JP7282811B2 - 編物コンポーネントの設計および作製のためのツール - Google Patents

編物コンポーネントの設計および作製のためのツール Download PDF

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Description

本出願は、米国仮出願第62/685,701号(名称:「Tool for Design and Fabrication of Knitted Components」、出願日:2018年6月15日)の利益を主張する。ここで、上記出願の内容はその全体が参照により援用される。
発明の分野
本明細書中開示される技術は、編物コンポーネントの設計に用いられるシステムおよび方法に関する。より詳細には、開示の技術は、編物コンポーネントおよび複雑な編物構造のカスタマイゼーションおよび製造のための方法およびシステムに関する。
従来の運動用履物品は、アッパーおよびソール構造体という2つの主要素を含む。アッパーは、足の被覆を提供し、これにより、ソール構造体に対して足をしっかりと受容および位置決めする。加えて、アッパーは、足を保護し、換気を提供することによって足を冷却し、汗を除去する構成を有し得る。ソール構造体は、アッパーの下面に固定され、主に足と地面との間に位置決めされる。ソール構造体は、地面反力の減衰およびエネルギー吸収(すなわち、緩衝付与)に加えて、有害になり得る足の動き(例えば、過回内)に対する牽引および制御を提供し得る。そのため、アッパーおよびソール構造体は、協働することにより、多様な歩行活動(例えば、歩行および走行)に適した快適な構造を提供する。
アッパーや他の編物または織物製品(例えば、アパレル物品および他の着用可能な製品または着用不可能な製品)の製造において、多様な材料が用いられ得る。いくつかのアッパーは、ニット材料(例えば、縫い糸および/または編み糸)によって形成される。ニットアッパーの場合、皮革、合成皮革およびゴムなどの他の材料によって形成されたアッパーと外観が異なる。ニットアッパーの設計および製造中に、設計者が設計を行った後に他の1人以上の者がアッパーを製造するように編み機をプログラムすることは一般的にある。設計部分と製造プロセスとを分離した場合、編み機によって製造され得る設計について設計者の同意が得られる前に、いくつかのアッパーの開発および製造が行われる可能性が出てくる。設計者の考える設計観にそぐわない多数のニットアッパーの生成回数またはサイクルが複数になった場合、時間およびリソースが犠牲になり得る。
さらに、編物地のカスタマイゼーションのためにデジタル制御ツールを用いた場合、作製における問題に繋がり得、その結果、編物製品のデジタルカスタマイゼーション利用範囲を大量スケールで行うことの妨げになる。重要なことは、複雑な多重構造のニットが関与する場合にこの問題が大きくなる点である。このような問題が発生する部分的な原因として、物理的属性が異なるステッチ構造を同じ織物または編物コンポーネント内において組み合わせた場合にニット/織物の全体的寸法において発生する物理的変化があり得る。例えば、織物の外形は、再現可能である必要がある特定の形状および寸法(例えば、編物履物アッパー)に合わせて共通に事前構成されるため、特定の重要性がある。従来のニット設計プロセスおよび演算ツールの場合、これらのニット/織物変形のシミュレーションおよび予測の支援ができていない。その結果、編物コンポーネント/製品の製造/作製の従来のプロセスは、典型的には変形および他の製作問題のない編物コンポーネントを高精度に作製するための反復試験を手動で行う高度熟練者の手動労力およびニッティングノウハウに頼っている。
そのため、必要とされるニッティングシステムおよび演算パラメータツールは、編物コンポーネント/製品のデジタル設計および工業的製作/製造に用いられ得るため、設計と製造可能性との間の直接的な連関を提供するニッティングシステムおよび演算パラメータツールである。このような設計と製造可能性との間の連関により、設計者/ユーザが織物変形の高精度の推計と、織物構造の補償制御および視覚化とを行うことが可能になり、これにより、ニット設計の初期のグラフィック的意図と編み機を用いて製作された実際の物理的編物地の結果との間のマッチングを向上させるためにニット構造を割り当てるという技術的課題において、設計者/ユーザが支援される。このようなアプローチを用いれば、特に、大きく異なる設計のニッティングを行う場合に、ニット工業技術における製造プロセスに対する設計の向上と、ニッティング材料サンプルの反復サイクル数の低減とが大幅に可能になり得、これにより、編み機およびニット製作の効率向上と、作製プロセス中の無駄の低減とが可能になる。
当該分野における上記の必要性のうち1つ以上は、着用可能製品なおよび着用不可能な製品(例えば、履物アッパー)の設計のための本開示のシステムおよび方法によって満たされる。
本開示の1つ以上の態様において、編物製品のためのデジタルカスタマイゼーションシステムの実装に焦点があてられる。製造的観点からみると、複雑な多重構造の編物コンポーネント/織物の物理的挙動は、製品個性化およびカスタマイゼーションの実現を大量スケールで行う際の現実的課題になる。編物コンポーネントの設計に変更を行う場合、従来のニッティングシステムにおいては、製造用編物コンポーネントおよび/または織物サンプルに対して時間のかかる反復アプローチを行った後、これらのサンプルを手動で試験してサンプルの変形の可能性を決定/特定することが必要になる。変形は、サンプルの幾何学的変化によって示され得る。例えば、サンプルにおいて、編物部分の(任意の方向における)長さの増減が発生し得る。さらに、空間的変形は、構造の3D形態の変化(例えば、編物構造の曲率の増減)を示し得る。このような変形は、多様な要因(例えば、特に、ステッチ構造、編み糸特性、ニッティング密度)によって発生し得る。この反復プロセスは典型的には、ニット設計パターンに対して行われる各変更において必要になる。このような非効率なプロセスの場合、訓練されたニッティング専門家の手動労力により各作製タスクを行うために編み機を適切に再プログラムする必要があるため、時間がかかり、無駄であり、コストがかかり、かつ面倒である。この従来のプロセスの場合、より多様な製造アプローチの採択も妨げられるため、設計者またはエンドユーザが自身の固有のニット設計のカスタマイズにおける柔軟性改良を得ることが可能になる。さらに、個人化された編物地の視覚的属性(例えば、色、シェード、密度)およびその構造動力学および人体とのその相互作用方式間の繋がりにより、編物地のフィット感改良への興味が高まっており、これにより、よりカスタマイズされかつ個別適合された製品がエンドユーザへ提供される。よって、以下にさらに説明するように、編物地挙動を予測するニッティングシステムの能力が向上および高精度化するほど、得られる編物製品の個人化の向上も可能になる。
繊維および編物製品のグローバル産業界は、製造、精度および速度の柔軟性向上から大きく恩恵を受けることができる。上記したように、製品の観点からみると、ファイルのデータ再構築をニッティング専門家が手動で行った場合、情報損失および編物コンポーネントのニュアンス変更に繋がり得る。これに鑑み、本明細書中に上記したような編物地のデジタル的設計および製作のためのシステムは、編物製品の作製/製造プロセスにおける効率を増加させ、これにより該プロセスをさらに改善する。本明細書中以下にさらに詳述するように、本ニッティングシステムは、編物コンポーネントの変形を推計するための物理的シミュレーションを実装し、これにより、設計者(またはエンドユーザ)が補償を動的に付加すること、ならびに編み機の最終的な編物結果および物理的出力についての予測を向上させることが、可能になる。
本明細書中に記載のニッティングシステムは、編物構造のライブラリの生成と、編物コンポーネント/織物内における異なるアスペクト比構造の組み合わせに起因する変形の補償のための包括的な演算予測モデルの生成と、を必要とする。編物構造のライブラリに関連するデータは、別個のソースから入手され得、かつ/またはニッティングシステムによって生成され得る。該ニッティングシステムは、多数の編物サンプルの広範な試験プロセスおよび後の使用のための試験結果のライブラリ中への維持/記憶(または他の適切なデータ記憶装置)を用いる。例えば、ニッティングシステムによって試験される各新規の編物サンプルまたはニット設計は、ステッチ組み合わせの分析および物理的ニット挙動の測定をさらに含み得、この情報を編物構造のライブラリ中に記憶することで、後続の編物サンプルと、異なるニット設計の作製と、の比較に用いることができる。よって、新規ニット構造およびその変形挙動に関連するデータおよびパラメータをシステムによって入手した後、この情報を後続の試験およびニット製造においてニッティングシステムによって採用することができ、これにより、任意のニット設計の作製時における演算ツーおよび編み機の自動化および信頼性が向上する。
本開示のいくつかの態様において、本開示の技術は、例えばコンピュータ実行可能な命令またはモジュールの記憶、またはコンピュータ可読データ構造の利用により、コンピュータ可読媒体と共に部分的または全体的に実装され得る。もちろん、上記した実施形態の方法およびシステムは、他のさらなる要素、ステップ、コンピュータ実行可能な命令またはコンピュータ可読データ構造も含み得る。
本開示の技術の上記および他の実施形態の詳細について、添付図面および以下の記載において説明する。開示の技術の他の特徴および利点は、本記載および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
本開示の技術は、例示目的のために示すものであり、添付図面に限定されない。図面中、類似の参照符号は類似の要素を示す。
本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計のためのシステムを示す。 本開示の1つ以上の態様による、多様なニット構成の例示的なフェース表記を示す。 本開示の1つ以上の態様による、製造された編物コンポーネントの例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計および製造のための例示的ワークフローを示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計および製造のための例示的ワークフローを示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計のためのシステムのさらなるコンポーネントを示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの製造のための例示的ニット設計を示す。 本開示の1つ以上の態様による、異なる色の材料を用いて作製された編物コンポーネント例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、例示的マトリックスデータ構造と、データ構造についての対応する技術的注釈および機械動作とを示す。 本開示の1つ以上の態様による、例示的マトリックスデータ構造と、データ構造についての対応する技術的注釈および機械動作とを示す。 本開示の1つ以上の態様による、ニット設計例の向上のための改変されたニット構造の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、バネに基づいたシミュレーション画像の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、多様な編物コンポーネントの例示的編物構造を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの変形挙動の予測のための異なる補償方法の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの変形挙動の予測のための異なる補償方法の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの変形挙動の予測のための異なる補償方法の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの変形挙動の予測のための異なる補償方法の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの変形挙動の予測のための異なる補償方法の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの変形挙動の予測のための異なる補償方法の例を示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計のための例示的インターフェースを示す。 本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計方法を示す。
一般的に、上記したように、本開示のいくつかの態様は、消費財(例えば、編物コンポーネントおよび/または織物を含む製品)の設計のためのシステムおよび方法、ならびに編物設計および対応する製造された編物コンポーネントのシミュレーションおよび評価に関する。
近年、ニッティングへの興味が増大しており、繊維技術におけるスケール、材料、製作プロセスおよび用途も極めて多様化している。繊維における革新(例えば、ニッティング技術)は、材料アセンブリの生成に関連し、その材料および構造組成を通じた実質的な条件変更への対応を可能にする。繊維は、複合材料のための柔軟性があり、丈夫かつ軽量の媒体として用いられているため、繊維の演算および挙動予測は、製造業者の興味の対象となっている。特に、繊維およびニッティングは高度工業化材料として要求および用途の変更に応じてカスタマイズが可能であり、多様な性能特性を達成することができる。このような多様な性能特性は、基礎となる製品設計に基づいて、織物変形が最小となる意図される編物コンポーネントの適切な製造に必要になり得る反復(および高価な)試行の回数の低減において、製造業者にとって有用である。
任意の所望の種類の設計データ(例えば、製品の一部(例えば、履物物品(例えば、多様なアッパー部分または要素)またはアパレル物品)の色)の制御、変更またはカスタマイズが、本開示の態様によるシステムおよび方法のユーザによって可能であり得る。所望であれば、本開示の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法によれば、ユーザが履物物品の多様な部分について多様な材料または他の特性(例えば、異なるアッパー材料(単数または複数);アッパー厚さ(単数または複数);アッパー剛性の特性;アーチサポート特性;衝撃減衰特性;サイズ、向き、および/またはアッパー中の開口または窓の位置;アッパー中に設けられた開口のパターン;レーザー切断設計および/または特性;レーザーエッチング設計および/または特性など)を選択することがさらに可能になり得る。
履物物品の設計と関連して上記したが、本開示の態様は、他の消費財(例えば、アパレル物品)の設計にも用いられ得る。履物の例において、ユーザは、履物の多様な特徴の選択と、ユーザインターフェースまたはディスプレイ画面上に表示されたソフトウェアアプリケーションからの履物の視覚的画像の操作とを行うことができ得る。ユーザインターフェースは、本明細書中に記載のように、態様の変更または他の場合の履物の多様な設計データの操作のための1つ以上のツールを表示し得る。
ユーザは、設計アプリケーションおよび/またはウェブサイトへのアクセスのための演算デバイスを用い得る。これらの演算デバイスは、ネットワーク内に通信チャネルを確立させ、製品設計の変更に用いられる双方向的設計特徴を提供するメッセージングサーバシステム(1つ以上のサーバコンピュータを含む)と通信する。以下にさらに詳述するように、演算デバイスとシステムとの間でデータ交換を提供および制御するために、任意の所望の通信リンクおよび通信プロトコルが用いられ得る。ユーザは、ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)など)を介してオンライン設計システムへ接続する演算デバイスを用い得る。ユーザは、自身の演算デバイスのシステムへの接続を任意の通信チャネル(例えば、多様な内部サイト、ならびに/または製造業者のポータルへリンクする外部サイトからのウェブサイトポータルおよびアプリケーション)を介して行い得る。
本開示から逸脱することなく、多様な種類の演算デバイス(例えば、以下により詳述するような、ネットワーク型接続および/またはピアツーピア接続の確立が可能でありかつ必要な表示、ユーザインターフェースおよび入力能力を提供することが可能な任意の演算デバイス)が用いられ得る。本開示の少なくともいくつかの例によるシステムおよび方法において用いられ得る演算デバイスのいくつかのより具体的な例を以下に非限定的に挙げる:デスクトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話機、他の任意のモバイルデバイスまたはスマートフォン、携帯情報端末、コンピュータワークステーション、テレビなど。
