JP7234073B2 - ダブル型メカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の軸周を密封する軸封技術に関し、特に、背面合わせで配設された一対の密封環に、軸方向両側に配設された他の密封環が相対摺動するダブル型メカニカルシールに関する。
ダブル型メカニカルシールは、例えば、ハウジングを貫通する回転軸と供回りする一対の回転密封環を背面合わせで配設し、機内側の静止密封環と、機外側の静止密封環とで挟持するように配設し、お互いの摺動面を摺動させることで、ハウジングと回転軸との間の軸封部をシールするものである。また、ハウジングと軸封部との間に形成される空間に液体例えば冷却液を導入し回転密封環と静止密封環との摺動により発生する摺動面の熱を冷却している。
特許文献1に示されるダブル型メカニカルシールは、回転軸にセットスクリュを圧接させて固定されるカラーと、カラーに取り付けられスプリングの押圧力を受ける一対のコンプレッションリングと、該コンプレッションリングを介しスプリングの押圧力を受ける一対の回転密封環と、がカラーを中心に軸方向に視略左右対称に取り付けられている。また、回転機器のハウジングの機内側と機外側に静止密封環が互いに対向するようにそれぞれ配設され、回転密封環と相対摺動するようになっている。
特開2019-39417号公報(第6頁、第1図)
しかしながら、特許文献1にあっては、カラーの両側に該カラーよりも軸方向に延出する断面視略L字状のコンプレッションリングの一端が内嵌されており、該コンプレッションリングの両側に該コンプレッションリングよりも軸方向に延出する断面視略矩形状の回転密封環が内嵌されていることから、カラー、コンプレッションリング、回転密封環により構成される構造が軸方向に長寸になり、ダブル型メカニカルシールが大型化してしまう問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、コンパクトなダブル型メカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
ハウジングと該ハウジングの内周に挿通された回転軸の間にスプリングの付勢力を受ける密封環がカラーの両側に配置されているダブル型メカニカルシールであって、
前記カラーは、軸方向に延びる延出部が周方向に複数配設されており、
前記密封環は、径方向に延びる凸部が周方向に複数配設されており、
前記延出部の間に前記凸部が遊嵌されて、前記カラーに前記密封環が回り止めされている。
これによれば、カラーと密封環が協働して密封環の回動を規制するので、カラーと密封環との間に介在部材を要せず、軸方向にコンパクトなダブル型メカニカルシールを提供できる。
好適には、前記密封環は、径方向一方側には摺動面が配設され、径方向他方側には前記凸部が配設されている。
これによれば、密封環の径方向一方側と径方向他方側に摺動面と凸部とがそれぞれ分かれて配設されているので、それぞれの機能を妨げることがなく、また、軸方向にコンパクトな密封環を構成できる。
好適には、前記延出部と前記凸部との周方向における対向部は、それぞれ径方向に延び周方向を向く対向面が形成されている。
これによれば、対向面が均一な面圧で当接するので回転時のトルク伝達効率が良い。
好適には、前記延出部には、軸方向両端部に周方向に延びる溝が形成されており、前記溝に環状の規制部材が嵌入されている。
これによれば、密封環が環状の規制部材により抜け止めされるので、自然状態時やダブルメカニカルシールの組立時に密封環がカラーからの脱落することを防止できる。また、片持ち状の延出部の溝に環状の規制部材が嵌入されるので、周方向に複数配設される延出部が径方向に変形しにくくなっている。
好適には、前記凸部と前記規制部材とが軸方向に対向する箇所には、前記スプリングの押圧方向と直交する平坦面がそれぞれ形成されている。
これによれば、凸部と規制部材とが当接する態様にあっては、カラーに配設された規制部材の平坦面と、凸部の平坦面とが均一な面圧で当接されるので、密封環に破損や偏圧による傾きが生じにくい。
好適には、前記カラーの両側に配置されている前記密封環と摺動する少なくとも一方の密封環は、該密封環の周方向に形成された回り止め部により、供回りが規制されている。
