本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
1.構成
1-1.エレベータ等の配置
図1は、実施の形態1における顔認証セキュリティゲートシステムを含むエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
図1では、エレベータシステムが、1号機~6号機の6台(複数台の一例)のエレベータ60A~60Fを備えている例を示す。エレベータの利用者は、エレベータ乗場からエレベータ60A~60Fに乗車する。以下では、エレベータ60A~60Fを区別せずに「エレベータ60」という場合がある。
特定階を含む各階床のエレベータ乗場またはその近傍には、行先階登録装置30が配置されている。
特定階において、エントランスからエレベータ乗場への利用者の移動経路上には、複数台のセキュリティゲート20が配置されている。利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート20を通過してエレベータ乗場に進入する。エレベータ乗場は、特定領域に設けられている。特定領域とは、エントランス側からセキュリティゲート20を通過しないと入れないビル内の領域である。特定領域は、エレベータ乗場や、各エレベータ60のかご内のスペースや、エレベータ60を利用して移動可能な各階床のスペースを含む。
セキュリティゲート20のエントランス側の床面には、顔認証エリアAdを示す表示がなされている。
1-2.システム構成
1-2-1.概要
図2は、顔認証セキュリティゲートシステムを含むエレベータシステムのシステム構成を示したブロック図である。
エレベータシステムは、複数台のエレベータ60A~60Fと、これらのエレベータ60A~60Fの運行を統合的に制御する群管理制御装置10と、各エレベータに対応させて設けられたエレベータ制御装置40A~40Fと、各階に配置される行先階登録装置30とを備える。
エレベータシステムは、かごへの乗車前に利用者に行先階を予め登録させる行先階登録方式を採用している。行先階の登録は、例えば、セキュリティゲート20での顔認証、QRコード(登録商標)の利用、行先階登録装置30での手動登録などにより行うことができる。QRコードは、所定情報媒体(所定情報)の一例である。群管理制御装置10は、乗車前に登録された行先階に関する呼び(行先階呼び)を、複数台のエレベータ60のうちのいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を、利用されたセキュリティゲート20のゲート表示器70や行先階登録装置30に表示させ、これにより、割り当てた号機に利用者を乗車させる。
なお、特定階の行先階登録装置30は、セキュリティゲート20を通過して特定領域に進入した利用者が、ゲート表示器70に表示されたエレベータ60に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに、エレベータ60を利用することを可能とするために設けられている。
各エレベータ60(60A~60F)は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
1-2-2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、エレベータ60A~60Fの運行を統合的に制御する。また、群管理制御装置10は、セキュリティゲート20及び行先階登録装置30との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークに接続されている前述の各装置は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、セキュリティゲート20、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティゲート20、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、セキュリティゲート20、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40A~40Fから入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
1-2-3.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40A~40Fは、エレベータ60A~60Fに対応させて設けられている。エレベータ制御装置40A~40Fは、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ60A~60Fの巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ60A~60Fのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40A~40Fは、対応するエレベータ60A~60Fのかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置40A~40Fを区別せずに「エレベータ制御装置40」という場合がある。
エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10などと同様に、制御部、記憶部、入出力インタフェースなどを備えたコンピュータを利用して構成される。
1-2-4.行先階登録装置
図3は、行先階登録装置30の電気的構成を示したブロック図である。
行先階登録装置30は、利用者による行先階の登録(指定)を受け付ける装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30が群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。
操作部35は、行先階登録装置30に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースである。操作部35は、操作内容に応じた信号を制御部31に出力する。
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成される。なお、表示部34と操作部35とは、表示部34に表示されているボタン等のオブジェクトと同等の指定を行うことが可能であれば、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。
図4は、行先階登録装置30の外観を模式的に示した正面図である。図5は、行先階登録装置30の表示部34における表示例を示した図である。
行先階登録装置30の上方には、顔認証用カメラ36が配置されており、行先階の登録の際、利用者に、顔認証を行わせるように構成されている。
顔認証用カメラ36は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、生成した画像データを群管理制御装置10に出力する。顔認証用カメラ36は、撮像部の一例である。所定画角領域は、利用者が行先階登録装置30の前にいる際に、顔認証を適切に行うことができる大きさで利用者の顔を撮像することができる画角に設定されている。所定解像度は、顔を検出することができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHDやFHDの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
