以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)実施形態の概要
請求項1に係る文書処理装置は、管理手段、及び、定義手段を含む。管理手段は、複数の文書処理雛形であるテンプレート群を管理する。後述するテンプレート管理部が管理手段の一例である。定義手段は、テンプレート群の中からユーザーにより選択された特定のテンプレートに基づいて、文書処理としてのタスクを定義する。後述するタスク定義部が定義手段の一例である。テンプレート群には、k個のテンプレートからなるテンプレートセットが含まれる。k個のテンプレートの各々は、i=1,2,・・・,kとした場合、文書処理の流れ方向又はその逆方向において、1番目の処理工程からi番目の処理工程までのi個の処理工程により構成される。
上記構成において、kは3以上の整数であり、例えば、kは4又は5以上の整数である。仮にk=3であれば、iは1,2,3の値をとる。その場合、テンプレートセットは、1番目の処理工程からなるテンプレート、1番目の処理工程及び2番目の処理工程からなるテンプレート、並びに、1番目の処理工程から3番目の処理工程までの3つの処理工程からなるテンプレート、により構成される。つまりテンプレートセットは、それ全体として、処理工程を単位又は刻みとした階段状の構成を含み、テンプレートセット自体に規則性が認められるものである。換言すれば、テンプレートセットは、文書処理装置の担当範囲が状況に応じて処理工程を単位として変化するという特有の事情に適合した構成を有している。上記構成によれば、テンプレートに基づいてタスクを定義する際に、ユーザーの負担が軽減され、つまりユーザーの利便性を高められる。
テンプレート群は、ユーザーによって選択可能な複数のテンプレートの集合体であり、そこにはテンプレートセットが含まれる。テンプレート群がテンプレートセットのみによって構成されてもよいし、テンプレート群に更に1又は複数のテンプレートが含まれてもよい。ユーザーごとにテンプレート群が構成されてもよい。テンプレートセットは、上記のように一定の規則性をもって構成されたk個のテンプレートからなる。個々のテンプレートは、文書処理をその実体とするものであり、文書処理雛形である。処理工程は、テンプレートの構成単位であり、つまりタスクの構成単位である。個々の処理工程の内容は任意に定め得る。
上記構成において、一連の文書処理の先頭工程を工程増大方向の出発点としてテンプレートセット(第1のテンプレートセット)が構成されてもよいし、一連の文書処理の最終工程を工程増大方向の出発点としてテンプレートセット(第2のテンプレートセット)が構成されてもよい。一連の文書処理において文書処理装置が専らその前半を担当する場合、第1のテンプレートセットを用意しておくことが推奨される。一連の文書処理において文書処理装置が専らその後半を担当する場合、第2のテンプレートセットを用意しておくことが推奨される。いずれの場合も想定されるならば、第1のテンプレートセット及び第2のテンプレートセットの両方を用意しておくことが推奨される。
実施形態においては、先頭の処理工程はスキャナにより文書を電子化する電子化工程である。電子化工程は、ある意味において、一連の文書処理における最も基本的な工程であり、それに続く各処理工程での処理条件に影響を与え得るものである。それぞれが電子化工程を含んでいる複数のテンプレートを用意しておけば、それらの利用度を高められる。換言すれば、ユーザーのニーズを満たす可能性を高められる。
実施形態に係る文書処理装置は、テンプレート群を構成する複数のテンプレートを象徴する複数のテンプレートシンボルを含むテンプレートシンボル一覧画像を生成する手段を含む。テンプレートシンボル一覧画像には、テンプレートセットを象徴するテンプレートシンボル列が含まれる。個々のテンプレートシンボルは個々のテンプレートを象徴するものであり、例えば、個々のテンプレートシンボルはユーザー操作対象としてのアイコンである。上記構成によれば、タスクの定義に際して、複数のテンプレートシンボルの中から特定のテンプレートシンボルを選択することにより、いずれかのテンプレートが選択される。テンプレートシンボル列を構成する複数のテンプレートシンボルが、個々のテンプレートの内容又はその構成に従って、規則性をもって表示されれば、テンプレートセットの中から特定のテンプレートを選択し易くなる。
実施形態において、第1テンプレートシンボルから第kテンプレートシンボルは、それぞれ、それに対応するテンプレートを構成する処理工程の個数を表す表示要素を含む。この構成を採用すれば、個々のテンプレートを構成する処理工程の個数を直感的に認識し易くなる。
実施形態においては、特定のテンプレートに対して処理工程ごとに詳細設定を受け付ける画像が生成される。ここで、詳細設定は、処理工程の内容としての処理条件を定める行為を意味する。処理工程ごとに詳細設定を受け付ける過程において、既に詳細設定が完了している処理工程の詳細設定内容に基づいて、現在の詳細設定内容として選択可能な複数の選択肢について個別的に不整合が判定される。その上で、不整合の判定の結果を表す画像が生成される。不整合の判定は、例えば、後述する整合性判定部によって実行される。不整合の判定の結果を表示すれば、詳細設定段階での設定矛盾が生じ難くなる。不整合に代えて、整合が判定されてもよい。不整合の判定と整合の判定は表裏の関係にあり、それらは同視し得るものである。選択肢はユーザーにより選択することが可能な項目(条件)である。
実施形態においては、不整合が判定された選択肢が選択された場合に、既に設定されている詳細設定内容の中で、不整合関係にある選択肢について整合関係にある選択肢への変更を促す画像が生成される。この処理は、例えば、後述する整合性判定部によって実行される。この処理によれば、既に設定されている詳細設定内容についての設定矛盾が回避される。
