本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
1.構成
1-1.エレベータシステム
図1Aは、実施の形態1におけるエレベータシステムの構成を示したブロック図である。
図1Aに示すように、実施の形態1のエレベータシステムは、複数のビルエレベータシステムと、アプリサーバ500とを有する。
ビルエレベータシステムは、各ビルのエレベータに関する制御を行うために構築されたシステムである。図1Aに示す例では、3つのビルA、ビルB、ビルCを例示し、ビルA~ビルCのそれぞれにビルエレベータシステムが構築された例を示す。ビルエレベータシステムのそれぞれは、群管理制御装置10と、セキュリティサーバ100とを含む。ビルエレベータシステムのそれぞれは、利用者の携帯端末200と、アプリサーバ500と通信可能に接続される。
ビルA~ビルCのそれぞれには顔認証システムが導入されており、利用者の顔を撮像した撮像画像に基づいて利用者の認証を行い、認証が成功すると群管理制御装置10が利用者の行先階を割り当てる。利用者の行先階は原則、デフォルト行先階が割り当てられるが、携帯端末200にインストールした行先階設定アプリを用いることで、デフォルト行先階とは異なる行先階(変更行先階)を利用することができる。行先階設定アプリに関する情報は、アプリサーバ500によって管理される。
以下、各ビルに設けられたビルエレベータシステムの例示的な構成について説明する。
1-2.エレベータ等の配置
図1Bは、実施の形態1におけるビルエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置の一例を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
図1Bでは、ビルエレベータシステムが、1号機~6号機の6台(複数台の一例)のエレベータ60A~60Fを備えている例を示す。エレベータの利用者は、エレベータ乗場からエレベータ60A~60Fに乗車する。以下では、エレベータ60A~60Fを区別せずに「エレベータ60」という場合がある。
特定階を含む各階床のエレベータ乗場またはその近傍には、行先階登録装置30が配置されている。
特定階において、エントランスからエレベータ乗場への利用者の移動経路上には、複数台のセキュリティゲート20が配置されている。利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート20を通過してエレベータ乗場に進入する。エレベータ乗場は、特定領域に設けられている。特定領域とは、エントランス側からセキュリティゲート20を通過しないと入れないビル内の領域である。特定領域は、エレベータ乗場や、各エレベータ60のかご内のスペースや、エレベータ60を利用して移動可能な各階床のスペースを含む。
セキュリティゲート20のエントランス側の床面には、顔認証エリアAdを示す表示がなされている。
1-3.システム構成
1-3-1.概要
図2は、ビルエレベータシステムのシステム構成の一例を示したブロック図である。
ビルエレベータシステムは、複数台のエレベータ60A~60Fと、これらのエレベータ60A~60Fの運行を統合的に制御する群管理制御装置10と、各エレベータに対応させて設けられたエレベータ制御装置40A~40Fと、各階に配置される行先階登録装置30とを備える。群管理制御装置10には、ビルのセキュリティを管理し、かつセキュリティゲート20の制御を行うセキュリティサーバ100が接続されている。
ビルエレベータシステムは、かごへの乗車前に利用者に行先階を予め登録させる行先階登録方式を採用している。行先階の登録は、例えば、セキュリティゲート20での顔認証、カメレオンコード(登録商標)やQRコード(登録商標)等の行先階変更コードの利用、行先階登録装置30での手動登録などにより行うことができる。群管理制御装置10は、乗車前に登録された行先階に関する呼び(行先階呼び)を、複数台のエレベータ60のうちのいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を、利用されたセキュリティゲート20のゲート表示器70や行先階登録装置30に表示させ、これにより、割り当てた号機に利用者を乗車させる。
なお、特定階の行先階登録装置30は、セキュリティゲート20を通過して特定領域に進入した利用者が、ゲート表示器70に表示されたエレベータ60に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに、エレベータ60を利用することを可能とするために設けられている。
各エレベータ60(60A~60F)は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
1-3-2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、エレベータ60A~60Fの運行を統合的に制御する。また、群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100及び行先階登録装置30との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークに接続されている前述の各装置は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、セキュリティサーバ100、セキュリティゲート20のゲート表示器70、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40A~40Fから入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
1-3-3.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40A~40Fは、エレベータ60A~60Fに対応させて設けられている。エレベータ制御装置40A~40Fは、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ60A~60Fの巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ60A~60Fのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40A~40Fは、対応するエレベータ60A~60Fのかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置40A~40Fを区別せずに「エレベータ制御装置40」という場合がある。
エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10などと同様に、制御部、記憶部、入出力インタフェースなどを備えたコンピュータを利用して構成される。
1-3-4.行先階登録装置
図3は、行先階登録装置30の電気的構成を示したブロック図である。
行先階登録装置30は、利用者による行先階の登録(指定)を受け付ける装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30が群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。
操作部35は、行先階登録装置30に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースである。操作部35は、操作内容に応じた信号を制御部31に出力する。
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成される。なお、表示部34と操作部35とは、表示部34に表示されているボタン等のオブジェクトと同等の指定を行うことが可能であれば、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。
図4は、行先階登録装置30の外観を模式的に示した正面図である。図5は、行先階登録装置30の表示部34における表示例を示した図である。
行先階登録装置30の上方には、顔認証用カメラ36が配置されており、行先階の登録の際、利用者に顔認証を行わせるように構成されている。
顔認証用カメラ36は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、生成した画像データをセキュリティサーバ100に出力する。顔認証用カメラ36は、撮像部の一例である。所定画角領域は、利用者が行先階登録装置30の前にいる際に、利用者の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
図4では、行先階登録装置30の表示部34に、デフォルト画面としての案内画面が表示されている例を示している。この案内画面では、例えば、「顔認証により利用可能となります。上のカメラで顔認証を行ってください」というメッセージが表示される。図4の案内画面が表示部34に表示されているときに、利用者が顔認証用カメラ36の前方に来ると、顔認証用カメラ36で撮像された撮像画像に基づいてセキュリティサーバ100により顔認証処理が行われる。顔認証が成功すると、例えば図5(a)に示すような操作画面が表示部34に表示される。図5(a)の操作画面では、「行先階を登録してください」というメッセージとともに、顔認証が成功した利用者に利用者データベース(後述する)で紐付けられている許可階の行先階ボタンが表示される例を示す。図5(a)の操作画面では、利用者データベースに登録されている利用者ID“10004”に紐付けられている許可階である9階、10階、11階の行先階ボタンが表示されている例を示す。なお、許可階とは、利用者の利用が許可されている階床であり、顔認証が成功した利用者に応じて異なる階床となる。図5(a)の操作画面で、いずれかの行先階ボタンが利用者により押されると(タッチされると)、エレベータの割り当てが行われ、例えば図5(b)に示すような割当号機報知画面が表示される。図5(b)の割当号機報知画面では、「10F 1号機」というメッセージが表示された例を示す。
図4に示す例では、行先階登録装置30にQRコードリーダ129が設けられる。QRコードリーダ129は、QRコードによる行先階変更形式に対応したビル(例えばビルB)に設けられる場合があり、図面において点線で示す。
1-3-5.セキュリティゲート
セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への利用者の進入を制御する装置である。具体的に、セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への正規の利用者の進入を許可する一方、非正規の利用者の進入については規制する装置である。正規の利用者とは、利用者データベース(以下「利用者DB」という)に登録されている利用者であり、非正規の利用者とは、利用者DBに登録されていない利用者である。
図6は、実施形態1におけるセキュリティゲート20の電気的構成を示すブロック図である。図7は、セキュリティゲート20の外観を示した斜視図である。なお、図7は、図1の3台のセキュリティゲート20のうち最も左のセキュリティゲート20の斜視図である。
図7に示すように、セキュリティゲート20の筐体であるゲート本体20aには、QRコードリーダ29と、第1センサ26と、第2センサ27と、ゲートフラッパ28と、ゲート表示器70とが備えられている。また、ゲート本体20aの出口20e側には、顔認証用カメラ25が設けられている。顔認証用カメラ25は、ゲート本体20aに取り付けられてもよいし、独立して設けられてもよい。
顔認証用カメラ25は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、セキュリティサーバ100に出力する。顔認証用カメラ25は、撮像部の一例である。所定画角領域は、利用者が顔認証エリアAd(図1参照)にいる際に、利用者の顔だけでなく、利用者の顔や体の側方で顔認証用カメラ25に向けて掲げられた携帯端末200の表示部210の画面を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができ、かつカメレオンコードの検出及び解析を行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
顔認証用カメラ25は、例えばカメレオンコードによる行先階変更形式に対応したビル(例えばビルA)において、デフォルト行先階とは異なる行先階(変更行先階)へ行くために利用することができる。利用者は携帯端末200の行先階変更アプリを用いて、変更行先階に関するカメレオンコード(行先階変更コード)を表示部に表示させて、顔認証用カメラ25に読み取らせることで、群管理制御装置10が変更行先階を割り当てる。顔認証用カメラ25は、変更行先階に関する行先階変更コード(行先階変更情報)を取得する情報取得部の一例である。
