以下、図面を参照して、本発明に係る天板付什器の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る天板付什器をデスク2として備えるデスクユニット1について説明する。
図1は、デスクユニット1の概略構成を示す斜視図である。デスクユニット1は、オフィスや公共施設等の執務空間に設置され、執務者に対して電子機器等を効率的に扱う作業スペースを提供するための什器であり、図1に示すように、デスク2(天板付什器)と、ワゴン3と、クランプ装置4と、照明装置5と、卓上タップ6とを備えている。なお、デスクユニット1は、ワゴン3、クランプ装置4、照明装置5及び卓上タップ6の全てを備える構成を必須とするものではなく、これらのいずれかあるいは複数を備えない構成とすることも可能である。また、デスクユニット1に対して、他のオプション機器等を備えるようにしても良い。さらに、デスク2を単体で使用することも可能である。
以下の説明においては、デスクユニット1で執務を行う執務者から見てデスクユニット1の手前側を前、奥側を後、左手側を左、右手側を右と称する。すなわち、図1に示すように、デスク2の後述する一対の脚体10が離間して配列される方向を左右方向、左右方向と直交する水平方向を前後方向とする。また、重力方向(デスク2が載置される床面の法線に沿う方向)を上下方向とする。
図2は、デスク2の斜視図である。また、図3は、デスク2の一部を分解した分解斜視図である。デスク2は、執務者が使用する電子機器等を載置可能とする作業面を提供する什器であり、図2及び図3に示すように、一対の脚体10と、天板11と、幕板12と、配線ダクト13と、カバー部14と、縦配線ダクト15とを備えている。
各々の脚体10は、枠状フレーム10aと、枠状フレーム10aの下端に接続されたアジャスタ10bを備えている。枠状フレーム10aは、前後方向に離間して配置されると共に上下方向に延伸する一対の柱部材(前側柱部材10c及び後側柱部材10d)と、上下方向に離間して配置されると共に前後方向に延伸して一方の柱部材と他方の柱部材とを連結する一対の連結部材(上側連結部材10e及び下側連結部材10f)とを有している。なお、上記のように、一対の柱部材のうち、前側に配置された柱部材を前側柱部材10cと称し、後側に配置された柱部材の後側柱部材10dと称する。また、上記のように、一対の連結部材のうち、上側に配置された連結部材を上側連結部材10eと称し、下側に配置された連結部材を下側連結部材10fと称する。
前側柱部材10c及び後側柱部材10dは、いずれも前後左右の各方向に向けられた面を有する断面矩形状とされた直線状のフレーム部材であり、同一の長さ寸法とされている。これらの前側柱部材10c及び後側柱部材10dの下端には、各々にアジャスタ10bが取り付けられている。上側連結部材10e及び下側連結部材10fは、いずれも上下左右の各方向に向けられた面を有する断面矩形状とされた直線状のフレーム部材であり、同一の長さ寸法とされている。上側連結部材10eは、一端が前側柱部材10cの上端部に接続され、他端が後側柱部材10dの上端部に接続されている。また、下側連結部材10fは、一端が前側柱部材10cの下端部に接続され、他端が後側柱部材10dの下端部に接続されている。また、上側連結部材10eの後端部の下面には下方に向けて開口されたねじ孔10e1(図6参照)が形成されている。
図4は、後側柱部材10dと下側連結部材10fとの連結部分を拡大した拡大斜視図である。この図に示すように、下側連結部材10fの後端部の下面には、縦配線ダクト15の後述する固定具15bの嵌入片33を下方から挿入するための挿入孔10gが前後方向に配列されて2つ設けられている。また、下側連結部材10fの後端部の上面には上方に向けて開口されたねじ孔10f1が形成されている。
このような脚体10は、前側柱部材10c、後側柱部材10d、上側連結部材10e及び下側連結部材10fが矩形状に組まれた枠状フレーム10aを有することによって、側方から見て中央部に開口領域Kを有する枠状とされている。つまり、本実施形態においては、デスク2の側方から、脚体10の中央部の開口領域Kを介して配線ダクト13等が視認可能とされている。
これらの脚体10は、床面にアジャスタ10bを当接させ、天板11を下方から支持する。これらの一対の脚体10は、図2に示すように、枠状フレーム10a同士を対向させた状態で、左右方向に離間して配置されている。すなわち、本実施形態においては、左右方向が一対の脚体10の離間方向とされている。
天板11は、上下方向に表裏面を向けた板状の部材であり、本実施形態においては左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする平面視矩形状とされている。この天板11は、左縁下面と右縁下面との各々に脚体10が不図示の締結具等で固定されており、これらの脚体10によって下方から支持されている。このような天板11の上面は、執務者が電子機器等を載置する作業面を形成している。なお、天板11の前後方向の長さ寸法は、脚体10の前後方向の長さ寸法と略同一とされている。
