。
なお、イソパラフィン及び軽油の引火点は、ペンスキーマルテンス密閉法(PM法)で測定し、パラフィン系鉱油の引火点は、クリーブランド開放法(COC法)で測定した。
(2)40℃動粘度
40℃動粘度は、JIS K2283:2000に記載の方法に準拠して測定した。
(3)塩基価
塩基価は、JIS K2501:2003に記載の方法に準拠して測定した。
<防錆油組成物の製造>
実施例1~3、比較例1~2
表1に示す配合組成(質量%)で各成分を混合し、防錆油組成物を調製した。
なお、表1に示される各成分の詳細は以下の通りである。
[(A)成分]
・イソパラフィン(炭素数10~12):引火点45℃
・軽油:40℃動粘度1.621mm/s、引火点76℃
[(B)成分]
・パラフィン系鉱油1:40℃動粘度30.6mm/s、引火点210℃
[比較成分]
・パラフィン系鉱油2:40℃動粘度435.1mm/s、引火点300℃
[(C)成分]
・中性カルシウムスルホネート、カルシウム含有量2.45質量%、塩基価20mgKOH/g
・過塩基性カルシウムスルホネート、カルシウム含有量18質量%、塩基価537mgKOH/g
<評価方法>
上記で得られた防錆油組成物について、以下の方法により各種試験を行い、その物性を評価した。評価結果を表1に示す。
(1)防錆性の評価
JIS K2246:2007に準拠して中性塩水噴霧試験方法で行い、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:さび等級A級
B:さび等級B級
C:さび等級C、D又はE級
(2)防錆油膜の薄膜性の評価
防錆油膜の薄膜性は、下記方法により測定した油付着量に基づいて評価した。
幅60mm×長さ80mm×厚さ0.8mmの鋼板(SPCC-SD)を、防錆油組成物に浸漬した後取り出し、該鋼板を鉛直方向に吊り下げ、温度23℃で24時間油切を行った。
防錆油組成物を塗布する前の鋼板の重量と、油切後の鋼板の重量との差から油付着量(g/m)を求め、比較例1の油付着量を1.0とした場合における、各例の油付着量の相対値を防錆油膜の薄膜性の指標とした。防錆油膜の薄膜性は下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:0.6未満
B:0.6以上、1.0未満
C:1.0以上
(3)速乾性の評価
60mmφのシャーレ内に1.0gの防錆油組成物を滴下した後、23℃で静置して経時重量変化を計測し、下記評価基準に基づいて速乾性を評価した。
(評価基準)
A:24時間後に重量割合で50%以上乾燥
B:24時間後に重量割合で50%未満乾燥
(4)低臭気性の評価
被験者10人により、温度23℃において、防錆油組成物の臭気の官能評価を行った。
(評価基準)
A:全く臭わないと判断した人数が7人以上
B:全く臭わないと判断した人数が7人未満
(5)バリウム含有量の評価
バリウム含有量は、ICP定量分析により測定した。
(評価基準)
A:検出限界以下
B:バリウムが検出された。
Figure 0007286621000001
表1の結果により、本実施形態の実施例1~3の防錆油組成物は、速乾性及び低臭気性に優れ、優れた防錆油膜の薄膜性と防錆性とを両立していることが分かる。なかでも、(A)成分として、イソパラフィン(引火点45℃)を使用した実施例1及び2は、特に、防錆油膜の薄膜性と防錆性とを高度に両立していた。
一方、防錆油組成物の40℃動粘度が3.2mm/sを超える比較例1の防錆油組成物は、防錆油膜の薄膜性に劣っていた。また、(B)成分として、40℃動粘度が120mm/sを超える基油のみを使用した比較例2の防錆油組成物は、防錆性に劣っていた。

Claims (14)

  1. (A)引火点が40℃以上80℃以下の溶剤と、
    (B)引火点が170℃以上300℃以下であって、40℃動粘度が15mm/s以上60mm/s以下である基油と、
    (C)防錆剤と、
    を含有し、40℃動粘度が1.0mm/s以上2.2mm/s以下である、防錆油組成物。
  2. 前記(A)成分の引火点が、40℃以上70℃以下である、請求項1に記載の防錆油組成物。
  3. 前記(A)成分が、イソパラフィン及び軽油からなる群から選択される1種以上である、請求項1又は2に記載の防錆油組成物。
  4. 前記(A)成分の含有量が、防錆油組成物全量基準で、70質量%以上95質量%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  5. 前記(B)成分の引火点が、200℃以上300℃以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  6. 前記(B)成分の40℃動粘度が、20mm/s以上60mm/s以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  7. 前記(B)成分が、鉱油である、請求項1~6のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  8. 前記(B)成分の含有量が、防錆油組成物全量基準で、0.5質量%以上10質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  9. 前記(C)成分が、金属スルホネートである、請求項1~8のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  10. 前記(C)成分の含有量が、防錆油組成物全量基準で、1質量%以上20質量%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  11. 40℃動粘度が1.2mm/s以上2.2mm/s以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  12. 更に、(D)酸化防止剤を含有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の防錆油組成物。
  13. 前記(D)酸化防止剤の含有量が、防錆油組成物全量基準で、0.1質量%以上3質量%以下である、請求項12に記載の防錆油組成物。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の防錆油組成物を製造する方法であって、
    (A)引火点が40℃以上80℃以下の溶剤と、
    (B)引火点が170℃以上300℃以下であって、40℃動粘度が15mm/s以上60mm/s以下である基油と、
    (C)防錆剤と、を混合する、防錆油組成物の製造方法。
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