JP6833184B2 - 散薬調剤業務支援システム - Google Patents

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本発明は、病院、医院、調剤薬局等の医療施設において、処方データに基づいて患者に散薬を提供するための散薬調剤業務支援システムに関するものである。
従来、医療施設で患者に薬剤を提供する際には、医師が診察を行って処方箋を発行し、その処方箋を調剤薬局が受け取って調剤を行うという調剤業務が行われている。
近年、このような調剤業務を支援するための調剤機器が医療現場に導入されており、調剤業務における各種工程に使用されている。このような調剤機器としては、例えば、薬剤を秤量して監査を行うための薬剤秤量装置や、薬剤を包装するための薬剤包装装置等がある。
しかしながら、複数の調剤機器にいちいち処方に関するデータを入力したり、処方に合わせて設定を行ったりすることは大変手間であり、業務が煩雑化してしまうという問題がある。そこで、複数の調剤機器を制御するための制御装置をさらに設け、各調剤機器を一元管理する調剤業務支援システムを構築し、この調剤業務支援システムを使用して調剤業務を行う場合がある。
例えば、特許文献1には、そのような調剤業務支援システムで使用可能な調剤機器用制御装置が開示されている。
特許文献1に開示されている調剤機器用制御装置では、複数機種又は複数台の調剤機器を同一方法で簡単に設定することが可能であり、エラーの発生状況等を一元管理して的確に把握可能な構成となっている。
特許第4580456号公報
ところで、従来の調剤業務では、使用者が薬剤秤量装置で秤量を行った後、秤量を行った薬剤を手動で薬剤容器に収容し、この薬剤容器を薬剤分包機まで持ち運び、薬剤分包機で薬剤を包装するといった作業が行われていた。
すなわち、各調剤機器間での処方データ受け渡しや各調剤機器の処方に合わせた設定等は自動で実施可能であるものの、人が手動で実行しなければならない作業が依然として多く、調剤業務のさらなる効率化が望まれていた。
そこで本発明は、調剤業務のさらなる自動化を図ることにより、調剤業務の効率化を実現することを課題とする。
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、処方に関するデータであって患者に提供されるべき散薬の情報を含む処方データに基づいて複数台の調剤機器を制御する制御装置と、複数台の調剤機器に含まれる少なくとも自動散薬分包装置と、複数の散薬を収容する薬剤容器とを備え、前記自動散薬分包装置は、薬剤容器から排出された散薬を配分する分配ユニットと、薬剤包装装置とが内部に設けられており、前記自動散薬分包装置を用いて、処方データに基づき、薬剤容器から分配ユニットに散薬を排出する動作と、排出する散薬を計量する動作と、分配ユニットに排出された散薬を所定の数に分割する動作と、薬剤包装装置によって分割した散薬を個別に包装する分包動作とを含む完全自動分包動作と、複数台の調剤機器の内の少なくとも一つを用いて、処方データに基づき、予め手動で秤量された薬剤を前記薬剤容器に充填し、前記充填した薬剤容器を用いて分包する手動分包動作とが実行可能であって、前記制御装置と前記自動散薬分包装置の少なくともいずれかが、前記患者に提供されるべき散薬が複数種類であって、前記複数種類の散薬を混合して分包する場合であって、前記混合する散薬の数が所定数を超えると判断する場合、前記手動分包動作を実施する散薬調剤業務支援システムである。
好ましい態様は、前記手動分包動作の分包動作は、複数台の調剤機器の内の少なくとも一つである薬剤包装装置、又は前記自動散薬分包装置を用いて行われる散薬調剤業務支援システムである。
さらに好ましい態様は、前記所定数は、前記薬剤容器を保持する容器保持台の総数と等しい数である散薬調剤業務支援システムである。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、処方に関するデータであって患者に提供されるべき散薬の情報を含む処方データに基づいて複数台の調剤機器を制御する制御装置と、複数台の調剤機器に含まれる少なくとも自動散薬分包装置と、複数の散薬を収容する薬剤容器とを備え、前記自動散薬分包装置は、薬剤容器から排出された散薬を配分する分配ユニットと、薬剤包装装置とが内部に設けられており、前記自動散薬分包装置を用いて、処方データに基づき、薬剤容器から分配ユニットに散薬を排出する動作と、排出する散薬を計量する動作と、分配ユニットに排出された散薬を所定の数に分割する動作と、薬剤包装装置によって分割した散薬を個別に包装する分包動作とを含む完全自動分包動作と、複数台の調剤機器の内の少なくとも一つを用いて、処方データに基づき、予め手動で秤量された薬剤を前記薬剤容器に充填し、前記充填した薬剤容器を用いて分包する手動分包動作とが実行可能であって、前記制御装置と前記自動散薬分包装置の少なくともいずれかが、前記患者に提供されるべき散薬が1種類又は複数種類であり、前記1種類又は複数種類の散薬の各々の総量がいずれも所定量未満と判断する場合、前記手動分包動作を実施する散薬調剤業務支援システムである。
好ましい態様は、前記手動分包動作の分包動作は、複数台の調剤機器の内の少なくとも一つである薬剤包装装置、又は前記自動散薬分包装置を用いて行われる散薬調剤業務支援システムである。
さらに好ましい態様は、前記手動分包動作における複数台の調剤機器の内の少なくとも一つは、薬剤秤量装置である散薬調剤業務支援システムである。
さらに好ましい態様は、前記散薬は、錠剤等の固形の薬剤をすり潰して粉末状にした薬剤を含む散薬調剤業務支援システムである。
上記課題を解決するための本発明の一つの態様は、処方に関するデータであって患者に提供されるべき薬剤の情報を含む処方データに基づいて複数台の調剤機器を制御する調剤機器用制御装置と、少なくとも自動散薬分包装置を備え、前記自動散薬分包装置は、種類毎に散薬を収容するための複数の薬剤容器と、前記薬剤容器から排出された散薬を配分する分配ユニットと、薬剤包装装置とが内部に設けられており、さらに前記自動散薬分包装置は、前記処方データに基づき、移動させた前記薬剤容器から前記分配ユニットに散薬を排出する動作と、排出する散薬を計量する動作とを実施し、前記分配ユニットに排出された散薬を所定の数に分割し、前記薬剤包装装置によって分割した散薬を個別に分包する分包動作が実行可能であって、前記調剤機器用制御装置と前記自動散薬分包装置の少なくともいずれかが前記処方データに基づいて、患者に提供されるべき薬剤の全てを前記分包動作によって分包可能か否かを判別する判別動作を実施可能であることを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
また、本発明の一つの態様は、処方に関するデータであって患者に提供されるべき薬剤の情報を含む処方データに基づいて複数台の調剤機器を制御する調剤機器用制御装置と、少なくとも自動散薬分包装置を備え、前記自動散薬分包装置は、散薬を収容するための薬剤容器と、前記薬剤容器から排出された散薬を包装する薬剤包装装置とが少なくとも内部に設けられており、さらに前記自動散薬分包装置は、前記処方データに基づき、所定の散薬が収容された前記薬剤容器から排出する散薬を計量する動作を実施し、計量した散薬を個別に分包する分包動作が実行可能であって、前記調剤機器用制御装置と前記自動散薬分包装置の少なくともいずれかが前記処方データに基づいて、患者に提供されるべき薬剤の全てを前記分包動作によって分包可能か否かを判別する判別動作を実施可能であることを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
本発明の散薬調剤業務支援システムは、所定の散薬が収容された薬剤容器から散薬を排出する動作と、排出する散薬を計量する動作とを実施し、排出された散薬を所定の数に分割し、分割した散薬を個別に分包する分包動作が実行可能である自動散薬分包装置を備えている。そして、処方データに基づいて、患者に提供されるべき薬剤の全てを前記分包動作によって分包可能か否かを判別する判別動作を実施する。このことにより、分包まで全て自動で実施できる処方(又は殆ど自動で実施できる処方)と、手動で実施する作業を介在させる処方とが仕分けできるので、それぞれに処方に応じた効率のよい調剤業務が実施可能となる。
本発明の一つの態様は、前記調剤機器用制御装置は、前記自動散薬分包装置に送信するデータ送信動作と、前記自動散薬分包装置による前記判別動作を実施可能であり、前記判別動作の結果、患者に提供されるべき薬剤の全てが前記分包動作によって分包することができない場合、前記自動散薬分包装置がこの処方に関するデータを前記調剤機器用制御装置に送信するデータ返信動作を実施することを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
かかる構成によると、対象となる処方で提供される薬剤に自動散薬分包装置で分包できない薬剤が含まれていた場合に、この処方に関するデータを調剤機器用制御装置に送信するデータ返信動作を実施している。このことにより、自動散薬分包装置だけでなく調剤機器用制御装置もまた、自動散薬分包装置だけでは対応できない処方を識別可能となる。言い換えると、複数の機器で判別結果に係る情報を共有できる。
したがって、例えば、手動で実施する作業を介在させる処方は、自動散薬分包装置とは異なる通常の分包装置で優先的に処理するように設定するといった動作が可能となり、調剤機器全体を効率よく動作させることが可能となる。
前記自動散薬分包装置は、前記薬剤容器のいくつかを保管する容器保管部が内部に設けられており、前記処方データに基づき、所定の散薬が収容された前記薬剤容器を前記容器保管部から容器載置部に移動させ、移動させた前記薬剤容器から排出する散薬を計量する動作を実施し、排出された散薬を前記薬剤包装装置によって服用時期毎に個別に分包する完全自動分包動作が実行可能であって、前記処方データに基づいて、患者に提供されるべき薬剤の全てを完全自動分包動作によって分包可能か否かを判別する判別動作を実施可能であり、前記判別動作の結果、患者に提供されるべき薬剤の全てを完全自動分包動作によって分包することができない場合、この処方に関するデータを前記調剤機器用制御装置に送信するデータ返信動作を実施することが望ましい。
本発明の散薬調剤業務支援システムでは、自動散薬分包装置が散薬の計量(秤量)、分割、個別分包の一連の工程を自動で実施する完全自動分包動作が可能となっている。
そして、調剤機器用制御装置に処方データが入力されると、処方データが自動散薬分包装置に送信され、処方毎にその処方で提供される薬剤が全て完全自動分包動作で可能か否かが判別することができる。