QRコードリーダ29は、ゲート本体20aの上面の入口20i側に配置されている。QRコードリーダ29は、光学式リーダ(スキャナあるいはカメラ)と、データ出力部とを備える。光学式リーダは、利用者により所定距離よりも近い位置にかざされたQRコードを光学的に読み取る。データ出力部は、光学式リーダで読み取られたQRコードの画像データ(以下「QRコードデータ」という)と、当該QRコードリーダ29の登録装置ID(登録装置識別情報)とを含む信号をセキュリティサーバ100に送信する。なお、読み取られるQRコードは、携帯端末200の表示部に表示される。
QRコードリーダ29は、QRコードによる行先階変更形式に対応したビル(例えばビルB)において、デフォルト行先階とは異なる変更行先階へ行くために利用することができる。利用者は携帯端末200の行先階変更アプリを用いて、変更行先階に関するQRコード(行先階変更コード)を表示部に表示させて、QRコードリーダ29に読み取らせることで、群管理制御装置10が変更行先階を割り当てる。QRコードリーダ29は、変更行先階に関する行先階変更コード(行先階変更情報)を取得する情報取得部の一例である。
QRコードリーダ29は、QRコードによる行先階変更形式に対応したビル(例えばビルB)に設けられている。QRコードとは異なる形式(例えばカメレオンコード)の行先階変更方法に対応したビル(例えばビルA)には、QRコードリーダ29は設けられない場合がある。そのため、各図面においてQRコードリーダ29を点線で示す。
第1センサ26は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの入口20i側を通過する利用者を検知する。第1センサ26は、利用者を検知すると、制御部21を介して検知信号をセキュリティサーバ100に出力する。
第2センサ27は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの出口20e側を通過する利用者を検知する。第2センサ27は、利用者を検知すると、制御部21を介して検知信号をセキュリティサーバ100に出力する。
ゲートフラッパ28は、開閉自在の扉である。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される種々の表示信号に応じた画面を表示する。例えば、ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される割当結果信号を受信したときに、割り当てたエレベータ(割当号機)の名称などを報知するための割当号機報知画面を表示する。
また、ゲート本体20aの内部には、図6に示すように、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23などが収容されている。
記憶部22は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態におけるセキュリティゲート20の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
入出力インタフェース23は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース23は、セキュリティゲート20が、セキュリティサーバ100との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース23は、制御部21から出力された信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ100に出力する。また、入出力インタフェース23は、セキュリティサーバ100から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部21に出力する。
制御部21は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部21は、記憶部22に格納されたプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティゲート20における後述する各種の機能を実現する。
制御部21は、第1センサ26及び第2センサ27からの検知信号、及びセキュリティサーバ100からの開放信号や閉鎖信号に基づいて、ゲートフラッパ28を開閉する。また、制御部21は、第1センサ26から検知信号を受信し、その後、第2センサ27から検知信号を受信した場合、利用者通過信号をセキュリティサーバ100に送信する。
1-3-6.セキュリティサーバ
セキュリティサーバ100は、顔認証用カメラ25や顔認証用カメラ36から出力される画像データが示す撮像画像に基づいて、ビル内のセキュリティ確保のために、利用者に対する顔認証処理を行う。例えば、セキュリティサーバ100は、撮像画像に対して顔検出処理を行い、顔を検出した場合、さらに顔特徴点検出処理を行う。そして、撮像画像から顔特徴点を検出すると、検出した顔特徴点のデータ(顔データ)と、利用者DBに登録されている各利用者の顔特徴点データ(顔データ)とを順次比較(照合)して一致率を求める。そして、検出した顔の顔データ(顔特徴点データ)に対して所定一致率以上の一致率を有する顔データ(顔特徴点データ)が利用者DBに登録されているかを判断する。つまり、検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者DBに登録されているかを判断する。そして、所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者DBに登録されている場合、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者(顔検出された利用者)は登録されている顔データに対応する利用者であると特定し、顔認証が成功したと判断する。なお、所定一致率は、他人の場合には到達しない程度に高い一致率とすることが好ましい。これにより、適切に顔認証を行うことができる。なお、顔検出処理、顔特徴点検出処理、照合処理(認証処理)は各種の公知の方法を用いて行うことができる。
また、セキュリティサーバ100は、顔認証結果に応じて、セキュリティゲート20の開閉を制御する。さらに、セキュリティサーバ100は、利用者の行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に出力する。利用者IDは、利用者識別情報の一例である。
図8は、セキュリティサーバ100の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティサーバ100は、コンピュータを利用して構成され、制御部101と、記憶部102と、入出力インタフェース103と、を備える。
記憶部102は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態のセキュリティサーバ100の後述する各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部102は、データとして、利用者DBを格納している。利用者DBの構成については後述する。
また、記憶部102は、データとして、登録装置データベース(以下「登録装置DB」という)を格納している。登録装置DBの構成については後述する。
制御部101は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部101は、記憶部102から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティサーバ100における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース103は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース103は、セキュリティサーバ100が、顔認証用カメラ25、QRコードリーダ29、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース103は、制御部101から出力された信号を所定の形式の信号に変換して顔認証用カメラ25、QRコードリーダ29、顔認証用カメラ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20に出力する。また、入出力インタフェース103は、顔認証用カメラ25、QRコードリーダ29、顔認証用カメラ36、群管理制御装置10、及びセキュリティゲート20から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部101に出力する。
図9は、セキュリティサーバ100の記憶部102に格納されている登録装置DBの構成を示す図である。登録装置DBは、登録装置IDに紐付けて、登録装置の設置階と、登録装置の設置されているロケーションの情報とを格納している。ここでの登録装置とは、利用者の行先階の登録に利用される行先階登録装置30及びセキュリティゲート20の総称である。
「設置階」は、登録装置IDに対応する登録装置が設置されている階を示す情報である。設置階は、登録装置を利用した利用者の出発階として利用される。後述する「呼び情報信号」においては、「設置階」を「出発階」というものとする。
「ロケーション」は、登録装置IDに対応する登録装置が設置階内で設置されている位置を示す情報である。ロケーションは、設置階毎に、例えば「1」,「2」,「3」…などの通し番号により示される。
図9に示す例では、登録装置ID“0001”に紐付けて、設置階、及びロケーションとして、“1”、及び“1”が登録されている。登録装置ID“0002”に紐付けて、設置階、及びロケーションとして、“1”、及び“2”が登録されている。残りの登録装置IDについても同様に、登録装置IDに紐付けて、設置階及びロケーションの情報が登録されている。
図10A、図10Bはそれぞれ、セキュリティサーバ100の記憶部102に格納されている利用者DB(ビル利用者DB)の構成を示す図である。図10Aは、ビルAのセキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているビル利用者DBを示し、図10Bは、ビルBのセキュリティサーバ100の記憶部102に格納されているビル利用者DBを示す。ビル利用者DBは、ビル利用者IDに紐付けて、顔データと、デフォルト行先階と、許可階と、アプリユーザIDとを記録している。なお、ビル利用者IDに紐づけてさらにパスワードを記録してもよい。利用者DBへの登録は例えば、顔データ、デフォルト行先階および許可階については、各ビルのビル管理者により行われ、アプリユーザIDについては、アプリサーバ500から送信される情報の自動登録により行われる。
「ビル利用者ID」は、ビルの利用者を一意に識別するために設定された識別情報(利用者識別情報の一例)である。「ビル利用者ID」は、各ビルで独自に設定される情報であり、図10Aに示すビル利用者IDと、図10Bに示すビル利用者IDは、異なる値が登録される。
「顔データ」は、「ビル利用者ID」で特定される利用者の顔の特徴を示す顔特徴点データである。顔特徴点データは、例えば、目、鼻、口などの位置や形状の特徴を示すデータである。顔特徴点データは、当該利用者の利用者DBへの登録時に提供されまたは撮像された利用者の顔画像に基づいて生成される。
「デフォルト行先階」は、「ビル利用者ID」で特定される利用者のデフォルト行先階を示す情報である。デフォルト行先階としては、例えば、当該利用者が入居している階床の数値が設定される。なお、利用者の希望に応じて、「デフォルト行先階」を設定しないこともできる。この場合、デフォルト行先階としては、記号“-”が設定される。記号“-”は、行先階未設定情報の一例である。
「許可階」は、「ビル利用者ID」で特定される利用者の利用が許可されている階床を示す情報である。許可階としては、例えば、ビル内の共用階などが設定される。
「アプリユーザID」は、携帯端末200内の行先階設定アプリの利用者を一意に識別するために設定された識別情報(利用者識別情報の一例)である。アプリユーザIDは、行先階設定アプリでの所定の登録操作が完了すると、アプリサーバ500からセキュリティサーバ100に送信される。アプリユーザIDは、利用者が使用する行先階設定アプリ毎に設定され、図10A、図10Bに示すように、複数のビルA、Bにおいて共通のアプリユーザIDが登録される(例えば“80001”)。アプリサーバ500からアプリユーザIDが送信・登録されていない利用者(未登録利用者)については、アプリユーザIDとして、記号“-”が設定される。
