JP7442056B2 - 調剤支援システム - Google Patents
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Description
このため、完全自動散薬分包機のみで実行する分包は、他の調剤機器を使う分包に比べて調剤者の負担を少なくできる。
具体的には、制御装置が処方データを受信すると、制御装置が完全自動散薬分包機にデータを送信する。そして、完全自動散薬分包機は、処方データに含まれる処方が自己で処理できるか否かを判別する判別動作を実行する。この判別動作の結果、完全自動散薬分包機のみで処理可能である場合は、そのまま完全自動散薬分包機で分包を実行する。これに対し、完全自動散薬分包機のみで処理できない場合は、完全自動散薬分包機から制御装置にデータを再送し、制御装置が他の調剤機器にデータを送信する。そして、他の調剤機器と完全自動散薬分包機を組み合わせて実行する分包か、他の調剤機器を使用して実行する分包のいずれかを実行する。
また、特許文献1には、上記した完全自動散薬分包機が実行する判別動作を制御装置で実行してもよいことが開示されている。
ここで、規模の小さな調剤業務支援システムとは異なり、大規模な調剤業務支援システムを構築した場合、広い敷地に多くの分包機や他の調剤機器が配置されるので、調剤者が調剤機器を見て回る作業の手間が大変なものとなっていた。
具体的に説明すると、第一の分包機と第二の分包機を有する調剤業務支援システムにおいて、所定の処方に基づく薬剤の包装処理(以下、第一分包処理とする)を第一の分包機を使用して実行することが決定したとする。このとき、第一の分包機で多くの分包処理が未処理のまま蓄積されていると、第一の分包機で第一分包処理が実行されるまで時間がかかってしまう。そこで、このような場合には、第一の分包機での第一分包処理の実行を取り止め、第二の分包機で実行することで、システム全体の分包作業の高速化を図ることができる。
このため、分包で使用する調剤機器が確定した後、その内容を調剤者が視認可能となるように出力したのでは、調剤者が調剤機器に向かう際の初動が遅くなるという問題が生じてしまう。
本発明の他の様相は、処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものであり、振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ、一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態、且つ、持ち運び可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、一の前記振り分け動作でどの前記散薬分包手段に分包処理が割り当てられたかについての結果を示す情報であって将来変更される可能性がある情報を出力する動作であり、一の前記振り分け動作が完了した直後に実行される動作である、調剤支援システムである。
本様相に関連する他の様相は、処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段を複数有し、散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものであり、振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ、一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行する、調剤支援システムである。
すなわち、未処理の分包処理の中から調剤者が手動で分包処理を特定する場合とは異なり、操作ミスに起因する分包処理の実行を防止できる。
そして、上位制御装置2と、完全自動散薬分包機3と、手動散薬分包手段4とが構内通信網(LAN)等を介して互いにデータ(信号)を送受信可能な状態で接続されている。同様に、上位制御装置2と錠剤自動分包機5もまた、電気通信可能な状態で接続されており、データの送受信が可能な状態となっている。
本実施形態の記憶部16には、後述する振り分け動作を含む各種動作を実行するためのプログラムとデータが記憶されている。
また、錠剤に関する情報であり、錠剤自動分包機5の錠剤カセット(詳しくは後述する)に収容され、錠剤自動分包機5に保管されている錠剤に関する情報(以下、錠剤保管情報とも称す)が記憶されている。この錠剤保管情報は、保管されている錠剤の種類に関する情報と、形状、数、重量に関する情報を含む。なお、形状に関する情報は、半錠、四分の一錠といった分割錠の大きさ(一錠に対する大きさの割合)に関する情報であってもよい。
