JP7263678B2 - 凝集又は沈殿が抑制された乳酸菌含有飲料の製造方法 - Google Patents
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Description
また、飲食品に含有され得る原料としての乳酸菌の製造段階にて、培養工程及び培養終了後の菌体滅菌、洗浄、濃縮といった工程(加工工程)における培地のpHを中性域に調整することで、得られる乳酸菌の菌体の粒度の最頻値を1μm以下にでき、水への分散性が優れた菌体が得られることが知られている(特許文献5)。
しかし、pHの領域を2段階で調整することを特徴とする、凝集又は沈殿が抑制された乳酸菌含有飲料の製造方法はこれまでに報告されていない。
本発明の第二の目的は、乳酸菌の中でも、菌体表面のマイナス電荷が他の乳酸菌と比較して強く、その影響を受けて凝集しやすい性質を有するラクトバチルス・プランタラムL-137を含有する、凝集又は沈殿が抑制された飲料の製造方法を提供することである。
[1]以下のa)~c)の工程を含むことを特徴とする、乳酸菌含有飲料の製造方法。
a)少なくとも水と乳酸菌とを混合する混合工程
b)混合して得られた液のpHを5~9に調整する第1pH調整工程
c)第1pH調整して得られた液のpHを4以下に調整する第2pH調整工程
[2]a)工程が、分散処理工程を含むことを特徴とする、前記[1]の記載の方法。
[3]乳酸菌が、第1pH調整工程において電荷を帯びていることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムL-137株である前記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]a)工程において、少なくとも水と乳酸菌と増粘剤とを混合することを特徴とする、前記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]以下のa)~c)の工程を含むことを特徴とする、乳酸菌含有飲料の製造中又は保存中の凝集又は沈殿を抑制する方法。
a)少なくとも水と乳酸菌とを混合する混合工程
b)混合して得られた液のpHを5~9に調整する第1pH調整工程
c)第1pH調整して得られた液のpHを4以下に調整する第2pH調整工程
[7]a)工程が、分散処理工程を含むことを特徴とする、前記[6]の記載の方法。
[8]乳酸菌が、第1pH調整工程において電荷を帯びていることを特徴とする前記[6]又は[7]に記載の方法。
[9]乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムL-137株である前記[6]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]a)工程において、少なくとも水と乳酸菌と増粘剤とを混合することを特徴とする、前記[6]~[9]のいずれかに記載の方法。
第二に、乳酸菌の中でも、菌体表面のマイナス電荷が他の乳酸菌と比較して強く、その影響を受けて凝集しやすい性質を有するラクトバチルス・プランタラムL-137を含有する、凝集又は沈殿が抑制された飲料の製造方法を提供することができる。
これらの製造方法により製造された、凝集又は沈殿が抑制された飲料は、経時的な乳酸菌等の凝集又は沈殿が防止され得る。
a)少なくとも水と乳酸菌とを混合する混合工程
b)混合して得られた液のpHを5~9に調整する第1pH調整工程
c)第1pH調整して得られた液のpHを4以下に調整する第2pH調整工程
本発明の製造方法は、a)、b)及びc)の工程を含んでいればよく、本発明の効果を失しない限り、さらに他の工程を含んでいてもよい。他の工程は工程a)の前であってもよく、工程a)と工程b)との間であってもよく、工程b)と工程c)との間であってもよく、工程c)の後であってもよい。
(1)水
水は、飲用可能であれば特に限定されず、例えば、精製水、蒸留水、水道水、浄水、イオン交換水等が挙げられる。水のpHは、例えば弱酸性~弱塩基性の間(例えば、pH3~11又はpH5~8等)であることが好ましい。
(2)乳酸菌
乳酸菌として、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)又はカルノバクテリウム(Carnobacterium)等の乳酸桿菌;ストレプトコックス(Streptococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、エンテロコックス(Enterococcus)、ペディオコックス(Pediococcus)、テトラゲノコックス(Tetragenococcus)又はロイコノストック(Leuconostoc)等の乳酸球菌;ビフィズス菌;等が挙げられる。
