本発明は、TMEM106Bの発現を調節することができる、膜貫通タンパク質106B(TMEM106B)に相補的なオリゴヌクレオチドに関する。TMEM106B発現の調節は、神経学的障害、特に前頭側頭葉変性症のような神経変性障害のような一連の医学的障害に有益である。
膜貫通タンパク質106B(TMEM106B)は、エンドソームおよびリソソームの膜に主に位置する、シングルパスの2型内在性膜糖タンパク質である。これは、グリア細胞および内皮細胞と同様にニューロンにも発現している。これは、樹状突起の分枝などの樹状突起の形態形成、およびリソソームの機能に関与していると考えられている。TMEM106Bは、前頭側頭葉変性症(FTLD)を含むいくつかの一般的な神経変性障害と関連付けられている(Nicholson and Rademakers,Acta Neuropathol.2016 November;132(5):639-651)。
Klein et al.,2017,Neuron 95,281-296は、TMEM106Bの欠損がプログラニュリン欠損マウスにおいてリソソームおよび前頭側頭型認知症関連表現型を改善することを報告している。
Rostgaard et al.,Neurobiology of Aging 59(2017)221.e1e221.e7は、CHMP2Bを介した前頭側頭型認知症(FTD-3)におけるTMEM106BおよびApoE多型について報告している。
Hu et al.,Journal of the Neurological Sciences 377(2017)65-71は、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および多系統萎縮症(MSA)におけるTMEM106B遺伝子の特定の多型の関連について報告している。
Gallagher et al.,The American Journal of Human Genetics 101,643-663,November 2,2017は、クロマチン構造および遺伝子発現を変化させる認知症関連リスク変異体(TMEM106B付近)について報告している。
Simons et al.,Brain 2017:140;3105-3111は、TMEM106Bにおける反復性de novo突然変異が、低髄鞘性白質ジストロフィーを引き起こすことを報告する。
Holler et al.eNeuro.2017 Jul-Aug;4(4):ENEURO.0100-17.2017は、例えば、アルカリ化剤またはTMEM106Bの発現の増加によって誘導されるリソソーム機能障害が、プログラヌリン(PGRN)のグラニュリン(GRN)へのプロセシングを阻害することを示している。それらはまた、FTD-GRN患者由来の初代線維芽細胞および皮質脳組織では、複数のGRNがハプロ不全であることも示している。これは、プログラニュリン(PGRN)をコードするGRN遺伝子のホモ接合性またはヘテロ接合性突然変異として、神経セロイドリポフスチン症(NCL)に適用され、各々、神経セロイドリポフスチン症(NCL)または前頭側頭型認知症(FTD)を引き起こすことがある。
Gotzl et al.Acta Neuropathol.127(6):845-60は、NCLのモデルであるカテプシンDノックアウトマウスにおけるTMEM106bおよびGRNタンパク質の上昇を報告している。
Schwenk et al.,EMBO J.2014 Mar 3;33(5):450-67は、FTLD-TDP危険因子TMEM106Bおよびリソソームの樹状細胞輸送を制御するためのMAP6との機能的相互作用について報告している。TMEM106Bに対するsiRNAをHeLa細胞にトランスフェクトしたところ、TMEM106Bタンパク質の発現が減少し、核近傍にリソソームクラスターが形成された。さらに、海馬ニューロンにトランスフェクトしたshRNAを用いたTMEM106Bノックダウンは、樹状突起の分枝を障害した。TMEM106Bノックダウンによって樹状突起の形態に生じた変化は、神経変性疾患の共通の属性であるシナプス強度および可塑性の障害を引き起こす可能性がある。このことは、TMEM106Bのノックダウンが神経変性疾患を引き起こす可能性があることを示唆している。
国際公開第2015/127037号は、TMEM106Bを含む一連の遺伝子の発現を調節するのに有効であると報告されている小分子化合物を含む、神経変性疾患の治療のための化合物および方法について報告している。開示された化合物によるTMEM106B阻害を示すいかなるデータも存在しないようである。
神経変性障害は、大きな未充足の医学的ニーズを有し、TMEM106B発現と神経変性障害を伴う特異的TMEM106B対立遺伝子を示す明らかな遺伝的および実験的証拠がある。したがって、研究および治療用途に使用するためのTMEM106Bの阻害剤が必要とされている。
発明の目的
本発明は、TMEM106Bの発現の下方調節、および神経学的障害における治療的介入のための、インビボおよびインビトロの両方で使用され得るTMEM106Bの核酸阻害剤を提供する。
本発明は、TMEM106Bに相補的であり、TMEM106Bの発現を調節するオリゴヌクレオチドに関する。本発明はさらに、オリゴヌクレオチドのコンジュゲート、ならびにオリゴヌクレオチドを使用する神経学的障害の治療のための医薬組成物および方法に関する。
本発明は、細胞におけるTMEM106Bの発現を減少させ、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、低ミエリン化白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)などの神経学的障害の治療のために使用され得る、TMEM106Bのオリゴヌクレオチド阻害剤を提供する。
本発明は、細胞におけるTMEM106Bの発現を減少させ、前頭側頭葉変性症(FTLD)の治療のために使用され得る、TMEM106Bのオリゴヌクレオチド阻害剤を提供する。
本発明は、TMEM106Bの発現を阻害することができ、TMEM106Bの機能に関連した疾患を治療または予防するための、核酸を標的とするオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明は、哺乳動物TMEM106B標的核酸に対して少なくとも90%相補的な(例えば、完全に相補的な)10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、TMEM106Bを標的とするオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明は、哺乳動物TMEM106B標的核酸に対して少なくとも90%の相補的、例えば完全に相補的な10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、TMEM106Bを標的とする10~40ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、TMEM106Bを発現している細胞におけるTMEM106Bの発現を阻害することができるアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であり得る。
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、TMEM106Bを発現している細胞におけるTMEM106Bの発現を阻害することができるsiRNA(またはsiRNAのアンチセンス鎖)であり得る。
本発明は、哺乳動物TMEM106B標的核酸に対して少なくとも90%の相補性を有する10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドを提供し、このオリゴヌクレオチドは、TMEM106Bを発現している細胞におけるTMEM106Bの発現を阻害することができる。
本発明は、哺乳動物TMEM106B標的核酸に対して少なくとも90%の相補性を有する10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、TMEM106Bを発現している細胞におけるTMEM106Bの発現を阻害することができる。有利には、オリゴヌクレオチドは、ヒトRNaseH1、例えばギャップマーオリゴヌクレオチドなどのRNaseHを動員することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよい。
本発明は、本発明によるアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはsiRNAなどのオリゴヌクレオチドと、前記オリゴヌクレオチドに共有結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分とを含むコンジュゲートを提供する。
本発明は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAのような本発明のオリゴヌクレオチド、またはそのコンジュゲートの薬学的に許容され得る塩を提供する。
本発明は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAのような本発明のオリゴヌクレオチド、またはそのコンジュゲート、ならびに薬学的に許容され得る希釈剤、溶媒、担体、塩および/または佐剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、TMEM106Bを発現している標的細胞におけるTMEM106B発現を調節するための方法を提供し、前記方法は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAのような本発明のオリゴヌクレオチド、もしくはそのコンジュゲート、もしくは薬学的塩、または医薬組成物を、有効量で前記細胞に投与することを含む。本発明は、例えば、インビトロ方法またはインビボ方法であり得る。
治療的または予防的に有効な量の本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAのような本発明のオリゴヌクレオチド、もしくはそのコンジュゲート、もしくは本発明の薬学的塩、または医薬組成物を、疾患に苦しむまたは罹り易い対象に投与することを含む、疾患の治療または予防方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)からなる群から選択される神経変性疾患などの神経変性疾患と診断された、またはそれに苦しむ対象における神経変性疾患の治療のためである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、前頭皮質の加齢に伴う変化の治療に使用される。
疾患の治療または予防方法は、例えば、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)からなる群から選択される疾患などの神経変性疾患の治療または予防のためであり得る。
本発明は、薬における使用のための、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAなどのオリゴヌクレオチド、もしくはそのコンジュゲート、または本発明の薬学的塩もしくは医薬組成物を提供する。
本発明は、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)から選択される疾患などの神経変性疾患の治療における使用のための、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAなどのオリゴヌクレオチド、もしくはそのコンジュゲート、または本発明の薬学的塩もしくは医薬組成物を提供する。
本発明は、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)から選択される疾患などの神経変性疾患の治療または予防のための医薬の製造のための、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはsiRNAなどのオリゴヌクレオチド、もしくはそのコンジュゲート、または本発明の薬学的塩もしくは医薬組成物の使用を提供する。
PBS処置対照と比較した、マウスNeuro-2a細胞における5μM対25μMでの3日間のインキュベーション後の標的阻害(2つの生物学的複製の平均)。
PBS処置対照と比較した、マウスNeuro-2a細胞における5μM対25μMでの6日間のインキュベーション後の標的阻害(2つの生物学的反復の平均)。
PBS処置対照と比較した、ギャップマーのトランスフェクションから24時間後のカスパーゼ活性。
ヒトSK-N-BE(2)細胞における5μM対25μMでの3日間のインキュベーション後の標的阻害(2つの生物学的複製の平均)。
ヒトSK-N-BE(2)細胞における5μM対25μMでの6日間のインキュベーション後の標的阻害(2つの生物学的反復の平均)。
ヒトSK-N-BE(2)細胞における図示される5μMでの3日間のインキュベーション後の標的阻害、対、染色体7上の標的配列の位置。
増大する濃度の5つのヒトASOについての、ASOで10日間連続処理した後のヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合培養物における標的阻害。
増大する濃度の5つのヒトASOについての、ASOで24時間パルス処理で10日後のヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合培養物における標的阻害。
ヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合培養物におけるASOで10日間連続処理した後のTMEM106Bタンパク質レベルの低下の自動ウェスタンブロット。
生理食塩水5μl中のLNAオリゴヌクレオチド100μgを右側脳室に1回ICV注入した後のインビボTMEM106b mRNA減少の時間経過(GAPDHに正規化)。
生理食塩水5μl中のLNAオリゴヌクレオチド100μgを右側脳室に1回ICV注入した後のインビボTMEM106bタンパク質減少のインビボ時間経過(β-チューブリンに正規化)。
CMP番号65_1の構造式。その薬学的塩は、一価または二価カチオン、例えばNa+、K+およびCa2+、または化合物と関連したこれらの混合物を含む。
CMP番号66_1の構造式。その薬学的塩は、一価または二価カチオン、例えばNa+、K+およびCa2+、または化合物と関連したこれらの混合物を含む。
CMP番号71_1の構造式。その薬学的塩は、一価または二価カチオン、例えばNa+、K+およびCa2+、または化合物と関連したこれらの混合物を含む。
CMP番号74_1の構造式。その薬学的塩は、一価または二価カチオン、例えばNa+、K+およびCa2+、または化合物と関連したこれらの混合物を含む。
CMP番号75_1の構造式。その薬学的塩は、一価または二価カチオン、例えばNa+、K+およびCa2+、または化合物と関連したこれらの混合物を含む。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において、用語「アルキル」は、単独または組み合わせで、1~8個の炭素原子を有する 直鎖または分岐鎖アルキル基、特に1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、より特には1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。直鎖および分岐鎖C1-C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチルおよび異性体オクチル、特にメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルである。アルキルの特定の例は、メチル、エチルおよびプロピルである。
用語「シクロアルキル」は、単独または組み合わせで、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル環、特に3~6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を意味する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、より特にはシクロプロピルおよびシクロブチルである。「シクロアルキル」の特定の例は、シクロプロピルである。
用語「アルコキシ」は、単独または組み合わせで、式アルキル-O-の基を意味し、用語「アルキル」は、以前付与した意味、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec.ブトキシおよびtert.ブトキシを意味する。特定の「アルコキシ」は、メトキシおよびエトキシである。メトキシエトキシは、「アルコキシアルコキシ」の特定の例である。
用語「オキシ」は、単独または組み合わせで、-O-基を意味する。
用語「アルケニル」は、単独または組み合わせで、オレフィン結合と、8個まで、好ましくは6個まで、特に好ましくは4個までの炭素原子を含む直鎖または分岐鎖炭化水素残基を意味する。アルケニル基の例は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニルおよびイソブテニルである。
用語「アルキニル」は、単独または組み合わせで、三重結合と、8個まで、好ましくは6個まで、特に好ましくは4個までの炭素原子を含む直鎖または分岐鎖炭化水素残基を意味する。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、単独または組み合わせで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、より特にはフッ素を意味する。用語「ハロ」は、他の基と組み合わせて、少なくとも1つのハロゲン、特に1~5個のハロゲン、特に1~4個のハロゲン、即ち1個、2個、3個または4個のハロゲンで置換された前記基の置換を示す。
用語「ハロアルキル」は、単独または組み合わせで、少なくとも1つのハロゲンで置換された、特に1~5個のハロゲン、特に1~3個のハロゲンで置換されたアルキル基を意味する。ハロアルキルの例には、モノフルオロ-、ジフルオロ-またはトリフルオロ-メチル、-エチルまたは-プロピル、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フルオロエチルまたはトリフルオロメチルが含まれる。フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルは、特定の「ハロアルキル」である。
用語「ハロシクロアルキル」は、単独または組み合わせで、少なくとも1つのハロゲンで置換された、特に1~5個のハロゲン、特に1~3個のハロゲンで置換された、上記に定義したシクロアルキル基を意味する。用語「ハロシクロアルキル」の特定の例は、ハロシクロプロピル、特にフルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピルおよびトリフルオロシクロプロピルである。
用語「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」は、単独または組み合わせで、-OH基を意味する。
用語「チオヒドロキシル」および「チオヒドロキシ」は、単独または組み合わせで、-SH基を意味する。
用語「カルボニル」は、単独または組み合わせで、-C(O)-基を意味する。
用語「カルボキシ」または「カルボキシル」は、単独または組み合わせで、-COOH基を意味する。
用語「アミノ」は、単独または組み合わせで、第1級アミノ基(-NH2)、第2級アミノ基(-NH-)、または第3級アミノ基(-N-)を意味する。
用語「アルキルアミノ」は、単独または組み合わせで、1個または2個の上記に定義したアルキル基で置換された、上記に定義したアミノ基を意味する。
用語「スルホニル」は、単独または組み合わせで、-SO2基を意味する。
用語「スルフィニル」は、単独または組み合わせで、-SO-基を意味する。
用語「スルファニル」は、単独または組み合わせで、-S-基を意味する。
用語「シアノ」は、単独または組み合わせで、-CN基を意味する。
用語「アジド」は、単独または組み合わせで、-N3基を意味する。
用語「ニトロ」は、単独または組み合わせで、NO2基を意味する。
用語「ホルミル」は、単独または組み合わせで、-C(O)H基を意味する。
用語「カルバモイル」は、単独または組み合わせで、-C(O)NH2基を意味する。
用語「カバミド」は、単独または組み合わせで、-NH-C(O)-NH2基を意味する。
用語「アリール」は、単独または組み合わせで、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルおよびホルミルから独立して選択される1~3個の置換基で場合により置換された、6~10個の炭素環原子を含む、一価芳香族炭素環式単環または二環式環系を示す。アリールの例には、フェニルおよびナフチル、特にフェニルが含まれる。
用語「ヘテロアリール」は、単独または組み合わせで、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルおよびホルミルから独立して選択される1~3個の置換基で場合により置換された炭素である、5~12個の環原子の一価芳香族複素環式単環または二環式環系を示す。ヘテロアリールの例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリルまたはアクリジニルが含まれる。
用語「ヘテロシクリル」は、単独または組み合わせで、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルおよびホルミルから独立して選択される1~3個の置換基で場合により置換された炭素である、4~12、特に4~9個の環原子の一価飽和または部分不飽和単環または二環式環系を意味する。単環式飽和ヘテロシクリルの例には、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ-チエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、またはオキサゼパニルが含まれる。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、または3-チア-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ-オキサゾリル、テトラヒドロ-ピリジニルまたはジヒドロピラニルである。
用語「薬学的に許容され得る塩」は、生物学的にまたは別様に望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、特に塩酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸と共に形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることにより調製され得る。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級、および第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるがこれらに限定されない。式(I)の化合物は、双性イオンの形態で存在することもできる。特に好ましくは、式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびメタンスルホン酸の塩である。
用語「保護基」は、単独または組み合わせで、化学反応が他の非保護の反応性部位で選択的に行われ得るように、多官能化合物の反応性部位を選択的に遮断する基を意味する。保護基は、除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基またはヒドロキシ保護基である。
本発明の出発物質または化合物が、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないかまたは反応性である1つ以上の官能基を含む場合、適切な保護基(例えば、「Protective Groups in Organic Chemistry」by T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd Ed.,1999,Wiley,New Yorkに記載されているような)を、当技術分野で周知の重要な工程適用方法の前に導入することができる。そのような保護基は、文献に記載の標準的な方法を用いて、合成の後の段階で除去することができる。保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)およびp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
本明細書に記載される化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体などのエナンチオマーの混合物、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体またはジアステレオ異性体ラセミ体の混合物として存在することができる。
用語「不斉炭素原子」は、4つの異なる置換基を有する炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」または「S」立体配置のものであり得る。
核酸分子
本明細書で使用される用語「核酸分子」または「治療的核酸分子」は、それが当業者により、2つ以上の共有結合したヌクレオシド(即ち、ヌクレオチド配列)を含む分子として一般的に理解されているように定義される。本発明で言及される核酸分子は、一般に、10~50ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、それらは一般に、1つまたは2つのオリコヌクレオチドから構成されている。核酸分子は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、もしくはそれを含み得、または例えばCRISPR RNA、siRNA、shRNA、アプタマーもしくはリボザイムなどの他のオリゴマー核酸分子であり得る。治療的核酸分子は、通常、固相化学合成と、その後の精製および単離によって、研究室内で作製される。しかしながら、shRNAは、多くの場合、レンチウイルスベクターを用いて細胞に送達され(例えばSoan and Yang 2010 N Am J Med Sci 2(12):598を参照)、次いで転写されて単鎖RNAを生成し、これは、RNA干渉機構(RNA誘導サイレンシング複合体を含む)と相互作用することができるRNAステムループ(ヘアピン)RNA構造を形成するであろう。核酸分子の配列に言及する場合、共有結合したヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸塩基部分の配列もしくは順序、またはその修飾が参照される。本発明の核酸分子は、人工であり、化学的に合成され、典型的には精製または単離される。本発明の核酸分子は、1つ以上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチド、例えば2’-糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の核酸分子は、8~70ヌクレオチド長、10~60ヌクレオチド長、12~50ヌクレオチド長、例えば8~40ヌクレオチド長、例えば9~35、例えば10~30、例えば11~22、例えば12~20、例えば13~18または14~16連続ヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、核酸分子またはその連続ヌクレオチド配列は、24以下のヌクレオチド、例えば22以下のヌクレオチド、例えば20以下のヌクレオチド、例えば18以下のヌクレオチド、例えば14、15、16または17ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。本明細書で提供されるいずれの範囲も、範囲の終点を含むことを理解するべきである。したがって、核酸分子が10~30ヌクレオチドを含むと記される場合、10ヌクレオチドおよび30ヌクレオチドの両方が含まれる。
いくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30連続ヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。
この核酸分子は、典型的には、哺乳動物における標的核酸の発現の調節用である。いくつかの実施形態では、siRNA、shRNAまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドなどの核酸分子は、典型的には、標的核酸の発現を阻害するためである。
