JP7266491B2 - 往復動切断工具 - Google Patents

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Description

本発明は、充電式レシプロソー等の往復動切断工具に関する。
米国特許第8230607号明細書(特許文献1)及び特開2017-13159号公報(特許文献2)に示されるレシプロソーは、往復動するプランジャ(スライダ)と、カバーとを有している。プランジャは、ブレードを着脱する着脱機構を有している。そして、カバーは、左側において、ブレードの着脱機構への着脱を操作する操作部を備えている。
米国特許第8230607号明細書 特開2017-13159号公報
上記の各レシプロソーでは、カバーの外側に露出する操作部とカバー内の着脱機構とが連動可能な状態で組み付けられる必要があり、操作部の組み付けが比較的に困難である。
そこで、本発明の主な目的は、ブレードの着脱機構と連動する操作部の組み付けがより一層容易である往復動切断工具を提供することである。
請求項1に記載の発明は、モータと、先端工具を着脱する先端工具クランプが設けられるスライダと、前記モータの回転を往復動に変換して前記スライダに伝達する往復動変換機構と、前記先端工具クランプに対する前記先端工具の装着及び取り外しの少なくとも一方を操作する操作ドラムと、前記操作ドラムを保持するハウジングと、を備えている。前記操作ドラムは、操作ドラム孔と、操作片とを有している。前記ハウジングは、受け側ハウジングと、前記受け側ハウジングに被さる被せ側ハウジングとを有している。前記受け側ハウジングに、ハウジング孔が開けられている。前記被せ側ハウジングに、前記操作片を通す操作片用孔が開けられている。前記操作ドラム孔が前記ハウジング孔に重なると、前記操作片は前記被せ側ハウジングと干渉しない位置となる。
請求項2に記載の発明は、モータと、先端工具を着脱する先端工具クランプが設けられるスライダと、前記モータの回転を往復動に変換して前記スライダに伝達する往復動変換機構と、前記先端工具クランプに対する前記先端工具の装着及び取り外しの少なくとも一方を操作する操作ドラムと、前記操作ドラムを保持するハウジングと、を備えている。前記ハウジングは、ハウジング孔を有している。前記操作ドラムは、操作ドラム孔を有している。前記操作ドラム孔が前記ハウジング孔に重なると、前記操作ドラムが、前記ハウジングに対する仮組み付け位置又は組み付け位置となる。
請求項3に記載の発明では、上記発明において、前記操作ドラムは、操作片を有している。前記ハウジングは、受け側ハウジングと、前記受け側ハウジングに被さる被せ側ハウジングとを有している。前記被せ側ハウジングに、前記操作片を通す操作片用孔が開けられている。
請求項4に記載の発明では、上記発明において、前記ハウジングにおける、前記操作ドラムを保持する部分に、溝が形成されている。
請求項5に記載の発明では、上記発明において、前記溝は、前記ハウジング孔及び前記操作片用孔の少なくとも一方に向けて、斜めに形成されている。
請求項6に記載の発明では、上記発明において、前記操作ドラムは、テンションスプリングによって付勢されている。前記ハウジングは、前記テンションスプリングを係止する係止部と、前記係止部に隣接する抜き孔とを有している。
請求項7に記載の発明では、上記発明において、前記ハウジングは、受け側ハウジングと、前記受け側ハウジングに被さる被せ側ハウジングとを有している。前記係止部は、前記受け側ハウジングに設けられている。前記テンションスプリングは、前記操作ドラムと前記被せ側ハウジングとの間に配置されている。前記テンションスプリングにおける第1の端部は、前記操作ドラムに係止され、前記テンションスプリングにおける第2の端部は、前記係止部に係止される。
請求項8に記載の発明では、上記発明において、前記操作ドラムは、前記ハウジングの前端部内に保持されている。前記ハウジングの前端に、前記操作ドラムと前記ハウジングとの間を塞ぐ前端リブが立てられている。
請求項9に記載の発明では、上記発明において、前記操作ドラムは、円筒状である。又、前記前端リブは、リング状である。
本発明の主な効果は、ブレードの着脱機構と連動する操作部の組み付けがより一層容易である往復動切断工具を提供することである。
本発明に係るレシプロソーの上方側の斜視図である。 図1の下方側の斜視図である。 図1の後部の中央縦断面図である。 図1の前部の中央縦断面図である。 図3のE-E線断面図である。 図4のA-A線断面図である。 図6のB-B線断面図である。 図3のC-C線断面図である。 図3のD-D線断面図である。 図4のG-G線断面図である。 図6のH-H線断面図である。 (A)は図6におけるブレードクランプ、及びスライダ基部の前端部の拡大図であり、(B)は(A)においてブレードが装着された場合の図である。 図4におけるスライダ及びリリース機構並びにブレードの後端部の分解斜視図であって、後左斜め上から見た図である。 図4におけるスライダ及びリリース機構並びにブレードの後端部の分解斜視図であって、前右斜め上から見た図である。 図1における左ギヤハウジングにおける前部の内面側の斜視図である。 (A)は図1の左ギヤハウジングにおける前部の左側面図であり、(B)は(A)のI-I線断面図であり、(C)は(A)のJ-J線断面図である。 図1における右ギヤハウジングにおける前部の内面側の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態及びその変更例が、適宜図面に基づいて説明される。
当該形態は、電動工具,往復動工具の一例としての往復動切断工具に係るものであり、より具体的には、レシプロソーに係るものである。
当該形態及び変更例における前後上下左右は、説明の便宜上定めたものであり、作業の状況及び移動する部材の状態の少なくとも一方等により変化することがある。
尚、本発明は、当該形態及び変更例に限定されない。
図1は、本発明に係るレシプロソー1の上方側の斜視図である。図2は、図1の下方側の斜視図である。図3は、図1の後部の中央縦断面図である。図4は、図1の前部の中央縦断面図である。図5は、図3のE-E線断面図である。図6は、図4のA-A線断面図である。図7は、図6のB-B線断面図である。図8は、図3のC-C線断面図である。図9は、図3のD-D線断面図である。
図3及び図4において、図の右がレシプロソー1の前方であり、図の上がレシプロソー1の上方である。
レシプロソー1は、本体ハウジング2と、モータ3と、ファン4と、往復動変換機構5と、スライダ6と、リリース機構7と、カウンタウェイト機構8と、ガイドシュー12と、を有する。
本体ハウジング2は、各種の部材を直接又は間接的に保持する支持枠である。
本体ハウジング2は、モータハウジング18と、バッテリ装着部ハウジング19と、ギヤハウジング20と、カバー22と、を含む。
モータハウジング18の前部は、筒状である。モータハウジング18の後部は、ループ状に形成されている。モータハウジング18は、プラスチック製である。モータハウジング18は、ギヤハウジング20と連通している。
モータハウジング18は、モータ3を、前上部内において保持している。モータ3は、モータケース3aを有している。モータケース3aは、モータ3の外郭である。
モータハウジング18は、半割であり、左モータハウジング18aと、右モータハウジング18bとを有している。
左モータハウジング18aは、複数のネジボス24を有している。右モータハウジング18bは、複数のネジ孔26を有している。ネジ孔26の配置は、ネジボス24の配置と対応している。右モータハウジング18bは、複数のネジ28のそれぞれが、ネジボス24及びネジ孔26に入れられることにより、左モータハウジング18aに対して固定されている。左モータハウジング18aは、受け側ハウジングである。右モータハウジング18bは、被せ側ハウジングである。
モータハウジング18における、上下方向に延びたループの後部は、第1グリップ部30である。第1グリップ部30は、ユーザにより把持される。第1グリップ部30の上端部は、前後に延びた上連結部30Uを介して、モータハウジング18の前部上につながっている。又、第1グリップ部30の下端部は、前後に延びた下連結部30Dを介して、モータハウジング18の前部下につながっている。モータハウジング18の前部と、上連結部30Uと、下連結部30Dと、第1グリップ部30とにより、ループ形状が形成される。第1グリップ部30、上連結部30U及び下連結部30Dの形態から、レシプロソー1は、D型ハンドルを有するものとなっている。
モータハウジング18の後部のループ状部における第1グリップ部30の前面に対向する部分には、複数の吸気孔31が開けられている。各吸気孔31は、左右方向に延びており、上下方向で並べられている。各吸気孔31の前側に、モータ3が配置される。
第1グリップ部30の上部には、メインスイッチ32が保持されている。
メインスイッチ32は、トリガ33と、メインスイッチ本体部34とを有する。
トリガ33は、第1グリップ部30の上部の前側において露出している。ユーザは、トリガ33に対して、指先で引く操作を行える。トリガ33は、メインスイッチ本体部34と接続されている。
メインスイッチ本体部34は、第1グリップ部30の上部内に配置されている。メインスイッチ本体部34は、トリガ33の操作によりオンオフが切り替わる。メインスイッチ本体部34は、トリガ33の引き込み量が所定量以上となるとオンとなる。又、メインスイッチ本体部34は、当該所定量以上の引き込み量に応じて変化する信号(例えば抵抗値)を発信する。
トリガ33は、メインスイッチ本体部34を介して、モータ3のオンオフを切替える。トリガ33は、モータ3のオンオフを操作するスイッチ操作部である。
トリガ33の上側には、速度切替ボタン36が設けられている。速度切替ボタン36は、水平な板状である。速度切替ボタン36の左部及び右部は、モータハウジング18から露出している。速度切替ボタン36は、その左部が押されることで、右方にスライド可能である。又、速度切替ボタン36は、その右部が押されることで、左方にスライド可能である。速度切替ボタン36は、左方にスライドして左側に位置していると、メインスイッチ本体部34を低速モードに切り替える。速度切替ボタン36は、右方にスライドして右側に位置していると、メインスイッチ本体部34を高速モードに切り替える。速度切替ボタン36は、中央に位置していると、トリガ33の引き操作を食い止める。
速度切替ボタン36の上側であって、モータハウジング18の上面には、速度表示部38が設けられている。速度表示部38は、速度切替ボタン36の状態に応じた表示を行う。即ち、速度切替ボタン36が左方にスライドしていると、速度表示部38において「1」の隣に印が位置する。又、速度切替ボタン36が中央に位置していると、速度表示部38においてロックマークの隣に印が位置する。更に、速度切替ボタン36が右方にスライドしていると、速度表示部38において「2」の隣に印が位置する。
モータハウジング18は、モータ3の下側において、コントローラ40を保持している。コントローラ40は、制御回路基板42と、コントローラケース44とを有する。
制御回路基板42は、モータ3を制御する。制御回路基板42は、マイコン及び複数(12個)のスイッチング素子を備えている。
又、制御回路基板42には、コンデンサ46が、図示されない複数のリード線によって接続されている。コンデンサ46は、円柱状のコンデンサ本体部、及び一対の端子板を有している。各端子板の方向は、コンデンサ本体部の中心軸の方向と同様である。コンデンサ46は、コンデンサカバー48内に設けられている。コンデンサカバー48は、スポンジ製であり、円筒状である。コンデンサカバー48は、モータハウジング18に保持されている。