すなわち、分包まで全て自動で実施できる処方と、手動で実施する作業を介在させる処方とが仕分けされ、分包まで自動で実施できる処方については、自動で対応することにより、調剤業務全体における手動での作業量を少なくすることができる。また、手動で実施する作業を介在させる処方は、完全自動分包動作が実行できない通常の分包装置で優先的に処理するように設定する動作が可能となり、調剤機器全体を効率よく動作させることが可能となる。
本発明の一つの態様は、前記自動散薬分包装置は、前記薬剤容器のいくつかを保管する容器保管部と、薬剤包装装置が内部に設けられており、前記処方データに基づき、所定の散薬が収容された前記薬剤容器を前記容器保管部から容器載置部に移動させ、移動させた前記薬剤容器から排出する散薬を計量する動作を実施し、排出された散薬を前記薬剤包装装置によって服用時期毎に個別に分包する完全自動分包動作を実行可能であって、前記処方データに基づいて、患者に提供されるべき散薬の全てを 前記自動散薬分包装置によって分包可能か否かを判別する判別動作と、前記処方データに基づいて、患者に提供されるべき散薬の全てを完全自動分包動作によって分包可能か否かを判別する判別動作を実施可能であることを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
本発明の一つの態様は、判別動作の結果、患者に提供されるべき散薬の全てを完全自動分包動作によって分包することができない場合、この処方に関するデータを前記調剤機器用制御装置に送信するデータ返信動作を実施することを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
前記薬剤容器は、自動式薬剤容器と手動式薬剤容器を含むものであり、前記自動散薬分包装置は、前記自動式薬剤容器を使用する前記分包動作と、予め秤量した散薬を導入した前記手動式薬剤容器を使用する手動分包動作が可能であって、前記判別動作は、下記の(1)乃至(3)の基準に基づいて実施され、以下のいずれかが否であるならば患者に提供されるべき薬剤の全てを前記分包動作によって分包することができない場合に該当させる上記散薬調剤業務支援システムであることが望ましい。
(1)処方データに基づいて特定された患者に提供されるべき薬剤の全てが前記自動式薬剤容器に収容されている。
(2)処方データに基づいて特定された患者に提供されるべき薬剤が1種類又は複数種類であり、個々の薬剤の総量がいずれも所定量以上である。
(3)処方データに基づいて特定された患者に提供されるべき薬剤が複数種類であり、複数の薬剤を混合して分包する必要がある場合、混合する薬剤の数が所定数以下である。
かかる構成によると、精度の高い判別動作を実行可能であり、自動散薬分包装置だけで分包動作が実行可能である処方を確実に選別することができ、より業務の効率化を支援することができる。
本発明の一つの態様は、前記薬剤容器は、自動式薬剤容器と手動式薬剤容器を含むものであり、前記自動散薬分包装置は、前記自動式薬剤容器を使用する前記分包動作と、予め秤量した散薬を導入した前記手動式薬剤容器を使用する手動分包動作が可能であって、前記判別動作は、下記の(1)乃至(3)の基準に基づいて実施され、以下のいずれかが否であるならば患者に提供されるべき散薬の全てを前記分包動作によって分包することができない場合に該当させることを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
(1)処方データに基づいて特定された患者に提供されるべき散薬の全てが前記自動式薬剤容器に収容されている。
(2)処方データに基づいて特定された患者に提供されるべき散薬が1種類又は複数種類であり、個々の薬剤の総量がいずれも所定量以上である。
(3)処方データに基づいて特定された患者に提供されるべき散薬が複数種類であり、複数の散薬を混合して分包する必要がある場合、混合する散薬の数が所定数以下である。
ところで、処方で提供される薬剤に完全自動分包動作で分包できない薬剤が存在する場合には、全ての薬剤が自動散薬分包装置で分包できない場合と、一部の薬剤が自動散薬分包装置で分包できない場合とが考えられる。後者の場合、一部の薬剤に関しては、自動散薬分包装置による分包動作と同様に、散薬の計量(秤量)や薬剤容器の運搬等の動作を自動で実施すれば、手動で行う作業を少なくできるという利点がある。
そこで、本発明の一つの態様は、薬剤に関する情報を表示する表示装置があり、患者に提供されるべき薬剤の中に、前記分包動作で分包可能な薬剤と、前記分包動作で分包できない薬剤とが混在している場合、前記表示装置に両者を区別する表示がなされることを特徴とする散薬調剤業務支援システムである。
かかる構成によると、自動散薬分包装置を使用して分包可能な薬剤と、自動散薬分包装置で分包できない薬剤とを使用者が容易に識別できる。このことから、例えば、自動散薬分包装置を使用して分包可能な薬剤は、自動散薬分包装置を使用するように促すといった動作が可能となり、手動で実施する作業を極力減らすように促すことが可能となる。
前記調剤機器には、対象薬剤を秤量するための薬剤秤量装置が含まれ、前記薬剤秤量装置は、薬剤を選択するための選択画面を表示可能な表示装置を有し、前記選択画面に表示された薬剤を選択し、選択された薬剤の秤量が実施可能であって、前記判別動作の結果、対象となる処方で提供される薬剤に、前記分包動作で分包可能な薬剤と、前記分包動作で分包できない薬剤とが混在している場合、前記選択画面では、前記分包動作で分包可能な薬剤を示す情報を選択不可能な状態で表示し、前記分包動作で分包できない薬剤を示す情報を選択可能な状態で表示することが望ましい。
本発明は、選択画面に表示された薬剤を選択し、選択された薬剤を秤量するための薬剤秤量装置を備えている。そして、この薬剤秤量装置において、自動散薬分包装置で分包可能な薬剤を示す情報を選択不可能な状態で表示する。
このことから、散薬の計量(秤量)や薬剤容器の運搬等の動作を自動で実施可能な薬剤を使用者が誤って秤量してしまうことがなく、自動散薬分包装置によって自動で実施可能な作業は、確実に自動で実施できる。したがって、所定の処方に完全自動分包動作で分包できない薬剤が含まれていた場合であっても、手動で実施する作業を極力減らすことができる。
前記調剤機器には、対象薬剤を秤量するための薬剤秤量装置が含まれ、前記調剤機器用制御装置による前記判別動作を実施可能であり、前記判別動作の結果、患者に提供されるべき薬剤の一部が前記分包動作によって分包することができない場合、前記分包動作によって分包可能な薬剤に関するデータを前記自動散薬分包装置に送信し、且つ、前記分包動作によって分包不可能な薬剤に関するデータを前記薬剤秤量装置に送信する処方データ分割送信動作を実施することが望ましい。
かかる構成によると、処方に関するデータを分割して送信する処方データ分割送信動作を実施するので、1つの機器に対して送信するデータ量を少なくすることが可能となり、データ送信速度の向上を図ることができる。
前記処方データ分割送信動作を実施された後、前記薬剤秤量装置から秤量結果に関するデータが前記調剤機器用制御装置に送信され、前記自動散薬分包装置から分包で使用する薬剤に関するデータが前記調剤機器用制御装置に送信されたことを条件として、前記分包動作によって分包可能な薬剤に関するデータと、前記分包動作によって分包不可能な薬剤に関するデータとを統合するデータ統合動作が実施されることが望ましい。
かかる構成によると、自動散薬分包装置で分包可能な薬剤に関するデータと、分包不可能な薬剤に関するデータとを分割して送信する処方データ分割送信動作を実施し、それぞれの調剤機器で所定の処理が終了した後、再度これらのデータを統合するデータ統合動作が実施される。このことから、各調剤機器での処理が実施された後、一つの処方に関する情報を一元管理することが可能となる。すなわち、各調剤機器が処理を実施した後に、各調剤機器間で一つの処方に関する情報を共有させたりする場合、好適に実行可能となる。
本発明によると、調剤業務の効率化を図ることができる。
本発明の実施形態にかかる散薬調剤業務支援システムを示すブロック図である。 図1の制御装置の構成を示すブロック図である。 図1の薬剤秤量装置の構成を示すブロック図である。 図1の薬剤秤量装置の装置本体を示す斜視図である。 図1の完全自動散薬分包機を示す斜視図である。 図5の筐体を透過して示す斜視図である。 図6の薬剤分割領域を拡大して示す斜視図である。 図6の自動式薬剤容器を示す斜視図であり、容器保持台に載置された様子を示す。 図5の手動式薬剤容器を示す斜視図である。 図1の散薬調剤業務支援システムで実施可能な散薬分包動作の手順を示すフローチャートである。
以下、添付した図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した例であり、本発明がこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の説明において「散薬」とは、錠剤等の固形の薬剤をすり潰したり等することにより粉末状にした薬剤を含むものとする。
本実施形態の散薬調剤業務支援システム1は、図1で示されるように、制御装置2(調剤機器用制御装置)と、薬剤秤量装置3と、薬剤分包機4と、完全自動散薬分包機5(自動散薬分包装置)とを備えており、制御装置2と他の調剤機器(薬剤秤量装置3、薬剤分包機4、完全自動散薬分包機5)とが構内通信網(LAN)等の通信網を介して互いにデータ(信号)を送受信可能な状態に接続されている。
また、制御装置2は、医師が使用する外部PC6とも互いにデータを送受信可能な状態で接続されている。そして、医師が外部PC6に処方に関する情報を入力することで、散薬調剤業務支援システム1を構成する各機器で使用される処方データが作成されることとなる。
制御装置2は、図2で示されるように、CPU、ROM、RAM(EEPROM)、HDD(Hard Disk Drive)、通信部を備えた装置本体8と、表示装置9と、入力装置10とを備えている。
CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROMは、BIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリであり、RAMは、各種プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリとなっている。
HDDは、各種プログラムやデータを記憶するデータ記憶部として機能する記憶装置であり、各調剤機器の設定に関するデータ、登録された薬剤に関するデータ、各調剤機器のエラーに関するデータ等が記憶されている。
通信部は、公知のI/Oポートであり、外部の各調剤機器と入出力信号を送受信可能な部分である。
