JP7265314B2 - 熱処理方法および熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法および熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなフラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇する一方で裏面温度はそれ程には上昇しない。このため、半導体ウェハーの表面のみに急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが上面を凸として反るように変形する。そして、次の瞬間には反動で半導体ウェハーが下面を凸として反るように変形していた。
半導体ウェハーが上面を凸とするように変形したときには、ウェハーの端縁部がサセプタに衝突する。逆に、半導体ウェハーが下面を凸とするように変形したときには、ウェハーの中央部がサセプタに衝突することとなっていた。その結果、サセプタに衝突した衝撃によって半導体ウェハーが割れるという問題があった。
フラッシュ加熱時にウェハー割れが生じたときには、その割れを迅速に検出して後続の半導体ウェハーの投入を停止するとともに、チャンバー内の清掃を行う必要がある。また、ウェハー割れによって発生したパーティクルがチャンバー外に飛散して後続の半導体ウェハーに付着する等の弊害を防止する観点からも、フラッシュ加熱直後のチャンバーの搬出入口を開放する前にチャンバー内にて半導体ウェハーの割れを検出するのが好ましい。
このため、例えば特許文献1には、フラッシュ加熱処理を行うチャンバーにマイクロフォンを設け、半導体ウェハーが割れたときの音を検知することによってウェハー割れを判定する技術が開示されている。また、特許文献2には、半導体ウェハーの搬送経路に光学センサを設け、半導体ウェハーの輪郭形状を測定することによってウェハー割れを検出する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、半導体ウェハーからの反射光を導光ロッドによって受光し、その反射光の強度からウェハー割れを検出する技術が開示されている。
特開2009-231697号公報 特開2013-247128号公報 特開2015-130423号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、半導体ウェハーが割れた音響のみを抽出するためのフィルタリングが困難であるという問題があった。また、特許文献2に開示の技術では、半導体ウェハーを搬送する搬送ロボットのハンドの形状に制限を与えてしまうという問題があった。さらに、特許文献3に開示の技術では、導光ロッドを回転させる工程がフラッシュ光照射の前後で2回必要となるため、スループットが悪化するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる熱処理方法および熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、フラッシュランプから基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記フラッシュ光を照射した後の所定期間の前記基板の表面温度を測定して温度プロファイルを取得する温度測定工程と、前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する検出工程と、を備え、前記検出工程では、前記温度プロファイルの平均値が所定範囲から外れている、または、前記温度プロファイルの標準偏差が所定範囲から外れているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする。
また、請求項2の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、フラッシュランプから基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記フラッシュ光の照射を開始してから所定期間の前記基板の表面温度を測定して温度プロファイルを取得する温度測定工程と、前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する検出工程と、を備え、前記検出工程では、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記検出工程では、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1から請求項のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記温度測定工程では、前記基板の表面から放射された波長5μm以上6.5μm以下の赤外光の強度から前記基板の表面温度を測定することを特徴とする。
また、請求項の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記基板の表面から放射された赤外光を受光して当該表面の温度を測定する放射温度計と、前記フラッシュランプからフラッシュ光を照射した後の所定期間に前記放射温度計によって測定された前記基板の表面温度の温度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する解析部と、を備え、前記解析部は、前記温度プロファイルの平均値が所定範囲から外れている、または、前記温度プロファイルの標準偏差が所定範囲から外れているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記基板の表面から放射された赤外光を受光して当該表面の温度を測定する放射温度計と、前記フラッシュランプからフラッシュ光の照射を開始してからの所定期間に前記放射温度計によって測定された前記基板の表面温度の温度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する解析部と、を備え、前記解析部は、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項5の発明に係る熱処理装置において、前記解析部は、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項から請求項のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記放射温度計は、前記基板の表面から放射された波長5μm以上6.5μm以下の赤外光の強度から前記基板の表面温度を測定することを特徴とする。
