JP2023143685A - 薬剤払出し装置及び調剤支援システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023143685000001
【課題】新たな表示装置を備えた薬剤払出し装置を提供することを課題とする。
【解決手段】環状の薬剤投入溝が設けられ動力によって回転される分配皿を有し、前記分配皿に投入された散薬を所定の数に分割し、さらに個別に包装して排出する薬剤払出し装置において、前記分配皿の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台が複数設置されており、当該載置台に薬剤容器を設置し、前記散薬払出し機能によって前記薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入するものであり、表示装置を有し、当該表示装置に前記分配皿と前記載置台を模式的に表示することが可能である薬剤払出し装置。
【選択図】図7

Description

本発明は、散薬を分包する機能を備えた薬剤払出し装置に関するものである。
近年、大病院や、大規模の薬局では、散薬分包機能を備えた薬剤払出し装置が導入されている。
特許文献1に開示された旧来の薬剤払出し装置は、人手によって薬棚から処方された散薬が入った薬瓶等の元容器を取り出し、天秤等の秤を使用して処方された特定の散薬の総重量を量り出す作業を行う必要がある。
本出願人は、この問題に対処するため、特許文献2、3に開示された薬剤払出し装置を実用化した。
特開2000-85703号公報 特開2018-35001号公報 WO2015/076、7/A1号公報
特許文献2、3には、ロボットによって薬剤容器を搬送し、薬剤容器の蓋を開閉する薬剤払出し装置が開示されているが、このような薬剤払出し装置は、装置全体が大型化する場合が多く、小規模の薬局等には導入し難いという問題があった。
そこで本発明者らは、ロボット機構を有さない薬剤払出し装置を試作した。試作した薬剤払出し装置に、従来技術で採用していた表示装置を流用したところ、作業者による運用等において、改善あるいは追加が必要な機能があることが分かった。
本発明は、上記した点に注目し、新たな表示装置を備えた薬剤払出し装置を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するための態様は、環状の薬剤投入溝が設けられ動力によって回転される分配皿を有し、前記分配皿に投入された散薬を所定の数に分割し、さらに個別に包装して排出する薬剤払出し装置において、前記分配皿の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台が複数設置されており、当該載置台に薬剤容器を設置し、前記散薬払出し機能によって前記薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入するものであり、表示装置を有し、当該表示装置に前記載置台を模式的に表示することが可能である薬剤払出し装置である。
本態様の薬剤払出し装置では、表示装置に、実際の装置構成に対応した載置台を模式的に表示することができる。そのため使い勝手がよい。
上記した課題を解決するためのもう一つの態様は、環状の薬剤投入溝が設けられ動力によって回転される分配皿を有し、前記分配皿に投入された散薬を所定の数に分割し、さらに個別に包装して排出する薬剤払出し装置において、前記分配皿の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台が複数設置されており、当該載置台に薬剤容器を設置し、前記散薬払出し機能によって前記薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入するものであり、表示装置を有し、当該表示装置に前記分配皿と前記載置台を模式的に表示することが可能である薬剤払出し装置である。
本態様の薬剤払出し装置では、表示装置に、実際の装置構成に対応した分配皿と載置台を模式的に表示することができる。そのため使い勝手がよい。
上記した態様において、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて特定の載置台を駆動するものであって、作業者が載置台に手動で前記薬剤容器を設置するものであり、前記表示装置によって前記薬剤容器を設置すべき載置台が指示されることが望ましい。
本態様の薬剤払出し装置によると、表示装置によって薬剤容器を設置すべき載置台が指示される。作業者は、表示装置の表示を参照して薬剤容器を載置台に正しく設置することができる。
上記した各態様において、前記表示装置に前記載置台の使用状況が表示されるものであり、当該使用状況には少なくとも次のいずれかの情報が含まれることが望ましい。
(1)当該設置台に薬剤容器が設置されているか否か。
(2)当該設置台に設置されている薬剤容器が今回の処方処理に使用されるものであるか否か。
(3)当該設置台が使用可能であるか否か。
本態様によると、載置台の使用状況を把握することができるので、作業者は手動で薬剤容器を本装置に載置または取り外す際、当該動作を実施すべき正しい薬剤容器の選択ができる。
上記した各態様において、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、前記表示装置に少なくとも次のいずれかの情報を表示可能であることが望ましい。
(1)当該薬剤容器に充填された薬剤の使用期限。
(2)当該薬剤容器に充填された薬剤の処方量。
(3)当該薬剤容器に充填された薬剤の残量。
(4)当該薬剤容器に充填された薬剤の名称。
(5)同一の薬剤が複数の薬剤容器に充填されているか否かの情報。
本態様によると、薬剤容器の状態を把握することができる。
上記した各態様において、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、前記表示装置に、当該薬剤容器が置かれた場所に関する情報を表示可能であることが望ましい。
上記した各態様において、前記表示装置に、一定の作業が終了するまでの時間及び/又は終了する時刻が表示されることが望ましい。
本態様によると、一定の作業が終了する目安を知ることができ、薬剤払出し装置から離れることができる際に戻る時間の目安を知ることができる。
上記した各態様において、異なる載置台に同一の薬剤が充填された薬剤容器を設置可能であり、複数の薬剤容器から順次及び/又は並行して散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入することが可能であることが望ましい。
本態様によると、工程の総時間を短縮することができる。
上記した各態様において、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、前記薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入するものであり、清掃装置を有し、特定の特性を有する薬剤が払い出されて前記分配皿に散薬を導入された場合は、清掃作業が行われるまで、次の処方データに基づく処理が中断されることが望ましい。
本態様によると、危険薬品や色付き薬品を分包した場合、作業者(薬剤師や非薬剤師)に対して、掃除が必須である危険薬や色付き薬を使用したことを認知させることができ、掃除のし忘れによるコンタミネーションのリスクを低減させることができる。
上記した各態様において、前記薬剤払出し装置に付属して及び/又は前記薬剤払出し装置とは別に前記薬剤容器を収容する容器収容部材があり、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、容器収容部材における前記薬剤容器が収容された位置を示唆する表示が前記表示装置になされることが望ましい。
本態様によると、容器収容部材から薬剤容器を取り出す際に間違えにくいだけでなく、取り出す際の場所の特定を早くできる。
上記した各態様において、前記分配皿の近傍に、散薬フィーダが設置されており、当該散薬フィーダに薬剤を投入し、前記散薬フィーダから散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入することが可能であり、前記表示装置に前記散薬フィーダを模式的に表示することが可能であることが望ましい。
本態様によると、散薬フィーダによっても分配皿に散薬を導入することができる。また本態様の薬剤払出し装置では、表示装置に、実際の装置構成に対応した分配皿と載置台及び散薬フィーダを模式的に表示することができる。そのため使い勝手がよい。
上記した態様において、前記薬剤容器内に収容されている薬剤量を記憶する残量記憶手段と、前記薬剤容器の重量を測定して前記薬剤容器内に収容されている現在の薬剤量を検知する現在量検知手段を有し、前記薬剤容器に当該薬剤容器を特定する容器特定手段が付されており、薬剤容器から散薬を払い出すことなく前記現在量検知手段で薬剤容器内に収容されている現在の薬剤量を検知し、現在の薬剤量が前記残量記憶手段に記憶されていた薬剤量と異なることがあった場合、当該薬剤容器を前記載置台に設置しても、前記散薬払出し機能が働かないこととすることができることが望ましい。
本態様によると、不正使用または想定外の使用が疑われる薬剤容器を使用できない状態とすることができる。そのため本態様の薬剤払出し装置は、安全性が高い。
調剤支援システムに関する態様は、前記したいずれかに記載の薬剤払出し装置と、薬剤秤量装置とを有する調剤支援システムであって、前記薬剤秤量装置は、元容器に収納された薬剤の情報を読み取る読み取り手段と、薬剤容器を特定する薬剤容器特定手段と、通信手段を有し、前記元容器から薬剤容器に移された薬剤の量と、元容器に収納されていた薬剤の情報と、薬剤容器の情報とを、前記通信手段によって薬剤払出し装置に送信し、薬剤払出し装置に記憶されることを特徴とする。
本態様によると、充填作業を行った薬際容器の充填後の薬剤量等の更新情報について、薬剤容器を薬剤払出し装置に記憶させることができるので、他の薬剤容器による分包作業を実施中でも充填作業と充填情報の更新が行える。
本発明の薬剤払出し装置は、表示装置を備えており、使い勝手がよい。
本発明の実施形態の薬剤払出し装置の斜視図であって上蓋を開いた状態を示す。 図1の薬剤払出し装置の分配皿周辺の斜視図である。 薬剤容器及び載置台であって薬剤容器を載置台から取り外した状態の斜視図である。 薬剤容器及び載置台であって薬剤容器を載置台から取り外した状態をモデル化して表示した側面図である。 本発明の実施形態の薬剤払出し装置の一形態であり、薬剤容器を収容する第1棚装置と、第2装置棚を備えた構造の正面図である。 本発明の実施形態の薬剤払出し装置の一形態であり、固形薬剤を排出する薬剤フィーダを備えた構造の斜視図である。 表示装置の表示画面の一つであり、分包準備段階の表示である。 表示画面の表示領域を説明するために図7に太線を加筆した説明図である。 表示装置の表示画面の一つであり、一定の作業が終了するまでの時間が表示された例を示す。 表示装置の表示画面の一つであり、薬剤一覧表を表示する画面である。 表示装置の表示画面の一つであり、処方情報を直接的に手入力する際の画面であって、薬剤を不均一に分包する際に表示される画面である。 表示装置の表示画面の一つであり、処方情報を直接的に手入力する際の画面であって、薬剤を均一に分包する際に表示される画面である。 薬剤秤量装置の斜視図である。 薬剤秤量装置を使用して行われる薬剤容器への薬剤充填手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の薬剤払出し装置の分配皿周辺の斜視図である。 第2実施形態の薬剤払出し装置の散薬フィーダの概略の斜視図である。 表示装置の表示画面の一つであり、分包準備段階の表示である。 表示装置の表示画面の一つであり、薬剤容器に散薬を充填する際の表示である。 表示装置の表示画面の一つであり、薬剤容器に散薬を充填し、その充填量を確認する際の表示である。 表示装置の表示画面の一つであり、薬剤容器に散薬を充填したが充填量が異常であった場合の表示である。 表示装置の表示画面の一つであり、薬剤容器の使用状況の一覧表である。 表示装置の表示画面の一つであり、薬剤容器の使用不可状態を解除する画面である。 表示装置の表示画面の一つであり、手動清掃を促すものであって手動清掃のキャンセルを認める設定の画面である。 表示装置の表示画面の一つであり、手動清掃を促すものであって手動清掃のキャンセルを認めない設定の画面である。 (a)は、自動分包モードのみによって分包された場合の印刷物であり、(b)は、散薬手撒きによって分包された場合の印刷物である。 表示装置の表示画面の一つであり、錠剤フィーダに固形薬剤を充填する際の充填画面である。 表示装置の表示画面の一つであり、錠剤フィーダに固形薬剤を充填する際において、充填する資格を持たないものが充填の承認を求める画面である。 次回の処方の分包を自動的に開始させるか否かを設定する設定画面である。 (a)(b)は、散薬準備画面の書誌的事項表示エリアの表示である。 表示装置の表示画面の一つであり、分包準備段階の表示である。
以下、本発明の実施形態の薬剤払出し装置1について説明する。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、筐体8によって囲まれており、その内部は、錠剤手撒き領域300と、散薬分割領域301と、薬剤包装領域302に分かれている。なお本発明においては、錠剤手撒き領域300は必須ではなく、錠剤手撒き領域300が無くてもよい。
筐体8には、図1の様に上蓋(フィーダーカバー)5がある。上蓋5は、図示しないヒンジで筐体8の本体部に取り付けられている。上蓋5には、操作装置3が設けられている。操作装置3は、表示装置10を備えている。表示装置10は、タッチパネルである。
錠剤手撒き領域300には錠剤手撒き装置13が設けられている。なお本発明において錠剤手撒き装置13は必須ではなく、錠剤手撒き装置13が無くてもよい。
錠剤手撒き装置13は公知であるから、簡単に説明する。錠剤手撒き領域300は、上面に枡25がマトリクス状に配置されている。そして薬剤師が処方箋を参照しつつ、手作業で固形薬剤を枡25に入れてゆく。
枡25に入れられた固形薬剤は、所定のタイミングで排出され、散薬と共に包装される。
薬剤包装領域302には、図2に概念的に表示した様に包装機器12が内蔵されている。包装機器12は、薬剤を一服用分ずつ包装する機械であり、分包紙供給装置15(分包紙供給部)と、分包装置16(シール部)を有する。また包装機器12には、分包装置16の上方に、薬剤を投入する散薬投入ホッパ17が設けられている。
作図の関係上、図2の破線による作図では、散薬投入ホッパ17が分配皿20から離れた位置に図示しているが、実際には図2の実線で示した四角形の附番17が散薬投入ホッパ17の上端である。
包装機器12では、ロールペーパーから繰り出された分包紙が印刷機構に導入され、患者名、薬剤名称、服用日時等の情報(処方に関する情報であり、提供する薬剤に関する情報)が印刷される。そして散薬投入ホッパ17から薬剤が投入される。
さらに、薬剤を受け入れた分包紙が、シール部(分包装置16)に導入され、シール部で縦方向と横方向にシールされ、受け入れた薬剤を順次包装していく。これらの動作により、薬剤を一服用分内包した薬剤包装が形成され、薬剤包装が装置外部まで搬送される。