コンデンサ46及びコンデンサカバー48は、前後方向を向いている。よって、コンデンサ46の端子板が前後方向を向く。レシプロソー1の振動は、主に前後方向において発生する。従って、コンデンサ46は、長期間にわたる振動の作用を受けても、壊れ難くなる。
コントローラケース44は、プラスチック製であり、蓋なしの箱状である。コントローラケース44内に、制御回路基板42が入れられている。コントローラケース44内へのモールドの注入により、制御回路基板42を覆うモールド層49が形成されている。
コントローラ40は、モータ3の下方に配置されている。コントローラ40は、斜めの姿勢をとっており、より詳しくは前上がりの姿勢をとっている。制御回路基板42は、後面において、モータハウジング18内で露出している。コンデンサ46及びコンデンサカバー48は、コントローラ40の後側に配置されている。
コントローラケース44の前面は、モータハウジング18の前下部の前壁に沿っている。コントローラケース44の上下には、それぞれ基板ケース保持リブ18Hが配置されている。各基板ケース保持リブ18Hは、モータハウジング18の内面から起立している。各基板ケース保持リブ18Hは、側面視で“U”字状あるいは逆“U”字状である。モータハウジング18は、各基板ケース保持リブ18Hにより、コントローラ40を保持する。
モータハウジング18の前下部であって下連結部30Dの前部の下壁には、複数の下排気孔51が開けられている。各下排気孔51は、左右方向に延びており、前後左右に並べられている。各下排気孔51は、第2排気孔である。
各下排気孔51は、モータハウジング18におけるコントローラ40を保持する部分より下方の部分に配置されている。即ち、各下排気孔51は、モータハウジング18における、コントローラ40に対してファン4と反対側の部分に配置されている。
モータハウジング18の外面(右上部)には、フック52が、フック取付部53を介して取り付けられている。
フック52は、側面視“[”字状である。フック52は、ワイヤの折り曲げにより形成される。
フック52は、フック取付部53の周りで回転可能となっている。フック取付部53は、複数(2本)のネジ54を通してモータハウジング18に入れることで、モータハウジング18に取り付けられている。各ネジ54は、上下方向を向いている。
モータハウジング18の後下部(下連結部30Dの後部)は、モータハウジング18の前下部(下連結部30Dの前部)に対して上方に凹んでいる。モータハウジング18の後下部の下面には、突出部55が、下方へ突出するように形成されている。突出部55は、下端部において、径方向外方に突出するフランジを有している。突出部55におけるフランジ以外の部分(突出部本体)は、上下方向に延びる筒状である。
バッテリ装着部ハウジング19は、半割であり、左バッテリ装着部ハウジング19aと、右バッテリ装着部ハウジング19bとを有している。バッテリ装着部ハウジング19は、プラスチック製である。
バッテリ装着部ハウジング19は、モータハウジング18の突出部55に対し、クッションラバー58を介して取り付けられている。
クッションラバー58は、弾性体であって、ラバー製であり、リング状である。クッションラバー58の断面は、倒れた“U”字状である。クッションラバー58は、突出部55に接触している。
バッテリ装着部ハウジング19の上面には、突出部55の突出部本体大きさと同様の大きさの上開口部19cが形成されている。上開口部19cには、突出部55及びクッションラバー58が入っている。クッションラバー58は、上開口部19cの辺縁を受け入れている。
左バッテリ装着部ハウジング19a、及び右バッテリ装着部ハウジング19bは、複数の左右方向のネジ59により、合わせられている。
バッテリ装着部ハウジング19の下面には、下開口部19dが形成されている。
バッテリ装着部ハウジング19は、端子台60を保持している。端子台60の前部は箱状であり、端子台60の後部は板状である。端子台60は、下開口部19dを塞ぎ、下開口部19dから露出している。端子台60には、複数の端子板60aが保持されている。各端子板60aは、端子台60の後部において前後方向に延びており、端子台60の後部から下方に突出している。
下開口部19dの左右両側には、バッテリ装着部としてのバッテリ装着レール19eが形成されている。各バッテリ装着レール19eは、前後方向に延びている。
バッテリ装着レール19eには、バッテリ61が、後側から前方へスライドすることにより装着される。装着されたバッテリ61は、端子板60aと電気的に接続される。バッテリ61は、モータ3に電力を供給する。
モータハウジング18側からバッテリ装着部ハウジング19への振動の伝達は、クッションラバー58により抑制される。よって、装着されたバッテリ61と端子台60とのずれが、防止される。
バッテリ装着レール19eに隣接する部分であって、バッテリ装着レール19eの前側に、モータハウジング18の下排気孔51が配置されている。
ギヤハウジング20は、往復動変換機構5、スライダ6、及びカウンタウェイト機構8の各部を直接的あるいは間接的に支持する。ギヤハウジング20は、金属製である。ギヤハウジング20は、モータハウジング18の前側に接続される。
ギヤハウジング20は、半割であり、前後に開口部を有する筒状である。ギヤハウジング20は、往復動変換機構5が配置されることから、変換機構ハウジングとして捉えることができる。
ギヤハウジング20は、左ギヤハウジング20aと、右ギヤハウジング20bとを備えている。
左ギヤハウジング20aは、複数のネジボス部62を有している。右ギヤハウジング20bは、各ネジボス部62に対応する複数のネジ孔を有している。右ギヤハウジング20bは、複数のネジ63の何れかが、何れかの当該ネジ孔を通って、ネジボス部62に入れられることにより、左ギヤハウジング20aに対して固定されている。左ギヤハウジング20aは、受け側であり、右ギヤハウジング20bは、被せ側である。
左ギヤハウジング20aの後端部は、ギヤハウジング基部20cとなっている。ギヤハウジング基部20cは、モータハウジング18に接続される。ギヤハウジング基部20cは、上下左右に広がるプレート状である。ギヤハウジング基部20cは、左ギヤハウジング20aの他の部分(内面)から右方に突出するように形成されている。左ギヤハウジング20aは、モータハウジング18から前方に延びる複数(左上,左下,右上,右下)のネジ66(図8)がギヤハウジング基部20cに入ることによって、モータハウジング18の前端部に取り付けられる。
又、右ギヤハウジング20bの前端部の右部には、第1操作片用孔67が開けられている。第1操作片用孔67は、上下に延びており、前後に広がっている。
更に、ギヤハウジング20の前端部の下部には、ライト68が配置されている。ライト68は、LED基板である。LED基板は、LEDを搭載している。ライト68は、左ギヤハウジング20aと右ギヤハウジング20bに挟まれている。ライト68は、発光して前方に投光する。ライト68は、スライダ6の前方を照射可能である。
モータ3、メインスイッチ本体部34、端子板60a、及びライト68は、それぞれ、図示されない複数のリード線によって、制御回路基板42に電気的に接続されている。
左ギヤハウジング20aの下部の肉厚部であって、前端部におけるライト68の設置箇所から後端部にかけて、通路20Lが形成されている。通路20Lは、左方に窪んでいる。通路20Lは、複数のリード線を受け入れ可能である。ギヤハウジング20は、前端部内におけるリリース機構7の保持により、リリース機構7がない場合に比べて径方向に一層大きくなっているところ、通路20Lは、ギヤハウジング20の拡大により生じたデッドスペースであるギヤハウジング20の下部に配置されている。
ライト68の各リード線である各ライトリード線は、図4においてまとめて二点鎖線68Lで示されるように、通路20Lを通過している。ライトリード線は、2本設けられている。ライトリード線は、ギヤハウジング20のデッドスペースを利用して、効率的に配置される。
モータハウジング18のうちモータ3を保持する部分(モータ3の外側の部分)と、ギヤハウジング20と、これらに保持される各種部材とにより、レシプロソー1の本体部69が形成される。
カバー22は、筒状である。カバー22は、ギヤハウジング20に外装される。カバー22は、弾性体(ゴム)製であり、絶縁カバーとして、ギヤハウジング20の外側に設けられている。尚、カバー22は、本体ハウジング2の構成要素に含められなくても良い。又、カバー22は、プラスチックで形成されても良い。
カバー22の後端部は、モータハウジング18の前端部を覆う。カバー22は、モータハウジング18と連続する。
カバー22の後部の左右には、カバー膨出部70が設けられている。各カバー膨出部70は、カバー22の前部に対して左右方向の外側に膨出する。各カバー膨出部70は、側面視で、後広がりの倒れた“U”字状の外縁を有している。各カバー膨出部70の前部は、後方に行くほど左右方向外方に広がる斜面部72となっている。
左側の斜面部72には、複数の本体部排気孔76が設けられている。同様に、右側の斜面部72には、複数の本体部排気孔76が設けられている。各本体部排気孔76は、前後方向に延び、上下方向に並べられている。各本体部排気孔76は、左右の斜面部72に設けられることにより、前後方向に対して斜めに配置される。各本体部排気孔76は、ファン4より前方に配置されている。各本体部排気孔76は、第1排気孔である。
更に、カバー22の前右部には、第2操作片用孔79が開けられている。第2操作片用孔79は、上下に延びており、前後に広がっている。第2操作片用孔79は、ギヤハウジング20の第1操作片用孔67と重なっている。
他方、カバー22の下部、即ち本体ハウジング2の前下部は、第2グリップ部80となっている。第2グリップ部80は、ユーザにより把持される。第2グリップ部80は、各本体部排気孔76より前方に配置されている。
尚、本体ハウジング2の区分の数、本体ハウジング2の区分毎の大きさ、及び本体ハウジング2の各区分の形状の少なくとも何れかは、様々に変更可能である。例えば、モータハウジング18の後部は、モータハウジング18と別体のハンドルハウジングとされても良い。又、バッテリ装着部ハウジング19は、モータハウジング18と一体とされても良い。
モータ3は、電動である。モータ3は、ブラシレスモータである。モータ3は、DC駆動される。
モータ3は、モータケース3aと、ステータ81と、ロータ82とを備えている。
モータケース3aは、モータハウジング18に保持されている。
ステータ81は、ステータコア84と、前絶縁部材86と、後絶縁部材88と、複数(6個)のコイル90とを有する。ステータ81は、円筒状である。
ステータコア84は、金属製である。
ステータコア84は、ステータコアベース部と、複数のティースとを有する。ステータコアベース部は、円筒状である。ステータコアベース部の軸方向は、前後方向である。各ティースは、ステータコアベース部の内面から、径方向内方に突出している。各ティースは、前後に延びている。
前絶縁部材86は、ステータコア84の前に設けられる。
後絶縁部材88は、ステータコア84の後に設けられる。
各コイル90は、前絶縁部材86及び後絶縁部材88を介して、ステータコア84のティースにそれぞれ巻かれる。