表示装置9は、使用者が入力した内容や各調剤機器の使用状況等を表示するための装置であり、CRT、液晶、プラズマ、有機ELといった公知のディスプレイ装置を好適に採用できる。
入力装置10は、使用者が制御装置2に対してデータの入力等を行う際に使用する装置であり、公知のマウス、キーボード等が好適に採用できる。
薬剤秤量装置3は、図3で示されるように、制御部15、秤量部16、操作表示部17(表示装置)、記憶部18、音声出力部19、USBポート20を備えた装置本体25と、この装置本体25に接続された印刷装置26及び情報読込装置27を備えた構成となっている。
制御部15は、CPU、メモリ(ROM、RAM)、通信部を備えている。通信部は、公知のI/Oポートであり、制御装置2と入出力信号を送受信可能な部分である。
秤量部16は、天秤台30、平衡回路31、フォールコイル32、電流/電圧変換回路33、A/D変換回路34を備えた天秤ユニットを有する構成となっている。この秤量部16は、天秤台30に載置された薬剤の重量をデジタル信号に変換し、制御部15に送信することが可能となっている。
なお、天秤台30は、図4で示されるように、風防ケース38によって3方を囲まれた位置に配されている。このことにより、秤量動作を実行するとき、天秤台30に載置された薬剤が空気の流れの影響を受けない状態とすることができる。
操作表示部17は、公知のタッチパネルであり、天秤台30の前方に設けられている。すなわち、この操作表示部17は、表示装置と入力装置の双方として機能するものであり、使用者による秤量条件の入力操作等の各種入力動作の実施に使用する部分である。
記憶部18は、変更が行われない秤量関連のデータと、薬剤秤量装置3を動作させるプログラムとが記憶される部分である(図4では図示しない、図3参照)。本実施形態では、記憶部18として、CF(Compact Flash)カードが採用されている。
音声出力部19は、公知のスピーカであり、装置本体25の前方側(図4では図示しない)に取り付けられている。この音声出力部19は、必要に応じて警報音等を発するための部分となっている。
USBポート20は、装置本体25の後方側(図4では図示しない)に取り付けられている。より詳細には、装置本体25の後側に着脱自在なカバー39(図4参照)が取り付けられており、このカバー39で覆われた部分にUSBポート20が設けられている。
このUSBポート20は、記憶媒体として機能するUSBメモリを着脱可能な構造となっている。そして、USBポート20にUSBメモリを装着することで、USBメモリに記憶された情報を取り込むことが可能となる。
すなわち、この薬剤秤量装置3では、調剤業務で取り扱う薬剤に関するデータをUSBメモリから読み込むことが可能となっている。
より詳細に説明すると、本実施形態の薬剤秤量装置3は、制御装置2から発信されたデータを受信することで、処方データを含む薬剤に関するデータの自動取り込み動作を実施可能となっている。しかしながら、通信網で何らかの異常が発生した場合のように、手動でデータの取り込みを実施したい場合がある。このため、本実施形態の薬剤秤量装置3では、操作表示部17を操作して薬剤に関するデータを入力可能とし、且つ、USBメモリからもデータの読み込みを可能な構成としている。このことにより、状況に応じたデータの読み込み動作が実行可能となっている。
印刷装置26は、公知のプリンタと同様の装置であり、監査結果等の印刷が可能となっている。
情報読込装置27は、RFIDリーダライタやバーコードリーダであり、いずれも読み取った情報を信号化し、装置本体25に発信可能な装置となっている。本実施形態では、RFIDリーダライタ、バーコードリーダの双方を設ける構成としている。
RFIDリーダライタは、RFIDの無線通信技術を利用してRFIDタグ又はRFIDラベルからの情報の読み込みと、RFIDタグ又はRFIDラベルへの情報の書き込みが可能な機器である。すなわち、RFIDリーダライタは、情報書込装置としても機能する機器となっている。このことにより、薬剤容器、薬瓶、処方箋等に設けられたRFIDタグ等に対し、情報の読み取りと書き込みが可能となる。
バーコードリーダは、薬剤容器、薬瓶、処方箋等のラベルに付されたバーコードから情報の読み取りが可能な機器である。
薬剤分包機4は、公知のそれと同様のものであり、薬剤を一服用分ずつ分包することが可能な装置である。
より具体的には、薬剤師が秤量した所定量の薬剤を専用の容器に導入し、その容器を薬剤分包機4の所定位置に固定して所定の操作を実行することにより、薬剤を一服用分ずつ分包された状態で出力する手動分包動作を実施可能となっている。
完全自動散薬分包機5は、上記した手動分包動作に加え、内蔵された容器を使用して散薬の秤量と分包とを実施する完全自動分包動作と、外部の管理棚に収納された容器を使用して散薬の秤量と分包とを実施する準自動分包動作等動作が可能な構成となっている(完全自動散薬分包機5が実行可能な動作については、詳しくは後述する)。
完全自動散薬分包機5は、図5で示されるように、自動式薬剤容器46(図5では図示しない、図6等参照)を内蔵する装置本体45と手動式薬剤容器47を備えた構造となっている。
この完全自動散薬分包機5は、制御装置2から信号を受信することで、自動式薬剤容器46(詳しくは後述する)に収容された散薬を自動的に取り出して計量し、所定数に分割して分包する動作が可能となっている。また、使用者が装置本体45に一体に取り付けられた操作表示部48を操作することでも、薬剤容器(自動式薬剤容器46又は手動式薬剤容器47)に収納された散薬を自動的に取り出して計量し、所定数に分割して分包する動作が可能となっている。
装置本体45は、筐体50に各種機器が内蔵されて形成されており、具体的には、図6で示されるように、筐体50の内部に薬剤容器配置領域52、薬剤分割領域53、薬剤包装領域54がそれぞれ設けられている。この筐体50の内部には、除湿装置(図示しない)と温度調節器(図示しない)が設けられており、内部の温度と湿度を一定範囲に維持することが可能となっている。
筐体50のうちで薬剤容器配置領域52の外側壁面を形成する部分には、図5で示されるように、扉部56が設けられている。
扉部56は、自動式薬剤容器46を筐体50に出し入れするための部分であり、その内側に自動式薬剤容器46を仮置きするための容器仮置部(図示しない)が設けられている。この扉部56及び容器仮置部は、筐体50の内部に薬剤容器を導入する際の導入部として機能すると共に、筐体50の内部から薬剤容器を取り出す際の取出部としても機能する。
なお、この容器仮置部(図示しない)は、自動式薬剤容器46を機械的な係合によって保持可能な部分であり、自動式薬剤容器46を載置することで、自動式薬剤容器46と容器仮置部が係合状態となる。反対に、自動式薬剤容器46と容器仮置部が係合状態であるとき、自動式薬剤容器46を持ち上げることにより、これらが係合解除状態となる。すなわち、自動式薬剤容器46を容器仮置部から離脱させることが可能となる。
また、この容器仮置部には、自動式薬剤容器46から情報を読み取るための情報読取手段と、自動式薬剤容器46の重量を測定するための重量測定手段とが設けられている。
薬剤容器配置領域52には、図6で示されるように、自動式薬剤容器46を保持する容器保管部57が設けられている。なお、図6では一部の自動式薬剤容器46にのみ符号を付し、他の自動式薬剤容器46への符号を省略している。
容器保管部57は、直立した姿勢で設置されるドラム部材58を備えており、このドラム部材58が縦方向に延びる回転軸を中心として回転可能となっている。つまり、縦型のドラム部材58がモータ等を動力原として水平方向に回転可能な状態となっている。
このドラム部材58の外周面には、複数の容器設置部が設けられており、この容器設置部に自動式薬剤容器46が保持された状態となっている。
それぞれの容器設置部は、機械的な係合によって自動式薬剤容器46を保持するものであり、自動式薬剤容器46を押し込むことで、自動式薬剤容器46と容器設置部が係合状態となる。反対に、自動式薬剤容器46と容器設置部が係合状態であるとき、自動式薬剤容器46を外側に引っ張ることにより、これらが係合解除状態となる。
本実施形態では、図6で示されるように、ドラム部材58が縦方向で3分割されており、分割されたそれぞれの領域に複数の容器設置部が形成されている。言い換えると、11個の容器設置部からなる群が3段に亘って設けられている。すなわち、容器保管部57は、全体で33個の自動式薬剤容器46を保持可能となっている。
より詳細に説明すると、完全自動散薬分包機5は、容器保管部57に保持された自動式薬剤容器46と、外部の管理棚に収納された自動式薬剤容器46とを使用可能となっている。容器保管部57には、最大で33個の自動式薬剤容器46を保持可能であり、容器保管部57に保持された自動式薬剤容器46が33個に満たないとき、管理棚に収納された外部の自動式薬剤容器46をさらに保持させることが可能である。また、容器保管部57に保持された自動式薬剤容器46と、管理棚に収納された外部の自動式薬剤容器46とを入れ替えたりすることも可能である。
ドラム部材58における容器設置部は、外側に向かって突出する突出部材を備えた構造となっており、自動式薬剤容器46が正規の姿勢で取り付けられると、この突出部材が没入する構造となっている。
また、ドラム部材58の内部と外側には、それぞれ光センサーが設けられており、容器設置部の突出部材が突出しているか否かを検知可能となっている。
なお、薬剤容器配置領域52には、ドラム部材58の近傍に情報読取手段(図示しない)が設けられている。このため、ドラム部材58に保持されたそれぞれ自動式薬剤容器46から情報の取得が可能となっている。より詳細には、それぞれの自動式薬剤容器46に取り付けられた容器側情報記憶手段(詳しくは後述する)から情報の取得が可能となっている。
薬剤容器配置領域52から薬剤分割領域53に至る領域には、容器移動ユニット60が設けられている。容器移動ユニット60は、アーム部61と昇降機構62を備えた構造となっており、昇降機構62によってアーム部61が鉛直方向に移動可能となっている。
また、アーム部61の先端部分には磁石が設けられており、自動式薬剤容器46に一体に取り付けられた鉄板を吸着することで、自動式薬剤容器46を保持可能となっている。
薬剤分割領域53では、正面ドア65(図5参照)の後方側に位置する空間内に、図7で示されるように、分配ユニット68と、容器保持台69(容器載置部)と、掻出装置70と、清掃装置71と、薬剤導入口72と、カメラ部材73が設けられている。
より具体的に説明すると、薬剤分割領域53では、並列する2つの分配ユニット68がそれぞれ埋没状態で設置されている。
それぞれの分配ユニット68の周辺には、容器保持台69と、掻出装置70と、清掃装置71が設けられている。そして、1つの分配ユニット68に、3つの容器保持台69と、1つの掻出装置70と、1つの清掃装置71が対応付けられている。