この他、記憶部16には、外部PC20から送信された処方に関する情報が処方データとして記憶されていく。
すなわち、上位制御装置2は、この通信部17により、調剤支援システム1に属する各調剤機器(完全自動散薬分包機3、手動散薬分包手段4、錠剤自動分包機5等)や、医師が操作する外部PC20と信号の送受信が可能となっている。
入力装置12は、ユーザが上位制御装置2に対して操作を行う際に使用する装置であり、具体的には、マウスやキーボードである。
薬袋作製装置14は、薬袋プリンタであり、袋用紙から袋を作製し、作製した袋に所定の情報を印刷して出力することで、薬袋を作製可能なものである。なお、本実施形態では、通常の薬袋の他、マチ付き薬袋や、透明薬袋等の複数種類の薬袋を出力可能であり、それぞれ薬袋の大きさを選択することで、大きさの異なる薬袋の出力が可能である。
なお、作図の都合上、図3では、薬剤容器30、容器設置部31bの一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する。
また、薬剤分割領域27には、薬剤包装領域28に散薬を一包分ずつ供給するための薬剤導入口(図示しない)が設けられている。
そして、完全自動散薬分包機3は、通信部により、上位制御装置2や手動散薬分包手段4(薬剤秤量装置6、散薬分包機7)と信号の送受信が可能となっている(図1参照)。
この情報読取装置は、スキャナやカメラ等の認識装置と情報取得用のプログラムによって構築されており、認識装置で取得した読込対象の情報が制御部(自動機制御部)に入力され、制御部がプログラムを実行することで情報を取得可能なものである。具体的には、薬袋90の二次元コード92(識別表示であり詳しくは後述する、図8参照)から情報を取得可能な二次元コードリーダとなっている。
なお、薬剤排出部58は、薬剤容器30の内外を連通する開口と、開閉自在な蓋部分によって構成されている。薬剤排出部58の蓋部分は、容器移動手段34によって開閉される部分であり、容器載置装置39への設置時に開状態とし、容器載置装置39からの取り外し時に閉状態とする。
そして、散薬の落下量Hが所望の重量となるタイミングで振動台57の振動を停止する。この後、薬剤容器30が容器移動手段34によって容器保管部31に戻される。
混合する総ての散薬が分配皿38に投入されると、掻出装置40の一部を分配皿38の溝内に入れた状態とし、分配皿38を所定の角度ずつ回転して掻出装置40の周辺に一定量の散薬を集め、分配皿38から掻き出して薬剤包装領域28に導入する。そして、薬剤包装装置45で一服用分ずつ包装する。
情報読書手段68は、秤量用容器(図示しない)等に設けられた情報記憶媒体(RFIDタグやICタグ)に対して情報の読み書きが可能なリーダライタである。
USBポート69は、記憶媒体として機能するUSBメモリを着脱可能な部分である。すなわち、この薬剤秤量装置6では、調剤業務で取り扱う薬剤に関するデータをUSBメモリから読み込み可能となっている。
具体的には、薬瓶に付されたバーコードからJANコード(又はRSS)を取得可能なバーコードリーダであり、処方箋等に付されたバーコード等からも情報の読み込みが可能となっている。
なお、この錠剤カセットに収容される錠剤は、半錠、四分の一錠のような一錠の錠剤を一部欠落させた分割錠や、カプセル錠を含む。
また、処方を識別したり管理したりするための情報には、処方番号、Rp番号(レセプト番号)、処方の発行年月日等がある。
つまり、処方データは、これらの情報のうちで必要なものを含むデータとなっている。
この振り分け動作では、処方データにおける薬剤の種類(薬種であり剤形)に関する情報と、調剤支援システム1に属する各種調剤機器に関する情報(例えば、上記した散薬保管情報、錠剤保管情報)から、薬剤の調剤処理(払い出し処理)を実行する調剤機器を決定する。なお、ここでいう薬剤の調剤処理には、薬剤を一服用分ずつに分けて包装する分包処理を含む。
そして、処方解析動作で特定された剤形毎に、以下の処理を実行する。
処方内に一又は複数の錠剤がある場合、対象となる分包処理を錠剤自動分包機5に割り当てる。そして、上記した錠剤自動分包機5の動作(自動錠剤分包動作、手動錠剤分包動作)のうち、いずれの動作で分包処理を実行するかを決定する判別動作(以下、錠剤側振り分け動作)を実行する。すなわち、錠剤側振り分け動作は、錠剤自動分包機5に自動で分包処理を実行させるか、錠剤自動分包機5を使用して手動で分包処理を実行するかを決定する動作である。