後絶縁部材88には、センサ基板92が固定されている。センサ基板92の後面には、複数(3個)の磁気センサが固定されている。各磁気センサは、ロータ82の回転位置を示す回転検出信号を得て、ロータ82の回転状態を取得する。又、センサ基板92と制御回路基板42とが、図示されない複数(6本)のリード線(信号線)により、電気的に接続されている。信号線は、モータハウジング18の前下部内を通過する。
更に、後絶縁部材88の後面周縁には、各コイル90を所定の態様で電気的に接続する接点としてのコイル接続部94が設けられている。コイル接続部94には、図示されない複数(3本)のリード線(電源線)の第1端部が接続されている。3本の電源線は、三相に係る。各電源線は、モータハウジング18の前下部内を通過する。各電源線の第2端部は、制御回路基板42に接続されている。
ロータ82は、ステータ81の内側に配置される(インナーロータ)。
ロータ82は、回転軸100と、ロータコア102と、複数(4個)の永久磁石104と、スリーブ106と、を有する。
回転軸100は、円柱状であり、前後に延びている。回転軸100は、金属製である。回転軸100は、自身の軸の周りで回転する。回転軸100の前端部は、ギヤハウジング20の後端部内に達している。回転軸100の前端部には、ピニオンギヤ部107が形成されている。ピニオンギヤ部107は、複数の歯を有する。
ロータコア102は、円筒状である。ロータコア102の軸方向は、前後方向である。ロータコア102は、前後方向に積層された複数の鋼板により形成されている。ロータコア102は、回転軸100の外側に固定されている。
各永久磁石104は、板状である。4個の永久磁石104は、ロータコア102内において、周方向に極性を交互に変えた状態で並べられる。4個の永久磁石104は、全体として四角柱状となるように配置されている。4個の永久磁石104は、互いに接触していない。
スリーブ106は、金属(真鍮)製で、リング状である。スリーブ106は、ロータコア102及び各永久磁石104の前側において、ロータコア102及び各永久磁石104並びに回転軸100に対し固定されている。スリーブ106は、永久磁石104を固定することで、永久磁石104の回転軸100からの脱落防止を図っている。
又、スリーブ106の前方に、モータ前軸受108が設けられている。モータ前軸受108は、回転軸100の前部の周りに配置されている。モータ前軸受108は、回転軸100を、軸回りで回転可能に支持する。
モータ前軸受108は、ベアリングリテーナ110に保持されている。ベアリングリテーナ110は、板状であり、上下左右に広がっている。ベアリングリテーナ110は、ギヤハウジング20の後端部内に配置されている。ベアリングリテーナ110は、ギヤハウジング20の後端部に対し、複数のネジ66により取り付けられている。ベアリングリテーナ110は、中央に孔113を有する。孔113内には、回転軸100の前端部が配置されている。
モータ前軸受108は、プレート114により固定されている。プレート114は、板状である。プレート114は、モータ前軸受108の後側に配置されている。モータ前軸受108は、プレート114により、ベアリングリテーナ110内に留まる。プレート114は、ベアリングリテーナ110に対し、複数のネジ115により取り付けられている。プレート114は、中央に孔116を有する。孔116内には、回転軸100が通っている。
回転軸100の後端部の周りには、モータ後軸受118が設けられている。モータ後軸受118は、回転軸100を、軸回りで回転可能に支持する。モータ後軸受118は、モータケース3aに保持されている。
ベアリングリテーナ110の上下左右には、隙間が設けられている。各隙間は、ベアリングリテーナ110とモータハウジング18との間に設けられる。
回転軸100の前部周辺であって、モータ前軸受45の後側には、ファン4が配置されている。ファン4は、複数枚の羽根を有する遠心ファンである。ファン4は、回転により、空気を径方向外方に押し出す。ファン4は、回転軸100に一体に固定されている。ファン4は、回転軸100に設けられる。ファン4は、ロータ82及びモータケース3aを介して、モータハウジング18に保持されている。
ファン4の前側には、ベアリングリテーナ110が配置されている。ファン4の前側の周囲には、ベアリングリテーナ110の隙間が配置されている。ベアリングリテーナ110の隙間の前方には、ギヤハウジング20とカバー22との間の隙間が配置されている。カバー22の内面には、径方向内方に突出して前後に延びる複数のリブが立てられている。カバー22の各リブの間が、ギヤハウジング20とカバー22との間の隙間となっている。
ファン4の後端部の下方には、コントローラケース44の前面とモータハウジング18の前下部の前壁との間の風路(下風路)の上端部が配置されている。
尚、ファン4は、モータ3の構成要素とすることも可能である。
往復動変換機構5は、スライダ6に対しモータ3の動力を伝達する動力伝達機構である。往復動変換機構5は、モータ3の回転軸100の回転運動を、スライダ6に伝達する。往復動変換機構5は、ギヤハウジング20に保持される。往復動変換機構5は、モータ3とスライダ6との間に介在している。
往復動変換機構5は、クランクギヤ130と、支持軸132と、コネクティングロッド134と、ピン136と、左ガイドローラ138と、右ガイドローラ140と、左ガイド142と、右ガイド144と、スライダガイド146と、を備えている。
クランクギヤ130は、傘歯部150と、偏心軸152と、を有している。
クランクギヤ130は、円盤状である。クランクギヤ130は、前後上下に広がっている。クランクギヤ130の中央部には、孔が配置されている。傘歯部150は、複数の傘歯を有している。傘歯部150は、クランクギヤ130の右面の外縁部に配置されている。傘歯部150は、ピニオンギヤ部107と噛み合っている。クランクギヤ130の径(歯数)は、ピニオンギヤ部107の径(歯数)より大きい。よって、回転軸100の回転は、クランクギヤ130により減速される。
偏心軸152は、クランクギヤ130の右面周縁部であって、傘歯部150の径方向内側の部分から、右方に突出している。偏心軸152は、クランクギヤ130と一体である。偏心軸152は、円柱状である。偏心軸152は、クランクギヤ130の回転中心(支持軸132)に対して偏心した位置から突出している。
支持軸132は、クランクギヤ130中央部の孔を通る。支持軸132は、左右方向を向いている。クランクギヤ130は、支持軸132の周りで回転可能である。
コネクティングロッド134は、アーム状である。コネクティングロッド134は、前後に延びる。コネクティングロッド134は、後端部において、クランクギヤ130の偏心軸152に対し、軸受154を介して接続される。軸受154は、ニードルベアリングである。
コネクティングロッド134の前端部は、スライダ6の後端部に入っている。スライダ6は、往復動変換機構5につながっている。スライダ6は、往復動変換機構5の前方に配置されている。スライダ6は、前後に延びている。スライダ6は、ギヤハウジング20に対し、往復動可能に支持されている。
スライダ6は、ブレードクランプ156と、スライダ基部158とを有している。
ブレードクランプ156は、先端工具クランプである。ブレードクランプ156は、スライダ基部158の前端部の周囲に配置されている。
スライダ基部158は、有底円筒状であり、前後に延びている。スライダ基部158の横断面(上下左右に広がる断面)の外形は、円形であり、角部を有していない。尚、スライダ基部158の横断面の外形は、長円形等の角部を有していない形状であっても良いし、矩形又は多角形等の角部を有する形状であっても良い。
ブレードクランプ156は、スライダ基部158に対して、上下左右に膨らんでいる。ブレードクランプ156には、ブレードBが装着される。スライダ6は、出力部である。ブレードBは、先端工具である。ブレードBは、長板状であり、装着時に前後に伸びている。ブレードBは、1つの長辺において、刃BEを有している。刃BEは、鋸歯である。ブレードBは、刃BEを下方に向けた状態で装着される。尚、ブレードBは、刃BEを上方に向けた状態で装着されても良い。又、ブレードBは、2つの長辺において刃BEを有していても良い。先端工具は、ブレードB以外のものとされても良い。
ピン136は、コネクティングロッド134の前端部に接続されている。ピン136は、円柱状である。ピン136は、左右に延びている。
ピン136は、コネクティングロッド134の前端部に対して相対回転可能に通されている。
ピン136は、スライダ基部158の後端部を通過している。ピン136は、スライダ基部158に形成された左右方向の孔に挿入されていて、スライダ基部158に対し回転可能となっている。ピン136は、スライダ基部158から抜けないように抜け止めを施されており、スライダ基部158と共に前後移動可能である。
左ガイドローラ138は、ピン136の左端部に配置されている。
右ガイドローラ140は、ピン136の右端部に配置されている。
左ガイドローラ138及び右ガイドローラ140は、焼結材で形成されている。
左ガイドローラ138は、ピン136の左端部に対し、回転可能に支持されている。
右ガイドローラ140は、ピン136の右端部に対し、回転可能に支持されている。
コネクティングロッド134、左ガイドローラ138、及び右ガイドローラ140は、ピン136に対して、それぞれ相対的に回転可能である。ピン136は、コネクティングロッド134とスライダ基部158とをつなぐ。又、ピン136は、左ガイドローラ138及び右ガイドローラ140の軸となっている。
スライダ基部158は、中空であり、後端部に開口部を有している。スライダ基部158の後端部の開口部内には、コネクティングロッド134の前端部、及びピン136の左右方向の中央部が配置されている。スライダ基部158の後端部の開口部の外側には、ピン136の両端部、並びに、左ガイドローラ138及び右ガイドローラ140が配置されている。
左ガイド142は、溝部160と、上辺部161と、下辺部162とを有している。
左ガイド142は、左ガイドローラ138の左の外側に配置されている。左ガイド142は、前後に延びている。
溝部160は、左ガイド142の上下方向における中央部に配置されている。溝部160は、左方へ窪んでおり、右方へ開いている。溝部160は、前後に延びている。溝部160における上下方向の大きさ(溝部160の幅)は、左ガイドローラ138の直径と同様になっており、より詳しくは左ガイドローラ138の直径より僅かに大きくなっている。
上辺部161は、溝部160の上辺から上方へ延びている。
下辺部162は、溝部160の下辺から下方へ延びている。
右ガイド144は、右ガイドローラ140の右の外側に配置されている。右ガイド144は、ほぼ左ガイド142と面対称である形状で形成されている。右ガイド144は、左ガイド142と同様に、溝部164と、上辺部165と、下辺部166とを有している。溝部164は、右方へ窪んでおり、左方へ開いている。
左ガイド142及び右ガイド144は、向かい合っている。左ガイド142及び右ガイド144の各下辺部162,166は、コネクティングロッド134の左右方向の大きさ程度の間隔を有している。
左ガイド142は、上辺部161前部及び下辺部162後部に配置された各ボス孔に、ボス168を受け入れることで、位置決めされる。ボス168は、左ギヤハウジング20aの内面から内方に突出している。又、左ガイド142は、上辺部161後部と下辺部162前部に配置された各ネジ孔に、ネジ170を左ギヤハウジング20aに達するまで入れることで、左ギヤハウジング20aに取り付けられる。
そして、右ガイド144は、左ガイド142と同様に、各ボス172によって位置決めされる。又、右ガイド144は、各ネジ174により、取り付けられる。
