JP7276247B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本明細書の技術分野は、半導体装置の製造方法に関する。
GaNに代表されるIII 族窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界と高い融点とを備えている。そのため、III 族窒化物半導体は、GaAs系半導体に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイスの材料として期待されている。そのため、III 族窒化物半導体を用いる半導体装置が研究開発されている。
このような半導体装置として、例えば、MISFETがある。MISFETでは、III 族窒化物半導体の上に絶縁膜があり、その絶縁膜の上にゲート電極がある。ゲート絶縁膜としてSiO2 膜を用いる場合には、膜密度を向上させるためにSiO2 膜に熱処理を実施することがある。特許文献1には、熱処理を実施することによりIII 族窒化物半導体中のガリウム(Ga)がSiO2 膜に拡散することが開示されている(特許文献1の段落[0063]-[0067]および図5)。
特開2016-54250号公報
GaがSiO2 膜に拡散すると、III 族窒化物半導体とSiO2 膜との界面周辺における界面準位密度が増加する。その結果、閾値電圧が安定せず、MISFETの動作が不安定となる。このため、SiO2 膜へのGaの拡散を抑制することが好ましい。
本明細書の技術が解決しようとする課題は、III 族窒化物半導体から絶縁膜へのGaの拡散を抑制することができる半導体装置の製造方法を提供することである。
第1の態様における半導体装置の製造方法は、III 族窒化物半導体層の上に第1SiO2 膜を成膜する工程と、第1SiO2 膜を熱処理する第1熱処理工程と、第1SiO2 膜の上に第2SiO2 膜を成膜する工程と、第2SiO2 膜を熱処理する第2熱処理工程と、を有する。第1熱処理工程の熱処理温度は、第2熱処理工程の熱処理温度よりも高い。
この半導体装置の製造方法は、SiO2 膜を2段階で成膜する。ここで、第1SiO2 膜はGaの拡散を防止する。III 族窒化物半導体中のGaは第1SiO2 膜にある程度拡散するが、第2SiO2 膜にはほとんど拡散しない。このため、この製造方法により製造された半導体装置の閾値電圧は安定している。
本明細書では、III 族窒化物半導体から絶縁膜へのGaの拡散を抑制することができる半導体装置の製造方法が提供されている。
第1の実施形態の半導体装置100の概略構成図である。 第1の実施形態の半導体装置100のゲート絶縁膜F10の積層構造を示す図である。 第1の実施形態の半導体装置100の絶縁膜の成膜方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態の半導体装置200の概略構成図である。 第2の実施形態の変形例における半導体装置300の概略構成図である。 第3の実施形態の半導体装置400の概略構成図である。 実施例1におけるSiO2 膜中のGa濃度分布を示すグラフである。 比較例1におけるSiO2 膜中のGa濃度分布を示すグラフである。 比較例2におけるSiO2 膜中のGa濃度分布を示すグラフである。 実施例2におけるゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idを示すグラフである。 比較例3におけるゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idを示すグラフである。
以下、具体的な実施形態について、半導体装置とその製造方法を例に挙げて説明する。しかし、本明細書の技術はこれらの実施形態に限定されるものではない。本明細書において、第1導電型はn型を表し、第2導電型はp型を表す。ただし、第1導電型はp型を表し、第2導電型はn型を表してもよい場合がある。
(第1の実施形態)
1.半導体装置