ラクトバチルス属に属する乳酸菌として、例えば、ラクトバチルス プランタラム、ラクトバチルス アシドフィルス、ラクトバチルス カゼイ、ラクトバチルス ギャセリ、ラクトバチルス ブレビス、ラクトバチルス ブフネリ、ラクトバチルス パラカゼイ、ラクトバチルスジョンソニイ、ラクトバチルスファーメンタム、ラクトバチルス デルブリュッキー 亜種 ブルガリクス又はラクトバチルス ヘルベティクス等が挙げられ、中でもラクトバチルス プランタラムが特に好ましい。
ストレプトコックス属に属する乳酸菌として、例えばストレプトコックス フェシウム、ストレプトコックス サーモフィルス、ラクトコックス ラクチス 亜種 ラクチス又はラクトコックス ラクチス 亜種 クレモリス等が挙げられる。ロイコノストック属に属する乳酸菌として、例えばロイコノストック メセンテロイデス 亜種 クレモリス等が挙げられる。
ビフィズス菌、すなわちビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌として、例えば、ビフィドバクテリウム ビフィダム、ビフィドバクテリウム ロンガム、ビフィドバクテリウム ブレーベ、ビフィドバクテリウム インファンティス、ビフィドバクテリウム アドレッセンティス等が挙げられる。
中でも、ラクトバチルス属に属する乳酸菌(特に、ラクトバチルス・プランタラムL-137、及びラクトバチルス・パラカゼイMCC1849)、並びにストレプトコックス属に属する乳酸菌(特に、ラクトコッカス・ラクティスJCM5805)から選択される1以上が好ましい。
これらの菌体は、例えば独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター、ATCC又はIFO等の機関等から容易に入手することができる。また、市販されているものを適宜使用することもできる。
また、上記菌体液には、公知技術に従ってさらに、乳糖、白糖、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、粉末セルロース、リン酸水素カルシウム又は炭酸カルシウム等の賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン(ポリビニルピロリドン)又はキサンタンガム等の賦形剤等の結合剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン又はカルボキシメチルスターチ等の崩壊剤;微粉又は非微粉タルク、コロイド状シリカ、加工シリカ又は沈降シリカ等の静電気防止剤;等当業界で一般に用いられている添加剤を通常の配合割合で添加してもよい。
ラクトバチルス・プランタラムL-137は独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(住所:郵便番号292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に、受託番号FERM BP-08607号(平成7年11月30日に寄託されたFERM P-15317号より移管)として寄託されている。なお、ラクトバチルス・プランタラムL-137の変異株であっても、ラクトバチルス・プランタラムL-137の特徴を備えるものはラクトバチルス・プランタラムL-137の範疇である。
本発明のひとつの態様において、前記ラクトバチルス・プランタラムL-137の培養時間は約12~48時間程度であり、通気振盪してもよい。また、本発明のひとつの態様において、ラクトバチルス・プランタラムL-137の培養は、通気振盪により実施してもよい。また、培地のpHは、特に限定されないが、通常約pH3~6、好ましくは約pH4~6である。
培養終了後、菌体を採取した後、加熱死菌体を調製してもよいし、又は菌体を培養液から一旦分離することなく、培養液中の菌体を加熱死菌体にし、その加熱死菌体を採取してもよい。菌体を採取する方法としては、例えば培養液に蒸留水を加え、遠心分離等の手段により上清を除き、必要によりその操作を繰り返し、遠心分離や濾過等により菌体を採取する方法がある。
工程a)混合工程において、水及び乳酸菌以外の他の物質も混合してもよい。そのような物質として、例えば、果糖ぶどう糖液糖又は砂糖等の糖類;キサンタンガム、ウェランガム、カラギーナン、グァーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、プロピレングリコール、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール又はポリエチレングリコール等の増粘剤;糖化菌又は酪酸菌等の乳酸菌以外の有用菌等が挙げられる。