実施形態において、文書処理装置は、特定のテンプレートに基づいて定義されたタスクに対して、処理工程の挿入、削除又は置換を行う編集手段を含む。後述する編集部が編集手段の一例である。実施形態において、文書処理装置は、k個のテンプレートの内で、あるテンプレートに対する詳細設定内容の全部又は一部を別のテンプレートに移植する移植手段を含む。後述する編集部が移植手段の一例である。編集手段は、テンプレートセットを構成するk個のテンプレート間において部分的な重複関係が生じていることを利用して、詳細設定内容の移植を行うものである。
実施形態において、文書処理サービス提供システムは、端末装置と、端末装置に対してネットワークを介して接続された文書処理装置と、を含む。文書処理装置は、上述した管理手段及び定義手段を含む。端末装置は、テンプレートセットを象徴するテンプレートシンボル列を含むテンプレートシンボル一覧画像を表示する表示器と、テンプレートシンボル一覧画像の中から特定のテンプレートをユーザー選択する場合に操作される入力器と、を含む。文書処理サービスがインターネット上のクラウドサービスとして提供されてもよい。
実施形態に係る文書処理方法は、ハードウエアの機能として、又は、ソフトウエアの機能として実現され得る。後者の場合、その機能を発揮するプログラムがネットワークを介して又は可搬型記憶媒体を介して情報処理装置にインストールされる。情報処理装置は文書処理装置として働くものであり、その概念には、コンピュータ、サーバーマシン、等が含まれる。なお、テンプレートセットは、データ構造に特徴を有するデータ集合体であり、取引き対象になり得るものである。
(2)実施形態の詳細
図1には、文書処理装置を含む文書処理システムの構成例が示されている。図1において、インターネット10には、文書処理装置12及び複数のオフィスシステム14,16が接続されている。文書処理装置12は、サーバーとして機能するものであり、具体的には、文書処理サービス提供装置として機能する。文書処理サービスはクラウドサービスとも言い得る。オフィスシステム14,16からアップロードされた各文書(電子化文書)が文書処理装置12に取り込まれ、文書処理装置12によって、各文書に対して、指定されたタスク(仕事の単位)が適用される。タスクの内容については後述する。
オフィスシステム14,16は、文書処理装置12との関係から見て、文書処理サービスを利用する側である。業務上、様々な紙文書が作成される。そのような紙文書として、契約書、見積書、発注書、請求書等が挙げられる。各文書は、オフィスシステム14,16内で電子化され、電子化された文書が、オフィスシステム14,16内で利用され、あるいは、文書処理装置12へアップロードされた上で利用される。オフィスシステム14,16においては、文書処理装置12によって管理されている自己の文書を参照でき、また、自己の文書に対するタスク起動等の指示を行える。
オフィスシステム14は、図示の構成例において、社内ネットワーク24に接続された複数の端末装置及びスキャナ22を有する。社内ネットワーク24は、図示されていないルーター等を介して、インターネット10に接続されている。スキャナ22は、例えば、印刷機能、複写機能、読み取り機能、FAX機能等を有する複合機によって構成される。スキャナとして、読み取り機能だけを有する装置が利用されてもよい。FAX受信された文書に対して変換処理等を施すことによって、処理対象となる電子化された文書が生成されてもよい。
各端末装置は、ユーザーである1又は複数の作業者によって操作される装置であり、それは例えばパーソナルコンピュータによって構成される。複数の端末装置の中に可搬型の情報処理装置(タブレット型端末等)が含まれてもよい。以下においては、特定の端末装置20の構成について説明し、また、特定の端末装置20と文書処理装置12との間での情報のやり取りについて説明する。他の端末装置も端末装置20と同様の構成を有している。
端末装置20は、演算部26、記憶部28、表示器30及び入力器32を有する。演算部26は、CPU及びプログラムによって構成される。プログラムの中には、文書を閲覧し、文書処理の指示等を行う際に機能するソフトウエア(ブラウザ)が含まれる。表示器30は例えばLCDで構成され、そこには文書処理装置が生成し提供する各種の画像が表示される。それらの画像には、後述する一覧画像、詳細画像等が含まれる。入力器32は、キーボード及びポインティングデバイス(マウス等)によって構成される。テンプレート選択、タスク定義、タスク起動等を行う際には入力器36が使用される。
記憶部28は、半導体メモリ、ハードディスク等によって構成される。記憶部28には、必要に応じて、業務上の文書が格納される。記憶部28上にある文書は、文書処理装置12から見て、管理対象外の文書である。記憶部28上の文書を文書処理装置12にアップロードした場合、その文書は、文書処理装置12から見て、管理対象文書となる。もっとも、ユーザーは、インターネット10を介して接続されている文書処理装置12を格別意識せずに、そこで管理されている各文書を、端末装置20を通じて、取り扱える。
図1において、符号36はスキャナ22で読み取られた文書のアップロードを示している。実施形態においては、スキャナ22において特定のタスクが選択され、その上で、読み取りが指示される。これにより、そのタスクに従って、読み取られた文書が文書処理装置へ自動的にアップロードされ、そのタスクとの関係において、当該文書が管理される。なお、タスクの選択により、読み取り条件が自動的に設定される。読み取り条件の中には、データ形式、解像度、文字認識実行の有無、等が含まれる。