図10Aに示す例では、ビルAの利用者に関して、ビル利用者ID“10001”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、許可階、アプリユーザIDとして、“顔データ1”、“10”、“9,10,11”、“80001”が登録されている。ビル利用者ID“10002”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、許可階、アプリユーザIDとして、“顔データ2”、“8”、“7,8”、“80002”が登録されている。ビル利用者ID“10003”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、許可階、アプリユーザIDとして、“顔データ3”、“13”、“12,13”、“-”が登録されている。アプリユーザIDにおける記号“-”は、アプリユーザIDが設定されていないことを示すアプリユーザID未設定情報である。ビル利用者ID“10004”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ4”、“-”、“9,10,11”、“80004”が登録されている。デフォルト行先階における記号“-”は、デフォルト行先階が設定されていないことを示す行先階未設定情報である。残りの利用者IDについても同様に、利用者IDに紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、許可階、及びアプリユーザIDの情報が登録されている。
図10Bに示す例では、ビルBの利用者に関して、ビル利用者ID“101”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、許可階、アプリユーザIDとして、“顔データ1”、“20”、“10,20”、“80001”が登録されている。ビル利用者ID“102”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、許可階、アプリユーザIDとして、“顔データ10”、“17”、“10,17”、“80010”が登録されている。
図10A、図10Bに示す例では、ビルAの利用者DBにおいてビル利用者ID“10001”が割り当てられている利用者と、ビルBの利用者DBにおいてビル利用者ID“101”が割り当てられている利用者は、同一人物である(網掛けで表示)。当該利用者に関して、顔データは“顔データ1”で共通し、アプリユーザIDは“80001”で共通する一方、ビル利用者IDは“10001”と“101”で異なっている。同一人物であっても、ビルAの登録時とビルBの登録時に異なる画像が登録される場合は、同一人物であると認識される程度に異なる顔データが登録されてもよい。
1-3-7.携帯端末
携帯端末200は、制御部、記憶部、通信用インタフェース、表示部、操作部などを備えたコンピュータにより構成される。携帯端末200は、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータである。携帯端末200の記憶部には、行先階設定アプリがインストールされている。行先階設定アプリは、利用者がエレベータを利用する際にデフォルト行先階以外の行先階(変更行先階)をエレベータシステムに登録する際、カメレオンコード、QRコード、1次元バーコード等の行先階変更コード(行先階変更情報)を生成するために用いられる。
図10Cは、携帯端末200の電気的構成を示したブロック図である。
携帯端末200は、制御部201、記憶部202、カメラ203、表示部210、操作部205、無線通信部206を有する。
制御部201は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部201は、記憶部202からプログラムや種々のデータを読み出して、読み出したプログラム等に基づいて種々の演算処理を行うことにより、携帯端末200における後述する各種の機能を実現する。
記憶部202は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成される。記憶部202は、プログラムや種々のデータを格納している。プログラムは、OSや呼び登録用のアプリケーションプログラム(以下適宜「呼び登録アプリ」という)を含む。
カメラ203は、制御部201から撮像指示信号を受信したときに、被写体を撮像して撮像データを生成し、生成した撮像データを制御部201に出力する。カメラ203は、撮像部の一例である。
表示部210は、制御部201から出力される表示信号に基づく表示を行う。表示部210は、報知部の一例である。
操作部205は、利用者が携帯端末200を操作するためのインタフェースである。操作部205は、操作部205の操作内容に対応する信号を制御部201に出力する。
表示部210及び操作部205は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネル上にタッチセンサが配置されたタッチパネル式表示装置により一体的に構成されている。
無線通信部206は、無線通信用の諸規格に基づく無線通信を実行する。例えば、Wi-fi(登録商標)等の無線LAN通信や、4G(Fourth Generation)、5G(Fifth Generation)等の携帯無線通信の諸規格に基づく無線通信を実行する。
制御部201は、カメラ203から出力された撮像データに所定の処理を施すことで、二次元コードに格納されているエレベータ管理情報などの種々の情報を取得することができる。
図11は、携帯端末200の表示部210における表示例を示した図である。
利用者が携帯端末200において行先階設定アプリを起動させると、携帯端末200の表示部210に、図11(a)に示す行先階設定画面が表示される。図11(a)に示す行先階設定画面には、複数のビル選択ボタン212が表示される。ビル選択ボタン212により、携帯端末200の利用者が利用可能なビルを選択することができる。図11(a)では、ビルAを選択するためのビル選択ボタン212と、ビルBを選択するためのビル選択ボタン212とが表示される。いずれかのビル選択ボタン212が押下されると、図11(b)に示す行先階設定画面が表示される。図11(b)に示す行先階設定画面には、複数の階数選択ボタン214が表示される。階数選択ボタン214により、携帯端末200の利用者がビル選択ボタン212で選択されたビルで利用可能な許可階を選択することができる。図11(b)では、9階を選択するための階数選択ボタン214と、10階を選択するための階数選択ボタン214と、11階を選択するための階数選択ボタン214とが表示される。いずれかの階数選択ボタン214が押下されると、各ビルの行先階変更形式に応じて、図11(c)に示す行先階設定画面や、図11(d)に示す行先階設定画面等が表示される。
図11(c)に示す行先階設定画面には、カメレオンコードCdを表示したカメレオンコード表示画面が表示される。図11(d)に示す行先階設定画面には、QRコードQdを表示したQRコード表示画面が表示される。カメレオンコードCdおよびQRコードQdのそれぞれには、ビル選択ボタン212で選択されたビルを示す情報、階数選択ボタン214で選択された行先階を示す情報、及び記憶部に記憶されている利用者ID(例えばアプリユーザID)を示す情報が格納されている。カメレオンコードとQRコードは、行先階変更コードの一例である。カメレオンコードに対応するビル(例えばビルA)が選択された場合は、図11(c)に示す行先階設定画面が表示され、QRコードに対応するビル(例えばビルB)が選択された場合は、図11(d)に示す行先階設定画面が表示される。図11(c)、図11(d)に示す表示画面に限らず、カメレオンコードやQRコードとは異なる行先階変更コード(例えば1次元バーコード)に対応するビルが選択される場合は、当該行先階変更コードが表示される。
利用者は、ビルAにおいてデフォルト行先階以外の行先階(変更行先階)をビルエレベータシステムに登録したい場合、携帯端末200の表示部210にカメレオンコード表示画面を表示させ、表示されたカメレオンコード表示画面を顔認証用カメラ25に向けた状態でセキュリティゲート20を通過する。また、ビルBにおいてデフォルト行先階以外の行先階(変更行先階)をビルエレベータシステムに登録したい場合、携帯端末200の表示部210にQRコード表示画面を表示させ、表示されたQRコード表示画面をコードリーダ29に向けてQRコードQdを読み取らせてセキュリティゲート20を通過する。
一方、デフォルト行先階をエレベータシステムに登録したい場合、利用者は、携帯端末200を利用することなく、通常通り、セキュリティゲート20を通過する。なお、セキュリティゲート20を通過するには、顔認証が成功する必要がある。
1-3-8.アプリサーバ
図1Aに示すアプリサーバ500は、携帯端末200で利用される行先階設定アプリに関する情報を管理するサーバである。アプリサーバ500は、入出力インタフェース502と、制御部504と、記憶部506と、を備える。入出力インタフェース502は、各種信号を送受信するためのインタフェースである。制御部504は、記憶部506に記憶されているデータや入出力インタフェース502を介して受信するデータ等の各種データを処理する。記憶部506は、プログラムや種々のデータを格納している。記憶部506は、データとして、行先階設定アプリの利用者に関するデータベース(以下「アプリ利用者DB」)を格納している。
図12は、アプリサーバ500の記憶部506に格納されている利用者DB(アプリ利用者DB)の構成を示す図である。アプリ利用者DBは、顔データに紐づけて、ビルIDと、ビル名と、デフォルト行先階と、許可階と、行先階変更形式と、アプリユーザIDとを記録している。
アプリ利用者DBにおいて、「顔データ」、「デフォルト行先階」、「許可階」、「アプリユーザID」は、図10A、図10Bに示す「顔データ」、「デフォルト行先階」、「許可階」、「アプリユーザID」と同様の情報である。「ビルID」は、顔データが登録されたビルを一意に識別するために設定された識別情報である。「ビル名」は、顔データが登録されたビルの名称を示すデータであり、「ビルID」に対応している。「行先階変更形式」は、顔データが登録されたビルで採用されている、デフォルト行先階から行先階を変更するための変更形式を示す情報である。
図10A、図10Bに示す例では、顔データ“顔データ1”、アプリユーザID“80001”が割り当てられている利用者(同一人物)は、ビルA、ビルBの2つのビルにおいて、デフォルト行先階とは異なる変更行先階が利用できるように情報が登録されている。これは、行先階設定アプリにおいて、複数ビルを登録したためである。同一人物であっても、顔データは同一人物であると認識される程度に異なってもよく、アプリユーザIDも異なる値であってもよい。
2.動作
2-1-1.セキュリティサーバからアプリサーバへのデータアップロード
図12に示すアプリ利用者DBのデータは、図10A、図10Bに示すビル利用者DBのデータをアップロードすることで構築される。具体的には、ビル管理者の操作によってビル利用者DBの情報が更新される度に、セキュリティサーバ100はアプリサーバ500と通信して、更新後のビル利用者DBの情報をアプリサーバ500に送信する。アプリサーバ500は、セキュリティサーバ100から受信した情報をアプリ利用者DBにアップロードする。
図13は、セキュリティサーバ100からアプリサーバ500へのデータアップロードの例を示す概略図である。
図13に示す例では、ビルAのビル利用者DBにおいて、“顔データ1”およびそれに関連するデータ(ビル利用者ID“10001”、デフォルト行先階“10”、許可階“9,10,11”)が新たに登録され、“顔データ2”およびそれに関連するデータ(ビル利用者ID“10002”、デフォルト行先階“8”、許可階“7,8”)が新たに登録される。
ビルBのビル利用者DBにおいては、“顔データ1”およびそれに関連するデータ(ビル利用者ID“101”、デフォルト行先階“20”、許可階“10,20”)が新たに登録され、“顔データ3”およびそれに関連するデータ(ビル利用者ID“102”、デフォルト行先階“17”、許可階“10,17”)が新たに登録される。
アプリユーザIDは、アプリサーバ500から後に送信される情報であり、登録当初は“-”で登録される。
図13に示す例では、ビルAのビル利用者DBにおける“顔データ1”と、ビルBのビル利用者DBにおける“顔データ1”は、同一人物である(網掛けで表示)。
ビルAのセキュリティサーバ100は、ビル利用者DBの新たな登録データをアプリサーバ500に送信し、ビルBのセキュリティサーバ100は、ビル利用者DBの新たな登録データをアプリサーバ500に送信する。アプリサーバ500は、各セキュリティサーバ100から受信したデータをアプリ利用者DBに記憶する。
