JP7286243B2 - 錠剤搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の錠剤に対して印刷および/または検査を行うために錠剤を搬送する錠剤搬送装置に関するものである。
近年、医薬品や食品などの錠剤に対して、製造メーカや製品区分などに関する識別情報がインクジェット等により非接触で印刷される場合が多くなってきている。この識別情報は、アルファベット、数字、あるいは記号などから構成されており、これにより調剤薬局、患者あるいは消費者が錠剤の種類を把握することができる。
一般に、このような錠剤の印刷に用いられる錠剤印刷装置は、複数の錠剤を供給する錠剤供給部と、錠剤供給部から供給された錠剤を振動により搬送する振動搬送部と、振動搬送部から受け渡された複数の錠剤を搬送する錠剤搬送部と、錠剤搬送部により搬送される複数の錠剤に印刷を行う錠剤印刷部とを備えている。このうち振動搬送部は、錠剤供給部により供給された複数の錠剤を複数列に振り分ける金属製または樹脂製等の搬送トラフが設けられており、該搬送トラフにおいて複数の錠剤を振動により搬送したあと、下流側に設けられた錠剤搬送部に受け渡して搬送していくことが行われる(特許文献1,2参照)。
ところで、このような錠剤印刷装置において、錠剤が搬送される過程において、錠剤の粉塵が発生したり、錠剤や、錠剤の粉塵や装置に静電気が生じたりする場合があった。
特開2013-013711号公報 特開2012-254864号公報
しかしながら、このように静電気を帯びた錠剤に対して、粉塵が付着した状態で印刷を行った場合、錠剤の印刷品質が低下する虞があった。また、錠剤の粉塵が装置内で舞うため、装置内の清掃作業が煩雑になったり、撮像装置のレンズや印字ヘッドの表面に粉塵が付着して、装置の性能を低下させる虞があった。また、装置の搬送部分にも静電気によって錠剤が滞留する場合があり、所定の搬送能力が低下する虞があった。このような問題は、複数の錠剤に対して検査を行う錠剤検査装置にも同様に生じるものであった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、複数の錠剤に対して印刷および/または検査を行う際、装置内で発生する静電気や粉塵を効率的に除去することができる錠剤搬送装置を提供することを目的とする。
本発明は、錠剤を複数の錠剤に対して印刷および/または検査を行う際、特に振動により錠剤を所定の方向に搬送する振動搬送部において、錠剤の粉塵が多く発生することと、また錠剤、錠剤の粉塵、装置に静電気が多く発生することを発見し、振動搬送部において錠剤の静電気対策や粉塵対策を行うことが極めて有効であることに着目して発明したものである。
つまり、本発明は、複数の錠剤に対して印刷および/または検査を行うために錠剤を搬送する錠剤搬送装置であって、複数の錠剤を振動により所定の方向に搬送する振動搬送部と、前記振動搬送部により搬送される錠剤の静電気を除去する静電気除去部と、前記振動搬送部により搬送される錠剤の粉塵を除去する粉塵除去部とを備え、前記静電気除去部により錠剤の静電気を除去したあと、前記粉塵除去部により錠剤の粉塵を除去することを特徴とする。なお、本発明において、錠剤の静電気の除去とは、錠剤の静電気を完全に除去する場合のみならず、錠剤の静電気を低減させる場合も含む。また、錠剤の粉塵の除去とは、錠剤の粉塵を完全に除去する場合のみならず、錠剤の粉塵を低減させる場合も含む。
これによれば、錠剤印刷装置や錠剤検査装置に用いられる錠剤搬送装置において、振動搬送部により錠剤を搬送する際、静電気除去部により錠剤の静電気を除去したあと、粉塵除去部によって錠剤の粉塵を除去するため、搬送の初期段階において錠剤(さらには錠剤の粉塵や装置)の静電気を効率的に除去することができるとともに、錠剤の粉塵を効率的に除去することができる。
また、前記静電気除去部は、前記振動搬送部の下流側の所定個所において、前記振動搬送部の搬送面に対して所定距離を隔てて設けられてもよい。これによれば、振動搬送部において錠剤が搬送される際、振動により錠剤に静電気が多く発生するところ、振動搬送部の下流側に静電気除去部が設けられることによって、振動により生じた錠剤の静電気を効率的に除去することができる。