具体的には、処方データや上記した錠剤保管情報に基づいて、処方において1包内に包装される一種類又は複数種類の錠剤が自動錠剤分包動作で包装可能(分包可能)であるのか否かを判別する。この結果、自動錠剤分包動作で分包処理を実行可能な場合は、自動錠剤分包動作を実行する。対して、その分包処理が自動錠剤分包動作で分包できない場合には、錠剤自動分包機5を使用して手動で分包処理を実行することが決定される。
処方内に一又は複数の散薬がある場合、図6で示されるように、包装単位(1袋内に包装する一又は複数種類の散薬)毎に、その分包処理が完全自動散薬分包機3の自動分包動作によって実行可能か否かを判別する(ステップS1)。すなわち、処方データや上記した散薬保管情報に基づいて、処方において1包内に包装される全ての散薬が完全自動散薬分包機3に保管されているか否かが判別される。
その一方で、完全自動散薬分包機3の自動分包動作で包装できない場合には(ステップS1でNо)、対象となる分包処理を手動散薬分包手段4に割り当てる(ステップS3)。すなわち、この分包処理は、手動散薬分包手段4を使用して実行するものと決定する。以上のように、本実施形態では、手動散薬分包手段4よりも完全自動散薬分包機3に対して優先的に分包処理を割り当てる。
本実施形態の調剤支援システム1では、振り分け動作が完了した直後に指示箋出力動作を自動で実行する。なお、ここでいう「直後」とは、指示箋出力動作が実質的に振り分け動作と連続して実行される短い時間であり、具体的には30秒以内とする。このことから、振り分け動作で割り当てた分包処理が割り当て先の調剤機器で実行される前に、この振り分け動作に対応する指示箋出力動作が実行される。
「A薬品」と「B薬品」は、振り分け動作において、完全自動散薬分包機3で包装することが決定された薬剤である。すなわち、いずれも散薬であり、服用時期が同じで一つの袋に包装されるものであり、いずれも完全自動散薬分包機3の容器保管部31に保管されているものと判別されたものである。
また、「D薬品」は、振り分け動作において、手動散薬分包手段4で包装することが決定された薬剤である。すなわち、散薬であり、一種類の散薬を一服用分ずつ一つの袋に包装するものであり、完全自動散薬分包機3の容器保管部31に保管されていない散薬であると判別されたものである。
このことから、調剤者(ユーザ)は、この指示箋83を確認することで、これから効率よく調剤作業を実施する上で、どの調剤機器に向かえばよいかを判断できる。例えば、上記の例であれば、「A薬品」、「B薬品」、「C薬品」は、自動的に分包されるので、最初に手動散薬分包手段4(薬剤秤量装置6)の設置場所に向かい、「D薬品」を包装するための作業を実施する。その後、散薬分包機7で包装された「D薬品」を受け取り、完全自動散薬分包機3の設置場所と、錠剤自動分包機5の設置場所に向かい、それぞれの場所で「A薬品」及び「B薬品」と、「C薬品」を受け取る、といった具合である。
例えば、上述した例では、完全自動散薬分包機3に「A薬品」及び「B薬品」を包装する分包処理を実行するための情報を送信し、錠剤自動分包機5に「C薬品」を包装する分包処理を実行するための情報を送信する。さらに、薬剤秤量装置6と散薬分包機7に対して「D薬品」を包装する分包処理を実行するための情報を送信する。
二次元コード92は、薬袋90に印刷されたコード(符号又は暗号)であり、収容される薬剤の処方を特定する情報が含まれるコードである。なお、収容される薬剤の処方を特定する情報は、本実施形態では、処方番号及びRp番号であるが、処方の特定が可能であれば、他の情報であってもかまわない。
具体的には、調剤者は、薬剤秤量装置6での秤量開始前に、割り当てられた分包処理で包装対象となる散薬を指定する操作を行い、薬瓶等のバーコードを読み込む操作を行う。このことにより、秤量しようとしている散薬が処方された正しいものであるのか否かが確認される。そして、薬剤秤量装置6で秤量が完了すると、薬剤秤量装置6は、秤量結果に関する情報と、受信した分包処理に関する情報を関連付けて散薬分包機7に送信する。このことにより、調剤者が散薬分包機7の供給ホッパ77に散薬を投入しようとするとき、投入しようとしている散薬が正しく秤量された処方通りのものか否かが判別される。
つまり、手動散薬分包手段4では、払出情報送信動作で送信された情報に基づき、薬剤秤量装置6、散薬分包機7が各種動作を実行する。そして、手動散薬分包手段4では、散薬分包機7で割り当てられた分包処理が完了したことを条件として、散薬分包機7が完了情報送信動作(詳しくは後述する)を実行する。
このことから、上記した指示箋出力動作は、将来切り替えられる(変更される)可能性がある情報を印刷(出力)する動作となっている。