符号38は、端末装置20と文書処理装置12との間での情報の授受を示している。端末装置20から文書処理装置12への文書のアップロードの際には、符号38で示す経路を通じて、文書が転送される。文書処理装置12で生成された画像や処理後の文書は、符号38で示す経路を通じて、端末装置20へ提供される。
なお、オフィスシステム16は、オフィスシステム14と同様、スキャナ及び複数の端末装置を有する。オフィスシステム14とオフィスシステム16は、それぞれ独立して文書処理サービスを受ける主体である。
文書処理装置12は、情報処理装置によって構成され、具体的には、それはコンピュータシステムである。文書処理装置12が複数の情報処理装置に跨って構築されてもよい。文書処理装置12は、演算部40及び記憶部42を有する。演算部40は、CPU及び文書処理プログラムによって構成され、記憶部42は半導体メモリ、ハードディスク等によって構成される。
演算部40は、複数の機能を発揮するものであり、それらが図1において複数のブロックによって表現されている。具体的には、演算部40は、画像生成部44、タスク定義部46、及び、制御部48を有する。画像生成部44は、端末装置20の表示器34に表示される各種の画像を生成するものである。画像生成部44は、後述するタスクシンボル一覧画像やテンプレートシンボル一覧画像等を生成する。
タスク定義部46は、ユーザーにおいて利用される当該ユーザー専用のタスクを作成するものである。実施形態においては、複数のテンプレートからなるテンプレート群が予め用意されている。テンプレート群の中には後に詳述するテンプレートセットが含まれる。ユーザーによって、テンプレート群の中から特定のテンプレートが選択される。そのテンプレートがそのままタスクとして利用され、あるいは、テンプレートに対して設定されている複数の初期設定パラメータを適宜修正することによりタスクが作成される。
タスク定義部46は、編集部、及び、整合性判定部としても機能する。編集部は、タスクの内容を編集するものであり、具体的には、特定のタスクについて、処理工程の追加、処理工程の削除、及び、処理工程の置換を実行するものである。整合性判定部は、処理工程単位で詳細設定を行う過程において、既に設定されている内容との関係で、これから設定する内容について整合又は不整合を判定するものである。また、ある設定がなされた場合に、それに整合しない既設定内容を特定し、その既設定内容の変更をユーザーに促すものである。タスク編集及び整合性判定については後に詳述する。
制御部48は、文書処理サービス全体を制御するものである。具体的には、制御部48は、タスク実行部として機能し、また、テンプレート管理部として機能する。タスク実行部は、ユーザーにより起動が指示されたタスクを実行するものである。1つのタスクは、文書を処理する仕事の単位であり、それは1つ又は複数の処理工程からなる。
端末装置20において、ユーザーが、特定のタスクとの関係で、第1起動操作、第2起動操作、又は、選択起動操作を行うと、タスク実行部が特定のタスクを実行する。後に説明するように、第1起動操作及び第2起動操作は、それぞれ、文書処理装置12によって未だ管理されていない文書に対して特定のタスクの起動を指示する操作である。選択起動操作は、文書処理装置12によって既に管理されている文書に対して特定のタスクの起動を指示する操作である。この他、一覧画像から詳細画像への遷移を生じさせる操作として選択操作がある。タスクの定義に際しては、通常、まずテンプレートを選択する操作がなされる。
テンプレート管理部は、後述するテンプレート記憶部50に記憶された情報、つまりテンプレート群を管理する。具体的には、テンプレート管理部は、テンプレートの生成、削除、内容変更、等を行う。
記憶部42は、テンプレート記憶部50、タスク記憶部52、文書記憶部54、及び、判定条件記憶部55を有する。それらの記憶部50,52,54,55はそれぞれ記憶領域に相当する。テンプレート記憶部50には、テンプレート群が記憶されている。個々のテンプレートは、1又は複数の処理工程からなる文書処理雛形である。テンプレート群は、ユーザーにより選択可能な複数のテンプレートにより構成される。実施形態においては、テンプレート群には一定の規則性をもったテンプレートセットが含まれる。テンプレートセットの具体的な構成については、後に図6及び図7を用いて詳述する。文書種別ごとに、テンプレート群又はテンプレートセットを用意しておくのが望ましい。
タスクの作成に際しては、特定のテンプレートが選択され、必要に応じて、そのテンプレートについて初期設定されている複数の設定値の一部又は全部が変更される。タスク記憶部52には、例えば、サービス利用主体ごとに、具体的には、オフィスシステム14,16ごとに、生成された1又は複数のタスクの実体(タスク定義及びパラメータセット等)が格納される。実施形態において、上記テンプレート群は、複数のサービス利用主体に対して共通に利用されるものであるが、サービス利用主体ごとにテンプレート群を個別的に用意してもよい。
文書記憶部54には、スキャナ22及び端末装置20からアップロードされた複数の文書が格納される。サービス利用主体を単位として複数の文書が管理される。記憶部42が外部装置の中に設けられてもよい。例えば、連携システム18がストレージシステムである場合、その連携システム18内の記憶装置が記憶部42として機能してもよい。なお、演算部40内のCPUによって実行されるプログラムは、記憶部42内に格納されてもよいし、演算部40内のメモリ内に格納されてもよい。
判定条件記憶部55には、整合性判定のための条件が格納されている。整合性判定については後述する。