また、前記振動搬送部の上流側の所定個所に第2の静電気除去部が設けられてもよい。これによれば、振動搬送部の装置自体に発生した静電気を効率的に除去することができる。
また、前記粉塵除去部は、空気吸引により錠剤の粉塵を除去してもよい。これによれば、簡易な構成にして、錠剤の粉塵を確実に除去することができる。
また、前記振動搬送部は、錠剤が搬送されるときに発生する錠剤の粉塵が溜まるスリット溝が搬送方向に沿って設けられてもよい。これによれば、錠剤の粉塵がスリット溝に溜まるため、錠剤の粉塵が振動搬送部の下流側に流れ込むことを軽減することができる。
また、前記振動搬送部は、前記スリット溝に前記振動搬送部を貫通する開口部が形成され、前記スリット溝に溜まった粉塵を該開口部から排出してもよい。これによれば、スリット溝に溜まった錠剤の粉塵が開口部から排出されるため、錠剤の粉塵を振動搬送部の外部に簡単かつ確実に排出することができる。
また、前記振動搬送部は、前記スリット溝の前記開口部の下方に粉塵ボックスが設けられ、前記スリット溝の前記開口部から排出された錠剤の粉塵を前記粉塵ボックスに集塵してもよい。これによれば、粉塵ボックスに錠剤の粉塵が集塵されるため、粉塵ボックスに錠剤の粉塵がある程度集塵された際、粉塵ボックスを取り外すだけで錠剤の粉塵をまとめて廃棄することができる。
また、前記振動搬送部は、前記スリット溝の前記開口部の下方に吸引装置が設けられ、前記スリット溝の前記開口部から排出された粉塵を前記吸引装置の空気吸引により集塵してもよい。これによれば、空気吸引装置により錠剤の粉塵を集塵するため、スリット溝に溜まっている錠剤の粉塵を開口部から強制的に排出することができる。
本発明に係る錠剤印刷装置は、上述の錠剤搬送装置が設けられ、複数の錠剤に対して印刷を行うことを特徴とする。
本発明に係る錠剤検査装置は、上述の錠剤搬送装置が設けられ、複数の錠剤に対して検査を行うことを特徴とする。
本発明によれば、錠剤印刷装置や錠剤検査装置に用いられる錠剤搬送装置において、振動搬送部により錠剤を搬送する際、静電気除去部により錠剤の静電気を除去したあと、粉塵除去部によって錠剤の粉塵を除去するため、搬送の初期段階において錠剤(さらには錠剤の粉塵や装置)の静電気を効率的に除去することができるとともに、錠剤の粉塵を効率的に除去することができる。
このため、振動搬送部よりも下流側において静電気を帯びた錠剤や錠剤の粉塵が流れ込むことを防止することができ、錠剤を搬送しながら印刷を行う際、錠剤に対して粉塵が付着していない適正な状態で印刷することができる。また、錠剤の粉塵が装置で舞うことが低減するため、装置内の清掃作業が簡単になり、また撮像装置のレンズや印字ヘッドの表面に粉塵が付着することを防止することができる。さらに、装置の搬送部分に静電気によって錠剤が滞留しなくなるため、装置の搬送能力を維持することができる。
本実施形態に係る錠剤印刷装置の構成概略図である。 図1の錠剤印刷装置の振動搬送部の拡大図である。 図1の錠剤印刷装置の振動搬送部の搬送トラフの平面図である。 図1の錠剤印刷装置の静電気除去部付近の正面図である。 図1の錠剤印刷装置の粉塵除去部付近の正面図である。 図1の錠剤印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
次に、本発明に係る錠剤搬送装置を錠剤印刷装置に適用した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<搬送関連装置の構成>
まず、本装置の搬送関連装置の構成について、図1~図6を参照しつつ、具体的に説明する。
本装置は、図1に示すように、基台1と、基台1の上部に設けられた錠剤供給部2と、錠剤供給部2の下方に設けられた振動搬送部3と、振動搬送部3の搬送方向の下流側に設けられた上流側の錠剤搬送部4と、上流側の錠剤搬送部4の下方に設けられた下流側の錠剤搬送部5と、下流側の錠剤搬送部5の下方に設けられた錠剤乾燥部6と、図6に示すように各部を制御する制御部7とを備える。
前記錠剤供給部2は、上部に投入口21aが設けられ、かつ下部に供給口21bが設けられたホッパー21を備えており、投入口21aからホッパー21に複数の錠剤Tが投入されると、供給口21bから振動搬送部3に錠剤が供給される。
