JP7263182B2 - 車両用サンバイザ - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられるサンバイザに関する。例えば板状のバイザ本体を有し、バイザ本体が車両のフロントガラスに沿う使用位置と天井に沿う格納位置との間で回転して使用されるサンバイザに関する。
特許文献1に開示された車両用サンバイザは、板状のバイザ本体と、バイザ本体に挿入されてバイザ本体を回転可能に支持する支軸を有する。支軸は、略円柱状である。バイザ本体内には支軸を回転可能に把持する把持部が設けられる。バイザ本体を、フロントガラスに沿う使用位置と天井に沿う格納位置との間で支軸を中心に回転させる際、把持部が支軸に対して摺動しながらバイザ本体と共に回転する。
一般に、バイザ本体の回転操作は手で行う。このためバイザ本体は支軸回りに滑らかに回転できることが望ましい。特許文献1に開示されたサンバイザでは、支軸と把持部に熱可塑性材料等をコーティングすることで、支軸と把持部間の摺動抵抗を軽減させている。
バイザ本体を天井へ近づけると、天井に向けてバイザ本体が付勢されるサンバイザも知られている。その構造は、例えば、支軸の外周面の一部に設けられた平面領域と、支軸の外周面に弾性力を付与しつつ当たる板バネを有する。板バネがバイザ本体とともに支軸に対して回転すると、板バネの支軸に当たる当接部分が支軸の円弧領域から平面領域に近づく。この時、板バネが支軸に対して付勢力を与え、バイザ本体が天井に向けて回転するように付勢される。
しかしバイザ本体が必要以上に速い速度で天井等にぶつかった際、大きな打音が発生する場合がある。このため天井付近におけるバイザ本体の回転速度を抑制して打音を小さくしたいとの要望がある。一方、サンバイザ本体の回転速度を遅くするために支軸と把持部間の摺動抵抗を高くすることが考えられる。しかし摺動抵抗を高くした場合、板バネの付勢力を利用してバイザ本体を天井に向けて回転させる際に、バイザ本体が天井到達前に回転停止し、収納不良を引き起こす可能性がある。
米国特許第6120084号公報
そこで使用位置においてはバイザ本体を滑らかに回転させることができ、かつ板バネを利用してバイザ本体を天井に近づける際にはバイザ本体の回転速度を低減させて天井に当たる際の打音を小さくできることという、相反する機能を兼ね備え、かつ板バネを利用してバイザ本体を天井へ当接させる際にはバイザ本体を確実に天井に到達できるサンバイザが従来必要とされている。
本開示の1つの特徴によると、車両用サンバイザは、板状のバイザ本体と、バイザ本体に差し込まれ、バイザ本体を使用位置と格納位置の間で回転可能に支持する支軸とを有する。バイザ本体には支軸が挿通されるクリップが設けられる。支軸の外周面は、バイザ本体が格納位置に位置する際にクリップに当接する平面領域を含む。クリップは、弾性変形する金属製のクリップ本体を有し、かつ平面領域を含む支軸の外周面に摺動可能に当接する当接領域を有する。クリップの当接領域には表面処理が施されている。
したがって当接領域に施した表面処理によって支軸とクリップ間の摺動抵抗を低減できる。しかもバイザ本体が天井等に近づいてから格納位置に至るまで回転する際の回転速度を低減できる。この理由は、発明者が鋭意研究した結果、支軸の外周面と表面処理を施したクリップ間の動摩擦係数が速度に依存することがわかったからである。すなわち支軸の平面領域を利用してクリップがバイザ本体とともに天井へ速度を上げながら移動する。一方、支軸とクリップの動摩擦係数は、速度が速くなるほど大きくなる。その結果、バイザ本体が天井へ近づく際の速度が遅くなり、バイザ本体が天井に当たる際に生じる打音は小さくなる。反対にバイザ本体の速度が遅くなると、クリップの動摩擦係数は小さくなる。かくしてバイザ本体を滑らかに回転させることと、バイザ本体の格納時の速度を低減させることという、相反する機能を本サンバイザが兼ね備え、かつ、バイザ本体を確実に天井に格納できる。
本開示の他の1つの特徴によると、表面処理は、支軸に対するクリップの摺動回転速度が速いほど動摩擦係数が大きくなる性質を備えるコーティング材で当該当接領域をコーティングすることによって施される。概して、バイザ本体がクリップの弾性力を利用して天井に向けて移動する際、天井に当たる直前でバイザ本体の回転速度が速くなる傾向がある。この傾向は、クリップの支軸に対する動摩擦係数が大きくなることによって緩和される。その結果、バイザ本体が必要以上に速い速度で天井等にぶつかるのを防ぐ。かくしてバイザ本体が格納される際に発生し得るバイザ本体の天井への打音を和らげることができる。