図2には、タスクの内容が概念的に示されている。図示の例において、タスク60は、処理工程A62a~処理工程E62eによって構成される。図において、文書処理は左から右へ流れる。ここで、例えば、処理工程A62aは電子化工程であり、処理工程B62bは属性付与工程であり、処理工程E62eは振り分け保管工程である。電子化工程は、スキャナによって紙文書64から電子化文書を生成する工程である。属性付与工程は、電子化された文書に対して1又は複数の属性(設定)を付加する工程である。振り分け保管工程は、文書を特定のホルダに振り分けて保管する工程である。それらは例示である。
処理工程A62aには、複数の設定値a1,a2,a3,・・・が関連付けられており(又は含まれており)、他の処理工程B62b,・・・,処理工程E62eについても同様である(符号66を参照)。各処理工程の実行時には複数の設定値が参照され、それらに基づいて処理工程の実行が制御される。各テンプレートにおいては、処理工程ごとに、複数の設定値として複数の初期値が定められている。その中において1又は複数の設定値をユーザーにより変更することが可能である。図示の例において、処理工程B62bは属性付与工程であり、その処理工程の実行時における入力情報が符号68で示されている。
図3には、端末装置の表示器に表示されるタスクシンボル一覧画像が例示されている。図示されたタスクシンボル一覧画像70は、ホーム画像に相当し、それはタスクシンボル一覧72を含んでいる。タスクシンボル一覧72は、横方向(水平方向)及び縦方向(垂直方向)に並んだ複数のタスクシンボルによって構成される。例えば、その内で、最上段のタスクシンボル列は、4つのタスクシンボル74A,74B,74C,74Dによって構成される。各タスクシンボルは、タスクを象徴し、ユーザー操作を受け付けるオブジェクトであり、具体的にはアイコンである。
各タスクシンボルは、実施形態において、図案又は絵柄としてのキャラクター76を含んでいる。キャラクター76は作業者としてのエージェントを模擬したものとして構成されている。タスクシンボル単位で、キャラクターの内容(人物、服の色、眼鏡の有無等)を自在に設定し得る。
また、図示の例では、各タスクシンボルは、タスク又はその中の代表的処理工程を示すマーク78を含んでいる。各タスクにおける最終の処理工程を象徴するマークが埋め込まれてもよい。各タスクシンボルの中に又はその近傍にタスク名称80が文字列として付加されてもよい。
各タスクシンボルに対しては、2つの操作を行える。具体的には、選択操作及び起動操作(第1起動操作)を行える。選択操作は具体的にはクリック操作である。マウスによってポインタ(カーソル)82を特定のタスクを象徴するタスクシンボル上に移動させ、その後、マウスに対してクリック操作を行うことにより、そのタスクシンボルが示すタスクに対応する詳細画像が表示される。
起動操作は具体的にはドラック&ドロップ操作(D&D操作)である。例えば、符号84で示されているように、図示されたウインドウの外部に存在する文書シンボル86を掴んでそれを移動させ、特定のタスクシンボル上に文書シンボル86が重なった状態において、掴みを解除するものである。これにより、特定のタスクシンボルが象徴している特定のタスクが自動的に起動され、文書シンボルが象徴している特定の文書に対して特定のタスクが適用される。文書シンボル86は具体的には文書アイコンである。ドラック&ドロップ操作の代わりに、文書シンボル選択状態においてタスクシンボル起動が指示されてもよい。そのような操作も起動操作の一態様である。
実施形態においては、文書処理装置によって管理されていない文書に対して、例えば、オフィスシステム又は端末装置によって管理された文書に対して、起動操作つまりドロップ&ドラック操作を行える。例えば、端末装置のデスクトップに含まれる特定の文書シンボル又は文書ホルダ内の特定の文書シンボルがドロップ&ドラッグの対象となる。文書処理装置によって管理されている文書に対するタスクの起動は、以下に説明する詳細画像上において行える。詳細画像の表示に際しては、上記のように、タスクシンボル一覧72の中の特定のタスクシンボルに対して上記の選択操作つまりクリック操作が行われる。
図4には、端末装置の表示器に表示される詳細画像が例示されている。詳細画像88は、図示の例において、タスクシンボル一覧画像70A上にポップアップ表示されている。つまり、詳細画像88はタスクシンボル一覧画像70A上に重畳表示されている。タスクシンボル一覧画像70Aが消えて、それに代えて詳細画像88が表示されてもよい。
詳細画像88は、文書リスト90及びタスクシンボル(第2タスクシンボル)92を有している。また、詳細画像88は、図示の例において、処理待ちタブ94及び処理済みタブ96を有している。処理待ちタブ94を選択すると、未処理の1又は複数の文書を示す文書リスト90が表示される。処理済みタブ96を選択すると、処理済みの1又は複数の文書を示す文書リスト90が表示される。処理済みの文書を含まない処理途中の文書のみからなるリストが表示されてもよい。いずれにしても、詳細画像88には、特定のタスクに関連付けられた1又は複数の文書を示す文書リストが含まれる。
文書リスト90は、複数の項目98により構成され、個々の項目98が個々の文書に対応している。各項目98は、図示の例において、チェックボックス100、ステータス表示欄102、文書マーク104、文書名106、実行者108、受付日110、サイズ112等の情報を含む。チェックボックス100は文書を選択する際にクリックされるものである。ステータス表示欄102は、アラームマークその他が表示される。文書マーク104は、データ形式を色又は図柄で表現したものである。文書マーク104に代えて、又は、それと共に、低解像度縮小画像としてのサムネイル画像が表示されてもよい。文書名106は、ユーザーにおいて指定された又は自動的に指定されたファイル名である。実行者108は文書に対して特定のタスクの実行を指示した者の名前であり、未実行の場合には当該項目は未記入となり又は表示されない。受付日110は実行命令等が受け付けられた日時を示すものであり、未実行の場合にはその欄は未記入となり又は表示されない。アップロード日時、スキャン日時等が表示されてもよい。サイズ112はファイル容量を示すものである。図示された各情報は例示に過ぎないものである。文書リスト90の構成がユーザーによってカスタマイズされてもよい。