幕板12は、一方の脚体10の後端部と、他方の脚体10の後端部とを接続する板状の部材であり、不図示の締結具によって各々の脚体10と固定されている。この幕板12は、脚体10の枠状フレーム10aに直接固定される幕板縦フレーム12aと、幕板縦フレーム12aに支持された幕板パネル12bとを有している。幕板縦フレーム12aは、幕板12の左右端に各々配置されており、不図示の締結具によって枠状フレーム10aに固定されている。この幕板縦フレーム12aは、前後方向寸法が枠状フレーム10aの後側柱部材10dの同寸法と同一とされている。このような幕板縦フレーム12aは、前面が後側柱部材10dの前面と面一となり、後面が後側柱部材10dの後面と面一となるように、後側柱部材10dの側面に固定されている。例えば、左側の幕板縦フレーム12aは、左側の後側柱部材10dの右側面に固定されている。また、右側の幕板縦フレーム12aは、右側の後側柱部材10dの左側面に固定されている。幕板パネル12bは、左右端部の各々が幕板縦フレーム12aに固定されたパネル体であり、表裏面を前後方向に向けて配置されている。この幕板パネル12bの上端縁及び下端縁は、前方に向けて折り返されている。
配線ダクト13は、天板11の下方に配置されており、左右方向に延伸する配線収容領域Rを有している。図5は、配線ダクト13の端部を含む拡大斜視図である。この図に示すように配線ダクト13は、底板13aと、後方立設片13bと、前方立設片13cとを有している。底板13aは、配線ダクト13の底部を形成しており、配線等の収容物が載置可能な載置面を上方に向けた板状とされている。この底板13aは、左右方向に長い長板状とされており、例えば図3に示すように、幕板12の一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aに至る長さ寸法とされている。また、底板13aの左側端部に近い部位には、係合孔13a1が前後方向に配列されて2つ設けられている(図6参照)。これらの係合孔13a1は、縦配線ダクト15の後述する係合突起44bが係止される貫通孔である。
後方立設片13bは、底板13aの後方側端部から上方に向けて立設されている。また、後方立設片13bの上端縁には、幕板12に係止可能な爪部13dが形成されている。この爪部13dは、後方側から前方に向けて水平に突出するように設けられており、左右方向にて後方立設片13bの全域に設けられている。この爪部13dが幕板パネル12bに係止されることで、幕板12に対して配線ダクト13が支持される。このような後方立設片13bは、幕板12の幕板パネル12bに対して面接触あるいは近接して対向配置されている。
前方立設片13cは、底板13aの前方側端部から上方に向けて立設されている。この前方立設片13cの上下方向寸法は、後方立設片13bの上下方向寸法よりも小さい。つまり、前方立設片13cは、後方立設片13bよりも低く形成されている。なお、図5に示すように、前方立設片13cは、配線ダクト13の左側の端部にて、底板13aよりも左方向に突出されている。前方立設片13cの底板13aの端部から左方向への突出量は、例えば幕板縦フレーム12aの左右方向の幅寸法と略同一とされる。このように前方立設片13cを底板13aよりも左側に突出させることによって、前方から見て配線ダクト13の左側の端部と縦配線ダクト15との間に隙間が生じることを防止することができる。
このような配線ダクト13は、例えば板金や硬質樹脂によって形成されており、底板13aと後方立設片13bと前方立設片13cによって囲まれた配線収容領域Rを形成している。このような配線収容領域Rは、図5に示すように、上方に向けて開放されており、上方から配線等を出し入れ可能とされている。また、配線ダクト13は、左右方向の端部が開放されている。つまり、配線ダクト13は、左右方向の両端に開放端部13eを有している。このため、配線ダクト13の左右方向の端部を介して配線ダクト13の外部から配線収容領域Rに対して配線等を挿通することが可能とされている。
なお、本実施形態においては、配線ダクト13は、幕板12の一方の幕板縦フレーム12aと他方の幕板縦フレーム12aとの間に底板13aが入り込むように幕板パネル12bに当接あるいは近接されて配置されている。このため、左側の開放端部13eは、左側から見て、幕板12の幕板縦フレーム12a(すなわち枠状フレーム10aの後側柱部材10d)によって、後側の略半分の領域が覆われている。一方で、左側の開放端部13eは、左側から見て、前側の略半分の領域が幕板縦フレーム12aによって覆われておらず、縦配線ダクト15が設置されていなければ枠状フレーム10aの中央部の開口領域Kを介して露出されている。
