以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
(第1実施形態)
本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザがバスに乗車する前に、乗車する停留所、降車する停留所及び乗車しようとする路線に関する情報のうち少なくとも1つをわかりやすく出力しようとするものである。なお、以下の説明において、バスとは、一般的に道路を運行し、所定のバス停留所(駅)等で顧客が乗降できる交通機関のことを言い、所謂路線バスの他に、路面電車やその他の将来的に同等の運行を行う交通機関のことも含む概念である。また、以下の説明においてバス停留所のことを単に「停留所」と記載する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能を示すブロック図である。この図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3と、を備えて構成される。端末装置2とサーバ3とは、ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。端末装置2とサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現可能である。ネットワーク4は、例えば、インターネット回線であり、有線回線及び無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態、及び、通信の形式は問わない。
端末装置2は、ユーザが使用する装置であり、例えば、携帯電話、スマートホン、パソコン、タブレット端末等の情報処理端末である。この端末装置2は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、を備えている。
制御部21は、停留所情報受付部211と、経路情報受付部212と、情報出力部213と、を備え、端末装置2の制御を行う。なお、制御部21の各部は端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行してソフトウェアによる処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであってもよいし、実装されているハードウェア自身により実現されるものであってもよい。また、上記の制御には限られず、端末装置2の制御を行う他の機能を有する部を備えていてもよい。
停留所情報受付部211は、ユーザから、基準となる停留所である基準停留所に関する情報の入力及び指定を受け付ける手段として機能する。基準停留所は、例えば、端末装置2の表示部25に表示されている地図上の複数の停留所のうち、基準となる停留所のことをいう。例えば、基準停留所は、ユーザがタップやクリックにより指定した停留所である。
別の例として、基準停留所は、ユーザの現在地に一番近い停留所であってもよいし、ユーザが指定した条件に合致する停留所であってもよい。ユーザが指定した条件とは、例えば、徒歩で10分圏内というような条件である。また、ユーザが目的地を条件として指定して、当該目的地まで直通で行けるバス路線、又は、乗換回数が他のバス路線よりも少ない回数で行けるバス路線に乗車することのできる停留所から探索されるようにしてもよい。
また、停留所情報受付部211は、基準停留所のみならず、目的地である停留所や、経由地である停留所をユーザから受け付ける手段として機能してもよい。ユーザは、端末装置2の操作部24、又は、端末装置2に接続されている入力装置を介して停留所の場所や名称等、停留所に関する情報を入力する。目的地となる停留所に関する情報は、目的地を特定可能な情報であればよく、停留所名や停留所の場所には限られず、例えば、住所、建物、電話番号、会社、病院、公園、店舗、屋号、行楽地、地域、ランドマークとなるもの等、地点を特定できる情報であればよい。
経路情報受付部212は、ユーザにより乗車するバス路線、又は、情報を知りたいバス路線が操作部24等を介して入力された場合に、ユーザが選択したバス路線に関する情報を受け付ける。ユーザは、例えば、表示部25に表示されたバス路線のうち、自分が知りたいと思うバス路線についてタップやクリック等の操作を行うことにより路線を選択する。選択された路線は、経路情報受付部212により、端末装置2に受付される。
この場合、表示部25に表示されている路線情報は、停留所情報受付部211により受け付けられた基準停留所においてバスに乗降できる路線について他の路線と区別し得る態様で表示するようにしてもよい。他の路線を表示しない場合においても、地図上で基準停留所においてバスに乗降できる路線をユーザが認識可能である程度に道路等と区別し得る態様で表示するようにしてもよい。また、経路情報受付部212は、ユーザが明示的に選択した場合のみならず、例えば、端末装置2の記憶部23に記憶されている当該ユーザの過去の探索履歴や、ユーザに関する情報に基づいて経路情報を受け付けてもよい。さらには、端末装置2内の図示しないGPS(Global Positioning System)等の位置検出手段により検出された位置若しくは当該位置の遷移情報に基づいて経路情報を受け付けるようにしてもよい。
情報出力部213は、サーバ3から出力された情報に基づいて、表示部25へと情報を出力する。より具体的には、サーバ3から受信した情報等を映像信号や文字信号に変換して表示部25へと出力する。なお、情報出力部213は、情報を音声信号に変換してスピーカー等を介して出力するようにしてもよい。
通信部22は、ネットワーク4を介して制御部21とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。記憶部23は、制御部21が動作するためのプログラムや制御部21が取り扱うデータ、例えば、基準停留所情報やユーザデータ、その他経路データ等を記憶する。操作部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン等である。表示部25は、液晶ディスプレイ等の映像表示手段であり、端末装置2からユーザへ様々な情報を出力する。なお、操作部24がタッチパネルである場合には、操作部24が表示部25を兼ねていてもよい。
サーバ3は、ユーザからの入力に基づいて探索を行う装置であり、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、を備えている。
制御部31は、バス路線情報探索部311と、基準停留所決定部312と、利用路線候補特定部313と、を備え、サーバ3の制御を行う。なお、制御部31の各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行してソフトウェアによる処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであってもよいし、実装されているハードウェア自身により実現されるものであってもよい。また、上記の制御に限られず、サーバ3を制御する他の部を備えていてもよい。
