JP2017040327A - 分割型メカニカルシール及び分割型メカニカルシールの製造方法 - Google Patents

分割型メカニカルシール及び分割型メカニカルシールの製造方法 Download PDF

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秀和 高橋
良次 村木
Ryoji Muraki
良次 村木
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Takashi Yanagisawa
隆 柳澤
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Abstract

【課題】回転軸に簡単かつ精度良く位置決め及び固定できる分割型メカニカルシール及び分割型メカニカルシールの製造方法を提供する。【解決手段】回転軸10を軸封する分割型メカニカルシール1であって、外周面10eに凹部10aを有する回転軸10と、周方向に分割された複数のリング片2R,2Lにより構成され、それらの内周面2sの少なくとも一部が、凹部10aに嵌入配置されるとともに、複数のリング片2R,2Lを環状に結合する結合手段6により結合され、回転軸10の周方向に相対回転不能に取り付けられたメイティングリング2とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のリング片に分割されたメイティングリングが回転軸に取り付けられた分割型メカニカルシール及び分割型メカニカルシール製造方法に関する。
メカニカルシールは、流体機器のハウジングと、ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、軸方向に移動可能に付勢されるシールリングと、軸方向への移動が阻止されたメイティングリングとの摺接により、流体機器の内部から外部又は外部から内部への流体の漏れを防ぐものである。
メカニカルシールは、(1)回転軸にスリーブを固定し、このスリーブの外径側にメイティングリングが固定されるもの(特許文献1)、(2)回転軸に固定される一対のスリーブによりシールリングを軸方向に挟持して固定するもの(特許文献1)、(3)回転軸を段差構造とし、当該段差と回転軸に固定されるスリーブによりメイティングリングを軸方向に挟持して固定するもの(特許文献2)がある。
上述したメイティングリングは円環形状であるため、回転軸に着脱する際に、流体機器を分解する必要がある。流体機器を分解せずに回転軸にメイティングリングを装着する要求もあり、シールリングを複数のリング片に分割し、これら複数のリング片を環状に配置する分割型メカニカルシールも提案されている(特許文献3)。
特開2000−257721号公報([0010]、図1) 特開昭59−200870号公報([0003]、図1) 国際公開2009/136539号([0025]、図1)
これらの分割型メカニカルシールは、組み付け作業においてメイティングリングを回転軸に対して軸方向の所定の位置に組み付ける必要があり、いずれの場合にも回転軸の外周にメイティングリングと近接してスリーブを設け、これによりメイティングリングの軸方向の位置決めと固定を行っているため、部品点数が多く、組み付け作業が煩雑であるとともに、精度良く位置決めすることが難しかった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、回転軸に簡単かつ精度良く位置決め及び固定できる分割型メカニカルシール及び分割型メカニカルシールの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の分割型メカニカルシールは、
回転軸を軸封する分割型メカニカルシールであって、
外周面に凹部を有する回転軸と、
周方向に分割された複数のリング片により構成され、それらの内周面の少なくとも一部が、前記凹部に嵌入配置されるとともに、前記複数のリング片を環状に結合する結合手段により結合され、前記回転軸の周方向に相対回転不能に取り付けられたメイティングリングと、を備えたことを特徴としている。
この特徴によれば、メイティングリングは、複数に分割されたリング片が回転軸の凹部に嵌入配置された状態で結合手段により環状に結合されることで、回転軸の凹部がメイティングリングの位置決めとして作用するため、複数部品の組み合わせによる公差の累積がなく、回転軸にメイティングリングを簡単かつ精度良く位置決め、固定できる。
前記凹部は、前記回転軸に設けられた環状の周方向溝であることを特徴としている。