図13に示すように、アプリサーバ500のアプリ利用者DBには、顔データ、ビルID、ビル名、デフォルト行先階、許可階、行先階変更形式に関する情報が登録される。顔データ、デフォルト行先階、許可階は、セキュリティサーバ100のビル利用者DBに登録されている情報であるのに対して、ビルID、ビル名、行先階変更形式は、各ビルに固有の情報であって、ビル利用者DBの登録情報とあわせてアプリサーバ400に送信される。
アプリユーザIDは、行先階設定アプリでの登録操作に応じて行先階設定アプリから送信される情報であり、当初は“-”で登録される。
2-1-2.行先階設定アプリにおける登録操作
利用者は、デフォルト行先階とは異なる行先階(変更行先階)を利用するために、携帯端末200に行先階設定アプリをインストールし、まず、登録操作を行う。
図14は、利用者による行先階設定アプリでの登録操作に関するフローチャートである。
行先階設定アプリは、アプリ初回利用か否かを判断する(S501)。具体的には、利用者が行先階設定アプリを起動したときに、過去の履歴を参照することで、初回利用なのか、2回目以降の利用なのかを判断する。
初回利用であると判断した場合(S501でYES)、行先階設定アプリは、利用者に顔の撮影を促し、撮影された顔画像データを保存する(S502)。具体的には、図15(a)に示すように、顔の撮影を促す「カメラで顔を撮影して下さい」というメッセージを表示し、利用者に顔を撮影させる。利用者が顔を撮影すると、行先階設定アプリは撮影された顔画像データを保存するとともに、図15(b)に示すように、顔画像データの保存が完了したことを示す「顔画像データ保存完了」というメッセージと、保存した顔画像イメージImとを表示する。
ステップS502が完了すると、あるいは、ステップS501でアプリ初回利用でないと判断した場合(S501でNO)、行先階設定アプリは、顔画像データ、アプリユーザIDをアプリサーバ500に送信する(S503)。具体的には、ステップS502で保存した顔画像データと、アプリユーザIDをアプリサーバ500に送信する。アプリユーザIDは、保存された顔画像データに紐づけて一意的に生成される識別情報であり、行先階設定アプリによって自動的に生成される。アプリユーザIDは、他の利用者と重複しないように、行先階設定アプリ毎に固有の識別情報が割り当てられる。
行先階設定アプリは、アプリサーバ500から、利用可能なビル名、許可階、行先階変更形式を受信する(S504)。具体的には、アプリサーバ500に送信した顔画像データに基づいて、図12に示すアプリ利用者DBから同じ人物と認められる顔データが特定され、当該顔データに紐づけられたビル名、許可階、行先階変更形式が、アプリサーバ500から行先階設定アプリに送信される。
行先階設定アプリは、利用可能なビル名を表示し、利用者に選択させる(S505)。具体的には、図15(c)に示すように、「ビルを選択して下さい」というメッセージとともに、複数のビル選択ボタン216を表示する。図15(c)では、ビルAを選択するためのビル選択ボタン216と、ビルBを選択するためのビル選択ボタン216と、ビルCを選択するためのビル選択ボタン216が表示されている。利用者がビル選択ボタン216をタッチすることで、各ビルを選択することができる。図15(c)では、ビルAとビルBが選択され(網掛け表示)、ビルCは選択されていない状態を例示する。その後、図15(d)に示すように、「下記ビルを登録しました。」というメッセージとともに、選択されたビル名が表示される。
行先階設定アプリは、選択されたビル名をアプリサーバ500に送信する(S506)。具体的には、ステップS505で選択されたビル名を含む情報を、アプリサーバ500に送信する。例えば、選択されたビル名として、「ビルA」、「ビルB」という情報がアプリサーバ500に送信される。当該情報を受信したアプリサーバ500は、行先階設定アプリで選択されたビル名を特定することができる。
行先階設定アプリは、選択されたビル名、許可階、行先階変更種類を保存する(S507)。具体的には、ステップS505で選択されたビル名と、ステップS504で受信したデータ群のうち、選択されたビル名に紐づけられた許可階、行先階変更形式とを保存する。
ステップS501~S507の実行によって、行先階設定アプリでの初期登録操作が完了する。これにより、利用者は行先階設定アプリを用いて行先階変更ができる状態となる。
2-1-3.行先階設定アプリでの登録操作に伴う、アプリサーバの処理
図16は、行先階設定アプリでの登録操作に伴う、アプリサーバ500の処理に関するフローチャートである。
アプリサーバ500は、顔画像データ、アプリユーザIDを受信したか否かを判断する(S511)。セキュリティサーバ100から顔画像データ、アプリユーザIDが送信されない限り、アプリサーバ500は、顔画像データ、アプリユーザIDを受信していないと判断し(S511でNO)、ステップS511の判断処理を繰り返し実行する。
セキュリティサーバ100から顔画像データ、アプリユーザIDが送信されること(図14のステップS503)に応じて、アプリサーバ500は、顔画像データ、アプリユーザIDを受信したと判断し(S511でYES)、受信した顔画像データに一致する顔画像データをアプリ利用者DBで検索し、一致した顔画像データに関する情報を取得する(S512)。具体的には、ステップS511で受信した顔画像データに一致する顔データを、図13に示すアプリ利用者DBにおいて検索し、一致する顔データおよびそれに紐づけられた情報(ビルID、ビル名、デフォルト行先階、許可階、行先階変更形式)を取得する。一致する顔画像データがない場合は、その旨を行先階設定アプリに通知して、図16に示す処理を終了してもよい。
アプリサーバ500は、行先階設定アプリに、ビル名、許可階、行先階変更形式を送信する(S513)。具体的には、ステップS512で取得したデータのうち、ビル名、許可階、行先階変更形式に関する情報を、行先階設定アプリに送信する。当該情報を受信した行先階設定アプリは、利用可能なビル名を表示して利用者に選択させることができる(図14のステップS504、S505)。
アプリサーバ500は、ビル名を受信したか否かを判断する(S514)。当該ビル名は、行先階設定アプリでユーザによって選択されたビル名であって(図14のステップS505)、行先階設定アプリからビル名が送信(図14のS506)されない限り、ビル名を受信していないと判断し(S514でNO)、ステップS514の判断処理を繰り返し実行する。
行先階設定アプリからビル名が送信されることに応じて(図14のS506)、ビル名を受信したと判断し(S514でYES)、アプリサーバ500は、アプリ利用者DBにアプリユーザIDを登録する(S515)。具体的には、ステップS511で受信したアプリユーザIDを、ステップS514で受信したビル名に紐づける形で、アプリ利用者DBに登録する。
図17は、アプリ利用者DBにおけるアプリユーザIDの追加・登録を示す図である。図17に示す例では、“顔データ1”と“ビルA”に紐づけて、アプリユーザID“80001”が新たに登録され、“顔データ1”と“ビルB”に紐づけて、アプリユーザID“80001”が新たに登録される。
アプリサーバ500は、受信したビル名のセキュリティサーバ100に、顔画像データ、アプリユーザIDを送信する(S516)。具体的には、ステップS511で受信した顔画像データ(“顔データ1”)と、アプリユーザID(“80001”)を、ステップS514で受信したビル名(“ビルA”、“ビルB”)のセキュリティサーバ100にそれぞれ送信する。
2-1-4.行先階設定アプリでの登録操作に伴う、セキュリティサーバの処理
図18は、行先階設定アプリでの登録操作に伴う、セキュリティサーバ100の処理に関するフローチャートである。
各ビルのセキュリティサーバ100は、顔画像データ、アプリユーザIDを受信したか否かを判断する(S521)。アプリサーバ500から顔画像データ、アプリユーザIDが送信されない限り、顔画像データ、アプリユーザIDを受信していないと判断し(S521でNO)、セキュリティサーバ100は、ステップS521の判断処理を繰り返し実行する。
アプリサーバ500から顔画像データ、アプリユーザIDが送信されること(図16のS516)に応じて、顔画像データ、アプリユーザIDを受信したと判断し(S521でYES)、セキュリティサーバ100は、受信した顔画像データに一致する顔画像データをビル利用者DBで検索し、一致する顔画像データに紐づけて、アプリユーザIDを追加する(S522)。
図19は、ビル利用者DBにおけるアプリユーザIDの追加・登録を示す図である。図19に示す例では、ビルAに関するビル利用者DB(ビルA)において、“顔データ1”に紐づけて、アプリユーザID“80001”が追加され(網掛け表示)、ビルBに関するビル利用者DB(ビルB)において、“顔データ1”に紐づけられて、アプリユーザID“80001”が追加される(網掛け表示)。
上記動作によれば、行先階設定アプリでの登録操作が済んだ利用者に関して、図10A、図10Bに示すビル利用者DBにおいてアプリユーザIDが登録され、図12に示すアプリ利用者DBにおいてアプリユーザIDが登録される。図10A、図10B、図12に示す各利用者DBに登録されたアプリユーザIDは、利用者がデフォルト行先階とは異なる変更行先階を利用しようとする際に、行先階設定アプリでの登録操作が済んだ利用者か否か、すなわち変更行先階の利用が認められた利用者か否かの照合に用いられる。
2-2-1.利用者が変更行先階を利用する際の行先階変更アプリのフローチャート
図20は、利用者が変更行先階を利用する際の行先階変更アプリの処理に関するフローチャートである。図20に示す各処理は、携帯端末200の制御部201が行先階設定アプリを動作させることで実行する。
行先階設定アプリは、OSよりアプリ起動指令を受信する(S531)。具体的には、利用者が携帯端末200を操作して行先階設定アプリを起動することで、携帯端末200のOSよりアプリ起動指令を受信する。これにより、行先階設定アプリが起動する。
行先階設定アプリは、利用者にカメラ203での顔の撮影を促す(S532)。具体的には、図21A(a)に示すように、携帯端末200の表示部210に、カメラ203での顔の撮影を促す「カメラで顔を撮影して下さい」というメッセ-ジを表示し、利用者に顔を撮影させる。
行先階設定アプリは、カメラ203で撮影した顔画像と、保存されている顔画像が同一人物か否かを判断する(S533)。具体的には、ステップS532で撮影された顔画像と、行先階設定アプリの初期登録で撮影・保存された顔画像(図14のステップS502)とを画像処理により比較し、同一人物か否かを判断する。
同一人物でないと判断すると(S533でNO)、行先階設定アプリは、認証できない旨のエラーメッセージを表示して(S534)、図20に示すフローチャートを終了する。具体的には、図21A(b)に示すように、認証できない旨を示す「認証できません」というメッセージを表示部210に表示する。
同一人物であると判断すると(S533でYES)、行先階設定アプリは、利用可能なビル名ボタンを表示する(S535)。具体的には、図21A(c)に示すように、図14のフローチャートに示した行先階設定アプリの初回登録時に保存されたビル名(S507)を読み出し、利用可能なビル名を決定する。行先階設定アプリは、「ビル選択」という文字とともに、複数のビル選択ボタン218を表示部210に表示する。図21A(c)に示す例では、ビルAを選択するためのビル選択ボタン218と、ビルBを選択するためのビル選択ボタン218が表示される。また、ビルAが選択された状態を例示する(網掛け表示)。
行先階設定アプリは、いずれかのビル名ボタン218が選択されたか否かを判断する(S536)。ビル名ボタン218が選択されない限り(S536でNO)、ステップS536の判断処理を繰り返し実行する。
ユーザがいずれかのビル名ボタン218をタッチすると、ビル名ボタン218が選択されたと判断し(S536でYES)、行先階設定アプリは、ビル名に応じた行先階変更形式を決定する(S537)。具体的には、図14のフローチャートに示した行先階設定アプリの初回登録時に保存されたビル名(例えばビルA)と行先階変更種類(例えばカメレオンコード)を読み出し、ビル名に応じた行先階変更形式を決定する。
行先階設定アプリは、許可階ボタンを表示する(S538)。具体的には、図14のフローチャートに示した行先階設定アプリの初回登録時に保存された許可階を読み出し、図21A(d)に示すように、「階選択」という文字とともに、複数の許可階ボタン220を表示部210に表示する。図21A(d)に示す例では、9階を選択するための許可階ボタン220と、10階を選択するための許可階ボタン220と、11階を選択するための許可階ボタン220が表示される。また、9階が選択された状態を例示する(網掛け表示)。