請求項1から請求項の発明によれば、フラッシュ光を照射した後またはフラッシュ光の照射を開始してから所定期間の基板の表面温度を測定して取得された温度プロファイルを解析して基板の割れを検出するため、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる。また、温度プロファイルの平均値が所定範囲から外れている、または、温度プロファイルの標準偏差が所定範囲から外れているときに基板が割れていると判定するため、割れ判定の精度を向上させることができる。
特に、請求項2の発明によれば、フラッシュ光の照射を開始してからの温度プロファイルから基板の割れを検出しているため、フラッシュ光照射中の基板の割れをより確実に検出することができる。
請求項から請求項の発明によれば、フラッシュランプからフラッシュ光を照射した後またはフラッシュ光の照射を開始してからの所定期間に放射温度計によって測定された基板の表面温度の温度プロファイルを解析して基板の割れを検出するため、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる。また、温度プロファイルの平均値が所定範囲から外れている、または、温度プロファイルの標準偏差が所定範囲から外れているときに基板が割れていると判定するため、割れ判定の精度を向上させることができる。
特に、請求項の発明によれば、フラッシュ光の照射を開始してからの温度プロファイルから基板の割れを検出しているため、フラッシュ光照射中の基板の割れをより確実に検出することができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 サセプタの平面図である。 サセプタの断面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 上部放射温度計の主要部を備える高速放射温度計ユニットの構成を示すブロック図である。 半導体ウェハーの処理手順を示すフローチャートである。 フラッシュ光照射時における半導体ウェハーの表面温度の温度プロファイルの一例を示す図である。 温度プロファイルの平均値に基づく割れ判定を説明するための図である。 温度プロファイルの標準偏差に基づく割れ判定を説明するための図である。 上部放射温度計の光軸と半導体ウェハーの主面とのなす角度が半導体ウェハーの見かけの放射率に与える影響を示す図である。 半導体ウェハーの昇温継続時間に基づく割れ判定を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである(本実施形態ではφ300mm)。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aおよび貫通孔61bが穿設されている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの上面から放射された赤外光を上部放射温度計25の赤外線センサ91に導くための円筒状の孔である。一方、貫通孔61bは、半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を下部放射温度計20に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aおよび貫通孔61bは、それらの貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、上部放射温度計25が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化カルシウム材料からなる透明窓26が装着されている。また、貫通孔61bの熱処理空間65に臨む側の端部には、下部放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えば窒素(N)等の不活性ガス、または、水素(H)、アンモニア(NH)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施形態では窒素ガス)。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm~φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、下部放射温度計20が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、下部放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61bに装着された透明窓21を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
また、図1に示すように熱処理装置1は、上部放射温度計25および下部放射温度計20を備える。上部放射温度計25は、フラッシュランプFLからフラッシュ光が照射された瞬間の半導体ウェハーWの上面の急激な温度変化を測定するための高速放射温度計である。
図8は、上部放射温度計25の主要部を含む高速放射温度計ユニット90の構成を示すブロック図である。上部放射温度計25の赤外線センサ91は、その光軸が貫通孔61aの貫通方向の軸と一致するように、チャンバー側部61の外壁面に装着されている。赤外線センサ91は、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの上面から放射された赤外光をフッ化カルシウムの透明窓26を介して受光する。赤外線センサ91は、InSb(インジウムアンチモン)の光学素子を備えており、その測定波長域は5μm~6.5μmである。フッ化カルシウムの透明窓26は赤外線センサ91の測定波長域の赤外光を選択的に透過する。InSb光学素子は、受光した赤外光の強度に応じて抵抗が変化する。InSb光学素子を備えた赤外線センサ91は、応答時間が極めて短くサンプリング間隔が顕著に短時間(例えば、約40マイクロセカンド)の高速測定が可能である。赤外線センサ91は高速放射温度計ユニット90と電気的に接続されており、受光に応答して生じた信号を高速放射温度計ユニット90に伝達する。
高速放射温度計ユニット90は、信号変換回路92、増幅回路93、A/Dコンバータ94、温度変換部95、特性値算定部96および記憶部97を備える。信号変換回路92は、赤外線センサ91のInSb光学素子にて発生した抵抗変化を電流変化、電圧変化の順に信号変換を行い、最終的に取り扱いの容易な電圧の信号に変換して出力する回路である。信号変換回路92は、例えばオペアンプを用いて構成される。増幅回路93は、信号変換回路92から出力された電圧信号を増幅してA/Dコンバータ94に出力する。A/Dコンバータ94は、増幅回路93によって増幅された電圧信号をデジタル信号に変換する。