本開示の例によるシステムおよび方法において使用可能な演算デバイスを挙げると、1つ以上の入力デバイスおよびデータ処理システム(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサを含む)がある。演算デバイスと共に含まれ得る入力デバイスの例を非限定的に挙げると、従来の入力デバイス(例えば、キーボード(ハードキーボードまたはソフトキーボード);マウス、トラックボール、ローラーボール、タッチパッド)、または他のポインティングデバイス;スタイラスまたは他のペン型入力デバイス(例えば、タブレットPC型演算デバイス用のもの);ディスクドライブ;USBポート;ネットワーク接続;ジョイスティック型コントローラ;電話接続;イーサネット接続;音声認識能力など。また、ユーザが、ユーザの指または選択デバイス(例えば、スタイラス)を用いてディスプレイ画面に物理的にタッチすることにより演算デバイスにデータ入力するように、演算デバイスは「タッチスクリーン」能力を有し得る。さらに、任意の所望の種類の表示デバイスが、本開示の態様によるシステムおよび方法の演算デバイスと共に用いられるように設けられ得る(例えば、演算デバイス自体と一体化された表示デバイス、または演算デバイスと別個であるが当該演算デバイスと通信している表示デバイス(例えば、プロジェクター表示、別個のモニター表示))。
例示的な設計および製造システム
図1は、消費財(例を非限定的に挙げると、ニット履物アッパー)の設計および製造のためのシステム(例えば、システム100)を示す。システム100は、演算デバイス(例えば、少なくとも1つのプロセッサによって実行された際に多様な機能を行うソフトウェアモジュールと共にプログラムされ得る設計コンピュータ102)を含み得る。ソフトウェアは、少なくとも1つの有形的非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、ソリッドステートメモリまたは磁気メモリ)上に記憶され得るコンピュータ実行可能な命令を含む。
設計コンピュータ102は、本開示の態様から逸脱することなく、ネットワーク(図示せず)に任意の所望の方式(例えば、公知でありかつ当該分野において用いられる従来の方式(例えば、任意の従来の有線接続または無線接続、および任意のネットワーク接続プロトコルの利用))で接続し得る。追加的にまたは代替的に、設計コンピュータ102は、1つ以上の演算デバイスとの通信を別個のネットワークにおいて動作可能に行い得る(例えば、製造業者と関連付けられたネットワーク、または編物コンポーネントの作製のために1つ以上の編み機の専用として用いられるネットワーク)。
本開示の例によるシステムおよび方法は、ユーザインターフェース表示もユーザの演算デバイス上に提供する。このインターフェースにより、ユーザは設計労力の内容を確認することができ、自身の入力を設計労力へ導入することができる。ユーザインターフェースは、多様なデバイス上に設けられ、ユーザの演算デバイスおよび/またはサーバシステムによって制御され、ユーザインターフェースを通じた入力の生成、維持および受信のためのデータが、演算デバイスおよび/またはサーバシステムの一部として含まれるか、またはそれらと関連付けられたコンピュータ可読媒体を介して、生成および提供される。そのようなコンピュータ可読媒体の例は、以下を含むがそれだけに限定されない:従来から周知でありかつコンピュータ業界で使用されている任意の種類のコンピュータ可読媒体を含むコンピュータ可読メモリ(何れもコンピュータ内部(例えば、ハードドライブ)であるかまたはコンピュータから分離可能である(ディスク、ソリッドステートデバイスまたはフラッシュメモリデバイス、ネットワーク型接続を介して利用可能なデータなど))。
システム100は、多様なデータ構造(例えば、編物コンポーネントの設計および製造に関する情報を記憶するライブラリ)を含み得る。例えば、色ライブラリ111は、多様な色値を含み得る。個別の色値は、データベース(例えば、FileMaker Proデータベース)中に配置され得る。一実施形態において、色値は、4つのチャネル(例えば、CMYK色値)を有する。別の実施形態において、色値は、3つのチャネル(例えば、RGB色値)を有する。個別の色値は、ニット製品の製造業者へ供給されるかまたはニット製品の製造業者によって利用可能な多様な材料(例えば、編み糸)の色に対応し得る。ヘザー(heather)ライブラリ118は、設計コンピュータ102へインターネットを介して接続し得る。ヘザーライブラリは、ニット製品の製造業者にとって利用可能な1つ以上の編み機によって生成され得る多様なヘザーパターンに関する情報を含み得る。靴型ライブラリ112は、多様な形状および形態の靴型に関する情報を記憶し得る。靴型ライブラリは、履物設計に対応するデータファイルも記憶し得る。等級分けライブラリ113は、以前に等級分けされたアッパーの集合に関する情報を記憶し得る。この集合は、製品の特徴(例えば、履物(例えば、構造および他の属性の位置、一定範囲の靴サイズと共に用いられるベース設計の等級分けのために作成された改変))を特定し得る。
ニット構造ライブラリ117は、ニット製品の設計および製造に用いられ得る多様な編物構造に関する情報を記憶し得る。設計ツールにおいて組み立てられる異なる編物構造が、ライブラリ117の形成に用いられ得る。いくつかの場合において、編物構造情報は、1つ以上の他の演算デバイスまたは適切な記憶場所(例えば、製品製造業者のリモートサーバ)から入手され得る。追加的にまたは代替的に、ユーザは、ニット構造ライブラリにおいてニッティング情報にアクセスし、それを記憶し得る。よって、ライブラリ117は、内部に記憶された各ニット構造に関するニット構造情報および他のデータを経時的に蓄積および記憶し得る。以下にさらに詳述するように、本ニッティングシステムは、ニッティングプロセスと、複雑な編物コンポーネント/製品の作製/製造の信頼性および精度と、の向上に用いられ得る編物構造のライブラリを生成するように構成され得、これにより、製造問題の低減、編み機の材料利用効率の向上が可能になり、その結果、フィット感向上および編物結果の性能の向上に起因して、材料の無駄が低減する。
上記したように、いくつかの場合において、編物構造情報の初期データセットは、編物コンポーネントの織物変形の特定および区別のためにニッティングシステム(および/またはその内部の編み機)を較正するために用いられ得る。各編物構造が、異なる構造および視覚的特性を有する場合、異なる構造が組み合わされると、線形変形および空間的変形が発生する。線形変形に起因して編物セグメントの長さが変化し得、空間的変形に起因して編物セグメントの自然な曲線様態が変化し得、平面状でなくなり得る。編物コンポーネント内の編物構造の分布が複雑である場合、編物コンポーネントの意図される全体的形状/枠からの変形が大きくなる。そのため、ニッティングシステムを較正するために、異なるアスペクト比の編物コンポーネントを測定し、ニッティングシステム(および/またはその内部の演算ツール)中に採用すればよい。
いくつかの場合において、ニット設計/パターンの異なる変動の試験により、この初期データセットをさらに較正することができる。例えば、ニット設計/パターン(または他の画像データ)が、ニッティングシステム中に採用され得る。ニット設計/パターンをニッティングシステムに採用し得る方式は多数存在する(例えば、特に、画像を演算デバイスを介してスキャンまたはインポートした後に、ニッティングシステムへ伝送/送信)。追加的にまたは代替的に、ニット設計/パターンのニッティングシステムへの採用は、パラメータ設計を内部で生成すること、ニッティングシステムを介して異なる伸縮特性および視覚的特性を含むステッチを設計すること、ならびに/または異なる領域において異なる線形および空間的変形が得られるようにステッチパターンを設計内の特定の領域もしくは色へ割り当てることによって行われ得る。これらのニット設計のうち1つ以上は、3色ニッティング技法の変動に基づき得る。1つのこのような技法において、異なる色の3本の異なる編み糸を用いて「バーズアイ」ステッチが同時に編まれる。ここで、パターンの各領域が構造および編み糸の両方において異なり得るため、ニットの組み合わせの生成における可能性が倍加する。上記例について、このようなニット設計/パターンは、正/負の性質を有し得る。上記3本の異なる編み糸のうち1本は、他方の2本の編み糸のいずれかと固体または混合の組み合わせを形成する織物の正側へと編み機により前進させられ得る。例えば、図2Bに示す2つの編物コンポーネントは、編み機によって製作され、同一のニッティング設計および編物構造を有するが、交互の(編み糸)色を用いて編まれる。よって、向上したニッティングシステムにおいて、初期データセットおよび/または較正試験から入手された情報を用いて編物構造を生成することにより、織物変形の予測の際に分析されるニッティングシステムにおいて利用可能な編物構造数の増加が可能になる。本ニッティングシステムにより、編み糸色の設計色への割当およびステッチ種別の割当が可能になり、ニッティングシステムを介した編物構造の生産/生成に利用することが可能な利用可能な組み合わせ数の増加が可能になる。さらに、ニッティングシステムにおいて、編物構造の生成の際、ニット設計およびニット構造の変形および他の幾何学的情報(例えば、ステッチアスペクト比)が考慮に入れられる。同様に、これらの向上により、ニッティングシステムにおいて材料/編み糸色をニット変形の予測および他の結果の向上に利用可能な情報の別の層として導入することも可能になる。
図3Aおよび図4Aについてより詳述するように、本明細書中に記載のような設計ウェブサイト、インターフェースおよび/またはアプリケーションは、カスタム設計のために、例えばインターフェース表示の一部において、利用可能な多様なパターンまたはモデルを表示し得る。製品(例えば、履物、アパレル、ラグ、アートワーク)のこれらの多様な異なるモデルは、設計プロセスの一部としてユーザが選択することが可能なテンプレートまたは「ベース」モデルを含み得る。このような「ベース」モデルまたはテンプレートは、設計プロセス中におけるユーザの選択に基づいて追加してもよいし、あるいは変更してもよい。
図1に示すコンポーネントのうちいくつかは、設計セッション中において、設計コンピュータ102へのデータおよび設計コンピュータ102からのデータを伝達し得る。例えば、UI115は、履物設計のカスタマイズまたは改変のためのユーザインターフェースを提供するよう、設計コンピュータ102との通信チャネルを確立し得る。ユーザインターフェースは、設計コンピュータから受信された入力データのサンプリングにも用いられ得る。ユーザインターフェースは、設計のために編物構造を割り当てるためにも用いられ得る。ユーザインターフェースは、ニット構造に関する情報をライブラリ(例えば、ライブラリ117)から受信し得る。ニット構造を多様な設計へ割り当てるための(ユーザインターフェース115の)割当論理は、ユーザによって制御され得、設計プロセスにおける柔軟性を可能にする。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース115は、設計コンピュータ102内において実行および/または採用され得る。多様な種類のソフトウェアアプリケーション(例を非限定的に挙げると、Rhinoceros 3D CADソフトウェアアプリケーション(「Rhino」)があり、パラメータ設計には、Grasshopper視覚プログラミング言語および環境が用いられる)が、ユーザインターフェース115と共に実行され得るか、またはユーザインターフェース115内に採用され得る。ユーザインターフェース115の生成のためのソフトウェアは、設計コンピュータ102またはニッティングシステム100上に存在するかまたは設計コンピュータ102またはニッティングシステム100にとって利用可能なコンピュータ可読媒体上に常駐し得る。あるいは、所望であれば、ソフトウェアまたは少なくともいくつかのその部分(単数または複数)を、ニッティングシステム100の1つより多くの演算デバイス上に常駐させてもよい。ニッティングシステムは、設計コンピュータ102の操作および維持を行う同じ組織(単数または複数)または個人(単数または複数)によって操作および維持されてもよいし、あるいは、これらのエンティティのいずれかまたは全てと別個の当事者によって全体的または部分的に操作、制御および維持されてもよい。いくつかのより詳細な例として、1つ以上のエンティティ(例えば、製造業者、製造業者または小売業者によって選択された供給業者など)によって、ニッティングシステムが操作および維持され得(そして、ユーザインターフェース115も操作および維持され得)、そのエンティティの製品は、以下に述べるニッティングシステムおよび方法を通じて製造される。
構造規則コンポーネント120は、製造されるべき履物アッパー(および/または他のアパレル物品)および対応するベース設計に必要な物理的および/または構造完全性と関連付けられた1つ以上の構造規則に関するデータを設計コンピュータ102へ提供し得る。ランニング用履物に固有の構造完全性要求および特性を提供するランニング用履物規など、多様な種類の製品に特定の構造規則が、規則コンポーネント120中に記憶され得る。以下にさらに詳述するように、これらの構造規則に起因して、製造時および着用者による使用時において履物アッパーの構造完全性を維持するために、設計セッション中において履物設計の特定の態様を改変するユーザの能力に一定の制限がかかり得る。本開示のいくつかの態様において、履物アッパーに必要な物理的および/または構造完全性と関連付けられた構造規則は、履物の種類(例えば、ランニング用履物、バスケットボール用履物、フットボール用履物)あるいはアパレルまたは製品の種類に応じて異なり得る。
設計コンピュータ102は、設計コンピュータの多様な動作機能を実行する多様なモジュールを含み得る。例えば、設計コンピュータ102は、ユーザインターフェース115を介して行われた履物設計の多様な設計変更を処理する設計モジュール103を含み得る。設計モジュール103は、処理された設計変更に基づいて、履物設計の画像のレンダリングも行い得る。設計コンピュータ102は、等級分け変更(例えば、履物サイズの増減)に基づいて履物設計に適用され得る変更の処理および決定を行う等級分けモジュール104を含み得る。例えば、等級分けモジュール104は、ベース履物設計と関連付けられた情報を抽出し得、この情報と等級分けライブラリ113中に記憶されたデータとを比較して、異なる履物等級分けの新規のベース設計をレンダリングし得る。いくつかの実施形態において、等級分けモジュール104は、処理された等級分け情報に鑑みて、ベース履物設計に対して1つ以上の設計変更を推奨し得る。所望の2D/3D形状と予測形状との間の差の計算をサイズの変更(等級分け)に応じて行うことにより、ニッティングシステムは、これらの差(例えば、比較データ)を示すデータを用いて、計算された差の補償のための幾何学的設計変更を提案し得る。ニッティングシステムは、このような設計変更の提案を、使用されている特定のステッチ(例えば、図2Aについて記載のステッチのうち1つ以上)の既知の線形変形および空間的変形に基づいて、かつそれらに応じて行い得る。
設計コンピュータ102は、ユーザインターフェース115を介して履物設計について行われた設計変更が受容可能であるかを決定するために、データを処理する構造評価モジュール105を含み得る。例えば、構造評価モジュール105は、1つ以上の設計変更を含むように改変されたベース履物設計と関連付けられた情報を抽出し得、この情報を構造規則コンポーネント120からのデータと比較して、所定の構造規則に、ならびに/または履物アッパーの製造に用いられるベース履物設計および/もしくは編み機に関連する物理的制限に、意図される設計変更が適合するかを決定し得る。この抽出された情報は、例えば、設計に関連するステッチ弾性およびアスペクト比を含む。このような情報は、得られる履物の最終的な形状および性能に影響を及ぼし得る。追加的にまたは代替的に、抽出された情報は、設計の特定の領域に適用可能な異なる色またはステッチの閾値を示す編み機制限を含み得る。本開示のいくつかの態様において、評価モジュール105は、ユーザが選択対象としてそれぞれ利用することが可能なベース履物設計と関連付けられた複数の所定の構造完全性特性を記憶するデータベース(または他の適切な形態の記憶装置)と動作可能に通信し得る。
設計コンピュータ102は、製品設計(例えば、履物またはアパレル設計)に従った編物コンポーネント140の製造に利用可能な多様な材料の利用可能性に関連するデータを処理するために、部品表モジュール106を含み得る。設計コンピュータ102は、ベース設計に関連する情報を抽出し得、この情報と材料130の現在の供給または利用可能性に関するデータとを比較して、リクエストされた設計変更が受容可能であるかを決定する。
設計コンピュータ102は、履物設計に基づいた編物コンポーネント140の製造のコストに関連するデータを処理する時間/コスト推計モジュール107も含み得る。設計コンピュータ102は、履物設計に関連する情報を抽出し得、この情報と、時間/コスト推計モジュール107によって収集され、かつ/または時間/コスト推計モジュール107中に記憶されたデータと、を比較して、上記製品設計に基づいて編物コンポーネント140(例えば、履物アッパー)を製造するコストを計算し得、このコストが任意の事前規定されたコスト閾値を超えるかを決定し得る。時間/コスト推計モジュール107は、推計されたコストを事前規定されたコスト閾値よりも低い値まで低減させるために、1つ以上の設計変更を履物設計へ推奨し得る。
設計コンピュータ102は、製品設計に基づいて編物コンポーネント140を製造するのに必要な時間の長さに関連するデータを処理する時間/コスト推計モジュール107も用い得る。設計コンピュータ102は、製品設計に関連する情報を抽出し得、この情報と、時間/コスト推計モジュール107によって収集され、かつ/または時間/コスト推計モジュール107に記憶されたデータと、を比較して、製品設計に基づいて編物コンポーネント140を製造するのに必要な時間の長さを計算し得、この時間が任意の事前規定された時間閾値を超えるかを決定し得る。時間/コスト推計モジュール107は、推計された製造時間を事前規定された時間閾値よりも低い値まで低減させるために、1つ以上の設計変更を製品設計へ推奨し得る。本開示のいくつかの態様において、設計セッション中において、現在の製品設計に鑑みて編物コンポーネントを製造するために必要な時間の長さを示すインターフェースまたはサブインターフェースがユーザへ表示され得る。ユーザが製品設計を改変すると、編物コンポーネント(例えば、編物履物アッパー)の製造に必要な更新済みの時間長さを反映するよう、インターフェース(またはサブインターフェース)が更新され得る。
