JP7275466B2 - 車高調整装置 - Google Patents
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Description
本発明に係る車高調整装置の特徴構成は、
車両のサスペンションを構成する車体側の基部および車輪側の基部のうち何れか一方に設置され、当該設置された側の設置基部との相対高さが変化するハウジングと、
前記ハウジングに設けられた駆動モータと、
前記設置基部との前記相対高さが変化するよう前記ハウジングに設けられた駆動ナットを備え、前記駆動モータによって前記駆動ナットを駆動することで前記ハウジングの前記相対高さを変化させる車高調整部と、
前記ハウジングに設けられ、前記車高調整部の動作に連動する差動機構と、
前記差動機構から伝達された動作によって前記ハウジングの高さ変化に従動し、前記駆動ナットの駆動により前記相対高さ変化した前記ハウジングの一部に当接して前記ハウジングの荷重を保持可能な支持ナットを備えた車高保持部と、
前記駆動モータの駆動態様を制御する制御部と、を備え
前記車両の車高を変更する際に、
前記駆動モータにより前記駆動ナットが駆動されて前記ハウジングが前記支持ナットから離間し、
前記ハウジングが前記支持ナットから離間した状態で、前記駆動モータにより前記車高調整部および前記車高保持部が駆動されて、前記駆動ナット・前記支持ナット・前記ハウジングの高さが変化し、
前記駆動モータにより前記駆動ナットを駆動することで前記ハウジングが前記支持ナットに載置されるよう構成されている点にある。
車高を調整する際には車両は静的な状態にあるため、例えば車両の自重のみを考慮しつつ車高調整部を構成すればよい。その場合には、例えば、車両の自重に耐え得る強度を備えておき、車高調整の速度を重視した機構を構成すればよい。
本構成の車高調整装置においては、前記車高保持部が、前記支持ナットに加えて、前記支持ナットが螺合する状態に前記設置基部に設けられ、車高調整が終了した後に前記支持ナットと共に前記ハウジングの荷重を負担する支持ねじ部材と、車高保持状態において前記支持ナットの回転を規制する回転規制部と、を備えていると好都合である。
本構成であれば、車高保持に際して、ハウジングの荷重が車高保持部の支持ねじ部材および支持ナットを介して負担される。支持ナットは簡便な構造であるうえ、ねじ部の機能によって支持ねじ部材に対する高さ位置の設定が任意である。ねじ構造を用いる場合、車両の自重によって支持ナットが回転し、車高が変更する可能性があるが、本構成では支持ナットの回転を回転規制部が規制する。このように本構成であれば、車高を細かく調整でき、車高保持状態が安定な車高調整機構を合理的に構成することができる。
本構成の車高調整装置においては、前記回転規制部を、前記ハウジングの一部に設けられ、前記支持ナットに対する当接部によって構成することができる。
本構成であれば、ハウジングに作用する車両等の荷重を支持ナットに直接伝えつつハウジングと支持ナットとの摩擦力を利用して支持ナットの回転を規制することができる。このため、ハウジングから支持ナットに荷重が伝わる際に他の構成が介在せず、部材どうしの衝突等による振動や騒音が発生し難い。また、ハウジングを支持ナットに直に当接させることで回転規制部の構成を簡略化することができる。
本発明に係る車高調整装置にあっては、前記差動機構として、
前記車高調整部に含まれる第1回転体と、前記車高保持部に含まれ前記支持ナットと連動する第2回転体と、に亘って設けられ、
前記第1回転体に設けられたガイド突起と、
前記ガイド突起が挿入され、前記ガイド突起が所定の位置にあるとき前記ガイド突起からの駆動力を前記支持ナットに伝達するよう、前記第2回転体に形成された溝部と、を備えた構成とすることができる。
差動機構がこのようなガイド突起と溝部とを備える場合、例えばこれらガイド突起と溝部の形状を適宜変化させることで第1回転体と第2回転体との差動態様を種々に設定することができる。第1回転体と第2回転体とを差動させる構成であれば、一つの駆動モータを用いて二つの駆動機構を動作させることができる。よって、車高調整部および車高保持部が有する各種歯車の諸元等に応じて最適な車高調整装置を容易にかつ効率的に得ることができる。
本発明に係る車高調整装置では、前記第2回転体を、平面上に前記溝部が形成されている円盤部材あるいは曲面上に前記溝部が形成されている円筒部材によって構成することができる。