行先階設定アプリは、いずれかの許可階ボタン220が選択されたか否かを判断する(S539)。許可階ボタン220が選択されない限り(S539でNO)、ステップS539の判断処理を繰り返し実行する。
ユーザがいずれかの許可階ボタン220をタッチすると、許可階ボタン220が選択されたと判断し(S539でYES)、行先階設定アプリは、アプリユーザIDと変更行先階の情報を含む行先階変更コードを、画面上に一定時間表示する(S540)。具体的には、行先階設定アプリに記憶されているアプリユーザID(例えば“80001”)と、ステップS539で選択された許可階を変更行先階として含む行先階変更コードを作成し、表示部210に表示する。
ステップS540による行先階変更コードの表示例を図21Bに示す。図21B(a)では、「画面をカメラに向けて通過して下さい」というメッセージとともに、アプリユーザIDと変更行先階の情報を含むカメレオンコードCdが表示される。図21B(b)では、「QRコードをリーダにかざして下さい」というメッセージとともに、アプリユーザIDと変更行先階の情報を含むQRコードQdが表示される。図21B(c)では、「バーコードをリーダにかざして下さい」というメッセージとともに、アプリユーザIDと変更行先階の情報を含む1次元バーコードBcが表示される。
ステップS537で決定された行先階変更形式が“カメレオンコード”である場合は、図21B(a)のカメレオンコードCdを含む画面が表示される。ステップS537で決定された行先階変更形式が“QRコード”である場合は、図21B(b)のQRコードQdを含む画面が表示される。ステップS537で決定された行先階変更形式が“1次元バーコード”である場合は、図21B(c)の1次元バーコードBcを含む画面が表示される。
なお、ステップS535において、利用可能なビル名をボタン表示するようにしたが、利用可能なビルが1つしかない場合、ステップS535及びステップS536の処理を除いてもよい。この場合、ステップS533で同一人物であると判断すると(S533でYES)、ビル名の選択は無く、ビル名に応じた行先階変更形式を決定し(S537)、許可階ボタンが表示されることになる(S538)。
また利用可能なビルが複数ある場合、ステップS535において、利用者の携帯端末のGPS情報を取得して、利用者の現在地からビルを特定し、ステップS535及びステップS536の処理を省略することも可能である。この場合、アプリ利用者DBにビル位置情報が登録され、図14のステップS504において利用可能なビル名、許可階、行先階変更形式と共にビル位置情報を受信する。さらに、ステップS507において、選択されたビル名、許可階、行先階変更種類と共にビル位置情報を保存する。
2-2-2.顔認証処理及びセキュリティゲートのゲートフラッパの開閉制御
セキュリティサーバ100は、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像に基づいて、ビル内のセキュリティ確保のために、利用者に対する顔認証処理を行う。具体的には、利用者がエントランスから特定領域のエレベータ乗場に移動するためにセキュリティゲート20を通過しようとすると、セキュリティゲート20のエントランス側の顔認証エリアAd(図1参照)で顔が検出され、さらに顔特徴点検出処理が行われる。
セキュリティサーバ100は、撮像画像から顔特徴点を検出すると、検出した顔特徴点のデータと、利用者DBに登録されている各顔データ(顔特徴点データ)とを順次比較(照合)して一致率を求める。そして、検出した顔の顔データ(顔特徴点データ)に対して所定一致率以上の一致率を有する顔データ(顔特徴点データ)が利用者DBに登録されているかを判断する。そして、所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者DBに登録されている場合、セキュリティサーバ100は、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者(顔検出された利用者)は、登録されている顔データに対応する利用者であると特定し、顔認証が成功したと判断する。この場合、セキュリティサーバ100は、当該セキュリティゲート20に開放信号を送信する。これにより、利用者DBに登録されている利用者は、セキュリティゲート20を通過することができる。
これに対し、所定一致率以上の一致率を有する顔データ(顔特徴点データ)が利用者DBに存在しない場合、セキュリティサーバ100は、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者が、利用者DBに登録されていない利用者であると判断する。この場合、セキュリティサーバ100は、当該セキュリティゲート20に閉鎖信号を送信する。セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を閉状態とさせる。これにより、利用者DBに登録されていない利用者は、セキュリティゲート20を通過することができない。つまり、利用者DBに登録されていない利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
なお、セキュリティゲート20の制御部21は、セキュリティサーバ100から開放信号、閉鎖信号のいずれも受信していない状況で、つまり顔認証処理が完了していない状況で、第1センサ26により利用者が検知された場合、ゲートフラッパ28を閉状態とさせる。これにより、顔認証処理が完了していない利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
このように、利用者DBに登録されている利用者は特定領域に進入することができるが、そうでない利用者は特定領域に進入することができない。よって、ビル内のセキュリティが確保される。
2-2-3.号機割当処理
2-2-3-1.セキュリティゲート利用時の行先階設定処理及び号機割当処理
(カメレオンコードの行先階変更形式に対応するビルAにおいて)
セキュリティゲート20を通過しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が利用者DBに登録されている利用者であると判断すると、セキュリティサーバ100は、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像に対してカメレオンコード検出処理を行うとともに、カメレオンコードを検出した場合、検出したカメレオンコードの解析処理(デコード(復号))を行う。セキュリティサーバ100は、顔認証後の所定時間T(秒)以内に撮像画像にカメレオンコードが含まれていると判断した場合、デフォルト行先階または変更行先階を利用者の行先階として設定する。所定時間T(秒)は、顔認証及び変更行先階登録を行う利用者によるカメレオンコードの提示タイミングにばらつきがある場合においてもカメレオンコードによる変更行先階の登録を利用者が適切に行えるようにするための余裕時間であり、例えば2(秒)である。この場合、変更行先階の登録のための方法を利用者に予め周知しておくことが好ましい。なお、他の実施の形態で説明するように、携帯端末200の表示部210に「顔認証の際、この画面をカメラに向けてください」などのメッセージを表示させてもよい。この場合、利用者が顔認証の際ほぼ同じタイミングでカメレオンコード表示画面を顔認証用カメラ25に向けることが期待される。そのため、所定時間T(秒)は、例えば1(秒)未満の短い時間に設定してもよい。セキュリティサーバ100は、出発階、ロケーション、行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する。なお、呼び情報信号における「出発階」は、前述したように登録装置の「設置階」と等しい。
(QRコードの行先階変更形式に対応するビルBにおいて)
セキュリティゲート20を通過しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が利用者DBに登録されている利用者であると判断すると、セキュリティサーバ100は、顔認証後の所定時間T(秒)以内にQRコードリーダ29からQRコードデータを受信したか否かの判断結果に応じてデフォルト行先階または変更行先階を利用者の行先階として設定し、出発階、ロケーション、行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する。なお、呼び情報信号における「出発階」は、前述したように登録装置の「設置階」と等しい。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信すると、受信した呼び情報信号に基づいて、利用者の行先階を割り当てる割当号機を決定し、決定した割当号機を示す割当結果信号を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションに配置されているゲート表示器70に送信する。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、割当号機報知画面を表示する。
より詳細な行先階設定処理及び号機割当処理については後述する。
2-2-3-2.行先階登録装置利用時の行先階設定処理及び号機割当処理
セキュリティサーバ100は、行先階登録装置30を利用しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が利用者DBに登録されている利用者であると判断すると、利用者DBから当該利用者に紐付けられているデフォルト行先階及び許可階の情報を読み出すとともに、当該行先階登録装置30に併設された顔認証用カメラ36の登録装置IDに基づいて登録装置DBから設置階、ロケーションの情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ100は、利用者DBから読み出したデフォルト行先階、許可階の情報と、登録装置DBから読み出した設置階(出発階)、ロケーションの情報などを含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置10に送信する。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信すると、受信した呼び情報信号に基づいて、少なくとも許可階の情報を含む受付許可信号を生成し、生成した受付許可信号を呼び情報信号が示す出発階及びロケーションに配置されている行先階登録装置30に送信する。
行先階登録装置30は、受付許可信号を受信すると、許可階の情報が示す許可階の行先階ボタンを表示部34に表示し、利用者による行先階の指定操作を受け付ける。行先階の指定操作があると、行先階登録装置30は、指定された行先階にいずれかの号機を割り当てることを要求する割当依頼信号を群管理制御装置10に送信する。
群管理制御装置10は、割当依頼信号を受信すると、利用者の行先階を割り当てる割当号機を決定し、決定した割当号機を示す割当結果信号を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションに配置されている行先階登録装置30に送信する。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、表示部34に、割当号機を表示した割当号機報知画面を表示する。
2-2-4.エレベータシステムの具体的動作
利用者がセキュリティゲート20を利用した際の行先階設定処理及び号機割当処理について、フローチャートを参照してより詳しく説明する。
図22A、図22Bはそれぞれ、セキュリティサーバ100による呼び情報信号生成処理を説明したフローチャートである。図22Aは、カメレオンコードの行先階変更形式に対応するビルAのセキュリティサーバ100に関するフローチャートであり、図22Bは、QRコードの行先階変更形式に対応するビルBのセキュリティサーバ100に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、セキュリティゲート20毎に実行される。また、セキュリティゲート20毎の処理は並行して実行される。
まず、図22Aに示すビルAのセキュリティサーバ100に関するフローチャートについて説明する。
図22Aに示すように、セキュリティサーバ100の制御部101は、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像に顔が含まれているか否かを判断する(S11)。このステップの処理は、所定フレームレートで出力される撮像画像の各々に対して実行してもよいし、例えば数フレーム毎に1フレームだけというように間欠的に実行してもよい。
撮像画像に顔が含まれていない場合(S11でNO)、つまり顔が検出されない場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、ステップS11の判断を再度実行する。
