JP7272280B2 - ナビゲーション装置および経路案内方法 - Google Patents

ナビゲーション装置および経路案内方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7272280B2
JP7272280B2 JP2020000341A JP2020000341A JP7272280B2 JP 7272280 B2 JP7272280 B2 JP 7272280B2 JP 2020000341 A JP2020000341 A JP 2020000341A JP 2020000341 A JP2020000341 A JP 2020000341A JP 7272280 B2 JP7272280 B2 JP 7272280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
hydrogen gas
amount
station
route
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020000341A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021110547A (ja
Inventor
綾乃 浅井
貴司 原山
浩司 寺嶋
成亮 村田
貴彦 長谷川
富夫 山中
俊 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2020000341A priority Critical patent/JP7272280B2/ja
Priority to US17/134,939 priority patent/US20210207970A1/en
Publication of JP2021110547A publication Critical patent/JP2021110547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7272280B2 publication Critical patent/JP7272280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C21/00Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
    • G01C21/26Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 specially adapted for navigation in a road network
    • G01C21/34Route searching; Route guidance
    • G01C21/3453Special cost functions, i.e. other than distance or default speed limit of road segments
    • G01C21/3469Fuel consumption; Energy use; Emission aspects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C21/00Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
    • G01C21/26Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 specially adapted for navigation in a road network
    • G01C21/34Route searching; Route guidance
    • G01C21/36Input/output arrangements for on-board computers
    • G01C21/3679Retrieval, searching and output of POI information, e.g. hotels, restaurants, shops, filling stations, parking facilities
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C21/00Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
    • G01C21/26Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 specially adapted for navigation in a road network
    • G01C21/34Route searching; Route guidance
    • G01C21/36Input/output arrangements for on-board computers
    • G01C21/3697Output of additional, non-guidance related information, e.g. low fuel level

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Navigation (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Description

本開示は、ナビゲーション装置に関する。
ガソリンを燃料とする車両(以下、「ガソリン車両」と呼ぶ)に搭載されるナビゲーション装置として、給油無しで目的地に到達できるか否かを判定し、給油無しで目的地に到達できないと判定された場合に、予め設定された経由条件を満たす給油所を経由して目的地に到達する経路を設定して案内するナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2013-96871号公報
特許文献1のナビゲーション装置は、あくまでもガソリン車両への搭載を前提としており、水素ガスを燃料として用いる燃料電池車両への搭載は考慮されていない。燃料電池車両への水素ガスの充填は、多量の水素ガスを貯蔵し、ディスペンサが設けられている水素ステーションにおいて行われる。一般に、水素ステーションでは予め水素ガスが例えば80MPa程度の高圧に圧縮されて貯蔵されており、燃料電池車両に搭載されたタンクに急速充填される。このとき、タンクの温度が高温になることを避けるため、充填する水素ガスを例えば-40℃のような低温に冷却するいわゆるプレクール処理が必要となるという点で、ガソリンの給油所とは大きく異なる。
一般に、プレクール処理はブラインやエチレングリコール等の冷却媒体と水素ガスとの間で熱交換を行う処理であり、予め冷却媒体を冷凍機等により所定温度まで冷却するという事前処理が必要となる。プレクール処理が可能な程度まで冷却媒体を冷却するのには長時間を要する。このため、特許文献1のようなナビゲーション装置を活用して水素ステーションを経由して目的地に到達する経路を設定し、かかる経路の案内に従って水素ステーションに到達したとしても、それから事前処理が実行され、事前処理の完了後に水素ガスの充填が行われ得るので、水素ガスの充填開始までに長時間を要するという問題がある。この場合、目的地に到達するのが過度に遅くなってしまう。なお、水素ステーションにおいて水素を液化水素として貯蔵しておき、液化水素を気化させて水素ガスを得る構成においては、液化水素の気化処理が事前処理として実行されるため、同様な問題が生じ得る。そこで、水素ステーションにおける水素ガスの充填開始までに要する時間を短縮可能な技術が望まれる。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
[形態1]
水素ガスを燃料ガスとして用いる燃料電池を有する燃料電池車両に搭載されて用いられ、前記燃料電池車両の経路案内を実行するナビゲーション装置であって、前記燃料電池車両が水素ガスの補給無しで走行可能な距離である走行可能距離を、取得する走行可能距離取得部と、現在地から前記走行可能距離までの範囲である走行可能範囲内に存在する水素ステーションを特定する水素ステーション特定部と、現在地から目的地までの経路である目標経路を設定する経路設定部であって、予め定められた条件に従って設定された前記目標経路である第1経路の道のりが前記走行可能距離よりも長い場合には、前記目標経路を、特定された前記水素ステーションである特定水素ステーションを経由する経路であって前記第1経路とは異なる第2経路に変更する経路設定部と、前記特定水素ステーションに対して、前記燃料電池車両が有する水素ガス貯蔵部への水素ガスの充填のための事前処理の実行要求を、前記燃料電池車両に搭載された通信部を介して送信する実行要求送信部と、を備え、前記特定水素ステーションは、冷凍機とブライン回路とを有するプレクール装置を有し、前記事前処理は、前記冷凍機および前記ブライン回路の起動を含む、ナビゲーション装置。
(1)本開示の一形態によれば、水素ガスを燃料ガスとして用いる燃料電池を有する燃料電池車両に搭載されて用いられ、前記燃料電池車両の経路案内を実行するナビゲーション装置が提供される。このナビゲーション装置は、前記燃料電池車両が水素ガスの補給無しで走行可能な距離である走行可能距離を、取得する走行可能距離取得部と、現在地から前記走行可能距離までの範囲である走行可能範囲内に存在する水素ステーションを特定する水素ステーション特定部と、現在地から目的地までの経路である目標経路を設定する経路設定部であって、予め定められた条件に従って設定された前記目標経路である第1経路の道のりが前記走行可能距離よりも長い場合には、前記目標経路を、特定された前記水素ステーションである特定水素ステーションを経由する経路であって前記第1経路とは異なる第2経路に変更する経路設定部と、前記特定水素ステーションに対して、前記燃料電池車両が有する水素ガス貯蔵部への水素ガスの充填のための事前処理の実行要求を、前記燃料電池車両に搭載された通信部を介して送信する実行要求送信部と、を備える。