バス路線情報探索部311は、位置情報に基づいてバス路線の情報を探索する。位置情報は、ユーザにより入力されたものであってもよいし、図示しない端末装置2内のGPS等の測位システムにより測位されたものであってもよいし、又は、ユーザの過去の探索履歴等のユーザに関する情報から取得するものであってもよい。バス路線情報探索部311は、これらの位置情報から、当該位置の周辺の停留所及び当該停留所において利用することができるバス路線、又は、当該位置の周辺を通過するバス路線等、バス路線に関する情報を探索する。
このバス路線情報探索部311はさらに、探索した路線情報及び停留所情報を地図上に出力されるようにし、通信部33を介して当該情報を端末装置2へと送信し、端末装置2の表示部25において表示するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、端末装置2において測位された位置情報に基づき、端末装置2の存在する位置周辺のバス路線情報が表示部25から出力される。なお、以下の説明において、バス路線情報探索部311と、利用路線候補特定部313は、別のものとして説明しているが、利用路線候補特定部313がバス路線情報探索部311の機能を備えていてもよい。
基準停留所決定部312は、地図上に表示されている複数の停留所のうち基準となる停留所を決定する。例えば、操作部24を介して明示的にユーザに選択された停留所を、停留所情報受付部211を介して受け付けて基準停留所とする。別の例としては、測位された位置情報に基づき、端末装置2の存在する位置から最も近い停留所を自動的に、停留所情報受付部211を介して受け付けて基準停留所としてもよい。
基準停留所は、本実施形態において各種情報を探索し、又は、表示する場合において基準となる停留所である。例えば、この基準停留所において乗降できるバス路線が表示され、ユーザが明示的にバス路線を選択したり、端末装置2内の測位システムにより測位された位置に基づいてバス路線が自動的に選択されたりする。
また、地図上に表示する複数の停留所について、この基準停留所からバスを利用した場合に掛かる時間を出力するようにしてもよい。この表示する時間は、端末装置2の存在する位置から基準停留所までの徒歩時間を含めた時間でもよいし、徒歩時間を含まない時間(バスに乗車するであろう時間)であってもよい。これらの時間情報は、例えば、時刻表の情報に基づいて算出される。別の例としては、車両に搭載されているGPS等の情報により推定される情報、又は、表示するタイミングにおける交通情報等に基づいて算出される情報であってもよい。
利用路線候補特定部313は、基準停留所から利用する路線の候補である利用路線候補を特定する。例えば、操作部24を介して明示的にユーザに選択された路線情報等を、経路情報受付部212を介して受け付けて利用路線候補として特定する。別の例としては、測位された位置情報に基づき、当該位置情報の遷移により進行予定方向を推定して利用路線候補を特定するようにしてもよい。
これらの情報をまとめて端末装置2の表示部25に表示することにより、地図上に表示されている複数のバス路線から、ユーザが乗車しようとしているバス路線の情報を他のバス路線と識別可能な態様において表示することが可能となる。
記憶部32は、各種データを記憶するデータベースであり、経路データベース321を備える。記憶部32は、例えば、ハードディスク、不揮発性半導体メモリ(SSD等)などの任意の記憶装置により構成可能である。また、記憶部32は、図面においてはサーバ3内にあるものとしているが、制御部31とは別のデータベースサーバや、ファイルサーバとして独立したサーバとして情報処理システム1内に通信可能に接続された別の装置内に備えられているものであってもよい。
経路データベース321は、バス路線情報の探索を実行する際に使用するデータベースである。この経路データベース321は、バス路線の情報として、所定のバス事業者におけるバス路線情報のみを含むものであってもよいし、複数の事業者のバス路線の情報を備えているものであってもよい。複数の事業者のバス路線の情報を備えているものである場合は、一般的な経路情報探索と同じデータベースを用いることも可能である。一方、所定のバス事業者に限定したバス路線のみを含むものである場合には、所定のバス事業者向けのサービスを提供する際に、データの記憶容量の削減や、探索の高速化を図ることが可能である。
さらに、この経路データベース321には、バス路線の時刻表の情報等を備えていてもよい。これに加えて、経路データベース321は、地図情報データベースと、POI(Point of Interest)情報データベースのうち少なくとも1つをさらに備えていてもよい。
地図情報データベースやPOI情報データベースは、経路データベース321とは別の格納場所に格納されるようにしてもよい。地図情報データベースは、表示用、或いは、例えば、フリーワード検索やカテゴリ検索といった地点検索用に用いられる。
通信部33は、端末装置2から出力された目的地についての情報を受信し、制御部31において取得された情報を端末装置2へと出力する。制御部31において取得された情報とは、少なくともバス路線又は停留所の情報を含む情報であり、他に、停留所周辺の情報等が含まれる情報であってもよい。
次に、本実施形態に係る端末装置2の表示例について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理システム1における端末装置2の表示部25に表示される地図の一例を示す図である。この図2に示すように、表示部25内には、地図表示領域250が備えられている。
地図表示領域250内において、白丸は、停留所を示し、停留所同士を地図上に示された道路に沿って繋ぐ実線が、各バス路線を示す。このように、地図表示領域250内において、地図上に停留所及びバス路線が併せて表示される。
図2において、中央にある二重丸で示される停留所が基準停留所である。地図上には、この基準停留所を基準として、当該停留所から利用可能なバス路線が他のバス路線及び道路等と区別できるように表示される。さらに、図2においては、これらのバス路線で利用可能な停留所への基準停留所から掛かる時間を出力している。この時間表記は、例えば、バスの出発時刻を参照せずに、平均的に掛かる時間として、平均探索を行った結果取得される時間を表示する。
この図2においては、例えば、バス路線50A、50B、50C、50Dが基準停留所A3(=B3、C1)に停車し、この基準停留所A3においてこれらのバス路線に乗車することができる。基準停留所A3から、例えば、停留所A1までは13分掛かり、停留所C4までは10分掛かることが地図上の表示から読み取ることが可能となる。
そして、利用可能ではないバス路線についても、地図上に表示されてもよい。しかしながら、利用可能であるバス路線を表示する場合は、利用可能ではないバス路線と比較して識別可能な態様で表示されるため、あるバス路線が、基準停留所A3において利用可能であるか否かが地図に示された路線図から読み取ることは、容易である。
例えば、バス路線51Eの停留所E10乃至E14の各停留所には、基準停留所A3から乗り換えずには行けないことがこの地図表示領域250に示された地図から読み取ることができる。同様に、バス路線51Fの停留所F2~F6のように、基準停留所において乗降可能であるバス路線において乗降可能ではない停留所、すなわち、基準停留所を通るバス路線以外のバス路線の停留所の情報も出力されるようにしてもよい。また、基準停留所からは直接利用可能ではない複数の各種路線51も表示しておいてもよい。
