以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、図1から図16を参照して説明する。
本実施形態におけるナビゲーション装置は、ルート計算によって算出された現在の自車位置から目的地までのルート上における所定の周辺検索開始地点、すなわち、後述する推定自車位置を中心とした経路上周辺検索により、経路上周辺検索の検索条件を満足する施設を検索し、検索結果を利用者に案内する第1動作を行うことが可能とされている。
また、本実施形態におけるナビゲーション装置は、自車位置から目的地までのルートの有無を問わずに、利用者が指定した周辺検索開始地点を中心とした指定地点周辺検索によって指定地点周辺検索の検索条件を満足する施設を検索し、検索結果を利用者に案内する第2動作を行うことが可能とされている。
さらに、本実施形態におけるナビゲーション装置は、第1動作が行われるべきか、あるいは第2動作が行われるべきかを判定し、判定結果に基づいて第1動作または第2動作を自動的に選択して実行する第3動作を行うことが可能とされている。
以下、説明の便宜上、本実施形態におけるナビゲーション装置を、第1動作に要する構成と、第2動作に要する構成と、第3動作に要する構成とに分けて順次説明する。
なお、以下に示すように、同一の構成部が、第1から第3動作のすべての動作のために機能する場合がある。
(第1動作に要する構成)
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、利用者がナビゲーション装置1に対する種々の入力操作を行うための操作部2を有している。
この操作部2は、例えば、タッチパネルやリモコンあるいはリニアエンコーダ等であってもよい。
操作部2には、目的地設定部3が接続されており、この目的地設定部3は、操作部2の入力操作にしたがって、利用者が希望する目的地を設定するようになっている。
なお、目的地設定部3は、操作部2の入力操作によって目的地を入力して設定することができる設定画面を、後述する案内部5に表示させる機能を有するものであってもよい。
目的地設定部3には、ルート計算手段としてのルート計算部7が接続されており、このルート計算部7には、現在の自車位置を検出するためのGPSやセンサ(ジャイロセンサ、車速センサ等)などからなる自車位置検出部8が接続されている。
ルート計算部7は、目的地設定部3によって設定された目的地を取得するとともに、自車位置検出部8によって検出された現在の自車位置を取得して、現在の自車位置から当該目的地までのルートを、利用者によって設定された所定の計算条件(例えば、利用する道路の種別等)にしたがって計算するようになっている。
なお、ルート計算部7は、自車が当初のルートから逸脱したルートを走行した場合には、ルート計算をやり直すことによって、算出される目的地までのルートを変更(ルート変更)することができるようになっている。
また、操作部2には、経路上周辺検索条件設定手段としての検索条件設定部9が接続されており、この検索条件設定部9は、操作部2の入力操作にしたがって、経路上周辺検索の検索条件を設定して記憶するようになっている。
この検索条件には、少なくとも、利用者が希望する施設への到着時刻および施設の種別が含まれている。
なお、検索条件には、到着時刻からの許容誤差範囲(例えば、到着時刻に対して±10分)が含まれていてもよい。
また、検索条件設定部9は、複数の種別を同時に設定することができるものであってもよい。
さらに、検索条件設定部9は、例えば、「12時に到着することができる食事施設」かつ「17時に到着することができる温泉施設」といった複合的な検索条件を設定することができるものであってもよい。
さらにまた、検索条件設定部9は、操作部2の入力操作にしたがって検索条件を設定することができる設定画面を、後述する案内部5に表示させる機能を有するものであってもよい。
検索条件設定部9には、経路上周辺検索制御手段としての周辺検索制御部10が接続されており、この周辺検索制御部10は、経路上周辺検索および経路上周辺検索による検索結果の案内のための種々の制御を行うようになっている。
周辺検索制御部10には、経路上周辺検索手段としての周辺検索部11が接続されており、この周辺検索部11は、周辺検索制御部10による制御の下で、検索条件設定部9によって設定された検索条件を満足する施設の経路上周辺検索を、地図データベースを参照して行うようになっている。
周辺検索制御部10およびルート計算部7には、自車位置推定手段としての自車位置推定部12が接続されている。
この自車位置推定部12は、ルート計算部7によって算出されたルートをルート計算部7から取得し、周辺検索制御部10による制御の下で、検索条件設定部9によって設定された到着時刻(以下、「設定到着時刻」と略称する)における前記ルート上の自車位置(以下、「推定自車位置」と称する)を推定するようになっている。
さらに、ルート計算部7と自車位置推定部12との間には、到着予想時刻算出部14が接続されている。
本実施形態において、自車位置推定部12は、次の手順にしたがって推定自車位置を推定するようになっている。
すなわち、まず、自車位置推定部12は、ルート計算部7に、前記ルート上の適当な地点を仮の目的地としたルート計算を行わせるとともに、到着予想時刻算出部14に、自車が現在の自車位置から前記仮の目的地へ向かう場合に当該仮の目的地に到着すると予想される時刻である到着予想時刻を算出させる。
次いで、自車位置推定部12は、前記到着予想時刻と、設定到着時刻の一致の有無を判定し、一致する場合には、当該仮の目的地を、推定自車位置と推定する。
一方、前記到着予想時刻が、設定到着時刻よりも遅い時刻となる場合には、自車位置推定部12は、ルート計算部7に、現在の自車位置から前記仮の目的地までの間に存在する前記ルート上の別の地点を新たな仮の目的地としたルート計算を行わせるとともに、到着予想時刻算出部14に、当該新たな仮の目的地までの到着予想時刻を新たに算出させる。
そして、自車位置推定部12は、この新たに算出された到着予想時刻と、設定到着時刻の一致の有無の判定を再度行う。
また、前記到着予想時刻が、設定到着時刻よりも早い時刻となる場合には、自車位置推定部12は、ルート計算部7に、前記仮の目的地から目的地設定部3によって設定された本当の目的地までの間に存在する前記ルート上の別の地点を新たな仮の目的地としたルート計算を行わせるとともに、到着予想時刻算出部14に、当該新たな仮の目的地までの到着予想時刻を新たに算出させる。