第2回転体が円盤部材あるいは円筒部材であれば、これらは共に回転軸を有するから、駆動モータの回転動作を利用した車高調整部あるいは車高保持部に対する組み付けが容易となる。よって、例えばコンパクトに構成できるなど合理的な構造の車高調整装置が得易くなる。
本発明に係る車高調整装置にあっては、前記車高調整部が、前記駆動ナットに加えて、前記駆動ナットが螺合する状態に前記設置基部に設けられた駆動ねじ部材を備えており、
前記駆動ねじ部材および前記駆動ナットのねじ効率が、前記支持ねじ部材および前記支持ナットのねじ効率よりも高く設定してあると好都合である。
本構成のように、車高調整部が有する駆動ねじ部材および駆動ナットのねじ効率を、支持ねじ部材および支持ナットのねじ効率よりも高く設定することで、車高調整時の駆動ナットの駆動が機敏なものとなり迅速な車高調整を行うことができる。
(全体概要)
図1乃至図3に、第1実施形態に係る車高調整装置Sを示す。本実施形態の車高調整装置Sは、例えば、車両のサスペンションを構成する車体側の基部および車輪側の基部のうち何れか一方に設置される。本実施形態では、一つの車輪につき、車輪側の基部、即ち、サスペンションのコイルばね1を受けるばね受2の下方に車高調整装置Sを設ける例を示す。以下、当該車高調整装置Sを設置した側の基部を設置基部Bと称する。
図1に示すように、車高保持部Kは、設置基部Bに設けられた支持ねじ部材N5と、当該支持ねじ部材N5に螺合する支持ナットG5とを備えている。支持ねじ部材N5は例えば筒状の部材であり、設置基部Bに設けられたスリーブB1に外挿され、スリーブB1と一体に構成されている。支持ナットG5は、後述するように本実施形態では、駆動モータMから支持ねじ部材N5に至る駆動伝達経路の第5ギヤG5として機能する。これら支持ねじ部材N5と支持ナットG5とは、比較的大きな荷重を支持できるように例えば台形ねじで構成する。支持ナットG5は、駆動モータMによって駆動され、ハウジングHの高さ調整が終了した後には、例えばハウジングHの一部に設けた回転規制部H1としての当接部H1aに当接してハウジングHに作用する荷重を支持する。
図1に示すように、ハウジングHの内部には、ハウジングHの高さを変更する車高調整部Cを設けてある。車高調整部Cは、駆動モータMによって回転駆動される駆動ナットG3と、この駆動ナットG3に螺合する駆動ねじ部材N3とを備えている。駆動ナットG3は、駆動モータMから駆動ねじ部材N3に至る駆動伝達経路の第3ギヤG3として機能する。駆動ナットG3は、軸受3を介してハウジングHに設けられており、車高の調整時にはハウジングHに作用する荷重を負担する。ハウジングHの下部には、車高変更時にハウジングHが設置基部Bに対して回転しないように直動部H2を設けてある。当該直動部H2は、設置基部Bに設けた例えば長尺状のレールH2aと、当該レールH2aを跨ぐようにハウジングHに形成された切欠きH2bで構成する。
車高調整部CによってハウジングHの高さを変更する際には、車高保持部KによるハウジングHの保持を一旦開放する必要がある。これら車高調整動作と車高保持動作とは一つの駆動モータMによるため、夫々の動作を区別するために差動機構Dを備えている。
第1回転体R1と第2回転体R2との動作態様を図2に基づき説明する。尚、図3には、第2回転体R2に設けられた溝部5の形状を示す。
図4乃至図6に、第2実施形態に係る車高調整装置Sの構成を示す。ここでは、差動機構Dとして、筒状の第1回転体R1が筒状の第2回転体R2に内挿配置されたものを用いる。
図7乃至図8に、第3実施形態に係る車高調整装置Sの構成を示す。ここでの差動機構Dは、第1回転体R1として機能する第2ギヤG2に、第2回転体R2を従動回転させるガイド突起4を設け、第2回転体R2には、当該ガイド突起4の移動領域を規制する揺動アームFを設けて構成されている。
ハウジングHを上昇させる場合、図8に示すように、第1回転体R1のガイド突起4を溝部5に沿って時計方向に移動させる。この移動距離に応じた第1回転体R1の回転角度、即ち、第2ギヤG2の回転角度に応じて駆動ナットG3が回転し、駆動ナットG3と共にハウジングHが所定距離だけ上昇する。これにより、当接部H1aが支持ナットG5から離間して、支持ナットG5に作用していたハウジングHからの荷重が解消される。
