JP7279855B2 - 杭、杭の施工方法、構造物、構造物の構築方法、杭の設計方法及び杭の製造方法 - Google Patents

杭、杭の施工方法、構造物、構造物の構築方法、杭の設計方法及び杭の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、杭、杭の施工方法、構造物、構造物の構築方法、杭の設計方法及び杭の製造方法に関するものである。
港湾構造物において鋼管杭は一般的によく用いられる。桟橋や岸壁の控え杭等、構造物及び地盤条件によっては、鋼管杭に高い引き抜き支持力が要求される。引き抜き支持力を高める工法としては、鋼管杭の先端に翼を取り付けた回転杭工法がある。港湾分野では、施工スペースの関係上、打撃ハンマーやバイブロハンマー等を用いた打込み杭工法が主流であり、比較的大型の回転施工機械が必要となる回転杭工法は適用されていない。その他の工法としては、ウォータジェット併用バイブロ工法で鋼管杭を貫入し、地中でセメントミルク噴射に切り替えて、鋼管杭と地盤を一体化させる工法がある。しかしながら、当該工法は、ウォータジェットやセメントミルク噴射に必要な大型の機材を必要とするため、船が必要な海上施工では不経済となる。さらには、当該工法は、セメントミルクを用いるため、港湾の環境面においても望ましくない。
一方で、ウォータジェットやセメントミルク噴射を用いずに港湾分野で主流な打込み杭工法と圧入工法による施工が可能であり、高い引き抜き支持力を発揮できる杭が提案されている。例えば、鋼管の下部側の外周面に螺旋状をなす複数のスパイラルリブが形成された鋼管杭(特許文献1参照)や、鋼管製の杭本体の軸方向に沿って板状の突起体が固着された鋼管杭(特許文献2参照)が提案されている。
特開2017-95880号公報 実開平3-18238号公報
特許文献1に記載の鋼管杭は、スパイラルリブの周面摩擦力により引き抜き支持力を高めるものである。しかしながら、特許文献1に記載の鋼管杭は、スパイラルリブを鋼管の外周面に螺旋状をなすように形成する必要があるため、経済的ではない。一方、特許文献2に記載の鋼管杭は、板状の突起体の周面摩擦力や支圧力で引き抜き支持力を高めるものである。しかしながら、特許文献2に記載の鋼管杭は、周面摩擦力を大きくするために比較的大型の突起体を形成する必要があるため、材料費や加工費の観点から費用が掛かり経済的ではない。さらに、十分な引き抜き支持力を発揮するには、突起体全体を支持層へ貫入するために、通常時よりも多く杭の先端部を支持層に貫入する必要がある。そのため、施工が大掛かりになり、施工スペースの制約、騒音や振動、貫入不良、杭体の破損等の施工トラブルが発生する可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、施工に大掛かりな機材を必要とせず、経済性及び環境面に優れ、さらには、支持層への貫入が少ない条件であっても高い引き抜き支持力と高い押し込み支持力を発揮でき、施工トラブルの発生を抑制できる杭、杭の施工方法、構造物、構造物の構築方法、杭の設計方法及び杭の製造方法を提供することにある。
本発明に係る杭は、杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設されたものであって、前記各フィンは、鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して0度以上45度以下、である。
本発明に係る杭の施工方法は、本発明に係る杭を支持層が存在する地盤に貫入するものであって、前記杭に配設された前記フィンの上端が、前記支持層内に位置するように貫入する。
本発明に係る構造物は、本発明に係る杭を備える。
本発明に係る構造物の構築方法は、本発明に係る杭を地盤に貫入する工程を含む。
本発明に係る杭の設計方法は、本発明に係る杭の設計方法であって、前記杭に要求される引き抜き支持力及び押し込み支持力に基づいて、前記傾斜角度を設定し、その後、前記鉛直長の下限値を、前記引き抜き支持力及び前記押し込み支持力に応じて設定する。
本発明に係る杭の設計方法は、杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭を設計するものであって、前記各フィンは、鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して0度以上45度以下、となるように設定する。
