JP7282053B2 - 撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法 - Google Patents

撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7282053B2
JP7282053B2 JP2020060141A JP2020060141A JP7282053B2 JP 7282053 B2 JP7282053 B2 JP 7282053B2 JP 2020060141 A JP2020060141 A JP 2020060141A JP 2020060141 A JP2020060141 A JP 2020060141A JP 7282053 B2 JP7282053 B2 JP 7282053B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
external gear
thickness
tooth
external
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020060141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021156422A (ja
Inventor
一志 樽井
真司 吉田
正幸 石塚
稔也 南雲
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2020060141A priority Critical patent/JP7282053B2/ja
Priority to CN202110187646.5A priority patent/CN113464610B/zh
Priority to DE102021107871.7A priority patent/DE102021107871A1/de
Publication of JP2021156422A publication Critical patent/JP2021156422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7282053B2 publication Critical patent/JP7282053B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/08Profiling
    • F16H55/0833Flexible toothed member, e.g. harmonic drive
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/32Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H49/00Other gearings
    • F16H49/001Wave gearings, e.g. harmonic drive transmissions
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/17Toothed wheels
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H49/00Other gearings
    • F16H49/001Wave gearings, e.g. harmonic drive transmissions
    • F16H2049/003Features of the flexsplines therefor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion
    • F16H2057/085Bearings for orbital gears

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)