これによれば、密封環の回り止め部が周方向に形成されているので、密封環を軸方向にコンパクト化できる。
好適には、前記カラーの両側に配置されている前記密封環と摺動する少なくとも一方の密封環と前記ハウジングと間に二次シールが設けられている。
これによれば、ダブル型メカニカルシールの機器への組み付け時や使用中の摺動時に軸方向への過大な力がかかっても、二次シールが衝撃を緩和させることから、密封環が損傷し難い。
好適には、前記延出部は周方向に等配されている。
これによれば、カラーにかかる密封環からの回転力は略均等に分散されることから、カラーは密封環を安定して回り止めすることができる。
本発明の実施例1におけるダブル型メカニカルシールの一例を示す断面図である。 図1の一部を拡大して示す断面図である。 実施例1におけるカラーを示す正面図である。 実施例1における回転密封環を示す正面図である。 実施例1におけるカラー、回転密封環、スナップリングの分解斜視図である。 実施例1におけるカラー、回転密封環、スナップリングを組み上げたユニット体を示す側断面図である。 実施例1におけるダブル型メカニカルシールを機器に組み付ける態様を示す図であって、(a)は機内側の静止側要素にユニット体を近接させる態様を示す図、(b)は規定位置までユニット体を軸方向に移動させた態様を示す図、(c)は大気側の静止側要素を組み付けた態様を示す図である。
本発明に係る摺動部品を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係るダブル型メカニカルシールにつき、図1から図5を参照して説明する。以下、図1の紙面右側を大気領域である低圧側L、紙面左側を機内側であり被密封流体が軸封されている高圧側Hとして説明する。
図1に示されるように、本実施例のダブル型メカニカルシール1は、ポンプやコンプレッサ等の回転機械のハウジング6に固定される静止密封環8,8’と、回転軸2とともに回転するカラー4に配設されたコイルスプリング9により付勢される回転密封環5,5’と、を備えた回転形のメカニカルシールである。
メカニカルシール1は、回転軸2にセットスクリュ19を螺合させることで回転軸2と供回りする円環状のカラー4と、該カラー4に背面同士で近接して配設されている回転密封環5,5’と、カラー4に配設され各回転密封環5,5’をそれぞれの背面側から押圧する複数のコイルスプリング9と、を主に備える回転側要素R(図2参照。)と、回転機器のハウジング6,6’にガスケット17,17’を介して配設されるリテーナ7,7’と、該リテーナ7,7’に内嵌し回転密封環5,5’と相対摺動される静止密封環8,8’と、を主に備える静止側要素S(図2参照)と、から構成されているダブル型のメカニカルシールであり、カラー4を中心に略左右対称になっている。
回転密封環5の摺動面5aと静止密封環8の摺動面8aが互いに密接摺動されることで、高圧側Hの被密封流体を軸封できるようになっている。また、回転密封環5’の摺動面5a’と静止密封環8’の摺動面8a’が互いに密接摺動されることで、ハウジング6、6’とカラー4と回転密封環5,5’と静止密封環8,8’とリテーナ7とにより形成される空間Zには、ハウジング6の図示しない流入口から例えばバリア液やフラッシング液等を供給できるようになっている。
回転密封環5,5’および静止密封環8,8’は、代表的にはSiC同士またはSiCとカーボンの組み合わせで形成されるが、これに限らず、摺動材料はメカニカルシール用摺動材料として使用されているものであれば適用可能である。尚、SiCとしては、ボロン、アルミニウム、カーボン等を焼結助剤とした焼結体をはじめ、成分、組成の異なる2種類以上の相からなる材料、例えば、黒鉛粒子の分散したSiC、SiCとSiからなる反応焼結SiC、SiC-TiC、SiC-TiN等があり、カーボンとしては、炭素質と黒鉛質の混合したカーボンをはじめ、樹脂成形カーボン、焼結カーボン等が利用できる。また、上記摺動材料以外では、金属材料、樹脂材料、表面改質材料、複合材料等も適用可能である。
図2を用いて、静止側要素Sと回転側要素Rとを詳しく説明する。尚、上述したように本実施例のメカニカルシール1は、カラー4を中心に略左右対称に配設されていることから、機内側の静止側要素Sと回転側要素Rのみ説明する。
