JP7277687B2 - 薬品払出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された薬品払出装置は、散薬を一服用分ずつ個別に包装する散薬分包装置である。
ここで、投入ホッパには、分包動作で必要な量だけ散薬が投入されるが、この必要量の量り出しは、薬剤師等の装置の使用者が手作業で実施する。すなわち、使用者が薬棚から処方された散薬が入った薬瓶を取り出し、天秤等の秤を使用して必要量を量り出し、投入ホッパに投入する。
このことにより、投入ホッパに投入された散薬は、投入ホッパの下端開口から、トラフに落ちる。そして、トラフ上を先端側に向かって移動する内に、薬剤の流れが層流状態となる。すなわち、流れに対して直交する方向の断面における薬剤の分布が一定となり、かつ単位時間当たりに薬剤が進行する距離も一定となる。
ここで、上記したように、分配皿は所定の速度で回転している。そのため、トラフから分配皿に落下する散薬は、分配皿で均等に分散することとなる。つまり、散薬が少しずつ分配皿に落下し、かつ分配皿が一定速度で回転することから、散薬が分配皿の上で均等に分散された状態となる。
さらに好ましい態様は、容器載置装置に設置される散薬収容容器から所定量の散薬が排出し終えるのに要する時間を想定し、排出するのに要する時間の長短を勘案して散薬収容容器を容器載置装置に載置する順番を変更する順番決定機能を有する薬品払出装置である。
さらに好ましい態様は、容器移動手段によることなく使用者が手動で散薬収容容器を容器載置装置に載置及び取り外しが可能なように形成されており、全ての容器載置装置に載置されている散薬収容容器からの散薬の排出が終了したにも係わらず、使用者の手で載置した散薬収容容器が容器載置装置に載置されたままである場合に、その旨に関する情報を報知する報知動作が実施される薬品払出装置である。
さらに好ましい態様は、薬品払出装置は、2以上の分配皿をさらに有し、複数の容器載置装置が2以上の分配皿の近傍に設置され、複数の容器載置装置に異なる種類の散薬が収容された散薬収容容器を載置して異なる種類の散薬を2以上の分配皿のいずれかの分配皿に投入する混合処方動作が可能である薬品払出装置である。
さらに好ましい態様は、分配皿を清掃する清掃装置をさらに有し、清掃装置で分配皿を清掃する時期として下記(1)から(5)の条件:
(1)一つの処方による散薬の分配が終了したとき、
(2)新たに一つの処方による散薬の分配を開始せんとするとき、
(3)特定の散薬を含む処方による散薬の分配が終了したとき、
(4)容器移動手段によることなく使用者の手で散薬収容容器を容器載置装置に設置し、散薬の分配が終了したとき、
(5)容器移動手段によることなく使用者の手で散薬収容容器を容器載置装置に設置し、散薬の分配が終了し、さらに新たに一つの処方による散薬の分配を開始せんとするとき、
のいずれか一つ又は複数を選択可能であることを薬品払出装置である。
上記課題を解決するための本発明の別の態様は、複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、散薬を分配する散薬分配装置と、複数の容器載置装置とを有する薬品払出装置の払出方法であって、薬品払出装置は、容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて複数の容器載置装置に載置し、複数の散薬収容容器から散薬を排出することが可能であり、全ての容器載置装置に散薬収容容器を設置し、全ての容器載置装置に散薬収容容器が設置された後、全ての容器載置装置の数を超える種類の散薬を投入する動作を実施する際には、全ての容器載置装置に設置された散薬収容容器の内のいずれかの散薬収容容器から所定量の散薬を排出し終えた場合には、散薬を排出し終えた散薬収容容器を容器載置装置から取り外し、別途の散薬収容容器を容器移動装置で移動させ、散薬を排出し終えた散薬収容容器が載置されていた容器載置装置に別途の散薬収容容器を載置する薬品払出装置の払出方法である。
上記課題を解決するための本発明の別の態様は、筐体と、筐体に、複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、散薬を分配する散薬分配装置と、複数の容器載置装置と、分配皿とが内蔵された薬品払出装置であって、容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて複数の散薬収容容器に載置し、複数の散薬収容容器から散薬を排出することが可能であり、筐体には扉部があって、扉部により筐体の内部の散薬収容容器を出し入れすることが可能であり、容器移動手段によることなく使用者の手で散薬収容容器を容器載置装置に設置することも可能であり、複数の容器載置装置に、異なる種類の薬剤が収容された複数の散薬収容容器を載置して、異なる種類の散薬を分配皿に投入する処方動作が可能であり、容器移動手段による容器載置装置への散薬収容容器の設置と、使用者の手による容器載置装置への散薬収容容器の設置の双方を行う必要がある場合には、いずれを先に行うかを選択可能である薬品払出装置である。
上記課題を解決するための本発明の別の態様は、複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、複数の容器載置装置と、分配皿とを有し、容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて散薬収容容器を複数の容器載置装置に載置する自動載置方法と、容器移動手段によることなく使用者の手で複数の散薬収容容器を複数の容器載置装置に設置する手動載置方法が可能であり、分配皿は、2以上有し、複数の容器載置装置は、2以上の分配皿の近傍に設置され、複数の容器載置装置に異なる種類の散薬が収容され散薬収容容器を載置して異なる種類の散薬を分配皿に投入する混合処方動作が可能であり、特定の分配皿の近傍にある容器載置装置には全て自動載置方法によって散薬収容容器を載置し、他の特定の分配皿の近傍にある容器載置装置には全て手動載置方法によって散薬収容容器を載置する分離配置法と、一つの分配皿の近傍にある容器載置装置に対して自動載置方法と手動載置方法によって散薬収容容器を載置する方法とを選択可能である薬品払出装置である。
上記課題を解決するための本発明の別の態様は、散薬収容容器から所定量の散薬を排出させ、これを所定の数に分割し、さらに個別に包装して排出する薬品払出装置であって、前記散薬収容容器から排出された散薬を配分する分配ユニットと、当該分配ユニットに投入された散薬を掻き出すための掻出装置と、前記散薬収容容器が載置されると共に前記散薬収容容器に作用して前記散薬収容容器から散薬を排出させる容器載置装置とを備え、前記容器載置装置は振動台部を有しており、当該振動台部が振動することで前記容器載置装置に載置した前記散薬収容容器に振動を伝搬可能となっており、複数の前記容器載置装置が前記分配ユニットの近傍に設置され、複数の前記容器載置装置に異なる種類の散薬が収容された前記散薬収容容器を載置して異なる種類の散薬を前記分配ユニットに投入する動作が可能であり、当該動作を実施する際には、載置すべき前記散薬収容容器の全てが前記容器載置装置に設置されるまで待つことなく、前記散薬収容容器が設置された前記容器載置装置の前記振動台部が振動を開始することを特徴とする薬品払出装置である。