図1は、第1の実施形態の半導体装置100の概略構成図である。半導体装置100は、MISFETである。半導体装置100はトレンチを有さない。半導体装置100は、GaN基板110と、第1半導体層120と、第2半導体層130と、半導体領域140と、ゲート絶縁膜F10と、ゲート電極G1と、ボディ電極B1と、ソース電極S1と、ドレイン電極D1と、を有する。
第1半導体層120と、第2半導体層130と、半導体領域140とは、III 族窒化物半導体層である。第1半導体層120は、例えば、GaN層である。第2半導体層130は、例えば、p型GaN層である。半導体領域140は、例えば、n+ GaNである。半導体領域140は半導体の一部にイオン注入された領域である。
ゲート絶縁膜F10は、第2半導体層130および半導体領域140の上に形成されている。ゲート電極G1は、ゲート絶縁膜F10の上に形成されている。ゲート電極G1は、ゲート絶縁膜F10を間に挟んだ状態で、第2半導体層130と半導体領域140の一部と対向している。ソース電極S1およびドレイン電極D1は、半導体領域140の上に形成されている。
2.ゲート絶縁膜
図2は、第1の実施形態の半導体装置100のゲート絶縁膜F10の積層構造を示す図である。ゲート絶縁膜F10は、III 族窒化物半導体層の表面の一部を覆うゲート絶縁膜である。ゲート絶縁膜F10は、III 族窒化物半導体層の表面を保護する。ゲート絶縁膜F10は、第2半導体層130および半導体領域140と、ゲート電極G1と、の間の位置に配置されている。ゲート絶縁膜F10は、第1SiO2 膜F11と、第2SiO2 膜F12と、を有する。
第1SiO2 膜F11は、第2半導体層130および半導体領域140の表面の少なくとも一部を覆っている。第1SiO2 膜F11は、第2半導体層130および半導体領域140の上に形成されている。第1SiO2 膜F11は、第2半導体層130および半導体領域140に接触している。第1SiO2 膜F11の膜厚は、例えば、1nm以上6nm以下である。好ましくは、1nm以上3nm以下である。
第2SiO2 膜F12は、第1SiO2 膜F11の全面の上に形成されている。第2SiO2 膜F12は、第1SiO2 膜F11に接触している。第2SiO2 膜F12の膜厚は、例えば、40nm以上100nm以下である。
3.ゲート絶縁膜の各層の役割
第1SiO2 膜F11は、第2SiO2 膜F12よりも高温で熱処理された膜である。このため、第1SiO2 膜F11では第2SiO2 膜F12よりもAr、C、H、Nなどの不純物が少ない。
第1SiO2 膜F11は、Gaが絶縁膜に拡散することを防止する拡散防止層である。第1SiO2 膜F11は、第1SiO2 膜F11へのGaの拡散はある程度許容するが、第2SiO2 膜F12へのGaの拡散を抑制する。このため、第1SiO2 膜F11のGa濃度は、第2SiO2 膜F12のGa濃度よりも高い。
第1SiO2 膜F11のGa濃度は、例えば、5×1018atoms/cm3 以上5×1019atoms/cm3 以下である。好ましくは、7×1018atoms/cm3 以上3×1019atoms/cm3 以下である。より好ましくは、1×1019atoms/cm3 以上2×1019atoms/cm3 以下である。
第2SiO2 膜F12のGa濃度は、例えば、1×1017atoms/cm3 以上5×1018atoms/cm3 以下である。好ましくは、1×1017atoms/cm3 以上2×1018atoms/cm3 以下である。より好ましくは、1×1017atoms/cm3 以上1×1018atoms/cm3 以下である。
第2SiO2 膜F12は、高い電気絶縁性によりIII 族窒化物半導体を保護するための膜である。このため、第2SiO2 膜F12は、ゲートリーク電流を抑制することができる。
このようにゲート絶縁膜F10は、半導体層側に位置する薄い第1SiO2 膜F11にGa原子を閉じ込め、半導体層から離れている第2SiO2 膜F12へのGaの拡散を抑制する。つまり、ゲート絶縁膜F10は、絶縁膜へのGaの拡散を防止するとともにゲートリーク電流を抑制することができる。
4.絶縁膜の成膜方法
図3は、第1の実施形態の半導体装置100の絶縁膜の成膜方法を示すフローチャートである。図3に示すように、この成膜方法は、III 族窒化物半導体層の上に第1SiO2 膜を成膜する工程と、第1SiO2 膜を熱処理する第1熱処理工程と、第1SiO2 膜の上に第2SiO2 膜を成膜する工程と、第2SiO2 膜を熱処理する第2熱処理工程と、を有する。