例えば、上記の例では、完全自動散薬分包機3から「A薬品」及び「B薬品」の包装が完了した旨を示す情報が送信される。同様に、手動散薬分包手段4(散薬分包機7)、錠剤自動分包機5のそれぞれから上位制御装置2に対して「D薬品」の包装が完了した旨を示す情報と、「C薬品」の包装が完了した旨を示す情報とが送信される。
振り替えがある場合、具体的には、切り替えの前後(変更前と変更後)において、それぞれの時点での割り当て先の調剤機器を示す(特定する)情報が文字等で表示される。
本実施形態の鑑査画面95では、文字と矢印で振り替え履歴に関する情報を表示している。すなわち、「自動」と「手動」が、それぞれ「完全自動散薬分包機3」と「手動散薬分包手段4」を示し、「矢印」がその向きで切り替え前と切り替え後の調剤機器がいずれであるのかを示している。つまり、図9で示す例では、「A薬品」及び「B薬品」の分包処理が振り分け動作で完全自動散薬分包機3に割り当てられた後、完全自動散薬分包機3で振り替え動作が実行され、手動散薬分包手段4に割り当て先が切り替えられたことが示されている。
また、振り替え動作が実行されなかった場合には、振り分け動作の結果がそのまま表示されることで、振り替え履歴がない旨が示される。図9で示す例では、「D薬品」の分包処理が振り分け動作で手動散薬分包手段4に割り当てられ、そのまま実行されたことを示している。
なお、調剤状況確認領域98の表示もまた、上記した振り替え状況確認領域96の表示と同様に、分包処理が全て完了した状態としていない状態の少なくとも一方で、完了か未完了を示す情報をユーザが確認可能となるように文字等が出力されればよい。
具体的に説明すると、完全自動散薬分包機3の操作表示部50に処方待機画面100(図10参照)を表示させた状態とし、処方待機画面100の未処理一覧ボタン103が表示された領域を押下すると、未処理一覧表示画面105(図11参照)が表示される。
そして、「テスト入院患者1」が表示された領域を押下することで、1つの未処理の分包処理が特定され、特定された未処理の分包処理で包装する「A薬品」と「B薬品」が右側に一覧表示される。
つまり、上位制御装置2は、二次元コード92から読み取った情報に基づき、薬袋90に収容される散薬を包装対象とする未処理の分包処理を自動的に特定する。そして、特定した分包処理を次に実行する分包処理として自動的に選択し、内容確認画面110を表示した状態とする。そして、上記と同様に、内容確認画面110を表示された状態で発行ボタン111が表示された領域を押下することで、選択された未処理の分包処理を次に実行する分包処理とすることが確定する。そして、図13で示されるように、処方待機画面100に次に実行する分包処理を示す情報が表示される。
この場合、上記と同様に、処方待機画面100が表示された状態(図10で示される状態)で、完全自動散薬分包機3の情報読取装置を使用して薬袋90の二次元コード92を読み込む。すると、薬袋90に収容される散薬を包装対象とする未処理の分包処理が特定され、特定された分包処理を次に実行する分包処理として自動的に確定する。したがって、処方待機画面100は、コード表示領域104に二次元コード92から読み取った情報(例えば、管理番号等、必要に応じて枝番のついた複数桁の数字)が表示された後、自動的に、次に実行する分包処理を示す情報が表示された状態となる(図13参照)。
つまり、上記した容器載置装置39が加振手段56と重量測定手段を有する構成に替わって、加振装置と秤量装置を別々に設けてもよい。その際、薬剤容器から散薬を計量しつつ排出させる(取り出す)動作と、薬剤容器から分配皿に散薬を排出させる動作は、同時に行わなくてもよく、別々の場所でそれぞれ別途実施してもよい。言い換えると、保管用の薬剤容器から分配皿に直接散薬を投入する構成としてもよく、保管用の薬剤容器から排出された散薬を他の容器一時的に収容させた後、他の容器から分配皿に散薬を投入する構成としてもよい。
つまり、必ずしも散薬収容容器を容器保管部から分離して、容器保管部から離れた位置で散薬を排出しなくてもよい。容器保管部又は散薬収容容器そのものに散薬排出用の機構を設け、散薬収容容器の近傍で散薬を払い出し用容器に排出し、払い出し用容器から分配皿に散薬を投入してもよい。
完全自動散薬分包機3は、振り分け動作で割り当てられた分包処理を自動的には実行せず、所定の操作(上記した処方待機画面100を表示した状態から順に行う一連の操作)を実行することで、分包処理を実行してもよい。すなわち、振り分け動作の実行後、調剤者が完全自動散薬分包機3の設置場所に行き、所定の操作を実行しないと、完全自動散薬分包機3での分包処理が開始されない構成としてもよい。