本開示の他の1つの特徴によると、表面処理のコーティング材は、ΔμをΔVで割った値であるMが、速度Vが50mm/secにおいて0.03×10-2以上かつ0.5×10-2以下である性質を備える。ΔVは、クリップが支軸回りに摺動回転するときの初期速度1mm/secから速度V(mm/sec)までの速度の変位量である。Δμは、このときのクリップと支軸間の動摩擦係数μの変位量である。
したがって当該表面処理を施すことで、従来の車両用サンバイザで一般的な支軸とクリップ間にグリースを塗布した場合と比べて、バイザ本体の摺動回転が速くなればなるほど支軸とクリップ間の摺動抵抗力が大きくなる。かくしてバイザ本体が格納される際に発生し得る天井に対する打音を和らげることができる。
車両内部の一部と車両に取付けられたサンバイザの斜視図である。 サンバイザの正面図である。 サンバイザの支軸とクリップとケースの分解斜視図である。 クリップの斜視図である。 図4のV-V線断面矢視図である。 バイザ本体の支軸の横軸回りの回転態様を示す側面図である。 バイザ本体が図6の位置Rにあるときのクリップを示す断面図である。 バイザ本体が図6の位置Sにあるときのクリップを示す断面図である。 バイザ本体が図6の格納位置Kにあるときのクリップを示す断面図である。 バイザ本体の作動区分ごとのバイザ本体の回転速度及び換算クリップ速度を示す表である。 バイザ本体の各位置におけるバイザ本体の角速度の関係を示すグラフである。 クリップの支軸に対する動摩擦係数と摺動速度の関係を示すグラフである。 各種材料を含むコーティング材で表面処理を施したときのMの値を示すグラフである。 図13に示す材料の一部で表面処理を施したときのクリップの支軸に対する動摩擦係数と摺動速度の関係を示すグラフである。 他の実施形態のクリップの斜視図である。 図15のXVI-XVI線断面矢視図である。 他の実施形態のクリップの斜視図である。 図17のXVIII-XVIII線断面矢視図である。
本発明の1つの実施形態について図1~3を用いて説明する。図1に示すように車両用サンバイザ1は、フロントガラス21近傍の天井面20に装着される。車両用サンバイザ1は、略板形状の第一構成部材2と第二構成部材3とから構成されるバイザ本体1aを有する。バイザ本体1aの表面には表皮11が被せられる。バイザ本体1aは、シャフト8がフック9に取付けられることで、シャフト8と横軸6aとを中心にフロントガラス21に沿う使用位置Pと、天井面20に沿う格納位置Kとの間で回転する。
図2,図3に示すように支軸6は、略L字状の棒であって、横軸6aと縦軸6iを有する。横軸6aは、大径部6bと小径部6eを同軸上に有する。大径部6bの外周面に略長方形のすり割り面6cが形成される。支軸6は、ポリアミド6グラスファイバー(PA6GF)入り樹脂から形成される。支軸6は、例えば鉄、ステンレス、PA6(非強化)等の他の材料から形成することもできる。支軸6は、バイザ本体1a内に設けられたケース5に保持され、ケース5にはバイザ本体1aに弾性的に当接するクリップ4が設けられる。
図3~図5に示すようにクリップ4は、弾性変形に富む金属材料から形成されるクリップ本体を有する。クリップ本体は、囲み部4cとU字バネ部4dを一体として有する。囲み部4cは、略L字形であって、横軸6aの外周面を囲み、該外周面に押圧される。これにより囲み部4cは、横軸6aの外周面に摺動摩擦力を付与する。
クリップ4は、U字バネ部4dの他端から支軸6に向けて延出する押圧部4aを一体として有する。押圧部4aは、U字バネ部4dの先端に対して第二構成部材3から離れる方向に傾斜角度を有して延出する。押圧部4aは、大径部6bのすり割り面6cに対応する。したがってクリップ4が支軸6に対して回転することで、押圧部4aがすり割り面6cに当接する位置と離れた位置とに移動する。
図4,図5に示すようにバイザ本体1aが格納位置Kにあるとき、横軸6aのすり割り面6cにクリップ4の押圧部4aが当接する。これによりバイザ本体1aがクリップ4の弾性力を利用して横軸6aに対して所定の傾きで保持される。かくしてバイザ本体1aは、クリップ4の弾性力によって天井面20に沿う格納位置Kに保持される。