なお、ここでいう「散薬」とは、錠剤等の固形の薬剤をすり潰す等により粉末状にした薬剤を含むものとする。
ここで、多数の薬品を分配ユニットに排出する必要がある場合、先行して容器載置装置に載置した散薬収容容器からの薬品の排出が終わったとき、この散薬収容容器を容器載置装置の上から移動させ、新たな散薬収容容器を移動させた散薬収容容器が載置されていた容器載置装置の上に載置し、新たな散薬収容容器から薬品を排出する動作を実施することとなる。この場合、排出時間が短くて済む薬品を収容した散薬収容容器を先行して容器載置装置に載置させることで、薬品の排出動作が開始されてから散薬収容容器の交換動作を実施するまでの時間を短縮することができる。すなわち、散薬収容容器の交換動作を実施するような場合、排出時間が短い順に散薬収容容器を載置していくことで、複数の薬品を排出する動作全体での排出時間を短縮できる。
ここで、散薬収容容器が薬品払出装置の内部に放置されてしまうと、後に実施する分包動作(散薬分包作業)の邪魔になってしまう場合がある。しかしながら、この好ましい様相によると、散薬収容容器が薬品払出装置の内部に放置されてしまうことが防止できるので、後に実施する分包動作を円滑に実施できる。
具体的に説明すると、散薬収容容器の奥まった位置に少量の薬品が溜まっている場合、薬品は散薬収容容器の排出口まで移動した後、外部に排出されることとなる。そのため、散薬収容容器に多くの薬品が収容されており、奥まった位置から排出口の近くまで薬品が充填されているような場合に比べ、薬品の排出動作を開始してから実際に薬品が排出されるまでの時間が多く必要となってしまう。
そこで、この好ましい様相では、排出初期において、より排出容易性の低い薬品に対応する振動を実施している。すなわち、より排出され難い薬品に対応する排出動作を実施することで、散薬収容容器の奥まった位置から排出口までの移動を早めることが可能となっている。このことにより、薬品の排出時間を短縮することが可能となる。
この散薬分包装置1は、操作表示部3を操作することにより、薬品容器(散薬収容容器であり、後述する自動式薬品容器4又は上記した手動式薬品容器5)に収容された散薬を自動的に取り出して計量し、所定数に分割して分包する装置である。
扉部16は、自動式薬品容器4を筐体10に出し入れするための部分であり、その内側に自動式薬品容器4を仮置きするための容器仮置部18が設けられている。この扉部16及び容器仮置部18は、筐体10の内部に薬品容器を導入する際の導入部として機能すると共に、筐体10の内部から薬品容器を取り出す際の取出部としても機能する。
容器保管部23は、直立した姿勢で設置されるドラム部材25を備えており、このドラム部材25が縦方向に延びる回転軸を中心として回転可能となっている。つまり、縦型のドラム部材25がモータ等を動力原として水平方向に回転可能な状態となっている。
それぞれの容器設置部は、機械的な係合によって自動式薬品容器4を保持するものであり、自動式薬品容器4を押し込むことで、自動式薬品容器4と容器設置部が係合状態となる。反対に、自動式薬品容器4と容器設置部が係合状態であるとき、自動式薬品容器4を外側に引っ張ることにより、これらが係合解除状態となる。
また、アーム部30の先端部分には磁石が設けられており、自動式薬品容器4に一体に取り付けられた鉄板を吸着することで、自動式薬品容器4を保持可能となっている。
中間アーム部材52もまた、図示しない垂直軸を介して基幹アーム部材51の先端に取り付けられており、基幹アーム部材51の先端を中心として水平方向に回動可能となっている。
基幹部54は、図示しない垂直軸を介して中間アーム部材52の先端に取り付けられており、中間アーム部材52の先端を中心として水平方向に回動可能となっている。
具体的には、容器保持部55のうち、薬品容器の吸着時に薬品容器に押し当てられる面(図6の下面)に開口58が設けられており、この開口58の奥側に開閉部材57が設けられている。開閉部材57は、側面視した形状が略「L」字状となるように連続する2つの当接板によって構成された、略「L」字板状の部材である。この開閉部材57は、2つの当接板の付け根部分を中心として揺動自在に取り付けられている。
なお、この開閉部材57は、図示しないソレノイドやモータ等の動力によって揺動させることが可能となっている。
より具体的に説明すると、薬品分割領域13では、並列する2つの分配ユニット35がそれぞれ埋没状態で設置されている。
仕切板装置41は、箱状の本体部と、この本体部に対して出没可能に取り付けられた立板部とを備えている。そして、立板部の大部分が本体部から外部に突出した突出状態と、立板部が本体内に収納された収納状態とを切替え可能となっている。
そこで、本実施形態の散薬分包装置1では、仕切板装置41を突出状態とすることで、散薬が他方側の分配ユニット35まで飛んで行くことを防止している。すなわち、仕切板装置41の立板部を遮断壁のように機能させ、散薬が他方側の分配ユニット35まで飛んで行くことを防止している。
また、アーム部材171の先端側には、掻寄板172と、仕切板173と、掻出板174とが取り付けられている。
また、掻寄板172の周縁部分には、分配ユニット35の上面と密着するようにゴム又は樹脂の円周部シール材175が設けられている。
この掻出板174の端辺にもまた、分配ユニット35の上面と密着するようにゴム又は樹脂の掻出用シール材176が設けられている。
本実施形態では、片側の分配ユニット35に隣接する容器保持台36の周辺を撮像するカメラ部材40と、他方側の分配ユニット35に隣接する容器保持台36の周辺を撮像するカメラ部材40が別途設けられており、それぞれ撮像動作を別途実行可能となっている。
薬品包装装置は、薬品を一包分ずつ包装するための機械であり、シート供給装置と、シール装置によって形成されている。すなわち、シート供給装置から供給されたシートを袋状に形成して分包袋を作成すると共に、作成した分包袋で薬品分割領域13から供給された散薬シール装置によって一服用分ずつシールし包装する動作が可能となっている。
印字手段は、分包袋に対して所定の情報を印字するための機械である。
また、この自動式薬品容器4には、異なる二面にそれぞれ鉄板が取り付けられている。一方の面に設けられた鉄板(上面側鉄板部材63)は、アーム部30で自動式薬品容器4を保持する際、アーム部30の磁石に吸着させるための部分である。また、他方の面に設けられた鉄板(下面側鉄板部材62)は、後述する容器保持台36に設置するとき、容器保持台36の磁石に吸着させるための部分である。