例えば、糖類が果糖ぶどう糖液糖及び砂糖の混合物である場合、果糖ぶどう糖液糖と砂糖との質量比(果糖ぶどう糖液糖:砂糖)は、例えば1:1であることが好ましい。
乳酸菌と増粘剤との質量比(乳酸菌:増粘剤)は、例えば1:(1~10)であってもよく、1:(1~2)であってもよい。
混合工程において、分散処理工程を含むことにより、本発明の課題がより効果的に解決され得るため、混合工程において、分散処理工程を含むことが好ましい。分散処理として、具体的には例えば高速撹拌又は超音波分散を行う。その際、ホモミキサー等の高速撹拌機又は超音波分散機等の公知の機器を使用することができる。高速撹拌の方法として、例えば、4000~10000rpmで3~10分、より好ましくは5000~8000rpmで5~10分等の条件で撹拌する方法が挙げられる。分散処理工程により、分散処理前よりも菌又は菌の集合体が、微細化され、又は均質化されていることが好ましい。
工程b)第1pH調整工程において、工程a)にて得られた液のpHを5~9に調整する。例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、塩酸、水酸化ナトリウム、リン酸又は酢酸等のpH調整剤を、工程a)にて得られた液に添加することにより、pHを5~9に調整することができる。pHが5~9の範囲内であることは、例えば市販のpH測定機器を用いて確認することができ、そのときの温度は例えば20±2℃であることが好ましい。
工程a)にて得られた液のpHを5~9に調整したとき、当該液に含まれている乳酸菌は、電荷を帯びていることが好ましい。電荷は正電荷でも負電荷でもよいが、負電荷であることが好ましい。pHを5~9に調整したときに電荷を帯びている乳酸菌として、例えば、ラクトバチルス・プランタラムL-137等のラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849等のラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトコッカス・ラクティスJCM5805等のラクトコッカス・ラクティス等が挙げられる。
なお、本発明の製造方法は、工程a)において水と乳酸菌と混合するときに上記pH調整剤を添加し、工程a)と工程b)を1つの工程で行うこともできる。
工程b)-2:混合工程
本発明の製造方法は、工程b)の後、飲料の原料を、工程b)の後に得られた液に添加し、混合する混合工程を含むことが好ましい。当該原料として、工程b)までに添加していない原料であってもよく、工程b)までに添加した原料であってもよい。
そのような原料として、例えば、デキストリン等の食品原料;クエン酸又はクエン酸ナトリウム等の酸味料;大豆多糖類、ペクチン、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸又はジブチルヒドロキシトルエン等の安定化剤;スクラロース又はアセスルファムK等の甘味料、牛乳;発酵乳;脱脂粉乳;リン酸緩衝液等の緩衝剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の保存剤;着色料;酸化防止剤;発色料;漂白料;防かび剤;ガムベース;苦味料;酵素;光沢剤;調味料;乳化剤;強化剤;製造用剤;香辛料抽出物が挙げられる。
乳酸菌とデキストリン等の食品原料との質量比(乳酸菌:デキストリン等の食品原料)は、例えば1:(80~200)であってもよく、1:(80~150)であってもよい。
乳酸菌と酸味料との質量比(乳酸菌:酸味料)は、例えば1:(10~100)であってもよく、(20~60)であってもよい。
混合方法については、上記工程a)混合工程の混合方法の説明を参照されたい。
工程b)にて第1pH調整して得られた液、又は工程b)の後の上記混合工程にて混合して得られた液のpHを4以下に調整する。このとき、pHを好ましくは1~4、より好ましくは2~4、さらに好ましくは3~4に調整することが好ましい。例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸カルシウム、塩酸、水酸化ナトリウム、リン酸又は酢酸等のpH調整剤を、工程b)にて第1pH調整して得られた液、又は工程b)の後の上記混合工程にて混合して得られた液に添加することにより、pHを4以下に調整することができる。pHが4以下であることは、例えば市販のpH測定機器を用いて確認することができ、そのときの温度は例えば20±2℃であることが好ましい。