本発明の一実施形態において、核酸分子は、RNAi剤、例えばsiRNA、shRNAから選択される。
別の実施形態では、核酸分子は、RNaseHと相互作用するアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば単鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば高親和性修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、核酸分子は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、ホスホロチオエート結合を5’末端および3’末端に(例えば独立して1~3結合を各末端に)含む。いくつかの実施形態では、核酸分子内の全ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートからなる。
いくつかの実施形態では、核酸分子は、非ヌクレオシド部分(コンジュゲート部分)に結合され得る。
オリゴヌクレオチド
本明細書で使用される用語「オリゴヌクレオチド」または「治療的オリゴヌクレオチド」は、それが当業者により、2つ以上の共有結合したヌクレオシドを含む分子として一般的に理解されているように定義される。そのような共有結合ヌクレオシドは、核酸分子、オリゴヌクレオチドまたはオリゴマーとも称され得る。オリゴヌクレオチドは、通常、固相化学合成と、その後の精製によって研究室内で作製される。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、共有結合したヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸塩基部分の配列もしくは順序、またはその修飾が参照される。本発明のオリゴヌクレオチドは、人工であり、化学的に合成され、典型的には精製または単離される。本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば2’糖修飾ヌクレオシドなどの1つ以上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含んでもよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、標的核酸または標的配列に相補的な連続ヌクレオチド配列を含み、いくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列に加えて1つ以上の追加のヌクレオチド、例えば1~30、例えば1~20、例えば1~10、例えば1、2、3、4または5のさらなるヌクレオチドをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、追加のヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列に相補的であり、連続ヌクレオチド配列にハイブリダイズすることによりステムループ(ヘアピン)構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、追加のヌクレオチドは、1~5ホスホジエステル結合ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの全ヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列を形成する。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本明細書で使用される用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸、特に標的核酸上の連続配列にハイブリダイズすることによって標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドとして定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは本質的に二本鎖ではなく、したがってsiRNAまたはshRNAではない。好ましくは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは単鎖である。本発明の単鎖オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって内部(intra)または相互(inter)の自己相補性の程度が50%未満である限り、ヘアピンまたは分子間二重鎖構造(同じオリゴヌクレオチドの2分子間の二重鎖)を形成できることが理解される。
有利には、単鎖本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性を低下させるためRNAヌクレオシドを含まない。
有利には、本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば2’糖修飾ヌクレオシドなどの1つ以上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含む。さらに、修飾されていないヌクレオシドがDNAヌクレオシドであることは有利である。
RNAiまたはsiRNA
本明細書において、用語「RNA干渉(RNAi)分子」は、細胞の原形質中でRNA発現またはRNA低下(reducing)サイレンシング複合体(RISC)を介した翻訳を阻害する任意の分子を指し、ここでRNAi分子は、触媒性RISC構成要素アルゴノートと相互作用する。小型干渉RNA(siRNA)は、典型的には、パッセンジャー(センス)およびガイド(アンチセンス)オリゴヌクレオチド(鎖)を含む二本鎖RNA複合体であり、これは細胞に投与されると、RISC複合体(siRISC)へのガイド(アンチセンス)鎖の組み込みがもたらされ、RISC関連の細胞内の相補的なRNA標的核酸の翻訳阻害または分解がもたらされる。センス鎖はパッセンジャー鎖とも称され、アンチセンス鎖はガイド鎖とも称される。小型ヘアピンRNA(shRNA)は、RISCを介してmRNAを分解することができるステムループ(ヘアピン)構造を形成する単一の核酸分子である。RNAi核酸分子は、化学的に(siRNA複合体に典型的)もしくはインビトロ転写により合成され、またはベクターから発現され得る。
shRNA分子は、一般に40~70ヌクレオチド長、例えば45~65ヌクレオチド長、例えば50~60ヌクレオチド長であり、特徴的な2塩基3’オーバーハングを有する19~23塩基対の短干渉RNAにdsRNAをプロセシングすると考えられるDicerとして既知のエンドヌクレアーゼと相互作用し、これは次いでRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれる。
典型的には、siRNA(またはshRNAのアンチセンス領域)のガイド(アンチセンス)鎖は、17~25ヌクレオチド長、例えば19~23ヌクレオチド長であり、標的核酸または標的配列に相補的である。siRNA複合体において、ガイド(アンチセンス)鎖およびパッセンジャー(センス)鎖は、二本鎖デュプレックスを形成し、これは例えば1~3ヌクレオチドの3’末端オーバーハングを含んでもよく(Dicerにより生成される産物と類似)、または平滑末端(二重鎖の一方または両方の末端にオーバーハングがない)であってもよい。
RNAiは、細胞内でsiRNAにプロセシングされる(dsRNAエンドヌクレアーゼDICERが関与すると考えられるプロセス)、より長いdsRNA基質により媒介され得ることが認識されるであろう。Dicer基質の有効な拡張形態は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,349,809号および米国特許第8,513,207号に記載されている。
RNAiオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド間結合および高親和性ヌクレオシド、例えば2’糖修飾ヌクレオシド、例えば2’-4’二環式リボース修飾ヌクレオシド(LNAおよびcETまたは2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2’-フルオロ-ANAのような2’置換修飾を含む)を用いて化学的に修飾されてもよい。例えば2’O-メチル修飾siRNAを開示している国際公開第2002/044321号、siRNA複合体中のLNAヌクレオシドの使用(siLNAとして既知)を開示している国際公開第2004083430号、およびsiRNA中の不連続パッセンジャー鎖の使用(siLNA複合体など)を開示している国際公開第2007107162号を参照されたい。国際公開第03006477号はRNAiのsiRNAおよびshRNA(stRNAとも称される)オリゴヌクレオチドメディエーターを開示している。Harborth et al.,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.2003 Apr;13(2):83-105は、小型干渉RNAおよび短ヘアピンRNAの配列、化学、構造変化、ならびに哺乳動物遺伝子サイレンシングに対する効果に言及している。
いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、1つ以上のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。RNAi分子において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、RICSにおけるヌクレアーゼ切断を低減し得るため、すべてのヌクレオシド間結合が修飾されるのではないことが有利である。ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、RNAi核酸分子の3’および/または5’末端、特に標的核酸に相補的ではない分子の部分(例えば、siRNA分子のセンス鎖またはパッセンジャー鎖)に配置されることが有利であり得る。しかしながら、標的核酸に相補的なRNAi分子の領域(例えば、siRNA分子中のアンチセンスまたはガイド鎖)も、3’および/または5’末端の最初の2~3ヌクレオシド間結合において修飾され得る。
連続ヌクレオチド配列
用語「連続ヌクレオチド配列」は、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドの領域を指す。この用語は、本明細書で用語「連続核酸塩基配列」および用語「オリゴヌクレオチドモチーフ配列」と互換的に使用される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの全ヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列を構成する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列、例えばギャップマーのフランク(ウイングとしても既知)およびギャップ領域、例えばF-G-F’-ギャップマー領域を含み、場合によりさらなるヌクレオチド、例えば、官能基を連続ヌクレオチド配列に結合するのに使用され得るヌクレオチドリンカー領域を含んでもよい。ヌクレオチドリンカー領域は、標的核酸に相補的であっても相補的でなくてもよい。
ヌクレオチド
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの構成単位であり、本発明の目的のために、天然に存在するヌクレオチドおよび天然に存在しないヌクレオチドの両方を含む。本来、DNAおよびRNAヌクレオチドなどのヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分および1つ以上のリン酸基(ヌクレオシドに存在しない)を含む。ヌクレオシドおよびヌクレオチドはまた、「単位」または「モノマー」と互換的に称されてもよい。
修飾ヌクレオシド
本明細書で使用される用語「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」は、等価なDNAまたはRNAヌクレオシドと比較して、糖部分または(核酸)塩基部分の1つ以上の修飾の導入によって修飾されたヌクレオシドを指す。好ましい実施形態では、修飾ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。用語修飾ヌクレオシドはまた、用語「ヌクレオシド類似体」または修飾「単位」または修飾「モノマー」と互換的に使用されてもよい。非修飾DNAまたはRNA糖部分を有するヌクレオシドは、本明細書でDNAまたはRNAヌクレオシドと称される。DNAまたはRNAヌクレオシドの塩基領域における修飾を有するヌクレオシドは、それらがWatson Crick塩基対合が可能であれば、依然として一般にDNAまたはRNAと称される。
修飾ヌクレオシド間結合
用語「修飾ヌクレオシド間結合」は、2つのヌクレオシドを互いに共有結合する、ホスホジエステル(PO)結合以外の結合として当業者により理解されるように定義される。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間結合を含み得る。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合と比較して、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増大させ、このことは治療的オリゴヌクレオチドにとって特に有利である。天然に存在するオリゴヌクレオチドの場合、ヌクレオシド間結合は、隣接するヌクレオシド間のホスホジエステル結合を形成するリン酸基を含む。修飾ヌクレオシド間結合は、インビボ使用のためのオリゴヌクレオチドの安定化に特に有用であり、本発明のオリゴヌクレオチドのDNAまたはRNAヌクレオシドの領域、例えばギャップマーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内、ならびに領域FおよびF’などの修飾ヌクレオシドの領域におけるヌクレアーゼ切断から保護する役割を果たし得る。
一実施形態では、オリゴヌクレオチド、例えば治療的アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNAまたはsiRNAは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合が、例えばヌクレアーゼ攻撃に対してより耐性であるように、天然のホスホジエステルから修飾された1つ以上のヌクレオシド間結合を含む。ヌクレアーゼ耐性は、オリゴヌクレオチドを血清中でインキュベートすることにより、またはヌクレアーゼ耐性アッセイ(例えばヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD))を用いることにより決定することができ、これらの両方は当技術分野で周知である。オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を向上させることができるヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合と称される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列の少なくとも50%のヌクレオシド間結合が修飾され、例えばオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80または例えば少なくとも90%のヌクレオシド間結合が、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合の全部がヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドを非ヌクレオチド官能基、例えばコンジュゲートに結合するヌクレオシドは、ホスホジエステルであり得ることが認識されるであろう。
好ましい修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートである。
ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、そのヌクレアーゼ耐性、有益な薬物動態および製造の容易さのために特に有用である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列の少なくとも50%のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートであり、例えばオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%または例えば少なくとも90%のヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合の全部がホスホロチオエートである。完全ホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列の使用は、多くの場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドにおいて使用されるが、siRNAにおいては、特にガイド(アンチセンス)鎖中に使用される場合、完全ホスホロチオエート修飾はRNAi活性を制限することが報告されているため、部分ホスホロチオエート修飾が好ましい可能性がある。ホスホロチオエート修飾は、RNAi活性を過度に制限することなく、siRNAのアンチセンス鎖の5’および3’末端に組み込まれ得る。
ホスホロチオエート結合などのヌクレアーゼ耐性結合は、標的核酸と二重鎖を形成するときにヌクレアーゼを動員することができるオリゴヌクレオチド領域、例えばギャップマーの領域Gにおいて特に有用である。しかしながら、ホスホロチオエート結合は、非ヌクレアーゼ動員領域および/または親和性増強領域、例えばギャップマーの領域FおよびF’においても有用であり得る。ギャップマーオリゴヌクレオチドは、いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’、または領域FおよびF’の両方に1つ以上のホスホジエステル結合を含んでもよく、領域Gのヌクレオシド間結合は、完全にホスホロチオエートであり得る。有利には、アンチセンスオリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列のすべてのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
欧州特許第2742135号に開示されているように、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、他のヌクレオシド間結合(ホスホジエステルおよびホスホロチオエート以外の)、例えばアルキルホスホネート/メチルホスホネートヌクレオシド間結合(internucleosides)を含んでもよいことが認識され、これは欧州特許第2742135号によれば、例えば別のDNAホスホロチオエートのギャップ領域内で耐性であり得る。
核酸塩基
核酸塩基という用語は、ヌクレオシドおよびヌクレオチドに存在するプリン(例えばアデニンおよびグアニン)およびピリミジン(例えばウラシル、チミンおよびシトシン)部分を含み、これらは核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成する。本発明の文脈において、核酸塩基という用語は、天然に存在する核酸塩基とは異なり得るが、核酸ハイブリダイゼーション中に機能性である修飾核酸塩基も包含する。この文脈において、「核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基、例えばアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチンおよびヒポキサンチンと、天然に存在しない変異体との両方を指す。そのような変異体は、例えばHirao et al(2012)Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom(2009)Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl.37 1.4.1に記載されている。
いくつかの実施形態では、核酸塩基部分は、プリンまたはピリミジンを修飾プリンまたはピリミジン、例えば置換プリンまたは置換ピリミジン、例えばイソシトシン、シュードイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チアゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2’チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリンおよび2-クロロ-6-アミノプリンから選択される核酸塩基(nucleobased)に変えることにより修飾される。
核酸塩基部分は、各々の対応する核酸塩基の文字コード、例えばA、T、G、CまたはUにより示され、各文字は、等価な機能の修飾核酸塩基を場合により含み得る。例えば、例示のオリゴヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分は、A、T、G、Cおよび5-メチルシトシンから選択される。場合により、LNAギャップマーについて、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドが使用され得る。
修飾オリゴヌクレオチド
修飾オリゴヌクレオチドという用語は、1つ以上の糖-修飾ヌクレオシドおよび/または修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを記述する。キメラ”オリゴヌクレオチドという用語は、修飾ヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを記述するために文献で使用されている用語である。
相補性
用語「相補性」は、ヌクレオシド/ヌクレオチドのWatson-Crickの塩基対合の能力を記述する。Watson-Crick塩基対は、グアニン(G)-シトシン(C)およびアデニン(A)-チミン(T)/ウラシル(U)である。オリゴヌクレオチドは修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを含んでもよく、例えば5-メチルシトシンは度々シトシンの代わりに使用され、したがって相補性という用語は、非修飾および修飾核酸塩基の間のWatson Crick塩基対合を包含することが理解されるであろう(例えばHirao et al(2012)Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom(2009)Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl.37 1.4.1を参照されたい)。
本明細書で使用される用語「%相補的」は、所定に位置において、別個のオリゴヌクレオチド(例えば標的核酸)の所定の位置における連続ヌクレオチド配列に相補的な(即ちWatson Crick塩基対を形成する)、オリゴヌクレオチド(例えばオリゴヌクレオチド)内の連続ヌクレオチド配列のパーセントにおけるオリゴヌクレオチドの数を指す。百分率は、2つの配列間で対を形成する(標的配列5’-3’とオリゴヌクレオチド配列3’-5’を整列させたとき)、整列された塩基の数を数え、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの総数で割り、100を掛けることにより計算される。このような比較において、整列(塩基対を形成)しない核酸塩基/ヌクレオチドは、ミスマッチと称される。好ましくは、挿入および欠失は、連続ヌクレオチド配列の%相補性の計算において許容されない。
「完全に相補的な」という用語は、100%の相補性を指す。
以下は、標的核酸(配列番号325)に完全に相補的なオリゴヌクレオチドモチーフ(配列番号86)の例である。
5’-gaataatatggaaaaacgaaaa-3’(配列番号325)
3’-tattatacctttttgct-5’(配列番号86)
同一性
本明細書で使用される用語「同一性」は、連続ヌクレオチド配列にわたって参照配列(例えば配列モチーフ)に同一である、オリゴヌクレオチド(例えばオリゴヌクレオチド)の連続ヌクレオチド配列のヌクレオチドの割合(パーセントで表される)を指す。したがって、同一性の百分率は、2つの配列(本発明の化合物の連続ヌクレオチド配列および参照配列における)の間で同一の(一致する)整列された塩基の数を数え、その数をオリゴヌクレオチドのヌクレオチドの総数で割り、100を掛けることにより計算される。したがって、同一性の百分率=(一致×100)/整列領域(例えば、連続ヌクレオチド配列)の長さ。挿入および欠失は、連続ヌクレオチド配列の同一性の百分率の計算において許容されない。同一性の決定において、核酸塩基の化学的修飾は、核酸塩基がWatson Crick塩基対合を形成する機能的能力が保持される限り、無視されることが理解されるであろう(例えば、5-メチルシトシンは、%同一性の計算の目的のために、シトシンと同一であると見なされる)。
ハイブリダイゼーション
本明細書で使用される用語「ハイブリダイズしている」または「ハイブリダイズする」は、2つの核酸鎖(例えば、オリゴヌクレオチドおよび標的核酸)が対向する鎖上の塩基対の間で水素結合を形成することにより二重鎖を形成するとして理解するべきである。2つの核酸鎖の間の結合の親和性は、ハイブリダイゼーションの強度である。これは、度々、オリゴヌクレオチドの半分が標的核酸と二重鎖を形成する温度として定義される融解温度(Tm)によって記述される。生理学的条件では、Tmは親和性に厳密に比例しない(Mergny and Lacroix,2003,Oligonucleotides 13:515-537)。標準状態ギブス自由エネルギーΔG°は、結合親和性をより正確に表し、ΔG°=-RTln(Kd)によって反応の解離定数(Kd)に関連付けられ、ここでRは気体定数であり、Tは絶対温度である。したがって、オリゴヌクレオチドと標的核酸との反応の非常に低いΔG°は、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の強いハイブリダイゼーションを反映する。ΔG°は、水性濃度が1M、pHが7、温度が37℃の反応に関連したエネルギーである。標的核酸に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、自発的反応であり、自発的反応の場合、ΔG°はゼロ未満である。ΔG° は、Hansen et al.,1965,Chem.Comm.36-38 and Holdgate et al.,2005,Drug Discov Todayに記載されているように、例えば等温滴定熱量測定(ITC)により、実験的に測定することができる。当業者は、ΔG°測定のために市販の装置が入手可能であることを知るであろう。ΔG°は、SantaLucia,1998,Proc Natl Acad Sci USA.95:1460-1465に記載されているように、Sugimoto et al.,1995,Biochemistry 34:11211-11216およびMcTigue et al.,2004,Biochemistry 43:5388-5405に記載されている適切に誘導した熱力学パラメータを使用して、最近接モデル(nearest neighbor model)を用いることにより数値的に推定することもできる。ハイブリダイゼーションによってその意図された核酸標的を調節する可能性を有するために、本発明のオリゴヌクレオチドは、10~30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドについて-10kcal未満の推定ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションの程度または強度は、標準状態ギブス自由エネルギーΔG°により測定される。オリゴヌクレオチドは、8~30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドについて-10kcalの範囲未満、例えば-15kcal未満、例えば-20kcal未満、および例えば-25kcal未満の推定ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズし得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、-10~-60kcal、例えば-12~-40、例えば-15~-30kcalまたは-16~-27kcal、例えば-18~-25kcalの推定ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸
本発明によれば、標的核酸は、哺乳動物TMEM106Bをコードする核酸であり、例えば遺伝子、RNA、mRNA、およびプレmRNA、成熟mRNAまたはcDNA配列であり得る。したがって、標的は、TMEM106B標的核酸と称され得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、哺乳動物TMEM106B RNAの標的エキソン領域を標的とし得、または例えばTMEM106BプレmRNAのイントロン領域を標的とし得る(表1参照)。
表1:本発明の化合物により標的とされ得るヒトTMEM106Bエキソンおよびイントロン領域
好適には、標的核酸は、TMEM106Bタンパク質、特に哺乳動物TMEM106B、例えばヒトTMEM106Bをコードする(例えば、ヒト、サルおよびマウスTMEM106BについてのmRNAおよびプレmRNA配列を提供する表2および3を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、標的核酸は、配列番号1、2、3、4、5および6、またはその天然に存在する変異体(SNP変異体を含む)からなる群から選択される。配列番号1の既知のヌクレオチド多型(SNP)の表は、表4に示される。本発明のオリゴヌクレオチドを研究または診断に使用する場合、標的核酸は、DNAまたはRNAに由来するcDNAまたは合成核酸であり得る。
本発明のオリゴヌクレオチドは、典型的には、TMEM106B標的核酸を発現している細胞内のTMEM106B標的核酸の発現を阻害することができる。本発明のオリゴヌクレオチドの核酸塩基の連続配列は、典型的には、オリゴヌクレオチドの長さにわたって測定して、場合により1つまたは2つのミスマッチを除いて、また場合により、オリゴヌクレオチドをコンジュゲートなどの任意の官能基に結合し得るヌクレオチドベースのリンカー領域、または他の非相補的末端ヌクレオチドを除いて、TMEM106B標的核酸に相補的である。標的核酸は、いくつかの実施形態では、成熟mRNAまたはプレmRNAであり得る。
いくつかの実施形態では、標的核酸は、哺乳動物TMEM106Bタンパク質をコードするRNA、例えばヒトTMEM106B、例えばヒトTMEM106BプレmRNA配列、例えば配列番号1として開示されているもの、またはヒト成熟mRNA、例えば配列番号2に開示されているものである。例示的な標的核酸に関するさらなる情報は、表2および3に提供される。
表2:種にわたるTMEM106Bに関するゲノムおよびアセンブリー情報
Fwd=フォワード鎖Rv=リバース鎖ゲノム座標は、プレmRNA配列(ゲノム配列)を提供する。NCBI参照は、mRNA配列(cDNA配列)を提供する。
*アメリカ国立生物工学情報センター参照配列データベースは、ゲノム、転写物およびタンパク質を含む、包括的で統合された、冗長性のない、十分に注釈が付けられた参照配列のセットである。これはwww.ncbi.nlm.nih.gov/refseq.で主催されている。
表3:種にわたるTMEM106Bについての配列の詳細
標的配列
本明細書で使用される用語「標的配列」は、標的核酸に存在するヌクレオチドの配列を指し、これは本発明のオリコヌクレオチドに相補的な核酸塩基配列を含む。いくつかの実施形態では、標的配列は、本発明のオリコヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列に相補的な核酸塩基配列を有する標的核酸上の領域からなる。標的核酸のこの領域は、互換的に標的ヌクレオチド配列、標的配列または標的領域と称され得る。いくつかの実施形態では、標的配列は、単一オリゴヌクレオチドの相補的配列よりも長く、例えば本発明のいくつかのオリゴヌクレオチドの好ましい領域を表し得る。
いくつかの実施形態では、標的配列は、TMEM106B核酸、例えば配列番号1のイントロン領域内に存在する。
いくつかの実施形態では、標的配列は、エキソン9、例えばTMEM106B核酸の3’UTRに存在する。
本発明者らは、ヒトおよびマウスTMEM106Bの3’UTRは、有利な標的配列であることを特定した。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列は、哺乳動物TMEM106B mRNA、例えば本明細書に言及される標的核酸(例えば、配列番号1、3または5)の3’UTRに対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。一実施形態では、3’UTRは、配列番号1の位置20755-32146に位置する。実施例に示すように、本発明者らはさらに、ヒトTMEM106B転写物の3’UTR内に有利な標的配列を特定した。いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置20755~位置26403である。いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置21084~位置21213である。いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置23086~位置24077である。
いくつかの実施形態では、標的配列は、ヒトTMEM106B mRNAエキソン、例えばe1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8およびe9からなる群から選択されるTMEM106BヒトmRNAエキソンからなる群から選択される配列である(上記の表1参照)。いくつかの実施形態では、標的配列は、エキソンe2である。
いくつかの実施形態では、標的配列は、ヒトTMEM106B mRNAイントロン、例えば、i1、i2、i3、i4、i5、i6、i7およびi8からなる群から選択されるTMEM106BヒトmRNAイントロンからなる群から選択される配列である(上記の表1参照)。いくつかの実施形態では、標的配列は、イントロンi8または3’UTR領域である。
いくつかの実施形態では、標的配列は、i1、i2、i3、i4、i5、i6、i7およびi8からなる群から選択されTMEM106BヒトmRNAイントロン、ならびにTMEM106BヒトmRNA 3’UTRからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、標的配列は、TMEM106BヒトmRNAイントロンi8または3’UTRの配列である(上記の表1参照)。
いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置20227~位置20243のヌクレオチド配列であり、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置20227~位置26403のヌクレオチド配列であり、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置20227~位置21213のヌクレオチド配列であり、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号1の位置20227~位置24077のヌクレオチド配列であり、またはそれを含む。
本発明のオリゴヌクレオチドは、標的核酸、例えば本明細書に記載される標的配列に相補的またはハイブリダイズする連続ヌクレオチド配列を含む。
オリゴヌクレオチドが相補的またはハイブリダイズする標的配列は、一般に、少なくとも10ヌクレオチドの連続核酸塩基配列を含む。いくつかの実施形態では、そのような本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、連続ヌクレオチド配列は、10~50ヌクレオチド、例えば10~30ヌクレオチド、例えば14~20、例えば15~18連続ヌクレオチドである。
siRNAの場合、アンチセンス鎖オリゴヌクレオチドが相補的またはハイブリダイズする標的配列は、少なくとも16または17ヌクレオチドの連続核酸塩基配列を含み得る。いくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列は、17~25ヌクレオチド、例えば19~23連続ヌクレオチドである。
標的細胞
本明細書で使用される用語「標的細胞」は、標的核酸を発現している細胞を指す。いくつかの実施形態では、標的細胞は、インビボまたはインビトロであり得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は、哺乳動物細胞、例えばげっ歯類細胞、例えばマウス細胞もしくはラット細胞、または霊長類細胞、例えばサル細胞もしくはヒト細胞である。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、神経細胞である。いくつかの実施形態では、TMEM106Bを発現している細胞は、神経細胞であり得る。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、TMEM106BプレmRNAまたはTMEM106B成熟mRNAなどのTMEM106B mRNAを発現する。TMEM106B mRNAのポリAテールは、典型的には、アンチセンスオリゴヌクレオチド標的化では無視される。
いくつかの実施形態では、ATCC(CRL-2271)から獲得したヒトSK-N-BE(2)神経芽腫細胞、またはATCC(CCL-131)から獲得したマウスNeuro-2a神経芽腫細胞は、オリゴヌクレオチドが標的核酸をダウンレギュレートできるか否かを決定するのに使用され得る(実施例参照)。
天然に存在する変異体
用語「天然に存在する変異体」は、標的核酸と同じ遺伝子座に由来するが、例えば、同じアミノ酸をコードする多数のコドンを引き起こす遺伝コードの縮重のために、またはプレmRNAの選択的スプライシング、または多型、例えば単一ヌクレオチド多型(SNP)の存在に起因して異なり得るTMEM106B遺伝子または転写産物の変異体、および対立遺伝子変異体を指す。オリゴヌクレオチドに対する十分な相補的な配列の存在に基づいて、本発明のオリゴヌクレオチドは、したがって、標的核酸およびその天然に存在する変異体を標的とし得る。
いくつかの実施形態では、天然に存在する変異体は、哺乳動物TMEM106B標的核酸、例えば配列番号1~6からなる群から選択される標的核酸に対して少なくとも95%、例えば少なくとも98%または少なくとも99%相同性を有する。いくつかの実施形態では、天然に存在する変異体は、配列番号1または配列番号2のヒトTMEM106B標的核酸に対して少なくとも99%相同性を有する。いくつかの実施形態では、天然に存在する変異体は、表4に列挙する多型である。
表4:ヒトTMEM106B遺伝子における既知の単一ヌクレオチド多型の例(ヒトプレmRNA開始/参照配列は、配列番号1である)。
発現の調節
本明細書で使用される用語「発現の調節」は、オリゴヌクレオチドの投与前のTMEM106Bの量と比較したときに、TMEM106Bの量を変更するオリゴヌクレオチドの能力の総称として理解されるべきである。あるいは、発現の調節は、対照実験を参照することによって決定され得る。対照は、生理食塩水組成物で処理された個体もしくは標的細胞、または非標的化オリゴヌクレオチド(モック)で処理された個体もしくは標的細胞であると一般的に理解されている。
調節の1つのタイプは、例えばmRNAの分解または転写の遮断による、TMEM106Bの発現を阻害、ダウンレギュレート、低減、抑制、除去、停止、遮断、防止、減少、低下、回避または終了するオリゴヌクレオチドの能力である。別のタイプの調節は、例えばスプライス部位の修復またはスプライシングの防止、またはマイクロRNA抑制などの阻害メカニズムの除去もしくは遮断による、TMEM106Bの発現を回復、増加または増強するオリゴヌクレオチドの能力である。
高親和性修飾ヌクレオシド
高親和性修飾ヌクレオシドは、修飾されたヌクレオチドであり、オリゴヌクレオチドに組み込まれると、例えば、融解温度(Tm)によって測定されるように、その相補的標的に対するオリゴヌクレオチドの親和性を高める。本発明の高親和性修飾ヌクレオシドは、好ましくは、修飾ヌクレオシドあたり+0.5~+12℃、より好ましくは+1.5~+10℃、最も好ましくは+3~+8℃の融解温度の上昇をもたらす。多数の高親和性修飾ヌクレオシドが当技術分野にて既知であり、例えば、多くの2’置換ヌクレオシドおよびロックド核酸(LNA)が含まれる(例えば、Freier&Altmann;Nucl.Acid Res.,1997,25,4429-4443 and Uhlmann;Curr.Opinion in Drug Development,2000,3(2),293-213を参照されたい)。
糖修飾
本発明のオリゴマーは、修飾された糖部分、即ち、DNAおよびRNAに見られるリボース糖部分と比較した場合の糖部分の修飾を有する1つ以上のヌクレオシドを含み得る。
リボース糖部分の修飾を有する多数のヌクレオシドが、親和性および/またはヌクレアーゼ耐性などのオリゴヌクレオチドの特定の特性を改善することを主な目的として作製されている。
そのような修飾には、例えばヘキソース環(HNA)または二環式環(典型的には、リボース環(LNA)のC2とC4炭素の間にバイラジカル架橋を有する)、または典型的にはC2とC3炭素の間の結合を欠く非結合リボース環(例えば、UNA)で置き換えることにより、リボース環構造が修飾されているものが含まれる。他の糖修飾ヌクレオシドには、例えばビシクロヘキソース核酸(国際公開第2011/017521号)または三環式核酸(国際公開第2013/154798号)が含まれる。修飾ヌクレオシドには、例えばペプチド核酸(PNA)の場合には、糖部分が非糖部分で置き換えられているヌクレオシド、またはモルホリノ核酸も含まれる。
糖修飾には、リボース環上の置換基を水素以外の基、またはDNAおよびRNAヌクレオシドに天然に存在する2’-OH基に変更することによる修飾も含まれる。置換基は、例えば2’、3’、4’または5’位で導入され得る。
2’糖修飾ヌクレオシド
2’糖修飾ヌクレオシドは、2’位にHまたは-OH以外の置換基を有し(2’置換ヌクレオシド)、または2’炭素とリボース環の第2の炭素との間に架橋を形成できる2’結合バイラジカルを含むヌクレオシド、例えばLNA(2’-4’バイラジカル架橋)である。
実際、2’置換ヌクレオシドの開発には多くの注目が集まっており、多くの2’置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチドに組み込まれた際に有益な特性を有することが見出されている。例えば、2’修飾ヌクレオシドは、向上された結合親和性、および/または増大されたヌクレアーゼ耐性をオリゴヌクレオチドに提供することができる。2’置換修飾ヌクレオシドの例は、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-RNAおよび2’-F-ANAヌクレオシドである。さらなる例については、例えばFreier&Altmann;Nucl.Acid Res.,1997,25,4429-4443およびUhlmann;Curr.Opinion in Drug Development,2000,3(2),293-213、およびDeleavey and Damha,Chemistry and Biology 2012,19,937を参照。以下は、いくつかの2’置換修飾ヌクレオシドの説明である。
本発明に関連して、2’置換は、LNAのような2’架橋分子を含まない。
ロックド核酸(LNA)
「LNAヌクレオシド」は、前記ヌクレオシドのリボース糖環のC2’とC4’を結合するバイラジカル(「2’-4’架橋」とも称される)を含む2’修飾ヌクレオシドであり、これはリボース環の立体配座を制限または固定する。これらのヌクレオシドは、文献にて架橋核酸または二環式核酸(BNA)とも称されている。リボースのコンフォメーションの固定は、LNAが相補的RNAまたはDNA分子のオリゴヌクレオチドに組み込まれる場合、ハイブリダイゼーションの親和性の向上(二重鎖安定化)に関連している。これはオリゴヌクレオチド/補完二重鎖の融解温度を測定することにより日常的に決定され得る。
非限定的な、例示的なLNAヌクレオシドは、国際公開第99/014226号、国際公開第00/66604号、国際公開第98/039352号、国際公開第2004/046160号、国際公開第00/047599号、国際公開第2007/134181号、国際公開第2010/077578号、国際公開第2010/036698号、国際公開第2007/090071号、国際公開第2009/006478号、国際公開第2011/156202号、国際公開第2008/154401号、国際公開第2009/067647号、国際公開第2008/150729号、Morita et al.,Bioorganic&Med.Chem.Lett.12,73-76,Seth et al.J.Org.Chem.2010,Vol 75(5)pp.1569-81,and Mitsuoka et al.,Nucleic Acids Research 2009,37(4),1225-1238,and Wan and Seth,J.Medical Chemistry 2016,59,9645-9667に開示されている。
さらなる非限定的な、例示的なLNAヌクレオシドは、スキーム1に開示されている。
スキーム1:
特定のLNAヌクレオシドは、β-D-オキシ-LNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、例えば(S)-6’-メチル-β-D-オキシ-LNA(ScET)およびENAである。
特定の有利なLNAは、β-D-オキシ-LNAである。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのβ-D-オキシ-LNAまたは6’-メチル-β-D-オキシ-LNAヌクレオシドを含む。
ヌクレアーゼ媒介分解
ヌクレアーゼ媒介分解は、相補的なヌクレオチド配列と二重鎖を形成するときに、そのような配列の分解を媒介することができるオリゴヌクレオチドを指す。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸のヌクレアーゼ媒介分解を介して機能し得、本発明のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ、特にエンドヌクレアーゼ、好ましくはRNase Hなどのエンドリボヌクレアーゼ(RNase)を動員することができる。ヌクレアーゼ媒介機構を介して機能するオリゴヌクレオチド設計の例は、少なくとも5または6の連続DNAヌクレオシドの領域を通常含み、親和性増強ヌクレオシド、例えばギャップマー、ヘッドマーおよびテイルマーが片側または両側に隣接するオリゴヌクレオチドである。
RNase H活性および動員
アンチセンスアンチセンスオリゴヌクレオチドのRNase H活性は、相補的RNA分子と二重鎖を形成するときにRNase Hを動員するその能力を指す。国際公開第01/23613号は、RNase H活性を決定するインビトロ方法を提供し、これはRNaseHを動員する能力の決定に使用され得る。典型的には、オリゴヌクレオチドは、相補的な標的核酸が提供された場合、pmol/l/分で測定して、試験されている修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するが、DNAモノマーのみを含み、オリゴヌクレオチドの全モノマー間にホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオチドを使用し、また国際公開第01/23613号(参照により本明細書に組み込まれる)の実施例91~95により提供される方法論を使用したときに決定された初期率の少なくとも5%、例えば少なくとも10%または20%超を有する場合に、RNase Hを動員することができると見なされる。RHase H活性の測定に使用するために、組換えヒトRNase H1がLubio Science GmbH,Lucerne,Switzerlandから入手可能である。
ギャップマー
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列は、ギャップマーであってもよい。アンチセンスギャップマーは、通常、RNase媒介分解を介して標的核酸を阻害するのに使用される。ギャップマーオリゴヌクレオチドは、少なくとも3つの区別される構造領域、5’-フランク、ギャップおよび3’-フランク、F-G-F’を5’->3’配向で含む。「ギャップ」領域(G)は、オリゴヌクレオチドがRNase Hを動員することを可能にする連続DNAヌクレオチドのストレッチを含む。ギャップ領域は、1つ以上の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む5’隣接領域(F)と、1つ以上の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む3’隣接領域(F’)が隣接する。領域FおよびF’の1つ以上の糖修飾ヌクレオシドは、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する(即ち、これは親和性増強糖修飾ヌクレオシドである)。いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の1つ以上の糖修飾ヌクレオシドは、2’糖修飾ヌクレオシド、例えばLNAおよび2’-MOEから独立して選択される、例えば高親和性2’糖修飾である。
ギャップマー設計において、ギャップ領域の最も5’および3’のヌクレオシドはDNAヌクレオシドであり、各々、5’(F)または3’(F’)の糖修飾ヌクレオシドに隣接して配置されている。フランクはさらに、ギャップ領域から最も遠い端、即ち5’フランクの5’末端および3’フランクの3’末端に少なくとも1つの糖修飾ヌクレオシドを有することによって定義されてもよい。
領域F-G-F’は、連続ヌクレオチド配列を形成する。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列は、式F-G-F’のギャップマー領域を含んでもよい。
ギャップマー設計F-G-F’の全長は、例えば12~32ヌクレオシド、例えば13~24、例えば14~22ヌクレオシド、例えば14~17、例えば16~18ヌクレオシドであってもよい。
例として、本発明のギャップマーオリゴヌクレオチドは、以下の式により表すことができる:
F1-8-G5-16-F’1-8、例えば
F1-8-G7-16-F’2-8
ただし、ギャップマー領域の全長は、少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
領域F、GおよびF’は、さらに以下に定義され、F-G-F’式に組み込まれることができる。
ギャップマー-領域G
ギャップマーの領域G(ギャップ領域)は、オリゴヌクレオチドがRNaseH、例えばヒトRNase H1を動員することを可能にするヌクレオシド、典型的にはDNAヌクレオシドの領域である。RNaseHは、DNAとRNAの間の二重鎖を認識し、RNA分子を酵素的に切断する細胞酵素である。好適には、ギャップマーは、少なくとも5または6連続DNAヌクレオシド、例えば5~16連続DNAヌクレオシド、例えば6~15連続DNAヌクレオシド、例えば7~14連続DNAヌクレオシド、例えば8~12連続DNAヌクレオチド、例えば8~12連続DNAヌクレオチド長のギャップ領域(G)を有してもよい。ギャップ領域Gは、いくつかの実施形態では、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16連続DNAヌクレオシドからなっていてもよい。ギャップ領域内の1つ以上のシトシン(C)DNAは、いくつかの場合、メチル化(例えば、DNA cにDNA gが続く場合)されてもよく、そのような残基は、5-メチル-シトシン(meC)と注釈が付けられる。いくつかの実施形態では、ギャップ領域Gは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16連続ホスホロチオエート結合DNAヌクレオシドからなっていてもよい。いくつかの実施形態では、ギャップ内の全ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
従来のギャップマーはDNAギャップ領域を有するが、ギャップ領域内で使用される場合にRNaseH動員を可能にする修飾ヌクレオシドの多数の例が存在する。ギャップ領域内に含まれる場合にRNaseHの動員が可能であるとして報告されている修飾ヌクレオシドには、例えば、α-L-LNA、C4’-アルキル化DNA(PCT/EP2009/050349およびVester et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.18(2008)2296-2300に記載されているような、両方とも参照により本明細書に組み込まれる)、ANAおよび2’F-ANAのようなアラビノース由来ヌクレオシド(Mangos et al.2003 J.AM.CHEM.SOC.125,654-661)、UNA(アンロックド核酸)(参照により本明細書に組み込まれるFluiter et al.,Mol.Biosyst.,2009,10,1039に記載されているような)が含まれる。UNAは、典型的には、リボースのC2とC3の間の結合が除去され、アンロックド「糖」残基を形成しているアンロックド核酸である。そのようなギャップマーに使用されている修飾ヌクレオシドは、ギャップ領域内に導入された際に2’エンド(endo)(DNA様)構造を採択する(即ち、RNaseH動員を可能にする修飾)ヌクレオシドであり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるDNAギャップ領域(G)は、場合により、ギャップ領域内に導入された際に2’エンド(endo)(DNA様)構造を採択する1~3糖修飾ヌクレオシドを含んでもよい。
領域G-「ギャップブレーカー」
あるいは、いくつかのRNaseH活性を保持しながら、ギャップマーのギャップ領域に3’エンドコンフォメーションを付与する修飾ヌクレオシドの挿入についての多くの報告が存在する。1つ以上の3’エンド修飾ヌクレオシドを含むギャップ領域を有するそのようなギャップマーは、「ギャップブレーカー」または「ギャップ破壊」ギャップマーと称される。例えば、国際公開第2013/022984号を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドは、RNaseH動員を可能にするために、ギャップ領域内にDNAヌクレオシドの十分な領域を保持する。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチド設計がRNaseHを動員する能力は、典型的には、配列または化合物固有である-Rukov et al.2015 Nucl.Acids Res.Vol.43 pp.8476-8487を参照されたい。これは、いくつかの場合、標的RNAのより特異的な切断を提供するRNaseHを動員する「ギャップブレーカー」オリゴヌクレオチドを開示している。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内で使用される修飾ヌクレオシドは、例えば、3’エンドコンフォメーションを付与する修飾ヌクレオシド、例えば2’-O-メチル(OMe)または2’-O-MOE(MOE)ヌクレオシド、またはβ-D LNAヌクレオシド(ヌクレオシドのリボース糖環のC2’とC4’の間の架橋が、βコンフォメーションである)、例えばβ-D-オキシLNAまたはScETヌクレオシドであってもよい。
上述した領域Gを含むギャップマーと同様に、ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ギャップマーは、ギャップの5’末端に(領域Fの3’ヌクレオシドに隣接して)DNAヌクレオシドを有し、ギャップの3’末端に(領域Fの5’ヌクレオシドに隣接して)DNAヌクレオシドを有する。破壊ギャップを含むギャップマーは、典型的には、ギャップ領域の5’末端または3’末端のいずれかに少なくとも3または4連続DNAヌクレオシドの領域を保持する。
ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドの例示的な設計は、
F1-8-[D3-4-E1-D3-4]-F’1-8
F1-8-[D1-4-E1-D3-4]-F’1-8
F1-8-[D3-4-E1-D1-4]-F’1-8
を含み、領域Gは、[Dn-Er-Dm]内であり、Dは、DNAヌクレオシドの連続配列であり、Eは、修飾ヌクレオシド(ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ヌクレオシド)であり、FおよびF’は、本明細書に定義した隣接領域であるが、ただし、ギャップマー領域F-G-F’の全長は、少なくとも12、例えば14ヌクレオチド長であることを条件とする。