なお、図2においては、地図表示領域250の他に、検索条件入力領域251と、検索ボタン252とを備えていてもよい。検索条件入力領域251は、例えば、基準停留所を変更したい場合、又は、別の地域のバス路線について調べたい場合に、地名やPOI等の位置に関連する情報を入力し、検索ボタン252を選択することにより別の地域の情報を地図上に表示する。別の例として、各路線51(基準停留所から直接利用可能ではない路線)は、出力しないようにしてもよい。このようにすると、基準停留所を通るバス路線がよりわかりやすく地図内において他のものと区別し得る態様で表示される。
また、図2においては、地図表示領域250の周りに表示部25における空白部分が存在するが、これには限られない。すなわち、表示部25の表示部分いっぱいに地図を表示するようにしてもよい。例えば、操作部24が表示部25を兼ねている場合、表示部25の表示領域の上部外側から内側へとフリック操作を行うことにより、検索条件入力領域251等を画面上に表示するようにしてもよい。フリック操作に限らず、画面の上部をタップ又はクリックすることにより同様に表示させてもよい。その他、一般的に行われている操作により、これらの動作を行うようにしてもよい。また、表示部25に表示する情報はこれらの情報のみには拘わらず、例えば、基準停留所における各バス路線の時刻表等を表示させるように端末装置2又はサーバ3に要求を出すようなボタン等を配置してもよい。
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の処理について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、停留所情報受付部211は、表示部25に表示する停留所及びバス路線の情報を受け付ける(ステップS10)。停留所情報の受け付けは、表示部25において表示する地図の位置や当該地図上に出力する停留所及びバス路線を特定するために必要となる。この情報は、例えば、端末装置2の測位システムによる位置情報やユーザの入力による位置情報に基づいて決定される。他の例としては、当該端末装置2における検索履歴、又は、当該ユーザの属性や検索履歴の情報に基づいていてもよい。
次に、端末装置2は、通信部22を介して停留所情報受付部211が受け付けた停留所に関する情報をサーバ3へと送信する(ステップS11)。なお、ステップS10において、位置情報を受け付けた場合には、当該位置情報をサーバ3に送信するようにしてもよい。列車の駅と比較すると、バスの停留所の数は多く、また、同じ名称のバス停も多く存在するため、ユーザが望む情報に関する停留所の名称を知らない場合が考えられるためである。また、サーバ3において停留所の探索を行う場合に、停留所の名称のみからでは、どこの停留所か判断するのが困難になる可能性があるためである。
次に、端末装置2から停留所情報を受信したサーバ3のバス路線情報探索部311は、受信した停留所情報からユーザが指定した停留所を探索する(ステップS20)。この探索においては、例えば、経路データベース321の情報を用いる。また、停留所情報として位置情報等、他の情報を受信した場合には、図示しない地図情報データベースやPOI情報データベースを用いて停留所を探索するようにしてもよい。
次に、基準停留所決定部312は、バス路線情報探索部311が探索した停留所を基準停留所として決定する(ステップS21)。
次に、バス路線情報探索部311は、基準停留所の周辺のバス路線を探索する(ステップS22)。このタイミングにおいて、バス路線の情報とともに、基準停留所の周辺にある停留所の探索を行ってもよい。
次に、利用路線候補特定部313は、探索されたバス路線のうち、基準停留所において乗車することが可能なバス路線を利用可能路線候補として特定する(ステップS23)。なお、このステップS23と、前のステップS22は、順番を入れ替えてもよい。さらに、ステップS21においてバス路線情報探索部311に、ステップS22、S23において探索すべき情報を全て取得しておき、基準停留所決定部312及び利用路線候補特定部313がそれぞれ基準停留所の決定と、利用路線候補の特定とを、バス路線情報探索部311が探索した結果を用いて実行するようにしてもよい。
次に、サーバ3は、上記のステップS21からステップS23において取得した情報を端末装置2へと送信する(ステップS24)。
各種情報を取得した端末装置2は、情報出力部213において出力する情報を表示用に編集した後、表示部25から情報を出力する(ステップS12)。出力する情報は、上述した図2に示すように、例えば、地図の中央付近に基準停留所を配置し、周辺のバス路線の情報を地図上の道路に沿って表示する。バス路線の情報には、当該バス路線が通る停留所の情報を併せて出力する。そして、利用路線候補であるバス路線は、利用路線候補ではないバス路線とは識別可能な態様において出力される。
識別可能な態様とは、例えば、利用可能路線候補のバス路線は、実線で表示し、他のバス路線は、破線で表示してもよい。利用可能路線候補のバス路線は、色別で表示し、他のバス路線は、黒又はグレー等の目立たない色で表示してもよい。この場合、利用可能路線候補が複数存在する場合には、それぞれのバス路線を色分けしてもよい。また、利用可能路線候補は、太線で表し、利用可能路線候補ではないバス路線を細線で表すようにしてもよい。さらには、利用可能路線候補を点滅して出力するようにしてもよい。このように識別可能な態様とは、様々な形態があるが、上記に限られるものではなく、ユーザが区別し得る形態であれば他の出力方法であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザ(端末装置2)の位置情報及び/又はユーザが入力した停留所の情報に基づき、バスの乗車前に、当該停留所から乗車できるバス路線を、他のバス路線とは区別できるように出力することが可能となり、ユーザビリティを向上することができる。また、基準停留所からの平均的な所要時間も把握することが可能であるので、時間の調整や、いずれのバス路線を選択するかの指標とすることもできる。
また、本実施形態によれば、ユーザが基準停留所から行きたいと望んでいる停留所へ行けるか否かを明示的に認識することが可能となる。従来のように、停留所及びバス路線のみを出力すると、例えば、停留所A3から停留所E10等の停留所には、乗換なしで行けるように錯覚することもある。また、停留所同士のつながりが分かりづらいので、そもそもどの路線に乗ればよいのかが不明であることがある。本実施形態によれば、このような不便さを解消することができる。
なお、上記の説明においては、基準停留所からの平均所要時間を各停留所の情報とともに出力するようにしたが、これには限られない。すなわち、所要時間情報を出力しないようにし、地図上においてバス路線の情報(例えば、経路や行き先等)をよりわかりやすく出力するようにしてもよい。これらの表示処理は、ユーザ又はシステムにより明示的に切り替えられるようにしてもよい。また、初期状態としては、ユーザ(端末装置2)の位置に基づいて、基準停留所及び利用路線候補を取得して表示しておき、その後、ユーザが基準停留所の情報を入力することにより、基準停留所の更新が可能、又は、利用路線候補の情報を更新が可能であるようにしてもよい。別の例としては、基準停留所の情報のみならず、ユーザが利用路線候補の情報を入力することにより、利用路線候補の情報の更新が可能であるようにしてもよい。
