JP7262889B2 - メカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸を軸封するメカニカルシールに関する。
メカニカルシールは、流体機器のハウジングと該ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、ハウジングに固定される静止密封環の摺動面と、回転軸とともに回転する回転密封環の摺動面とを摺接させて、流体機器の内部から外部又は外部から内部への液体や気体の漏れを防ぐものである。
このようなメカニカルシールにあっては、回転軸に固定され回転軸と一体的に回転するカラーと、該カラーに設置された付勢部材と、該付勢部材から受けた付勢力により回転密封環を背面側から押圧し、回転密封環前面側の摺動面を固定密封環の摺動面に対して軸方向に押し付けているコンプレッションリングとが、回転密封環の背面側にそれぞれ設けられるものがある。回転力の伝達については、回転軸に取り付けられるカラーに軸方向から挿通されるスクリューと、同様に軸方向から挿通されるドライブピン(伝達部)が回転密封環の摺動面に向けてそれぞれ延出しており、回転軸の回転力がスクリューを介しコンプレッションリングに伝達され、ドライブピンを介し回転密封環に伝達されるようになっている。
回転密封環と静止密封環との摺動面は、液体や気体の漏れを確実に防ぐために、回転軸に対する直角度を保つことが望まれている。しかし、メカニカルシールを構成する部材に表面粗さが大きい、すなわち平坦度が低い部材があると摺接部に影響が出てしまう場合がある。例えば、回転密封環の背面の表面が粗いと、この回転密封環の背面を押圧するコンプレッションリングとの当接具合が歪になる結果、回転密封環の摺動面において回転軸に対する直角度の低下を招き、摺接部において偏った摩擦による振動や、この振動を原因とする異音などの影響が発生してしまうことがあった。
このような異音や振動などの影響を低減するために、従来、カラーとコンプレッションリングの間のスプリングの荷重を調整したり、摺接部に潤滑液を注入するなどの対策が取られていた。しかしながら、スプリングの荷重を下げることで摺接部のシール性が低下したり、スプリングの荷重を上げることで摺接部の摩耗粉が増加したり、摺接部に注入された潤滑液が流体機器の内部空間に浸入したり、またドライシールの場合、潤滑液を適用できないといった不具合が生じていた。
このことから、回転密封環の背面とコンプレッションリングの間に弾性部材を介在させ、弾性部材に回転密封環の背面の表面粗さを吸収させ、回転密封環の摺動面の回転軸に対する直角度を保つことで、異音や振動の低減を図ったものがある。(例えば、特許文献1参照)
特開2017-207147号公報(第2頁、第1図)
しかしながら、特許文献1の技術を利用し、回転密封環の背面とコンプレッションリングの間に弾性部材を介在させたものの、摺接部においての振動や異音の抑制は必ずしも充分ではない場合があった。この振動や異音の原因としては、カラーから延出するドライブピンと、このドライブピンが遊嵌された回転密封環の切欠き部または孔部との係合部分に起因するものと考えられる。より詳しくは、回転密封環が静止密封環との摺接によって、その周速度が僅かに変化することでドライブピンと回転密封環との係合部分における僅かな間隙において両者が個別に微振動を生じ、更に回転軸の特定の回転数において、回転密封環がその固有回転数により共振し、すなわち振動が大きくなり異音を発生する原因の一つと考えられた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、振動や異音の発生を抑制することができるメカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
回転軸に固定されるカラーと、軸方向に延出し前記回転軸の回転力を伝達するドライブピンと、コンプレッションリングと、前記カラーと前記コンプレッションリングとの間に配置される付勢部材と、該コンプレッションリングにより固定密封環に向け押圧されるとともに、前記ドライブピンにより前記回転力が伝達される回転密封環とを有し、前記回転軸とともに周方向に回転する回転側要素と、
ハウジング側に固定される前記固定密封環を有した静止側要素と、を備えたメカニカルシールであって、