そして、自車位置推定部12は、この新たに算出された到着予想時刻と、設定到着時刻の一致の有無の判定を再度行う。
このような判定を、前記到着予想時刻が設定到着時刻と一致するまで繰り返すことによって、推定自車位置を簡便かつ確実に推定することができる。
なお、これ以外の方法によって推定自車位置を推定するようにしてもよい。
そして、本実施形態において、周辺検索制御部10は、自車位置推定部12によって推定された推定自車位置を、周辺検索開始地点と決定し、この決定した周辺検索開始地点(推定自車位置)を中心とした経路上周辺検索を周辺検索部11に行わせるための制御を行うようになっている。
これにより、周辺検索部11は、決定された周辺検索開始地点を中心として、検索条件設定部9によって設定された検索条件を満足する施設の経路上周辺検索を行うようになっている。
周辺検索制御部10およびルート計算部7には、表示装置および音声出力装置を備えた案内手段としての案内部5が接続されており、この案内部5は、周辺検索部11によって検索された施設を、ナビゲーション画面における地図上にアイコンとして表示したり、または、リストアップ表示したり、もしくは、音声案内することによって利用者に案内するようになっている。
このように、本実施形態におけるナビゲーション装置1によれば、自車位置から目的地までのルート計算によって算出されたルート上における所定の周辺検索開始地点(推定自車位置)を中心とした経路上周辺検索によって、検索条件を満足する施設を検索し、検索結果を利用者に案内する第1動作を行うことができるようになっている。
ところで、交通渋滞等の道路事情やルート計算部7によって算出される現在の自車位置から目的地までのルート等の状況は、刻々と変化する可能性がある。
そして、このような状況の変化にともなって、推定自車位置も、当初の推定自車位置から大きく変化する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、このような状況の変化に柔軟に対応することができるための手段が講ぜられている。
すなわち、ルート計算部7には、交通情報取得部15が接続されており、この交通情報取得部15は、VICS等によって渋滞情報等の交通情報を取得するようになっている。
自車位置推定部12は、交通情報取得部15によって取得された交通情報をルート計算部7を介して取得するようになっている。
これによって、自車位置推定部12は、道路事情の変化を検知することができるようになっている。
また、自車位置推定部12は、自車が、現在走行しているルートを逸脱したルートを走行することによって、ルート計算部7によって算出されるルートが変更された場合に、このルートの変更をルート計算部7を介して検知することができるようになっている。
そして、自車位置推定部12は、道路事情の変化やルート変更にともなって、推定自車位置が直前に推定した推定自車位置から変化しそうな場合には、その都度、前述したルート計算部7および到着予想時刻算出部14を用いた推定自車位置の推定を繰り返して、推定自車位置を変更することができるようになっている。
さらに、この推定自車位置の変更にともなって、この変更された推定自車位置を新たな周辺検索開始地点とすることにより、周辺検索部11によって検索され、案内部5によって案内される施設も変更することができるようになっている。
したがって、このような構成によれば、自車位置推定部12によって推定自車位置を正確に推定し、この推定自車位置を周辺検索開始地点とした周辺検索を周辺検索部10によって行い、その検索結果を案内部5によって案内することができるため、設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設を確実に検索して案内することができる。
また、検索条件を一度設定すれば、それ以外の煩雑な操作は要しないため、簡便な操作によって、設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設を検索して案内することができる。
さらに、道路事情の変化やルート変更等に応じて、推定自車位置およびこれに基づいて周辺検索部11による経路上周辺検索によって検索される施設を変更することができ、案内部5によって当該変更された施設を案内することができるため、経路上周辺検索を行う時刻が、設定到着時刻よりも相当早い時刻であっても、予め前もって設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設を確実に検索して案内することができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、通常のナビゲーション装置1と同様に、前記ルートに沿って、自車を現在の自車位置から目的地までルート案内するようになっている。
このルート案内は、案内部5による画像表示(地図表示等)や音声案内によって行うことができるようになっており、このルート案内の過程において、周辺検索部11による経路上周辺検索によって検索された施設の案内を行うことができるようになっている。
(具体例)
次に、前述した構成を有するナビゲーション装置1による第1動作の具体例について、図2から図4を新たに参照して説明する。
まず、操作部2の入力操作によって目的地設定部3に目的地として地点Dを設定させると、現在の自車位置である地点Sから、地点Dまでのルート17(図2参照)が、ルート計算部7によって算出される。
また、操作部2の入力操作によって、検索条件設定部9に、設定到着時刻として12時(12:00)(正午)を設定させるとともに、施設の種別として食事施設を設定させる。
次いで、検索条件設定部9によって検索条件が設定されると、自車位置推定部12は、12時における前記ルート17上の推定自車位置が、地点Aであると推定する(図2参照)。
次いで、周辺検索制御部10は、地点Aを周辺検索開始地点と決定し、この地点Aを中心として、食事施設を対象とした経路上周辺検索を周辺検索部11に行わせるための制御を行う。
そして、周辺検索部11は、周辺検索制御部10による制御の下で、地点Aを中心とした食事施設を検索する。
次いで、案内部5は、周辺検索部11によって検索された食事施設のアイコン6を、図2に示すように表示することによって、12時またはその近時に食事をとることができる地点A付近の食事施設を利用者に案内する。