また、分配ユニット68の周辺であり、2つの分配ユニット68の間には、薬剤包装領域54に一包分ずつ散薬を供給するための薬剤導入口72が設けられている。
分配ユニット68は、円環状に連続する薬剤投入溝が設けられており、図示しない回転機構によって、回転可能な状態となっている。
容器保持台69は、振動台部と、重量測定手段とを備えた構造となっている。
振動台部には、薬剤容器(自動式薬剤容器46又は手動式薬剤容器47)を保持するための容器保持手段が設けられている。なお、本実施形態では、容器保持手段として磁石(電磁石)を採用している。
重力測定手段は、薬剤容器の重量を直接又は間接的に測定するものである。
このことから、容器保持台69に薬剤容器を載置することで、薬剤容器を振動させ、薬剤容器に収容された散薬を分配ユニット68に排出することが可能となる。そして、この散薬の排出に伴う薬剤容器の重量変化を重力測定手段によって検知可能となっている。
カメラ部材73は、容器保持台69の周囲を撮影可能な位置に設置されており、容器保持台69に載置された薬剤容器の薬剤排出部(排出口部、詳しくは後述する)の周辺を撮影する撮像装置として機能するものである。このカメラ部材73には、例えば、CCDカメラ等のデジタル撮像器が好適に採用可能となっている。
本実施形態では、片側の分配ユニット68に隣接する容器保持台69の周辺を撮像するカメラ部材73と、他方側の分配ユニット68に隣接する容器保持台69の周辺を撮像するカメラ部材73が別途設けられており、それぞれ撮像動作を別途実行可能となっている。
薬剤包装領域54には、公知の薬剤包装装置と、印字手段とが設けられている。
薬剤包装装置は、薬剤を一包分ずつ分包するための機械であり、シート供給装置と、シール装置によって形成されている。すなわち、シート供給装置から供給されたシートを袋状に形成して分包袋を作成すると共に、作成した分包袋に薬剤分割領域53から供給された散薬を導入し、さらにシール装置によって一服用分ずつシールして包装する動作が可能となっている。
印字手段は、分包袋に対して所定の情報を印字するための機械である。
自動式薬剤容器46は、図8で示されるように、外形が略直方体状の容器であり、内部に収容した散薬又は粉末状の薬剤を外部に排出するための薬剤排出部46aが設けられている。この薬剤排出部46aは、下方に向かって開口した開口状の部分であり、内外を連通している。なお、この薬剤排出部46aは、周辺の部材を取り外すことでより大きく開口し、薬剤を導入するための薬剤投入部として機能する部分でもある。
また、この自動式薬剤容器46には、異なる二面にそれぞれ鉄板46b(一面については図示しない)が取り付けられている。一方の面に設けられた鉄板46bは、アーム部61で自動式薬剤容器46を保持する際、アーム部61の磁石に吸着させるための部分である。また、他方の面に設けられた鉄板46b(図示しない)は、容器保持台69(詳しくは後述する)に設置するとき、容器保持台69の磁石に吸着させるための部分である。
加えて、この自動式薬剤容器46にはRFIDタグが設けられており、収納された薬剤に関する情報を記憶可能となっている。すなわち、このRFIDタグが容器側情報記憶手段として機能する。
操作表示部48は、所謂タッチパネルであり、液晶パネル等の表示装置と、タッチパッド等の位置入力装置を組み合わせて形成されたものである。
本実施形態の完全自動散薬分包機5は、この操作表示部48を操作することでも後述する各種動作を実行可能となっている。
また、本実施形態の完全自動散薬分包機5は、制御部(図示は省略する)を備えた構成となっている。
制御部は、CPU、ROM、RAM(EEPROM)、データ記憶部を備えている。
CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROMは、BIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリであり、RAMは、各種プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリとなっている。
データ記憶部は、各種プログラムやデータが記憶されたHDD(Hard Disk
Drive)等の記憶装置である。
手動式薬剤容器47は、図9で示されるように、略直方体状の容器であり、自動式薬剤容器46と略同じ構造となっている。この手動式薬剤容器47は、薬剤排出部47aとは別位置に薬剤投入部47bを設けている点で、自動式薬剤容器46とは異なっている。
すなわち、手動式薬剤容器47では、薬剤投入部47bが手動式薬剤容器47の上部に設けられている。この薬剤投入部47bは、内外を連通する貫通孔状の部分であり、外側部分が内側部分よりも断面積が大きくなるように形成されている。
次に、完全自動散薬分包機5が実施可能な分包動作について説明する。
本実施形態の完全自動散薬分包機5は、上記したように、内蔵された自動式薬剤容器46を使用する完全自動分包動作と、外部の管理棚に収納された自動式薬剤容器46を使用する準自動分包動作と、薬剤師が予め秤量した散薬を導入した手動式薬剤容器47を使用する手動分包動作を実施可能となっている。
さらに、複数の薬剤を混合して分包する場合に限り、少なくとも1の薬剤を完全自動分包動作又は準自動分包動作と同様の手順で分配ユニット68に供給し、少なくとも他の1の薬剤を手動分包動作と同様の手順で分配ユニット68に供給して分包動作を行う半自動分包動作が実施可能となっている。
これらの各動作について、以下で詳細に説明する。
[ 完全自動分包動作]
分包対象となる散薬が全て容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46に収納されていることが確認されると、容器保管部57から選択された自動式薬剤容器46を取り出すカセット取出動作が実施される。
すなわち、完全自動散薬分包機5は、ドラム部材58を回転させ、取り出し対象となる自動式薬剤容器46と容器移動ユニット60を近接させる。そして、容器移動ユニット60の一部であるアーム部61に自動式薬剤容器46を保持させる。換言すると、アーム部61の先端側に設けられた磁石によって、自動式薬剤容器46に一体に取り付けられた鉄板を吸着させる。
そして、アーム部61が容器保管部57から自動式薬剤容器46を取り出し、自動式薬剤容器46を容器保持台69まで移動させ、自動式薬剤容器46を容器保持台69に載置する。
本実施形態では、容器保持台69の近傍に情報読取手段が設けられており、容器保持台69に載置させた自動式薬剤容器46のRFIDタグから記憶されている情報を読み取る情報読取動作が可能となっている。
この情報読取動作により、自動式薬剤容器46に収容されている薬剤(散薬)の種類が確認される。すなわち、使用する薬剤が収容された自動式薬剤容器46が正しく選択され、運搬されたかを確認する確認動作が実施される。
確認動作の結果、使用する薬剤が収容された自動式薬剤容器46が容器保持台69に載置されていることが確認されると、容器保持台69の振動台部が振動動作を開始し、自動式薬剤容器46が振動し、自動式薬剤容器46に収容された散薬がゆっくりと分配ユニット68に落下する。すなわち、自動式薬剤容器46の内部から分配ユニット68に散薬が供給(排出)されていく。
また、自動式薬剤容器46から分配ユニット68への散薬の供給動作(排出動作)に伴って、分配ユニット68を回転させるフィーダ回転動作を実施する。
ここで、振動台部による振動動作の開始前及び実施中には、容器保持台69の重量測定手段が検知した値に基づいて、載置された自動式薬剤容器46の重量を測定する重量測定動作が実施されている。
すなわち、自動式薬剤容器46から分配ユニット68に散薬が供給(排出)されている間、自動式薬剤容器46の重量が常時検知されており、散薬の供給量(排出量であり、分配ユニット68の上に落下した量)が所定量となったことを条件として、振動台部の振動動作を停止させる構成となっている。
なお、振動動作の開始前に取得した自動式薬剤容器46の重量は原重量として記憶され、振動動作の実施中に取得される現在の重量は現重量として記憶される構成となっている。
そして、振動動作を実施している間、自動式薬剤容器46の重量を常時検知することにより、散薬が滞りなく分配ユニット68に供給されているか否かを確認する。言い換えると、自動式薬剤容器46の排出口で散薬が詰まったりすることなく、正しく供給されているか否かが確認される。
すなわち、本実施形態の完全自動散薬分包機5は、振動動作の実施中に自動式薬剤容器46の現重量を取得し続け、取得した現重量を開始前に取得した原重量と比較することで、散薬の供給量(原重量から現重量を減算した値)を常時算出し続けている。
そして、散薬の供給量が規定量となったことを条件として振動動作を停止している。言い換えると、自動式薬剤容器46の現重量が振動動作の開始前に取得した原重量に対して規定量だけ少なくなったことを条件として、振動動作を停止している。
なお、複数の散薬を混合して分包する場合は、自動式薬剤容器46を容器保持台69に載置させる動作を繰り返し、複数の自動式薬剤容器46をそれぞれ別の容器保持台69に載置させる。そして、それぞれの容器保持台69で振動動作を実施することにより、分配ユニット68に複数種類の散薬が供給されることとなる。
この場合、フィーダ回転動作に伴って複数種類の散薬が混合されることとなる。
そして、分配ユニット68に規定量の散薬が供給され、振動動作が停止されると、アーム部61によって自動式薬剤容器46が容器保管部57に戻される。このとき、分配ユニット68に薬剤の供給が完了した際の自動式薬剤容器46の重量を容器保持台69の重量測定手段で測定し、測定した重量をRFIDに記憶させる情報書込動作が実施され、その後、自動式薬剤容器46が容器保管部57に戻される。
すなわち、アーム部61が自動式薬剤容器46を容器保持台69から容器保管部57に移動させる。
その一方、分配ユニット68では、振動動作が停止した後、分配ユニット68の回転を停止する。そして、分配ユニット68に供給された散薬を一服用分ずつ薬剤導入口72に投入する薬剤分割動作を実施する。
薬剤分割動作では、掻出装置70の先端側部分を降下させ、分配ユニット68に近接させた状態とする。そして、分配ユニット68を分割数に応じた角度だけ回転させ、一服用分の散薬を掻出装置70の先端側部分の周辺によせた状態とする。この状態で、掻出装置70を動作させ、掻出装置70の周辺によせられた散薬をすくい上げ、薬剤導入口72に投入する。
このような動作を繰り返すことにより、分配ユニット68に供給された薬剤を一服用分ずつ薬剤導入口72に投入する薬剤分割動作が実施される。