この形態のナビゲーション装置によれば、第1経路の道のりが走行可能距離よりも長い場合には、特定水素ステーションを経由する第2経路に変更し、また、特定水素ステーションに対して水素ガス充填の事前処理の実行要求を送信するので、燃料電池車両が水素ステーションに到着するまでに事前処理の少なくとも一部が完了されている可能性を高めることができる。このため、水素ステーションにおける水素ガスの充填開始までに要する時間を短縮できる。
(2)上記形態のナビゲーション装置において、前記実行要求送信部は、前記特定水素ステーションに対して、前記事前処理の実行要求を送信する際に、水素ガスの要求充填量に関する情報を送信してもよい。
この形態のナビゲーション装置によれば、実行要求送信部は、特定水素ステーションに対して、事前処理の実行要求を送信する際に、水素ガスの要求充填量に関する情報を送信するので、特定水素ステーションでは、かかる情報に基づき、要求充填量の水素ガスを確保するなど、要求充填量の水素ガスの充填のための準備を行うことができる。
(3)上記形態のナビゲーション装置において、前記走行可能範囲内に複数の前記特定水素ステーションが特定された場合に、前記通信部を介して、各前記特定水素ステーションから水素ガスの充填状況に関連する充填状況関連情報を取得する情報取得部と、前記充填状況関連情報を、各前記特定水素ステーションと対応付けて表示部に表示させると共に、各前記特定水素ステーションのうちの水素ガスの充填を行う水素ステーションの選択操作を受け付ける水素ステーション選択制御部と、を更に備えてもよい。
この形態のナビゲーション装置によれば、特定された複数の特定水素ステーションについて、それぞれ充填状況関連情報が表示され、また、水素ガスの充填を行う水素ステーションの選択操作を受け付けることが可能となるので、ユーザは、表示された充填状況関連情報を参考にして、水素ガスの充填を行う水素ステーションを選択できる。
(4)上記形態のナビゲーション装置において、前記充填状況関連情報は、水素ガスの充填の利便性を示す情報である充填利便性情報であって、予想待ち時間に関する情報と、充填可能な水素ガス量に関する情報と、のうちの少なくとも一方を含む充填利便性情報を含んでもよい。
この形態のナビゲーション装置によれば、充填状況関連情報は、予想待ち時間に関する情報と、充填可能な水素ガス量に関する情報とのうちの少なくとも一方を含み、水素ガスの充填の利便性を示す充填利便性情報を含むので、ユーザは、充填利便性情報に基づき、利便性の高い水素ステーション、例えば、予想待ち時間が短い水素ステーションや、充填可能な水素ガス量が多いために燃料電池車両が目的地に到着するのに十分な量の水素ガスを充填可能な水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして選択できる。
(5)上記形態のナビゲーション装置において、前記予想待ち時間に関する情報は、既になされている予約件数と、前記特定水素ステーションの営業時間と、のうちの少なくとも一方を含んでもよい。
この形態のナビゲーション装置によれば、予想待ち時間に関する情報は、既になされている予約件数と、特定水素ステーションの営業時間と、のうちの少なくとも一方を含んでいるので、ユーザは、既になされている予約件数を含む場合には、かかる予約件数から予想待ち時間を推定でき、また、特定水素ステーションの営業時間を含む場合には、次の営業日の営業開始時間まで待たなくてはならないか否かを判断できる。
(6)上記形態のナビゲーション装置において、前記充填可能な水素ガス量に関する情報は、前記特定水素ステーションにおける現在の水素ガスの貯蔵量である現在貯蔵量と、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量である予約推定充填量を前記現在貯蔵量から差し引いて得られる水素ガス量と、のうちの少なくとも一方を示す情報を含んでもよい。
この形態のナビゲーション装置によれば、充填可能な水素ガス量に関する情報は、水素ステーションにおける現在貯蔵量と、予約推定充填量を現在貯蔵量から差し引いて得られる水素ガス量と、のうちの少なくとも一方を示す情報を含むので、ユーザは、これらの情報に基づき、充填可能な水素ガス量が多いために燃料電池車両が目的地に到着するのに十分な量の水素ガスを充填可能な水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして精度良く選択できる。
(7)上記形態のナビゲーション装置において、前記実行要求送信部は、各前記特定水素ステーションに対して、前記事前処理の実行要求を送信する際に、該特定水素ステーションへの前記燃料電池車両の到着予定時刻を通知し、前記充填可能な水素ガス量に関する情報は、前記特定水素ステーションにおける現在の水素ガスの貯蔵量である現在貯蔵量から、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量と、前記到着予定時刻までに予約無しで充填されると推定される水素ガス量と、を差し引いた水素ガス量を示す情報を含んでもよい。
この形態のナビゲーション装置によれば、充填可能な水素ガス量に関する情報は、特定水素ステーションにおける現在貯蔵量から、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量と、到着予定時刻までに予約無しで充填されると推定される水素ガス量と、を差し引いた水素ガス量を示す情報を含むので、ユーザは、これらの情報に基づき、充填可能な水素ガス量が多いために燃料電池車両が目的地に到着するのに十分な量の水素ガスを充填可能な水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして精度良く選択できる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、水素ガス充填予約システム、経路選択システム、水素ステーション選択システム、燃料電池車両、経路案内方法、経路選択方法、水素ガス充填予約方法、水素ステーション選択方法、これらの装置または方法を実現するためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体等の形態で実現することができる。
本開示の一実施形態としてのナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図。 目標経路の一例を模式的に示す説明図。 第1水素ステーションの概略構成を示すブロック図。 水素ガス充填予約処理の手順を示すフローチャート。 第2実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図。 第2実施形態における水素ガス充填予約処理の手順を示すフローチャート。 第2実施形態における水素ガス充填予約処理の手順を示すフローチャート。 水素ステーション選択画面の一例を示す説明図である。
A.第1実施形態:
A1.装置構成:
図1は、本開示の一実施形態としてのナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、燃料電池車両10に搭載されて用いられ、燃料電池車両10の経路の設定および経路案内を実行する。まず、燃料電池車両10の構成について説明する。
燃料電池車両10は、図示しないトラクションモータの電力源として燃料電池20を有する。燃料電池20は、単位セルと呼ばれる単体でも発電可能な発電要素を多数積層した燃料電池スタックを有する。本実施形態において、燃料電池20は、固体高分子型燃料電池であり、燃料ガスとして水素ガスが用いられ、酸化ガスとして空気が用いられる。燃料電池車両10は、燃料電池20に加えて、水素ガスを貯蔵するタンク30と、タンク30から燃料電池20へと水素ガスを供給する水素ガス供給路40と、主止弁41と、圧力センサ42と、レギュレータ43と、インジェクタ44と、制御装置50と、通信部60とを備える。
タンク30は、高圧の水素ガスを貯蔵する。本実施形態において、タンク30は、およそ5kg(キログラム)の水素ガスを貯蔵可能である。また、タンク30は、80MPaの水素ガスを貯蔵可能に構成されている。なお、タンク30の貯蔵可能水素ガス量および貯蔵する水素ガスの圧力はこれらの数値に限定されるものではない。タンク30は、本開示の水素ガス貯蔵部に相当する。主止弁41は、開閉弁により構成され、開弁状態において水素ガスを水素ガス供給路40の下流側へと流通させる。圧力センサ42は、水素ガス供給路40における主止弁41とレギュレータ43との間に配置され、かかる位置における水素ガス供給路40の圧力を検出する。主止弁41が開状態において圧力センサ42が検出する圧力は、タンク30内の圧力とほぼ等しい。レギュレータ43は、水素ガスの圧力を所定の圧力に減圧してインジェクタ44に供給する。インジェクタ44は、水素ガス供給路40においてレギュレータ43と燃料電池20との間に位置する。インジェクタ44は、開閉弁の一種であり、単位時間当りの開弁時間の割合(デューティ)により、燃料電池20に供給する水素ガス量を調整する噴射装置である。
制御装置50は、燃料電池20を含む燃料電池システムを構成する様々な装置を制御する。例えば、上述の主止弁41やレギュレータ43やインジェクタ44を含む燃料ガス供給系の他、燃料ガス排出系、酸化ガス供給系、酸化ガス排出系、冷却媒体循環系をそれぞれ構成する各種装置を制御する。このとき、燃料電池20は、圧力センサ42を含む各種センサの検出値を取得し、得られた検出値を利用して制御を実行する。本実施形態において、制御装置50は、ECU(Electronic Control Unit)により構成されている。制御装置50は、圧力センサ42の検出値を利用してタンク30内の圧力を特定する。タンク30内の圧力はタンク30の水素残量と相関するため、制御装置50は、かかる圧力を利用して水素残量を特定できる。水素残量の特定は、例えば、タンク30内の圧力と水素残量とを対応付けたマップを制御装置50が備えるROMに予め記憶させておき、かかるマップを参照して特定してもよい。また、例えば、圧力と水素残量との関係を表す演算式を予め定めておき、かかる演算式に圧力値を当てはめて水素残量を算出することにより特定してもよい。制御装置50は、特定した水素残量に基づき、燃料電池車両10の走行可能距離を算出する。「走行可能距離」とは、燃料電池車両10が水素ガスの補給無しで走行可能な距離を意味する。例えば、制御装置50は、燃料電池車両10が始動してから現在までの平均車速と消費水素量から、水素残量に基づき走行可能距離を算出する。制御装置50は、燃料電池車両10の始動と共に走行可能距離の算出を繰り返し実行する。