なお、図2においては、12時またはその近時に到着することができる地点Aの周辺の食事施設が4軒であることを示している。
これにより、利用者は、案内部5によって表示された前記4軒の食事施設の中から、向かうべき所望の食事施設を容易に決定することができる。
次に、図3に示すように、自車18が前記ルート17上を進行して自車位置が地点Sから地点Tに移動したときに、地点Tへの到着時刻が、道路事情等の変化によって、地点Sで想定した時刻よりも早い時刻となる場合には、自車位置推定部12は、推定自車位置の推定を繰り返す(再履行する)ことによって、12時における前記ルート17上の推定自車位置を地点Aよりも先の地点Bに変更する。
これにともなって、周辺検索制御部10は、地点Bを新たな周辺検索開始地点と決定し、この地点Bを中心として、食事施設を対象とした経路上周辺検索を周辺検索部11に行わせるための制御を行う。
そして、周辺検索部11は、周辺検索制御部10による制御の下で、地点Bを中心とした食事施設を検索する。
次いで、案内部5は、周辺検索部11によって検索された食事施設のアイコン6を、図3に示すように表示することによって、12時またはその近時に到着することができる地点Bの周辺の食事施設を利用者に案内する。
なお、図3においては、12時またはその近時に到着することができる食事施設が3軒であることを示している。
これにより、利用者は、道路事情等の状況が変化したとしても、案内部5によって表示された前記3軒の食事施設の中から、向かうべき所望の食事施設を容易に決定することができる。
したがって、このようなナビゲーション装置1の第1動作によって、利用者は、簡便な操作によって、道路事情等の状況の変化にかかわらず、常に、設定到着時刻またはその近時に到着することができる所望の施設を確実に案内されることができ、向かうべき施設を容易に決定することができる。
なお、図4において破線で示すように、推定自車位置が変更される場合であっても。変更前の推定自車位置(地点A)を中心として周辺検索された施設を、変更後の推定自車位置(地点B)を中心として周辺検索された施設とともに表示させるようにしてもよい。そのようにすれば、到着時刻の条件さえ除けば、利用者に対してより多くの選択肢を提供することができる。
(第2動作に要する構成)
図1に示す検索条件設定部9は、第2動作のための指定地点周辺検索条件設定手段および周辺検索開始地点設定手段としても機能するようになっている。
すなわち、検索条件設定部9は、操作部2の入力操作にしたがって、指定地点周辺検索の検索条件を設定するようになっている。
また、検索条件設定部9は、操作部2の入力操作にしたがって、利用者が希望する周辺検索開始地点を設定するようになっている。そして、この周辺検索開始地点の設定によって、指定地点周辺検索のための周辺検索開始地点が指定されることになる。
検索条件設定部9は、図5に示すように、操作部2の入力操作によって指定地点周辺検索の検索条件および周辺検索開始地点を設定することができる設定画面を、案内部5に表示させる機能を有するものであってもよい。
なお、図5に示す設定画面は、指定地点周辺検索の検索条件として、施設の種別(図5において種別)、施設への到着時刻(図5において時刻)および当該到着時刻からの許容誤差範囲(図5において範囲)の条件を入力して設定することができる設定画面となっている。
また、図5に示す設定画面は、周辺検索開始地点を、地点設定のボタン19を押すことによって設定することができる設定画面となっている。さらに、検索開始のボタン23を押すことによって、検索が開始されるようになっている。
なお、図5の設定画面によって、複数の種別を同時に設定することができるようにしてもよい。また、「12時に到着することができる食事施設」かつ「17時に到着することができる温泉施設」といった複合的な検索条件を設定することができるようにしてもよい。
図1に示す到着予想時刻算出部14は、第2動作のための第1到着予想時刻算出手段としても機能するようになっている。
すなわち、到着予想時刻算出部14は、周辺検索制御部10による制御の下で、自車が現在の自車位置から検索条件設定部9によって設定されて指定された周辺検索開始地点(以下、「設定周辺検索開始地点」と称する)へ向かう場合に当該設定周辺検索開始地点に到着すると予想される時刻である第1到着予想時刻を算出するようになっている。
この第1到着予想時刻の算出に際しては、ルート計算部7のルート計算機能が用いられるようになっている。
図1に示す周辺検索部11は、第2動作のための指定地点周辺検索手段としても機能するようになっている。
すなわち、周辺検索部11は、設定周辺検索開始地点を中心として、当該設定周辺検索開始地点の周辺に存在する検索条件設定部9によって設定された検索条件(以下、「設定検索条件」と略称する)を満足する施設の周辺検索を、地図データベースを参照して行うようになっている。
図1に示す周辺検索制御部10は、第2動作のための第1段階指定地点周辺検索制御手段としても機能するようになっている。
すなわち、周辺検索制御部10は、周辺検索部11に、第1段階の指定地点周辺検索として、設定周辺検索開始地点の周辺に存在する検索条件設定部9によって設定された施設の種別の条件を満足する少なくとも1つの施設の検索を行わせるための制御を行うようになっている。
そして、この周辺検索制御部10による制御の下で、周辺検索部11は、設定周辺検索開始地点を中心とした周辺検索として、まず、第1段階の指定地点周辺検索を行うようになっている。
この第1段階の指定地点周辺検索は、例えば、検索条件設定部9によって設定された施設への到着時刻(以下「設定到着時刻」と称する)に自車が到達するであろうと推測される設定周辺検索開始地点の周辺の少なくとも1つの地点に属する施設をリストアップすることを内容とするものであってもよい。
この場合、リストアップされる施設には、検索条件設定部9によって設定された設定到着時刻よりもだいぶ前に到着する施設等が含まれる可能性があるが、このリストアップによって、指定地点周辺検索の対象となる施設を、前記施設の種別の条件を満足する周辺検索開始地点の周辺の施設に絞ることができる。
図1に示す到着予想時刻算出部14は、第2動作のための第2到着予想時刻算出手段としても機能するようになっている。
すなわち、到着予想時刻算出部14は、周辺検索制御部10と接続されており、この周辺検索制御部10から、周辺検索部11による第1段階の指定地点周辺検索の検索結果を取得するようになっている。