本発明に係る杭の製造方法は、杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭を製造するものであって、前記各フィンは、鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して0度以上45度以下、となるように形成する。
本発明に係る杭、杭の施工方法、構造物、構造物の構築方法、杭の設計方法及び杭の製造方法によれば、施工に大掛かりな機材を必要とせず、経済性及び環境面に優れ、さらには、支持層への貫入が少ない条件であっても高い引き抜き支持力と高い押し込み支持力を発揮でき、施工トラブルの発生を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る杭を説明する概念図であり、(a)はフィンが杭本体の中心軸に対して略平行に取り付けられている場合、(b)はフィンが杭本体の中心軸に対して傾斜して取り付けられている場合、を示す。 図2は、本発明の実施の形態に係る杭に引き抜き荷重が作用した際の引き抜き支持力発揮挙動を説明する概念図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る杭の下端部の貫入位置と支持層との関係を示した図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る杭を鉛直荷重により回転貫入させる場合の施工概念図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る杭を鉛直荷重により回転貫入する際にフィンに作用する力を示した概念図である。 図6は、実施例において、杭の引き抜き支持力の検証に用いた3次元FEMモデルを示した図である。 図7は、杭本体の中心軸に対して平行にフィンを取り付けた杭を対象とした解析により算出した載荷荷重と引き抜き量の関係を示すグラフである。 図8は、杭本体の中心軸に対して傾斜させてフィンを取り付けた杭を対象とした解析により算出した載荷荷重と引き抜き量の関係を示すグラフである。
本発明の実施の形態に係る杭1は、図1に例示するように、杭本体3の下端部に2枚以上の板状のフィン5が杭本体3の外周面に配設されたものである。各フィン5は、鉛直長lfvが杭本体3の外径Dの0.5倍以上1.75倍以下、傾斜角度β(図1(b)参照)が杭本体3の中心軸に対して0度以上45度以下である。
なお、図1(a)は、フィン5が杭本体3の中心軸に対して略平行に取り付けられている場合を示し、図1(b)は、フィン5が杭本体3の中心軸に対して傾斜して取り付けられている場合を示す。ここでの「略平行」とは、杭本体3の中心軸に対する角度が0度以上1度未満であることを示す。
また、本発明の実施の形態に係る杭1は、必要に応じて、隣り合うフィン5の間隔が杭本体3の外周長の1/16以上、隣り合うフィン5の間隔が杭本体3の外周長の1/2以下、フィン5の下端位置が杭本体3の下端から50mm以下、フィン5の上端位置が杭本体3の下端から杭本体3の外径Dの2倍以下、フィン幅wfがフィン板厚tfの2倍以上、又は、フィン幅wfが杭本体3の外径Dの1/2以下、の条件のうち1つ以上を満足する。
図1において、ltは杭本体3の下端からフィン5の下端までの距離(50mm以下)を示す。αはフィン5の先端角度を示している。ここで、フィン5の先端角度αは、杭1に対して要求される施工性と支持力の関係から決まる所定の角度である。先端角度αは、杭貫入時のフィン板厚部の支圧抵抗により、フィン溶接部が受けるせん断力を低減する効果から60度以下が望ましい。さらに、フィン長lfはフィン5の杭本体3の取り付け側における下端と上端を直線で結んだときの距離、フィン水平長lfhはフィン5の下端と上端の杭本体3の中心軸直角方向における長さであり、いずれも、フィン5の板厚中心で判断する。
本実施の形態に係る杭1においてフィン5を上記の通り限定した理由を説明するに先立ち、フィン5が配設された杭1に引き抜き荷重が作用した際の引き抜き支持力発揮挙動を説明する。
図2に、図1(a)に示した杭1に引き抜き荷重が作用した際の引き抜き支持力発揮挙動の概念図を示す。図2において、引き抜き支持力発揮地盤13は、杭1の引き抜き時に引き抜き支持力を発揮するために抵抗する地盤を示している。なお、引き抜き支持力発揮地盤13はフィン上端付近では地盤の内部摩擦角の効果で広がり、一定の距離を離れると広がる効果が薄れ、円柱型にすべり面を形成する。また地盤の内部摩擦角による広がり効果は地盤が強固なほど高まる。