(第2実施形態)
前述の第1実施形態では、基準停留所及び利用路線候補をわかりやすく表示することを説明したが、本実施形態ではさらに、ユーザの移動又はユーザの指定により基準停留所を自動又は手動で変更し、さらにユーザビリティを高めようとするものである。
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、前述した第1実施形態におけるステップS12までの地図上への各種情報出力処理の後に行われる処理である。
まず、停留所情報受付部211は、基準停留所情報を受け付ける(ステップS13)。基準停留所情報の受付は、ユーザが操作部24を介して手動で入力したものを受け付ける。他の例としては、端末装置2内の測位システムが測位した位置情報や、記憶部23、32に記憶されている情報に基づいて基準停留所情報を受け付けてもよい。
この情報は、第1実施形態と同様に、停留所の名称を受け付けることには限られず、出発地の名称等の情報、経度緯度の位置情報等、その他の情報であってもよい。例えば、測位システムを用いる場合には、端末装置2を所持しているユーザが徒歩で移動している際に、移動した先でユーザが更新指示を出して受け付けるようにしてもよいし、当該移動に併せて自動的に更新させて受け付けるようにしてもよい。ユーザが明示的に指定をする際には、ユーザが停留所の名称を入力することには限られず、そのタイミングにおいて表示されている地図上の停留所を選択するようにしてもよい。
次に、停留所情報受付部211は、通信部22を介してサーバ3へ受け付けた停留所の情報を送信する(ステップS13)。送信する情報は、受け付けた情報であっても、受け付けた情報を端末装置2において編集した情報であってもよい。例えば、ユーザが地図上の停留所を指定した場合には、当該停留所の名称であってもよいし、対応するID情報であってもよい。例えば、測位システムの情報を送信する場合には、端末装置2において地図上に表示されている範囲でその位置に近い停留所の情報を送信してもよいし、測位した位置情報自体をサーバ3に送信してもよい。
次に、基準停留所情報を受信した基準停留所決定部312は、基準停留所を探索する(ステップS25)。なお、地図上に出力されている停留所がユーザのタップ又はクリック等の操作により手動で受け付けられた場合、その情報を基準停留所情報とすればよいため、ステップS25は省略してもよい。
次に、基準停留所決定部312は、基準停留所の決定をし(ステップS21)、その後、各種情報を送信(ステップS24)するまでは、前述した実施形態におけるサーバ3の処理と同様である。また、サーバ3から情報を受信した端末装置2における出力処理(ステップS15)についても、前述した実施形態における端末装置2の処理と同様である。
図5は、本実施形態において基準停留所が変更された場合における出力の一例を示す図である。図2の状態において、例えば、基準停留所としてA4が選択された場合、図5の用に表示部25の地図表示領域250の表示が更新される。
例えば、停留所A5までの所要時間は、7分から4分へと更新され、停留所B5までの所要時間は、8分から5分へと変更される。一方で、逆方向に関しては、元の基準停留所A3までの所要時間が3分と表示され、停留所A2までの所要時間が6分から9分へと更新される。
停留所A3からは利用可能路線候補であったバス路線50C、及び、利用可能なバス路線で到達することが可能であった停留所C2、C3、C4は、停留所A4から利用可能路線候補ではなくなるので、利用可能路線候補とは区別され、例えば、細線へと更新され、各停留所C2、C3、C4に記載されていた所要時間情報は消去される。
図5においては、利用可能路線候補が利用可能路線候補では無くなる場合について説明したが、これとは反対に、利用可能路線候補ではなかったバス路線が利用可能路線候補となることもある。例えば、図2において、停留所B1が基準停留所として選択されると、利用可能路線候補ではなかったバス路線51Fが利用可能路線候補となり、このバス路線51Cが、例えば、太線として表示され、各停留所F1、・・・、F6に、基準停留所B1からの所要時間が表示される。
以上のように、本実施形態によっても、ユーザ(端末装置2)の位置情報に基づく停留所又はユーザが入力した停留所の情報に基づき、バスの乗車前に、当該停留所から乗車できるバス路線を、他のバス路線とは区別できるように出力することが可能となる。さらに、ユーザが明示的に基準停留所を選択すること、又は、端末装置2が測位した位置情報により自動的に基準停留所を変更することが可能であるため、よりユーザビリティを高めることができる。
(第3実施形態)
前述した各実施形態においては、測位システムにより測位された位置情報又はユーザが明示的に選択した情報から基準停留所が決定される情報処理システム1について説明したが、本実施形態に係る情報処理システム1は、上述した実施形態とは異なる方法で基準停留所を位置情報から決定するものである。
図6は、本実施形態に係る情報処理システム1における端末装置2の表示部25に表示されている地図の一例を示すものである。なお、ユーザの位置及び矢印60は、地図表示領域250に表示されていてもよいが、必ずしも表示される必要は無い。
例えば、地図上において、ユーザの位置が矢印60の方向に動いているとする。この図において停留所B2と、停留所B3(A3)との間にユーザがいるため、例えば、前述の実施形態においては、停留所B2と停留所B3のうち、近い方の停留所が基準停留所として決定される。
本実施形態に係る情報処理システム1においては、ユーザの動いている方向を示す矢印60の向かっている方向の停留所を基準停留所として決定する。例えば、図6のように、ユーザが停留所B2方面から停留所B3方面へと進行している場合には、停留所B3を基準停留所として決定する。
さらに、本実施形態においては、ユーザが乗車しようとするバス路線の進行方向を併せて推定してもよい。すなわち、ユーザは、停留所B2、B3の間を、停留所B3へと向かって進行しているため、停留所B3から停留所B2へと向かう方向のバスに乗るよりは、停留所B3から停留所A4方向に向かうバスへと乗るという期待値が高くなる。
このような場合に、情報処理システム1は、基準停留所を停留所B3として設定するのみならず、ユーザが行く方向では無いと推定される停留所B1、B2の時間表示を消すようにしてもよい。この場合、図6に示すように、停留所B3からは同じ方向にある、停留所A1、A2の時間表示を併せて消すようにしてもよい。別の例としては、バス路線50B沿いにユーザが進んでいるので、停留所B1、B2の時間表示を消す一方で、バス路線50Bとは関係の無い停留所A1、A2に係る時間表示は消さないようにしてもよい。
このように、ユーザが乗車するであろうバス路線の方向を推定して基準停留所を決定し、さらに、当該方向と逆方向についての停留所の時間表示を消去するようにしてもよい。このようにすることにより、時間表示を進行方向に限定することが可能となり、視認性を向上することができる。