そして、到着予想時刻算出部14は、周辺検索制御部10による制御の下で、自車が設定周辺検索開始地点から第1段階の指定地点周辺検索によって検索された施設(以下、「第1段階検索施設」と称する)へ向かう場合に当該第1段階検索施設に到着すると予想される時刻である第2到着予想時刻を、第1到着予想時刻の算出結果を用いて算出するようになっている。
なお、第1段階検索施設が複数の場合、第2到着予想時刻についても、第1段階検索施設の数に合わせて複数算出される。
第2到着予想時刻の算出に際して、到着予想時刻算出部14は、具体的には、まず、第1到着予想時刻を算出した後に、周辺検索開始地点から第1段階検索施設までのルートを、ルート計算部7のルート計算機能を用いて計算することによって、当該ルートの走行時間を取得するようになっている。
そして、到着予想時刻算出部14は、第1到着予想時刻に、前記周辺検索開始地点から第1段階検索施設までのルートの走行時間を加算することによって、第2到着予想時刻を算出するようになっている。
図1に示す周辺検索制御部10は、第2動作のための第2段階指定地点周辺検索制御手段としても機能するようになっている。
すなわち、周辺検索制御部10は、周辺検索部11に、第2段階の指定地点周辺検索として、第1段階検索施設から、第2到着予想時刻が設定到着時刻の条件(前記許容誤差範囲を加味したものであってもよい)を満足する施設へと絞り込むことを内容とした検索を行わせるための制御を行うようになっている。
さらに、周辺検索制御部10は、必要に応じて、周辺検索部11に、第2段階の指定地点周辺検索として、第1段階検索施設から、前記施設の種別および前記設定到着時刻以外の設定検索条件(例えば、前記許容誤差範囲あるいは図5に示したもの以外の検索条件)を満足する施設へと絞り込むことを内容とした検索を行わせるための制御を行うようになっている。
そして、このような周辺検索制御部10による制御の下で、周辺検索部11は、設定周辺検索開始地点を中心とした周辺検索として、第1段階の指定地点周辺検索に続く第2段階の指定地点周辺検索を行うようになっている。
具体的には、周辺検索部11は、到着予想時刻算出部14によって算出された第2到着予想時刻の算出結果と、検索条件設定部9によって設定された設定検索条件とを、周辺検索制御部10を介して取得し、第1段階検索施設から、前記施設の種別および前記設定到着時刻以外の設定検索条件を満足する施設へと絞り込む検索を行うようになっている。
これによって、設定周辺検索開始地点の周辺に存在する設定検索条件を満足する施設の検索結果を得ることができる。
なお、前述のように、第2段階の指定地点周辺検索によって、第2到着予想時刻が、前記許容誤差範囲までも加味した設定到着時刻の条件を満足する施設に絞り込む検索を行う場合であって、図5に示したもの以外の検索条件がない場合には、第2段階の指定地点周辺検索において、前記設定到着時刻のみが、絞り込みの条件となる。
図1に示す案内部5は、第2動作のための案内手段としても機能するようになっている。
すなわち、案内部5は、第2段階の指定地点周辺検索によって検索された施設を、ナビゲーション画面における地図上にアイコンとして表示したり、または、リストアップ表示したり、もしくは、音声案内することによって利用者に案内するようになっている。
このように、本実施形態におけるナビゲーション装置1によれば、自車位置から目的地までのルートの有無を問わずに、設定周辺検索開始地点を中心とした指定地点周辺検索によって検索条件を満足する施設を検索し、検索結果を利用者に案内する第2動作を行うことができるようになっている。
さらに、本実施形態におけるナビゲーション装置1には、第2動作においても、第1動作の場合と同様に、道路事情等の刻々と変化する状況に柔軟に対応することができるようにするための手段が講ぜられている。
すなわち、到着予想時刻算出部14は、第1到着予想時刻の算出を繰り返すことによって、第1到着予想時刻を変更することができるようになっている。
この第1到着予想時刻の算出の繰り返しは、自車が走行している場合に常時行うようにしてもよいし、または、ナビゲーション装置1が起動していれば、自車が停止している場合においても行うようにしてもよい。あるいは、交通情報取得部15によって取得された交通情報をルート計算部7を参照して、第1到着予想時刻が変動する可能性がある場合に行うようにしてもよい。
さらに、到着予想時刻算出部14は、第2到着予想時刻の算出を繰り返すことによって、第2到着予想時刻を変更することができるようになっている。
この第2到着予想時刻の算出の繰り返しは、自車が走行している場合に常時行うようにしてもよいし、または、ナビゲーション装置1が起動していれば、自車が停止している場合においても行うようにしてもよい。あるいは、第1到着予想時刻が変更したことを条件として行うようにしてもよい。
さらに、このような第1到着予想時刻の変更およびこれにともなう第2到着予想時刻の変更にともなって、周辺検索部11による第2段階の指定地点周辺検索によって絞り込まれ、案内部5によって案内される施設を変更することができるようになっている。
したがって、このような構成によれば、周辺検索開始地点および指定地点周辺検索の検索条件を設定すれば、目的地までのルートの有無は問わずに、第1段階の指定地点周辺検索と第2段階の指定地点周辺検索とによって設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設を確実に検索して案内することができる。
また、周辺検索開始地点および指定地点周辺検索の検索条件を一度設定すれば、それ以外の煩雑な操作(例えば、周辺検索開始地点の再設定)は要しないため、簡便な操作によって、設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設を検索して案内することができる。
さらに、道路事情や途中の寄り道等の刻々と変化する状況に応じて、第1到着予想時刻および第2到着予想時刻ならびに周辺検索部11によって検索されて案内部5によって案内される施設が変更されるため、設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設をさらに確実に検索して案内することができる。