散薬分割領域301は、図2の様に、分配皿20が設置された領域であり、その周辺に載置台32と、自動清掃装置7が配置されている。図2では、載置台32に薬剤容器31が設置された状態が示されている。
自動清掃装置7は、動力によって昇降する清掃用アームを有し、その先端に清掃ブラシ27が設けられたものである。
散薬分割領域301には、掻出装置21が設けられている。
分配皿20及び掻出装置21は公知であり、簡単に説明する。
分配皿20は、「凹溝」とも称される薬剤投入溝22(投入溝)が設けられた円板状の部材である。薬剤投入溝22は、分配皿20の外縁を環状に取り巻いている。分配皿20は、中央に機材収納開口11が設けられている。なお図2ではその大部分が蓋で覆われている。
機材収納開口11に、前記した散薬投入ホッパ17が設置されている。
分配皿20は、一定速度で回転させることができる。また分配皿20は、所定の角度だけ回転させることもできる。
掻出装置21は、掻出用アームの先端に回転板(かき寄せ部材)23が設けられたものである。
本実施形態では、分配皿20の周辺に載置台32が6基、配置されている。説明の便宜上、左側から、第1載置台32a、第2載置台32b、第3載置台32c、第4載置台32d、第5載置台32e、第6載置台32fと称する場合がある。
載置台32は、散薬払出し機能を備えている。本実施形態では、薬剤容器31を振動させる振動手段によって散薬払出し機能が発揮される。
載置台32は、図4の様に、機構上、容器支持部33と、重量測定部35と、土台部38に分けられる。
容器支持部33は、支持台37と、振動部材40(容器保持部)及び加振手段41a,41bを有している。加振手段41a,41bは、圧電素子であり、板状を呈している。この振動部材40及び加振手段41a,41bは、薬剤容器31を振動させる振動装置でもあり、散薬払出し機能を発揮する部材である。
支持台37及び振動部材40は、共に側面形状が「L」型の部材であり、水平部と垂直壁部を有している。
即ち支持台37は、図3、図4の様に、支持側水平部43と、支持側垂直壁部45を有している。
振動部材40は、容器保持部としても機能するものであり、振動側水平部50と、振動側垂直壁部51(縦壁)を有している。振動側垂直壁部51には、薬剤容器31と係合する係合部が設けられている。
支持台37と、振動部材40の間が、二枚の加振手段41a,41bによって接続されている。
振動側水平部50と支持側水平部43との間は実質的に非接触である。従って、加振手段41a,41bに通電すると、振動部材40が振動する。
図4の様に、容器支持部33の下部に重量測定部35が配されている。重量測定部35は、重量測定手段52と防振手段53を備えている。重量測定手段52は、公知のロードセルである。防振手段53は防振部材55を有している。
重量測定手段52に容器支持部33(支持台37、振動部材40、加振手段41a,41b)が接続されている。また土台部38は、重量測定部35の防振部材55を介して、上部の部材(支持台37、振動部材40、加振手段41a,41b)を支持している。
容器支持部33の重量は、重量測定手段52で検知される。防振手段53の重量は、土台部38に掛かるが、重量測定手段52には掛からない。従って、容器支持部33(支持台37、振動部材40、加振手段41a,41b)の重量は、重量測定手段52によって検知される。
図4の様に、載置台32には、薬剤容器31の情報記憶手段65に対して情報の読み取り及び書き込みが可能な情報読書手段66が設けられている。
また載置台32には、ランプ67が設けられている。
薬剤容器31は、散薬が充填される容器であり、その形状は、側面形状が略正方形の直方体である。
薬剤容器31は、正面壁60と、背面壁61と、左右側面壁62と、天面壁63及び底面壁70に囲まれている。
薬剤容器31の底面壁70であって、正面壁60近傍に開閉可能な散薬排出部71がある。
また背面壁61の縦辺と、下部に係合部がある。
薬剤容器31には散薬が充填され、図1、図2の様に、載置台(振動手段)32に固定される。即ち薬剤容器31の背面壁61が容器保持部たる振動部材40の、振動側垂直壁部51(縦壁)と接し、薬剤容器31の底面壁70の一部が振動側水平部50と接し、薬剤容器31の大部分が、片持ち状に張り出した状態で、載置台32に固定される。
また薬剤容器31の係合部が、それぞれ振動部材40と係合している。そのため、薬剤容器31は、振動部材40と一体化されており、振動部材40と共に振動する。
薬剤容器31には情報記憶手段65が設けられている。情報記憶手段65には、薬剤容器31に関する情報(薬剤容器31に収容されている散薬に関する情報)が記憶されている。例えば、収容された薬剤を特定する識別情報(薬剤名や各種コード等の情報 識別番号等)や、収容された薬剤の現在の残量に関する残量情報が記憶されている。情報記憶手段65に記憶された情報は、処方データ等と関連付けて使用可能な情報であり、情報記憶手段65に記憶された情報を取得することで、薬剤容器31に収容された散薬の種類を特定する動作等が可能となる。この情報記憶手段65は、ICタグ等のメモリであってもよい。また、一次元コード(バーコード)や二次元コードのようなコードであってもよく、コードを採用する場合、ラベルに付されていてもよい。本実施形態では、情報記憶手段65としてRFIDタグが採用されている。
また薬剤容器31には、JANコードが添付されている。
なお、載置台32は、上記したように、情報記憶手段65に対して情報の読み取り及び書き込みが可能な情報読書手段66(図4参照)を有する。本実施形態では、この情報読書手段66としてRFIDリーダライタを採用しており、無線通信によって情報記憶手段65に対する情報の読書が可能である。そして、情報記憶手段65からカセット情報を読み取る動作と、薬剤容器31から散薬を払い出した後に残量を書き込む(書き換える)動作が可能となっている。なお、カセット情報は、上記した薬剤容器31に関する情報であり、例えば、薬剤容器31に収容さている薬剤名と残量が挙げられる。また薬剤容器31を特定する識別番号等もカセット情報に含まれる。
本実施形態では、分配皿20の周囲に、載置台32が6基、固定されている。薬剤容器31は、正面壁60側が分配皿20に向かって突き出しており、散薬排出部71は、薬剤投入溝22の真上の位置にある。
制御装置6は、薬剤払出し装置1に内蔵されている。
制御装置6は、CPU及びメモリーを有するコンピュータであり、メモリー(記憶手段)に各手段を実現するコンピュータプログラムが内蔵されている。
また制御装置6のメモリー(記憶手段)には、収容されている薬剤容器31の識別番号や、薬剤容器31に収容されている薬剤に関する情報、薬剤容器31内の薬剤量等が記憶されている。薬剤容器31内の薬剤量は、新規に薬剤が充填された場合や、薬剤が払出された場合には、順次更新されていく。
本実施形態では、制御装置6に制御されて、載置台32の振動、分配皿20の回転、薬剤容器31の重量の常時監視等が行われる。また制御装置6に制御されて、掻出装置21の一連の動作、及び包装機器12の一連の動作が実施される。さらに制御装置6から表示装置10に画像信号を出力される。
制御装置6は、通信機能を有し、外部のサーバーや、後記する薬剤秤量装置120や容器収容部材(棚装置)75、76と相互通信することができる。
その他、本実施形態の薬剤払出し装置1は、自動清掃装置7に加えて、手動清掃装置46を備えている。手動清掃装置46は、掃除機に似た構造であり、手動で保持するノズル47を有している。手動清掃装置46は、スイッチを操作することによって起動し、ノズル47から薬剤の残滓やほこりを吸引する。
また本実施形態の薬剤払出し装置1は、図1の様に、ジャーナル印刷装置48が内蔵されている。ジャーナル印刷装置48は、処理された処方の書誌的事項を紙に印字して排出するものである。
本実施形態の薬剤払出し装置1を使用して薬剤を分包する際には、所定の散薬が充填された薬剤容器31を各載置台32に設置する。この動作は、作業者が手作業で行う。具体的には、処方箋を確認して必要な薬剤を認識し、当該薬剤が収容された薬瓶等の元容器から、薬剤容器31に薬剤を移す。
薬剤容器31を手動で載置台32に装着するという運用において、対象薬品の間違いを防止するため、薬瓶の薬剤情報を表すコードをバーコードリーダー等で処方情報と照合した後、薬剤容器31に薬剤を充填する。
そして薬剤が充填された薬剤容器31を、作業者の手によって載置台32に装着する。
実際には所定の薬剤がそれぞれ個別に薬剤容器31に充填されており、その状態の薬剤容器31が棚等に保管されている。作業者は、棚等から必要な薬剤が充填された薬剤容器31を取り出して載置台32に装着する。
そして操作装置3を操作することにより、一連の分包動作が自動的に実施され、処方データに則った薬剤分包が行われる。
薬剤払出し装置1を使用し、異なる薬剤容器31から分配皿20に薬剤を排出することにより、薬剤の混合を行うことができる。本実施形態の薬剤払出し装置1は、載置台32を6基備えているので、最大で6台の薬剤容器31を設置することができ、最大で6種類の薬剤を混合することができる。
仮に6種類を越える薬剤を混合する必要がある場合には、分包動作を一時的に中断し、薬剤容器31を差し替えることによって対処することができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、自動分包モードと手動分包モードを選択することができる。
(自動分包モード)
自動分包モードにおける分包動作は以下の通りである。
準備段階として、載置台32に、薬剤が充填された状態の薬剤容器31を装着する。薬剤容器31内には、処方データに従って薬剤分包を行うのに十分な量が充填されている。
また薬剤容器31に付された情報記憶手段65の情報を、載置台32近傍の情報読書手段66で読み出し、いずれの載置台32に、いずれの薬剤容器31が装着されているかが制御装置6で判断される。
自動分包モードでは、処方に必要な薬剤が充填された薬剤容器31が装着された載置台32が駆動され、散薬が分配皿20に投入される。具体的には、特定の載置台32の加振手段41a,41bに一定周波数の電流を通電して振動を発生させ、この振動によって振動部材40(容器保持部)を振動させる。
また振動開始と前後して分配皿20を回転させる。
振動開始と前後して、薬剤容器31の重量が測定される。薬剤容器31の重量は、重量測定手段52の検知重量から、一定値を引いたものである。より具体的には、薬剤容器31の重量は、重量測定手段52の検知重量から、容器支持部33の重量を引いたものである。
散薬排出前の薬剤容器31の重量は、原重量Gとして記憶される。また薬剤容器31の重量は、常時監視される。即ち薬剤容器31の現在の重量は、現重量gとして監視される。
振動部材40が振動を開始すると、薬剤容器31が共に振動する。その結果、薬剤容器31に貯留された散薬が、散薬排出部71側に向かってゆっくりと移動する。即ち振動によって散薬払出し機能が発揮され、散薬が散薬排出部71側に向かって移動する。
そして散薬は、散薬排出部71から落下し、下の分配皿20の薬剤投入溝22に入る。
本実施形態では、散薬が薬剤容器31から落下中においても、薬剤容器31の現在の重量が、現重量gとして監視され続けている。そして振動部材40に設置直後の薬剤容器31の原重量Gと、現重量gとを比較し、散薬の落下量H(Gマイナスg)を常時演算している。
そして散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動部材40の振動を停止する。その結果、薬剤容器31からの薬剤排出が停止し、薬剤排出が完了する。
振動部材40の振動が停止(排出が完了)すると、分配皿20に回転停止指示が出され、分配皿20の回転が停止する。
その後、掻出装置21の回転板23を分配皿20の薬剤投入溝22内に落とす。さらにその後、分配皿20を分配個数に応じた角度だけ回転させ、一服用分の散薬を回転板23の前面側に集める。そして回転板23を回転し、散薬を分配皿20の外に掻き出して、散薬投入ホッパ17に投入する。散薬投入ホッパ17から落下した散薬は、包装機器12で一服用分ずつ包装される。
さらに処理された処方の書誌的事項がジャーナル印刷装置48で紙に印字され、排出される。
また分配皿20内の薬剤を全て排出し終えると、自動溝清掃動作が実行される。即ち自動清掃装置7の清掃ブラシ27を降下させ、清掃ブラシ27を分配皿20の薬剤投入溝22内に入れる。
そして清掃ブラシ27を回転しつつ、分配皿20を回転させて薬剤投入溝22内が清掃される。さらに掻出装置21についても自動的に清掃される。
(手動分包モード)
旧来の散薬分包装置は、前記した様にホッパにあらかじめ秤量した散薬を入れ、分配皿を回転しつつ振動装置を振動させて、ホッパからトラフを経由して分配皿に散薬を導入するものであるが、本実施形態の薬剤払出し装置1も同様の機能を備えている。手動分包モードは、旧来の方法に似た方法で薬剤払出し装置1を使用する動作モードである。
即ち、手動分包モードでは、薬剤払出し装置1の外部で薬剤必要量を秤量して薬剤容器31に収容し、作業者が手動で載置台32に装着する。
そして、当該載置台32を駆動して薬剤容器31を振動させ、薬剤容器31内の薬剤を全量、分配皿20に導入する。尚、手動分包モードで使用される薬剤容器31を、通常の薬剤容器31と区別するために手差しカセットと称する場合がある。
手動分包モードでは、薬剤容器31内の全ての散薬が払い出され、薬剤容器31の重量の変化が無くなると払い出しが完了したと判断し、分配皿20に回転停止指示が出されて分配皿20の回転が停止する。
その後の動作は、前記した自動分包モードと同じである。
手動分包モードでは、原則として薬剤容器31の重量変化を監視せず、薬剤容器31(手差しカセット)内の散薬を全て払い出すが、自動分包モードと同様に、薬剤容器31の重量を測定し、散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動部材40の振動を停止する構成としてもよい。
この構成によると、散薬の分包量を二重に確認することができる。
仮に、薬剤容器31に充填されていた散薬の量が過剰であった場合は、薬剤容器31手差しカセット)から散薬を回収してもよいし、薬剤容器31(手差しカセット)をそのまま載置台32に残しておいてもよい。
薬剤容器31に充填されていた散薬の量が過剰であり、且つ、手動分包モードで使用された薬剤容器31(手差しカセット)をそのまま載置台32に残しておく場合には、今回充填した薬剤容器31(手差しカセット)を通常の薬剤容器31として使用してもよい。
例えば薬剤容器31が、通常の薬剤容器31と手差しカセットとして使用されるものとに区別されており、それが薬剤払出し装置1等に登録されている場合には、その登録を変更することが望ましい。
余剰の散薬の回収は、薬剤容器31から分配皿20に対して散薬を配分した後であってもよく、散薬の配分前であってもよい。
例えば、配分前に薬剤容器31を載置台32に載置して、薬剤容器31の重量を測定した際、薬剤容器31に必要以上の散薬が充填されていた場合は、その余剰分を計算して入力し、回収動作を実行しても良い。