したがって、上記した振り替え動作は、完全自動散薬分包機3で調剤者が所定の操作を行うことで、複数の手動散薬分包手段4の中から振り替え先となる一つを選択し、選択された一つの手動散薬分包手段4に振り分け先を切り替える動作でもよい。
同様に、錠剤自動分包機5を複数備えたものとする場合、複数の錠剤自動分包機5で内部に保管する錠剤を同じものにしてもよく、異なるものとしてもよい。
例えば、第一の完全自動散薬分包機3と第二の完全自動散薬分包機3の双方で分包処理が可能であり、振り分け動作の実行時に、第一の完全自動散薬分包機3が第二の完全自動散薬分包機3よりも未処理の分包処理の数が多い状態であるとする。この場合、第二の完全自動散薬分包機3を割り当て先とするといった具合である。
また、分包処理で複数の散薬を包装する場合において、上記した「薬剤の保管量が多い方」とは、包装する複数の散薬の合計保管量が多い場合でもよく、包装する複数の散薬から選択される一以上の散薬の保管量が多い場合でもよい。
同様に、鑑査画面出力動作においても、分包処理を割り当てた調剤機器や、分包処理を実際に実行した調剤機器を一意に識別する識別情報(各調剤機器のそれぞれを個別に特定する情報)を出力してもよい。
例えば、指示箋83は、調剤支援システム1に属する他の機器の印刷装置(例えば、薬剤秤量装置6の印刷装置62)から出力してもよく、システム外のプリンタ等の印刷装置から出力してもよい。また、紙媒体で出力する動作に限らず、例えば、外部の携帯端末(例えば、携帯電話やタブレットPC等)に視認可能な状態で表示してもよい。また、調剤支援システム1に属する他の機器の表示装置で指示箋83に印刷された情報と同じ内容を出力してもよいが、調剤作業を効率化するという観点から、持ち運び可能な状態で出力することが望ましい。
また、二次元コード92は、薬袋に直接印刷する他、薬袋とは別途作成するラベル等に出力してもよい。つまり、上記した薬袋作製動作に替わって、薬袋と、コードが付されたラベル等をそれぞれ出力し、ラベル等を薬袋に張り付けて薬袋を作製してもよい。
すなわち、このPTP薬剤自動取揃装置310は、複数のPTP薬剤カセット(図示しない)を有しており、複数種類のPTP薬剤が種類毎にそれぞれ一又は複数の錠剤カセット内に収容されて保管されている。そして、処方データに基づき、一又は複数のPTP薬剤カセット内から必要な分だけ所定のPTP薬剤を取り出し、取出用トレイ(図示しない)上に取り出したPTP薬剤を載せて払い出す動作(自動PTP薬剤取揃動作)を実行可能なものとなっている。また、このPTP薬剤自動取揃装置310は、一体又は別途形成された表示装置と入力装置を備えている。
すなわち、水剤自動分注機312は、内部に複数の水剤元瓶(供給用容器、図示しない)と、複数の投薬瓶(提供用容器、図示しない)を有している。そして、複数種類の水剤のそれぞれが一又は複数の水剤元瓶に収容されて保管されている。また、大きさの異なる複数種類の投薬瓶が空の状態のまま内部に収容されている。
そして、水剤自動分注機312は、処方データに基づき、所定の水剤元瓶から所定量の水剤を取り出し、投薬瓶に水剤を注ぎ入れ、水剤が収容された投薬瓶を払い出す動作(自動水剤分注動作)を実行可能なものとなっている。なお、この自動水剤払出動作では、取り出し量に応じて使用する投薬瓶を選択し、選択した空の投薬瓶に取り出した水剤を注ぎ入れている。
本体装置は、液量計部(図示しない)を有しており、この液量計部は、メスシリンダー等の計量容器を使用して超音波による液量計測が可能な液量計測装置と、電子天秤の少なくとも一方によって構成されている。情報読取手段は、具体的にはバーコードリーダであり、印刷装置は、具体的にはプリンタである。
これに対し、本実施形態の調剤支援システム301が実行する振り分け動作では、これに加え、処方内にPTP薬剤と、水剤がある場合も、これらの調剤処理をシステム内の調剤機器に割り当てる。
処方内に一つ又は複数種類のPTP薬剤がある場合、PTP薬剤自動取揃装置310で対応可能な数(例えば、4種類以下)であるか否かを判別する。
そして、種類数が対応可能な数であり、その全てがPTP薬剤自動取揃装置310での払い出し(取り揃え)が可能なPTP薬剤である場合、この調剤処理をPTP薬剤自動取揃装置310に割り当てる。反対に、1以上の薬剤がPTP薬剤自動取揃装置310で払い出しできない場合には、対象となる調剤処理を手動PTP薬剤取揃手段311に割り当てる。
また、種類数が対応可能な数より多い場合は、対応可能な数以下の薬剤毎に、PTP薬剤自動取揃装置310で払い出し可能か否かを判別する。そして、上記と同様に、PTP薬剤自動取揃装置310で払い出し可能である場合には、対象となる調剤処理をPTP薬剤自動取揃装置310に割り当て、払い出しできない場合には、手動PTP薬剤取揃手段311に割り当てる。