4-1.第1絶縁膜成膜工程
第2半導体層130および半導体領域140の上に第1SiO2 膜F11を成膜する(S101)。成膜方法は、例えば、反応性スパッタリング、CVD法、ALD法である。反応性スパッタリングの場合には、メタルモードを用いる。CVD法の場合には、熱CVDを用いる。ALD法の場合には、H2 OまたはO3 を酸化法に用いる。第1SiO2 膜F11の膜厚は、例えば、1nm以上6nm以下である。好ましくは、1nm以上3nm以下である。この第1絶縁膜成膜工程における基板温度は、例えば、250℃以上500℃以下である。好ましくは、300℃以上450℃以下である。
4-2.第1熱処理工程
次に、半導体および第1SiO2 膜F11に第1熱処理工程を実施する(S102)。第1熱処理工程の熱処理温度は、例えば、800℃以上950℃以下である。熱処理時間は、例えば、10分以上60分以下である。好ましくは、30分以上60分以下である。これらの数値範囲は例示であり、上記以外の数値であってもよい。
4-3.第2絶縁膜成膜工程
次に、第1SiO2 膜F11の上に第2SiO2 膜F12を成膜する(S103)。成膜方法は、例えば、反応性スパッタリング、CVD法、ALD法である。反応性スパッタリングの場合には、オキサイドモードを用いる。CVD法の場合には、プラズマを用いてもよい。ALD法の場合には、プラズマを酸化法に用いてもよい。第2SiO2 膜F12の膜厚は、例えば、40nm以上100nm以下である。この第2絶縁膜成膜工程における基板温度は、例えば、250℃以上500℃以下である。好ましくは、300℃以上450℃以下である。
4-4.第2熱処理工程
次に、第2SiO2 膜F12に第2熱処理工程を実施する(S104)。これにより、第2半導体層130および半導体領域140から順に、第1SiO2 膜F11、第2SiO2 膜F12が形成される。第2熱処理工程の熱処理温度は、例えば、400℃以上600℃以下である。第2熱処理工程の熱処理温度は、第1熱処理工程の熱処理温度よりも低い。熱処理時間は、例えば、10分以上30分以下である。これらの数値範囲は例示であり、上記以外の数値であってもよい。
4-5.その他の工程
また、その他の工程を実施してもよい。例えば、第1絶縁膜成膜工程および第2絶縁膜成膜工程の前に、III 族窒化物半導体および絶縁膜を有機洗浄する有機洗浄工程を実施してもよい。
5.半導体装置の製造方法
5-1.半導体層形成工程
GaN基板110の上に第1半導体層120、第2半導体層130をこの順序で成長させる。そのために、例えば、MOCVD法を用いればよい。または、その他の気相成長法を用いてもよい。または、液相成長法を用いてもよい。その後、第2半導体層130の一部に半導体領域140を形成する。そのために、例えば、イオン注入法を用いればよい。
5-2.絶縁膜成膜工程
第2半導体層130および半導体領域140の上にゲート絶縁膜F10を形成する。前述の絶縁膜の成膜方法を用いればよい。また、ソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する領域にはゲート絶縁膜F10を形成しない。そのため、例えば、第2半導体層130および半導体領域140の表面に一様な絶縁膜を形成した後に、ボディ電極B1およびソース電極S1およびドレイン電極D1を形成する領域の絶縁膜を除去してもよい。そのために例えば、CF4 、C4 6 等のフッ素系ガスを用いたエッチングを実施してもよい。
5-3.ゲート電極形成工程
ゲート絶縁膜F10の上にゲート電極G1を形成する。そのためには、ALD法、スパッタリング等の成膜技術を用いればよい。
5-4.ボディ電極形成工程
第2半導体層130および半導体領域140の上にボディ電極B1を形成する。そのために、スパッタリング、EB蒸着法または抵抗加熱蒸着法を用いればよい。
5-5.ソース電極形成工程
半導体領域140およびボディ電極B1の上にソース電極S1を形成する。そのために、スパッタリング、EB蒸着法または抵抗加熱蒸着法を用いればよい。
