JP7274997B2 - 作業機の油圧システム - Google Patents
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Description
特許文献1の作業機では、油圧アクチュエータと、油圧アクチュエータを接続する接続部と、定容量型のポンプであって作動油を吐出する第1油圧ポンプと、定容量型のポンプであって作動油を吐出し且つ前記第1油圧ポンプとは異なる第2油圧ポンプと、接続部と第1油圧ポンプとを連結する第1油路と、第2油圧ポンプと第1油路とを連結する第2油路と、第2油路に設けられ且つ当該第2油路に流れる作動油の流量を設定可能な制御弁とを備えている。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、油圧アクチュエータへの作動油の増量を行う場合でも、作動油の流量のコントロールを簡単に行うことができる作業機の油圧システムを提供することを目的とする。
作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油によって作動する油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから吐出した作動油が供給され且つ、前記油圧アクチュエータを制御可能な第1制御弁と、前記第1制御弁とは別に前記油圧アクチュエータを制御可能な第2制御弁と、前記油圧ポンプと前記第1制御弁とを接続する第1油路と、前記第1油路から分岐し且つ前記第2制御弁の入力ポートに接続される第2油路と、前記第1制御弁と前記油圧アクチュエータとを接続する第3油路と、前記第2制御弁の出力ポートに接続され且つ前記第3油路に合流する第4油路と、操作部材と、大流量モードと前記大流量モードでないモードとに切り換えるためにON/OFFに切り換え可能なスイッチと、前記操作部材と前記スイッチとが接続され、前記第1制御弁の開度と前記第2制御弁の開度とを設定する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記スイッチがONであれば、前記操作部材の操作量が予め定められた切換量未満である場合には、前記操作部材の操作量に応じて前記第1制御弁の開度を変更し、前記操作部材の操作量が前記切換量以上である場合には、前記第1制御弁の開度を最大とし、かつ、前記操作部材の操作量に応じて前記第2制御弁の開度を大きくし、前記スイッチがOFFであれば、前記第2制御弁の開度を最小に維持し、前記操作部材の操作量に応じて前記第1制御弁の開度を変更し、前記操作部材の操作量が前記切換量以上である場合には、前記第1制御弁の開度を最大とする。
作業機の油圧システムは、前記油圧アクチュエータの作動時の最高負荷圧と前記油圧ポンプの吐出圧との差圧が一定となるように前記油圧ポンプの吐出量を制御するロードセンシングシステムを備え、前記油圧ポンプは、作動油の流量を可変にする可変容量ポンプである。
前記第1制御弁は、前記第3油路に作動油を供給しない中立位置と、前記中立位置から切り換わって前記第3油路に作動油を供給する供給位置とに切り換え可能な切換弁であり、前記第2制御弁は、前記第1制御弁が前記中立位置から前記供給位置に切り換わる際に、前記閉鎖状態から開放状態になる。
前記第4油路の中途部に接続され、且つ、前記第2制御弁の出力ポートを通過した作動油を当該第3油路に流す連通位置と前記出力ポートを通過した作動油を前記油圧アクチュエータとは異なる別の油圧アクチュエータが接続される別の油路に流す切換位置とに切り換え可能な方向切換弁を備えている。
[第1実施形態]
まず、作業機の全体の構成から説明する。作業機1は、図5に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備えている。尚、図5では、作業機の一例としてコンパクトトラックローダを示しているが、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、トラクタ、スキッドステアローダ、バックホー等であってもよい。尚、本発明において、作業機の運転席8に着座した運転者の前側(図5の左側)を前方、運転者の後側(図5の右側)を後方、運転者の左側(図5の手前側)を左方、運転者の右側(図5の奥側)を右方として説明する。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16(第1枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17(第2枢支軸)を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
枢支されている。第6枢支軸21は、ブーム10であって、第2枢支軸17の前方で且つ第2枢支軸17の上方に設けられている。
図1に示すように、作業機の油圧システムは、第1油圧ポンプP1と、第2油圧ポンプP2と、複数の制御弁56と、複数の圧力補償弁75とを備えている。