ここで回収動作とは、本実施形態の薬剤払出し装置1の機能の一つであり、分配皿20に排出された散薬を回収する動作である。具体的には分配皿20に配分された散薬を分配皿20の外に掻き出して散薬投入ホッパ17に投入し、包装機器12で包装して薬剤払出し装置1の外に取り出される。取り出された薬剤は、再利用される場合もあり、廃棄される場合もある。
回収動作を活用する場合は、余剰分の散薬を薬剤容器31から分配皿20に排出し、その散薬を分配皿20の外に掻き出して薬剤払出し装置1の外に取り出す。
こうしておくことによって、薬剤容器31内には必要分しか残っていないこととなるため、実際の分包動作時には、薬剤容器31内の全薬剤を払い出す払い切り動作を実行することができる。
なお、配分後に余剰分を回収する場合は、処方量を計測しながら払い出す通常動作をしなければならないため、所定の時間がかかるが、前記配分前に回収した場合には払いきりであるので計測する必要がない事から、分包時の速度は速くなる。
回収した薬剤包装には、元瓶に戻すためにGS1コードやJANコードなどの薬剤を特定する識別情報や、ロットNo.、有効期限等を含んだコードが分包紙に印字されることが望ましい。また回収包と元瓶の識別コードを照合することで、照合が一致した時にOK等に表示をして戻す行為を承認するようにしても良い。
手動分包モードでは、原則として薬剤容器31の重量変化を監視しないが、載置台32に薬剤容器31が設置された直後に薬剤容器31の重量を測定し、内部に充填さている薬剤量を払い切るかどうかを判定する機能を設けてもよい。
払い切るかどうかを判定するための条件を設定し、薬剤容器31が設置された直後に薬剤容器31の重量を測定した結果、払い切る動作を実行できる条件の範囲内である場合には払い切り動作を実行し、条件を下回る場合は、薬剤容器31内の薬剤が処方量に比べて不足する場合であるため、手動分包動作が起動しない制御をする。これに代わって、またはこれに加えて、薬剤不足を促す表示や警告を表示装置10に表示することも推奨される。なお、前記払い切り動作を行える条件は、対象の薬剤カセットの薬剤が処方として要求される量の±0.5%までであることが好ましい。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、親子カセットと称される薬剤容器31のグループを使用して薬剤分包を行うことができる。消費量が多い薬剤を複数の薬剤容器31に入れたグループ化したものであり、親子カセットは、同一の薬剤が充填された薬剤容器31である。
一つの薬剤容器31中の散薬が処方された量に対して不足する場合、複数の載置台32にそれぞれ親子カセットの薬剤容器31を設置して分包を行う。
ここで薬剤容器31から散薬を払い出す順番として、遷移払い出し方式と、同時払い出し方式があり、本実施形態では双方の方式を選択的に利用することができる。
遷移払い出し方式は、一つの薬剤容器31が空になったら次の薬剤容器31(親子カセット)から散薬を排出する払い出し方式である。同時払い出し方式は、各薬剤容器31からの排出量をあらかじめきめておいて複数の薬剤容器31(親子カセット)から同時に払い出す払い出し方式である。
ただし使用期限が近いものがある場合には、近いものが入っている薬剤容器31から全量払い出し、残りをもう一方から払い出す。
薬剤払出し装置1は、図1の様に単体で使用することもできるが、図5の様に薬剤容器を収容する棚装置75、76を追加してもよい。図5では、二つの棚装置75、76を有している。第1棚装置75は、薬剤払出し装置1の付属品であり、薬剤払出し装置1の背面に一体的に取り付けられている。第2棚装置76は、薬剤払出し装置1から独立している。
棚装置75、76には、マトリクス状に仕切られた区画78があり、当該区画78内に薬剤容器31が一個ずつ収納される。
各区画78には、RFIDリーダ等の情報読み取り装置(図示せず)があり、収容されている薬剤容器31のRFIDから情報を得て、区画78内の薬剤容器31が何であるかを認識することができる。
そして通信手段等によって、いずれの棚装置75、76のいずれの区画78に、いずれの薬剤容器31が収容されているのかという情報が、薬剤払出し装置1に送信される。
また棚装置75、76の各区画78にはランプ82が設けられている。
また図6の様に固形薬剤を排出する錠剤排出ユニット80を追加することもできる。
錠剤排出ユニット80は、錠剤フィーダ81群を有するものである。錠剤フィーダ81は、錠剤やカプセル等の固形薬剤を収容し、必要な量を払い出すことができるものである。
錠剤フィーダ81から排出された固形薬剤は、図示しない経路を通過して、薬剤払出し装置1に入り、薬剤包装領域302で散薬とともに包装される。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、外部から処方データが入力され、当該処方データが、制御装置6のメモリーに記憶され、蓄積されて行く。そして蓄積された処方データを読み出し、処方データに基づいて薬剤を分包してゆく。
即ち、処方データに基づいて特定の載置台32を駆動し、載置台32を振動させて薬剤容器31から分配皿20に散薬を導入する。
また薬剤払出し装置1に直接的に処方データを入力して分包動作を行わせてもよい。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、表示装置10に特有の画像を表示することができる。
以下、表示画面について説明する。
(散薬準備画面1)
図7は、薬剤払出し装置1において、自動分包モードを実施する際における散薬の準備画面である。
準備画面は、図8の様に、6つの表示エリアに分かれている。なお図7は、実際の表示画面であり、図8は、表示エリアの境界を明確にするために太線を加筆したものに過ぎず、図8の記載内容は図7と同じである。
具体的には、現状表示エリア100、書誌的事項表示エリア101、次回処方表示エリア102、載置台情報表示エリア103、薬剤容器情報表示エリア105、操作エリア106に分かれている。
現状表示エリア100は、画面の上方に設けられた細長い領域であり、薬剤払出し装置1の今の動作状況を示す文言や、作業者の作業を促す文言が文字表示される。
図7、8では、作業者の作業を促す文言として、「以下の散薬カセットをフィーダにセットし、フィーダーカバーを閉じてスタートボタンを押してください。」という表示がなされている。なお、フィーダーカバーは、上蓋5をさしている。散薬カセットは、薬剤容器31を意味し、フィーダは、載置台32を意味する。
表示される文言は、限定されるものではないが、例えば、次の様なものがある。
(条件1)
分配皿20が清掃中である場合。
(表示文言1)
「R円盤掃除中につき、フィーダーカバーオープン不可。掃除完了までしばらくお待ちください」
(条件2)
薬剤容器31から散薬が排出されている場合。
(表示文言1)
「散薬秤量中につき、フィーダーカバーオープン不可。秤量完了までしばらくお待ちください」
(条件3、条件4)
動作完了目安が機械動作停止不可時間以下である場合。
秤量中、掃除中以外の要因で上蓋5を開くことが適切ではない場合
(表示文言3)
「機械動作中につき、フィーダーカバーオープン不可。機械動作完了までしばらくお待ちください」
本実施形態の薬剤払出し装置1では、現状表示エリア100に、今の動作状況を示す文言や、作業者の動作を促す文言が文字表示されるので、操作に不慣れな作業者であっても混乱なく作業を進めることができる。
書誌的事項表示エリア101は、画面の左に設けられた正方形に近い領域であり、表示されている画面が、どの処方に対応したものであるのかが特定されている。
書誌的事項表示エリア101には、今回の処方の書誌的事項が表示される。
書誌的事項は、処方対象、患者名、患者識別番号、包装数、診療科、用法が表示される。
図示した表示画面では、処方対象として「今回処方(分割1/3)」が表示されている。この表示は、分割処方(朝・昼・夕食後)に分けて分包するうちの朝の処方であることを示している。
分割処方でない場合には、単に「今回処方」と表示される。
所定の操作を行うことで、次回以降の処方に関する表示を行うこともできる。この場合には、例えば「次回処方」というような表示がなされる。
図示した表示画面は、朝・昼・夕食後というような一日量を3分割して服用する場合の表示であるが、例えば、月・火・水と言うように一定量を数日に分けて分割する場合もある。この場合にも「今回処方(分割1/3)」と表示される。また薬包の数を分割する場合にも「今回処方(分割1/3)」と表示される。分割数は3分割に限定されるものではなく、2分割でもよく、4分割以上であってもよい。
図示された表示画面では、患者名として「湯山太郎」、包装数として「包数:9」患者識別番号として、「患者ID:9999999999」、診療科として「診療科:」、用法として「用法:朝・昼・夕食後」が表示されている。
次回処方表示エリア102は、書誌的事項表示エリア101の下に設けられた長方形の領域である。
指示された薬品の薬剤容器31が全て載置台32に取り付けられた際、次回処方がありその薬品が充填された薬剤容器31を残りの載置台32に装着可能な場合に表示される。
例えば、載置台32が6基あり、処方に要する薬剤が2種類である場合、今回の分包に必要な薬剤容器31を載置台32に装着しても、空の載置台32が4基残る。
次回に処理すべき処方があり、その処方に要する薬剤容器31を空状態の載置台32に予め設置することができる場合に、「次回処方あり」の表示がなされる。
載置台情報表示エリア103は、分配皿20とその周辺の載置台32を模式的に図示表示したものである。
載置台情報表示エリア103には、分配皿20をイメージした円26が表示されており、その周囲に載置台32をイメージした長方形28が6個描かれている。
各長方形28の位置は現実の載置台32の位置に対応している。各長方形28に付された番号は、現実の載置台32の番号に対応している。即ち載置台32をイメージした長方形28に付された番号1乃至6は、第1載置台32a、第2載置台32b、第3載置台32c、第4載置台32d、第5載置台32e、第6載置台32fに対応している。
また各長方形は、使用状況に応じて異なる表示がなされている。
本実施形態では、使用状況に応じて次の様に色分けされている。
黄色:処方に必要な薬剤容器31が装着されている載置台32。
無色:使用可能であるが、薬剤容器31が装着されていない載置台32。
緑色:その他の薬剤容器31が装着されている載置台32。
灰色:使用不可の載置台32。
色の組合せは任意であり、限定されるものではない。また色表示に代わって、番号表示や記号表示等の他の識別方法を採用することもできる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、表示装置10に載置台32の使用状況が色分けして表示されるものであり、使用状況には次の情報が含まれている。
(1)当該載置台32に薬剤容器31が設置されているか否か。
(2)当該載置台32に設置されている薬剤容器31が今回の処方処理に使用されるものであるか否か。
(3)当該載置台32が使用可能であるか否か。
また黄色の表示及び無色の表示は、薬剤容器31を設置すべき載置台32を指示するものである。無色の表示の載置台32に薬剤容器31が装着されると、色が無色から黄色に変わる。
そのため、本実施形態の薬剤払出し装置1では、表示装置10によって薬剤容器31を設置すべき載置台32が示される。
またこれに対応して、指示された載置台32のランプ67が点灯する。
本実施形態で採用する表示装置10は、載置台32のレイアウトが図示され、さら載置台32の使用状態や、薬剤容器31を設置すべき載置台32が視覚によって明確にわかるので、使い勝手がよい。
薬剤容器情報表示エリア105は、表示画面の中央を占める広い領域である
本実施形態では、処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器31が特定され、当該薬剤容器31が、薬剤容器情報表示エリア105にリストアップされる。
そして、リストアップされた薬剤容器31の場所に関する情報と、薬剤容器31内の薬剤の状態に関する情報が、直接的に又は間接的に表示される。
薬剤容器情報表示エリア105は、表になっており、表題として次の項目が記載されている。
「保管場所」、「使用期限」、「処方量」、「在庫量」、「明細」。
「保管場所」は、当該薬剤容器31のありかを示唆するものである。ここで「示唆する」とは、薬剤容器31の場所を直接的に示す場合や、大まかな場所を示す場合を含む。
いずれにしても、「保管場所」は、薬剤容器31が置かれた場所に関する情報を表示する欄である。
本実施形態では、表示される候補として、「1号」の文字と「マス目の図形」、「2号」の文字と「マス目の図形」、「手差し」の文字、「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ番号」、「管理外」の文字、「配分済み」の文字、「分割」の文字がある。
それぞれが意味するところは次の通りである。なお「配分済み」の文字は、図7、図8にはなく、後記する条件を満足する場合に表示される文言である。
(1)「1号」の文字と「マス目の図形」
「1号」の文字は、対象の薬剤容器31が、図5の第1棚装置75にあることを示している。またマス目の図形は、第1棚装置75の大まかな位置イメージを示しており、色違いの部分は、薬剤容器31の位置を大まかに示すものである。即ち、マス目の図形は9区画であるのに対し、第1棚装置75の区画78は、それよりも多く、合致しない。色違いの部分は、第1棚装置75のどのあたりに対象の薬剤容器31があるかを大まかに示すものである。
前記した様に、第1棚装置75の各区画には、RFIDリーダ等の情報読み取り装置(図示せず)があり、収容されている薬剤容器31が何であるかを認識することができる。そして通信手段等によって、いずれの棚装置75、76のいずれの区画78に、いずれの薬剤容器31が収容されているのかという情報が、薬剤払出し装置1に送信される。
薬剤払出し装置1の制御装置6は、処方データから必要な薬剤容器31を選定し、第1棚装置75から送信された薬剤容器31の配置データと照合してマス目の図形を完成させ、「保管場所」の欄に表示する。
(2)「2号」の文字と「マス目の図形」
「2号」の文字は、対象の薬剤容器31が、図5の第2棚装置76にあることを示している。またマス目の図形の意味は、「1号」の「マス目の図形」と同じである。
(3)「手差し」の文字、
手動分包モードで動作させる場合に表示される文字である。
前記した様に、手動分包モードでは、外部で薬剤必要量を秤量して薬剤容器31に収容し、その全量を分配皿20に導入するものであるから、専用の薬剤容器31は無い。
(4)「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ番号」
載置台32に、分包に使用する薬剤容器31が装着されている場合に表示される文字である。ここでフィーダ番号は、載置台32を特定する識別番号である。
前記した様に、薬剤容器31には情報記憶手段65が取り付けられており、当該情報記憶手段65に、薬剤を特定する識別情報が含まれている。また薬剤容器31が設置された
載置台32は、RFIDリーダライタを有しており、薬剤容器31に収容されている薬剤名を知ることができる。
本実施形態では、載置台32に装着された薬剤容器31内の薬剤が、処方データに合致するものである場合、「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ番号(薬剤容器31の識別番号)」が表示される。