カバー部14は、配線ダクト13に対して着脱可能とされ、配線ダクト13に装着された装着姿勢にて配線ダクト13の配線収容領域Rを前方側から覆う部材である。カバー部14の左右方向の幅寸法は、例えば幕板12の一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aまでの離間寸法よりも短い。本実施形態においては、カバー部14の左右方向の幅寸法が幕板12の一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aまでの離間寸法の半分とされており、一方の幕板縦フレーム12aから他方の幕板縦フレーム12aまでに2つのカバー部14が装着可能とされている。つまり、複数(本実施形態においては2つ)のカバー部14によって、配線ダクト13の配線収容領域Rの全体を覆う構成とされている。各々のカバー部14は、可撓性を有しており、例えば軟質樹脂によって形成されている。
図2及び図3に示すように、縦配線ダクト15は、2つの脚体10のうち、左側の脚体10に固定されている。具体的には、左側の脚体10の枠状フレーム10aの後側柱部材10dの前面に当接された状態で固定されている。縦配線ダクト15は、デスク2の外部から配線ダクト13に配線ケーブルを案内するための部材であり、図2及び図3に示すように、配線等を収容する内部空間を有する本体ダクト15aと、本体ダクト15aを枠状フレーム10aに固定する固定具15bと、本体ダクト15aに着脱可能とされた着脱ダクト15cとを備えている。
本体ダクト15aは、上下方向に直線状に延伸すると共に断面が前後左右の各方向を向く面を有する矩形状とされた中空の柱状部材である。この本体ダクト15aは、右側に壁面が設けられておらず、内部空間が右側に向けて開放されている。図6は本体ダクト15aの上端を含む拡大斜視図である。この図に示すように、本体ダクト15aの上端には中央に貫通孔20aが設けられた上壁20が設けられている。また、図4に示すように、本体ダクト15aの下端には中央に貫通孔21aが設けられた底壁21が設けられている。つまり、本体ダクト15aは、上下方向における端部は、上壁20及び底壁21によって閉塞端とされている。また、図4に示すように、底壁21の前縁及び後縁には、着脱ダクト15cの後述する嵌合片43が嵌入される切欠部21bが設けられている。
この本体ダクト15aは、上端が枠状フレーム10aの上側連結部材10eの下面に当接され、下端が枠状フレーム10aの下側連結部材10fの上面に当接されている。つまり、本体ダクト15a(すなわち縦配線ダクト15)は、上側連結部材10eから下側連結部材10fに至る長さ寸法とされている。このような本体ダクト15aの上端には、図6に示すように、本体ダクト15aの上壁20の右側縁部から上方に向けて立設する当接片22が設けられている。この当接片22は、上側連結部材10eの右側面に右側から当接されており、本体ダクト15aの上端を上側連結部材10eに対して位置決めしている。また、上壁20に設けられた貫通孔20aを貫通して不図示のボルトが上側連結部材10eのねじ孔10e1に螺合されることで、上壁20が上側連結部材10eに締結されている。
また、本体ダクト15aは、左右方向の幅寸法が枠状フレーム10aの後側柱部材10dの左右方向の幅寸法と一致されている。本体ダクト15aの後面は、縦配線ダクト15の後面とされており、後側柱部材10dの前面に当接されている。つまり、本実施形態において縦配線ダクト15は、一対の柱部材のうち後側に配置された柱部材(後側柱部材10d)の前面に当接された状態で上下方向に延伸している。また、本体ダクト15aの前面は、縦配線ダクト15の前面とされており、配線ダクト13の前面(前方立設片13cの前面)と面一とされている。
固定具15bは、図4に示すように、表裏面が左右方向を向く基部プレート30と、基部プレート30の上縁から左側に向けて突出すると共に中央部に貫通孔31aが設けられた上側プレート31と、基部プレート30の下縁から左側に向けて突出する下側プレート32と、下側プレート32の左縁から上方に突出する嵌入片33とを有している。このような固定具15bは、上側プレート31が本体ダクト15aの底壁21に上方から重ねられ、嵌入片33が下方から下側連結部材10fの挿入孔10gに嵌入されることで、本体ダクト15aを下側連結部材10fに接続している。なお、不図示のボルトが、上側プレート31の貫通孔31aと、底壁21の貫通孔21aとを貫通して下側連結部材10fのねじ孔10f1に螺合されることで、本体ダクト15a及び固定具15bが枠状フレーム10aに対して締結されている。
また、図4に示すように、上側プレート31には、底壁21の前縁及び後縁に設けられた切欠部21bに上方から見て重なるように、前縁及び後縁に対して着脱ダクト15cの後述する嵌合片43が嵌入される切欠部31bが設けられている。