引き抜き支持力は、杭1を引き抜く際に抵抗する引き抜き支持力発揮地盤13の範囲が広いほど大きくなる。そのため、前述した特許文献1に開示されている鋼管杭に用いられるようなスパイラルリブに比べ、杭本体3の表面から杭1の径方向への突出量の大きいフィン5を用いることで引き抜き支持力発揮地盤13が広範囲となり、高い効果を発揮できる。また、フィン5が存在することによって、引き抜き支持力を高めるだけでなく、杭1の押し込み時にもフィン5の下端付近では地盤の内部摩擦角の効果で押し込み支持力発揮地盤(図示せず)が広がるため、押し込み支持力も合わせて向上する。
次に、本実施の形態に係る杭1におけるフィン5の限定理由を図1~図5を参照して述べる。先ず、本発明の効果を得るのに必要な条件である「フィンの枚数(下限)」、「鉛直長」及び「傾斜角度」について説明する。
(フィンの枚数(下限))
フィン5は2枚以上とする。杭1の引き抜き支持力は、前述した図2に示すように、引き抜き支持力発揮地盤13による抵抗で発揮される。そして、フィン5の枚数が多いほどフィン5から地盤へ伝わる力が高まり、フィン上端付近における引き抜き支持力発揮地盤13での地盤の内部摩擦角の効果が高まり、引き抜き支持力は高まる。また、フィン5が存在することによって、引き抜き支持力を高めるだけでなく、杭1の押し込み時にもフィン5の下端付近では地盤の内部摩擦角の効果で押し込み支持力発揮地盤が広がるため、押し込み支持力も合わせて向上する。また、先に述べたように、フィン5が存在する(即ち、フィン5は1枚以上)ことで、引き抜き支持力を高めるだけでなく押し込み支持力も合わせて向上する。なぜならば、先に述べたように、杭1の押し込み時にもフィン5の下端付近では地盤の内部摩擦角の効果で押し込み支持力発揮地盤が広がるからである。そのため、フィン5の枚数は、杭1に要求される施工性と引き抜き支持力と押し込み支持力とによって決定される。さらに、本実施の形態においては、杭1を安定して軸方向へ貫入させるために、2枚以上とする。
(鉛直長)
鉛直長lfvは、杭本体3の外径Dに対して0.5倍以上1.75倍以下である(図1参照)。ここで、鉛直長lfvは、図1に示すように、杭本体3の中心軸方向におけるフィン板厚中心の下端と上端の距離である。
鉛直長lfvが上記の範囲を満たすものであることの理由を、図3に基づいて説明する。図3は、支持層15が下方に存在する地盤11に杭1を貫入させる場合における杭1の鉛直方向における貫入位置と支持層15との関係を模式的に示した図である。図3(a)は、フィン5の上端が支持層15内に位置する場合、図3(b)は、フィン5の上端が支持層15内に位置しない場合である。
一般的に杭に引き抜き支持力と押し込み支持力の向上が要求される地盤は、層厚の厚い軟弱な地盤の下に支持層(硬質な地盤)が存在するものである。なぜならば、軟弱な地盤では、杭本体と地盤との間の周面摩擦による引き抜き支持力と押し込み支持力を期待できないためである。本実施の形態に係る杭1では、押し込み支持力は、フィン5が存在することによって引き抜き支持力を高めるだけでなく、押し込み支持力も合わせて向上する。なぜならば、先に述べたように、杭1の押し込み時にもフィン5の下端付近では地盤の内部摩擦角の効果で押し込み支持力発揮地盤が広がるからである。一方、本実施の形態に係る杭1では、引き抜き支持力は、引き抜き支持力発揮地盤13による抵抗で発揮される。そのため、引き抜き支持力発揮地盤13を十分に広範囲とするため、地盤の内部摩擦角が大きい強固な地盤である支持層15内にフィン5の上端が位置することが望ましい。また、確実に支持層15内にフィン5の上端が位置するためには、性能を損なわない範囲内でフィン長lfは短い方が望ましい。
しかしながら、フィン長lfが短すぎると、鋼管製の杭本体3にフィン5を溶接する際に、治具によるフィン5の仮固定が難しくなり、フィン5の取り付け時の作業性が悪くなる。治具の大きさは杭本体3の外径に応じて変化することから、本実施の形態に係る杭1においては、フィン長lfが短すぎないようにするべく、鉛直長lfvは、杭本体3の外径の0.5倍以上とする。
一方、同施工条件下においてフィン長lfが長すぎると、図3(b)に示すように、フィン5の上端が支持層15に貫入されず、十分な引き抜き支持力を発揮できない。