加えて、この自動式薬品容器4にはRFIDタグが設けられており、収納された薬品に関する情報を記憶可能となっている。すなわち、このRFIDタグが容器側情報記憶手段として機能する。
この蓋部材61は、可動蓋部70が容器本体60の薬品排出口68が位置する端部を覆うように、容器本体60に一体に取り付けられている。そして、容器本体60に取り付けられた状態で、係合片部71の一部を中心に揺動可能な状態となっている。
反対に、この蓋が閉じた状態から、可動蓋部70の上側を容器本体60の長手方向内側に向かって押圧することにより、可動蓋部70の下端側が容器本体60の長手方向における外側に移動する。そして、可動蓋部70の下端側に位置するパッド部72が薬品排出口68から離れることで、薬品排出口68が開放され、蓋が開いた状態となる(図10(a)参照)。
本実施形態の散薬分包装置1は、この操作表示部3に各種画面を表示し、指やタッチペン等の誘電体(以下、単に指等とも称す)で所定の部分に触れる操作を行うことで、後述する各種動作を実行可能となっている。
CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROMは、BIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリであり、RAMは、各種プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリとなっている。
弾性部材320は具体的にはバネである。弾性部材320の上部には受け部材322が設けられており、この受け部材322には凹部323が形成されている。
また、上記したように、スリット部319の薬品排出部315側が開放され、縦壁316側は閉塞されているから、貯留空間形成部材301を底部形成部材302の長手方向に沿って薬品排出部315側に移動させることにより、貯留空間形成部材301を底部形成部材302から取り外すことができる。
すなわち、貯留空間形成部材301内に薬剤を投入し、手動で手動式薬品容器5を筐体10の内部に搬入し、所望の容器保持台36に設置する。そして、容器保持台36の振動台部を振動させて、薬品を薬品排出部315から排出する。
しかしながら、この手動式薬品容器5は、底側部分が底部形成部材302によって形成されているが、底部形成部材302の断面形状は「コ」の字状であって、机上表面と接する部分の面積は小さい。このことから、手動式薬品容器5を机上に直接置いた際に姿勢が安定せず、手動式薬品容器5がひっくり返ってしまう懸念がある。
設置溝341は、一方側が開放部345であり、他方側には縦壁部342が設けられている。この設置溝341は、その底部分が傾斜しており、開放部345側が縦壁部342側に比べて高くなっている。この底部分の傾斜角度は、3度から10度程度であり、本実施形態では5度となっている。
より具体的に説明すると、手動式薬品容器5の底部形成部材302の傾斜壁311を仮置台9の設置溝341の傾斜面に合致させ、底部形成部材302の縦壁316を仮置台9の縦壁部342に当接させた姿勢で手動式薬品容器5を仮置台9の上に置いた状態とする。このことにより、底部形成部材302が傾斜姿勢となり、薬品排出部315が上方向に向いた状態で手動式薬品容器5の姿勢が安定する。このように薬品排出部315を上方に位置させることで、薬品排出部315からの薬品の零れ落ちを防止できる。
そして、この薬品秤量装置6は、薬品容器を仮置台9に載置した状態で、薬品容器に設けられたRFIDタグに対して情報の読み込み及び書き込みが実施可能となっている。すなわち、薬品秤量装置6が仮置台9と連動することで、薬品容器の容器側情報記憶手段に対して情報の読み取り及び書き込みが可能となる。言い換えると、薬品秤量装置6及び仮置台9からなる機器は、情報読込手段及び情報書込手段を備えた構造となっている。
本実施形態の散薬分包装置1は、入力された処方に関する情報に基づいて散薬を一服用分ずつ分包する分包動作を実施可能となっている。
そして、薬品コード、薬品名、単位コード、刻印、棚ナンバー(収納されている棚の管理番号)、管理フラグ(取扱いに特別な管理が必要か否か)、薬品名(略称)、清掃動作の対象か否か、安定係数、比重、振動係数、イメージ画像等の情報を登録可能となっている。
ここで、上記した項目のうち「清掃動作の対象か否か」の項目を入力する際には、まず清掃動作が必要であるか否かを選択して設定可能となっている。そして、「清掃動作が必要である」と設定された場合には、「手撒きカセットの使用後のみ」という設定と「配分前にも毎回清掃」という設定からいずれかを選択可能となっている。
「配分前にも毎回清掃」とは、この薬品を使用する分包動作が実施されるとき、分包動作の開始前に清掃動作を実施し、且つ、分包動作の終了後にも清掃動作を実施する設定である。
なお、本実施形態の散薬分包装置1では、初期状態(出荷時の状態)において、データベースに登録された全ての薬品が「手撒きカセットの使用後のみ」の設定がされた状態となっている。すなわち、分包動作前の清掃動作を実施せず、分包動作前の清掃動作を実施する薬品として設定されている。したがって、設定を変更せずに散薬分包装置1を運用すると、分包動作を実施した後に必ず分配ユニット35の清掃動作が実施される設定となっている。
なお、処方に関する情報は、操作表示部3で直接入力する必要はなく、外部のPCや制御装置と散薬分包装置1を構内通信網(LAN)等の通信網を介して互いにデータ(信号)を送受信可能な状態とし、外部の機器から処方に関する情報(データ)を散薬分包装置1に送信してもよい。
このカセット選択動作では、分包動作で使用するそれぞれの薬品毎に散薬分包装置1に内蔵された自動式薬品容器4を使用するか、外部の管理棚に収納された自動式薬品容器4を使用するか、薬剤師が予め秤量した散薬を導入した手動式薬品容器5を使用するかを選択可能となっている。
この判別の結果、自動式薬品容器4に収納された薬品である場合には、自動的に自動式薬品容器4が選択され、そうでない場合には、自動的に手動式薬品容器5が選択された状態となる。
そして、この状態から使用者が操作表示部3を操作することにより、それぞれの薬品にどの薬品容器を使用するかを選択可能となっている。
すなわち、分包動作で使用する全ての薬品で容器保管部23に保持された自動式薬品容器4を使用する場合には、完全自動分包動作が実施されることとなる。また、全て薬品で自動式薬品容器4を使用し、且つ、1以上の薬品で外部の管理棚に収納された自動式薬品容器4で使用する場合には、準自動分包動作が実施されることとなる。
対して、分包動作で使用する全ての薬品で手動式薬品容器5を使用する場合には、手動分包動作が実施されることとなる。さらに、複数の薬剤を混合して分包する場合であり、且つ、少なくとも1の薬品で自動式薬品容器4を使用し、他の少なくとも1の薬品で手動式薬品容器5を使用する場合には、半自動分包動作が実施されることとなる。