図7は、本実施形態の別の例を示す図である。前述の実施形態に係る情報処理システム1の処理に基づいて、停留所A3が基準停留所として決定されたとする。基準停留所が決定された時点で、制御部21は、表示部25の地図表示領域250内に、各バス路線のいずれの路線を選ぶかの選択肢を出力するようにしてもよい。
例えば、図7においては、矢印61、62、63、64が選択し得る形態に表示される。ユーザは、これらの矢印のうちいずれかを選択することにより、操作部24を介して自らの進行方向を経路情報受付部212へと通知する。そして、経路情報受付部212は、選択されたバス路線の当該選択された方向を進行方向として受け付け、情報出力部213は、バス路線における当該進行方向にある停留所に関する所要時間情報を表示部25へと表示するようにしてもよい。
この場合、基準停留所が決定されたタイミングにおいて利用路線候補の全てのバス路線について時間表示をするようにし、選択された後に、選択されたバス路線以外の時間表示を消去するようにしてもよい。
また、基準停留所が決定されたタイミングにおいては利用路線候補の全てのバス路線について時間表示がされておらず、選択された後に、選択されたバス路線以外の時間を表示するようにしてもよい。
いずれの場合においても、例えば、矢印63が選択されたとすると、バス路線50A、50Bの停留所A3、B3から停留所A4、B4へと向かう方向の時間表示を表示させ、他の停留所に関する時間表示を消去する。すなわち、この場合、停留所A4、A5、B5、B6、・・・、B11の時間表示がされ、他の停留所の時間表示が消去される。
図2のような広域の地図の場合、バス路線50Aと同じ方向にあるバス路線50Dの停留所である停留所D8、D9の時間表示をするようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザは、利用路線候補のバス路線から自らが乗車しようとする、又は、情報を知りたいと思っているバス路線を選択するのみならず、当該バス路線の方向を選択することが可能となり、より知りたい情報だけを画面上に表示することが可能となる。
なお、本実施形態における別の例としては、例えば、ユーザがバス路線の路線表示を選択するようにしてもよいし、行きたい方向にフリックやドラッグによりバス路線及び当該バス路線の方向を指定するようにしてもよい。
図8は、本実施形態のさらに別の例を示す図である。端末装置2に搭載されている測位システムの精度によっては、より正確にユーザの位置の遷移からユーザの乗車したいバス路線の進行方向を得ることができる可能性がある。
図8は、車道80と、歩行帯81、82を備える道路の概略を示す図である。例えば、停留所A3の周辺で図8のような状態であったとする。この図8のように、ユーザが歩行帯81を矢印60の方向に進行している場合を考える。この場合、本実施形態の上述した例によると、情報処理システム1は、進行方向71の方向のバスに乗車したいと推定する。
しかしながら、ユーザが歩行帯81にいることから、そのような方向に進みたいのか否かは不明である。この例においては、歩行帯81をユーザが進行している場合、その進行方向に拘わらず、ユーザは、進行方向70のバスに乗車したいという処理に基づき、バス路線の進行方向を推定する。
すなわち、この例においては、ユーザの進行方向ではなく、ユーザがいる歩行帯にある停留所におけるバスの進行方向が、ユーザが乗車したい進行方向のバスであると推定する。特に、バス停が近くにある場合に、ユーザは、歩行帯を選択して歩いている可能性が高く、このような場合にユーザにより望んでいる情報を提供することが可能となる。
この例は、ユーザが歩いている歩行帯の情報だけではなく、ユーザが横切った車道の情報に基づいてもよい。例えば、ユーザが停留所の周辺で横断歩道や歩道橋により車道を横切った場合、ユーザは移動した先の歩行帯にある停留所からバスに乗車しようとしている場合が多い。このような車道の横断を測位システムにより検知して、ユーザが乗車しようとしているバスの進行方向を推定してもよい。
推定した後は、本実施形態の別の例と同様に、基準停留所から推定した方向に基づいたバス路線における停留所の時間情報を出力するようにする。
このようにすることにより、ユーザの位置の遷移情報からユーザの行きたい方向を推定し時間表示をすることにより、ユーザが明示的に進行方向を選択しない場合においてもユーザが行きたいであろう方向の停留所の情報を出力することが可能となる。
なお、本実施形態で示した図6から図8の例は、単独で使用することには限られない。例えば、基準停留所が決定するまでは、図6の例に基づいていて、基準停留所にある程度近づいた後、例えば、基準停留所までの距離が所定の距離、例えば、100mとなった場合に、図8の例に基づいてバスの進行方向を推定するようにしてもよい。
また、これには限られず、ユーザやシステムによりどのような方法で進行方向を推定するかを選択しておいてもよい。ユーザが選択する場合には、アプリケーションをインストールしたタイミングに選択され、又は、任意のタイミングで設定を変更されるようにしてもよい。
さらに、上記には限られず、例えば、バス路線を選択するとリストとして行き先が表示されるようにしておき、当該リストから選択された進行方向にしたがってバス路線又は所要時間の表示をするようにしてもよい。
(第4実施形態)
前述の各実施形態においては、各停留所に表示される所要時間は特に指定が無い限り平均所要時間とするものであったが、本実施形態に係る情報処理システム1は、よりユーザの知りたい所要時間情報を出力しようとするものである。
図9(a)乃至図9(c)は、本実施形態に係る停留所A3周辺の出力状態を示す図である。
図9(a)の例は、バスの待ち時間を考慮して時間表示をしたものである。例えば、現在時刻に対して、バスが基準停留所である停留所A3に到着する時刻に基づいて、各停留所までの所要時間を示すものである。例えば、図2等と比較して停留所A3において次のバスが到着するのが3分後である場合、停留所A4、A5、B5、・・・に到着する時刻をそれぞれ3分間増加して表示する。
このように、平均探索を行った結果ではなく、現在時刻に基づいた時刻表の探索を行った結果に基づいて所要時間表示をするようにしてもよい。
図9(b)の例は、バス路線に基づいて時刻表探索を行い、所要時間を表示したものである。例えば、バス路線50Bを運行するバスは、すぐに基準停留所に到着し、それより5分遅れてバス路線50Aを運行するバスが基準停留所に到着するものとする。この場合、バス路線50A、50Bの各停留所までの所要時間として、これらの到着時間の相違を各停留所までの所要時間表示に反映するものである。
図9(b)の例においては、停留所A4、B4までは、バス路線50Bで到達することが可能であるので、所要時間は3分であり、同様に、バス路線50Bの停留所B5には、図2と変わらず、8分で到着するように表示される。
一方で、停留所A5には、バス路線50Bに係るバスは到達せず、バス路線50Aに係るバスが基準停留所に到着する時刻を考慮しなければならない。この場合、停留所A5には、図2と比較すると、5分遅れた表示が出力される。