通信部60は、無線通信を実行する。本実施形態では、通信部60は、4G(4th Generation)通信を実行する。なお、4G通信に代えて、LTE(Long Time Evolution)通信や5G(5th Generation)通信などの電気通信事業者が提供する移動体通信や、無線LAN(Local Area Network)など、他の任意の種類の無線通信であってもよい。
ナビゲーション装置100は、制御部110と、表示部160とを備える。制御部110は、ナビゲーション装置100を全体制御する。本実施形態において、制御部110は、CPU120と、ROM130と、RAM140と、GNSS機能部150とを備えるコンピュータにより構成されている。CPU120は、ROM130に記憶されている制御プログラムを読み出してRAM140に展開して実行することにより、走行可能距離取得部121、水素ステーション特定部122、経路設定部123、実行要求送信部124、および要求充填量算出部125として機能する。
走行可能距離取得部121は、走行可能距離を、制御装置50から取得する。上述のように、制御装置50では、走行可能距離を繰り返し算出している。
水素ステーション特定部122は、後述する水素ガス充填予約処理において、走行可能距離の範囲(以下、「走行可能範囲」と呼ぶ)内に存在する水素ステーションを特定する。
経路設定部123は、燃料電池車両10の目標経路を設定する。目標経路とは、燃料電池車両10が目的地Gに至るまでに通る経路として設定される経路を意味する。本実施形態では、経路設定部123は、経路設定用のメニュー画面を表示部160に表示させ、かかるメニュー画面においてユーザが目的地を設定すると、燃料電池車両10の現在地から目的地までの経路を、所定のアルゴリズムに従って検索して設定する。上述の「所定のアルゴリズム」は、本実施形態ではダイクストラ法等の最短距離を求めるアルゴリズムである。
図2は、経路設定部123により設定される目標経路の一例を模式的に示す説明図である。図2の例では、燃料電池車両10の現在地Sから目的地Gまでの間に、複数の道路r1~r7と、3つの水素ステーション(第1水素ステーションst1、第2水素ステーションst2、第3水素ステーションst3)とが存在する。道路r1は、現在地Sと目的地Gとがいずれも存在する道路である。道路r3、r4は、道路r1と平行な道路である。道路r2、r5、r7は、いずれも道路r1、r3、r4と交差する道路である。道路r6は、道路r5と道路r7とを結ぶ道路であり、かつ、道路r1と平行な道路である。第1水素ステーションst1は、道路r2と道路r4の交差点に存在する。第2水素ステーションst2は、道路r3と道路r5との交差点に存在する。第3水素ステーションst3は、道路r6沿いに存在する。現在地Sから各水素ステーションst1~st3までの道のりを互いに比較すると、第1水素ステーションst1までの道のりが最も短く、第2水素ステーションst2までの道のりが2番目に短く、第3水素ステーションst3までの道のりが最も長い。なお、道のりとは、道路に沿った距離を意味する。
図2に示す例では、経路設定部123は、燃料電池車両10の目標経路として、太い実線の矢印により示される経路RT1を設定する。経路RT1は、途中で交差点を折れることなく単一の道路r1を直進する経路であり最短の道路だからである。なお、後述の水素ガス充填予約処理において、目標経路は経路RT1から太い実線の矢印により示される経路RT2に変更される。かかる目標経路の変更の詳細については、後述する。
なお、経路設定部123による目標経路の検索アルゴリズムとして、最短距離を求めるアルゴリズムに代えて、または、かかるアルゴリズムに加えて、走行時間帯や有料道路等を考慮して最短時間で到達する経路を求めるアルゴリズムや、最もコストが低い経路を求めるアルゴリズムなどの他の種類のアルゴリズムを用いてもよい。
図1に示す実行要求送信部124は、後述する水素ガス充填予約処理において、水素ステーションに事前処理実行要求を送信する。事前処理実行要求の詳細については後述する。要求充填量算出部125は、要求充填量を算出する。要求充填量とは、水素ステーションにおいて充填を要求する水素ガス量を意味する。要求充填量の算出方法の詳細は後述する。
ROM130には、上述の制御プログラムの他、地図情報が予め記憶されている。この地図情報には、道路や交差点の位置や大きさなどの情報に加えて、建物の大きさや種類などの情報も含まれている。したがって、図2に示すような水素ステーションst1~st3に関する情報も地図情報に含まれている。地図情報に含まれている水素ステーションst1~st3に関する情報としては、例えば、各水素ステーションの名称、すなわち、「第1水素ステーション」、「第2水素ステーション」、「第3水素ステーション」の他、各水素ステーションの位置情報、敷地や建物の輪郭や大きさについての情報が該当する。
GNSS機能部150は、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)を利用して燃料電池車両10の現在地(緯度および経度)を特定する。本実施形態において、GNSSとしてGPS(Global Positioning System)が用いられるが、GPSに限らず、GalileoやQZSS等の他の任意の種類のGNSSを用いてもよい。
表示部160は、地図画像の他、各種メニュー画面やメッセージ等を表示する。本実施形態において、表示部160は、タッチパネルにより構成されており、ユーザによる操作を受け付ける。
図3は、第1水素ステーションst1の概略構成を示すブロック図である。本実施形態において、図2に示す各水素ステーションst1~st3は、互いにほぼ同じ構成を有する。そこで、第1水素ステーションst1を代表して説明する。
第1水素ステーションst1は、水素ガスの態様で水素を貯蔵し、また、貯蔵する水素ガスを車両に充填する。第1水素ステーションst1は、充填制御装置200と、圧縮機262と、蓄圧器264と、ディスペンサ266と、プレクール装置270とを備える。
充填制御装置200は、車両への水素ガスの充填に関する様々な制御を実行する。本実施形態において、充填制御装置200は、主制御部210と、通信部250とを備える。主制御部210は、CPU220と、ROM230と、RAM240とを有するコンピュータにより構成されている。CPU220は、ROM230に記憶されている制御プログラムを実行することにより、貯蔵量特定部221、予約調整部222、および充填制御部223として機能する。
貯蔵量特定部221は、蓄圧器264に貯蔵されている水素ガスの貯蔵量を特定する。蓄圧器264には、蓄圧器264内の圧力を検出する図示しない圧力センサが接続されている。貯蔵量特定部221は、かかる圧力センサの検出値を利用して蓄圧器264における水素ガスの貯蔵量を特定する。
予約調整部222は、第1水素ステーションst1における水素ガスの充填予約を調整および管理する。具体的には、予約調整部222は、車両から送信される水素ガスの充填の予約を通信部250を介して受け付け、予約可能であれば予約し、また、予約したか否かを車両に返信する。また、予約した場合には、充填制御部223に対して事前処理の実行を指示する。
充填制御部223は、圧縮機262、蓄圧器264、ディスペンサ266およびプレクール装置270を制御して、車両への水素ガスの充填を制御する。充填制御部223は、事前処理制御部224を備える。事前処理制御部224は、事前処理の実行を制御する。本実施形態において、「事前処理」とは、プレクール装置270を利用した水素ガスのプレクール処理を実行可能な状態にするための処理を意味する。高圧の水素ガスを車両10のタンク30に急速充填すると、断熱圧縮によりタンク30の温度が急激に上昇し、例えば、85℃を超える高温となるおそれがある。そこで、ディスペンサ266から水素ガスを供給する際に、水素ガスを例えば-40℃程度まで冷却する処理、いわゆるプレクール処理が実行される。このプレクール処理を実行可能な状態にするまでの時間、すなわち、事前処理に要する時間は、1台の車両への水素充填時間よりも長い。プレクール処理および事前処理の詳細は後述する。
通信部250は、無線通信を実行する。本実施形態では、通信部250は、上述の燃料電池車両10が備える通信部60と同様に、4G通信を実行する。通信部250と通信部60とは、4G通信により互いにデータのやりとりを行うことができる。
圧縮機262は、タンクローリ等により第1水素ステーションst1に搬送されてきた水素ガスを、圧縮して蓄圧器264へと送り出す。例えば、45MPaや、80MPaまで昇圧してから水素ガスを蓄圧器264に供給する。なお、圧縮機262を複数設けて多段で圧縮する構成としてもよい。
蓄圧器264は、圧縮機262から供給される圧縮された水素ガスを貯蔵する。ディスペンサ266は、車両の水素ガス注入口に設けられたレセプタクルに接続可能な形状を有する図示しないノズルを有し、かかるノズルから水素ガスを車両に供給する。このとき供給される水素ガスは、蓄圧器264に貯蔵されている水素ガスであってプレクール処理実行後の水素ガスである。