撮像画像に顔が含まれている場合(S11でYES)、つまり顔が検出された場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、上述した顔認証処理を行うことにより、検出した顔の顔データ(顔特徴点データ)に対して所定一致率以上の一致率を有する顔データ(顔特徴点データ)が利用者DBに登録されているかを判断する(S12)。
検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者DBに登録されていない場合(S12でNO)、セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20に閉鎖信号を送信する(S26)。これに伴い、セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を閉状態で維持するように制御する。
検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者DBに登録されている場合(S12でYES)、セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20に開放信号を送信する(S13)。これに伴い、セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を開状態に制御する。
セキュリティサーバ100の制御部101は、顔認証時刻tcに現在時刻を設定する(S14)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、所定一致率以上の顔データに紐付けられた利用者IDを利用者DBから取得する(S15)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像にカメレオンコードが含まれているか否かを判断する(S16)。このステップの処理は、所定フレームレートで出力される撮像画像の各々に対して実行してもよいし、例えば数フレーム毎に1フレームだけというように間欠的に実行してもよい。
撮像画像にカメレオンコードが含まれている場合(S16でYES)、つまりカメレオンコードが検出された場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、カメレオンコードを解析(デコード(復号))して、カメレオンコードからアプリユーザID及び変更行先階の情報を取得する(S17)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、カメレオンコードから取得したアプリユーザIDが、所定一致率以上の一致率を有する顔データに紐付けられたアプリユーザIDと一致するか否かを判断する(S18)。具体的には、図10Aに示すビルAのビル利用者DBを検索して、カメレオンコードから取得したアプリユーザIDが、所定一致率以上の一致率を有する顔データに紐付けられたアプリユーザIDと一致するか否かを判断する。
カメレオンコードから取得したアプリユーザIDが、所定一致率以上の一致率を有する顔データに紐付けられたアプリユーザIDと一致する場合(S18でYES)、セキュリティサーバ100の制御部101は、行先階変更フラグをONに設定する(S19)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20の登録装置IDに基づいて、利用者が通過しようとするセキュリティゲート20の設置階及びロケーションを特定する(S21)。これは、利用者の出発階及びロケーションを特定することでもある。
セキュリティサーバ100の制御部101は、利用者の行先階として、ステップS17で取得された変更行先階を設定する(S22)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、出発階、変更行先階、ロケーション、行先階変更フラグONの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に送信する(S23)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20から利用者通過信号を受信したか否かを判断する(S24)。
セキュリティゲート20から利用者通過信号を受信していない場合(S24でNO)、セキュリティサーバ100の制御部101は、ステップS24の判断を再度実行する。
セキュリティゲート20から利用者通過信号を受信した場合(S24でYES)、セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20に閉鎖信号を送信する(S25)。
上述のステップS16において、撮像画像にカメレオンコードが含まれていない場合(S16でNO)、つまりカメレオンコードが検出されない場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、顔認証時刻tcから所定時間T(秒)が経過したか否かを判断する(S27)。所定時間T(秒)は、前述した通りである。
顔認証時刻tcから所定時間T(秒)が経過していない場合(S27でNO)、セキュリティサーバ100の制御部101は、ステップS16の処理に戻る。
顔認証時刻tcから所定時間T(秒)が経過した場合(S27でYES)、セキュリティサーバ100の制御部101は、行先階変更フラグをOFFに設定する(S28)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、所定一致率以上の一致率を有する顔データに紐付けられたデフォルト行先階を利用者DBから取得する(S29)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、セキュリティゲート20の登録装置IDに基づいて、利用者が通過しようとするセキュリティゲート20の設置階及びロケーションを特定する(S30)。これは、利用者の出発階及びロケーションを特定することでもある。
セキュリティサーバ100の制御部101は、利用者の行先階として、ステップS29で取得されたデフォルト行先階を設定する(S31)。
セキュリティサーバ100の制御部101は、出発階、デフォルト行先階、ロケーション、行先階変更フラグOFFの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に送信する(S32)。
上述のステップS18において、カメレオンコードから取得したアプリユーザIDが、所定一致率以上の一致率を有する顔データに紐付けられたアプリユーザIDと一致しない場合(S18でNO)、セキュリティサーバ100の制御部101は、前述したステップS28以後の処理を実行する。アプリユーザIDが一致しない場合、ステップS12で顔認証が成功した利用者はカメレオンコードを用いた行先階変更が認められていない、すなわち行先階設定アプリでの登録操作が正常に済んでいないことを意味する。そのため、行先階変更が行われない場合のステップS28以後の処理を実行するものである。
なお、ステップS18でNOと判断される場合、セキュリティサーバ100の制御部101は、ステップS28以後の処理と並行して、例えば、「行先階変更が認められていません。行先階設定アプリの登録を行ってください。」というメッセージを、音声や画面表示等により報知してもよい。
次に、図22Bに示すビルBのセキュリティサーバ100に関するフローチャートについて説明する。
図22Bに示すフローチャートは、図22Aに示すフローチャートと比較して、ステップS16およびステップS17がステップS16A、S17Aに変更された点で、異なっている。
具体的には、セキュリティサーバ100の制御部101は、QRコードリーダ29からQRコードデータを受信したか否かを判断する(S16A)。
QRコードリーダ29からQRコードデータを受信した場合(S16AでYES)、セキュリティサーバ100の制御部101は、QRコードデータを解析(デコード(復号))して、QRコードデータから、アプリユーザID及び変更行先階の情報を取得する(S17A)。
図23は、群管理制御装置10による割当処理を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、群管理制御装置10がセキュリティサーバ100から新規呼びの呼び情報信号を受信したときに実行される。また、新規呼びの呼び情報信号が受信される都度、並行して実行される。
図23に示すフローチャートは、図22Aに示すビルAのセキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信する場合と、図22Bに示すビルBのセキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信する場合に共通する内容であり、まとめて説明する。
群管理制御装置10は、セキュリティサーバ100から呼び情報信号を受信すると、図23のフローチャートの処理を開始し、呼び情報信号に含まれる各種情報を取得する(S51)。
群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す行先階変更フラグがONであるか否かを判断する(S52)。
行先階変更フラグがONである場合(S52でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す出発階、変更行先階をいずれかのエレベータに割り当てる(S55)。
群管理制御装置10は、割当結果を示す信号(割当結果信号)を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器70に送信する(S56)。このとき、ゲート表示器70において割当号機報知画面が表示される。
図24は、セキュリティゲート20のゲート表示器70における表示例を示した図である。図24(a)は、割当号機報知画面の一例を示す図である。図24(a)の例では、変更行先階の7Fに対して3号機が割り当てられたことを示す「7F 3号機」、「行先階7Fを読み取りました。」が表示されている。なお、デフォルト行先階から変更された変更行先階であることを示すメッセージを表示してもよい(例えば「10Fから7Fへの変更を受け付けました。」)。
上記のステップS52において、行先階変更フラグがONでない場合(S52でNO)、つまり行先階変更フラグがOFFである場合、群管理制御装置10は、呼び情報信号においてデフォルト行先階の値が登録されているか否かを判断する(S57)。
デフォルト行先階の値が登録されている場合(S57でYES)、群管理制御装置10は、呼び情報信号が示す出発階、デフォルト行先階をいずれかのエレベータに割り当てる(S58)。
群管理制御装置10は、割当結果を示す信号を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器70に送信する(S59)。このとき、ゲート表示器70において割当号機報知画面が表示される。表示内容は、図24(b)と図24(c)のいずれかである。図24(b)の例では、デフォルト行先階10Fに対して1号機が割り当てられたことを示す「10F 1号機」が表示される。図24(c)の例では、デフォルト行先階10Fに対して1号機が割り当てられたことを示す「10F 1号機」と、変更行先階12Fが許可されておらず行先階設定アプリでの登録を促す「行先階12階を読み取りましたが、12階は許可されていません。行先階設定アプリで登録を行ってください。」というメッセージが表示される。
図24(b)の表示画面は、図22A、図22Bに示すステップS27において、顔認証時刻tcからT秒が経過したと判断され(S27でYES)、行先階変更フラグをOFFに設定された場合(S28)に表示される。図24(c)の表示画面は、図22A、図22Bに示すステップS18において、カメレオンコード又はQRコードデータから取得したアプリユーザIDが、所定一致率以上の顔データに紐づけられたアプリユーザIDと一致しないと判断され(S27でYES)、行先階変更フラグをOFFに設定された場合(S28)に表示される。
デフォルト行先階の値が登録されていない場合(S57でNO)、つまり利用者DBにおいてデフォルト行先階として記号“-”(行先階未設定情報)が登録されている場合、群管理制御装置10は、行先階登録装置30での行先階の登録を促す表示を行わせる信号を、呼び情報が示す出発階及びロケーションのゲート表示器70に送信する(S60)。このとき、ゲート表示器70において、行先階の登録を促す画面が表示される。図24(d)は、行先階の登録を促す画面の一例を示す図である。図24(d)の例では、「エレベータホール内の行先階登録装置にて行先階を登録してください。」と表示されている。なお、行先階登録装置30にて行先階を登録する状況は、例えば、複数の許可階に行く頻度がそれぞれ高い利用者がデフォルト行先階をあえて設定していない場合、または、行先階変更用の携帯端末200の所持を失念したような場合に生じる。