着脱ダクト15cは、本体ダクト15aの開放された右側を塞ぐ部材であり、配線ダクト13から固定具15bの上側プレート31に至る長さ寸法とされている。この着脱ダクト15cは、表裏面が左右方向に向けられた基部壁40と、基部壁40の前縁から左方向に向けて突出する前縁壁41と、基部壁40の後縁から左方向に向けて突出する後縁壁42と、下方に向けて突出する嵌合片43と、配線ダクト係合部44とを有している。
基部壁40は、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに装着された場合に、右側面が外部に露出される部位である。この基部壁40の右面は、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに装着された場合に、脚体10の後側柱部材10dの右面と面一とされる面である。また、図4に示すように、この基部壁40の下端部には、本体ダクト15aの内部空間に連通して配線ケーブルを挿通可能な下縁開口40aが形成されている。
前縁壁41は、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに対して装着された場合に、本体ダクト15aの前側の内壁面に当接するように、本体ダクト15aの内部に配置される。後縁壁42は、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに対して装着された場合に、本体ダクト15aの後側の内壁面に当接するように、本体ダクト15aの内部に配置される。
嵌合片43は、前縁壁41の下端及び後縁壁42の下端の各々に設けられている。これらの嵌合片43は、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに装着された場合に、本体ダクト15aの底壁21の切欠部21bと、固定具15bの上側プレート31の切欠部31bとに嵌合される。つまり、底壁21の切欠部21bと上側プレート31の切欠部31bとが上方から見て重なって配置されており、これらの切欠部21b及び切欠部31bとに上方から挿通されるように、1つの嵌合片43が挿入される。
配線ダクト係合部44は、基部壁40の上端縁から右方向に向けて突出すると共に表裏面を上下方向に向けた板状部の板部44aと、板部44aの上面から上方に突出された係合突起44bとを有している。板部44aは、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに装着された場合に、図6に示すように、配線ダクト13の底板13aに下方から対向配置される高さ位置に配置されている。係合突起44bは、板部44aの先端部に設けられており、前後方向に離間して2つ設けられている。これらの係合突起44bは、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに装着された場合に、配線ダクト13の底板13aに設けられた係合孔13a1に係止される。このように係合孔13a1に係合突起44bが係止されることによって、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに係合される。
このように、着脱ダクト15cは、嵌合片43が本体ダクト15aの底壁21の切欠部21bと固定具15bの上側プレート31の切欠部31bとに嵌合され、配線ダクト係合部44が配線ダクト13に係合されることによって、本体ダクト15aに装着状態とされる。なお、このような本体ダクト15aに装着された着脱ダクト15cの姿勢を保持するために、磁石等を設置しても良い。このように本実施形態において着脱ダクト15cは、本体ダクト15aの内部空間の一部を開閉可能に本体ダクト15aに対して着脱可能とされている。
このような縦配線ダクト15は、本体ダクト15aの内部空間が配線案内空間K1とされている。この縦配線ダクト15は、配線案内空間K1の上部が配線ダクト13の左側の開放端部13eに接続されており、配線案内空間K1によって配線ケーブルを上下方向に案内する。つまり、縦配線ダクト15は、配線ダクト13の開放端部13eの一部領域を左側から見て覆って、脚体10の開口領域Kに上下方向に延伸して配置されている。また、縦配線ダクト15は、配線ダクト13の配線収容領域Rに連通される配線案内空間K1を有している。
本実施形態においては、左側から見て、配線ダクト13の開放端部13eの後側が後側柱部材10dによって覆われ、前側が縦配線ダクト15によって覆われている。つまり、左側から見た場合には、配線ダクトの左端の開放端部13eの全域が、後側柱部材10d及び縦配線ダクト15によって覆われている。
このようなデスク2に対しては、例えば図1に示すように、床面から引き出された電源タップDが取り付けられている。電源タップDは、コンセントの差込口が設けられたタップ本体部D1と、タップ本体部D1に接続された配線ケーブルD2とを備えている。このような電源タップDのタップ本体部D1が配線ダクト13の配線収容領域Rに載置され、タップ本体部D1に接続された配線ケーブルD2が配線ダクト13及び縦配線ダクト15を介して例えば床面まで到達される。配線ケーブルD2は、配線ダクト13の開放端部13eから縦配線ダクト15の配線案内空間K1に引き回され、さらに縦配線ダクト15の基部壁40の下縁開口40aを介して床面に引き出されている。