(5)「管理外」の文字
当該薬剤容器31の所在が把握できない場合に表示される文字である。
多くの場合、棚装置75、76に存在せず、載置台32にも設置されていな場合に表示される。
(6)「配分済み」の文字
前記した様に、「配分済み」の文字は、図7、図8にはない。「配分済み」は、対象の薬剤容器31が、既に配分済みの薬剤を収容しているものである場合に表示される文字である。
(7)「分割」の文字
例えば朝に服用する薬剤と、昼に服用する薬剤が異なるものである場合がある。同一の処方において、必要な薬剤が収容されているが、今回の分包動作では使用しない薬剤については、「分割の文字」が表示される。
「使用期限」の欄には、薬剤容器31に充填されている薬剤の使用期限、もしくは薬剤容器31への充填日が表示される。
薬剤容器31に異なる使用期限の薬剤が充填されている場合には、充填された散薬の使用期限の内、一番近い値が表される。
本実施形態では、薬剤容器31の保管場所を示すものとして、棚装置75、76のイメージ図を採用したが、これに加えて、またはこれに代わって、棚装置75、76の区画78の番号を表示装置10に表示してもよい。またこれに合わせて、棚装置75、76の区画78に設けられたランプ82を点灯させてもよい。
また分配動作が終了して薬剤容器31を載置台32から取り外し、棚装置75、76に戻す際に、戻すべき棚装置75、76の区画78に設けられたランプ82を点灯させてもよい。この際には、表示画面に、薬剤容器31を戻す位置を示すものとして、棚装置75、76のイメージ図を表示画面に表示したり、棚装置75、76の区画78の番号を表示することが望ましい。
さらに、薬剤容器31を載置台32から取り外したのち、一定の時間が経過しても、薬剤容器が棚装置75、76に戻されていない場合には、注意を促す表示を表示装置10に表示したり、音声で知らせることも推奨される。
「処方量」の欄には、対象薬品の処方量が表示される。
「在庫量」の欄には、薬剤容器31内における対象薬品の在庫量を表示する。
手動分包モードで使用される薬剤容器においては、例えば、「-」が表示される。
「明細」の欄には、原則として対象薬品の名称が表示される。
同一の薬剤が充填された薬剤容器31(親子カセット)が他にある場合には、一つの薬剤容器については対象薬品の名称が表示され、親子カセットについては、薬剤容器31の識別番号のみが表示される。
この様に、薬剤容器情報表示エリア105では、次の情報を表示することができる。
(1)当該薬剤容器に充填された薬剤の使用期限。
(2)当該薬剤容器に充填された薬剤の処方量。
(3)当該薬剤容器に充填された薬剤の残量。
(4)当該薬剤容器に充填された薬剤の名称。
(5)同一の薬剤が複数の薬剤容器に充填されているか否かの情報。
また作業者に対する注意喚起の程度に応じて、各列の色分けが行われる。作業者に知らせなければならない事項がある場合には、目立つ色に色分けされる。
表示画面の薬剤表示の第1列は、「保管場所」「使用期限」「処方量」「在庫量」「明細」の順に「手差し」「2021/06/04」「10.00g」「-」「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」と表示されている。
この薬剤容器31は、手動分包モードで使用するものであり、注意喚起の要求度は低い。そのためこの欄は、例えば薄い青で表示される。
続く第2欄は、「1号」の文字と「マス目の図形」「2021/06/04」「10.00g」「5.00g」「アトックドライシロップ40?」と表示されている。
この欄の薬剤は、作業者に知らせなければならない事項があり、表に特別の表示がなされる。
本実施形態では、この欄は例えば赤色で表示され、目立つ色分けがなされる。
当該欄のアトックドライシロップ40?は、処方に必要な薬剤量が10.00グラムであるにも関わらず、薬剤容器31内には、5.00グラムしか在庫がない。
この様な薬剤容器31の欄は、他とは異なる色、例えば赤色に着色され、例えば薬剤容器31に薬剤を追加充填するよう注意が促される。作業者は、この表示によって注意が喚起され、追加充填等の必要な処置を講じる。
続く第3欄は、「OK フィーダ1」「21/06/04」「10.00g」「50.00g」「S-M配合散」と表示されている。
この薬剤容器31は、注意喚起の要求度は低い。本薬剤容器31は、すでに載置台32に装着されているので、例えば黄色で表示される。
色の組合せは任意であり、限定されるものではない。例えば、使用期限が切れているか切れていないかの条件の下で色を変えてもよい。更には、「充填」の表示有無に関し、事前欠品時のみ表示するか常時表示状態として、背景色の違いで使用期限や在庫量が処方量を上回っているか否かの違いによって状況が分かるよう変化させてもよい。また色表示に代わって、番号表示や記号表示等の他の識別方法を採用することもできる。
続く第4欄には、「親子カセット」「不足量:20.00g」「幼児用PL顆粒」と表示されている。
この表示、載置台32に「幼児用PL顆粒」が充填された薬剤容器31が装着されたが、薬剤量が不足している場合であって、他の薬剤容器31に同じ薬剤が充填されている(親子カセットと称される)ものがある場合を示している。
そして、その下の欄に、親子カセットについての情報が表示されている。
図7に示す表示画面の薬剤容器情報表示エリア105には、分割を含めて4種類の薬剤が表示されている。
表示すべき薬剤が多い場合は、画面をスクロールすることによって全てを表示することができる。
操作エリア106は、表示画面の下辺の領域である。
操作エリア106には、次回処方あり、フィーダーカバーロック解除、スタート、 処方キャンセルの表示がある。「次回処方あり」、の表示は、次回処方が存在するという事実を示す表示である。これらの表示はタッチスイッチであり、触れると各表示に従った動作が実行される。即ち、「フィーダーカバーロック解除」に触れると、上蓋5の施錠が解除される。「スタート」に触れると分包動作が開始される。「処方キャンセル」に触れると、表示されている処方がキャンセルされる。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、分包動作が行われている際に上蓋5が施錠されるが、分包動作が行われている際に上蓋5が施錠されない構造であってもよい。また上蓋5の施開錠を個別の操作で行い、例えば薬剤払出し装置1の内部に触れられたくない場合に上蓋5を施錠することができる様な構成であってもよい。
(錠剤準備画面)
前記した様に、薬剤払出し装置1に固形薬剤を排出する錠剤排出ユニットを追加することもできる。図9は錠剤排出ユニットを備えている場合における錠剤準備画面である。
図示する表示画面において特記するべき点は、画面右端の近傍に、分包作業が終了するまでの時間が表示されることである。
即ち、図示された表示画面では、画面右端の近傍には、「次回カセット可能時間まで 約5分40」という表示がある。ここで「次回カセット可能時間」とは、一連の分包動作が終了して次の処方を実施するために薬剤容器31を入れ替えることができるまでの時間であり、一定の作業が終了するまでの時間の一例である。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、手動で薬剤容器31を置き換えるものである。
従って、一つの処方に基づく分包動作が終了し、次の処方を処理するに際して、薬剤容器31を差し替えることが必要となる場合がある。
ここで、一連の分包動作が終了して次の処方を実施するために薬剤容器31を入れ替えることができるまでの時間を知ることができれば、その間に他の作業を行ったり、装置から離れることもできる。即ち、待ち時間を有効に利用することができる。
本実施形態はこの課題を解決するものであり、一連の分包動作が終了して次の処方を実施するために薬剤容器31を入れ替えることができるまでの時間を表示することができる。
本実施形態の薬剤払出し装置では、各載置台32に必要な薬剤容器31を設置した後、上蓋5を閉じる。その状態で、前記したスタートスイッチに触れると、上蓋5が施錠されて分包動作が始まり、さらに清掃動作が実施される。
即ちスタートスイッチに触れると、特定の載置台32が駆動され、薬剤容器31内の散薬が分配皿20に投入される。これと並行して分配皿20が回転する。所定量の散薬が投入されると、載置台32の振動が停止し、分配皿20も停止する。その後、掻出装置21によって散薬を分配皿20の外に掻き出し、散薬投入ホッパ17に投入し、包装機器12で一服用分ずつ包装される。
また分配皿20内の薬剤を全て排出し終えると、自動溝清掃動作が実行され、さらに掻出装置21の清掃が行われる。
「次回カセット可能時間」は、原則的にいま現在から、清掃作業が完了するまでに要する時間である。
ただし、複数回配分と称し、同じ薬剤を使用して薬剤分包を行う場合がある。この場合は、最終回の分包が終了したときに清掃作業を実施し、例えば一回目の分包が終了して2回目の分包を行う際には分配皿20等の清掃を行わない。そのため複数回配分を行う場合における「次回カセット可能時間」は、分配皿20への散薬供給と、掻き出しを必要回実施し、さらに最後に清掃作業を行い、当該清掃作業が完了するまでに要する時間である。
分包動作は、スタートスイッチに触れることを契機として開始されるから、開始時点においては、原則的にスタートスイッチに触れてから、清掃作業が完了するまでに要する時間であり、時間の経過とともに、表示時間が減少してゆく。
「次回カセット可能時間」に代わって「次回カセット可能時刻」を表示してもよい。即ち、清掃作業が終了する時刻を表示してもよい。
本実施形態では「次回カセット可能時間」を表示するが、他の時間や時刻を表示してもよい。例えば、薬剤容器31から薬剤が払出し終わるまでを、一定の作業が終了するまでの時間として表示してもよい。また分配皿20から薬剤を掻き出すのに要する時間を表示してもよく、包装に要する時間を表示してもよい。
また前記した親子カセットを使用する場合には、薬剤容器31から散薬を払い出す順番として、遷移払い出し方式と、同時払い出し方式があり、本実施形態では双方の方式を選択的に利用することができるが、いずれの払出し方式を採用する場合であっても原則的にいま現在から清掃作業が完了するまでに要する時間が、「次回カセット可能時間」である、
「次回カセット可能時間」の決定方法として、大きく演繹的手法と、帰納的手法が考えられる。
前者の演繹的手法は、工程に要する時間を各種の係数から予想し、それの合計時間を「次回カセット可能時間」とする方法である。帰納的手法は、現実に要した時間と、これからの作業量から工程に掛かる時間を予想し、それの合計時間を「次回カセット可能時間」とする方法である。
一連の分包動作において、大きな変動要素となる工程は、載置台32を振動させて薬剤容器31から所定量の散薬を排出する払出し工程に要する時間である。
演繹的手法は、対象となる散薬の粒子径や、粘り等の性状から、一定強度の振動を加えた際における流れやすさを係数化し、この係数と、必要な薬剤量から払出し工程に要する時間を演算する。
これに対して帰納的手法は、実際に薬剤容器31から散薬が排出されている最中に、単位時間あたりの排出量を検出し、その値と、必要な薬剤量から払出し工程に要する時間を演算する。
前者の演繹的手法は、スタートボタンに触れると同時に、「次回カセット可能時間」を表示することができるという利点がある反面、予想時間の正確性にかけるという欠点がある。
後者の帰納的手法は、予想時間の正確性に優れるものの、薬剤容器31から一定量の散薬が排出するまで演算を開始することができず、「次回カセット可能時間」が表示されるまでに待ち時間を要するという欠点がある。
本実施形態の解決しようとする課題が、待ち時間を有効利用することに鑑みると、前者の演繹的手法を採用することが推奨される。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、前記した図6の様に固形薬剤を排出する錠剤排出ユニット80を追加することもできる。
それに伴い、表示装置10に錠剤の薬剤一覧表を表示させることができる。
本実施形態では、図10の様に、左上に「散薬」の文字表示と「錠剤」の文字表示があり、いずれかの文字表示に触れることにより、薬剤一覧表を散薬を対象とするものと、固形薬剤を対象とするものに切り替えることができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、処方情報を直接的に手入力することもできる。また本実施形態では、薬剤を均等に分配することもでき、不均等に分配することもできる。
処方を直接入力する場合には、表示画面に図10の様な薬剤一覧表を表示させる。
そしてこの表示画面を見て、必要な薬剤を選択する。図10では、ツムラ補中益気湯と、テオドール顆粒20パーセント、ノイエル細粒40パーセント、PL顆粒が選択された状態の画面である。
選択後右下の「決定」にタッチすると、図11又は図12の画面に遷移する。
図11は、薬剤を不均等に分配する場合の表示画面である。
ここでは、図11の様に、用法欄に「朝食後 昼食後 夕食後 分3-10日分と記入されている通り、1日服用分が3回に分けられる。そのため一回量の欄には、「朝食後 昼食後 夕食後」の3回の各服用時期における服用量がその量が任意に入力される。そして用量の欄にはその合計である3gが表示される。
例えば図11のように、一回量の欄に、各回の一回の服用量を記載する。
その後、決定の欄に触れると、処方が決定され、記入された量の薬剤が、分包される。
なお、一回量の欄の合計が、用法欄の記載と一致しない場合は、エラーが表示される。
図12は、薬剤を均等に分配する場合の表示画面である。
ここでも上記した不均等処方を表す図11と同様に「朝食後 昼食後 夕食後」の分3-10日分の処方が出されているので、1日服用分が3回に分けられる。しかしながら、均等処方であるため、前記1回量は全て同じ量であり、一回量の欄には同じ量を表す数字が入ったり、同じ量が入ることとなるため、入力の有無のみを表す数値の「1」や「○」といった記号のみを該当服用時の欄に入力されても良い。
尚、一回量の欄はユーザの設定により左端の欄を「朝食後」とせずに「起床時」と設定しても良く、ユーザの運用に応じて適宜変更合できるものである。本実施形態では一回量の欄を8マスもうけてあるので、最大で8回分、即ち一日の服用を8回分けた処方まで対応できる表記となっている。
次に、本実施形態の薬剤払出し装置1が備えるその他の機能について説明する。
(優先順位決定機能)
本実施形態の薬剤払出し装置1は、前記した様に、処方データが蓄積されるものであり、原則として処方データの入力順に、分包作業を実施する。
しかしながら、本実施形態の薬剤払出し装置1は、錠剤手撒き装置13が内蔵されており、固形薬剤を包装することもできる。
ここで錠剤手撒きは、処方箋を参照しつつ各枡25に個別に薬剤を入れる作業であり、作業できるのは薬剤師に限られ、非薬剤師がこの作業に係ることはできない。
これに対して、薬剤容器31を使用して行う自動分包モードの散薬分包や、錠剤フィーダのみによる錠剤分包は、非薬剤師でも実施することができる。
要するに、薬剤払出し装置1を使用する場合であっても、作業者が薬剤師に限定される処方や薬剤師の介入が必要な処方と、非薬剤師でも実施又は完結することができる作業がある。