このように、バス路線毎に、現在時刻に基づいた時刻表の探索を行った結果に基づいて所要時間表示をするようにしてもよい。
図9(c)の例は、バス路線における停留所に限られず、バス路線沿線のPOIまでの情報を出力するものである。例えば、ユーザが停留所A5から徒歩3分の○○中学校までの所要時間を表示するように指定した場合、このように表示する。基準停留所から停留所A5までの所要時間は7分であるので、○○中学校までの所要時間は10分と表示される。ユーザが指定する場合には限られず、ランドマーク等までの所要時間をこのように表示させてもよい。
また、表示する所要時間は、ユーザの過去の検索状況や、ユーザの属性(年齢や性別等)の情報に基づいて、POIを情報処理システム1が選択して表示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、平均所要時間情報ではなく、現在時刻においてユーザが望んでいる情報である実際の推定所要時間を出力することが可能となる。また、図9(a)乃至図9(c)の出力は、単独でなされる場合に限られず、複数の条件に基づいて出力するようにしてもよい。例えば、基準停留所における各バス路線の待ち時間を考慮して所要時間表示をするようにしてもよいし、POIまでの所要時間を表示するようにしてもよい。
さらに、本実施形態には、現在時刻に限られず、ユーザが時刻を設定できるようにしてもよい。ユーザが時刻を設定した場合、当該時刻における待ち時間等を考慮した所要時間を表示するようにしてもよい。このように、利用路線候補の直近の出発時刻に限られず、ユーザが入力した出発時刻に基づいて所要時間を出力することもできる。
また、現在位置からの基準停留所までの移動時間を含めて所要時間表示をするようにしてもよい。この場合、現在位置から基準停留所までの移動時間は、地図情報に基づき、又は、公共交通機関の経路のネットワーク情報である経路ネットワーク情報に基づき推定するようにしてもよい。
なお、上記のように、基準停留所からの所要時間を表示するだけには限られず、例えば、基準停留所をタップやクリックにより選択すると、基準停留所における利用路線候補の各バス路線について、直近の出発時刻情報を出力するようにしてもよい。このように出力することにより、ユーザは、出力された出発時刻情報に合わせて行動を行うことも可能となる。さらにこの場合、直近の出発時刻のみならず、直近の次のバス、あるいはさらに次のバス等の時刻をユーザの選択により出力するようにしてもよい。
また、上記においては、時刻表の探索からバスの位置を推定するものとしたがこれには限られない。すなわち、それぞれのバスに搭載されたGPSの情報や、それぞれの停留所においてバスが出発した情報に基づいて、バスの到着時刻を推定するようにしてもよい。
(第5実施形態)
前述した実施形態においては、探索は、平均探索や時刻表探索を行うものとしたが、さらに、日時情報等に基づいた情報を出力するようにしてもよい。ここで、日時情報とは、日時の情報はもちろん、曜日の情報であってもよい。
例えば、図9(a)のような表示をする場合に、時間情報として、始発のバスや、終発のバスを表示できるようにしてもよい。このように表示させることにより、ユーザが知りたい始発バスの情報や、終発バスの情報を適切に出力することが可能となる。これらの情報は、例えば、ユーザが明示的に始発バス、又は、終発バスの情報を出力するように選択した場合に出力される。
また、日時、季節や曜日により異なる経路を運行するバス路線や、停車する停留所が異なるバス路線についても対応するようにしてもよい。時刻表探索を行うことにより、これらの情報は探索することが可能であるので、適宜出力することが可能である。この情報は、例えば、バス路線の探索を行った当日の日時、曜日に基づいて出力するようにしてもよいし、ユーザが明示的に、所定の日時、曜日を指定した場合に、当該指定された日時、曜日にしたがった出力をするようにしてもよい。
これらの出力は、日時や曜日に基づいて、当該条件に合うような経路を通ることを表示する。また、当該バス経路において、特定の日時や曜日に停車する又は停車しない場合には、その停車状況を反映してもよい。この停車状況は、時刻表示に反映してもよい。
上述した日時、曜日の条件の他に、ユーザ属性、混雑情報、運行頻度情報及び遅延情報のうち少なくとも1つの情報に基づいて利用路線候補を決定するようにしてもよい。
ユーザ属性は、例えば、ユーザの年齢、性別、ユーザの過去の検索ログ、移動ログ等の情報であり、これらの情報から目的地を推定して利用路線候補を出力するようにしてもよい。また、ユーザがバリアフリーのバスを望んでいる場合には、バリアフリーのバスが運行されているバス路線を利用路線候補として決定してもよい。
混雑情報は、バス路線を運行しているバスの乗客の混雑情報である。この混雑情報は、例えば、ユーザからの投稿情報、バスの車体に搭載されたカメラにより撮影された情報、又は、バスの重さ等の情報に基づいて推定される。
ユーザからの投稿情報は、ユーザの主観により、バスの混雑度が判断されて投稿され、この投稿情報に基づいてサーバ3の制御部31が推定する。
カメラにより撮影された情報に基づく場合、カメラで撮影された画像を画像処理し、混雑情報を推定する。画像処理のアルゴリズム及び処理された画像からの混雑情報の推定アルゴリズムは、限定されるものではなく適切に推定されるものであれば構わない。
バスの重さ情報を用いる場合は、例えば、バスに搭載されている重量計により計測してもよく、又は、停留所や道路に計測器を埋め込み計測してもよい。計測結果から、例えば、大人1人の重さを60kg等として、バスに乗車している乗客の人数を推定し、混雑度を推定する。
これらの推定結果に基づいて、混雑度の高いバス路線を候補から外すようにして利用路線候補を決定してもよい。また、混雑情報に基づいてバス路線を出力する場合には、前後のバスにおける混雑度をも推定し、これらの混雑度を包括して利用路線候補を決定するようにしてもよい。例えば、あるバス路線において現時点で最も基準停留所の近くにいる車両の混雑度が非常に高い場合であっても、その次の車両の混雑度がそれほど高く無ければ利用路線候補として表示するようにしてもよい。この場合、ユーザの設定により、例えば、非常に混雑度の高い車両の情報を省いた所要時間を地図表示領域250に表示するようにしてもよい。
運行頻度情報は、基準停留所において乗車できるバス路線の運行頻度を示す情報であり、例えば、運行頻度が高いバス路線を利用路線候補として決定するようにしてもよい。
遅延情報は、事故や工事等により、道路が封鎖され、又は、道路の交通が制限され、バスの運行に遅延が生じている場合に、この遅延に関する情報である。この遅延情報に基づいて、例えば、大幅に遅延が生じているバス路線は、候補から外す等として、利用路線候補を決定するようにしてもよい。この他、道路の混雑情報に基づいて利用路線候補を決定するようにしてもよい。現時刻における道路の混雑情報に基づいて、又は、出発時刻が指定されている場合には当該出発時刻における過去のデータに基づいた道路の混雑情報を推定して当該推定結果に基づいて利用路線候補を決定するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、前述の実施形態と比較すると様々な場面において適切な情報を出力することが可能となり、ユーザビリティをさらに向上することが可能となる。