図4では、行先階登録装置30の表示部34に、デフォルト画面としての案内画面が表示されている例を示している。この案内画面では、例えば、「顔認証により利用可能となります。上のカメラで顔認証を行ってください」というメッセージが表示される。図4の案内画面が表示部34に表示されているときに、利用者が顔認証用カメラ36の前方に来ると、顔認証用カメラ36で撮像された撮像画像に基づいて群管理制御装置10により顔認証処理が行われる。顔認証が成功すると、例えば図5(a)に示すような操作画面が表示される。図5(a)の操作画面では、表示部34に「行先階を登録してください」というメッセージとともに、顔認証が成功した利用者に利用者データベース(後述する)で紐付けられている許可階の行先階ボタンが表示されている。図5(a)では、利用者の許可階である9階、10階、11階の行先階ボタンが表示されている例を示す。なお、許可階とは、利用者の利用が許可されている階床であり、顔認証が成功した利用者に応じて異なる階床となる。図5(a)の操作画面で、いずれかの行先階ボタンが利用者により押されると(タッチされると)、エレベータの割り当てが行われ、例えば図5(b)に示すような割当結果画面が表示される。図5(b)の割当結果画面では、表示部34に「10F 1号機」というメッセージが表示されている。
1-2-5.セキュリティゲート
セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への利用者の進入を制御する装置である。具体的に、セキュリティゲート20は、ビル内部の特定領域への正規の利用者の進入を許可する一方、非正規の利用者の進入については規制する装置である。正規の利用者とは、利用者データベース(以下「利用者DB」という)に登録されている利用者であり、非正規の利用者とは、利用者DBに登録されていない利用者である。実施の形態1における利用者DBは、後述する行先階設定アプリに関連するアプリ利用者DBである。
図6は、実施の形態1におけるセキュリティゲート20の電気的構成を示すブロック図である。図7は、セキュリティゲート20の外観を示した斜視図である。なお、図7は、図1の3台のセキュリティゲート20のうち最も左のセキュリティゲート20の斜視図である。
図7に示すように、セキュリティゲート20の筐体であるゲート本体20aには、QRコードリーダ29と、第1センサ26と、第2センサ27と、ゲートフラッパ28と、ゲート表示器70とが備えられている。また、ゲート本体20aの出口20e側には、顔認証用カメラ25が設けられている。顔認証用カメラ25は、ゲート本体20aに取り付けられてもよいし、独立して設けられてもよい。
顔認証用カメラ25は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像(撮像画像)の画像データを生成し、群管理制御装置10に出力する。顔認証用カメラ25は、撮像部の一例である。所定画角領域は、利用者が顔認証エリアAd(図1参照)にいる際に、顔認証を適切に行うことができる大きさで利用者の顔を撮像することができる画角に設定されている。所定解像度は、顔を検出することができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHDやFHDの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
QRコードリーダ29は、ゲート本体20aの上面の入口20i側に配置されている。QRコードリーダ29は、光学式リーダ(スキャナあるいはカメラ)と、データ出力部とを備える。光学式リーダは、利用者により所定距離よりも近い位置にかざされたQRコードを光学的に読み取る。データ出力部は、光学式リーダで読み取られたQRコードの画像データ(以下「QRコードデータ」という)と、当該QRコードリーダ29の登録装置ID(登録装置識別情報)とを含む信号を群管理制御装置10に送信する。なお、読み取られるQRコードは、携帯端末200の表示部に表示されたものであってもよいし、紙などに印刷されたものであってもよい。
第1センサ26は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの入口20i側を通過する利用者を検知する。第1センサ26は、利用者を検知すると、検知信号を出力する。
第2センサ27は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート20の通路PAの出口20e側を通過する利用者を検知する。第2センサ27は、利用者を検知すると、検知信号を出力する。
ゲートフラッパ28は、開閉自在の扉である。ゲートフラッパ28は、利用者の進入を許可する開放位置と許可しない閉鎖位置に移動可能なゲート部材である。図7では、ゲートフラッパ28が開放位置にある状態が示される。
ゲート表示器70は、群管理制御装置10から出力される種々の表示信号に応じた画面を表示する。例えば、ゲート表示器70は、顔認証が成功したことを示す画面や、群管理制御装置10から出力される割当結果信号を受信したときに、割り当てたエレベータ(割当号機)の名称などを報知するための割当結果画面を表示する。
また、ゲート本体20aの内部には、図6に示すように、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23などが収容されている。
記憶部22は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態におけるセキュリティゲート20の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
入出力インタフェース23は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース23は、セキュリティゲート20が、群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース23は、制御部21から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース23は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部21に出力する。
制御部21は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部21は、記憶部22に格納されたプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティゲート20における後述する各種の機能を実現する。
制御部21は、第1センサ26及び第2センサ27からの検知信号、及び群管理制御装置10からの開放信号や閉鎖信号に基づいて、ゲートフラッパ28を開閉する。また、制御部21は、第1センサ26から検知信号を受信し、その後、第2センサ27から検知信号を受信した場合、利用者通過信号を群管理制御装置10に送信する。
セキュリティゲート20又は群管理制御装置10は、顔認証用カメラ25や顔認証用カメラ36から出力される画像データが示す撮像画像に基づいて、ビル内のセキュリティ確保のために、利用者に対する顔認証処理を行う。例えば、セキュリティゲート20又は群管理制御装置10は、撮像画像に対して顔検出処理を行い、顔を検出した場合、さらに顔特徴点検出処理を行う。そして、撮像画像から顔特徴点を検出すると、検出した顔特徴点のデータ(顔データ)と、QRコードリーダ29で読み取られたQRコードに含まれる顔特徴点データ(顔データ)とを順次比較(照合)して一致率を求める。そして、一致率が所定一致率以上か否かを判断する。そして、一致率が所定一致率以上である場合、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者(顔検出された利用者)は正規の利用者であると特定し、顔認証が成功したと判断する(顔認証OK)。なお、所定一致率は、他人の場合には到達しない程度に高い一致率とすることが好ましい。これにより、適切に顔認証を行うことができる。なお、顔検出処理、顔特徴点検出処理、照合処理(認証処理)は各種の公知の方法を用いて行うことができる。
また、セキュリティゲート20又は群管理制御装置10は、顔認証結果に応じて、セキュリティゲート20の開閉を制御する。