そのため、原則通り処方データの入力順に分包作業を実施すると、作業者の入れ替わりが必要な場合がある。現実的には、薬剤払出し装置1を使用すれば、非薬剤師でも大半の分包作業を行うことができ、非薬剤師が薬剤払出し装置1の前に立って作業を行うこととなる。
しかし、錠剤手撒き作業を要する処方の順番が回ってくると、作業者が薬剤師に変わらなければならない。そのため作業者は、作業が中断されることとなる。また薬剤師が到着するまで、薬剤払出し装置1の作業が中断する。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、この問題を解決するものであり、処方データから、非薬剤師が係ることができる処方を選び出し、この処方を優先して実施する。
例えば薬剤師しかできない処方データには、タグをつけておく。
そして薬剤師の時間がとれる状態となれば、タグが付けられた処方データを検索し、まとめて処理する。
また、錠剤の手撒き作業が必要な処方、または散薬の手差しカセットを使用する処方がある場合において、非薬剤師がすでにログインしている場合は、当該処方を保留とした状態で、非薬剤のみで完結できる他の処方を取り込むようにしてもよい。
本実施形態の薬剤払出し装置1によると、作業者の時間を有効的に利用することができる。
(清掃待機機能)
薬剤には、麻薬、毒薬、向精神薬、劇薬等のハイリスク薬剤があり、これらの薬品のコンタミネーションは、厳に防止しなければならない。
そのため、本実施形態の薬剤払出し装置1で、ハイリスク薬剤を分包した際には、分配皿20等を厳重に清掃した後に、次の処方の処理に移行するべきである。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、前記した様に、自動清掃装置7に加えて手動清掃装置46を備えており、ハイリスク薬剤を分包した際には、手動清掃装置46も使用して手動清掃すべきである。
また仮に毒性が低くても、色付きの薬剤を分包した後に白色の薬剤を分包すると、後の薬剤に色移りすることがある。
そこで本実施形態では、ハイリスク薬剤や、色が濃い薬剤のデータに、清掃確認散薬フラグを付けて、これらの薬剤を他の一般的な薬剤と区別する。
そして、上記した様な特定の特性を有する薬剤が払い出されて分配皿20に散薬を導入された場合は、手動清掃装置46による手動清掃が行われるまで、次の処方データに基づく処理が中断される。
また手動清掃装置46の使用を促す表示がなされる。
手動清掃装置46が使用されたか否かの判断(以下、清掃確認という場合がある)は、確認スイッチを設けて当該確認スイッチを操作したことをもって、手動清掃装置46が使用されたと判定することが考えられる。あるいは手動清掃装置46が起動されたことによって、手動清掃装置46が使用されたと判定することが考えられる。
また手動清掃装置46のONとOFFの両方が検知されることによって手動清掃装置46が使用されたと判定することも可能であり、手動清掃装置46がONされた後に所定時間経過後にOFFされたことを検知することによって手動清掃装置46が使用されたと判定することも可能である。
(手動清掃の強制及び強制解除)
前記した様にハイリスク薬剤を分包した際には、分配皿20等を厳重に手動清掃した後に、次の処方の処理に移行するべきであり、本実施形態の薬剤払出し装置1では手動清掃装置46の使用を促す表示がなされる。
しかし手動清掃を行うか否かの判断は、薬局の方針にゆだねられるべき事項である。そこで本実施形態の薬剤払出し装置1では、手動清掃装置46の使用を促す表示等の表出を解除したり、作業者のレベルによって手動清掃装置46の使用を省略することができるような設定を行うこともできる。
薬局の手動清掃に関する方針には、例えば次の様なものがある。
(1)手動清掃を行わない方針
例えば、市中の薬局であり、劇物を取り扱うことが無いような薬局がある。この様な薬局で使用される薬剤払出し装置1では、自動清掃だけで十分であり、手動清掃装置46を使用して手動清掃を行う必然性は低い。
(2)手動清掃を行なう場合の選択肢
劇物を取り扱うことがある薬局においては、必ず手動清掃を行うものとする方針を採用する薬局がある。
また薬物の種類や作業者の資格等によって清掃を必須とする場合と、必須としない場合を分ける方針の薬局もある。
これらの事情に鑑みて、薬剤払出し装置1では、次の様な設定を行うことができる。
(1)手動清掃を強要しない設定
手動清掃を強要しない設定を行うと、手動清掃装置46の使用を促す表示が出ない。また清掃確認が省略され、手動清掃を行うことなく、次の処方処理に進むことができる。
(2)手動清掃を強要するが、清掃を省略することを認める設定
この設定を行うと、手動清掃装置46の使用を促す表示が出されるが、手動清掃をキャンセルすることができる。手動清掃を実施した場合には、次の処方処理に進むことができる。また手動清掃をキャンセルした場合も、次の処方処理に進むことができる。
手動清掃を強要するが、当該清掃を省略することを認める設定の場合、自動溝清掃動作が終了すると、図23の様な画面が表示される。
図23の表示画面では、手動清掃を促す表示として「患者名「」用法「」の処方の分包後、掃除機で掃除してからOKボタンを押してください。掃除機で掃除しない場合はキャンセルボタンを押してください。」の文字が表示される。
患者名の後の「」には、実際の患者名が表示される。用法の後の「」には、実際の用法が表示される。
また手動清掃をキャンセルした場合の注意事項が表示される。具体的には「キャンセルする場合は次処方の異物混入に注意してください。」と表示される。
また「OK」の文字と「キャンセル」の文字が表示される。
作業者が手動清掃を行う場合には、手動清掃を実施し、ノズル47を戻した後に、「OK」の文字をクリックする。その結果、次の処方処理に進むことができる。
手動清掃を行わない場合には、ノズル47を操作することなく、「キャンセル」の文字をクリックする。その結果、次の処方処理に進むことができる。
手動清掃を強要するが、当該手動清掃を省略することを認める設定の場合、手動清掃を省略することができる者を限定する設定を行うこともできる。即ち、薬剤師や、非薬剤師であって一定の作業を許可された者に限って手動清掃を省略することができるように設定することができる。
この設定を行った場合、一定の資格を有しないものが、「キャンセル」欄をクリックしても次の工程に進むことはできない。
もちろん、手動清掃を省略することができる者を限定しない設定とすることもできる。
(3)手動清掃を強要し、清掃を省略することを認めない設定
手動清掃を強要し、当該手動清掃を省略することを認めない設定の場合、自動溝清掃動作が終了すると、図24の様な画面が表示される。
図24の表示画面では、手動清掃を促す表示として「患者名「」用法「」の処方の分包後、掃除機で掃除してからOKボタンを押してください。」の文字が表示される。
本設定を行った場合には、手動清掃を実施し、ノズル47を戻した後に、「OK」の文字をクリックする。その結果、次の処方処理に進むことができる。手動清掃を実施しなかった場合には、次の処方処理に進むことができない。手動清掃が行われたか否かは、手動清掃装置46が起動したか否かで判断される。従って、手動清掃装置46が起動され、その後に手動清掃装置46が停止したという条件を満足し、さらに起動され、「OK」の文字をクリックすると、次の処方処理に進むことができる。
(4)洗い工程を含む場合のサブ設定
ハイリスク薬剤が分包された場合には、薬剤を分包後に「洗い工程」と称される工程が実行される場合がある。ここで「洗い工程」とは、例えば重曹の様な毒性がない粉体を薬剤容器31や後記する散薬フィーダ900等から分配皿20に導入し、これを掻き出して散薬投入ホッパ17に投入し、包装機器12で包装することにより、ハイリスク薬剤の通過経路を毒性が無い粉体で清掃する工程である。
処方にハイリスク薬剤を含む場合における手動清掃の取り扱いを、別途設定することもできる。
例えば、ハイリスク薬剤を含む処方である場合は、主たる設定が手動清掃を強要するが、清掃を省略することを認める設定であったとしても、例外的に清掃を省略することができないようにしてもよい。
この場合は、主たる設定が手動清掃を省略することを認める設定であったとしても、ハイリスク薬剤を含む処方である場合は、清掃を省略するという選択肢がない。
即ち、自動溝清掃動作が終了すると、前述した図24の様な画面が表示される。
図24の表示画面では、手動清掃を促す表示として「患者名「」用法「」の処方の分包後、掃除機で掃除してからOKボタンを押してください。」の文字が表示される。
本設定を行った場合には、手動清掃を実施し、ノズル47を戻した後に、「OK」の文字をクリックする。その結果、次の処方処理に進むことができる。手動清掃を実施しなかった場合には、次の処方処理に進むことができない。
主たる設定が手動清掃を強要し清掃を省略することを認めない設定であった場合は、当然に、手動清掃を省略することはできない。
(薬剤秤量装置との協働)
本実施形態の薬剤払出し装置1は、薬剤秤量装置120と組合せてシステム構成することができる。
薬剤秤量装置120は、図13の様に天秤台(重量測定部)121と、RFIDリーダライタ122と、バーコードリーダ125、タッチパネル126及びプリンタ140を有している。また薬剤秤量装置120は、図示しない通信手段を備えている。当該通信手段によって、薬剤秤量装置120から薬剤払出し装置1に情報を送信することができる。
バーコードリーダ125は、収容薬剤確認手段であり、薬瓶に収納された薬剤の情報を読み取る読み取り手段として機能するものである。RFIDリーダライタ122は、薬剤容器31を特定する薬剤容器特定手段として機能する。またRFIDリーダライタ122によって各種の情報が薬剤容器31の情報記憶手段65に記録される。
薬剤容器31に薬剤を充填する際には、バーコードリーダ125によって薬瓶等(図示せず)に添付されたバーコードから薬瓶内に収容された薬剤の種類を読み取る。またRFIDリーダライタ122によって薬剤容器31の情報を取得し、当該薬剤容器31が前記した薬瓶内の薬剤を収容するものであることを確認する。
薬剤容器31が薬瓶内の薬剤を収容するものであるならば、タッチパネル126にその旨の表示が現れる。
薬剤師は薬剤容器31に薬剤を充填し、充填後の量を薬剤払出し装置1に記憶するため、載置台32の重量測定部35を利用して、薬剤を充填した後の薬剤容器31の重量を計測し、薬剤払出し装置1に当該重量を記憶することができる。その場合少なくとも一つの載置台32が払い出しのために使用できなくなるという問題がある。そこで薬剤秤量装置120を使用し、薬剤容器31への薬剤充填作業を実行させるものであるが、その場合には薬剤師は、天秤台(重量測定部)121に薬剤容器31を載せ、薬剤容器31内に直接薬剤を導入して薬剤を秤量する。
薬剤師の氏名、秤量された薬剤の種類や量が、薬剤秤量装置120のRFIDリーダライタ122によって薬剤容器31のRFIDタグ(情報記憶手段65)に書き込まれる。また薬剤秤量装置120の通信手段によって、薬剤容器31の識別番号等と、充填された薬剤の種類や量その他の情報が、薬剤払出し装置1に送信され、薬剤払出し装置1に記憶される。
或いは、薬剤容器31を充填後の払い出しとして使用するタイミングで載置台32に載置した際に、薬剤容器31のRFIDに記憶された情報を薬剤払出し装置1が読み取ることで、薬剤払出し装置1に記憶されても良い。
図14は、薬剤秤量装置120を使用して行われる薬剤容器31への薬剤充填手順を示す作業フローチャートである。
最初の手順として、薬剤秤量装置120を起動し、所定の操作を行って、薬剤容器充填モードに切り替える。
続いて、薬剤容器31に添付されているJANコード等またはRFID検索で、薬剤秤量装置120のタッチパネル126に、充填しようとする薬剤名を表示する。
続いて薬瓶のバーコードを読み取り、薬剤秤量装置120に内蔵されたCPUによって、薬瓶内の薬剤が、薬剤容器31に充填すべき薬剤と同じであることを確認する。
続いて薬剤容器31に薬瓶の薬剤を入れ、所定の完了ボタンを操作する。
以上の操作が完了すると、所定形式のファイルに収納され、薬剤秤量装置120から薬剤払出し装置1に送信される。
薬剤払出し装置1は、所定形式のファイルを受信し、自己が保有するデータを更新する。
(一括充填機能)
本実施形態の薬剤払出し装置1では、薬剤容器31の識別番号等と、当該薬剤容器31に充填されている薬剤名及び残量(カセット情報)が薬剤払出し装置1の制御装置6のメモリーに記憶されている。
通常の手順としては、薬剤秤量装置120等を使用して薬剤容器31に個別に薬剤を充填し、各薬剤容器31のカセット情報を薬剤秤量装置から薬剤払出し装置1に送信したり、薬剤容器31の情報記憶手段65の情報を薬剤払出し装置1で読み出して薬剤払出し装置1の制御装置6に記憶される。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、この機能に加えて、一括充填機能と称される機能を備えている。
一括充填機能による場合は、以下の手順でカセット情報が薬剤払出し装置1に記憶される。
最初の工程として、作業者によって、充填を行う複数の薬剤容器31が集められる。
そして薬剤容器31の情報記憶手段65に記憶されたカセット情報を読み出して薬剤容器31と薬瓶の照合を行う。具体的には、収集された薬剤容器31の識別番号等と、充填すべく選択された薬剤容器31の識別番号を照合し、両者が合致しており、さらに薬瓶内の薬剤が薬剤容器31に充填すべき薬剤と同じであることを条件として、薬剤払出し装置1の表示画面に承認を意味する表示がなされる。
その後、作業者が薬剤容器31に薬剤の投入を行う。集めた充填すべき薬剤容器31の全てにおいて、薬瓶との照合と充填が完了したら、それらの薬剤容器31を薬剤払出し装置1の載置台32にすべて載置する。
そうすることにより、薬剤払出し装置1の載置台32で薬剤容器31の重量が計測され、薬剤払出し装置1の制御装置6に記憶されていた薬剤容器31の重量(薬剤の残量)が一括更新されて記憶される。
なお、薬瓶との薬品照合時においてJANコードが読まれた場合、薬剤容器31のRFIDに対して、薬瓶のロットナンバーや有効期限を入力できるようにしても良い。
薬剤容器31に薬剤を充填するのに際して、充填前の薬剤容器31の重量と、充填後の薬剤容器31の重量を記録し、薬剤払出し装置1に送信してデータを蓄積することが望ましい。
そして、前回の充填後の重量と、今回の充填前の重量から、薬剤の消費量を演算し、一定期間内おける薬剤の消費量を演算し、薬剤払出し装置1の表示装置10や、薬剤秤量装置120のタッチパネル126に表示する。この表示を今回充填する充填量の目安量とすることができる。
薬剤師は、表示画面に表示された消費量を参照して、薬剤容器31への充填量を決める。その結果、充填量の過不足が解消され、適量の薬剤が薬剤容器31に充填される。
本実施形態によると、業務の途中で、薬剤が欠品することにより分包動作が中断するといった事態が発生する可能性を低減できる。また、毎日の業務開始時における電源投入時において、記憶された薬剤容器31内の重量が、前記演算した結果に基づき一日の消費量を下回っている薬剤容器31を抽出することができ、前記一日消費量を下回っていると判断された薬剤容器31には画面上で充填アラートを表示するようにしても良い。作業者は時間のある時に、当該薬剤容器31に必要量を充填する作業を実行することができるし、実際に調剤に採用する薬剤容器31であれば、調剤開始前に充填が必要であることを知ることができる。