プレクール装置270は、蓄圧器264に貯蔵されている水素ガスが圧縮機262から供給される際に水素ガスを冷却する。本実施形態において、プレクール装置270は、冷凍機式の冷却システムとして構成されており、冷凍機とブライン回路とを有し、冷凍機により冷却したブラインを利用して水素ガスを冷却する。冷凍機は、冷却媒体を蒸発させる蒸発部と、蒸発部から流出する冷却媒体を圧縮する圧縮部と、圧縮された冷却媒体を空冷して凝縮させる凝縮部と、凝縮部から流出した冷却媒体を膨張させる膨張部と、を有し、いわゆるヒートポンプサイクルを構成する。ブライン回路は、ブラインの循環流路と、かかる循環流路に設けられたブライン循環用ポンプと、冷凍機の蒸発部と熱交換を行う熱交換部とを有する。ブライン回路は、系の時定数が大きなシステムである。換言すると、ブライン回路は、系が所定の温度まで冷却されてブラインの温度が安定するまでには長時間を要する。このため、水素ガスの充填実行よりもかなり前から冷凍機およびブライン回路を動作させておく必要がある。そこで、プレクール装置270では、事前処理制御部224の制御の下、事前処理として冷凍機およびブライン回路を動作させることが実行される。
A2.水素ガス充填予約処理:
図4は、水素ガス充填予約処理の手順を示すフローチャートである。水素ガス充填予約処理とは、タンク30への水素ガス充填を水素ステーションに予約するための処理を意味する。燃料電池車両10において目標経路が設定されると水素ガス充填予約処理が実行される。
ステップS105において、走行可能距離取得部121は、走行可能距離を取得する。上述のように、制御装置50は、タンク30の水素残量から燃料電池車両10の走行可能距離を算出している。したがって、ステップS105では、走行可能距離取得部121は、制御装置50により算出された走行可能距離を取得する。
ステップS110において、走行可能距離取得部121は、ステップS105で取得された走行可能距離が目的地Gまでの道のりよりも小さいか否かを判定する。走行可能距離が目的地Gまでの道のりよりも小さくないと判定された場合(ステップS110:NO)、処理は上述のステップS105に戻る。他方、走行可能距離が目的地Gまでの道のりよりも小さいと判定された場合(ステップS110:YES)、ステップS115において、水素ステーション特定部122は、既にいずれかの水素ステーションに対して水素ガス充填の予約が実行されているか否かを判定する。後述のステップS145またはステップS160が実行された場合、既に予約が実行されている。予約が実行されていると判定された場合(ステップS115:YES)、処理は上述のステップS105に戻る。
予約が実行されていないと判定された場合(ステップS115:NO)、ステップS120において、水素ステーション特定部122は、走行可能距離の範囲内に存在する水素ステーションを特定する。図2の例では、走行可能距離の範囲Ar1内に存在する水素ステーションとして、第1水素ステーションst1と第2水素ステーションst2とが特定される。本実施形態では、図2に示すように、単純に現在地Sを中心として走行可能距離を半径とする円形の領域内に存在する水素ステーションが特定される。なお、各道路に沿った道のりが走行可能距離以下の範囲を、「走行可能距離の範囲」とし、かかる範囲内に存在する水素ステーションが特定されてもよい。ステップS120において特定される水素ステーションを、「特定水素ステーション」とも呼ぶ。
図4に示すように、ステップS125において、経路設定部123は、ステップS120により水素ステーションが特定されたか否かを判定する。水素ステーションが特定されないと判定された場合(ステップS125:NO)、ステップS130において、経路設定部123は、水素ガス欠の発生が予測されることを報知する報知処理を実行する。ステップS125が実行される場合には、走行可能距離が目的地Gまでの道のりよりも短いため、このまま経路RT1に沿って走行すると、途中で水素ガス欠が発生する。そして、走行可能距離の範囲内に水素ステーションが存在しない場合には、水素ガスを充填して目的地Gに向かうこともできない。また、後述するように、走行可能範囲内に水素ステーションが存在しても、かかる特定水素ステーションにおいて予約が不可能である場合、水素ガスを充填して目的地Gに向かうこともできない。そこで、この場合、経路設定部123は、水素ガス欠の発生が予測されることを報知して、ユーザに注意を促すようにしている。ステップS130の報知としては、例えば、表示部160に警告メッセージを表示することや、警告メッセージや警告音を図示しないスピーカから出力することなどが該当する。かかる報知を受けたユーザは、例えば、燃料電池車両10を安全な場所に停車させるなどの対応を行うことができる。ステップS130の完了後、処理はステップS105に戻る。
上述のステップS125において、水素ステーションが特定されたと判定された場合(ステップS125:YES)、ステップS135において、経路設定部123は、特定水素ステーションのうち、現在地Sに対して最近傍の水素ステーション(以下、「最近傍ステーション」と呼ぶ)を通る経路を、燃料電池車両10の目標経路として再設定する。このステップS135では、現在地Sに至るまでに燃料電池車両10が走行してきた経路上の水素ステーションや、目的地Gに向かう方向とは逆の方向に位置する水素ステーションは除かれてもよい。図2の例では、2つの水素ステーションst1、st2が特定されており、これら2つの水素ステーションのうち、現在地Sから最も近い第1水素ステーションst1が最近傍ステーションに該当する。したがって、かかる第1水素ステーションst1を通って目的地Gに至る経路が再設定される。このため、図2の例では、燃料電池車両10の目標経路は、経路RT1から経路RT2に変更される。なお、現在地Sから第1水素ステーションst1までの経路、および第1水素ステーションst1から目的地Gまでの経路は、いずれも上述の所定のアルゴリズムにより検索される。経路RT1は本開示における第1経路に、経路RT2は本開示の第2経路に、それぞれ相当する。
図4に示すように、ステップS140において、経路設定部123は、ステップS135で特定された最近傍ステーションへの到着予定時刻を特定する。本実施形態では、経路設定部123は、現在地Sから最近傍ステーションまでの道のりを地図情報に基づき特定し、また、燃料電池車両10が始動してから現在までの平均車速を特定し、これら特定された値を用いて現在地Sから第1水素ステーションst1までの所要推定時間を算出し、現在時刻に加算することで、到着予定時刻を特定する。
ステップS145において、実行要求送信部124は、要求充填量関連情報および到着予定時刻を含む事前処理実行要求を、通信部60を介して最近傍ステーションに送信することにより、水素ガス充填の予約を行う。事前処理実行要求とは、事前処理を実行することの要求を意味する。要求充填量関連情報とは、最近傍ステーションにて充填する水素ガスの要求充填量に関連する情報を意味する。本実施形態では、要求充填量関連情報には、要求充填量が含まれる。本実施形態において、要求充填量は、要求充填量算出部125により以下のように算出される。すなわち、現在地Sから第1水素ステーションst1までに要すると推定される水素ガス量を現在のタンク30における水素ガス残量から差し引いて得られる水素ガス量と、第1水素ステーションst1から目的地Gまでの走行に要すると推定される水素ガス量との差分に、所定の追加ガス量を加えた水素ガス量が、要求充填量として算出される。追加ガス量は、例えば、追加して50kmを走行可能な水素ガス量として予め設定されている。なお、このような値に限らず任意の水素ガス量を、追加ガス量として設定されてもよい。また、現在地Sから第1水素ステーションst1までに要すると推定される水素ガス量を現在のタンク30における水素ガス残量から差し引いて得られる水素ガス量が多いために、すなわち、第1水素ステーションst1に到着時におけるタンク30の推定空き容量が少ないために、要求充填量の水素ガス量をタンク30に充填できないと見込める場合には、タンク30の充填上限値と、現在地Sから第1水素ステーションst1までに要すると推定される水素ガス量を現在のタンク30における水素ガス残量から差し引いて得られる水素ガス量との差分が、要求充填量として算出される。したがって、この場合、第1水素ステーションst1において、タンク30の充填上限値まで水素ガスが充填されることとなる。
第1水素ステーションst1において、予約調整部222は、通信部250を介して上述の事前処理実行要求を受信すると、既に設定されている予約と、蓄圧器264に貯蔵されている水素ガス量とから、新たな予約が可能か否かを判定し、予約が可能と判定された場合には、事前処理実行要求の送信元の車両に対して予約完了を通知する。本実施形態において「予約が可能な場合」には、燃料電池車両10の第1水素ステーションst1への到着予定時刻における予約件数が所定数よりも少ない場合を含む。なお、かかる所定数は、例えば、車両1台当たりの水素ガスの充填に要する時間に基づき、所定数の予約分の水素ガスの充填が実行された後に燃料電池車両10への水素ガスの充填が行われた場合に目的地Gへの到着が過度に遅くならない程度の件数として予め設定されていてもよい。また、上記「予約が可能な場合」には、受信した事前処理実行要求に含まれる要求充填量と、既に設定されている別の予約での要求充填量の合計値と、予約無しで第1水素ステーションst1に訪れて水素ガス充填を行う車両への充填量の推定値との合算値が、現在の蓄圧器264の水素残量以下となる場合を含む。また、上記「予約が可能な場合」には、燃料電池車両10の第1水素ステーションst1への到着予定時刻と、既に設定されている別の予約の充填の完了時刻とから、燃料電池車両10への水素ガスの充填が第1水素ステーションst1の営業時間内に完了すると推定される場合を含む。換言すると、到着予定時刻における予約件数が所定数以上の場合、上述の合算値が現在の蓄圧器264の水素残量よりも多くなる場合、および燃料電池車両10への水素ガス充填が第1水素ステーションst1の営業時間内に完了しないと推定される場合は、「予約が可能でない場合」に該当する。そして、予約が可能の場合、予約調整部222は、ナビゲーション装置100から受信した予約を設定する。また、事前処理制御部224は、事前処理実行要求を受信すると、燃料電池車両10の到着予定時刻にプレクール処理が開始可能となるように、プレクール装置270に事前処理、すなわち、冷凍機およびブライン回路を動作させてブラインを所定温度まで冷却させる処理を実行する。なお、上述の「予約無しで第1水素ステーションst1に訪れて水素ガス充填を行う車両への充填量の推定値」は、例えば、予約を受領した時刻から営業終了時刻までの他の日における予約無しで水素ガスを充填した実績値(履歴)から推定してもよい。