Description

本発明は、撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法に関する。
従来、撓み変形する外歯歯車を備えた撓み噛合い式歯車装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。外歯歯車は、通常の撓み変形(弾性変形)に加え、負荷トルクによる変形や各部品の製造誤差の累積による影響等も受けて、運転中に歯当たり状態が変化する。この歯当たり状態が好ましくないと、歯面に過大な歯面圧が発生してしまい、早期損傷の原因となる。
特許第5337008号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、外歯歯車の歯面圧を抑制することを目的とする。
本発明は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
以下の式で表される指標Aが、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内である構成とした。
A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
ただし、
外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
また、本発明は、第1歯車装置と第2歯車装置とを含む歯車装置のシリーズであって、
前記第1歯車装置及び前記第2歯車装置の各々は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であり、
前記第1歯車装置と前記第2歯車装置は、
前記外歯歯車のPCD及び減速比の少なくとも一方が異なるとともに、
以下の式で表される指標Aが、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内であるものとした。
A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
ただし、
外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
また、本発明は、第1歯車装置と第2歯車装置とを含む歯車装置群の製造方法であって、
前記第1歯車装置及び前記第2歯車装置の各々は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であり、
前記第1歯車装置と前記第2歯車装置とで、前記外歯歯車のPCD及び減速比の少なくとも一方が異なり、
以下の式で表される指標Aが、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内となるように、各々の前記外歯歯車を製造するものとした。
A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
ただし、
外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
また、本発明は、第1歯車装置と第2歯車装置とを含む歯車装置群の設計方法であって、
前記第1歯車装置及び前記第2歯車装置の各々は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であり、
前記第1歯車装置と前記第2歯車装置とで、
前記外歯歯車のPCD及び減速比の少なくとも一方を異ならせるとともに、
以下の式で表される指標Aを、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内に設定するものとした。
A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
ただし、
外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
本発明によれば、外歯歯車の歯面圧を抑制することができる。
本実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 外歯歯車の歯車形状を説明するための図である。 外歯歯車の弦歯厚に関する指標Aと歯面圧の関係を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[撓み噛合い式歯車装置の構成]
図1は、本発明に係る撓み噛合い式歯車装置1を示す断面図である。
この図に示すように、撓み噛合い式歯車装置1は、筒型の撓み噛合い式歯車装置であり、起振体軸10、外歯歯車11、第1内歯歯車31G及び第2内歯歯車32G、起振体軸受12、ケーシング33、第1カバー34、第2カバー35を備える。
起振体軸10は、回転軸O1を中心に回転する中空筒状の軸であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が非円形(例えば楕円状)の起振体10Aと、起振体10Aの軸方向の両側に設けられた軸部10B、10Cとを有する。楕円状は、幾何学的に厳密な楕円に限定されるものではなく、略楕円を含む。軸部10B、10Cは、回転軸O1に垂直な断面の外形が円形の軸である。
なお、以下の説明では、回転軸O1に沿った方向を「軸方向」、回転軸O1に垂直な方向を「径方向」、回転軸O1を中心とする回転方向を「周方向」という。また、軸方向のうち、外部の被駆動部材と連結されて減速された運動を当該被駆動部材に出力する側(図中の左側)を「出力側」といい、出力側とは反対側(図中の右側)を「反出力側」という。
外歯歯車11は、可撓性を有するとともに回転軸O1を中心とする円筒状の部材であり、外周に歯が設けられている。
第1内歯歯車31Gと第2内歯歯車32Gは、回転軸O1を中心として起振体軸10の周囲で回転を行う。これら第1内歯歯車31Gと第2内歯歯車32Gは、軸方向に並んで設けられ、外歯歯車11と噛合している。具体的には、第1内歯歯車31G及び第2内歯歯車32Gの一方が、外歯歯車11の軸方向の中央より片側の歯部に噛合し、他方が、外歯歯車11の軸方向の中央よりもう一方の片側の歯部に噛合する。
このうち、第1内歯歯車31Gは、第1内歯歯車部材31の内周部の該当箇所に内歯が設けられて構成される。一方、第2内歯歯車32Gは、第2内歯歯車部材32の内周部の該当箇所に内歯が設けられて構成される。
起振体軸受12は、例えばコロ軸受であり、起振体10Aと外歯歯車11との間に配置される。起振体10Aと外歯歯車11とは、起振体軸受12を介して相対回転可能となっている。
起振体軸受12は、外歯歯車11の内側に嵌入される外輪12aと、複数の転動体(コロ)12bと、複数の転動体12bを保持する保持器12cとを有する。
複数の転動体12bは、第1内歯歯車31Gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体12bと、第2内歯歯車32Gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体12bとを有する。これらの転動体12bは、起振体10Aの外周面と外輪12aの内周面とを転走面として転動する。外輪12aは、複数の転動体12bの配列に対応して同形状のものが軸方向に二つ並んで設けられている。なお、起振体軸受12は、起振体10Aとは別体の内輪を有してもよい。
起振体軸受12及び外歯歯車11の軸方向の両側には、これらに当接して、これらの軸方向の移動を規制する規制部材としてのスペーサリング41、42が設けられている。
ケーシング33は、ボルト51により第1内歯歯車部材31と連結され、第2内歯歯車32Gの外径側を覆う。ケーシング33は、内周部に形成された主軸受38(例えばクロスローラ軸受)の外輪部を有しており、当該主軸受38を介して第2内歯歯車部材32を回転自在に支持している。撓み噛合い式歯車装置1が外部の相手装置と接続される際、ケーシング33と第1内歯歯車部材31は相手装置に共締めにより連結される。
第1カバー34は、ボルト52により第1内歯歯車部材31と連結され、外歯歯車11と第1内歯歯車31Gとの噛合い箇所を軸方向の反出力側から覆う。第1カバー34と起振体軸10の軸部10Bとの間には軸受36(例えば玉軸受)が配置されており、第1カバー34は、当該軸受36を介して起振体軸10を回転自在に支持している。
第2カバー35は、ボルト53により第2内歯歯車部材32と連結され、外歯歯車11と第2内歯歯車32Gとの噛合い箇所を軸方向の出力側から覆う。第2カバー35と起振体軸10の軸部10Cとの間には軸受37(例えば玉軸受)が配置されており、第2カバー35は、当該軸受37を介して起振体軸10を回転自在に支持している。撓み噛合い式歯車装置1が外部の相手装置と接続される際、第2カバー35と第2内歯歯車部材32は、相手装置の被駆動部材に共締めにより連結され、減速された回転を当該被駆動部材に出力する。
さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、シール用のオイルシール43,44,45及びOリング46,47,48を備える。
オイルシール43は、軸方向の反出力側の端部で、起振体軸10の軸部10Bと第1カバー34との間に配置され、反出力側への潤滑剤の流出を抑制する。オイルシール44は、軸方向の出力側の端部で、起振体軸10の軸部10Cと第2カバー35との間に配置され、出力側への潤滑剤の流出を抑制する。オイルシール45は、ケーシング33と第2内歯歯車部材32との間に配置され、この部分からの潤滑剤の流出を抑制する。
