JP7266498B2 - 中空粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、中空粒子に関する。
中空粒子は、外殻で囲まれた空洞を有しており、断熱性や軽量性に優れるため、塗料や建築等の分野で断熱・遮熱塗料やコンクリートの軽量化フィラーとして利用されてきた。近年、塗料の分野で薄膜化が検討されているが、従来の中空粒子は粒子径が30μmを超えるため、薄膜化に限界があった。また、中空粒子を塗料や樹脂等と混練する際に、粘度に応じて応力がかかるため、混練中にクラックが発生し、中空形状を保持できないこともあった。
このような背景から、本出願人は、微小粒子を製造する噴霧熱分解法に着目し、加熱温度と加熱時間を制御することで、平均粒子径が0.5~20μmであり、中空率が80%以上である微細かつ断熱性、軽量性に優れた中空粒子の開発に成功し、特許出願を行った(特許文献1~4)。
特開2019-26543号公報 特許第6324247号明細書 特許第6389373号明細書 特許第6389431号明細書
本技術によれば、空洞を保持しながら外殻の材質を緻密化し、外殻の厚みが薄くても実用に耐え得る強度を有する中空粒子を提供することができるが、このような強度を発現させるには、600℃超の高温で加熱することが必須であり、製造コストの高騰が懸念される。また、中空粒子は、クラックが入ると瞬時に破壊するという特性を有するため、より強度の高い中空粒子が求められていた。
本発明の課題は、高い強度を有する中空粒子を提供することにある。
本発明者は、中空粒子の外殻部に特定物質を含有させることで、強度が高められることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔7〕を提供するものである。
〔1〕無機化合物及びセルロースナノファイバーを含む外殻部と、該外殻部に囲まれた中空部とを有する、中空粒子。
〔2〕無機化合物が非晶質である、前記〔1〕記載の中空粒子。
〔3〕無機化合物がアルミノホウケイ酸塩、アルミノシリケート又はバリウムホウケイ酸塩である、前記〔1〕又は〔2〕記載の中空粒子。
〔4〕セルロースナノファイバーの含有量が無機化合物に対して1~5質量%である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の中空粒子。
〔5〕中空率が70%以上である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の中空粒子。
〔6〕外殻部の厚みが30~500nmである、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一に記載の中空粒子。
〔7〕平均粒子径が1~10μmである、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の中空粒子。
本発明の中空粒子は、外殻部がセルロースナノファイバーで補強されているため、軽量化を損なわずに強度が高められている。したがって、断熱・遮熱塗料やコンクリートの軽量化フィラーとして有用である。
中空粒子の構造を示す模式図である。 実施例1及び比較例1で得られた中空粒子の荷重変位曲線図である。
〔中空粒子〕
本明細書において「中空粒子」とは、内部に中空構造を有する粒子であって、中空部を区画する外殻部を有する粒子をいう。
図1は、中空粒子の構造を示す模式図である。図1に示されるように、中空部は、外殻部に囲まれ、一定空間を有している。したがって、粒子の表面から内部へ延びる複数の細孔を有する多孔質粒子とは異なる。なお、中空粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)像により多孔質粒子と区別することができる。
本発明の中空粒子の中空率は、軽量化の観点から、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ここで、本明細書において「中空率」とは、後掲の実施例に記載の方法により算出される値をいう。
本発明の中空粒子の外殻部の厚みは、強度向上、軽量化の観点から、2000nm以下が好ましく、10~1000nmがより好ましく、30~500nmが更に好ましい。なお、殻の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)像から測定することができる。
本発明の中空粒子は、外殻部と、該外殻部に囲まれた中空部とを有するものであり、外殻部は、無機化合物及びセルロースナノファイバーを含むものである。なお、外殻部は、無気孔であることが好ましい。
(無機化合物)
無機化合物は、結晶質でも、非晶質でも構わないが、本発明の効果を享受しやすい点で、非晶質が好ましい。
無機化合物としては、無機酸化物を構成する元素を含み、水等の溶媒に溶解する化合物であれば特に限定されない。かかる元素としては、例えば、周期表第2族元素、周期表第4族元素、周期表第8族元素、周期表第9族元素、周期表第10族元素、周期表第11族元素、周期表第12族元素、周期表第13族元素、周期表第14族元素、周期表第15族元素を挙げることができる。元素は、1種でも、2種以上含まれていてもよい。