この特徴によれば、回転軸の周方向溝の側壁が、均一にメイティングリングの軸方向の荷重受けとして作用するため、メイティングリングの軸方向の姿勢を安定させることができる。
前記メイティングリングは、その内周面の径方向の位置を、前記回転軸の外周面と前記凹部の底面との間に位置した状態で、前記回転軸に取り付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、メイティングリングの内周面が回転軸の凹部の底面と接触していないため、分割されたリング片同士の接合部に隙間が発生することがなく、密封性を確保することができる。
前記メイティングリングは、その外径側に機器内及び機器外よりも高圧の流体が存在していることを特徴としている。
この特徴によれば、高圧の流体がメイティングリングを軸方向中心に向けて加圧するため、結合手段の結合力が弱くとも、確実にリング片同士の結合状態を維持することができる。
前記複数のリング片は一体のリング状部材が割られたものであることを特徴としている。
この特徴によれば、一体のリング状部材が割られたリング片を用いているため、リング片同士を結合手段により結合した際に、分割面同士が隙間なく接合し、高い精度で結合することができる。
前記複数のリング片は、前記一体のリング状部材が半割されたものであることを特徴としている。
この特徴によれば、2つのリング状部材によりメイティングリングが構成されるため、リング片の取り扱いが容易である。
前記凹部にOリングを介して前記リング片の一部が嵌入されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転軸の周方向に均一に密封する二次シールを得ることが容易である。
前記結合手段は、前記複数のリング片を外周から緊締することを特徴としている。
この特徴によれば、複数のリング片を、周方向に均しくかつ精度良く結合することができる。
前記複数のリング片は、その外周に前記結合手段が配置される外周溝を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、結合手段により複数のリング片を結合する際に、外周溝に結合手段がガイドされ、リング片の軸方向への移動を規制するため、リング片の結合における作業性が良い。
前記課題を解決するために、本発明の分割型メカニカルシール製造方法は、
回転軸を軸封する分割型メカニカルシールの製造方法であって、
回転軸の外周に凹部を形成する凹部形成工程と、
リング状部材を一体に成形する成形工程と、
前記リング状部材を複数のリング片に分割する分割工程と、
前記複数のリング片の少なくとも一部を、前記回転軸の凹部に嵌入配置する配置工程と、
前記複数のリング片を結合手段により周方向に結合し、メイティングリングとする結合工程と、を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、メイティングリングは、複数に分割されたリング片が回転軸の凹部に嵌入配置された状態で結合手段により環状に結合されることで、回転軸の凹部がメイティングリングの位置決めとして作用するため、複数部品の組み合わせによる公差の累積がなく、回転軸にメイティングリングを簡単かつ精度良く位置決め、固定できる。
前記リング状部材は、脆性材であり、前記分割工程は、前記リング状部材が外力により割られることを特徴としている。
この特徴によれば、分割工程において、リング状部材が脆性材であるため、リング状部材を破砕することなく分割することができる。
前記分割工程は、メイティングリングの内周に複数設けられたスリットに引張力を加えて行われることを特徴としている。
この特徴によれば、スリットに発生する応力集中により、リング状部材が破砕することなく分割することができるため、複数のリング片を得ることが容易である。
前記配置工程は、前記回転軸の凹部にOリングを介して前記複数のリング片が配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、Oリングが二次シールとして作用するため、回転軸とメイティングリングの密封性を確保することができる。
前記Oリングは、切断された端部同士が接合されたものであることを特徴としている。
この特徴によれば機械を分解せずに配置工程を行うことができる。
前記複数のリング片の分割面と、前記Oリングの切断面は、周方向の位相を違えて配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、複数のリング片の分割面から流出した流体が、Oリングにより確実に密封されるため、メイティングリングの密封性を確保することができる。