(ピッキング装置との協働)
本実施形態の薬剤払出し装置1は、ピッキング装置と組合せてシステム構成することができる。
本実施形態が採用するピッキングシステムは、棚装置75、76を持たない薬剤払出し装置1に適用することが推奨されるものである。
即ち本実施形態が採用するピッキングシステムは、通常の薬剤棚から所望の薬剤を持ち出す作業を補助するものである。
棚装置75、76を持たない薬剤払出し装置1においては、例えば薬剤容器31が机の上に纏めておいてあったり、調剤棚の空いたところに収納してあったりする場合がある。この様な状況において、処方に必要な薬剤容器31をランダムに収納させた調剤棚等の中から取り出して調剤に用いることは、取り間違いが生じやすいという問題がある。その場合、薬剤払出し装置1から、今からピッキングを行おうとする薬剤容器31の識別情報(バーコードやQRコード(登録商標)等)を印字したジャーナル等の印刷物を出力し、前記した識別情報を携帯端末に搭載された識別情報読み取り装置によって読み取って、薬剤容器31に付された識別情報と比較照合し、間違いがないかを確認する。この時、全ての薬剤容器31にはあらかじめJANコードを貼付しておき、前記印刷物にも同じJANコードを印刷することが好ましい。特に非薬剤師が作業を実施する場合であっても、実際に行う作業は薬剤容器31のコード情報のみの照合である為、薬剤師の介入なく薬剤容器31の準備を実行することができる。また、前記した照合が一致しないまま薬剤払出し装置1に薬剤容器31を載置しても、処方情報と一致しないため、正しい薬剤容器31の照合が完了するまでは分包動作を開始しない設定としても良い。
上記した実施形態の薬剤払出し装置は、処方に基づく薬剤容器を、手動によって装置へ設置する運用において、薬剤師のみならず非薬剤師に対しても、安全且つ確実な調剤作業を支援することが可能な表示装置を備えている。
(自動スタート機能)
分包動作の開始は、前記した様に操作エリア106のスタートスイッチに触れることにより開始されるが、本実施形態の薬剤払出し装置1では、特定の条件下であれば、「スタート」の欄に触れることなく、次の処方の分包を自動的に開始させることができる。即ち図示しない画面に図28の様な「散薬自動スタートOFF」「散薬自動スタートON」の表示があり、「散薬自動スタートON」に設定することにより、特定の条件下であれば、「スタート」の欄に触れることなく、次の処方を自動的に開始される。
具体的には、「散薬自動スタートON」に設定されている場合、次回に処理すべき処方があり、その処方に要する薬剤容器31が、既に載置台32に載置されている場合には、「スタート」を操作しなくても次回の処方が自動的に開始される。
なお、「散薬自動スタートON」に設定されていた場合であっても、前記した散薬手撒きが必要な場合には、原則通り、操作エリア106の「スタート」の欄に触れることにより分包動作が開始される。
また次回に処理すべき処方があり、その処方に要する薬剤容器31が、既に載置台32に載置されている場合には、先に説明した(図7、図8)散薬準備画面1の書誌的事項表示エリア101に、図29(a)の様な「自」の文字が表示される。「散薬自動スタートON」に設定されている場合であって、散薬準備画面1の書誌的事項表示エリア101に、図29(a)の様に「自」の文字が表示される場合には、自動的に次回の処方が開始されることとなる。
また「洗い工程」を要する薬剤が処方に含まれている場合には、図29(b)の様な「洗」の文字が表示される。「散薬自動スタートON」に設定されている場合は、自動的に次回の処方が開始されて、さらにその後で、「洗い工程」が自動的に実施される。
(分包動作の開始順の表示)
前記した様に、本実施形態の薬剤払出し装置1は、原則として処方データの入力順に、分包作業を実施する。その一方、薬剤払出し装置1では、所定の操作によって、分包動作を開始する順序を決めることができる。即ち、所定の画面に処方の一覧表が表示される。一覧表には、処方内容が列状に表示されており、各列の例えば左端に四角いボックスが表示されている。作業者が前記ボックスをタッチまたはクリックしてゆくと、タッチまたはクリックされた順番が数字で表示される。分包動作は、タッチ等がされた順に開始される。なお、この操作はDo処方一覧や、一括処方一覧、予約一覧の画面において使用することが可能なっており、設定によって順番を表す数字を表示することも、しないようにすることも可能である。
(ショートカットキー)
以上、表示画面として、図7、図8、図17の様な分包準備段階の表示、図9の様な錠剤準備画面、図10の様な薬剤一覧表、図11、12の様な入力画面、図18、図19、図20の様な確認画面、図21の様な薬剤容器の使用状況の一覧表、図22の様な解除画面、図23、図24の様な設定画面、図26の様な充填画面、図27の様な承認画面について説明した。
しかしながら説明した表示画面は、一部に過ぎず、実際には、より多くの表示画面がある。
即ち、処方入力画面、簡易入力画面、印字なし入力画面、処方入力表示画面、処方入力編集画面、Do処方変更画面、一括処方展開画面、分包モニター画面、Do一覧画面、一括一覧画面を表示することができる。
そして、これらの画面の横には当該画面に関連する機能や当該画面から展開する機能へのショートカット機能に関するボタンが、当該画面の右側にサイドパネルとして表示される。例えば図9の分包モニター画面では、Do、一括、処方入力、分包中止、洗い等のボタンが表示されている。
このサイドパネルにおいて、前記各種画面のすべての表示において「散薬充填」または「錠剤充填」「充填」といったボタンを設け、このボタンを押すことによって、充填業務画面の展開を直ちに実行することかできる。
次に本発明の第2実施形態の薬剤払出し装置200について説明する。なお、以下に示す薬剤払出し装置200は、前記した薬剤払出し装置1の各機能を全て備えている。即ち、以下に示す薬剤払出し装置200は、自動分包モード、手動分包モードを実施可能であり、優先順位決定機能、清掃待機機能、清掃の強制及び強制解除、薬剤秤量装置との協働、一括充填機能、ピッキング装置との協働機能を備えている。
さらに、散薬準備画面や、錠剤準備画面と同様の画面を表示することができる。
図15に示す薬剤払出し装置200では、分配皿20の周囲に載置台32と散薬フィーダ900が設置されており、散薬フィーダ900を使用して分配皿20に薬剤を投入することもできる。図15に示す薬剤払出し装置200では、分配皿20の周辺に載置台32が5基、配置され、散薬フィーダ900が1基配置されている。
図16は、第2実施形態における散薬フィーダ900の概略の斜視図である。
図16に示す様に、散薬フィーダ900は、上部に開口部を有するホッパ910と、ホッパ910の下に設けられたトラフ920とを有する。そして、2つの圧電素子(加振手段)930が、トラフ920の下に配置されている。2つの圧電素子930は、ホッパ910とトラフ920とを振動させるものである。
散薬フィーダ900を使用して散薬の分包を行う場合は、他所において秤量機能を有する散薬鑑査システムを用いて手動で薬剤を秤量し、秤量した薬剤がのった秤量皿を手動でホッパ910の開口部に運び、手動でホッパ910に薬剤を投入する。そして所定の操作により、圧電素子930が振動し、薬剤がホッパ910からトラフ920に落下する。さらに、トラフ920に落下した薬剤は、トラフ920の先端に移動し、トラフ920の先端から分配皿20に落下する。
以下、散薬フィーダ900を使用して分配皿20に薬剤を投入することを散薬手撒きと称する。また散薬手撒きを実施する運転モードを手撒分包モードと称する。
(手撒き分包モード)
手撒き分包モードは、旧来の散薬分包装置における分包方法と同じであり、前記した様にホッパ910にあらかじめ秤量した散薬を入れ、分配皿20を回転しつつ圧電素子(加振手段)930を振動させて、ホッパ910からトラフ920を経由して分配皿20に散薬を導入するものである。
手撒き分包モードにおいては、薬剤払出し装置200の外部で散薬を必要量だけ秤量して散薬フィーダ900に入れる。例えば前記した薬剤秤量装置120(図13)を使用して散薬を秤量し、秤量した散薬を散薬フィーダ900に入れる。具体的には、天秤台(重量測定部)121に図示しない秤量皿を置き、薬瓶からさじ等で秤量皿に処方量の散薬を移す。そして秤量皿を手作業で運んで散薬フィーダ900のホッパ910に入れる。
そして、散薬フィーダ900を駆動してホッパ910及びトラフ920を振動させ、ホッパ910内の散薬を全量、分配皿20に導入する。
手撒き分包モードでは、散薬フィーダ900内の全ての散薬が払い出され、払い出しが完了したことを図示しないセンサーが検知すると分配皿20に回転停止指示が出されて分配皿20の回転が停止する。
その後の動作は、前記した自動分包モード及び手動分包モードと同じである。
手撒き分包モードにおいて、ホッパ910に投入する散薬は、一種類である必要はなく、複数種類の散薬を外部で混合してホッパ910に投入してもよい。
例えば、7種類を超える散薬が処方された場合、5種類の散薬を薬剤容器31から排出し、残る2種類の散薬を外部で混合してホッパ910に投入し、散薬フィーダ900から分配皿20に導入する。
薬剤払出し装置200は、散薬フィーダ900を有しているので、載置台32の数を超える種類の散薬を分配皿20に導入することもできる。
なお、薬剤容器31を使用せずに7種類すべての散薬を外部で混合してホッパ910に投入し、散薬フィーダ900から分配皿20に導入することも考えられる。
いくつかの薬剤容器31を使用していくつかの種類の薬剤容器31から薬剤容器31に散薬を排出し、残る散薬をホッパ910に投入し、散薬フィーダ900から分配皿20に導入する混成方法と、例えば7種類すべての散薬を外部で混合してホッパ910に投入する手撒き単独方法とを選択できる様にしてもよい。この場合は、例えば選択画面を表示し、作業者が選択画面から混成方法と手撒き単独方法のいずれかを選択して実行することとなる。
図15に示す薬剤払出し装置200では、分配皿20の周辺に載置台32が5基、配置され、散薬フィーダ900が1基配置されている。
図17は、薬剤払出し装置200において、自動分包モードを実施する際における散薬の準備画面である。
前記した図7の準備画面(第1実施形態)との違いは、載置台情報表示エリア103の表示と、薬剤容器情報表示エリアの保管場所の表示である。
本実施形態の薬剤払出し装置200では、前記した様に、分配皿20の周辺に載置台32が5基、配置され、散薬フィーダ900が1基配置されている。
そこで準備画面の載置台情報表示エリア103では、分配皿20とその周辺の5基の載置台32及び1基の散薬フィーダ900が模式的に図示表示されている。
本実施形態の準備画面では、散薬フィーダ900が散薬手撒きで使用されることにちなんで「手」と表示されている。散薬フィーダ900の図は、「手」の様な文字に限定されるものではなく、抽象的な図形や記号であってもよい。
また薬剤容器情報表示エリア105の「保管場所」の欄の一番上に「手撒き」の文字が見られる。「手撒き」は、散薬フィーダ900を使用して散薬手撒きによって分配皿20に薬剤を投入するものであることを示している。散薬フィーダ900を使用して散薬手撒きによって分配皿20に薬剤を投入するものであることを示す表示についても任意であり、文字、記号、図形のいずれであってもよい。
表示画面の薬剤表示の第1列は、「保管場所」「使用期限」「処方量」「在庫量」「明細」の順に「手撒き」「2021/06/04」「10.00g」「-」「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」と表示されている。
(散薬手撒きの実施者限定)
散薬手撒きは、薬剤を秤量して散薬フィーダ900に入れる工程がある。そのため、薬剤容器31を使用する自動分包モードに比べて、慎重を要する。そのため散薬手撒きは、熟練者又は薬剤師といった有資格者が行うべき作業である。
しかし散薬手撒きをだれがするかという判断は、薬局の方針にゆだねられるべき事項である。そこで本実施形態の薬剤払出し装置200では、作業者のレベルによって散薬手撒きを実施する権能を与える設定を行うこともできる。
薬局の散薬手撒きの作業者の権能に関する方針には、例えば次の様なものがある。
(1)散薬手撒きの作業者を限定しない方針
例えば、小規模の薬局であり、作業者の全員が薬剤師である様な薬局がある。この様な薬局においては、作業者を限定する必要がない。
(2)散薬手撒きの作業者の限定を行なう場合の選択肢
散薬手撒きの作業者の限定を行なう薬局においても、散薬フィーダ900を使用するすべての処理について作業者の限定を行なう薬局がある。
また散薬フィーダ900を使用する処理であっても前記した洗い工程の様に、処方の分包とは言えない工程の場合には、作業者の限定をしない方が便利であると考える薬局もある。
また薬物の種類や作業者の資格等によって散薬手撒きを行ってもよい作業者と、散薬手撒きを行うことができない作業者を区別する方針の薬局もある。
これらの事情に鑑みて、薬剤払出し装置200では、次の様な設定をおこなうことができる。
(1)散薬手撒きの作業者を限定しない設定
散薬手撒きの作業者を限定しない設定の場合は、だれでも手撒き分包モードの実施することができる。
(2)原則的に散薬手撒きの作業者を限定するが、洗い工程については、限定を掛けない設定
この設定を行うと、手撒き分包モードの洗い工程については、だれでも実施することができる。
通常の処方を実施する際には作業者が限定される。
(3)散薬手撒きの作業者を薬剤師に限定する設定
この設定を行うと、薬剤師以外は、手撒き分包モードの実施することができない。ただし、前記した洗い工程については、限定を掛けない設定を重ねて設定することもできる。この場合は、薬剤師が権能を持つ設定がなされていても、洗い工程についてはだれでも実施することができる。以下の設定についても同様であり、洗い工程については、限定を掛けない設定を重ねて設定することができる。
(4)散薬手撒きを薬剤師以外でもできることとする設定
この設定をする場合には、いくつかの選択肢が用意されている。
散薬手撒きは、薬剤を秤量して散薬フィーダ900に入れる工程があるが、何を使用して秤量を行ったかによって条件分けすることができる。
散薬の秤量は、機械的な化学天秤や、電子天秤の様な単機能の天秤で測定される場合がある。また、薬剤秤量装置120の様に、CPUを内蔵して薬剤の監査機能を有するものもある。また薬剤払出し装置200等と、相互通信を行う機能を持つ薬剤秤量装置もある。
例えば監査機能を持つ秤量装置で秤量された薬剤は、薬剤の種類や用量に関する信頼性が高い。さらに前記したような、薬剤払出し装置200と薬剤秤量装置120とを組合せてシステム構成されている様な場合においては、連動発行と称される方法が採用される場合もある。
以下、連動発行について簡単に説明する。
前記した図13に示すように薬剤秤量装置120は、RFIDリーダライタ122を備えている。薬剤秤量装置120にRFIDを備えた図示しない秤量皿を載せて、当該秤量皿に所定量の薬剤を入れる。また秤量皿のRFIDには、秤量した薬剤名等の情報と、薬剤の重量が記憶される。
作業者は、薬剤を投入した秤量皿を薬剤払出し装置200に運び、秤量皿から散薬フィーダ900に散薬を移す。
