JP7272883B2 - 磁性粉末、複合磁性体および磁性部品 - Google Patents

磁性粉末、複合磁性体および磁性部品 Download PDF

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Description

本発明は、磁性粉末、複合磁性体および磁性部品に関する。
特許文献1には、金属粉末の形状、保磁力および飽和磁化を特定の範囲内とし、さらに金属粉末の絶縁性を高めることで、1GHz以上5GHz以下の周波数帯域において高透磁率かつ低磁気損失を両立する磁性粉末等が記載されている。
国際公開第2013/168411号
現在では、5GHz以上の高周波領域において、さらに高透磁率かつ低磁気損失である磁性粉末等を提供することが求められている。
本発明は、5GHz以上の高周波領域において、高透磁率かつ低磁気損失を両立する磁性粉末等を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の磁性粉末は、
FeおよびCoを主成分とする磁性粒子からなる磁性粉末であり、
前記磁性粒子は、Mg,Al,Si,Ca,およびYから選択される1種以上の元素の酸化物を含み、
前記磁性粒子におけるFeの平均原子割合をX1、Coの平均原子割合をX2とし、X1/X2=αとして、αの平均値が1.0以上4.0以下であり、αのCV値が0.30以下であり、
前記磁性粒子の平均長軸径が100nm以下であり、前記磁性粒子の平均軸比が6.0以上10.0以下であり、
前記磁性粉末の保磁力が2500Oe以上であり、前記磁性粉末の飽和磁化が100Am/kg以上であり、前記磁性粉末を加圧して成形した成形体の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の複合磁性体は、
上記の磁性粉末と、樹脂と、を含む複合磁性体であって、
前記複合磁性体における前記磁性粒子の体積比率が5.0体積%以上50体積%以下であり、
前記複合磁性体の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする。
本発明の磁性粉末および複合磁性体は、上記の特徴を有することにより、5GHz以上の高周波領域において、高透磁率かつ低磁気損失を両立する磁性粉末および複合磁性体となる。
本発明の複合磁性体は、周波数5GHzでの複素比透磁率の実部をμ´r、複素比透磁率の虚部をμ″r、tanδ=μ″r/μ´rとして、μ´rが1.3より大きくてもよく、tanδが0.05未満であってもよく、共鳴周波数が10GHz以上であってもよい。なお、tanδとは磁気損失のことである。
本発明の磁性部品は、上記の磁性粉末または上記の複合磁性体を用いる。
磁性粒子における長軸長および短軸長を示す図面である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
本実施形態の磁性粉末は、FeおよびCoを主成分とする磁性粒子からなる磁性粉末である。そして、前記磁性粒子は、Mg,Al,Si,Ca,およびYから選択される1種以上の元素の酸化物を含む。なお、FeおよびCoを主成分とするとは、磁性粒子全体に対するFeおよびCoの合計含有量が50at%以上である場合を指す。
磁性粒子がMg,Al,Si,Ca,およびYから選択される1種以上の元素(非磁性金属元素)の酸化物を含む。磁性粒子がMg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の酸化物を含む場合には、磁性粒子間の抵抗が大きくなる。さらに、磁性粒子の結晶成長を抑制し、磁性粒子同士が焼結しにくくなる。その結果、後述する磁性粒子の製造工程において、ゲータイト粒子の粒子形状を変化させずに磁性粒子の粒子形状としやすくなる。そして、磁性粒子の粒子形状に関する各パラメータを良好にしやすくなる。上記の効果は、特にMg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の酸化物がFeおよびCoからなる部分の周囲を覆う構造となっている場合に大きくなる。
磁性粒子におけるMg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の酸化物の含有量が小さいほど、ゲータイト粒子から磁性粒子を作製する工程で粒子形状が変化しやすくなる。その結果、磁性粒子間の組成のバラツキも大きくなる。さらに、磁性粒子間の抵抗が小さくなり、磁性粉末を含む磁性体の体積抵抗率が低下しやすくなる。他方、Mg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の酸化物の含有量が大きいほど飽和磁化を高くしにくくなる。さらに、磁性粒子の平均軸比を大きくしにくくなる。なお、Alの酸化物を含むことが好ましい。