これらの各動作について、以下で詳細に説明する。
[完全自動分包動作]
ここで、清掃装置38には、残薬を吸引する吸引装置が設けられている。そして、先端側部分に回転可能なブラシ状の部分と、吸引装置の吸入口が形成されている。
つまり、清掃動作は、分配ユニット35に接触したブラシ状の部分が残薬を掻きだし、上方に舞い上がった残薬を吸引装置で吸引する動作となっている。
すなわち、散薬分包装置1は、ドラム部材25を回転させ、取り出し対象となる自動式薬品容器4と容器移動ユニット28を近接させる。そして、容器移動ユニット28の一部であるアーム部30に自動式薬品容器4を保持させる。換言すると、アーム部30の先端側に設けられた磁石によって、自動式薬品容器4に一体に取り付けられた鉄板を吸着させる。
そして、アーム部30が容器保管部23から自動式薬品容器4を取り出し、自動式薬品容器4を容器保持台36まで移動させ、自動式薬品容器4を容器保持台36に載置する(STEP7)。
この情報読取動作により、自動式薬品容器4に収容されている薬剤(散薬)の種類が確認される。すなわち、使用する薬剤が収容された自動式薬品容器4が正しく選択され、運搬されたかを確認する確認動作が実施される。
これらのことから、薬品の排出初期は排出量が安定しないという問題がある。そこで、本実施形態の散薬分包装置1では、後述する振動制御動作を実施することにより、排出量を安定させ、且つ、排出速度の向上を図っている。
すなわち、自動式薬品容器4から分配ユニット35に散薬が供給(排出)されている間、自動式薬品容器4の重量が常時検知されており、散薬の供給量(排出量であり、分配ユニット35の上に落下した量)が所定量となったことを条件として、振動台部の振動動作を停止させる構成となっている。
なお、振動動作の開始前に取得した自動式薬品容器4の重量は原重量として記憶され、振動動作の実施中に取得される現在の重量は現重量として記憶される構成となっている。
すなわち、本実施形態の散薬分包装置1は、振動動作の実施中に自動式薬品容器4の現重量を取得し続け、取得した現重量を開始前に取得した原重量と比較することで、散薬の供給量(原重量から現重量を減算した値)を常時算出し続けている。
そして、散薬の供給量が規定量となったことを条件として振動動作を停止している。言い換えると、自動式薬品容器4の現重量が振動動作の開始前に取得した原重量に対して規定量だけ少なくなったことを条件として、振動動作を停止している。
すなわち、アーム部30が自動式薬品容器4を容器保持台36から容器保管部23に移動させる。また、その一方で分配ユニット35では、振動動作が停止した後、分配ユニット35の回転を停止する。
そして、この状態で開閉部材57を揺動させることにより、蓋部材61を閉じた状態とする(仮閉塞動作)。この時、容器保持部55の電磁石を無励磁状態として吸着力を無くすことで、1mmまで近づけてもカセットが自然と吸着されたり、吸着しようとする力で揺れ動いたりすることも無い。
そして、これらの判別動作の結果に基づいて、分包動作で使用する分配ユニット35を決定する使用ユニット決定動作を実施する(STEP10)。この使用ユニット決定動作では、2つの分配ユニット35を使用して分包動作を実施するのか、いずれか1方の分配ユニット35を使用して分包動作を実施するのかを決定する。
対して、薬品が4種以上である場合、すなわち、薬品の種類の数が1つの分配ユニット35対応付けられた容器保持台36の数より大きい場合であり、且つ、連続して異なる処方を対象とした分包動作を実施しない場合には、2つの分配ユニット35を使用して分包動作を実施する(図20参照)。
また、薬品が4種以上である場合であり、且つ、連続して異なる処方を対象とした分包動作を実施する場合には、いずれか1方の分配ユニット35を使用して分包動作を実施する(図21参照)。
また、薬品容器内の収容量(以下、単に在庫量とも称す)によっても薬品が排出されるまでの時間が異なることとなる。例えば、薬品容器の最大容量と同量の薬品を収容している場合は、薬品容器の排出口の傍まで薬品が充填されているので、振動が開始されたとき、比較的速く薬品の排出が開始されることとなる。これに対し、薬品容器内に少量の薬品しか収容されておらず、それが排出口から遠い位置に溜まっている場合、振動が開始されてから薬品の排出が開始されるまで、比較的長い時間が掛かってしまうこととなる。
具体的に説明すると、2以上の薬品の排出容易性(後述する流れ係数)、在庫量、薬品の比重、分包動作での使用量を順に比較していくことで、2以上の薬品を排出時間の長い順(又は短い順)に序列化可能となっている。
反対に、A薬品の排出容易性とB薬品の排出容易性が同等である場合、A薬品の在庫量とB薬品の在庫量を比較する。このとき、いずれか一方が他方に比べて在庫量が少ない場合、在庫量の少ない薬品の排出時間がもう一方の薬品の排出時間よりも長いものと判別される。
さらに、A薬品とB薬品の排出容易性が同様であって、在庫量も同量であり、比重も同程度である場合、分包動作での使用量を比較する。このとき、いずれか一方が他方に比べて分包動作での使用量が多い場合、分包動作での使用量が多い薬品の排出時間がもう一方の薬品の排出時間よりも長いものと判別される。
具体的には、使用ユニット決定動作の結果、2つの分配ユニット35を使用して分包動作を実施する場合には、収容された薬品の排出時間の長い順に薬品容器を容器保持台36に設置するように決定する。すなわち、最も排出時間が長くなる薬品(最も排出時間が長くなることが予測される薬品)を収容した薬品容器を最初に設置するものとし、2番目に排出時間が長くなる薬品(2番目に排出時間が長くなることが予測される薬品)を収容した薬品容器を2番目に設置するものとする。3番目以降も同様に決定していき、最後に最も排出時間が短くなる薬品(最も排出時間が短くなることが予測される薬品)を収容した薬品容器を設置するものとする。
例えば、薬品の種類数が多く、且つ、大半の薬品の処方量(分包動作での使用量)が少ない場合には、薬品の排出が完了した自動式薬品容器4aを新たな自動式薬品容器4bと交換する交換動作を頻繁に実施する必要がある。このため、分包動作での使用量が少ない薬品を収容した薬品容器を先だって載置させ、排出が終わったものから適宜交換していく動作を実施することが分包動作全体の速度向上を図る上で望ましい。そこで、このような場合には、分包動作での使用量が少ない薬品を収容した薬品容器を優先的に載置するように序列化してもよい。言い換えると、最初に「薬品の排出容易性」を比較する演算ではなく、「分包動作での使用量」を比較する演算を実施してもよい。
薬品容器を置く順番を決定するための各薬品の序列化は、適宜、処方数等も加味して総合的に判断して序列することが好ましい。言い換えると、各要素を比較演算する順番や、各要素そのものは適宜変更可能となっている。