設計コンピュータ102は、機械コードおよび/またはデータファイルを編み機(例えば、編み機135)へ生成および/または出力するために、コンパイルモジュール108も用い得る。設計コンピュータ102(またはニッティングシステム100中の他の演算デバイス)は、コンパイルモジュールを用いて、ソースコードを直接変換し得る。例えば、コンパイルモジュール108は、ソースコードを高水準プログラミング言語から低水準の言語(例えば、機械コード)へ変換するように、構成され得る。よって、このプロセスにより、ユーザインターフェース115を含むニッティングシステムが編み機の標準インターフェースをバイパスすることが可能になり得る。設計コンピュータ102は、視覚化/補償モジュール110も用い得る。視覚化/補償モジュール110は、(i)ニット構造ライブラリ117およびニット構造の事前分析/履歴分析、ならびに/または(ii)バネベースの物理的エンジン(例えば、エンジン116)からの出力から情報を入手および分析して、ニット設計と編物コンポーネントの予測される作製結果との間の差を評価する。また、設計コンピュータ102は、入力デバイス109を用いて、入力データおよび他の情報(例えば、エンドユーザまたは設計者によって供給されたデータ)を処理し得る。例えば、入力デバイス109を介して、ユーザ/設計者は、異なるステッチ組み合わせの分布を編物コンポーネントの設計内において制御し、選択された/利用可能な編物構造/設計をユーザインターフェース(例えば、UI115)を介して視覚化し得る。設計コンピュータ102は、データまたはファイルの読出しおよび書き込みのための多様なデバイス、インターフェースユニットおよびドライブも含み得る。例示的なインターフェースユニットおよびドライブを挙げると、キーボード、ポインティングデバイス、マイクロフォン、ペンデバイス、タッチスクリーンまたは他の入力デバイスがある。
上記したように、図1に示すコンポーネントのいくつかは、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN))を介して相互に接続し得る。例えば、色ライブラリ111は、設計コンピュータ102へインターネットを介して接続し得る。別の例において、設計コンピュータ102は、通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介してニッティング命令を1つ以上の暗号化ファイルの形態で編み機135へ送信し得る。図1に示すシステムは、従来のネットワークコンポーネント(図示せず)(例えば、図示のコンポーネントの接続のためのスイッチ、無線アクセスポイントおよびルータ)を含み得る。
図1中に単一の編み機135として図示しているが、編み機135は、編物コンポーネント140の製造に用いられる1つ以上の編み機を示し得る。これらの1つ以上の編み機は、同じかつ/または異なる地理的位置に配置され得る。本開示いくつかの態様において、1つ以上の編み機は、動作可能に相互に通信し得る。編み機135は、プログラム可能でありかつ産業製造用に作製された産業用フラットベッドCNC編み機を含み得る。編み機135は、機械中へ送り込まれる編み糸または他の材料を連続的に編むために用いられる複数の針を含む2列の平行な針(「針床」と呼ぶ)をさらに含み得る。これらの編み糸または他の材料(例えば、材料130)は、複数の搬送体を介して編み機135中へ送り込まれ得る。いくつかの実施形態において、編み機は、十六(16)個の搬送体を含み得る。基礎となる編物設計に基づいて編物コンポーネントを製造するために、針間においておよび針床にわたって編み糸の目移し、スキップおよび/または横断を行うことが可能な特定の針を電子的に制御することにより、複雑な編物構造を編み機を介して生成することができる。フラットベッド編み機(例えば、編み機135)は、3次元容積をシームレスに製作し、人による干渉をほとんど必要とすることなく高容量にて動作するように構成され得る。しかし、意図される設計と比較した織物変形または他の製造問題が発生した場合、ニッティング設計プログラム/プロセスの変更が必要になり得る。このような変更がある場合、高スキルのオペレータによる手動レトロフィットが必要になることが多いため、ニッティング容量および効率の実質的低下と、製品コストおよび関連オーバーヘッドコストの増加とに繋がる。例えば、編み機の結果(例えば、編物コンポーネント)が意図したほどではなかった場合、技術者が問題の修正を試みる際にニッティングパラメータを変更するかまたは後に特定する必要があり得る。手動で変更され得るニッティングパラメータを挙げると、特に、ニットそのもののステッチ密度および/または構造の変更(例えば、ステッチ、列の増減など)がある。所望の編物コンポーネントの製作および編み機の調節に対するこの後知恵に基づいたアプローチは、時間およびコストがかかる。本明細書中に記載の実施形態によれば、編物コンポーネントの形状および結果を最適化させるために全ニッティングパラメータが計算される場合、このような調節および変更は不要になる。そのため、このような製造問題に遭遇した場合に編み機を手動でレトロフィットする必要性の低減が望まれている。
本開示の一態様において、本ニッティングシステムは、産業用フラットベッド編み機を介して生成される編物製品をカスタマイズするために用いられ得る。例えば、店舗内におけるオンデマンドカスタマイゼーションのために編み機を小売り拠点に採用することにより、ユーザは、編物コンポーネントの特定の設計を生成し、この設計に基づいて製造された編物コンポーネントを有し得る。いくつかの場合において、編物コンポーネントの製品カスタマイゼーションのオンデマンド提供におけるこれらの試行は、範囲および運転操作性が限られているため、カスタマイゼーションは、単に編物コンポーネントまたは製品の設計を個人化する手段として事前規定されかつ限られたパラメータ内(例えば、編み糸の色のみの変更)において主に用いられる。他の場合としては、制限されかつ事前規定された方式での編物コンポーネントの適合的改変が挙げられる。このより個別適合された編物製品の「カスタマイゼーション」形態は、ニッティングインターフェースの単純化と、エンドユーザによるカスタマイゼーションへの直接的アクセスの提供とを目的とする本ニッティングシステムによってサポートされ得る。
図3Aおよび他の図について以下にさらに詳述するように、本開示の他の態様において、本ニッティングシステム、設計ツールおよび編物コンポーネントの製造は、より広範な定義のカスタマイゼーション(例えば、ユーザが編物構造の組み合わせ(例えば、サイズ、形状、材料組成)の実質的変更を全て同じ織物または編物コンポーネント内において行うことを可能にするように構成された設計環境の提供)を包含する。演算を用いてニッティングを行うと、例えば本明細書中に記載のようなさらなる貢献から大きく恩恵を受けることができ、これにより、デジタルニッティング作製のためのツールがさらに展開および洗練される。
さらに、ニット製作の直接的駆動と、さらに製品仕様についての入力としての機能と、製作の精度および効率の改良と、無駄の低減向上とが可能になるように、異なるデータソースを本ニッティングシステムによって生成および/または入手することができる。図3Aについて以下により詳述するこのニッティングプロセスおよび情報フローは、リアルタイムで発生し得る。このような設計/作製パイプラインに沿った効率および通信の向上は、商店と製作施設との間の連結性の向上に繋がり得る。また、このような向上は、ニッティングプロセスの向上のための遠隔当事者間通信およびデータフローの改良にも繋がり得る。例えば、オンラインショッピング、顧客関与、または他のフィードバック情報(例えば、センサーデータ)に関係なく、オンライン商業活動からのデータは遠隔で入手することができる。本明細書中に記載のニッティングシステムによれば、編物コンポーネントにおける変形および他の作製問題の予測のためにニッティングプロセスを向上させることにより、多種多様なニット設計および個性化のための大量製作をオンデマンドで提供するような方式で、ニッティングプロセスを向上させることができる。
編物コンポーネントの設計および製造のためのこの環境変更の枠内において、本開示のいくつかの態様で、上記したシステムは、編み機を動作させてカスタマイズされたニット設計を製造するために、必要な機械コードおよび出力ファイルを生成するよう、複数のデジタル入力をライブパラメータパイプラインと共に用いる1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102(または内部の演算ツール))を含み得る。少なくとも図3Aについて以下にさらに詳述するように、1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)を内部に含むニッティングシステム100は、(i)同じサンプルまたは編物コンポーネント内において多重編物構造を含む織物を製造することと、(ii)織物の外形の全体的な幾何学形状および寸法を変更しなく、カスタマイズされた設計の幾何学的割合をサンプルまたは編物コンポーネントそのもの内においてさらに維持する方式で、編物構造のパラメータを相互交換することと、(iii)編み機の態様を演算ツールから直接動作させることと、を行うように構成され得る。
本開示のさらなる態様において、ユーザ入力を受容し、ニット設計についての情報をユーザに提供するためのユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース115および/または他の適切なインターフェース)の多様な特徴について、以下にさらに詳述する。当業者であれば、以下の記載および添付図面は、本開示の1つ以上の態様によるシステム、方法およびユーザインターフェースの可能な特徴、機能、インターフェースコンポーネントの配置構成、インターフェースコンポーネントの向き、インターフェースコンポーネントの組み合わせなどの例示に過ぎないことを理解するであろう。
本開示のさらなる態様は、ユーザが履物物品(または他の消費財)を設計することを可能にする、演算デバイス上に設けられるユーザインターフェースに関する。ユーザインターフェースは、上記した特徴および/もしくは機能のうちいずれか、ならびに/または以下にさらに詳述する特徴および/または機能のうちいずれかの使用および/または活性化を可能にする要素および特徴を含み得る。
いくつかのより詳細な例として、本開示の態様は、コンピュータによって制御された表示デバイス上に履物設計セッション用ユーザインターフェースを生成するためのコンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ可読媒体に関し、コンピュータ実行可能な命令はコンピュータ可読媒体に記憶される。このユーザインターフェースは、例えば、(a)履物物品の少なくとも1つのレンダリングを含む第1の表示部と、(b)第1のユーザが履物物品の一部を選択することを可能にする1つ以上のセレクター要素(例えば、ポインタまたはカーソル)と、(c)個別のセレクター要素(例えば、テキスト、アイコン、写真、アニメーション)を介して履物物品のどの部分(単数または複数)が選択されたかを示すインジケータと、(d)第1のユーザによって生成された入力に基づいて、第1の表示部における履物物品のレンダリングの外観の変更を生成する第1の要素と、を含み得る。第1の要素(またはインターフェースの少なくともいくつかの要素)は、ユーザが履物物品の選択された部分の色および/または履物物品(例えば、ニット材料)のコンポーネントを変更することを可能にする色パレットまたは色メニューなどの特徴;ユーザが第1の表示部内においてレンダリングされるような履物物品の向きを変更することを可能にする1つ以上の向き要素;一方向、双方向または多方向のユーザ通信要素または特徴(例えば、テキスト入力および表示パネル(単数または複数)、インスタントメッセージング能力、音声および/または映像通信能力など)などを含み得る。ユーザインターフェースは、入力部をさらに含み得る。この入力部を通じて、第1のユーザは、第2のユーザ(または別のユーザ)と共に協同履物設計セッションをセットアップするために用いられるデータを入力することができる。
このような一般的背景および情報に鑑み、本開示によるシステム、方法、コンピュータ可読媒体およびユーザインターフェースの具体例について、より詳細な情報を以下により詳細に説明する。以下のより詳細な記載は、本開示の多様な特定の例ならびにその特徴および機能に関連し、この記載は本開示の範囲を制限するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
I.編物構造および演算設計ツール
編物地のカスタマイゼーションは、得られる編物コンポーネント/織物内において各ステッチ組み合わせのデジタル、機械制御および材料制御を通じて固有に可能にされる。ニッティングのは、他の繊維技法(例えば、機織り)と比較すると、長く連続的な編み糸が織物または編物コンポーネントを形成している構成に起因して、より適合性が高い場合が多い。編物地/材料において、これらの編み糸は、個々に制御されたループ状ステッチによって編み機を介して内側ループ状にされ得る。ループそのものおよび隣接ループの方向および締結度の変更により、編物コンポーネントの全体的属性および性能(例えば、その引っ張り特性、密度、不透明性、反覆性、落下、ならびに他の視覚的および物理的特性)が得られ得る。加えて、ニッティングプロセス中において、製造業者が編み糸を切り換えて、編物地/材料中に新規材料をシームレスに統合することが可能である。
編物地は、本来柔軟性および伸縮性を持ち、非線形の3次元キネマティクスを備える。これは、編物地/材料を含む連続編み糸の相互ループに起因する特性である。以下にさらに詳述するように、本開示の態様は、工業的に製造された編物地(例えば、同一の編物コンポーネント/織物の一部(「編物構造」と呼ばれ得る)内において複雑なまたは複数のニッティングステッチ組み合わせを含み得る織物/材料を含むもの)のデジタル革新に関する。複雑な編物構造は、一連の構成の生成によって達成され得る。これらの構成は、自身が反復しており、全体的外観および物理的属性を織物へ付与する。
図2は、編物コンポーネントの製造のために用いられ得る異なる複雑なニット構成の例を示す。詳細には、図2Aは、一般的に用いられるニット構成のテクニカルフェース表記を示す(例えば、「平編」構成210;「うね」構成212;「目移し」構成214;「外れまたは浮き」構成216;「縫上」構成218;および「延反」構成220)。例えば、一連の1つ以上のニット構成(例えば、目移しおよび縫上ステッチ)の反復を用いて(かつ/またはこのような反復に基づいて)多様な異なる編物構造を生成することができる。特定の編物構造と関連付けられかつ/またはその生成に利用可能な1つ以上の種類の編物構成/組成を特定する情報が、ライブラリ117中に記憶され得る。
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、ニッティングプロセスによって通知を受け、作製関連要求ならびに材料のニッティングおよび編み機135の動作のためのプロセスの理解に基づいた独創的なボトムアップアプローチを用いる。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100内の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102(またはその内部の演算ツール))は、複数の事前規定された編物構造(例えば、ライブラリ117内に記憶された編物構造情報)の入手および分析を行い得る。設計コンピュータ102をさらに用いて、同一の織物または編物コンポーネント内において1つ以上の編物構造を組み合わせることができる。多様な編物構造の組み合わせを同一の編物コンポーネント内において多様な順列下において戦略的に行うことにより、設計コンピュータ102は、各編物コンポーネントの典型的な比率割合偏差、アスペクト比および寸法のうち1つ以上を、意図されるニット形状または設計から分析し得る。例えば、編物構造のステッチ密度が変更された場合、編物コンポーネントの特定の領域の全体的寸法が変化し得るが、幅と長さとの間の比は影響を受けない。物理的バネベース補償分析に基づいて、利用可能な視覚化ツール(例えば、モジュール110)を用いて静止状態下の編物サンプル/コンポーネントの変形をシミュレートすることができる。編み機上において特定のサイズに保持されていた編物構造は、外力がない場合でも、経時的に自然にニッティングプロセスに起因する張力下におかれ得る。この編物構造が編み機から除去され静止状態にされると、最小の内部エネルギーに適合するように形状が変化し得る。これは、任意の繊維(またはさらに他の材料)の収縮現象を同様に説明する。すなわち、任意の形状に強制されることなく、十分な時間にわたって静止状態になった場合、当該編物構造は最終的に「自然な」形状に変形する。設計コンピュータ102またはニッティングシステム100は、複数の異なる改変ツールを用いて、編物コンポーネント/織物内の力を物理的変形を補償する方式で、自動的に再分配させることができ、これにより、従来のニッティングシステム/プロセスを用いた場合よりも、意図されるニット設計に大幅に類似する編物コンポーネントの製造が可能になる。