また、磁性粒子に含まれるFeの一部が酸化していてもよい。Feの一部が酸化していることで体積抵抗率が大きくなる。また、Feの酸化物がFeおよびCoからなる部分の周囲を覆う構造となっていてもよい。
そして、磁性粒子におけるFeの平均原子割合をX1、Coの平均原子割合をX2とし、X1/X2=αとして、αの平均値が1.0以上4.0以下であり、αのCV値が0.30以下である。
X1/X2とは、磁性粒子においてFeの含有割合をCoの含有割合で割った値である。αの平均値は、各磁性粒子におけるαを平均した値である。そして、αの平均値は、原子数基準で磁性粉末全体のFe含有量をCo含有量で割った値と概ね一致する。そして、αのCV値は、各磁性粒子におけるαのバラツキ、すなわち、磁性粒子間の組成のバラツキを表すパラメータである。そして、αのCV値が小さいほどαのバラツキが小さく、磁性粒子間の組成のバラツキが小さい。
本実施形態に係る磁性粉末は、αの平均値が1.0以上4.0以下であることで、良好な磁気特性(高い飽和磁化および高い保磁力)が得られる。αの平均値が小さすぎる場合(Coが多すぎる場合)には、後述する平均軸比を大きくしにくくなると共に、飽和磁化が低下しやすくなり、μ´rが低下しやすくなる。αの平均値が大きすぎる場合(Coが少なすぎる場合)には、磁性粉末の体積抵抗率が小さくなりやすくなると共に、μ´rが低下しやすくなる。
本実施形態に係る磁性粉末は、αのCV値を0.30以下とすることで、良好な磁気特性を有し、特に5GHz以上の高周波領域においてμ´rが高く、かつ、tanδが低い磁性粉末となる。そして、当該磁性粉末を含む複合磁性体や磁性部品においても、同様の効果が得られる。αのCV値が大きすぎる場合には、後述するμ″r-半値幅が大きくなりやすくなる。さらに、tanδが大きくなりやすくなる。
X1およびX2の測定方法には特に制限はない。例えば、STEM-EDXなどを用いて磁性粒子内の5点以上、好ましくは10点以上について点分析を行い、各点におけるFeの原子割合およびCoの原子割合を測定し、平均することで算出できる。STEMの観察倍率には特に制限はない。例えば20000~40000倍程度としてもよい。STEMの観察倍率が高すぎても低すぎてもX1およびX2を適切に測定することが困難となる。また、点分析の測定試料表面における電子ビームのスポット径(以下、単にビーム径と呼ぶ)については、STEMの観察倍率に応じて適宜設定する。例えば、0.2~1.0nm程度としてもよい。また、ビーム径を上記の範囲とするために、例えば電界放射型の電子銃を有するSTEMを用いてもよい。
αの平均値およびαのCV値の算出方法には特に制限はない。例えば、磁性粉末に含まれる10個以上、好ましくは30個以上の磁性粒子についてαを算出し、平均することでαの平均値を算出できる。さらに、αの標準偏差を算出し、αの標準偏差をαの平均値で割ることでαのCV値を算出できる。
本実施形態に係る磁性粉末に含まれる磁性粒子は、平均長軸径が100nm以下であり、平均軸比が6.0以上10.0以下である。磁性粒子の平均長軸長および平均軸比が上記の範囲内であることにより、良好な磁気特性を有し、特に5GHz以上の高周波領域においてμ´rが高く、かつ、tanδが低い磁性粉末となる。
平均長軸長が大きすぎる場合には、tanδが大きくなりやすい。平均長軸長には特に下限はない。例えば5nm以上である。また、平均軸比が小さすぎる場合には、保磁力が低下しやすくなり、共鳴周波数の低下に伴ってtanδが大きくなりやすくなる。また、平均軸比が大きすぎる場合には、形状磁気異方性が大きくなりすぎてしまい、μ´rが低下する。
磁性粒子の長軸長および短軸長の算出方法には特に制限はない。例えば、以下に示す方法により行う。
まず、SEMまたはTEM等を用いて、長軸長および短軸長を測定する磁性粒子1を二次元画像にて撮影する。撮影した二次元画像上において、図1に示すように磁性粒子1に外接する楕円1aを描き、楕円1aの長軸L1の長さを長軸長、短軸L2の長さを短軸長とする。
そして、150個以上、好ましくは200個以上の磁性粒子について長軸長および短軸長を測定し、平均することで平均長軸長および平均短軸長を算出する。さらに、(平均長軸長)/(平均短軸長)を平均軸比とする。