前記コンプレッションリングと前記回転密封環との間には、緩衝部が配設されていることを特徴としている。
これによれば、ドライブピンと回転密封環との係合部分で生じる振動を緩衝部が吸収することができるので、振動や異音の発生を抑制することができる。
好適には、前記緩衝部は、少なくとも前記ドライブピンの周面近傍まで延びる緩衝部材である。
これによれば、ドライブピンと回転密封環との係合部分の近傍に配置された緩衝部材により、振動や異音の抑制効果を高めることができる。
好適には、前記緩衝部材は、環状に形成されており、前記ドライブピンを少なくとも周方向に挟む開口部が形成されている。
これによれば、緩衝部材とドライブピンの組立時に位置合わせし易い。
好適には、前記緩衝部材の開口部は、放射方向に延びる切欠き部である。
これによれば、緩衝部材の切欠き部を構成する周方向の両側面及び底面側がドライブピンを囲うので、緩衝部材に振動や異音を吸収させ易い。
好適には、前記緩衝部材の開口部は、前記ドライブピンが挿通可能な孔部である。
これによれば、緩衝部材がドライブピンの周面全体を囲うので、緩衝部材に振動や異音を吸収させ易い。
好適には、前記緩衝部材は、少なくともゴム材と繊維材とから構成されている。
これによれば、緩衝部材が、弾力性に優れるため振動を吸収しやすい。
好適には、前記緩衝部材は、前記コンプレッションリングと前記回転密封環に対して、周方向に相対移動可能に配設されている。
これによれば、主に回転軸の始動時や停止動作時に生じる慣性力により、緩衝部材がドライブピンに対して接近するので、振動の吸収効果が高まる。
好適には、前記緩衝部は、前記コンプレッションリングに設けられた突起部である。
これによれば、部品点数を増やすことなく振動や異音の抑制効果を得ることができる。
好適には、前記突起部は、前記コンプレッションリングの周方向に非等配に複数設けられている。
これによれば、コンプレッションリングの突起部と回転密封環との摺動箇所を周方向に不均一にして、部分的に歪んだ箇所を形成することで、空気や大気中の水分を摺動面に呼び込むことができ、振動や異音の高い抑制効果を得ることができる。
本発明の実施例1におけるメカニカルシールの構造を示す断面図である。 図1のA-A断面図である。 図1のB-B断面図である。 実施例1におけるガスケットの正面図である。 実施例1におけるドライブピンの係合状態を示す要部拡大斜視図である。 (a)は変形例1におけるガスケットの正面図であり、(b)は変形例2におけるガスケットの正面図である。 変形例2におけるドライブピンの係合状態を示す要部拡大斜視図である。 変形例3におけるドライブピンの係合状態を示す要部拡大斜視図である。 実施例2におけるメカニカルシールの構造を示す断面図である。 実施例2におけるコンプレッションリングの構造を示す正面図である。 図9のC-C断面図である。 実施例3におけるメカニカルシールの構造を示す断面図である。 実施例3におけるコンプレッションリングの構造を示す正面図である。 図12のD-D断面図である。
本発明に係るメカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るメカニカルシールにつき、図1から図8を参照して説明する。尚、本実施例においては、図1の紙面右側を大気側、紙面左側を機内側として説明し、各部材の紙面右側を前面側、紙面左側を背面側として説明する。
図1に示されるように、本実施例のメカニカルシール1は、コイルスプリング4が回転軸2とともに回転する回転形のメカニカルシールであり、図示しないポンプやコンプレッサ等の回転機械の回転軸2と当該回転機械のハウジングに固定されるシールカバー9の間に設けられている。メカニカルシール1は、シールカバー9に固定された円環状の固定密封環8を有する静止側要素と、回転軸2とともに回転する回転側要素とで構成されている。より詳しくは回転側要素は、回転軸2にセットスクリューによって径方向から固定状態で取付けられたカラー3と、カラー3とコンプレッションリング5の間に配設され軸方向に向けて付勢する付勢部材としてのコイルスプリング4と、コイルスプリング4から押圧力を受けるコンプレッションリング5と、カラー3に固定され該カラー3から延出するドライブピン30を介して回転軸2から伝えられる回転力によって周方向に回転する円環状の回転密封環7と、コンプレッションリング5と回転密封環7との間に挟持された緩衝部材としてのガスケット6とから主に構成されている。