また、処方内に水剤がある場合、その水剤が水剤自動分注機312で分注可能であるか否かを判別し、可能である場合、対象となる調剤処理を水剤自動分注機312に割り当てる。対して、その調剤処理が水剤自動分注機312で実行できない場合、対象となる調剤処理を手動水剤分注手段313に割り当てる。
なお、自動薬剤調剤手段とは、内部に保管した薬剤(散薬、錠剤、PTP薬剤、水剤等)を使用し、調剤する薬剤の秤量又は計数を行い、所定量又は所定数の薬剤を患者に提供する形態(薬包内や容器内に収容された形態、又はブリスターパックに収容された形態)で排出する一連の動作を自動で行う装置(調剤機器であり薬剤調剤手段)である。
これに対し、手動薬剤調剤手段とは、調剤者が薬棚等から薬剤が収容された容器を手動で取り出す作業と、薬剤を秤量(計数)する作業と、手動又は装置(分包装置)を使用して薬剤を患者に提供する形態とする作業のいずれかで使用する一又は複数の調剤機器(薬剤調剤手段)である。
PTP薬剤自動取揃装置310が実行する振り替え動作は、上記した完全自動散薬分包機3の振り替え動作と同様に、自身に割り当てられた調剤処理の割り当て先を手動PTP薬剤取揃手段311に切り替える動作である。
また、上記した実施形態では、自動錠剤分包動作と手動錠剤分包動作の双方を実行可能な錠剤自動分包機5を採用した。しかしながら、これに替わって、自動錠剤分包動作が可能な自動錠剤分包装置と、手動錠剤分包動作が可能な手動錠剤分包手段からなる2つの調剤機器を採用してもよい。そして、自動錠剤分包装置は、自身に割り当てられた分包処理の割り当て先を手動錠剤分包手段に切り替える動作が可能なものとしてもよい。
上記関連発明は、複数の前記薬剤調剤手段の少なくとも一つは、前記振り分け動作の実行後、自己に割り当てられた前記調剤処理を他の前記薬剤調剤手段に振り替える振替機能を有し、前記振り分け動作は、前記調剤処理を実行する前記薬剤調剤手段を永続的又は一時的に決定する動作であり、前記調剤処理の振り替えが行われた場合に前記振り分け動作の決定が切り替えられる、ことが好ましい。
また、上記した関連発明の好ましい態様は、前記第一出力動作の実行後に第二出力動作が実行されるものであり、前記第二出力動作は、前記振り分け動作で一つの前記薬剤調剤手段に割り当てた前記調剤処理がいずれかの前記薬剤調剤手段で実行され、その実行が完了されたことを条件として、実際に前記調剤処理を行った前記薬剤調剤手段を特定する情報をユーザが確認可能な状態で出力する動作である、ことがさらに好ましい。
上記したさらに好ましい態様は、前記第二出力動作では、前記振り分け動作の後に前記調剤処理の振り替えが行われた場合に、振り替え履歴に関する情報を出力する、ことがより好ましい。
上記したさらに好ましい態様は、前記第一出力動作と前記第二出力動作では、処方された薬剤の鑑査に必要な情報と共に、前記調剤処理の振り分けに関する情報を出力する、ことがより好ましい。
以下、この病棟情報管理システム401について詳細に説明するが、上記と同様の部分については、重複する詳細な説明を省略する。
つまり、病棟情報管理装置402は、上記した上位制御装置2と同様に、演算部、記憶部(記憶手段)、通信部を備えた本体装置と、本体装置に付属する表示装置及び入力装置を有する。そして、病棟情報管理装置402は、通信部により、外部PC20、リスト表示装置408、外部機器(図示しない)等と構内通信網(LAN)等を介して互いにデータ(信号)の送受信が可能となっている。
リスト表示装置408には、据え置き型のコンピュータ(パーソナルコンピュータ)や携帯端末(タブレットPC、スマートフォン、ノートPC等)を採用可能である。本実施形態では、リスト表示装置408を持ち運び可能な端末(携帯端末)としており、タブレットPCを採用している。
また、リスト表示装置408は、操作表示部(図示しない)を備えている。操作表示部は、タッチパネルであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置と、タッチセンサ等の接触型入力装置とが重畳して形成されている(一体に形成されている)。つまり、リスト表示装置408もまた、各種情報を表示する表示装置と、ユーザの操作を受け付ける入力装置を有する。
また、病棟情報管理装置402の記憶部には、このようなデータとして、患者データベースが記憶されている。