実施の形態1では、セキュリティゲート20が利用者の顔データを取得して、取得した顔データ(顔特徴点データ)を群管理制御装置10に送信し、群管理制御装置10が顔認証処理を行う場合について説明する。このような場合に限らず、後述する実施の形態2のように、セキュリティゲート20が単体で顔データの取得と顔認証処理を行ってもよい。
1-2-6.携帯端末
携帯端末200は、制御部、記憶部、通信用インタフェース、表示部、操作部などを備えたコンピュータにより構成される。携帯端末200は、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータである。携帯端末200の記憶部には、行先階設定アプリがインストールされている。行先階設定アプリは、利用者が希望する行先階を設定するとともに、顔認証用のQRコードを生成する機能を有する。
図8は、携帯端末200の表示部210における表示例を示した図である。
利用者が携帯端末200において行先階設定アプリを起動させると、携帯端末200の表示部210に、図8(a)に示す行先階設定画面が表示される。行先階設定画面には、行先階入力枠Fi、QRコード生成ボタンBiなどが表示される。利用者が行先階入力枠Fiに行先階を入力し、QRコード生成ボタンBiにタッチすると、QRコードが生成され、携帯端末200の表示部210に、例えば図8(b)に示すようなQRコードCdを表示したQRコード表示画面が表示される。QRコードCdには、アプリ利用者データベース(以下「アプリ利用者DB」とする。)に格納されている各種情報が記憶されている。
図9は、行先階設定アプリに関連するアプリ利用者DBに格納されているデータを示す図である。アプリ利用者DBは、利用者IDに紐付けて、顔データと、デフォルト行先階と、許可階とを記録している。なお、利用者IDに紐づけてさらにパスワードを記録してもよい。これらの情報のアプリ利用者DBへの登録は例えばビル管理者により行われる。
「利用者ID」は、利用者を一意に識別するために設定された識別情報(利用者識別情報)である。利用者IDは、利用者の携帯端末200を識別する識別情報であって、「携帯端末ID」と称してもよい。
「顔データ」は、「利用者ID」で特定される利用者の顔の特徴を示す顔特徴点データである。顔特徴点データは、例えば、目、鼻、口などの位置や形状の特徴を示すデータである。顔特徴点データは、当該利用者の利用者DBへの登録時に提供されまたは撮像された利用者の顔画像に基づいて生成される。
「デフォルト行先階」は、「利用者ID」で特定される利用者のデフォルト行先階を示す情報である。デフォルト行先階としては、例えば、当該利用者が入居している階床の数値が設定される。なお、利用者の希望に応じて、「デフォルト行先階」を設定しないこともできる。この場合、デフォルト行先階としては、記号“-”が設定される。記号“-”は、行先階未設定情報の一例である。
「許可階」は、「利用者ID」で特定される利用者の利用が許可されている階床を示す情報である。許可階としては、例えば、ビル内の共用階などが設定される。
図9に示す例では、利用者ID“10001”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ1”、“10”、及び“9,10,11”が登録されている。利用者ID“10002”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ2”、“8”、及び“7,8”が登録されている。利用者ID“10003”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ3”、“13”、及び“12,13”が登録されている。利用者ID“10004”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ4”、“-”、及び“9,10,11”が登録されている。デフォルト行先階における記号“-”は、デフォルト行先階が設定されていないことを示す行先階未設定情報である。残りの利用者IDについても同様に、利用者IDに紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階の情報が登録されている。
図8に示す表示部210の入力画面において、行先階入力枠Fiにデフォルトで入力される行先階として、アプリ利用者DBに登録されているデフォルト行先階が自動で入力されてもよい。行先階入力枠Fiに入力する行先階は、利用者の操作によって変更することができ、アプリ利用者DBに登録されている許可階に限り変更が許可される。行先階入力枠Fiにおいて許可階に対応する行先階が入力された状態で、利用者がQRコード生成ボタンBiを押下すると、行先階設定アプリがQRコードCdを生成して表示部210に表示する。生成されたQRコードCdには、行先階入力枠Fiに入力された行先階の情報、並びに携帯端末200の利用者に対応する利用者ID、許可階及び顔データの情報が含まれる。
2.動作
2-1-1.顔認証処理及びセキュリティゲートのゲートフラッパの開閉制御
群管理制御装置10は、セキュリティゲート20のQRコードリーダ29で取得されるQRコードに含まれる顔データと、顔認証用カメラ25で取得される撮像画像による顔データとを比較して、ビル内のセキュリティ確保のために、利用者に対する顔認証処理を行う。具体的には、利用者がエントランスから特定領域のエレベータ乗場に移動するためにセキュリティゲート20を通過しようとすると、利用者は予め、携帯端末200の行先階設定アプリを用いて所望の行先階の情報を含むQRコードを表示部210に表示させておき、QRコードリーダ29にQRコードをかざす。さらに、セキュリティゲート20のエントランス側の顔認証エリアAd(図1参照)で顔認証用カメラ25により利用者の顔が検出され、さらに顔特徴点検出処理が行われる。セキュリティゲート20は、QRコードに含まれる顔特徴点データと、顔認証用カメラ25による撮像画像に基づく顔特徴点データとを、群管理制御装置10に送信する。
群管理制御装置10は、QRコードに含まれる顔特徴点データと、顔認証用カメラ25で撮像した撮像画像に基づく顔特徴点データとを順次比較(照合)して一致率を求める。そして、一致率が所定一致率以上であるか否かを判断する。そして、一致率が所定一致率以上である場合、群管理制御装置10は、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者(顔検出された利用者)は、正規の利用者であると特定し、顔認証が成功したと判断する。この場合、群管理制御装置10は、当該セキュリティゲート20に開放信号を送信する。これにより、顔認証が成功した利用者は、セキュリティゲート20を通過することができる。
これに対し、一致率が所定一致率以上でない場合、群管理制御装置10は、セキュリティゲート20を通過しようとする利用者が、正規の利用者でないと判断する。この場合、群管理制御装置10は、当該セキュリティゲート20に閉鎖信号を送信する。セキュリティゲート20の制御部21は、ゲートフラッパ28を閉状態とさせる。これにより、顔認証が失敗した利用者は、セキュリティゲート20を通過することができない。つまり、利用者DBに登録されていない利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
なお、セキュリティゲート20の制御部21は、群管理制御装置10から開放信号、閉鎖信号のいずれも受信していない状況で、つまり顔認証処理が完了していない状況で、第1センサ26により利用者が検知された場合、ゲートフラッパ28を閉状態とさせる。これにより、顔認証処理が完了していない利用者がセキュリティゲート20を通過するのを阻止することができる。
このように、利用者DBに登録されている利用者は特定領域に進入することができるが、そうでない利用者は特定領域に進入することができない。よって、ビル内のセキュリティが確保される。
2-1-2.号機割当処理
2-1-2-1.セキュリティゲート利用時の行先階設定処理及び号機割当処理