更に、コイルスプリング4から押圧力を受けるコンプレッションリング5によって回転密封環7が軸方向に固定密封環8側(図1の軸方向右側)に付勢されることにより、固定密封環8の摺動面8aと回転密封環7の摺動面7aを互いに密接摺動させ、機内の高圧の被密封流体を軸封できるようになっている。尚、メカニカルシール1は、固定密封環8および回転密封環7に作用する被密封流体の圧力のバランスが軸方向両側で一定となるバランス形メカニカルシールとして構成されている。
固定密封環8および回転密封環7は、代表的にはSiC(硬質材料)同士またはSiC(硬質材料)とカーボン(軟質材料)との組み合わせで形成されるが、これに限らず、摺動材料はメカニカルシール用摺動材料として使用されているものであれば適用可能である。尚、SiCとしては、ボロン、アルミニウム、カーボン等を焼結助剤とした焼結体をはじめ、成分、組成の異なる2種類以上の相からなる材料、例えば、黒鉛粒子の分散したSiC、SiCとSiからなる反応焼結SiC、SiC-TiC、SiC-TiN等があり、カーボンとしては、炭素質と黒鉛質の混合したカーボンをはじめ、樹脂成形カーボン、焼結カーボン等が利用できる。また、上記摺動材料以外では、金属材料、樹脂材料、表面改質材料(コーティング材料)、複合材料等も適用可能である。
図1~図3に示されるように、回転密封環7は、回転軸2を囲むように環状に形成されており、その摺動面7aの反対側の背面7bに外周側に切り欠かれた断面視U字状の係合溝71が形成されている。この係合溝71にカラー3から軸方向右方に延びるドライブピン30が遊嵌状態で挿入され、該ドライブピン30が回転軸2から伝えられる回転力によって係合溝71の側面を押圧することで、回転密封環7が周方向に回転するようになっている。またガスケット6の外径は、コンプレッションリング5及び回転密封環7の外径より僅かに大径となっている。
図2は、図1におけるA-A断面図であり、回転軸2の中心線以下は上下対称の同形状であるため、図示を省略する。図2に示されるように、コンプレッションリング5は、断面視環状に形成されており、カラー3から軸方向に向けて付勢するように周方向に等配に複数配設されたコイルスプリング4の押圧力を受け、この押圧力を回転密封環7の背面7bに均等な面圧で軸方向に伝達するように構成されている。コンプレッションリング5は、その背面にカラー3に固定され該カラー3から延出されるスクリュー31が遊嵌する孔部50,50を備えており、該スクリュー31が回転軸2から伝えられる回転力によって孔部50,50の側面を押圧することで、周方向に回転するようになっている。また、コンプレッションリング5は、径方向中心から放射方向に延びる断面視U字状の開口部51が複数等配に形成されており、カラー3から軸方向へと延びるドライブピン30が遊嵌状態で挿通されるようになっている。
図3は、図1におけるB-B断面図である。回転軸2の中心線以下は上下対称の同形状であるため、図示を省略する。図3に示されるように、ガスケット6は断面視環状に形成されており、回転軸2の略中心から放射方向に延びる断面視U字状の開口部としての切欠き部61,61,61が形成されており、コンプレッションリング5の前面と回転密封環7の背面7bとの間に挟持される位置に配設されている。ガスケット6の切欠き部61には、カラー3から軸方向へと延びるドライブピン30が挿通されている。切欠き部61の側面部61aから61bまでの周方向の開口長さ6Aは、ドライブピン30の直径と同幅もしくは僅かに幅広となっているため、両者を組み立てる際、位置合わせし易くなっている。
図4はガスケット6を示す正面図である。ガスケット6は、主にゴム材としてニトリルゴム(NBR)と、繊維材としてアラミド繊維を主成分として形成されており、ゴム材による弾性と繊維材によるグリップ性に富むことから、異音の原因となる振動をよく吸収するようになっている。環状のガスケット6は、放射方向に延び外径端が切り欠かれた切欠き部61を周方向に複数等配に備え、更に切欠き部61は、側面部61a,61bと底面部61cを有しており、これら側面部61a,61b、底面部61cが前述したドライブピン30の周面にそれぞれ当接するようになっている。なお、切欠き部61の側面部61a,61b、底面部61cは、少なくともドライブピン30の周面近傍の位置まで配設されていればよい。