図3Aは、本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計および製造の方法の例示的フロー図を示す。図3Aに示すニッティングプロセスは、本明細書中の「演算ツールパイプライン」とも呼ばれ得る。図3A中に示す段階は、システム(例えば、図1に示すニッティングシステム100)によって行われ得る。図3Aに示すプロセスは、複数の段階(例えば、要素302~308)を含む。これらの段階はそれぞれ、本明細書中に記載のような編物コンポーネントの設計および製造のプロセス中の1つ以上のステップを含み得る。
例えば、ニッティングプロセス(または演算ツールパイプライン)の第1の段階は、入力段階(例えば、図3Aに示す段階302)を含み得る。この段階において、ニッティングシステム100は、入力(例えば、編物コンポーネントの設計のための設計入力)を入手し得る。一例として、図3Bに示すように、要素332は、ニッティングプロセスに関する入力データおよび/または意図されるニット設計として機能し得る例示画像を示す。本例において、この画像は、砂丘の航空写真を示す。多様な他の画像、写真、ニット設計および他の情報が、入力データとしてニッティングシステム100によって用いられ得る。さらに、図3Cは、図3Aに示されかつ本明細書中に記載されるニッティングプロセスの多様な段階を行うために用いられ得るニッティングシステム100のさらなる要素を示す。例えば、図3Cに示すように、設計コンピュータ102は、1つ以上の他の演算デバイスまたは適切なデータ記憶装置から入力データ/ファイル332を受信およびまたは入手し得る。
ニッティングシステム100は、入力データの入手のために、入力デバイス(例えば、入力デバイス109)または他の適切なデバイスを用い得る。いくつかの実施形態において、入力デバイスは、図3A中に画像入力(例えば、要素302)として示されるパラメータ相互交換可能な入力デバイスを含み得る。入力デバイスは、多様なデータフォーマット/構造(例えば、数ベクトル、および/またはラスタデータフォーマット)とインターフェースで連結するように構成され得る。
ニッティングプロセス(または演算ツールパイプライン)の第2の段階は、サンプリングおよび割当段階(例えば、図3Aに示す段階304)を含み得る。この段階において、ニッティングシステム100は、視覚的に柔軟なユーザインターフェース(例えば、UI115)を用いて入力データ(例えば、段階302において受信された入力データ)をサンプリングし得る。ユーザインターフェースは割当論理を含み、かつ/またはこの割当論理を1つ以上の他の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102、構造規則120など)から入手し得、これにより、ユーザが編物コンポーネントの設計を柔軟に制御することが可能になる。例えば、ユーザは、全体的ニット設計を含み得る特定の編物構造および/またはニッティング組成の選択および/または割当を行う際に、ユーザインターフェース115を用い得る。異なる編物構造および/またはニッティング組成は、製造されたときに異なる視覚的外観を有し得るため、コンポーネントの異なる部分において異なる編物構造を用いると、このコンポーネントを入力データとして提供された特定の画像に類似させることができる。加えて、全体的ニット設計は、企業ロゴなどの視覚的設計を含むだけでなく、編物物品/コンポーネントの物理的性能に影響を及ぼし得る異なるステッチも含み得る。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100内の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)は、編物コンポーネントの設計の際に利用することが可能な編物構造/組成を入手するために、ライブラリ117(または他の任意の適切な記憶装置)へアクセスし得る。
ニッティングプロセス(または演算ツールパイプライン)の第3の段階は、視覚化および補償段階(例えば、図3Aに示す段階304)を含み得る。この段階において、ニッティングシステム100は、設計意図(例えば、編物構造の割当前の編物コンポーネントの設計)と編み機による製造後の編物地の予測される/後続の物理的挙動との間の変形を、割り当てられた編物構造に基づいて評価し得る。この変形は、設計意図(すなわち、コンポーネントの形成のための任意の編物構造の割当前のオリジナル設計に従った編物コンポーネントのベースライン幾何学形状)に相対する編物コンポーネントの空間的変形である。この変形は、編物コンポーネントの周辺のプロフィール(すなわち、外形)に少なくとも関連し得る。この変形は、設計意図に従った編物コンポーネントの複数の部分の空間的分布と、割り当てられた編物構造に基づいて予測される編物コンポーネントの複数の部分の空間的分布との間のマッピングに関連し得る。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100内の1つ以上の演算デバイスは、このような差を評価するために、ニット構造の先行/履歴分析から入手された情報および/または(ii)バネベースの物理的エンジン(例えば、エンジン116)からの出力を用いる視覚化および補償モジュール(例えば、設計コンピュータ102のモジュール110)を含み得る。本明細書中用いられるように、バネベースの物理的エンジンは、編物構造、設計またはコンポーネントの1つ以上のセグメントを事前規定された内力を含む物理的バネとしてシミュレートする、ソフトウェア内において用いられる演算モデルを指す。このソフトウェアツールと用いて、3Dモデリング環境中に物理的挙動を埋設させ、シミュレーション実行時におけるライブの相互作用をさらに可能にする。このソフトウェアツールは、演算デバイス(例えば、バネエンジン116および/またはコンピュータ102)上において実装され得、シミュレーションにおける粒子に影響する力の生成と、ニットコンポーネントの幾何学的モデルから導出された入力測定を通じたフックの弾性法則に従ったバネモデルについての力付与の計算と、のための多様な方式を提供し得る。
ニッティングプロセス(または演算ツールパイプライン)の第4の段階は、コンパイル段階(例えば、図3Aに示す段階306)を含み得る。この段階において、ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)は、編み機(例えば、図3A中に要素310として示す編み機または図1中に示す編み機135)を動作させるための機械コードおよび/またはデータファイルを生成および/または出力し得る。本開示のいくつかの態様において、設計コンピュータ102は、機械コードおよび/またはデータファイルを編み機135へ生成および/または出力するコンパイラ(例えば、コンパイラ108)を含み得る。
A.編物コンポーネントの評価および作製
ニッティングの幾何学的属性(例えば、編物コンポーネントが特定の複雑な開発不可能な2重曲線状の幾何学形状へ付着する能力、編物コンポーネントの製造がデジタル的に考案され、無数の材料およびカスタマイズされた設計を用いて適用され得るという事実)は、改良された設計ツールおよび製造能力の開発が所望される理由を部分的に説明している。加えて、新規の構築材料と、編物コンポーネントの製造のための方法およびプロセスとについて一般的に興味がもたれている(例えば、ロボット工学、自動化、ならびに作製プロセスおよび製造プロセスにおける機械学習の統合のための広範な努力)。そのため、本開示の態様は、編物コンポーネントの複雑な3次元幾何学形状に部分的に焦点を合わせる。この3次元幾何学形状は、製品アーキテクチャに適し、外観および構造属性が区別される特定の製品の繊維ベースの構築コンポーネントの開発に用いられるため、向上したカスタマイゼーション機会がユーザへ提供される。例えば、2Dニット履物アッパーは作製された後、作製されたニット履物アッパーを採用した3D履物物品を製作するために用いられ得る。
製品アーキテクチャに関連する構造考慮事項に加えて、他の形態の情報入力が、視覚的区別および性能区別の両方を編物コンポーネントの編物構造内において描写するために考慮される。例えば、本開示のいくつかの態様において、複数のセンサー(図示せず)からのデータは、ニッティングシステム100によって用いられて、編物ファサードの変動としてレンダリングされる、ニッティング環境の変化を記録/決定し得る。例えば、モールドレス巻き取り技法(mold-less winding technique)を用いて生成されたファイバーベースの構造の文脈内において、センサー情報の連続的相互交換が、ニットアセンブリプロセス中のロボティックエフェクターと空気圧フォームワークとの間に送られ得る。例えば、編み機上のセンサーは、織物の特定の領域中に編まれた編み糸の実際の長さを測定し得る。このデータを、設計システムへ移転させて、編物物品の制御および設計の向上のためのフィードバック機構として用いることができる。この情報通信により、定義用演算モデルまたはニット設計内においてより予測可能な変化および変動が促進され得る。本明細書中に記載の例および用途は、設計ドメインと編物コンポーネントの実際の作製との間の直接フィードバックの生成の重要性と、より多様かつ個性化されたシステムへの製造を大きく変化させるための収集された情報の可能性と、を例示する。
最近の進化により、ニットシミュレーションは若干より扱い易くかつ予測可能になってはいるものの、このような達成は製造においては目指されていないことが多く、その代わりに、編物コンポーネントの後続の製造または作製ではなく、当該コンポーネントの設計に焦点が当てられている。繊維挙動の演算モデリングの際、繊維の複雑な物理的挙動の抽象化のために異なる論理およびアルゴリズムを用いることが困難な場合がある。詳細には、編物地は、繊維挙動をより一般的かつ単純に表現する、織布よりもモデル化することがより困難かつ明確である点ことがよく知られている。
単純なニットとより複雑なニットとを区別する、本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100(またはその内部の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102))は、異なる種類のニッティングステッチ/組成を処理して、ニット設計、試験用サンプルまたは編物コンポーネントを含む編み糸の多様な方向と、編み糸の個別の経路が織物の全体的な物理的動きへ影響する方式と、を決定することができる。例えば、CAD(コンピュータ支援設計)環境における一般的なメッシュ表現の用途(これは、割り当てられた特定のステッチ種であり、観察された種々の物理的静止長さが、フェースそれぞれに割り当てられる)。その結果、多様なより複雑なニッティングパターンを複製して、ジャガードウェフト編物レース織物についての較正およびデータ収集の目的のために本ニッティングシステムにおいて利用することができ、バネ質量シミュレーションをニッティングシステム(例えば、バネエンジン116)によって実装して、一般的織物パターンの代替としてパターンシミュレーションのための新規の第2次グリッドを形成するステッチサイクルを得ることができる。
本開示の態様において、シミュレーションモデルが用いられ、編物コンポーネントの各ステッチ交差部における編み糸の横断部における編み糸または他の材料間の機械的相互作用が決定/予測され得る。例えば、演算モデル(例えば、ニューラルネットワークおよびファジー論理モデル)をニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)により用いて、編物繊維の仕上げ処理に関連する触覚特性を予測することができる。このような演算モデルを挙げると、繊維の人間による官能評価に関連する複雑な概念を、数値的に特徴付けることがある。
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの物理的挙動のシミュレートおよび/または予測のために1つ以上の演算モデルを用い得る。例えば、バネモデルから迅速かつ信頼性のある試験/シミュレーション方法が得られる場合、バネモデルは、シミュレーションを実装するための物理的エンジンとして用いられ得、編物地のコンポーネントベースのモデリングに適合する粒子のモデリング論理を用いる。ニッティングシステム100によって用いられるバネモデルは、バネエンジン116上に記憶されかつ/またはバネエンジン116において実行され得る。
以下により詳述するように、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの物理的挙動および特性を示す情報を直接3Dモデリング環境中に埋設することにより、シミュレーションの実行時においてニット設計との「ライブ」の(例えば、動的なリアルタイムの)相互作用が可能になるように、構成され得る。いくつかの実施形態において、設計コンピュータ102は、このようなステップを行うように構成され得る。例えば、このようなステップは、設計コンピュータ102の演算ツール(例えば、演算ツール333)によって実行され得る。ニッティングシステムは、シミュレーション内の編物コンポーネントの部分へ影響を及ぼし得る力を生成する多様な方法を含み得る。いくつかの実施形態において、ニッティングシステム100は、フックの弾性法則の原理を用いてかつこのような原理基づいて、バネモデルにおける力付与を決定し得る。バネベースの方法は、織物挙動のシミュレートにも用いられ得、これにより、有限要素解析と連携して、プログラム可能な言語(例えば、処理(Java))におけるモデル化およびシミュレーション環境が生成される。
最終的に、本開示の他の態様において、ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)は、アプリケーション(またはソフトウェア/モジュールに適切な他のソフトウェア(例えば、コンパイラ(例えば、コンパイラ108)))を実行して、編み機の標準インターフェースをバイパスすることと、ソースコードを高水準プログラミング言語から低水準の言語(機械コード)へ直接変換することとを行い得る。編み機によって行われるべき編み(または動作)タスクを通常の/標準的編み機インターフェースの利用によって達成することができない場合、このバイパスが実装され得る。そのような場合としては、少なくともパラメータニッティングパターン(例えば、従来の編み機ソフトウェアを通じて設計および/または対処することが不可能な生成的な非反復的大規模の幾何学形状の変動に基づいたパターン)の作製/製造時がある。
本開示の他の態様において、ニッティングシステム100の1つ以上のコンパイラ(または他の適切なソフトウェア/モジュール)は、織物を特定の構成(例えば、容積構成)の形状にするための複雑な3次元幾何学形状を分析および/または処理し得る。これは、例えば(i)容積を形成し、その幾何学形状を制御することと、(ii)容積を共にステッチすることと、(iii)編物コンポーネントの構築および/または製造を行うよう1つ以上の編み機に命令することと、を行う自動ニッティングシステムの提供によって達成され得る。本開示のさらに他の態様において、ニッティングシステム100は、(例えば、ニッティング命令を編み機135へ送信する設計コンピュータ102によって)編み機を用いて、複雑な開発不可能な表面を、個別適合またはステッチの必要性無しに、単一の編物コンポーネントまたは織物物品内に編み得る。ニッティングシステム100は、設計コンピュータ102(またはその内部の演算ツール)を用いて、(i)サンプル形状、ニット組成および/または編物構造を自動サンプリングすることと、(ii)編物構造を1つ以上のニッティング列に切開することと、(iii)1つ以上のニッティングパターンを生成および/または作製することと、を行い得る。
本開示の他の態様において、針コマンドを単一の連続動作として命令するための機械論理を利用する代わりに、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントまたはその一部(例えば、編物構造(単数または複数))を用いて演算モデルを誘導し得る。詳細には、ニッティングシステムは、編み機によって用いられる編物構造反復シークエンス(単数または複数)を用いて、新規のニッティング構造および/または後続の編物コンポーネントを作製/生成し得る。このようにして、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの製造前の設計決定の実装するための、および利用可能な設計オプションをエンドユーザに通知するための、向上した制御および改良された効率的予測レベルを提供し得る。ユーザの範囲を拡大することにより、設計から製作までの編物コンポーネントの一般的設計環境の生成のための基盤が得られ、本ニッティングシステムは、このようなタスクを行う際の技術専門家への従来からの依存を低減/軽減することができる。
II.編物コンポーネントの評価および作製のさらなる例
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、編み機の従来の/標準的ソフトウェアインターフェース(単数または複数)を利用することなく、編み機を用いて編物コンポーネントを生成するように構成され得る。設計コンピュータ102は、2つの一致するファイルを出力する演算ツール(例えば、演算ツール333)を実装し得る。これらのファイルは、いくつかの場合において編み機135が編物コンポーネントを製造する際に必要になり得る。第1のファイルは、詳細な機械レベルの制御言語を含み得る。いくつかの場合において、第1のファイルは、Sintralファイルを含み得、設計コンピュータ102のファイル生成器(例えば、ファイル生成器342)によって生成され得る。第2のファイルは、マトリックスアレイを含み得る。本開示のいくつかの態様において、マトリックスアレイは、編み機のニッティング計画を示すデータを含み得る。このマトリックスアレイは、各ステッチ用針の作用および動作を示しかつ/または表示するデータ(例えば、ジャガードファイル)も含み得る。いくつかの場合において、ジャガードファイルは、設計コンピュータ102のファイル生成器(例えば、ファイル生成器341)によって生成され得る。