具体的には、患者が入院する病棟(患者の入院病棟)を特定する情報には、現在の入院病棟を特定する情報の他、過去の入院病棟(例えば、処方が出された時点等、過去の特定の時点における入院病棟)を特定する情報が含まれていてもよい。また、将来入院予定の病棟(過去のある時点又は現在を基準として、基準となる時点よりも後に入院する病棟)を特定する情報が含まれていてもよい。
上記と同様に、医師が外部PC20に処方に関する情報(データ)を入力し、所定の操作を実行すると、処方データが作成される。そして、処方データが病棟情報管理装置402に送信される。
すなわち、処方の内容に関する情報と、処方自体を識別したり管理したりするための情報(処方番号等)とが、病棟情報管理装置402に送信される。なお、送信される処方データには、処方が出された患者が入院している又は入院予定の場合、処方データの作成時にこの患者が入院している病棟又はこれから入院予定の病棟を特定する情報が含まれる。
この関連付け動作は、病棟情報管理装置402が処方データを受信したことを条件として実行される動作である。すなわち、この動作では、処方データに基づいて処方が出された患者を特定し、この患者を特定する情報に基づいて患者データベースを参照することで、処方が出された患者の入院病棟に関する情報を取得する。そして、処方データと入院病棟に関する情報に関連付ける(処方の内容に関する情報と、処方自体を識別したり管理したりするための情報(処方番号)と、入院病棟に関する情報を紐づける)。
例えば、図16の例では、投薬日が2019年10月7日となる薬剤が処方された患者を表示対象としている。そして、表示対象となるそれぞれの患者につき、患者を特定する情報(患者ID表示部421f、患者名表示部421gで特定される情報)と、その患者が現在入院している入院病棟を特定する情報(現在病棟表示部421kで特定される情報)を含む表を表示している。
これら検索条件入力領域420に属する各領域は、それぞれ絞り込みの条件を指定する部分である。検索条件入力領域420に属する複数の領域の全てで条件の指定が行われなかった場合には、絞り込みを行わない。また、各領域のうち、複数の領域で条件の指定が行われた場合には、複数の領域でそれぞれ指定された複数の条件の全てを満たすものが表示対象となる。
双方にチェックを入れた場合は、出された処方箋の処方箋区分が「定期」となる患者と「定期以外」となる患者のいずれもが表示対象となる(処方箋区分選択領域420bでの入力に基づく絞り込みを実質的に行わない)。
患者ID入力領域420dは、患者IDを入力可能であり、患者IDが入力された内容となる患者を表示対象とすることができる。
処方箋区分入力領域420eは、処方箋区分を入力可能であり、出された処方箋の処方箋区分が入力された内容となる患者を表示対象とすることができる。
処方病棟入力領域420fは、処方病棟を入力可能であり、処方箋の発行時に入院していた病棟が入力された内容となる患者を表示対象とすることができる。
診療科表示部421h、医師名表示部421iは、それぞれ対象となる患者に処方箋を出した医師の所属する診療科と、その医師の医師名を表示する部分である。
現在病棟表示部421kは、対象となる患者が現在入院している病棟、又は、現在入院予定である病棟を示す情報が表示される部分である。
なお、処方病棟表示部421j、現在病棟表示部421kでは、対象となる病棟がない場合、入院病棟を特定する情報をする情報を表示しない。
以上のことから、処方病棟表示部421jと現在病棟表示部421kを確認することで、患者が転棟したのか否か、現在入院している病棟がいずれであるのかを確認できる。また、過去に入院予定であった患者が、実際に入院したのか否かが確認できる。
すなわち、調剤支援システム1で調剤を行った薬剤を病棟に搬送する際には、外部機器等でその旨が入力される。そして、外部機器等から入力された内容を示す情報が、病棟情報管理装置402に送信され、病棟情報管理装置402で患者データベースの更新が行われる。すなわち、本実施形態の患者データベースには、実際に薬剤を搬送した病棟を特定する情報が、患者を特定する情報に関連付けて記憶される。
すなわち、上記した調剤支援システム1が複数のリスト表示装置408を備えた構造とし、上位制御装置2に病棟情報管理装置402と同様の情報を記憶させ、同様の動作を実行させてもよい。すなわち、調剤支援システム1は、患者データベースを記憶するものとし、患者データベースを更新する動作、関連付け動作、病棟情報表示動作を実行するものとしてもよい。
Claims (10)
- 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、
前記散薬分包手段は、自動散薬分包機と、別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段からなり、