また、支持層15の条件によっては、支持層15への杭1の貫入量を増やすことは可能である。しかしながら、実用上想定する深度に到達する前に杭1の貫入が打ち止めとなる場合も多く、フィン長lfを不用意に長くすると、フィン5の上端が支持層15内に位置しないリスクが高まる。一般に打込み杭工法における支持層への貫入量の目安は、施工機械や杭本体の強度を考慮して杭本体の外径の2倍程度とされる。そこで、本実施の形態に係る杭1においては、安定してフィン5を支持層15へ貫入させ、フィン5の上端を支持層15内に位置させ、十分な引き抜き支持力発揮地盤13による抵抗で引き抜き支持力を発揮させるため、鉛直長lfvは杭本体3の外径Dの1.75倍以下とする。
(傾斜角度)
傾斜角度βは、杭本体3の中心軸に対して0度以上45度以下である(図1参照)。ここで、傾斜角度βは、フィン長lfの1/2位置における点を回転中心としたときの杭本体3の中心軸に対する角度とする。
傾斜角度βを上記の範囲とする理由は以下のとおりである。図4に、傾斜角度βが1~45度の杭1を地盤11に鉛直貫入させる際の施工概念を示す。
傾斜角度βが0度以上1度未満の場合(図1(a))、杭本体3の中心軸に対して略平行なフィン5(垂直フィン)となるため、一般的な鋼管杭と同様の鉛直貫入となる。一方、傾斜角度βが1度以上45度以下の場合(図1(b))、杭本体3の中心軸に対して傾斜したフィン5(傾斜フィン)となるため、杭1に鉛直荷重を与えた際、地中でフィン5の間を土がすり抜けて(図4の黒塗り矢印)、杭1が回転しながら貫入することで施工される。すなわち、杭本体3の中心軸に対してフィン5が取り付けられた杭1に鉛直荷重が与えられた場合、杭本体3が回転することでフィン5による貫入抵抗を緩和させることができる。
杭1の引き抜き支持力は、前述した図2に示すように、引き抜き支持力発揮地盤13による抵抗で発揮される。そして、傾斜角度βが大きいほどフィン5から地盤へ伝わる力が高まり、フィン上端付近における引き抜き支持力発揮地盤13での地盤の内部摩擦角の効果が高まり、引き抜き支持力は高まる。その一方で、傾斜角度βが大きいと、貫入時の抵抗力が大きくなり、施工効率が悪くなる。そのため。傾斜角度βは、引き抜き支持力のみならず貫入抵抗についても考慮する必要がある。以下、傾斜角度と貫入抵抗との関係について説明する。
図5に、傾斜角度βを30度(図5(a))及び60度(図5(b))とした場合における、杭1を鉛直荷重により地盤11に回転貫入した際のフィン5に作用する力を示す。なお、図5においては、杭1及び杭本体3の図示は省略した。
杭に鉛直荷重を与えて地盤11に貫入させると、地盤11からフィン5に垂直抗力が作用し、これに伴い、杭本体3を中心軸回りに回転させる回転力(「フィン推進力」という)が作用する。具体的には、フィン5に対する垂直抗力を、地盤11の鉛直方向とこの鉛直方向に直交する方向とに分力する。この鉛直方向に直交する方向の分力が、「フィン推進力」に相当する。図5においては、地盤11の鉛直方向が杭本体3の軸方向に、地盤11の鉛直方向と直交する方向が杭本体3の外周に対する接線方向に、それぞれ一致する。そのため、フィン推進力は杭本体3の回転力となる。
ここで、傾斜角度βが30度の場合(図5(a))と60度の場合(図5(b))とを比較すると、傾斜角度βが大きい60度の場合においてはフィン推進力が小さくなっている。このように、傾斜角度βが大きすぎると推進力が小さくなり、その結果、貫入抵抗が大きくなる。
そこで、本実施の形態では、鉛直荷重に対するフィン推進力(杭本体3の回転力)の割合が大きく減少せず、杭本体3の回転力を失わずに杭1の貫入ができるようにするため、傾斜角度βを45度以下とした。
なお、本実施の形態では、傾斜角度βの下限値を0度以上としているが、施工時において杭本体3を回転させながら貫入し、貫入抵抗を緩和するため、傾斜角度βを1度以上とするのが好ましい。
次に、選択条件である「フィン下端位置」、「フィン上端位置」、「フィン幅」、「フィンの枚数(上限)」及び「フィンの間隔」について説明する。これらの選択条件は、杭の使用、杭の施工目的、貫入させる地盤及び支持層等によって、必要に応じて設定することができる。
(フィン下端位置)
フィン5の下端位置は、杭本体3の下端からフィン5の下端までの距離ltが50mm以下になるように設定することが好ましい(図1参照)。これは、フィン5の取り付け位置は杭本体3の下端に近いほど望ましく、杭本体3の下端の加工性や、例えば鋼管製の杭本体3にあってはフィン5を杭本体3に取り付ける際の溶接性等を考慮したものである。
(フィン上端位置)
フィン5の上端位置は、杭本体3の下端から杭本体3の外径Dの2倍以下とすることが好ましい(図1参照)。フィン5の上端位置に関しては、前述した図3(a)に示したように、フィン5を安定して支持層15に貫入させて支持層15内にフィン5の上端を位置させる観点によるものである。