温度変換部95および特性値算定部96は、高速放射温度計ユニット90のCPU(図示省略)が所定の処理プログラムを実行することによって実現される機能処理部である。温度変換部95は、A/Dコンバータ94から出力された信号、つまり赤外線センサ91が受光した赤外光の強度を示す信号に所定の演算処理を行って温度に変換する。温度変換部95によって求められた温度が半導体ウェハーWの上面の温度である。なお、赤外線センサ91、信号変換回路92、増幅回路93、A/Dコンバータ94、および、温度変換部95によって上部放射温度計25が構成される。下部放射温度計20も、上部放射温度計25と概ね同様の構成を備えるが、高速測定に対応していなくても良い。
また、温度変換部95は、取得した温度データを記憶部97に格納する。記憶部97としては、磁気ディスクやメモリ等の公知の記憶媒体を用いることができる。一定間隔でサンプリングした温度データを温度変換部95が順次に記憶部97に蓄積することによって、半導体ウェハーWの上面の温度の時間変化を示す温度プロファイルが取得される。
図8に示すように、高速放射温度計ユニット90は熱処理装置1全体のコントローラである制御部3と電気的に接続されている。制御部3は、割れ判定部31を備える。割れ判定部31は、制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって実現される機能処理部である。高速放射温度計ユニット90の特性値算定部96および制御部3の割れ判定部31の処理内容についてはさらに後述する。
また、制御部3には表示部32および入力部33が接続されている。制御部3は、表示部32に種々の情報を表示する。入力部33は、熱処理装置1のオペレータが制御部3に種々のコマンドやパラメータを入力するための機器である。オペレータは入力部33から半導体ウェハーWの処理条件を記述した処理レシピの条件設定を行うこともできる。表示部32および入力部33としては、例えば、熱処理装置1の外壁に設けられた液晶のタッチパネルを採用することができる。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。図9は、半導体ウェハーWの処理手順を示すフローチャートである。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して処理対象となる半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される(ステップS1)。このときには、半導体ウェハーWの搬入にともなって装置外部の雰囲気を巻き込むおそれがあるが、チャンバー6には窒素ガスが供給され続けているため、搬送開口部66から窒素ガスが流出して、そのような外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制することができる。
搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7のサセプタ74によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される(ステップS2)。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が下部放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を透明窓21を通して下部放射温度計20が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、下部放射温度計20による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。このように、下部放射温度計20は、予備加熱時における半導体ウェハーWの温度制御のための放射温度計である。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、下部放射温度計20によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。

半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射を行う直前に上部放射温度計25による半導体ウェハーWの表面温度の測定を開始する(ステップS3)。加熱される半導体ウェハーWの表面からはその温度に応じた強度の赤外光が放射されている。半導体ウェハーWの表面から放射された赤外光は透明窓26を透過して上部放射温度計25の赤外線センサ91によって受光される。
赤外線センサ91のInSb光学素子には、受光した赤外光の強度に応じた抵抗変化が発生する。赤外線センサ91のInSb光学素子に生じた抵抗変化は信号変換回路92によって電圧信号に変換される。信号変換回路92から出力された電圧信号は、増幅回路93によって増幅された後、A/Dコンバータ94によってコンピュータが取り扱うのに適したデジタル信号に変換される。そして、A/Dコンバータ94から出力された信号に温度変換部95が所定の演算処理を施して温度データに変換する。すなわち、上部放射温度計25は、加熱される半導体ウェハーWの表面から放射された赤外光を受光し、その赤外光の強度から半導体ウェハーWの表面温度を測定するのである。
本実施形態においては、上部放射温度計25がInSb光学素子を用いた高速放射温度計であり、上部放射温度計25は40マイクロセカンドの極めて短いサンプリング間隔にて半導体ウェハーWの表面温度を測定する。そして、上部放射温度計25は、一定間隔で測定した半導体ウェハーWの表面温度のデータを順次に記憶部97に蓄積する。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う(ステップS4)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
フラッシュ加熱によって半導体ウェハーWの表面温度が急速に上昇して下降するときにも、その表面温度は上部放射温度計25によって測定されている。上部放射温度計25は40マイクロセカンドの極めて短いサンプリング間隔にて半導体ウェハーWの表面温度を測定するため、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの表面温度が急激に変化しても、その変化に追随することが可能である。例えば、半導体ウェハーWの表面温度が4ミリセカンドで昇降温したとしても、上部放射温度計25はその間に100点の温度データを取得することができる。上部放射温度計25は、フラッシュランプFLがフラッシュ光を照射してから予め設定された所定期間(例えば、120ミリセカンド)の間、半導体ウェハーWの表面温度を測定して温度データを取得する。そして、上部放射温度計25は、取得した半導体ウェハーWの表面温度のデータを順次に記憶部97に蓄積する。これにより、フラッシュ光照射時における、半導体ウェハーWの表面温度の温度プロファイルが作成されることとなる(ステップS5)。