先ず静止側要素Sについて説明する。リテーナ7は、主にチタン材から円環状に形成されており、リテーナ7の背面には外周側に開放された段部7bが全周に亘り形成されている。段部7bには、断熱性及びグリップ性に富むフッ素ゴム製の二次シールとしてのガスケット17が嵌合されており、リテーナ7はハウジング6の垂直面6aにガスケット17を介して後述するコイルスプリング9の付勢力を間接的に受け軸方向に押圧されている。
また、リテーナ7の外周面には、径方向に延びるように穿設された図示しない穴にノックピン27が径方向から嵌合固定されている。ノックピン27の突出部がハウジング6に形成されている径方向に凹む溝部60に当接することで、リテーナ7はハウジング6に回り止めされている。
また、リテーナ7と静止密封環8とは、焼嵌めにより嵌合固定されている。
次いで回転側要素Rについて説明する。図2、3に示されるように、カラー4は、ステンレス材から形成されており、円環状に形成された基体部14と、基体部14の外周端部から軸方向に延出する複数の延出部である延出片24とから主に構成されている。基体部14は、セットスクリュ19が挿通される径方向に延びる貫通孔4aと、コイルスプリング9が挿通される軸方向に延びる貫通孔4bと、が複数形成されている。尚、本実施例においては、径方向の貫通孔4aは基体部14に6カ所等配されており、軸方向の貫通孔4bは基体部14に18カ所等配されているがこれらの数や配置位置は問わないことは言うまでもない。
延出片24は、円環状の基体部14と軸方向視同じ曲率で軸方向に複数延出されており、本実施例においては、4箇所等配されている。ここで、延出片24は、軸方向視円弧状をなし基体部14から軸方向に延びる構造であるので、径方向からの力や周方向からの力に対する曲げ剛性が高くなっている。延出片24の周方向の両端面24b,24bは、両端面ともに径方向に延び周方向を向く平坦面である。なお、延出片24の数や配置位置は問わないことは言うまでもない。また、延出片24の内径側には内径側に向けて開口する溝部24aが延出片24の周方向に亘って形成されており、規制部材としての円環状のスナップリング29が溝部24aに嵌合できるようになっている。
図2、4に示されるように回転密封環5は、スリーブ3の外径と略同一または僅かに大径の内周面5cが形成され環状に形成されている。回転密封環5は、周面25よりも径方向に突出する複数の凸部15が形成されており、本実施例においては周方向に4箇所等配されている。なお、凸部15の数や配置位置は問わないことは言うまでもない。また、凸部15の周方向の両端面15a,15aは、両端面ともに径方向に延び周方向を向く平坦面である。また、回転密封環5の内周面5cには、内径側に開口する開口部5dが形成されており、開口部5d内には円環状のOリング50が配設可能となっている。
図4に示されるように、回転密封環5の内径側には軸に直交する摺動面5aが形成されており、摺動面5aは対向して配置される静止密封環8の摺動面8aと相対摺動する。また、回転密封環5の外径側には複数の凸部15が形成されており外嵌されるカラー4の延出片24に当接し、回転密封環5はカラー4に回り止めされるようになっている。凸部15は回転密封環5の外径側に配置され外径側に延びる構造であるから、軸方向に延出する部位が不要であって、回転密封環5の体積を小さくできる。
図2に示されるように回転密封環5の凸部15の外周面と延出片24の外周面とは、略同じ曲率の円弧状に形成されており、回転密封環5の周面25と延出片24の内周面とは、略同じ曲率の円弧状に形成されている。回転密封環5は、カラー4に配設されているコイルスプリング9の押圧力を回転密封環5の背面5bが受けることにより、静止密封環8側へ付勢されるようになっている。また後述するが、コイルスプリング9は、図1下方に示されるように、カラー4に挿通されその両端部がそれぞれ回転密封環5,5’の背面5b,5b’に当接されるようになっている。
図2に示されるように回転密封環5に形成されている凸部15と、カラー4に嵌合固定されているスナップリング29とは、それぞれ平坦面15b,平坦面29aとが、いずれも径方向に延びており互いに平行な状態で配置されている。また、平坦面15bと平坦面29aとは、コイルスプリング9の押圧方向と直交している。