(フィン幅)
フィン幅wfは、フィン板厚tfの2倍以上とすることが好ましい。また、フィン幅wfは、杭本体3の外径の1/2以下とすることが好ましい(図1参照)。ここで、フィン幅wfとは、図1に示すように、フィン長lfの1/2位置におけるフィン周方向の長さである。引き抜き支持力は、杭1を引き抜く際に抵抗する引き抜き支持力発揮地盤13の範囲が広いほど大きくなる。このため、杭本体3の表面からの突出量が大きいほど引き抜き支持力発揮地盤13が広範囲となり、高い効果を発揮できる。
フィン幅wfの下限は、杭本体3へのフィン5の取り付け性を考慮したものである。フィン幅wfの上限は、フィン5の最外縁を通る仮想円の外径をフィン外径Df(図1参照)としたとき、施工性の観点から、フィン外径Dfは杭本体3の外径の2倍程度までであることが好ましいためである。
(フィンの枚数(上限)及び間隔)
フィン5を取り付ける枚数は16枚以下とするのが好ましい。また、隣り合うフィン5の間隔は、下限として杭本体3の外径Dの1/16以上とするのが好ましい。また、上限としては1/2以下とするのが好ましい。ここで、隣り合うフィン5の間隔は、杭本体3の外周方向におけるフィン5の板厚中心の距離とする。
フィン5の枚数及び間隔を上記の範囲とする理由は以下のとおりである。杭1を安定して軸方向に貫入するためには最低でも2枚のフィンが必要であり、2枚のフィン5が杭本体3の外周方向において等間隔に取り付けられている場合、フィン間隔は、杭本体3の外周長さの1/2となる。一方、フィン5を取り付ける枚数の上限については、杭本体3に鋼管を用いた場合、フィン5は一般的に溶接等で杭本体3に後付けされるため、必要な作業スペースを考慮すると、16枚以下とするのが好ましい。すると、杭本体3の外周方向において等間隔に16枚のフィン5が取り付けられている場合、隣り合うフィン5の間隔は、杭本体3の外周長さの1/16となる。なお、上記範囲内であればフィン5の枚数が多いほど、費用はかかるがフィン5の上端の支圧面積が大きくなるため、地盤への荷重伝達力が高まり、引き抜き支持力は向上する。
以上、本発明の実施の形態に係る杭1によれば、支持層への貫入が少ない条件であっても高い引き抜き支持力と高い押し込み支持力を発揮することができる。そのため、支持層に多く貫入するための力がより小さくて済み、施工に用いる機械の小型化が可能となる。これにより、施工スペースの制約、騒音や振動、貫入不良、杭体の破損等の施工トラブルの発生を抑制することができ、施工性、経済性、環境面に優れた杭を提供することができる。
さらに、本発明の実施の形態に係る杭1は、特に、高い引き抜き支持力と押し込み支持力とが要求される港湾構造物に対して好ましく適用できる。ここでいう港湾構造物とは、桟橋、岸壁の控え杭等を示す。また港湾構造物の他に、洋上風力基礎、建築基礎、橋脚基礎、又は、岩盤アンカー等にも、同様に適用することが可能である。これらの構造物も、高い引き抜き支持力と押し込み支持力とが要求される場合があるためである。
なお、本実施の形態に係る杭1は、前述した図3に示したように、支持力の最大限効果を発揮する支持層へ貫入させることが最も好ましい使用形態である。このような使用形態に限らず、本発明は、支持層に貫入しない摩擦杭への適用や斜杭への適用も可能である。さらに、一般的な鋼管杭(素管とも呼ばれる)に対して、引き抜き支持力と押し込み支持力とを向上させることができる。
なお、フィン5は、上記のフィン間隔の範囲内であれば不等間隔で取り付けられたものであってもよい。また、フィン5は、必ずしも杭本体3の中心軸に対して軸対称に取り付ける必要はなく、適切な設計、施工管理を行うことで、非対称に取り付けられたものであってもよい。また、図1に示すフィン5は、杭本体3の中心軸に対して右回りに回転するように取り付けられたものであるが、左回りに回転するよう取り付けられたものであっても良い。また、杭頭部にフィンを取り付けても良いが、施工時に発生する杭の回転を阻害することとなり、地盤を乱す要因となるので、杭頭部にはフィンを取り付けない方が好ましい。なお、フィンが略平行の場合も、地盤の状態や荷重のかかり方によって杭の回転は生じる場合がある。
また、本実施の形態に係る杭1は、鋼管製の杭本体に鋼板製のフィンを取り付けた鋼管杭に限らず、コンクリート杭についても適用できる。コンクリート杭の場合にあっては、フィンも型枠によってコンクリートで作製すればよい。