図10は、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの表面温度の温度プロファイルの一例を示す図である。図10に示すのは、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れることなく、正常にフラッシュ加熱処理が行われた場合の温度プロファイル例である。時刻t0にフラッシュランプFLが発光して半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光が照射され、瞬間的に半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1から処理温度T2にまで上昇してから急速に下降する。その後、図10に示すように、半導体ウェハーWの表面の測定温度が微小な振幅にて変動する。このような測定温度の微小な変動が生じるのは、フラッシュ光照射後にサセプタ74上にて半導体ウェハーWが振動することに起因するものであると考えられる。すなわち、フラッシュ光照射時には、極めて照射時間が短く高いエネルギーを有するフラッシュ光を半導体ウェハーWの表面に照射するため、半導体ウェハーWの表面の温度は瞬間的に1000℃以上の処理温度T2にまで上昇する一方、その瞬間の裏面の温度は予備加熱温度T1からさほどには上昇しない。従って、半導体ウェハーWの表面のみに急激な熱膨張が生じ、裏面はほとんど熱膨張しないために、半導体ウェハーWが表面を凸とするように瞬間的に反る。そして、次の瞬間には、その反りが戻るように半導体ウェハーWが変形し、このような挙動を繰り返すことによって半導体ウェハーWがサセプタ74上で振動する。上部放射温度計25の赤外線センサ91は、半導体ウェハーWの斜め上方に設けられているため、半導体ウェハーWが振動すると赤外線センサ91から見たウェハー表面の放射率が変動することとなり、その結果上部放射温度計25による測定温度が微小に変動するのである。なお、半導体ウェハーWの振動に起因して上部放射温度計25による測定温度は変動しているものの、実際の半導体ウェハーWの表面温度が変動しているわけではない。
フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れることなく、正常にフラッシュ加熱処理が行われた場合には、高い再現性にて図10に示すような温度プロファイルが得られる。一方、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWに割れが発生した場合には、温度プロファイルに異常な測定データが現出することとなる。そこで、第1実施形態においては、温度プロファイルを統計的に解析して異常な測定データを識別することによって半導体ウェハーWの割れを検出している。
フラッシュ加熱処理が終了した後、作成された温度プロファイルから特性値算定部96が特性値を算定する(ステップS6)。特性値とは、温度プロファイルを統計処理するときの統計量であり、本実施形態においては温度プロファイルの平均値および標準偏差である。具体的には、特性値算定部96は、時刻t1から時刻t2の期間内における温度プロファイルの平均値および標準偏差を特性値として算定する。算定期間の始期である時刻t1は、例えばフラッシュランプFLが発光した時刻t0から30ミリセカンド経過後である。算定期間の始期である時刻t1をフラッシュランプFLが発光する時刻t0よりも遅らせるのは、フラッシュ加熱による半導体ウェハーWの表面温度の昇降を算定期間に含めると特性値に影響を与えるためである。また、算定期間の終期である時刻t2は、例えばフラッシュランプFLが発光した時刻t0から100ミリセカンド経過後である。よって、特性値算定部96が特性値を算定する算定期間(t2-t1)は70ミリセカンドであり、フラッシュ光照射後に半導体ウェハーWの表面温度が安定した期間である。
次に、特性値算定部96によって算定された特性値に基づいて、制御部3の割れ判定部31が半導体ウェハーWの割れ判定を行う(ステップS7)。割れ判定部31は、温度プロファイルの特性値が所定の範囲から外れているか否かを判定して割れ判定を行う。図11は、温度プロファイルの平均値に基づく割れ判定を説明するための図である。図11は、複数枚の半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射して作成した温度プロファイルの平均値をプロットしたものである。なお、温度プロファイルの平均値とは、上記と同様に、時刻t1から時刻t2までの算定期間内における温度プロファイルの平均値であり、以降「プロファイル平均値」とも称する。
図11の横軸には、複数の半導体ウェハーWごとのデータ点を示し、図11の縦軸には温度プロファイルの平均値を示す。上方管理限界値U1は、複数の半導体ウェハーWのプロファイル平均値の総平均にそれら複数の半導体ウェハーWのプロファイル平均値の標準偏差σを5倍した値を加算したものである。一方、下方管理限界値L1は、複数の半導体ウェハーWのプロファイル平均値の総平均からそれら複数の半導体ウェハーWのプロファイル平均値の標準偏差σを5倍した値を減算したものである。すなわち、図11の点線で挟まれた範囲がプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲である。
割れ判定部31は、ある半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射したときに得られた温度プロファイルの平均値がプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲内におさまっているときには半導体ウェハーWが割れていないと判定し、当該範囲から外れているときには半導体ウェハーWが割れていると判定する。図11に示す例では、データ点A1にて示す半導体ウェハーWのプロファイル平均値が上方管理限界値U1よりも大きくなっている。また、データ点A2にて示す半導体ウェハーWのプロファイル平均値が下方管理限界値L1よりも小さくなっている。すなわち、データ点A1,A2に示す半導体ウェハーWのプロファイル平均値がプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れており、割れ判定部31はこれら2枚の半導体ウェハーWが割れていると判定する。