5-6.ドレイン電極形成工程
半導体領域140の上にドレイン電極D1を形成する。そのために、スパッタリング、EB蒸着法または抵抗加熱蒸着法を用いればよい。
5-7.素子分離工程
そして、ウエハから半導体装置100を切り出し、各々の独立した半導体装置100を製造する。
5-8.その他の工程
保護膜形成工程、熱処理工程等、その他の工程を適宜実施してもよい。以上により、半導体装置100が得られる。また、ソース電極S1およびドレイン電極D1の積層構造が同じ場合には、ソース電極S1およびドレイン電極D1を同時に形成してもよい。
6.第1の実施形態の効果
第1の実施形態の半導体装置100は、ゲート絶縁膜F10を有する。ゲート絶縁膜F10の第1SiO2 膜F11は、III 族窒化物半導体中のガリウム(Ga)がSiO2 に拡散することを抑制する。第1SiO2 膜F11が高温で熱処理されているため、第1SiO2 膜F11が含有するAr、C、H、Nなどの不純物が少なく、第1SiO2 膜F11の膜密度は十分に高いからであると考えられる。
また、高温の熱処理により第1SiO2 膜F11に拡散するGa原子の総量を少なくすることができる。これにより、GaN表面のGa欠陥を抑制することができる。このため、SiO2 とGaNとの間の良好な界面が形成される。
また、第2SiO2 膜F12は十分な厚みを有するため、半導体装置100のゲート絶縁膜は高い絶縁破壊強度を有する。このため、ゲートリーク電流が抑制されている。
7.変形例
7-1.保護膜
第1の実施形態の技術をゲート絶縁膜以外の保護膜に適用することができる。この場合であっても、この保護膜は高い絶縁性を備えるとともに絶縁膜へのGaの拡散を抑制することができる。
7-2.基板
GaN基板110の代わりにその他の基板を用いてもよい。その他の基板として、例えば、サファイア基板、Si基板が挙げられる。もちろん、それ以外の基板を用いてもよい。
7-3.トレンチ
半導体装置100は、トレンチを有さない。第1の実施形態の技術は、トレンチを有するMISFETにも適用可能である。また、その他の半導体装置にも適用することができる。
7-4.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてよい。
(第2の実施形態)
1.半導体装置
図4は、第2の実施形態の半導体装置200の概略構成図である。半導体装置200は、縦型MISFETである。図4に示すように、半導体装置200は、GaN基板210と、第1半導体層220と、第2半導体層230と、第3半導体層240と、ゲート絶縁膜F20と、ゲート電極G2と、ソース電極S2と、ドレイン電極D2と、ボディ電極B2と、を有する。
第1半導体層220は、GaN基板210の上に形成されている。第1半導体層220は第1導電型のIII 族窒化物半導体層である。第1半導体層220は、例えば、n- GaNである。
第2半導体層230は、第1半導体層220の上に形成されている。第2半導体層230は第2導電型のIII 族窒化物半導体層である。第2半導体層230は、例えば、pGaNである。
第3半導体層240は、第2半導体層230の上に形成されている。第3半導体層240は、第1導電型のIII 族窒化物半導体層である。第3半導体層240は、例えば、n+ GaNである。
ボディ電極B2は、第2半導体層230から正孔を引き抜くための電極である。ボディ電極B2は、リセスR2に形成されている。リセスR2は、第3半導体層240を貫通し、第2半導体層230の途中まで達する凹部である。ボディ電極B2は、第2半導体層230と、第3半導体層240と、ソース電極S2と、に接触している。
ゲート絶縁膜F20は、トレンチT2を覆っている。ゲート絶縁膜F20は、ゲート電極G2と半導体層とを絶縁している。ゲート絶縁膜F20は、第1半導体層220の底面および側面と、第2半導体層230の側面と、第3半導体層240の側面および表面の一部と、を覆っている。
ゲート絶縁膜F20の積層構造は、第1の実施形態のゲート絶縁膜F10の積層構造と同じである。
2.第2の実施形態の効果
第2の実施形態の半導体装置200は、ゲート絶縁膜F20を有する。ゲート絶縁膜F20は、第1の実施形態のゲート絶縁膜F10と同様の効果を奏する。
