JP7285159B2 - 回転検出装置 - Google Patents
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Description
図1において、円板状の回転部材10は、回転部材10の中心を通り、かつ回転部材10の厚さ方向に延びる回転軸10aを基準として周方向に回転する。回転部材10の外周部には磁石40が設けられている。回転部材10が回転すると、磁石40により円11が描かれる。磁石40は、一例として、略円柱状であり、当該略円柱の軸方向に着磁されている。磁石40の軸方向すなわち着磁方向は、回転軸10aと平行である。磁石40は、N極が回転軸方向上方を向き、S極が回転軸方向下方を向いている。
図6に本実施形態を示す。図1の構成に加えて、磁気センサ30が設けられている。磁気センサ20を第1の磁気センサと呼び、磁気センサ30を第2の磁気センサと呼ぶ。第2の磁気センサ30は、第1の磁気センサ20と同様、大バルクハウゼンジャンプを発現する細長形状の磁性素子31と、磁性素子31に巻回されたコイル32とを備えている。以下において、接線20aを第1接線20aと呼び、その接点を第1接点と呼ぶ。
これまでに説明した第1及び第2の実施形態を踏まえた第3実施形態を以下に説明する。図10に示すように、回転部材10の外周部には磁石40に加えて磁石50が設けられている。磁石40を第1の磁石40と呼び、磁石50を第2の磁石50と呼ぶ。第2の磁石50は、第1の磁石40と同様、回転軸方向に着磁され、回転軸上方がN極、回転軸下方がS極である。第1の磁石40と第2の磁石50とは回転軸10aに関して180度をなすように配置されている。第1の磁石40及び第2の磁石50の単一磁極面は、磁界強度が異なる磁界を発生させる。回転部材10が回転すると、第1の磁石40によって円11が描かれ、第2の磁石50によっても円11が描かれる。
右回転 D→As→Ds→A(+1)→C→Bs→Cs→B(+1)→
左回転 B→Cs→Bs→C(-1)→A→Ds→As→D(-1)→
第3実施形態においては、磁気センサ20,30と磁石40,50とは、回転軸方向に対向するが、第4実施形態においては、磁気センサ20,30と磁石40,50とは、法線方向に対向する。図14を参照しながら以下に説明する。
また、磁石を円柱形状としたが、他の形状でもよい。また、説明を容易にするため、磁界強度が弱い磁石50を磁石40より小型の円柱状で図示したが、磁石の材質等と、磁石と磁気センサの距離とのいずれか又は両方を変えることで両磁石を同形状にもできる。
第3及び第4の実施形態はともに、回転部材10の2か所の磁界発生部を個別の永久磁石40及び50で構成した。これに対し、第5実施形態においては、少なくとも2か所の磁界発生部を、回転部材の表面中央に設置された1つの磁石とヨークによって構成する。
本実施形態では、略直方体形状の磁石を、その長さ方向が回転軸に垂直となるように配置し、長さ方向両端部表面を2つの磁界発生部とする。図20に示すように、回転部材10の表面に略直方体形状の磁石60が配置されている。この磁石60は、長さ方向が回転軸10aと垂直になるように配置されている。磁石60の中心は回転軸10a上にある。この磁石60は、厚さ方向すなわち回転軸方向に着磁されている。
以下、第3及び第4の実施形態における回転数、回転方向を判定する方法について、理解を容易にするため、連続する信号を2つとして説明する。
回転検出装置をモータの多回転用として用いる場合、モータ駆動システムの停電中は、図15を参照しながら述べた方法で回転数を検出し、システム起動時に回転数カウンタの基準位置からの変位角度を判別する必要がある。この場合、信号A、B、C、Dは、図15においては、最後の検出信号が信号Aの場合は領域3又は4となる。同様に、最後の検出信号がBの場合は領域1又は2となり、最後の検出信号がCの場合は領域2又は3となり、最後の検出信号がDの場合は領域1又は4となってしまう。最後の検出信号がAまたはCの場合は基準位置をまたぐ範囲の検出ではないため、回転数を特定できる。しかし、最後の検出信号がBまたはDの場合は、基準位置をまたいだ範囲の検出となるため、基準位置の信号Bよりの位置にいるのか、信号Dよりの位置にいるのかは判定できない。つまり回転数を特定できない。そこで1回転アブソリュート型の位置センサを外付けすることで基準位置との関係を明らかにでき、回転数を確定することができる。
回路には電源を供給する必要がある。各実施形態の回転検出装置は、磁性素子を使用している。そのため、その大バルクハウゼンジャンプによる出力信号は、既に知られているように起電力であり、回路の電源として活用できる。すなわち、回路に磁気センサの出力を整流器とコンデンサーにて処理する機能を追加することで、2つの磁気センサから回路に電力を供給することができる。よって、例えばモータの多回転エンコーダーのバッテリーレス化に応用可能となる。リードスイッチは、磁界を感知する無電源のセンサであり、位置センサにリードスイッチを利用すれば、メーター(流量、水道、風量、ガス)でもバッテリーを使用しなくてすむ。例えば自転車等の車輪の回転数等で1回転の位置同期が必要ない用途にも電源の供給をしなくて良い。この電力を利用しデータを無線で送ることも可能である。
図25に、第1磁気センサ20の他の実施例を示す。大バルクハウゼンジャンプを発現する磁性素子21にコイル22を巻き、さらに磁性素子の両端部に対し、軟磁性材料からなる部品23a及び23bを磁性素子21に装着する。図22では軟磁性材料の部品から磁性素子の両端が露出しているが、露出していなくもよい。軟磁性材料の部品23a及び23bは、材質、形状、位置に関して等価であることが好ましい。部品例として、一般的に市販されているEMS(電磁感受性、Electromagnetic Susceptibility)対策用のフェライトコアが利用可能である。第2磁気センサ30についても、磁性素子31にコイル32を巻き、磁性素子の両端部に軟磁性材料の部品33a、33bを装着する。この軟磁性部材により、磁性素子の端部の発生する反磁界が抑制され、出力信号(電力量)を大きくすることができる。換言すれば、磁性素子の線長も短くできることになり、磁気センサが小型となる。