上記の説明では、物の発明として杭を説明したが、本発明の実施の形態に係る杭1は、杭本体3の下端部に配設されたフィン5の上端が支持層内に位置するように貫入する施工方法で使用することができる。この施工方法により、本実施の形態に係る杭1を支持層が存在する地盤に貫入させることができる。なお、この場合に使用される杭1を地盤に貫入させるための施工方法は、特に限定されない。公知、既知、又は、未知の杭の施工方法を用いることが可能である。
さらに、本発明の実施の形態に係る杭1については、打込み杭工法又は圧入工法により地盤に貫入する施工方法が適用可能である。さらに、本実施の形態に係る杭1は、これらの施工方法で用いる杭として非常に適している。それは、次の理由による。
一般的に、施工時に杭に荷重を与えた際に発生する抵抗力が小さいほど施工性は高まる。本実施の形態に係る杭1は、傾斜角度β(図1(b)参照)が比較的小さいため、鉛直荷重に対する抵抗力が小さく、鉛直荷重による施工である打込み杭工法又は圧入工法に適していると言える。ただし、貫入時の抵抗力を最小限にするためには、施工時に回転方向の拘束が生じないよう留意する必要がある。
次に、本実施の形態に係る杭1を打込み杭工法で施工した例と、圧入工法で施工した例とを説明する。先ず、打込み杭工法の場合は、錘等のハンマーを落下させ杭頭に打撃荷重を与える方法や杭を振動させることで一時的に地盤の強度を下げ、相対的に自重による鉛直荷重を増大させ、杭を貫入する。一方、圧入工法の場合は、杭頭に静的な圧入荷重を鉛直方向に与えることで杭を貫入する。これらの施工方法を用いる場合でも、杭本体3の下端部に配設されたフィン5の上端が支持層内に位置するように地盤に杭を貫入させるのが、より好ましい施工方法となる。
また、本実施の形態に係る杭1を備えた構造物に、本実施の形態に係る杭1を用いたものであってもよい。
ここで、前述したように、構造物の中でも港湾構造物、洋上風力基礎、建築基礎、橋脚基礎、又は、岩盤アンカー等に対して、本発明に係る杭は特に適している。
また、本実施の形態に係る杭1は、杭1を地盤に貫入する工程を備えた構造物の構築方法において用いることができる。
また、本実施の形態に係る杭1は、前述した杭1の施工方法を備える構造物の構築方法においても用いることができる。
また、上記の説明では、物の発明として杭を説明したが、本実施の形態に係る杭1は、以下のような設計方法によって設計される。杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭を設計する杭の設計方法であって、前記各フィンは、鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して0度以上45度以下、となるように設定する。
なお、本発明における杭の設計方法の各構成要件の順序は、上記の記載の順序に限定されるものではない。また、隣り合うフィンの間隔、フィンの下端位置と上端位置、及びフィン幅といった各選択条件の好適範囲については、上記のとおり本実施の形態に係る杭1について説明した内容と同じである。そのため、これら各選択条件は、必要に応じて杭1について説明した好適範囲で設定することが好ましい。
また、本実施の形態に係る杭1は、以下のような設計方法によっても設計される。まず、本実施の形態に係る杭1が目標とする引き抜き支持力を設定する。次に、杭1に要求される引き抜き支持力に応じて、傾斜角度βとフィン枚数の上限とを設定する。傾斜角度βとフィン枚数の上限は、引き抜き支持力への影響が大きいためである。これらの条件を設定するに際して、施工性を優先する場合は、傾斜角度βを減らし、許容範囲内でフィン枚数を増やす。一方、経済性を優先する場合は、許容範囲内で傾斜角度βを増やし、許容範囲内でフィン枚数を減らす。
その後、傾斜角度βとフィン枚数を決定した後、鉛直長lfvの下限値を、杭1に要求される引き抜き支持力に応じて設定する。鉛直長lfvを決定するに際して、施工性を優先する場合は、許容範囲内で鉛直長lfvを増やし、経済性を優先する場合は、許容範囲内で鉛直長lfvを減らす。
さらに、本実施の形態に係る杭1の設計方法においては、鉛直長lfvに加え、フィン幅wfを、杭1に要求される引き抜き支持力に応じて設定することが好ましい。フィン幅wfを決定するに際して、杭1の施工性を優先する場合は、許容範囲内でフィン幅wfを減らし、許容範囲内で鉛直長lfvを増やす。一方、経済性を優先する場合はフィン幅wfを増やし、許容範囲内で鉛直長lfvを減らす。
なお、本実施の形態に係る杭1の設計方法において、「許容範囲」とは、杭1に要求とする引き抜き支持力に応じて設定する範囲としてもよいし、又は、上記の本実施の形態に係る杭1で説明したフィン5の各条件の範囲内としてもよい。