未処理文書に対応するいずれかの項目に対してクリック操作を行えば、その文書に対して特定のタスクが適用される。チェックボックスを利用して項目を選択した上で、図示されていない起動ボタンが操作されてもよい。一括操作ボタン114は、一括実行又は一括削除を指示するためのボタンである。複数のチェックボックスを選択した上で、一括実行を指示すると、複数のチェックによって指定された複数の文書に対して、詳細画像88に対応付けられた特定のタスクが適用される。
参照ボタン118はアップロード操作用のボタンである。参照ボタン118の操作によって、端末装置又は他の端末装置によって管理されている文書を指定することが可能である。その後、アップロード操作を行うことにより、その文書が文書処理装置へアップロードされる。アップロードされた文書は、文書処理装置により管理された文書となる。アップロード後に、特定のタスクがアップロードされた文書に対して自動的に適用されてもよいし、アップロードされた文書に対応する項目が文書リストに追加されてもよい。符号116は詳細画像の利用方法についての説明文を示している。
実施形態に係るシステムでは、詳細画像88内にタスクシンボル92が含まれる。このタスクシンボル92は、詳細画像88に対応する特定のタスクを象徴するものであり、その意味において、一覧画像に表示される特定のタスクを象徴した特定のタスクシンボルと同様である。例えば、図3に示した特定のタスクシンボル(第1タスクシンボル)74Aと図4に示したタスクシンボル(第2タスクシンボル)92は相当関係又は対応関係にある。具体的には、図4に示したタスクシンボル92は、図3に示した特定のタスクシンボルと同じキャラクター120及び同じマーク124を有している。両者が実質的に同一の表示態様を有していれば、両者の対応関係を正しく認識し得る。
詳細画像88に含まれるタスクシンボル92に対しては、起動操作(第2起動操作)を行える。具体的には、その起動操作はドラッグ&ドロップ操作である。例えば、符号126で示されているように、デスクトップ等からタスクシンボル92へ、文書シンボル128を掴んで動かす操作が行われ、タスクシンボル92上において文書シンボル128が離されると、文書シンボル128が象徴している文書が、文書処理装置へアップロードされた上で、その文書に対して、タスクシンボル92が象徴しているタスクの実行が自動的に開始される。上記の第2起動操作は、画像リスト上に登場しない画像(文書処理装置によって管理されていない画像)に対して、特定のタスクの適用を指示するものである。タスクを終了させたい場合にはボタン130が操作される。
実施形態においては、一覧画像上において行い得る第1起動操作に際しては、複数の文書を指定することが可能であり、同様に、詳細画像上において行い得る第2起動操作に際しても、複数の文書を指定することが可能である。更に、既に説明したように、詳細画像において、文書リスト中の複数の文書を選択してそれらに対して同じタスクの適用を指示することが可能である。それらの場合には、複数の文書に対して特定の処理工程が一括適用され、具体的には、それらの文書に対して特定の処理工程が順次適用される。
次に、図5~図9を用いて、テンプレートについて説明する。図5において、画像150に含まれるタスク作成ボタン152をクリックし、リスト154を構成する複数の選択ボタン156a~156dの中のいずれかの選択ボタンをクリックすると、テンプレートシンボル一覧(テンプレート一覧)157が表示される。複数の選択ボタン156a~156dは、図示の例では、契約書用テンプレート群を選択する際に操作される選択ボタン156a、見積書用テンプレート群を選択する際に操作される選択ボタン156b、発注書用テンプレート群を選択する際に操作される選択ボタン156c、及び、その他の文書用のテンプレート群を選択する際に操作される選択ボタン156dである。例えば、選択ボタン156aをクリックすると、テンプレートシンボル一覧157として、契約書用のテンプレートセットを象徴するテンプレートシンボル列158が表示される。
テンプレートシンボル列158は、図示の例では、画像150の水平方向において左側から右側へ並ぶ5つのテンプレートシンボル(TP1~TP5)160a~160eによって構成される。各テンプレートシンボル160a~160eは、テンプレートを象徴するマークであり、それは具体的にはアイコンである。各テンプレートシンボル160a~160eは、図示の例においておよそ矩形の図形を含み、その図形内にはテンプレートを識別するためのラベル162が含まれ、その図形の下にはテンプレート名が表示されている。符号166は、ユーザーに対して操作を説明するためのガイダンス表示を示している。いずれかのテンプレートシンボル160a~160eに対して選択操作、つまりクリック操作を行うと、それが象徴しているテンプレートが選択され、それについて詳細設定を行うための画面が表示される。
図6には、テンプレートシンボル列に対応するテンプレートセットの内容が示されている。符号170は、テンプレートセットを構成する5つのテンプレート(TP1~TP5)を示している。それらは図面上、縦方向に並んでいる。符号172は、5つのテンプレート(TP1~TP5)の内容を示している。ここで、tは時間軸を示している。時間軸上、左側から右側へ向く方向が文書処理の流れ方向である。