周期表第2族元素としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられる。周期表第4族元素としては、例えば、Ti、Zrが挙げられる。周期表第8族元素としては、例えば、Fe、Ruが挙げられる。周期表第9族元素としては、例えば、Co、Rh、Irが挙げられる。周期表第10族元素としては、例えば、Ni、Pd、Ptが挙げられる。周期表第11族元素としては、例えば、Cu、Ag、Auが挙げられる。周期表第12族元素としては、例えば、Zn、Cdが挙げられる。周期表第13族元素としては、例えば、B、Al、Ga、In、Tlが挙げられる。周期表第14族元素としては、例えば、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられる。周期表第15族元素としては、例えば、P、As、Sb、Biが挙げられる。
中でも、無機化合物としては、本発明の効果を享受しやすい点で、周期表第2族元素、周期表第8族元素、周期表第11族元素、周期表第12族元素、周期表第13族元素及び周期表第14族元素から選ばれる1種又は2種以上の元素を含むことが好ましく、Mg、Ca、Ba、Fe、Cu、Zn、B、Al及びSiから選ばれる1種又は2種以上の元素を含むことが更に好ましい。
無機化合物の具体例としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化鉄、アルミノシリケート、アルミノホウケイ酸、バリウムホウケイ酸等を挙げることができる。中でも、本発明の効果を享受しやすい点で、アルミノホウケイ酸塩、アルミノシリケート、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタンが好ましく、アルミノホウケイ酸塩、アルミノシリケート、バリウムホウケイ酸塩が更に好ましい。
(セルロースナノファイバー)
本明細書において「セルロースナノファイバー」とは、植物細胞壁由来のセルロース繊維をナノレベルにまで解繊した繊維をいう。セルロースナノファイバーは、セルロース分子鎖が周期的構造を有しており、無機化合物と複雑に絡み合うため、軽量化を損なわずに外殻部を補強することができる。
原料であるセルロース繊維としては、例えば、綿系パルプ(針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター、コットンリント等)、非木材系パルプ(麦わらパルプ、バガスパルプ等)を挙げることができるが、これらに限定されない。
セルロース繊維の解繊方法としては公知の方法を採用することが可能であり、特に限定されないが、例えば、機械的解繊法を挙げることができる。機械的解繊法としては、例えば、グラインダー、高圧ホモジナイザー、水中対向衝突が挙げられる。なお、セルロースナノファイバーには、解繊度として低解繊(繊維径分布がブロード)から高解繊(繊維径分布がシャープ)までのものが有るが、解繊度は特に限定されない。
セルロースナノファイバーの繊維幅は、強度向上の観点から、0.1~100nmが好ましく、1~50nmがより好ましく、10~50nmが更に好ましい。なお、繊維幅とは、繊維の長手方向と直交する断面の断面径をいい、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定することができる。
セルロースナノファイバーの比表面積は、強度向上の観点から、10~1000m2/gが好ましく、50~1000m2/gがより好ましく、100~800m2/gが更に好ましい。なお、比表面積は、ガス吸着法により測定することができる。
セルロースナノファイバーは、少な過ぎると補強効果が不十分となり、他方多過ぎると中空部に入り込み、中空構造を損なう場合がある。かかる観点から、セルロースナノファイバーの含有量は、無機化合物に対して、0.5~10質量%が好ましく、1~7質量%がより好ましく、2~5質量%が更に好ましい。
本発明の中空粒子の形状は、真球状、扁楕円体や長楕円体等の略球状のいずれであってもよいが、分散性、混合性等の観点から、平均円形度が0.85以上であることが好ましく、0.90以上が更に好ましい。ここで、「円形度」は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円の周囲長および面積は、それぞれPM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とする。
本発明の中空粒子の平均粒子径は、通常0.5~50μmであるが、微粒子化の観点から、0.5~20μmが好ましく、1~10μmが更に好ましい。ここで、本明細書において「平均粒子径」とは、JIS R 1629に準拠して試料の粒度分布を体積基準で作成したときに積算分布曲線の50%に相当する粒子径(d50)を意味する。なお、粒子径分布測定には、例えば、レーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置を使用することができる。