さらにまた、設定時刻に到着することができる施設を、検索を行った時点で確認することができるので、例えば、観光地等の周辺検索開始地点に到着する前に、利用者の優先度に合わせて、設定到着時刻の変更や、種別の変更を行うこともでき、ゆとりをもって計画を変更することができる。
なお、第2動作のための構成は、目的地が設定されていて、目的地までのルートが計算されている場合においても機能することを妨げないものである。
次に、このような第2動作のための構成を有するナビゲーション装置1による第2動作の具体例について、図5から図14を新たに参照して説明する。
(具体例1)
具体例1においては、まず、現在の自車位置20が地点A(図6参照)にある場合において、利用者が、図5に示す設定画面に操作部2を介して入力操作を行うことによって、検索条件設定部9に、検索条件および周辺検索開始地点を設定させる。
具体的には、図5に示すように、前記設定画面に、施設への到着時刻を12時(正午)と入力し、施設の種別を食事施設と入力し、到着時刻からの許容誤差時間を±10分と入力することにより、これらの入力事項が、検索条件設定部9によって設定検索条件として設定される。
さらに、設定画面の地点設定のボタン19を押して、地点C(図6参照)を選択することにより、この地点Cが、検索条件設定部9によって周辺検索開始地点として設定される。これにより、地点Cが、指定地点周辺検索の周辺検索開始地点として指定される。
検索条件および周辺検索開始地点の設定の完了後、到着予想時刻算出部14は、地点Aから地点Cまでのルート21を、ルート計算部7のルート計算機能を用いて計算し、地点Cへの第1到着予想時刻を算出する。
次いで、周辺検索部11は、周辺検索制御部10による制御の下で、第1段階の指定地点周辺検索を行い、地点Cの周辺に存在する食事施設を検索する。
これにより、検索結果として、地点Cの周辺に存在する食事施設が、第1段階検索施設として検索される。
次いで、到着予想時刻算出部14は、地点Cから第1段階検索施設までのルートを、ルート計算部7のルート計算機能を用いて計算することによって、当該ルートの走行時間を取得し、この走行時間を、第1到着予想時刻に加算することによって、地点Cから第1段階検索施設に向かう場合の第2到着予想時を算出する。
次いで、周辺検索部11は、周辺検索制御部10による制御の下で、第2段階の指定地点周辺検索を行い、第1段階検索施設から、12時またはその10分前後に到着することができる食事施設を検索する。
次いで、案内部5は、周辺検索部11によって検索された食事施設のアイコン16を、図6に示すように表示することによって、12時またはその10分前後に到着することができる地点Cの周辺の食事施設を利用者に案内する。
なお、図6においては、12時またはその10分前後に到着することができる食事施設が4軒であることを示している。
これにより、利用者は、案内部5によって表示された前記4軒の食事施設の中から、向かうべき所望の食事施設を容易に決定することができる。
次に、自車が、地点Aから地点Cへ向かう間、到着予想時刻算出部14は、第1到着予想時刻および第2到着予想時刻を繰り返し算出することによって、第1到着予想時刻および第2到着予想時刻を逐次更新する。
これによって、自車が地点Aから地点Cへ向かう間、道路状況等の変化に応じて、第1到着予想時刻および第2到着予想時刻を変更することができる。
例えば、図7に示すように、自車位置20が地点Aから地点Bに移動したときに、道路事情等の変化によって、地点Bにおいて算出された地点Cへの第1到着予想時刻が、地点Aにおいて算出された地点Cへの第1到着予想時刻よりも早い時刻に変化し、これにともない、地点Bにおいて算出された第2到着予想時刻が、地点Aにおいて算出された第2到着予想時刻よりも早い時刻に変更されたと仮定する。
この場合には、図7に示すように、第2段階の指定地点周辺検索によって絞り込まれて案内部5によってアイコン16として表示される12時またはその10分前後に到着することができる食事施設は、図6の状態から変更されることになり、図6の状態よりも、各食事施設の地点Cからの距離が広がることになる。
一方、道路事情等の変化によって、地点Bにおいて算出された地点Cへの第1到着予想時刻が、地点Aにおいて算出された地点Cへの第1到着予想時刻よりも遅い時刻に変更され、これにともない、地点Bにおいて算出された第2到着予想時刻が、地点Aにおいて算出された第2到着予想時刻よりも遅い時刻に変更される場合もある。
この場合には、図7とは、逆に、第2段階の指定地点周辺検索によって絞り込まれて案内部5によってアイコン16として表示される12時またはその10分前後に到着することができる食事施設は、図6の状態よりも、地点Cからの距離が狭まることになる。
なお、12時またはその10分前後に到着することができる食事施設が1軒も存在しない場合には、案内部5による食事施設のアイコン16は表示されないことになる。
これにより、利用者は、簡便な操作によって、道路事情等の状況の変化にかかわらず、常に、12時またはその10分前後に到着することができる食事施設を、その有無を含めて確実に案内されることができる。
この結果、利用者は、向かうべき食事施設を容易に決定することができ、また、到着時刻の設定を変更すること等によって、計画を予め変更することができる。
なお、図8に示すように、第2段階の指定地点周辺検索によって絞り込まれる食事施設が変更される場合であっても、変更前の施設を、変更後の施設とともに表示させるようにしてもよい。なお、図8においては、変更前の施設のアイコン16が、変更後の施設のアイコン16と峻別することができるように、薄く表示されている。
このようにすれば、到着時刻の条件さえ除けば、利用者に対してより多くの選択肢を提供することができる。
(具体例2)
次に、具体例2として、道路事情の一例としての自車位置20から周辺検索開始地点までの道路に発生する交通渋滞の変化に応じて、案内部5によって表示される施設のアイコンがどのように変化するのかについて、図9から図11を参照して説明する。
図9から図11においては、設定周辺検索開始地点が地点C、設定到着時刻が17時、設定された許容誤差範囲が±20分、設定された施設の種別が温泉施設とされている。
また、これらの周辺検索開始地点および検索条件の設定を行った自車位置20は、地点Aとされている。