図5は、回転密封環7の背面側を示す要部拡大斜視図である。回転密封環7は摺動面7aに対する背面側に断面視U字状の係合溝71を備えている。係合溝71はドライブピン30と同数設けられており、ドライブピン30がそれぞれ遊嵌状態で係合している。係合溝71は、側面部71a,71bと、底面部71cを有しており、回転軸2の回転力を受けたドライブピン30の周面が側面部71bまたは71aに当接することで、回転密封環7が回転軸2と一体的に回転するようになっている。
図5に示されるように、ドライブピン30と係合溝71の係合部分においては、ドライブピン30の直径よりも、係合溝71の側面部71aから71bまでの周方向の開口長さ7Aが幅広であるため、遊嵌状態となっている。これに対して、ガスケット6の切欠き部61における側面部61aから61bまでの開口長さ6Aは、前述した係合溝71の開口長さ7Aより幅狭となっているため、ドライブピン30は、その回転時に係合溝71の側面部71bよりも先にガスケット6の側面部61bに当接するようになっている。このことから、ドライブピン30と回転密封環7の係合溝71との接触で生じる振動を、ガスケット6に積極的に吸収させることができるので、振動やこの振動を原因とする異音の発生を抑制することができる。
また、ガスケット6の開口部は、放射方向に延びる切欠き部61であるため、ガスケット6切欠き部61を構成する両側面と底面からドライブピン30を囲うので、ガスケット6に振動や異音を吸収させ易い。
次に、本発明に係るメカニカルシールの変形例1について説明する。図6(a)に示すように、実施例1におけるガスケット6の外径側に形成された切欠き部61に替えて、ガスケット16の内径側に切欠き部62が形成されている。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。図6(a)に示されるガスケット16は、カラー3から延出するドライブピン30が回転軸2の周面の近接した位置に配設されている場合に使用される。実施例1と同様にガスケット16を、コンプレッションリング5と、回転密封環7の間に配設させ、切欠き部62にカラー3から延出するドライブピン30をそれぞれ挿通させることで、ドライブピン30と回転密封環7の係合溝71とで生じる振動をガスケット16に吸収させることができる。
次に、本発明に係るメカニカルシールの変形例2について説明する。図6(b)に示すように、実施例1におけるガスケット6の外径側に形成された切欠き部61に替えて、ガスケット26の外径側に開口部としての孔部63が形成されている。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。図6(b)に示されるガスケット26は、カラー3から延出するドライブピン30を孔部63にそれぞれ挿通させ使用される。実施例1と同様にガスケット26を、コンプレッションリング5と、回転密封環7の間に配設させ、孔部63にカラー3から延出するドライブピン30をそれぞれ挿通させることで、ドライブピン30と回転密封環7の係合溝71とで生じる振動をガスケット6に吸収させることができる。尚、ガスケット26の孔部63がドライブピン30の周面を全周に亘り囲うように配設されているので、ドライブピン30と回転密封環7の係合溝71とで生じる振動の吸収効果が高まるようになっている。このように、ガスケット26の開口部は、ドライブピン30が挿通可能な孔部63であるため、ガスケット6の孔部63がドライブピン30の周面全体を囲うので、ガスケット6に振動や異音を吸収させ易い。
図7は、変形例2におけるガスケット26を適用したメカニカルシール1の要部拡大斜視図である。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。図7の回転密封環7は、背面側に円柱型の係合孔部72を備えている。係合孔部72は、ドライブピン30の直径より幅広に形成されており、ドライブピン30が遊嵌されるようになっている。ガスケット26の孔部63は、ドライブピン30の直径と同径または若干幅広に形成されており、ドライブピン30が圧入または嵌入されるようになっている。このように、ガスケット26の孔部63がドライブピン30の周面を囲うように配設されているので、ドライブピン30と回転密封環7の係合孔部72とで生じる振動の吸収効果が高まるようになっている。