(第6実施形態)
前述した実施形態においては、表示する情報は、所要時間情報が主なものであったが、これには限られない。例えば、時刻表等のバス路線に関する情報を参照することにより、各利用路線候補のバス路線について、車両特性を表示するようにしてもよい。
車両特性とは、バス路線において運行されるバスの車両に関する特性のことであり、例えば、料金の支払い方法や、乗車方法に関する情報である。より具体的な例を記載すると、料金の支払いが前払いであるか、後払いであるか、乗車するのが前からであるか、後ろからであるか、又は、所謂ノンステップバスを含むバリアフリー対応車であるか否か、等の情報である。これらの情報を、利用可能路線を表示した際に併せて表示する。
この表示は、例えば、地図表示領域250内に利用路線候補を出力する際に、各バス路線の表示にマークを記載したり、又は、各バス路線を選択した際に上記の情報が表示されたりするようにしてもよい。また、別の方法としては、バス路線の表示の色を変更したり、地図表示領域250内に、各バス路線についてのリストを表示したりするようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、上述したように表示することにより、ユーザは、利用路線候補の各バス路線についての車両特性情報を知ることができ、バスの乗車前に様々な情報を取得することが可能となる。
(第7実施形態)
前述した各実施形態においては、利用路線候補及び利用路線候補に含まれるバス路線の各停留所における所要時間等の情報を表示するものであったが、停留所の位置関係は一般的に入り組んでおり、同じバス路線における同じ停留所であっても上りと下り等、進行方向によっては離れていたり、また、同じ名称の停留所であってもバス路線や系統の違いにより遠くに位置していたりする場合がある。
本実施形態に係る情報処理システム1では、地図表示領域250において当該停留所を表示する場合、縮小表示においては全体を見通せるようにこれらのバスの乗車、停車位置を集約して表示し、拡大表示においては詳細表示が見られるように各乗車位置、各停車位置を個別に表示する。
図10(a)及び図10(b)は、上記の集約、個別表示を切り替える例を示す図である。図10(a)は、基準停留所がA3である場合の広域的な縮小地図の表示の一例を示す図である。地図表示領域250に表示されている情報は、前述までの情報と同等のものである。操作部24が表示部25と一体に成型されている場合、例えば、ユーザが停留所A4の周辺で拡大表示を表示部25に表示された地図上で操作をすることにより端末装置2へと地図を拡大する旨の指示をする。
一例として、図に示されるように、拡大したい位置を中心にピンチアウトにより地図の拡大を指示する。なお、ピンチアウトは一例であり、ダブルタップ、ロングタップ、ダブルクリック、マウスホイールの操作等、又は、中心位置を指定してからの拡大処理の指定、或いは、拡大処理の指定をしてから中心位置の指定をするようにしてもよい。
図10(b)が拡大された後の地図表示領域250を示す図である。この図に示すように、バス路線50A、50B、50Dの停留所の位置が個別に表示される。さらに、同じバス路線、例えば、バス路線50Aの進行方向左側と、進行方向右側の停留所の位置も個別に表示される。このように、バス路線による停留所の位置及びバス路線の進行方向による停留所の位置がそれぞれ個別に表示される。
バス路線50A、50Dのように、同じ方向に進むバス路線の経路情報に関しては、重なるように表示されていてもよい。この場合も、停留所A4、D4の表示のように、停留所自体の位置を個別に表示することにより、乗車する詳細位置をユーザへと出力することが可能となる。
なお、図10(b)においては、進行方向により個別に表示するようにしたが、これらには限られない。すなわち、進行方向により停留所の位置がそれほど離れておらず、拡大した地図上において重なるような場合、進行方向に拘わらず1つの停留所として出力するようにしてもよい。さらに、拡大の度合いにより表示を少しずつ変更していくように処理してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、表示部25に表示条件(例えば、縮尺率)に基づいて表示することにより、ユーザがそれぞれの表示条件における停留所の位置を認識しやすくなる。すなわち、縮小表示においては集約して表示することにより、個別の乗車位置、停車位置を全て出力してしまうと表示が重なりすぎて見づらくなることを防止するとともに、拡大表示においては個別に表示することにより、詳細な乗車位置、停車位置を表示することが可能となる。これにより、ユーザは、縮小表示においては広域における位置を、拡大表示においては乗車する位置を正確に知ることが可能となり、ユーザビリティを向上させることができる。
なお、上記の説明においては、同じ名称の停留所としているが、これには限られない。ある停留所と別の停留所が縮小表示において重なったり、見づらくなったりするような場合、これらの停留所を集約して表示するようにしてもよい。ある停留所と別の停留所が同じ名称ではないにも拘わらず、周辺の停留所あるいは徒歩圏内の停留所、例えば、停留所同士が50m程度の距離であるような場合、地図を縮小した表示においては集約して表示するようにしてもよい。50mは、一例であり、これには限られず、例えば、20mであってもよいし、100mであってもよい。
別の例としては、鉄道のターミナル駅周辺に複数の停留所がある場合、より具体的には、○○駅北口と○○駅南口のような停留所がある場合においては、これらの停留所を集約して表示するようにしてもよい。そして、表示を拡大した場合に、これらの停留所を適切に別の停留所として個別に表示する。
さらに、拡大、縮小率により、集約する停留所の粒度を変更するようにしてもよい。例えば、縮小率が高く、100m程度以下の距離にある停留所同士が重なる場合には100m程度以下の距離にある停留所同士を集約し、縮小率が低くなり50m程度よりも離れた距離にあれば分離して表示可能であるが、50m程度以下の距離にある停留所同士が重なる場合には、50m程度以下の距離にある停留所同士を集約し、それよりも距離が離れている停留所同士は個別に表示する。停留所同士の距離が、表示部25に表示する場合に重ならない程度の距離であれば、集約表示をせずにそれぞれの停留所を個別に表示する。このように、周辺の停留所について拡大、縮小率に基づいて集約表示するようにしてもよい。
また、例えば、ピンチアウト又はピンチインにより徐々に表示部25に表示されている地図を拡大又は縮小していく場合に、上記の集約、個別表示をスムーズに変更するようにしてもよい。この場合、表示されている地図表示の縮尺率に段階を設け、段階ごとに集約、分離表示を変更するようにしてもよいし、又は、表示されるタイミングにおいて、地図表示の縮尺率から計算した集約、分離をする距離に基づいて集約、分離表示をするようにしてもよい。この場合、縮尺率にしたがい、複数の停留所を示す円同士が接続された形状に表示させてもよく、このように表示することにより、よりシームレスな拡大、縮小における表示をすることが可能となる。