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)は、設計者またはユーザが編物コンポーネントの事前規定されたニッティング領域内に設計変更を採用することを可能にするように、構成され得る。また、設計コンピュータ102は、製造されるべきニッティングコンポーネントの外形の形状および/またはスケールと、編物コンポーネントの内容のグラフィック組成とを決定し得る。さらに、ニッティングシステムは、編物コンポーネントを多様な形状およびパターン(例えば、履物アッパーまたはアパレル物品の形状)で製造/作製するように構成され得る。本開示のいくつかの態様において、編物コンポーネントは、矩形形状を含み得る。この矩形形状により、ニッティングシステム100内の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)がニット設計の元々の意図からの変形を評価することができる容易性が向上し得る。ニッティングシステム100は、1つ以上の編物構造を同じ編物コンポーネント内において製造するように構成され得、これにより、同じ編物コンポーネント内に共存し得る多様な編物構造の密度が異なる場合において、織物の2次元(2D)における複雑度が固有になる。作製された編物コンポーネント(単数または複数)の形状維持の重要性は、2Dレイアウトパターン(例えば、履物アッパー)を後に3次元(3D)形態(例えば、履物物品)中へ接続させることに関連する。いくつかの実施形態において、このような2Dレイアウトパターンの3次元(3D)形態への接続は、編み機135または他の適切な縫製機械(図1中図示せず)によって行われ得る縫製によって達成され得る。これは、編物コンポーネントの高精度の再現可能な寸法の達成の重要性の説明および強調の両方を提供する。さらに、縫製前に若干の容積形状を達成するためにニッティングプロセスにおいて用いられることの多い、屈曲部および折り目を含む2D形態を作製する場合、編物構造に変動を生成する編み機の能力への依存に繋がる。そのため、本開示の目的は、編み機を介した3D形状の作製に関連する。
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム中の入力デバイス(例えば、入力デバイス109)により、ユーザ/設計者が編物コンポーネント内の異なるステッチ組み合わせの分布を制御することが可能になり、ユーザインターフェース(例えば、UI115)を介して編物構造/パターンを視覚化した後に編物コンポーネントを物理的にニッティングまたは作製することが可能になる。従来の設計および/または視覚化ツールの場合、静止状態の編物地の物理的挙動のミューレートを試行していない。同様に、従来の設計システム下においては、異なる編物構造を組み合わせることは、特に、伸縮性および変形を考慮に入れて異なる編物構造の性能挙動を考慮する場合、相当なノウハウおよび技術的専門知識を必要とする。その結果、実際の編物/製造前に編物地の設計パターンの「スケッチ」および編物地の挙動の予測を行う従来の試行の場合、厄介であり、時間がかかりかつ非効率であることが判明している。なぜならば、このプロセスを行うには、意図されるニット設計に正確に対応する物理的外観を有する編物コンポーネントを作製するために、1つ以上の編み機を用いて製造試行を反復する必要が一般的にあるからである。実際、経験豊富な編み職人および/または技術専門家の関与を以てしても、上記の従来の「スケッチ」アプローチの場合、編物構造/パターンの複雑度と、編み機によって作製される編物コンポーネントのステッチパターンとに基づいて、適切な形状の編物コンポーネントを作製するための反復を多数回行う必要が未だにある。
例えば、図4Aに示す例示的ニッティング設計(例えば、ニット設計402)は、編物コンポーネントの作製/製造のためにニッティングシステム100によって用いられ得る。図4Bに示しかつ以下にさらに詳述する編物コンポーネント404および406は、設計402中の各色に割り当てられた編物構造(ステッチ)の変動であるため、全体的な形状および変形の変動を提供する。いくつかの場合において、ニット設計402は、初期は任意の編物構造無しに受容され、グレイスケール定義に従ってソフトウェアにより個別のニット構造が割り当てられ得る。すなわち、より濃い色の領域のグレイスケール表現は、より凝縮されたニット構造を示し得る一方、より淡い色の領域は、網状の(またはより低密度の)ニット構造を示す。このパラメータは、ユーザによって制御および変更が可能である。加えて、本明細書中に述べるように、ユーザは、色(例えば、編み糸色)をニット設計へ割り当て得る。図4Bに示す2つの編物コンポーネント(例えば、編物コンポーネント404、406)は、編み機によって異なる編物構造を用いて作製されたものであるため、編物コンポーネント404および406それぞれにおいて織物外形の異なる形状が得られる。図4Bに示すように、編物コンポーネントは、全体的織物の異なる寸法も相互に含む。図4Bに示す例において、両方の編物コンポーネントサンプル(例えば、要素404、406)は、編み機により3つの異なる色の3つの同一編み糸を用いて編まれている。そのため、少なくとも図4Bに示す例示的ニット設計402において、ニット設計へのニット構造のこの特定の割当は、編物コンポーネントの製造に異なる色の編み糸/材料が用いられる場合、編物コンポーネントの全体的寸法へ若干影響を及ぼす。
本ニッティングシステムの少なくとも1つの目的は、設計、設計変動、編物構造割当および産業用製造/作製間の接続性に焦点を合わせて編物コンポーネント/織物の演算パラメータ作製を試験/評価する機構を提供することである。本開示のいくつかの態様において、設計コンピュータ102のデータ出力(例えば、機械コード)は、編み機へのニット設計および命令間のライブかつ/またはリアルタイムの通信関係を維持し、また、ニット設計(またはユーザインターフェース)環境における任意のパラメータ変動を同時に更新する。これは、既述したように、産業用ニッティングプロセスに関与する様々な職業人、専門家または技術者による複数の手動によるデジタル変換を必要とする従来のニッティング織物プロセスとは対照的である。
本明細書中に記載のニッティングシステムの別の目的は、編物製品のフィット感および/または性能を改良するように編み機を動作させるためのデジタルカスタマイゼーションおよび/またはユーザインターフェースを向上させることである。本開示のいくつかの態様において、均質のニッティングパターンを用いる場合、編物コンポーネントの物理的属性(例えば、弾性、材料種類、引っ張り強度、伸長性、柔軟性、耐久性など)が主要なニッティングコマンドと共に一定であれば、同一の編物/織物構造内の材料(例えば、編み糸)の色分布のパラメータ変動をより容易に達成することができる。これと対照的に、編物構造のパラメータ分布は、編物コンポーネントの性能態様を変化させ得、高性能製品(例えば、履物および着用可能なアパレル)の編物コンポーネントの設計時においても有用である。よって、従来の設計/作製方法を使用する代わりに、編物コンポーネントの編物構造を変更することにより、フィット感の問題(例えば、グリップ感向上、運動規制およびガイダンス、カスタマイズされたサポート、不規則/非対称的な人相へのマッチングなど)に対してより上手く対処することが可能になり得る。
A.編物パターン生成のためのマトリックスデータ構造のアプローチ
ニッティングパターン/構造の設計に際して、本明細書中に記載のニッティングシステムは、入力デバイス(例えば、入力デバイス109)を用い得る(例えば、多重データ種別のソース(例えば、数ベクトル、および/またはラスタベースのデータソース)を用いることが可能なパラメータ相互交換可能な入力デバイス)。編物コンポーネントを作製せよと編み機へ命令するための複数の設計入力が、柔軟な設計プラットフォームの使用は概念において見受けられ、多様な種類のデータ入力ソース(例えば、顧客フィードバックデータ、センサーデータ、個性化された身体スキャンなど)が採用され得る。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、同一の織物または編物コンポーネント内の異なる編物構造のパラメータ分布の可能性を提示/予測するためにグレイスケール画像(および/または他の種類の画像または入力データ)を用い得る。いくつかの例において、グレイスケール画像(および/または編物コンポーネントの生成に用いられる他の入力データ)は、相互交換可能であり得る。さらに、例えばUI115および/または設計コンピュータ102を介して提供され得るユーザ制御オプションにより、ユーザが編物コンポーネント内の編物構造分布を制御することが可能になり得る。
上記したように、図3Aに示す例示的ニッティングプロセッサ演算ツールパイプラインの入力段階302において、ニッティングシステム100は、入力デバイス109を介して入力データ(例えば、入力データ/ファイル332)を入手する。その後、ニッティングシステム100またはその内部の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)は、入力データを処理して、出力ファイル(2次元マトリックスアレイを含む)を生成し得る。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、一意の文字および/または識別子をマトリックスアレイ中の1つ以上のルブリックへ割り当て得る。いくつかの場合において、設計の各ピクセルは、スケール閾値に従って濃い色、中程度の濃さの色または淡い色として定義された後、一意の字/文字が割り当てられる。各一意の字/文字は、マトリックスアレイの形成に用いられるコマンドのアレイに対応する字の小型アレイへ拡張される。ルブリックは、初期ニッティング領域を小さな正方形に細区分することを含み得、これらそれぞれには、編物構造と関連付けられた一意の文字としての字が割り当てられる。ユーザ/設計者は、ニッティング構造の数と、その分布論理とを制御し得る。例えば、ルブリックは、画像またはデータファイルに従って分配され得、ユーザは、基本的に色ピクセルを構造「ルブリック」またはコンポーネントと交換することにより行われる画像のフィルタリング様式を選択し得る。これらのルブリックは、異なるステッチ構造をニット設計(例えば、ニット設計402)中の領域へ割り当てる機構として機能する。これは、ニット設計中の色を必要なルブリックへ割り当てることによって達成される。例えば、この割当は、(i)ピクセル色のフィルタリング、(ii)パラメータ式の使用または(iii)設計者に従った必要な割当情報の手動によって行われる。いくつかの場合において、ニッティングシステム100は、マトリックスアレイ中の各ルブリックに一意の文字および/または識別子を割り当て得る。ニッティングシステム100によって割り当てられる一意の文字および/または識別子の数は、編物コンポーネントの製造/作製のために実装される異なる編物構造の数に対応し得る。図3Bに示すように、要素334は、入力データ(例えば、要素332)および/またはニット設計に基づいて出力として生成され得る一意の文字の例示的データ構造(例えば、マトリックスアレイ)を示す。マトリックスデータ構造は、図3Bの要素331によって示すように、設計コンピュータ102上に記憶され得る。
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの異なる編物構造を特定のデータ入力またはファイル(例えば、ラスタ画像)に関連して分配するための決定および/または割当論理を実行し得る。ニッティングシステム100によって行われるこの分配は、グレイスケールトーンおよび/または他の入力データのサンプリングを通じて達成され得る。図3Aについて上記したように、ニッティングシステム100は、このようなサンプリングを、ユーザインターフェース115を介してニッティングプロセスまたは演算ツールパイプラインのサンプリング段階(例えば、段階304)において行い得る。一例として、16ビットのグレイスケール画像は、2つの所定の値の間(例えば、ゼロ(0)~一(1)の間)で260,000個を超えるトーン値を含む。編物コンポーネントの設計/作製のために比較的少数の編物構造が用いられる場合、ニッティングシステム100は、グレイスケール値の再サンプリングのための閾値機構を、設計者またはエンドユーザが編物コンポーネント中に含めたいと思う編物構造の数と一致した数へ適用し得る。
ニッティングシステム100は、閾値機構、一意の文字および/または識別子の1つ以上の閾値を割り当て得る。いくつかの場合において、設計コンピュータ102は、各閾値に一意の文字および/または識別子を割り当て得る。いくつかの実施形態において、ニッティングシステム100が一色の単一の編み糸を含む編物コンポーネントを評価すると、ニッティングシステムは、編物コンポーネントの編物構造を密度別に自動配置し得る。例えば、ニッティングシステム100は、編物構造を最も高密度の構造および/または不透明の構造から、最も低密度の構造かつ/または網状構造へ配置するように構成され得る。そのため、編物構造の分布は、編み機(例えば、編み機135)による製造時においてピクセル化された編物コンポーネントまたは織物として視覚的に出現し得る画像のグレイスケールトーンレベル(または他の入力データ)に対応し得る。本開示の他の態様において、ニッティングシステム100は、例えば編物コンポーネントが一色の単一の編み糸を含む場合に編物コンポーネントの編物構造を密度別に整列させてはとの提案または推奨を設計者またはエンドユーザへ推奨し得る。
上記した一意の文字マトリックスデータアレイを再度参照して、ニッティングシステム100は、このマトリックスデータ構造を標準的な行番号が付されたジャガードファイルフォーマットへ自動変換し得る。例えば、図3Bに示すように、(要素334によって示す)マトリックスデータ構造は、要素336によって示すような別個のファイルフォーマットへ変換され得る。いくつかの場合において、設計コンピュータ102またはニッティングシステム100の他の適切な演算デバイス(単数または複数)上において実行される演算ツール(例えば、演算ツール334)は、マトリックスデータ構造331をジャガードファイルフォーマットへ変換し得る。いくつかの場合において、マトリックスデータ構造の変換は、ファイル生成器341によって行われ得る。ニッティングシステム100によって生成されたジャガードファイルは、文字のアレイによって構成され、この文字のアレイは、編み機135によって行われるべき任意の特定のニッティングタスクの1つ以上のニッティングコマンドを含む2次元空間を示す。このアレイ中の文字列は、編み機135の動作順序順に提示され得る。この動作順序により、ニッティングが図5Aに示す配列に示すように下側から上側へ列毎および文字毎に行われ得る。詳細には、図5Aは、2ニット構造(構造A-要素510、および構造B-要素520)の配列の針コマンド表記を示し、各構造の1サイクルを示す。さらに図5Aに示すように、アレイの各文字は、編み機135によって行われる作用/動作(例えば、ニット構成)、例えば、図2に示す多様なニット構成を規定する。編み機135の1つ以上の針は、例えば以下のような多様な動作を行い得る:
● 縫上-以前にループを保持しているかまたは何も保持していない針へ新規編み糸を付加する動作;
● 編み-以前に針によって保持されたループを通じて新規編み糸を引き込むよう針に命令する動作であり、これにより新規ループが形成される;
● 外れまたは浮き-針に作動しないよう命令する動作であり、これにより、新規編み糸が引き込まれることなく横方向に通過する。
● 目移し-保持されたループ(単数または複数)を通過して、空であるかまたは既にループ(単数または複数)を保持している隣接針へ移動するよう針に命令する動作。特定の編み機の場合、同一針床上の針へループを送ることができない場合があり、その場合、2ステップ動作が必要がある。
● 分割-ニット動作および目移し動作を組み合わせて単一の動作にする動作。分割動作は、元々のニッティング針内のループの保持を失うことなく、針にループを通じて反対側の針床上に編むよう命令する。
本開示のいくつかの態様において、編み機コマンド/動作が2倍にされる。詳細には、ニッティングシステム100は、編み機135の前方床および/または後方床上に位置する針について異なる一意の文字を割り当て得る。そのため、機械レベル制御ファイル(例えば、Sintralファイル)は、ジャガードファイルからマトリックスアレイの位置およびニッティングコマンドに関する情報を連続的に入手および評価する。
図5Bは、要素512および522を介して、図5Aに示すマトリックスデータ構造A(要素510)およびマトリックスデータ構造B(要素520)によってそれぞれ示される機械動作に対応する技術的注釈を示す。これらの注釈は、標準的な技術ステッチ注釈を示し、各記号は、編み機上の特定のニッティング針によって行われる単一のニッティングステッチを表現/提示し得る。このような図5Bに示す技術的注釈を介したニット織物/コンポーネントの「例示」は、特定の編物/織物構造のユーザへの伝達と、さらには編物コンポーネントの意図される作製/製造の実行のための編み機135をプログラミングする際に、このような情報の伝達とのために用いられ得る。要素512および522に対応する図面は、(編み機135の)2つのニッティング床の簡単な上面図であり、編み糸ラインは針作用/動作を示す。詳細には、上記したように、図5Bに示す例示は、各編物構造/パターンの1サイクルを示す。