複数の制御弁56は、油圧アクチュエータを制御する制御弁であって、例えば、油圧アクチュエータの1つであるブームシリンダ14及びバケットシリンダ15等を制御する。複数の制御弁56は、ブーム制御弁56A及びバケット制御弁56Bを含んでいる。ブーム制御弁56Aは、ブームシリンダ14を制御する弁であって、バケット制御弁56Bは、バケットシリンダ15を制御する弁である。ブーム制御弁56A、バケット制御弁56Bは、それぞれパイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。ブーム制御弁56A、バケット制御弁56Bは、パイロット圧によって、中立位置、第1位置、第2位置に切り換わる。
ブーム10、バケット11の操作は、運転席8の周囲に設けられた操作レバー58によって行うことができる。操作レバー58は、中立位置から、前後、左右、斜め方向に傾動可能に支持されている。操作レバー58を傾動操作することにより、操作レバー58の下部に設けられた各パイロット弁を操作することができる。
操作レバー58を後側に傾動させると、上昇用パイロット弁59Bが操作されて当該上昇用パイロット弁59Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制
御弁56Aの受圧部に作用し、ブーム10は上昇する。
操作レバー58を左側に傾動させると、バケットスクイ用のパイロット弁59Dが操作され、バケット制御弁56Bの受圧部にパイロット油が作用する。その結果、バケット制御弁56Bは、バケットシリンダ15を縮小させる方向に作動し、操作レバー58の傾動量に比例した速度でバケット11がスクイ動作する。
図2に示すように、第1制御弁56Cは、入力ポート80a、出力ポート80b、80c、排出ポート80d、循環ポート80e、80fを有している。入力ポート80aには、吐出油路(第1油路)41が接続され、第2油圧ポンプP2から吐出した作動油が導入される。出力ポート80b、80cには、給排油路81a、81bが接続されている。また、循環ポート80e、80fは、給排油路81cにより接続されている。
第1制御弁56Cは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁であって、中立位置83cと、第1位置83aと、第2位置83bに切り換わる。第1制御弁56Cが中立位置83cである場合、入力ポート80aと、循環ポート80e、80fとが連通しないため、出力ポート80b、80cから第3油路81a、81bへ作動油は流れない。即ち、第1制御弁56Cが中立位置83cである場合は、油圧アクチュエータ26に作動油を供給しない。
6Cが供給位置である第2位置83bにも、油圧アクチュエータ26に作動油を供給する。
第2制御弁56Dが第2位置91bである場合、入力ポート90aと出力ポート90bとが連通するため、出力ポート90bから第4油路44へ作動油が供給される。
ここで、第1制御弁56Cが中立位置83cであって開度が零(最小)である場合、第2制御弁56Dは第1位置91a(閉鎖状態)であって開度は零(最小)である。第1制御弁56Cが中立位置83cから第1位置(供給位置)83a、83bに切り換わり、第1制御弁56Cの開度が所定P10未満である場合も、第2制御弁56Dは第1位置91a(閉鎖状態)であって開度は零(最小)である。
Dに向かう作動油は、第2制御弁56Dから第4油路44に供給されない。そのため、第1制御弁56Cの開度が零から所定P10未満である場合は、作動油の流量Q3は、第1制御弁56Cの開度に応じて増加し、流量Q1と同じである。
一方、第1制御弁56Cの開度が所定P10以上である場合、第2制御弁56Dは第1位置91a(閉鎖状態)から第2位置91b(開放状態)に切り換わり、作動油の流量Q2は、第2制御弁56Dの開度に応じて増加するため、流量Q3もラインL3に示すように、第2制御弁56Dの開度に応じて増加する。例えば、第1制御弁56Cの開度が最大であり所定P10以上である場合、(第1制御弁56Cのスプールがフルストロークである場合)、第2制御弁56Dは第1位置91a(閉鎖状態)から第2位置91b(開放状態)に切り換わる。
以上のように、第1制御弁56C及び第2制御弁56Dによれば、第1制御弁56Cの開度が所定P10未満である場合には、当該第1制御弁56Cの開度によって油圧アクチュエータ26に供給する作動油の流量を設定することができ、第1制御弁56Cの開度が所定P10以上である場合には、当該第1制御弁56C及び第2制御弁56Dの開度によって油圧アクチュエータ26に供給する作動油の流量を設定することができる。したがって、油圧アクチュエータ26への作動油の供給量が一定流量で良い場合には、第1制御弁56Cを操作することによって、油圧アクチュエータ26を作動させることができる。一方、油圧アクチュエータ26への作動油の供給量が一定流量よりも大流量にする場合は、例えば、第1制御弁56Cのスプールをフルストロークにした状態で第2制御弁56Dの開度を調整することによって、油圧アクチュエータ26を作動させることができる。
ことができる。
作業機の油圧システムは、第4油路44の中途部に接続され且つ第2制御弁56Dの出力ポート90bを通過した作動油を当該第3油路(81a、81b、81c)に流す連通位置と出力ポート90bを通過した作動油を別の油路に流す切換位置とに切り換え可能な方向切換弁110を備えている。これによれば、油圧アクチュエータ26とは異なる別の油圧アクチュエータに作動油を供給することができ、別の油圧アクチュエータへ供給する作動油を増加させることが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 :機体