一方、図12は、温度プロファイルの標準偏差に基づく割れ判定を説明するための図である。図12は、複数枚の半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射して作成した温度プロファイルの標準偏差をプロットしたものである。なお、温度プロファイルの標準偏差とは、上記と同様に、時刻t1から時刻t2までの算定期間内における温度プロファイルの標準偏差であり、以降「プロファイル標準偏差」とも称する。
図12の横軸には、複数の半導体ウェハーWごとのデータ点を示し、図12の縦軸には温度プロファイルの標準偏差を示す。上方管理限界値U2は、複数の半導体ウェハーWのプロファイル標準偏差の総平均にそれら複数の半導体ウェハーWのプロファイル標準偏差の標準偏差σを5倍した値を加算したものである。すなわち、図12の点線よりも下の範囲がプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲である。なお、プロファイル標準偏差については、最も測定温度の変動が少ないときが0であり、下方管理限界値の概念は存在しない。
割れ判定部31は、ある半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射したときに得られた温度プロファイルの標準偏差がプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲内におさまっているときには半導体ウェハーWが割れていないと判定し、当該範囲から外れているときには半導体ウェハーWが割れていると判定する。図12に示す例では、データ点B1にて示す半導体ウェハーWのプロファイル標準偏差が上方管理限界値U2よりも大きくなっている。すなわち、データ点B1に示す半導体ウェハーWのプロファイル標準偏差がプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲から外れており、割れ判定部31は当該半導体ウェハーWが割れていると判定する。
また、割れ判定部31は、2つの特性値である平均値と標準偏差とについて「OR判定」を行う。すなわち、割れ判定部31は、ある半導体ウェハーWについての温度プロファイルの平均値がプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、当該温度プロファイルの標準偏差がプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲から外れているときにその半導体ウェハーWが割れていると判定する。このようにしているのは、いずれか一方の特性値のみついての判定では、実際には半導体ウェハーWが割れているにもかかわらず、割れていないと判定されるおそれがあるためである。例えば、半導体ウェハーWに割れが生じた結果としてフラッシュ光照射後の測定温度が安定して通常より顕著に高い温度(または低い温度)となった場合には、平均値についての判定であれば割れていると判定されるものの、標準偏差についての判定では割れていないと判定されるおそれがある。逆に、半導体ウェハーWに割れが生じた結果としてフラッシュ光照射後の測定温度が通常の温度を挟んで大きく上下に変動した場合には、標準偏差についての判定であれば割れていると判定されるものの、平均値についての判定では割れていないと判定されるおそれがある。従って、平均値と標準偏差とについて「OR判定」を行うことにより、割れの検出精度を高めることができる。
図9に戻り、割れ判定部31がフラッシュ光照射後の半導体ウェハーWが割れていると判定したときには、ステップS8からステップS9に進み、制御部3が熱処理装置1における処理を中断し、チャンバー6に半導体ウェハーWを搬出入する搬送系の動作も停止する。また、制御部3が表示部32にウェハー割れ発生の警告を発報するようにしても良い。半導体ウェハーWの割れが発生したときには、チャンバー6内にパーティクルが発生しているため、チャンバー6を開放して清掃作業を行う。
一方、割れ判定部31がフラッシュ光照射後の半導体ウェハーWが割れていないと判定したときには、ステップS8からステップS10に進み、半導体ウェハーWの搬出処理が行われる。具体的には、フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は下部放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、下部放射温度計20の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
本実施形態においては、フラッシュ光照射後の半導体ウェハーWの表面温度を上部放射温度計25によって測定して温度プロファイルを取得し、その温度プロファイルの平均値がプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、当該温度プロファイルの標準偏差がプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲から外れているときに半導体ウェハーWが割れていると判定している。すなわち、熱処理装置1にウェハー割れ検出のための特別なハードウェア構成を追加することなく、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの割れを簡易な構成にて検出しているのである。また、簡単な統計演算処理によって半導体ウェハーWの割れを検出しているため、スループットを低下させる懸念も無い。
また、本実施形態においては、温度プロファイルの平均値と標準偏差とについて「OR判定」を行っているため、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの割れを高い精度にて検出することができる。
また、本実施形態においては、上部放射温度計25の測定波長域が5μm以上6.5μm以下である。すなわち、上部放射温度計25は、半導体ウェハーWの表面から放射された波長5μm以上6.5μm以下の赤外光の強度から半導体ウェハーWの表面温度を測定している。半導体ウェハーWの割れの発生の有無に関わらず、半導体ウェハーWの表面温度自体には大きな変動は生じない。半導体ウェハーWに割れが発生したときに、温度プロファイルに異常な測定データが現出するのは、割れた破片が正常時とは異なる挙動(物理的運動)をしているためであると考えられる。具体的には、上部放射温度計25の光軸と割れた破片とのなす角度が正常時とは異なる値となることにより、半導体ウェハーWの見かけの放射率が大きく変化した結果として異常な測定データが得られるのである。従って、割れを精度良く検出するためには、上部放射温度計25による温度測定は半導体ウェハーWとの角度変化に対しては鋭敏である必要がある。一方、半導体ウェハーWの表面には種々のパターンや薄膜が形成されていることが多い。半導体ウェハーWの放射率はこれらのパターンや薄膜によっても影響を受けるのであるが、割れ検出の観点からは、上部放射温度計25による温度測定はパターンや膜種の変化の影響は受けにくい方が好ましい。
