JP7286153B2 - 毛髪化粧料、毛髪化粧料セット、およびシャンプー・トリートメント処理方法 - Google Patents

毛髪化粧料、毛髪化粧料セット、およびシャンプー・トリートメント処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、毛髪化粧料、毛髪化粧料セット、およびシャンプー・トリートメント処理方法に関する。
くせやダメージのある毛髪は、シャンプー後の感触が優れないことに加え、毛髪が広がってしまい、まとまりやおさまりが悪いという問題があった。これまで、くせやダメージのある毛髪のシャンプー後の感触を向上させるために、リンス、コンディショナー、トリートメント等の毛髪化粧料の開発が行われてきた。また、毛髪の広がりを抑え、まとまりやおさまりの効果を高めるために、一般的には、毛髪化粧料におけるシリコーンや液状油の配合量を増やすことが行われてきた。しかしながら、シリコーンや液状油の配合量が多い毛髪化粧料を毎日使用することによって、毛髪が硬くなったり、毛髪全体が広がってしまうという、新たな問題が生じていた。
そこで、新たな問題に対処すべく、シャンプー後の感触が優れ、かつ、毎日使用しても毛髪が硬くならず、まとまりに優れる毛髪化粧料の開発が進められている。
例えば、特許文献1では、分岐構造を有するエステルまたはホホバ油と、ヒドロキシアルキルセルロースとが配合されている毛髪化粧料が開示されている。
特開2014-97962号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、まとまりやおさまりの効果が充分ではなかった。このようなことから、本発明は、毎日使用しても毛髪が硬くならず、まとまりに優れ、かつ、柔らかさ、指通り、およびつやが良好な毛髪化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する毛髪化粧料は上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[9]である。
[1]グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)0.22~1質量%と、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と、高級アルコール(D)5~12質量%と、液状油(E)0.5~6質量%と、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)0.2~1質量%と、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)2.5~6質量%と、アミノプロピルジメチコン(H)0.05~0.4質量%とを含み、前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が7~20であり、前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が、3.3~6.05質量%であり、pHが2.0~6.0である、毛髪化粧料。
[2]化合物(A)が、グリオキシロイルカルボシステインとグリオキシロイルケラチンアミノ酸との混合物(X)である、[1]に記載の毛髪化粧料。
[3]高級アルコール(D)が、炭素数14~24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有する1価の高級アルコールである、[1]または[2]に記載の毛髪化粧料。
[4]液状油(E)が、エステル油、炭化水素油、および植物油から選択される少なくとも1種である、[1]~[3]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[5]トリートメントである、[1]~[4]のいずれかに記載の毛髪化粧料。
[6]アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)と、[1]~[5]のいずれかに記載の毛髪化粧料(iv)とから成る、毛髪化粧料セット。
[7]前記毛髪洗浄剤(iii)が、アシルイセチオン酸塩を4.0~9.0質量%、およびココイルアルギニンエチルPCAを0.1~1.0質量%含む、[6]に記載の毛髪化粧料セット。
[8]アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)で毛髪を洗浄する工程(III)、および工程(III)の後、[1]~[5]のいずれかに記載の毛髪化粧料(iv)を毛髪に塗付する工程(IV)を行う、シャンプー・トリートメント処理方法。
[9]前記工程(III)に用いる毛髪が、グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を5.0~40.0質量%含む毛髪処理剤(ii)を用いた酸・熱トリートメント処理(II)が行われた毛髪である、[8]に記載のシャンプー・トリートメント処理方法。
本発明は、毎日使用しても毛髪が硬くならず、まとまりに優れ、かつ、柔らかさ、指通り、およびつやが良好な毛髪化粧料を提供することができる。
次に本発明の毛髪化粧料について具体的に説明する。なお、本発明の毛髪化粧料は、毛髪化粧料(iv)とも記す。