3 :キャビン
4 :作業装置
5 :走行装置
8 :運転席
10 :ブーム
11 :作業具(バケット)
12 :リフトリンク
13 :制御リンク
14 :ブームシリンダ
15 :バケットシリンダ
16 :第1枢支軸
17 :第2枢支軸
18 :第3枢支軸
19 :第4枢支軸
20 :第5枢支軸
21 :第6枢支軸
22 :作動油タンク
26 :油圧アクチュエータ
35 :フィルタ
41 :第1油路
42 :第2油路
44 :第4油路
45 :排出油路
46 :排出油路
50 :接続部材
56 :制御弁
56A :ブーム制御弁
56B :バケット制御弁
56C :第1予備制御弁(第1制御弁)
56D :第2予備制御弁(第2制御弁)
58 :操作レバー
59A :下降用パイロット弁
59B :上昇用パイロット弁
59C :パイロット弁
59D :パイロット弁
60A :第1比例弁
60B :第2比例弁
80a :入力ポート
80b :出力ポート
80c :出力ポート
80d :排出ポート
80e :循環ポート
80f :循環ポート
81a、81b、81c:第3油路(給排油路)
83a :供給位置(第1位置)
83b :供給位置(第2位置)
83c :中立位置
87 :受圧部
88 :制御装置
89 :操作部材
90a :入力ポート
90b :出力ポート
90c :排出ポート
90d :排出ポート
91a :第1位置
91b :第2位置
93 :受圧部
94 :油路
95 :比例弁
95a :ソレノイド
96 :パイロット油路
99 :スイッチ
110 :方向切換弁
112a :入力ポート
112b :出力ポート
112c :出力ポート
113 :油路
115 :スイッチ
L1 :開度
L2 :開度
P1 :第1油圧ポンプ
P2 :第2油圧ポンプ
Q1 :流量
Claims (6)
- 作動油を吐出する油圧ポンプと、
作動油によって作動する油圧アクチュエータと、
前記油圧ポンプから吐出した作動油が供給され且つ、前記油圧アクチュエータを制御可能な第1制御弁と、
前記第1制御弁とは別に前記油圧アクチュエータを制御可能な第2制御弁と、
前記油圧ポンプと前記第1制御弁とを接続する第1油路と、
前記第1油路から分岐し且つ前記第2制御弁の入力ポートに接続される第2油路と、
前記第1制御弁と前記油圧アクチュエータとを接続する第3油路と、
前記第2制御弁の出力ポートに接続され且つ前記第3油路に合流する第4油路と、
操作部材と、
大流量モードと前記大流量モードでないモードとに切り換えるためにON/OFFに切り換え可能なスイッチと、
前記操作部材と前記スイッチとが接続され、前記第1制御弁の開度と前記第2制御弁の開度とを設定する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記スイッチがONであれば、前記操作部材の操作量が予め定められた切換量未満である場合には、前記操作部材の操作量に応じて前記第1制御弁の開度を変更し、前記操作部材の操作量が前記切換量以上である場合には、前記第1制御弁の開度を最大とし、かつ、前記操作部材の操作量に応じて前記第2制御弁の開度を大きくし、
前記スイッチがOFFであれば、前記第2制御弁の開度を最小に維持し、前記操作部材の操作量に応じて前記第1制御弁の開度を変更し、前記操作部材の操作量が前記切換量以上である場合には、前記第1制御弁の開度を最大とする作業機の油圧システム。 - 前記油圧アクチュエータの作動時の最高負荷圧と前記油圧ポンプの吐出圧との差圧が一定となるように前記油圧ポンプの吐出量を制御するロードセンシングシステムを備え、
前記油圧ポンプは、作動油の流量を可変にする可変容量ポンプである請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記第2制御弁は、前記第1制御弁の開度が最大となった場合に、閉鎖状態から開放状態になる請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。
- 前記第1制御弁は、前記第3油路に作動油を供給しない中立位置と、前記中立位置から切り換わって前記第3油路に作動油を供給する供給位置とに切り換え可能な切換弁であり、
前記第2制御弁は、前記第1制御弁が前記中立位置から前記供給位置に切り換わる際に、前記閉鎖状態から開放状態になる請求項3に記載の作業機の油圧システム。 - 前記第2制御弁は、前記開放状態において開度が徐々に大きくなる請求項3又は4に記載の作業機の油圧システム。
- 前記第4油路の中途部に接続され、且つ、前記第2制御弁の出力ポートを通過した作動油を当該第3油路に流す連通位置と前記出力ポートを通過した作動油を前記油圧アクチュエータとは異なる別の油圧アクチュエータが接続される別の油路に流す切換位置とに切り換え可能な方向切換弁を備えている請求項1~5のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
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