また、回転密封環5の備える凸部15とOリング50は、径方向視重なるように配置されているので、凸部15と静止密封環8の延出片24が接触し回り止めされる際に、回転密封環5が傾きにくくなっている。
図5を用いて、カラー4と回転密封環5,5’とを組み立てユニット体6(図6参照。)とする態様を説明する。まず、カラー4の軸方向に複数形成されているすべての貫通孔4bにコイルスプリング9,…を挿通させる(ステップ1)。
次に、回転密封環5,5’の背面5b,5b’を、対向させ、回転密封環5,5’に形成されている凸部15,15’を、カラー4の隣接する延出片24、24間に位置させ軸方向からそれぞれ近接させる(ステップ2)。
最後に、カラー4の延出片24に形成されている溝部24aにスナップリング29,29’を周方向に亘ってそれぞれ内嵌させる(ステップ3)ことで、図6に示すユニットされたユニット体Uとなる。なお、上述のステップ1~3の手順を、回転密封環5をカラー4に近接させ、スナップリング29をカラー4に取り付けた後、コイルスプリング9をカラー4に挿通し、その後、回転密封環5’をカラー4に近接させ、スナップリング29’をカラー4に取り付けるとしてもよい。
ユニット体U、回転密封環5,5’は、コイルスプリング9,…により背面側から軸方向の力を受けているものの、凸部15,15’の平坦面15b,15b’がスナップリング29,29’の平坦面29a,29a’に当接されることにより軸方向への移動が規制されている。尚、回転密封環5,5’はカラー4の基体部14とスナップリング29,29’の間において軸方向に移動可能となっている。
図6に示されるように、カラー4と、回転密封環5,5’がスナップリング29,29’により、ユニット体Uとしてユニット化されていることで持ち運びしやすくなっている。また、ユニット化されたことで回転軸2に取り付ける際も、簡便な手順で取り付けることができるようになっている。また、カラー4の延出片24の内径側における両端部にスナップリング29,29’が配設されていることにより、ユニット体Uは軸方向にコンパクトな構造となっている。
次いでダブル型メカニカルシールを回転機器に組み付ける例について説明する。図7(a)を参照し、まず、リテーナ7の段部7bにガスケット17を外嵌し、静止側要素Sを回転軸2に挿通させ、ハウジング6の垂直面6aに向けて軸方向から押し付け、静止側要素Sをハウジング6に組み付ける(ステップ10)。その後、ユニット体Uを回転軸に挿通させ、静止密封環8に近づける(ステップ11)。また、ユニット体Uの回転密封環5,5’は、コイルスプリング9により付勢されており、カラー4の基体14から回転密封環5の背面5bまでの距離Cと、基体14から回転密封環5’の背面5b‘までの距離C’は同寸となっている(距離C=距離C’)。
次に、図7(b)に示されるように、ユニット体Uのカラー4を把持しながらユニット体Uを移動させ静止密封環8に当接させ、その後さらに規定位置まで移動させてその位置でセットスクリュ19を締めカラー4を回転軸2に固定する(ステップ12)。尚、規定位置は、使用時においてコイルスプリング9から回転密封環5,5’に所定の付勢力が与えられる位置であって、例えば回転軸2の周面に周方向に記されたマーキングMと、回転密封環5’の摺動面5a’との軸方向位置を合わせることでカラー4を規定位置に位置決めできる。
このとき、回転密封環5の摺動面5aが静止密封環8の摺動面8aに当接するとともに回転密封環5はスナップリング29から離間し、カラー4の基体14と回転密封環5の背面5bが接近することとなり、カラー4の基体14から回転密封環5の背面5bまでの距離は図7(a)に示される距離Cよりも軸方向に短寸の距離Aとなる。また、距離Aは、基体14から回転密封環5’の背面5b‘までの距離C’よりも軸方向に短寸となっている(距離A<距離C’)。回転密封環5’はコイルスプリング9が当接してスナップリング29’に規制されている。このように、カラー4を把持しユニット体Uを紙面左方に押し付けても、コイルスプリング9の押圧方向と直交する平坦面15b’と平坦面29a’がそれぞれ形成されていることから、均一な面圧で当接されるので、回転密封環5’に破損や偏圧による傾きが生じにくい。