この一連の動作が終了し、分配ユニット35に供給された薬剤が全て薬剤包装装置に供給され、分包が完了することで、完全自動分包動作が完了する。なお、分包動作の実施後に清掃動作を実施するように設定されている場合には、完全自動分包動作の完了後に清掃動作が実施される。
[振動制御動作]
上記したように、薬品の排出初期は排出量が安定しないという問題や、薬品の種類によって薬品容器内での挙動が異なるということから、容器保持台36の振動台部の振動パターンを薬種や排出時期、総排出量に応じて変更することができる構成が推奨される。
つまり、「流れ係数」は、それぞれの薬品を基準となる薬品と同様に排出させるために目標とする振動の設定値であり、且つ、「流れ係数」の数値が大きくなるほど流れ難い薬品となることから、薬品の排出容易性を示す値でもある。
さらに、振動の周波数と振幅に応じて、振動レベルを複数段階に分けている。これを「振動レベル1、振動レベル2」というように称し、例えば、振動レベル1(最小振動)から振動レベル20(最大振動)まで変化できるものとする
すなわち、薬品容器内に貯留された薬品の量が少ない場合、薬品排出部67,315から遠い位置である奥側に薬品が貯留されている場合ある。この場合、奥に偏在する薬品が薬品排出部67,315に到達するのに時間がかかってしまう。
より具体的には、振動を開始する初期においては、前記した流れ係数等によって決定された初期値よりも強い振動で振動台部を振動させる。そして、薬品容器の重量を監視し、僅かでも薬品容器の重量が減少したことが検知された場合は、薬品が薬品排出部67,5aに到達したと判定する。その後振動を弱めて、前記した流れ係数等によって決定された初期値で振動台部を振動させる。さらに一定の時間が経過すると、振動台部の振動を強めの振動に切り換える。
すなわち、容器保持台36の振動台部が振動を開始してから極めて少量となる所定量(本実施形態では0.3g)を排出するまでの間、本来の流れ係数よりも高めの流れ係数を基準とした振動レベルで振動させる。すなわち、本来の流れ係数よりも高めとなる「仮の流れ係数」に基づき、本来よりも強い振動で振動台部を振動させる。
その後、所定量(本実施形態では0.8g)を排出するまでの間、本来の流れ係数を基準とした振動レベルで振動台部を振動させる。なお、この所定量(本実施形態では0.8g)は、開始直後の振動レベルで排出する量(本実施形態では0.3g)よりも多くなっている。
さらにその後、単位時間あたりの排出量hが一定となる様にフィードバック制御しつつ振動台部を振動させていく。
[準自動分包動作]
このとき、自動式薬品容器4のRFIDタグに記憶された情報を読み取る情報読取動作が実施され、使用者が容器仮置部に載置した自動式薬品容器4が正しいものであるのか否かを確認する確認動作が実施される。すなわち、処方データに含まれる処方において提供される薬剤の種類(分包対象となる薬剤の種類)と、容器仮置部に載置された自動式薬品容器4に収納される薬剤の種類とが合致するか否かが判別される。
また、容器仮置部に載置された自動式薬品容器4の重量を測定する重量測定動作が実施され、測定された重量をRFIDタグに記憶させる情報書込動作が実施される。
なお、上記した情報読取動作、確認動作、情報書込動作は、扉部16が閉じられる前に動作を開始してもよく、扉部16が閉じられてから動作を開始してもよい。
そして、分配ユニット35への薬剤の供給動作が終了すると、アーム部30によって自動式薬品容器4を容器仮置部に戻す動作を実施し、扉部16を開いた状態に移行させて、自動式薬品容器4を手動で取り出す。このことにより、準自動分包動作が完了する。
[手動分包動作]
正面ドア34が上昇すると、作業者が予め薬剤を充填した手動式薬品容器5を手動で容器保持台36に載置する。
なお、手動式薬品容器5を容器保持台36に設置可能な状態とするとき、必ずしもこのように正面ドア34の全体を上昇させる必要はない。例えば、正面ドア34の幅方向(左右方向)で離れた位置に開閉可能に形成された小窓部を設け、小窓部を開いた状態とすることで、手動式薬品容器5を容器保持台36に設置可能な状態としてもよい。つまり、1つの分配ユニット35に対応付けられた3つの容器保持台36のいずれかに手動式薬品容器5を載置するために使用する1つの小窓部を左右方向に離れた位置にそれぞれ形成し、2つの小窓部のいずれかを介して手動式薬品容器5を筐体10の内部まで移動させる構成であってもよい。
この確認動作において、手動式薬品容器5が容器保持台36に正しく載置されていることが確認されると、正面ドア34が回動可能な状態となるので、正面ドア34を開いた状態から閉まった状態へと移行させる。
[半自動分包動作]
また、外部の管理棚に収容されている自動式薬品容器4を容器保持台36に載置させる場合には、上記した準自動分包動作と同様に、使用者が扉部16の裏側に位置する容器仮置部18に自動式薬品容器4を載置する。そして、扉部16を閉じることで、アーム部30が容器仮置部から自動式薬品容器4を容器保持台36まで移動させ、自動式薬品容器4を容器保持台36に載置した状態とする。
なお、この場合、容器保持台36にLED装置を設け、光源を点灯させることで、複数ある容器保持台36のうちのどの容器保持台36に手動式薬品容器5を載置させるかを案内(報知)してもよい。
つまり、使用者が上記した2つの異なる設定からいずれか一方を選択して採用することが可能となっている。
この回収報知動作は、操作表示部3に手動式薬品容器5の回収を促すメッセージや、手動式薬品容器5が載置されたままであることを知らせるメッセージ等を表示させる動作であってもよく、これらのメッセージを音声で報知する動作であってもよい。すなわち、操作表示部3や別途設けたスピーカー装置等に音声を発生させる動作によって、手動式薬品容器5が容器保持台36の上に載置されたままであることを使用者に報知してもよい。
つまり、分包動作(手動分包動作又は半自動分包動作)の実施後、必ず回収報知動作を実施してもよい。例えば、半自動分包動作の終了後に、無条件で回収報知動作を実施した後、使用者が手動式薬品容器5を散薬分包装置1の内部から取り出したことが確認されたことを条件として、自動式薬品容器4を容器保持台36の上から移動させる動作を実施させる構成としてもよい。
反対に、半自動分包動作の終了後に、自動式薬品容器4を容器保持台36の上から移動させる動作を実施し、この動作が完了したこと条件として回収報知動作を実施し、使用者に手動式薬品容器5の回収を促す構成であってもよい。
例えば、先だって手動分包動作又は半自動分包動作を実施した後に分包動作を実施する場合、続いて実施する分包動作でアーム部30を動作させる直前に、先だって実施した分包動作で使用した手動式薬品容器5が容器保持台36の上に載置されているか否かを判別する判別動作を実施してもよい。そして、この判別動作で手動式薬品容器5が容器保持台36の上に載置されていることが確認された場合、回収報知動作を実施してもよい。この場合、一時的にアーム部30によって自動式薬品容器4を移動させる動作を中断し、回収報知動作を実施してもよい。