なお、具体例2においては、説明の便宜上、自車位置20は、地点Aから変化しないものとする。また、このように、自車位置20が変化しない場合においても、到着予想時刻算出部14は、第1到着予想時刻の算出と、第2到着予想時刻の算出とを常時繰り返しており、これにともなって、周辺検索部11は、第2段階の指定地点周辺検索によって絞り込まれる施設を常に更新しているものとする。
まず、図9に示すように、地点Aから地点Cまでの道路22において、若干量の交通渋滞が発生している場合には、第2段階の指定地点周辺検索によって絞りこまれて案内部5によって表示される17時またはその20分前後に到着することができる温泉施設のアイコン26は、地点Cの近傍に4個(4軒分)存在することになる。
次に、図10に示すように、地点Aから地点Cまでの道路22における交通渋滞が解消された場合には、第2段階の指定地点周辺検索によって絞りこまれて案内部5によって表示される17時またはその20分前後に到着することができる温泉施設のアイコン26は、図9の場合に比べて地点Cから離れた位置に3個存在することになる。
次に、図11に示すように、地点Aから地点Cまでの道路22において、図9の場合よりも交通渋滞が激しくなった場合には、第2段階の指定地点周辺検索によって絞りこまれて案内部5によって表示される17時またはその20分前後に到着することができる温泉施設のアイコン26は1個も存在しないことになる。
これにより、利用者は、簡便な操作によって、交通渋滞の変化にかかわらず、常に、17時またはその20分前後に到着することができる温泉施設を、その有無を含めて確実に案内されることができる。
この結果、利用者は、向かうべき温泉施設を容易に決定することができ、また、到着時刻の設定を変更すること等によって計画を予め変更することができる。
(具体例3)
次に、具体例3として、検索条件設定部9によって複数の施設の種別を設定した場合に、案内部5によって表示される施設のアイコンがどのように変化するのかについて、図12から図14を参照して説明する。
具体例3においては、検索条件設定部9によって、施設の種別として、釣りができる施設、散歩道および名所の3種類の施設の種別が設定されている。
また、周辺検索開始地点が地点C、設定到着時刻が14時、設定された許容誤差範囲が±10分とされている。
さらに、これらの周辺検索開始地点および検索条件の設定を行った自車位置20は、地点Aとされている。
まず、図12に示すように、自車位置20が地点Aにある場合には、地点Aにおいて算出された第1到着予想時刻および第2到着予想時刻に基づいて、第2段階の指定地点周辺検索によって絞りこまれて案内部5によってアイコン28、29、30として表示される施設、すなわち、14時またはその10分前後に到着することができる釣りができる施設、散歩道および名所は、地点Cの近傍に複数存在することになる。
次に、図13に示すように、交通渋滞が緩和された等の道路事情の変化によって、自車が、地点Aと地点Cとの間に位置する地点Bの付近に予想以上に早く到着した場合には、地点Bにおいて算出される地点Cへの第1到着予想時刻は、地点Aにおいて算出された地点Cへの第1到着予想時刻よりも早い時刻となる。
これにともなって、第2段階の指定地点周辺検索によって絞りこまれて案内部5によってアイコン28、29、30として表示される14時またはその10分前後に到着することができる釣りができる施設、散歩道および名所は、 図12において表示された各施設に比べて地点Cから離れた位置に存在することになる。
次に、図14に示すように、地点Bを過ぎた地点において、交通渋滞が急に激しくなった等の道路事情の変化や、道幅が狭い、カーブが多い等の理由によって、当該地点において算出された地点Cへの第1到着予想時刻が、地点Aにおいて算出された地点Cへの第1到着予想時刻よりも遅い時刻となったとする。
この場合には、第2段階の指定地点周辺検索によって絞りこまれて案内部5によってアイコン28、29、30として表示される14時またはその10分前後に到着することができる釣りができる施設、散歩道および名所は、地点Cの周辺に1つも存在しないことになる。
これにより、利用者は、簡便な操作によって、道路事情の変化等にかかわらず、常に、周辺検索開始地点Cから14時またはその10分前後に到着することができる釣りができる施設、散歩道および名所を、その有無を含めて確実に案内されることができる。
この結果、利用者は、向かうべき施設を容易に決定することができ、また、到着時刻の設定を変更すること等によって計画を予め変更することができる。
(第3動作に要する構成)
第3動作に要する構成は、前述した第1動作に要する構成と、第2動作に要する構成との双方を備えている。
さらに、検索条件設定部9は、第3動作のための経路上/指定地点周辺検索条件設定手段としても機能するようになっている。
すなわち、検索条件設定部9は、操作部2の入力操作にしたがって、後述する周辺検索方法判定部24による判定をともなう経路上周辺検索または指定地点周辺検索の検索条件として、少なくとも、施設への到着時刻および施設の種別を設定するようになっている。
この検索条件設定部9は、前述した図5に示したものと同様の設定画面を、案内部5に表示させる機能を有するものであってもよい。
さらに、図1に示す周辺検索制御部10は、第3動作のための制御手段としても機能するようになっている。
すなわち、周辺検索制御部10は、目的地設定部3と接続されており、この目的地設定部3によって目的地が設定されているか否かを判定するようになっている。
そして、周辺検索制御部10は、目的地設定部3によって目的地が設定されている場合であって、検索条件設定部9によって設定周辺検索開始地点が設定されていない場合に、当該目的地を、設定周辺検索開始地点とみなすようになっている。
そして、周辺検索制御部10は、現在の自車位置から前記設定周辺検索開始地点とみなした目的地へ向かう場合における当該目的地への到着予想時刻を、到着予想時刻算出部14に算出させるための制御を行うようになっている。
これにより、到着予想時刻算出部14は、周辺検索制御部10による制御の下で、前記目的地への到着予想時刻を、第1到着予想時刻として算出するようになっている。
さらに、周辺検索制御部10には、周辺検索方法判定手段としての周辺検索方法判定部24が接続されている。
この周辺検索方法判定部24は、第1動作、すなわち、周辺検索制御部10による推定自車位置を周辺検索開始地点とした経路上周辺検索およびこれに基づく案内部5による案内が行われるべきか、または、第2動作、すなわち、周辺検索制御部10による設定周辺検索開始地点を周辺検索開始地点とした指定地点周辺検索およびこれに基づく案内部5による案内が行われるべきかを判定するようになっている。