さらに、本実施の形態に係る杭1は、以下のような製造方法によって製造される。杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭を製造する杭の製造方法であって、前記各フィンは、鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して0度以上45度以下、となるように形成する。
なお、本発明における杭の製造方法の各構成要件の順序は、上記の記載の順序に限定されるものではない。また、本実施の形態に係る杭1の製造方法において、隣り合うフィン5の間隔、フィン5の下端位置と上端位置、及びフィン幅の各選択条件の好適範囲については、本実施の形態に係る杭1について説明した内容と同じである。そのため、これら各選択条件は、必要に応じて杭1で説明した好適範囲で形成することが好ましい。
[実施例]
本発明の作用効果を検証する解析を行ったので、以下、これについて説明する。当該解析では、図6に示す3次元FEMモデル21を用い、杭23の引き抜き支持力を求めた。
検証用の3次元FEMモデル21は、鋼管製の杭本体25と鋼板製のフィン27とを備えた杭23(杭本体25の外径(D)609.6mm、板厚12mm、長さ9.34m)を地盤31の中央に配置し、杭23の下端部側が1.22m(杭本体の外径の2倍)埋め込まれた状態とした。地盤31は、外径12m、高さ12mの円筒形とし、深度8.12mの位置に上層33(N値20)と下層35(N値50)を分ける地層境界を設け、実際の地盤における支持層を模擬した。杭23及び地盤31の材料データは、降伏点で2次勾配が変化するバイリニア型の弾塑性モデルとし、杭23と地盤31の間には接触や摩擦等の相互作用挙動を考慮可能な要素を取り入れた。
そして、杭23に対して鉛直方向上方に引き抜き荷重を与えたときの載荷荷重と引き抜き量の関係を算出し、杭23の引き抜き支持力を求めた。なお、一般的な鋼管杭の引き抜き支持力は、基準引き抜き量時の載荷荷重とされ、基準引き抜き量は、鋼管の外径の0.1倍又はフィン外径の0.1倍とされている。そこで、本実施例においては、基準引き抜き量は、杭本体25の外径の0.1倍とし、該基準引き抜き量時の載荷荷重を引き抜き荷重とした。
さらに、本実施例では、杭23におけるフィン27の形状を変更したときの引き抜き支持力を求めた。杭23におけるフィン27の形状等の仕様を以下に示す(図1参照)。8枚のフィン27を杭本体25の外周面に等間隔に設けた。鉛直長lfvは、杭本体25の外径Dの1倍、1.75倍及び2.5倍(1D、1.75D及び2.5D)とした。杭本体25の下端からフィン27の下端までの距離ltは50mmとした。フィン幅wfは、杭本体25の外径の0.25倍とした。このとき、フィン外径Dfは、杭本体25の外径Dの1.5倍とした。傾斜角度βは、0度又は9.46度とした。フィン27の先端角度αは、60度とした。さらに、フィン板厚tfは、25mmとした。なお、当該仕様は、鉛直長lfvを杭本体25の外径の2.5倍とした場合を除き、本発明の範囲内である。
図7に、傾斜角度βを0度とした杭23において鉛直長lfvを変更した場合の載荷荷重と引き抜き量の関係を示す。ここで、図7には基準引き抜き量も示す。
一般に、打込み杭工法における支持層への貫入量の目安は、施工機械や杭本体の強度を考慮して、杭本体の外径の2倍程度とされる。そこで、本実施例においては、この点を考慮して、支持層への杭の貫入量を杭本体3の外径の2倍(即ち2D)とした。図7より、鉛直長lfvが本発明の範囲内である杭本体25の外径の1倍(1D)と短い場合、最も引き抜き支持力が高いことを確認できた。これは鉛直長lfvが短いことで、フィン27の上端が下層35(支持層)内の深くに位置し、引き抜き支持力発揮地盤がより広くなり、引き抜き支持力が最大限発揮されるためである。また、鉛直長lfvが本発明の範囲内である1.75Dの場合においても、フィン27の上端が下層35内に位置するため、鉛直長lfvが1Dの場合に近い引き抜き支持力が得られた。引き抜き支持力は引き抜き支持力発揮地盤13による抵抗で発揮されるため、フィン上端と支持層上面までの距離が長いほど効果を発揮できることが明らかになった。一方、鉛直長lfvが本発明の範囲外である杭本体25の外径の2.5倍(2.5D)と長い場合、フィン27の上端が下層35(支持層)に位置しないため、引き抜き支持力発揮地盤13による抵抗が不足し、引き抜き支持力が十分に発揮されなかった。