いくつかの実施形態では、ギャップ破壊ギャップマーの領域Gは、少なくとも6DNAヌクレオシド、例えば6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16DNAを含む。上述したように、DNAヌクレオシドは連続であってもよく、場合により1つ以上の修飾ヌクレオシドが散在してもよいが、ただしギャップ領域Gは、RNaseH動員を媒介できることを条件とする。
ギャップマー-隣接領域、FおよびF’
領域Fは、領域Gの5’DNAヌクレオシドのすぐ隣に配置されている。領域Fの最も3’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性糖修飾ヌクレオシド、例えば2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
領域F’は、領域Gの3’DNAヌクレオシドのすぐ隣に配置されている。領域Fの最も5’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性糖修飾ヌクレオシド、例えば2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
領域Fは、1~8連続ヌクレオチド長、例えば2~6、例えば3~4連続ヌクレオチド長である。有利には、領域Fの最も5’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの2つの最も5’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの最も5’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの2つの最も5’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの2つの最も5’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2つの3’MOEヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fの最も5’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドである。
領域F’は、2~8連続ヌクレオチド長、例えば3~6、例えば4~5連続ヌクレオチド長である。有利には、領域Fの最も3’の実施形態は、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の2つの最も3’のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の2つの最も3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の最も3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の2つの最も3’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2つの3’MOEヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域F’の最も3’のヌクレオシドは、2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドである。
領域Fまたは領域F’の長さが1である場合、それはLNAヌクレオシドであることに留意するべきである。
いくつかの実施形態では、領域Fおよび領域F’は、独立して、糖修飾ヌクレオシドの連続配列からなり、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、領域Fの糖修飾ヌクレオシドは、独立して、2’-O-アルキル-RNA単位、2’-O-メチル-RNA、2’-アミノ-DNA単位、2’-フルオロ-DNA単位、2’-アルコキシ-RNA、MOE単位、LNA単位、アラビノ核酸(ANA)単位および2’-フルオロ-ANA単位から選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、領域Fおよび領域F’は、独立して、LNAおよび2’置換修飾ヌクレオシドの両方を含む(混合ウイング設計)。
いくつかの実施形態では、領域Fおよび領域F’は、1タイプのみの糖修飾ヌクレオシド、例えばMOEのみ、またはβ-D-オキシLNAのみ、またはScETのみからなる。このような設計は、均一フランクまたは均一ギャップマー設計とも称される。
いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’の全ヌクレオシド、またはFおよびF’は、例えばβ-D-オキシLNA、ENAまたはScETヌクレオシドから独立して選択される、LNAヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、領域Fは、1~5、例えば2~4、例えば3~4、例えば1、2、3、4または5連続LNAヌクレオシドからなる。いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の全ヌクレシドは、β-D-オキシLNAである。
いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’の全ヌクレシド、またはFおよびF’は、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEである。いくつかの実施形態では、領域Fは、1、2、3、4、5、6、7または8連続OMeまたはMOEからなる。いくつかの実施形態では、隣接領域の1つのみが、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEからなり得る。いくつかの実施形態では、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEからなるのは5’(F)隣接領域であり、一方、3’(F’)隣接領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、2’置換ヌクレオシド、例えばOMeまたはMOEからなるのは3’(F’)隣接領域であり、一方、5’(F)隣接領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の全修飾ヌクレオシドが、LNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNA、ENAまたはScETヌクレオシドから独立して選択される、LNAヌクレオシドであり、領域FもしくはF’、またはFおよびF’は、場合によりDNAヌクレオシドを含んでもよい(交互フランク、詳細にはこれらの定義を参照されたい)。いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の全修飾ヌクレオシドがβ-D-オキシLNAヌクレオシドであり、領域FもしくはF’、またはFおよびF’は、場合によりDNAヌクレオシドを含んでもよい(交互フランク、詳細にはこれらの定義を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、領域FおよびF’の最も5’および最も3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはScETヌクレオシドである。
いくつかの実施形態では、領域Fと領域Gの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、領域F’と領域Gの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、領域FまたはF’、FおよびF’の間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
LNAギャップマー
LNAギャップマーは、領域FおよびF’の一方または両方のいずれかが、LNAヌクレオシドを含み、またはそれからなるギャップマーである。β-D-オキシギャップマーは、領域FおよびF’の一方または両方のいずれかが、β-D-オキシLNAヌクレオシドを含み、またはそれからなるギャップマーである。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、式:[LNA]1-5-[領域G]-[LNA]1-5のものであり、領域Gはギャップマー領域Gの定義に定義した通りである。
MOEギャップマー
MOEギャップマーは、領域FおよびF’がMOEヌクレオシドからなるギャップマーである。いくつかの実施形態では、MOEギャップマーは、設計[MOE]1-8-[領域G]-[MOE]1-8、例えば[MOE]2-7-[領域G]5-16-[MOE]2-7、例えば[MOE]3-6-[領域G]-[MOE]3-6のものであり領域Gはギャップマーの定義に定義した通りである。5-10-5設計(MOE-DNA-MOE)を有するMOEギャップマーは、当技術分野で広く使用されている。
混合ウイングギャップマー
混合ウイングギャップマーは、領域FおよびF’の一方または両方が、2’置換ヌクレオシド、例えば2’-O-アルキル-RNA単位、2’-O-メチル-RNA、2’-アミノ-DNA単位、2’-フルオロ-DNA単位、2’-アルコキシ-RNA、MOE単位、アラビノ核酸(ANA)単位および2’-フルオロ-ANA単位から独立して選択される2’置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドを含むLNAギャップマーである。領域FおよびF’の少なくとも一方、または領域FおよびF’の両方が少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの実施形態では、領域FおよびF’の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群から独立して選択される。領域FおよびF’の少なくとも一方、または領域FおよびF’の両方が少なくとも2つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの実施形態では、領域FおよびF’の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群から独立して選択される。いくつかの混合ウイング実施形態では、領域FおよびF’の一方または両方が、1つ以上のDNAヌクレオシドをさらに含んでもよい。
混合ウイングギャップマー設計は、国際公開第2008/049085号および国際公開第2012/109395号(これらの両方は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
交互フランクギャップマー
交互フランクを有するオリゴヌクレオチドは、LNAギャップマーオリコヌクレオチドであり、フランクの少なくとも一方(FまたはF’)が、LNAヌクレオシドに加えてDNAを含む。いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’、または両領域FおよびF’は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。そのような実施形態では、隣接領域FもしくはF’、またはFおよびF’の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、Fおよび/またはF’領域の最も5’および3’のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。
いくつかの実施形態では、領域FもしくはF’、または両領域FおよびF’は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。そのような実施形態では、隣接領域FもしくはF’、またはFおよびF’の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、FまたはF’領域の最も5’および3’のヌクレオシドはLNAヌクレオシドであり、領域FまたはF’(または領域FまたはF’の両方)の最も5’および3’のヌクレオシド間に位置する少なくとも1つのDNAヌクレオシドが存在する。
オリゴヌクレオチドにおける領域D’またはD”
本発明のオリゴヌクレオチドは、いくつかの実施形態では、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列、例えばギャップマーF-G-F’、ならびにさらに5’および/または3’ヌクレオシドを含み、またはそれからなり得る。さらなる5’および/または3’ヌクレオシドは、標的核酸に完全に相補的であってもよく、または完全に相補的でなくてもよい。このようなさらなる5’および/または3’ヌクレオシドは、本明細書で領域D’およびD”と称され得る。
領域D’またはD”の追加は、連続ヌクレオチド配列、例えばギャップマーをコンジュゲート部分または他の官能基に連結することを目的として用いられ得る。連続ヌクレオチド配列をコンジュゲート部分に連結するのに使用される場合、生体切断可能なリンカーとしての役割を果たし得る。あるいは、それはエキソヌクレアーゼ保護を提供するために、または合成もしくは製造を容易にするために使用され得る。
領域D’およびD”は、各々、領域Fの5’末端または領域F’の3’末端に結合されて、以下の式D’-F-G-F’、F-G-F’-D”またはD’-F-G-F’-D”の設計を生成することができる。この場合、F-G-F’はオリゴヌクレオチドのギャップマー部分であり、領域D’またはD”は、オリゴヌクレオチドの別個の部分を構成する。
領域D’またはD”は、独立して、1、2、3、4または5個の追加のヌクレオチドを含み、またはそれからなり、標的核酸に相補的であっても、または相補的でなくてもよい。FまたはF’領域に隣接するヌクレオチドは、糖修飾ヌクレオチドではなく、例えばDNAまたはRNAまたはこれらの塩基修飾バージョンである。D’およびD”領域は、ヌクレアーゼ感受性の生体切断可能なリンカーとしての役割を果たし得る(リンカーの定義を参照されたい)。いくつかの実施形態では、追加の5’および/または3’末端ヌクレオチドは、ホスホジエステル結合で連結され、DNAまたはRNAである。領域D’およびD”としての使用に好適なヌクレオチドベースの生体切断可能なリンカーは、国際公開第2014/076195号に開示されており、これは例としてホスホジエステル結合DNAジヌクレオチドを含む。ポリオリゴヌクレオチド構築物における生体切断可能なリンカーの使用は、国際公開第2015/113922号に開示されており、それらは複数のアンチセンス構築物(例えば、ギャップマー領域)を単一のオリゴヌクレオチド内で結合するのに使用されている。
一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、ギャップマーを構成する連続ヌクレオチド配列に加えて、領域D’および/またはD”を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、以下の式により表すことができる:
F-G-F’;特にF1-8-G5-16-F’2-8
D’-F-G-F’、特にD’1-3-F1-8-G5-16-F’2-8
F-G-F’-D’’、特にF1-8-G5-16-F’2-8-D’’1-3
D’-F-G-F’-D’’、特にD’1-3-F1-8-G5-16-F’2-8-D’’1-3
いくつかの実施形態では、領域D’と領域Fの間に位置するヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合である。いくつかの実施形態では、領域F’と領域D”の間に位置するヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合である。
コンジュゲート
本明細書で使用されるコンジュゲートという用語は、非ヌクレオチド部分に共有結合したオリゴヌクレオチドを指す(コンジュゲート部分または領域Cまたは第3の領域)。
1つ以上の非ヌクレオチド部分に対する本発明のオリゴヌクレオチドのコンジュゲーションは、例えば、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、細胞取り込み、または安定性に影響を及ぼすことにより、オリゴヌクレオチドの薬理学を改善することができる。いくつかの実施形態では、コンジュゲート部分は、オリゴヌクレオチドの細胞分布、バイオアベイラビリティ、代謝、排泄、浸透性、および/または細胞取り込みを改善することにより、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を調節または向上させる。特に、コンジュゲートは、オリゴヌクレオチドを特定の器官、組織または細胞型に標的化し、それにより、その器官、組織または細胞型におけるオリゴヌクレオチドの有効性を増強し得る。同時に、コンジュゲートは、非標的細胞型、組織または器官内のオリゴヌクレオチドの活性を低下させるのに役立ち得る(例えば、非標的細胞型、組織または器官内のオフ標的活性または活性)。
一実施形態では、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分)は、炭水化物、細胞表面受容体リガンド、原薬、ホルモン、親油性物質、ポリマー、タンパク質、ペプチド、毒素(例えば、細菌毒素)、ビタミン、ウイルスタンパク質(例えば、キャプシド)またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、コンジュゲートは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012/143379号に開示されているような、トランスフェリン受容体に対して特異的親和性を有する抗体または抗体断片である。いくつかの実施形態では、非ヌクレオチド部分は、抗体または抗体断片、例えば脳血液関門を通過する送達を促進する抗体または抗体断片、特にトランスフェリン受容体を標的とする抗体または抗体断片である。
リンカー
リンケージまたはリンカーは、1つ以上の共有結合を介して、対象の化学基またはセグメントを別の化学基またはセグメントに連結する2つの原子間の接続である。コンジュゲート部分は、直接または連結部分(例えば、リンカーまたはテザー)を介してオリゴヌクレオチドに付着させることができる。リンカーは、第3の領域、例えばコンジュゲート部分(領域C)を、第1の領域、例えばオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列またはギャップマー領域F-G-F’(領域A)に共有結合する役割を果たす。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のコンジュゲートまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、場合により、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列(領域Aまたは第1の領域)の間に位置するリンカー領域(第2の領域または領域Bおよび/または領域Y)と、コンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)とを含み得る。
領域Bは、哺乳動物の体内で通常遭遇するまたは遭遇するものに類似した条件下で切断可能である生理学的に不安定な結合を含み、またはそれからなる生体切断可能なリンカーを指す。生理学的に不安定なリンカーが化学的変換(例えば、切断)を受ける条件には、pH、温度、酸化のしくは還元条件または薬剤などの化学条件、および哺乳動物細胞で見られるまたは遭遇するものに類似した塩濃度が含まれる。哺乳動物の細胞内条件には、タンパク質分解酵素または加水分解酵素またはヌクレアーゼなどの哺乳動物細胞に通常存在する酵素活性の存在も含まれる。一実施形態では、生体切断可能なリンカーは、S1ヌクレアーゼ切断の影響を受けやすい。DNAホスホジエステルを含む生体切断可能なリンカーは、国際公開第2014/076195号(参照により本明細書に組み込まれる)により詳細に記載されている-本明細書の領域D’またはD”’も参照されたい。
領域Yは、必ずしも生体切断可能ではないが、主にコンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)をオリゴヌクレオチド(領域Aまたは第1の領域)に共有結合させるのに役立つリンカーを指す。領域Yリンカーは、エチレングリコール、アミノ酸単位またはアミノアルキル基などの反復単位の鎖構造またはオリゴマーを含み得る。本発明のオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、以下の局所要素A-C、A-B-C、A-B-Y-C、A-Y-B-CまたはA-Y-Cから構築することができる。いくつかの実施形態では、リンカー(領域Y)は、例えばC6~C12アミノアルキル基を含むC2~C36アミノアルキル基などのアミノアルキルである。好ましい実施形態では、リンカー(領域Y)は、C6アミノアルキル基である。
治療
本明細書で使用される用語「治療」は、既存の疾患(例えば、本明細書で言及される疾患または障害)の治療、または疾患の予防(prevention)、即ち予防(prophylaxis)の両方を指す。したがって、本明細書で言及される治療は、いくつかの実施形態では、予防的であり得ることが認識されるであろう。いくつかの実施形態では、治療は、本発明は、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)からなる群から選択される神経学的障害などの神経学的障害と診断された患者に行われる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、前頭側頭葉変性症(FTLD)の治療に使用するためのものである。
治療の望ましい効果は、治療を受ける対象の前頭皮質のTMEM106B mRNAを、認知症でない個人の平均TMEM106B mRNAレベルに対応する正常レベルに低下させることである。TMEM106B mRNAの減少は、正常レベルの40%未満、例えば正常レベルの30%未満、例えば正常レベルの20%未満、例えば正常レベルの40%未満の範囲内であり、かつ正常レベルより20%高く、例えば正常レベルの30%未満であり、かつ正常レベルより15%高く、例えば正常レベルの20%未満であり、かつ正常レベルより10%高く、減少しないことが有利である。
薬学的に許容され得る塩
用語「薬学的に許容され得る塩」は、生物学的にまたは別様に望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、特に塩酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸と共に形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることにより調製され得る。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級、および第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるがこれらに限定されない。式(I)の化合物は、双性イオンの形態で存在することもできる。特に好ましくは、式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびメタンスルホン酸の塩である。
保護基
用語「保護基」は、単独または組み合わせで、化学反応が他の非保護の反応性部位で選択的に行われ得るように、多官能化合物の反応性部位を選択的に遮断する基を意味する。保護基は、除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基またはヒドロキシ保護基である。
発明の詳細な説明
本発明のオリゴヌクレオチド
本発明は、TMEM106Bの発現を調節する、例えばTMEM106Bを阻害(ダウンレギュレート)することができるオリゴヌクレオチドに関する。調節は、TMEM106Bをコードする、またはTMEM106Bの調節に関与する標的核酸にハイブリダイズすることにより達成される。標的核酸は、配列番号1~6からなる群から選択される配列などの哺乳動物のTMEM106B配列であり得る。
有利には、本発明のオリゴヌクレオチドは、TMEM106Bを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはshRNAから選択することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的の発現を阻害またはダウンレギュレートすることにより、それを調節することができる。好ましくは、そのような調節は、標的の正常な発現レベルと比較して少なくとも20%、より好ましくは、標的の正常な発現レベルと比較して少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%の阻害をもたらす。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、ATCC(CRL-2271から獲得され得るヒトSK-N-BE(2)神経芽細胞腫細胞を使用して、インビトロでTMEM106B mRNAの発現レベルを少なくとも60%または70%阻害することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、ヒトSK-N-BE(2)神経芽細胞腫細胞を使用して、インビトロでTMEM106Bタンパク質の発現レベルを少なくとも50%阻害することが可能であり得る。好適には、実施例は、TMEM106B RNAまたはタンパク質阻害を測定するために用いられ得るアッセイを提供する。標的調節は、オリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列と標的核酸との間のハイブリダイゼーションによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間のミスマッチを含む。ミスマッチにもかかわらず、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、TMEM106B発現の所望の調節を示すのに尚十分であり得る。ミスマッチから生じる結合親和性の低下は、オリゴヌクレオチド内のヌクレオチド数の増加、および/または、標的への結合親和性を増加させることができる修飾ヌクレオシド、例えばオリゴヌクレオチド配列内に存在する、LNAを含む2’糖修飾ヌクレオシドの数の増加により有利に補償され得る。
本発明の一態様は、哺乳動物TMEM106B核酸、例えば配列番号1~6、例えば配列番号1、2、3、4、5または6に対して少なくとも90%の相補性を有する10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~30ヌクレオチド長の連続配列を含み、これは標的核酸または標的配列の領域と少なくとも90%相補的、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、または100%相補的である。
好ましい実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域に完全に相補的(100%相補的)であり、またはいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間に1つまたは2つのミスマッチを含み得る。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1および/または2に存在する領域標的核酸領域に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に(または100%)相補的であり、10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド配列は、配列番号1および配列番号3または配列番号5(または配列番号3および5の両方)に存在する対応する標的核酸領域に対して100%相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド配列は、配列番号1、3および5に存在する対応する標的核酸領域に対して100%相補的である。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド配列は、配列番号2および配列番号4または配列番号6(または配列番号4および6の両方)に存在する対応する標的核酸領域に対して100%相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド配列は、配列番号2、4および6に存在する対応する標的核酸領域に対して100%相補的である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号1のエキソン9に対して少なくとも90%相補的、例えば100%相補的である。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1に存在する対応する標的核酸領域に対して少なくとも90%相補的であり、例えば100%の相補性を有する10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含み、標的核酸領域は、表5の領域A1~A80からなる群から選択される。