ステップS170において、実行要求送信部124は、予約可能であるか否かを判定する。上述のように、最近傍ステーションから予約可能であることを受信した場合、実行要求送信部124は予約可能であると判定する。この場合、処理はステップS105に戻る。なお、その後実行されるステップS115では、予約が実行されていると判定されることとなる。
予約可能でないと判定された場合(ステップS170:NO)、実行要求送信部124は、ステップS180において、特定水素ステーションとして他の水素ステーションがあるか否かを判定する。他の水素ステーションが無いと判定された場合(ステップS180:NO)、上述のステップS130が実行され、報知処理が実行される。これに対して、他の水素ステーションがあると判定された場合(ステップS180:YES)、ステップS150において、経路設定部123は、特定水素ステーションのうち、他の水素ステーションを通る経路を再設定する。なお、最初にステップS150が実行される際には、特定水素ステーションのうち、最近傍ステーションを除く他のいずれかの水素ステーションを通る経路が再設定される。例えば、特定水素ステーションにおいて最近傍ステーションを除く他の水素ステーションのうちで現在地Sから最も近い水素ステーションを特定し、かかる水素ステーションを通る経路が再設定される。ステップS155において、経路設定部123は、ステップS150で特定された他の水素ステーションへの到着予定時刻を特定する。このステップS155は、上述のステップS140と同様にして実行される。ステップS160において、実行要求送信部124は、要求充填量関連情報および到着予定時刻を含む事前処理実行要求を、通信部60を介して他の水素ステーションに送信することにより、水素ガス充填の予約を行う。このステップS160は、上述のステップS145と同様にして実行される。ステップS160の完了後、上述のステップS170が実行される。なお、最近傍ステーションに加えて最初に選択された他の水素ステーションにおいても予約可能でないと判定された場合(ステップS170:NO)、ステップS180では、特定水素ステーションのうち、最近傍ステーションと上述の他の水素ステーションとは異なるさらに他の水素ステーションがあるか否かが判定され、あると判定された場合には、再度ステップS150~S160が実行されることとなる。
上述の水素ガス充填予約処理が実行されることにより、図2に示す例では、経路RT1に代えて経路RT2が燃料電池車両10の目標経路として設定される。したがって、制御部110はかかる経路RT2を案内することとなる。かかる経路案内に従ってユーザが燃料電池車両10を運転して第1水素ステーションst1に到着すると、既に予約が設定されており、かかる予約に応じて水素ガスが燃料電池車両10のタンク30に充填される。なお、予約時に事前処理が事前処理制御部224に指示されているため、仮に、予約受付時に事前処理が行われていなかったとしても、燃料電池車両10の第1水素ステーションst1への到着前に事前処理は開始されることとなる。このため、ナビゲーション装置100が第1水素ステーションst1に到着してから事前処理が開始される場合に比べて、第1水素ステーションst1での水素ガス充填完了までに要する時間は短縮されることとなる。この結果、燃料電池車両10が目的地Gに到着する時刻が過度に遅くなることを抑制できる。
以上説明した第1実施形態のナビゲーション装置100によれば、経路RT1の道のりが走行可能距離よりも長い場合には、目標経路を経路RT1から第1水素ステーションst1を経由する経路RT2に変更し、また、第1水素ステーションst1に対して事前処理の実行要求を送信するので、燃料電池車両10が第1水素ステーションst1に到着するまでに事前処理の少なくとも一部が完了されている可能性を高めることができる。このため、第1水素ステーションst1における水素ガスの充填開始までに要する時間を短縮できる。
また、実行要求送信部124は、第1水素ステーションst1に対して、水素ガスの要求充填量に関する情報を送信するので、第1水素ステーションst1では、かかる情報に基づき、少なくとも要求充填量の水素ガスを確保するなど、水素ガスの充填のための準備を行うことができる。
また、現在地Sから第1水素ステーションst1までの走行に要すると推定される水素ガス量を現在のタンク30の水素ガス残量から差し引いて得られる水素ガス量と、第1水素ステーションst1から目的地Gまでの走行に要すると推定される水素ガス量と、の差分以上の水素ガス量が要求充填量として算出されて第1水素ステーションst1に送信されるので、第1水素ステーションst1から目的地Gまで要する水素ガス量を要求充填量として第1水素ステーションst1において特定できる。このため、第1水素ステーションst1において、少なくとも第1水素ステーションst1から目的地Gまで要する水素ガス量を準備する可能性を高めることができる。
また、経路RT1の代替の経路(経路RT2)を設定する際に、特定水素ステーション、すなわち、走行可能距離の範囲内に存在する水素ステーションのうち、第1水素ステーションst1を除いて現在地Sから最も近い水素ステーションである第2水素ステーションst2を通る経路を代替の経路として設定するので、水素ステーションに到着するまでにタンク30の水素残量がゼロになることを抑制できる。
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態のナビゲーション装置100aの概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100aは、CPU120が情報取得部126および水素ステーション選択制御部127としても機能する点において、図1に示す第1実施形態のナビゲーション装置100と異なる。第2実施形態のナビゲーション装置100aにおけるその他の構成は第1実施形態のナビゲーション装置100と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、第2実施形態において、燃料電池車両10の構成は、第1実施形態の燃料電池車両10と同じである。
情報取得部126は、水素ステーションから充填状況関連情報を取得する。充填状況関連情報の詳細については後述する。水素ステーション選択制御部127は、充填状況関連情報を水素ステーションと対応付けて表示部160に表示させると共に、水素ステーションの選択操作を受け付ける。水素ステーション選択制御部127が実行する処理の詳細は後述する。
図6および図7は、第2実施形態における水素ガス充填予約処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態における水素ガス充填予約処理は、ステップS131~S134を追加して実行する点と、ステップS135、S140、S145に代えてステップS135a、S140a、S145aを実行する点とにおいて、図4に示す第1実施形態の水素ガス充填予約処理と異なる。第2実施形態における水素ガス充填予約処理のその他の手順は、第1実施形態における水素ガス充填予約処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、ステップS125において、水素ステーションが特定されたと判定された場合(ステップS125:YES)、ステップS131において、情報取得部126は、通信部60を介して、特定水素ステーションに充填状況関連情報を要求する。充填状況関連情報とは、水素ステーションにおける水素ガスの充填の状況に関連する情報を意味する。本実施形態では、充填状況関連情報は、充填利便性情報と、水素ステーションが所属するグループのグループ名、および水素ガスの販売単価を含む。
「充填利便性情報」とは、水素ガスの充填の利便性を示す情報であって、予想待ち時間に関する情報と、充填可能な水素ガス量に関する情報とを含む。「予想待ち時間に関する情報」とは、燃料電池車両10が水素ステーションに到着してから水素ガス充填の開始までに予想される待ち時間に関連する情報を意味する。本実施形態では、予想待ち時間に関する情報は、既になされている水素ガス充填の予約件数と、水素ステーションの営業時間とが該当する。水素ガス充填の予約件数が多い場合には、予想待ち時間は長くなる。また、燃料電池車両10が水素ステーションに到着する到着予定時刻が水素ステーションの営業時間を過ぎている場合には、次の営業日の営業開始時刻まで待たなければならない。「充填可能な水素ガス量に関する情報」とは、燃料電池車両10が水素ステーションに到着してから水素ガスを充填する際に充填可能な上限の水素ガス量に関連する情報を意味する。本実施形態では、充填可能な水素ガス量に関する情報は、水素ガス充填の予約数と、水素ガスの貯蔵量とが該当する。水素ガス充填の予約数がより多い場合には、燃料電池車両10が水素ステーションに到着して充填する際に、水素ステーションにおける貯蔵量はより少なくなっており、充填可能な水素ガス量の上限量はより少なくなる可能性がある。同様に、水素ガスの貯蔵量がより少ない場合には、充填可能な水素ガス量の上限量はより少なくなる可能性がある。
水素ステーションにおいて、予約調整部222は、充填状況関連情報の要求を燃料電池車両10から受信すると、充填状況関連情報を取得して燃料電池車両10に送信する。
燃料電池車両10において、情報取得部126は、ステップS132において、各特定水素ステーションから充填状況関連情報を受信して取得する。図2の例では、2つの水素ステーションst1、st2からそれぞれ充填状況関連情報を取得する。ステップS133において、水素ステーション選択制御部127は、取得された充填状況関連情報を含む水素ステーション選択画面を表示部160に表示させる。