図5に示すようにクリップ4は、クリップ本体の内側面の一部に施された樹脂コーティング4iを有する。樹脂コーティング4iは、バインダーと固体潤滑剤を含んでいる。バインダーは、例えばポリアミドイミド系樹脂(PAI)、エポキシ系樹脂(EP)、フェノール系樹脂(PF)、アルキド系樹脂(エステル系樹脂)、ポリウレタン系樹脂(PUR)、アクリル系樹脂(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを一種または複数種を混ぜた材料を使用できる。
固体潤滑剤(添加剤)は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン(MoS2)、カーボングラファイト(CG)、炭化ケイ素(SiC)、シリコン系材料、珪酸ナトリウム、酸化チタン(TiO2)、シリカ、タルク、カーボンブラックなどを一種または複数種を混ぜた材料を使用できる。
クリップ本体の内側面の一部に、上記樹脂コーティングに代えて別の表面処理を施すこともできる。表面処理は、例えば無電解ニッケルめっき(Ni-P)、Zn(ジオメット(登録商標))、ボロンなどを含むコーティング材を使用できる。樹脂コーティング材は、例えばPFA、FEP、ETFE、PVDF、PCTFE、ECTFEなどのフッ素系材料を含む材料を使用することもできる。表面処理の工法としては、クリップ4をコーティング材にディップすることで施される。あるいはスプレーによってクリップ4にコーティング材を塗布することで施される。他にタンブリング、蒸着、めっき、ピーニング、化成処理等によってクリップ4に表面処理を施すこともできる。
図5に示すように支軸6の横軸6aとクリップ4は、3つの当接点または当接面で当接する。第1の当接点4jは、囲み部4cの第1面4kに位置する。第2の当接点4mは、囲み部4cの第2面4lに位置する。第3の当接点4nは、押圧部4aに位置する。なお上記3つの当接点または当接面の位置は、バイザ本体1aが格納位置Kと使用位置Pとの間を回転するのに伴い、それぞれ横軸6aの外周面上を移動し得る。
バイザ本体1aが、天井面20に格納されるとき、図6に示すように使用位置Pから格納位置Kまで横軸6a回りに回転される。ここで使用位置Pから位置Sまでは、バイザ本体1aは使用者により手で回転される。これに伴い、クリップ4も横軸6aに対して回転される。詳しくは、図7に示すようにクリップ4の押圧部4aが、すり割り面6cに向けて外周曲面6sに当接しながら移動する。バイザ本体1aが図6の位置Sに到達したとき、図8に示すように押圧部4aが、すり割り面6cと外周曲面6sとの境目に当接する。
バイザ本体1aが位置Sから格納位置Kに向けて回転するとき、図8に示すように押圧部4aが横軸6aの軸中心方向へ移動可能になる。これにより押圧部4aが横軸6aに対して付勢力を与え、バイザ本体1aが天井面20に向けて回転する。かくしてバイザ本体1aは、位置Sから格納位置Kまで、クリップ4による付勢力によって自動的に回転する。バイザ本体1aが格納位置Kにあるとき、図9に示すように押圧部4aは、横軸6aのすり割り面6cに当接する。
クリップ4に樹脂コーティング4iを施したことによる効果を実験で確認した。先ずバイザ本体1aを使用位置Pから格納位置Kへ回転させた際の速度を図10にまとめた。バイザ本体1aの作動区分として図6に示す使用位置Pから位置Sまでの回転を第1区分とし、位置Sから格納位置Kまでの回転を第2区分とした。すなわち第1区分ではバイザ本体1aが使用者の手によって回転され、第2区分ではバイザ本体1aがクリップ4の弾性力を利用して上方に回転する。
これら各作動区分におけるバイザ本体の回転速度を回転数(rpm)、角速度(rad/sec)の単位で測定し、測定値からクリップの摺動速度を換算し、図10の表にまとめた。換算する際は、支軸の直径が10.2mm、支軸の円周長さが約32mmであると仮定して行った。第1区分には、使用者が手でバイザ本体1aをゆっくりと回転させ始めたときの速度(5.00rpm)と、比較的速く回転させ始めたときの速度(30.00rpm)の2つの速度を設定した。
第2区分には、3つの異なる速度を設定した。これら3つの速度は、第1区分におけるバイザ本体1aの回転速度が異なる場合と、車両用サンバイザ1が装着される車両の天井の形状・傾斜角度・位置等が異なる場合とを想定したものである。この表からバイザ本体の回転速度は、第2区分で56.20~187.50rpmの範囲となることがわかった。概して第1区分におけるバイザ本体1aの回転速度が早ければ、第2区分におけるバイザ本体1aの回転速度も速くなった。