本発明の中空粒子の粒子密度は、強度向上の観点から、0.1~3.0g/cm3が好ましく、0.2~2.0g/cm3がより好ましく、0.3~1.5g/cm3が更に好ましい。ここで、本明細書において「粒子密度」とは、JIS R 1620に準拠して気体置換法により測定した値をいう。粒子密度の測定には、例えば、乾式自動密度計を使用することができる。
本発明の中空粒子の50%残存強度は、強度向上の観点から、3~500MPaが好ましく、5~100MPaがより好ましく、10~50MPa更に好ましく、12~30MPaが殊更好ましい。ここで、本明細書において「50%残存強度」とは、粉体加圧法により測定した値をいい、具体的には後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
このように、本発明の中空粒子は、強度が高く、耐衝撃性に優れるため、例えば、断熱材料用フィラー、遮熱材料用フィラー、コンクリートの軽量化フィラーとして有用である。
〔中空粒子の製造方法〕
本発明の中空粒子の製造方法は、上記構造を有する中空粒子を得ることができれば特に限定されないが、例えば、原料無機化合物及びセルロースナノファイバーを含む被噴霧液体を、噴霧熱分解装置内に装着されたノズルから噴霧し、噴霧されたミストを熱分解する方法を挙げることができる。
(被噴霧液体)
原料無機化合物としては、上記した元素を1種又は2種以上含む、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、有機酸塩、アルコキシド等を好適に使用することができる。かかる原料無機化合物は、1種又は2種以上使用することができる。例えば、原料無機化合物がアルミニウム化合物である場合、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム酸化物、アルミニウム酸化物のゾル等の化合物を用いることができる。また、ケイ素化合物の場合、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、オルトケイ酸テトラエチル、ケイ素酸化物、シリカゾル等を用いることができる。
セルロースナノファイバーは、上記した特性を有するものを使用すればよい。
セルロースナノファイバーは、パウダー状や溶液状等の種々の形態のものがあり、適宜選択することができるが、中でも、取扱い性の点で、溶液状のセルロースナノファイバーが好ましい。なお、溶液状のセルロースナノファイバーは、セルロースナノファイバーを溶媒に分散又は溶解したものである。溶媒は特に限定されず、水、有機溶媒等を適宜選択することが可能であり、溶媒濃度も適宜設定することができる。
例えば、溶液状のセルロースナノファイバーを使用する場合、取扱い性の観点から、B型粘度計を用いて25℃、60rpmの条件で測定した、濃度2質量%の水分散液の粘度が、800mPa・s未満であるものが好ましく、750mPa・s未満であるものがより好ましく、700mPa・s未満であるものが更に好ましい。なお、かかる粘度の下限値は、特に限定されない。
被噴霧液体は、原料無機化合物及びセルロースナノファイバーを、水又はエタノール等の有機溶媒と混合して調製できる。溶媒としては、水と有機溶媒を混合したものも用いることができる。
被噴霧液体中の原料無機化合物濃度は、各元素の総量として、0.01mol/L~2.0mol/Lが好ましく、0.1mol/L~1.0mol/Lがより好ましい。
被噴霧液体中のセルロースナノファイバー濃度は、外殻部中のセルロースナノファイバーの含有量が無機化合物に対して1~5質量%となる濃度であればよく、原料無機化合物の元素の種類に応じて適宜設定することができる。
(噴霧熱分解装置)
加熱炉は、炉材として使用されている材質であれば何れも用いることができ、加熱温度等を考慮して選定すればよい。熱分解炉の形状は、堅型円筒状が好ましく、熱分解炉の大きさは、製造スケールにより適宜選択することができる。
(噴霧)
被噴霧液体を噴霧するノズルとしては、例えば、2流体ノズル,3流体ノズル,4流体ノズルを挙げることができる。ここで、流体ノズルの方式には、気体と原料化合物含有溶液とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で気体と原料化合物含有水溶液を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用できる。ノズルに供給する気体としては、例えば、空気や、窒素、アルゴン等の不活性ガス等を使用することができる。中でも、経済性の観点から、空気が好ましい。なお、ノズルは、1基又は2基以上設置することができる。
被噴霧液体の流量は、強度向上、生産性の観点から、1~100L/hが好ましく、3~80L/hがより好ましく、5~60L/hが更に好ましい。
(熱分解)
ノズルから噴霧されたミストは、噴霧熱分解装置内で熱分解される。これにより、ミストから無機化合物及びセルロースナノファイバーを含む膜が形成され、それを起点に中空形状の粒子が形成される。
加熱装置は、例えば、燃焼バーナー、熱風ヒータ、電気ヒータ等を挙げることができる。加熱装置は、1基又は2基以上設置することが可能である。なお、燃焼バーナー、熱風ヒータ及び電気ヒータは、一般的に販売されているものであれば、いずれも使用することができる。