表5:本発明のオリゴヌクレオチドを使用して標的化され得る配列番号1の選択された領域
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号1に存在する対応する標的核酸領域に対して少なくとも90%相補的であり、例えば100%の相補性を有する10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含み、標的核酸領域は、表6の領域B1~B29からなる群から選択される。
表6:本発明のオリゴヌクレオチドを使用して標的化され得る配列番号2の選択された領域
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、8~70ヌクレオチド長、例えば10~60ヌクレオチド長、例えば10~50ヌクレオチド長、例えば12~50ヌクレオチド長、例えば8~40ヌクレオチド長、例えば9~35、例えば10~30、例えば11~22、例えば12~20、例えば13~18または14~16ヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、またはその連続ヌクレオチド配列は、10~35ヌクレオチド長、例えば10~30、例えば11~22、例えば12~20、例えば14~18または14~16連続ヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。有利には、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、14、15、16、17または18オリゴヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、22以下のヌクレオチド、例えば20以下のヌクレオチド、例えば18以下のヌクレオチド、例えば14、15、16または17ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。本明細書で提供されるいずれの範囲も、範囲の終点を含むことを理解するべきである。したがって、オリゴヌクレオチドが10~30ヌクレオチドを含むと記される場合、10ヌクレオチドおよび30ヌクレオチドの両方が含まれる。
いくつかの実施形態では、その連続ヌクレオチド配列は、10~35ヌクレオチド長、例えば10~30、例えば11~22、例えば12~20、例えば14~18または14~16連続ヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30連続ヌクレオチド長を含み、またはそれからなる。一般に、オリゴヌクレオチドは、連続ヌクレオチド配列よりも短くなり得ないことが理解される。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、各々表5および6に提供される標的配列領域A1~A80または領域B1~B29に対して完全に相補的である配列を含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号7~164、例えば配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86(表7および8のモチーフ配列を参照)からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも10連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号7~164、例えば配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86(表7および8のモチーフ配列を参照)からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも12連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号7~164、例えば配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86(表7および8のモチーフ配列を参照)からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも13連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号7~164、例えば配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86(表7および8のモチーフ配列を参照)からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも14連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号7~164、例えば配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも15連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザルの両方、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号7~164、例えば配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86(表7および8のモチーフ配列を参照)からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも16連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号65、66、71、74および75(表7および8に列挙されるモチーフ配列を参照)からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%同一、例えば100%同一の少なくとも17連続ヌクレオチドを含む。配列が、ヒトおよびカニクイザルの両方、例えば配列番号65、66および71からなる群から選択される配列に相補的である場合、有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含む。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも12連続ヌクレオチドを含む。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも12連続ヌクレオチドを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも13連続ヌクレオチドを含む。ヒトおよびカニクイザルの両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも13連続ヌクレオチドを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも14連続ヌクレオチドを含む。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも14連続ヌクレオチドを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも15連続ヌクレオチドを含む。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも15連続ヌクレオチドを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも16連続ヌクレオチドを含む。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも16連続ヌクレオチドを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
本発明のいくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号167~246、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される。ヒトおよびカニクイザル(cyno)の両方に存在する配列、例えば配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列を標的とすることが有利である。
本発明のいくつかの実施形態では、標的配列は、配列番号247~326、例えば配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域、例えば配列番号222、225、226、231、234および235からなる群から選択される標的配列に対して完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域、例えば配列番号222、225、226、231、234および235からなる群から選択される標的配列に対して完全に相補的な少なくとも12連続ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域、例えば配列番号222、225、226、231、234および235からなる群から選択される標的配列に対して完全に相補的な少なくとも13連続ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域、例えば配列番号222、225、226、231、234および235からなる群から選択される標的配列に対して完全に相補的な少なくとも14連続ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域、例えば配列番号222、225、226、231、234および235からなる群から選択される標的配列に対して完全に相補的な少なくとも15連続ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸の領域、例えば配列番号222、225、226、231、234および235からなる群から選択される標的配列に対して完全に相補的な少なくとも16、例えば少なくとも17の連続ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、配列番号1の位置21084~21101(領域A59、表5)、位置21214~21231(領域A60、表5)、位置23806~23822(領域A70表5)、位置24060~24077(領域A68、表5)または位置24045~24098(領域A67~A70、表5)からの標的核酸の領域に対して完全に相補的な、少なくとも16、例えば少なくとも17の連続ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される配列に対して100%同一の連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも12連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも12連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される配列に対して少なくとも100%同一である連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも12連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも12連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号65、66、71、74および75からなる群から選択される配列に対して100%同一の連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも16連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
連続核酸塩基配列(モチーフ配列)は、例えばヌクレアーゼ耐性および/または標的核酸に対する親和性を増大させるために修飾され得ることが理解される。
修飾ヌクレオシド(高親和性修飾ヌクレオシドなど)がオリゴヌクレオチド配列に組み込まれるパターンは、一般にオリゴヌクレオチド設計と称される。
本発明のオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドを用いて設計される。高親和性修飾ヌクレオシドを用いることが有利である。
一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド、例えば少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15または少なくとも16個の修飾ヌクレオシドを含む。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1~10個の修飾ヌクレオシド、例えば2~9個の修飾ヌクレオシド、例えば3~8個の修飾ヌクレオシド、例えば4~7個の修飾ヌクレオシド、例えば6または7個の修飾ヌクレオシドを含む。適切な修飾は、「修飾ヌクレオシド」、「高親和性修飾ヌクレオシド」、「糖修飾」、「2’糖修飾」およびロックド核酸(LNA)の「定義」セクションに記載されている。
一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上の糖修飾ヌクレオシド、例えば2’糖修飾ヌクレオシドを含む。好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2’-フルオロ-ANAおよびLNAヌクレオシドからなる群から独立して選択される1つ以上の2’糖修飾ヌクレオシドを含む。修飾ヌクレオシドの1つ以上がロックド核酸(LNA)である場合、有利である。
さらなる実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む。適切なヌクレオシド間結合は、「修飾ヌクレオシド間結合」の「定義」セクションに記載されている。連続ヌクレオチド配列内の少なくとも75%、例えばすべてのヌクレオシド間結合がホスホロチオエートまたはボラノホスフェート結合であれば有利である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの連続配列中の全ヌクレオチド間結合がホスホロチオエート結合である。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えば1、2、3、4、5、6、7または8個のLNAヌクレオシド、例えば2~6個のLNAヌクレオシド、例えば3~7個のLNAヌクレオシド、4~8個のLNAヌクレオシド、または3、4、5、6、7もしくは8個のLNAヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの修飾ヌクレオシドの少なくとも75%、例えば修飾ヌクレオシドの80%、例えば85%、例えば90%がLNAヌクレオシドである。尚さらなる実施形態では、オリゴヌクレオチドの全修飾ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである。さらなる実施形態では、オリゴヌクレオチドは、β-D-オキシ-LNA、および以下のLNAヌクレオシドの1つ以上:β-Dまたはα-L立体構造のいずれかのチオ-LNA、アミノ-LNA、oxy-LNA、ScETおよび/またはENA、またはそれらの組み合わせの両方を含んでもよい。さらなる実施形態では、全LNAシトシン単位は、5-メチル-シトシンである。オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列のヌクレアーゼ安定性にとって、ヌクレオチド配列の5’末端に少なくとも1つのLNAヌクレオシドと3’末端に少なくとも2つのLNAヌクレオシドがあることが有利である。
本発明の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、RNase Hを動員することが可能である。
本発明において、有利な構造設計は、例えば、「ギャップマー」、「LNAギャップマー」、「MOEギャップマー」および「混合ウイングギャップマー」「交互フランクギャップマー」の「定義」セクションに記載されているギャップマー設計である。ギャップマー設計には、均一フランク、混合ウイングフランク、交互フランク、およびギャップブレーカー設計のギャップマーが含まれる。本発明では、本発明のオリゴヌクレオチドがF-G-F ’設計のギャップマーである場合が有利である。いくつかの実施形態では、ギャップマーは、領域FおよびF’の少なくとも一方または両方が少なくとも1つのLNA単位を含むLNAギャップマーである。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、6’-メチル-β-D-オキシ-LNAヌクレオシドを含まない。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、2’-O-メトキシエチルヌクレオシドを含まない。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される配列に対して100%同一の連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも12連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも12連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも13連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも14連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも15連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも16連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LNAギャップマーは、配列番号65、66、71、74および75からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列、またはその少なくとも16連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、配列番号7~86、例えば配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85および86からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列を含み、またはそれからなり、配列の設計は、表7に列挙されているものに対応する。特に、フランク(FおよびF’)は、LNA、cET、MOEなどの2’-糖修飾ヌクレオシド(M)から選択され、ギャップはDNAのストレッチ(D)を構成する。交互フランク設計のギャップマーでは、オリゴヌクレオチドのフランクは一連の整数として注釈が付けられ、2’糖修飾ヌクレオシド(M)の後にいくつかのDNAヌクレオシド(D)が続く。例えば、2-2-1モチーフのフランクは5’[M]2-[D]2-[M]3’を表し、1-1-1-1-1モチーフは5’[M]-[D]-[M]-[D]-[M]3’を表す。両方のフランクは、5’’および3’末端に2’糖修飾ヌクレオシドを有する。ギャップ領域(G)は、フランクの間に位置するいくつかのDNAヌクレオシド(通常は5~16個)で構成されている。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、CMP番号7_1~86_1、例えば7_1、8_1、9_1、10_1、11_1、12_1、13_1、14_1、15_1、16_1、17_1、18_1、19_1、20_1、21_1、22_1、23_1、24_1、25_1、26_1、27_1、28_1、29_1、30_1、31_1、32_1、33_1、34_1、35_1、36_1、37_1、38_1、39_1、40_1、41_1、42_1、43_1、44_1、45_1、46_1、47_1、48_1、49_1、50_1、51_1、52_1、53_1、54_1、55_1、56_1、57_1、58_1、59_1、60_1、61_1、62_1、63_1、64_1、65_1、66_1、67_1、68_1、69_1、70_1、71_1、72_1、73_1、74_1、75_1、76_1、77_1、78_1、79_1、80_1、81_1、82_1、83_1、84_1、85_1および86_1からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれからなり、大文字はLNAヌクレオシドであり、小文字はDNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは場合により5メチルシトシンLNAであり、DNAシトシンは場合により5-メチルシトシンDNAである。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、CMP番号7_1~86_1、例えば7_1、8_1、9_1、10_1、11_1、12_1、13_1、14_1、15_1、16_1、17_1、18_1、19_1、20_1、21_1、22_1、23_1、24_1、25_1、26_1、27_1、28_1、29_1、30_1、31_1、32_1、33_1、34_1、35_1、36_1、37_1、38_1、39_1、40_1、41_1、42_1、43_1、44_1、45_1、46_1、47_1、48_1、49_1、50_1、51_1、52_1、53_1、54_1、55_1、56_1、57_1、58_1、59_1、60_1、61_1、62_1、63_1、64_1、65_1、66_1、67_1、68_1、69_1、70_1、71_1、72_1、73_1、74_1、75_1、76_1、77_1、78_1、79_1、80_1、81_1、82_1、83_1、84_1、85_1および86_1からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれからなり、大文字はLNAヌクレオシドであり、小文字はDNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは場合により5メチルシトシンLNAであり、DNAシトシンは場合により5-メチルシトシンDNAであり、連続ヌクレオチド配列内の全ヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、CMP番号7_1~86_1、例えば7_1、8_1、9_1、10_1、11_1、12_1、13_1、14_1、15_1、16_1、17_1、18_1、19_1、20_1、21_1、22_1、23_1、24_1、25_1、26_1、27_1、28_1、29_1、30_1、31_1、32_1、33_1、34_1、35_1、36_1、37_1、38_1、39_1、40_1、41_1、42_1、43_1、44_1、45_1、46_1、47_1、48_1、49_1、50_1、51_1、52_1、53_1、54_1、55_1、56_1、57_1、58_1、59_1、60_1、61_1、62_1、63_1、64_1、65_1、66_1、67_1、68_1、69_1、70_1、71_1、72_1、73_1、74_1、75_1、76_1、77_1、78_1、79_1、80_1、81_1、82_1、83_1、84_1、85_1および86_1からなる群から選択される連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれからなり、表7に示すように、大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドであり、小文字はDNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは5メチルシトシンLNAであり、連続ヌクレオチド配列内の全ヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、CMP番号7_1~86_1、例えば7_1、8_1、9_1、10_1、11_1、12_1、13_1、14_1、15_1、16_1、17_1、18_1、19_1、20_1、21_1、22_1、23_1、24_1、25_1、26_1、27_1、28_1、29_1、30_1、31_1、32_1、33_1、34_1、35_1、36_1、37_1、38_1、39_1、40_1、41_1、42_1、43_1、44_1、45_1、46_1、47_1、48_1、49_1、50_1、51_1、52_1、53_1、54_1、55_1、56_1、57_1、58_1、59_1、60_1、61_1、62_1、63_1、64_1、65_1、66_1、67_1、68_1、69_1、70_1、71_1、72_1、73_1、74_1、75_1、76_1、77_1、78_1、79_1、80_1、81_1、82_1、83_1、84_1、85_1および86_1からなる群から選択され、大文字はLNAヌクレオシドであり、小文字はDNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは場合により5メチルシトシンLNAであり、DNAシトシンは場合により5-メチルシトシンDNAであり、DNAヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、化合物の群から選択され、
ATGTttatcaccaaAATT(配列番号65、CMP番号65_1)
CTGAaatactaccaTATA(配列番号66、CMP番号66_1)
TTTAatcataccaATCT(配列番号71、CMP番号71_1)
TTCTtatttcaaatCTCA(配列番号74、CMP番号74_1)
TCTTatttcaaatCTCA(配列番号75、CMP番号_1)
ここで、大文字はβ-D-オキシ-LNAなどのLNAヌクレオシドであり、小文字はLNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは場合により5メチルシトシンLNAであり、DNAシトシンヌクレオシドは場合により5-メチルシトシンDNAであり、DNAヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、CMP番号7_1~86_1の化合物の群から選択され、大文字はLNAヌクレオシドであり、小文字はDNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは場合により5メチルシトシンLNAであり、DNAシトシンは場合により5-メチルシトシンDNAであり、全ヌクレオシド間結合ヌクレオシドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
有利には、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態である。
本発明のさらなる実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの立体的に規定されたヌクレオシド間結合、例えば立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み得る。立体的に規定されたオリゴヌクレオチド変異体を生成する利点は、配列モチーフ全体の多様性を高め、立体的に規定されていないオリゴヌクレオチドと比較して改善された医薬化学的性質を有する、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドのサブライブラリを含む立体的に規定されたオリゴヌクレオチドを選択できることである。
本発明は、本発明によるオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドと、前記オリゴヌクレオチドに共有結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分とを含むコンジュゲートを提供する。いくつかの実施形態では、コンジュゲート部分は、トランスフェリン受容体を標的とする抗体または抗体断片など、血液脳関門を通過する送達を促進するコンジュゲートである。