図8は、水素ステーション選択画面W1の一例を示す説明図である。水素ステーション選択画面W1は、ステーション詳細ウィンドウW11、W12を有する。ステーション詳細ウィンドウW11は、第1水素ステーションst1用のウィンドウである。ステーション詳細ウィンドウW12は、第2水素ステーションst2用のウィンドウである。各ステーション詳細ウィンドウW11、W12は、各水素ステーションの充填状況関連情報を含む各種情報を表示するための表示部C1、C2と、選択ボタンB1とを備える。
表示部C1は、水素ステーションの名称を表示する。表示部C2は、6つの副表示部C21~C26を備える。副表示部C21は、現在地Sから水素ステーションまでの道のりを表示する。副表示部C22は、水素ステーションにおける水素ガスの充填の予約件数を表示する。副表示部C23は、水素ステーションにおける水素ガスの貯蔵量を表示する。副表示部C24は、水素ステーションが所属するグループのグループ名を表示する。副表示部C25は、水素ステーションの営業時間を表示する。副表示部C26は、水素ガスの販売単価を表示する。ユーザは、表示部C1、C2に表示された各情報を閲覧し、また、比較することにより、水素ガスを充填する水素ステーションを選択できる。選択ボタンB1は、選択を受け付けるためのボタンである。
図6に示すように、ステップS134において、水素ステーション選択制御部127は、水素ガスを充填する水素ステーションが選択されたか否かを判定する。水素ステーションが選択されないと判定された場合(ステップS134:NO)、処理はステップS133に戻る。他方、水素ステーションが選択されたと判定された場合(ステップS134:YES)、図7に示すように、ステップS135aにおいて、経路設定部123は、選択された水素ステーション(以下、「選択ステーション」と呼ぶ)を通る経路を、燃料電池車両10の目標経路として再設定する。
ステップS140aにおいて、経路設定部123は、選択ステーションへの到着予定時刻を特定する。ステップS145aにおいて、実行要求送信部124は、要求充填量関連情報および到着予定時刻を含む事前処理実行要求を、通信部60を介して選択ステーションに送信することにより、水素ガス充填の予約を行う。ステップS145aの完了後、上述のステップS170が実行される。
以上説明した第2実施形態のナビゲーション装置100aによれば、走行可能距離の範囲Ar1内に存在する各水素ステーションにおける充填状況関連情報が表示部160に表示されるので、ユーザは、かかる情報に基づき、水素ガスを充填する水素ステーションを選択できる。
また、充填状況関連情報は、予想待ち時間に関する情報と、充填可能な水素ガス量に関する情報とを含み、水素ガスの充填の利便性を示す充填利便性情報を含むので、ユーザは、充填利便性情報に基づき、利便性の高い水素ステーション、例えば、予想待ち時間が短い水素ステーションや、充填可能な水素ガス量が多いために燃料電池車両が目的地Sに到着するのに十分な量の水素ガスを充填可能な水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして選択できる。また、予想待ち時間に関する情報は、既になされている水素ガス充填の予約件数と、水素ステーションの営業時間とを含むので、ユーザは、既になされている水素ガス充填の予約件数に基づき予想待ち時間の多少を推測でき、また、水素ステーションの営業時間に基づき、次の営業日の営業開始時間まで待たなくてはならないか否かを判断できる。
また、充填状況関連情報は、水素ステーションが所属するグループのグループ名、および水素ガスの販売単価を含むので、ユーザは、例えば、メンバーズカードを有しているグループに所属する水素ステーションや、販売単価のより安い水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして選択できる。
C.他の実施形態:
(C1)各実施形態では、事前処理実行要求には、要求充填量関連情報が含まれていたが、要求充填量関連情報を省略してもよい。かかる構成においては、予約の可否を判定する際に、水素ガスの充填量を固定値として見積もってもよい。かかる構成においては、各車種の最大充填可能量を固定値として設定してもよい。このようにすることで、水素ガス貯蔵量を超えた水素ガスの充填の予約が設定されることを高い確率で抑制できる。また、事前処理実行要求には、到着予定時刻が含まれていたが、本開示はこれに限定されない。到着予定時刻に代えて、または、到着予定時刻に加えて、燃料電池車両10の製造メーカ名や、車両の型番や、料金の希望支払い方法に関する情報、例えば、クレジットカードの会社名などの情報が含まれていてもよい。これらの情報が要求充填量関連情報に含まれることにより、水素ステーションはこれらの情報を予め特定できる。このため、車種や支払い方法に応じて複数のディスペンサが用意されているような場合には、いずれのディスペンサにて水素ガスを充填するかを予め予約できるといった効果を奏する。
(C2)各実施形態において、事前処理実行要求には、要求充填量関連情報と、到着予定時刻とが含まれていたが、これらの情報を、事前処理実行要求とは別の情報として水素ステーションに送信してもよい。すなわち、事前処理実行要求を送信する際に、かかる要求とは別に、要求充填量関連情報を送信し、また、到着予定時刻に関する情報を送信してもよい。かかる構成においては、事前処理実行要求を省略してもよい。つまり、要求充填量関連情報と到着予定時刻に関する情報とを水素ステーションに送信し、「事前処理実行要求」としての専用の情報を送信しなくてもよい。かかる構成においても、水素ステーションでは、要求充填量関連情報と到着予定時刻に関する情報とを受信することにより、事前処理の実行を要求されていることを認識できる。すなわち、かかる構成においては、「要求充填量関連情報と到着予定時刻に関する情報との送信」は、本開示の事前処理の実行要求に相当する。
(C3)第2実施形態において、充填利便性情報は、予想待ち時間に関する情報と、充填可能な水素ガス量に関する情報とを含んでいたが、これらのうちのいずれか一方を含まなくてもよい。また、予想待ち時間に関する情報は、既になされている水素ガス充填の予約件数と、水素ステーションの営業時間とが該当していたが、これらの情報のうちのいずれか一方を省略してもよい。また、充填可能な水素ガス量に関する情報は、水素ガス充填の予約数と、水素ガスの貯蔵量とが該当していたが、これらの情報のうちのいずれか一方を省略してもよい。また、充填可能な水素ガス量に関する情報は、水素ガス充填の予約数と、水素ガスの貯蔵量とのうちの少なくとも一方に代えて、以下に示す水素ガス量が該当してもよい。例えば、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量を、現在の水素ガスの貯蔵量から差し引いて得られる水素ガス量が該当してもよい。また、例えば、現在の水素ガスの貯蔵量から、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量と、燃料電池車両10の到着予定時刻までに予約無しで充填されると推定される水素ガス量とを差し引いて得られた水素ガス量が該当してもよい。「既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量」は、例えば、履歴を参照して、各予約で充填された水素ガス量の平均値を求め、かかる平均値に既になされている予約数を乗じて算出してもよい。また、「燃料電池車両10の到着予定時刻までに予約無しで充填されると推定される水素ガス量」についても同様に、履歴を参照して、単位時間当たりに予約無しで充填される水素ガス量の平均値を求め、かかる平均値を、到着予定時刻までの時間を単位時間で割った値に乗じることにより算出してもよい。
(C4)第2実施形態において、充填状況関連情報は、充填利便性情報と、水素ステーションが所属するグループのグループ名、および水素ガスの販売単価を含んでいたが、本開示はこれに限定されない。これらの情報のうちの少なくとも1つを省略してもよい。また、これらの情報のうちの少なくとも1つに代えて、料金の支払い方法に関する情報や、付随するサービスに関する情報、例えば、レストランやホテルが併設されている等の情報などを含んでいてもよい。
(C5)各実施形態では、要求充填量は、現在地Sから第1水素ステーションst1までに要すると推定される水素ガス量を現在のタンク30における水素ガス残量から差し引いて得られる水素ガス量と、第1水素ステーションst1から目的地Gまでの走行に要すると推定される水素ガス量との差分に、所定の追加ガス量を加えた水素ガス量として算出されていたが、本開示はこれに限定されない。上述の差分のみを要求充填量として算出し、上述の所定の追加ガス量を加えなくてもよい。かかる構成においても、少なくとも目的地Gには到達することができる。また、所定の追加ガス量は予め定められた固定値であったが、ユーザが選択可能な構成としてもよい。例えば、表示部160に追加ガス量を選択するためのメニュー画面を表示し、かかるメニュー画面からユーザに希望する追加ガス量を入力させる構成としてもよい。
(C6)各実施形態において、走行可能距離は、燃料電池車両10が備える制御装置50により算出されていたが、制御装置50に代えて、ナビゲーション装置100、100aにより算出されてもよい。また、各実施形態において、要求充填量は、要求充填量算出部125により算出されていたが、要求充填量算出部125に代えて、制御装置50により算出されてもよい。