前記振動搬送部3は、錠剤供給部2のホッパー21の直下に設けられた第1の振動搬送部31と、第1の振動搬送部31の搬送方向の下流側に設けられた第2の振動搬送部32とを備える。
前記第1の振動搬送部31は、金属製または樹脂製等からなる平板状の搬送トラフ311と、該搬送トラフ311の下面に設けられた振動フィーダ312とを備える。この搬送トラフ311は、上面側の搬送面311aが搬送方向に沿って下流側に緩やかに傾斜する平坦面に形成されている。
而して、錠剤供給部2のホッパー21から搬送トラフ311に錠剤Tが供給されると、搬送トラフ311の搬送面311aの上に錠剤Tが塊状に堆積する。そして、振動フィーダ312により搬送トラフ311が振動すると、塊状に堆積した錠剤Tは、振動により下流側部分から次第に崩れながら搬送方向に搬送されたあと、第2の振動搬送部32に受け渡される。
前記第2の振動搬送部32は、金属製または樹脂製等からなる平板状の搬送トラフ321と、該搬送トラフ321の下面に設けられた振動フィーダ322とを備える。この搬送トラフ321は、上面側の搬送面321aが搬送方向に沿って下流側に緩やかに傾斜するように下流側に傾斜して配置されるとともに、図3に示すように、搬送面321aには搬送方向に延びる搬送溝321bが幅方向に7列形成されている。
而して、振動フィーダ322により搬送トラフ321が振動すると、それに伴って第1の振動搬送部31から受け渡された複数の錠剤Tは、振動ごとに搬送トラフ321の搬送面321aを跳ねながら所定の方向に滑るように搬送され、搬送溝321bに沿って幅方向に7列に整列する。
また、前記第2の振動搬送部32は、搬送トラフ321の各搬送溝321bにスリット溝321cが搬送方向に沿って形成されている。このスリット溝321cは、錠剤Tの直径や厚みよりも幅狭に形成されている。これにより、錠剤Tが搬送トラフ321の各搬送溝321bを搬送される際、錠剤Tの粉塵がスリット溝321cに落ちて溜まるものとなされている。
また、前記第2の振動搬送部32は、搬送トラフ321のスリット溝321bの下流側端部において、搬送トラフ321を貫通する開口部321dが形成され、該開口部321dの下方に粉塵ボックス323が設けられている。これにより、スリット溝321cに溜まった錠剤Tの粉塵は、スリット溝321cの開口部321dから排出されたあと、自然落下して粉塵ボックス323に集塵される。
なお、本実施形態では、粉塵ボックス323により錠剤Tの粉塵を集塵するものとしたが、開口部321dの下方に吸引装置を設けて、吸引装置の空気吸引により錠剤Tの粉塵を集塵してもよい。
前記上流側の錠剤搬送部4は、錠剤供給部2から投入された複数の錠剤Tを所定の方向(図1の右方向)に搬送するものであり、搬送方向の下流側に配置された反転ドラム41と、搬送方向の上流側に配置された従動軸42と、反転ドラム41と従動軸42の間において無端状態に巻架されたタイミングベルト43とからなる搬送コンベアであって、図示略の駆動モータにより反転ドラム41が自軸回転することによりタイミングベルト43が図1の右回りに回転する。
また、前記タイミングベルト43は、複数の細長いタイミングベルト片から構成されており、各タイミングベルト片が幅方向に錠剤Tの幅より狭い隙間を空けて配置されている。そして、反転ドラム41において、図示略の負圧チャンバにより、タイミングベルト43の隙間から空気を吸引することによって錠剤Tを吸着するようになっている。
なお、前記反転ドラム41の左上方位置には中間ローラ44が設けられており、反転ドラム41から送出されたタイミングベルト43を反転ドラム41の左上方まで持ち上げることによって、下方に後述する第2の撮像部102、第2の錠剤印刷部202、第2の検査用撮像部302などの各部材を配置する空間を形成している。
而して、前記振動搬送部3から搬送されてきた複数の錠剤Tは、上流側の錠剤搬送部4に到達した際、タイミングベルト43に載置される態様で同一平面上で受け渡されたあと、その載置状態を維持しながらタイミングベルト43の回転に従って搬送方向に搬送されていく。そして、反転ドラム41に到達した錠剤Tは、図示略の負圧チャンバによりタイミングベルト43に吸着され、反転ドラム41の回転に従って表裏反転する状態で下方に搬送されていく。