図13は、上部放射温度計25の光軸と半導体ウェハーWの主面とのなす角度が半導体ウェハーWの見かけの放射率に与える影響を示す図である。半導体ウェハーWの上面に膜厚の異なる2種類の薄膜を形成し、上部放射温度計25の光軸と半導体ウェハーWの主面とのなす角度が15°と90°のそれぞれの場合の見かけの放射率を同図に示す。また、図13には、上部放射温度計25の測定波長域(5μm~6.5μm)での半導体ウェハーWの見かけの放射率を示す。
図13に示すように、5μm以上6.5μm以下の波長域では、上部放射温度計25の光軸と半導体ウェハーWの主面とのなす角度が変化すると見かけの放射率が大きく変化している。このことは、上部放射温度計25の測定波長域の範囲においては、上部放射温度計25による温度測定が半導体ウェハーWとの角度変化に対しては鋭敏であることを示している。よって、半導体ウェハーWに割れが発生して割れた破片と上部放射温度計25との角度が少しでも正常時とは異なると、見かけの放射率が変化して異常な測定データが得られる。その結果、半導体ウェハーWの割れが精度良く検出されることとなる。一方、角度変化による影響に比較して薄膜の膜厚による放射率への影響は小さい。このことは、上部放射温度計25による温度測定はパターンや膜種の変化の影響は受けにくいことを示している。すなわち、パターンや膜種の影響の排除と角度変化に対する鋭敏さとを両立するために、上部放射温度計25の測定波長域が5μm以上6.5μm以下であることは好適である。
また、本実施形態においては、上部放射温度計25が半導体ウェハーWの斜め上方に設けられており、上部放射温度計25の光軸と半導体ウェハーWの主面とのなす角度が比較的小さい。このため、上部放射温度計25の検出範囲は半導体ウェハーWの上面の比較的広い範囲にわたり、半導体ウェハーWの割れを検出しやすい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置1の構成は第1実施形態と全く同じである。また、第2実施形態の熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と概ね同様である。第2実施形態が第1実施形態と相違するのは温度プロファイルにおける特性値の算定期間である。
第2実施形態においては、フラッシュランプFLがフラッシュ光の照射を開始した図10の時刻t0を算定期間の始期としている。すなわち、第2実施形態では、フラッシュ光の照射を開始してから所定期間を算定期間としており、フラッシュ加熱による半導体ウェハーWの表面温度の昇降を特性値の算定期間に含めているのである。特性値の算定方法および特性値に基づく半導体ウェハーWの割れの判定方法は第1実施形態と同じである。フラッシュ光照射期間を含む温度プロファイルの平均値がプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、当該温度プロファイルの標準偏差がプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲から外れているときに半導体ウェハーWが割れていると判定している。
図10から明らかなように、フラッシュ加熱による半導体ウェハーWの表面温度の昇降は温度プロファイルの平均値、標準偏差等の特性値に大きな影響を与える。しかし、半導体ウェハーWが割れることなく正常に処理された場合には、フラッシュ加熱による半導体ウェハーWの表面温度の昇降パターンは高い再現性を有しており、温度プロファイルの特性値自体は安定したものとなる(特性値の標準偏差は第1実施形態と同程度に小さい)。従って、第1実施形態と同様に、半導体ウェハーWに割れが発生して温度プロファイルに異常な測定データが現出した場合には、温度プロファイルの特性値が所定の範囲から外れることとなる。このため、温度プロファイルの特性値が所定の範囲から外れているか否かを判定することによって半導体ウェハーWの割れ判定を行うことができる。
むしろ、第2実施形態においては、フラッシュ光照射期間も特性値の算定期間に含めているため、フラッシュ光照射中に半導体ウェハーWに割れが発生して異常な測定データが得られたときにも、温度プロファイルの特性値が所定の範囲から外れることとなる。このため、フラッシュ光照射中における半導体ウェハーWの割れをより確実に検出することができる。特に、フラッシュランプFLの照射時間が比較的長い(6ミリセカンド以上)場合には、フラッシュ光の照射中に半導体ウェハーWが割れる懸念があり、第2実施形態のようにフラッシュ光照射期間も特性値の算定期間に含めるのが好適である。
特性値の算定期間を第1実施形態のようにフラッシュ光を照射した後の所定期間とするか、第2実施形態のようにフラッシュ光の照射を開始してからの所定期間とするかは熱処理装置1のオペレータが入力部33から適宜に入力して設定することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の熱処理装置1の構成は第1実施形態と全く同じである。また、第3実施形態の熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と概ね同様である。第3実施形態が第1実施形態と相違するのは、温度プロファイルに基づく半導体ウェハーWの割れの判定方法である。
第1実施形態と同様に、フラッシュランプFLによるフラッシュ光照射を行う前から上部放射温度計25による半導体ウェハーWの表面温度の測定を開始する。フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射が開始されて半導体ウェハーWの表面温度が急速に上昇するときにも、その表面温度は上部放射温度計25によって測定されている。既述したように、上部放射温度計25は40マイクロセカンドの極めて短いサンプリング間隔にて半導体ウェハーWの表面温度を測定するため、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの表面温度が急激に変化しても、その変化に追随することが可能である。上部放射温度計25は、取得した半導体ウェハーWの表面温度のデータを順次に記憶部97に蓄積する。これにより、フラッシュ光照射時における、半導体ウェハーWの表面温度の温度プロファイルが作成される。