工程c)-2:混合工程
本発明の製造方法は、工程c)の後、飲料の原料を、工程c)の後に得られた液に添加し、混合する混合工程を含むことが好ましい。当該原料として、工程c)までに添加していない原料であってもよく、工程c)までに添加した原料であってもよい。
そのような原料として、例えば、香料等がある。
混合方法については、上記工程a)混合工程の混合方法の説明を参照されたい。
本発明の製造方法は、工程c)又は工程c)-2の後、得られた液を殺菌する殺菌工程を含むことが好ましい。殺菌方法は、食品(特にゼリー飲料を含む飲料)の分野で通常行われている殺菌の方法であってよく、例えば加熱殺菌等が挙げられる。
本発明の製造方法は、工程c)の後、工程c)-2の後工程c)-3の前、又は工程c)-3の後、得られた液を容器に充填する充填工程を含むことが好ましい。充填方法は、食品(特にゼリー飲料を含む飲料)の分野で通常行われている充填の方法であってよく、例えば、飲料を90度以上に加熱し、充填し、冷却する充填方式であるホットパック充填等が挙げられる。
乳酸菌含有飲料中の乳酸菌の割合は、例えば0.01~0.02g/飲料100mLであってもよく、0.02~0.03g/飲料100mLであってもよい。
当該測定は、例えば株式会社山電のクリープメータRE2-33005Sで、測定温度20±2℃にて、直径20mmの樹脂製プランジャー(円柱平面型)を用い、圧縮速度10mm/秒、クリアランス5mmの条件で行うことができる。
本発明の製造方法により製造される乳酸菌含有飲料は、経口により哺乳動物等に投与しされ得る。
乳酸菌の投与量は、飲料摂取者の年齢及び体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせ等に依存して決定できる。例えば、成人1人(約60kg)1日当たり、乳酸菌を乾燥死菌体として、好ましくは約0.5~200mg、より好ましくは約1~100mg、更に好ましくは約2~50mg投与されるように設定するのが好ましい。または、成人1人(約60kg)1日当たり、乳酸菌を生菌換算で、好ましくは約(5×108)~(2×1011)cfu(Colony forming unit;コロニー形成単位)、より好ましくは約(1×109)~(1×1011)cfu摂取されるように設定するのが好ましい。摂取回数は、1日1回又は複数回に分けて行うことができる。
また、本発明の製造方法により製造される乳酸菌含有飲料は、例えば、一般的な食品、機能性表示食品、特定保健用食品、健康食品又は病者用食品等の形態で提供され得る。
例えば、原料及びその配合割合を同一条件にして、本発明の製造方法で製造された乳酸菌含有飲料と、それ以外の製造方法で製造された乳酸菌含有飲料とを、それぞれ別々に、同形で同質の容器に同容量入れて、常温(15~25℃)で1日~半年の間の任意の期間保存後、又は加速試験にて例えば55℃1日保存後、目視にて、前者の飲料が後者の飲料より沈殿物が少なく、又は浮遊している凝集物が少ないときに、本発明の製造方法により沈殿又は凝集が抑制されていると判断することができる。この場合において、容器は透明であってもよく、不透明であってもよく、半透明であってもよい。また、保存する際は、遮光保存してもよく、また、安定性試験(加速試験、苛酷試験又は長期保存試験等)において通常用いられる機器の中で保存してもよい。
a)少なくとも水と乳酸菌とを混合する混合工程
b)混合して得られた液のpHを5~9に調整する第1pH調整工程
c)第1pH調整して得られた液のpHを4以下に調整する第2pH調整工程
本発明の方法における、各用語及び各工程の説明として、上記本発明の製造方法において対応する各用語及び各工程の説明を参照されたい。
MRS(de Man, Rogosa, Sharpe)液体培地にラクトバチルス・プランタラムL-137(受託番号FERMBP-08607)株を播種し、32℃で24時間培養した。培養後、培養液を4200×g、4℃、10分間遠心分離し菌体を集めた。得られた菌体を生理食塩水によく分散し、4200×g、4℃、10分間遠心分離した後、上清を除き、菌体を集めた。さらに、集めた菌体に生理食塩水によく分散させ、上記条件にて遠心分離をする操作を3回繰り返した。その後、得られた菌体をイオン交換水に分散し、80℃で20分間加熱した。4200×g、4℃、10分間遠心分離して沈殿を凍結乾燥することにより、ラクトバチルス・プランタラムL-137乾燥死菌体を得た。
1.水と乳酸菌との混合工程(工程a))
水100mLに対して、乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムL-137乾燥死菌体を0.01g、増粘剤としてキサンタンガムを0.02gの割合となるように各原料を順に加えて、これらを数分間撹拌して混合した。