セキュリティゲート20を通過しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が利用者DBに登録されている利用者であると判断すると、群管理制御装置10は、QRコードデータに含まれる行先階や、出発階などの情報に基づいて、利用者の行先階を割り当てる割当号機を決定し、決定した割当号機を示す割当結果信号を、対応するセキュリティゲート20に送信する。
セキュリティゲート20は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、ゲート表示器70に割当結果画面を表示する。
より詳細な行先階設定処理及び号機割当処理については後述する。
2-1-2-2.行先階登録装置利用時の行先階設定処理及び号機割当処理
群管理制御装置10は、行先階登録装置30を利用しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が正規の利用者であると判断すると、少なくとも許可階の情報を含む受付許可信号を生成し、対応する行先階登録装置30に送信する。
行先階登録装置30は、受付許可信号を受信すると、許可階の情報が示す許可階の行先階ボタンを表示部34に表示し、利用者による行先階の指定操作を受け付ける。行先階の指定操作があると、行先階登録装置30は、指定された行先階にいずれかの号機を割り当てることを要求する割当依頼信号を群管理制御装置10に送信する。
群管理制御装置10は、割当依頼信号を受信すると、利用者の行先階を割り当てる割当号機を決定し、決定した割当号機を示す割当結果信号を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションに配置されている行先階登録装置30に送信する。
行先階登録装置30は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信すると、表示部34に、割当号機を表示した割当結果画面を表示する。
2-1-3.エレベータシステムの具体的動作
利用者がセキュリティゲート20を利用した際のゲート開閉処理及び顔認証処理について、フローチャートを参照してより詳しく説明する。
図10は、セキュリティゲート20の動作を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、セキュリティゲート20の制御部21毎によって実行される。
セキュリティゲート20は、QRコードリーダ29でQRコードデータを取得したか否かを判断する(S11)。利用者はセキュリティゲート20を通過する前に予め、携帯端末200の行先階設定アプリで所望の行先階(例えばデフォルト行先階)を設定して、当該行先階の情報および利用者の顔データを含むQRコードを携帯端末200の表示部210に表示させておく。利用者がQRコードリーダ29に携帯端末200の表示部210をかざすことで、QRコードが読み取られ、QRコードデータが取得される(S11でYES)。QRコードデータを取得したと判断しない限り(S11でNO)、ステップS11の判断処理を繰り返し実行する。
QRコードデータを取得したと判断すると(S11でYES)、セキュリティゲート20は、QRコードデータに顔特徴点データおよび行先階データが含まれるか否かを判断する(S12)。携帯端末200の行先階設定アプリでQRコードを生成した場合、QRコードデータには、行先階入力枠Fiに入力・登録された行先階(許可階に限る。)、アプリ利用者DBに登録されている利用者ID、顔データ及び許可階の情報が含まれている。
行先階設定アプリとは異なる手段でQRコードが生成された場合、QRコードデータには、顔特徴点データおよび行先階データが含まれないと判断される(S12でNO)。セキュリティゲート20は、ゲート表示器70に、QRコードエラー画面を所定時間表示するともに、ゲートフラッパ28を閉鎖し(S13)、ステップS11の処理に戻る。これにより、所定の行先階設定アプリ以外の方法で生成された非正規のQRコードを読み取った場合に、ゲートフラッパ28を閉鎖位置に制御して利用者の進入を阻止することができる。
図11Aは、ゲート表示器70に表示されるQRコードエラー画面の一例を示す図である。図11Aに示すQRコードエラー画面では、QRコードが正規のものでないことを示す「QRコードが正しくありません」、「行先階設定アプリでQRコードを生成してください」というメッセージが表示される。
QRコードデータに顔特徴点データおよび行先階データが含まれると判断すると(S12でYES)、セキュリティゲート20は、顔特徴点データおよび行先階データを含むQRコードデータを群管理制御装置10に送信する(S14)。セキュリティゲート20は、QRコードデータに加えて、セキュリティゲート20のロケ―ジョン情報(出発階の情報を含む。)等もあわせて群管理制御装置10に送信する。
ステップS14の処理と並行して、図11Bに示すような表示画面をゲート表示器70に表示してもよい。図11Bに示す例では、「QRコードを正しく読み取りました」、「カメラで顔を撮影してください」というメッセージが表示される。
セキュリティゲート20は、顔認証用カメラ25から出力される画像データが示す撮像画像に顔が含まれているか否かを判断する(S15)。具体的には、顔認証用カメラ25で撮像した撮像画像に所定の画像解析処理を実行することで、撮像画像に顔が含まれるか否かを判断する。撮像画像の画像解析処理は、セキュリティゲート20が行う場合に限らず、セキュリティゲート20から撮像画像を受信した群管理制御装置10が実行してもよい。
撮像画像に顔が含まれていない場合(S15でNO)、セキュリティゲート20は、タイムアップか否かを判断する(S16)。タイムアップは例えば10秒である。タイムアップでないと判断される場合(S16でNO)、セキュリティゲート20は、ステップS15を再度実行する。撮像画像に顔が含まれるか(S15でYES)、タイムアップになるまで(S16でYES)、ステップS15、S16の判断処理を繰り返し実行する。
タイムアップと判断した場合(S16でYES)、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70にタイムアップ画面を所定時間表示するとともに、群管理制御装置10にキャンセル信号を送信し(S17)、ステップS11の処理に戻る。
図11Cは、ゲート表示器70に表示されるタイムアップ画面の一例を示す図である。図11Cに示すタイムアップ画面では、タイムアップになったことを示す「時間切れです」、「もう一度始めからやり直してください」というメッセージを表示する。
タイムアップになる前(S16でNO)に、撮像画像に顔が含まれていると判断した場合(S15でYES)、セキュリティゲート20は、撮像画像を解析して顔特徴点データを取得する(S18)。セキュリティゲート20が撮像画像に所定の画像解析処理を実行することで、顔特徴点データを取得する。
セキュリティゲート20は、ステップS18で取得した顔特徴点データを群管理制御装置10に送信する(S19)。
セキュリティゲート20は、群管理制御装置10から割当結果信号を受信したか否かを判断する(S20)。セキュリティゲート20から顔特徴点データを受信した群管理制御装置10は、ステップS14で送信されたQRコードデータに含まれる顔特徴点データと、ステップS19で送信された撮像画像に基づく顔特徴点データとを比較し、当該比較による一致率に応じて、顔認証が成功(顔認証OK)、あるいは失敗(顔認証NG)かを判断する。顔認証OKの場合、群管理制御装置10は、QRコードデータに含まれる行先階をいずれかのエレベータ60に割り当てる割当処理を行い、割当結果信号をセキュリティゲート20へ送信する(S20でYES)。
群管理制御装置10から割当結果を受信しない場合(S20でNO)、セキュリティゲート20は、群管理制御装置10から認証NG信号を受信したか否かを判断する(S21)。認証NG信号は、群管理制御装置10での顔認証の結果が失敗した場合に群管理制御装置10からセキュリティゲート20へ送信される。