図1に戻り、ワゴン3は、デスクユニット1を用いる執務者の手荷物等を収容可能とする什器であり、2つの脚体10の間であって天板11の下方に収容可能とされている。このワゴン3は、下面には不図示のキャスタが設けられており、容易に前後方向に移動可能とされている。
クランプ装置4は、照明装置5や卓上タップ6を支持するための取付具である。本実施形態においては、クランプ装置4は、天板11の後縁部を上下方向から挟持することで、天板11に対して固定されている。なお、本実施形態のデスクユニット1が照明装置5及び卓上タップ6を備えていることから、クランプ装置4は2つ設けられている。一方のクランプ装置4には照明装置5が接続され、他方のクランプ装置4には卓上タップ6が接続されている。
照明装置5は、デスクユニット1の執務者によって光源のオンオフが切り替え可能とされた装置であり、クランプ装置4を介してデスク2の天板11に対して固定されている。この照明装置5は、電源タップDに接続するための配線ケーブルを有している。この配線ケーブルは、例えば天板11と幕板12との間に形成された隙間を介して、配線ダクト13の配線収容領域Rに引き込まれており、配線収容領域Rの内部にて電源タップDのタップ本体部D1と接続されている。
卓上タップ6は、デスクユニット1の執務者が個人使用の電子機器に対して給電を行うための給電ケーブルを接続可能とするための装置であり、この卓上タップ6は、電源タップDに接続するための配線ケーブルを有している。この配線ケーブルは、例えば天板11と幕板12との間に形成された隙間を介して、配線ダクト13の配線収容領域Rに引き込まれており、配線収容領域Rの内部にて電源タップDのタップ本体部D1と接続されている。
このような構成の本実施形態のデスクユニット1が備えるデスク2において、配線ダクト13に対して電源タップDのタップ本体部D1や配線ケーブルD2等を出し入れする場合には、まずワゴン3を天板11の下方から前方に引き出す。続いて、カバー部14を配線ダクト13から取り外す。配線ダクト13の配線収容領域Rを前方から覆っていたカバー部14が取り除かれると、配線収容領域Rが前方に向けて広く開放される。また、着脱ダクト15cを本体ダクト15aから取り外す。これによって、本体ダクト15aの内部の配線案内空間K1が右側に向けて大きく開放される。
このように配線収容領域Rが前方に向けて開放されると共に配線案内空間K1が右側に向けて大きく開放された状態で、配線収容領域R及び配線案内空間K1への電源タップDの出し入れを行う。また、照明装置5の配線ケーブルと電源タップDとの接続状態や、卓上タップ6の配線ケーブルと電源タップDとの接続状態の変更する場合には、配線収容領域Rが前方に向けて開放された状態で行う。
以上のような本実施形態のデスクユニット1が備えるデスク2は、左右方向に離間して配置された一対の脚体10と、一対の脚体10に架設された天板11と、天板11の下方に左右方向に延伸して設けられる配線ダクト13とを備えている。また、デスク2は、脚体10が、前後方向に離間して配置されると共に上下方向に延伸する一対の柱部材(前側柱部材10c及び後側柱部材10d)と、上下方向に離間して配置されると共に前後方向に延伸して一方の柱部材と他方の柱部材とを連結する一対の連結部材(上側連結部材10e及び下側連結部材10f)とを有し、配線ダクト13が、脚体10に向けられた開放端部13eを有し、開放端部13eの少なくとも一部領域を覆って開口領域Kにて上下方向に延伸して配置されると共に配線ダクト13の配線収容領域Rに連通される配線案内空間K1を有する縦配線ダクト15を有している。
このようなデスク2によれば、配線ダクト13の開放端部13eの少なくとも一部領域が上下方向に延伸する縦配線ダクト15によって覆われている。このため、配線ダクト13内の配線ケーブル等を配線ダクト13から縦配線ダクト15に引き込み、さらには天板11の下方に引き出すことができる。さらに、本実施形態のデスク2によれば、配線ダクト13の開放端部13eの一部領域が縦配線ダクト15によって覆われる。このため、縦配線ダクト15によって配線ダクト13の内部が隠されることとなり、脚体10の開口領域Kを通じて配線ダクト13の内部が側方から視認されることを抑止することができる。したがって、本実施形態のデスク2によれば、枠状の脚体10を有するデスク2において、配線ケーブルの引き回しを阻害することなく、配線ダクト13の内部が側方から視認されることを抑止することができる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、上記第1の発明において、縦配線ダクト15が、一対の連結部材のうち上側連結部材10eの下面から下側連結部材10fの上面に至る長さ寸法とされている。