スライダガイド146は、スライダガイドケース180と、オイルレスベアリング182と、外側リング184と、内側リング185と、内側前リング186と、ワッシャ188とを有している。スライダガイド146は、スライダ基部158を、前後移動可能に支持する。
スライダガイドケース180は、円筒状である。スライダガイドケース180の軸方向は、前後方向である。スライダガイドケース180は、熱処理された切削材である。スライダガイドケース180は、左右のピン189を介して、ギヤハウジング20に固定されている。各ピン189は、左右に延びており、スライダガイドケース180の左右の孔にそれぞれ挿入される。
スライダガイドケース180は、ケース本体部190と、シール部192と、リブ194とを有している。ケース本体部190は、円筒状である。シール部192は、ケース本体部190の前端から前方に円筒状に突出している。リブ194は、ケース本体部190の前端内面から径方向内方に突出している。リブ194は、リング状である。
オイルレスベアリング182は、円筒状である。オイルレスベアリング182は、ケース本体部190内に圧入されている。オイルレスベアリング182は、焼結材、即ち微細な空隙を多数有する多孔質の材料で形成されている。オイルレスベアリング182は、グリスの潤滑油等の潤滑剤の少なくとも一部が当該空隙に入っていくことで通過可能であるものとなっている(潤滑剤通過体)。グリスは、潤滑油及び増ちょう剤を含んでいる。焼結材は、微細な孔を多数有しており、それらの孔においてグリス(潤滑剤)に含まれる潤滑油を吸着可能である。よって、焼結材は、潤滑油が通過可能なものとなっている。
切削材であるスライダガイドケース180は、焼結材であるオイルレスベアリング182より硬い。即ち、スライダガイドケース180の硬度は、オイルレスベアリング182の硬度より大きい。
オイルレスベアリング182の内径は、スライダ基部158の外径と同様である。オイルレスベアリング182の前面は、リブ194の後面と接触している。尚、オイルレスベアリング182は、ケース本体部190に対し、溶接あるいはネジ止め等によって固定されても良い。
ケース本体部190の上下には、前後に複数(各2個)並んだグリス溜まり196(第1の潤滑剤溜まり)が設けられている。各グリス溜まり196は、上下方向の孔である。各グリス溜まり196は、オイルレスベアリング182の外面に通じている。尚、グリス溜まり196は、前後に1個あるいは3個以上設けられても良いし、ケース本体部190の上部あるいは下部において左右に並ぶように設けられても良いし、ケース本体部190の上部のみあるいは下部のみに設けられても良いし、ケース本体部190の左右に設けられても良い。
ケース本体部190の上部における一対のグリス溜まり196の上側には、潤滑剤含浸体及び第2の潤滑剤溜まりとしてのフェルト197が配置されている。フェルト197は、角柱状である。フェルト197及び上の各グリス溜まり196は、ブレードクランプ156に装着されたブレードBの下向きの刃BEと反対側に配置されている。尚、フェルト197は、上部のグリス溜まり196の上側に代えて、あるいは当該上側と共に、下部のグリス溜まり196の下側に設けられても良い。又、フェルト197は、省略されても良い。
外側リング184は、リング状であり、弾性体(ゴム)である。外側リング184は、シール部192の外側に配置されている。外側リング184の外面における前後方向の中央には、溝が一周設けられている。
内側リング185は、リング状であり、弾性体(ゴム)である。内側リング185は、シール部192の内面に接触している。内側リング185の断面形状は、外面側及び内面側に凹部を有するX字状である(Xリング)。内側リング185は、径方向における外面及び内面において、それぞれ一周の溝を有する。
内側リング185は、内面の溝の両側において、スライダ基部158の外面と接触している。よって、内側リング185の溝によりスライダ基部158との接触面積が減少し、スライダ基部158の往復動時の摩擦が低減された状態で、内側リング185の溝の外側部分におけるスライダ基部158に対する密着性が高められる。従って、内側リング185は、摩擦が低減された状態における十分なシールの確保に寄与している。
内側前リング186は、リング状であり、弾性体(フェルト)である。内側前リング186は、シール部192の内面に接触している。内側前リング186は、内側リング185の前側に配置されている。内側前リング186の内面は、スライダ基部158の外面と接触している。
ワッシャ188は、リップ付きのリング状である。ワッシャ188は、蓋として、シール部192の前端部内に嵌め込まれている。ワッシャ188は、内側リング185の前側に配置されている。ワッシャ188は、スライダ基部158に接触しない。
尚、コネクティングロッド134、軸受154、ピン136、左ガイドローラ138、右ガイドローラ140、左ガイド142、右ガイド144、及びスライダガイド146の少なくとも何れかは、往復動変換機構5の構成要素ではなく、出力部(スライダ6)の構成要素として扱うことができる。
クランクギヤ130が回転すると、偏心軸152が変位(公転)する。すると、偏心軸152の前後方向の変位成分が、コネクティングロッド134に伝達される。
よって、ピン136並びに左ガイドローラ138及び右ガイドローラ140は、コネクティングロッド134を介し、前後に往復動する(コンロッドタイプ)。又、スライダ6が、ピン136を介して、前後方向で往復動する。
このとき、左ガイドローラ138は、溝部160内を転動して、左ガイド142,右ガイド144に案内される。又、右ガイドローラ140は、溝部164内を転動して、右ガイド144に案内される。従って、コネクティングロッド134は、前後方向に案内される。
偏心軸152の公転における上下方向の変位成分は、左ガイドローラ138が左ガイド142内で自転すると共に、右ガイドローラ140が右ガイド144内で自転することにより、ピン136並びに左ガイドローラ138及び右ガイドローラ140には伝達されない。
又、スライダガイド146は、前後動するスライダ基部158を支持する。このスライダガイド146による支持により、スライダ6における前後に延びる姿勢が維持される。
尚、左ガイドローラ138、右ガイドローラ140、左ガイド142及び右ガイド144が省略され、コネクティングロッド134とスライダ6とがピン136のみで連結されても良い。あるいは、左ガイドローラ138、左ガイド142、及びピン136が設けられ、右ガイドローラ140及び右ガイド144が省略されても良い。又は、右ガイドローラ140、右ガイド144及びピン136が設けられ、左ガイドローラ138及び左ガイド142が省略されても良い。
ギヤハウジング20内は、ベアリングリテーナ110及びスライダガイド146、並びにこれらの間に渡された上シール体200及び下シール体202によって、シールされている。
上シール体200は、線状の弾性体である。上シール体200の横断面は、略円形である。左ギヤハウジング20aにおける上側の肉厚部分には、溝が形成されており、その溝に、上シール体200が入れられている。ベアリングリテーナ110の中央上部には、溝が形成されており、上シール体200の後端部は、下方に曲がっていて、その溝に上方から入り込んでいる。又、上シール体200の前端部は、下方に曲がっていて、外側リング184における外側の溝の上部に、上方から入り込んでいる。
下シール体202は、上シール体200と同様の弾性体である。左ギヤハウジング20aにおける下側の肉厚部分には、溝が形成されており、その溝に、下シール体202が入れられている。ベアリングリテーナ110の中央下部には、溝が形成されており、下シール体202の後端部は、上方に曲がっていて、その溝に下方から入り込んでいる。又、下シール体202の前端部は、上方に曲がっていて、外側リング184における外側の溝の下部に、下方から入り込んでいる。
ベアリング108とスライダガイド146と上シール体200と下シール体202とによってシールされたギヤハウジング20内には、グリスが所定の量入れられている。所定の量は、例えば、ギヤハウジング20の内壁及び内部の部材の外壁が覆われる程度に塗布された量である。
グリスの潤滑油は、ギヤハウジング20内の各種の部材を潤滑する。
各グリス溜まり196によって、オイルレスベアリング182の外曲面の一部が露出している。よって、グリスが、オイルレスベアリング182の外曲面に接触可能となる。そして、オイルレスベアリング182は、多孔質の焼結材で形成されている。よって、オイルレスベアリング182の外曲面に接触したグリスの潤滑油は、オイルレスベアリング182に含浸し、オイルレスベアリング182を通過して、オイルレスベアリング182の内面に達する。従って、オイルレスベアリング182の内面における油膜切れの発生が防止される。
又、グリスが含浸されたフェルト197が、上の各グリス溜まり196に隣接して配置されている。よって、フェルト197が、上の各グリス溜まり196の蓋の役目を担う。従って、上の各グリス溜まり196からのグリスの漏出が防止される。
図10は、図4のG-G線断面図である。図11は、図6のH-H線断面図である。図12(A)は、図6におけるブレードクランプ156、及びスライダ基部158の前端部の拡大図である。図12(B)は、図12(A)においてブレードBが装着された場合の図である。図13は、図4におけるスライダ6及びリリース機構7並びにブレードBの後端部の分解斜視図であって、後左斜め上から見た図である。図14は、図4におけるスライダ6及びリリース機構7並びにブレードBの後端部の分解斜視図であって、前右斜め上から見た図である。図15は、左ギヤハウジング20aにおける前部の内面側の斜視図である。図16(A)は、左ギヤハウジング20aにおける前部の左側面図である。図16(B)は、図16(A)のI-I線断面図である。図16(C)は、図16(A)のJ-J線断面図である。図17は、右ギヤハウジング20bにおける前部の内面側の斜視図である。
スライダ6のブレードクランプ156は、プッシュピン210と、プッシュピン用圧縮バネ211と、ガイドスリーブ212と、保持ピン213と、保持ピン用圧縮バネ214と、補助ピン215と、カムスリーブ216と、止め輪217と、補助スリーブ218と、捩りバネ219と、を有している。
スライダ基部158の前端部には、スリット220と、第1保持ピン孔222と、第1補助ピン孔223と、段部224が形成されている。
スリット220は、前後上下に広がっている。スリット220は、ブレードBの厚さより僅かに大きな幅(左右方向の大きさ)を有している。スリット220の上下方向における中央部には、他の部分に比べて空間が右方に拡大された空間拡大部220Eが設けられている。
第1保持ピン孔222は、スリット220の右側に配置されており、スリット220に通じている。第1保持ピン孔222は、左右に延びている。第1保持ピン孔222の右部は、第1保持ピン孔222の左部に対して拡径している。
第1補助ピン孔223は、スリット220の左側に配置されており、スリット220に通じている。第1補助ピン孔223は、左右に延びている。第1補助ピン孔223は、第1保持ピン孔222と向かい合っている。第1補助ピン孔223の中央右側には、他の部分に対して径方向内方に突出するリブ225が形成されている。
スライダ基部158の前端部の外径は、後側の部分の外径より小さくなっており、スライダ基部158の外径が変化する部分において、段部224が形成されている。