回転部材の回転を検出する回転検出装置であって、
大バルクハウゼンジャンプを発現する細長の磁性素子と前記磁性素子に巻回されたコイルとを有する第1磁気センサ及び第2磁気センサを備え、
前記回転部材には、異なる磁界強度を有する2つのみの磁界発生部が設けられ、前記回転部材が回転すると前記2つのみの磁界発生部により円が描かれ、前記2つのみの磁界発生部の単一磁極部からの磁界が前記第1磁気センサ及び第2磁気センサにより検出され、
前記第1磁気センサ及び第2磁気センサが、前記円に同軸となる円の第1接線及び第2接線とそれぞれ平行になるように配置され、
前記第1接線上の第1接点と前記第2接線上の第2接点とが前記回転部材の回転軸に関して略180度の位相角をなし、
前記第1磁気センサ及び第2磁気センサがそれぞれ、前記第1接点及び第2接点と、法線方向又は前記回転軸方向に対向している、
回転検出装置。
前記2つのみの磁界発生部が、別個の永久磁石により構成されている、付記1に記載の回転検出装置。
前記2つのみの磁界発生部が、前記回転部材の中心に設けられた単一の磁石に接するように設けられた略直方体状のヨークの長さ方向両端部である、付記1に記載の回転検出装置。
前記2つのみの磁界発生部が、長さ方向が前記回転軸と垂直になるように設置された略直方体状の磁石の長さ方向両端部である、付記1に記載の回転検出装置。
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサに接続され、前記回転部材の回転方向に応じた前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサからの計4種類の信号を受信し、前記信号に基づいて前記回転部材の回転数と回転方向とを決定する回路をさらに備える付記1~4のいずれか一項に記載の回転検出装置。
前記回路は前記信号を電力として動作する、付記5に記載の回転検出装置。
外付けの位置センサをさらに備え、
前記回路は、前記位置センサに接続され、前記位置センサの出力信号に基づいて前記回転部材の回転数と回転方向とを補正する、
付記5又は6に記載の回転検出装置。
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサが、前記磁性素子の両端部に設けられた軟磁性部材をさらに備える、付記1~7のいずれか一項に記載の回転検出装置。
11 磁石又は磁界発生源が描く円
12 接線
13 磁気センサが配置される円
20、30 磁気センサ
21、31 磁性素子
22、32 コイル
23a、23b、33a、33b 軟磁性部材
40、50、60 磁石
41 磁石磁束線
70 ヨーク
Claims (8)
- 回転部材の回転を検出する回転検出装置であって、
大バルクハウゼンジャンプを発現する細長の磁性素子と前記磁性素子に巻回されたコイルとを有する第1磁気センサ及び第2磁気センサを備え、
前記回転部材には、異なる磁界強度を有する2つのみの磁界発生部が設けられ、前記回転部材が回転すると前記2つのみの磁界発生部により円が描かれ、前記2つのみの磁界発生部の単一磁極部からの磁界が前記第1磁気センサ及び第2磁気センサにより検出され、
前記第1磁気センサ及び第2磁気センサが、前記円に同軸となる円の第1接線及び第2接線とそれぞれ平行になるように配置され、
前記第1接線上の第1接点と前記第2接線上の第2接点とが前記回転部材の回転軸に関して略180度の位相角をなし、
前記第1磁気センサ及び第2磁気センサがそれぞれ、前記第1接点及び第2接点と、前記円の径方向又は前記回転軸方向に対向している、
回転検出装置。 - 前記2つのみの磁界発生部が、別個の永久磁石により構成されている、請求項1に記載の回転検出装置。
- 前記2つのみの磁界発生部が、前記回転部材の中心に設けられた単一の磁石に接するように設けられた略直方体状のヨークの長さ方向両端部である、請求項1に記載の回転検出装置。
- 前記2つのみの磁界発生部が、長さ方向が前記回転軸と垂直になるように設置された略直方体状の磁石の長さ方向両端部である、請求項1に記載の回転検出装置。
- 前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサに接続され、前記回転部材の回転方向に応じた前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサからの計4種類の信号を受信し、前記信号に基づいて前記回転部材の回転数と回転方向とを決定する回路をさらに備える請求項1~4のいずれか一項に記載の回転検出装置。
- 前記回路は前記信号を電力として動作する、請求項5に記載の回転検出装置。
- 外付けの位置センサをさらに備え、
前記回路は、前記位置センサに接続され、前記位置センサの出力信号に基づいて前記回転部材の回転数と回転方向とを補正する、
請求項5又は6に記載の回転検出装置。 - 前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサが、前記磁性素子の両端部に設けられた軟磁性部材をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の回転検出装置。
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