JP7279468B2 - 加飾シート及び加飾品の製造方法 - Google Patents
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具体的には、加飾シートが備える受容層上へ、昇華型熱転写シート等を用いて画像を形成した後、加飾層と、接着層及び裏基材とを剥離し、加飾層の受容層側を成形品に被着させることにより、成形品への意匠性付与が行われていた(以下、加飾層が被着した成形品を、加飾品という)。
加が行われていた。
また、その解決しようとする課題は、この加飾シートを用いた加飾品の製造方法を提供することである。
中間層が、ポリオレフィンを含み、
加飾層のヤング率と、加飾層の厚みとの積が、55000MPa・μm以上250000MPa・μm以下であることを特徴とする。
加飾シートが備える受容層上に画像を形成する工程と、
加飾シートが備える加飾層を剥離し、成形品に受容層が接するように、加飾層を被着させる工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の加飾シート10は、図2に示すように、受容層11及び表基材12を少なくとも備える加飾層13と、中間層14及び裏基材15を備える剥離部材16とを備える。
また、一実施形態において、剥離部材16は、図3に示すように、中間層14と裏基材15との間に接着層17を備える。
また、一実施形態において、剥離部材16は、裏基材15の中間層14とは反対の面に、裏面樹脂層を備える(図示せず)。
加飾層の三次元追従性という観点からは、加飾層のヤング率と、加飾層の厚みとの積は、60000MPa・μm以上230000MPa・μm以下であることが好ましく、75000MPa・μm以上215000MPa・μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、ヤング率は、ISO14577-1に準拠し測定する。
受容層は、少なくとも1種の樹脂材料を含み、樹脂材料としては、昇華性染料の受容性を有するものであれば特に限定なく使用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」には「アクリル」と「メタクリル」の両方が包含される。
また、本発明において、「(メタ)アクリレート」には「アクリレート」と「メタクリレート」の両方が包含される。
離型材としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系又はリン酸エステル系界面活性材、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、及び各種シリコーン樹脂等が挙げられる。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン等を好ましく用いる事ができるが、エポキシ変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、エポキシ-アラルキル変性シリコーンが特に好ましい。受容層は、上記離型材を2種以上含むことができる。
表基材としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン(PS)、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、イミド樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等の樹脂材料から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)及び多孔質樹脂フィルムを使用できる。
なお、本発明において、ぬれ張力は、JIS K 6768に準拠して測定する。
本発明の加飾シートは、加飾層と裏基材との間に、ポリオレフィンを含む中間層を備える。これにより、加飾層と裏基材との離型性を向上できる。
これらの中でも、離型性という観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン及びα-オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体が好ましい。
上記した中でも、加飾層の離型性という観点からは、エチレンと、(メタ)アクリル酸との共重合体が好ましい。
なお、不飽和カルボン酸には、酸無水物、エステル、アミド、イミド及び金属塩等の不飽和カルボン酸誘導体が含まれる。
裏基材としては、上記した紙基材、樹脂フィルム及び多孔質樹脂フィルムを使用でき、また、これらの積層体を使用してもよい。
また、一実施形態において、裏基材は、後述する接着層を介して中間層上に積層できる。
一実施形態において、本発明の加飾シートは、中間層と裏基材との間に接着層を備える。これにより、これらの密着性を向上できる。
一実施形態において、本発明の加飾シートは、裏基材の中間層とは反対の面に、裏面樹脂層を備える。これにより、プリンタ搬送性を向上でき、印画時におけるレジずれを防止できる。また、印画物におけるカールの発生を防止できる。
本発明の加飾品の製造方法は、上記加飾シートを準備する工程と、
加飾シートが備える受容層上に画像を形成する工程と、
加飾シートが備える加飾層を剥離し、成形品に受容層が接するように、加飾層を被着させる工程とを備える。
また、一実施形態において、本発明の方法は、画像形成後、受容層上に保護層を設ける工程を備える。
加飾シートの構成や製造方法については上記したため、ここでは記載を省略する。
加飾シートが備える受容層上への画像形成方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜選択して行うことができる。
例えば、昇華性染料を含む染料層を備える熱転写シートを用いて画像を形成できる。また、インクジェット方式を利用することによっても画像を形成できる。
本発明の方法は、加飾シートが備える加飾層を剥離し、成形品に保護層が接するように、加飾層を被着させる工程とを備える。
加飾シートからの加飾層の剥離方法は、特に限定されず、裏面樹脂層側から加熱した後に行うことができる。
一実施形態において、本発明の加飾品の製造方法は、画像形成後、受容層上に保護層を設ける工程を備える。これにより、受容層上に形成した画像が擦過等により剥がれること等を防止できる。
受容層上への保護層形成は、従来公知の保護層転写シートから保護層を転写することにより行うことができる。
表基材Aとして、厚み50μmのPETフィルムを準備し、その一方の面にコロナ処理を施した。このコロナ処理面のぬれ張力をJIS K 6768に準拠して測定したところ、55mN/mであった。また、非コロナ処理面のぬれ張力を測定したところ、42mN/mであった。
表基材A及び受容層からなる加飾層について、ヤング率を、ISO14577-1に準拠し測定したところ、4200MPaであった。具体的には、ナノインデンテーションテスター(フィッシャー・インストルメンツ社製、PICODENTOR HM500)を用いて、25℃の環境下において、対面角が136°のVickers圧子(四角錐型圧子)を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で加飾層の受容層に押込み、押込み荷重が1mNに到達した後、5秒間保持してから、10秒間かけて除荷する条件でヤング率を測定した。