<毛髪化粧料>
本発明の毛髪化粧料は、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)0.22~1.0質量%と、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と、高級アルコール(D)5.0~12.0質量%と、液状油(E)0.5~6.0質量%と、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)0.2~1質量%と、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)2.5~6質量%と、アミノプロピルジメチコン(H)0.05~0.4質量%とを含み、前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が7~20であり、前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が、3.3~6.05質量%であり、pHが2.0~6.0である。
なお、本発明における各成分の含有量は、毛髪化粧料を100質量%とした場合の含有量を示している。
本発明の毛髪化粧料は、トリートメントであることが好ましく、洗い流すトリートメントとであることがより好ましい。
本発明における前記トリートメントには、後述の酸・熱トリートメントは含まれない。本発明の毛髪化粧料は、通常、シャンプー等の後に用いられる。
<化合物(A)>
本発明の毛髪化粧料は、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)を0.22~1.0質量%、好ましくは0.3~1.0質量%、より好ましくは0.3~0.6質量%含む。
化合物(A)が前記範囲内にあると毛髪のくせや広がりが抑えられ、まとまりに優れる。化合物(A)が前記下限量より少ないと、毛髪が広がり、前記上限量より多いと、毛髪が硬く感じる。
本発明における化合物(A)としては、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、グリオキシロイルカルボシステインと、グリオキシロイルケラチンアミノ酸とを組み合わせて用いることがより好ましい。
化合物(A)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよく、化合物(A)として、後述の混合物(X)のみを用いてもよく、混合物(X)と、他の化合物(A)とを組み合わせて用いてもよい。
本発明では、グリオキシロイルカルボシステインとグリオキシロイルケラチンアミノ酸との混合物を、混合物(X)と記す。
本発明の毛髪化粧料は、化合物(A)がグリオキシロイルカルボシステインとグリオキシロイルケラチンアミノ酸との混合物(X)であることが好ましい。
なお、混合物(X)としては、グリオキシロイルカルボシステインと、グリオキシロイルケラチンアミノ酸との質量比(グリオキシロイルカルボシステイン:グリオキシロイルケラチンアミノ酸)が、1:0.8~1:1.25であることが好ましく、1:0.9~1:1.15であることがより好ましい。
また、混合物(X)を用いる場合には、本発明の毛髪化粧料は、グリオキシロイルカルボシステインおよびグリオキシロイルケラチンアミノ酸を、それぞれ独立に0.11~0.5質量%含むことが好ましく、0.15~0.5質量%含むことがより好ましく、0.15~0.3質量%含むことがさらに好ましい。
混合物(X)としては、例えば、ARTEC KBO-50(Artec Chemical社製)を使用することができる。
<塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)>
本発明の毛髪化粧料は、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)とを含み、前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が7~20であり、前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が、3.3~6.05質量%である。
本発明の毛髪化粧料は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が、好ましくは8.78~13.67、より好ましくは10~13.67である。
本発明の毛髪化粧料は、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が、好ましくは3.85~6.05、より好ましくは4.4~5.5質量%である。
本発明の毛髪化粧料は、質量比(C/B)、および質量の合計(B+C)が、上記の範囲内にあると、すすぎ時および仕上がりの柔らかさ、まとまりに優れる。
本発明の毛髪化粧料は、質量比(C/B)が前記下限値より小さいと、毛髪が広がってしまい、おさまりが悪くなる。質量比(C/B)が前記上限値より大きいと、毛髪の柔らかさが損なわれる。
本発明の毛髪化粧料は、質量の合計(B+C)が前記下限量より少ないと毛髪が広がってしまい、おさまりが悪くなる。質量の合計(B+C)が前記上限量より多いと、毛髪の柔らかさが損なわれる。