第3実施形態では、フラッシュランプFLがフラッシュ光の照射を開始してから半導体ウェハーWの表面温度が昇温を継続する時間に基づいて半導体ウェハーWの割れを判定する。図14は、半導体ウェハーWの昇温継続時間に基づく割れ判定を説明するための図である。図14に示すのは、図10と同じく、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの表面温度の温度プロファイルである。時刻t0にフラッシュランプFLが発光してフラッシュ光照射が開始されるのとほぼ同時に、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1から昇温を開始する。フラッシュ光照射中に半導体ウェハーWが割れることなく、正常にフラッシュ加熱処理が行われた場合、フラッシュランプFLのフラッシュ光照射時間f(フラッシュランプFLの発光時間)と半導体ウェハーWの表面温度が昇温を継続する時間dとは概ね一致する。
ところが、フラッシュ光照射中に半導体ウェハーWが割れた場合、フラッシュランプFLのフラッシュ光照射時間fと半導体ウェハーWの表面温度が昇温を継続する時間dとに乖離が生じる。通常は、図14に示すように、半導体ウェハーWの表面温度の昇温継続時間dがフラッシュ光照射時間fよりも短くなる。第3実施形態においては、割れ判定部31は、フラッシュ光の照射を開始してから半導体ウェハーWの表面温度が昇温を継続する時間dがフラッシュランプFLのフラッシュ光照射時間fと所定値以上乖離する場合には、半導体ウェハーWが割れたと判定する。例えば、昇温継続時間dがフラッシュ光照射時間fと±10%以上乖離する場合には、半導体ウェハーWが割れたと判定される。
第3実施形態においては、処理対象とされている半導体ウェハーWの表面温度の温度プロファイルのみからフラッシュ光照射時における当該半導体ウェハーWの割れを検出している。従って、第1実施形態のように、多数の半導体ウェハーWの温度プロファイルを作成し、それらの特性値を算定して管理限界値を求める工程が不要となる。
フラッシュランプFLのフラッシュ光照射時間fは、フラッシュランプFLの回路中に絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を組み込んでフラッシュランプFLへの通電をオンオフ制御したり、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。上述したように、フラッシュ光照射時間fを比較的長く(6ミリセカンド以上)した場合には、フラッシュ光の照射中に半導体ウェハーWが割れる懸念がある。第3実施形態の割れ判定方法は、このような場合に好適である。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、温度プロファイルの特性値として平均値および標準偏差を用いていたが、これに限定されるものではなく、他の統計量を用いても良い。例えば、温度プロファイルの特性値として、平均値に代えて中央値を用い、標準偏差に代えて最大値と最小値との差であるレンジを用いるようにしても良い。
また、温度プロファイルの特性値として、例えば温度プロファイルの波形の最大値、最小値を用いるようにしても良い。温度プロファイルの波形を周期的な正弦波として捉えることができれば、その波の周期、周波数、振幅等を特性値として採用するようにしても良い。或いは、温度プロファイルの波形をパルス波とみなすのであれば、特性値としてデューティー比、半値全幅、半値半幅、最大傾き等を用いるようにしても良い。さらには、特性値として、温度プロファイルを微分した微分波形の平均値、標準偏差、中央値、レンジ、最大値、最小値や波形の積分値等を用いるようにしても良い。
ウェハー割れの判定に使用する特性値は2つに限定されるものではなく、上述した種々の特性値の3つ以上であっても良いし、1つのみであっても良い。ウェハー割れの判定に使用する特性値の数が多くなるほど判定精度は向上するものの、演算処理に要する時間は長くなる。
また、ウェハー割れの判定に複数の特性値を用いる場合には、それらの「OR判定」に限定されるものではなく、他の論理演算(例えば、AND、XOR等)による判定を行うようにしても良い。もっとも、判定精度を高める観点からは、上記実施形態と同様の「OR判定」が好ましい。
ウェハー割れの判定にいずれの特性値をいくつ使用するかは、オペレータが入力部33から適宜に選択して処理レシピ上に設定することができる。また、複数の特性値を用いる場合には、オペレータが入力部33から「OR判定」にするか「AND判定」にするかも選択して設定することができる。これにより、特性値を変更する場合にも、熱処理装置1の都度改造やソフトウェアのアップグレードが不要となる。
また、上記実施形態においては、管理限界値を5σの範囲としていたが、これに代えてより一般的な3σとするようにしても良い。
また、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理を重ねるごとに新たな温度プロファイルが得られるため、ウェハー割れ判定に用いる管理限界値を再計算して逐次更新するようにしても良い。例えば、同一処理条件にて処理された半導体ウェハーWについての直近10000個の温度プロファイルに基づいて管理限界値を算定するようにしても良い。このようにすれば、装置部品の経年劣化等によって温度プロファイルが変化したとしても、その変化に追随して最適な管理限界値を設定することができる。
また、処理対象となる半導体ウェハーWと同一処理条件にて直前(或いは数枚前)に処理された半導体ウェハーWの表面温度を測定して取得された温度プロファイルを基準温度プロファイルとし、その基準温度プロファイルと当該処理対象の半導体ウェハーWの温度プロファイルとを比較して半導体ウェハーWの割れを判定するようにしても良い。なお、この手法を採用する場合には、その直前(或いは数枚前)の半導体ウェハーWが割れることなく正常に処理されたことを前提とする。このようにすれば、第3実施形態と同様に、多数の半導体ウェハーWの温度プロファイルを作成して管理限界値を求める工程を不要とすることができる。