プッシュピン210は、スリット220内であって、スリット220の上下方向における中央部内に設けられている。プッシュピン210は、前後に延びている。プッシュピン210の断面は、“D”字形状である。プッシュピン210の前右部には、後部に対して左方へ凹む凹部210Dが設けられている。プッシュピン210の凹部210Dより後側の部分は、スリット220の空間拡大部220E内に配置されている。
プッシュピン用圧縮バネ211は、スリット220内であって、スリット220の上下方向における中央部内に設けられている。プッシュピン用圧縮バネ211の右部は、スリット220の空間拡大部220E内に配置されている。プッシュピン用圧縮バネ211は、弾性体であり、コイルバネである。プッシュピン用圧縮バネ211は、プッシュピン210の後側に配置されている。プッシュピン用圧縮バネ211の後端は、スリット220の後端の底部に配置されている。プッシュピン用圧縮バネ211の前端は、プッシュピン210に接している。プッシュピン用圧縮バネ211は、プッシュピン210とスライダ基部158との間に介装される。プッシュピン用圧縮バネ211は、プッシュピン210を、前方に付勢する。
ガイドスリーブ212は、円筒状である。ガイドスリーブ212は、スライダ基部158の前端部の外側に配置されている。ガイドスリーブ212の軸方向は、前後方向である。
ガイドスリーブ212の前部の外面には、溝212Gが形成されている。溝212Gは、周囲に対して、径方向内方に凹む。溝212Gは、ガイドスリーブ212の前部の外面をほぼ一周するように形成されている。
又、ガイドスリーブ212は、中央部において、第2保持ピン孔226と、第2補助ピン孔228と、を有している。
第2保持ピン孔226は、ガイドスリーブ212の右側に配置されている。第2保持ピン孔226は、左右に延びている。第2保持ピン孔226は、第1保持ピン孔222と重なっている。第2保持ピン孔226の直径の大きさは、第1保持ピン孔222の右部の直径の大きさ以上となっている。
第2補助ピン孔228は、ガイドスリーブ212の左側に配置されている。第2補助ピン孔228は、左右に延びている。第2補助ピン孔228は、第2保持ピン孔226と向かい合っている。第2補助ピン孔228の直径の大きさは、第1補助ピン孔223のリブ225より左側の直径の大きさと同等である。
保持ピン213は、第1保持ピン孔222及び第2保持ピン孔226の内部に配置されている。保持ピン213は、円柱状であり、左右に延びている。保持ピン213の中央部の直径の大きさは、第1保持ピン孔222の左部の大きさと同様である。保持ピン213の左端部の直径の大きさは、他の部分の直径の大きさに対して小さくなっている。よって、保持ピン213の左端部には、段213Sが形成されている(段付きピン)。保持ピン213の左端部は、左方に行くに従いより細くなる先細形状を呈している。又、保持ピン213の右端部の直径の大きさは、他の部分の直径の大きさに対して大きくなっており、保持ピン213の右端部は、他の部分より拡径された頭部213Hとなっている。保持ピン213の右面は、右方へ膨らむ曲面213Cとなっている。
保持ピン用圧縮バネ214は、弾性体であり、コイルバネである。保持ピン用圧縮バネ214の左端は、第1保持ピン孔222の拡径部に接している。保持ピン用圧縮バネ214の右端は、保持ピン213の頭部213Hの左面に接している。保持ピン用圧縮バネ214は、保持ピン213とスライダ基部158との間に介装される。保持ピン用圧縮バネ214は、保持ピン213を、右方に付勢する。
補助ピン215は、第1補助ピン孔223及び第2補助ピン孔228の内部に配置されている。補助ピン215は、円柱状であり、左右に延びている。補助ピン215の右端は、第1補助ピン孔223のリブ225に接触可能である。補助ピン215の直径は、第1補助ピン孔223の左部の直径及び第2補助ピン孔228の直径と同様である。補助ピン215は、スライダ基部158とガイドスリーブ212とをつなぐ。
カムスリーブ216は、円筒状である。カムスリーブ216の軸方向は、前後方向である。カムスリーブ216は、ガイドスリーブ212並びに保持ピン213及び補助ピン215の外側に配置されている。カムスリーブ216は、スライダ基部158及びガイドスリーブ212の周りで回転可能である。カムスリーブ216の上部から右部にかけて、張出部216Eが形成されている。張出部216Eは、カムスリーブ216の他の部分に対して、径方向外方に張り出している。張出部216Eの内面には、カム面216Cが形成されている。カム面216Cの径は、前から見て、上部から反時計回り(クランプ方向C)に進むに従い、次第に大きくなる。カム面216Cには、保持ピン213の頭部213Hの曲面213Cが接触している。ブレードクランプ156がブレードBを受け入れていない場合、曲面213Cは、カム面216Cの最大径部分に近い側に接している。ブレードクランプ156がブレードBを受け入れている場合、曲面213Cは、カム面216Cの最小径部分に近い側に接している。又、カムスリーブ216は、径方向外方に突出する複数(2個)の突起234を有している。各突起234は、対角状に配置されている。更に、カムスリーブ216の後端部の開口部の内面には、他の内面より径方向外方に凹む複数の凹部が形成されている。各凹部は、周方向に並んでいる。
止め輪217は、リング状である。止め輪217は、溝212Gに入れられることで、ガイドスリーブ212の外側に固定されている。止め輪217は、カムスリーブ216の前側に配置されており、カムスリーブ216の前方への移動を阻止する。
補助スリーブ218は、円筒状である。補助スリーブ218の軸方向は、前後方向である。補助スリーブ218は、スライダ基部158の外側に配置されており、スライダ基部158の周りで回転可能である。補助スリーブ218は、段部224の前側に配置されている。段部224は、補助スリーブ218の後方への移動を阻止する。補助スリーブ218の後端部の開口部の外面には、他の内面より径方向外方に突出する複数の凸部が形成されている。補助スリーブ218の後端部は、カムスリーブ216の後端部の開口部の内側に入っている。補助スリーブ218の各凸部は、対応するカムスリーブ216の凹部に入っている。補助スリーブ218は、カムスリーブ216と共に回転する。
捩りバネ219は、リング状であり、弾性体である。捩りバネ219の後端部は、左右方向の中央において上下に延びており、スリット220に入っている。捩りバネ219の後端部は、スリット220の後端の底とプッシュピン用圧縮バネ211の後端との間に配置されている。捩りバネ219の後端部は、スライダ基部158に固定されている。捩りバネ219の後端部以外の部分は、スライダ基部158の前端部の周りであって、補助スリーブ218の後側に配置されている。捩りバネ219の前端は、補助スリーブ218における前後方向の孔に差し込まれており、補助スリーブ218に固定されている。捩りバネ219は、補助スリーブ218を、周方向であって、前から見て反時計回りの方向(クランプ方向C)に付勢する。
ブレードBは、後端部において、保持孔BHを有している。保持孔BHの直径は、保持ピン213の左端部の直径より僅かに大きい。又、ブレードBの後端部における刃BEと逆側の角部は、切り欠かれている。ブレードBの後端部における刃BEと同じ側の部分は、後方に突出して、突出片BJとなっている。ブレードBにおける突出片BJの上方の後辺部は、肩部BSとなっている。更に、ブレードBは、後端部において、凸部BBを有している。凸部BBは、刃BEと反対側に配置されている。凸部BBは、ブレードBの上辺部における他の部分に対して、上方に突出している。
スリット220にブレードBの後端部が入れられていない場合、プッシュピン210の前端部は、保持ピン213の左側に入り込んでいる。保持ピン213は、右方に移動して退避状態となっている。
そして、スリット220にブレードBの後端部が入れられると、プッシュピン210は、ブレードBの肩部BSにより、プッシュピン用圧縮バネ211の付勢力に抗して、後方へ押される。
更にブレードBの後端部が後方に進入して、保持ピン213の左側にブレードBの保持孔BHが位置すると、カムスリーブ216のカム面216Cは、保持ピン213を、保持ピン用圧縮バネ214の付勢力に抗して左方に押す。即ち、カムスリーブ216は、補助スリーブ218を介して、捩りバネ219により付勢されている。捩りバネ219による付勢の方向は、クランプ方向Cである。そして、保持ピン213の左側にブレードBの保持孔BHが位置して、保持ピン213が左方に移動可能となると、カムスリーブ216は、クランプ方向Cに回転する。すると、保持ピン213の曲面213Cは、カム面216Cにおける内方に一層せり出している部分(径が一層小さくなっている部分)に接触する。よって、保持ピン213は、カム面216Cにより、左方に押される。
左方に押された保持ピン213における段213Sより左方の部分は、ブレードBの保持孔BH内に進入して、ブレードBを保持(クランプ)する。
従って、ブレードBは、スリット220に差し込むだけで、自動的に保持される(ワンタッチ装着)。
保持ピン213がブレードBを保持している場合、カムスリーブ216の各突起234は、カムスリーブ216の回転により、図10における二点鎖線234Cで示される位置に配置される。
ブレードクランプ156に保持されたブレードBにおける凸部BBは、ガイドスリーブ212の前端面に当たっている。
ガイドスリーブ212は、保持ピン213とは別の補助ピン215により、スライダ基部158に対し、前後方向の移動が防止され、且つ回転が防止された状態で固定されている。又、保持ピン213は、右部が拡径された第1保持ピン孔222内に配置されている。
リリース機構7は、リリースドラム240と、テンションスプリング242とを有している。
リリースドラム240は、円筒状であり、カムスリーブ216の周囲に配置されている。リリースドラム240は、ブレードクランプ156に隣接している。リリースドラム240は、ユーザによって操作され、ブレードクランプ156からのブレードBの取り外し(リリース)を操作する操作ドラムである。
リリースドラム240は、複数(2個)の内方隆起部248と、操作片250と、リリースドラム孔252と、係止部254とを有する。
各内方隆起部248は、リリースドラム240の内面に配置されており、リリースドラム240の内面における他の部分より径方向内方に隆起している。各内方隆起部248は、互いに向かい合っている。
操作片250は、リリースドラム240の右部に配置されている。操作片250は、他の外面に対して径方向外方に突出している。操作片250は、断面台形状である。操作片250の先端は、操作片250の根元より細い。操作片250は、実線で図示される状態において、左上から右下に延びており、前後に広がっている。操作片250は、リリースドラム240における他の部分(円筒形のリリースドラム本体部)と一体に形成されている。操作片250は、ギヤハウジング20の第1操作片用孔67及びカバー22の第2操作片用孔79から右方に出ている。
リリースドラム孔252は、リリースドラム240の左部に配置されている。リリースドラム孔252の軸方向は、左右方向である。リリースドラム孔252は、操作ドラム孔である。
係止部254は、リリースドラム240の右上部の外側に配置されている。係止部254は、他の外面に対して径方向外方に突出している。係止部254は、フック形状を有している。係止部254は、リリースドラム本体部と一体に形成されている。
テンションスプリング242は、コイルバネである。テンションスプリング242は、リリースドラム240の周方向外側に配置されており、リリースドラム240の周方向に延びている。テンションスプリング242は、リリースドラム240における、右ギヤハウジング20bに保持される側(右側)に配置されている。