実施例1における本発明に係る分割型メカニカルシールの正面断面図であり、軸を基準に上半分と下半分は異なる角度の切断面により切断された断面図である。 実施例1における回転環の(a)側面図、(b)正面断面図である。 実施例1における要部の斜視図であり、(a)配置工程、(b)結合工程である。 回転軸に分割リング片を結合手段により結合した状態を示す部分断面図である。 実施例2における本発明の分割型メカニカルシールの正面断面図である。 実施例2における回転環の(a)側面図、(b)正面断面図である。 実施例2における静止環の正面断面図である。
本発明に係る流体回路を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る分割型メカニカルシール及びその製造方法について、図1から図4を参照して説明する。なお、以下の説明において回転軸の径方向を分割型メカニカルシールの径方向、回転軸の軸方向を分割型メカニカルシールの軸方向と定義する。
図1に示されるように、本発明に係る分割型メカニカルシール1は、回転環(メイティングリング)2の軸方向両端面が摺動面として作用するダブルメカニカルシールであり、回転環2と、回転環2の軸方向両端面にそれぞれ摺接される静止環(シールリング)3を備えており、これらの静止環3は、マルチスプリング4により軸方向に付勢されてケーシング5にガイドされており、回転環2への軸方向の当たり量を自動で調整できる構造となっている。
次に、分割型メカニカルシール1の使用状態における各部の圧力は、使用される攪拌機等の機器の機内へとつながる空間の圧力P1、エクスターナル流体が注入された空間の圧力P2、機器外部の大気圧力P3のうち、圧力P2が最も高くなるように設定されている。
次に、回転環2は回転軸10の外周に設けられた凹部である周方向溝10aに嵌入配置されており、回転環2と周方向溝10aとの間には、二次シールとしてのOリング8Aが配置されている。また、回転環2の軸方向の寸法は、周方向溝10aよりも僅かに大きく形成されている(図4参照)。
また、回転環2はその外周に設けられた外周溝2aに、緩衝材としてのゴムリング20を介して結合手段であるリテイニングバンド6が配置されており、このリテイニングバンド6の緊締力により、回転環2を構成するリング片である分割リング片2R,2Lが周方向に固定された状態で配置されている。ここで、ゴムリング20は弾性を有しており、リテイニングバンド6の緊締力による周方向への変形による伸長を考慮し、一部切断されている。なお、分割リング片2R,2Lがリテイニングバンド6により結合されたものを回転環2と呼び、分割リング片2R,2Lに割る前の一体のリング状のものを後述する回転環部材2αと呼ぶ。
次に、図2(a)に示されるように、回転環2は、周方向に180°等配で貫通孔2cを2つ有しており、これらの貫通孔2cが、回転軸10の周方向溝10aの底部の軸方向中央に設けられた位置決め穴10b(図3(a)参照)に挿入されるノックピン9と同じ位相で配置されるため、ノックピン9が貫通孔2cに嵌入されることにより、回転環2は回転軸10と周方向に相対回転不能に位置決めされているとともに、回転軸10の回転トルクが回転環2に伝達されている。
また、回転軸10の回転トルクは、Oリング8Aの摩擦抵抗によっても回転環2に伝達されている。なお、貫通孔2cは回転環2の内周側にノックピン9が嵌入できる空間があれば、外周側まで貫通していなくてもよい。更になお、回転軸10のトルク伝達としてはOリング8Aのみでもよく、ノックピン9はなくてもよい。
次に、回転環2はSiCを材質とし、回転環部材2α(図2(b)参照)として一体のリング状に形成され、内周面に2つ設けられたスリット2eを起点とする分割面2dにより、分割リング片2R,2Lとして2つに分割された後にリテイニングバンド6により結合されている。回転環2の材質としてはSiCを採用することで、軽量化が図れるため、高速回転時に発生する遠心力を軽減できるが、材質としてはこれに限定されることはなく、カーボンや超硬合金といった摺動部材として一般的に要求される機械的強度、自己潤滑性、耐摩耗性が高いものが好ましく、自割りにより分割されることを考慮すると、更に脆性を備えた材質がより好ましい。
また、図2(b)に示されるように、回転環2の内周面2sには軸方向に併設された2条の内周溝2bを備えており、これらの内周溝2bには2本のOリング8Aがそれぞれ収納され、各内周溝2bの両縁には面取り2fがそれぞれ設けられている。この面取り2fの大きさはOリングのはみ出しや密封性に影響を与えない範囲で任意に設定可能であるが、1.3mmから1.5mmであることが好ましい。この面取り2fが案内ガイドとなって、回転軸10の外周で分割リング片2R,2Lを結合する際に、Oリング8Aを容易かつ確実に内周溝2bに収納することができる。また、前述のスリット2eの深さについては、内周溝2bよりも浅いことが好ましい。スリット2eを経由して流体がOリング8Aの外径側から漏出するのを防ぐためである。