具体的には、周辺検索方法判定部24は、到着予想時刻算出部14によって算出された前記目的地への到着予想時刻と、検索条件設定部9によって設定された設定到着時刻とを比較するようになっている。
そして、この比較の結果、前記目的地への到着予想時刻が、設定到着時刻よりも遅い時刻となる場合には、周辺検索方法判定部24は、第1動作が行われるべきであると判定するようになっている。
一方、前記比較の結果、前記目的地への到着予想時刻が、設定到着時刻と同一の時刻または設定到着時刻よりも早い時刻となる場合には、周辺検索方法判定部24は、第2動作が行われるべきであると判定するようになっている。
そして、この周辺検索方法判定部24の判定に基づいて、周辺検索制御部10は、第3動作として、第1動作または第2動作を自動的に選択するようになっている。
なお、第1動作を自動的に選択するということは、周辺検索制御部10による推定自車位置を周辺検索開始地点とした経路上周辺検索を自動的に選択することに他ならない。また、第2動作を自動的に選択するということは、周辺検索制御部10による設定周辺検索開始地点を周辺検索開始地点とした指定地点周辺検索を自動的に選択することに他ならない。
周辺検索制御部10によって、第1動作が自動的に選択された場合には、周辺検索制御部10は、まず、自車位置推定部12に、設定到着時刻における推定自車位置を推定させるようになっている。
次いで、周辺検索制御部10は、推定自車位置を新たな周辺検索開始地点と決定し、設定周辺検索開始地点とみなされた前記目的地ではなく、前記決定した周辺検索開始地点(推定自車位置)を中心とした経路上周辺検索を周辺検索部11に行わせるための制御を行うようになっている。
これにより、周辺検索部11によって、第3動作に付随する第1動作として、推定自車位置を周辺検索開始地点として、前記経路上/指定地点周辺検索条件設定手段としての検索条件設定部9によって設定された設定検索条件を満足する施設の経路上周辺検索(周辺検索方法判定部24による判定をともなう経路上周辺検索)が行われるようになっている。
そして、この経路上周辺検索の検索結果が、案内部5によって案内されるようになっている。
このような第3動作に付随する第1動作においても、自車位置推定部12は、道路事情の変化やルート変更等にともなって、その都度、推定自車位置の推定を繰り返して、推定自車位置を変更することができるようになっている。そして、この推定自車位置の変更にともなって、周辺検索部11によって検索され、案内部5によって案内される施設を変更することができるようになっている。
一方、周辺検索制御部10によって、第2動作が自動的に選択された場合には、周辺検索制御部10は、まず、周辺検索部11に、第1段階の指定地点周辺検索を行わせるための制御を行うようになっている。
これにより、周辺検索部11によって、周辺検索開始地点とみなされた前記目的地の周辺の施設であって、前記経路上/指定地点周辺検索条件設定手段としての検索条件設定部9によって設定された施設の種別の条件を満足する施設が、第1段階検索施設として検索されるようになっている。
なお、現在の自車位置から周辺検索開始地点とみなされた前記目的地までの到着予想時刻である第1到着予想時刻については、周辺検索方法判定部24による判定を行う際に既に算出されているので、この第1到着予想時刻を算出する工程は省略される。
次いで、周辺検索制御部10は、到着予想時刻算出部14に、設定周辺検索開始地点とみなされた前記目的地から第1段階検索施設へ向かう場合における当該第1段階検索施設への到着予想時刻である第2到着予想時刻を、第1到着予想時刻の算出結果を用いて算出させるようになっている。
次いで、周辺検索制御部10は、周辺検索部11に、第2段階の指定地点周辺検索として、第1段階検索施設から、第2到着予想時刻が前記経路上/指定地点周辺検索条件設定手段としての検索条件設定部9によって設定された設定到着時刻の条件を満足する施設へと絞り込むことを内容とした検索を行わせるための制御を行うようになっている。
さらに、周辺検索制御部10は、必要に応じて、周辺検索部11に、第2段階の指定地点周辺検索として、第1段階検索施設から、前記施設の種別および前記設定到着時刻以外の設定検索条件を満足する施設へと絞り込むことを内容とした検索を行わせるための制御を行うようになっている。
これにより、周辺検索部11によって、第3動作に付随する第2動作として、前記目的地を周辺検索開始地点とした設定検索条件を満足する施設の指定地点周辺検索(周辺検索方法判定部24による判定をともなう指定地点周辺検索)が行われ、検索結果が案内部5によって案内されるようになっている。
このような第3動作に付随する第2動作においても、到着予想時刻算出部14は、第1到着予想時刻としての現在の自車位置から前記目的地までの到着予想時刻の算出を繰り返すことによって、第1到着予想時刻を変更することができるようになっている。
また、到着予想時刻算出部14は、第2到着予想時刻の算出を繰り返すことによって、第2到着予想時刻を変更することができるようになっている。
さらに、このような第1到着予想時刻の変更およびこれにともなう第2到着予想時刻の変更にともなって、周辺検索部11による第2段階の指定地点周辺検索によって絞り込まれて案内部5によって案内される施設を変更することができるようになっている。
なお、目的地設定部3によって目的地が設定されている場合であっても、検索条件設定部9に周辺検索開始地点が設定されている場合には、直接第2動作(第3動作に付随しない第2動作)に移行するようになっている。
また、検索条件設定部9によって、目的地も周辺検索開始地点も設定されていない場合には、音声案内等によって、利用者に目的地または周辺検索開始地点の設定のための入力操作を促すようにしてもよい。
したがって、このような構成によれば、検索条件設定部9によって設定された設定到着時刻が、目的地への到着予想時刻に対して前後したとしても、周辺検索方法判定部24による適正な判定に基づいて、第1動作を行うか、または、第2動作を行うかを自動的に選択することができる。
この結果、設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設をさらに簡便かつ確実に検索して案内することができる。
(具体例)