群管理制御装置10から割当結果信号を受信するか(S20でYES)、認証NG信号を受信するまで(S21でYES)、ステップS20、S21の判断処理を繰り返し実行する。
群管理制御装置10から認証NG信号を受信せずに(S21でNO)、割当結果信号を受信した場合(S20でYES)、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70に、割当結果画面を所定時間表示するとともに、ゲートフラッパ28を開放する(S22)。
図11Dは、ゲート表示器70に表示される割当結果画面の一例を示す図である。図11Dに示す割当結果画面では、顔認証が成功したことを示す「顔認証に成功しました」というメッセージと、行先階が10F、割当号機が2号機であることを示す「10F 2号機」というメッセージが表示される。
群管理制御装置10から割当結果信号を受信せずに(S20でNO)、認証NG信号を受信した場合(S21でYES)、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70に、認証NG画面を所定時間表示するとともに、ゲートフラッパ28を閉鎖する(S23)。
図11Eは、ゲート表示器70に表示される認証NG画面の一例を示す図である。図11Eに示す認証NG画面では、顔認証が失敗したことを示す「顔認証に失敗しました」、「もう一度始めからやり直してください」というメッセージを表示する。
上記フローによれば、QRコードデータに含まれる顔特徴点データと、顔認証用カメラ25で撮像された撮像画像による顔特徴点データとに基づいて顔認証が実行され、当該顔認証の結果に応じて、ゲートフラッパ28の開閉制御が行われる。顔認証を実行するためには、利用者本人の携帯端末200にダウンロードされた行先階設定アプリを用いて、利用者本人の顔データと行先階データ(許可階に限る。)を含んだ所定のQRコードを生成する必要がある。利用者以外の他人は所定のQRコードを生成することができないため、利用者の写真等を利用してセキュリティゲート20の通過を試みても、顔認証が実行されず、ゲートフラッパ28は開放されない。これにより、他人による「なりすまし」を防止することができ、セキュリティを高めることができる。
図12は、群管理制御装置10の動作を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、群管理制御装置10の制御部11によって実行される。本フローチャートの処理は、群管理制御装置10と通信する複数のセキュリティゲート20毎に実行される。
群管理制御装置10は、セキュリティゲート20からQRコードデータを受信したか否かを判断する(S31)。前述したように、セキュリティゲート20がQRコードデータを送信することに応じて(図10のS14)、群管理制御装置10がQRコードデータを受信する(S31でYES)。QRコードデータを受信したと判断しない限り(S31でNO)、ステップS31の判断処理を繰り返し実行する。
QRコードデータを受信したと判断すると(S31でYES)、群管理制御装置10は、記憶部12に、QRコードデータを一時的に記憶する(S32)。
群管理制御装置10は、セキュリティゲート20から撮像画像による顔特徴点データを受信したか否かを判断する(S33)。前述したように、セキュリティゲート20が撮像画像の解析から取得した顔特徴点データを送信することに応じて(図10のS19)、群管理制御装置10が撮像画像による顔特徴点データを受信する(S33でYES)。
顔特徴点データを受信しない場合(S33でNO)、群管理制御装置10は、キャンセル信号を受信したか否かを判断する(S34)。図10に示すステップS16でタイムアップと判断され、ステップS17でセキュリティゲート20が群管理制御装置10へキャンセル信号を送信することに応じて、群管理制御装置10は、キャンセル信号を受信する(S34でYES)。キャンセル信号を受信した場合(S34でYES)、ステップS31の判断処理に戻る。
これにより、セキュリティゲート20でタイムアップと判断された場合に、セキュリティゲート20と群管理制御装置10の両方が最初の処理に戻る。キャンセル信号の受信に応じて、群管理制御装置10の記憶部12に一時的に記憶しているQRコードデータをクリアしてもよい。
キャンセル信号を受信せずに(S34でNO)、セキュリティゲート20から撮像画像による顔特徴点データを受信した場合(S33でYES)、群管理制御装置10は、撮像画像による顔特徴点データと、ステップS32で一時的に記憶しているQRコードデータに含まれる顔特徴点データとの一致率を求める(S35)。
群管理制御装置10は、ステップS35で求めた一致率が所定一致率以上であるか否かを判断する(S36)。一致率が所定一致率以上であるか否かによって、QRコードリーダ29で読み取られたQRコードデータに含まれる顔データと、顔認証用カメラ25で撮像された撮像画像による顔データとが、同一人物であるか否かが判断される。
求めた一致率が所定一致率以上でない、すなわち同一人物でないと判断する場合(S36でNO)、群管理制御装置10は、セキュリティゲート20に認証NG信号を送信する(S37)。認証NG信号を受信したセキュリティゲート20は、前述した通り、認証NG画面を表示して、ゲートフラッパ28を閉鎖させる(図10のS23)。
求めた一致率が所定一致率以上である、すなわち同一人物であると判断する場合(S36でYES)、群管理制御装置10は、QRコードデータに含まれる行先階を、複数台のエレベータ60のうちのいずれかに割り当てる(S38)。
群管理制御装置10は、セキュリティゲート20に、割当結果を含む割当結果信号を送信する(S39)。割当結果には、ステップS38で割り当てられたエレベータ60である割当号機等の情報が含まれる。割当結果信号を受信したセキュリティゲート20は、前述した通り、割当結果画面を表示して、ゲートフラッパ28を開放させる(図10のS22)。
上記フローによれば、顔認証用カメラ25で撮像される撮像画像による顔データと、利用者の携帯端末200に表示されるQRコードデータに含まれる顔データとが同一人物と判断される程度に一致する場合に限り、セキュリティゲート20のゲートフラッパ28が開放され、利用者の進入が許可される。顔認証用カメラ25で撮像される利用者が本人であり、且つ、当該利用者が提示するQRコードが所定のQRコードでない限り、利用者はセキュリティゲート20を通過することができず、いわゆる他人による「なりすまし」を防止することができ、セキュリティ性の高い顔認証セキュリティゲートシステムを実現できる。
また、顔認証用カメラ25で撮像される撮像画像とQRコードリーダ29で読み取ったQRコードデータを用いて顔認証OK/NGを判断できるため、セキュリティゲート20や群管理制御装置10は、各利用者の顔データや許可階等の情報を格納した利用者DBを有する必要がなく、セキュリティサーバも省略することができる。これにより、簡単な方法で利用者の顔認証処理を実行することができる。
上述したセキュリティゲート20および群管理制御装置10を有する顔認証セキュリティゲートシステムによれば、簡単且つセキュリティの高い方法で、セキュリティゲート20の開閉制御を実行することができる。
(実施の形態1の作用・効果)
実施の形態1の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20、群管理制御装置10)は、
利用者の進入を許可する開放位置と許可しない閉鎖位置に移動可能なゲート部材(例えばゲートフラッパ28)と、
ゲート部材の通過前に利用者の顔を撮像可能なように設けられた第1撮像部(例えば顔認証用カメラ25)と、
ゲート部材の通過前に利用者により提示される所定情報媒体(例えばQRコード)から利用者の顔に関する顔データを取得する情報取得部(例えばQRコードリーダ29)と、
制御部(例えば制御部11、21)と、を備え、
制御部は、