反対に、回収報知動作が実施された際、一定時間が経過するまでに対象となる手動式薬品容器5が容器保持台36の上から移動されなかった場合、回収報知動作を中止(又は一時的に中止)して、続いて実施される分包動作を実施してもよい。この場合、続いて実施される分包動作は、先の分包動作で使用された手動式薬品容器5が載置されている容器保持台36を使用せずに実施する分包動作となる。言い換えると、先だって使用した手動式薬品容器5が載置された容器保持台36とは異なる容器保持台36のみを使用する分包動作となる。
(1)一つの処方による薬剤の分配が終了したとき。
(2)新たに一つの処方による薬剤の分配を開始せんとするとき。
(3)特定の薬剤を含む処方による薬剤の分配が終了したとき。
(4)容器移動手段によることなく使用者の手で薬剤容器を容器載置装置に設置し、薬剤の分配が終了したとき。
(5)容器移動手段によることなく使用者の手で薬剤容器を容器載置装置に設置し、薬剤の分配が終了し、さらに新たに一つの処方による薬剤の分配を開始せんとするとき。
なお、この付着解消動作は、掻寄板172を分配ユニット35に接触させた状態で実施してもよいが、掻寄板172を分配ユニット35から上方に離れた位置に配した状態で実施することがより好ましい。
しかしながら、本実施形態の振動制御動作は、上記したものに限るものではなく、散薬分包装置1の内部空間(筐体10の内部空間)における温度や湿度に応じて振動パターンを変更する動作であってもよい。そして、散薬分包装置1の内部空間の温度や湿度に応じて振動パターンを変更する場合には、排出された塊状の散薬を粉状にするための粉状化動作(詳しくは後述する)を実施してもよい。
また、自動式薬品容器4の内部で散薬が塊状になり、この散薬の塊が比較的小さい場合には、薬品排出口68から塊状となった散薬が分配ユニット35に落下することが考えられる。この場合、上記のように分配ユニット35を回転させたとしても、散薬が分配ユニット35の上面に満遍なく広がった状態にできないという不具合が発生する可能性がある。
なお、上記した基準値は、予め行った実験により決定される値であり、薬種毎に割り当てられる値であって、それぞれの薬種において塊状となる蓋然性が高い温度又は湿度の値となる。
また、散薬が塊状になり易い条件下で本来の振動レベルよりも振動レベルを高くさせる動作に限らず、常に本来の振動レベルよりも振動レベルを高くした上で、散薬が塊状になり難い条件下においてのみ、振動レベルを低くする動作であってもよい。
さらに、上記では、所定の基準値以上である(又は所定の基準値より小さい)ことを条件としたが、当然のことながら、所定の基準値より大きい(又は所定の基準値以下である)ことを条件としてもよい。
具体的に説明すると、この粉状化動作は、薬品容器を容器保持台36に載置し、振動台部に振動動作を実施させた後に実施される動作となっている。言い換えると、散薬を薬品容器から分配ユニット35の上に落下させた後に実施される動作となっている。
なお、この動作は、分配ユニット35を回転させつつ実施してもよい。さらに詳細には、粉状化動作を実施するときの分配ユニット35の回転速度は、散薬を上面全体に広げる場合と同じ速度であってもよく、これより早い速度であってもよく、これより遅い速度であってもよい。しかしながら、散薬の塊をより確実に破砕するという観点から、散薬を上面全体に広げる場合よりも遅い速度とすることが好ましい。すなわち、分配ユニット35を非常にゆっくりと回転させつつ、掻出装置37による粉状化動作を実施することが好ましい。
そこで、上記した粉状化動作を実施する場合、画像処理システム等で実行前の画像と実行後の画像とを比較して解析する動作を実施し、一定の基準のもとで均一性に影響がないと判断した場合には、そのまま粉状化動作と分包動作からなる一連の動作を継続させ、均一性に影響があると判断した場合には、その分配ユニット35全体の薬品を分包せずに回収する動作を実施してもよい。また、均一性に影響があると判断した場合には、この分包せずに回収する動作に替わって、均一性に影響する部分の分割包(均一性に影響する部分のみの分割包)は患者に投薬しない旨の印刷を分包袋に施す動作や、均一性に影響する部分とその前後の分割包は患者に投薬しない旨の印刷を分包袋に施す動作を実施してもよい。
加えて、画像処理システムにより画像処理等により、分配ユニット35の上に塊状の散薬があると判断した場合には、敢えて粉状化動作(塊を粉砕する動作)を実行せず塊状の散薬部分のみ、或いはその前後の分割包は患者に投薬しない旨の印刷を分包袋に施してもよい。
さらに、この掻寄板172の周縁部分を分配ユニット35の周方向に移動させる動作では、掻寄板172の周縁部分を分配ユニット35の周方向における一方側に移動させた後、周方向の他方側に移動させる動作を実施してもよい。つまり、掻寄板172の周縁部分を、平面視したときに時計回り(又は反時計回り)となる方向に移動させた後、平面視したときに反時計回り(又は時計回り)となる方向に移動させてもよい。
このような動作を実施すると、掻寄板172が、分配ユニット35の上の散薬をすり潰すこととなるため、散薬をより確実に粉状化することが可能となり、粉状化動作(塊状の散薬部分のみを破壊する動作)により分配ユニット35全体の均一性が損なわれることがなくなる。
このカセット選択動作と、分包量設定動作につき、以下で具体的に説明する。
なお、この散薬カセット選択画面には、容器保管部23が保持している自動式薬品容器4に収容された薬品がリスト表示された状態と、外部の管理棚に保管されている自動式薬品容器4に収容された薬品がリスト表示された状態とを切替え可能となっている。そして、リスト表示された各薬品の表示領域を押下することにより、分包動作で使用する薬品が収納された自動式薬品容器4を選択可能となっている。
すなわち、図22のA部分のように、各薬品名を表示している略横長長方形状の表示領域のうち、右下部分の一部に斜め方向に延びる帯状の領域を設け、当該領域の背景色を周囲とは異なる色としてメッセージを記載する。このことにより、使用者は、取扱いに注意が必要な薬品を一目で特定することができる。
なお、この表示切替ボタン361は、容器保管部23に保持された薬品が表示されている場合は、「管理棚外を表示」(図22参照)と表示され、外部の管理棚に保管された薬品が表示されている状態では「管理棚内を表示」と表示される。そして、表示切替ボタン361が押下され、薬品表示部360の表示が切り替わると、表示切替ボタン361に表示された文言もまた切り替わる構成となっている。
つまり、表示切替ボタン361には、現在表示されている薬品の保管場所を示す情報ではなく、押下した後に表示の対象となる薬品の保管場所を示す情報が表示されるようになっている。
つまり、この文字入力部362は、リストに表示する表示対象を絞り込むためのキーワードを入力するための部分となっている。したがって、図23で示されるように、文字入力部362に「ア」という文字を入力した場合、薬品名の最初の文字が「ア」となる薬品のみ表示される。