さらに、本実施形態に係る磁性粉末は、保磁力が2500Oe以上、飽和磁化が100Am/kg以上である。保磁力が2500Oe以上である磁性粉末を用いることで、共鳴周波数を高周波側にシフトさせ、特に周波数5GHz以上の高周波領域において複合磁性体および磁性部品のtanδを小さくすることができる。また、飽和磁化が100Am/kg以上である磁性粉末を用いることで、高いμ´rを維持したまま、共鳴周波数を高周波側にシフトすることが可能となり、特に周波数5GHz以上の高周波領域においてtanδを小さくすることができる。
保磁力に上限はないが、例えば3500Oe以下である。保磁力が高くなるほど共鳴周波数が高くなりやすく、tanδが低くなりやすく、μ´rが低くなりやすくなる。飽和磁化に上限はないが、例えば200Am/kg以下である。飽和磁化が高くなるほど共鳴周波数が高くなりやすく、tanδが低くなりやすく、μ´rが高くなりやすくなる。一方、非磁性金属元素の酸化物量を減らすことで飽和磁化が高くなると、体積抵抗率が低下し、tanδの増加を招く。
共鳴周波数とは、μ″rが最も高くなる周波数のことである。一般的に、磁性粉末では、周波数の増大とともにμ´rおよびtanδが増大し、特定の周波数帯域で自然共鳴が発生する。共鳴周波数を超える周波数では、μ´rが著しく小さくなる。したがって、少なくとも共鳴周波数以下の周波数で磁性粉末を用いる必要がある。ここで、共鳴周波数を高くするためには、飽和磁化および磁気異方性などを高くする必要がある。
磁気異方性には、結晶磁気異方性や形状磁気異方性などが知られているが、磁性粉末のような磁性粒子の集合体においては、磁性粒子の組成に応じて磁気異方性が変化する。磁性粒子の集合体においては、個々の磁性粒子の組成は常に一定ではなくバラツキがある。そのため、個々の磁性粒子はバラツキのある磁気異方性を有する。
個々の磁性粒子における自然共鳴は、各々の磁性粒子の持つ磁気異方性に応じた周波数にて起こる。前記したように磁性粒子の集合体においては、個々の磁性粒子はそれぞれ異なる磁気異方性を有しており、それに応じた共鳴周波数を示す。そのため、磁性粒子の集合体全体では、個々の磁性粒子の自然共鳴の重ね合わせとなり、磁性粒子間の組成のバラツキに応じたピーク幅を有することとなる。したがって、共鳴周波数よりかなり低い周波数で磁性材料を用いる場合でも、自然共鳴の影響が生じ、μ´rが大きくなりtanδが大きくなる。
すなわち、磁性粉末に含まれる個々の磁性粒子の組成のバラツキを小さくすることで、磁性粉末全体の自然共鳴によって生じるμ″rのピークの幅、すなわちμ″r-半値幅(μ″rが最大値の1/2以上である周波数帯域の広さ)を小さくできる。いいかえれば、ピークがシャープになる。そして、共鳴周波数よりも小さい周波数帯域で磁性粉末を用いる場合における自然共鳴の影響を小さくでき、tanδを小さくできる。以上より、共鳴周波数が高くμ″r-半値幅が小さい磁性粉末ほど高い周波数帯域での使用に適している。
さらに、本実施形態に係る磁性粉末は磁性粒子間の絶縁性が高い。具体的には、圧力64MPaで加圧して成形した成形体の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上である。絶縁性が高い磁性粒子を用いることで、磁性粒子そのもののtanδ、複合磁性体のtanδ、および磁性部品のtanδを小さくすることができる。
また、磁性粉末には、その他の元素、例えばV、Cr、Mn、Cu、Zn、Ni、Sr、Ba、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Zn、Gaなどが含まれていてもよい。その他の元素の含有量には特に制限はないが、磁性粉末全体に対して合計で20質量%以下であってもよい。
次に、本実施形態に係る複合磁性体について説明する。
本実施形態に係る複合磁性体は、上記の磁性粉末と、樹脂と、を含む。樹脂の種類には特に制限はなく、絶縁性を有する樹脂であればよい。例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、樹脂を2種類以上、組み合わせてもよい。
本実施形態に係る複合磁性体における磁性粒子の体積比率が5.0体積%以上50体積%以下である。平均軸比が大きい磁性粒子が上記の範囲内の体積比率で樹脂中に存在することにより、磁気的なネットワークが形成されやすくなる。そして、5GHz以上の高周波領域において高いμ´rと低いtanδとを両立しやすくなる。