第1撮像部で撮像された撮像画像による顔データと、情報取得部で取得された顔データとに基づく顔認証が成功した場合において(S36でYES、S39、S20でYES)、ゲート部材を開放位置に制御し(S22)、第1顔認証が失敗した場合において(S36でNO、S37、S21でYES)、ゲート部材を閉鎖位置に制御する(S23)。
この構成により、簡単かつセキュリティの高い方法でセキュリティゲート20の開閉制御を行うことができる。
実施の形態1の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20、群管理制御装置10)において、
制御部(例えば制御部11)は、
顔認証が成功したことに応じて(S36でYES)、利用者に対するエレベータ(エレベータ60)の割当を行う(S38)。
この構成により、顔認証の成功に応じてエレベータ60の割当を自動で行うことができる。
実施の形態1の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20、群管理制御装置10)において、
所定情報媒体(例えばQRコード)は、情報取得部(QRコードリーダ29)のみにより読み取り可能なように暗号化された媒体である。
この構成により、セキュリティを強化することができる。
実施の形態1のエレベータシステムは、
少なくとも1台のエレベータ(例えばエレベータ60)と、
顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20、群管理制御装置10)と、を備える。
この構成により、エレベータシステムにおいて、上記の各種効果が得られる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、セキュリティゲート20が群管理制御装置10と通信し、群管理制御装置10が顔認証処理およびエレベータ割当処理を行う場合について説明したが、このような場合に限らない。エレベータ60とは無関係の場所にセキュリティゲート20を設置してもよく、例えば駅や商業施設の改札ゲート等に利用することができる。
図13は、実施の形態2における顔認証セキュリティゲートシステムが適用されるセキュリティゲート20周辺の機器配置を示した概略平面図である。図14は、実施の形態2におけるセキュリティゲート20の電気的構成を示したブロック図である。実施の形態2では便宜的に、セキュリティゲート20およびその内部構成について、実施の形態1と同じ符号を付して説明する。
図13に示すように、例えば駅の改札における利用者の移動経路上には、複数台のセキュリティゲート20が配置されている。利用者は、入口側からいずれかのセキュリティゲート20を通過して特定領域に進入する。特定領域は、入口側からセキュリティゲート20を通過しないと入れない領域であり、例えば駅の改札の場合、改札の内側(ホーム側)の領域である。入口側は例えば、駅の切符売り場に隣接する。
図14に示すように、実施の形態2のセキュリティゲート20は、実施の形態1のように群管理制御装置10には接続されていない。実施の形態1と同様に、行先階設定アプリに関連するアプリ利用者DBやアプリ管理装置にも接続されておらず、セキュリティサーバも省略されている。
図15は、実施の形態2におけるセキュリティゲート20の動作を説明したフローチャートである。
実施の形態2のセキュリティゲート20は、図10に示した実施の形態1のセキュリティゲート20が実行する処理と同様の処理として、ステップS11、S12、S13、S15、S16、S18、S23を実行する。ステップS11、S12、S13、S15、S16、S18、S23の処理内容については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
セキュリティゲート20は、QRコードリーダ29で読み取ったQRコードデータに顔特徴点データおよび行先階データが含まれると判断した場合(S12でYES)、記憶部22に、QRコードデータを一時的に記憶する(S41)。実施の形態1のように、群管理制御装置10等の他の装置にQRコードデータを送信するのではなく、セキュリティゲート20自体がQRコードデータを一時的に記憶する。
セキュリティゲート20は、撮像画像に顔が含まれず(S15でNO)、タイムアップと判断した場合(S16でYES)、ゲート表示器70に、タイムアップ画面を所定時間表示する(S42)。ここで、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70にタイムアップ画面を表示すればよく、実施の形態1のように群管理制御装置10等の他の装置へキャンセル信号を送信しなくてもよい。
セキュリティゲート20は、撮像画像に顔が含まれる場合(S15でYES)、撮像画像を解析して顔特徴点データを取得し(S18)、取得した顔特徴点データと、ステップS41で記憶したQRコードデータに含まれる顔特徴点データとの一致率を求める(S43)。実施の形態1のように、群管理制御装置10が2つの顔特徴点データの一致率を求めるのではなく、セキュリティゲート20の制御部21が一致率を求めればよい。
セキュリティゲート20は、求めた一致率が所定一致率以上か否かを判断する(S44)。
求めた一致率が所定一致率以上である場合(S44でYES)、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70に、認証OK画面を所定時間表示し、ゲートフラッパ28を開放する(S45)。実施の形態1のように、エレベータ60の割当は行わず、ゲート表示器70に認証OK画面を表示して、ゲートフラッパ28を開放すればよい。
図16は、ゲート表示器70に表示される認証OK画面の一例を示す図である。図16に示す認証OK画面では、顔認証が成功したことを示す「顔認証に成功しました」、「ゲートを通過してください」というメッセージが表示される。
上記フローによれば、セキュリティゲート20単体で顔認証処理およびゲート開閉制御を実行することができ、駅や商業施設の改札ゲート等、任意の種類のセキュリティゲート20に利用することができる。実施の形態1と同様に、顔認証用カメラ25で撮像された利用者が本人であり、且つ、行先階設定アプリを用いて作成した所定のQRコードを提示しない限り、利用者はセキュリティゲート20を通過することができず、高いセキュリティ性を実現できる。また、セキュリティゲート20に各利用者の顔データ等の情報を記憶したり、セキュリティサーバを接続する必要もないため、簡単且つセキュリティの高い方法でセキュリティゲート20の開閉制御を実行することができる。
(実施の形態2の作用・効果)
実施の形態2の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20)は、
利用者の進入を許可する開放位置と許可しない閉鎖位置に移動可能なゲート部材(例えばゲートフラッパ28)と、
ゲート部材の通過前に利用者の顔を撮像可能なように設けられた第1撮像部(例えば顔認証用カメラ25)と、
ゲート部材の通過前に利用者により提示される所定情報媒体(例えばQRコード)から利用者の顔に関する顔データを取得する情報取得部(例えばQRコードリーダ29)と、
制御部(例えば制御部21)と、を備え、
制御部は、
第1撮像部で撮像された撮像画像による顔データと、情報取得部で取得された顔データとに基づく顔認証が成功した場合において(S44でYES)、ゲート部材を開放位置に制御し(S45)、顔認証が失敗した場合において(S44でNO)、ゲート部材を閉鎖位置に制御する(S23)。
これにより、簡単かつセキュリティの高い方法でセキュリティゲート20の開閉制御を行うことができる。
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、顔認証を1回のみ行っていたのに対して、実施の形態3では、顔認証を2回行い、1回目の顔認証でゲートフラッパ28の開閉を実行し、2回目の顔認証でエレベータ60の割当を実行する。さらに、エレベータ60の割当結果を、利用者の携帯端末200の表示部210に表示させる。