編物コンポーネントの作製において、ニッティングシステム100は、単一の針動作の決定ではなく編物「ブロック」構造の特定に依存し得る。そのため、本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、最終的な編物コンポーネントにおける各反復編物構造について針コマンド動作の線形アレイを割り当て得る。これは、編物構造(単数または複数)が順番に反復される場合に特に関連する。よって、ニッティングシステム100は、針コマンド動作の小型アレイにより、マトリックスデータ構造の1つ以上の一意の文字をパース(parse)することができ得る。例えば、設計コンピュータ102は、(ジャガード)ファイル生成器341を介して、針コマンド動作の小型アレイによりマトリックスデータ構造の各一意の文字をパースすることができ得る。
ニッティングシステム100は、編物パターン/構造を分析し、最小の反復「ブロック」に分解し得る。例えば、図5Cに示すように、要素532は、ニット設計534の一部の反復ブロックの例示的レンダリングを示す。本例において、ニット設計は、対応するステッチ構造データを既に含み得る。このデータは、例えば(i)画像およびステッチ割当から発生する場合もあれば、あるいは(ii)パラメータ式または設計者(ユーザ)によって直接生成される場合もある。これらの反復ブロックのうち1つ以上は、1つ以上の針動作からなり得る。いくつかの場合において、反復ブロックはそれぞれ、1つ以上の針動作からなり得る。異なる編物構造を異なるコマンド動作論理と共に1つの出力ファイルとして組み合わせることができる場合、1つ以上のマトリックスアレイは、異なる寸法を有し得る。そのため、このような場合、ニッティングシステム100は、各ニッティングアレイの幅および長さ両方について公分母を用い得、これにより、最終的に編物構造(または対応するコマンド論理)の全ての組み合わせは、統一された矩形マトリックスをその境界において形成し得、これにより、ニッティングパターンの歪みを低減および/または回避する。
本開示の他の態様において、特定の/サンプル編物コンポーネントの分解能を改良するために、ニッティングシステム100は、(i)反復パターンのサイクルを中断することと(ii)元々のパターンのより小さなセグメント(またはサブブロック)を編物構造へ付加することとにより、編物パターンをその個別の視覚的コンポーネントを超えてさらに分解または「ブレークダウン」し得る。例えば、図5Cに示すように、編物コンポーネントのニット設計のさらなるブレークダウンがニッティングシステム100によって編物コンポーネントの幅方向に導入され得、これにより、編物コンポーネントのフェース上に示される画像の分解能および比率が変更され、これにより分解能が増加したニット設計を含む編物コンポーネント(例えば、編物コンポーネント530)が得られる。例えば、図5Cを参照して、要素532は、元々のニット設計(例えば、設計534)の一部について1つ以上の編物構造を含む反復ブロックの例を示す。要素532は、複数の反復セルと、ニットパターンの4セルブロックによって構成される単一のニット構造(例えば、要素535)とを含む。
編物コンポーネントの設計分解能の向上のために、上記したように、ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、消費者デバイス102)は、ニット設計534の1つ以上の部分を分析して、ニット構造537および539によって示すように、ニット構造535をより小さなセグメントまたはサブブロックに分解またはブレークダウンし得る。これらは、矩形形状を幅方向に有する2セルブロックによって構成される。図5Cに示す対応するニット設計538から分かるように、新規編物構造の形成のために元々の設計における編物構造の分解と編物構造の一部の再アセンブリとを組み合わせることにより、ニッティングシステムによる最終的なニット結果の画像/設計の分解能の向上が可能になる(例えば、図5Cに示す編物コンポーネント(例えば、要素530))。このように編物コンポーネントの編物構造の「ブレークダウン」または分解プロセスをニッティングシステム100によって行い、その後編物構造/組成の1つ以上の部分を編物コンポーネント内の異なる編物構造/組成の他のフラグメント/部分と再アセンブリすることにより、編物コンポーネントにおける現在の編物構造の異なる部分の再アセンブリに基づいて、ニッティングシステム100が新規の編物構造/組成を生成することが可能になり、よって、新規の編物構造およびパターンが共に編物コンポーネント中に生成される。換言すると、ニッティングシステムは、相互に配置され得るかまたは配置され得ないニッティングステッチを業界における慣習に従って検討し、現在の設計/組成に矛盾がないことを確実にする。さらに、ニッティングシステムは、設計者/ユーザとニッティング「規則」または編み機制限とに従ってステッチを再アセンブリする。
上記したように、ニッティングシステム100は、機械レベル制御ファイル(Sintral)生成器(例えば、ファイル生成器342)を用いて、(i)最終的なジャガードファイルと、(ii)初期キャンバス/織物/編物コンポーネントの長さおよび幅寸法と、(iii)統一された構造寸法(両方向における公分母)と、(iv)編み機パラメータと、を編み機への入力として入手し得る。編み機パラメータは、編み機と関連付けられた多様なメトリック(例えば、機械の全体幅、織物テイクダウン、ニッティングおよび目移し速度および/または針カウンタ)を含み得る。これらのパラメータおよび他の機械情報は、ニッティングシステム中の1つ以上の演算デバイス(例えば、図3Cの要素343によって示すような設計コンピュータ102)中に記憶され得る。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、この情報をパラメータとして機械コードファイルテンプレート中の特定の位置(例えば、Sintralファイル)に記憶する。このようなパラメータを機械コード中へ記憶する従来と異なるプロセスにより、エンドユーザまたは設計者は、編み機の動作時における制御の向上と、反復間に機械によって行われるニッティングの動的変更とを行うことが可能になる。編み機135は、編物コンポーネントの製造のために、消費者設計102からの出力(例えば、Sintralファイル)を用い得る。これを図3B中に要素336および338によって示す。
B.織物挙動の視覚化およびシミュレーション
上記したように、編物地は、詳細には長尺の連続する内側ループ状編み糸に起因して一意の特性を有し、その結果、織物の全体的挙動に影響を及ぼし得る。これらの特性に起因して、編物コンポーネントは非線形の3次元キネマティクスを有し得る。
ニッティングシステム100によって用いられるシミュレーション機構は、編物コンポーネントの物理的挙動の視覚化のために、ニッティングシステムによって生成された一意の文字ドットマトリックスを入力として取得する。よって、マトリックスアレイの予期される正方形論理とは異なる各ニット構造について特定の商があり得る場合、ニッティングシステム100は、(ルブリックの細区分について上記に部分的に述べたような)初期マトリックス中の各セルを特定の矩形測定へ変換することができる。本開示のいくつかの態様において、シミュレーションのモデル化の前に、ニッティングシステム100は、編物サンプル寸法を示すデータを入手し得る。これらの寸法は、編物コンポーネントまたは織物が弛緩した状態で測定される。ニッティングシステム100は、このデータを用いて、各編物構造について、各編物構造について特定かつ一定である一意のアスペクト比を決定し得る。
編物コンポーネントの歪みの原因となる内力のシミュレートのために、ニッティングシステム100は、(編物コンポーネントの演算表現(例えば、CAD)における)メッシュエッジを用いて、上記力を物理的にシミュレートするシミュレート対象のバネのグリッドを生成し得る。ソフトウェアツールによる幾何学的情報の表示方式(例えば、CADまたは一般的方式)は複数ある。本明細書中記載のように、メッシュエッジ(例えば、多角形/ピクセルモデル化)を用いてグリッドを生成することができる理由として、メッシュエッジからバネ計算への変換において、システムに特定のサイズ情報が必要になり得る点がある。これは、(3Dオブジェクトの一般的な数学的表現を示す)非一様有理Bスプライン(NURB)面のメッシュへの変換を通じて達成され得る。一般的に、オブジェクトがCADプログラム中へスキャンされる場合、NURBSにより初期にスキャンされる。各メッシュエッジの各長さは、ニッティングシステム100により、フックの弾性法則に基づいたバネへ変換される。いくつかの場合において、この変換は、ニッティングシステム100内の演算デバイス(例えば、バネエンジン116)によって行われ得る。ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、バネエンジン116)は、バネを力オブジェクト(force object)としてシミュレートし得、メッシュ全体をニッティングシステム100によって用いて、編物コンポーネントの幾何学形状全体の視覚化が可能になり得る。このシミュレーションの出力は、変形の原因となり得る編物構造の割当前のコンポーネントの意図される設計に相対して、バネによって変形された編物コンポーネントの新規な幾何学形状を含み得る。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100および/またはその内部の1つ以上の演算デバイス(例えば、バネエンジン116)は、ニッティングシステムが均衡に到達するまでに、動的な反復シミュレーションを生成し得る。図5Dは、作製された編物コンポーネント(例えば、要素552)の画像に隣接する編物コンポーネント(例えば、要素550)のバネベースのシミュレーションの視覚化からの静止画像を示す。図5Dに示すように、この例示的試験は、シミュレーション画像550と、編物サンプル552の変形挙動との間の相関を示す。
C.編物コンポーネント設計のための補償方法
物理的エンジンシミュレーションをニッティング設計およびニッティング作製のプロセスと統合することにより、ニッティングシステム100は、ユーザが編物コンポーネントの変形挙動をニッティングコンポーネントの作製/製造開始前に視認することを可能にする。
本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、第1の補償方法(例えば、「列複製」方法)を用いることにより、ユーザが織物または編物コンポーネントの外形形状を制御することが可能になる。この第1の補償方法は、差分列複製に基づいており、いくつかの場合において、高さが異なるニット構造を含む編物コンポーネントにとって好適な方法であり得る。この補償方法は、割り増しの長さを得るために列複製が行われる編物コンポーネントおよび各ニット構造の領域を選択的に選択することを含む(例えば、シミュレーションプロセスにおいて「より短い」ことが判明した領域内のもの)。ニッティングシステム100によって生成された機械コード(ジャガード)は、より短いニット構造内の列を戦略的に複製することにより、高さの差を補償する。本明細書中に説明するように、システムは、1つ以上の編み機へ伝送される最終的なニッティング命令として機械コードを生成する。その結果、ニッティングシステム100は、異なるニッティング領域の異なる数の列を1つの連続プロセスにおいて編み得る。この列複製方法により、ニッティングシステム(例えば、設計コンピュータ102)が1つ以上のジャガードファイルの変更または改変を行うことが可能になる。ジャガードファイルは、各列における各針において編む対象を知るために、編み機によって用いられる1組の記号を提示および/または包含し得る。ここで述べるように、ニッティングシステムは、ジャガードファイルを補償方法に従って改変および初期化し、システムは、この改変に基づいて新規ジャガードファイルを生成し得る。
本開示の他の態様において、ニッティングシステム100は、第2の補償方法(例えば、「ステッチ密度」方法)を用いることにより、設計者またはエンドユーザが編物コンポーネントの外形形状を制御することが可能になる。この第2の補償方法は、編物コンポーネントのステッチ密度の動的制御のための新規情報層の自動生成に基づく。このステッチ密度情報層情報は、ニッティング領域のビットマップの別の発生を、ジャガードファイルに類似するがステッチ密度情報を備える、設計における各ステッチ(針作用)についての個別のステッチ密度情報を用いて示す。いくつかの場合において、編み機は、ステッチ密度情報を含むようにジャガードファイルの任意選択の特定の伸長を行うことを含み得る。編み機において数値制御することが可能な編物コンポーネントのステッチ密度を変更することにより、ニッティングシステムは、ニッティング針によって生成される編み糸のループが締結されるかまたは解放されるかを制御し得る。ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの全体的幾何学形状を複製し情報をステッチ密度値へ変換することにより、この情報の初期の新規層を自動製作し得る。上記したように、いくつかの場合において、この新規情報層は、ジャガードファイルのコンポーネントまたは伸長として機能し得る。よって、編物コンポーネントは、そのパターン/設計外観/編物構造を変化させ得ないものの、編物コンポーネント内の締結度の分布が変化し得る。そのため、ニッティングシステム100は、ステッチ構造および全体的設計を変更することなく、パターン中の各ステッチの個別のステッチ締結度マッピングを製作し得る。いくつかの場合では、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの選択された領域内のみにおいて、編物コンポーネントのステッチ密度を改変し得る。さらに、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントのステッチ密度の変更を、ジャガードファイルに類似するさらなるファイル中に記憶することができ、これにより、編み機135のステッチ制御を規定する値の新規の差分密度マトリックスが提示される。
編物コンポーネントの静止長さ(rest length)は、ニッティングシステムによって自動測定され得る。いくつかの場合において、静止長さの測定は、手動で行われ得る。追加的にまたは代替的に、自動測定の較正目的のため、手動で測定された静止長さを自動測定と比較することができる。本開示のいくつかの態様において、静止長さ測定は、ニッティングシステム(例えば、UI115またはバネエンジン116)によってバネ定数を規定するパラメータとして用いられ得る。例えば、システムは、複数の静止状態の編物コンポーネントのサンプリングにより、静止長さ測定を決定し得る。システムは、これらの値を正規化し得、これらを適切な記憶領域中に記憶し得る。下記の表1は、図5Eに示す複数の異なる編物構造(例えば、構造1~7)の静止長さ測定の例示的リストを示す:
Figure 0007282811000001
多様な補償方法の評価(例えば、「列複製」方法および「ステッチ密度」方法)は、ニッティングシステム100によって以下のような数学モデルを用いて測定およびスコア付けされ得る:
Figure 0007282811000002
Figure 0007282811000003
Figure 0007282811000004
上記に式(1)に示すように、第1のアスペクト比(「AR」)は、ニッティングシステム100によって、初期ニット設計形状の初期面積(「a」)を測定し、この値を編物コンポーネントの最大幅(Wmax)によって除算して測定され得る。ニッティングシステム100が補償方法(例えば、上記した「列複製」および「ステッチ密度」方法(またはこれらの組み合わせ))を実装した後、ニッティングシステム100は、式(2)を用いて設計形状(「AR`」)の第2の/更新されたアスペクト比を計算するために、編物コンポーネントの新規面積(「a`」)および新規幅(「Wmax`」)を決定し得る。式(3)を用いて、ニッティングシステムは、第1のアスペクト比および第2のアスペクト比の商(すなわち、「ARR」スコア)を決定し得る。設計意図とシミュレーション(ARR)との間のこのアスペクト比の商は、これら2つの比が同一である範囲までは一(1)に近づく傾向がある。ニッティングシステムは、初期面積(「a」)と新規面積(「a`」)との間の面積差(「ADR」スコア)も決定し得る。いくつかの場合において、ニッティングシステムは、元々のニッティング形状からの偏差の面積に基づいてADRスコアを決定し得るため、このADRスコアがゼロ(0)に近いほど、補償がより高精度になる。
ニッティングシステムによって測定されたこれらのスコア値は、従来のシステムにおいて用いられるトライアルアンドエラーの反復プロセスの短縮または低減のために用いられる。しかし、これらのスコアの場合、新規ニッティングプロトタイプの開発時においてニッティングシステムがプロトタイピングに基づいた創造的なワークフローを維持することが可能である。スケールアップ時において、このニッティングシステムは、(経験豊富な設計者および編み職人と対照的な)エンドユーザによるニッティング特性の改変に関連し続ける。
追加的にまたは代替的に、補償方法(例えば、「列複製」および「ステッチ密度」方法)の評価は、ニッティングシステム100によって以下の数学モデルを用いて測定およびスコア付けされ得る:
Figure 0007282811000005
いくつかの場合において、このモデルの式1の結果、ゼロ(0)~一(1)の小数値が得られた場合、システムは、下記の式(2)に示すように、全ての得られる値が一(1)を超えるように式の逆数値を決定し得る。
Figure 0007282811000006