薬剤導入口72に投入された一服用分の薬剤は、薬剤包装領域54に至り、薬剤包装装置に供給される。そして、薬剤包装装置で一服用分ずつ分包されていく。
この一連の動作が終了し、分配ユニット68に供給された薬剤が全て薬剤包装装置に供給され、分包が完了することで、完全自動分包動作が完了する。
[ 準自動分包動作]
準自動分包動作は、容器保管部57に保持された自動式薬剤容器46でなく、外部の管理棚に保管されている自動式薬剤容器46から分配ユニット68に薬剤を供給するという点で、完全自動分包動作と異なっている。上記した完全自動分包動作と同じ動作については、詳細な説明を省略する。
まず、扉部56を開放させ、手作業で外部の管理棚から取り出した自動式薬剤容器46を扉部56の裏側に位置する容器仮置部(図示しない)に載置する。
このとき、自動式薬剤容器46のRFIDタグに記憶された情報を読み取る情報読取動作が実施され、使用者が容器仮置部に載置した自動式薬剤容器46が正しいものであるのか否かを確認する確認動作が実施される。すなわち、処方データに含まれる処方において提供される薬剤の種類(分包対象となる薬剤の種類)と、容器仮置部に載置された自動式薬剤容器46に収納される薬剤の種類とが合致するか否かが判別される。
また、容器仮置部に載置された自動式薬剤容器46の重量を測定する重量測定動作が実施され、測定された重量をRFIDタグに記憶させる情報書込動作が実施される。
そして、扉部56を閉じると、アーム部61が自動式薬剤容器46を容器仮置部から容器保持台69まで移動させ、自動式薬剤容器46が容器保持台69に載置された状態となる。
この状態から、上記した完全自動分包動作と同様に、分配ユニット68に薬剤を供給し、一服用分ずつ薬剤包装装置に供給していく。また、薬剤包装装置では、供給された散薬を一服用分ずつ分包していく。このことにより、分配ユニット68に供給された薬剤が所定数に分包される。
そして、分配ユニット68への薬剤の供給動作が終了すると、アーム部61によって自動式薬剤容器46を容器仮置部に戻す動作を実施し、扉部56を開いた状態に移行させて、自動式薬剤容器46を手動で取り出す。このことにより、準自動分包動作が完了する。
[ 手動分包動作]
手動分包動作では、まず操作表示部48で所定の操作を実施することにより、正面ドア65を上方に向かってスライドさせ、薬剤分割領域53の前方を開放した状態とする。
正面ドア65が上昇すると、作業者が予め薬剤を充填した手動式薬剤容器47を手動で容器保持台69に設置する。
このとき、手動式薬剤容器47のRFIDタグに記憶された情報を読み取る情報読取動作が実施され、使用する手動式薬剤容器47が容器保持台69に正しく載置されているか否かを確認する確認動作が実施される。
この確認動作において、手動式薬剤容器47が容器保持台69に正しく載置されていることが確認されると、正面ドア65が回動可能な状態となるので、正面ドア65を開いた状態から閉まった状態へと移行させる。
そして、容器保持台69の振動台部が振動動作を開始し、手動式薬剤容器47から分配ユニット68に薬剤が供給される。このとき、上記した完全自動分包動作や準自動分包動作と同じく、分配ユニット68を回転させるフィーダ回転動作、薬剤を一服用分ずつに分割する薬剤分割動作等が実行され、薬剤が一服用分ずつ薬剤包装装置に供給されることとなる。
なお、手動分包動作が完了すると、操作表示部48に「手撒きカセットを取ってください」というメッセージが表示された状態となる。この状態で、所定の操作を実施し、再び正面ドア65を上昇させた状態とする。使用者は、手動式薬剤容器47を取り出した後、操作表示部48を操作して正面ドア65を下降させ、正面ドア65を閉めた状態とする。
ところで、この手動分包動作では、上記した完全自動分包動作とは異なり、薬剤の供給量を測定する動作を実施せず、手動式薬剤容器47に収容された薬剤を全て分配ユニット68に供給する。すなわち、使用者が予め手動で秤量を実施し、手動式薬剤容器47に規定量(最終的に供給する量)だけ薬剤を充填しておく必要がある。
[半自動分包動作]
半自動分包動作でも、上記した手動分包動作と同様に、操作表示部48で所定の操作を実施し、正面ドア65を上方に向かって回動させ、薬剤分割領域53の前方を開放した状態とする。そして、作業者が予め薬剤を充填した手動式薬剤容器47を所定数だけ手動で容器保持台69に設置する。
その一方、手動式薬剤容器47が載置されていない他の容器保持台69には、容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46、又は外部の管理棚に保管されている自動式薬剤容器46が載置されることとなる。
すなわち、容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46を容器保持台69に載置させる場合には、上記した完全自動分包動作と同様に、アーム部61が容器保管部57から自動式薬剤容器46を容器保持台69まで移動させ、自動式薬剤容器46を容器保持台69に載置した状態とする。
また、外部の管理棚に収容されている自動式薬剤容器46を容器保持台69に載置させる場合には、上記した準自動分包動作と同様に、使用者が扉部56の裏側に位置する容器仮置部(図示しない)に自動式薬剤容器46を載置する。そして、扉部56を閉じることで、アーム部61が容器仮置部から自動式薬剤容器46を容器保持台69まで移動させ、自動式薬剤容器46を容器保持台69に載置した状態とする。
したがって、半自動分包動作が実施される場合、少なくとも1つの容器保持台69に手動式薬剤容器47が載置され、他の容器保持台69には、容器保管部57又は容器仮置部から運ばれてきた自動式薬剤容器46が載置された状態となる。
ここで、本実施形態の半自動分包動作では、容器保管部57から運ばれてきた自動式薬剤容器46と、容器仮置部から運ばれてきた自動式薬剤容器46の双方を使用してもよい。すなわち、半自動分包動作は、1つの分配ユニット68に関連付けられた3つの容器保持台69のうち、1つの容器保持台69に手動式薬剤容器47が載置され、他の1つに容器保管部57から運ばれてきた自動式薬剤容器46が載置され、残りの1つに容器仮置部から運ばれてきた自動式薬剤容器46が載置される動作であってもよい。そして、3つの薬剤容器(自動式薬剤容器46、手動式薬剤容器47)から分配ユニット68に対してそれぞれ別の薬剤を排出し、分包を行うものであっても構わない。
そして、上記した各動作(完全自動分包動作、準自動分包動作、手動分包動作)と同様に、容器保持台69では、処方データに含まれる処方において提供される薬剤の種類(分包対象となる薬剤の種類)と、容器仮置部に載置された自動式薬剤容器46や手動式薬剤容器47に収納される薬剤の種類とが合致するか否かが判別される。
自動式薬剤容器46及び手動式薬剤容器47が容器保持台69に正しく載置されていることが確認されると、容器保持台69の振動台部が振動動作を開始し、自動式薬剤容器46及び手動式薬剤容器47から分配ユニット68に薬剤が供給される。このとき、上記した各動作と同じく、分配ユニット68を回転させるフィーダ回転動作、薬剤を一服用分ずつに分割する薬剤分割動作等が実行され、薬剤が一服用分ずつ薬剤包装装置に供給されることとなる。
上記したように、本実施形態の完全自動散薬分包機5は、薬剤容器の選択、使用する薬剤の秤量(供給量の測定)、一服用分ずつの分包を完全に自動で実施する完全自動分包動作が実行可能となっている。
さらに、使用する薬剤の秤量、一服用分ずつの分包を完全に自動で実施する準自動分包動作が実行可能となっている。
そして、複数の散薬を混合して分包する場合には、少なくとも1の薬剤を容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46や、外部の管理棚に保管されている自動式薬剤容器46から供給し、他の薬剤を手動式薬剤容器47から分配ユニット68に供給する半自動分包動作が実行可能となっている。この半自動分包動作は、一部の薬剤に関してのみ、上記した完全自動分包動作や準自動分包動作と同様に、分包に関する作業を自動で実行可能となっている。すなわち、容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46を使用する場合には、少なくとも一部の薬剤に関して、薬剤容器の選択、使用する薬剤の秤量、一服用分ずつの分包が自動で実行可能となっている。また、外部の管理棚に保管されている自動式薬剤容器46を使用する場合には、使用する薬剤の秤量、一服用分ずつの分包が自動で実行可能となっている。
これら完全自動分包動作、準自動分包動作、半自動分包動作は、手動で秤量した薬剤を一服用分ずつ分包する手動分包動作と比べ、手動での作業量を少なくできるという利点がある。
さらに、本実施形態の特徴的な部分であるところの散薬調剤業務支援システム1が実施する散薬分包動作について、図10を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態の散薬調剤業務支援システム1では、医師が外部PC6で処方に関するデータを入力すると、外部PC6から制御装置2に信号が送信され、制御装置2で完全自動散薬分包機5に送信するための処方に関するデータ(以下、単に処方データと称する)が作成される。そして、制御装置2は、完全自動散薬分包機5に対して作成した処方データを送信する(STEP1)。
なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、処方データに1つの処方に関する情報のみが含まれている場合について説明するが、処方データには複数の処方に関する情報が含まれていてもよい。この場合、処方データに含まれるそれぞれの処方毎にSTEP2以下の動作が実行されることとなる。
そして、完全自動散薬分包機5が処方データを受信すると、受信したデータに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であるか否かを判別する判別動作が実施される(STEP2)。すなわち、処方で提供される全ての薬剤が完全自動分包動作、又は準自動分包動作によって分包可能か否かを判別する判別動作が実行される。
より具体的に説明すると、この判別動作では、処方データに基づき、処方データに含まれる処方が下記の条件を満たすか否かを判別することで、完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であるか否かを判別する。
[条件1]
処方データに含まれる処方において、患者に提供されるべき薬剤の全てが、自動式薬剤容器46に収容された薬剤である。
[条件2]
処方データに含まれる処方において、患者に提供されるべき薬剤が1種類又は複数種類であり、個々の薬剤の総量がいずれも所定量以上である。
[条件3]