そして、均等/不均等切替ボタン部374を押下する毎に、均等表示状態(図24(a)参照)と、不均等表示状態(図24(b)参照)を切替え可能となっている。また、均等表示状態では、全選択ボタン部378が表示され、不均等表示状態では、全選択ボタン部378に替わってクリアボタン部379が表示されるものとなっている。
なお、この容量入力部371に入力がされると、一回量の合計値が自動的に算出され、入力値と比較される。そして、比較の結果、入力値と一回量の合計値が異なっており、その際に「実数で配分」する状態(詳しくは後述する)となっていた場合には、「比率で配分」する状態(詳しくは後述する)に自動的に切り替える動作を実施する。
なお、「実数で配分」する状態とは、一回量入力表示部373(詳しくは後述する)の各入力部に入力した値の合計値を容量入力部371の入力値とする状態であり、一包分毎に薬品の量が異なるように分包するための入力が実施可能となっている。この状態では、一回量入力表示部373の各入力部(詳しくは後述する)に値が入力されたとき、この各入力部の合計値(一回量の合計値)を算出し、算出した値を容量入力部371の入力値とする動作を自動的に実施する。なお、画面起動時には、この「実数で配分」する状態となっている。
対して、「比率で配分」する状態とは、容量入力部371の入力値を包数で割った値を一包分の薬品の量とし、一包分毎の薬品の量が同一となるように分包するための入力が実施される状態である。この状態では、容量入力部371の入力値に基づいて一包分の薬品の量が自動的に決定される。
そして、容量入力部371に値が入力され、一回量入力表示部373のいずれの入力部にも値の入力がされていないときには、「実数で配分」する状態に自動で切り替わる。
さらに、容量入力部371と、一回量入力表示部373の少なくとも1つの入力部に入力があった際には、容量入力部371の入力部に入力された値と、一回量入力表示部373の各入力部に入力された値の合計値とを比較する処理を実施する。そして、比較の結果、これらが同一の値である場合には「実数で配分」する状態に自動で切り替わる。対して、これらが異なる値であれば、「比率で配分」する状態に自動で切り替わる。
そして、容量入力部371に値の入力が行われた場合、一回量入力表示部373に値の入力に行われた場合、比率切替ボタン部372の領域が押下された場合からなる条件群のうちの少なくとも1つの条件が満たされたとき、容量入力部371と一回量入力表示部373の入力状態を判別する判別動作を実施し、判別動作の結果に応じて上記のように状態を自動で切替える動作を実施する。
具体的に説明すると、均等表示状態(図24(a)参照)では、予め規定された最大数(本実施形態では8つ)の長方形状の入力部が表示されており、そのうち、分包動作で包装する包数(図24では3つ)だけ他とは異なる色で塗り潰されて表示される。つまり、この他とは異なる色で塗り潰された入力部は、分包動作の一包分の包装に対応している。そして、この他とは異なる色で塗り潰された入力部は、押下する毎に、選択状態と選択解除状態を切替えることが可能となっている。
以上のことから、均等表示状態(図24(a)参照)では、全ての入力部は、それぞれ所定の色で塗り潰された状態となっており、値の入力が不可能な状態となっている。
なお、不均等表示状態において、各入力部に入力した値が全て同一の値であった場合には、自動的に均等表示状態(図24(a)参照)に切替える動作を実施する。
なお、画面起動時には、均等表示状態(図24(a)参照)となっている。
つまり、均等/不均等切替ボタン部374には、現在の状態を示す情報ではなく、現在の状態から切り替わった後の状態を示す情報が表示される。
そして、第1入力判別動作の結果、容量入力部371に値が入力されていた場合には、容量入力部371に入力された値と、必要に応じて一回量入力表示部373で入力された値を散薬カセット選択画面で選択した薬品に反映し、散薬カセット分包量設定画面の表示を終了する。
第2入力判別動作の結果、一回量入力表示部373の少なくとも1つの入力部に値が入力されていた場合には、一回量入力表示部373への入力値が、容量入力部371への入力値(用量であり、この場合は未入力値)に一致しない旨を報知するメッセージを表示する。
このとき、入力した一回量を容量入力部371への入力値に反映させるか否かを選択させる画面を表示する。そして、この画面で使用者が反映させることを選択した場合には、入力した1回量の合計値を容量入力部371への入力値とし、容量入力部371の入力値と、一回量入力表示部373で入力された値を散薬カセット選択画面で選択した薬品に反映して、散薬カセット分包量設定画面の表示を終了する。
また、使用者が一日量に反映させないことを選択した場合には、散薬カセット分包量設定画面での入力値を散薬カセット選択画面で選択した薬品に反映せず、散薬カセット分包量設定画面の表示を終了する。
なお、一回量入力表示部373への入力値と容量入力部371への入力値が一致しない旨を報知するメッセージを表示する画面と、入力した一回量を用量に反映させるか否かを選択させる画面は、同一の画面であってもよく、異なる画面を連続して表示してもよい。
なお、この全選択ボタン部378は、一包分の包装に対応した入力部が全て選択状態となっていない場合には、「全選択」と表示され、全て選択状態となっている場合には、「全解除」と表示される。そして、「全解除」と表示されている場合に限り、押下することで、一回量入力表示部373における一包分の包装に対応した入力部を全て選択解除状態とする。
例えば、一包分毎の薬品の量が均等になるように分包する設定を実施する場合には、均等表示状態(図24(a)参照)において、容量入力部371に用量(分包動作で使用する薬品の量)を入力する。この場合、一包分毎の薬品の量が同一となるように、各包の薬品の量が自動的に算出されることとなる。したがって、容量入力部371に用量を入力し、決定ボタン部376を押下することで、設定が完了する。
対して、一包分毎の薬品の量が不均等になるように分包する設定を実施する場合には、不均等表示状態(図24(b)参照)において、「実数で配分」する状態とし、容量入力部371に用量を入力すると共に、一回量入力表示部373の各入力部にそれぞれ一包分の薬品の量を入力する。言い換えると、一包毎に薬品の量を入力していく。さらに、この入力の際、容量入力部371の入力値と、一回量入力表示部373の各入力部に入力した値の合計値とが等しい値となるように入力する。そして、入力が完了した状態で決定ボタン部376を押下することで、設定が完了する。
より具体的には、散薬分包装置1が自動式薬品容器4から分配ユニット35への配分中(散薬の供給中)において、近隣で発生した振動等(例えば、人が散薬分包装置1を設置した室内の壁にぶつかって発生する振動等)により、散薬分包装置1全体が揺れを検知し、容器保持台36の重量測定手段がその揺れを重量として誤検知することがあり、そのため散薬の配分を予定していた配分時間よりも早めに終了させてしまう場合がある。