<高級アルコール(D)>
本発明の毛髪化粧料は、高級アルコール(D)を5.0~12.0質量%、好ましくは6.5~12.0質量%、より好ましくは6.5~8.0質量%含む。
本発明の毛髪化粧料は、高級アルコール(D)が、上記の範囲内にあると、仕上がりの指通りの良さや、柔らかさを付与することができる。
本発明の毛髪化粧料は、高級アルコール(D)が、前記下限量より少ないと、指通りの良さや、柔らかさが充分ではない。高級アルコール(D)が、前記上限量より多いと、毛髪が広がり、おさまりが悪くなる。
本発明の毛髪化粧料は、高級アルコール(D)が、炭素数14~24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有する1価の高級アルコールであることが好ましい。
高級アルコール(D)において炭素数は、好ましくは16~22、より好ましくは16~18である。
また、高級アルコール(D)は、飽和アルコールであっても、不飽和アルコールであってもよいが、剤の安定性が高いことから飽和アルコールが好ましい。
高級アルコール(D)として、具体的には、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、およびオレイルアルコールが挙げられる。これらの中でも、セタノール、ステアリルアルコール、およびベヘニルアルコールが好ましく、仕上がりの柔らかさに優れることから、セタノールがより好ましい。
高級アルコール(D)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<液状油(E)>
本発明の毛髪化粧料は、液状油(E)を0.5~6.0質量%、好ましくは0.5~3.0質量%、より好ましくは1.0~3.0質量%含む。
本発明の毛髪化粧料は、液状油(E)が、上記の範囲内にあると、仕上がりの指通りの良さや、柔らかさを付与することができる。
本発明の毛髪化粧料は、液状油(E)が、前記下限量より少ないと、仕上がりの柔らかさが充分ではない。液状油(E)が、前記上限量より多いと、毛髪に硬さを感じてしまう。
本発明の毛髪化粧料は、液状油(E)がエステル油、炭化水素油、および植物油から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
液状油(E)として、具体的には、ダイマー酸ジイソプロピル、2-エチルヘキサン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、セバチン酸ジエチル、ヘキサン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシルなどのエステル油;流動パラフィン、ミネラルオイルなどの炭化水素油;マカデミアナッツ油、ヤシ油、オリーブ油、グレープシード油、ツバキ油、セサミ油、ヒマワリ種子油、クルミ油などの植物油;が挙げられる。これらの中でも、エステル油、炭化水素油、および植物油が好ましく、ダイマー酸ジイソプロピル、流動パラフィン、およびマカデミアナッツ油がより好ましく、ダイマー酸ジイソプロピル、流動パラフィンがさらに好ましく、ダイマー酸ジイソプロピルが最も好ましい。
なお、本発明の毛髪化粧料における液状油(E)には、ジメチルポリシロキサン(300cst、10000cst)などのシリコーン;ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、およびオレイルアルコールなどの高級アルコール(D)は含まれない。
液状油(E)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)>
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)を0.2~1.0質量%、好ましくは0.2~0.6質量%、より好ましくは0.4~0.6質量%含む。
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)が、上記の範囲内にあると、仕上がりの指通りの良さや、柔らかさを付与することができる。
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)が、前記下限量より少ないと、仕上がりの柔らかさが充分ではない。25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)が、前記上限量より多いと、毛髪に硬さを感じてしまう。
本発明の毛髪化粧料において、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)としては、25℃における粘度が2250万~2750万mm2/sの高重合メチルポリシロキサンであることがより好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
<25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)>
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)を2.5~6.0質量%、好ましくは3.0~6.0質量%、より好ましくは3.0~4.0質量%含む。