次に、図4に示されるように、回転軸10はステンレス等の鋼材で成形されており、その一部に凹部としての周方向溝10aが形成されている。周方向溝10aは、軸と略平行の溝底10cと、溝底10cの端部から径方向に立設された側壁10dとにより断面コ字状に構成されており、溝底10cの略中央には位置決め穴10bが180°等配で設けられている。(図3(a)参照)。また、回転軸10はその外周に外周面10eを備えている。
次に、分割型メカニカルシール1の製造方法について説明する。
図3(a)に示されるように、回転軸10の外周に凹部としての周方向溝10aを形成し、その溝底10cに180°等配で位置決め穴10bを形成する(凹部形成工程)。
次に、SiCを焼結して回転環部材2αを成形し(成形工程)、その後に回転環部材2αの内周面2sに設けられたスリット2eに楔を打つ等の作業により引張力を与え、2つの分割リング片2R,2Lに分割する(分割工程)。
ここで、回転環部材2αに予めスリット2eを設けているため、スリット2eで応力集中が起こるため、回転環部材2αが細かい破片に破砕することなく、きれいな分割面2dを有する分割リング片2R,2Lを得ることができる。回転環部材2αが脆性を有していることが、きれいな分割面2dを有する分割リング片2R,2Lを得ることに寄与している。このように分割リング片2R,2Lがきれいな分割面2dを得られることで、再度分割リング片2R,2Lを結合した際の密封性を確保できる構造となっている。なお、図2及び図3については、分割面2dの状態を、説明の便宜上実際よりも粗い面で示している。
次に、分割した回転環部材2αより得られた分割リング片2R,2Lの内周を回転軸10の周方向溝10aに嵌入配置する(配置工程)。回転環2を構成する分割リング片2R,2Lを配置する位置としては、周方向溝10aに設けられた位置決め穴10bと回転環2の分割リング片2R,2Lが有する貫通孔2cが同じ位相となるように配置する。ノックピン9を挿入するためである。
この時、Oリング8Aを予め切断して回転軸10の溝底10Cに配置した後に接合しておき、分割リング片2R,2Lの内周面に設けられた内周溝2bに収容する。ここで、Oリング8Aを切断し、配置した後に接合することで、回転軸10の周辺の部品を分解せずともOリング8Aを回転軸10の溝底10cに配置することができる。更に、切断されたOリング8Aの切断部と回転環2の分割面2dは周方向に異なる位相であることが好ましい。Oリングの分割部と回転環2の分割面2dが周方向に同じ位相となると、Oリング8Aの接合部の密封性は他の部分に比べて劣ることもあるため、分割面が重なる部分の密封性が確保しづらくなるからである(図3(b)参照)。
次に、図3(b)に示されるように、ノックピン9により回転軸10の周方向に回転環2を回転不能に位置決めし、回転環2の外周に設けられた外周溝2aに緩衝材としてのゴムリング20を配置した後に、その外周にリテイニングバンド6のバンド6bを配置し、固定具6aにより緊締することで結合する(結合工程)。なお、本実施例ではリテイニングバンド6の固定具6aの箇所として、180°等配の2カ所としているが、これは高速回転時に回転環2の荷重が不均衡になることを防ぐためである。
次に、この状態における回転軸10の周方向溝10aと、回転環2の位置関係について詳述する。図4に示されるように、回転環2の内周面2sの径方向の位置は、周方向溝10aの溝底10cと回転軸10の外周面10eの間に位置するように取り付けられている。すなわち、分割リング片2R,2Lをリテイニングバンド6により結合した状態(言い換えると、回転環部材2αと同じ外形の状態)において、回転軸10の軸心から溝底10cへの距離Rc、軸心から回転環2の内周面10sまでの距離Rs、軸心から回転軸10の外周面10eまでの距離Reの関係式として、Rc<Rs<Reを満足するように構成されている。この構成とすることで、分割リング片2R,2Lをリテイニングバンド6によって緊締しても、内周面2sと溝底10cが干渉することがなく、分割リング片2R,2Lの分割面2d間を密に接合することができ、回転環2の密封性、特に分割面2dの接合部の密封性を確保することができる。更に、回転環2は機器内部又は機器外部から受ける軸方向荷重を回転軸10の側壁10dにより受けることができる。