処方データに含まれる処方において、患者に提供されるべき薬剤が複数種類であり、複数の薬剤を混合して分包する必要がある場合、混合する薬剤の数が所定数以下である。
[条件4]
対象の処方で分包する薬剤が、制御装置2で他の薬剤分包機4で分包するように指示されていない薬剤である。
上記した条件1に関する判別動作について付言すると、この判別動作では、処方データに含まれる処方に関するデータと、データ記憶部に記憶されたデータベースとを照合する動作を実施し、送付された処方で分包する薬剤の全てが自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤か否かを判別する。すなわち、容器保管部57に現在保持された自動式薬剤容器46、又は、外部の管理棚に保管されている自動式薬剤容器46の少なくとも一方に収容されている薬剤か否かを判別する。
ここで、対象となる処方で1つの薬剤を分包する場合には、その薬剤が容器保管部57に現在保持される自動式薬剤容器46に収容されているか否か、及び、その薬剤が外部の管理棚に現在保管されている自動式薬剤容器46に収容されているか否かを判別する。
対して、対象となる処方で複数の薬剤を混合して分包する場合には、その薬剤の1つ1つが容器保管部57に現在保持される自動式薬剤容器46に収容されているか否か、及び、その薬剤が外部の管理棚に現在保管されている自動式薬剤容器46に収容されているか否かを判別する。そして、全ての薬剤が容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46か、外部の管理棚に現在保管されている自動式薬剤容器46に収容されている場合、条件1が満たされたものとする。
次に、上記した条件2に関する判別動作について付言する。
ここで、分配ユニット68に供給する散薬の種類によっては、供給量が少なすぎる場合、容器保持台69の振動動作による規定量の供給が困難となるものがある。例えば、散薬には、その粒の形状が薬剤容器から排出され難い形状のものがある。また、散薬には、粒同士が塊になり易いものがある。そして、前者の場合、振動動作を実施しても分配ユニット68に規定量の散薬が排出されない可能性がある。また、後者の場合、振動動作を実施することで分配ユニット68に塊状の散薬が供給されてしまい、規定量よりも多量に供給されてしまう可能性がある。つまり、散薬には、その性質により、極めて少量の排出が困難となってしまうものがある。
そこで、本実施形態では、総量が所定量を下回る薬剤については自動式薬剤容器46から分配ユニット68への供給を実行しない構成としている。
言い換えると、容器保持台69の振動動作によって確実に分配ユニット68への規定量の供給が可能であることを条件として、完全自動分包動作、又は準自動分包動作を実施する構成としている。より詳細には、1つ1つの薬剤の総量が規定量(3g)より多量であるか否か、換言すると、規定量(3g)以下でないか否かを判別する動作を実施している。そして、所定の処方で分包する全ての薬剤それぞれの総量がいずれも規定量(3g)より多量である場合、条件2が満たされたものと判別する。
上記した条件3に関する判別動作について付言すると、完全自動散薬分包機5は、まず対象となる処方で分包する薬剤が複数か否かを判別する。ここで、分包する薬剤が1つのみである場合、条件3は満たされているものと判断する。対して、複数の薬剤を混合して分包する場合、混合する薬剤の数が所定数(本実施形態では6)以下であるか否かを判別する。判別動作の結果、混合するが所定数以下である場合、条件3が満たされたものと判別する。
ここで、判別の基準となる所定数(本実施形態では6)は、容器保持台69の総数としている。これは、2つの分配ユニット68を使用する完全自動分包動作を実行可能である場合の所定数であり、例えば、1方の分配ユニット68がすでに使用中である等の理由により、1つの分配ユニット68しか使用できない場合には、所定数を変更する構成であってよい。例えば、1方の分配ユニット68がすでに使用中であることが確認された場合、基準となる所定数を減少させた上で(6から3に変更させた上で)、混合する薬剤の数が所定数以下であるか否かの判別動作を実施してもよい。
なお、この変更後の所定数(本実施形態では3)は、1つの分配ユニット68に対応づけられた容器保持台69の数としている。
上記した条件4に関する判別動作について付言すると、本実施形態の散薬調剤業務支援システム1では、制御装置2で分包機(薬剤分包機4、完全自動散薬分包機5)を指定して分包動作を実施させるといった動作が可能となっている。
具体的に説明すると、散薬調剤業務支援システム1では、薬剤毎に分包動作を実施する分包機の指定が可能となっている。例えば、薬剤Aを分包する分包機として薬剤分包機4を指定すると、薬剤Aを分包する分包動作が他の分包機(完全自動散薬分包機5)で実行可能であったとしても、薬剤分包機4で分包動作が実施される構成としている。
つまり、通常、完全自動散薬分包機5で完全自動分包動作による分包が可能な場合には、完全自動散薬分包機5を優先的に使用している。これに対し、薬剤が他の分包機(薬剤分包機4)を使用するように指定されている場合には、この設定を優先し、完全自動散薬分包機5では分包動作を実施しないようにしている。
さらに、本実施形態の判別動作では、完全自動散薬分包機5で自動的に処理できる処方であると判別された処方について、完全自動分包動作で対応可能な否かも判別している。
すなわち、判別動作では、下記の条件を満たすか否かを判別する動作をさらに実施している。
[条件A]
処方データに含まれる処方において、患者に提供されるべき薬剤の全てが、容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46に収容された薬剤である。
つまり、上記した条件Aが満たされている場合には、完全自動分包動作で対応可能な処方であり、条件Aが満たされていない場合には、準自動分包動作で対応可能な処方であると判別する。
加えて、この本実施形態の判別動作では、完全自動散薬分包機5で自動的に処理できないと判別された処方について、処方で提供される1以上の薬剤が自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤であるか否かの判別が可能となっている。
具体的に説明すると、完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できない処方には、処方で提供される薬剤に自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤と、自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤が混在する場合(以下、単に混在状態とも称す)と、処方で提供される全ての薬剤が自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤である場合(以下、単に未収容状態とも称す)がある。
そこで、完全自動散薬分包機5では、処方で提供される1以上の薬剤が自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤であるか否かの判別を実施することにより、対象となる処方が混在状態であるのか、又は、未収容状態であるのかを判別可能となっている。
上記した判別動作(STEP2)の結果、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であると判別された場合(STEP3でYes)について説明する。
判別動作(STEP2)の結果、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であり(STEP3でYes)、さらに完全自動分包動作が対応可能である(STEP4でYes)場合には、そのまま完全自動散薬分包機5で完全自動分包動作が実施される(STEP5)。そして、処方データに含まれる処方で提供される薬剤が分包されていく。
対して、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であるが(STEP3でYes)、完全自動分包動作が実施できない場合(STEP4でNo)には、準自動分包動作を実施する(STEP6)。
完全自動分包動作実施される場合と、準自動分包動作を実施される場合のいずれにしても、処方データに含まれる処方で提供される薬剤が完全自動散薬分包機5のみで分包されることとなる。すなわち、他機(本実施形態では薬剤秤量装置3)による秤量を実行することなく、分包が可能となる。
続いて、判別動作(STEP2)の結果、完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できない処方と判別された場合(STEP3でNo)について説明する。
この場合、完全自動散薬分包機5は、処方データと判別結果に基づいて再送データを作成し、制御装置2に再送データを送信する(STEP7)。
この再送データは、処方で提供される薬剤が混在状態であるのか、未収容状態であるのかを判別する判別結果に関する情報を付加したデータであり、処方で提供される各薬剤が容器保管部57の自動式薬剤容器46に収容されているか否かを制御装置2や各調剤機器で識別可能なデータとなっている。
つまり、受信した処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に分包することが不可能な処方であった場合、完全自動散薬分包機5は、その処方に関するデータに基づいて再送データを作成して送信する。この再送データには、処方で提供される(包装される)薬剤のそれぞれが、自動式薬剤容器46に収容されているか否かを示す情報を付加されている。
そして、制御装置2が再送データを受信すると、制御装置2は、秤量準備動作を実施する(STEP8)。
この秤量準備動作は、制御装置2が再送データに基づいて薬剤秤量装置3での秤量動作に使用するデータ(以下、秤量用データとも称す)を作成し、この秤量用データを薬剤秤量装置3に送信する動作となっている。この秤量準備動作が実施されることにより、薬剤秤量装置3を使用した秤量の実施が可能な状態となる。
ここで、上記したように、完全自動散薬分包機5が実施する判別動作(STEP2)では、完全自動散薬分包機5だけでは処理できない処方が混在状態であるのか、又は、未収容状態であるのかを判別可能となっている。
また、完全自動散薬分包機5が制御装置2にデータ(再送データ)を送信し、制御装置2が薬剤秤量装置3にデータ(秤量用データ)を送信することから、制御装置2と薬剤秤量装置3では、自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤とそうでない薬剤を識別可能となっている。