次に、本発明に係るメカニカルシールの変形例3について説明する。図8に示すように、実施例1におけるガスケット6の切欠き部61に替えて、その径を幅広とした切欠き部64が形成されている。ガスケット36の切欠き部64は、側面部64a、64bの長さ36Bが回転密封環7の係合溝71の側面部71a,71bの長さ7Aより幅広となっている。そのため、回転軸2の回転時に周方向に従動されるドライブピン30が、回転密封環7の係合溝71の側面部71bに当接するようになっている。しかしながら、ガスケット36がコンプレッションリング5と回転密封環7に対して、周方向に相対移動可能に配設されているため、主に回転軸の始動時や停止動作時に生じる慣性力により、ガスケット36がドライブピン30に対して接近しやすく、振動の吸収効果が高まるようになっている。
以上説明したように、コンプレッションリング5と回転密封環7との間には、少なくともドライブピン30の周面近傍まで延びるガスケット6が配設されているので、ドライブピン30と回転密封環7との係合部分で生じる振動を近傍に配置されたガスケット6が吸収することができるので、振動や異音の発生を抑制することができる。
また、ガスケット6は、正面視環状に形成されており、ドライブピン30の周面を挟むように延ばされた切欠き部61が形成されているので、ガスケット6とドライブピン30の組立時に位置合わせし易い。
次に、本発明に係るメカニカルシールの実施例2について図9~図11を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施例2においては、図9に示されるように、実施例1のコンプレッションリング15と回転密封環7との間に挟持されていた緩衝部材としてのガスケットを省略し、これに替えて突起部52を設けた構成となっている。
図9,図10に示されるようにコンプレッションリング15は、正面側に平坦面53と、該平坦面53より僅かに突出された緩衝部としての矩形の突起部52,52,52が形成されており、コンプレッションリング15の突起部52,…が回転密封環7の背面7bに面当接し、平坦面53とは離間するようになっている。
コンプレッションリング15が備える突起部52,…は、その先端に平坦な突出面を有し、正面側に周方向に非等配とされるように三箇所配設されている。このコンプレッションリング15を用いて図9及び図9におけるC-C断面図である図11に示されるように、スクリュー31を孔部50,50に挿通させ、開口部51にカラー3から軸方向へと延びるドライブピン30を遊嵌状態で挿通させる。
図11に示されるように各部材のセットが完了すると、コンプレッションリング15は、背面側に備えられているコイルスプリング4,…からの付勢力を受け、コンプレッションリング15の正面側に備えられている回転密封環7の背面7bに伝達されるようになる。詳しくは、コイルスプリング4,…から受けた付勢力は、コンプレッションリング15の正面側に形成された突起部52,…が回転密封環7の背面7bに面当接することで回転密封環7に伝達されるが、複数の突起部52,…が周方向に互いに離間して配置されているため、図9に示されるように平坦面53と回転密封環7の背面7bとの間に、空間Zが形成されるようになっている。
次に、回転軸2を回転させ、固定密封環8に対して回転密封環7を摺動させる。複数の突起部52,…が非等配に配置されているため、回転密封環7に対し管軸方向に不均一に押圧する力が伝達される。すると、回転密封環7と固定密封環8との摺動部に、空気や大気中の水分を呼び込むことができ、この空気や水分によって摺動部に発生する異音を低減させることができるものと考えられる。
以上、説明したように、緩衝部は、コンプレッションリング15に設けられた突起部52,…であることから、部品点数を増やすことなく振動や異音の抑制効果を得ることができる。