(C7)各実施形態では、各水素ステーションst1~st3は、水素を水素ガス(気体)の状態で貯蔵していたが、本開示はこれに限定されない。水素を液化水素(液体)の状態で貯蔵しておき、オンサイトにて気化させて水素ガスを生成して貯蔵する構成としてもよい。かかる構成においては、各水素ステーションst1~st3は、液化水素の貯蔵槽や気化器等を備える。また、かかる構成においては、プレクール処理に加えて、液化水素を気化する処理が、本開示の事前処理に相当する。したがって、この構成においては、事前処理実行要求を受信した水素ステーションでは、燃料電池車両10の水素ステーションへの到着予定時刻には、燃料電池車両10に対して水素ガスの充填が開始可能なように、プレクール処理と気化処理とが実行されることとなる。なお、事前処理として、プレクール処理を行わず気化処理のみを実行する構成としてもよい。また、プレクール処理および気化処理に限らず、水素ガスの充填のために予め実行される任意の処理が、本開示の事前処理に相当する。
(C8)各実施形態において、ナビゲーション装置100、100aは、表示部160を備えていたが、表示部160を省略してもよい。かかる構成においては、各種情報、例えば、第2実施形態における水素ステーション選択画面W1を、燃料電池車両10のインストルメントパネルに設置されているタッチパネル等の表示装置に表示させてもよい。
(C9)各実施形態において、制御装置50は、燃料電池車両10が始動してから現在までの平均車速と消費水素量から、水素残量に基づき走行可能距離を算出していたが、本開示はこれに限定されない。タンク30への水素ガスの充填時に走行可能距離の初期値を算出しておき、その後、燃料電池車両10が走行するたびにその走行距離を、順次差し引くことにより、現在の走行可能距離を算出してもよい。或いは、水素ガスの充填時にタンク30内の充填水素ガス量を特定しておき、その後、燃料電池車両10が発電するたびに発電量を記録しておき、その発電量から所定演算式による演算又は所定のマップを参照することにより消費された水素ガス量を求め、充填水素ガスから差し引くことで水素残量を特定し、得られた水素残量に基づき走行可能距離を算出してもよい。
(C10)第1実施形態では、特定水素ステーションのうち、最近傍水素ステーションが水素ガスを充填する水素ステーションの最初の候補となっていた。また、第2実施形態では、ユーザにより選択された選択水素ステーションが水素ガスを充填する水素ステーションの最初の候補となっていた。しかし、本開示はこれらに限定されない。例えば、「特定水素ステーションのうち、現在地Sから当該水素ステーションに寄って目的地Gに至るまでの道のりが、該当水素ステーションに寄らない場合の道のり、すなわち経路RT1の道のりに対して、最小の増加となる水素ステーション」を、水素ガスを充填する水素ステーションの最初の候補としてもよい。かかる構成によれば、現在地Sから目的地Gに到着するまでに要する合計水素ガス量を抑制できる。また、例えば、「特定水素ステーションのうち、当該水素ステーションから目的地Gまでの道のりが最も短い水素ステーション」を、水素ガスを充填する水素ステーションの最初の候補としてもよい。かかる構成によれば、水素ステーションに到着した時点で水素ガスの残量が過度に多い状況となることを抑制できる。このため、水素ステーションに到着したにも関わらず、タンク30に補充可能な水素量、すなわち、タンク30の空き容量が少ないために、水素ガスの補給後に目的地Gに向かう途中において再び水素ガス量が足りなくなることを抑制できる。なお、各実施形態では、このように、水素ガスの補給後に目的地Gに向かう途中において再び水素ガス量が足りなくなった場合には、改めてその時の走行位置を基準とした走行可能範囲が特定され、また、かかる走行可能範囲内に存在する水素ステーションが特定され、その水素ステーションを通る経路に、目標経路が変更されることとなる。
(C11)各実施形態において、走行可能範囲内に水素ステーションが特定されたと判定された場合(ステップS125:YES)、特定水素ステーションに事前処理要求を送信する処理だけを行い、他の処理を省略してもよい。かかる構成においては、予約の可能性の有無に関わらず、また、変更後の目的経路上に存在するか否かに関わらず、すべての特定水素ステーションに対して事前処理要求が送信される。かかる構成においても、いずれかの水素ステーションに燃料電池車両10が到着した際には、事前処理の少なくとも一部が完了している可能性を高めることができる。
(C12)各実施形態において、事前処理実行要求を受信した水素ステーションにおいて、予約調整部222は、予約可能か否かの判断を行う際に、燃料電池車両10の到着予定時刻と事前処理完了時刻とを考慮して判断を行ってもよい。具体的には、燃料電池車両10の到着予定時刻が事前処理完了時刻よりも後であれば「予約可能」と判断し、事前処理完了時刻よりも前であれば「予約不可能」と判断してもよい。
(C13)第2実施形態において、水素ステーションの選択を、ユーザが選択することに代えて、取得した充填状況関連情報に基づき、CPU120が選択するようにしてもよい。具体的には、各充填状況関連情報に基づく優先度を決定するルールを予め設定しておき、かかるルールに従って優先度を決定し、最も優先度の高い水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして選択してもよい。例えば、充填利便性情報の各項目の値に応じた点数を決定し、決定された全ての点数を合計して優先度とし、優先度、すなわち合計値が最も大きな水素ステーションを、水素ガスを充填する水素ステーションとして選択してもよい。
(C14)各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、走行可能距離取得部121、水素ステーション特定部122、経路設定部123、実行要求送信部124、要求充填量算出部125、情報取得部126、水素ステーション選択制御部127のうちの少なくとも1つの機能部を、集積回路、ディスクリート回路、またはそれらの回路を組み合わせたモジュールにより実現してもよい。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料電池車両、20…燃料電池、30…タンク、40…水素ガス供給路、41…主止弁、42…圧力センサ、43…レギュレータ、44…インジェクタ、50…制御装置、60…通信部、100…ナビゲーション装置、100a…ナビゲーション装置、110…制御部、120…CPU、121…走行可能距離取得部、122…水素ステーション特定部、123…経路設定部、124…実行要求送信部、125…要求充填量算出部、126…情報取得部、127…水素ステーション選択制御部、130…ROM、140…RAM、150…GNSS機能部、160…表示部、200…充填制御装置、210…主制御部、220…CPU、221…貯蔵量特定部、222…予約調整部、223…充填制御部、224…事前処理制御部、230…ROM、240…RAM、250…通信部、262…圧縮機、264…蓄圧器、266…ディスペンサ、270…プレクール装置、B1…選択ボタン、C1~C2…表示部、C21~C25…副表示部、G…目的地、RT1~RT2…経路、S…現在地、W1…水素ステーション選択画面、W11~W12…ステーション詳細ウィンドウ、r1~r7…道路、st1…第1水素ステーション、st2…第2水素ステーション、st3…第3水素ステーション

Claims (8)

  1. 水素ガスを燃料ガスとして用いる燃料電池を有する燃料電池車両に搭載されて用いられ、前記燃料電池車両の経路案内を実行するナビゲーション装置であって、
    前記燃料電池車両が水素ガスの補給無しで走行可能な距離である走行可能距離を、取得する走行可能距離取得部と、
    現在地から前記走行可能距離までの範囲である走行可能範囲内に存在する水素ステーションを特定する水素ステーション特定部と、
    現在地から目的地までの経路である目標経路を設定する経路設定部であって、予め定められた条件に従って設定された前記目標経路である第1経路の道のりが前記走行可能距離よりも長い場合には、前記目標経路を、特定された前記水素ステーションである特定水素ステーションを経由する経路であって前記第1経路とは異なる第2経路に変更する経路設定部と、
    前記特定水素ステーションに対して、前記燃料電池車両が有する水素ガス貯蔵部への水素ガスの充填のための事前処理の実行要求を、前記燃料電池車両に搭載された通信部を介して送信する実行要求送信部と、
    を備え
    前記特定水素ステーションは、冷凍機とブライン回路とを有するプレクール装置を備え、
    前記事前処理は、前記冷凍機および前記ブライン回路の起動を含む、ナビゲーション装置。
  2. 請求項1に記載のナビゲーション装置において、
    前記実行要求送信部は、前記特定水素ステーションに対して、前記事前処理の実行要求を送信する際に、水素ガスの要求充填量に関する情報を送信する、ナビゲーション装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、
    前記走行可能範囲内に複数の前記特定水素ステーションが特定された場合に、前記通信部を介して、各前記特定水素ステーションから水素ガスの充填状況に関連する充填状況関連情報を取得する情報取得部と、
    前記充填状況関連情報を、各前記特定水素ステーションと対応付けて表示部に表示させると共に、各前記特定水素ステーションのうちの水素ガスの充填を行う水素ステーションの選択操作を受け付ける水素ステーション選択制御部と、
    を更に備える、ナビゲーション装置。
  4. 請求項3に記載のナビゲーション装置において、
    前記充填状況関連情報は、水素ガスの充填の利便性を示す情報である充填利便性情報であって、予想待ち時間に関する情報と、充填可能な水素ガス量に関する情報と、のうちの少なくとも一方を含む充填利便性情報を含む、ナビゲーション装置。
  5. 請求項4に記載のナビゲーション装置において、
    前記予想待ち時間に関する情報は、既になされている予約件数と、前記特定水素ステーションの営業時間と、のうちの少なくとも一方を含む、ナビゲーション装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載のナビゲーション装置において、