また、半導体ウェハーWの表面温度のプロファイルを作成するのに代えて、温度に変換する前の赤外線センサ91の出力値(つまり、半導体ウェハーWの表面から放射される赤外光の強度)のプロファイルを作成してウェハー割れ判定に使用するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、上部放射温度計25を半導体ウェハーWの斜め上方に設けることによって上部放射温度計25の検出範囲(視野)を拡げていたが、これに代えて、上部放射温度計25と半導体ウェハーWとの距離を長くすることによって半導体ウェハーWの上面における上部放射温度計25の検出範囲を拡げるようにしても良い。さらに、複数の放射温度計を設ける、或いは放射温度計に複数の赤外線センサを設けることによって半導体ウェハーWの上面における検出範囲を拡げるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、1秒以上連続して発光する連続点灯ランプとしてフィラメント方式のハロゲンランプHLを用いて半導体ウェハーWの予備加熱を行っていたが、これに限定されるものではなく、ハロゲンランプHLに代えて放電型のアークランプ(例えば、キセノンアークランプ)を連続点灯ランプとして用いて予備加熱を行うようにしても良い。
また、上記実施形態においては、ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWの予備加熱を行うようにしていたが、これに代えて半導体ウェハーWを保持するサセプタをホットプレート上に載置し、そのホットプレートからの熱伝導によって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしても良い。
また、熱処理装置1によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
20 下部放射温度計
25 上部放射温度計
31 割れ判定部
33 入力部
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
74 サセプタ
75 保持プレート
77 基板支持ピン
90 高速放射温度計ユニット
91 赤外線センサ
95 温度変換部
96 特性値算定部
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

Claims (8)

  1. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    フラッシュランプから基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、
    前記フラッシュ光を照射した後の所定期間の前記基板の表面温度を測定して温度プロファイルを取得する温度測定工程と、
    前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する検出工程と、
    を備え、
    前記検出工程では、前記温度プロファイルの平均値が所定範囲から外れている、または、前記温度プロファイルの標準偏差が所定範囲から外れているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理方法。
  2. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    フラッシュランプから基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、
    前記フラッシュ光の照射を開始してから所定期間の前記基板の表面温度を測定して温度プロファイルを取得する温度測定工程と、
    前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する検出工程と、
    を備え、
    前記検出工程では、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理方法。
  3. 請求項1記載の熱処理方法において、
    前記検出工程では、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記温度測定工程では、前記基板の表面から放射された波長5μm以上6.5μm以下の赤外光の強度から前記基板の表面温度を測定することを特徴とする熱処理方法。
  5. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバーに収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    前記基板の表面から放射された赤外光を受光して当該表面の温度を測定する放射温度計と、
    前記フラッシュランプからフラッシュ光を照射した後の所定期間に前記放射温度計によって測定された前記基板の表面温度の温度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、
    前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する解析部と、
    を備え、
    前記解析部は、前記温度プロファイルの平均値が所定範囲から外れている、または、前記温度プロファイルの標準偏差が所定範囲から外れているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理装置。
  6. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバーに収容された前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    前記基板の表面から放射された赤外光を受光して当該表面の温度を測定する放射温度計と、
    前記フラッシュランプからフラッシュ光の照射を開始してからの所定期間に前記放射温度計によって測定された前記基板の表面温度の温度プロファイルを取得するプロファイル取得部と、
    前記温度プロファイルを解析して前記基板の割れを検出する解析部と、
    備え、
    前記解析部は、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理装置。
  7. 請求項5記載の熱処理装置において、
    前記解析部は、前記温度プロファイルの平均値が複数の基板のプロファイル平均値の総平均から±5σの範囲から外れているとき、または、前記温度プロファイルの標準偏差が複数の基板のプロファイル標準偏差の総平均から5σの範囲を超えているときに前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理装置。
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記放射温度計は、前記基板の表面から放射された波長5μm以上6.5μm以下の赤外光の強度から前記基板の表面温度を測定することを特徴とする熱処理装置。
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