最後に、図7(c)に示されるように、回転密封環5’の摺動面に予め組み上げておいた大気側の静止側要素Sにおける静止密封環8’の摺動面8a’を当接させ、その後静止密封環8’を所定の軸方向位置まで押し込んで固定する(ステップ13)ことでダブル型メカニカルシールを回転機器に組み付けが完了する。その際、回転密封環5,5’はコイルスプリング9によりお互いの背面5b,5b’を均等に付勢力が作用することとなり、コイルスプリング9を中心に略左右対象の位置に配置されるようになっている。すなわち、組み付け状態におけるカラー4の基体14から回転密封環5の背面5bまでの距離Aと、組み付け状態における基体14から回転密封環5’の背面5b’までの距離A’とが軸方向に略同寸となり(A=A’)、また、スナップリング29の平坦面29aから回転密封環5の平坦面15bまでの距離Bと、スナップリング29’の平坦面29a’から回転密封環5’の平坦面15b’までの距離B’とが略同寸となる(B=B’)。
尚、カラー4の基体14から回転密封環5の背面5bまでの距離Aと、スナップリング29の平坦面29aから回転密封環5の平坦面15bまでの距離Bとは、経年使用による摺動面の摩耗を勘案し、距離A≧距離B/2とすることが好ましく、距離A≧距離Bとすることが更に好ましい。
このように、ハウジング6とハウジング6の内周に挿通された回転軸2の間にコイルスプリング9の付勢力を受ける密封環としての回転密封環5,5’がカラー4の両側に配置されているダブル型メカニカルシールであって、カラー4は、軸方向に延びる延出片24が周方向に複数配設されており、回転密封環5は、径方向に突出する凸部15が周方向に複数配設されており、延出片24の間に凸部15が遊嵌されて、カラー4に回転密封環5が回り止めされていることから、カラー4と回転密封環5が協働して回転密封環5の回動を規制するので、カラー4と回転密封環5との間に介在部材を要せず、軸方向にコンパクトなダブル型メカニカルシールを提供できる。
また、回転密封環5は、径方向一方側としての内径側には摺動面5aが配設され、径方向他方側としての外径側には凸部15が配設されていることから、回転密封環5の内径側と外径側に摺動面5aと凸部15とがそれぞれ分かれて配設されているので、それぞれの機能を妨げることがなく、また、軸方向にコンパクトな回転密封環5を構成できる。
また、延出片24と凸部15との周方向における対向部は、それぞれ径方向に延び周方向を向く端面24bと端面15aが形成されていることから、対向面が均一な面圧で当接するので回転時のトルク伝達効率が良い。
また、カラー4には、両端部に周方向に延びる溝部24aが形成されており、溝部24aに環状の規制部材としてのスナップリング29が嵌入されることから、回転密封環5がスナップリング29により抜け止めされるので、自然状態時やダブルメカニカルシールの組立時に回転密封環5がカラー4からの脱落することを防止できる。また、片持ち状の延出片24の溝部24aに環状のスナップリング29が嵌入されるので、周方向に複数配設される延出片24が径方向に変形しにくくなっている。
また、凸部15とスナップリング29とが対向する箇所は、コイルスプリング9の押圧方向と直交する平坦面15bと平坦面29aがそれぞれ形成されていることから、凸部15とスナップリング29とが当接する態様にあっては、カラー4に配設されたスナップリング29の平坦面29aと、凸部に形成された平坦面29aとが均一な面圧で当接されるので、回転密封環5に破損や偏圧による傾きが生じにくい。
また、カラー4の両側に配置されている回転密封環5,5’と摺動する少なくとも一方の密封環としての静止密封環8は、静止密封環8の周方向に形成された回り止め部としてのノックピン27により、供回りが規制されていることから、静止密封環8のノックピン27が周方向に形成されているので、静止密封環8を軸方向にコンパクト化できる。
また、カラー4の両側に配置されている回転密封環5,5’と摺動する少なくとも一方の密封環としての静止密封環8と、軸方向においてハウジング6と間にリテーナ7を介して二次シールとしてのガスケット17が設けられていることから、ダブル型メカニカルシール1の機器への組み付け時や使用中の摺動時に軸方向への過大な力がかかっても、ガスケット17が衝撃を緩和させることから、静止密封環8が損傷し難い。