ハウジングHを下降させる場合にも、先ず図8の状態として、当接部H1aを支持ナットG5から離間させる。次に、第1回転体R1および第2回転体R2を停止し、さらに第1回転体R1を続けて反時計方向に回転させてガイド突起4を揺動アームFの先端Faに当接させる。つまり、揺動アームFが内側に退避する前にガイド突起4を揺動アームFに当接させる。この状態から第1回転体R1を反時計方向に回転させることで第2回転体R2も反時計方向に回転する。これにより、当接部H1aが支持ナットG5から離間した状態を維持しつつ、ハウジングHおよび支持ナットG5を下降させることができる。
5 溝部
B 設置基部
C 車高調整部
D 差動機構
ECU 制御部
G3 駆動ナット
G5 支持ナット
H ハウジング
H1 回転規制部
H1a 当接部
K 車高保持部
M 駆動モータ
N3 駆動ねじ部材
N5 支持ねじ部材
R1 第1回転体
R2 第2回転体
S 車高調整装置
Claims (6)
- 車両のサスペンションを構成する車体側の基部および車輪側の基部のうち何れか一方に設置され、当該設置された側の設置基部との相対高さが変化するハウジングと、
前記ハウジングに設けられた駆動モータと、
前記設置基部との前記相対高さが変化するよう前記ハウジングに設けられた駆動ナットを備え、前記駆動モータによって前記駆動ナットを駆動することで前記ハウジングの前記相対高さを変化させる車高調整部と、
前記ハウジングに設けられ、前記車高調整部の動作に連動する差動機構と、
前記差動機構から伝達された動作によって前記ハウジングの高さ変化に従動し、前記駆動ナットの駆動により前記相対高さ変化した前記ハウジングの一部に当接して前記ハウジングの荷重を保持可能な支持ナットを備えた車高保持部と、
前記駆動モータの駆動態様を制御する制御部と、を備え
前記車両の車高を変更する際に、
前記駆動モータにより前記駆動ナットが駆動されて前記ハウジングが前記支持ナットから離間し、
前記ハウジングが前記支持ナットから離間した状態で、前記駆動モータにより前記車高調整部および前記車高保持部が駆動されて、前記駆動ナット・前記支持ナット・前記ハウジンングの高さが変化し、
前記駆動モータにより前記駆動ナットを駆動することで前記ハウジングが前記支持ナットに載置されるよう構成されている車高調整装置。 - 前記車高保持部が、前記支持ナットに加えて、前記支持ナットが螺合する状態に前記設置基部に設けられ、車高調整が終了した後に前記支持ナットと共に前記ハウジングの荷重を負担する支持ねじ部材と、車高保持状態において前記支持ナットの回転を規制する回転規制部と、を備えている請求項1に記載の車高調整装置。
- 前記回転規制部が、前記ハウジングの一部に設けられ、前記支持ナットに対する当接部である請求項2に記載の車高調整装置。
- 前記差動機構が、
前記車高調整部に含まれる第1回転体と、前記車高保持部に含まれ前記支持ナットと連動する第2回転体と、に亘って設けられ、
前記第1回転体に設けられたガイド突起と、
前記ガイド突起が挿入され、前記ガイド突起が所定の位置にあるとき前記ガイド突起からの駆動力を前記支持ナットに伝達するよう前記第2回転体に形成された溝部と、を備えている請求項2または3に記載の車高調整装置。 - 前記第2回転体が、平面上に前記溝部が形成されている円盤部材、あるいは、曲面上に前記溝部が形成されている円筒部材によって構成されている請求項4に記載の車高調整装置。
- 前記車高調整部が、前記駆動ナットに加えて、前記駆動ナットが螺合する状態に前記設置基部に設けられた駆動ねじ部材を備えており、
前記駆動ねじ部材および前記駆動ナットのねじ効率が、前記支持ねじ部材および前記支持ナットのねじ効率よりも高く設定してある請求項2から5の何れか一項に記載の車高調整装置。
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JP2019082454A JP7275466B2 (ja) | 2019-04-24 | 2019-04-24 | 車高調整装置 |
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JP2020179717A JP2020179717A (ja) | 2020-11-05 |
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