Oリング46,47,48は、第1内歯歯車部材31と第1カバー34との間、第1内歯歯車部材31とケーシング33との間、第2内歯歯車部材32と第2カバー35との間にそれぞれ設けられ、これらの間で潤滑剤が移動することを抑制する。
[外歯歯車の歯車形状]
外歯歯車11は、起振体10Aによる弾性変形や負荷トルクによる変形に加え、各部品の製造誤差の累積による影響等も受けて、運転中に歯当たり状態が変化する。この歯当たり状態が好ましくないと、歯面に過大な歯面圧が発生してしまい、早期損傷の原因となる。そのため、歯面圧の抑制が望まれていた。
この点につき、本発明者らは、外歯歯車11の弦歯厚に対して歯面圧が凸関数となることを見出した。したがって、弦歯厚を適切な範囲内に設定できれば、歯面圧の上昇を抑制することができる。ただし、単純に弦歯厚だけをパラメータとした場合、歯車の大きさや減速比の異なる機種間で、弦歯厚の最適な範囲が異なる。
そこで、本発明者らは、外歯歯車11の弦歯厚を他の特性値で規格化した指標Aを用いることにより、機種に依らない共通の最適範囲を設定できるようにした。
指標Aは、以下の式(1)で表される。
A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
ただし、図2に示すように、
外歯歯車弦歯厚S:外歯歯車11のPCD位置(歯丈hの中央位置)における弦歯厚
PCD:真円状態の(起振体10Aに組み込む前の状態における)外歯歯車11において歯丈hの中央を通る円の直径
=(歯先円直径d1-歯底円直径d2)÷2+歯底円直径d2
外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車11の内周から歯底までの厚さ
=(歯底円直径d2-内径d3)÷2
起振体形状係数:起振体10Aの略楕円形状への変形量
=(起振体10Aの長径-相当真円直径)÷2
相当真円直径:略楕円形状の起振体10Aの周長と等しい周長の真円の直径
減速比:外歯歯車11の歯数÷(第1内歯歯車31Gの歯数-外歯歯車11の歯数)
図3は、指標Aと歯面圧との関係を表すグラフである。この図では、外歯歯車11のサイズと減速比がそれぞれ3段階(大、中、小)に異なる合計9機種の歯面圧を示した。
この図に示すように、指標Aは、歯面圧の急激な上昇が生じる変曲点P1-P2間である2.20×10^-3から2.70×10^-3(0.0022から0.0027)の範囲R1内が好ましい。指標Aがこの範囲R1内であれば、歯面圧の急激な上昇を抑制できる。また、サイズや減速比によらずより確実に歯面圧の上昇を抑制する観点から、指標Aは、2.30×10^-3から2.60×10^-3の範囲R2内がより好ましく、2.37×10^-3から2.50×10^-3の範囲R3内がさらに好ましい。
また、指標Aは、所望の許容歯面圧に応じて設定されてもよい。撓み噛合い式歯車装置1がロボットの関節や工作機械等の通常の用途に使用される場合、外歯歯車11は、ピークトルクがかかった時の歯面圧が許容歯面圧以下であることが求められる。ピークトルクとは起動停止時に許容される最大トルクである。許容歯面圧は、主として外歯歯車11の素材と歯面の表面硬さに基づいて決定される。この場合、撓み噛合い式歯車装置1の外歯歯車11に使用されることの多い機械構造用合金鋼や炭素鋼において実現できる表面硬さに対応する許容歯面圧に基づいて、指標Aを設定すればよい。
[撓み噛合い式歯車装置の減速動作]
続いて、撓み噛合い式歯車装置1の減速動作について説明する。
モータ等の駆動源により起振体軸10の回転駆動が行われると、起振体10Aの運動が外歯歯車11に伝わる。このとき、外歯歯車11は、起振体10Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車11は、固定された第1内歯歯車31Gと長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車11は起振体10Aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車11の内側で起振体10Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車11は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸10の回転周期に比例する。
外歯歯車11が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車11と第1内歯歯車31Gとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、例えば、外歯歯車11の歯数が100で、第1内歯歯車31Gの歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車11と第1内歯歯車31Gとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車11が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸10の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車11に伝達される。この場合、減速比は「50」となる。
一方、外歯歯車11は第2内歯歯車32Gとも噛合っているため、起振体軸10の回転によって外歯歯車11と第2内歯歯車32Gとの噛合う位置も回転方向に変化する。ここで、第2内歯歯車32Gの歯数と外歯歯車11の歯数とが同数であるとすると、外歯歯車11と第2内歯歯車32Gとは相対的に回転せず、外歯歯車11の回転運動が減速比1:1で第2内歯歯車32Gへ伝達される。これらによって、起振体軸10の回転運動が減速比100:2で減速されて、第2内歯歯車部材32及び第2カバー35へ伝達され、この回転運動が被駆動部材に出力される。
ここで、撓み噛合い式歯車装置1では、外歯歯車11の弦歯厚に関する指標Aが2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲R1内であるので、歯面圧が変曲点P1-P2間に抑えられ、歯面圧の急激な上昇が抑制される。
[本実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態によれば、外歯歯車11の弦歯厚Sに関する指標Aが2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲R1内であるので、歯面圧が変曲点P1-P2間に抑えられる。これにより、外歯歯車11の歯面圧の急激な上昇を抑制することができ、ひいては、外歯歯車11の早期損傷を防止できる。
また、特に小モジュールの歯車加工は困難であり、外歯歯車11の加工精度を緩和したいとの要求があるところ、単純に製造しやすさの観点で設定した寸法範囲の外歯歯車11では、耐久性に大きなばらつきがあった。この点、本実施形態では、弦歯厚Sに関する指標Aという定量的な設計指標を適用したことにより、外歯歯車11の耐久性のばらつきを好適に抑制することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限られない。
例えば、上記実施形態では、単体の撓み噛合い式歯車装置1の構成の観点で説明した。しかし、本発明は、共通する指標Aの範囲を有する第1歯車装置1Aと第2歯車装置1Bとを含む、撓み噛合い式歯車装置の製品群(歯車装置のシリーズ)として捉えることもできる。この場合、第1歯車装置1Aと第2歯車装置1Bは、外歯歯車11のPCD及び減速比の少なくとも一方が異なる。また、第1歯車装置1A及び第2歯車装置1Bの各外歯歯車11の指標Aは、上述のとおり範囲R1内となっている。
さらに、本発明は、シリーズに含まれる各歯車装置をどのように構築・設計するかという観点で見れば、歯車装置のシリーズ(歯車装置群)の構築方法や設計方法と捉えることもできる。また、複数の歯車装置を含む歯車装置のシリーズ(歯車装置群)をどのように製造するかという観点で見れば、歯車装置のシリーズ(歯車装置群)の製造方法と捉えることもできる。
また、上記実施形態では、相手装置の被駆動部材が第2カバー35及び第2内歯歯車部材32に連結されることとした。しかし、被駆動部材をケーシング33、第1内歯歯車部材31及び第1カバー34に連結し、これらケーシング33、第1内歯歯車部材31及び第1カバー34から出力を取り出すこととしてもよい。
また、上記実施形態では、撓み噛合い式歯車装置1として筒型の噛合い式歯車装置を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、例えばカップ型又はシルクハット型の撓み噛合い式歯車装置などにも好適に適用できる。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 撓み噛合い式歯車装置
1A 第1歯車装置
1B 第2歯車装置
10 起振体軸
10A 起振体
11 外歯歯車
d1 歯先円直径
d2 歯底円直径
d3 内径
h 歯丈
S 弦歯厚
31G 第1内歯歯車
32G 第2内歯歯車
O1 回転軸
A 指標
R1 範囲
P1、P2 変曲点