このことにより、薬剤秤量装置3は、対象となる処方が混在状態である場合と未収用状態である場合とで異なる表示動作を実施することが可能となる。
まず、対象となる処方が混在状態である場合(STEP9でYes)、操作表示部17に表示される選択画面では、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤だけが選択可能な状態で表示され、自動式薬剤容器46に収容された薬剤は、グレイアウトで表示されて、使用者が選択できない状態で表示される(STEP10)。
すなわち、処方で提供される薬剤を全て表示し、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤と、収容されている薬剤とを異なる表示形態で表示する。このことにより、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤と、収容されている薬剤とを識別可能な状態とする。
このとき、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤は、秤量の必要な薬剤として、使用者が選択可能な状態となっている。
対して、自動式薬剤容器46に収容された薬剤は、グレイアウトで表示されて、使用者が選択できない状態となっている。言い換えると、容器保管部57の自動式薬剤容器46に収容されている薬剤は、容器保管部57の自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤とは異なる色で表示され、且つ、使用者が選択できない状態となっている。
なお、このグレイアウトで表示される薬剤は、完全自動散薬分包機5のどちらの分配ユニット68を使用して分包を実施するのかを示す情報と共に表示された状態となっている。
なお、薬剤秤量装置3では、対象となる処方が混在状態である場合であっても、グレイアウトで表示された薬剤を選択可能な状態で表示するように変更する選択変更操作を実施可能となっている。すなわち、使用者が選択変更操作を実施することで、所定の処方で提供される薬剤を全て選択可能な状態とし、所定の処方で提供される全ての薬剤を薬剤秤量装置3で秤量するように変更することが可能な構成となっている。
ここで、選択変更操作を実施しなかった場合(STEP11でYes)、薬剤秤量装置3で表示されている選択可能な薬剤を選択し、薬剤秤量装置3の情報読込装置27で薬瓶や薬剤容器の情報を読み取って照合動作を実施した後、秤量部16を使用して秤量を実施する(STEP12)。このとき、秤量の終わった薬剤を上記した手動式薬剤容器47に導入する。
秤量が完了すると、実施した秤量結果に関するデータが薬剤秤量装置3から制御装置2へと送信される(STEP13)。そして、制御装置2は、受信した秤量結果に関するデータに基づいて、完全自動散薬分包機5での分包で使用する送信するデータを作成し、完全自動散薬分包機5に送信する(STEP14)。
そして、秤量後の薬剤を導入した手動式薬剤容器47を、完全自動散薬分包機5の容器保持台69に設置する。この状態で、完全自動散薬分包機5の操作表示部48で所定の操作を実施することにより、半自動分包動作が実施される(STEP15)。すなわち、使用者が容器保持台69に設置した手動式薬剤容器47と、アーム部61によって容器保持台69に設置された自動式薬剤容器46から分配ユニット68に薬剤が排出され、分包動作が実施される。
以上のように、対象となる処方が混在状態である場合(STEP9でYesの場合)、選択変更操作が実施されない限り(STEP11でYesである限り)、半自動分包動作で分包が実施される。言い換えると、対象となる処方で提供される薬剤に、自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤と、自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤が混在する場合には、原則として半自動分包動作が実行される構成となっている。
対して、対象となる処方で提供される薬剤が未収用状態である場合(STEP9でNoの場合)や、選択変更操作が実施された場合(STEP11でNoの場合)には、原則として薬剤分包機4を使用した分包動作で処方を処理している。つまり、対象となる処方で提供される薬剤が全て自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤である場合には、原則として薬剤分包機4による分包動作が実行される構成となっている。
なお、薬剤分包機4を使用した分包動作に替わって、完全自動散薬分包機5で手動分包動作を実施することも可能となっている。
すなわち、秤量準備動作(STEP8)が実施されたとき、対象となる処方で提供される薬剤が未収用状態である場合(STEP9でNoの場合)には、処方で提供される全ての薬剤が全て選択可能な状態で薬剤秤量装置3の操作表示部17に表示される。
また、上記した選択変更操作が実施された場合(STEP11でNoの場合)にも、処方で提供される全ての薬剤が全て選択可能な状態で薬剤秤量装置3の操作表示部17に表示される。つまり、処方で提供される薬剤の全てが、秤量が可能な薬剤として表示される。
この状態で、使用者は、選択可能な薬剤を選択し、薬剤秤量装置3の情報読込装置27で薬瓶や薬剤容器の情報を読み取って照合動作を実施した後、手動で秤量を実施する(STEP17)。
このとき、薬剤分包機4で分包する場合(STEP18でYesの場合)には、秤量の終わった薬剤を薬剤分包機4で使用する容器へと導入する。
そして、実施した秤量結果に関するデータが薬剤秤量装置3から制御装置2へと送信される(STEP19)。そして、制御装置2は、受信した秤量結果に関するデータに基づいて、薬剤分包機4での分包で使用する送信するデータを作成し、薬剤分包機4に送信する(STEP20)。そして、薬剤を導入したそれぞれの容器を、薬剤分包機4の所定位置に設置し、分包動作を実施する(STEP21)。
対して、薬剤分包機4で分包せず、完全自動散薬分包機5で手動分包動作を実施する場合(STEP18でNoの場合)には、秤量の終わった薬剤を上記した手動式薬剤容器47に導入する。
そして、実施した秤量結果に関するデータが薬剤秤量装置3から制御装置2へと送信される(STEP22)。そして、制御装置2は、受信した秤量結果に関するデータに基づいて、完全自動散薬分包機5での手動分包動作で使用する送信するデータを作成し、完全自動散薬分包機5に送信する(STEP23)。そして、完全自動散薬分包機5で上記した手動分包動作を実施する(STEP24)。
本実施形態の散薬調剤業務支援システム1では、処方データに含まれる処方が完全自動分包動作や準自動分包動作だけで処理が可能であった場合、優先的に完全自動散薬分包機5によって処理される。このように、手動による秤量が不用な処方については、順次完全自動散薬分包機5による秤量の不用な分包動作で対応することにより、調剤業務全体における手動での作業量を少なくすることができる。
また、完全自動散薬分包機5だけで処理が不可能な処方についても、半自動分包動作を促す構成となっている。このことにより、手動による作業を極力少なくすることが可能となり、手動での作業量を少なくできる。
ところで、本実施形態の完全自動散薬分包機5は、外部の管理棚に保管された自動式薬剤容器46と容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46を入れ替える容器入替動作と、外部の管理棚に保管された自動式薬剤容器46を容器保管部57に新たに保持させる容器追加動作を実行可能なものとなっている。
この容器入替動作と容器追加動作について、以下で詳細に説明する。
使用者が操作表示部48を操作して容器入替動作を実行すると、容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46のうち、使用者が予め選択した自動式薬剤容器46が扉部56(図5等参照)の裏側に位置する容器仮置部(図示しない)まで運搬される。すなわち、アーム部61によって容器保管部57に保持されていた自動式薬剤容器46が運搬され、容器仮置部に載置された状態となる。
次に、使用者は扉部56を空けて自動式薬剤容器46を取り出し、外部の管理棚に保管されていた自動式薬剤容器46を容器仮置部に載置する。
なお、ここで自動式薬剤容器46のRFIDタグに記憶された情報を読み取る情報読取動作が実施され、使用者が容器仮置部に載置した自動式薬剤容器46が正しいものであるのか否かを確認する確認動作が実施される。すなわち、新たに完全自動分包動作で使用可能となる薬剤の種類と、容器仮置部に載置された自動式薬剤容器46に収納される薬剤の種類とが合致するか否かが判別される。
また、容器仮置部に載置された自動式薬剤容器46の重量を測定する重量測定動作が実施され、測定された重量をRFIDタグに記憶させる情報書込動作が実施される。
そして、扉部56を閉じると、アーム部61が自動式薬剤容器46を容器仮置部から容器保管部57まで移動させ、自動式薬剤容器46を容器保管部57に保持させる。このことにより、容器保管部57に保持されていた自動式薬剤容器46と、外部の管理棚に保管されていた自動式薬剤容器46が入れ替えられ、外部の管理棚に保管されていた自動式薬剤容器46が新たに容器保管部57に保持された状態となる。
次に容器追加動作について説明する。
容器追加動作は、容器保管部57に保持されている自動式薬剤容器46を取り出す動作を実施しない点において、上記した容器入替動作と異なっている。
つまり、容器追加動作では、まず、扉部56が開いた状態となり、外部の管理棚に保管されていた自動式薬剤容器46を容器仮置部に載置する。
このとき、上記した容器入替動作と同様に、情報読取動作、確認動作、重量測定動作、情報書込動作が実施される。そして、アーム部61が自動式薬剤容器46を容器仮置部から容器保管部57まで移動させ、自動式薬剤容器46を容器保管部57に保持させる。このことにより、外部の管理棚に保管されていた自動式薬剤容器46が新たに容器保管部57に保持された状態となる。
例えば、容器保管部57が保持可能である最大数(33個)の自動式薬剤容器46を保持している場合、容器保管部57に新たな自動式薬剤容器46を保持させることができない状態となっている。この場合、容器入替動作を実施することにより、容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46と、外部の管理棚に保持されていた自動式薬剤容器46とを入れ替えることができる。すなわち、容器保管部57に保持されている自動式薬剤容器46を変更し、完全自動分包動作で使用可能な薬剤を変更することが可能となっている。