実施の形態3の顔認証セキュリティゲートシステムの構成は、図1、図2と示す構成と同様であるため、説明を省略する。実施の形態3でも便宜的に、セキュリティゲート20、群管理制御装置10およびそれらの内部構成について、実施の形態1と同じ符号を付して説明する。
図17は、実施の形態3におけるセキュリティゲート20の動作を説明したフローチャートである。図18、図19は、実施の形態3における群管理制御装置10の動作を説明したフローチャートである。
実施の形態3のセキュリティゲート20は、図10に示した実施の形態1のセキュリティゲート20が実行する処理と同様の処理として、ステップS11、S13、S15~S19、S21、S23を実行する。ステップS11、S13、S15~S19、S21、S23の処理内容については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
セキュリティゲート20は、QRコードリーダ29でQRコードデータを取得した場合(S11でYES)、QRコードデータに利用者ID、顔特徴点データおよび行先階データが含まれるか否かを判断する(S51)。実施の形態1のように、顔特徴点データと行先階データだけでなく、利用者ID、すなわち携帯端末IDが含まれているか否かも判断する。これは、2回目の顔認証が成功した場合に、エレベータ60の割当結果を送信する送信先の携帯端末200を特定するためである。実施の形態1でも同様に利用者IDが含まれるか否かを判断してもよい。
セキュリティゲート20は、利用者ID、顔特徴点データおよび行先階データを含むQRコードデータを群管理制御装置10に送信する(S52)。
セキュリティゲート20は、ステップS15~S19の処理の後、群管理制御装置10から認証OK信号を受信したか否かを判断する(S53)。実施の形態1のように、エレベータ60の割当結果ではなく、認証OK信号を受信したか否かを判断する。
認証OK信号を受信した場合(S53でYES)、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70に、認証OK画面を所定時間表示し、ゲートフラッパ28を開放させる(S54)。
図20Aは、ゲート表示器70に表示される認証OK画面の一例を示す図である。図20Aに示す認証OK画面では、顔認証が成功したことを示す「顔認証に成功しました」、「ゲートを通過してください」というメッセージが表示される。
認証OK信号を受信せずに(S53でNO)、認証NG信号を受信した場合(S21でYES)、セキュリティゲート20は、ゲート表示器70に、認証NG画面を所定時間表示するとともに、ゲートフラッパ28を閉鎖し(S23)、ステップS11の処理に戻る。
図20Bは、ゲート表示器70に表示される認証NG画面の一例を示す図である。図20Bに示す認証NG画面では、顔認証が失敗したことを示す「顔認証に失敗しました」、「もう一度やり直してください」というメッセージが表示される。
上記フローによれば、セキュリティゲート20の顔認証用カメラ25およびQRコードリーラ29を用いた1回目の顔認証(第1顔認証)の結果(S53でYES/NO、S21でYES/NO)に応じて、ゲートフラッパ28が開閉制御される。
図18に示すように、実施の形態3の群管理制御装置10は、図12に示した実施の形態1の群管理制御装置10が実行する処理と同様の処理として、ステップS31~S37を実行する。ステップS31~S37の処理内容については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
群管理制御装置10は、2つの顔特徴点データの一致率が所定一致率以上である、すなわち、顔認証が成功したと判断する場合(S36でYES)、セキュリティゲート20に、認証OK信号を送信する(S61)。実施の形態1のように、エレベータ60の割当を行わず、ゲートフラッパ28の開放を指示するための認証OK信号を送信する。
上記フローによれば、1回目の顔認証の結果(S36でYES/NO)に応じて、セキュリティゲート20に認証OK信号/認証NG信号が送信される。
認証OK画面や認証NG画面は、ゲート表示器70に表示する場合に限らず、利用者の携帯端末200の表示部210に表示してもよい。具体的には、QRコードデータに含まれる利用者IDから利用者の携帯端末200を特定することができるため、群管理制御装置10がアプリ利用者DBやアプリ管理装置等と通信して認証OK信号/認証NG信号を送信し、利用者IDで特定される携帯端末200の行先階設定アプリに認証OK画面/認証NG画面を表示させればよい。
群管理制御装置10は、1回目の顔認証の成功に応じてステップS61の処理を実行すると、図19に示すフローに移行する。
群管理制御装置10は、エレベータ乗り場近傍のカメラで撮像された撮像画像に基づく顔特徴点データを取得する(S71)。図1に示す例では、行先階登録装置30に顔認証用カメラ36が設けられており、セキュリティゲート20を通過した利用者が顔認証用カメラ36で顔を撮像する。顔認証用カメラ36が利用者の顔を撮像すると、撮像画像の解析によって顔特徴点データが抽出され、行先階登録装置30から群管理制御装置10へ、撮像画像に基づく顔特徴点データが送信される(S71でYES)。行先階登録装置30に併設された顔認証用カメラ36に限らず、利用者の顔を撮像可能な任意の撮像部(第2撮像部)があればよい。
顔特徴点データを取得しない場合(S71でNO)、群管理制御装置10は、タイムアップか否かを判断する(S72)。タイムアップは例えば15秒である。タイムアップでないと判断される場合(S72でNO)、群管理制御装置10は、ステップS71を再度実行する。顔特徴点データを取得するか(S71でYES)、タイムアップになるまで(S72でYES)、ステップS71、S72の判断処理を繰り返し実行する。
タイムアップと判断した場合(S72でYES)、群管理制御装置10は、利用者の携帯端末200に、タイムアップ画面を所定時間表示し(S73)、図18のフローに戻る。QRコードデータに含まれる利用者IDから利用者の携帯端末200を特定することができるため、群管理制御装置10がアプリ利用者DBやアプリ管理装置等と通信して、利用者IDで特定される携帯端末200の行先階設定アプリにタイムアップ画面を表示させればよい。タイムアップ画面は行先階登録装置30に表示してもよい。
顔特徴点データを取得した場合(S71でYES)、群管理制御装置10は、取得した顔特徴点データと、一時的に記憶している顔特徴点データとの一致率を求める(S74)。具体的には、ステップS71で取得した顔特徴点データと、ステップS32で一時的に記憶しているQRコードデータに含まれる顔特徴点データとの一致率を求める。
群管理制御装置10は、ステップS74で求めた一致率が所定一致率以上か否かを判断する(S75)。求めた一致率が所定一致率以上か否かに応じて、2回目の顔認証処理の成否が判断される。
求めた一致率が所定一致率以上である、すなわち2回目の顔認証が成功したと判断した場合(S75でYES)、群管理制御装置10は、QRコードデータに含まれる行先階を、複数台のエレベータ60のうちのいずれかに割り当てる(S76)。群管理制御装置10はさらに、ステップS76で行先階を割り当てたエレベータ60(割当号機)の情報を含む割当結果を、利用者の携帯端末200に表示させる(S77)。
図21Aは、携帯端末200の表示部210に表示される割当結果画面の一例を示す図である。図21Aに示す割当画面では、2回目の顔認証が成功したことを示す「顔認証に成功しました」というメッセージと、割当号機の情報を含む割当結果を示す「3号機を利用してください」というメッセージが表示される。
求めた一致率が所定一致率以上でない、すなわち2回目の顔認証が失敗したと判断した場合(S75でNO)、群管理制御装置10は、エレベータ60の割当を行わず、利用者の携帯端末200に認証NG画面を表示させる(S78)。
図21Bは、携帯端末200の表示部210に表示される認証NG画面の一例を示す図である。図21Bに示す割当画面では、2回目の顔認証が失敗したことを示す「顔認証に失敗しました」、「もう一度顔を撮影してください」というメッセージが表示される。