次に本開示の樹脂コーティング4iを施したクリップ4と、グリース塗布したクリップ4とで、第2区分におけるバイザ本体1aの回転速度(角速度)を実験で比較した。図11のグラフにおいて縦軸は角速度(rad/sec)を示し、横軸はバイザ本体位置(角度)を示す。バイザ本体位置0度~約80度は作動区分の第1区分に対応し、約80度~約100度(天井位置)は第2区分に対応する。第1区分においては、いずれの場合も手動により約5rpmの速度でバイザ本体1aを回転させた。なお図11のグラフの天井位置より大きいバイザ本体位置における角速度は、天井の位置や形状等によってバイザ本体1aが到達し得る速度を想定したものである。
図11のグラフによると、クリップ4に樹脂コーティング4iを施した場合においてバイザ本体1aの角速度は、バイザ本体位置約80度~約100度において、グリースを塗布した場合に比べて常に下回った。しかもバイザ本体1aが天井位置に近づくにつれて、両角速度の差が大きくなった。
各作動区分における支軸6に対するクリップ4の樹脂コーティング4iの動摩擦係数を求めるために、以下の摩擦試験を行った。摩擦係数の測定は自動摩擦摩耗解析装置(協和界面科学株式会社製、Tsf-300)を用いた。具体的には、クリップ4の外周面に樹脂コーティング4iを施した試験片を準備した。樹脂コーティング4iは、バインダーとしてポリアミドイミド系樹脂(PAI)を有し、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を有する樹脂材料を用いた。
次に支軸6に相当するプレートを準備した。具体的には、PA6GF45製(ナイロン6にガラス繊維を重量比で45%添加したもの)のプレートを準備した。プレートに対してクリップ4の外周面を垂直荷重1kgfで線接触させた。その状態でクリップ4をプレートに対して40mm摺動させた。クリップ4を摺動させるための力の大きさを、その大きさが安定する摺動距離10~40mmの範囲で求めた。その測定値から摩擦係数を算出した。
クリップ4の摺動速度として1,10,50,100mm/secの4条件において測定した。各条件にて上記摩擦試験を少なくとも5回行い、試験ごとに得られた摩擦係数を平均することで、動摩擦係数を算出した。なお比較対象として樹脂コーティング4iの代わりにグリースを塗布したクリップ4でこれと同様の試験を行った。本試験の結果を図12のグラフにまとめた。
図12のグラフにおいて縦軸は動摩擦係数μを示し、横軸はクリップ4の摺動速度を示す。このグラフによるとクリップ4にグリースを塗布した場合、動摩擦係数は摺動速度の大小に関わらず、ほとんど変化しなかった。これに対し樹脂コーティング4iを施したクリップ4では、摺動速度が約4mm/secより小さいとき、動摩擦係数はグリースを塗布した場合よりも小さくなった。また摺動速度が大きくなればなるほど動摩擦係数が大きくなる傾向が見られた。図12のグラフ中のMの値は、クリップ4の初期の摺動速度1mm/secから速度V(mm/sec)までの速度の変位量をΔVとし、このときの動摩擦係数μの変位量をΔμとしたときの、ΔμをΔVで割った値である。
図12のグラフにおいて、クリップ4にグリースを塗布した場合のMの値であるMNGは0.006×10-2~0.03×10-2の範囲であった。これに対しクリップ4に樹脂コーティング4iを施した場合、Mの値は0.07×10-2~0.26×10-2の範囲であった。摺動速度が50mm/secのとき、MNGの値は0.006×10-2であった。これに対し、クリップ4に樹脂コーティング4iを施した場合のMの値は0.10×10-2であった。
次にコーティング材の材料の違いによる効果を調べるため、各種材料をコーティング材として使用したときのMの値について調べた。具体的には、図13に示す樹脂系/有機系の材料A~Uと、金属系/無機系の材料V~AAとをコーティング材として使って上記と同様の摩擦試験を行い、速度が50(mm/sec)のときのMの値を求めた。なお比較対象として表面処理の代わりにグリースをクリップに塗布したものでMの値を求めた。このグラフによるとMの値は、グリースでもっとも小さく、次いで材料Lで約0.028×10-2、材料Uで約0.037×10-2,材料Zで約0.047×10-2となった。その他の材料ではMの値は0.05×10-2を上回った。