次に、回転環2の左右両側に静止環3を配置し、マルチスプリング4を介してケーシング5に連結する。このとき、静止環3とケーシング5の間には二次シールとしてのOリング8Bを介設する。その後、ケーシング5と機器のハウジング7を、Oリング8Cを介して固定することで組付作業は終了となる。
また、分割型メカニカルシール1では、回転環2が分割構造となっており、回転軸10に設けられた周方向溝10aに嵌入配置されているため、回転軸10に対する取付位置が、周方向溝10aにより決まるため、回転軸10に回転環2を簡単かつ精度良く位置決め、固定できる。
また、回転環2の軸方向の端面が、回転軸10の周方向溝10aの側壁10dと軸方向に近接しているため、回転環2が受ける機内圧によるスラスト荷重を周方向溝10aの側壁10dにより受けることができ、回転環2の外周を周方向に均しく緊締するリテイニングバンド6のみにより固定でき、精度良く固定できるとともに、固定作業が容易となっている。
また、回転環2の外周領域の圧力P2は、エクスターナル流体が流入され、最も高い圧力になっているため、この流体の圧力P2が回転環2の分割リング片2R,2Lを結合する方向に作用するため、リテイニングバンド6の緊締力はそれほど大きくなくても充分に回転環2の結合状態を維持することができ、これにより結合する際の回転環2に過大な外力が作用しないので、シール端面の平面度が維持され、密封性への影響を少なくすることができる。
また、回転環2が回転軸10の周方向溝10aに嵌入させていることで、回転環2と静止環3の摺動面を径方向内側に設けることが可能となっており、これにより摺動負荷を小さくすることが可能となっている。
また、回転環2が分割リング片2R,2Lにより構成されているため、組み付け作業において機器を分解することなく作業を行うことができるため、メンテナンス性が向上されている。
また、回転環2は、回転軸10との間にOリング8Aが配置されているため、このOリング8Aが二次シールとして機能し、回転環2と回転軸10の間の流体を密封することができる。ここで、シール部材としてOリングを採用することで、部品の入手が容易である他、回転軸10の周方向に均一に密封することができる。また、Oリングが軸方向に2つ配置されていることで、回転環2の取付けの際の芯出しができるとともに回転環2の回り止めとして作用するため、確実に回転環2のスリップを防止できる。
また、分割型メカニカルシールでは、回転環2の周辺にスリーブ等の固定部材が不要となるため、メカニカルシールの周方向の外形を小さくすることができ、軽量化、低コスト化ができるとともに、スリーブが不要となっていることで、バランス径Db(図1参照)を小さくすることができるため、摺動面で発生する軸スラスト荷重を小さくすることができ、機器のベアリングへの負荷を低減することができる。
また、回転環2を一度リング状に成形した後に、外力を加えて分割しているため、組み合わせた状態において、分割面が互いにかみ合い、摺動面に段差が生じにくいために密封性に悪影響を与えないとともに、複数の分割リング片2R,2Lを別部品としてそれぞれ成形して組み合わせる場合に発生する部品公差の累積による寸法の誤差が生じ得ない。
また、分割リング片2R,2Lの外周に設けられた外周溝2aにリテイニングバンド6が配置されているため、分割リング片2R,2Lの軸方向への移動を規制するとともに、リテイニングバンド6の軸方向への移動が規制されており、結合作業における作業性が良い。
また、回転軸10の位置決め穴10bと回転環2の貫通孔2cとに挿入されるノックピン9により、軸の回転を確実に回転環2に伝達することができるため、摺動トルクが大きくなるようなメカニカルシールにおいても適用することができる。
実施例2に係る分割型メカニカルシール及びその製造方法について、図5から図7を参照して説明する。なお、実施例1と同一の構成については説明を省略する。
図5に示されるように、実施例2に係る分割型メカニカルシール11は、回転環12の軸方向両端面が摺動面として作用するダブルメカニカルシールであり、回転環2と、回転環2の軸方向両端面に摺接された静止環13を備えている。なお、分割型メカニカルシール11が使用される環境の圧力状態については、実施例1と同様であり、その説明を省略する。
次に、実施例2に係る分割型メカニカルシールは、回転環12、静止環13及びケーシング15といった回転軸10の周方向に配置される主要部品が全て分割構造になっており、回転環12はリテイニングバンド16Aにより、静止環13はリテイニングバンド16Bにより、ケーシング15はリテイニングバンド16Cによりそれぞれ外周から周方向に緊締されることで固定されている。