テンションスプリング242の第1の端部は、フック形状を有しており、リリースドラム240の係止部254に係止されている。テンションスプリング242の第2の端部は、フック形状を有しており、左ギヤハウジング20aに固定されている。
テンションスプリング242が自然長から少し伸びた状態である場合、リリースドラム240の各内方隆起部248は、クランプ状態のカムスリーブ216における対応する突起234(二点鎖線234C)に接触していない。このとき、リリースドラム240の操作片250は、第1操作片用孔67及び第2操作片用孔79の下端に接触している。尚、このときのテンションスプリング242は、自然長状態等の他の状態であっても良い。
ユーザは、下方に位置している操作片250を上方へ操作して、リリースドラム240を、テンションスプリング242の付勢力に抗して、リリースドラム240の軸周りで回転させることができる。この場合、操作片250は、最大で、図10の二点鎖線250Cまで回転する。又、リリースドラム240の各内方隆起部248は、最大で、図10の各二点鎖線248Cまで回転する。よって、リリースドラム240の回転により、各内方隆起部248は、カムスリーブ216の対応する突起234に接触し、カムスリーブ216をクランプ方向Cとは逆の方向に回転させる。このカムスリーブ216の回転により、保持ピン213の曲面213Cは、カム面216Cにおける径の大きい部分の内側に配置され、保持ピン213は、保持ピン用圧縮バネ214の付勢力により、右方に退避して、ブレードBの保持孔BHから出る(アンクランプ)。すると、プッシュピン210は、プッシュピン用圧縮バネ211の付勢力により、前方へ移動して、アンクランプされたブレードBを前方に押し、保持ピン213の左側に入り込む。プッシュピン210による保持ピン213の左側への入り込みは、プッシュピン210前端部の凹部210Dにより、円滑に行われる。
従って、リリース機構7のリリースドラム240は、内方のブレードクランプ156と連動し、操作片250の上方への操作により、ブレードBがブレードクランプ156から脱してリリースされる。
プッシュピン210が保持ピン213の左側に入り込むと、保持ピン213の左方への移動は、阻止される。従って、保持ピン213は、捩りバネ219のクランプ方向Cへの付勢力に抗し、カムスリーブ216のクランプ方向Cへの回転を阻止する。
尚、操作ドラムは、ブレードBのリリース操作に代えて、あるいはブレードBのリリース操作と共に、ブレードBの装着操作を行うものとされても良い。
リリース機構7は、ギヤハウジング20の前端部内に配置される。
左ギヤハウジング20aの前端には、左前端リブ260aが設けられている。左前端リブ260aは、ギヤハウジング20前端部の内面から径方向内方に突出している。左前端リブ260aは、前方からみて、“C”字状である。左前端リブ260aの先端面と、リリースドラム240におけるリリースドラム本体部の内面とは、面一となっており、互いに連続している。
右ギヤハウジング20bの前端には、右前端リブ260bが設けられている。右前端リブ260bは、形状が上下方向の仮想線に対して線対称であることを除き、左前端リブ260aと同様に成る。
左前端リブ260aと右前端リブ260bとにより、前端リブ260が形成される。前端リブ260は、リング状である。前端リブ260は、リリースドラム240の前面の少なくとも一部を覆う。前端リブ260は、リリースドラム本体部とギヤハウジング20とが向かい合う部分を覆う。
又、ギヤハウジング20の中央部には、中央リブ262が形成されている。中央リブ262は、前端リブ260と同様に形成されている。中央リブ262は、左中央リブ262aと右中央リブ262bとを有する。中央リブ262と前端リブ260との間の距離は、リリースドラム240の前後方向の大きさと同様である。
左前端リブ260aの後側には、複数(3箇所)の左前内方膨出部264aが設けられている。各左前内方膨出部264aの外縁は、後下がりの平行四辺形状である。各左前内方膨出部264aは、左ギヤハウジング20aの内面から径方向内方に膨らんでいる。各左前内方膨出部264aは、周方向に並んでいる。各左前内方膨出部264aの間には、左前溝266aが形成されている。各左前溝266aは、後下がりである。
左前端リブ260aの突出高さは、リリースドラム240におけるリリースドラム本体部の肉厚と左前内方膨出部264aの膨出高さとの和と同様である。尚、左前端リブ260aの突出高さは、当該和の半分以上で、当該和の1.5倍以下の範囲内における値等に変更されても良い。
右前端リブ260bの後側には、複数(3箇所)の右前内方膨出部264bが設けられている。各右前内方膨出部264bは、各左前内方膨出部264aと同様に形成されている。又、各左前溝266aと同様に、各右前溝266bが形成されている。
各左前内方膨出部264aと各右前内方膨出部264bとにより、前内方膨出部群264が形成される。各左前内方膨出部264aと各右前溝266bとにより、前溝群266が形成される。尚、前内方膨出部及び前溝の少なくとも一方は、1箇所であっても良い。又、前内方膨出部群264及び前溝群266の少なくとも一方の数は、変更されても良い。
左中央リブ262aの前側には、後内方膨出部群268及び後溝群270が形成されている。
後内方膨出部群268は、前内方膨出部群264と同様に形成されており、各左後内方膨出部268aと各右後内方膨出部268bとを有している。各左後内方膨出部268aの外縁及び各右後内方膨出部268bの外縁は、前下がりの平行四辺形状である。
後溝群270は、前溝群266と同様に形成されており、各左後溝270aと各右後溝270bとを有している。各左後溝270a及び各右後溝270bは、前下がりである。
左ギヤハウジング20aの前端部における各左前内方膨出部264a及び各左前内方膨出部264aの後側には、左拡張部272aが形成されている。左拡張部272aは、ギヤハウジング20の前端部における他の部分に対して、径方向外方に突出している。左拡張部272aの内面は、左ギヤハウジング20aの前端部の内面に対し、径方向外方に凹んでいる。左拡張部272aの上下方向における中央部には、ギヤハウジング孔274が開けられている。ギヤハウジング孔274は、左右方向を向いている。前溝群266及び後溝群270は、ギヤハウジング孔274あるいは第1操作片用孔67に向けて、後下がり又は前下がりに、即ち斜めに形成されている。尚、前溝群266及び後溝群270の少なくとも何れかは、ギヤハウジング孔274あるいは第1操作片用孔67に向けて斜めに形成されなくても良い。
又、左拡張部272aの下端部には、左拡張部272aの上方を渡る係止部276が形成されている。係止部276は、前後に延びている。係止部276には、リリースドラム240のテンションスプリング242が係止される。更に、係止部276の上側には、抜き孔277が形成されている。抜き孔277は、左右方向を向いている。抜き孔277は、金型によって左ギヤハウジング20aを作製する場合において、係止部276を設けるために必要とされる。
右ギヤハウジング20bの前端部における各右前内方膨出部264b及び各右前内方膨出部264bの後側には、右拡張部272bが形成されている。右拡張部272bは、ギヤハウジング孔274及び係止部276が設置されないことを除き、左拡張部272aと同様に成る。右拡張部272b内に、テンションスプリング242が配置される。即ち、テンションスプリング242は、リリースドラム240と右ギヤハウジング20bとの間に配置される。
左拡張部272aと右拡張部272bとにより、拡張部272が形成される。
リリースドラム240は、前端リブ260と中央リブ262との間に配置される。ギヤハウジング20における前端リブ260と中央リブ262との間は、リリースドラム240を保持する部分である。
よって、前内方膨出部群264及び後内方膨出部群268により、前内方膨出部群264及び後内方膨出部群268が形成されない場合に比べて、よりリリースドラム240外面とギヤハウジング20内面との間の接触面積が減少し、リリースドラム240の回転がよりスムーズである。
又、前端リブ260により、リリースドラム240外面とギヤハウジング20内面との間への粉塵の進入が防止される。従って、粉塵によるリリースドラム240の回転の引っ掛かりが抑制される。
更に、万一リリースドラム240外面とギヤハウジング20内面との間へ粉塵が進入したとしても、前内方膨出部群264の内側の粉塵及び後内方膨出部群268の内側の粉塵は、リリースドラム240の回転により、前溝群266及び後溝群270に導かれる。これにより、互いに接触するリリースドラム240と前内方膨出部群264及び後内方膨出部群268との間から粉塵が除去され、リリースドラム240のスムーズな回転が維持される。
又、前溝群266内の粉塵及び後溝群270内の粉塵は、前溝群266の後下がり形状及び後溝群270の前下がり形状により、前内方膨出部群264と後内方膨出部群268との間に導かれる。特に、粉塵は、拡張部272に進入し適宜蓄積されることで、前内方膨出部群264及び後内方膨出部群268との間への粉塵の再進入が防止され、リリースドラム240のスムーズな回転が維持される。
更に、前内方膨出部群264と後内方膨出部群268との間の粉塵は、ギヤハウジング孔274及び抜き孔277並びに第1操作片用孔67からギヤハウジング20外へ排出される。従って、粉塵によるリリースドラム240の回転の引っ掛かりが抑制される。
リリース機構7は、例えば次のように組み付けられる。
まず、受け側である左ギヤハウジング20aが、内面を上向きにした状態で、台に置かれる。台には、台突起が設けられている。左ギヤハウジング20aは、台突起がギヤハウジング孔274に入る状態で置かれている。台突起の先端部は、ギヤハウジング孔274から出ている。
次に、往復動変換機構5、スライダ6、及びカウンタウェイト機構8が、左ギヤハウジング20a内に配置される。
続いて、リリースドラム240が、スライダ6の前から左ギヤハウジング20aへ入れられる。
このとき、テンションスプリング242の第1の端部が、リリースドラム240の係止部254に掛けられている。又、テンションスプリング242付きのリリースドラム240を入れながら、テンションスプリング242の第2の端部が、左ギヤハウジング20aの係止部276に掛けられる。テンションスプリング242は、リリースドラム240の右部外面に沿う状態で渡される。
更に、リリースドラム孔252内に台突起の先端部が入れられ、リリースドラム孔252とギヤハウジング孔274とが重ねられる。このとき、リリースドラム240の操作片250が、右ギヤハウジング20bを左ギヤハウジング20aに被せる際に右ギヤハウジング20bに干渉しない回転位置となる。即ち、リリースドラム240は、右ギヤハウジング20bが左ギヤハウジング20aに対して組み付け方向で接近した場合に、操作片250が右ギヤハウジング20bの第1操作片用孔67を通過可能である位置となる。又、リリースドラム240の右側に渡されたテンションスプリング242は、右ギヤハウジング20bを被せる際に右拡張部272bに入り易い適切な回転位置となる。