前記下流側の錠剤搬送部5は、上流側の錠剤搬送部4から複数の錠剤Tを表裏反転させた状態で受け取って、所定の方向(図1の左方向)に搬送するものであり、搬送方向の下流側に配置された反転ドラム51と、搬送方向の上流側に配置された従動軸52と、反転ドラム51と従動軸52の間において無端状態に巻架されたタイミングベルト53とを備え、図示略の駆動モータにより反転ドラム51が自軸回転することによりタイミングベルト53が図1の左回りに回転する。
この前記タイミングベルト53も、複数の細長いタイミングベルト片から構成されており、各タイミングベルト片が幅方向に錠剤Tの幅より狭い隙間を空けて配置されている。そして、反転ドラム51において、図示略の負圧チャンバにより、タイミングベルト53の隙間から空気を吸引することによって錠剤Tを吸着するようになっている。
而して、上流側の錠剤搬送部4から表裏反転しながら搬送されてきた錠剤Tは、下流側の錠剤搬送部5に到達した際、タイミングベルト53に載置される態様で受け渡されたあと、その載置状態を維持しながらタイミングベルト53の回転に従って搬送方向の下流側に搬送されていく。そして、反転ドラム51に到達した錠剤Tは、負圧チャンバによりタイミングベルト53に吸着され、反転ドラム51の回転に従って表裏反転する状態で下方に搬送されたあと、そのまま天吊り状態で錠剤乾燥部6まで搬送されて同一平面上で受け渡される。
なお、下流側の錠剤搬送部5の下流側端部の下方には、不良品排出ボックス54が設けられている。これにより、制御部7により不良品と判断された錠剤Tについては、天吊り状態で搬送される過程において、タイミングベルト53による吸着が解除されることにより下方に落下して、不良品排出ボックス54に排出される。
前記錠剤乾燥部6は、下流側の錠剤搬送部5から複数の錠剤Tを表裏反転させた状態で受け取って、複数の錠剤Tを所定の方向(図1の右方向)に搬送しながら乾燥するものであり、搬送方向の下流側に配置された駆動軸61と、搬送方向の上流側に配置された従動軸62と、駆動軸61と従動軸62の間において無端状態に巻架されたメッシュベルト63とを備え、図示略の駆動モータにより駆動軸61が自軸回転することによりメッシュベルト63が図1の右回りに回転する。
而して、下流側の錠剤搬送部5から天吊り状態で搬送されてきた複数の錠剤Tは、錠剤乾燥部6に到達した際、メッシュベルト63上に載置される態様で同一平面上で受け渡され、その載置状態を維持しながらメッシュベルト63の回転に従って搬送方向の下流側に搬送される。このとき、錠剤Tは、図示略のヒータにより温風を吹き付けられることにより、表面および裏面における識別情報の印刷部分が乾燥させられる。
なお、前記錠剤乾燥部6の下流側には排出部64が設けられており、錠剤乾燥部6により乾燥されながら搬送されてきた良品の錠剤Tは排出部64から装置外に排出される。
<撮像・印刷関連装置の構成>
次に、本装置の撮像・印刷関連装置の構成について、図1を参照しつつ、具体的に説明する。
前記上流側の錠剤搬送部4は、上流側の上方に配置された第1の撮像部101と、中間部の上方に配置された第1の錠剤印刷部201と、下流側の上方に配置された第1の検査用撮像部301とがそれぞれ設けられている。
前記第1の撮像部101は、上流側の錠剤搬送部4により載置状態で搬送される錠剤Tについて、錠剤Tの一方面を撮像する。また、第1の撮像部101により撮像された錠剤Tの撮像データは、制御部7に送信されたあと、錠剤Tの位置の認識に使用される。
前記第1の錠剤印刷部201は、制御部7の指令により錠剤Tの一方面に対して所定の識別情報を印刷するものである。本実施形態では、第1の錠剤印刷部201の下方において複数の錠剤Tが幅方向に列をなした状態で順次通過するため、第1の錠剤印刷部201により錠剤Tの一方面に対して所定の識別情報を列ごとに順次印刷する。
前記第1の検査用撮像部301は、第1の錠剤印刷部201により所定の識別情報が印刷された錠剤Tについて、錠剤Tの一方面を撮像する。本実施形態では、第1の検査用撮像部301の下方において複数の錠剤Tが幅方向に列をなした状態で順次通過するため、第1の検査用撮像部301は錠剤Tの一方面を列ごとに撮像する。この第1の検査用撮像部301により撮像された錠剤Tの一方面の画像データは、制御部7に送信されたあと、錠剤Tの一方面における識別情報の印刷状態の検査に使用される。