また、図6(a)及び図6(b)に示されるように、回転環12の摺動面にあたる左右両側の端面には動圧発生溝12gが形成されている。この動圧発生溝12gは、回転環12の回転時において、周辺の流体が溝の内部に流れ込む際の圧力変化を利用し、正圧及び負圧を発生させる事で流体の密封性を高めたり、流体を排出することで異物を除去したりする効果を奏するものであり、いずれの回転方向にも対応できるようにそれぞれ左右対称の溝が所定角度毎に周方向に等配されている。なお、外周溝12a、内周溝12b、分割面12d、スリット12e、面取り12f、内周面12sについては実施例1と同一の構成のため、その説明を省略する。
次に、図7に示される通り、静止環13は、成形後に2分割される分割リング片2R,2Lにより構成され、それぞれ回転環12の左右に配置される。
また、静止環13の摺動面側に回転環12の動圧発生溝12gと接触しない深さで、摺動面13pから離れる方向に漸次浅くなるスリット13sを備えている。これは、静止環13を分割する際に、スリット13sで応力集中を促し、細かな破片に破砕することなく、きれいな分割面を得ながら分割するためである。
また、静止環13は、回転環12と軸方向の反対側に、薄肉部13aを有している。この薄肉部13aは、バランス径Dbを可能な限り小さくするために、Oリング18B,18Bの接触部である薄肉部13aの先端近傍の上部を、可能な限り回転軸10に径方向に近づけるためである(図5参照)。これにより、摺動面で発生する軸スラスト荷重を小さくし、回転機のベアリングへの負荷を低減することができる。
次に、分割型メカニカルシール11の製造方法について説明する。
回転軸10への回転環12の組み立てについては、実施例1と同様である。その後、図3に示されるように、静止環13を構成する分割リング片2R,2Lを回転環12の左右に配置し、リテイニングバンド16Bにより緊締力を与えて結合する。
ここで、静止環13は回転しないため、回転環12のように高速回転中の荷重バランスを考慮する必要はないため、リテイニングバンド16Bの固定具は1か所となっている。
また、静止環13は緩衝材としてのゴムリング20を介してリテイニングバンド16Bに緊締されており、緊締した際の変形による伸長を考慮し、ゴムリング20は1か所切断された状態で配置されている。
次に、ケーシング15を配置し、ケーシング15と静止環13をマルチスプリング14により結合する。なお、ケーシング15は分割された構造となっているため、リテイニングバンド16Cにより緊締されて固定されている。
また、ケーシング周辺の密封性を確保するために、静止環13とケーシング15の間には二次シールとしてのOリング18Bが介設されており、機械のハウジング17とケーシング15間には同じく二次シールとしてのOリング18Cが介設されている。更に、ガスケット19がOリング18BとOリング18Cを繋ぐように密接して、ケーシング15の分割面に配置されており、軸方向の位置として、ケーシング15の静止環13側の端面から数mm外側に設けられている。
実施例2における分割型メカニカルシール11は、回転環12、静止環13及びケーシング15がそれぞれ分割構造となっているため、既存の機械に組み付ける際に、分解せずともシール交換が容易にできるので、メンテナンスコストが大幅に削減することができる。さらに、シールの両側にシールよりも大径の部分があっても装着可能である。
また、静止環13は、カーボンなどの自己潤滑性を有する脆性材料で成形されているので、2つ割しやすく成形されている。自己潤滑性の良い材料は万一接触した場合の燃焼を最小限に抑える効果が期待できる。材質としてはカーボンに限らず、セラミックスや超硬合金を採用することができる。
また、ガスケット19が、ケーシング15の静止環13側の端面から数mm外側に、Oリング18BとOリング18Cの間に密接して設けられていることで、ケーシング15の分割面の密封箇所は、ガスケット19までの部分となり、静止環13の分割面の密封性を確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
上述の実施例では、分割される部品はいずれも周方向に2分割となっていたが、分割数としては3分割以上であってもよい。
また、回転軸10に設けられる凹部は、周方向溝10aのように周方向に一様に設けられる態様に限られず、部分的に凹部を形成しているようなものであってもよい。