本発明は、本発明のオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの薬学的に許容され得る塩、またはコンジュゲートを提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の連続ヌクレオチド配列は、配列GATCAGAGATTAAGGCCAA(配列番号322)に存在する10個以上の連続ヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本発明の連続ヌクレオチド配列は、配列GCAGATTGATTATACGGTA(配列番号323)またはGTGGAAGGAACACGACTTA(配列番号324)に存在する10個以上の連続ヌクレオチドを含まない。
製造方法
さらなる態様では、本発明は、ヌクレオチド単位を反応させ、それによってオリゴヌクレオチドからなる共有結合された連続ヌクレオチド単位を形成することを含む、本発明のオリゴヌクレオチドを製造する方法を提供する。好ましくは、この方法は、ホスホラミダイト化学を使用する(例えば、Caruthers et al,1987,Methods in Enzymology vol.154,pages 287-313を参照のこと)。さらなる実施形態では、この方法は、連続ヌクレオチド配列を結合(conjugating)部分(リガンド)と反応させて、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに共有結合させることをさらに含む。さらなる態様では、本発明のオリゴヌクレオチドまたは結合オリゴヌクレオチドを薬学的に許容され得る希釈剤、溶媒、担体、塩および/または佐剤と混合することを含む、本発明の組成物を製造する方法が提供される。
薬学的塩
本発明による化合物は、それらの薬学的に許容され得る塩の形態で存在し得る。「薬学的に許容され得る塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、適切な非毒性の有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基から形成される従来の酸付加塩または塩基付加塩を指す。酸付加塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸などの無機酸に由来するもの、ならびにp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸などの有機酸に由来するものが含まれる。塩基付加塩には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、および第四級アンモニウム水酸化物、例えばテトラメチルアンモニウム水酸化物から誘導されるものが含まれる。医薬化合物の塩への化学修飾は、化合物の物理的および化学的安定性、吸湿性、流動性、および溶解性を向上させるために、薬剤師によく知られている手法である。これは例えば、Bastin,Organic Process Research&Development 2000,4,427-435 or in Ansel,In:Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,6th ed.(1995),pp.196 and 1456-1457に記載されている。例えば、本明細書で提供される化合物の薬学的に許容され得る塩は、ナトリウム塩であり得る。
さらなる態様では、本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲートの薬学的に許容され得る塩を提供する。好ましい実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、ナトリウムまたはカリウム塩である。
医薬組成物
さらなる態様では、本発明は、前述のオリゴヌクレオチドおよび/またはオリゴヌクレオチドコンジュゲートまたはその塩のいずれかと、薬学的に許容される希釈剤、担体、塩および/または佐剤とを含む医薬組成物を提供する。薬学的に許容される希釈剤には、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)が含まれ、薬学的に許容される塩には、ナトリウム塩およびカリウム塩が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される希釈剤は、無菌リン酸緩衝生理食塩水である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、50~300μM溶液の濃度で薬学的に許容される希釈剤中で使用される。
本発明での使用に適した製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,Pa.,17th ed.,1985に見られる。薬物送達の方法の簡単なレビューについては、例えば、Langer(Science 249:1527-1533,1990)を参照のこと。国際公開第2007/031091号は、薬学的に許容される希釈剤、担体および佐剤のさらに適切で好ましい例を提供する(参照により本明細書に組み込まれる)。適切な用量、製剤、投与経路、組成物、剤形、他の治療薬との組み合わせ、プロドラッグ製剤もまた、国際公開第2007/031091号に提供されている。
本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、医薬組成物または製剤の調製のために、薬学的に許容され得る活性または不活性物質と混合されてもよい。医薬組成物の調製のための組成物および方法は、限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度、または投与される用量を含む多くの基準に依存する。
これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌され得るか、または滅菌濾過され得る。得られた水溶液は、そのまま使用するために包装するか、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥された調製物は、投与前に滅菌水性担体と組み合わされる。調製物のpHは、典型的には3~11、より好ましくは5~9または6~8、最も好ましくは7~8、例えば7~7.5であろう。得られた固体形態の組成物は、錠剤またはカプセルの密封パッケージなどのように、各々が上記の薬剤または薬剤群の固定量を含む複数の単回用量単位で包装することができる。固体形態の組成物はまた、局所適用可能なクリームまたは軟膏用に設計された絞り出し可能なチューブなどの柔軟な量の容器に包装することもできる。
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートはプロドラッグである。特にオリゴヌクレオチドコンジュゲートに関して、プロドラッグが作用部位、例えば標的細胞に送達されると、コンジュゲート部分はオリゴヌクレオチドから切断される。
用途
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、診断、治療および予防のための研究試薬として利用され得る。
研究では、そのようなオリゴヌクレオチドを使用して、細胞(例えば、インビトロ細胞培養物)および実験動物におけるTMEM106Bタンパク質の合成を特異的に調節し、それによって標的の機能分析または治療的介入の標的としてのその有用性の評価を促進することができる。典型的には、標的調節は、タンパク質を生成するmRNAを分解または阻害し、それによりタンパク質形成を防止することによって、またはタンパク質を生成する遺伝子もしくはmRNAのモジュレーターを分解もしくは阻害することによって達成される。
本発明のオリゴヌクレオチドを研究または診断に使用する場合、標的核酸は、DNAまたはRNAに由来するcDNAまたは合成核酸であり得る。
本発明は、TMEM106Bを発現している標的細胞におけるTMEM106B発現を調節するためのインビボまたはインビトロ方法を提供し、前記方法は、本発明のオリゴヌクレオチドを前記細胞に有効量で投与することを含む。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、神経細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、小膠細胞である。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、哺乳動物細胞、特にヒト細胞である。標的細胞は、哺乳動物の組織の一部を形成するインビトロ細胞培養物またはインビボ細胞であってよい。好ましい実施形態では、標的細胞は、前頭側頭葉などの脳などのCNSに存在する。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、CNS細胞、脳細胞、前頭皮質細胞または前頭側頭葉細胞である。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、視床、海馬、線条体、網膜、または脊髄に存在する細胞である。
いくつかの実施形態では、標的細胞は、視床細胞、海馬細胞、線条体細胞、網膜細胞、または脊髄細胞である。
標的細胞などの細胞における、TMEM106B発現またはその阻害の評価、または標的化などのインビトロでの使用のために、細胞は組織、例えばCNS組織、脳組織、前頭皮質、前頭側頭葉組織、視床組織、海馬組織、線条体組織、網膜組織、または脊髄組織から単離され得るか、または組織に由来し得る(例えば、樹立されたまたは不死化細胞株)ことが理解されるであろう。標的組織から分離された細胞は、初代細胞と称される。
診断では、オリゴヌクレオチドを使用して、ノーザンブロッティング、in-situハイブリダイゼーションまたは同様の技術により、細胞および組織におけるTMEM106B発現を検出および定量することができる。
治療のために、オリゴヌクレオチドは、TMEM106Bの発現を調節することによって治療することができる疾患または障害を有することが疑われる動物またはヒトに投与することができる。
本発明は、治療的または予防的に有効な量の本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、または医薬組成物を、疾患に苦しむまたは罹り易い対象に投与することを含む、疾患の治療または予防方法を提供する。
本発明はまた、医薬として使用するための、本明細書で定義されるオリゴヌクレオチド、組成物またはコンジュゲートに関する。
本発明によるオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは医薬組成物は、典型的には有効量で投与される。
本発明はまた、本明細書で言及される障害の治療のための医薬の製造のため、または本明細書で言及される障害の治療の方法のために記載される本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートの使用を提供する。
本明細書で言及される疾患または障害は、TMEM106Bの発現に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、TMEM106B遺伝子またはそのタンパク質産物がTMEM106Bと関連するかまたは相互作用する遺伝子における突然変異と関連し得る。したがって、いくつかの実施形態では、標的核酸は、TMEM106B配列の変異形態であり、他の実施形態では、標的核酸は、TMEM106B配列の調節因子である。
本発明の方法は、好ましくは、TMEM106Bの異常なレベルおよび/または活性によって引き起こされる疾患の治療または予防のために使用される。
本発明はさらに、TMEM106Bの異常なレベルおよび/または活性を治療するための医薬を製造するための、本明細書で定義されるオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは医薬組成物の使用に関する。
いくつかの態様では、本発明は、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)からなる群から選択される疾患または障害の治療に使用するための、本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは医薬組成物に関する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、前頭皮質の加齢に伴う変化の治療に使用される。
一態様では、本発明は、前頭側頭葉変性症(FTLD)の治療に使用するための、本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは医薬組成物に関する。オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは医薬組成物は、ユビキチン化タンパク質(FTLD-U)の核内および/または細胞質蓄積を特徴とするFTLD、特に前頭葉および側頭脳領域内のユビキチン化TAR DNA結合タンパク質43(TDP-43)蓄積の存在を特徴とするFTDL-TDP、および他のTDP-43タンパク質症の治療において有利であり得る。
投与
本発明のオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物は、非経口(静脈内、皮下、筋肉内、脳内、脳室内、眼内、または髄腔内投与など)を介して投与することができる。
いくつかの実施形態では、投与は、髄腔内投与を介する。
有利には、例えば神経学的障害の治療のために、本発明のオリゴヌクレオチドまたは医薬組成物は、髄腔内または頭蓋内に、例えば脳内または脳室内投与を介して投与される。
本発明はまた、皮下投与用の剤形である医薬の製造のための、本発明の薬学的塩または組成物などのオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲートの使用を提供する。
本発明はまた、髄腔内投与用の剤形である医薬の製造のための、本発明の薬学的塩または組成物などの、本発明のオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲートの使用を提供する。
併用療法
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは医薬組成物は、別の治療剤との併用治療で使用するためのものである。治療剤は、例えば、上記の疾患または障害の標準的な治療であり得る。
実施形態
1.哺乳動物TMEM106B標的核酸に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、TMEM106Bを標的とするオリゴヌクレオチド。
2.前記オリゴヌクレオチドが、細胞における哺乳動物TMEM106B標的核酸の発現を低下させることができる、実施形態1に記載のオリゴヌクレオチド。
3.前記オリゴヌクレオチドが治療用オリゴヌクレオチドである、実施形態1~10のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
4.前記哺乳動物TMEM106B標的核酸が、配列番号1、2、3、4、5および6、またはその天然に存在する変異体から選択される、実施形態1~3のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
5.前記天然に存在する変異体が表4に列挙された多型から選択される、実施形態4に記載のオリゴヌクレオチド。
6.前記標的核酸がRNAである、実施形態1~5のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
7.RNAがmRNAである、実施形態6に記載のオリゴヌクレオチド。
8.mRNAがプレRNAまたは成熟RNAである、実施形態7に記載のオリゴヌクレオチド。
9.連続ヌクレオチド配列が、配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246、または配列番号247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320および321からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
10.オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列が、配列番号1および/または2、またはその天然に存在する変異体に対して完全に相補的である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
11.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の領域に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含み、前記領域が配列番号1の位置546-563;2122-2140;2143-2160;2165-2183;2300-2317;2392-2410;2548-2565;3507-3524;3678-3694;3736-3753;3752-3767;3802-3819;3908-3925;3908-6417;4321-4337;4701-4720;4948-4965;5063-5080;5069-5086;5172-5190;5512-5530;5583-5599;6015-6047;6015-6032;6032-6047;6125-6154;6125-6140;6136-6154;6172-6189;6200-6231;6200-6216;6214-6231;6401-6417;6458-6476;6837-6853;8453-8472;8983-9001;9533-9549;9628-9644;11065-11083;11117-11134;11264-11281;12310-12325;12870-12887;13050-13065;13397-13414;15061-15079;15249-15266;15318-15336;15368-15385;15440-15457;15632-15649;15823-15842;16496-16513;19090-19109;19198-19217;19211-19228;19699-19718;20217-20243;20217-20236;20227-20243;20755-26403;20767-20786;20880-20896;21084-21101;21214-21231;21425-21442;22110-25406;22110-22128;23374-23393;23435-23452;23806-23822;23874-23890;24045-24098;24045-24063;24060-24077;24060-24076;24064-24083;24081-24098;24045-24098;24801-24828;24801-24819;24812-24828;25050-25067;25372-25387;25392-25406;25773-25790;25796-25814;25969-25985;および29351-29367からなる群から選択される、実施形態1~10のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
12.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
13.連続ヌクレオチド配列が、配列番号1および配列番号3、またはその天然に存在する変異体に対して相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~12のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
14.連続ヌクレオチド配列が、配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、206、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、229、230、231、232、236、237、238、239、240、241、243、244および245からなる群から選択される配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な少なくとも10連続ヌクレオチドを含む、実施形態13に記載のオリゴヌクレオチド。
15.哺乳動物TMEM106B標的核酸の3’UTRに対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的な10~30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
16.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置20227~26403、または位置20227~24077の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
17.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置20755~位置26403に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~16のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
18.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置21084~21231、例えば位置21084~21213の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
19.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置22110~25406に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
20.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置23086~24077の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
21.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置20227~20243の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
22.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置20227~26403の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
23.本発明は、配列番号1の位置24045~24098の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、TMEM106Bを標的とするオリゴヌクレオチドを提供する。
24.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置22110-22128、24045-24063、24060-24077、24812-24828および25392-25406の配列に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~17のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
25.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置3908~6417に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態1~14のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
26.少なくとも10ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列が、配列番号1の位置3908-3925、6136-6154、5172-5190、6200-6216および6401-6417からなる群から選択される領域に対して少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、実施形態25に記載のオリゴヌクレオチド。
27.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号1または実施形態12または14に列挙された配列番号の1つに対して完全に相補的である、実施形態1~26のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
28.前記オリゴヌクレオチドが、-10kcal未満のΔG°で、配列番号1の標的核酸、または配列番号167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245および246からなる群から選択される標的配列とハイブリダイズすることが可能である、実施形態1~27のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
29.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86からなる群から選択される配列に存在する少なくとも10連続、例えば少なくとも12連続または少なくとも14連続ヌクレオチドを含む、実施形態1~28のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
30.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、46、48、49、50、51、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、69、70、71、72、76、77、78、79、80、81、83、84および85からなる群から選択される少なくとも10連続ヌクレオチドを含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
31.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160および161からなる群から選択される少なくとも10連続ヌクレオチドを含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
32.前記オリゴヌクレオチドが、60ヌクレオチド長よりも短く、例えば50ヌクレオチド長よりも短く、例えば10~60または10~50ヌクレオチド長である、実施形態1~31のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
33.前記連続ヌクレオチド配列が、少なくとも10連続ヌクレオチド、特に11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29連続ヌクレオチドを含み、またはそれからなる、実施形態1~32のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
34.前記連続ヌクレオチド配列が、配列番号1または実施形態12または14に列挙された配列番号の1つに対して完全に相補的な、少なくとも12ヌクレオチド長、例えば少なくとも14ヌクレオチド長である、実施形態33に記載のオリゴヌクレオチド。
35.前記連続ヌクレオチド配列が、12~22個のヌクレオチドを含み、またはそれからなる、実施形態1~32のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
36.前記連続ヌクレオチド配列が、14~20個のヌクレオチドを含み、またはそれからなる、実施形態35に記載のオリゴヌクレオチド。
37.前記連続ヌクレオチド配列が、それが相補的である標的核酸と比較して、0~3個のミスマッチを有する、実施形態1~36のいずれか1つに記載のオリコヌクレオチド。
38.前記連続ヌクレオチド配列が、標的核酸と比較して1つのミスマッチを有する、実施形態37に記載のオリゴヌクレオチド。
39.前記連続ヌクレオチド配列が、標的核酸と比較して2つのミスマッチを有する、実施形態37に記載のオリゴヌクレオチド。
40.前記連続ヌクレオチド配列が、標的核酸配列に対して完全に相補的である、実施形態37に記載のオリゴヌクレオチド。
41.前記オリゴヌクレオチドが、1つ以上の2’糖修飾ヌクレオシドを含む、実施形態1~40のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