クエン酸、クエン酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムを水に適量添加してpHを調整した後に、工程a)にて混合して得られた液を添加した。液温20℃にて、pH測定機器(株式会社堀場製作所のF-71)を用いてpHを測定した。具体的には、下記表1に記載の通り、pHを、実施例品1~3においてはpH5~9の範囲内となるように、比較例品1においてはpH5~9の範囲外となるように調整した。
pH調整工程1にて得られた液にクエン酸又はクエン酸ナトリウムを適量添加し、pHを下記表1に記載の通りpH4以下となるように調整した。液温20℃にて、pH測定機器(株式会社堀場製作所のF-71)を用いてpHを測定した。
(殺菌条件等)
pH調整工程2にて得られた調製液を加熱し、65℃10分以上に相当する加熱殺菌処理を施した後、ホットパック充填を行った。
保存(1)常温1日
透明瓶に充填した液体を常温(15℃~25℃)にて卓上に静置した。
保存(2)55℃1日
透明瓶に充填した液体を55℃恒温槽内で静置した。
当該方法により、常温で1ヶ月保存したのと同等の、保存対象の状態を予測することができる(下記表1の常温1ヶ月相当をご参照)。
保存後の沈殿及び凝集の状態を目視により確認した。
乳酸菌として、ラクトバチルス・プランタラムL-137の代わりに、ラクトバチルス・パラカゼイMCC1849(NITE BP-01633)又はラクトコッカス・ラクティスJCM5805を使用した場合も上記同様の結果が得られた。
140mL瓶にて、水100mLに対して、糖類として砂糖及び果糖ぶどう糖液糖を13g、乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムL-137乾燥死菌体を0.02g、増粘剤としてキサンタンガムを0.02gの割合となるように各原料を順に加えた。分散処理品では、これらをホモミキサー(MARKII2.5型;プライミクス社製)にて、5000rpm、5分間、液温27.3~28.5℃の条件で分散処理することにより混合した。未処理品では、乾燥菌体に水を添加し撹拌することにより混合した。その後、実施例2の方法で他の原料を溶解させた。
実施例2の分散処理品及び未処理品において、クエン酸又はクエン酸ナトリウムを適量添加して、最終pHを5.2に調整した。
殺菌、保存、並びに沈殿及び凝集の確認方法を実験例1と同様に行った。但し、実施例1における常温1日保存は行わず、その代わりに冷蔵保存(透明瓶に充填した液体を4℃冷蔵庫に静置)を行った。
Claims (8)
- 以下のa)~c)の工程を含むことを特徴とする、乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムL-137株を含有する飲料の製造方法。
a)少なくとも水と乳酸菌とを混合する混合工程
b)混合して得られた液のpHを5~9に調整する第1pH調整工程
c)第1pH調整して得られた液のpHを4以下に調整する第2pH調整工程 - a)工程が、分散処理工程を含むことを特徴とする、請求項1の記載の方法。
- 乳酸菌が、第1pH調整工程において電荷を帯びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- a)工程において、少なくとも水と乳酸菌と増粘剤とを混合することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
- 以下のa)~c)の工程を含むことを特徴とする、乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムL-137株を含有する飲料の製造中又は保存中の凝集又は沈殿を抑制する方法。
a)少なくとも水と乳酸菌とを混合する混合工程
b)混合して得られた液のpHを5~9に調整する第1pH調整工程
c)第1pH調整して得られた液のpHを4以下に調整する第2pH調整工程 - a)工程が、分散処理工程を含むことを特徴とする、請求項5の記載の方法。
- 乳酸菌が、第1pH調整工程において電荷を帯びていることを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
- a)工程において、少なくとも水と乳酸菌と増粘剤とを混合することを特徴とする、請求項5~7のいずれかに記載の方法。
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