即ち、リリースドラム孔252がギヤハウジング孔274と重なると、リリースドラム240が、左ギヤハウジング20aに対する仮組み付け位置となる。よって、リリースドラム240に、正確な仮組み付け位置を簡単にとらせることができる。又、レシプロソー1とは異なり、操作片250及びテンションスプリング242の少なくとも一方が左ギヤハウジング20a側にある場合、スライダ6及びリリース機構7は、左ギヤハウジング20aに対し、共に同時に組み付けられることを要するところ、レシプロソー1では、スライダ6の組み付け後にリリース機構7を仮に組み付けることができ、組み付けがより容易である。更に、レシプロソー1とは異なり、操作片250が左ギヤハウジング20a側にある場合、ユーザが右手で第1グリップ部30を握ると共に左手で第2グリップ部80の左側を支えると、左手に操作片250が干渉し、作業の邪魔になることがある。これに対し、レシプロソー1では、操作片250が右ギヤハウジング20b側にあるため、ユーザの左手に対する操作片250の干渉が防止され、作業が行い易くなる。
そして、被せ側である右ギヤハウジング20bが、受け側である左ギヤハウジング20aに合わせられる。
このとき、リリースドラム240の操作片250は、右ギヤハウジング20bの第1操作片用孔67を容易に通過する。又、テンションスプリング242は、右ギヤハウジング20bの右拡張部272bに対して前あるいは後にずれたりせず、容易に右拡張部272bに収まる。
左ギヤハウジング20aに対する右ギヤハウジング20bの設置が完了し、レシプロソー1が台から離されて、リリースドラム孔252から台突起が抜かれると、リリースドラム240は、テンションスプリング242の作用により仮組み付け位置から僅かにクランプ方向Cに回転し、実線で図示された回転位置、即ち組み付け位置となる。又、リリースドラム孔252は、ギヤハウジング孔274から離れる。
換言すれば、リリースドラム240の組み付け位置は、レシプロソー1の完成時にリリースドラム240が通常とる位置である。又、リリースドラム240の仮組み付け位置は、レシプロソー1の組み付け途中において、リリースドラム240がとる位置である。リリースドラム240の仮組み付け位置は、組み付けの容易性確保及び部品の損傷防止の少なくとも一方等の観点から設定される。
尚、リリースドラム孔252がギヤハウジング孔274と重なると、リリースドラム240が、左ギヤハウジング20aに対する組み付け位置となるものとされても良い。
ブレードクランプ156に装着されたブレードBは、ガイドシュー12を通る。
ガイドシュー12は、スライダ6の前方及び下方に配置されている。
ガイドシュー12は、シュープレート290と、シューサポータカバー292と、シューサポータ296と、複数(2個)のピン297を有する。
シュープレート290は、被加工材に接触可能である。
シューサポータカバー292は、ギヤハウジング20に固定される。尚、本体ハウジング2には、シューサポータカバー292が含まれないところ、含まれるものと取り扱われても良い。
シューサポータ296は、シューサポータカバー292の内側に配置される。シューサポータ296は、シューサポータカバー292の内側において、前後にスライド可能に配置されている。シューサポータカバー292は、カバー22の前端には達していない。よって、シューサポータ296は、カバー22の前端部の下部の内面である接触部22Tに対し、接触している。接触部22Tは、カバー22前部の内面における他の部分に対して、径方向内方(上方)に盛り上がっている。
各ピン297は、シューサポータ296の前端部の左右に配置されている。各ピン297は、シュープレート290を、左右方向の軸周りで揺動可能に支持する。
シューサポータ296の横断面及びシューサポータカバー292の横断面は、それぞれ“U”字状となっている。シューサポータ296及びシューサポータカバー292は、ギヤハウジング20の前下部外面とカバー22の前下部内面の間に配置されている。
シューサポータカバー292の外側には、シューレバー299が配置されている。シューレバー299は、シューサポータカバー292及びシューサポータ296の上側を通る左右方向のシューサポータ固定軸(図示略)を備えている。シューレバー299は、シューサポータ固定軸の周りで回転可能であって、シューサポータカバー292に対して開閉可能である。
シューレバー299が閉じていると(図面に示されるような前後方向を向く状態)、シューサポータ固定軸がシューサポータ296を締め付けて固定する。他方、シューレバー299が開いていると(上下方向を向く状態)、シューサポータ固定軸によるシューサポータ296の締め付けが解除される。よって、シューサポータ296及びシュープレート290の前後方向におけるスライドが可能となり、シューサポータ296及びシュープレート290の位置調整が可能となる。
シューレバー299が開いている状態で、レシプロソー1の前部が下方に向けられた場合、シューサポータ296及びシュープレート290の自重による自然落下は、カバー22の接触部22Tのシューサポータ296に対する接触により阻止される。即ち、カバー22は弾性体であり、接触部22Tのシューサポータ296に対する摩擦係数は大きい。よって、シューサポータ296に対する接触部22Tの摩擦作用により、シューサポータ296及びシュープレート290の自然落下が食い止められる。
図6及び図7に示されるように、カウンタウェイト機構8は、往復動変換機構5と組み合わせられる。
カウンタウェイト機構8は、金属製のバランサ300を有している。
バランサ300は、前後上下に広がる丸皿形状の一部分を占める形状を呈している。
バランサ300は、左方から見て中心角が100°程度の扇形部分302と、その中心角部分から径方向逆側へ延びるアーム状部分304を有している。扇形部分302は、バランサ300の重量の大部分を占めるウェイト部の役割を担う。アーム状部分304における扇形部分302と逆側の端部には、孔306が開けられている。孔306は、左右方向を向いている。
バランサ300は、孔306に対し、往復動変換機構5におけるクランクギヤ130と一体の偏心軸152の右端部が圧入されることで、偏心軸152とつながっている。バランサ300は、偏心軸152によって片持ちされている。バランサ300は、コネクティングロッド134の右側に配置されている。
バランサ300の中心角部分と、クランクギヤ130の中心部は、左側から右方へ見た場合、即ち側面視において、重なっている。バランサ300の中心角部分には、孔307が設けられている。孔307は、左右方向を向いている。孔307には、支持軸132取り付け用の工具(ドライバ等)が通過可能である。
バランサ300は、クランクギヤ130(偏心軸152)と一体である。バランサ300は、クランクギヤ130の回転(偏心軸152の公転)により、アーム状部分304を中心に回転する。ここで、スライダ6が後退位置(各図面に示される位置)にあると、偏心軸152が後側に位置して、バランサ300の扇形部分302が前側に位置する。又、スライダ6が前進位置にあると、偏心軸152が前側に位置して、バランサ300の扇形部分302が後側に位置する。バランサ300の扇形部分302の重量及び重心位置は、スライダ6、ブレードB、及びコネクティングロッド134の振動が最小となるように設定されている。バランサ300(扇形部分302)は、スライダ6等の前後動と逆に動作されることで、カウンタウェイトの役割を担っている。
このようなレシプロソー1の動作例が説明される。
ユーザは、停止状態のスライダ6のブレードクランプ156に対して、ブレードBを、刃BEが下となるようにセットする。又、ユーザは、適宜ガイドシュー12の長さを調節し、被加工材に対して、ガイドシュー12のシュープレート290の前面を当てる。更に、ユーザは、充電されたバッテリ61を、バッテリ装着レール19eに装着する。加えて、ユーザは、高速モード又は低速モードを選択するため、速度切替ボタン36の左部又は右部を押す。
そして、ユーザにより、第1グリップ部30(及び第2グリップ部80)が把持され、トリガ33が所定量引き込まれると、メインスイッチ本体部34がオンとなり、モータ3への給電がなされて、回転軸100が回転する。モータ3への給電は、コントローラ40で整流された直流電源による。尚、トリガ33が特定量以上引き込まれると、ライト68が点灯する。この特定量は、モータ3への給電がなされる所定量より小さい。
コントローラ40のマイコンは、センサ基板92から、ロータ82の回転状態を取得する。又、コントローラ40のマイコンは、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のオンオフを制御して、ステータ81の各コイル90に対して順番に電流を流すことで、ロータ82を回転させる。一般に、ブラシレスモータであるモータ3のコントローラ40は、マイコンの駆動等により、発熱する可能性があるものとなっている。又、熱がコントローラ40に蓄積した場合、熱がコントローラ40の動作に影響を及ぼすことがある。
回転軸100は、オンとなったメインスイッチ本体部34の信号(トリガ33の引き込み量)に応じた回転速度で回転する。回転軸100の回転速度は、トリガ33の引き込み量が多いほど高速となる。
回転軸100が回転すると、クランクギヤ130が回転し、コネクティングロッド134を介してスライダ6が前後動する。又、バランサ300の扇形部分302が前後方向においてスライダ6と反対に移動し、スライダ6は、振動が抑制された状態で前後動する。
スライダ6は、左ガイド142内の左ガイドローラ138及び右ガイド144内の右ガイドローラ140、並びにスライダガイド146によって、前後方向以外の方向に向かないように案内される。即ち、スライダ6は、往復動方向以外への移動(姿勢変化を含む)が防止された状態で案内される。
スライダガイド146は、前後に往復動するスライダ6が最も前に位置した場合、スライダ基部158の後部に接触して、スライダ6の後部の荷重を支持する。又、スライダガイド146は、スライダ6が最も後に位置した場合、スライダ基部158の前部に接触して、スライダ6の前部の荷重を支持する。
スライダ6ないしブレードBの作動状態で、ユーザがブレードBを被加工材に向けて下ろしていくと、前後動するブレードBの刃BEが被加工材に当たり、被加工材が切断されていく。
又、回転軸100の回転に伴うファン4の回転により、ファン4の周囲の空気が、ファン4の径方向外方に押し出される。よって、空気の流れ(風)が、各吸気孔31から、モータハウジング18内を経て、ファン4に至り、更に本体部排気孔76及び各下排気孔51にそれぞれ達するように発生する。
かような風により、本体ハウジング2内の各種の部材が冷却される。
特に、各吸気孔31からファン4までの吸気風により、モータ3が冷却される。吸気風は、ステータ81及びロータ82の間を通過し、ステータ81及びロータ82を冷却する。又、吸気風は、モータケース3a及びステータ81の間を通過し、モータケース3a及びステータ81を冷却する。
又、ファン4から各本体部排気孔76までの第1排気風は、往復動変換機構5及びカウンタウェイト機構8が収められたギヤハウジング20の外側を通過する。よって、第1排気風により、往復動変換機構5及びカウンタウェイト機構8が冷却される。往復動変換機構5(特にクランクギヤ130)及びカウンタウェイト機構8は、他の部材に比べて高速に作動するため、他の部材に比べて多くの熱を発するところ、第1排気風により十分に冷却される。又、第1排気風は、レシプロソー1の本体部69の中央部に配置された各本体部排気孔76から外部に排気される。よって、レシプロソー1は、排気風がハウジングの前方に排出される従来のものに比べて、被加工材の切断により発生する粉塵を散らし難い。
更に、ファン4から各下排気孔51までの第2排気風により、コントローラ40が冷却される。第2排気風は、制御回路基板42を覆うコントローラケース44側を通過する。よって、第2排気風は、制御回路基板42を十分に冷却しながら、制御回路基板42側に粉塵を持ち込まない。