Claims (8)

  1. 起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    以下の式で表される指標Aが、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内である、
    撓み噛合い式歯車装置。
    A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
    ×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
    ただし、
    外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
    PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
    外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
    起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
  2. 前記外歯歯車は、機械構造用合金鋼又は機械構造用炭素鋼から構成される、
    請求項1に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  3. 前記内歯歯車として第1内歯歯車及び第2内歯歯車を有する筒型の撓み噛合い式歯車装置である、
    請求項1又は請求項2に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  4. 前記指標Aが、2.30×10^-3から2.60×10^-3の範囲内である、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の撓み噛合い式歯車装置。
  5. 前記指標Aが、2.37×10^-3から2.50×10^-3の範囲内である、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の撓み噛合い式歯車装置。
  6. 第1歯車装置と第2歯車装置とを含む歯車装置のシリーズであって、
    前記第1歯車装置及び前記第2歯車装置の各々は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であり、
    前記第1歯車装置と前記第2歯車装置は、
    前記外歯歯車のPCD及び減速比の少なくとも一方が異なるとともに、
    以下の式で表される指標Aが、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内である、
    歯車装置のシリーズ。
    A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
    ×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
    ただし、
    外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
    PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
    外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
    起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
  7. 第1歯車装置と第2歯車装置とを含む歯車装置群の製造方法であって、
    前記第1歯車装置及び前記第2歯車装置の各々は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であり、
    前記第1歯車装置と前記第2歯車装置とで、前記外歯歯車のPCD及び減速比の少なくとも一方が異なり、
    以下の式で表される指標Aが、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内となるように、各々の前記外歯歯車を製造する、
    歯車装置群の製造方法。
    A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
    ×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
    ただし、
    外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
    PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
    外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
    起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
  8. 第1歯車装置と第2歯車装置とを含む歯車装置群の設計方法であって、
    前記第1歯車装置及び前記第2歯車装置の各々は、起振体と、前記起振体により撓み変形する外歯歯車と、前記外歯歯車と噛合う内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であり、
    前記第1歯車装置と前記第2歯車装置とで、
    前記外歯歯車のPCD及び減速比の少なくとも一方を異ならせるとともに、
    以下の式で表される指標Aを、2.20×10^-3から2.70×10^-3の範囲内に設定する、
    歯車装置群の設計方法。
    A=外歯歯車弦歯厚×外歯歯車歯底厚さ×起振体形状係数
    ×減速比÷PCD^(2.1) ・・・(1)
    ただし、
    外歯歯車弦歯厚:外歯歯車の歯丈の中央位置における弦歯厚
    PCD:起振体に組み込む前の状態における外歯歯車の歯丈の中央を通る円の直径
    外歯歯車歯底厚さ:外歯歯車の内周から歯底までの厚さ
    起振体形状係数:(起振体長径-起振体相当円直径)÷2
JP2020060141A 2020-03-30 2020-03-30 撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法 Active JP7282053B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020060141A JP7282053B2 (ja) 2020-03-30 2020-03-30 撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法
CN202110187646.5A CN113464610B (zh) 2020-03-30 2021-02-18 挠曲啮合式齿轮装置、齿轮装置系列及其制造及设计方法
DE102021107871.7A DE102021107871A1 (de) 2020-03-30 2021-03-29 Zahnradvorrichtung des biegeeingriffstyps, zahnradvorrichtungsserie und herstellungsverfahren und konstruktionsverfahren dafür