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)が、上記の範囲内にあると、仕上がりの指通りの良さや、柔らかさを付与することができる。
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)が、前記下限量より少ないと、仕上がりの指通りの良さや、柔らかさが充分ではない。25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)が、前記上限量より多いと、毛髪に硬さを感じてしまう。
本発明の毛髪化粧料において、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)としては、25℃における粘度が18~110mm2/sの高重合メチルポリシロキサンであることがより好ましく、25℃における粘度が18~22mm2/sであるか、90~110mm2/sであるメチルポリシロキサンであることがさらに好ましく、25℃における粘度が18~22mm2/sのメチルポリシロキサンであることが最も好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。例えば、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)として、25℃における粘度が18~22mm2/sであるメチルポリシロキサンと、25℃における粘度が90~110mm2/sであるメチルポリシロキサンとを組み合わせて用いてもよい。
<アミノプロピルジメチコン(H)>
本発明の毛髪化粧料は、アミノプロピルジメチコン(H)を0.05~0.4質量%、好ましくは0.1~0.4質量%、より好ましくは0.1~0.2質量%含む。
本発明の毛髪化粧料は、アミノプロピルジメチコン(H)が、上記の範囲内にあると、すすぎ時と仕上がりの柔らかさを付与することができる。
本発明の毛髪化粧料は、アミノプロピルジメチコン(H)が、前記下限量より少ないと、すすぎ時と仕上がりの柔らかさが充分ではない。アミノプロピルジメチコン(H)が、前記上限量より多いと、毛髪に硬さを感じてしまう。
<pH>
本発明の毛髪化粧料は、pHが2.0~6.0、好ましくは2.0~5.5、より好ましくは2.0~4.5である。
pHが前記範囲内にあると、毛髪が広がらず、おさまりがよい。pHが前記下限値より低いと、皮膚、特に頭皮への刺激が強くなってしまうため好ましくない。前記上限値より高いと、毛髪が広がり、おさまりが悪くなる。
pHの調節は、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、アミノメチルプロパノール(AMP)、アルギニン、およびアンモニア等、通常の毛髪化粧料および化粧品に一般的に用いられる成分を適宜配合することによって行うことができる。これらの中でも、pHの調節は、トリエタノールアミンを適宜配合することが好ましい。
なお、本発明の毛髪化粧料におけるpHの調節は、気泡が発生するため、モノエタノールアミンを配合しないことが好ましい。
《その他成分》
本発明の毛髪化粧料は、通常は水を含む。水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができる。水として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分以外に任意の成分を含有することができる。任意の成分としては、例えば、保湿剤、生薬類、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、帯電防止剤、ビタミン類、タンパク質、香料、抗菌剤、増粘剤および色素が挙げられる。さらに、本発明の毛髪化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上述したもの以外の界面活性剤を含んでいてもよい。
《製法等》
本発明の毛髪化粧料は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
《剤型》
本発明の毛髪化粧料の状態としては、例えば、クリーム状、ミルク状などが挙げられ、毛髪に均一に塗布しやすい観点から、クリーム状が好ましい。
本発明の毛髪化粧料の外観は、例えば、透明または不透明な外観が挙げられる。本発明の毛髪化粧料の各種配合成分を均一に混合する観点から、乳化状態であり、不透明な外観であり、油層と水層が分離していないことが好ましい。
《使用方法等》
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に塗布して使用することができる。
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に特に制限はなく、直毛、縮毛、パーマネントウェーブ処理による、くせやダメージのある毛髪、後述の酸・熱トリートメント処理した毛髪等に用いることができる。