3.変形例
3-1.保護膜
半導体装置200は、保護膜を有していてもよい。その保護膜にゲート絶縁膜F20の積層構造を採用してもよい。
3-2.トレンチ
図5は、第2の実施形態の変形例における半導体装置300の概略構成図である。半導体装置300は、GaN基板310と、第1半導体層320と、第1半導体領域330と、第2半導体領域340と、ゲート絶縁膜F30と、ゲート電極G3と、ボディ電極B3と、ソース電極S3と、ドレイン電極D3と、を有する。半導体装置300は、トレンチを有さない縦型MISFETである。第2の実施形態の技術は、トレンチを有さない縦型MISFETにも適用することができる。
3-3.組み合わせ
第2の実施形態の変形例を自由に組み合わせてもよい。
(第3の実施形態)
1.半導体装置
図6は、第3の実施形態の半導体装置400の概略構成図である。半導体装置400は、MISキャパシタである。半導体装置400は、n型半導体410と、ゲート絶縁膜F40と、ゲート電極G4と、を有する。n型半導体410はn型のIII 族窒化物半導体である。ゲート絶縁膜F40は、第1の実施形態のゲート絶縁膜F10と同様の積層構造である。
2.第3の実施形態の効果
第3の実施形態の半導体装置400は、ゲート絶縁膜F40を有する。ゲート絶縁膜F40は、第1の実施形態のゲート絶縁膜F10と同様の効果を奏する。
3.変形例
3-1.保護膜
半導体装置400は、保護膜を有していてもよい。その保護膜にゲート絶縁膜F40の積層構造を採用してもよい。
(実験)
1.二次イオン質量分析法(SIMS)
1-1.実施例1
GaNに1層目のSiO2 膜を成膜して第1の熱処理を実施した。1層目のSiO2 膜の膜厚は6nmであった。その熱処理温度は900℃であった。その後、1層目のSiO2 膜の上に2層目のSiO2 膜を成膜して第2の熱処理を実施した。2層目のSiO2 膜の膜厚は50nmであった。その熱処理温度は500℃であった。
図7は、実施例1におけるSiO2 膜中のGa濃度分布を示すグラフである。図7の横軸はSiO2 膜の表面からの距離(深さ)である。図7の縦軸はGa濃度(atoms/cm3 )である。
1層目のSiO2 膜には1×1019atoms/cm3 程度のGaが存在する。しかし、2層目のSiO2 膜における深さが10nm以上35nm以下の領域では、Gaの濃度は1×1017atoms/cm3 程度である。なお、この値は測定可能な下限値に近い。なお、深さが小さい領域でGaの濃度がある程度高いが、これは大気暴露に伴う分析誤差である。
1-2.比較例1
GaNに1層のみのSiO2 膜を成膜して熱処理を実施した。SiO2 膜の膜厚は100nmであった。その熱処理温度は500℃であった。
図8は、比較例1におけるSiO2 膜中のGa濃度分布を示すグラフである。図8の横軸はSiO2 膜の表面からの距離(深さ)である。図8の縦軸はGa濃度(atoms/cm3 )である。
SiO2 膜におけるGaNとの境界付近である深さ90nm以上100nm以下の領域では、Ga濃度は1×1017atoms/cm3 程度である。図8に示すように、GaNからのGaの拡散がある程度抑制されていることがわかる。
1-3.比較例2
GaNに1層のみのSiO2 膜を成膜して熱処理を実施した。SiO2 膜の膜厚は100nmであった。その熱処理温度は800℃であった。
図9は、比較例2におけるSiO2 膜中のGa濃度分布を示すグラフである。図9の横軸はSiO2 膜の表面からの距離(深さ)である。図9の縦軸はGa濃度(atoms/cm3 )である。
図9に示すように、GaがSiO2 膜の広範囲に高濃度で存在している。Ga濃度は2×1019atoms/cm3 程度である。
このように、SiO2 膜を2層に分けて成膜し、熱処理温度を変えた場合(実施例)には、GaがSiO2 膜中にそれほど拡散していない。一方、SiO2 膜を一度に1層のみ形成した場合(比較例)には、800℃の熱処理でGaがSiO2 膜中にある程度拡散している。
2.ドレイン電流
2-1.実施例2