次に、このような第3動作のための構成を有するナビゲーション装置1による第3動作の具体例について、図15および図16を新たに参照して説明する。
まず、操作部2による入力操作によって、目的地設定部3に、目的地として地点Dを設定させると、現在の自車位置20である地点Aから地点Dまでのルート25(図15参照)が、ルート計算部7によって計算される。
また、操作部2の入力操作によって、検索条件設定部9に、複合的な検索条件として、設定到着時刻を12時(12:00)(正午)、この12時に対応する種別を食事施設と設定させ、かつ、設定到着時刻を17時(17:00)、この17時に対応する種別を温泉と設定させる。この設定は、図5に示した設定画面と同様の設定画面を用いて行うようにしてもよい。
これにより、周辺検索の対象が、12時に到着することができる食事施設および17時に到着することができる温泉施設となる。
なお、本具体例においては、便宜上、第3動作は、温泉施設の周辺検索および案内についてのみなされ、食事施設の周辺検索および案内については、専ら第1動作(第3動作に付随しない第1動作)によるものとする。
次いで、周辺検索制御部10は、検索条件設定部9によって設定周辺検索開始地点が設定されていない場合には、地点Dを設定周辺検索開始地点とみなす。
次いで、周辺検索制御部10は、地点Aから地点Dへ向かう場合における地点Dへの到着予想時刻を、到着予想時刻算出部14に算出させるための制御を行う。
これにより、到着予想時刻算出部14は、周辺検索制御部10による制御の下で、地点Dへの到着予想時刻を、第1到着予想時刻として算出する。
そして、地点Aにおいて算出された地点Dへの到着予想時刻が16時である場合には、この到着予想時刻は、設定到着時刻である17時よりも早い時刻となる。
この場合には、第3動作として、周辺検索方法判定部24が、第2動作が行われるべきであると判定し、この判定を受けて、周辺検索制御部10が、第2動作を自動的に選択する。
周辺検索制御部10が、第2動作を自動的に選択した場合には、周辺検索制御部10は、まず、周辺検索部11に、第1段階の指定地点周辺検索を行わせるための制御を行う。
これにより、周辺検索部11によって、地点Dの周辺の温泉施設が、第1段階検索施設として検索される。
次いで、周辺検索制御部10は、到着予想時刻算出部14に、地点Dから第1段階検索施設へ向かう場合における当該第1段階検索施設への到着予想時刻である第2到着予想時刻を、第1到着予想時刻の算出結果を用いて算出させる。
次いで、周辺検索制御部10は、周辺検索部11に、第2段階の指定地点周辺検索として、第1段階検索施設から、第2到着予想時刻が17時である施設へと絞り込むことを内容とした検索を行わせるための制御を行う。
さらに、周辺検索制御部10は、周辺検索部11に、第2段階の指定地点周辺検索として、第1段階検索施設から、種別が温泉施設である施設へと絞り込むことを内容とした検索を行わせるための制御を行う。
これにより、第3動作に付随する第2動作として、周辺検索部11による地点Dを中心とした指定地点周辺検索によって、17時に到着することができる地点Dの周辺の温泉施設が検索され、検索結果が、図15に示すように案内部5によってアイコン32として表示される。
なお、このとき、12時に到着することができる食事施設については、第1動作(第3動作に付随しない第1動作)により、12時における推定自車位置である地点Bを中心とした経路上周辺検索によって検索され、検索結果が図15に示すようにアイコン33として表示される。
次いで、図15の状態から、自車がルート25上を進行することによって、図16に示すように、自車位置20が地点Aを過ぎた地点に移動したときに、交通渋滞等の理由によって、当該地点において算出された地点Dへの到着予想時刻が、設定到着時刻である17時よりも遅い時刻である18時になったとする。
この場合には、第3動作として、周辺検索方法判定部24が、第1動作が行われるべきであると判定し、この判定を受けて、周辺検索制御部10が、第1動作を自動的に選択する。
周辺検索制御部10が第1動作を自動的に選択した場合には、周辺検索制御部10は、まず、自車位置推定部12に、17時における推定自車位置を推定させる。
これにより、自車位置推定部12によって、17時における推定自車位置が図16における地点Cであると推定される。
次いで、周辺検索制御部10は、地点Cを新たな周辺検索開始地点と決定し、設定周辺検索開始地点とみなされた地点Dではなく、地点Cを中心とした経路上周辺検索を周辺検索部11に行わせるための制御を行う。
これにより、第3動作に付随する第1動作として、周辺検索部11による地点Cを中心とした経路上周辺検索によって、17時に到着することができる地点Cの周辺の温泉施設が検索され、検索結果が、図16に示すように案内部5によってアイコン32として表示される。
なお、このとき、12時における推定自車位置については変化がなく、12時に到着することができる食事施設については、地点Bを中心とした経路上周辺検索によって検索され、検索結果が図16に示すようにアイコン33として表示される。
これにより、利用者は、簡便な操作によって、道路事情の変化等にかかわらず、常に、12時に到着することができる食事施設と、17時に到着することができる温泉施設とを、その有無を含めて確実に案内されることができる。
この結果、利用者は、向かうべき食事施設または温泉施設を容易に決定することができ、また、到着時刻の設定を変更すること等によって計画を予め変更することができる。
以上述べたように、本実施形態におけるナビゲーション装置1によれば、設定到着時刻またはその近時に自車が到着することができる施設を簡便かつ確実に検索して利用者に案内することができ、利用者が、これから向かうべき所望の施設を容易に決定することができるといった優れた利便性を発揮することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、第1動作または第2動作を、利用者による操作部2の入力操作に基づいて個別・選択的に行うようにしてもよいことは勿論である。
また、周辺検索開始地点から第1段階検索施設までの走行時間の変化を検知できるようにすることによって、当該走行時間の変化に応じて第2到着予想時刻を変更するようにしてもよい。
そのようにすれば、道路事情等の刻々と変化する状況に応じて、設定到着時刻に到着することができる施設をより確実に検索して案内することができる。