42.前記1つ以上の2’-糖修飾ヌクレオシドが、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2’-フルオロ-ANAおよびLNAヌクレオシドからなる群から独立して選択される、実施形態41に記載のオリゴヌクレオチド。
43.前記1つ以上の2’-糖修飾ヌクレオシドの少なくとも1つが、LNAヌクレオシドである、実施形態42に記載のオリゴヌクレオチド。
44.前記修飾LNAヌクレオシドが、オキシ-LNA、アミノ-LNA、チオ-LNAおよびENAから選択される、実施形態43に記載のオリゴヌクレオチド。
45.前記修飾LNAヌクレオシドが、以下の2’-4’架橋-O-CH2-を有するオキシ-LNAである、実施形態43または44に記載のオリゴヌクレオチド。
46.前記オキシ-LNAがβ-D-オキシ-LNAである、実施形態45に記載のオリゴヌクレオチド。
47.前記修飾LNAヌクレオシドが、以下の2’-4’架橋-O-CH(CH3)-を有するcETである、実施形態43または44に記載のオリゴヌクレオチド。
48.cETが(S)CET、即ち6’(S)メチル-β-D-オキシ-LNAである、実施形態47に記載のオリゴヌクレオチド。
49.LNAがENAであり、2’-4’架橋-O-CH2-CH2-がそれに続く、実施形態43または44に記載のオリゴヌクレオチド。
50.前記連続ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
51.前記連続ヌクレオチド配列が、少なくとも1つのホスホロチオエート修飾ヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~50のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
52.前記オリゴヌクレオチドが、siRNAもしくはshRNAであり、またはsiRNAもしくはshRNAのガイド鎖を形成する、実施形態1~51のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
53.前記オリゴヌクレオチドが、RISC複合体と相互作用することができる二本鎖siRNAオリゴヌクレオチドまたはshRNAオリゴヌクレオチドである、実施形態52に記載のオリゴヌクレオチド。
54.前記オリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、実施形態1~51のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
55.前記オリゴヌクレオチドが単鎖である、実施形態54に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
56.前記連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間のヌクレオシド間結合の少なくとも75%または全部が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態54または55に記載のオリゴヌクレオチド。
57.前記オリゴヌクレオチドが、RNase H1を動員することが可能である、実施形態54~56のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
58.前記オリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドギャップマーである、実施形態57に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
59.前記アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、式5’-F-G-F’-3’のギャップマーからなり、またはそれを含み、領域FおよびF’が独立して1~8個のヌクレオシドを含み、そのうち1~5個が独立して2’糖修飾され、FおよびF’領域の5’および3’末端を規定し、GがRNaseHを動員することが可能な5~18個のヌクレオシドの領域、例えば5~18個のDNAヌクレオシドを含む領域である、実施形態57または58に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
60.前記2’糖修飾ヌクレオシドが、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA、2’-アミノ-DNA、2’-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2’-フルオロ-ANAおよびLNAヌクレオシドからなる群から独立して選択される、実施形態59に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
61.領域FおよびF’内の1つ以上の2’糖修飾ヌクレオシドが、LNAヌクレオシドである、実施形態59または60に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
62.前記LNAヌクレオシドが、β-D-オキシ-LNA、α-L-オキシ-LNA、β-D-アミノ-LNA、α-L-アミノ-LNA、β-D-チオ-LNA、α-L-チオ-LNA、(S)cET、(R)cET β-D-ENAおよびα-L-ENAから選択される、実施形態60または61に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
63.前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、LNAギャップマー、混合ウイングギャップマー、および交互フランクギャップマーからなる群から選択される、実施形態54~62のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
64.実施形態59~63のいずれか1つに記載のオリコヌクレオチドであって、
a.F領域が1~5ヌクレオチド長であり、1~4個の同一LNAヌクレオシドおよび0~2個のDNAヌクレオシドからなり、
b.F’領域が2~5ヌクレオチド長であり、2~4個の同一LNAヌクレオシドおよび0~2個のDNAヌクレオシドからなり、
c.領域Gが8~16DNAヌクレオチドである、オリコヌクレオチド。
65.領域FおよびF’が、同一LNAヌクレオシドからなる、実施形態59~62のいずれか1つに記載のアンチセンスオリコヌクレオチド。
66.領域FおよびF’内の全部の2’糖修飾ヌクレオシドが、オキシ-LNAヌクレオシドである、実施形態59~62のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
67.前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが2’-MOEギャップマーである、実施形態54~60のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
68.領域G内のヌクレオシドが、DNAおよび/またはα-L-LNAヌクレオシドである、実施形態54~67のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
69.領域Gが、少なくとも75%のDNAヌクレオシドからなる、実施形態68に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
70.領域G内の全部のヌクレオシドが、DNAヌクレオシドである、実施形態69に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
71.前記オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、モチーフ配列と、表7に列挙された示された設計との組み合わせから選択される、実施形態1~51または54~70のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
72.前記オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、表7に列挙されるCMP番号7_1、8_1、9_1、10_1、11_1、12_1、13_1、14_1、15_1、16_1、17_1、18_1、19_1、20_1、21_1、22_1、23_1、24_1、25_1、26_1、27_1、28_1、29_1、30_1、31_1、32_1、33_1、34_1、35_1、36_1、37_1、38_1、39_1、40_1、41_1、42_1、43_1、44_1、45_1、46_1、47_1、48_1、49_1、50_1、51_1、52_1、53_1、54_1、55_1、56_1、57_1、58_1、59_1、60_1、61_1、62_1、63_1、64_1、65_1、66_1、67_1、68_1、69_1、70_1、71_1、72_1、73_1、74_1、75_1、76_1、77_1、78_1、79_1、80_1、81_1、82_1、83_1、84_1、85_1、86_1、87_1、88_1、89_1、90_1、91_1、92_1、93_1、94_1、95_1、96_1、97_1、98_1、99_1、100_1、101_1、102_1、103_1、104_1、105_1、106_1、107_1、108_1、109_1、110_1、111_1、112_1、113_1、114_1、115_1、116_1、117_1、118_1、119_1、120_1、121_1、122_1、123_1、124_1、125_1、126_1、127_1、128_1、129_1、130_1、131_1、132_1、133_1、134_1、135_1、136_1、137_1、138_1、139_1、140_1、141_1、142_1、143_1、144_1、145_1、146_1、147_1、148_1、149_1、150_1、151_1、152_1、153_1、154_1、155_1、156_1、157_1、158_1、159_1、160_1および161_1からなる群から選択される、実施形態1~51または54~71のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
73.前記オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、以下からなる群から選択され、
ATGTttatcaccaaAATT(配列番号65、CMP番号65_1)
CTGAaatactaccaTATA(配列番号66、CMP番号66_1)
TTTAatcataccaATCT(配列番号71、CMP番号71_1)
TTCTtatttcaaatCTCA(配列番号74、CMP番号74_1)
TCTTatttcaaatCTCA(配列番号75、CMP番号_1)
ここで、大文字はβ-D-オキシ-LNAなどのLNAヌクレオシドであり、小文字はLNAヌクレオシドであり、LNAシトシンヌクレオシドは場合により5メチルシトシンLNAであり、DNAシトシンヌクレオシドは場合により5-メチルシトシンDNAであり、DNAヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態1~51または54~71のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド。
74.実施形態1~73のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドと、前記オリゴヌクレオチドに共有結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分とを含むコンジュゲート。
75.前記コンジュゲート部分が、炭水化物、細胞表面受容体リガンド、原薬、ホルモン、親油性物質、ポリマー、タンパク質、ペプチド、毒素、ビタミン、ウイルスタンパク質またはそれらの組み合わせから選択される、実施形態74に記載のオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
76.前記コンジュゲートが、脳血液関門を通過する送達を促進する、実施形態74または75に記載のオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
77.前記コンジュゲートが、トランスフェリン受容体を標的とする抗体または抗体断片である、実施形態76に記載のオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
78.実施形態1~72のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチド、または実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲートの薬学的に許容され得る塩。
79.実施形態1~72のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチド、または実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲートと、薬学的に許容され得る希釈剤、溶媒、担体、塩および/または佐剤とを含む医薬組成物。
80.TMEM106Bを発現している標的細胞におけるTMEM106B発現を調節するためのインビトロまたはインビボ方法であって、実施形態1~72のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチド、または実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または実施形態78に記載の薬学的塩、または実施形態79に記載の医薬組成物を有効量で前記細胞に投与することを含む、方法。
81.疾患の治療または予防方法であって、治療的または予防的に有効な量の、実施形態1~72のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド、実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または実施形態78に記載の薬学的塩、または実施形態79に記載の医薬組成物を、前記疾患に苦しむまたは罹り易い対象に投与することを含む、方法。
82.対象における疾患を治療または予防するための薬における使用のための、実施形態1~72のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド、実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または実施形態78に記載の薬学的塩、または実施形態79に記載の医薬組成物。
83.神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)からなる群から選択される疾患の治療または予防における使用のための、実施形態1~72のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド、実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または実施形態78に記載の薬学的塩、または実施形態79に記載の医薬組成物。
84.疾患の治療または予防のための医薬の製造のための、実施形態1~72のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド、実施形態74~77のいずれか1つに記載のコンジュゲート、または実施形態78に記載の薬学的塩、または実施形態79に記載の医薬組成物の使用。
85.前記疾患が、TMEM106Bの過剰発現、および/またはTMEM106Bの異常なレベルに関連する、実施形態81~84のいずれか1つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、または使用または方法。
86.前記治療が、前頭皮質のTMEM106B mRNAレベルを正常レベルに低下させる、実施形態81~84のいずれか1つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、または使用または方法。
87.前記疾患が、神経変性、前頭側頭葉変性症(FTLD)、パーキンソン病(またはパーキンソニズム)、低髄鞘性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症および多系統萎縮症、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患、皮質基底核症候群、進行性核上性麻痺、および神経セロイドリポフスチン症(NCL)からなる群から選択される、実施形態81~84のいずれか1つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、または使用または方法。
88.前記疾患が前頭側頭葉変性症(FTLD)である、実施形態81~87のいずれか1つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、または使用または方法。
89.前記対象が哺乳動物である、実施形態81~84~88のいずれか1つに記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、または使用または方法。
90.前記哺乳動物がヒトである、実施形態89に記載の使用のためのオリゴヌクレオチド、または使用または方法。
材料および方法
オリゴヌクレオチド化合物およびモチーフ配列
表7-化合物リスト
オリゴヌクレオチドモチーフ配列(配列番号で示される)、これらの設計、およびモチーフ配列に基づいて設計された特定のオリゴヌクレオチド化合物(CMP番号で示される)のリスト。
実施例では、使用されている化合物は次の構造を有する。大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、すべてのLNAシトシンは5-メチルシトシンであり、小文字はDNAヌクレオシドを表し、すべてのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
モチーフ配列は、オリゴヌクレオチドに存在する核酸塩基の連続配列を表す。
設計は、オリゴヌクレオチド設計、例えばギャップマー設計、F-G-F’を指す。古典的なギャップマー設計、例えば3-10-3では、フランク内の全ヌクレオチド(FおよびF’)は、同じ2’-糖修飾ヌクレオシド、例えばLNA、cETまたはMOEと、ギャップを形成する中央のDNAストレッチ(G)で構成される。交互フランク設計のギャップマーでは、オリゴヌクレオチドのフランクは一連の整数として注釈が付けられ、2’糖修飾ヌクレオシド(M)の後にいくつかのDNAヌクレオシド(D)が続く。例えば、2-2-1モチーフのフランクは5’[M]2-[D]2-[M]3’を表し、1-1-1-1-1モチーフは5’[M]-[D]-[M]-[D]-[M]3’を表す。両方のフランクは、5’’および3’末端に2’糖修飾ヌクレオシドを有する。ギャップ領域(G)は、フランクの間に位置するいくつかのDNAヌクレオシド(通常は5~16個)で構成されている。
オリゴヌクレオチド化合物は、モチーフ配列の特定の設計を表す。大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、すべてのLNA Cは5-メチルシトシンであり、すべてのヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
表8:モチーフリスト
実施例で使用される化合物のオリゴヌクレオチドモチーフ配列(配列番号で示される)のリスト、ならびに示されるように、それらの標的配列およびそれらの核酸標的/標的配列(配列番号1~6)上の位置。モチーフ配列は、オリゴヌクレオチドに存在する核酸塩基の連続配列を5’から3’の方向で表す。RNA標的配列は、モチーフ配列の相補的な配列であり、同様に5’から3’の方向である。
オリゴヌクレオチド合成
オリゴヌクレオチド合成は、当技術分野で一般に知られている。以下は、適用できるプロトコルである。本発明のオリゴヌクレオチドは、使用する装置、支持体および濃度に関してわずかに異なる方法によって生成されている場合がある。
オリゴヌクレオチドは、Oligomaker 48のホスホラミダイトアプローチを1μmolスケールで使用して、ウリジンユニバーサル支持体上で合成される。合成の最後に、水性アンモニアを使用して60℃で5~16時間、オリゴヌクレオチドを固相支持体から切断する。オリゴヌクレオチドは逆相HPLC(RP-HPLC)または固相抽出によって精製され、UPLCによって特徴付けられ、分子量はさらにESI-MSによって確認される。
オリゴヌクレオチドの伸長:
β-シアノエチル-ホスホルアミダイトのカップリング(DNA-A(Bz)、DNA-G(ibu)、DNA-C(Bz)、DNA-T、LNA-5-メチル-C(Bz)、LNA-A(Bz)、LNA-G(dmf)、またはLNA-T)は、アセトニトリル中の0.1Mの5’-O-DMT保護アミダイトおよびアセトニトリル(0.25M)中のDCI(4,5-ジシアノイミダゾール)の溶液を使用して行われる。最終サイクルでは、所望の修飾を有するホスホラミダイト、例えばコンジュゲート基を結合するためのC6リンカー、またはそのようなコンジュゲート基を使用できる。ホスホルチオエート結合を導入するためのチオール化は、水素化キサンタン(アセトニトリル/ピリジン9:1中0.01M)を使用することにより行われる。ホスホジエステル結合は、THF/ピリジン/水7:2:1中の0.02Mヨウ素を使用して導入できる。残りの試薬は、オリゴヌクレオチド合成に通常使用される試薬である。
固相合成後のコンジュゲーションでは、固相合成の最後のサイクルで市販のC6アミノリンカーホルフォラミダイトを使用でき、脱保護および固相支持体からの切断後、アミノ結合脱保護オリゴヌクレオチドが分離される。コンジュゲートは、標準的な合成方法を使用した官能基の活性化によって導入される。
RP-HPLCによる精製:
粗化合物は、Phenomenex Jupiter C18 10μ 150x10mmカラムでの取RP-HPLCにより精製される。0.1M酢酸アンモニウムpH8およびアセトニトリルを5mL/分の流速でバッファーとして使用する。収集された画分は凍結乾燥されて、精製された化合物が典型的には白色固体として得られる。
略記:
DCI 4,5-ジシアノイミダゾール
DCM:ジクロロメタン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMT:4,4’-ジメトキシトリチル
THF テトラヒドロフラン
Bz:ベンゾイル
Ibu:イソブチリル
RP-HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
Tmアッセイ
オリゴヌクレオチドとRNA標的(リン酸結合、PO)二重鎖は、500mlのRNaseフリー水で3mMに希釈され、500mlの2xTmバッファー(200mM NaCl、0.2mM EDTA、20mMリン酸、pH7.0)と混合される。この溶液を95℃で3分間加熱した後、室温で30分間アニールする。二重鎖の融解温度(Tm)は、PE Templabソフトウェア(Perkin Elmer)を使用して、ペルチェ温度プログラマーPTP6を備えたLambda 40 UV/VIS分光光度計で測定される。温度を20℃から95℃に上昇させ、次いで25℃に低下させ、260nmで吸収を記録する。一次導関数と、融解およびアニーリングの両方の極大値を使用して、二重鎖Tmを評価する。
実施例1:オリゴヌクレオチドを使用したNeuro2aマウス細胞株におけるTMEM106bのインビトロ低下
マウスTmem106bを標的とするLNA修飾オリゴヌクレオチドを、ATCC(CCL-131)から取得したマウスNeuro-2a神経芽細胞腫細胞におけるTmem106b mRNA発現を低下させる能力について試験した。
Neuro2a細胞は、細胞培養培地(10%ウシ胎児血清[Sigma、cat.no F7524]、1xGlutamax(商標)[Sigma、cat.no 3050-038]を補充したDMEM AQ培地[Sigma、cat.D0819]、1mM Na-ピルビン酸および25μg/mlゲンタマイシン)中、5%CO2雰囲気の37℃の細胞インキュベーター内で増殖させた。細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)[Sigma cat.no 14190-094]で洗浄し、次に0.25%トリプシン-EDTA溶液(Sigma、T3924)を添加して、80%コンフルエンシーに達したらトリプシン処理し、37℃で2~3分インキュベートし、細胞播種前に粉砕した。細胞は最大15継代まで培養で維持された。
実験使用のために、1ウェルあたり2400個の細胞を95μLの増殖培地の96ウェルプレート(Nunc cat.no 167008)に播種した。オリゴヌクレオチドは500μMストックから調製した。PBSに溶解した5μlのASOを、細胞を細胞培地に5μMまたは25μMの最終濃度で播種した約24時間後に加えた。培地を交換せずに細胞を3または6日間インキュベートした。ASOとの3日間および6日間のインキュベーションに使用された細胞は、異なる凍結ストックに由来し、実験中は異なる継代数であった。
インキュベーション後、培地を除去して細胞を回収した後細胞溶解し、メーカーのプロトコルに従って、QIAGEN RNeasy 96 Kit(cat 74181)を使用してRNA精製を行った。ワンステップqPCR反応の前に、RNAを水で10倍に希釈した。ワンステップqPCR反応では、qPCRミックス(QuantaBioのqScript(商標)XLT One-Step RT-qPCR ToughMix(登録商標)Low ROX、cat.no 95134-500)を2つのTaqmanプローブと10:1:1の比率で混合して(qPCRミックス:プローブ1:プローブ2)マスターミックスを生成した。Taqmanプローブは、LifeTechnologiesから獲得した:Mm00510952_m1、Mm00510954_m1、Mm01134666_m1(Thermo Fisher Scientific,cat.各々、4351368、4351368および4351370);GAPDH(cat.4352339E)およびACTB(cat.4352341E)。Neuro2a細胞を使用した各実験には、GAPDHとACTBの両方と、1つの(Mm00510952_m1)または3つ全部のTmem106b固有プローブの測定が含まれ、特定のウェルに1つのTmem106bと1つの対照プローブセットが含まれていた。次に、Mastermix(6μL)とRNA(4μL)をqPCRプレート(MICROAMP(登録商標)optical384ウェル、4309849)内で混合した。播種後、プレートにRTで1分間の1000gのクイックスピンを与え、ViiaTM 7システム(Applied Biosystems、Thermo)に移し、以下のPCR条件を使用した:50℃で15分間;95℃で3分間;以下の40サイクル:95℃で5秒間、その後1.6℃/秒の温度低下、続いて60℃で45秒間。QuantStudio(商標)Real_time PCRソフトウェアを使用してデータを分析した。提示された結果は、さまざまなハウスキーピング遺伝子に対して正規化されている。結果を以下の表9に、対照サンプル(PBS処理細胞)として示す。即ち、値が低いほど阻害が大きい。結果は、図1および図2にもプロットされる。試験した化合物(黒い点)のほとんどすべては、負の対照のギャップマー(白い点)と比較して、5μMと25μMで標的発現を阻害することがわかり、TMEM106Bがオリゴヌクレオチドによる阻害に驚くほど敏感であることがわかる。
表9:Neuro2aマウス細胞におけるTMEM106B mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドのインビトロ有効性。実験は3日目(複製AとB)に二重に、6日目に単一の実験として行われた。
実施例2:オリゴヌクレオチドを使用したヒトSK-N-BE(2)細胞におけるTMEM106Bのインビトロ低下
TMEM106Bを標的とするオリゴヌクレオチドを、ATCC(CRL-2271)から取得したヒトSK-N-BE(2)神経芽細胞腫細胞におけるTMEM106B mRNA発現を低下させる能力について試験した。
SK-N-BE(2)細胞を、10%ウシ胎児血清[Sigma、cat.no F7524]、1x Glutamax(商標)[Sigma、cat.no 3050-038]1x MEM非必須アミノ酸溶液[Sigma、cat.no M7145]および0.025mg/mlゲンタマイシン[Sigma、cat.no G1397])を補充した細胞培養培地(MEM[Sigma、cat.no M2279])中で増殖させた。細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)[Sigma cat.no 14190-094]で洗浄し、次に0.25%トリプシン-EDTA溶液(Sigma、T3924)を添加して、5日毎にトリプシン処理し、37℃で2~3分インキュベートし、細胞播種前に粉砕した。細胞は最大15継代まで培養で維持された。