なお、上記実施例においては、静止環が回転環の軸方向の両端に摺接しているダブルシールの構成について説明したが、上記態様に限られず、回転環の片側のみに摺動面を有していても良い。ただし、回転軸の凹部に回転環が嵌入しており、軸方向両側に位置決めされているため、小型化しやすく、組立性も良く、ダブルシールにおいての適用が特に好ましい。
1、11 分割型メカニカルシール
2、12 回転環(メイティングリング)
2α、12α 回転環部材(リング状部材)
2R、2L 分割リング片(リング片)
12R、12L 分割リング片(リング片)
2a、12a 外周溝
2d、12d 分割面
2e、12e スリット
2s、12s 内周面
3、13 静止環(シールリング)
6、16 リテイニングバンド(結合手段)
8、18 Oリング
10 回転軸
10a 周方向溝(凹部)
10c 溝底
10e 外周面

Claims (15)

  1. 回転軸を軸封する分割型メカニカルシールであって、
    外周面に凹部を有する回転軸と、
    周方向に分割された複数のリング片により構成され、それらの内周面の少なくとも一部が、前記凹部に嵌入配置されるとともに、前記複数のリング片を環状に結合する結合手段により結合され、前記回転軸の周方向に相対回転不能に取り付けられたメイティングリングと、を備えたことを特徴とする分割型メカニカルシール。
  2. 前記凹部は、前記回転軸に設けられた環状の周方向溝であることを特徴とする請求抗項1に記載の分割型メカニカルシール。
  3. 前記メイティングリングは、その内周面の径方向の位置を、前記回転軸の外周面と前記凹部の底面との間に位置した状態で、前記回転軸に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の分割型メカニカルシール。
  4. 前記メイティングリングは、その外径側に機器内及び機器外よりも高圧の流体が存在していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
  5. 前記複数のリング片は一体のリング状部材が割られたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
  6. 前記複数のリング片は、前記一体のリング状部材が半割されたものであることを特徴とする請求項5に記載の分割型メカニカルシール。
  7. 前記凹部にOリングを介して前記リング片の一部が嵌入されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
  8. 前記結合手段は、前記複数のリング片を外周から緊締することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
  9. 前記複数のリング片は、その外周に前記結合手段が配置される外周溝を有していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
  10. 回転軸を軸封する分割型メカニカルシールの製造方法であって、
    回転軸の外周に凹部を形成する凹部形成工程と、
    リング状部材を一体に成形する成形工程と、
    前記リング状部材を複数のリング片に分割する分割工程と、
    前記複数のリング片の少なくとも一部を、前記回転軸の凹部に嵌入配置する配置工程と、
    前記複数のリング片を結合手段により周方向に結合し、メイティングリングとする結合工程と、を有していることを特徴とする分割型メカニカルシールの製造方法。
  11. 前記リング状部材は、脆性材であり、前記分割工程は、前記リング状部材が外力により割られることを特徴する請求項10に記載の分割型メカニカルシールの製造方法。
  12. 前記分割工程は、メイティングリングの内周に複数設けられたスリットに引張力を加えて行われることを特徴とする請求項10又は11に記載の分割型メカニカルシールの製造方法。
  13. 前記配置工程は、前記回転軸の凹部にOリングを介して前記複数のリング片が配置されることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の分割型メカニカルシールの製造方法。
  14. 前記Oリングは、切断された端部同士が接合されたものであることを特徴とする請求項13に記載の分割型メカニカルシールの製造方法。
  15. 前記複数のリング片の分割面と、前記Oリングの切断面は、周方向の位相を違えて配置されることを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の分割型メカニカルシールの製造方法。
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