上記フローによれば、1回目の顔認証に応じてゲートフラッパ28の開閉制御を行い、2回目の顔認証に応じてエレベータ60の割当処理を行う。利用者がエレベータ60に乗り込む直前にエレベータ60の割当処理を実行するため、実施の形態1のように利用者がセキュリティゲート20を通過する前にエレベータ60の割当処理を行う場合と比較して、セキュリティゲート20とエレベータ乗り場の距離が離れている場合でも、利用者が割当号機に乗り遅れるという問題が生じにくくなる。これにより、利用者の利便性を向上させることができる。
また、2回目の顔認証による割当結果を携帯端末200の表示部210に表示することで、携帯端末200を見て割当号機を確認することができるため、利便性を向上させることができる。1回目の顔認証の結果も同様に、携帯端末200の表示部210に表示してもよい。
(実施の形態3の作用・効果)
実施の形態3の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20、群管理制御装置10)は、
利用者の進入を許可する開放位置と許可しない閉鎖位置に移動可能なゲート部材(例えばゲートフラッパ28)と、
ゲート部材の通過前に利用者の顔を撮像可能なように設けられた第1撮像部(例えば顔認証用カメラ25)と、
ゲート部材の通過前に利用者により提示される所定情報媒体(例えばQRコード)から利用者の顔に関する顔データを取得する情報取得部(例えばQRコードリーダ29)と、
制御部(例えば制御部11、21)と、を備え、
制御部は、
第1撮像部で撮像された撮像画像による顔データと、情報取得部で取得された顔データとに基づく第1顔認証が成功した場合において(S36でYES、S61、S53でYES)、ゲート部材を開放位置に制御し(S54)、第1顔認証が失敗した場合において(S36でNO、S37、S21でYES)、ゲート部材を閉鎖位置に制御する(S23)。
これにより、簡単かつセキュリティの高い方法でセキュリティゲート20の開閉制御を行うことができる。
実施の形態3の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20、群管理制御装置10)において、
ゲート部材(例えばゲートフラッパ28)の通過後に利用者の顔を撮像可能なように設けられた第2撮像部(例えば顔認証用カメラ36)をさらに備え、
制御部(例えば制御部11)は、
第2撮像部で撮像された撮像画像による顔データと、情報取得部(例えばQRコードリーダ29)で取得された顔データとに基づく第2顔認証が成功したことに応じて(S75でYES)、利用者に対するエレベータの割当を行う(S76)。
この構成により、2段階の顔認証によってセキュリティをさらに強化できる。また、セキュリティゲート20の通過後に2回目の顔認証とエレベータ60の割当を行うことで、利用者が割当号機に乗り遅れるという問題が生じにくくなり、利用者の利便性および運行効率を向上させることができる。
実施の形態3の顔認証セキュリティゲートシステム(例えばセキュリティゲート20)において、
所定情報媒体(例えばQRコード)は、利用者が携帯する携帯端末(例えば携帯端末200)に表示され、
制御部(例えば制御部11)は、
携帯端末に、利用者に対するエレベータの割当結果を表示させる(S77)。
この構成により、利用者は携帯端末200を見て割当結果を認識することができ、利便性を向上させることができる。
(その他の実施の形態)
前記実施の形態では、顔認証用カメラ25を有したセキュリティゲート20が撮像画像を解析して顔特徴点データを取得して、群管理制御装置10へ顔特徴点データを送信し、群管理制御装置10が顔認証処理を行う例を説明したが、これに限定されない。例えば、セキュリティゲート20は撮像画像の解析を行わず、群管理制御装置10に撮像画像を送信し、群管理制御装置10が顔特徴点データの取得および顔認証処理を行うようにしてもよい。
前記実施の形態では、セキュリティゲート20と群管理制御装置10が直接的に通信する場合について説明したが、このような場合に限らない。セキュリティゲート20と群管理制御装置10の間で通信するセキュリティサーバを設け、セキュリティサーバを介してセキュリティゲート20と群管理制御装置10が通信してもよい。
前記実施の形態では、セキュリティゲート20として、ゲートフラッパ28を備えたセキュリティゲートを例示したが、これに限定されない。フラップ式に限らず、アーム式のゲート部材など、利用者の進入を許可する開放位置と許可しない閉鎖位置の間を移動可能なゲート部材であれば、任意のゲート部材を用いてもよい。
前記実施の形態では、セキュリティゲート20にのみQRコードリーダ29が設置される場合を例示したが、各階の各行先階登録装置30にQRコードリーダを併設してもよい。
前記実施の形態では、所定情報媒体としてQRコードを例示したが、これに限定されない。所定情報媒体は、アプリ利用者DBに格納されている利用者ID、顔データ、許可階等の情報を含むものであれば、任意の種類を用いてもよい。例えば、QRコード以外の二次元バーコードや、一般的な一次元バーコードや、カメレオンコード(登録商標)などのカラーバーコードであってもよい。また、所定情報媒体は、NFC(Near Field Communication)により読み取り可能な電磁情報であってもよい。
前記実施の形態では、情報記録媒体として、QRコードを表示可能な携帯端末200を例示したが、情報記録媒体はこれに限定されない。情報記録媒体は、所定情報を格納あるいは記録可能である限り、どのようなものでもよい。例えば、情報記録媒体は、QRコードなどの所定情報が印刷された紙などの印刷物であってもよい。また、情報記録媒体は、NFC(Near Field Communication)により読み取られることが可能に所定情報を記憶する携帯端末であってもよい。
前記実施の形態では、情報取得部として、QRコードリーダ29を例示したが、情報取得部は、これに限定されない。情報取得部は、利用される情報記録媒体から所定情報を取得することができるものである限り、どのようなものでもよい。例えば、二次元バーコードを読み取る二次元バーコードリーダや、一次元バーコードを読み取る一次元バーコードリーダや、カメレオンコードを読み取るカメレオンコードリーダ(カメラ)などであってもよい。また、情報取得部は、NFC(Near Field Communication)により所定情報を読み取るリーダであってもよい。セキュリティゲート20にQRコードリーダ29以外の情報取得部を配置する場合、QRコードリーダ29に代えて配置すればよい。あるいは、情報取得部は、QRコードなどの所定情報の読み取りと、NFC(Near Field Communication)による所定情報との読み取りとの両方を行うことが可能なリーダであってもよい。
前記実施の形態では、各装置の制御部は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成されてもよい。
前記実施の形態では、ネットワークはEthernetであり、各装置の入出力インタフェースはLANアダプタ等を利用して構成されている。しかし、これは一例であり、ネットワークは、例えばIEEE規格に準拠した無線LANで構成され、入出力インタフェースは無線LANアダプタ等で構成されてもよい。
前記実施の形態における群管理制御装置10、エレベータ制御装置40は、エレベータ60が配置されるビルに設置されることは必須ではない。例えば、これらの装置のうち任意の装置について、その装置の有する機能をクラウドサーバにより実行してもよい。この場合、エレベータ60が配置されるビルに設置されるセキュリティゲート20、行先階登録装置30、ゲート表示器70などの装置と、クラウドサーバとの間の各種信号や情報の授受は、適宜な通信方式を用いた通信により行えばよい。
前記各実施の形態において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態に限られず、これらを組み合わせたものとすることもできる。