一方、前記下流側の錠剤搬送部5は、上流側の上方に配置された第2の撮像部102と、中間部の上方に配置された第2の錠剤印刷部202と、下流側の上方に配置された第2の検査用撮像部302とがそれぞれ設けられている。
前記第2の撮像部102は、タイミングベルト53により載置状態で搬送される錠剤Tについて、錠剤Tの他方面を撮像する。本実施形態では、第2の撮像部102の下方において複数の錠剤Tが幅方向に列をなした状態で順次通過するため、第2の撮像部102は錠剤Tの他方面を列ごとに撮像する。第2の撮像部102により撮像された錠剤Tの他方面の画像データは、制御部7に送信されたあと、反転後の錠剤Tの平面方向のずれや傾きの調整に使用される。
前記第2の錠剤印刷部202は、制御部7の指令により錠剤Tの他方面に対して所定の識別情報を印刷するものである。本実施形態では、第2の錠剤印刷部202の下方において複数の錠剤Tが幅方向に列をなした状態で順次通過するため、第2の錠剤印刷部202により錠剤Tの他方面に対して所定の識別情報を列ごとに順次印刷する。
前記第2の検査用撮像部302は、第2の錠剤印刷部202により所定の識別情報が印刷された錠剤Tについて、錠剤Tの他方面を撮像する。本実施形態では、第2の検査用撮像部302の下方において複数の錠剤Tが幅方向に列をなした状態で順次通過するため、第2の検査用撮像部302は錠剤Tの他方面を列ごとに撮像する。第2の検査用撮像部302により撮像された錠剤Tの他方面の画像データは、制御部7に送信されたあと、錠剤Tの他方面における識別情報の印刷状態の検査に使用される。
また、本発明では、前記振動搬送部3は、図2および図4に示すように、錠剤の静電気を除去する静電気除去部401が設けられている。この静電気除去部401は、第2の振動搬送部32の下流側の所定個所において、第2の振動搬送部32の搬送トラフ321の搬送面321aと所定距離(錠剤の厚みよりも大きい距離)を隔てて設けられ、第2の振動搬送部321により搬送される錠剤Tの静電気を除去する。例えば、静電気除去部401としてイオナイザーが知られている。このイオナイザーは、高電圧電源によって放電電極に高電圧を付加し、放電電極と設置電極間で発生するコロナ放電で空気を電離して正・負イオンを発生させる装置である。これにより、錠剤Tはもとより、錠剤Tの表面や周りに存在する錠剤の粉塵、さらには搬送トラフ321の静電気を除去することができる。
また、前記振動搬送部3は、図2および図5に示すように、錠剤Tの粉塵を除去する粉塵除去部402が設けられている。この粉塵除去部402は、静電気除去部401よりも下流側の所定個所において、第2の振動搬送部32の搬送トラフ321の搬送面321aと所定距離(錠剤の厚みよりも大きい距離)を隔てて配置され、空気吸引により錠剤Tの粉塵を除去する。
而して、本装置において、振動搬送部3により錠剤Tを搬送する際、静電気除去部401により錠剤の静電気を除去したあと、粉塵除去部402により錠剤Tの粉塵を除去するため、搬送の初期段階において錠剤、錠剤の粉塵、さらには搬送トラフ321の静電気を効率的に除去することができるとともに、錠剤Tの粉塵を効率的に除去することができる。
このため、振動搬送部3よりも下流側において静電気を帯びた錠剤Tや錠剤Tの粉塵が流れ込むことを防止することができ、錠剤Tを搬送しながら印刷を行う際、錠剤Tに対して粉塵が付着していない適正な状態で印刷することができる。また、錠剤Tの粉塵が装置内で舞うことが低減するため、装置内の清掃作業が簡単になり、また各撮像部101、102、301、302のレンズや印字ヘッドの表面に粉塵が付着することを防止することができる。さらに、装置の搬送部分に静電気によって錠剤Tが滞留しなくなるため、装置の搬送能力を維持することができる。
なお、本実施形態では、前記静電気除去部401は、第2の振動搬送部32の下流側の所定個所に設けられるものとしたが、振動搬送部3のその他の箇所に設けられてもよい。 また、前記第1の振動搬送部31または第2の振動搬送部32の上流側の所定個所に第2の静電気除去部がさらに設けられてもよい。
また、前記粉塵除去部402は、静電気除去部401よりも下流側であれば、その他の箇所に設けられてもよい。