本発明の毛髪化粧料は、例えばシャンプー等の毛髪洗浄剤で毛髪を洗浄した後の毛髪に塗布して使用することが好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、用途について特に制限はないが、トリートメントとして用いることが好ましく、洗い流すトリートメントとして用いることがより好ましく、酸・熱トリートメント処理が行われた毛髪に対して用いることがさらに好ましい。
酸・熱トリートメント処理とは、一般的に、グリコール酸、α-リポ酸、レブリン酸、サリチル酸、乳酸等の酸を配合したトリートメントを毛髪に塗布した後、洗髪し、毛髪を乾かしてから、アイロン等による熱を加えるトリートメントのことを指す。
酸・熱トリートメント処理において、酸を配合したトリートメントを毛髪に塗布した後は、10~20分静置してから、洗髪することが好ましい。
酸・熱トリートメント処理において、毛髪にアイロン等で熱を加える際は、任意で、毛髪を変形させて、くせを伸ばすことや、所望のウェーブ形成をすることもある。
アイロン等による熱を加えるには、ヘアアイロンを用いて毛髪を加熱することが好ましい。なお、ヘアアイロンの温度は、好ましくは170~210℃、より好ましくは178~182℃である。ヘアアイロンとしては、例えば、ADST Premium DS2(株式会社ハッコー)を用いることができる。
ヘアアイロンを用いて毛髪を加熱する方法としては、例えば、乾いた毛髪の根元から毛先に向かって、ヘアアイロンを2~15秒接触させることが好ましく、接触させる回数は、好ましくは1~10回、より好ましくは2~4回である。
なお、毛髪にヘアアイロンを接触させて加熱する一連の処理を、アイロンスルー処理ともいう。
本発明の毛髪化粧料は、毛髪洗浄剤とのセットで用いることもできる。
本発明の毛髪化粧料セットとしては、例えば、アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)と、毛髪化粧料(iv)とから成る毛髪化粧料セットが挙げられる。
前記アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)は、アシルイセチオン酸塩として、具体的には、ココイルイセチオン酸ナトリウムを含むことが好ましい。
毛髪洗浄剤(iii)は、アシルイセチオン酸塩を4.0~9.0質量%、およびココイルアルギニンエチルPCAを0.1~1.0質量%含むことがより好ましい。
毛髪洗浄剤(iii)は、アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCA以外の成分として、通常シャンプー剤に用いられる成分を含んでいてもよい。
本発明の毛髪化粧料を用いた、シャンプー・トリートメント処理としては、以下の方法が挙げられる。
本発明のシャンプー・トリートメント処理方法は、アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)で毛髪を洗浄する工程(III)、および工程(III)の後、毛髪化粧料(iv)を毛髪に塗付する工程(IV)を行う。
本発明のシャンプー・トリートメント処理方法は、グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を5.0~40.0質量%含む毛髪処理剤(ii)を用いた酸・熱トリートメント処理(II)が行われた毛髪に対して行うことが好ましい。
前記グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を5.0~40.0質量%含む毛髪処理剤(ii)は、具体的には、グリオキシロイルカルボシステインと、グリオキシロイルケラチンアミノ酸とを組み合わせて用いることが好ましい。
毛髪処理剤(ii)は、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物以外の成分として、通常の酸・熱トリートメント処理を行うことができる毛髪処理剤に用いられる成分を含んでいてもよい。
本発明のシャンプー・トリートメント処理方法は、毛髪処理剤(ii)を用いた酸・熱トリートメント処理(II)が行われた毛髪に対して行うことで、くせが伸びている状態を保ちやすいことから好ましい。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1~44、比較例1~25>
実施例および比較例では、表1に記載の市販品を使用した。
表3~表15の処方の数値は、毛髪化粧料を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
Figure 0007286153000001
《評価方法》
専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ、後述する一連の施術を行い、評価基準に従って官能評価を行った。なお、実施例1~41および比較例1~24については毛束を用いて官能評価を行い、実施例42~44および比較例25については人頭(トップ約40cm、ネープ約25cmのミディアムレングス)を用いて毛髪および頭皮の官能評価を行った。
10名の官能評価の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
《ダメージ処理》
実施例1~41および比較例1~24で用いた毛束は、あらかじめ一般人の毛髪の痛み、広がりを再現するためにダメージ処理を行った。