さらに、周波数5GHzでのμ´rが1.3より大きくてもよく、周波数5GHzでのμ″rが0.05未満であってもよく、共鳴周波数が10GHz以上であってもよい。
さらに、本実施形態に係る複合磁性体は、体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上である。すなわち、本実施形態に係る複合磁性体は磁性粉末間の絶縁性および樹脂の絶縁性が高い。複合磁性体の絶縁性が高いことにより、複合磁性体のtanδおよび複合磁性体を含む磁性部品のtanδを小さくすることができる。
ここで、磁性粒子の体積比率の算出方法に特に制限はない。例えば以下に示す方法が挙げられる。
まず、複合磁性体を切断して得られた断面を研磨して観察面を作製する。次に、当該観察面に対して電子顕微鏡(SEM)を用いて観察する。観察面全体の面積に対する磁性粒子の面積比率を算出する。そして、本実施形態では面積比率と体積比率とが等しいとみなす。
観察面全体の面積に対する磁性粒子の体積比率を算出する方法の一例について説明する。
電子顕微鏡を用いて得られるSEM画像に対して、ノイズを除去して二値化する。そして、二値化した画像の白い部分が磁性粒子であるとし、観察面全体の面積に対する白い部分の面積比率を算出する。当該面積比率が観察面全体の面積に対する磁性粒子の面積比率である。
また、磁性粒子の体積比率を算出する上で、観察面は、磁性粒子を合計で500個以上、好ましくは1000個以上含む大きさとする。なお、観察面は複数であってもよく、合計で5000個以上含む大きさとしていればよい。
また、本実施形態に係る磁性部品の種類には特に制限はない。上記の磁性粉末または複合磁性体を含んでいればよい。
本実施形態に係る磁性粉末等は、特に、5GHzを超える周波数帯域が想定されている第5世代移動通信用の電子機器に用いられる磁性部品、例えばインダクタ、高周波ノイズ対策用のEMIフィルタ、アンテナに好適に用いられる。さらに、高透磁率および低損失を両立した磁性粉末等を提供することは、磁性部品の小型化にも寄与する。
以下、本実施形態に係る磁性粉末および複合磁性体の製造方法について説明するが、本実施形態に係る磁性粉末および複合磁性体の製造方法は下記の方法に限定されない。
本実施形態に係る磁性粉末の製造方法は、種晶生成反応によりゲータイト種晶粒子を作製する工程、成長反応によりゲータイト種晶粒子の表面にゲータイト層を成長させてゲータイト粒子を作製する工程、ゲータイト粒子を加熱脱水してヘマタイト粒子を作製する工程、ヘマタイト粒子を加熱処理した後、還元性ガス雰囲気下で加熱還元して磁性粉末を作製する工程を含む。
本実施形態に係る磁性粒子を得るためには、粒度および組成が均斉であって樹枝状粒子が混在しておらず、適切な形状と軸比を有しているゲータイト粒子を用いることが重要である。また、ゲータイト粒子の粒子形状や均斉な粒度等を維持したまま磁性粉末を作製することが重要である。好適には、磁性粒子の形状および軸比等が、上記のゲータイト粒子の形状および軸比等と実質的に同一である。
まず、種晶生成反応によりゲータイト種晶粒子を作製する。ゲータイト種晶粒子の作製方法には特に制限はない。例えば、まず、アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られる第一鉄含有沈殿物を含む懸濁液を作製する。そして、懸濁液を非酸化性雰囲気下で熟成させた後に懸濁液に酸素含有ガスを通気させることでゲータイト種晶粒子を作製する。
アルカリ水溶液の種類には特に制限はない。例えば、炭酸水素アンモニウム水溶液とアンモニア水溶液との混合アルカリ水溶液、炭酸ナトリウム水溶液と水酸化ナトリウムとの混合アルカリ水溶液などが挙げられる。第一鉄塩水溶液の種類には特に制限はない。例えば、硫酸第1鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液など、Fe2+を含む水溶液が挙げられる。
非酸化性雰囲気の種類には特に制限はない。例えば、窒素ガス雰囲気、水素ガス雰囲気などが挙げられる。熟成条件には特に制限はない。例えば、40~80℃で30~300分としてもよい。酸素含有ガスの流量や通気させる時間には特に制限はない。
次いで、コバルト化合物を添加し、熟成することで、反応を完結させる。コバルト化合物の種類には特に制限はない。例えば、硫酸コバルト水溶液など、Co2+を含む水溶液が挙げられる。その後、空気を通気してゲータイト種晶粒子に含まれるFe2+の一部を酸化させてもよい。