また、前記粉塵除去部402は、空気吸引により錠剤Tの粉塵を除去するものとしたが、その他の方法により錠剤Tを除去してもよい。
また、前記振動搬送部3は、第1の振動搬送部31と第2の振動搬送部32からなるものとしたが、第2の振動搬送部32からなるものとしてもよいし、あるいは第1の振動搬送部31を振動しない単なる錠剤受け部に代えてもよい。
また、前記第2の振動搬送部32の搬送トラフ321は、複数の搬送溝321bが形成されるものとしたが、搬送溝を有しない平坦面であってもよい。
また、本装置は、上述の搬送関連装置と撮像・印刷関連装置の構成からなるものとしたが、その他の構成からなるものであってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1…基台
2…錠剤供給部
3…振動搬送部
31…第1の振動搬送部
32…第2の振動搬送部
4…上流側の錠剤搬送部
5…下流側の錠剤搬送部
6…錠剤乾燥部
7…制御部
101…第1の撮像部
102…第2の撮像部
201…第1の錠剤印刷部
202…第2の錠剤印刷部
301…第1の検査用撮像部
302…第2の検査用撮像部
401…静電気除去部
402…粉塵除去部

Claims (10)

  1. 複数の錠剤に対して印刷および/または検査を行うために錠剤を搬送する錠剤搬送装置であって、
    平板状の搬送面が形成され、複数の錠剤を振動により搬送する振動搬送部と、
    前記振動搬送部の搬送面の上方に設けられるイオナイザーであって、前記振動搬送部により搬送される錠剤の静電気を除去する静電気除去部と、
    前記静電気除去部の下流側であって、かつ前記振動搬送部の搬送面の上方に設けられ、前記振動搬送部により搬送される錠剤の粉塵を空気吸引により除去する粉塵除去部とを備え、
    前記静電気除去部により前記振動搬送部により搬送される錠剤の静電気を除去したあと、前記粉塵除去部の空気吸引により前記振動搬送部により搬送される錠剤の粉塵を除去することを特徴とする錠剤搬送装置。
  2. 前記振動搬送部の搬送面の上面側には搬送方向に延びる搬送溝が形成され、複数の錠剤が振動により前記搬送溝に沿って整列しながら搬送されるとともに、
    前記静電気除去部により前記振動搬送部の前記搬送溝内の錠剤の静電気を除去したあと、前記粉塵除去部の空気吸引により前記振動搬送部の前記搬送溝内の錠剤の粉塵を除去する請求項1に記載の錠剤搬送装置。
  3. 前記静電気除去部は、前記振動搬送部の下流側の所定個所において、前記振動搬送部の搬送面に対して所定距離を隔てて設けられる請求項1または請求項2に記載の錠剤搬送装置。
  4. 前記振動搬送部の上流側の所定個所に第2の静電気除去部が設けられる請求項1から請求項3のいずれかに記載の錠剤搬送装置。
  5. 前記振動搬送部は、錠剤が搬送されるときに発生する錠剤の粉塵が溜まるスリット溝が搬送方向に沿って設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の錠剤搬送装置。
  6. 前記振動搬送部は、前記スリット溝に前記振動搬送部を貫通する開口部が形成され、前記スリット溝に溜まった粉塵を該開口部から排出する請求項5に記載の錠剤搬送装置。
  7. 前記振動搬送部は、前記スリット溝の前記開口部の下方に粉塵ボックスが設けられ、前記スリット溝の前記開口部から排出された錠剤の粉塵を前記粉塵ボックスに集塵する請求項6に記載の錠剤搬送装置。
  8. 前記振動搬送部は、前記スリット溝の前記開口部の下方に吸引装置が設けられ、前記スリット溝の前記開口部から排出された粉塵を前記吸引装置の空気吸引により集塵する請求項6に記載の錠剤搬送装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の錠剤搬送装置が設けられ、複数の錠剤に対して印刷を行うことを特徴とする錠剤印刷装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の錠剤搬送装置が設けられ、複数の錠剤に対して検査を行うことを特徴とする錠剤検査装置。
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