(受容層用塗工液)
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 12質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)C)
・エポキシ変性シリコーン 0.8質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-3000T)
・アミノ変性シリコーン 0.24質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-1660B-3)
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン (MEK) 30質量部
表基材の厚み及び種類の少なくとも一つを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを作製した。
なお、使用した表基材の詳細は以下の通りである。また、各基材の中間層と接する側の面のぬれ張力を実施例1同様測定し、表1にまとめた。
また、実施例1同様、加飾層のヤング率の測定及び加飾層のヤング率と加飾層の厚みの積を算出し、表1にまとめた。
・表基材B:PETフィルム、厚み40μm、ぬれ張力42mN/m
・表基材C:PETフィルム、厚み25μm、ぬれ張力42mN/m
・表基材D:PSフィルム、厚み50μm、ぬれ張力37mN/m
・表基材E:PPフィルム、厚み50μm 、ぬれ張力32mN/m
・表基材F:PETフィルム、厚み50μm、ぬれ張力45mN/m
・表基材G:PETフィルム、厚み70μm、ぬれ張力55mN/m
・表基材H:PPフィルム、厚み40μm、ぬれ張力55mN/m
表基材Aを準備した。
・エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体 24質量部
(住友精化(株)製、ザイクセン(登録商標)N)
・水 20質量部
・変性エタノール 20質量部
・(メタ)アクリル系粘着材 48質量部
(綜研化学(株)製、SKダイン1251)
・エポキシ系粘着材 0.36質量部
(綜研化学(株)製、硬化材E-AX)
・酢酸エチル 51.64質量部
受容層を表基材Aの非コロナ処理面に、中間層を表基材Aのコロナ処理面に形成した以外は、実施例7と同様にして、加飾シートを作製した。
表基材の厚み及び種類の少なくとも一つを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを作製した。
中間層に代え、厚さ2μmの、下記組成の離型層を形成した以外は、実施例7と同様にして、加飾シートを作製した。
離型層、表基材及び受容層からなる加飾層について、ヤング率を測定したところ、4200MPaであった。
(離型層形成用塗工液)
・付加重合剤シリコーン 100質量部
(信越化学工業(株)製、KS847H)
・トルエン 200質量部
実施例及び比較例において得られた加飾シートが備える受容層に、プリンタ(大日本印刷(株)DS620)及びDS620用純正メディアを用いて、黒ベタ画像を形成した
(評価基準)
A:加飾層が問題なく剥がれ、中間層の付着もなかった。
B:加飾層が剥がれにくかったが、中間層の付着はなかった。
NG:加飾層が剥がれなかった。
上記実施例及び比較例の加飾シートから、加飾層を剥離し、図4に示すように、成形品20に、受容層11側から加飾層13を被着させ、磁石21を嵌め込み、加飾品を得た。
加飾品表面の加飾層を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:加飾層の追従性が非常に高く、極めて容易に被着でき、また、被着した加飾層に破断が全く生じていなかった。
B:加飾層の追従性が非常に高いが、破断のおそれがあり、慎重に被着する必要があった。
NG1:加飾層の追従性が低く、成形品との間に空隙が生じた。
NG2:被着時に加飾層の破断が生じた。
三次元追従性評価において作製した加飾品を、図5に示すように、複数重ね合わせた状態で、温度25℃、湿度50%の環境に1週間時間静置した。
静置後、加飾品表面の加飾層を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:加飾層表面において白化が全く観察されなかった。
NG:加飾層表面において白化が観察された。
Claims (7)
- 受容層及び表基材を備える加飾層と、中間層及び裏基材を備える剥離部材とを備え、
前記中間層が、ポリオレフィンを含み、
前記加飾層のヤング率と、前記加飾層の厚みとの積が、75000MPa・μm以上250000MPa・μm以下であり、
前記ヤング率が、ISO14577-1に準拠し、ナノインデンテーションテスターを用いて、25℃の環境下において、対面角が136°のVickers圧子(四角錐型圧子)を用いて、押込み荷重を変化させながら、荷重時間10秒間で前記加飾層の前記受容層に押込み、押込み荷重が1mNに到達した後、5秒間保持してから、10秒間かけて除荷する条件で測定される、
加飾シート。 - 前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びα-オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体から選択される、請求項1に記載の加飾シート。
- 前記α-オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体が、エチレンと、(メタ)アクリル酸との共重合体である、請求項2に記載の加飾シート。
- 前記加飾層のヤング率が、1000MPa以上5000MPa以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記加飾層の厚みが、20μm以上60μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 前記表基材の中間層側表面のぬれ張力が、50mN/m以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の加飾シート。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の加飾シートを準備する工程と、
前記加飾シートが備える前記受容層上に画像を形成する工程と、
前記加飾シートが備える前記加飾層を剥離し、成形品に前記受容層が接するように、前記加飾層を被着させる工程と、
を備える、加飾品の製造方法。
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Title |
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「東洋紡エステル(TM)フィルム(PETフィルム)E5100」カタログ,2010年03月10日,https://www.toyobo.co.jp/seihin/film/package/pdf/pro4-p/E5100.pdf |
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