つまり、重力確認の計測動作を実施した結果、処方量通りに排出されていないと判別された場合には、作業者にその旨を報知する報知動作を実施してもよい。そして、この報知動作は、音声による報知動作や、操作表示部3へ画像を表示する動作であってもよい。さらに、この報知動作の一環として、作業者に対し、分配ユニット35の上の薬品の回収を実行して異常終了するか、そのまま分包動作を継続するかの選択を促すための画面を操作表示部3に表示する動作を実施してもよい。
これにより、周囲環境による装置本体に対する予期せぬ振動によって散薬の配分に誤差が生じたとしても、作業者に対して注意喚起をしたり、自動で不足分を追加したりすることが可能となるので、より精度の高い散薬の配分が可能となり、分包動作を停止することなく継続して実施することが可能となる。
つまり、最初に実行した排出動作で薬品が処方量通りに排出されていない場合においても、排出動作が正常に行われた場合(処方量通りに排出された場合)と同様に、一連の動作を停止することなく実施することが可能であり、処方量通りの分包が可能となる。
4 自動式薬品容器(散薬収容容器)
5 手動式薬品容器(散薬収容容器)
35 分配ユニット
37 掻出装置
36 容器保持台(容器載置装置)
Claims (6)
- 複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、散薬を分配する散薬分配装置と、複数の容器載置装置とを有し、
容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて複数の容器載置装置に載置し、複数の散薬収容容器から散薬を排出することが可能であり、
全ての容器載置装置に散薬収容容器を設置し、全ての容器載置装置に散薬収容容器が設置された後、
全ての容器載置装置の数を超える種類の散薬を投入する動作を実施する際には、全ての容器載置装置に設置された散薬収容容器の内のいずれかの散薬収容容器から所定量の散薬を排出し終えた場合には、散薬を排出し終えた散薬収容容器を容器載置装置から取り外し、別途の散薬収容容器を容器移動装置で移動させ、散薬を排出し終えた散薬収容容器が載置されていた容器載置装置に別途の散薬収容容器を載置する動作を含むことを特徴とする薬品払出装置。 - 複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、散薬を分配する散薬分配装置と、複数の容器載置装置とを有し、
容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて複数の容器載置装置に載置し、複数の散薬収容容器から散薬を排出することが可能であり、
全ての容器載置装置に散薬収容容器を設置し、全ての容器載置装置に散薬収容容器が設置された後、全ての容器載置装置に設置された散薬収容容器の内のいずれかの散薬収容容器からの所定量の散薬が排出し終えた場合には、排出し終えた散薬収容容器を取り外して容器載置装置を空け、別途の散薬収容容器を容器移動手段で移動させて空いた容器載置装置に別途の散薬収容容器を設置することが可能であり、
容器載置装置に設置される散薬収容容器から所定量の散薬が排出し終えるのに要する時間を想定し、排出するのに要する時間の長短を勘案して散薬収容容器を容器載置装置に載置する順番を変更する順番決定機能を有することを特徴とする薬品払出装置。 - 複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、散薬を分配する散薬分配装置と、複数の容器載置装置とを有し、
容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて複数の容器載置装置に載置し、複数の散薬収容容器から散薬を排出することが可能であり、
全ての容器載置装置に散薬収容容器を設置し、全ての容器載置装置に散薬収容容器が設置された後、全ての容器載置装置に設置された散薬収容容器の内のいずれかの散薬収容容器からの所定量の散薬が排出し終えた場合には、排出し終えた散薬収容容器を取り外して容器載置装置を空け、別途の散薬収容容器を容器移動手段で移動させて空いた容器載置装置に別途の散薬収容容器を設置することが可能であり、
容器移動手段によることなく使用者が手動で散薬収容容器を容器載置装置に載置及び取り外しが可能なように形成されており、全ての容器載置装置に載置されている散薬収容容器からの散薬の排出が終了したにも係わらず、使用者の手で載置した散薬収容容器が容器載置装置に載置されたままである場合に、その旨に関する情報を報知する報知動作が実施されることを特徴とする薬品払出装置。 - 薬品払出装置は、2以上の分配皿をさらに有し、
複数の容器載置装置が2以上の分配皿の近傍に設置され、
複数の容器載置装置に異なる種類の散薬が収容された散薬収容容器を載置して異なる種類の散薬を2以上の分配皿のいずれかの分配皿に投入する混合処方動作が可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薬品払出装置。 - 分配皿を清掃する清掃装置をさらに有し、清掃装置で分配皿を清掃する時期として下記(1)から(5)の条件:
(1)一つの処方による散薬の分配が終了したとき、
(2)新たに一つの処方による散薬の分配を開始せんとするとき、
(3)特定の散薬を含む処方による散薬の分配が終了したとき、
(4)容器移動手段によることなく使用者の手で散薬収容容器を容器載置装置に設置し、散薬の分配が終了したとき、
(5)容器移動手段によることなく使用者の手で散薬収容容器を容器載置装置に設置し、散薬の分配が終了し、さらに新たに一つの処方による散薬の分配を開始せんとするとき、
のいずれか一つ又は複数を選択可能であることを特徴とする請求項4に記載の薬品払出装置。 - 複数の散薬収容容器と、容器移動手段と、散薬を分配する散薬分配装置と、複数の容器載置装置とを有する薬品払出装置の払出方法であって、
薬品払出装置は、容器移動手段で複数の散薬収容容器を移動させて複数の容器載置装置に載置し、複数の散薬収容容器から散薬を排出することが可能であり、
全ての容器載置装置に散薬収容容器を設置し、全ての容器載置装置に散薬収容容器が設置された後、
全ての容器載置装置の数を超える種類の散薬を投入する動作を実施する際には、全ての容器載置装置に設置された散薬収容容器の内のいずれかの散薬収容容器から所定量の散薬を排出し終えた場合には、散薬を排出し終えた散薬収容容器を容器載置装置から取り外し、
別途の散薬収容容器を容器移動装置で移動させ、散薬を排出し終えた散薬収容容器が載置されていた容器載置装置に別途の散薬収容容器を載置することを特徴とする薬品払出装置の払出方法。
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