3.本実施の形態の作用
本実施の形態のエレベータシステムでは、顔認証用カメラ25で撮像された撮像画像に基づいて、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者の顔認証が行われる。また、顔認証が成功した場合においてその後の所定時間T(秒)以内に撮像画像からカメレオンコードが検出されなかったとき(ビルA)、あるいはQRコードリーダ29でQRコードが読み取られなかったとき(ビルB)は、利用者に予め紐付けられたデフォルト行先階が利用者の行先階として設定される。一方、顔認証が成功した場合においてその後の所定時間T(秒)以内に撮像画像からカメレオンコードが検出されたとき(ビルA)、あるいはQRコードリーダ29でQRコードが読み取られたとき(ビルB)は、カメレオンコードあるいはQRコードが示す変更行先階が利用者の行先階として設定される。そのため、顔認証を利用したゲートを利用者が通過する際に、デフォルト行先階だけでなく変更行先階の登録が可能となる。
また、複数のビルにおいて行先階変更情報の形式が異なる場合でも、各ビルに応じた形式の行先階変更情報を取得する機能を有することで、複数のビルに対応することができ、利用者の利便性を向上できる。アプリサーバ500に接続された行先階アプリを用いることで、同一利用者であっても、複数のビルでデフォルト行先階とは異なる変更行先階を利用することが可能となる。
なお、実施の形態1では、カメレオンコードやQRコード等の行先階変更コードの検出及び解析(アプリユーザID及び変更行先階の取得)をセキュリティサーバ100が行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、群管理制御装置10や他の解析装置が、行先階変更コードの検出及び解析(アプリユーザID及び変更行先階の取得)を行ってもよい。以下において、実施の形態1の第1の変形例及び第2の変形例を説明する。
(実施の形態1の第1の変形例)
実施の形態1の第1の変形例では、ビルAの群管理制御装置10が、セキュリティサーバ100に代わり、カメレオンコードの検出および解析を行い、ビルBの群管理制御装置10が、QRコードの読み取りおよび解析を行い、アプリユーザID及び変更行先階を取得する。
図25は、実施の形態1の第1の変形例におけるエレベータシステムのシステム構成を示したブロック図である。
実施の形態1の第1の変形例では、各顔認証用カメラ25は、セキュリティサーバ100だけでなく群管理制御装置10にも接続されており、セキュリティサーバ100だけでなく群管理制御装置10に対しても撮像画像の画像データを出力する。またビルBでは、各QRコードリーダ29は、群管理制御装置10に接続されており、群管理制御装置10にQRコードデータを出力する。そして、ビルAの群管理制御装置10は、撮像画像に対してカメレオンコードの検出処理を行い、かつ検出されたカメレオンコードを解析して、アプリユーザID及び変更行先階を取得する。また、ビルBの群管理制御装置10は、QRコードリーダ29から出力されるQRコードデータを解析して、アプリユーザID及び変更行先階を取得する。
本変形例によれば、実施の形態1同様の効果を得ることができる。加えて、デフォルト行先階または変更行先階を行先階として設定する処理を群管理制御装置10で行うため、セキュリティサーバ100において当該処理を行う必要がなくなり、セキュリティサーバ100に対する仕様変更などを極力抑制できる。
(実施の形態1の第2の変形例)
実施の形態1の第2の変形例では、セキュリティサーバ100及び群管理制御装置10とは別に設けられた解析装置が、行先階変更コードの検出及び解析(アプリユーザID及び変更行先階の取得)を行う例を説明する。
図26A、図26Bはそれぞれ、実施の形態1の第2の変形例におけるビルエレベータシステムのシステム構成を示したブロック図である。図26Aは、ビルAのビルエレベータシステムを示し、図26Bは、ビルBのビルエレベータシステムを示す。
実施の形態1の第2の変形例では、図26Aに示すビルAのビルエレベータシステムには、カメレオンコード解析装置300が設けられている。各顔認証用カメラ25は、セキュリティサーバ100だけでなくカメレオンコード解析装置300にも接続されており、セキュリティサーバ100だけでなくカメレオンコード解析装置300に対しても撮像画像の画像データを出力する。また、図26Bに示すビルBのビルエレベータシステムには、QRコード解析装置400が設けられている。各QRコードリーダ29は、セキュリティサーバ100だけでなくQRコード解析装置400にも接続されており、セキュリティサーバ100だけでなくQRコード解析装置400に対してもQRコードデータを出力する。
カメレオンコード解析装置300は、群管理制御装置10などと同様に、制御部、記憶部、入出力インタフェースなどを有するコンピュータにより構成される。カメレオンコード解析装置300は、各顔認証用カメラ25から出力される撮像画像に対してカメレオンコードの検出処理を行い、カメレオンコードが検出された場合、カメレオンコードを解析(デコード(復号))して、カメレオンコードからアプリユーザID及び変更行先階を取得し、取得したアプリユーザID及び変更行先階と、カメレオンコードが検出された撮像画像を出力した顔認証用カメラ25を特定する情報とを、群管理制御装置10に送信する。顔認証用カメラ25を特定する情報としては、例えば顔認証用カメラ25が配置されているセキュリティゲート20の設置階及びロケーションの情報が用いられる。なお、顔認証用カメラ25を特定する情報は、顔認証用カメラ25のシリアルナンバーなどであってもよい。
QRコード解析装置400は、群管理制御装置10などと同様に、制御部、記憶部、入出力インタフェースなどを有するコンピュータにより構成される。QRコードリーダ29は、読み取ったQRコードデータをQRコード解析装置400に出力する。QRコード解析装置400は、QRコードリーダ29から出力されるQRコードデータを解析(デコード(復号))して、QRコードデータからアプリユーザID及び変更行先階を取得し、取得したアプリユーザID及び変更行先階と、QRコードデータの出力元のQRコードリーダ29を特定する情報とを、群管理制御装置10に送信する。QRコードリーダ29を特定する情報としては、例えばQRコードリーダ29が配置されているセキュリティゲート20の設置階及びロケーションの情報が用いられる。なお、QRコードリーダ29を特定する情報は、QRコードリーダ29のシリアルナンバーなどであってもよい。
本変形例によれば、実施の形態1同様の効果を得ることができる。加えて、デフォルト行先階または変更行先階を行先階として設定する処理を群管理制御装置10で行うため、セキュリティサーバ100において当該処理を行う必要がなくなり、セキュリティサーバ100に対する仕様変更などを極力抑制できる。また、群管理制御装置10において行先階変更コードの解析処理を行う必要がなくなる。
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、図22AのステップS16、S27において、撮像画像からカメレオンコードが検出されずに(S16でNO)、顔認証時刻tcから所定時間T(秒)が経過したと判断する(S27)。そして、顔認証時刻tcから所定時間T(秒)が経過したと判断した場合(S27でYES)に、ステップS28以後の処理を実行する。つまり、行先階変更フラグをOFFに設定し(S28)、デフォルト行先階の情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置10に送信する(S32)。しかし、ステップS27の判断に代えて、セキュリティゲート20の第1センサ26で利用者が検知されたか否かを判断してもよい。つまり、利用者がセキュリティゲート20を通過する途中であるか否かを判断してもよい。この処理によると、撮像画像からカメレオンコードが検出されない場合(S16でNO)でも、セキュリティゲート20の第1センサ26で利用者が検知されると、即座にステップS28以後の処理が実行される。つまり、即座に呼び情報信号が生成されて群管理制御装置10に送信され、割当処理が実行される。そのため、デフォルト行先階を利用する利用者についても、所定時間T(秒)の経過を待つことなくエレベータの割当を受けることができる。なお、セキュリティゲート20の第1センサ26で利用者が検知されない場合、ステップS16の判断に戻る。本変形例は、図22Bのフローチャートについても同様に適用できる。
前記実施の形態及び各変形例では、セキュリティサーバ100が、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像に対して顔検出処理、及び顔特徴点検出処理を行い、かつ顔認証処理を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、顔認証用カメラ25のコントローラが撮像画像に対して顔検出処理及び顔特徴点検出処理を行い、セキュリティサーバ100は顔認証処理だけを行ってもよい。つまり、「前記撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、前記利用者の顔認証を行う」処理を顔認証用カメラ25とセキュリティサーバ100とで分担して行ってもよい。この場合、顔認証用カメラ25は、撮像画像の画像データに代えて顔特徴点データ(顔データ)をセキュリティサーバ100に出力する。また、セキュリティサーバ100は、受信した顔データ(顔特徴点データ)に基づいて、顔認証処理を行う。
前記実施の形態及び各変形例では、セキュリティサーバ100、群管理制御装置10、またはカメレオンコード解析装置300が、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像に対してカメレオンコード検出処理を行うとともに、検出したカメレオンコードの解析処理(デコード(復号))を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、顔認証用カメラ25のコントローラが撮像画像に対してカメレオンコード検出処理及びカメレオンコードの解析処理を行ってもよい。この場合、顔認証用カメラ25は、撮像画像の画像データに代えて利用者ID(アプリユーザID)及び変更行先階の情報をセキュリティサーバ100、または群管理制御装置10に出力する。この場合、セキュリティサーバ100は、受信した利用者ID(アプリユーザID)及び変更行先階をそのまま利用すればよい。本内容は、QRコード解析装置400等の他の解析装置についても同様に適用できる。
前記実施の形態及び各変形例では、本発明におけるゲートとして、ゲートフラッパ28を備えたセキュリティゲート20を例示したが、ゲートはこれに限定されない。本発明において、ゲートは、ゲートフラッパを備えていなくてもよい。この場合、前記実施の形態で説明したゲートフラッパの開閉に関連する制御は省略すればよい。
前記実施の形態及び各変形例では、本発明における所定機器として、利用者の操作に基づいて行先階変更コードを生成、表示可能な携帯端末200を例示したが、所定機器はこれに限られない。所定機器は、利用者の操作に基づいて行先階変更コードを生成可能である限り、どのようなものでもよい。
前記実施の形態及び各変形例では、セキュリティゲート20に配置されている顔認証用カメラ25から出力される撮像画像に対してのみカメレオンコードの検出処理及び解析処理を行って、カメレオンコードを利用した変更行先階の登録を可能とする場合を説明した。しかし、各階の各行先階登録装置30に併設されている顔認証用カメラ36から出力される撮像画像に対してもカメレオンコードの検出処理及び解析処理を行って、カメレオンコードを利用した変更行先階の登録を可能にしてもよい。この場合、顔認証用カメラ36の所定画角領域は、利用者が行先階登録装置30の前にいる際に、利用者の顔だけでなく、利用者の顔や体の側方で顔認証用カメラ36に向けて掲げられた携帯端末200の表示部210の画面を撮像可能な画角に設定すればよい。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができ、かつカメレオンコードの検出及び解析を行うことができる解像度であればどのような解像度でもよい。以下において、(1)実施の形態1の行先階登録装置30に併設されている顔認証用カメラ36においてさらにカメレオンコードの検出処理及び解析処理を行う場合、について例示的に説明する。(2)実施の形態1の第1の変形例の行先階登録装置30に併設されている顔認証用カメラ36においてさらにカメレオンコードの検出処理及び解析処理を行う場合、(3)実施の形態1の第2の変形例の行先階登録装置30に併設されている顔認証用カメラ36においてさらにカメレオンコードの検出処理及び解析処理を行う場合についても同様である。