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020060141A JP7282053B2 (ja) 2020-03-30 2020-03-30 撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021156422A JP2021156422A (ja) 2021-10-07
JP7282053B2 true JP7282053B2 (ja) 2023-05-26

Family

ID=77659025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020060141A Active JP7282053B2 (ja) 2020-03-30 2020-03-30 撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7282053B2 (ja)
CN (1) CN113464610B (ja)
DE (1) DE102021107871A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5337008B2 (ja) 2009-11-30 2013-11-06 住友重機械工業株式会社 撓み噛合い式歯車装置、及びその外歯歯車の製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5337008B2 (ja) 1974-05-31 1978-10-06
JP5425550B2 (ja) * 2009-07-17 2014-02-26 住友重機械工業株式会社 撓み噛合い式歯車装置及び撓み噛合い式歯車装置の歯形の決定方法
DE112012005619T5 (de) * 2012-01-10 2014-10-09 Harmonic Drive Systems Inc. Verformungswellgetriebe mit einem Involutenzahnprofil mit positiver Biegung, das die Randdicke berücksichtigt
JP6218693B2 (ja) * 2014-07-23 2017-10-25 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ デュアルタイプの波動歯車装置
CN104534031B (zh) * 2015-01-05 2017-07-07 西北工业大学 一种用于机器人关节的传动装置
JP2017125596A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 株式会社ジェイテクト 波動歯車伝達装置
DE102016201822A1 (de) * 2016-02-08 2017-08-10 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wellgetriebe
JP7145601B2 (ja) * 2017-10-23 2022-10-03 住友重機械工業株式会社 撓み噛み合い式歯車装置
JP2019158041A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 株式会社ジェイテクト 波動歯車装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5337008B2 (ja) 2009-11-30 2013-11-06 住友重機械工業株式会社 撓み噛合い式歯車装置、及びその外歯歯車の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021156422A (ja) 2021-10-07
CN113464610B (zh) 2024-04-05
DE102021107871A1 (de) 2021-09-30
CN113464610A (zh) 2021-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4699470B2 (ja) 偏心揺動型減速機
JP7419193B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
CN115199727A (zh) 少齿差行星减速机构及其齿形设计方法
CN113357317A (zh) 挠曲啮合式齿轮装置
JP7175084B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7282053B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置、歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法
JP2023006337A (ja) フレキシブルギア、波動減速機、およびロボット
JP2011021729A (ja) 撓み噛合い式歯車装置及び撓み噛合い式歯車装置の歯形の決定方法
JP2013100911A (ja) 撓み噛合い式歯車装置及び撓み噛合い式歯車装置の歯形の決定方法
JP7035406B2 (ja) 変速機
JP2021008953A (ja) 波動歯車減速機及びその製造方法
JP7262368B2 (ja) 歯車装置のシリーズ、その製造方法及び設計方法
JP7210581B2 (ja) 減速装置
JP7221077B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置及びその製造方法
JP7386608B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP2021099113A (ja) 撓み噛合い式歯車装置及びその製造方法
JP6890563B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP2021196038A (ja) 歯車装置
JP7466471B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
CN113007309B (en) Flexible meshing gear device and manufacturing method thereof
JP7454946B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7221132B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7414379B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7253089B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP6858690B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220713

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230412

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7282053

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150