このようなデスク2によれば、縦配線ダクト15が上側連結部材10eから下側連結部材10fまで至るため、縦配線ダクト15を脚体10の補強材として用いることができる。また、配線ダクト13から下側連結部材10fに至るまで配線ケーブルを縦配線ダクト15によって隠すことができ、よりデスク2の体裁を良好とすることができる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、縦配線ダクト15が、一対の柱部材のうち後側柱部材10dの前面に当接された状態で上下方向に延伸している。このため、縦配線ダクト15を後側柱部材10dと一体的に見せることが可能となり、よりデスク2の体裁を良好とすることができる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、配線ダクト13の一端の開放端部13eの全域が、柱部材及び縦配線ダクト15によって覆われている。このようなデスク2によれば、配線ダクト13の一端の開放端部13eの全域が覆われるため、よりデスク2の体裁を良好とすることができる。さらに、配線ダクト13の前後方向の寸法を大きく確保することができ、配線ダクト13の配線収容領域Rの容量を大きくすることが可能となる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、配線ダクト13の前面と縦配線ダクト15の前面とが面一に配置されている。このため、配線ダクト13の前面と縦配線ダクト15の前面との境界部分に段差が形成されることを防止することができ、よりデスク2の体裁を良好とすることができる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、縦配線ダクト15が、上下方向に直線状に延伸すると共に側方に向けて開放された内部空間を有する本体ダクト15aと、本体ダクト15aを連結部材に固定する固定具15bと、本体ダクト15aの内部空間の一部を開閉可能に本体ダクト15aに対して着脱可能とされた着脱ダクト15cとを備えている。このようなデスク2によれば、着脱ダクト15cが本体ダクト15aに対して着脱可能とされているため、着脱ダクト15cを本体ダクト15aから脱離することによって、容易に配線ケーブルを本体ダクト15aの内部空間に対して出し入れすることが可能となる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、着脱ダクト15cの下端部に本体ダクト15aの内部空間に連通する下縁開口40aが設けられている。このようなデスク2によれば、着脱ダクト15cで本体ダクト15aの内部空間を閉じた状態にて下縁開口40aを通じて本体ダクト15aの内部空間から配線ケーブルを引き出すことができる。また、この下縁開口40aが着脱ダクト15cの下端部に設けられているため、下方から配線ケーブルを引き出すことができ、配線ケーブルを目立たなく引き出すことができ、デスク2の体裁を良好なものとすることができる。
また、本実施形態のデスクユニット1においては、着脱ダクト15cが、配線ダクト13の下端位置と一対の連結部材のうち下側連結部材10fとの間に配置されている。このようなデスク2によれば、配線ダクト13の配線収容領域Rと縦配線ダクト15の配線案内空間K1との接続部位よりも下方に着脱ダクト15cが配置されることになるため、配線ダクト13の配線収容領域Rと縦配線ダクト15の配線案内空間K1との良好な連通状態を維持しつつ、着脱ダクト15cを本体ダクト15aに装着することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、左側の脚体10の開口領域Kのみに縦配線ダクト15を設置する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。右側の脚体10の開口領域Kのみに縦配線ダクト15を設置する構成を採用することも可能である。また、左側の脚体10の開口領域K及び右側の脚体10の開口領域Kの両方に縦配線ダクト15を設置する構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、配線ダクト13の前方立設片13cが縦配線ダクト15に当接した構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。配線ダクト13と縦配線ダクト15とが離間した構成を採用することも可能である。このように、配線ダクト13と縦配線ダクト15とが離間している場合であっても、配線ダクト13と縦配線ダクト15との隙間を介して、配線ダクト13の配線収容領域Rと縦配線ダクト15の配線案内空間K1とが連通されていれば、上記実施形態と同様に配線ケーブルの引き回しを阻害することなく、配線ダクト13の内部が側方から視認されることを抑止することができる。