次に、Mの値と動摩擦係数及び摺動速度との関係を調べるため、図13に示したMの値をもとに各種材料を3つの群に分けた。第1群をMが0.03×10-2未満の材料とし、第2群をMが0.03×10-2以上0.05×10-2未満の材料とし、第3群をMが0.05×10-2以上の材料とした。さらに便宜的に各群から一部の材料を抽出した。具体的には第1群の材料として材料Lとグリース、第2群の材料として材料U,V,Z、第3群の材料として材料B,J,Yを抽出した。これらについて図12と同様の動摩擦係数と摺動速度との関係を示すグラフを作成し、図14に示した。
上記の通り、樹脂コーティング4i等の表面処理を施したクリップ4では、摺動速度が大きくなればなるほど動摩擦係数が大きくなる傾向が見られた。特にMの値が0.03×10-2よりも大きい場合にその傾向が見られた。さらにMの値が0.05×10-2よりも大きい場合により顕著にその傾向が見られた。よって表面処理をクリップ4に施した場合、クリップ4が加速回転するとき、より大きな動摩擦力がクリップ4に対して加わる。すなわちバイザ本体1aの回転が速くなればなるほど、回転と反対方向の摺動抵抗がバイザ本体1aに加えられることとなる。このため当該表面処理をクリップ4に施すことによって、バイザ本体1aの第2区分における回転速度の上昇幅が抑えられる。
一般に運動エネルギーE=1/2mv2で示される。ここでmは質量を示し、vは速度を示す。よって質量mが一定であれば、運動エネルギーEは速度vの2乗に比例するため、速度vを小さくすることは、運動エネルギーEの低減に効果的である。このため表面処理をクリップ4に施すことにより、バイザ本体1aが天井に衝突する際のバイザ本体1aの有する運動エネルギーが小さくなる。かくしてバイザ本体1aの格納時の回転速度が低減されると、バイザ本体1aが天井面20等にぶつかって生じうる打音が和らげられる。
具体的にはバイザ本体1aの速度Vが50mm/secのときにMが0.03×10-2以上となるコーティング材で表面処理を施した場合、グリースを塗布した場合と比べて打音が約1~15dB小さくなった。すなわち表面処理によって乗車者の耳で感じられる程度の十分な防音効果を得ることができた。より高い防音効果を得るためには、バイザ本体1aの速度Vが50mm/secのときに、Mの値が0.05×10-2以上となる性質を備えるコーティング材で表面処理することが好ましい。
上述するように図1~図3に示すように車両用サンバイザ1は、板状のバイザ本体1aと、バイザ本体1aに差し込まれる支軸6とを有する。バイザ本体1aには支軸6が挿通されるクリップ4が設けられる。支軸6の外周面(6c,6s)は、バイザ本体1aが格納位置Kに位置する際にクリップ4に当接する平面領域6cを含む。クリップ4は、弾性変形する金属製のクリップ本体(4c,4d)を有し、かつ平面領域6cを含む支軸6の外周面に摺動可能に当接する当接領域(押圧部4a)を有する。クリップ4の当接領域には表面処理が施されている。
したがって当接領域に施した表面処理によって支軸6とクリップ4間の摺動抵抗を低減できる。しかもバイザ本体1aが天井面20等に近づいてから格納位置Kに至るまで回転する際の回転速度を低減できる。この理由は、発明者が鋭意研究した結果、支軸の外周面と表面処理を施したクリップ間の動摩擦係数が速度に依存することがわかったからである。すなわち支軸6の平面領域6cを利用してクリップ4がバイザ本体1aとともに天井面20へ速度を上げながら移動する。一方、支軸6とクリップ4の動摩擦係数は、速度が速くなるほど大きくなる。その結果、バイザ本体1aが天井面20へ近づく際の速度が遅くなり、バイザ本体1aが天井面20に当たる際に生じる打音は小さくなる。反対にバイザ本体1aの速度が遅くなると、クリップ4の動摩擦係数は小さくなる。かくしてバイザ本体1aを滑らかに回転させることと、バイザ本体1aの格納時の速度を低減させることという、相反する機能を本サンバイザ1が兼ね備え、かつ、バイザ本体1aを確実に天井面20に格納できる。