(1)実施の形態1の行先階登録装置30に併設されている顔認証用カメラ36においてさらにカメレオンコードの検出処理及び解析処理を行う場合には、前述した図2のシステム構成をそのまま利用すればよい。
セキュリティサーバ100は、各階の行先階登録装置30に併設の顔認証用カメラ36からそれぞれ出力される撮像画像に対して、それぞれ図22A、図22Bのフローチャートにしたがって同様の制御を行えばよい。なお、図22A、図22Bのフローチャートにおける「セキュリティゲート」については、「行先階登録装置」に読み替えればよい。また、行先階登録装置30にはゲートフラッパが備えられていないので、図22A、図22Bのフローチャートにおけるセキュリティゲート20のゲートフラッパの開閉に関連する制御(ステップS13、S14、S24、S25)は省略すればよい。
群管理制御装置10は、図23のフローチャートにしたがって処理を行えばよい。なお、図23のフローチャートにおける「ゲート表示器」については、「行先階登録装置」に読み替えればよい。
行先階登録装置30は、図23のステップS56の処理に基づく信号を受信すると、表示部34に、前述した図24(a)と同様の割当号機報知画面を表示させる。また、行先階登録装置30は、図23のステップS59の処理に基づく信号を受信すると、表示部34に、前述した図24(b)あるいは図24(c)と同様の割当号機報知画面を表示させる。また、行先階登録装置30は、図23のステップS60の処理に基づく信号を受信すると、表示部34に、「行先階を登録してください」というメッセージを表示させた後、図5(a)と同様の操作画面を表示させてもよい。
前記実施の形態及び各変形例では、行先階変更コード(行先階変更情報)としてカメレオンコード、QRコード、1次元バーコードを例示したが、これに限らず、アプリユーザIDと変更行先階の情報を含むものであれば、任意の種類のコードであってもよい。
前記実施の形態及び各変形例では、各装置の制御部は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成されてもよい。
前記実施の形態及び各変形例では、ネットワークはEthernetであり、各装置の入出力インタフェースはLANアダプタ等を利用して構成されている。しかし、これは一例であり、ネットワークは、例えばIEEE規格に準拠した無線LANで構成され、入出力インタフェースは無線LANアダプタ等で構成されてもよい。
前記実施の形態及び各変形例におけるセキュリティサーバ100、群管理制御装置10、エレベータ制御装置40、カメレオンコード解析装置300、QRコード解析装置400は、エレベータ60が配置されるビルに設置されることは必須ではない。例えば、これらの装置のうち任意の装置について、その装置の有する機能をクラウドサーバにより実行してもよい。この場合、エレベータ60が配置されるビルに設置されるセキュリティゲート20、行先階登録装置30、ゲート表示器70などの装置と、クラウドサーバとの間の各種信号や情報の授受は、適宜な通信方式を用いた通信により行えばよい。
前記実施の形態及び各変形例において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態及び変形例に限られず、これらを組み合わせたものとすることもできる。
(実施の形態についてのまとめ及び効果等)
(1)実施の形態のエレベータシステムは、
ビル(例えばビルAまたはビルB)で利用者がエレベータ乗車前に利用者の行先階を設定するエレベータシステムであって、
エレベータ乗場への移動経路上に配置されるゲート(例えばセキュリティゲート20)を通過しようとする利用者を撮像可能なように設けられた撮像部(例えば顔認証用カメラ25)と、
撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者の顔認証を行う顔認証部(例えばセキュリティサーバ100)と、
利用者の変更行先階に関する行先階変更情報を取得する情報取得部(例えば顔認証用カメラ25、QRコードリーダ29、カメレオンコード解析装置300、QRコード解析装置400)と、
利用者の行先階の設定を行う行先階設定部(例えばセキュリティサーバ100または群管理制御装置10)と、を備え、
行先階設定部は、
顔認証部で利用者の顔認証が成功した場合において、情報取得部で行先階変更情報が取得されなかったときは、顔認証に基づいて特定されたデフォルト行先階を利用者の行先階として設定し、
顔認証部で利用者の顔認証が成功した場合において、情報取得部で行先階変更情報が取得されたときは、行先階変更情報に基づいて特定された変更行先階を利用者の行先階として設定し、
情報取得部は、ビル(例えばビルA)に対応する第1形式(例えばカメレオンコード)の行先階変更情報を取得する第1情報取得部(例えばビルAの顔認証用カメラ25)またはビル(例えばビルB)に対応する第2形式(例えばQRコード)の行先階変更情報を取得する第2情報取得部(例えばビルBのQRコードリーダ29)の少なくとも一方を有する。
この構成により、利用者がゲート(例えばセキュリティゲート20)を通過する際に顔認証用の撮像部(例えば顔認証用カメラ25)で撮像された撮像画像に基づいて、利用者の行先階を設定できる。そのため、ICカードなどから情報を取得するリーダを別途設けることなく、利用者の行先階を設定できる。特に本実施の形態によれば、情報取得部で取得される行先階変更情報に基づいて、デフォルト行先階だけでなく変更行先階を利用者の行先階として設定できる。
また、複数のビルにおいて行先階変更情報の形式が異なる場合でも、各ビルに応じた形式の行先階変更情報を取得する機能を有することで、複数のビルに対応することができ、利用者の利便性を向上できる。
(2)実施の形態のエレベータシステムは、
ビル(例えばビルAまたはビルB)で利用者がエレベータ乗車前に利用者の行先階を設定するエレベータシステムであって、
エレベータ乗場に配置される行先階登録装置(行先階登録装置30)を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられた撮像部(例えば顔認証用カメラ25)と、
撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者の顔認証を行う顔認証部(例えばセキュリティサーバ100)と、
利用者の変更行先階に関する行先階変更情報を取得する情報取得部(例えば顔認証用カメラ36、QRコードリーダ129、カメレオンコード解析装置300、QRコード解析装置400)と、
利用者の行先階の設定を行う行先階設定部(例えばセキュリティサーバ100または群管理制御装置10)と、を備え、
行先階設定部は、
顔認証部で利用者の顔認証が成功した場合において、情報取得部で行先階変更情報が取得されなかったときは、顔認証に基づいて特定されたデフォルト行先階を利用者の行先階として設定し、
顔認証部で利用者の顔認証が成功した場合において、行先階変更情報報取得部で行先階変更情報が取得されたときは、行先階変更情報に基づいて特定された変更行先階を利用者の行先階として設定し、
情報取得部は、ビル(例えばビルA)に対応する第1形式(例えばカメレオンコード)の行先階変更情報を取得する第1情報取得部(例えばビルAの顔認証用カメラ36)またはビル(例えばビルB)に対応する第2形式(例えばQRコード)の行先階変更情報を取得する第2情報取得部(例えばビルBのQRコードリーダ129)の少なくとも一方を有する。
この構成により、利用者が行先階登録装置(行先階登録装置30)を利用する際に顔認証用の撮像部(例えば顔認証用カメラ36)で撮像された撮像画像に基づいて、利用者の行先階を設定できる。そのため、ICカードなどから情報を取得するリーダを別途設けることなく、利用者の行先階を設定できる。特に本発明によれば、顔認証用の撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、デフォルト行先階だけでなく変更行先階を利用者の行先階として設定できる。
また、複数のビルにおいて行先階変更情報の形式が異なる場合でも、各ビルに応じた形式の行先階変更情報を取得する機能を有することで、複数のビルに対応することができ、利用者の利便性を向上できる。
(3)実施の形態のエレベータシステムにおいて、
利用者は、所定機器(例えば携帯端末200)に対する操作により、第1形式の行先階変更情報(例えばカメレオンコード)と、第2形式の行先階変更情報(例えばQRコード)をそれぞれ生成する。
この構成により、異なる形式の行先階変更情報を容易に生成することができ、複数ビルで利用することができる。
(4)実施の形態のエレベータシステムは、
所定機器は、利用者の携帯端末200であり、
所定機器に対する操作は、携帯端末200内の行先階設定アプリに対する操作を含む。
この構成により、携帯端末200の行先階設定アプリを用いて、異なる形式の行先階変更情報を容易に生成することができる。
(5)実施の形態のエレベータシステムにおいて、
第1形式の行先階変更情報(例えばカメレオンコード)および第2形式の行先階変更情報(例えばQRコード)はそれぞれ、共通の利用者識別情報(例えばアプリユーザID)を格納する。
この構成により、共通の利用者識別情報を格納することで、同一利用者であることの特定を精度良く且つ簡便に行うことができる。
(6)実施の形態のエレベータシステムにおいて、
利用者識別情報(例えばアプリユーザID)は、利用者の携帯端末200内の行先階設定アプリ毎に生成される。
この構成により、同一利用者であることの特定を精度良く且つ簡便に行うことができる。
(7)実施の形態のエレベータシステムにおいて、
第1情報取得部(例えばビルAの顔認証用カメラ25)は、撮像部で撮像された撮像画像から行先階変更情報を取得し、第2情報取得部(例えばビルBのQRコードリーダ29)は、ゲート(例えばセキュリティゲート20)または行先階登録装置30(行先階登録装置の一例)またはそれぞれの近傍に配置され、利用者が所持する情報記録媒体(例えば携帯端末200)から行先階変更情報を取得する。
この構成により、第1情報取得部と第2情報取得部により、異なる形式の行先階変更情報に対応できる。
(8)実施の形態の携帯端末200は、
画像を表示する表示部210(表示部の一例)と、
撮像部(例えばカメラ203)と、
制御部201(制御部の一例)と、を備え、
制御部201は、
(i)撮像部に、利用者の顔を撮像させ、
(ii)撮像部で撮像した顔データに基づいて、利用可能なビル、許可階、及び行先階変更形式の情報を取得し、
(iii)利用者がビルの顔認証システムを通過する際に、デフォルト行先階とは異なる変更行先階を利用しようとする場合、表示部210に、変更行先階の情報を含む行先階変更コード(例えばカメレオンコード、QRコード、1次元バーコード)を、ビルに対応する行先階変更形式で表示させる。
(9)実施の形態の携帯端末200において、
制御部201は、行先階設定アプリに対する利用者の操作に応じて、表示部210に行先階変更コード(例えばカメレオンコード、QRコード、1次元バーコード)を表示させる。
(10)実施の形態の携帯端末200において、
利用可能なビルは、複数のビル(例えばビルA、ビルB)を含み、
制御部201は、表示部210に、複数のビル毎(例えばビルA)に対応する第1形式の行先階変更コード(例えばカメレオンコード)を表示させる機能または、複数のビル毎(例えばビルB)に対応する第2形式の行先階変更コード(例えばQRコード)を表示させる機能を有する。
(11)実施の形態の携帯端末200において、
第1形式の行先階変更コード(例えばカメレオンコード)および第2形式の行先階変更コード(例えばQRコード)はそれぞれ、共通の利用者識別情報(例えばアプリユーザID)を格納する。
(12)実施の形態の携帯端末200において、
利用者識別情報(例えばアプリユーザID)は、行先階設定アプリ毎に生成される。
(13)実施の形態のプログラムは、
コンピュータを、携帯端末200の制御部201として機能させる。
(14)実施の形態の携帯端末200の制御方法は、
画像を表示する表示部210(表示部の一例)と、撮像部(例えばカメラ203)と、を備える携帯端末200の制御方法であって、
(i)撮像部に、利用者の顔を撮像させ、
(ii)撮像部で撮像した顔データに基づいて、利用可能なビル、許可階、及び行先階変更形式の情報を取得し、
(iii)利用者がビルの顔認証システムを通過する際に、デフォルト行先階とは異なる変更行先階を利用しようとする場合、表示部210に、変更行先階の情報を含む行先階変更コード(例えばカメレオンコード、QRコード、1次元バーコード)を、ビルに対応する行先階変更形式で表示させる。