また、容器保管部57が保持している自動式薬剤容器46の数が保持可能である最大数(33個)以下である場合には、容器保管部57に新たな自動式薬剤容器46を保持させることが可能な状態となっている。この場合、容器追加動作を実施することにより、外部の管理棚に保持されていた自動式薬剤容器46を新たに保持させ、完全自動分包動作で使用可能な薬剤を増加させることが可能となっている。
なお、当然のことながら、容器保管部57が保持している自動式薬剤容器46の数が保持可能である最大数(33個)以下である場合にも、容器入替動作を実施可能となっている。
つまり、本実施形態の完全自動散薬分包機5は、容器入替動作や容器追加動作によって容器保管部57に保持されている自動式薬剤容器46の変更、追加が可能となっており、完全自動分包動作で使用可能な薬剤を変更、追加することが可能となっている。
このことから、本実施形態では、完全自動分包動作が実施できない場合(STEP4でNo)、容器入替動作や容器追加動作を実施し、患者に提供されるべき薬剤の全てが容器保管部57に現在保持されている自動式薬剤容器46に収容された状態(条件Aを満たした状態)とすることができる。
つまり、上記した場合とは異なり、完全自動分包動作が実施できない場合(STEP4でNo)であっても、容器入替動作又は容器追加動作を適宜実施された場合には、その後に準自動分包動作(STEP6)ではなく、完全自動分包動作(STEP5)を実施する構成としてもよい。この様な構成では、当然のことながら、容器入替動作又は容器追加動作が実施されなかった場合には、そのまま準自動分包動作(STEP6)を実施することとなる。
上記した実施形態では、薬剤分包機4と、完全自動散薬分包機5とを併用する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、薬剤分包機4を使用せず、制御装置2、薬剤秤量装置3、完全自動散薬分包機5のみを備えた散薬調剤業務支援システムであってもよい。すなわち、分包装置として、完全自動散薬分包機5のみを使用する構成であってもかまわない。この場合、上記した判別動作を実施するとき、条件1乃至条件3に関する判別動作だけを実施し、条件4に関する判別動作を実施しない構成としてもよい。すなわち、STEP18乃至STEP21の処理を実施せず、STEP17の後、STEP22乃至STEP24の処理を実施してもよい。
上記した実施形態では、薬剤秤量装置3を使用して秤量する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、薬剤秤量装置3を使用せず、制御装置2、薬剤分包機4、完全自動散薬分包機5のみを備えた散薬調剤業務支援システムであってもよい。
この場合、STEP8乃至STEP12の処理と、STEP16、STEP17の処理に替わり、公知の天秤等の機器を用いて手動で秤量することとなる。
より詳細には、STEP7の動作が実施された後、制御装置2の表示装置に手動での秤量を促すメッセージを表示させる。この場合、使用者が公知の天秤等の機器で秤量を実施し、秤量の終わった薬剤を上記した手動式薬剤容器47や、薬剤分包機4で使用する容器へと導入する。
しかしながら、このような構成によると、薬剤の照合動作等ができないので、処方情報を正確に管理し、且つ、より精度の高い分包を実施するという観点から、薬剤秤量装置3を備えた散薬調剤業務支援システム1であることが好ましい。
上記した実施形態では、制御装置2に処方に関するデータに関する信号が送信されたとき、制御装置2が処方データを作成し、完全自動散薬分包機5に処方データを送信した(STEP1)。そして、完全自動散薬分包機5で判別動作を実施した(STEP2)。
しかしながら、本発明はこれに限るものではない。上記した判別動作は、完全自動散薬分包機5に限らず、制御装置2で実施してもよい。また、処方データの送信後ではなく、処方データの送信に先立って判別動作を実施してもよい。
すなわち、以下で詳細に説明する動作を実行するものであってもよい。
医師が外部PC6で処方に関するデータを入力すると、外部PC6から制御装置2に信号が送信される。そして、制御装置2が信号を受信すると、制御装置2が上記した判別動作を実施する。
判別動作の結果、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であると判別された場合には、完全自動散薬分包機5に送信するための処方に関するデータを作成し、送信する。そして、STEP4以下の処理を実施する。
また、判別動作の結果、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方ではなく、処方で提供される薬剤に自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤で存在する場合には、分包を実施する分包機(薬剤分包機4又は完全自動散薬分包機5)と、薬剤秤量装置3にそれぞれデータを送信する。
すなわち、自動式薬剤容器46に現在収容されており、完全自動散薬分包機5によって分包可能な薬剤に関するデータを完全自動散薬分包機5に送信する。
対して、自動式薬剤容器46に現在収容されておらず、完全自動散薬分包機5によって分包不可能な薬剤に関するデータを薬剤秤量装置3に送信する。
つまり、処方データに基づいて、処方に含まれる薬剤に関するデータを判別結果によって2つに分類し、それぞれについて調剤機器に送信するためのデータを作成する。その後、それぞれ作成したデータを異なる調剤機器に送信する一連の処方データ分割送信動作を実施する。
この後、分包機と薬剤秤量装置3で所定の処理が実施されたことを条件として、それぞれから制御装置2へとデータが送信される。このデータは、処方データ分割送信動作で送信された薬剤に関するデータであり、必要に応じて各調剤機器での処理の結果に関する情報を含むデータが送信される。
具体的には、例えば、薬剤秤量装置3から秤量結果に関するデータが制御装置2に送信され、完全自動散薬分包機5から分包で使用する薬剤に関するデータが制御装置2に送信される。
このとき、制御装置2では、各機器から送信されたデータを統合するデータ統合動作を実施する。例えば、完全自動散薬分包機5から送信されたデータであり、完全自動散薬分包機5によって分包可能な薬剤に関するデータと、薬剤秤量装置3から送信されたデータであり、完全自動散薬分包機5によって分包不可能な薬剤に関するデータとをとを統合するデータ統合動作が実施される。
この後、制御装置2から分包を実施する分包機(薬剤分包機4又は完全自動散薬分包機5)に必要なデータを送信し、半自動分包動作、手動分包動作、薬剤分包機4での分包動作のいずれかが適宜実施されることとなる。
1 散薬調剤業務支援システム
2 制御装置(調剤機器用制御装置)
3 薬剤秤量装置
5 完全自動散薬分包機(自動散薬分包装置)
17 操作表示部(表示装置)
46 自動式薬剤容器(薬剤容器)
57 容器保管部
60 容器移動ユニット
68 分配ユニット
69 容器保持台(容器載置部)

Claims (7)

  1. 処方に関するデータであって患者に提供されるべき散薬の情報を含む処方データに基づいて複数台の調剤機器を制御する制御装置と、複数台の調剤機器に含まれる少なくとも自動散薬分包装置と、複数の散薬を収容する薬剤容器とを備え、
    前記自動散薬分包装置は、薬剤容器から排出された散薬を配分する分配ユニットと、薬剤包装装置とが内部に設けられており、
    前記自動散薬分包装置を用いて、処方データに基づき、薬剤容器から分配ユニットに散薬を排出する動作と、排出する散薬を計量する動作と、分配ユニットに排出された散薬を所定の数に分割する動作と、薬剤包装装置によって分割した散薬を個別に包装する分包動作とを含む完全自動分包動作と
    複数台の調剤機器の内の少なくとも一つを用いて、処方データに基づき、予め手動で秤量された薬剤を前記薬剤容器に充填し、前記充填した薬剤容器を用いて分包する手動分包動作とが実行可能であって、
    前記制御装置と前記自動散薬分包装置の少なくともいずれかが、前記患者に提供されるべき散薬が複数種類であって、前記複数種類の散薬を混合して分包する場合であって、前記混合する散薬の数が所定数を超えると判断する場合、前記手動分包動作を実施することを特徴とする散薬調剤業務支援システム。
  2. 前記手動分包動作の分包動作は、複数台の調剤機器の内の少なくとも一つである薬剤包装装置、又は前記自動散薬分包装置を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の散薬調剤業務支援システム。
  3. 前記所定数は、前記薬剤容器を保持する容器保持台の総数と等しい数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の散薬調剤業務支援システム。
  4. 処方に関するデータであって患者に提供されるべき散薬の情報を含む処方データに基づいて複数台の調剤機器を制御する制御装置と、複数台の調剤機器に含まれる少なくとも自動散薬分包装置と、複数の散薬を収容する薬剤容器とを備え、
    前記自動散薬分包装置は、薬剤容器から排出された散薬を配分する分配ユニットと、薬剤包装装置とが内部に設けられており、
    前記自動散薬分包装置を用いて、処方データに基づき、薬剤容器から分配ユニットに散薬を排出する動作と、排出する散薬を計量する動作と、分配ユニットに排出された散薬を所定の数に分割する動作と、薬剤包装装置によって分割した散薬を個別に包装する分包動作とを含む完全自動分包動作と、
    複数台の調剤機器の内の少なくとも一つを用いて、処方データに基づき、予め手動で秤量された薬剤を前記薬剤容器に充填し、前記充填した薬剤容器を用いて分包する手動分包動作とが実行可能であって、
    前記制御装置と前記自動散薬分包装置の少なくともいずれかが、前記患者に提供されるべき散薬が1種類又は複数種類であり、前記1種類又は複数種類の散薬の各々の総量がいずれも所定量未満と判断する場合、前記手動分包動作を実施することを特徴とする散薬調剤業務支援システム。
  5. 前記手動分包動作の分包動作は、複数台の調剤機器の内の少なくとも一つである薬剤包装装置、又は前記自動散薬分包装置を用いて行われることを特徴とする請求項4に記載の散薬調剤業務支援システム。
  6. 前記手動分包動作における複数台の調剤機器の内の少なくとも一つは、薬剤秤量装置であることを特徴とする請求項1及至5に記載の散薬調剤業務支援システム。
  7. 前記散薬は、錠剤等の固形の薬剤をすり潰して粉末状にした薬剤を含むことを特徴とする請求項1及至6に記載の散薬調剤業務支援システム。
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