加熱装置の温度は、600℃以下であればよいが、加熱炉内で酸化物粒子が析出する必要性から、400℃以上が好ましい。
加熱時間は、0.1秒から1秒の範囲内であればよい。
加熱後、中空粒子を冷却し回収する。
中空粒子の回収は、高性能サイクロン粉体回収機やバグフィルターを用いた粉体回収装置を用いることができる。また、中空粒子の回収にあたっては、フィルターを通過させることにより、粒子径の調整をしてもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例で使用した材料は、以下のとおりである。
・硝酸アルミニウム9水和物 :関東化学社製 特級
・硝酸マグネシウム6水和物 :関東化学社製 特級
・硝酸バリウム :関東化学社製 特級
・硝酸カルシウム4水和物 :関東化学社製 特級
・硝酸鉄9水和物 :関東化学社製 特級
・硝酸亜鉛6水和物 :関東化学社製 特級
・硝酸銅 熱分解温度 :関東化学社製 特級
・ホウ酸ナトリウム10水和物:関東化学社製 特級
・オルトケイ酸テトラエチル(TEOS):関東化学社製 有機合成用試薬
・セルロースナノファイバー :SUGINO社製 BiNFi-s BMa-100
平均繊維径:30nm、
比表面積 :120m2/g
粘度 :2質量%水分散液(B型粘度計:25℃、60rpm)600mPa・s
実施例1
硝酸アルミニウム水溶液(0.2mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.3g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状にして熱分解装置に噴霧し、500℃で0.5秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例2
硝酸マグネシウム水溶液(0.1mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.2g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状にして熱分解装置に噴霧し、600℃で0.8秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例3
硝酸バリウム水溶液(0.1mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.3g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状にして熱分解装置に噴霧し、600℃で0.9秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例4
硝酸カルシウム水溶液(0.1mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.2g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、超音波噴霧装置を介してミスト状にして空気とともに熱分解装置に噴霧し、600℃で0.5秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例5
硝酸鉄水溶液(0.2mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.6g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、超音波噴霧装置を介してミスト状にして空気とともに熱分解装置に噴霧し、400℃で0.4秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例6
硝酸亜鉛水溶液(0.1mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.4g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、3流体ノズルを介してミスト状にして熱分解装置に噴霧し、400℃で0.6秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例7
硝酸銅水溶液(0.1mol/L)に、セルロースナノファイバーを0.2g添加しよく攪拌した。この水溶液をポンプにより、3流体ノズルを介してミスト状にして熱分解装置に噴霧し、400℃で0.7秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
実施例8
水道水1Lに、ホウ酸ナトリウム10水和物:9.52g、硝酸カルシウム4水和物:5.44g、硝酸マグネシウム6水和物:5.92g、硝酸アルミニウム9水和物:20.1gを溶解した後、オルトケイ酸テトラエチルを32.8g添加し、金属塩濃度が0.4mol/Lの水溶液を作製した。この水溶液にセルロースナノファイバーを0.6g添加し、よく攪拌した後、ポンプにより、2流体ノズルを介してミスト状にして熱分解装置に噴霧し、600℃で0.6秒間焼成を行い、中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