またその際に、秤量皿のRFIDの情報を薬剤払出し装置200に読み取らせる。
この方法によると、散薬フィーダ900に投入される薬剤は、種類や用量に関する信頼性がきわめて高い。
または薬剤払出し装置200と薬剤秤量装置120の通信機能を活用して、秤量した薬剤名等の情報と、薬剤の重量の情報を薬剤秤量装置120から直接的に薬剤払出し装置200に送信して活用する場合もある。
本実施形態では、作業者の熟練の程度と散薬フィーダ900に投入される散薬の秤量履歴によって、散薬手撒きを薬剤師以外でもできることとする作業者を区別する設定を行うことができる。
散薬フィーダ900に投入される散薬は、単品である場合と複数種類である場合がある。
ここで本実施形態の薬剤払出し装置200では、監査機能を備えた秤量装置で秤量された散薬である場合と、他の秤量装置で秤量された散薬が混合されている場合を区別し、信頼性の程度によって、散薬手撒きを実施することができる作業者とできない作業者を区別する設定を行うことができる。
また本実施形態の薬剤払出し装置200では、散薬フィーダ900に投入される全ての散薬が連動発行によるものであるか否かによっても、散薬手撒きを実施することができる作業者とできない作業者を区別する設定を行うことができる。
作業者を区別する方法として、薬剤師であるか非薬剤師であるかを区別する方策がある。また非薬剤師であっても熟練度等によってレベル分けしている薬局等もある。本実施形態の薬剤払出し装置200は、このような体制の薬局に対応するため、一定レベル以上であると認定された作業者であるか否かによっても、散薬手撒きを実施することができるか否かを区別する設定を行うことができる。
また薬局によっては薬剤師についてもレベル分けをしている場合もあり、本実施形態の薬剤払出し装置200は、このような体制の薬局にも対応することができる。
以下の設例は、薬剤師と非薬剤師とを区別し、薬剤師はレベルにかかわらず散薬手撒きを実施することができる設定となっている。
非薬剤師については、熟練度等によってレベル分けがなされ、一定のレベル以上と認定された非薬剤師は、条件によって散薬手撒きを実施することができる。
散薬手撒きを薬剤師以外でもできることとする場合の設定は多岐にわたり、限定するものではないが、その一例を場合分けして例示する。
条件A:散薬フィーダ900に投入される全ての散薬が連動発行によるものである場合
一定のレベル以上の者:散薬手撒き可能
一定のレベルに達しない者:散薬手撒き可能
条件B:散薬フィーダ900に投入される全ての散薬が監査機能を備えた秤量装置で秤量されたものである場合(連動発行を除く)
この場合は薬局の方針に応じて、さらにBa設定とBb設定の二種類の設定を選択することができる。
例えば薬局が保有する監査機能を備えた秤量装置が高性能である場合と、秤量装置の性能が劣る場合とでBa設定とBb設定の二種類の設定を選択する場合がある。あるいは薬局が保有する秤量装置が複数あり、その性能に差がある場合と、全ての秤量装置の性能が揃っている場合でBa設定とBb設定の二種類の設定を選択する場合がある。
例えば、薬局が保有する監査機能を備えた秤量装置が全て高性能である場合はBa設定が選択され、性能が劣るものがある場合にはBb設定が選択される。
Ba設定
一定のレベル以上の者:散薬手撒き可能
一定のレベルに達しない者:散薬手撒き可能
Bb設定
一定のレベル以上の者:散薬手撒き可能
一定のレベルに達しない者:散薬手撒き不能
条件C:散薬フィーダ900に投入される散薬のいくつかが連動発行によるものであるが、そうでないものも含まれている場合
一定のレベル以上の者:散薬手撒き可能
一定のレベルに達しない者:散薬手撒き不能
条件D:散薬フィーダ900に投入される散薬のいくつかが監査機能を備えた秤量装置で秤量されたものであるが、そうでないものも含まれている場合(連動発行を除く)
条件Dの場合、どのレベルの者に散薬手撒きを許可するかは、薬局内の作業者の数や能力、薬局内の秤量装置の性能によって薬局の判断が分かれる。そのため本実施形態の薬剤払出し装置200では、複数の選択肢が用意されている。
本実施形態では、さらにDa設定からDd設定の4種類の設定を選択することができる。Da設定は、例えば薬局内の作業者のレベルが高く、また作業者の士気も高いと考える薬局が選択する設定である。Db設定とDc設定は、レベル分けをさらに細かくした設定である。Dd設定は、安全性を重視した設定である。
Da設定
レベルに関わらず散薬手撒き可能
Db設定
中のレベル以上の者:散薬手撒き可能
中レベルに達しない者:散薬手撒き不能
Dc設定
高レベルの者:散薬手撒き可能
高レベルに達しない者:散薬手撒き不能
Dd設定
レベルに関わらず散薬手撒き不能
なお、Db設定とDc設定は、レベル分けだけの違いであると言える。レベル設定は、薬剤払出し装置200が薬局等に設置された後に行われる。そのため、出荷時においては、Db設定とDc設定は、同じ設定となっており、いずれも一定のレベル以上の者は散薬手撒き可能であり、一定のレベルに達しない者は散薬手撒き不能と設定されている。
上記した設定は、あくまでも一例であり、他に各種の条件設定を行うこともできる。
(履歴の印字)
前記した様に、本実施形態の薬剤払出し装置200は、ジャーナル印刷装置48が内蔵されており、処理された処方の書誌的事項を紙に印字して排出することができる。
本実施形態の薬剤払出し装置200は、通常の書誌的事項に加えて、分包処理が、自動分包モードのみによって行われたものであるか、散薬手撒きによって処理されたものであるのかを区別する表示がなされる。
図25(a)は、自動分包モードのみによって分包された場合の印刷物であり、カセットを使用していることに由来して「カ」の文字が付されている。
図25(b)は、散薬手撒きによって処理された場合の印刷物であり、手撒きであることに由来して「手」の文字が付されている。
自動分包モードによるものか、散薬手撒きによるものかを区別する印字の形態は任意であり、文字、図形、記号のいずれでもよい。また線や色分けであってもよい。
(薬剤充填量計測機能)
前記した様に、薬剤容器31に散薬が充填され、載置台32に固定される。薬剤容器31に対する散薬の充填作業は、薬剤容器31を取り外して行うこととなる。ここで、薬品の管理上、薬剤容器31に充填した薬剤の量を把握しておく必要がある。
例えば薬剤容器31にいくらか散薬が残っている状態で、新たに散薬をつぎ足す場合、つぎ足した量がいくらであるかを知っておく必要がある。
この方法の一つとして、薬剤容器31に充填する前に、当該散薬の重量を天秤等で測定し、薬剤払出し装置1、200等に手入力することが考えられる。しかしながらこの作業は面倒である。
本実施形態の薬剤払出し装置1、200では、特有の機能として薬剤充填量計測機能を備えている。
薬剤充填量計測機能は、追加充填された薬剤の重量を、追加充填直前の薬剤容器31内の薬剤量と、追加充填直後の薬剤容器31内の薬剤量の差から求める機能である。
即ち、追加充填直後の薬剤容器31の重量又は当該薬剤容器内の薬剤の重量から、追加充填直前の薬剤容器31の重量又は当該薬剤容器内の薬剤の重量を引き、この解を追加された充填量とする。
ここで追加充填直前の薬剤量等は、薬剤払出し装置1、200のメモリーや、薬剤容器31の情報記憶手段65、外部のコンピュータ等から取得する。追加充填直後の薬剤量等は、載置台32の重量測定手段52から得る。
薬剤充填量計測機能を利用する場合は、外部で薬剤容器31に薬剤を充填し、これを薬剤払出し装置1、200の載置台32に載せる。重量測定手段52で計量された重量は、追加充填後の薬剤容器31の重量又は当該薬剤容器31内の薬剤の重量である。本実施形態では、制御装置6が重量測定手段52で計量された重量から、追加充填直前の薬剤容器31の重量又は当該薬剤容器内の薬剤の重量を引き、充填量を演算する。
即ち、所定の操作によって図18の様な充填準備画面を表示させる。なお、それに先立って、作業者の登録が行われる。本実施形態では、作業者を限定する設定をすることもできる。即ち、薬剤師や、非薬剤師であって一定の作業を許可された者に限って薬剤の充填を行うことができるように設定することができる。
充填準備画面では、特定の薬剤容器31に特定の薬剤を充填して、特定の載置台32に載せることを指示する表示が現れる。
作業者が指示に従って特定の薬剤容器31に特定の薬剤を充填し、特定の載置台32に載せ、「OK」の表示に触れると、図19の充填量確認画面が現れる。
充填画面には、充填者の氏名等と、薬品名、GS1やJANコード、薬剤容器31を特定する表示(カセット名)が表示される。
薬剤容器31を特定する表示(カセット名)は、薬剤容器31の情報記憶手段65から取得した情報に基づいて表示され、前記した充填準備画面で指示された薬剤容器31と載置台32に載せられた薬剤容器31が違っておれば、エラー表示がなされる。
また制御装置6は、追加充填直後の薬剤容器31の重量又は当該薬剤容器内の薬剤の重量から、追加充填直前の薬剤容器31の重量又は当該薬剤容器内の薬剤の重量を引いた解がマイナスであったり、ゼロであった場合は、図20の様なエラー表示を表示する。
本実施形態では、「充填量が0以下となります。薬品をカセットに充填したか確認してください。」と表示される。
追加充填後の薬剤容器31の重量等が、追加充填直前の薬剤容器31の重量等よりも多い場合は、その差が今回の充填量として、薬剤払出し装置1、200に記憶される。
(薬剤容器のソフトロック)
薬剤払出し装置1、200には、安全装置の一つとして、不正に使われた可能性がある薬剤容器31を使用できなくするソフトウエアが組み込まれている。
本実施形態の薬剤払出し装置1、200では、薬剤容器31の重量が載置台32の重量測定手段(現在量検知手段)52によって頻繁に測定される。薬剤容器31から散薬を排出すれば、当然に薬剤容器31内の散薬は減る。薬剤容器31に新たに薬剤が充填されれば、当然に薬剤容器31内の散薬が増える。
ここで薬剤容器31から散薬を排出していないにも関わらず、薬剤量が減っていれば、何らかの事態が起こった可能性がある。例えば何者かに薬剤が抜き取られたかもしれない。同様に、薬剤容器31に新たに薬剤が充填されていないにも関わらず、薬剤量が増加していれば、何らかの事態が起こった可能性がある。例えば何者が異物を混入したかもしれない。
薬剤容器31の情報記憶手段65は薬剤容器31を特定する機能を持つ。本実施形態の薬剤払出し装置1、200の制御装置のコンピュータソフトウェアは、収容されている散薬の量が記憶されている散薬の量と異なる場合、薬剤容器31の識別番号等を記憶し、当該識別番号の薬剤容器31を載置台32に載せても加振手段41a,41bが起動しない構成となっている。
即ち、本実施形態では、薬剤容器31から散薬を排出する前に、載置台32の重量測定手段(現在量検知手段)52によって現在の薬剤量を検知する。
そして薬剤払出し装置1、200の制御装置6のメモリー(記憶手段)や、薬剤容器31の情報記憶手段65、外部のコンピュータ等から、記録上の薬剤容器31内の薬剤残量を読み出して両者を比較する。
両者の間に差があれば、不正使用または想定外の使用が疑われるので、以後、その薬剤容器31を使用不能とする。即ち、薬剤容器31を載置台32に載せて所定の操作をしても載置台32が動作しない。
この様に、薬剤払出し装置1、200は、薬剤容器31内に収容されている薬剤量を記憶する残量記憶手段として制御装置6のメモリー等を有している。また薬剤容器31の重量を測定して薬剤容器31内に収容されている現在の薬剤量を検知する現在量検知手段として重量測定手段52を有している。また薬剤容器31を特定する容器特定手段として情報記憶手段65が付されている。そして薬剤容器31から散薬を払い出すことなく重量測定手段52で薬剤容器31内に収容されている現在の薬剤量を検知し、現在の薬剤量が制御装置6のメモリー等に記憶されていた薬剤量と異なることがあった場合は、制御装置6に不正使用等が疑われる薬剤容器31として記録される。
本実施形態では、不正使用等が疑われるとして記録された薬剤容器31を載置台32に設置しても、散薬払出し機能が働かない。
本実施形態では、使用不能とする条件を次の中から選択して設定することができる。
(1)実際の薬剤容器31内の現在の薬剤が記録上の薬剤の量に比べて増加していれば使用不可。
(2)実際の薬剤容器31内の現在の薬剤が記録上の薬剤の量に比べて減少していれば使用不可。
(3)実際の薬剤容器31内の現在の薬剤が記録上の薬剤の量に比べて増加していても減少していても使用不可。
また許容値についても設定することができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1、200では、登録された全ての薬剤容器31内の散薬の残量を一覧表に表示することができる。
本実施形態では、不正使用または想定外の使用が疑われる薬剤容器31は、この一覧表にその旨を示す文字や記号、着色等がなされ、注意が喚起される。
また、本実施形態の薬剤払出し装置1、200では、図21の様に、薬剤容器31の使用状況を一覧表に表示することができる。
図21の表示画面の左側には、薬剤容器の識別番号と、収容されている薬剤名、及び使用状況を示す欄がある。即ち、図21の表示画面の左側には、「カセット番号」、「薬品名」、「未使用区」の欄がある。「カセット番号」は、薬剤容器の識別番号である。
また最も左の欄にチェック欄がある。本実施形態では、当該使用不能となっている薬剤容器31は左端のチェック欄に印が入る。
表示画面の右側には、「カセットNo.」、「形態」、「薬品コード」、「枝番」、「薬品名」、「最大実装量」、「充填基準量」、「使用量」、「在庫量」、「未使用区分」の欄がある。「未使用区分」には二つの表示枠110、111がある。さらにこれらの下には、「製造番号」と「使用期限」が表示される欄がある。
左側の欄に表示された薬剤容器のいずれかをクリックすると、当該薬剤容器の情報が右欄に表示される。
図21の表示画面では、一番上に表示されている、カセットNo.11、薬品名「アセトアミノフェン「ファイザー原末」」がクリックされた状態を示している。なお当該薬剤容器31は、使用不能状態であり、左端に印が入れられている。
右側には、前記した様に、カセットNo.11の情報が表示されている。
ここで前記した様に、カセットNo.11は、使用不能状態であり表示枠111にそれを示す表示がなされている。具体的には「在庫量不正」の表示がなされ、当該薬剤容器31が使用できないものであることが示されている。
作業者は、この表示を参照して、薬剤容器31の点検を行う。例えば薬剤容器31内の薬剤を全て廃棄し、薬剤容器31を洗浄したうえで、新たな薬剤を充填する。
図22は、薬剤容器31の使用不能状態を解除する画面である。
表示画面には、注意喚起欄113、変更事項表示欄115、署名欄116及び、決定欄117がある。
薬剤容器31は、不正使用等が疑われるものであり、使用不能状態の解除は慎重に行われるべきである。そのため、注意喚起欄113には、作業者に注意を促す表示がなされる。具体的には「これは、お客様の合意の元で変更された内容を以下に表示しております。」と表示される。
さらにそれに続いて、行われる行為についての説明が表示される。具体的には「薬品マスタの重要事項の設定値を登録します」と表示される。