図8に、傾斜角度βを9.46度とした杭23において鉛直長lfvを変更した場合の載荷荷重と引き抜き量の関係を示す。前述した図7と同様、図8には、鋼管外径の0.1倍に基づく基準引き抜き量も示す。
図8より、フィン27が杭本体25の中心軸に対して傾斜している場合においても、傾斜角度βを0度とした場合と同様に、鉛直長lfvが本発明の範囲内である杭本体25の外径の1倍(1D)のとき、最も引き抜き支持力が高いことを確認できた。また、鉛直長lfvが本発明の範囲内である1.75Dの場合においても、フィン27の上端が下層35内に位置するため、鉛直長lfvが1Dの場合に近い引き抜き支持力が得られた。言い換えると、引き抜き支持力を発揮するためにフィン上端付近において地盤の内部摩擦角の効果で引き抜き支持力発揮地盤13を十分に広げるためには、本実施例によりフィン上端と支持層上面までの距離が0.25D以上あれば十分であることが確認できる。一方、鉛直長lfvが、本発明の範囲外である杭本体25の外径の2.5倍(2.5D)と長い場合、フィン27の上端が下層35(支持層)に位置しないため、引き抜き支持力発揮地盤13による支圧抵抗が不足し、引き抜き支持力が十分に発揮されなかった。さらに、図7と図8の結果を比較すると、フィン27が杭本体25の中心軸に対して傾斜している方が、引き抜き支持力発揮地盤13による支圧抵抗が大きくなり、より引き抜き支持力が高まることも確認できた。また、引き抜き支持力と同じ傾向を示す、押し込み支持力についても高まることが期待できる。
本発明によれば、施工に大掛かりな機材を必要とせず、経済性及び環境面に優れ、さらには、支持層への貫入が少ない条件であっても高い引き抜き支持力と高い押し込み支持力を発揮でき、施工トラブルの発生を抑制できる杭、杭の施工方法、構造物、構造物の構築方法、杭の設計方法及び杭の製造方法を提供することができる。
1 杭
3 杭本体
5 フィン
11 地盤
13 引き抜き支持力発揮地盤
15 支持層
21 3次元FEMモデル
23 杭
25 杭本体
27 フィン
31 地盤
33 上層
35 下層

Claims (7)

  1. 杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭であって、
    前記各フィンは、
    鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、
    傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して1度以上45度以下
    幅が前記フィンの板厚の2倍以上前記杭本体の外径の1/2以下である、杭。
  2. 請求項1に記載の杭を支持層が存在する地盤に貫入する杭の施工方法であって、
    前記杭に配設された前記フィンの上端が、前記支持層内に位置するように貫入する、杭の施工方法。
  3. 請求項1に記載の杭を備える構造物。
  4. 請求項1に記載の杭を備えた構造物の構築方法であって、
    前記杭を地盤に貫入する工程を含む、構造物の構築方法。
  5. 請求項1に記載の杭の設計方法であって、
    前記杭に要求される引き抜き支持力に基づいて、前記傾斜角度を設定し、
    その後、前記鉛直長の下限値を、前記引き抜き支持力に応じて設定する、杭の設計方法。
  6. 杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭を設計する杭の設計方法であって、
    前記各フィンは、
    鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、
    傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して1度以上45度以下
    幅が前記フィンの板厚の2倍以上前記杭本体の外径の1/2以下となるように設定する、杭の設計方法。
  7. 杭本体の下端部に2枚以上の板状のフィンが前記杭本体の外周面に配設された杭を製造する杭の製造方法であって、
    前記各フィンは、
    鉛直長が前記杭本体の外径の0.5倍以上1.75倍以下、
    傾斜角度が前記杭本体の中心軸に対して1度以上45度以下
    幅が前記フィンの板厚の2倍以上前記杭本体の外径の1/2以下となるように形成する、杭の製造方法。
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