    前記充填可能な水素ガス量に関する情報は、前記特定水素ステーションにおける現在の水素ガスの貯蔵量である現在貯蔵量と、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量である予約推定充填量を前記現在貯蔵量から差し引いて得られる水素ガス量と、のうちの少なくとも一方を示す情報を含む、ナビゲーション装置。
  7. 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
    前記実行要求送信部は、各前記特定水素ステーションに対して、前記事前処理の実行要求を送信する際に、該特定水素ステーションへの前記燃料電池車両の到着予定時刻を通知し、
    前記充填可能な水素ガス量に関する情報は、前記特定水素ステーションにおける現在の水素ガスの貯蔵量である現在貯蔵量から、既になされている予約により充填されると推定される水素ガス量と、前記到着予定時刻までに予約無しで充填されると推定される水素ガス量と、を差し引いた水素ガス量を示す情報を含む、ナビゲーション装置。
  8. 水素ガスを燃料ガスとして用いる燃料電池を有する燃料電池車両の経路案内方法であって、
    前記燃料電池車両が水素ガスの補給無しで走行可能な距離である走行可能距離を、取得する工程と、
    現在地から前記走行可能距離までの範囲である走行可能範囲内に存在する水素ステーションを特定する工程と、
    現在地から目的地までの経路である目標経路を設定する工程であって、予め定められた条件に従って設定された前記目標経路である第1経路の道のりが前記走行可能距離よりも長い場合には、前記目標経路を、特定された前記水素ステーションである特定水素ステーションを経由する経路であって前記第1経路とは異なる第2経路に変更する工程と、
    前記特定水素ステーションに対して、前記燃料電池車両が有する水素ガス貯蔵部への水素ガスの充填のための事前処理の実行要求を、前記燃料電池車両に搭載された通信部を介して送信する工程と、
    を備え
    前記特定水素ステーションは、冷凍機とブライン回路とを有するプレクール装置を備え、
    前記事前処理は、前記冷凍機および前記ブライン回路の起動を含む、経路案内方法。
JP2020000341A 2020-01-06 2020-01-06 ナビゲーション装置および経路案内方法 Active JP7272280B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020000341A JP7272280B2 (ja) 2020-01-06 2020-01-06 ナビゲーション装置および経路案内方法
US17/134,939 US20210207970A1 (en) 2020-01-06 2020-12-28 Navigation device and route guidance method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020000341A JP7272280B2 (ja) 2020-01-06 2020-01-06 ナビゲーション装置および経路案内方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021110547A JP2021110547A (ja) 2021-08-02
JP7272280B2 true JP7272280B2 (ja) 2023-05-12

Family

ID=76654918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020000341A Active JP7272280B2 (ja) 2020-01-06 2020-01-06 ナビゲーション装置および経路案内方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20210207970A1 (ja)
JP (1) JP7272280B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113780687A (zh) * 2021-11-09 2021-12-10 氢山科技有限公司 基于能源存量确定加氢站的方法和装置
CN116518298B (zh) * 2023-06-29 2023-10-10 浙江大学 一种基于低温高压分级储氢的加氢站及其氢气加注方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004151053A (ja) 2002-11-01 2004-05-27 Suzuki Motor Corp 車両用ナビゲーションシステム
JP2006148699A (ja) 2004-11-22 2006-06-08 Honda Motor Co Ltd 移動体の通信装置及び管理装置
JP2016176592A (ja) 2015-03-23 2016-10-06 株式会社日立プラントメカニクス 水素プレクールシステム
JP2017096497A (ja) 2015-11-18 2017-06-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 エネルギー源供給システムの制御方法およびエネルギー源供給システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011017406A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Toyota Motor Corp 水素充填システム、水素充填方法、移動体、および水素充填装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004151053A (ja) 2002-11-01 2004-05-27 Suzuki Motor Corp 車両用ナビゲーションシステム
JP2006148699A (ja) 2004-11-22 2006-06-08 Honda Motor Co Ltd 移動体の通信装置及び管理装置
JP2016176592A (ja) 2015-03-23 2016-10-06 株式会社日立プラントメカニクス 水素プレクールシステム
JP2017096497A (ja) 2015-11-18 2017-06-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 エネルギー源供給システムの制御方法およびエネルギー源供給システム

Also Published As

Publication number Publication date
US20210207970A1 (en) 2021-07-08
JP2021110547A (ja) 2021-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2678151C1 (ru) Система расчета достижимого пробега и способ расчета достижимого пробега для транспортного средства
US10518661B2 (en) Information processing system, information processing method, and non-transitory computer readable medium storing program
US11333513B2 (en) Route searching apparatus and battery information managing apparatus
RU2698946C2 (ru) Система транспортного средства и способ согласования заправки (варианты)
EP2378250B1 (en) Route guidance apparatus, route guidance method and computer program
JP7272280B2 (ja) ナビゲーション装置および経路案内方法
CN105960573B (zh) 车辆信息提供装置
JP5928320B2 (ja) 電気自動車向けナビゲーションシステム
WO2012081520A1 (ja) 電気自動車の充電予約方法および充電予約装置
CN109155016A (zh) 用于对电动车辆充电的方法和设备
CN109195828A (zh) 用于对电动车辆充电的方法和设备
CN111256715A (zh) 对自主车辆的机会性加燃料
JP7068852B2 (ja) 車両選択装置および方法
JP7318525B2 (ja) 水素補給車の移動計画立案システムおよび移動計画立案方法
CN111886620A (zh) 调度车辆管理装置和调度车辆管理方法
JP7035927B2 (ja) 候補ステーション提示システム
JP2002315111A (ja) リフォーマ設置水素ステーションの運用方法
US20230258300A1 (en) Method for preparing to refuel a vehicle
JP2019175507A (ja) 車両の走行可能距離算出システムおよび走行可能距離算出方法
US20220146274A1 (en) Navigation device
JP6088092B1 (ja) 燃費計算システム
JPH1114381A (ja) ナビゲーション装置
JP2014085272A (ja) 充電器管理システム、充電器管理用プログラム
JP2019178926A (ja) 経路探索システム
CN109426988B (zh) 补充推荐系统和补充推荐方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230410

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7272280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151