JP7277712B2 - マグネシア・スピネル質耐火れんが - Google Patents
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Description
あるいは、本発明は、マグネシア・スピネル質焼成れんがであって、主要鉱物相がペリクレースとアルミン酸マグネシウムスピネルであり、化学組成がAl 2 O 3 ;5~22質量%、CaO;1.0以上2.5質量%未満、SiO 2 ;1~5質量%で、残部にMgOと不可避不純物を含み、CaOとSiO 2 の質量比(CaO/SiO 2 )が0.6未満とすることもできる。
更に、本発明は、マグネシア・スピネル質焼成れんがであって、主要鉱物相がペリクレースとアルミン酸マグネシウムスピネルであり、化学組成がAl 2 O 3 ;5~22質量%、CaO;2.5質量%未満(ゼロを含まず)、SiO 2 ;3.1~5質量%で、残部にMgOと不可避不純物を含み、CaOとSiO 2 の質量比(CaO/SiO 2 )が0.6未満とすることもできる。
マグネシア・スピネル質耐火れんがに浸潤したスラグによってれんが成分が溶解するとスラグ成分は浸潤してきた時点から変化する。当該浸潤によるスラグ成分と耐火物成分の反応によるCa2SiO4の析出を阻害するためには浸潤したスラグ成分の組成をCa2SiO4の生成領域から変化させればよい。
前記マグネシア原料は市販されている天然マグネシア、焼結マグネシア、電融マグネシア等のマグネシアを主体としたものでMgO含有量が90質量%以上であればいずれを使用してもかまわない。その中でも、特に純度95質量%以上のものを使用することが好ましい。
前記スピネル原料はMgOとAl2O3の合量が90質量%以上、かつAl2O3を40質量%以上含んでいれば焼結品、電融品共に使用可能である。MgOとAl2O3の合量が98質量%以上、かつAl2O3が40質量%以上がより好ましい。
マグネシア・スピネルれんが中のCaOは上記原料中に不純物や化合物として含まれる場合や焼結助剤として供給される添加物中に含まれる場合を含む。CaOの含有量は2.5質量%未満(ゼロを含まず)であることが好ましい。より好ましくは2質量%以下である。2.5質量%以上では焼結が進行してしまい、耐熱スポーリング性の低下が起きるため好ましくない。
マグネシア・スピネルれんが中のSiO2は既に示した原料中の不純物や化合物に加え珪砂、珪石、シリカフラワー等を使用して調整できる。SiO2の含有量は1~5質量%未満で好ましくは1~4質量%未満である。5質量%以上では耐食性が低下する。また1質量%未満ではスラグ中に溶出するSiO2量が不足しダスティング抑制の効果が得られない。
マグネシア・スピネルれんが中のCaOとSiO2は質量比(CaO/SiO2)は0.6未満、好ましくは0.5未満である。0.6以上ではSiO2と同時に溶出するCaOが多くなるため、浸潤スラグのCaO/SiO2比が十分に低下せず、ダスティング抑制の効果が得られない。
本発明のバインダーには有機バインダー又は無機バインダーを配合できる。有機バインダーとしては、ピッチやフェノール樹脂、糖蜜、パルプ廃液、デキストリン、メチルセルロース類、ポリビニルアルコール等種々のバインダーを使用できる。
製造方法については、上述化学成分の含有量となるように配合された原料配合物を一括あるいは分割して、更に、必要に応じて水を添加して混合機又は混練機により混合及び混練する。混合もしくは混練時間は原料の種類、配合量、バインダーの種類、温度(室温、原料やバインダー)、混合機もしくは混練機の種類や大きさによって異なるが、通常数分から数時間である。
混練物はプレス成形機等でれんがに成形される。プレス成形機による成形圧力や締め回数は成形されるれんがの大きさ原料の種類、配合量、バインダーの種類、温度(室温、原料やバインダー)、成形機の種類や大きさによって異なる。
SiO2をれんが全体に拡散させるために焼成は1400℃以上2000℃以下が望ましく、より好ましくは1500℃以上1900℃未満である。1400℃以下ではSiO2が均一に拡散しないためダスティング抑制の効果が低下し。2000℃より高い温度で焼成すると焼成中にれんがの変形が起こるなどの問題が発生するため好ましくない。
以下に実施例、比較例を示し、本発明の効果を詳細に説明する。表1は実施例、表2は比較例、表3は使用した原料の化学組成を示したものである。
粉化と耐食性試験は、酸素-プロパン加熱による回転ドラム侵食試験にて評価した。侵食剤として市販のワラストナイトと炭酸カルシウムを用いてCaOとSiO2が質量比で2:1となるように調整し、箱型電気炉にて1000℃で3h仮焼したものを用いた。試験温度は1700℃、試験時間は5hで侵食剤は1h毎に入れ替えた。試験後の試料は外観で粉化の判断を行い、粉化しなかったものを〇、一部粉化していたものを△、著しく粉化したものを×で表記した。未粉化の試料については長手方向に中央で切断し、侵食量を測定し実施例1を100とした溶損指数で表した。値が小さいほど耐食性が高いことを意味している。
耐熱スポーリング性は一辺が50mmの立方体に切り出した試料を箱型電気炉にて1300℃で15min加熱後、電気炉から取り出し常温で15min冷却する工程を繰り返し、亀裂が入るまでの回数で評価した。試験回数は最大20回繰り返し、20回でも亀裂が入らない試料の評価は20回以上として評価した。
実施例はいずれも試験後試料に粉化は見られず、耐食性も耐熱スポーリング性も良好である。
Claims (2)
- マグネシア・スピネル質焼成れんがであって、
主要鉱物相がペリクレースとアルミン酸マグネシウムスピネルであり、
化学組成がAl2O3;5~22質量%、CaO;2.5質量%未満(ゼロを含まず)、SiO2;3.1~5質量%で、
残部にMgOと不可避不純物を含み、
CaOとSiO2の質量比(CaO/SiO2)が0.6未満、
であることを特徴とするマグネシア・スピネル質焼成れんが。 - 請求項1に記載の組成を1400℃~2000℃で焼成することを特徴とするマグネシア・スピネル質焼成れんがの製造方法。
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