実験使用のために、1ウェルあたり15,000(3日目)または25,000(6日目)個の細胞を100μLの増殖培地の96ウェルプレート(Nunc cat.no 167008)に播種した。オリゴヌクレオチドは750μMストックから調製した。PBSに溶解したオリゴヌクレオチドを、細胞を5μMまたは25μMの最終濃度で播種した約24時間後に加えた。培地を交換せずに細胞を3または6日間インキュベートした。
インキュベート後、培地を除去して細胞を回収し、その後、125μL PureLink(C)Pro 96 Lysisバッファー(Invitrogen 12173.001A)および125μL 70%エタノールを加えた。製造者の指示書に従ってRNAを精製し、最終容積50μLの水で溶出した結果、RNA濃度は10~20ng/μlであった。ワンステップqPCR反応の前に、RNAを水で10倍に希釈した。ワンステップqPCR反応では、qPCRミックス(QuantaBioのqScript(商標)XLT 1-ステップRT-qPCR TOUGHMIX(登録商標)Low ROX、cat.no 95134-500)を2つのTaqmanプローブと10:1:1の比率で混合して(qPCRミックス:プローブ1:プローブ2)マスターミックスを生成した。Taqmanプローブは、LifeTechnologiesから獲得した:TMEM_Hs00998849_m1;GAPDH 4325792。次に、Mastermix(6μL)とRNA(4μL、1~2ng/μL)をqPCRプレート(MICROAMP(登録商標)optical384ウェル、4309849)内で混合した。播種後、プレートにRTで1分間の1000gのクイックスピンを与え、ViiaTM 7システム(Applied Biosystems、Thermo)に移し、以下のPCR条件を使用した:50℃で15分間;95℃で3分間;以下の40サイクル:95℃で5秒間、その後1.6℃/秒の温度低下、続いて60℃で45秒間。
QuantStudio(商標)Real_time PCRソフトウェアを使用してデータを分析した。提示した結果は、GAPDHに対して正規化されている。結果を以下の表10に、対照サンプル(PBS処理細胞)の%として示す。即ち、値が低いほど阻害が大きい。結果は、図4および図5にもプロットされる。試験した化合物(黒い点)のほとんどすべては、負の対照のギャップマー(白い点)と比較して、5μMと25μMで標的発現を阻害することがわかり、TMEM106Bがオリゴヌクレオチドによる阻害に驚くほど敏感であることがわかる。特に、3’UTRを標的とする化合物、例えば化合物68_1、73_1、74_1、79_1、82_1が特に効果的であることがわかった。
表10:SK-N-BE(2)ヒト細胞におけるTMEM106B mRNAを標的とするオリゴヌクレオチドのインビトロ有効性。実験は、二重(サンプルAおよびB)で行われた。
実施例3:オリゴヌクレオチドの細胞毒性
LNA修飾オリゴヌクレオチドが細胞のアポトーシスを誘導するかどうかを測定するために、本明細書に記載するようにカスパーゼアッセイを適用した。NIH 3T3細胞(ECACC cat.93061524)をLipofectamine(商標)2000を使用して100nMまたは30nM LNAオリゴヌクレオチドでトランスフェクトし、カスパーゼ3およびカスパーゼ7の活性化を、Dieckmann et al.(Molecular Therapy:Nucleic Acids Vol.10 March 2018)
から適合させたプロトコルに従って24時間後に測定した。実験は、わずかに異なるプロトコルを使用して2つの複製で行った。各複製は2つの96ウェルプレートで行った。所定のトランスフェクション濃度での各LNAオリゴヌクレオチドは、各複製で合計4回測定された。
最初の複製では、マウス胚線維芽細胞株NIH 3T3を、m3T3培地(10%FBSおよび25μ/mlゲンタマイシンで補充したDMEM AQ(Sigma:D0819)を37℃、5%CO2で増殖させた。細胞をトリプシン処理し、96ウェルプレート(ViewPlate-96、PerkinElmer、cat 6005181)に、100μlのm3T3培地中でウェルあたり4000細胞の密度で播種し、24時間増殖させた。LNAオリゴヌクレオチドをDPBS(Thermo Fisher Scientific、cat.14190250)で最終濃度5μMまたは1.5μMに希釈した(0μMのオリゴヌクレオチドの負の対照も含まれる)。希釈した各LNAオリゴヌクレオチドをOpti-MEM(Thermo Fisher Scientific cat.31985047)と1~24(体積)の比で混合し、30μlのそのような混合物に、30μlのLOM溶液(Opti-MEM(Thermo Fisher Scientific cat.31985047)と1~99(体積)の比で混合したLipofectamine(商標)2000(Thermo Fisher Scientific cat.11668019)、調製直後に使用)を加え、20分間インキュベートした。NIH 3T3細胞培養物から培地を除去し、LOM溶液中の50μlのLNAオリゴヌクレオチドを加えた。4時間後、50μlのm20F培地(ミックス800ml DMEM AQ(Sigma:D0819)と200ml FBSおよび10ml 200mM L-アラニル-L-グルタミンおよび500μl 50mg/mlゲンタマイシン)を各ウェルに加えた。LNAオリゴヌクレオチドを細胞に添加してから24時間後、100μlのCaspase-Glo(登録商標)3/7試薬(Promega、cat.G8093、製造者の指示書に従って調製)を細胞に添加し、プレートを500rpmで30秒間振とうし、室温で1時間インキュベートした後、BackSeal(PerkinElmer cat.6005199)でプレートの裏をふさぎ、EnSightマルチモードプレートリーダー(PerkinElmer cat.HH34000000)で発光を測定した。
2番目の複製については、同様のプロトコルに以下の変更を加えた。(1)希釈LNAオリゴヌクレオチドをOpti-MEMと1:24ではなく2:23の比で混合した。(2)50μlのLNAオリゴヌクレオチドとopti-MEMおよびLOM溶液の混合物を細胞に加える直前に、50μlのOpti-MEMを細胞に加えた。(3)m20Fの代わりに、50μlのm30F(ミックス700ml DMEM AQ(Sigma:D0819)と300ml FBSおよび10ml 200mM L-アラニル-L-グルタミンおよび500μl 50mg/mlゲンタマイシン)を加えた。(4)Caspase-Glo(登録商標)3/7試薬を添加する直前に、細胞から50μlの培地を除去した。
EnSightリーダーで測定した発光シグナルを、所定の96ウェルプレート内の負の対照のウェルの平均発光シグナルで割った。特定の濃度での異なる化合物のシグナルは、プレート間および複製全体で平均化された(複製内の平均信号から1.5四分位範囲以上または以下のデータポイントとして定義された外れ値は削除された)。結果を、表11に示し、図3に図示する。
表11:オリゴヌクレオチドで処理されたNIH 3T3細胞におけるカスパーゼ活性化(4の複製)
実施例4:マウスにおけるTMEM106Bのインビボ低下
本実施例は、実施例1から選択されたオリゴヌクレオチドがマウス脳内のインビボでTMEM106Bを低下させる能力、ならびにオリゴヌクレオチドの急性および非急性毒性の可能性を試験する。
C57BL/6Jオスマウス(23~32g)の右側脳室に(0.3AP、1.0ML、3.0DV;TMEM106B反応性化合物のグループごとに6匹の動物;生理食塩水で処理された動物15匹の動物;MAPT反応性化合物で処理された15匹の動物および負の対照のオリゴで処理された6匹の動物)、5μgの20mg/ml生理食塩水配合LNAオリゴヌクレオチドをイソフルラン麻酔下でフリーハンド注射した。
投与後、急性反応は4つのレベルで記録された:(1)正常な動作、(2)軽度の反応(30分~1時間の活動/姿勢/歩行のわずかな変化)、(3)中程度の反応(2~4時間の活動/姿勢の長期の顕著な変化)、(4)重度(活動なし、浅い呼吸、瀕死)。マウスの体重は、オリゴヌクレオチドの投与直前および投与の6日後に測定した。体重の大幅な減少は、潜在的な非急性毒性の指標である。結果を、以下の表13に示す。
注射の7日後、イソフルランの過剰摂取でマウスを犠牲にし、その後急速に断頭し、脳を氷冷マウス脳スライサーマトリックス(Stoelting)に入れ、重量約30~40mgの2つの(2mm)冠状切片(Bregmaから0.26mmから始まる)に切片化した。組織をRNALater溶液(ThermoFisher Scientific、cat.AM7021)に浸漬し、4℃で保管した。RNAはRNeasy Mini Kit(Qiagen、cat.74116)を使用して、QIAcubeロボットワークステーション(Qiagen)を使用して単離した。手短に言えば、脳の断片を、RNALater溶液から、3mmのタングステンカーバイドビーズ(Qiagen、cat 69997)を含む1.5mLエッペンドルフチューブ内の1mL RLTバッファーに移した。TissueLyser II(Qiagen)を使用して組織を溶解し(30Hzで3分間)、20000gで3分間遠心分離した。550μlの溶解物(泡なし、沈殿物なし)を2mLエッペンドルフチューブに移し、必要なすべての試薬をあらかじめ充填したQIAcubeに入れた。50μlのH2Oで溶出するプログラム「RNeasy Mini-動物組織および細胞-大量サンプル(バージョン2)」に従ってRNAを精製した。NanoDrop 8000(ThermoFisher Scientific)分光光度計を使用してRNA濃度を測定し、H2Oで濃度を2ng/μlに調整した。
右半球からの切片の発現レベルは、プローブとしてとしてのTMEM106B Mm00510952_m1(Thermo Fisher Scientific、cat.4351370)、および正規化のためのGAPDHプローブ(cat.4352339E、Thermo Fisher Scientific)を使用して、基本的に実施例1に記載したように測定した。QuantStudio(商標)Real_time PCRソフトウェアを使用してデータを分析し、技術的な複製の読み取り値を平均した。結果を表12に、平均対照サンプル(PBS処理マウス)の%として示す。即ち、値が低いほど阻害が大きい。
表12:TMEM106Bを標的とするオリゴヌクレオチドのインビボ効力。
表13:TMEM106Bを標的とするオリゴヌクレオチドを注入したマウスで観察された急性応答と体重変化
表12および13から、すべてのTMEM106B標的化オリゴヌクレオチドが、単回注射後にTMEM106B mRNAを減少させることができたことが分かる。試験した10のオリゴヌクレオチドのうちの1つは、重篤な急性毒性を引き起こすことがわかった。化合物番号161を3匹の動物にのみ投与し、重篤な反応が観察された直後に安楽死させたため、この化合物で測定されたTMTM106Bの減少はない。化合物144_1を投与した一部の動物は、この化合物の非急性毒性が原因である可能性のある、有意な体重減少の徴候を示した。残りのすべてのオリゴヌクレオチド化合物は、治療の7日後に十分に許容されるようであった。
実施例5:ヒトiPSCニューロンおよび星状細胞の混合培養の処理
実施例2において、ヒトTMEM106bは、最初に、ヒト神経芽細胞腫細胞株においてスクリーニングされた。これらのASOがヒトニューロンの標的を低下させる能力を評価するために、5つのヒトTMEM106b ASOの効果:CMP番号74_1、65_1、75_1、71_1、66_1を、ヒトiPSCニューロンおよび星状細胞の細胞培養混合物で評価した。
ヒトiPSC由来の神経幹細胞(MTI-GlobalStem、GSC-4311)をNSC維持培地(DMEM/F12(Genentech)/Neurobasal(ThermoFisher Scientific、21103049)、1X GS22(MTI-Global STEM、GSM-3200)、20ng/ml BDNF(Peprotech、450-02)、20ng/ml FGF-basic(Peprotech、100-18b)、20ng/ml EGF(Peprotech、AF-100-15)、0.5mM Glutamax(Gibco、35050061)、0.11mM β-メルカプトエタノール(Sigma-Aldrich CHECKCAT)、1X Normocin(InvivoGen、ant-nr-1)、50U/mlペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher 15160122))中で、37℃ CO2細胞培養インキュベーター内で維持し、細胞がコンフルエントになるまで、NSC維持培地を3~4日毎に交換した。ニューロンの分化のために、細胞を50μg/ml PDL(Sigma-Aldrich、P6407)および10μg/ml Recombinant Human Laminin(Sigma-Aldrich、St Louis,MO,USA)のT-650細胞培養フラスコにおおよその濃度0.7x106 ~1.0x106 細胞/mlで蒔いた。細胞をY27632(Tocris、1254)、SU9516(Tocris、2907)およびCumate(System Biosciences AM100A-1)で補充したニューロン分化培地((DMEM/F12(Genentech)/Neurobasal(ThermoFisher Scientific 21103049)、1X GS21(MTI-Global STEM GSM-3100)、1X N2(MTI-GlobalStem GSM3300)、5μg/mlコレステロール(Sigma-Aldrich C3045)、1mMクレアチン(Sigma-Aldrich C0780)、100μMアスコルビン酸(Sigma-Aldrich A8960)、0.5mM cAMP(Sigma-Aldrich D0627)、20ng/ml BDNF(Peprotech、450-02)、20ng/ml GDNF(Peprotech、450-10)、1μg/mlマウスラミニン(Invitrogen、23017-015)、0.5mM Glutamax(Gibco、35050061)、1X Normocin(InvivoGen、ant-nr-1)、50U/mlペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher、15160122))に置いた。蒔いた細胞を1週間分化させた。半量の分化培地を3~4日毎に交換した。分化後、細胞を、Y27632 Rock阻害剤(Tocris、1254)および1X RevitaCell(Gibco、A2644501)で補充した、予熱した分化培地中、384ウェルまたは96ウェルのPDL-ラミニンコーティングプレート上に、およその濃度2.5x105~5.5x105で蒔き、1週間維持し、半量の分化培地を3~4日毎に交換した。
初代ヒト星状細胞(LifeTechnologies、N7805100)を、星状細胞培地(DMEM High Glucose(Genentech)、10%FBS(VWR、89510-198)、1X N2(MTI-GlobalStem GSM3300)、1X Normocin(InvivoGen、ant-nr-1)、50U/mlペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher、15160122))中で37℃ CO2細胞培養インキュベーター内で維持し、細胞がコンフルエントになるまで3~4日毎に培地を交換した。続いて、星状細胞を384ウェルまたは96ウェルプレート内でヒトiPSCニューロン(前の段落で説明)に、およその濃度3.0x104~8.0x104で、BrainPhys維持培地(BrainPhys Basal(STEMCELL Technologies、05790)、1X GS21(MTI-Global STEM GSM-3100)、1X N2(MTI-GlobalStem GSM3300)、5μg/mlコレステロール(Sigma-Aldrich C3045)、1mMクレアチン(Sigma-Aldrich C0780)、10nM β-エストラジオール(Sigma-Aldrich E2758)、200nMアスコルビン酸(Sigma-Aldrich A8960)、1mM cAMP(Sigma-Aldrich D0627)、20ng/ml BDNF(Peprotech、450-02)、20ng/ml GDNF(Peprotech、450-10)、1μg/mlマウスラミニン(Invitrogen、23017-015)、0.5mM Glutamax(Gibco、35050061)、1X Normocin(InvivoGen、ant-nr-1)、50U/mlペニシリン-ストレプトマイシン(ThermoFisher、15160122)、1ng/ml TGFβ1(Peprotech、100-21)中に加え、半量のBrainPhus維持培地を3~4日毎に6~8週間交換した。
ヒトiPSCニューロンのASO処理では、CMP番号74_1、65_1、75_1、71_1、66_1を中間の96ウェルプレートのストックから9ポイント3倍連続希釈(10μM、3.3μM、1.1μM、0.37μM、0.12μM、0.04μM、0.0137μM、0.0045μM、0.0015μM)または5ポイントの10倍連続希釈(10μM、1μM、0.1μM、0.01μM、0.001μM)で希釈した。
連続10日間のインキュベーション実験では、上記のASO濃度(5ポイント10倍)で2か月培養した後、ASOにヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合物を加えた。3日目と7日目に、最適な細胞の健康を維持するために培地の50%を交換した(追加のASOは加えなかった)。ASO処理を開始してから10日後、TaqMan Gene Expression Cells-to-Ctキット(ThermoFisher Scientific、AM1728)の製造者の指示書に従って、Taqmanアッセイのために細胞を回収した。製造者の指示書に従って、ヒトニューロンTMEM106b Taqmanアッセイを、ハウスキーピング遺伝子ノーマライザとしてのヒトTMEM106bおよびPOL2RBの特定の遺伝子発現アッセイプローブを使用して行った(各々、アッセイID Hs00998849_m1およびHs00946293_m1)。TMEM106bの発現レベルはPOL2RBハウスキーピング遺伝子に対して正規化され、培地対照(100%)に対する相対的な発現が計算された(即ち、数値が小さいほどTMEM106bの減少が大きいことを示す)。Graph Pad Prismソフトウェアを使用して、ソフトウェアカーブフィットオプションを使用したIC50分析を行った。結果を表14および15、ならびに図7Aおよび7Bに示す。CMP番号74_1、65_1、75_1、71_1、66_1の構造式を図9~13に示す。
表14:ASOの連続希釈による10日間の連続処理後のヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合培養物の生理食塩水に対するTMEM106b mRNAの減少(%)(n=3)。
データから、ASOが7.6nM~128.7nMの範囲で高い効力を示すことがわかる(表14、図7A)。さらに、ヒト神経細胞TMEM106b mRNAのほぼ完全な排除が見られる。
さらに、24時間パルス実験でASOを評価して、短期のASO治療が長期的な効果をもたらすかどうかを評価した。5つのヒトTMEM106b ASO CMP番号74_1、65_1、75_1、71_1、66_1を、上記のASO濃度(9ポイント3倍希釈)で2か月培養した後、ヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合物に加えた。ASO処理は24時間のみであり、その後細胞をニューロン培養培地で3回洗浄した。3日目と7日目に、最適な細胞の健康を維持するために培地の50%が交換された。ASO処理の10日後、細胞を回収し、上記のTaqmanアッセイでTMEM106B mRNAを評価(accessed)した。結果を表15および図7Bに示す。
表15:ASOの連続希釈による24時間パルス処理後のヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合培養物の生理食塩水に対するTMEM106B mRNAの減少(%)(n=3)。
これらの結果は、IC50が62.5nM~1μMの範囲であることを示し(表15、図7B)、24時間のみのインキュベーションで、10μMの5つのヒトTMEM106b ASOすべてが効果的かつほぼ完全にヒトTMEM106b mRNAを除去し、長期インキュベーションと同様に少なくとも10日間持続する、長続きする効果を有することができる(表14、図7A)。
ヒトiPSCニューロンおよび星状細胞のASO処理によりTMEM106bタンパク質レベルが低下するかどうかをさらに調査した。連続10日間のインキュベーション実験では、最終ASO濃度10μMで2か月培養した後、ASOにヒトiPSCニューロンおよび星状細胞混合物を加えた。3日目と7日目に、最適な細胞の健康を維持するために培地の50%を交換した(追加のASOは加えなかった)。ASO処理を開始してから10日後、タンパク質分析のために、プロテイナーゼ阻害剤(Roche 11836153001)を含むRIPAバッファー(Pierce 89900)で細胞を回収した。BCAマイクロタンパク質濃度分析は、総タンパク質濃度を測定するために、すべての溶解物について製造者の指示書に従って行われた(Thermo Fisher Scientific、23235)。タンパク質分析は、Peggy Sueキット(SM-S001)を使用して製造者の指示書に従ってPeggy Sue自動ウェスタン機器(Protein Simple)で行った。等量の総タンパク質がロードされた。TMEM106bの抗体はBethyl(A303-439A)からであり、ハウスキーピング遺伝子の正規化のためのGAPDHはNorvus(NB100-56875)からである。
図7Cは、自動化ウェスタンブロットの結果を示す。左側のパネルでは、対照とCMP番または65_1 ASO 10μMで10日間処理した後のニューロン溶解物を、表示されたレーンにロードした。次いで、レーンを抗TMEM106b抗体でプローブした。右のパネルは、抗GAPDH抗体でプローブされた同じサンプルレーンを示す。CMP番号65_1は、10日間の処理後にヒトTMEM106bタンパク質レベルを低下させることができることがわかる。
実施例6:TMEM106b mRNAおよびタンパク質のマウスにおけるインビボ減少の時間経過
本実施例は、単一ICV注射の1、2、4、8、および12週間後のmRNAおよびタンパク質の長期間の減少について、上記の実施例4でも使用された、選択されたマウスASOの能力を試験した。
本実施例では、単一ICV注射の1週間後のmRNAの減少に関連して実施例4で生成されたデータを引き継いだ。追加のデータは、単一ICV注射の1、2、4、8および12週間後のmRNAおよびタンパク質の減少について生成された。
これらの実験では、Jackson LaboratoryからのC57BL/6Jオス(3~6か月齢)を使用した。マウスは規則的な明/暗サイクル(14:10時間)で飼育し、食物(LabDiet 5010)と水を自由に摂取させた。すべての注射および組織採取は、明期中に行われた。マウス実験のすべてのプロトコルは、施設内動物管理および使用委員会によって承認され、実験動物の管理および使用に関するNIHガイドに従って実施された。
動物をイソフルランで麻酔し、頭蓋骨の頭頂領域の上の毛を剃毛により除去し、抗菌ベタジン溶液と70%エタノールまたはCloraprep溶液のいずれかで皮膚を洗浄した。ブレグマを特定するために、後頭部と額の間で皮膚を正中切開した。26ゲージの10μlハミルトンシリンジを使用して、容積5μl(生理食塩水)のASO 100μgを右心室(-0.5AP、1.0ML、3.0DV)に1μl/秒の速度で注射した。注射の1分後、針をゆっくりと引き抜いた。切開部を組織接着剤で閉じ、手順に起因する痛みを軽減するために、最大3日間ブプレノルフィンを投与した。
注射後1(実施例4のmRNAオリジナルデータ)、2、4、8、および12週間で、マウスを吸入麻酔薬(イソフルラン)の一定の流れの下で断頭して安楽死させた。脳を氷冷した脳基質上に置き、右半脳を2つの2mm切片に切断した。1つの切片をすぐにRNALater(Ambion)に入れ、qPCRのために4℃で保管した。2番目の2mmスライスの重さを量り、すぐに液体窒素で瞬間凍結し、タンパク質分析のために-80℃で保管した。
qPCRでは、組織を次いでRLTバッファー(Qiagen)溶解試薬に移し、TissueLyser(Qiagen)を使用して溶解した。RNAは、QIACUBEワークステーションを有するRNeasy Mini QIAcube Kit(cat.74116)を使用して抽出した。RNA濃度をNanodropでチェックし(RNA-40、ブランクH20として)、次いで各サンプルを水で希釈して、2ng/μlの溶液を得た。RNAを90℃で40秒間熱変性させた。qPCRアッセイは、qScript(商標)XLT One-Step RT-qPCR ToughMix(登録商標)Low ROX(QuantaBio、cat.95134-02K)を使用して、TMEM106b(cat.4351368、ThermoFisher Scientific)をプローブとして、GAPDH(cat.4352339E、ThermoFisher Scientific)を正規化用プローブとして使用して、Applied Biosystems ViiA7サーマルサイクラーで行った。結果を表16および図8Aに示す。
表16:TMEM106b mRNAのインビボでの長期的な減少
表16および図8Aからわかるように、CMP番号152_1と155_1の両方のTMEM106b mRNAの減少は、注射後1~4週間で最大であった。生理食塩水対照(n=3~6/グループ)と比較して、ASO処理された動物のTMEM106b mRNAは、注射後12週間でベースライン(生理食塩水対照動物)に戻らず、12週間後に両方のCMP番号152_1および155_1(n=6~7/グループ)で30~35%のmRNA減少が検出された。
ウェスタンブロットの場合、2番目の瞬間凍結スライスを、TissueLyser(Qiagen、30サイクル/sで3分間)を使用して、Complete Rocheプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)およびPhosStop(Roche)を含む10容積のRIPAバッファーでホモジナイズした。次いで、サンプルを4℃で20分間回転させた後、4℃で14,000rpm(Gs)で20分間遠心分離した。上清を収集し、-80℃で保管した。タンパク質サンプルを、還元剤(10x、Invitrogen)を含むLDSローディングバッファー(4x、Invitrogen)で1/5に希釈し、95℃で5分間熱変性させた。次いで、サンプルを氷上に置き、-20℃で保管した。等量のサンプルを、1x MOPSランニングバッファーを含む10%Bis-Trisゲルで分離し、ニトロセルロースメンブレン(iBlot2、ThermoFisher)に移し、TBS-Tween中の5%脱脂粉乳で室温でブロックした。ブロットは、ウサギ抗TMEM106b(A303-439;Bethyl、1:500)または5%BSA中のβ-チューブリンで4℃で一晩プローブした。ブロットをTBSTで洗浄し、HRP結合二次抗体と室温で2時間インキュベートした後、ChemiDoc(Bio-Rad)でSupersignal West Dura ECL(ThermoFisher)を使用して展開した。Image Lab 5.2(BioRad)を使用してブロットを定量し、各レーンをβ-チューブリン、次いで対照サンプルに正規化した。結果を、表17および図8Bに示す。結果を、表17および図8Bに示す。
表17:TMEM106bタンパク質のインビボでの長期的な減少
同様に、表17および図8Bからわかるように、TMEM106bタンパク質は注射後2~4週間で最大40~50%減少した。生理食塩水対照と比較して(n=2~6/グループ)、TMEM106bタンパク質は注射後12週間でベースラインに戻らず、CMP番号152_1で処理された動物(n=6~7/グループ)は39%減少し、CMP番号155_1で処理された(n=5~7/グループ)動物は14%減少した。