変更事項表示欄115は、変更する事項が具体的に表示される。設例は、カセットNo.11の薬剤容器31の使用不能状態を解除するものであるから、薬品名として「カセットNo.「11」、薬品名「アセトアミノフェン「ファイザー原末」」と表示される。また項目として「在庫量不正」と表示される。さらに設定値として「在庫量不正 矢印 在庫量不正解除」と表示される。
署名欄116は、操作を行った人の名前や識別番号等の作業者を特定することができる事項を書き込む欄である。なお、本実施形態では、作業者を限定する設定とすることもできる。即ち、薬剤師や、非薬剤師であって一定の作業を許可された者に限って使用不能状態の解除を行うことができるように設定することができる。
署名欄116に署名等が行われなければ、下の欄に決定欄117を操作することができない。
決定欄117には、「OK」と「キャンセル」がある。「OK」をクリックすると変更が確定して薬剤容器31の使用不能状態が解除される。「キャンセル」をクリックすると以前の操作が無効となる。
(錠剤容器のロック解除)
本実施形態の薬剤払出し装置1、200は、図6の様に、錠剤排出ユニット80を追加することもできる。
錠剤排出ユニット80は、錠剤フィーダ81を有している。錠剤フィーダ81には蓋があり、当該蓋には機械的なロックが掛かっている。錠剤フィーダ81は、特殊な解除装置に載置して所定の操作を行うことにより、ロックを解除して蓋を開け、錠剤等の固形剤を充填することができる。また錠剤フィーダ81には、RFID等の情報記憶手段が付されており、錠剤フィーダ81を特定する識別番号等の情報と、収容される薬剤の名称、収容される薬剤のGS1やJANコード等が記憶されている。
本実施形態では、蓋を開ける条件が揃えばロックが解除される。即ち、錠剤フィーダ81に固形薬剤を充填するのに際しては、錠剤等が入った薬瓶を手元において作業することとなる。その際に薬瓶の薬剤情報を表すコードをバーコードリーダ等で読み出す。ここで本実施形態では、錠剤フィーダ81のRFID等から読み出された収容される薬剤の名称、収容される薬剤のGS1やJANコード等が薬瓶のコードから読み出された薬剤の名称及びGS1又はJANコードと一致し、且つ錠剤フィーダ81のRFID等から読み出された錠剤フィーダ81の識別番号等と、固形薬剤を充填するために薬剤払出し装置1、200に入力した錠剤フィーダ81の識別番号等と一致した場合には、蓋のロックが解除される。
図26は、錠剤フィーダ81に固形薬剤を充填する際の充填画面である。また図27は、充填する資格を持たないものが作業する場合に充填の承認を求める画面である。
図26に示す充填画面は、上段に作業者特定欄があり、中段に充填薬欄があり、その下に在庫情報欄があり、最も下に操作欄がある。
作業者特定欄には、充填者名を記載する「充填者」の欄と、承認者名を記載する『ロック解除 承認者」欄がある。
充填薬欄は、充填さる薬剤の情報が表紙される。具体的には「薬品名」欄と、「JAN/GS1コード」欄、「カセット薬品名」欄がある。また「管理欄」がある。
在庫情報欄には、「照合有無」欄、「カセットNo.」欄、「在庫量」欄、「箱入り数」欄、「充填量」欄、「最大/基準」欄がある。またその下に、製造番号と使用期限が表示される欄がある。
操作欄には、「明細反映」欄、「蓋ロック解除」欄、「閉じる」欄がある。
図27に示す承認を求める画面は、作業を指示する文章として「蓋ロック解除承認者を入力し、OKボタンを押してください」という文章が表示される。
また「ユーザ名」を記入する欄と、「参照」欄がある。
さらに「OK」の文字と「キャンセル」の文字が表示される。
固形薬剤の充填を行う場合は、図26の充填画面を表出させる。そして「充填者」の欄に作業者名等を記載する。なお固形薬剤を充填するには、一定の社内資格等が必要である。
社内資格が無いものが「充填者」の欄に記名した場合は、表示画面が図27に示す承認を求める画面に切り替わる。
作業者は、承認画面の「ユーザ名」の欄に薬局内の承認権限を有する者の名前等を記入する。そして「OK」の文字をクリックする。その結果、表示画面が図26の充填画面に切り替わり、「ロック解除 承認者」の欄に承認者の名前等が表示される。
続いて作業者は、充填画面の「カセットNo.」欄に、散薬を充填する薬剤容器の識別番号を入力する。なお識別番号に枝番がある場合には、枝番も合わせて入力する。
また作業者が、錠剤フィーダ81のRFID等の情報を読み取る。前記した様に、錠剤フィーダ81のRFID等には、識別番号等の情報と、収容される薬剤の名称、収容される薬剤のGS1やJANコード等が記憶されている。
前後して、作業者が薬瓶に付されたコードに記録された情報を、バーコードリーダ等で読み出す。その結果、充填薬欄の「薬品名」欄と、「JAN/GS1コード」欄が自動的に表示される。
一方、制御装置は、充填画面の「カセットNo.」欄に入力された識別番号等と、錠剤フィーダ81のRFID等から読み出された識別番号等を比較する。識別番号に枝番がある場合は、枝番についても比較する。
また制御装置は、錠剤フィーダ81のRFIDの情報を読み取られた、錠剤フィーダ81に収容される薬剤の名称及び収容される薬剤のGS1やJANコード等と、薬瓶のコードから読み出された薬剤の名称及びGS1又はJANコードとを比較する。そしてこれらが一致すると、錠剤フィーダ81の蓋のロックが解除される。
なお、有資格者は、操作欄の「蓋ロック解除」をクリックすることによっても錠剤フィーダ81の蓋のロックを解除することができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1、200では、記憶装置に錠剤フィーダ81に対する錠剤の充填履歴が記録される。
即ち、いずれの識別番号の錠剤フィーダ81に、どの薬剤が、何錠充填されたかが記録される。また充填された日時と、作業者を特定する事項が記録される。また作業者が充填する資格を有しない者である場合は、充填を承認した者の氏名等も合わせて記録される。
充填履歴は、表示画面に表示することができる。
充填履歴が記録される記憶手段は、薬剤払出し装置1、200に限定されるものではなく、外部の他の装置であってもよい。
図7、図8、図17に示した分包準備段階の表示は、詳細であってわかりやすく、推奨されるものであるが、図30に示す様な、より簡便な表示画面も推奨される。
以下、図30に示す分包準備段階の表示と、図7、図8、図17に示す分包準備段階の表示の違いについて説明する。
前記した図7等の載置台情報表示エリア103では、分配皿20をイメージした円26が表示されており、その周囲に載置台32をイメージした長方形28が6個描かれている。
これに対して図30に示す載置台情報表示エリア130では、分配皿20をイメージする図形として円弧83が表示されている。
また図7、図8、図17に示した分包準備段階の表示では、薬剤容器情報表示エリア105に「保管場所」、「使用期限」、「処方量」、「在庫量」、「明細」の項目が表示されていたのに対し、図30に示す薬剤容器情報表示エリア131では、「保管場所」の項目が省略され、「カセットNo,」、「薬品名」、「処方量」、「在庫量」、「使用期限」の項目となっている。また図30に示す薬剤容器情報表示エリア131では、「管理外」の項目についても省略されている。
以上説明した実施形態では、分配皿20を模式的に表示する図形として、円26や円弧83を示したが、分配皿20を模式的に表示する図形はこれらに限定されるものではない。例えば直線であってもよい。また載置台32や散薬フィーダ900を模式的に表した図形を円弧状に配置する事より、分配皿20の存在を暗示させてもよい。
以上説明した実施形態では、載置台32を模式的に表示する図形として、長方形28を示したが、載置台32を模式的に表示する図形はこれらに限定されるものではない。例えば円や点、三角形や台形その他の図形であってもよい。また「台」というような文字やアルファベット、数字等であってもよい。
本願発明は、薬剤を調剤する装置であり、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という持続可能な開発目標(SDGs)の第3の目標を達成し得るものである。
本発明の薬剤払出し装置は、薬剤師のような有資格者が実施すべき散薬秤量等の散薬監査作業を無くすことで、テクニシャン等の非薬剤師においても実施できる装置である。これにより、有資格者である薬剤師は調剤作業という対物業務から、患者と向き合う対人業務にシフトできると共に、必要な調剤作業を非薬剤師等で実施できることから、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という持続可能な開発目標(SDGs)の第3の目標を達成し得るものである。
また本発明は、人件費を低減し、経済生産性を向上させることができる。これによっても、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
1:薬剤払出し装置、6:制御装置、7:自動清掃装置、10:表示装置、
16:分包装置、20:分配皿、21:掻出装置、22:薬剤投入溝、31:薬剤容器
32:載置台、75:第1棚装置、76:第2棚装置、80:錠剤排出ユニット
81:錠剤フィーダ、100:現表示エリア、101:書誌的事項表示エリア
102:次回処方表示エリア、103:載置台情報表示エリア、
105:薬剤容器情報表示エリア、106:操作エリア、120:薬剤秤量装置
900:散薬フィーダ

Claims (13)

  1. 環状の薬剤投入溝が設けられ動力によって回転される分配皿を有し、前記分配皿に投入された散薬を所定の数に分割し、さらに個別に包装して排出する薬剤払出し装置において、
    前記分配皿の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台が複数設置されており、当該載置台に薬剤容器を設置し、前記散薬払出し機能によって前記薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入するものであり、
    表示装置を有し、当該表示装置に前記載置台を模式的に表示することが可能である薬剤払出し装置。
  2. 前記表示装置に前記分配皿と前記載置台を模式的に表示することが可能である請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  3. 処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて特定の載置台を駆動するものであって、作業者が載置台に手動で前記薬剤容器を設置するものであり、
    前記表示装置によって前記薬剤容器を設置すべき載置台が指示される請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  4. 前記表示装置に前記載置台の使用状況が表示されるものであり、当該使用状況には少なくとも次のいずれかの情報が含まれる請求項1に記載の薬剤払出し装置。
    (1)当該設置台に薬剤容器が設置されているか否か。
    (2)当該設置台に設置されている薬剤容器が今回の処方処理に使用されるものであるか否か。
    (3)当該設置台が使用可能であるか否か。
  5. 処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、前記表示装置に少なくとも次のいずれかの情報を表示可能である請求項1に記載の薬剤払出し装置。
    (1)当該薬剤容器に充填された薬剤の使用期限。
    (2)当該薬剤容器に充填された薬剤の処方量。
    (3)当該薬剤容器に充填された薬剤の残量。
    (4)当該薬容器に充填された薬剤の名称。
    (5)同一の薬剤が複数の薬剤容器に充填されているか否かの情報。
  6. 処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、前記表示装置に、当該薬剤容器が置かれた場所に関する情報を表示可能である請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  7. 前記表示装置に、一定の作業が終了するまでの時間及び/又は終了する時刻が表示される請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  8. 異なる載置台に同一の薬剤が充填された薬剤容器を設置可能であり、
    複数の薬剤容器から順次及び/又は並行して散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入することが可能である請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  9. 処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、前記薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入するものであり、
    清掃装置を有し、
    特定の特性を有する薬剤が払い出されて前記分配皿に散薬を導入された場合は、清掃作業が行われるまで、次の処方データに基づく処理が中断される請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  10. 前記薬剤払出し装置に付属して及び/又は前記薬剤払出し装置とは別に前記薬剤容器を収容する容器収容部材があり、
    処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器を特定し、容器収容部材における前記薬剤容器が収容された位置を示唆する表示が前記表示装置になされる請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  11. 前記分配皿の近傍に、散薬フィーダが設置されており、当該散薬フィーダに薬剤を投入し、前記散薬フィーダから散薬を払い出して前記分配皿に散薬を導入することが可能であり、
    前記表示装置に前記散薬フィーダを模式的に表示することが可能である請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  12. 前記薬剤容器内に収容されている薬剤量を記憶する残量記憶手段と、前記薬剤容器の重量を測定して前記薬剤容器内に収容されている現在の薬剤量を検知する現在量検知手段を有し、
    前記薬剤容器に当該薬剤容器を特定する容器特定手段が付されており、
    薬剤容器から散薬を払い出すことなく前記現在量検知手段で薬剤容器内に収容されている現在の薬剤量を検知し、現在の薬剤量が前記残量記憶手段に記憶されていた薬剤量と異なることがあった場合、
    当該薬剤容器を前記載置台に設置しても、前記散薬払出し機能が働かないこととすることができる請求項1に記載の薬剤払出し装置。
  13. 請求項1に記載の薬剤払出し装置と、薬剤秤量装置とを有する調剤支援システムであって、
    前記薬剤秤量装置は、元容器に収納された薬剤の情報を読み取る読み取り手段と、薬剤容器を特定する薬剤容器特定手段と、通信手段を有し、
    前記元容器から薬剤容器に移された薬剤の量と、元容器に収納されていた薬剤の情報と、薬剤容器の情報とを、前記通信手段によって薬剤払出し装置に送信し、薬剤払出し装置に記憶される調剤支援システム。
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