比較例1
セルロースナノファイバーを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
比較例2
セルロースナノファイバーを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作により中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
比較例3
セルロースナノファイバーを添加しなかったこと以外は、実施例8と同様の操作により中空粒子を得た。得られた中空粒子について、下記の分析を行った、その結果を表1に示す。
1.粒子密度の測定
中空粒子の粒子密度は、乾式自動密度計(アキュピックII 1340、マイクロメトリックス社製)を用い、JIS R 1620に準拠して測定した。
2.中空率の測定
中空粒子の中空率は、下記式により算出した。なお、中空殻の真密度は、空隙部分を取り除くために、箱型電気炉にて融点以上で6時間加熱、冷却した後、密度測定機で測定した。
中空率=(1-粒子密度÷真密度)×100
3.平均粒子径の測定
中空粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置(MT3000II、マイクロトラックベル社製)を用い、JIS R 1629に準拠して体積基準の粒度分布を作成し、積算分布曲線の50%に相当する粒子径(D50)を求めた。
4.粒子強度の測定
粒子強度は、次の粉体加圧法により測定した。
(1)中空粒子とエタノールとを質量比4:1で混合し、試料を調製した。
(2)試料を圧力成形器に入れ、油圧プレス機で所定の圧力(10MPa,20MPa,30MPa)を印加した。
(3)所定の圧力を印加した状態で1分間静置した。
(4)圧力成形器から試料を取り出し、80℃で2時間乾燥した。
(5)微小圧縮試験機(MCT-510、島津製作所社製)を用い、加圧後の中空粒子の密度を測定した。
そして、加圧前後の中空粒子の密度から、下記式により、所定圧力ごとの残存率を算出し、残存率と印加圧力のグラフより、50%残存時の圧力を読み取った。なお、式中の真密度は、上記と同様に測定したものである。
残存率P[%]=(1-ρ/y)/ρ×(1/x-1/y)×100
〔式中、ρは、加圧後の密度を示し、yは、中空殻の真密度を示し、xは、加圧前の密度を示す。〕
5.荷重変位曲線の測定
実施例1及び比較例1で得られた中空粒子について、微小圧縮試験機を用い、粒子と圧縮端子接触後、0.2μm/sの変位となるように、圧縮端子を降下させて、荷重変移曲線を測定した。
Figure 0007266498000001
表1から、外殻部に無機化合物とともにセルロースナノファイバーを含有させることで、中空率が高く、かつ強度の高い中空粒子が得られることがわかる。このことは図2からも明らかであり、セルロースナノファイバーを含有しない比較例1の中空粒子は、荷重をかけると、直ちに変形して破裂するのに対し、セルロースナノファイバーを含有する実施例1の中空粒子は、荷重をかけると、変形した状態を一定時間保持した後、破壊することから、比較例1の中空粒子に比して、強度が高いことがわかる。

Claims (7)

  1. 無機化合物及びセルロースナノファイバーを含む外殻部と、
    該外殻部に囲まれた中空部と
    を有する、中空粒子。
  2. 無機化合物が非晶質である、請求項1記載の中空粒子。
  3. 無機化合物がアルミノホウケイ酸塩、アルミノシリケート又はバリウムホウケイ酸塩である、請求項1又は2記載の中空粒子。
  4. セルロースナノファイバーの含有量が無機化合物に対して1~5質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の中空粒子。
  5. 中空率が70%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の中空粒子。
  6. 外殻部の厚みが30~500nmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の中空粒子。
  7. 平均粒子径が1~10μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の中空粒子。
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JP2018090582A (ja) 2016-11-30 2018-06-14 連展科技股▲ふん▼有限公司 菌晶粒子、熱伝導部材及び菌晶粒子の製造方法
JP2019056186A (ja) 2017-09-20 2019-04-11 太平洋セメント株式会社 アルミナ質中空ファイバーの製造方法
JP2019077586A (ja) 2017-10-24 2019-05-23 花王株式会社 中空シリカ粒子の製造方法

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