次に、成長反応によりゲータイト種晶粒子の表面にゲータイト層を成長させてゲータイト粒子を作製する。ゲータイト層を成長させる方法には特に制限はない。例えば、ゲータイト種晶粒子を含む懸濁液中に、Mg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の元素を含む化合物の水溶液を新たに添加、混合する。そして、酸素含有ガスを通気して、前記紡錘状ゲータイト種晶粒子の粒子表面上にゲータイト層を成長させて紡錘状ゲータイト粒子を生成させる。その結果、ゲータイト層にMg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の酸化物を含むゲータイト粒子となる。
ゲータイト層の平均厚みには特に制限はない。特にαの平均値およびαのCV値が特定の範囲内となるように適宜制御すればよい。
アルカリ水溶液の種類および第一鉄塩水溶液の種類には特に制限はなく、例えば、ゲータイト種晶粒子の作製時と同種類のアルカリ水溶液および第一鉄塩水溶液を用いてもよい。また、Mg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の元素を含む化合物の種類には特に制限はない。例えば、Mg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の元素の硫酸塩などが挙げられる。
そして、上記の反応によりゲータイト粒子含有スラリーが得られる。なお、この時点でのゲータイト粒子含有スラリーのpHを8~11としてもよい。
また、好適な実施形態では、この時点でのゲータイト粒子の形状が、概ね、最終的に得られる磁性粒子の形状となる。この時点での平均長軸径および平均軸比は、主にCo量を変化させること、および、非磁性金属の添加タイミングを変化させることで制御できる。具体的には、Coの固溶量を増加させた場合には平均長軸径が短いゲータイト粒子が得られるとともに平均軸比も適度に大きいゲータイト粒子が得られる。また、平均軸比は主に非磁性金属の添加タイミングを変化させることで制御できる。非磁性金属の中でも、特にAlには結晶成長制御効果があり、添加タイミングによって平均軸比が大きく変化することが知られている。具体的には、ゲータイト粒子の生成途中にAl化合物を添加すると平均軸比の低下を招く。特に2価のCoイオン(Co2+)とAl化合物が同時に存在する状態でゲータイト粒子の生成反応を行うと得られるゲータイト粒子の平均軸比が低下する。平均軸比の大きなゲータイト粒子を得るためには、上記の通りゲータイト粒子の生成反応を種晶生成反応と成長反応とに分離することが好ましい。そして、平均軸比を好適に大きくする効果のあるCo2+を種晶生成反応時に添加し固溶させる。このようにして非磁性金属添加時(成長反応時)にはCo2+が実質的に存在しない状態とすることで、非磁性金属の添加による平均軸比の低下を阻害し、平均軸比の大きなゲータイト粒子が得られる。αの平均値は、主にFe2+とCo2+との添加比率を変化させることにより制御できる。αのCV値は主にゲータイト粒子の生成途中における系の均一性を変化させることで制御できる。具体的には、Fe2+およびCo2+が系に均一に存在するほどαのCV値が小さくなる傾向にある。
次に、得られたゲータイト粒子含有スラリーを濾別してゲータイト粒子を得る。濾別の方法には特に制限はない。例えば、プレスフィルターを用いてもよい。さらに、アルカリ水溶液、例えばアンモニア水を用いて濾別したゲータイト粒子を洗浄してもよい。その後、イオン交換水にてさらに洗浄してゲータイト粒子のプレスケーキが得られる。
次に、上記のゲータイト粒子のプレスケーキを造粒して造粒物を得る。造粒の方法は任意である。例えば、押出し成形機を用いて孔径1~10mmの成形板で押出し成形する方法がある。次いで造粒物を加熱し、乾燥させる。例えば、非還元性雰囲気中(例えば窒素ガス雰囲気中)、50~150℃で1~10時間、加熱し、乾燥させてもよい。乾燥後の造粒物をさらに加熱し、脱水する。例えば、酸素含有雰囲気中(例えば空気中)、100~500℃で1~10時間、加熱して脱水してもよい。さらに、酸素含有雰囲気中、300~700℃で1~10時間、加熱して脱水し、ヘマタイト粒子の造粒物を得ることができる。
次に、ヘマタイト粒子の造粒物を還元性雰囲気中(例えば水素ガス雰囲気中)、350~700℃で1~10時間、加熱還元することで、磁性粉末が得られる。加熱還元の温度が低すぎる場合には、還元反応の進行が遅すぎて加熱還元が長時間化してしまう。さらに、磁性粒子に含まれる結晶の成長が十分ではなくなり、飽和磁化および保磁力を所定の範囲内にすることが困難になる。加熱還元の温度が高すぎる場合には、還元反応が急激に進行しすぎてしまい、粒子の変形および焼結を引き起こしてしまう。その結果、平均長軸長、平均軸比および/またはαのCV値を所定の範囲内とすることが困難になる。