換言すれば、各吸気孔31から吸い込まれた空気は、モータ3を冷却した後に、往復動変換機構5を冷却し、各本体部排気孔76から排気される第1排気風と、コントローラ40を冷却し、各下排気孔51から排気される第2排気風と、に分岐する。
ユーザがトリガ33の操作によりメインスイッチ本体部34をオフにすると、モータ3の回転軸100が停止して、各種の前後動及び吸排気が停止する。又、所定時間経過後、ライト68が消灯する。
以上のレシプロソー1は、モータ3と、ブレードBを着脱するブレードクランプ156が設けられるスライダ6と、モータ3の回転を往復動に変換してスライダ6に伝達する往復動変換機構5と、ブレードクランプ156に対するブレードBの取り外しを操作するリリースドラム240と、リリースドラム240を保持するギヤハウジング20と、を備えている。又、リリースドラム240は、リリースドラム孔252と、操作片250とを有している。ギヤハウジング20は、受け側の左ギヤハウジング20aと、左ギヤハウジング20aに被さる被せ側の右ギヤハウジング20bとを有している。左ギヤハウジング20aに、ギヤハウジング孔274が開けられており、右ギヤハウジング20bに、操作片250を通す第1操作片用孔67が開けられている。そして、リリースドラム孔252がギヤハウジング孔274に重なると、操作片250は、右ギヤハウジング20bと干渉しない位置となる。
よって、ブレードBの着脱機構であるブレードクランプ156と連動するリリースドラム240の組み付けがより一層容易であるレシプロソー1が提供される。
又、レシプロソー1は、モータ3と、ブレードBを着脱するブレードクランプ156が設けられるスライダ6と、モータ3の回転を往復動に変換してスライダ6に伝達する往復動変換機構5と、ブレードクランプ156に対するブレードBの取り外しを操作するリリースドラム240と、リリースドラム240を保持するギヤハウジング20と、を備えている。又、ギヤハウジング20は、ギヤハウジング孔274を有している。更に、リリースドラム240は、リリースドラム孔252を有している。そして、リリースドラム孔252がギヤハウジング孔274に重なると、リリースドラム240が、ギヤハウジング20に対する仮組み付け位置となる。
よって、ブレードBの着脱機構であるブレードクランプ156と連動するリリースドラム240の組み付けがより一層容易であるレシプロソー1が提供される。
又、リリースドラム240は、操作片250を有しており、ギヤハウジング20は、受け側である左ギヤハウジング20aと、左ギヤハウジング20aに被さる被せ側の右ギヤハウジング20bとを有している。そして、右ギヤハウジング20bに、操作片250を通す第1操作片用孔67が開けられている。よって、操作片250が、ギヤハウジング20に対し、更に組み付け易くなる。又、操作片250が右側に配置され、第2グリップ部80を握るユーザの左手に対する操作片250の干渉が防止されて、作業が行い易くなる。
更に、ギヤハウジング20における、リリースドラム240を保持する部分に、前溝群266及び後溝群270が形成されている。よって、万一ギヤハウジング20とリリースドラム240との間に粉塵が入り込んだとしても、粉塵は前溝群266及び後溝群270により所定の箇所に誘導される。従って、リリースドラム240は、粉塵の噛み込みの影響を受け難く、操作し易いものとなる。
又、前溝群266及び後溝群270は、ギヤハウジング孔274及び第1操作片用孔67(並びに抜き孔277)に向けて、斜めに形成されている。よって、粉塵が、ギヤハウジング孔274及び第1操作片用孔67(並びに抜き孔277)に誘導され、ギヤハウジング孔274からギヤハウジング20外に排出される。従って、リリースドラム240は、粉塵の噛み込みの影響を受け難く、操作し易いものとなる。
加えて、リリースドラム240は、テンションスプリング242によって付勢されている。そして、左ギヤハウジング20aは、テンションスプリング242を係止する係止部276と、係止部276に隣接する抜き孔277とを有している。よって、受け側である左ギヤハウジング20aに対し、スライダ6が組み付けられた状態で、リリース機構7が容易に組み付けられる。更に、抜き孔277の配置により、係止部276が形成し易く、又粉塵の排出が行える。
又、ギヤハウジング20は、左ギヤハウジング20aと、左ギヤハウジング20aに被さる右ギヤハウジング20bとを有している。又、係止部276は、左ギヤハウジング20aに設けられている。更に、テンションスプリング242は、リリースドラム240と右ギヤハウジング20bとの間に配置されている。そして、テンションスプリング242における第1の端部は、リリースドラム240に係止され、テンションスプリング242における第2の端部は、係止部276に係止される。よって、リリース機構7が、より一層容易に組み付けられる。
又更に、リリースドラム240は、ギヤハウジング20の前端部内に保持されている。そして、ギヤハウジングの前端に、リリースドラム240とギヤハウジング20との間を塞ぐ前端リブ260が立てられている。よって、リリースドラム240とギヤハウジング20との間への粉塵の進入が防止される。従って、リリースドラム240は、粉塵の噛み込みの影響を受け難く、操作し易いものとなる。
又、リリースドラム240は、円筒状であり、前端リブ260は、リング状である。よって、リリースドラム240及び前端リブ260が、より設置し易いものとなる。
尚、本発明の形態及び変更例は、上述のものに限定されない。例えば、本発明の形態及び変更例に対し、次のような変更が更に適宜施される。
本体部排気孔76は、カバー22における往復動変換機構5より前方の部分に配置されても良い。本体部排気孔76は、ギヤハウジング20に配置されても良い。下排気孔51は、コントローラ40の外側に配置されても良い。
カバー22は、カバー左部とカバー右部を有する半割のものであっても良い。
カウンタウェイト機構8は、バランサ300をギヤの左右双方に有するものとされたり、省略されたりする等、様々に変更可能である。
リード線の配置,数,接続態様を変えたり、ボールベアリングに代えてニードルベアリングが用いられるようにしたり、吸気孔31並びに本体部排気孔76及び下排気孔51の少なくとも何れかの大きさ,配置,数を変えたりする等、各種部材の設置の有無、設置数、材質、形状、形式、配置等は様々に変更されて良い。
ブレードBは、鋸歯以外の刃BEを有するものとされても良い。
バッテリ61による給電に代えて、コードによる給電がなされても良い。コードは、商用電源に接続されても良い。
本発明の形態及びその変更例は、レシプロソー1以外の往復動切断工具(例えばジグソー)に適用することができるし、往復動切断工具以外の往復動工具,電動工具に適用することもできる。
1・・レシプロソー(往復動切断工具)、3・・モータ、5・・往復動変換機構、6・・スライダ、20・・ギヤハウジング(ハウジング)、20a・・左ギヤハウジング(受け側ハウジング)、20b・・右ギヤハウジング(被せ側ハウジング)、67・・第1操作片用孔(操作片用孔)、156・・ブレードクランプ、240・・リリースドラム(操作ドラム)、242・・テンションスプリング、250・・操作片、252・・リリースドラム孔(操作ドラム孔)、260・・前端リブ、266・・前溝群(溝)、270・・後溝群(溝)、274・・ギヤハウジング孔(ハウジング孔)、276・・係止部、277・・抜き孔、B・・ブレード。

Claims (9)

  1. モータと、
    先端工具を着脱する先端工具クランプが設けられるスライダと、
    前記モータの回転を往復動に変換して前記スライダに伝達する往復動変換機構と、
    前記先端工具クランプに対する前記先端工具の装着及び取り外しの少なくとも一方を操作する操作ドラムと、
    前記操作ドラムを保持するハウジングと、
    を備えており、
    前記操作ドラムは、操作ドラム孔と、操作片とを有しており、
    前記ハウジングは、受け側ハウジングと、前記受け側ハウジングに被さる被せ側ハウジングとを有しており、
    前記受け側ハウジングに、ハウジング孔が開けられており、
    前記被せ側ハウジングに、前記操作片を通す操作片用孔が開けられており、
    前記操作ドラム孔が前記ハウジング孔に重なると、前記操作片は前記被せ側ハウジングと干渉しない位置となる
    ことを特徴とする往復動切断工具。
  2. モータと、
    先端工具を着脱する先端工具クランプが設けられるスライダと、
    前記モータの回転を往復動に変換して前記スライダに伝達する往復動変換機構と、
    前記先端工具クランプに対する前記先端工具の装着及び取り外しの少なくとも一方を操作する操作ドラムと、
    前記操作ドラムを保持するハウジングと、
    を備えており、
    前記ハウジングは、ハウジング孔を有しており、
    前記操作ドラムは、操作ドラム孔を有しており、
    前記操作ドラム孔が前記ハウジング孔に重なると、前記操作ドラムが、前記ハウジングに対する仮組み付け位置又は組み付け位置となる
    ことを特徴とする往復動切断工具。
  3. 前記操作ドラムは、操作片を有しており、
    前記ハウジングは、受け側ハウジングと、前記受け側ハウジングに被さる被せ側ハウジングとを有しており、
    前記被せ側ハウジングに、前記操作片を通す操作片用孔が開けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載の往復動切断工具。
  4. 前記ハウジングにおける、前記操作ドラムを保持する部分に、溝が形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の往復動切断工具。
  5. 前記溝は、前記ハウジング孔及び前記操作片用孔の少なくとも一方に向けて、斜めに形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の往復動切断工具。
  6. 前記操作ドラムは、テンションスプリングによって付勢されており、
    前記ハウジングは、前記テンションスプリングを係止する係止部と、前記係止部に隣接する抜き孔とを有している
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の往復動切断工具。
  7. 前記ハウジングは、受け側ハウジングと、前記受け側ハウジングに被さる被せ側ハウジングとを有しており、
    前記係止部は、前記受け側ハウジングに設けられており、
    前記テンションスプリングは、前記操作ドラムと前記被せ側ハウジングとの間に配置されており、
    前記テンションスプリングにおける第1の端部は、前記操作ドラムに係止され、
    前記テンションスプリングにおける第2の端部は、前記係止部に係止される
    ことを特徴とする請求項6に記載の往復動切断工具。
  8. 前記操作ドラムは、前記ハウジングの前端部内に保持されており、
    前記ハウジングの前端に、前記操作ドラムと前記ハウジングとの間を塞ぐ前端リブが立てられている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の往復動切断工具。
  9. 前記操作ドラムは、円筒状であり、
    前記前端リブは、リング状である
    ことを特徴とする請求項8に記載の往復動切断工具。
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