毛束(約30cm、10gの人毛)(製品名BS-B3A、ビューラックス社製)を、表2に記載の配合割合で調製したダメージ処理用水溶液に、60℃で10分間浸漬して、ダメージを与えた。その後、ダメージ処理用水溶液から毛束を取り出して水洗し、乾燥させた。
Figure 0007286153000002
《評価手順A:実施例1~40および比較例1~24》
ダメージ処理した毛束を、表3のシャンプー処方1の通りに調製したシャンプー剤2gを使用してシャンプーした後、水洗し、軽く水気を切った。その毛束に、実施例1~40および比較例1~24の各毛髪化粧料を2g塗布し、水洗した。充分に水洗した後、タオルドライし、ドライヤーで乾燥させた。そのときの各施術工程について(1)~(7)の評価項目で評価を行った。(2)および(4)の評価項目は、毛束をシャンプーした後、各毛髪化粧料を塗付して水洗し、乾燥させる、一連のシャンプー・トリートメント処理を繰り返し、合計7回行った後、評価を行った。
なお、シャンプー処方1は、市販されている一般的な毛髪洗浄剤を想定した処方である。シャンプー処方2は、本発明の毛髪化粧料とセットで用いることが好ましい毛髪洗浄剤を想定した処方である。
Figure 0007286153000003
《評価手順B:実施例41》
表3のシャンプー処方2の通りに調製したシャンプー剤2gを使用した以外は、評価手順Aと同様に行った。
《評価手順C:実施例42および比較例25》
表3のシャンプー処方1の通りに調製したシャンプー剤5gを使用して、毛髪および頭皮をシャンプーした後、充分にお湯で水洗し、軽く水気を切った(プレシャンプー)。
次に、表4の処方の通りに調製した酸・熱トリートメント剤を15g塗布し、25℃で15分間放置した。その後水洗し、ドライヤーで乾燥後、ヘアアイロン(株式会社ハッコー、ADST Premium DS2、180℃)を用いてアイロンスルー処理(根元から毛先まで約12秒の速さ)を3回行った(酸・熱トリートメント処理)。
酸・熱トリートメント処理が行われた毛髪を、表3のシャンプー処方1の通りに調製したシャンプー剤5gを使用して、毛髪および頭皮をシャンプーし、充分にお湯で水洗し、軽く水気を切った。その後、実施例42および比較例25の各毛髪化粧料を5g塗布し、水洗した。充分に水洗した後、タオルドライし、ドライヤーで乾燥させた。そのときの各施術工程について、(1)~(8)の評価項目で評価を行った。
なお、(2)、(4)および(8)の評価項目は、酸・熱トリートメント処理が行われた毛髪に対して、シャンプーした後、各毛髪化粧料を塗付して水洗し、乾燥させる、一連のシャンプー・トリートメント処理を繰り返し、合計7回行った後、評価を行った。
Figure 0007286153000004
《評価手順D:実施例43》
酸・熱トリートメント処理が行われた毛髪に対して、表3のシャンプー処方2の通りに調製したシャンプー剤5gを使用して毛髪および頭皮をシャンプーした以外は、評価手順Cと同様に行った。
《評価手順E:実施例44》
プレシャンプーにおいて、表3のシャンプー処方2の通りに調製したシャンプー5gを使用して毛髪および頭皮をシャンプーした以外は、評価手順Dと同様に行った。
《評価項目および評価基準》
(1)1回施術後の柔らかさ
一連の施術をした後の、毛髪の柔らかさについて、触感で評価した。
4点:非常に柔らかく感じる
3点:柔らかく感じる
2点:硬く感じる
1点:非常に硬く感じる
(2)7回施術後の柔らかさ
一連のシャンプー・トリートメント処理を繰り返し、合計7回行った後の、毛髪の柔らかさについて、触感で評価した。
4点:非常に柔らかく感じる
3点:毛髪が柔らかく感じる
2点:毛髪が硬く感じる
1点:毛髪が非常に硬く感じる
(3)1回施術後のまとまり
一連の施術をした後の毛髪について、まとまりを目視で評価した。
4点:非常にまとまっている
3点:まとまっている。
2点:広がっている。
1点:非常に広がっている
(4)7回施術後のまとまり
一連のシャンプー・トリートメント処理を繰り返し、合計7回行った後の、毛髪のまとまりを目視で評価した。
4点:非常にまとまっている
3点:まとまっている。
2点:広がっている。
1点:非常に広がっている
(5)仕上がりの指通り
一連の施術を行った後の、仕上がりの指通りについて、触感で評価した。
4点:全く毛髪のひっかかりを感じることがなく、滑らかである
3点:毛髪のひっかかりが少なく、滑らかである
2点:毛髪がひっかかり、滑らかではない
1点:非常に毛髪がひっかかり、滑らかではない
(6)仕上がりの艶
一連の施術を行った後の、仕上がりの艶について、目視で評価した。
4点:明らかに艶を感じる
3点:艶を感じる
2点:艶を感じにくい
1点:全く艶を感じない
(7)すすぎ時の柔らかさ
毛髪化粧料をすすぐ時の、毛髪の柔らかさについて、触感で評価した。
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬さを感じる
1点:非常に硬さを感じる
(8)7回施術後の仕上がりのくせの伸び(実施例42~44、および比較例25のみ評価)
酸・熱トリートメント処理が行われた毛髪に対して、シャンプーした後、各毛髪化粧料を塗付して水洗し、乾燥させる、一連のシャンプー・トリートメント処理を繰り返し、合計7回行った後の、仕上がりのくせの状態について、目視で評価した。