加熱還元後の磁性粉末は、周知の方法により空気中に取り出す。周知の方法としては、例えば、磁性粉末を有機溶剤中に浸漬し、空気中で有機溶剤を除去する方法がある。また、還元後の磁性粉末が存在する雰囲気を還元性雰囲気から一旦、不活性ガス雰囲気とした後に、不活性ガス雰囲気中の酸素含有量を徐々に増加させて最終的に雰囲気を空気とする方法がある。さらに、酸素と水蒸気とを混合したガスを使用して磁性粉末を徐酸化した後に空気中に取り出す方法がある。また、磁性粉末が空気中に取り出されることで、磁性粒子の表面に金属酸化膜が形成されてもよい。
ゲータイト粒子を加熱脱水してヘマタイト粒子を作製する工程は省略してもよく、ゲータイト粒子を加熱還元して磁性粉末を作製してもよい。ゲータイト粒子を加熱還元する場合には、加熱還元前に非還元性雰囲気で加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことで粒子の形状を維持しやすくなる。非還元性雰囲気としては、例えば、空気中、酸素ガス中、窒素ガス中などが挙げられる。加熱処理の温度には特に制限はないが、400℃~750℃からMg,Al,Si,CaおよびYから選択される1種以上の元素の種類および含有量に応じて適宜選択すればよい。加熱処理の時間には特に制限はなく、1~10時間とすればよい。加熱処理の温度が低すぎる場合には加熱処理に必要な時間が長時間化してしまう。加熱処理の温度が高すぎる場合には、ゲータイト粒子の変形および焼結を引き起こしてしまう。その結果、平均長軸長、平均軸比および/またはαのCV値を所定の範囲内とすることが困難になる。
そして、上記の方法により得られた磁性粉末と樹脂とを混合させて乾燥させることで複合磁性体を得ることができる。樹脂としては、絶縁性樹脂が用いられる。磁性粉末と樹脂とを混合することで、磁性粒子間の絶縁性を高めることができる。その結果、渦電流発生に伴う磁気損失を低減することができる。
磁性粉末と樹脂との混合に用いる装置には特に制限はない。例えば、加圧ニーダ、ボールミル等の攪拌機・混合器を用いて行ってもよい。また、混合条件には特に制限はない。例えば、室温で20~60分間としてもよい。混合条件を上記の範囲内とすることで、磁性粒子が効率的に樹脂によって被覆される構造となる。
磁性粒子と樹脂との分散性を高める観点からは、有機溶媒の存在下で上記の混合を行ってもよい。言いかえれば、磁性粉末と樹脂と有機溶媒とを混合させてもよい。有機溶媒の存在下で混合を行う場合には、室温で20~60分間混合して得られた混合物を50~100℃程度で10分間~10時間乾燥し、有機溶媒を揮発させて有機溶媒を除去してもよい。上記の条件で混合することで、磁性粒子がさらに効率的に樹脂によって被覆される構造となる。
有機溶媒の種類には特に制限はない。例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられる。
さらに、磁性粉末と樹脂との混合物を成形して複合磁性体を得る。成形方法には特に制限はない。例えば、プレス機械の金型内に混合物を充填し、圧縮成形してもよい。圧縮成形の条件には特に制限はなく、混合物の嵩密度、混合物の粘性、目的とする複合磁性体の形状、目的とする複合磁性体の寸法、および、目的とする複合磁性体の密度等に応じて適宜決定してもよい。成形圧は、例えば、0.5~10ton・f/cm程度であってもよく、1.0~6.0ton・f/cm程度であってもよい。また、最大圧力で保持する時間を0.1秒間~1分間程度としてもよい。
次に、本発明を具体的な実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
まず、下表1の実施例1における磁性粉末および複合磁性体の製造方法について説明する。
(ゲータイト種晶粒子)
炭酸水素アンモニウム20molと、アンモニア水60molとを含む混合アルカリ水溶液30Lを準備した。次に、混合アルカリ水溶液30Lを、気泡分散翼を備えた攪拌機付き反応塔の中に投入した。毎分400回転の速度で攪拌機を回転させ、毎分60Lの流量で窒素ガスを通気しながら混合アルカリ水溶液の温度を50℃に調整した。