図示されるように、テンプレート(TP1)は処理工程Aにより構成され、テンプレート(TP2)は処理工程A及び処理工程Bにより構成され、テンプレート(TP3)は処理工程A、処理工程B及び処理工程Cにより構成され、テンプレート(TP4)は処理工程A、処理工程B、処理工程C及び処理工程Dにより構成され、テンプレート(TP5)は処理工程A、処理工程B、処理工程C、処理工程D及び処理工程Eにより構成されている。テンプレートセット全体として見て、符号174で示されているように、階段状の変化が認められる。縦方向に隣接するテンプレート間の増分は処理工程1個分である。最大処理工程数kを5とし、文書処理の流れ方向に沿って、i=1,2,3,4,5(=k)を定義した場合、テンプレートセットを構成する各々のテンプレートは1番目の処理工程からi番目の処理工程までのi個の処理工程を有する、と表現し得る。
一連の文書処理において、例えば、概ねその前半を文書処理装置が担当し、概ねその後半を他の手段(例えば、他の文書処理装置、手作業)が担当する場合、上記構成を有するテンプレートセットを用意しておけば、具体的な事情に合わせて最適なテンプレートを選択することが可能となる。例えば、処理工程A及び処理工程Bを文書処理装置に行わせ、それ以降の処理工程を他の装置に行わせる場合、テンプレート(TP2)を選択すればよい。処理工程Aから処理工程Cまでを文書処置装置に行わせ、それ以降の処理工程を他の装置に行わせる場合、テンプレート(TP3)を選択すればよい。処理工程Aだけを文書処理装置に担当させたい場合、テンプレート(TP1)を選択すればよい。あるいは、すべての処理工程を文書処理装置に担当させたい場合、テンプレート(TP5)を選択すればよい。処理工程単位を増分とする規則性をもったテンプレートセットを用意しておくことにより、ユーザー側の具体的な事情に応じて、最適なテンプレートを選択することが可能となる。
複数のテンプレート(TP1~TP5)の相互間には部分的な重複関係が認められる。図6の縦方向において、隣接する個々のテンプレートペアに着目すると、下側のテンプレートは、上側のテンプレートよりも1つの処理工程分だけ拡大されている。このような部分的な重複関係を利用して、複数のテンプレートを基礎として定義された複数のタスク相互間において、詳細設定内容を移植(コピー)することが可能である(符号175を参照)。例えば、テンプレート(TP5)に基づいて定義された第1タスクについてのすべての詳細設定内容の内で、処理工程Aから処理工程Dまでの詳細設定内容を、テンプレート(TP4)に基づいて定義された第2タスクに対して移植し得る。その場合、第2タスクについての詳細設定作業を省略することが可能となる。下から上への移植について説明したが、上から下への移植が行われてもよい。
図7には、他のテンプレートセットの内容が示されている。符号176は、テンプレートセットを構成する5つのテンプレート(TP[E]~TP[A-E])を示している。符号178は、5つのテンプレート(TP[E]~TP[A-E])の内容を示している。ここで、左側から右側へ向く方向が文書処理の流れ方向であり、それとは逆方向がiの増大方向(工程増大方向)である。
図示の例において、テンプレート(TP[E])は、最終の処理工程Eにより構成され、テンプレート(TP[DE])は、処理工程D及び処理工程Eにより構成され、テンプレート(TP[C-E])は、処理工程C、処理工程D及び処理工程Eにより構成され、テンプレート(TP[B-E])は、処理工程B、処理工程C、処理工程D及び処理工程Eにより構成され、テンプレート(TP[A-E])は、処理工程A、処理工程B、処理工程C、処理工程D及び処理工程Eにより構成されている。テンプレートセット全体として見て、符号182で示されているように、1つの処理工程を増分単位とする階段状の変化が認められる。最大処理工程数kを5とし、文書処理の流れ方向と反対の方向に沿って、i=1,2,3,4,5(=k)を定義した場合、テンプレートセットを構成する各々のテンプレートは、上記同様に、1番目の処理工程からi番目の処理工程までのi個の処理工程を有する、と表現し得る。
一連の文書処理において、例えば、概ねその後半を文書処理装置が担当し、概ねその前半を他の手段(例えば、他の文書処理装置、手作業)が担当する場合、図7に示した構成を有するテンプレートセットを用意しておけば、具体的な事情に合わせて最適なテンプレートを選択することが可能となる。例えば、処理工程D及び処理工程Eを文書処理装置に行わせ、それ以前の処理工程を他の装置に行わせる場合、テンプレート(TP[DE])を選択すればよい。既に説明したように、規則性をもったテンプレートセットを用意しておくことにより、具体的なニーズに応じて最適なテンプレートを選択することが可能となる。図7においては、符号183により、複数のテンプレートに基づいて定義された複数のタスク間における詳細設定内容の移植が概念的に示されている。
一般的に表現するならば、実施形態に係るテンプレートセットは、k個のテンプレートにより構成され、k個のテンプレートの各々は、i=1,2,・・・,kとした場合、文書処理の流れ方向又はその逆方向において、1番目の処理工程からi番目の処理工程までのi個の処理工程により構成される、と言い得る。一般に、kは3以上の整数であり、例えば、kは4又は5以上の整数である。図6に示したテンプレートセット(昇順構成を有するテンプレートセット)と図7に示したテンプレートセット(降順構成を有する)の両方をテンプレート群に含めるようにしてもよい。テンプレート群の中に、テンプレートセットの他、任意構成を有する1又は複数のテンプレートが含まれてもよい。変形例としては、一連の処理工程における途中の処理工程を基準(拡大出発点)として階段状の変化を伴うテンプレートセットを構成する態様があげられる。