図12,図14に示すように表面処理は、支軸6に対するクリップ4の摺動回転速度が速いほど動摩擦係数が大きくなる性質を備えるコーティング材4iで当該当接領域をコーティングすることによって施される。概して、バイザ本体1aがクリップ4の弾性力を利用して天井面20に向けて移動する際、天井面20に当たる直前でバイザ本体1aの回転速度が速くなる傾向がある。この傾向は、クリップ4の支軸6に対する動摩擦係数が大きくなることによって緩和される。その結果、バイザ本体1aが必要以上に速い速度で天井面20等にぶつかるのを防ぐ。かくしてバイザ本体1aが格納される際に発生し得るバイザ本体1aの天井面20への打音を和らげることができる。
図12に示すように、表面処理のコーティング材4iは、ΔμをΔVで割った値であるMが、速度Vが50mm/secにおいて0.03×10-2以上かつ0.5×10-2以下である性質を備える。ΔVは、クリップ4が支軸6回りに摺動回転するときの初期速度1mm/secから速度V(mm/sec)までの速度の変位量である。Δμは、このときのクリップ4と支軸6間の動摩擦係数μの変位量である。
したがって当該表面処理を施すことで、支軸6とクリップ4間にグリースを塗布した場合と比べて、バイザ本体1aの摺動回転が速くなればなるほど支軸6とクリップ4間の摺動抵抗力が大きくなる。かくしてバイザ本体1aが格納される際に発生し得る天井面20に対する打音を和らげることができる。
本開示は、上述した実施形態で説明した外観、構成に限定されず、要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えばサンバイザ1では、図5に示すようにクリップ4の一部にのみ表面処理が施される。これに代えてにクリップ4の全面に当該表面処理を施してもよい。
サンバイザ1は、図4,図5に示すクリップ4に代えて図15,図16に示すクリップ15を有していても良い。図16に示すようにクリップ15と横軸16は、2つの当接点または当接面15a,15bで当接する。この当接点または当接面15a,15bを覆うように表面処理15cが施されている。
サンバイザ1は、図4,図5に示すクリップ4に代えて図17,図18に示すクリップ17を有していても良い。クリップ17と横軸18は、2つの当接点または当接面17a,17bで当接する。この当接点または当接面17a,17bを覆うように表面処理17cが施されている。
表面処理のコーティング材は、速度Vが50mm/secにおいてMが0.03×10-2以上かつ0.5×10-2以下である性質を備える。これに代えて、コーティング材は、速度Vが50mm/secのときにMが0.05×10-2以上かつ0.5×10-2以下である性質を備えていてもよい。コーティング材は、速度Vが50mm/secのときにMが0.05×10-2以上かつ0.13×10-2以下である性質を備えていてもよい。さらにコーティング材は、速度Vが100mm/sec以上の範囲であるときにMが0.05×10-2以上である性質を備えるものでも良い。
1 車両用サンバイザ
1a バイザ本体
4 クリップ
4a 押圧部(当接領域)
4c,4d クリップ本体
4i コーティング材(樹脂コーティング)
6 支軸
6c すり割り面(平面領域)

Claims (2)

  1. 車両用サンバイザであって、
    板状のバイザ本体と、
    前記バイザ本体に差し込まれ、前記バイザ本体を使用位置と格納位置の間で回転可能に支持する支軸と、
    前記バイザ本体に設けられて前記支軸が挿通されるクリップを有し、
    前記支軸の外周面は、前記バイザ本体が前記格納位置に位置する際に前記クリップに当接する平面領域を含み、
    前記クリップは、弾性変形する金属製のクリップ本体を有し、かつ前記平面領域を含む前記支軸の外周面に摺動可能に当接する当接領域を有し、前記当接領域にコーティング材による表面処理が施されており、前記コーティング材は、前記支軸に対する前記クリップの摺動回転速度が速いほど動摩擦係数が大きくなる性質を備える車両用サンバイザ。
  2. 請求項に記載の車両用サンバイザであって、
    前記コーティング材は、前記クリップが前記支軸回りに摺動回転するときの初期速度1mm/secから速度V(mm/sec)までの速度の変位量をΔVとし、このときの前記クリップと前記支軸間の動摩擦係数μの変位量をΔμとするとき、ΔμをΔVで割った値であるMが、前記速度Vが50mm/secにおいて0.03×10-2以上かつ0.5×10-2以下であり、速度依存性を備えることを特徴とする車両用サンバイザ。
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