次いで、毎分60Lの流量で窒素ガスを通気しながらFeをFe2+換算で1.25mol/L含む硫酸第一鉄水溶液16Lを反応塔の中に投入して30分間、熟成した。次いで、CoをCo2+換算で1.0mol/L含む硫酸コバルト水溶液4Lを添加し、さらに3時間、熟成し、反応を完結させた。その後、毎分2Lの流量で空気を通気してゲータイト種晶粒子に含まれるFe2+の一部を酸化させ、ゲータイト種晶粒子を含む懸濁液を作製した。
(ゲータイト粒子)
次いで、ゲータイト種晶粒子を含む懸濁液中に、AlをAl3+換算で1.6mol/L含む硫酸アルミニウム水溶液1Lを新たに投入して30分間熟成し、ゲータイト種晶粒子の粒子表面上にAlの酸化物を含むゲータイト層を成長させて紡錘状のゲータイト粒子を生成させた。そして、ゲータイト粒子含有スラリーが得られた。なお、この時点でのゲータイト粒子含有スラリーのpHは8.4であった。
次に、得られたゲータイト粒子含有スラリーを濾別してゲータイト粒子を得た。濾別にはプレスフィルターを用いた。さらに、アンモニアによりpH=10.5に調整したアンモニア水を用いて濾別したゲータイト粒子を洗浄した。その後、イオン交換水にてさらに洗浄してゲータイト粒子のプレスケーキを得た。
(ヘマタイト粒子)
上記の工程で得たゲータイト粒子のプレスケーキについて、押出し成形機を用いて孔径3mmの成形板で押出し成形して造粒し、造粒物を得た。次いで造粒物を120℃で3時間、加熱し、乾燥させた。乾燥後の造粒物をさらに空気中、300℃で加熱して3時間、脱水した。さらに、空気中、600℃で加熱して3時間、脱水し、ヘマタイト粒子の造粒物を得た。
(磁性粉末)
ヘマタイト粒子の造粒物を水素ガス雰囲気中、500℃で5時間、加熱還元することで、磁性粉末が得られた。加熱還元後の磁性粉末は、さらに徐酸化による表面酸化処理を行い空気中に取り出した。
(複合磁性体)
次いで、上記の磁性粉末と樹脂と有機溶媒とを混合した。樹脂としてはエポキシ樹脂を用いた。有機溶媒としてはアセトンを用いた。樹脂の量は、最終的に得られる複合磁性体における磁性粒子の体積比率が20vol%になる量とした。
また、上記の混合はボールミルを用いて室温で60分、行った。その後、得られた混合物を80℃で3時間、乾燥して有機溶媒を除去した。
次に、有機溶媒を除去した混合物を成形し、成形体とした。成形は、プレス機械の金型内に有機溶媒を除去した混合物を充填し、加圧することで実施した。加圧時の圧力は2ton・f/cmとし、2ton・f/cmで保持する時間を10秒間とした。
得られた成形体を180℃で3時間、熱硬化して複合磁性体を得た。また、当該複合磁性体を切出し加工することで、磁気特性測定用の磁心を得た。1mm×1mm×100mmの直方体形状の磁心、および、外径7mm、内径3mm、厚さ1mmのトロイダル形状の磁心を得た。
また、表1のその他の実施例および比較例については、上記の実験条件を適宜変化させることで、平均軸比、飽和磁化、保磁力、平均長軸径、αの平均値、αのCV値、磁性粒子の体積比率、および体積抵抗率を適宜変化させて作製した。なお、平均長軸径、平均軸比は主にCo量と非磁性金属の添加タイミングを変化させることで変化する。飽和磁化は主にFeとCoと非磁性金属の含有量を変化させることで変化する。保磁力は主に上記平均軸比と平均長軸径を変化させることで変化する。αの平均値は主に硫酸第一鉄水溶液の使用量および/または硫酸コバルト水溶液の使用量を変化させることで変化する。αのCV値は主に反応時の系における各イオンの均一性を変化させることで変化する。磁性粒子の体積比率は主に磁性粉末と樹脂との混合割合を変化させることで変化する。体積抵抗率は主に非磁性金属の含有量を変化させることで変化する。なお、表1の比較例11は硫酸アルミニウム水溶液を用いなかった比較例である。
(磁性粒子の形状)
磁性粉末における個々の磁性粒子の形状は、透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JEM-2100FCS)を使用して観察した。具体的には、観察倍率を適宜設定した画像を複数撮影し、複数の画像から単分散している磁性粒子をランダムに200個以上、選択した。そして、選択した個々の磁性粒子の長軸長および短軸長を測定し、平均長軸長および平均短軸長を算出した。そして、平均長軸長を平均短軸長で割ることで平均軸比を算出した。
(1個の磁性粒子におけるα)
1個の磁性粒子に対して10か所、STEM-EDXを用いて点分析した。STEMの観察倍率は32000倍、ビーム径は0.5nmとした。10か所のFeの原子濃度を平均することでX1を算出し、10か所のCoの原子濃度を平均することでX2を算出した。そして、1個の磁性粒子のX1およびX2より1個の磁性粒子におけるαを算出した。