4点:しっかりとくせが伸びている
3点:くせが伸びている。
2点:わずかにくせが伸びている
1点:全くくせが伸びていない
Figure 0007286153000005
Figure 0007286153000006
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Figure 0007286153000013
Figure 0007286153000014
Figure 0007286153000015
実施例1~41で製造した毛髪化粧料は、(1)~(7)の評価基準において良好な結果となった。実施例42~44で製造した毛髪化粧料は、(1)~(8)の評価基準において良好な結果となった。実施例41、および44は、特に良好な結果となった。
本発明の毛髪化粧料は、毎日使用しても毛髪が硬くならず、まとまりに優れ、かつ、柔らかさ、指通り、およびつやが良好な毛髪化粧料であることがわかる。
比較例1で製造した毛髪化粧料は、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)が規定量より少ないため、1回施術後および7回施術後の毛髪が広がっていた。
比較例2で製造した毛髪化粧料は、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)が規定量より多いため、1回施術後の毛髪が硬く感じた。
比較例3で製造した毛髪化粧料は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が規定値より小さいため、すすぎ時および1回施術後の毛髪が硬く感じた。
比較例4で製造した毛髪化粧料は、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が規定値より大きいため、1回施術後の毛髪が硬く感じ、仕上がりの艶があまり感じられなかった。
比較例5で製造した毛髪化粧料は、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が規定量より少ないため、1回施術後の毛髪が硬く感じ、広がりもあった。
比較例6で製造した毛髪化粧料は、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が規定量より多いため、7回施術後の毛髪が硬く感じ、仕上がりの艶があまり感じられなかった。
比較例7で製造した毛髪化粧料は、高級アルコール(D)が規定量より少ないため、毛髪が広がっていた。また、すすぎ時および1回施術後の毛髪が硬く感じた。
比較例8で製造した毛髪化粧料は、高級アルコール(D)が規定量より多いため、7回施術後の毛髪が硬く感じ、仕上がりの艶があまり感じられなかった。
比較例9で製造した毛髪化粧料は、液状油(E)が規定量より少ないため、1回施術後の毛髪が広がっていた。
比較例10で製造した毛髪化粧料は、液状油(E)が規定量より多いため、仕上がりの指通り、および艶が悪く、すすぎ時の毛髪が硬く感じた。
比較例11で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)が規定量より少ないため、1回施術後の毛髪が広がり、仕上がりの指通りも悪かった。
比較例12で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)が規定量より多いため、すすぎ時の毛髪が硬く感じ、7回施術後の毛髪も硬く感じた。
比較例13で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)が規定量より少ないため、1回施術後および7回施術後の毛髪が硬く感じた。
比較例14で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)が規定量より多いため、すすぎ時の毛髪が硬く感じた。
比較例15で製造した毛髪化粧料は、アミノプロピルジメチコン(H)が規定量より少ないため、1回施術後およびすすぎ時の毛髪が硬く感じた。
比較例16で製造した毛髪化粧料は、アミノプロピルジメチコン(H)が規定量より多いため、7回施術後の毛髪が硬く感じ、仕上がりの指通りおよび艶も悪かった。
比較例17で製造した毛髪化粧料は、pHが規定値より小さいため、頭皮への刺激が強く、毛髪化粧料に適さないものであった。
比較例18で製造した毛髪化粧料は、pHが規定値より大きいため、1回施術後および7回施術後の毛髪が広がっていた。
比較例19で製造した毛髪化粧料は、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)の代わりに、グリオキシル酸を使用したため、1回施術後、7回施術後、およびすすぎ時の毛髪が硬く感じた。
比較例20で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)の代わりに、25℃における粘度が1000万mm2/sの高重合メチルポリシロキサンを使用したため、1回施術後、および7回施術後の毛髪が広がっていた。