図5を再び参照すると、テンプレートシンボル列158は、既に説明したように、図6に示した構成を有するテンプレートセットを象徴するものである。テンプレートシンボル列158は、5つのテンプレートシンボル160a~160eにより構成され、その表示順序は処理工程数順である。すなわち、1個の処理工程数を有するテンプレートを象徴するテンプレートシンボル(TP1)160aを先頭として、最も多い5個の処理工程数を有するテンプレートを象徴するテンプレートシンボル(TP5)160eまで、5つのテンプレートシンボルが左側から右側へ規則的に並んでいる。これにより、ユーザーにおいて、希望する構成を備えたテンプレートを選択し易くなっている。水平方向の表示順に代えて垂直方向の表示順を採用してもよい。規則性をユーザーにおいて認識できる限りにおいて、他の配列が採用されてもよい。
図8には、テンプレートシンボル一覧の他の表示例が示されている。画像150Aには、テンプレートシンボル一覧157が含まれ、そこには2つのテンプレートシンボル列158,182が含まれている。テンプレートシンボル列158は、図5に示したテンプレートシンボル列と同じものである。図8におけるテンプレートシンボル列182は、図7に示したテンプレートセットの内で、5つの処理工程を有するテンプレートを除いた残り4つのテンプレートを象徴するものである。5つの処理工程を有するテンプレートは、テンプレートシンボル列158によって象徴されているテンプレートセットにも含まれており、それについてのテンプレートシンボルの表示は省略されている(符号188を参照)。個々のテンプレートシンボル列158,182を視覚的に識別できるように、例えば、枠囲み184,186等の表示処理を施すのが望ましい。
図9には、テンプレートシンボル列の他の表示例が示されている。テンプレートシンボル列158Aは、図5に示したテンプレートシンボル列158に相当するものである。但し、個々のテンプレートシンボル190には、ラベル192の他、バー194が含まれる。バー194は、処理工程数に相当する個数分のボックス194aからなる。そのような表示要素を参照することにより、テンプレートを構成する処理工程の個数を直感的に認識し得る。数値表示や色相変化等により処理工程の個数を表現するようにしてもよい。
図10及び図11に基づいて、詳細設定について説明する。図10には、特定のテンプレートシンボル、つまり特定のテンプレート、を選択した後に表示される画像196が示されている。図示の例では、画像196内には、テンプレートを構成する複数の処理工程を示す工程リスト198が含まれ、また、デフォルトで設定されているタスクシンボル206が含まれる。画像196内には、いずれかの処理工程の選択後に操作されるボタン200、設定完了後に操作されるボタン202、キャンセルを行うボタン204等も含まれる。
工程リスト198の中から特定の処理工程を選択した上で、ボタン200を操作すると、例えば、詳細設定用画像208が表示される。符号214は別の詳細設定用画像を示している。詳細設定用画像208及び214上において、図2に示した複数の設定値を設定(変更)し得る。詳細設定用画像208においては、必要に応じて、タスクシンボル206の変更を行える。詳細設定に際して、複数の設定値間で不整合が判定された場合、その不整合がユーザーに通知される。これに関しては、後に、図12~図16を用いて説明する。
図11には、タスク定義時の動作例が示されている。符号216は文書処理装置の動作を示し、符号218は端末装置の動作を示している。S10では、テンプレート一覧(テンプレートシンボル一覧)が生成される。それがS12において端末装置で表示される。S12において、端末操作上でいずれかのテンプレート(テンプレートシンボル)が選択されると、S10において、その選択が受け付けられる。S14では、詳細設定を行うか否かが判断される。その際には、図示されていないが、ユーザー操作が受け付けられる。詳細設定を行う場合、S16において、ユーザーにより工程が選択される。その操作についても図11においては図示省略されている。もっとも、複数の詳細設定用画像を自動的に順次表示するようにしてもよい。S18では、選択された処理工程に対応する詳細設定用画像が生成され、それがS20において表示される。S20では、端末装置においてユーザーにより詳細設定内容が入力され、その入力データがS18において文書処理装置で受け付けられる。S22では、他の処理工程について詳細設定を行うか否かが判断され、それを行う場合にはS16以降の処理が繰り返し実行される。
次に、図12~図15に基づいて、詳細設定について説明する。詳細設定用画像の他の例が符号220で示されている。詳細設定用画像220には工程リスト224が含まれる。図示の例では、工程リスト224は、3つの処理工程に対応する3つのボタン226a,226b,226cを有している。例えば、ボタン226aのクリック操作によって、それに対応する処理工程について詳細設定を行える。図示の例では、工程リスト224に隣接して詳細設定用ウインドウ228がポップアップ表示されている。ウインドウ228は、ユーザー選択可能な複数の項目(設定値又は設定値セットを表す記述)230a~230eを有している。図示の例では、文書取り込み条件を設定する状態が示されており、ウインドウ228を利用して、どこから文書を取り込むか、どのデータ形式で取り込むか、を選択し得る。例えば、ポインティングデバイスを利用して、アップボタン232又はダウンボタン234を操作して、いずれかの項目230a~230eを選択し得る。例えば、図示の例では項目230aが選択されている(符号236を参照)。詳細設定に際して、タスクシンボル238bに連なる吹き出しのような形式で、ユーザーの操作についてのガイダンス表示240を行ってもよい。