(αの平均値およびαのCV値)
磁性粉末に含まれる磁性粒子をランダムに30個以上、選択し、それぞれの磁性粒子におけるαを算出した。そして、それぞれの磁性粒子におけるαよりαの平均値およびαの標準偏差を算出した。さらに、αの標準偏差をαの平均値で割ることでαのCV値を算出した。
(磁気特性)
飽和磁化および保磁力は磁性粉末に対して振動試料磁力計(東英工業株式会社製 VSM-3S-15)を用いて、外部磁場795.8kA/m(10kOe)で測定した。
μ´rおよびtanδは上記の直方体形状の磁心に対して、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製 N5222A)および空洞共振器(株式会社関東電子応用開発製)を用いて摂動法により測定した。本実施例では、μ´rは1.30以上を良好とし、tanδは0.050以下を良好とした。
共鳴周波数およびμ″r-半値幅は以下の方法により測定した。まず、上記のトロイダル形状の磁心に対して、ネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製 N5222A)を使用した同軸型Sパラメータ法により、100MHzから18GHzまで周波数を変化させてμ″rを測定した。そして、μ″rが最大になる周波数を共鳴周波数、μ″rが最大値の1/2となる周波数のうち共鳴周波数以下の帯域に含まれる周波数をfr1とし、(共鳴周波数-fr1)を2倍したものをμ″r-半値幅とした。なお、比較例7は共鳴周波数が18GHzを超えていることが確認できた。本実施例では、共鳴周波数は10GHz以上を良好とし、μ″r-半値幅は9.0GHz以下を良好とし、7.0GHz以下をさらに良好とした。
(体積抵抗率)
磁性粉末を64MPaで加圧して得られる成形体の体積抵抗率、および、複合磁性体の体積抵抗率は、株式会社三菱化学ケミカルアナリテック社製 高性能高抵抗率計ハイレスタを用いて測定した。
(磁性粒子の体積比率)
まず、複合磁性体を切断して得られた断面を研磨して観察面を作製した。次に、当該観察面に対して電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。観察面全体の面積に対する磁性粒子の面積比率を算出した。そして、本実施形態では当該面積比率と体積比率とが等しいとみなした。
Figure 0007272883000001
表1より、本願発明の範囲内である実施例の磁心は共鳴周波数、μ″r-半値幅、μ´rおよびtanδが全て良好となった。
これに対し、本願発明の範囲外である比較例の磁心は共鳴周波数、μ″r-半値幅、μ´rおよびtanδのいずれか一つ以上が劣る結果となった。
1・・・磁性粒子
1a・・・(磁性粒子に外接する)楕円

Claims (5)

  1. FeおよびCoを主成分とする磁性粒子からなる磁性粉末であり、
    前記磁性粒子は、Mg,Al,Si,Ca,およびYから選択される1種以上の元素の酸化物を含み、
    前記磁性粒子におけるFeの平均原子割合をX1、Coの平均原子割合をX2とし、X1/X2=αとして、αの平均値が1.0以上4.0以下であり、αのCV値が0.30以下であり、
    前記磁性粒子の平均長軸径が100nm以下であり、前記磁性粒子の平均軸比が6.0以上10.0以下であり、
    前記磁性粉末の保磁力が2500Oe以上であり、前記磁性粉末の飽和磁化が100Am/kg以上であり、前記磁性粉末を加圧して成形した成形体の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする磁性粉末。
  2. 請求項1に記載の磁性粉末と、樹脂と、を含む複合磁性体であって、
    前記複合磁性体における前記磁性粒子の体積比率が5.0体積%以上50体積%以下であり、
    前記複合磁性体の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする複合磁性体。
  3. 周波数5GHzでの複素比透磁率の実部をμ´r、複素透磁率の虚部をμ´´r、tanδ=μ″r/μ´rとして、μ´rが1.3より大きく、tanδが0.05未満であり、共鳴周波数が10GHz以上である請求項2に記載の複合磁性体。
  4. 請求項1に記載の磁性粉末を用いる磁性部品。
  5. 請求項2または3に記載の複合磁性体を用いる磁性部品。
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