散薬が処方されている場合に、前記自動散薬分包機と前記手動散薬分包手段のうちの一つで前記分包処理が実行されるものであり、
振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ、前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、
前記第一出力動作は、前記振り分け動作による割り当て先を示す情報を出力する動作であり、
前記振り分け動作の結果は、前記分包処理の実行前に変更可能であり、
前記第一出力動作では、指示箋が出力される、調剤支援システム。 - 複数の前記散薬分包手段の少なくとも一つは、前記振り分け動作の実行後、自己に割り当てられた前記分包処理を他の前記散薬分包手段に振り替える振替機能を有し、
前記振り分け動作は、前記分包処理を実行する前記散薬分包手段を永続的又は一時的に決定する動作であり、前記分包処理の振り替えが行われた場合に前記振り分け動作の決定が切り替えられる、請求項1に記載の調剤支援システム。 - 前記第一出力動作の実行後に第二出力動作が実行されるものであり、
前記第二出力動作は、前記振り分け動作で一つの前記散薬分包手段に割り当てた前記分包処理がいずれかの前記散薬分包手段で実行され、その実行が完了されたことを条件として、実際に前記分包処理を行った前記散薬分包手段を特定する情報をユーザが確認可能な状態で出力する動作である、請求項2に記載の調剤支援システム。 - 前記第二出力動作では、前記振り分け動作の後に前記分包処理の振り替えが行われた場合に、振り替え履歴に関する情報を出力する、請求項3に記載の調剤支援システム。
- 前記第一出力動作と前記第二出力動作では、処方された薬剤の薬剤名を示す情報を含む薬剤の鑑査に必要な情報と共に、前記分包処理の振り分けに関する情報を出力する、請求項3又は4に記載の調剤支援システム。
- 前記散薬分包手段の少なくとも一つは、自動散薬分包機であり、
前記散薬分包手段の少なくとも他の一つは、それぞれ別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段であり、
前記自動散薬分包機は、散薬が収容された複数の薬剤容器を保管する容器保管部と、分配皿と、散薬包装装置とを内部に有し、且つ、前記容器保管部に保管された前記薬剤容器から散薬を計量しつつ排出させ、排出させた散薬を直接又は他の容器に一時収容させた後に他の容器から前記分配皿に投入し、前記分配皿から散薬を一包分ずつ前記散薬包装装置に投入して個別包装する動作を自動で実行可能であり、
前記薬剤秤量装置は、対象薬剤を秤量するものであり、
前記散薬分包機は、導入された秤量済みの散薬を一服用分ずつ包装して排出するものであり、
前記振り分け動作では、前記手動散薬分包手段よりも前記自動散薬分包機に優先的に前記分包処理を割り当てる、請求項1乃至5のいずれかに記載の調剤支援システム。 - 前記振り分け動作では、前記振り分け動作の実行時に前記容器保管部に保管されている前記薬剤容器に収容された散薬の情報に基づいて前記分包処理を割り当てる、請求項6に記載の調剤支援システム。
- 前記自動散薬分包機は、自己に割り振られた前記分包処理を他の前記散薬分包手段に振り替える振替機能を有する、請求項6又は7に記載の調剤支援システム。
- 前記第一出力動作は、前記振り分け動作の結果を示す情報を紙媒体に印刷して出力する、又は、外部携帯端末の表示画面に出力する、請求項1乃至8のいずれかに記載の調剤支援システム。
- 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、
散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものであり、
振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ、一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態、且つ、持ち運び可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、一の前記振り分け動作でどの前記散薬分包手段に分包処理が割り当てられたかについての結果を示す情報であって将来変更される可能性がある情報を出力する動作であり、一の前記振り分け動作が完了した直後に実行される動作である、調剤支援システム。
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