比較例21で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)の代わりに、25℃における粘度が1000mm2/sのメチルポリシロキサンを使用したため、1回施術後、および7回施術後の毛髪が硬く感じた。
比較例22で製造した毛髪化粧料は、25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)の代わりに、25℃における粘度が2mm2/sのメチルポリシロキサンを使用したため、1回施術後および7回施術後の毛髪が広がり、指通りも悪かった。
比較例23で製造した毛髪化粧料は、アミノプロピルジメチコン(H)の代わりに、アモジメチコンを使用したため、1回施術後の毛髪が硬く感じた。また、1回施術後、および7回施術後の毛髪も広がっていて、仕上がりの指通りも悪かった。
比較例24で製造した毛髪化粧料は、開示されている従来の毛髪化粧料の処方である。従来の毛髪化粧料の処方を使用したため、7回施術後の毛髪が非常に広がり、かつ、非常に硬く感じた。また、すすぎ時の毛髪が硬く感じた。
比較例25で製造した毛髪化粧料は、開示されている従来の毛髪化粧料の処方である。酸・熱トリートメント処理が行われた毛髪に対して、従来の毛髪化粧料の処方で7回施術したため、毛髪のくせが全く伸びておらず、広がっていて、硬く感じた。また、すすぎ時の毛髪も硬く感じた。

Claims (9)

  1. グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種である化合物(A)0.22~1質量%と、
    塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と、
    塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と、
    高級アルコール(D)5~12質量%と、
    液状油(E)0.5~6質量%と、
    25℃における粘度が1800万~3300万mm2/sの高重合メチルポリシロキサン(F)0.2~1質量%と、
    25℃における粘度が4~550mm2/sのメチルポリシロキサン(G)2.5~6質量%と、
    アミノプロピルジメチコン(H)0.05~0.4質量%とを含み、
    前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)と前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)との質量比(C/B)が7~20であり、
    前記塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(B)と前記塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(C)との質量の合計(B+C)が、3.3~6.05質量%であり、
    pHが2.0~6.0である、毛髪化粧料。
  2. 化合物(A)が、グリオキシロイルカルボシステインとグリオキシロイルケラチンアミノ酸との混合物(X)である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
  3. 高級アルコール(D)が、炭素数14~24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有する1価の高級アルコールである、請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
  4. 液状油(E)が、エステル油、炭化水素油、および植物油から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  5. トリートメントである、請求項1~4のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
  6. アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)と、請求項1~5のいずれか一項に記載の毛髪化粧料(iv)とから成る、毛髪化粧料セット。
  7. 前記毛髪洗浄剤(iii)が、アシルイセチオン酸塩を4.0~9.0質量%、およびココイルアルギニンエチルPCAを0.1~1.0質量%含む、請求項6に記載の毛髪化粧料セット。
  8. アシルイセチオン酸塩およびココイルアルギニンエチルPCAを含む毛髪洗浄剤(iii)で毛髪を洗浄する工程(III)、および
    工程(III)の後、請求項1~5のいずれか一項に記載の毛髪化粧料(iv)を毛髪に塗付する工程(IV)を行う、シャンプー・トリートメント処理方法。
  9. 前記工程(III)に用いる毛髪が、グリオキシル酸、グリオキシル酸水和物、グリオキシロイルカルボシステイン、およびグリオキシロイルケラチンアミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を5.0~40.0質量%含む毛髪処理剤(ii)を用いた酸・熱トリートメント処理(II)が行われた毛髪である、請求項8に記載のシャンプー・トリートメント処理方法。
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