式1を再度参照して、初期設計形状の総面積(a)は、最大幅の2乗((Wmax))によって除算され、幾何学的比率(GAR)が測定される。編物コンポーネントが正方形をしている場合、GAR値は(1)一に等しくなり得る。他の形状の場合、GAR値は、最大幅と形状の平均長さとの間の数値比を反映し得る。ニッティングシステムが補償戦略を実装した後、新規面積および幅が決定され、テンプレート/サンプル編物コンポーネント(例えば、完全な正方形形状の編物コンポーネント)と比較され得る。元々の形状からの変形形状の偏差(面積差比率(ADR))の測定により、さらなる幾何学的偏差パラメータを決定することができる。元々の形状および変形した形状を重ね合わせ、これら2つの間の面積の絶対差それぞれを合計し、ニッティングシステムによって正規化する:
Figure 0007282811000007
式3(上記)に示すように、dif(a-a’)は、元々の正方形縁それぞれに対する面積差であり、Aは、元々の正方形の面積である。よって、ADRスコアが(0)ゼロに近い場合、形状(例えば、元々の形状、および補償戦略が適用された編物設計の形状)が相互により良く類似しているため、補償方法がより高精度になっていることを示す。これらのスコアの使用により、新規ニッティングプロトタイプの開発時における研究開発へ向けた、プロトタイピングに基づいた創造的なワークフローおよび全体的アプローチを維持しつつ、試行錯誤の反復プロセスの短縮が可能になる。
図6Aは、ニッティングシステム100が編物コンポーネントの変形挙動を作製前に予測する際に用いられる異なる補償方法を示す。例えば、所望のニットパターン602は、ニッティングシステム100によって作製されるべき特定のニット設計を示す。ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイス(例えば、設計コンピュータ102)は、ニットパターン602に従って行われる補償方法のうち1つ以上の評価スコア(例えば、ADRスコアおよびARRスコア)と、補償方法が適用されていないニット設計の評価スコアとを決定し得る。追加的にまたは代替的に、設計コンピュータ102は、補償方法の組み合わせに基づいてニット設計602の評価スコアを決定し得る。
図6Aに示すように、要素604は、編物コンポーネントの予測される変形挙動を作製前に視覚的に示す改変されたニット設計を示し、要素606は、適用された補償方法に基づいて編み機によって実際に製造された対応する編物コンポーネントの画像を示す。この変形は、ニットパターンの多様な部分への特定のニット構造の割り当てに基づいて決定される。ニットパターンの各部分において、異なるニット構造が割り当てられることにより、編み機からの取り外し時、および一定の弛緩時間後に、各部分が異なるサイズに変形する。例えば、要素604Aは、元々のニット設計602の画像を示し、この画像は、補償方法を適用せずにニッティングシステムにより決定されるような、予測される変形領域(赤色および黄色により示す)および評価スコア値(例えば、ADRおよびARR)を含む。図6A~図6Eに示すように、予測される変形領域は、色コード付け(例えば、赤色および黄色)され得る。図6A~図6Eに示す礼において、黄色は、シミュレーション中に存在していない元々の(意図される)設計中の領域(換言すると、編物コンポーネントの収縮)を示し得る。同様に、これらの例において、赤色は、意図される設計に存在しないシミュレーション中の領域を示し得る。要素606Aは、編み機によって製造された得られる編物コンポーネントを示し、図6Aから分かるように、製造されたニッティングコンポーネントの変形挙動は、ニッティングシステムによって予測される挙動と一貫している。別の例として、要素604Bは、元々のニット設計602の画像を示し、この画像は、ニッティングシステムにより「列複製」補償方法を用いて決定されるような、予測される変形領域(赤色および黄色により示す)および評価スコア値(例えば、ADRおよびARR)を含む。要素606Bは、編み機によって製造された得られる編物コンポーネントを示し、図6Aから分かるように、製造されたニッティングコンポーネントの変形挙動は、ニッティングシステムによって予測される挙動と一貫している。
ここで図6D中の例を参照して、要素605Aは、元々のニット設計602の画像を示し、この画像は、補償方法を適用せずにニッティングシステムにより決定されるような、予測される変形領域(赤色および黄色により示す)および評価スコア値(例えば、ADRおよびGAR)を含む。要素606Aは、編み機によって製造された得られる編物コンポーネントを示し、図6Dから分かるように、製造されたニッティングコンポーネントの変形挙動は、ニッティングシステムによって予測される挙動と一貫している。別の例として、要素605Bは、元々のニット設計602の画像を示し、この画像は、ニッティングシステムにより「列複製」補償方法を用いて決定されるような、予測される変形領域(赤色および黄色により示す)および評価スコア値(例えば、ADRおよびGAR)を含む。要素606Bは、編み機によって製造された得られる編物コンポーネントを示し、図6Dから分かるように、製造されたニッティングコンポーネントの変形挙動は、ニッティングシステムによって予測される挙動と一貫している。
さらに別の例として、図6Aに示すように、要素604Cは、元々のニット設計602の画像を示し、この画像は、ニッティングシステムにより「ステッチ密度」補償方法を用いて決定されるような、予測される変形領域(赤色および黄色により示す)および評価スコア値(例えば、ADRおよびARR)を含む。要素606Cは、上記のステッチ密度補償を用いて編み機によって製造された得られる編物コンポーネントを示し、図6Aから分かるように、製造されたニッティングコンポーネントの変形挙動は、ニッティングシステムによって予測される挙動と一貫している。さらに別の例として、要素604Dは、元々のニット設計602の画像を示し、この画像は、ニッティングシステムにより列複製方法とステッチ密度補償方法との組み合わせを用いて決定されるような、予測される変形領域(赤色および黄色により示す)および評価スコア値(例えば、ADRおよびARR)を含む。要素604Dは、編み機によって製造された得られる編物コンポーネントを示し、図6Aから分かるように、製造されたニッティングコンポーネントの変形挙動は、ニッティングシステムによって予測される挙動と一貫している。
図6Bおよび図6Cは、異なるニット設計(例えば、ニット設計612および622)を有する編物コンポーネントの変形挙動を予測するためにニッティングシステム100によって用いられる異なる補償方法のさらなる例を示す。
図6Eおよび図6Fは、異なるニット設計(例えば、ニット設計612および622)を有する編物コンポーネントの変形挙動を予測するためにニッティングシステム100によって用いられる異なる補償方法のさらなる例を示す。
ニッティングシステム100の1つ以上の演算デバイスが、新規編物パターンを生成するように構成され得る。例えば、消費者デバイス102(またはその内部において実行される演算ツール(設計ツール333))は、新規編物パターンを生成するように構成され得る。ニッティングシステム100は、(i)編物コンポーネント(またはニット設計)内の編物構造を特定することと、(ii)これらの編物構造を小さな反復可能なアセンブリへ「ブレークダウン」することと、(iii)これらのフラグメント化された部分(またはサブブロック)を再度組み合わせて、新規の予測不能の可能性のある編物構造/パターンを得ることと、によって既知の編物パターンを生成し得る。新規の編物構造/パターンの生成のためのこのアプローチは、編物構造分布および設計可能性の点においてニット設計パターンの応答性をより高めることにより、ニット設計パターンの分解能を洗練または向上させる上記プロセスと類似する。ニッティングシステム100により編物構造を最高分解能の最小の反復パターンに切開/分解するためのさらなる方法を生成することとして、異なる構造特性(例えば、透明性、密度およびテクスチャ)を用いて異なる構造間の円滑な移行のためのモデルの開発もある。
重要なことに、本ニッティングシステムの目的は、ニット設計プロセスに円滑かつ自動化された方式で参加することが可能なエンドユーザ(単数または複数)との係わり合いを可能にすることである。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステム100は、多様な種類の入力データ(例えば、リアルユーザに基づいたデータ)から導出されたニットを生成するために、本明細書中に記載の生成パターン作製プロセスを用い得る。例えば、ニッティングシステム100は、編物コンポーネントの作製のためにセンサー駆動型ニッティング情報を生成し得る。他の種類の情報(例えば、エンドユーザから提供される、より高い性能についてのエンドユーザの選好および要求を反映したデータ)を、上記したニッティングプロセス中に用いてもよい。
図7は、ニット設計本開示の1つ以上の態様による、ニット設計の改変のための例示的インターフェースを示す。ユーザインターフェース700は、編み機画像735、色基準パレット710、1つ以上の色ベクトル(例えば、ベクトル715)、ニット構造を示すインターフェースの部分(例えば、ニット構造720)、およびニット設計のレンダリングを示す表示部701を含む。ユーザインターフェース700は、多様な設計選択を示すアニメーションと、ユーザが設計プロセス中に行った選択とを表示し得る。理解されるように、ユーザインターフェース700のコンポーネントは、ユーザインターフェース115によって提供される対応するコンポーネントの同一または類似の特徴および機能を含み得る。
別の例として、ニット構造720は、本明細書中に記載のニット構造と同一または類似の特徴および/または組成を含み得る。例えば、図7中図示していないが、ニット構造720は、ニット構造と関連付けられた情報(例えば、ニット構造を含む、基礎となるニット組成または反復ブロック)を含み得る(かまたは表示し得る)。いくつかの場合において、ユーザは、特定の色値(例えば、編み糸/材料色)を特定のニット構造へ関連付ける(または割り当てる)ために、ユーザインターフェース700中において色ベクトル715を引き出し得る。色ベクトルの引き出しまたは改変後、ユーザインターフェース700は、要素736によって示すような編み機画像735の1つ以上の部分中に配置された材料(例えば、選択された色値と関連付けられた1つ以上の糸巻きからの編み糸)をグラフィックに示し得る。
ユーザインターフェース700中の編み機画像735は、ニット製品(例えば、ニット履物アッパー)の製造に用いられる編み機(例えば、編み機135)のグラフィック表現として機能し得る。材料(例えば、ニット製品140の製造のために編み機135によって用いられる材料130)は、編み機画像735中にグラフィック表現され得る。例えば、要素710によって示すように、ユーザによって選択された各色または色基準は、編み機画像735中の編み糸(またはいくつかの他の材料)の1つ以上の糸巻きによってグラフィック表現され得る。
ユーザが多様な設計選択を選択および/または改変すると、これらの選択は、編み機画像735またはインターフェース700の他の部分を介してリアルタイムで反映され得る(例えば、グラフィック表現またはシミュレートされ得る)。例えば、編み糸の1つ以上の糸巻きの色を新規の色値に対応するように変更することにより、色基準710の色値の変更が編み機画像735中に反映され得る別の例として、特定の設計において利用可能な色の数は、編み機画像735中の糸巻き数によってグラフィック表現され得る。本例において、空の糸巻きは、色パレットへ付加され得る未規定または利用可能な色基準を示し得る。
理解されるように、ユーザの設計選択は、ニット設計に関連する制限(例えば、材料の利用可能性、構造規則、および編み機の物理的制限)に基づいて制限され得る。例えば、ニット製品の製造に用いられる特定の材料の供給の制限に起因して、ユーザは、これらの材料(例えば、編み糸)の利用可能性または供給に対応する色選択の数の制限を受け得る。そのため、ユーザが色基準711を選択した場合、当該ユーザに対し、現在供給されている材料に対応する色オプションのリストが付与され得る。別の例として、編み機の構造または物理的制限に起因して、ユーザは、特定のニット構造へ割り当てられ得る色オプションの数の制限を受け得る。例えば、編み機(例えば、編み機135)が所定数の「フィーダ」を有する場合、ユーザは、ニット機械中のフィーダ数に基づいてニット構造へ割り当てることが可能な色組み合わせの数または色の数において制限を受け得る。
図8は、本開示の1つ以上の態様による、編物コンポーネントの設計および製造の方法を示す。図8中に示すステップは、システム(例えば、図1に示すニッティングシステム100)によって行われ得る。
最初に、ステップ802において、ニッティングシステムは、ニット構造情報を入手する。システムは、ニット構造情報を1つ以上の演算デバイスおよび/または適切な記憶領域(例えば、ライブラリ117)から入手し得る。追加的にまたは代替的に、ニッティングシステムは、1つ以上のニットサンプル/コンポーネントの分析により、ニット構造情報の一部(または全て)を入手し得る。
ステップ804において、ニッティングシステムは、設計入力データを入手する。システムは、この設計入力データを用いて、入手された設計入力データと関連付けられた画像に対応するグラフィック設計を有する編物コンポーネントを製造し得る。入力データは、データファイル(例えば、ラスタ画像)を含み得る。入力データにより、ニット設計と関連付けられた多様な視覚的および物理的属性(例えば、特徴)が特定され得る。いくつかの実施形態において、ユーザは、システムによって記憶された複数のニット設計からニット設計を選択し得る。
次に、ステップ806において、ニッティングシステムは、設計入力データ(例えば、ステップ804中に入手された入力データ)をサンプリングする。ニッティングシステムは、入力データのサンプリングのために、ユーザインターフェース(例えば、UI115)を用い得る。ユーザインターフェースは、ニッティングシステム割当論理の1つ以上の他の演算デバイスを含み、かつ/またはそれから入手し得、これによりユーザは、編物コンポーネントの設計を柔軟に制御することが可能になり、ステップ808において、ニッティングシステムは、製造されるべき編物コンポーネントの編物構造を割り当て得る。ステップ808において、ニッティングシステムは、エンドユーザ/設計者から提供された入力を用いて、編物構造を割り当てる。いくつかの実施形態において、システムは、特定のデータ入力またはファイル(例えば、ステップ804中に入手された入力データ)に関連して編物コンポーネントについて異なる編物構造を分配し得る。編物構造の分布は、ステップ806におけるグレイスケールトーンおよび/または他の入力データのサンプリングに基づいて行われ得る。
ステップ810において、ニッティングシステムは、ニット設計と、予測/決定された編物コンポーネントとの間の差を評価する。本明細書中記載のように、システムは、編物コンポーネントの推計された変形の物理的シミュレーションを実装し得、これにより、編み機の最終的な編物結果および物理的出力についての予測(例えば、出力の外形が、意図される設計と比較して、元々のニット設計に従った外形により類似している予測)向上を達成できるように、システムが補償を異なる方法に基づいて動的に付加することが可能になる。ニッティングシステムは、割り当てられた編物構造に基づいて、ニット設計と予測/決定された編物コンポーネントとの間の差を評価し得る。ステップ810において、システムは、物理的バネベースの補償分析に基づいて、静止状態下の編物コンポーネントの変形をシミュレートし得る。ニッティングシステムは、物理的変形の補償のために、編物コンポーネント/織物中の再分配力を自動決定し得る。ニッティングシステムは、要素間の力をシミュレートし、これらの要素を相応に変形させる動的システムを含み得る。初期変形の計算後、均衡達成までの新規変形を決定するために、さらなる計算が行われ得る。ステップ810において、システムは、決定された差を1つ以上の評価スコアを用いて評価し得る。
ステップ812において、ニッティングシステムは、編み機を動作させるための機械コードおよび/またはデータファイルを生成および/または出力する。本開示のいくつかの態様において、ニッティングシステムは、機械コードおよび/またはデータファイルを編み機135へ生成および/または出力するコンパイラ(例えば、コンパイラ108)を含み得る。
ステップ812において、システムは、編み機の制御のためのデータファイル(例えば、Sintralファイル)を生成するファイル生成器(例えば、ファイル生成器342)を用い得る。ニッティングシステムは、データファイルの生成を多様な入力(例えば、ジャガードファイル、初期編物コンポーネントの長さおよび幅寸法、統一された構造寸法、ならびに編み機パラメータ)に基づいて行い得る。ステップ814において、ニッティングシステムは、編物コンポーネントを製造または作製し得る。ニッティングシステムの1つ以上の編み機は、ステップ812において生成された命令または機械コード出力に基づいて、編物コンポーネントを製造/作製し得る。
本開示について、本開示の態様を行う現在好適なモードを含む特定の例について述べてきたが、当業者であれば、本開示から逸脱することなく、上記のシステムおよび技法の多数の変更および置換が可能であることを理解するであろう。例えば、システム、方法および/またはユーザインターフェースは、上記した機能よりも多数であり、少数でありかつ/または異なる機能を含み得、システム、方法および/またはユーザインターフェースの多様な特徴は、上記とは異なる多様な異なる方式で(例えば、異なる種類のインターフェース要素を用いて)活性化されるか、または相互作用することがある。また、多様なプロセスステップについて、本開示から逸脱することなく、変更、順序の変更、一部の省略、および/またはさらなるステップもしくは特徴の包含が可能であり得る。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、システム、方法およびユーザインターフェースにおける多様な変更および改変は、添付の特許請求の範囲に記載のように行われ得る。