実施形態に係る文書処理装置では、複数の処理工程間において、つまり複数の詳細設定内容の相互間において、項目間不整合(設定値間不整合)がリアルタイムで判定されている。どのような関係を不整合と判定するのかについては例えば後に図15に例示する判定条件テーブルにおいて定義又は管理されている。
取り込み工程についての詳細設定が完了し、続いて、利用工程を選択した場合、図13に示される画像220が表示される。なお、既に説明した要素には同一符号を付しその説明を省略する。このことは他の図においても同様である。
図13において、ウインドウ242内には複数の項目244a~244eが含まれる。その内で、それまでに設定された複数の設定値との関係で、整合性を有する項目244a,244bについては、それらが通常表示形式で表示され、整合性を有しない項目244c,244d,244eについては、それらが半透明表示形式で表示される。すなわち、整合性の有無が表示態様の違いによって識別表現されている。図示の例では、取り込み工程において指定したデータ形式とは異なるデータ形式を前提とする処理に対応付けられた項目244c~244eについては半透明で表示されている。この場合、それらの項目244c~244eについてはその選択を許容しない制御を適用することも可能であるが、実施形態においては、それらの選択それ自体は許容されている。いずれにしても、図示のような表示態様を採用すれば、項目ごとに、設定済みの他の項目に対して整合するか否かを視覚的に認識することが可能となる。
実施形態では、上記のような不整合が判定された場合、不整合を解消するために、不整合関係にある既設定の項目が自動的に表示され、あるいは、その表示が促される。例えば、図14に示すウインドウ228Aが表示される。ウインドウ228Aにおいては、既に設定された他の項目との関係で不整合となる項目230a,230c,230dが半透明で表示され、既に設定された他の項目との関係で整合性が認められる項目230b,230eが通常表示態様で表示されている。そのような状態で、例えば、項目230aの選択236を解消して、項目230bの選択248を行うことが可能となる。その際、そのような操作を促すガイダンス表示が行われてもよい。
図15には、整合性を判定する際に参照される判定条件テーブル250の構成例が示されている。判定条件テーブル250は、図1に示した判定条件記憶部55に格納されるものである。判定条件テーブル250は、複数のレコードからなり、個々のレコードは、個々の判定条件に対応している。具体的には、個々のレコードは、処理工程を識別する情報252、その処理工程についての詳細設定で選択可能な設定値254、及び、その設定値254が選択された場合における制御内容257を含んでいる。制御内容257は、表示態様(表示条件)、設定制限、ガイダンス表示等を定めるものである。すなわち、判定条件テーブル250を参照することにより、不整合関係にある項目群を特定でき、また、不整合が生じた場合の動作条件が特定される。整合性の判定は図1に示した整合性判定部によって行われる。
図16には、整合性判定を含む動作の要部が示されている。図11に示した工程と同様の工程には同一の工程番号を付しその説明を省略する。
S16においては詳細設定を行う処理工程が選択される。S30では、選択された処理工程について整合性が判定される。すなわち、その処理工程について選択可能な複数の項目の中で、既設定の項目との関係で、整合性を有しない項目があるか否かが判断される。整合性を有しない項目が無ければ、S32において通常の詳細設定用画像が生成され、整合性を有しない項目が有れば、S34において、その項目の半透明表示を伴う、制御された詳細設定用画像が生成される。S36では、通常の詳細設定用画像、又は、制御された詳細設定用画像が表示される。S38では、詳細設定が行われ、S40ではそれが受け付けられる。S22では、本処理を継続させるか否かが判断される。図示の動作例は一例に過ぎないものである。いずれにしても項目間の整合性を考慮して詳細設定を行えるように画像内容を制御するのが望ましい。
図17には、タスク編集時に表示される画面の一例が示されている。例えば、画像220内において、工程リスト224と共に、挿入ボタン258,260を表示し、挿入ボタン260が操作された場合に任意の工程が追加的に挿入されるように構成してもよい。図示の例ではセキュリティ工程262が追加されている。例えば、工程選択後の右クリックにより操作ウインドウが表示されてもよい。操作ウインドウは、工程追加、工程削除、工程置換等を行うためのボタンを含むものである。タスク編集に際しては図1において説明したタスク編集部が機能する。
上記実施形態において、テンプレート群には、所定の規則性もったk個のテンプレートからなるテンプレートセットが含まれる。テンプレートセットは、文書処理装置の担当範囲が状況に応じて処理工程を単位として変化するという特有の事情に適合した構成を有している。そのようなテンプレートセットを予め用意しておけば、テンプレートに基づいてタスクを定義する際に、ユーザーの利便性が高まる。
上記実施形態においては、企業等において生成及び利用される文書について説明したが、学校や公的機関等において生成及び利用される文書について上記構成が適用されてもよい。上記実施形態においては、インターネットを利用したクラウドサービスについて説明したが、組織内の各端末が文書処理装置として機能してもよい。