また、突起部52,…は、コンプレッションリング15の周方向に非等配に複数設けられていることからコンプレッションリング15の突起部52,…と回転密封環7との摺動箇所を周方向に不均一にして、部分的に歪んだ箇所を形成することで、空気や大気中の水分を摺動面に呼び込むことができ、振動や異音の高い抑制効果を得ることができる。
次に、本発明に係るメカニカルシールの実施例3について図12~図14を参照して説明する。尚、前記実施例1、2に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
実施例3においては、実施例2の突起部52を設けたコンプレッションリング15に替えて、環状突起部54を設けたコンプレッションリング25を適用した構成となっている。
図12,図13に示されるようにコンプレッションリング25は、正面側に平坦面55と、該平坦面55より回転密封環7の背面7b側へ突出された緩衝部としての環状突起部54が形成されており、コンプレッションリング25の環状突起部54が回転密封環7の背面7bに面当接し、コンプレッションリング25の平坦面55が回転密封環7の背面7bと離間するようになっている。
コンプレッションリング25が備える環状突起部54は、その先端に平坦な突出面を有し、正面側に周方向に非等配とされるように三箇所切欠き部56,56,56が配設されている。すなわち環状突起部54は、切欠き部56が配設されることで、周方向に非等配に形成されている。切欠き部56,…は、環状突起部54より僅かに平坦面55側へ凹んでおり矩形状に形成されている。このコンプレッションリング25を用いて図12に示されるように、スクリュー31を孔部50,50に挿通させ、開口部51にカラー3から軸方向へと延びるドライブピン30を遊嵌状態で挿通させる。
図14に示されるように各部材のセットが完了すると、コンプレッションリング25は、背面側に備えられているコイルスプリング4,…からの付勢力を受け、コンプレッションリング25の正面側に備えられている回転密封環7の背面7bに伝達されるようになる。
次に、回転軸2を回転させ、固定密封環8に対して回転密封環7を摺動させる。コンプレッションリング25の環状突起部54が、回転密封環7に対し管軸方向に押圧する力が伝達される。すると、環状突起部54に掛かる応力が高いことから、回転密封環7と固定密封環8との摺動部に、空気や大気中の水分を呼び込むことができ、この空気や水分によって摺動部に発生する異音を低減させることができるものと考えられる。
上述したように、緩衝部は、コンプレッションリング25に設けられた環状突起部54であることから、部品点数を増やすことなく振動や異音の抑制効果を得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではない。
例えば、前記実施例のメカニカルシール1はバランス型として説明したが、これに限られずアンバランス型を適用してもよい。
また、前記実施例のガスケット6は、コンプレッションリング5と回転密封環7に対して、周方向に相対移動可能に配設されていたが、これに限られず、回転密封環7の背面7bもしくはコンプレッションリング5に貼付され、相対移動不可としてもよい。
また、前記実施例のガスケット6は、切欠き部61が4箇所等配されていたが、これに限られず、切欠き部61に挿通されるドライブピン30の配設される数に応じて1箇所のみでもよいし、あるいは3箇所等配や5箇所などの複数個所を等配してもよく、または非等配としてもよい。
また、前記実施例の図6において、ガスケット16の内径側に切欠き部62が形成されていたがこれに限られず、ガスケットの内径側に孔部を形成してもよい。
また、前記実施例のガスケット6の外径は、コンプレッションリング5及び回転密封環7の外径よりも大径としていたがこれに限られず、ガスケットの外径は、コンプレッションリング5及び回転密封環7と同径または小径としてもよい。
また、前記実施例2の突起部52,…はコンプレッションリング15の正面側周方向に非等配に三箇所形成されていると説明したが、これに限られず、突起部52は一箇所のみ若しくは所定数の複数箇所に形成されてもよいし、また複数箇所の場合、等配に形成されてもよい。同様に、前記実施例3の切欠き部56,…はコンプレッションリング25の正面側周方向に非等配に三箇所形成されていると説明したが、これに限られず、切欠き部56は一箇所のみ若しくは所定数の複数箇所に形成されてもよいし、また複数箇所の場合、等配に形成されてもよい。