本明細書中、以下、番号が付与された1組の項または段落中において多様な特性を強調する。これらの特性は、本発明または本発明の概念を制限するものとして解釈されるべきではなく、あくまで本明細書中に記載のいくつかの特性の強調として提供されたものであり、このような特性の重要性または関連度の特定の順序を示唆していない。
項1:演算デバイスにより第1の組のニット構造情報を入手することと、上記演算デバイスにより設計入力データを入手することと、上記設計入力データおよび上記ニット構造情報に基づいて、1つ以上の編物構造をニット設計へ割り当てることと、複数のニッティング命令を示す1つ以上の出力ファイルを、上記演算デバイスにより、上記ニット設計に基づいて生成することと、編物コンポーネントの製造のために上記1つ以上の出力ファイルを編み機へ伝送することと、を含む、方法。
項2:上記設計入力データは、ラスタ画像を含む、項1に記載の方法。
項3:上記設計入力データは、上記ニット設計と関連付けられた1組の視覚的属性および1組の物理的属性のうち少なくとも1つを含む、項1または2に記載の方法。
項4:上記設計入力データと関連付けられた複数のグレイスケール画像を、上記演算デバイスによりサンプリングすることをさらに含む、項1~3のうちいずれか1つに記載の方法。
項5:上記1つ以上の編物構造の上記ニット設計への割当は、上記設計入力データと関連付けられたグレイスケールトーンレベルに基づく、項1~4のうちいずれか1つに記載の方法。
項6:上記1つ以上の編物構造を割り当てることは、上記1つ以上の編物構造を割り当てることについてのユーザ入力選択を、ユーザインターフェースを介して受信することをさらに含む、項1~5のうちいずれか1つに記載の方法。
項7:上記ニット設計に対応する上記編物コンポーネントの変形を、上記演算デバイスにより、意図されるニット設計に基づいて決定することをさらに含む、項1~6のうちいずれか1つに記載の方法。
項8:上記編物コンポーネントの変形を、上記演算デバイスにより表示することと、上記ニット設計に対応する複数の予測される補償結果を、上記演算デバイスにより、1つ以上の補償ルーチンに基づいて決定することと、決定された変形を補償するように、上記編物コンポーネント中の1つ以上の再分配力を、上記予測される補償結果に基づいて付加することと、をさらに含む、項7に記載の方法。
項9:編み機についての複数のニッティング命令を示すマトリックスデータ構造を、上記演算デバイスにより、上記ニット設計に基づいて生成することをさらに含む、項1~8のうちいずれか1つに記載の方法。
項10:命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、上記命令が実行されると、上記命令は演算デバイスに、第1の組のニット構造情報を入手することと、設計入力データを入手することと、上記設計入力データおよび上記ニット構造情報に基づいて、1つ以上の編物構造をニット設計へ割り当てることと、複数のニッティング命令を示す1つ以上の出力ファイルを、上記ニット設計に基づいて生成することと、編物コンポーネントの製造のために上記1つ以上の出力ファイルを編み機へ伝送することと、を行わせる、非一時的な機械可読媒体。
項11:上記設計入力データは、ラスタ画像を含む、項11に記載の非一時的な機械可読媒体。
項12:上記設計入力データは、上記ニット設計と関連付けられた1組の視覚的属性または1組の物理的属性のうち少なくとも1つを含む、項10または11に記載の非一時的な機械可読媒体。
項13:上記ニット設計における上記1つ以上の編物構造の割当は、上記設計入力データと関連付けられたグレイスケールトーンレベルに対応する、項10~12のうちいずれか1つに記載の非一時的な機械可読媒体。
項14:上記命令が実行されると、上記命令は上記演算デバイスに、上記ニット設計に対応する上記編物コンポーネントの変形を決定することをさらに行わせる、項10~13のうちいずれか1つに記載の非一時的な機械可読媒体。
項15:上記命令が実行されると、上記命令は上記演算デバイスに、上記編物コンポーネントの変形を表示することと、上記ニット設計に対応する複数の予測される補償結果を、1つ以上の補償ルーチンに基づいて決定することと、決定された変形を補償するように、上記編物コンポーネント中の1つ以上の再分配力を、上記予測される補償結果に基づいて付加することと、をさらに行わせる、項14に記載の非一時的な機械可読媒体。
項16:上記命令が実行されると、上記命令は上記演算デバイスに、編み機についての複数のニッティング命令を示すマトリックスデータ構造を、上記ニット設計に基づいて生成することをさらに行わせる、項10~15のうちいずれか1つに記載の非一時的な機械可読媒体。
項17:装置であって、1つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリと、を含み、上記命令が実行されると、上記命令は上記装置に、第1の組のニット構造情報を入手することと、設計入力データを入手することと、上記設計入力データおよび上記ニット構造情報に基づいて、1つ以上の編物構造をニット設計へ割り当てることと、複数のニッティング命令を示す1つ以上の出力ファイルを、上記ニット設計に基づいて生成することと、編物コンポーネントの製造のために上記1つ以上の出力ファイルを編み機へ伝送することと、を行わせる、装置。
項18:上記命令が実行されると、上記命令は上記装置に、上記ニット設計に対応する上記編物コンポーネントの変形を決定することをさらに行わせる、項17に記載の装置。
項19:上記命令が実行されると、上記命令は上記装置に、上記編物コンポーネントの上記変形を表示することと、上記ニット設計に対応する複数の予測される補償結果を、上記1つ以上の補償ルーチンに基づいて決定することと、決定された変形を補償するように、上記編物コンポーネント中の1つ以上の再分配力を、上記予測される補償結果に基づいて付加することと、をさらに行わせる、項18に記載の装置。
項20:上記命令が実行されると、上記命令は上記装置に、編み機についての複数のニッティング命令を示すマトリックスデータ構造を、上記ニット設計に基づいて生成することをさらに行わせる、項17~19のうちいずれか1つに記載の装置。

Claims (18)

  1. 演算デバイスにより、設計入力データおよびニット構造情報に基づいて、ニット設計の1つ以上の編物構造を決定することであって、前記1つ以上の編物構造はそれぞれ、複数の針動作コマンドを含む、決定することと、
    前記ニット設計に関連付けられる変形を補償するように前記1つ以上の編物構造に対する1つ以上の改変を決定することと、
    前記ニット設計に関連付けられる複数のニッティング命令を示す1つ以上の出力ファイルを、前記演算デバイスにより、前記1つ以上の改変に基づいて生成することと、
    編物コンポーネントの製造のために前記1つ以上の出力ファイルを編み機へ伝送することと、
    前記演算デバイスにより、予期される編物コンポーネントに基づいて、前記ニット設計に関連付けられる前記変形を決定することと、
    決定された前記変形に基づいて、複数の予測される補償結果を1つ以上の補償ルーチンを用いて動的に決定することであって、前記1つ以上の補償ルーチンは、1つ以上のニッティング列の複製またはステッチ密度の改変のうち少なくとも1つを含む、動的に決定することと、
    前記予測される補償結果に基づいて、前記決定された変形を補償するように前記ニット設計を改変することと、を含み、
    前記予測される補償結果に基づいて、前記決定された変形を補償するように前記ニット設計を改変することは、
    前記複数の予測される補償結果のうち1つ以上を前記ニット設計と比較することと、
    前記比較に基づいて、前記複数の予測される補償結果のうち1つ以上へスコア値を割り当てることと、
    割り当てられた前記スコア値を用いて、前記ニット設計へ適用される少なくとも第1の補償ルーチンを決定することと、をさらに含む、方法。
  2. 前記設計入力データは、前記ニット設計と関連付けられた1組の視覚的属性または1組の物理的属性のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記演算デバイスにより、前記設計入力データと関連付けられた複数のグレイスケール画像に基づいて、前記ニット設計の前記1つ以上の編物構造の分布を決定すること
    をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記編物コンポーネントの前記決定された変形の視覚的表示を、前記演算デバイスを介して出力することを
    さらに含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記1つ以上の編物構造を決定することは、前記ニット設計の前記1つ以上の編物構造を決定するためのユーザ入力選択を、ユーザインターフェースを介して受信すること
    をさらに含む、請求項1~のうちいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ニット設計の前記1つ以上の編物構造を決定することは、
    前記編み機のための複数のニッティング命令を示すマトリックスデータ構造を、前記演算デバイスにより、前記ニット設計に基づいて生成することと、
    前記1つ以上の編物構造と関連付けられた複数のルブリックを前記マトリックスデータ構造へ分配することと、をさらに含む、請求項1~のうちいずれか一項に記載の方法。
  7. 命令を記憶する非一時的な機械可読媒体であって、前記命令が実行されると、前記命令は演算デバイスに、
    設計入力データおよびニット構造情報に基づいて、ニット設計の1つ以上の編物構造を決定することであって、前記1つ以上の編物構造はそれぞれ、複数の針動作コマンドを含む、決定することと、
    前記ニット設計に関連付けられる変形を補償するように前記1つ以上の編物構造に対する1つ以上の改変を決定することと、
    前記ニット設計に関連付けられる複数のニッティング命令を示す1つ以上の出力ファイルを、前記1つ以上の改変に基づいて生成することと、
    編物コンポーネントの製造のために前記1つ以上の出力ファイルを編み機へ伝送することと、
    予期される編物コンポーネントに基づいて、前記ニット設計に関連付けられる前記変形を決定することと、
    決定された前記変形に基づいて、複数の予測される補償結果を1つ以上の補償ルーチンを用いて動的に決定することであって、前記1つ以上の補償ルーチンは、1つ以上のニッティング列の複製またはステッチ密度の改変のうち少なくとも1つを含む、動的に決定することと、
    前記予測される補償結果に基づいて、前記決定された変形を補償するように前記ニット設計を改変することと、を行わせ、
    前記命令は前記演算デバイスに、さらに、前記予測される補償結果に基づいて、前記ニット設計を改変することを行わせて、前記決定された変形を、
    前記複数の予測される補償結果のうち1つ以上を前記ニット設計と比較することと、
    前記比較に基づいて、前記複数の予測される補償結果のうち1つ以上へスコア値を割り当てることと、
    割り当てられた前記スコア値を用いて、前記ニット設計へ適用される少なくとも第1の補償ルーチンを決定することと、によって補償する、非一時的な機械可読媒体。
  8. 前記設計入力データは、前記ニット設計と関連付けられた1組の視覚的属性または1組の物理的属性のうち少なくとも1つを含む、請求項に記載の非一時的な機械可読媒体。
  9. 前記命令が実行されると、前記命令は前記演算デバイスに、
    前記編物コンポーネントの前記決定された変形の視覚的表示を出力することをさらに行わせる、請求項又は請求項に記載の非一時的な機械可読媒体。
  10. 前記命令が実行されると、前記命令は前記演算デバイスにさらに、
    前記ニット設計に対応する複数の予測される補償結果を、1つ以上の補償ルーチンに基づいて決定することと、
    前記変形を補償するように、前記編物コンポーネント中の1つ以上の再分配力を、前記複数の予測される補償結果に基づいて決定することと、
    によって、前記1つ以上の編物構造に対する前記1つ以上の改変を決定させる、請求項に記載の非一時的な機械可読媒体。
  11. 前記命令が実行されると、前記命令は前記演算デバイスに、さらに、
    編み機のための複数のニッティング命令を示すマトリックスデータ構造を、前記複数の針動作コマンドに基づいて生成することと、
    前記1つ以上の編物構造と関連付けられた複数のルブリックを前記マトリックスデータ構造へ分配することと、
    によって、前記ニット設計の前記1つ以上の編物構造を決定させる、請求項10のうちいずれか一項に記載の非一時的な機械可読媒体。
  12. 装置であって、
    1つ以上のプロセッサと、
    命令を記憶するメモリと、を含み、前記命令が実行されると、前記命令は前記装置に、
    設計入力データおよびニット構造情報に基づいて、ニット設計の1つ以上の編物構造を決定することであって、前記1つ以上の編物構造はそれぞれ、複数の針動作コマンドを含む、決定することと、
    前記ニット設計に関連付けられる変形を補償するように前記1つ以上の編物構造に対する1つ以上の改変を決定することと、
    前記ニット設計に関連付けられる複数のニッティング命令を示す1つ以上の出力ファイルを、前記1つ以上の改変に基づいて生成することと、
    編物コンポーネントの製造のために前記1つ以上の出力ファイルを編み機へ伝送することと、
    予期される編物コンポーネントに基づいて、前記ニット設計に関連付けられる前記変形を決定することと、
    決定された前記変形に基づいて、複数の予測される補償結果を1つ以上の補償ルーチンを用いて動的に決定することであって、前記1つ以上の補償ルーチンは、1つ以上のニッティング列の複製またはステッチ密度の改変のうち少なくとも1つを含む、動的に決定することと、
    前記予測される補償結果に基づいて、前記決定された変形を補償するように前記ニット設計を改変することであって、前記複数の予測される補償結果のうち1つ以上を前記ニット設計と比較することと、前記比較に基づいて、前記複数の予測される補償結果のうち1つ以上へスコア値を割り当てることと、割り当てられた前記スコア値を用いて、前記ニット設計へ適用される少なくとも第1の補償ルーチンを決定することとを含む、前記ニット設計を改変することと、を行わせる、装置。
  13. 前記命令が実行されると、前記命令は前記装置に、さらに、
    前記ニット設計に対応する複数の予測される補償結果を、1つ以上の補償ルーチンに基づいて決定することと、
    前記変形を補償するように、前記編物コンポーネント中の1つ以上の再分配力を、前記複数の予測される補償結果に基づいて決定することと、
    によって、前記1つ以上の編物構造に対する前記1つ以上の改変を決定させる、請求項12に記載の装置。
  14. 前記命令が実行されると、前記命令は前記装置に、さらに、
    編み機のための複数のニッティング命令を示すマトリックスデータ構造を、複数の針動作コマンドに基づいて生成することと、
    前記1つ以上の編物構造と関連付けられた複数のルブリックを前記マトリックスデータ構造へ分配することと、
    によって、前記ニット設計の前記1つ以上の編物構造を決定させる、請求項12または13のうちいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記演算デバイスにより、予期される編物コンポーネントに基づいて、前記ニット設計に関連付けられる前記変形を決定することをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  16. 前記1つ以上の編物構造に関連付けられる第1のアスペクト比を決定することであって、前記第1のアスペクト比は、前記編物コンポーネントの最大幅に対する前記ニット設計の面積の比を含む、決定することと、
    1つ以上の補償ルーチンにより、1つ以上の改変された編物構造を決定することと、
    前記第1のアスペクト比と第2のアスペクト比の比較に基づいて、前記1つ以上の編物構造に対するスコアを決定することであって、前記第2のアスペクト比は前記1つ以上の改変された編物構造に関連付けられ、前記第2のアスペクト比は、前記編物コンポーネントの更新された最大幅に対する前記ニット設計の更新された面積の比を含む、決定することと、
    をさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  17. 前記1つ以上の編物構造に対する前記スコアに基づいて、前記ニット設計のための、前記1つ以上の補償ルーチンのうちの1つの補償ルーチンを決定すること
    をさらに含む、
    請求項16に記載の方法。
  18. 前記編物コンポーネントの前記変形を表示することと、
    前記1つ以上の補償ルーチンに基づいて、前記ニット設計に対応する複数の予測される補償結果を決定することと、
    決定された前記変形を補償するように、前記予測される補償結果に基づいて、前記編物コンポーネント内の1つ以上の再分配力を決定することと、
    をさらに含む、
    請求項に記載の方法。
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