上記のように集約表示をする場合には、集約する停留所同士を紐付けておき、この紐付けに基づいて、縮尺率に基づいて集約表示をし、紐付けられていない停留所同士は、個別表示するようにしてもよい。さらに、この紐付けは、縮尺率とも紐付けられていてもよい。すなわち、縮尺率に基づいて、どの停留所同士を集約するかをあらかじめ設定しておいてもよい。
(第8実施形態)
前述した各実施形態においては、利用路線候補における各停留所の所要時間や各バス路線の経路情報等を示す例について説明したが、本実施形態においては、さらに乗車することのできるバスの位置をもわかりやすく表示しようとするものである。
図11は、本実施形態に係る情報処理システム1の地図表示領域250の表示例を示す図である。以下、バスの位置を示すバスのアイコン又はバスの画像を示すマークをバスロケマークと呼ぶ。
図11に示すように、基準停留所が停留所A3である場合に、基準停留所A3へと向かうバスを利用路線候補の各バス路線に関して表示したものである。バスロケマーク90、91は、バス路線50Aを停留所A1方向から向かうバス、バスロケマーク92、93は、停留所A4方向から向かうバス、バスロケマーク94は、バス路線50Bを停留所B1方向から向かうバス、バスロケマーク95、96は、停留所B5方向から向かうバスを示すマークである。
このように、基準停留所へと向かうバスの位置を示す表示を出力するようにしてもよい。例えば、図11に示すように、各バス路線の各進行方向において、2台ずつのマークを表示する。なお、2台に限られるものではなく、1台でもよいし、3台以上であってもよい。
図2と同じバス路線を示すものであるとすると、例えば、停留所A1から基準停留所A3へと向かうバスは、バス路線50Aを示すものか、バス路線50Dを示すものかが不明である。このような場合には、路線の色により識別できるようにしたり、又は、各バスロケマークにバス路線50Aであるかバス路線50Dであるかの表示を明示的に表示したりすることにより、識別できるように表示してもよい。
さらに、バスロケマークの表示は上記だけには限られず、前述した実施形態で説明した、車両特性、道路の混雑情報、運行頻度情報及び交通情報等の情報のうち少なくとも1つの情報が明確に識別できるようにバスロケマークを変更して表示してもよい。
前述した実施形態と同様に、各車両の位置は、各車両に搭載されているGPS等の測位システムを用いて取得した位置情報により更新されるようにしてもよい。別の例としては、各停留所において車両が出発した時間を取得し、この取得した出発時間に基づいて推定した位置を車両の位置として更新するようにしてもよい。推定する場合、停留所の位置及び出発時刻に加えて道路状況を考慮して推定してもよい。さらに、サーバ3において位置の推定をしてもよいし、端末装置2において位置の推定をしてもよい。
上記のバスロケマークは、例えば、所定の間隔ごとにサーバ3の記憶部32に上記の各車両の位置情報が送信され、この記憶部32に記憶された情報を端末装置2において取得することにより地図上に表示される。また、サーバ3内の記憶部32ではなく、例えば、クラウド上に記憶されている情報を、サーバ3を経由して端末装置2が取得するようにしてもよいし、又は、サーバ3を経由せずに端末装置2が直接取得するようにしてもよい。
端末装置2において取得されたバスロケマークの情報は、図示しない運行バス情報出力部が表示部25へと出力してもよいし、情報出力部213が運行バス情報出力手段として動作して、バスロケマークを表示部25へと出力してもよい。
この状態において、表示されているバスロケマークのうち1つを選択すると、当該バスロケマークに対応する車両に関するバス路線情報及び/又は所要時間情報等を他のバス路線の経路情報等とは区別し得る態様において出力するようにしてもよい。この場合、例えば、経路情報受付部212がバスロケマークの選択を受け付ける選択受付手段として動作してもよいし、端末装置2の制御部21内に、バスロケマークの選択を受け付ける、選択受付部が別途備えられていてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、バスロケマークを表示することにより、ユーザがバスの位置を知ることが可能となり、視覚的にあとどのくらいでバスが到着するのかを識別できるように出力することができる。このように表示することにより、例えば、バスが2台連なって到着した場合においても、いずれのバスに乗車すれば目的地へと到達できるのか等の情報や、待ち時間の情報等をわかりやすくユーザへと出力することができる。
また、複数表示されているバスロケマークに対して、ユーザが選択したバスロケマークに関する情報を出力することにより、ユーザがどのバスに乗ればよいかをよりわかりやすく出力することが可能となる。さらに、混雑情報等をバスロケマークと併せて、又は、バスロケマークとして表示することにより、より快適な移動をすることができる。
なお、図11に示すように、ユーザの現在地を示すアイコン等を表示するようにしてもよい。図11の例においては、基準停留所A3にユーザがいる場合を示しているがこれには限られず、ユーザが停留所にいない場合にもユーザの位置を地図上に示すようにしてもよい。さらに、この場合、ユーザのいる位置から基準停留所までの道のりを地図上に表示してナビゲーションするようにしてもよい。
(第9実施形態)
前述した全ての実施形態においては、交通期間の停留所が所定の場所にある場合であるが、これには限られない。
例えば、バス路線内において、バス停留所以外の場所で自由に乗降可能であるフリー乗降区間がある場合には、区間内における任意の位置又はユーザの現在位置を仮想的な停留所とみなして、前述の基準停留所としてもよい。この場合、基準停留所をフリー乗降区間と分かるように表示してもよい。
さらには、基準停留所ではなく、それ以外の停留所としてもよい。すなわち、所定の区間内において降車可能であるように表示してもよい。例えば、フリー乗降区間における基準停留所に一番近い箇所と、一番遠い箇所とについて推定到達時間を表示するように出力し、その間をフリー乗降区間と分かるように表示するようにしてもよい。
フリー乗降区間と分かるように表示する例としては、当該区間の間については、路線候補の色を変更したり、薄くしたり、表示を点滅させたり、あるいは、経路に沿って停留所を示すマークと同じ幅で当該マークと同じ色で塗りつぶして繋げたりするようにしてもよい。
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなど固定型の記録媒体でもよい。
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調を掛けたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、或いは記録媒体に収納して頒布してもよい。
さらに、1つ又は複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうち1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加や効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。