また、前記実施例のドライブピン30は、コンプレッションリングの孔部50に遊嵌状態で挿通されると説明したが、これに限られず、ドライブピン30の胴部に雄ネジを形成させ、コンプレッションリングの孔部50に雌ネジを形成させることで、螺合させることとしてもよい。
1 メカニカルシール
2 回転軸
3 カラー
4 コイルスプリング(付勢部材)
5 コンプレッションリング
6 ガスケット(緩衝部材)
7 回転密封環
8 固定密封環
15 コンプレッションリング
16,26,36 ガスケット(緩衝部材)
25 コンプレッションリング
30 ドライブピン
31 スクリュー
52 突起部(緩衝部)
53 平坦面
54 環状突起部(緩衝部)
55 平坦面
61,62 切欠き部(開口部)
63 孔部(開口部)
71 係合溝
Z 空間

Claims (8)

  1. 回転軸に固定されるカラーと、軸方向に延出し前記回転軸の回転力を伝達するドライブピンと、コンプレッションリングと、前記カラーと前記コンプレッションリングとの間に配置される付勢部材と、該コンプレッションリングにより固定密封環に向け押圧されるとともに、前記ドライブピンにより前記回転力が伝達される回転密封環とを有し、前記回転軸とともに周方向に回転する回転側要素と、
    ハウジング側に固定される前記固定密封環を有した静止側要素と、を備えたメカニカルシールであって、
    前記コンプレッションリングには切り欠き状の第1開口部が形成されており、
    前記コンプレッションリングと前記回転密封環との間には、前記第1開口部に少なくとも一部が軸方向で重なる位置に第2開口部が形成された緩衝部が配設されており、
    前記ドライブピンは、前記カラーに設けられ、前記コンプレッションリングの前記第1開口部と前記緩衝部の前記第2開口部とに挿通した状態で前記回転密封環に係合しており、
    前記緩衝部の前記第2開口部は、前記コンプレッションリングの前記第1開口部よりも周方向に幅狭に形成されていることを特徴とするメカニカルシール。
  2. 前記緩衝部は、少なくとも前記ドライブピンの周面近傍まで延びる緩衝部材であることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記第2開口部は、放射方向に延びる切欠き部である請求項またはに記載のメカニカルシール。
  4. 前記第2開口部は、前記ドライブピンが挿通可能な孔部である請求項またはに記載のメカニカルシール。
  5. 前記緩衝部材は、少なくともゴム材と繊維材とから構成されている請求項に記載のメカニカルシール。
  6. 前記緩衝部材は、前記コンプレッションリングと前記回転密封環に対して、周方向に相対移動可能に配設されている請求項に記載のメカニカルシール。
  7. 回転軸に固定されるカラーと、軸方向に延出し前記回転軸の回転力を伝達するドライブピンと、コンプレッションリングと、前記カラーと前記コンプレッションリングとの間に配置される付勢部材と、該コンプレッションリングにより固定密封環に向け押圧されるとともに、前記ドライブピンにより前記回転力が伝達される回転密封環とを有し、前記回転軸とともに周方向に回転する回転側要素と、
    ハウジング側に固定される前記固定密封環を有した静止側要素と、を備えたメカニカルシールであって、
    前記コンプレッションリングには切り欠き状の開口部が形成されており、
    前記ドライブピンは、前記カラーに設けられ、前記コンプレッションリングの前記切り欠き状の開口部に挿通した状態で前記回転密封環に係合しており、
    前記コンプレッションリングと前記回転密封環との間には、緩衝部が配設されており、
    前記緩衝部は、前記コンプレッションリングに設けられた突起部であり、
    前記突起部と前記回転密封環との接触面積は、前記コンプレッションリングにおける前記回転密封環との非接触面積よりも小さいことを特徴とするメカニカルシール。
  8. 前記突起部は、前記コンプレッションリングの周方向に非等配に複数設けられていることを特徴とする請求項に記載のメカニカルシール。
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