GaNに1層目のSiO2 膜を成膜して第1の熱処理を実施した。1層目のSiO2 膜の膜厚は6nmであった。その熱処理温度は900℃であった。その後、1層目のSiO2 膜の上に2層目のSiO2 膜を成膜して第2の熱処理を実施した。2層目のSiO2 膜の膜厚は70nmであった。その熱処理温度は500℃であった。このようにしてプレーナ型のMISFETを製作した。
図10は、実施例2におけるゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idを示すグラフである。図10の横軸はゲート電圧Vg(V)である。図10の縦軸はドレイン電流Id(A)である。
ゲート電圧Vgが8V程度でドレイン電流Idは立ち上がる。ゲート電圧Vgが40Vのときのドレイン電流Idは9×10-7A程度であった。
2-2.比較例3
GaNに1層のみのSiO2 膜を成膜して熱処理を実施した。SiO2 膜の膜厚は70nmであった。その熱処理温度は500℃であった。このようにしてプレーナ型のMISFETを製作した。ゲート絶縁膜以外の素子構造は実施例と同じであった。
図11は、比較例3におけるゲート電圧Vgに対するドレイン電流Idを示すグラフである。図11の横軸はゲート電圧Vg(V)である。図11の縦軸はドレイン電流Id(A)である。
ゲート電圧Vgが7V程度でドレイン電流Idは立ち上がる。ゲート電圧Vgが40Vのときのドレイン電流Idは3×10-7A程度であった。
このように、SiO2 膜を2層に分けて成膜した場合のドレイン電流Idは、SiO2 膜を一度に1層のみ形成した場合のドレイン電流Idよりも大きかった。実施例2においては、膜厚の薄いSiO2 を高温熱処理することでSiO2 膜へのGaの拡散が抑制されており、高温熱処理によりSiO2 とGaNとの界面における界面準位密度が低く保たれているからであると考えられる。
(付記)
第1の態様における半導体装置の製造方法は、III 族窒化物半導体層の上に第1SiO2 膜を成膜する工程と、第1SiO2 膜を熱処理する第1熱処理工程と、第1SiO2 膜の上に第2SiO2 膜を成膜する工程と、第2SiO2 膜を熱処理する第2熱処理工程と、を有する。第1熱処理工程の熱処理温度は、第2熱処理工程の熱処理温度よりも高い。
第2の態様における半導体装置の製造方法においては、第1熱処理工程の熱処理温度は、800℃以上950℃以下である。
第3の態様における半導体装置の製造方法においては、第2熱処理工程の熱処理温度は、400℃以上600℃以下である。
第4の態様における半導体装置の製造方法においては、第1SiO2 膜を成膜する工程では、第1SiO2 膜の膜厚を1nm以上6nm以下とする。
100…半導体装置
110…GaN基板
120…第1半導体層
130…第2半導体層
140…半導体層領域
D1…ドレイン電極
S1…ソース電極
G1…ゲート電極
F10、F20、F30…ゲート絶縁膜
F11…第1SiO2
F12…第2SiO2

Claims (4)

  1. III 族窒化物半導体層の上に第1SiO2 膜を成膜する工程と、
    前記第1SiO2 膜を熱処理する第1熱処理工程と、
    前記第1SiO2 膜の上に第2SiO2 膜を成膜する工程と、
    前記第2SiO2 膜を熱処理する第2熱処理工程と、
    を有し、
    前記第1熱処理工程の熱処理温度は、
    前記第2熱処理工程の熱処理温度よりも高いこと
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1熱処理工程の熱処理温度は、
    800℃以上950℃以下であること
    を含む半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第2熱処理工程の熱処理温度は、
    400℃以上600℃以下であること
    を含む半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1SiO2 膜を成膜する工程では、
    前記第1SiO2 膜の膜厚を1nm以上6nm以下とすること
    を含む半導体装置の製造方法。
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