また、カラー4の周方向に複数配設されている延出片24は、等配されていることから、カラー4にかかる回転密封環5の回転力を分散させ、カラー4は回転密封環5を回り止めすることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成は前記実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例においては、カラー4に背面合わせの回転密封環5、5’をユニット化させた回転形のダブル型メカニカルシールを例に説明したが、これに限られず、カラー4に背面合わせの静止密封環8、8’をユニット化させた固定形のダブル型メカニカルシールであってもよい。
また、コイルスプリング9は、カラー4の基体部14に形成された軸方向の貫通孔4bに挿通されその両端部がそれぞれ回転密封環の背面5b,5b’に当接されるように配設されていたが、これに限られず、軸方向の貫通孔4bが形成されていない基体部14とし、径方向の同じ位置に2本のコイルスプリングを配設し回転密封環の背面5b,5b’を押圧させることとしてもよい。
また、前記実施例においては、規制部材としてスナップリング29を例に説明したがこれに限られず、密封環の軸方向への移動を規制できれば、他の部材としてもよく、また、延出片24の内周側に一体的に形成された規制部材としてもよい。
また、カラー4の延出片24と回転密封環5の凸部は、周方向に4等配されていると説明したが、これに限られず、2等配や3等配または4等配以上としてもよい。
また、延出片24は、基体14から略左右対象に延出されていたがこれに限られず、基体14の左右で位置ずれしていてもよい。
また、延出片24は、基体14と別体であってもよい。例えば、棒状のピンを基部の貫通孔に挿通固定したものであってもよい。
また、前記実施例においては、カラー4が回転軸2に直接固定される態様を説明したが、これに限られず、回転軸2に固定されたスリーブにカラーが固定される態様であってもよい。
1 メカニカルシール
2 回転軸
4 カラー
5 回転密封環(密封環)
5a 摺動面
6 ハウジング
7 リテーナ
8 静止密封環(密封環)
8a 摺動面
9 コイルスプリング(スプリング)
15 凸部
15b 平坦面
17 ガスケット(二次シール)
19 セットスクリュ
24 延出片(延出部)
24a 溝部
24b 端面
27 ノックピン(回り止め部)
29 スナップリング(規制部材)
29a 平坦面
R 回転側要素
S 静止側要素
U ユニット体

Claims (6)

  1. ハウジングと該ハウジングの内周に挿通された回転軸の間にスプリングの付勢力を受ける密封環がカラーの両側に配置されているダブル型メカニカルシールであって、
    前記カラーは、軸方向に延びる延出部が周方向に複数配設されており、
    前記密封環は、径方向に延びる凸部が周方向に複数配設されており、
    前記延出部の間に前記凸部が遊嵌されて、前記カラーに前記密封環が回り止めされており、
    前記延出部には、軸方向両端部に周方向に延びる溝が形成されており、前記溝に環状の規制部材が嵌入されているダブル型メカニカルシール。
  2. 前記密封環は、径方向一方側には摺動面が配設され、径方向他方側には前記凸部が配設されている請求項1に記載のダブル型メカニカルシール。
  3. 前記延出部と前記凸部との周方向における対向部は、それぞれ径方向に延び周方向を向く対向面が形成されている請求項1または2に記載のダブル型メカニカルシール。
  4. 前記カラーの両側に配置されている前記密封環と摺動する少なくとも一方の密封環は、該密封環の周方向に形成された回り止め部により、供回りが規制されている請求項1ないしのいずれかに記載のダブル型メカニカルシール。
  5. 前記カラーの両側に配置されている前記密封環と摺動する少なくとも一方の密封環と前記ハウジングと間に二次シールが設けられている請求項1ないしのいずれかに記載のダブル型メカニカルシール。
  6. 前記延出部は周方向に等配されている請求項1ないしのいずれかに記載のダブル型メカニカルシール。
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